JP5729383B2 - 画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム - Google Patents
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Description
この発明は、画像から特徴的な領域を検出する画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムに関する。
以前より、画像データから文字、図形、模様や構造の境界を検出して必要な情報を取得する画像処理技術がある。レベルセット法は、このような画像処理の手法の一つであり、画像上に配置した輪郭を画像データに基づき所定の条件に従って変形させ、色彩や明度の変化の大きい部分と一致させることによって境界を検出する。
このレベルセット法では、検出する輪郭、即ち、二次元的な画像平面に対し、一次元高次(三次元)のレベルセット関数φ(r、t)を導入する。そして、このレベルセット関数φ=0の等高線(ゼロレベルセット)により輪郭が表現される。このレベルセット関数φの典型的な例としては、|∇φ|=1の条件を満たし、また、関数値φにより輪郭(φ=0)からの符号付距離を表すものがある。この符号は、一般的に、輪郭の外側が正値、内側が負値となるように設定される。このような関数を用いることによって、初期設定された輪郭の数と抽出する領域の数が異なるような場合でもスムーズに輪郭の離合集散を表現可能なトポロジーの変化に強い輪郭検出処理を行うことができる。
このような境界の検出処理は、医療画像から病変組織や構造物を抽出する際にも用いることが可能である。抽出された輪郭情報をそのまま取り込むことで、診断報告やレポートなどを迅速、且つ、正確に作成する際に役立つと期待されている。
しかしながら、このレベルセット法による画像処理では、計算量が膨大になり、従って、リアルタイム処理など、演算時間を短くしなければならない場合には適用が難しいという問題があった。そこで、従来、このレベルセット法の演算時間を短縮する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、Narrow Band Method(NB法)と呼ばれる手法を用いて、画像の全体ではなく、レベルセット関数φ=0の近傍でのみ計算を行うことで演算時間を短縮する手法が知られている。更に、このNB法において、計算を行うφ=0の近傍領域の設定方法を改良することにより、計算速度を上げる技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
一方で、本発明に関連する技術として、好適なレベルセット関数φの初期配置を設定することによって計算の効率化を図る手法が提案されている。例えば、非特許文献1の13ページには、画像上に複数の初期輪郭を配置することによって計算が速やかに収束する傾向があるとともに、輪郭を検出するまでの時間が短縮されることが記載されている。
L. A. Vese, and T. F. Chan, "A multiphase level set framework for image segmentation using the Mumford and Shah model", UCLA CAM Report pp.1-25, 2001.
しかしながら、レベルセット法による上記の複数の初期輪郭を配置した輪郭検出の方法では、複数の初期輪郭を分散して配置しているので、必ずしも速やかに収束しない。初期輪郭の配置パターンと検出される対象との関係によって十分な検出速度が得られない場合があるという課題がある。
本発明の目的は、画像から特徴的な領域を更に高速に抽出することのできる画像処理装置、画像処理方法、および、プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする
ことを特徴としている。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする
ことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記画像は格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれを表す画素の集合内の少なくとも一画素が、他の輪郭を表す画素の何れかと共有されるように配置する、又は、他の輪郭を表す画素の何れかと隣接するように配置し、
前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を、当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とする
ことを特徴としている。
前記画像は格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれを表す画素の集合内の少なくとも一画素が、他の輪郭を表す画素の何れかと共有されるように配置する、又は、他の輪郭を表す画素の何れかと隣接するように配置し、
