JP5730340B2 - 貯留型医薬組成物 - Google Patents

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本発明は、医薬組成物に関し、更に詳細には、軟膏製剤に好適な医薬組成物に関する。
水虫などの真菌症の治療においては、患部が損傷し、体液が滲出するなどを呈するが故に、浸出液によって有効成分が拡散せず、傷口に対しても刺激性を呈しない軟膏剤形が有用であると考えられている。軟膏剤形には、ポリエチレングリコールなどの親水性軟膏基剤やワセリンなどの疎水性軟膏基剤に薬剤を直接分散させた、薬剤分散剤形、軟膏基剤となじみの良い薬剤を溶かしこんだ薬剤溶解剤形、薬剤を溶解せしめた液滴を分散させた液滴分散剤形などが知られている。中でも、ワセリンなどの疎水性軟膏基剤に、多価アルコールなどに薬剤を溶解せしめた溶液を液滴として分散させた、疎水性液滴分散剤形はその応用範囲が広いことから、一般的に用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
この様な疎水性軟膏において、大きな課題となるのは、ローション剤やクリーム剤と使用態様を同じくさせるために、角層内の薬剤濃度をこれらの製剤と同程度に制御しなければならないことである。通常、疎水性液滴分散剤形などの疎水性軟膏基剤を用いた軟膏においては、角層内の薬物濃度が経時的に大きく振れる難点が存する。これは軟膏製剤が、疎水性の基剤中に有効成分を含有する多価アルコール液滴が分散しているため、表面近くの液滴から薬剤が移行した後は、角層内への薬剤供給が困難になることと、軟膏基剤による閉塞効果で、液滴に触れると急激に角層内薬剤濃度が高まるためであると考えられる。この為、安定した投与効果を得るためには、この様な角層内濃度の経時的変動を抑制する必要が存した。
角層内の薬剤濃度を向上させる手段としては、AZONE、プロピレングリコール等の吸収促進剤を用いる方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照)が、この様な成分においても角層内の薬剤濃度の経時的変動を抑制する効果は知られていないし、その様な事実も存しない。
一方、N−アルキル−2−ピロリドンについては、例えば、一般式(1)に表される化合物に対して立体安定化させる作用、瞬間的な皮膚上での結晶析出を抑制させる作用は知られている(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)が、角層内の薬剤濃度を経時的に安定化させる作用については全く知見が存しない。更に、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有する、疎水性軟膏基剤の軟膏において、N−アルキル−2−ピロリドンを含有する軟膏製剤についても全く知見が存しない。
Figure 0005730340
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を表す。)
特表2007−505107号公報 特表2005−528425号公報 WO2007/102242 WO2007/102243
Kaushik D,;AAPS PharmSciTech. 2010;11(3):1068-83
本発明は、この様な状況下為されたものであり、クリーム剤などの他の製剤と動態を同一にするべく、軟膏剤において、投与後の角層内薬剤濃度の変動を抑制し、角層内薬物濃度を維持する技術を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有する軟膏製剤において、投与後の角層内薬剤濃度の変動を抑制し、角層内薬物濃度を維持する技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、N−アルキル−2−ピロリドンの添加が、この様な効果を奏することを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1> 1)疎水性軟膏基剤、2)次に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩、及び3)N−アルキル−2−ピロリドンを含有することを特徴とする、医薬組成物。
Figure 0005730340
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を表す。)
<2> 前記一般式(1)に表される化合物は、ルリコナゾールであることを特徴とする、<1>に記載の医薬組成物。
<3> 前記N−アルキル−2−ピロリドンは、N−メチル−2−ピロリドンであることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の医薬組成物。
<4> 前記疎水性軟膏基剤として、ワセリンを含有することを特徴とする、<1>〜<3>の何れかに記載の医薬組成物。
<5> 更に、多価アルコールを含有することを特徴とする、<1>〜<4>の何れかに記載の医薬組成物。
<6> 前記多価アルコールはプロピレングリコールであることを特徴とする、<5>に記載の医薬組成物。
<7> 更に、非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする、<1>〜<6>の何れかに記載の医薬組成物。
<8> 前記非イオン界面活性剤は、POEソルビタン脂肪酸及び/又はPOE硬化ヒマシ油であることを特徴とする、<7>に記載の医薬組成物。
<9> 第16改正日本薬局方における油脂性軟膏に属することを特徴とする、<1>〜<8>の何れかに記載の医薬組成物。