前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を、当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とする
ことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、
前記画素の各々の形状は、正方形であり、
前記画像上の前記画素間の距離は、一の画素の中心点から他の画素の中心点への距離を前記画素の一辺の長さを単位長として表される
ことを特徴としている。
前記画素の各々の形状は、正方形であり、
前記画像上の前記画素間の距離は、一の画素の中心点から他の画素の中心点への距離を前記画素の一辺の長さを単位長として表される
ことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を表す全ての画素が、異なる2以上の輪郭を表す画素として共有されるように配置する、又は、当該輪郭の外側の境界をなす全ての辺において他の輪郭を表す何れかの画素と隣接するように配置する
ことを特徴としている。
前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を表す全ての画素が、異なる2以上の輪郭を表す画素として共有されるように配置する、又は、当該輪郭の外側の境界をなす全ての辺において他の輪郭を表す何れかの画素と隣接するように配置する
ことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載の画像処理装置において、
前記複数の輪郭は、当該複数の輪郭内の全ての画素が前記複数の輪郭を表す画素の何れかと隣接し、前記輪郭内の全ての画素におけるレベルセット関数の初期値が1となるように配置される
ことを特徴としている。
前記複数の輪郭は、当該複数の輪郭内の全ての画素が前記複数の輪郭を表す画素の何れかと隣接し、前記輪郭内の全ての画素におけるレベルセット関数の初期値が1となるように配置される
ことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項2又は3記載の画像処理装置において、
前記画素の配置は正方格子状であり、
前記初期輪郭配置手段は、
1画素毎に市松模様を成すように前記初期輪郭を配置し、
当該初期輪郭を構成する画素以外の画素では、レベルセット関数の初期値が全て1に設定されている
ことを特徴としている。
前記画素の配置は正方格子状であり、
前記初期輪郭配置手段は、
1画素毎に市松模様を成すように前記初期輪郭を配置し、
当該初期輪郭を構成する画素以外の画素では、レベルセット関数の初期値が全て1に設定されている
ことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の画像処理装置において、
前記画像は、格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とし、且つ、何れも予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
前記画像は、格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とし、且つ、何れも予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を格子状に配置し、隣り合う2つの輪郭の間には、当該2つの輪郭を表す画素のそれぞれ少なくとも一つずつに隣接する画素が存在するように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を格子状に配置し、隣り合う2つの輪郭の間には、当該2つの輪郭を表す画素のそれぞれ少なくとも一つずつに隣接する画素が存在するように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項10記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の画像処理装置において、
前記画像は、格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とし、且つ、何れも予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
前記画像は、格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とし、且つ、何れも予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
重心位置、及び、傾きの角度が同一であり、大きさが異なる複数の相似図形を前記画像上の画素の解像度でそれぞれ表現した前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
前記初期輪郭配置手段は、
重心位置、及び、傾きの角度が同一であり、大きさが異なる複数の相似図形を前記画像上の画素の解像度でそれぞれ表現した前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項11記載の画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
一の輪郭を包含する輪郭が他の輪郭と重なる部分を生じる場合には、前記一の輪郭と前記他の輪郭とを同時に包含する輪郭を代わりに配置する
ことを特徴としている。
前記初期輪郭配置手段は、
一の輪郭を包含する輪郭が他の輪郭と重なる部分を生じる場合には、前記一の輪郭と前記他の輪郭とを同時に包含する輪郭を代わりに配置する
ことを特徴としている。
請求項14記載の発明は、請求項11〜13の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を構成する画素以外の画素では、レベルセット関数の初期値が全て1となるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を構成する画素以外の画素では、レベルセット関数の初期値が全て1となるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項15記載の発明は、請求項11記載の画像処理装置において、
抽出対象の形状情報を取得する取得手段を備え、
前記初期輪郭配置手段は、
当該取得手段により取得された抽出対象の形状情報に基づいて前記複数の輪郭のそれぞれの形状を決定する
ことを特徴としている。
抽出対象の形状情報を取得する取得手段を備え、
前記初期輪郭配置手段は、
当該取得手段により取得された抽出対象の形状情報に基づいて前記複数の輪郭のそれぞれの形状を決定する
ことを特徴としている。
請求項16記載の発明は、請求項1〜14の何れか一項に記載の画像処理装置において、
抽出対象の画像上の配置情報を取得する取得手段を備え、
前記初期輪郭配置手段は、
当該取得手段により取得された抽出対象の配置情報に基づいて前記複数輪郭の配置範囲を決定する
ことを特徴としている。
抽出対象の画像上の配置情報を取得する取得手段を備え、
前記初期輪郭配置手段は、
当該取得手段により取得された抽出対象の配置情報に基づいて前記複数輪郭の配置範囲を決定する
ことを特徴としている。
請求項17記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする
ことを特徴としている。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする
ことを特徴としている。
請求項18記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項19記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴としている。
請求項20記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラムである。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラムである。
請求項21記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラムである。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラムである。
請求項22記載の発明は、
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラムである。
デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラムである。
本発明に従うと、レベルセット法におけるレベルセット関数の初期設定で、画像上に複数の初期輪郭を密に配置するので、特徴的な領域の近傍に初期輪郭の何れかを配置することができる。また、この初期輪郭の内部および外部の何れにおいても、レベルセット関数の初期値が非負値となるように設定されるので、レベルセット関数の1回目の更新により、特徴的な領域から離れた位置の輪郭をまとめて消去することができる。従って、特徴的な領域を抽出するまでのレベルセット関数の更新回数および処理時間を削減することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の画像処理装置1の内部構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態の画像処理装置1は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)であり、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15などを備え、これらの各部は、バス16により接続されて互いにデータのやりとりが行われる。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)などを備えている。CPUは、画像処理装置1の全体的な制御統括を行い、また、各種プログラムの実行、および、演算処理を行う。各種プログラム12aは、記憶部12から読み出されて実行される。RAMは、CPUの制御演算処理に必要なメモリ空間を提供するとともに、一時データを記憶する。