本発明によれば、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有する軟膏製剤において、投与後長時間経過後の角層内薬剤濃度の変動を抑制し、角層内薬物濃度を維持する技術を提供することが出来る。
<1>本発明の医薬組成物の必須成分である疎水性軟膏基剤
本発明の医薬組成物は、疎水性軟膏基剤を基剤とする軟膏であることを特徴とする。ここで、疎水性軟膏基剤とは、軟膏の性状を決定する組成物群であって、水とは相溶しないものを意味し、具体的には、ワセリン、シリコーンエラストマー、モクロウ、カルナウバワックス、ミツロウ、ゲイロウ、キャンデリラワックス流動パラフィン、スクワラン、グリセリンの脂肪酸エステル、高級アルコールの脂肪酸エステル等から選ばれる1種乃至は2種以上を混合し、ペースト状に調整したものを言う。好ましい基剤としてはワセリンが挙げられる。特に好ましい基剤としてはワセリン80質量%以上に、流動パラフィン、スクワラン等の液体炭化水素、モクロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス、ミツロウ、キャンデリラワックスなどの固形脂を適宜加えて、ペースト状に調整したものである。ワセリ
ンとしては、通常のワセリンであっても、サンホワイトワセリンなどの精製ワセリンであってもよい。疎水性軟膏基剤の混合は、成分を加熱し、全成分が液体になった後に攪拌冷却して成分一様なペースト状組成物とすることが好ましい。基剤は医薬組成物全量に対して80〜98質量%であることが好ましく、85〜95質量%であることがより好ましい。
<2>本発明の医薬組成物の必須成分である一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩
本発明の医薬組成物は軟膏剤形であって、抗真菌効果を有する一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有することを特徴とする。すなわち、本発明の医薬組成物は、抗真菌医薬組成物として使用できる。一般式(1)に表される化合物としては、例えば、式中のR1が塩素原子であり、R2が水素原子であるラノコナゾール、R1とR2とがともに塩素原子であるルリコナゾールが具体的に好ましく例示でき、取り分けルリコナゾールが好ましい。かかる化合物は、例えば、特開平09−100279号公報に記載の方法によって製造することが出来る。かかる成分の好ましい含有量は、総量で、医薬組成物全量に対して0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%である。これは多すぎると本発明の医薬組成物の効果を奏しない場合が存し、少なすぎると抗真菌効果を奏しない場合が存するからである。
<3>本発明の医薬組成物の必須成分であるN−アルキル−2−ピロリドン
本発明の軟膏剤形の医薬組成物は、必須成分としてN−アルキル−2−ピロリドンを含有することを特徴とする。かかる、N−アルキル−2−ピロリドンを構成するアルキル基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示でき、メチル基とエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。かかるN−アルキル−2−ピロリドンは角層内の薬剤濃度の経時的変動を抑制し、一定の濃度を長時間維持する作用に優れる。即ち、軟膏において、抗真菌剤である、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩の角層内濃度変動の安定化剤として働く。かかる作用はアルキル基が短いほど優れており、これ故、前記の通りの順位が出来る。かかる成分がこの様な効果を奏するためには、N−アルキル−2−ピロリドンを総量で、医薬組成物全量に対して、0.1〜5質量%含有させることが好ましく、0.5〜3質量%が特に好ましい。
<4>本発明の医薬組成物の好ましい成分である多価アルコール
本発明の医薬組成物は、軟膏剤形であって多価アルコールを含有することが好ましい。かかる多価アルコールとしては、1分子内に水酸基を2個以上有するものであれば特段の限定はないが、1気圧25℃で液状のものが好ましい。具体的には、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、分子量200〜800のポリエチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリンなどが好適に例示でき、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びジグリセリンから選択される1種乃至は2種以上が特に好ましい。これらの内では、プロピレングリコールのみを含有させることが特に好ましい。かかる多価アルコールの好ましい含有量は、総量で1〜10質量%であることが好ましく、3〜8質量%であることが特に好ましい。また、好ましい形態においては、この質量は前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩の総質量に対して、400〜700%であることが好ましい。かかる成分は、後記非イオン界面活性剤とともに働いて、角層内における一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩の濃度をかさ上げする作用を有する。これは、角層内への薬物の浸透を促進するが、角層から真皮への薬剤の流出速度を速めない為と思われる。
<5>本発明の医薬組成物の好ましい成分である非イオン界面活性剤