記憶部12は、データを記憶して保存する記憶装置などを備える。この記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)である。或いは、この記憶装置には、SDD(Solid State Drive)などを用いることとしてもよい。また、この記憶部12には、制御部11が読み出して実行する各種プログラム12aが格納されている。このプログラム12aには、例えば、画像処理装置1の全体を統括する制御プログラム、画像処理プログラムや画像解析プログラムが含まれている。或いは、これらのプログラムなどの読み出しデータは、CD‐ROMやDVDなどの記録媒体を用いて、読取装置を介して画像処理装置1が利用可能とすることもできるし、キャリアウェーブ(搬送波)などにより外部から通信回線を介して取得し、実行する形態も適用可能である。また、この記憶部12には、画像処理プログラムや画像解析プログラムによって処理される画像データが格納されている。
操作部13は、例えば、キーボードやマウスを備えている。或いは、操作部13は、他のポインティングデバイスやタッチパネルなどの入力手段により構成されることとしてもよい。この操作部13は、ユーザの操作を入力信号に変換して制御部11へ出力する。そして、この出力信号によりCPUが各種プログラムを呼び出し、また、実行する機能の選択を行う。
表示部14は、ディスプレイなどの表示装置を備え、画像の表示を行う。このディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)である。或いは、ディスプレイとしては、有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイなどの他の表示方式による表示装置を用いることとしても良い。この表示部14には、プログラムの実行画面を通して記憶部12から呼び出された画像データや関連情報が表示可能となっている。
通信部15は、通信用のインターフェイスなどを備え、画像処理装置1と外部との間での通信のための処理を行う。この通信用インターフェイスは、例えば、ネットワークカードである。画像処理装置1が外部との間でやり取りされるデータ、例えば、外部の撮影装置で撮影された画像データは、この通信部15を介して外部ネットワークから入力される。一方、例えば、画像処理装置1における種々の処理により取得されたデータは、記憶部12に保存されるとともに、通信部15を介して外部のコンピュータ端末に出力される。
次に、本実施形態の画像処理装置1が実行する画像処理の動作内容について説明する。
図2は、制御部11のCPUが実行する画像処理プログラムの制御処理の手順を示すフローチャートである。また、図3は、この制御処理内で呼び出される輪郭配置条件決定処理のフローチャートである。
この画像処理プログラムは、レベルセット法により画像上の特徴的な領域を抽出する処理を行うプログラムである。輪郭からの符号付距離を表すレベルセット関数φにより定められた輪郭を画像データに基づいて変形し、抽出する領域の境界部分へ移動させることで特徴的な領域を検出する。
この実施形態での画像処理プログラムの制御処理は、操作部13からの入力信号に基づいて開始される。先ず、この制御処理が開始されると、図2に示すように、制御部11のCPUは、輪郭配置条件の決定を行う(ステップS20)。この輪郭配置条件決定処理については、後に詳述するが、CPUは、処理画像の内容に従って適切な初期輪郭のパターンを設定する。また、CPUは、設定された初期輪郭配置に基づきレベルセット関数の初期化を行う(ステップS21)。レベルセット法では、輪郭を変形するごとにレベルセット関数の距離関数としての性質が崩れるので、この初期化処理により性質を回復させる。
それから、CPUは、レベルセット関数の更新処理を行う(ステップS22)。この更新処理では、CPUは、画像の持つエネルギーおよびこのエネルギー勾配に基づいて輪郭を変形させて輪郭のエネルギーを減少させる。このエネルギーは、特徴的な領域の境界で極小となるものであり、例えば、画像上の各地点の輝度勾配に反比例する。従って、CPUは、輪郭が輝度勾配の小さい位置から大きい位置へと移動するように各画素のレベルセット関数φの変化量を算出して変形させ、輝度勾配が最も大きくなった位置に輪郭を収束させる。ここで、二回目以降の更新処理では、従来の処理と同様に、NB法の処理などを用いることが可能である。
次いで、CPUは、ステップS22の更新処理においてレベルセット関数が更新された際のエネルギーの変化量が所定の条件を満たすか否かを判別する(ステップS23)。輪郭の変形量が大きく、基準値以上のエネルギー量の変化がある、即ち、所定の条件を満たさないと判別された場合には、CPUの処理は、ステップS22へ戻り、ステップS22〜S23の処理を繰り返す。輪郭が抽出される領域の境界でほぼ収束し、エネルギー変化量が基準値以下となっている、即ち、所定の条件を満たすと判別された場合には、CPUは、輪郭の検出処理が完了したと判断して、制御処理を終了する。
次に、ステップS20の輪郭配置条件決定処理について説明する。
本実施形態の画像処理装置1では、画像上に複数の輪郭を配置する。図3に示すように、輪郭配置条件決定処理(ステップS20)のサブルーチンへ移行すると、取得手段としてのCPUは、先ず、画像から抽出する対象の情報を取得する(ステップS201)。この情報は、例えば、操作部13からユーザによって入力されたり、または、画像データが保存されている記憶部12のフォルダ名により定められたりするものである。或いは、画像データの生成時にユーザによる操作入力や撮影装置の設定によって画像データのヘッダ部分に含まれるものであっても良い。
CPUは、この取得された抽出対象の形状と同一又は類似の輪郭形状を設定する(ステップS202)。続いて、CPUは、決定された形状の輪郭を複数個並列に配置するか否かを判別する(ステップS203)。並列配置をすると判別された場合には、CPUは、並列配置する輪郭のサイズ、配列間隔、および、配置の範囲を決定する(ステップS204)。そして、CPUの処理は、画像処理の制御処理へ戻って、ステップS21へ移行する。
一方、ステップS203の判別処理において並列配置をしないと判別された場合には、CPUは、複数の輪郭が入れ子になるように配置する。CPUは、これらの複数の輪郭の中心の座標、輪郭同士の間隔、および、配置の範囲を決定する(ステップS205)。そして、CPUの処理は、画像処理の制御処理へ戻って、ステップS21へ移行する。
次に、上記の画像処理装置で用いられる初期輪郭の形状および配置の具体例について説明する。
[具体例1]
図4は、画像処理装置1が設定する初期輪郭の具体例1の配置を示した図である。
図4は、画像処理装置1が設定する初期輪郭の具体例1の配置を示した図である。
本実施形態では、入力画像を構成する各画素は、正方形であり、また、これらの画素の中心点が正方格子の各頂点に配置されている。この具体例1の初期輪郭は、図4の点線に示すように、45度傾いた一辺の長さを√2とする正方形がその各辺を隣接する合同の正方形の一辺と共有するように隙間なく配置されたものである。このような輪郭配置では、各輪郭を示す4つの画素から輪郭の内部の画素への距離は、何れも1となる。また、輪郭の外部の点は、存在しない。ここで、レベルセット関数φの初期値として、輪郭内部をφ>0として定めると、図4の各画素を示す格子内に記されている数値が示すように、レベルセット関数φの初期値は、0と1の二値のみで表現することができる。
図5A、図5Bは、初期輪郭の変化を説明する図である。
図5Aは、図4に示した画素配置の3行目で切断した断面でのレベルセット関数φの値を示すグラフである。このようにφ≧0の範囲のみで輪郭を形成することで、図5Bに示すように、φの値を僅かに変化させるだけで抽出領域の境界のない領域に存在する輪郭を一度に消去することができる。従って、抽出する領域の境界への輪郭の収束が非常に速くなる。
次に、この具体例1の初期輪郭による領域抽出処理の実行結果を示す。
図6Aには、具体例1の初期輪郭を用いて一枚の画像から領域を抽出した結果を示す。また、図6B、図6Cは、同一画像に対する領域の抽出速度を比較するための比較例の初期輪郭を示す。図7は、具体例1の初期輪郭と、図6B、図6Cに示した2つの比較例の初期輪郭とを用いた領域抽出処理の結果を示す図表である。
ここで、領域抽出処理に用いた画像は、縦横が500×500ピクセルの画素により構成されている。そして、この画像には、図6Aに示すように、輝度Iが画像の中心で最大値150となる正規分布(I=150×exp(−((x−250)2+(y−250)2)/6000))が表示されている。線Bは、レベルセット法(領域法)により抽出された領域の輪郭を示す。レベルセット法は、輪郭内外の各領域における画素値の分散が小さくなるように輪郭の変形を行う手法であり、エッジが不明確な画像に対して輪郭を決定したい場合に有用な手法であることが知られている。従って、図6Aに示すように、明部と暗部の境界が明確ではない画像であっても、最も輝度勾配の大きい部分が同定される。この領域の抽出処理を図4に示した具体例1の初期輪郭、図6Bにおいて画像上に示す従来の単一初期輪郭B0、および、図6Cに模式的に示す従来の複数輪郭を用いて実行した。図6Bに示されている単一初期輪郭B0は、一辺の長さが400ピクセルの正方形である。また、図6Cに示されているように、従来の複数の初期輪郭では、各輪郭の内部の画素は、レベルセット関数φ=−1であるとともに、各初期輪郭がそれぞれ離れて配置されている。なお、この図6Cにおいてレベルセット関数φの値は、輪郭からの距離を四捨五入した整数で表現している。