本発明の医薬組成物は、前記の必須成分以外に、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。かかる非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンのエステルの構造を取るものが好ましく、基剤と同程度のペースト状のものが好ましい。また、HLB10以上の親水性の界面活性剤であることが好ましい。具体的にはオキシエチレンの付加モル数が14以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、オキシエチレンの付加モル数が20以上のソルビタン脂肪酸エステル等が好適に例示できる。かかる非イオン界面活性剤は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。これらの非イオン界面活性剤の好ましい含有量は、総量で医薬組成物全量に対して、1〜6質量%であることが好ましく、1.5〜3.5質量%であることが特に好ましい。また、かかる非イオン界面活性剤の含有量は、前記N−アルキル−2−ピロリドンの総量を上回ることが好ましい。この範囲において、前記多価アルコールとともに働いて、角層内の薬剤濃度のかさ上げをする作用を有する。
<6>本発明の医薬組成物
本発明の医薬組成物は、前記必須成分を含有し、通常には、1気圧25℃でペースト状であり、一相の状態を呈することを特徴とする。ここで、一相の状態とは、製剤を取り、顕微鏡下観察した場合、液滴を明瞭に観察し得ないことを意味する。本発明の医薬組成物では、前記必須成分以外に、溶剤類や、抗酸化剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤などの成分安定化の為の任意成分を含有することが出来る。好ましい形態の医薬組成物においては、抗真菌剤として、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を選択した場合、安定剤として、pH調整剤を含有することが特に好ましい。pH調整剤としては、有機酸が好ましく、より好ましくは乳酸、グリコール酸、グルコン酸などのα−ヒドロキシ酸が例示できる。中でも乳酸が特に好ましい。かかるpH調整剤は、抗真菌剤の含有量に対して1〜10質量%であることが好ましい。又、安定剤としては、抗酸化成分、キレート剤が特に好ましく例示でき、抗酸化剤としては、BHT、BHA、トコフェロール、アスコルビン酸及びその誘導体などが好適に例示でき、キレート剤としてはエデト酸、フィチン酸、ペンテト酸などが好ましく例示できる。溶剤類としては、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジカプリル等の二塩基酸ジエステル、トリアセチン、エチルグリコール等のエチレングリコールのモノアルキルエステル、クエン酸トリエチルなどのクエン酸のトリアルキルエステル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール等を挙げることができる。中でも、二塩基酸ジエステル、特に、炭酸ジエステルは、N−アルキル−2−ピロリドンの作用を助けて、医薬組成物から角層中への初期の薬剤の配向をかさ上げし、且つ、角層内濃度を維持することから好ましい。かかる二塩基酸ジエステルが、この様な効果を発揮するためには、医薬組成物全量に対して、0.1〜10質量%含有されることが好ましく、1〜5質量%含有されることが特に好ましい。
本発明の医薬組成物は、常法に従って製造することが出来る。上記必須成分及び任意成分は、市販のものを用いることができ、又は常法により合成したものを用いることができる。例えば、疎水性軟膏基剤を90〜99℃で加熱溶解する。疎水性軟膏基剤、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩以外の成分を同様に90〜99℃で加熱溶解し、これに一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を加えて溶解させた後、これを溶解した疎水性軟膏基剤に攪拌下徐々に加え、室温まで攪拌冷却し、ペースト状の医薬組成物とする様な方法で製造できる。この様に作製される本発明の医薬組成物は、第16改正日本薬局方に言う「油脂性軟膏」に分類される製剤であることが好ましい。かかる製剤は、油性基剤に有効成分を溶解又は分散させた半固形製剤を意味する。この様な製剤はクリーム製剤と異なり、水とのエマルションを形成していない。水とのエマルションを形成していないことが、角層内動態をクリーム製剤と大きく異なるものにしている。
本発明の医薬組成物は、ルリコナゾール等の一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩の特性を利用し、真菌による疾病の治療又は悪化の予防に用いることが好ましい。真菌による疾病としては、水虫のような足部白癬症、カンジダ、デンプウのような体部白癬症、爪白癬のようなハードケラチン部分の白癬症が例示でき、その角層への効果が顕著なことから、足部白癬症、カンジダ、デンプウのような体部白癬症などのソフトケラチン部分、言い換えれば角層の明確な部分の処置に用いることが特に好ましい。本発明の医薬組成物の効果は皮膚に特に好適に発現されるが、爪や角質増殖部の真菌症にも及ぶので、本発明の構成を充足する爪や角質増殖部の真菌症に対する医薬組成物も本発明の技術的範囲に属する。
その使用態様は、患者の体重、年令、性別、症状等を考慮して適宜選択できるが、通常成人の場合、ルリコナゾール等を1日当たり0.01〜1g投与するのが好ましい。また、真菌による疾病に通常使用されているルリコナゾール等の使用量を参考にすることができる。