この領域の抽出処理の結果、図7に示すように、従来の単一初期輪郭を用いた場合には、図6Aに示した輪郭Bが得られるまでにレベルセット関数φの更新が370回行われた。一方、従来の複数輪郭を用いた例では、レベルセット関数φの更新回数は、20回であり、更に、具体例1の初期輪郭を用いた場合には、12回の更新により輪郭を取得することができた。また、この実施形態の処理プログラムにおけるCPU時間は、単一初期輪郭を用いた場合の75.38秒に対し、従来の複数輪郭を用いた場合には、5.4185秒であり、更に具体例1の初期輪郭を用いた場合には、3.2833秒と、大きく改善された。
図8A〜図8Dは、具体例1の初期輪郭配置の変形例を示す図である。
これらの変形例では、具体例1の初期輪郭配置と同様にレベルセット関数φの初期値が0、1の二値で表され、且つ、各輪郭の外部に当たる画素が存在しない。
これらの変形例では、具体例1の初期輪郭配置と同様にレベルセット関数φの初期値が0、1の二値で表され、且つ、各輪郭の外部に当たる画素が存在しない。
図8Aは、3×3ピクセルにより正方形の輪郭が表現されたものである。また、図8Bは、5×3ピクセルの長方形の輪郭を示したものである。これらの図形では、一の輪郭の各辺と、隣接する正方形の輪郭の各辺、または、長方形の輪郭の各辺とが共有され、また、各輪郭の内部の画素は、全て輪郭を示す画素と接している。図8Cは、4×4ピクセルの画素により輪郭の内部に4画素を包含する正方形の輪郭が表現されたものであり、図8Dは、3×3ピクセルの画素により表現された正方形の輪郭の各辺が他の正方形の輪郭の一辺と隣接する画素により表現されたものである。これらの初期輪郭配置でも、全ての画素がレベルセット関数φ=0、1の二値で表現されている。
[具体例2]
図9は、本実施形態で設定される初期輪郭の具体例2の配置を説明する図である。
図9は、本実施形態で設定される初期輪郭の具体例2の配置を説明する図である。
この具体例2は、複数の輪郭の間に輪郭の外側に当たる領域が存在する例である。図9に示す例では、各辺の長さRが2である複数の3×3ピクセルによる正方形の輪郭の各辺は、異なる輪郭によってお互いに共有されず、また、隣接せずに、これらの異なる輪郭間の最短距離Wが2になるようにマトリックス状に配置されている。この場合、レベルセット関数φの初期値は、輪郭からの距離の絶対値で表されている。即ち、輪郭の内部、および、外部の何れの領域においてもレベルセット関数φの初期値が0以上の値をとる。各輪郭内部の画素と、隣接する2つの輪郭の間の画素では、レベルセット関数φ=1であり、また、中央の画素のレベルセット関数φの初期値は、√2である。このような配置であっても、レベルセット関数φの初期値が1に近い小さい値に限られることで抽出する領域の境界へ輪郭が速やかに収束し、従来例に比較して計算効率が改善される。
図10A〜図10Dは、この具体例2の初期輪郭配置を構成する正方形の各辺の長さRと、輪郭間の最短距離Wとをそれぞれ変化させた場合の領域抽出処理結果の例を示す図である。
図10A〜図10Dに示すように、領域抽出対象の画像は、ノイズが含まれる背景上に複数の記号を模した図形を配置した100×100ピクセルの画像である。図10Aは、長さR=4より最短距離Wを長くした場合(W=6)の輪郭の初期配置を画像に重ねて示した図であり、また、図10Bは、図10Aの初期輪郭配置を用いて領域抽出処理を行った結果を示す図である。一方、図10Cは、図10Aに示した初期輪郭と同一の長さR=4に対して最短距離Wを2とした場合の輪郭の初期配置を画像に重ねて示した図であり、また、図10Dは、図10Cの初期輪郭配置を用いて領域抽出処理を行った結果を示す図である。図10Bに示すように、最短距離Wを広くとった場合には、最終的に記号を抽出することができなかったのに対し、図10Dに示すように、最短距離Wを2とした場合には、僅かな更新回数で記号が抽出されるという結果が得られた。
図11は、この具体例2の初期輪郭の一辺の長さRと、輪郭間の最短距離Wとを様々に変化させて、図10A〜図10Dで示した画像上の記号の領域抽出処理を行った結果を示す図表である。