例えば、一日に一回又は数回、疾病の箇所に適量を塗布することが例示でき、かかる処置は連日行われることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下の処方に従って、本発明の医薬組成物である軟膏を作製した。即ち、イ、ロの成分をそれぞれ95℃で攪拌溶解した。ロの成分にハの成分を加え可溶化を確認した後、攪拌下イに徐々に加え、攪拌冷却し、本発明の医薬組成物である、軟膏を得た。
Figure 0005730340
<比較例1>
以下の処方に従って、実施例1の医薬組成物の処方の一部を置き換え、比較例1を作製した。
Figure 0005730340
<角層内濃度変化>
豚の耳を用いて、角層内の抗真菌剤の濃度を測定した。即ち、直径2.5cmの円状の部
位を作製し、検体25μLを投与し、投与後0.5,1,3,6,24時間にテープストリッピングにより角層を採取し、メタノールで抽出し、高速液体クロマトグラフィータンデム型質量分析計(装置名:UPLC-MS/MSシステムACQUITY TQD;販売社名:日本ウォーター
ズ株式会社)で抗真菌剤量を定量し、皮膚単位面積(1cm2あたり)の角層内(抗真菌
剤)濃度を計測した。結果を表3に示す。N−メチル−2−ピロリドンを含有することにより、変動が小さくなり、なだらかに時間に従って低下していて、経時変化が安定化していることが判る。
実施例1の角層内における抗真菌剤の動態は比較例1に比して安定したものであり、本発明の効果が確認された。動態の安定性は、各測定時点より前の測定値と各測定時点での角層内貯留値の差の自乗に経過時間を乗た値の総和(仮に安定指数という)として表される。この値が低いほど安定性は良好といえる。下記の表の実施例1の値を例にとれば、安定指数=(1.1−1.0)2×(1−0.5)+(0.7−1.1)2×(3−1)+(0.6−0.7)2×(6−3)+(0.3−0.6)2×(24−6)=1.975
となる。同様に比較例1のこの値は1.99となり、実施例1の方が動態安定性に優れることが判る。
Figure 0005730340
<実施例2>
下記に示す処方について、実施例1と同様に処理して本発明の医薬組成物である軟膏を得た。
又、比較のためにこのもののN−メチル−2−ピロリドンをワセリンに置換した比較例2を作製した。これらの角層内のルリコナゾールを計測した結果を表5に示す。ここにおいても、N−メチル−2−ピロリドンの角層内薬剤濃度経時安定化効果が認められた。
Figure 0005730340
Figure 0005730340
本発明は軟膏として医薬に応用できる。

Claims (8)

  1. 1)医薬組成物全量に対して80〜98質量%の疎水性軟膏基剤、
    2)医薬組成物全量に対して0.1〜10質量%の次に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩
    3)医薬組成物全量に対して0.1〜5質量%のN−アルキル−2−ピロリドン、及び、
    4)医薬組成物全量に対して1〜10質量%の多価アルコール、
    を含有し、下記式にて求められる、医薬組成物を投与した角層における、前記成分2)の安定指数が0.75〜1.975であることを特徴とする、医薬組成物:
    安定指数=皮膚単位面積(1cm2あたり)の、医薬組成物投与後24時間までの、各測定時点の前の前記成分2)の角層内貯留値の測定値(μg/cm2)と各測定時点での前記成分2)の角層内貯留値の測定値の差の自乗に経過時間(時間)を乗じた値の総和。
    Figure 0005730340
    (但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を表す。)
  2. 前記一般式(1)に表される化合物は、ルリコナゾールであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記N−アルキル−2−ピロリドンは、N−メチル−2−ピロリドンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記疎水性軟膏基剤として、ワセリンを含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の医薬組成物。
  5. 前記多価アルコールはプロピレングリコールであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の医薬組成物。
  6. 更に、非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記非イオン界面活性剤は、POEソルビタン脂肪酸及び/又はPOE硬化ヒマシ油であることを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物。
  8. 疎水性軟膏基剤を90〜99℃で加熱溶解する工程、
    疎水性軟膏基剤、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩以外の成分を90〜99℃で加熱溶解し、得られた溶液に一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を加えて溶解させる工程、及び、
    前記工程で得られた溶液を、前記溶解した疎水性軟膏基剤に攪拌下徐々に加え、室温まで攪拌冷却する工程、を含む製造方法で製造されることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の医薬組成物。
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