図11に示すように、長さRおよび最短距離Wをともに広げていくことで各輪郭の外でのレベルセット関数φの初期値の最大値が2√2、3√2、4√2と大きくなっていくと、画像上の図形を検出することができなくなっている。これに対し、長さRのみを拡大し、最短距離Wを2に固定することで各輪郭の外でのレベルセット関数φの初期値の最大値を√2に保った場合には、各輪郭の内部でのレベルセット関数φの初期値の最大値が1、2、3と多少増加しても、何れも少ないレベルセット関数φの更新回数で図形の抽出を行うことができるという結果が得られた。即ち、レベルセット関数φの初期値の最大値を√2、2、或いは、2√2などの予め定めた小さい閾値内に収めることで、特に、初期輪郭の外側にいずれの初期輪郭からも大きく離れた画素が存在しない初期輪郭の配置を行うことにより、計算の高速化を図ることができる。この閾値は、一般的に小さいほど望ましいが、図11に示した抽出結果の、例えば、R=4、W=2の例で示されたように、経験的にある程度の範囲では大きくなっても抽出時間の増加を生じさせないものである。
図12A〜図12Cは、この具体例2の初期輪郭の変形例を示す図である。
図12Aに示す初期輪郭は、図9に示した正方形の各輪郭の配置をずらして斜方格子状に配置したものである。このような配置を取ることにより、レベルセット関数φの初期値を0、1の何れかに限ることができる。また、図12Bに示す初期輪郭は、円を近似した輪郭形状をマトリックス状に配置したものとなっている。ここで、図12Bにおいて画素ごとに示されている値は、各画素のレベルセット関数φの二乗の値である。このように、方形に限らず他の形状の輪郭を初期輪郭として配置することも可能である。図12Cに示す初期輪郭では、図12Bに示された各輪郭を示す画素がそれぞれ他の輪郭を示す画素の何れかと隣接している配置となっている。このような配置によっても輪郭の内部の画素と輪郭の外部の画素のレベルセット関数φの初期値を輪郭からの距離の絶対値に定めることで、全ての画素がレベルセット関数φ=0、1のいずれかによって示すことができる。
[具体例3]
図13は、本実施形態で設定される初期輪郭の具体例3の配置を示した図である。
図13は、本実施形態で設定される初期輪郭の具体例3の配置を示した図である。
この具体例3の初期輪郭は、大きさの異なる図形が入れ子状に配置されることで表された複数の輪郭を有するものである。図13に示した例では、小さい正方形の輪郭が大きい正方形の輪郭に包含される形で複数の輪郭が配置されている。このような複数の輪郭の配置によって、レベルセット関数φの初期値が0の部分と1の部分とで交互に繰り返されている。この入れ子状配置の間隔は、1に限らず適宜変更可能であるが、具体例2と同様に、小さい距離、特にW=2に限ることで、更に領域抽出処理の計算の高速化を図ることができる。
図14A〜図14Cは、図13に示した具体例3の初期輪郭、および、比較例の初期輪郭がそれぞれ特徴領域を抽出する対象の画像上に配置された状態を示す図、および、これらの初期輪郭を用いて各画像の領域抽出処理を行った場合の領域抽出に要したCPU時間を示す。
図14A、図14Bに示す領域抽出処理の対象の画像は、250×250ピクセルの画素により構成されており、中央に50×50ピクセルの画素で表される正方形の抽出領域が規定される明部を有する。図14Aは、この正方形の明部と同一重心を有する正方形の輪郭を図13に示した例と同一に入れ子状に配置した初期輪郭配置を画像に重ねて示した図である。この場合の領域抽出に要したCPU時間は、0.32秒であった。一方、図14Bは、図9に示した例と同一の正方形の輪郭をマトリックス状に配置した初期輪郭配置を同一の画像上に重ねて示した図である。この場合の領域抽出に要したCPU時間は、0.54秒であった。また、図14Cは、図14Aに示した初期輪郭配置と同一のものをこの初期輪郭の形状とは異なる抽出領域の形状を有する同サイズの画像に対して配置した初期状態を示す図である。この画像は、中央に直径56ピクセルの円形の明部に係る抽出領域を有する。この場合には、領域抽出に要したCPU時間は、0.50秒であった。
上記の結果に示すように、抽出する領域の形状と同一または類似の初期輪郭を用いて領域抽出処理を行うことによって、一度目のレベルセット関数φの更新処理により、速やかに抽出領域の近傍が特定され、少ない更新回数で抽出領域の境界に収束するので、処理の高速化を図ることができる。
図15A〜図15Cは、具体例3の初期輪郭の変形例を示す図である。
図15Aは、複数の同心円を画像上の画素で近似して表示した初期輪郭を示す図である。このように、サイズの異なる輪郭同士では、輪郭のサイズによって画素により表現された輪郭の形状が厳密には相似にならない場合も含まれる。この場合でも、上記の入れ子状の相似図形の輪郭配置と同様の効果を得ることができる。
図15Bは、45度回転させた同一重心、且つ、サイズの異なる正方形を多重に配置した例である。このパターンにおいて、輪郭間の距離Wを√2とすると、実質的に図4に示した市松模様のパターンと同一になる。
図15Cは、一つの輪郭内に複数の輪郭が包含される場合の初期輪郭を示す図である。複数の抽出領域が存在し、また、これらの領域の形状と位置関係が既知である場合には、複数の輪郭に対してそれぞれ入れ子状に輪郭を配置することができる。そして、一方の輪郭を包含する輪郭と、他方の輪郭を包含する輪郭とが交わる場合には、これらの交差部分ができる複数の輪郭の代わりに両方の輪郭を包含する一つの輪郭を配置することにより、レベルセット関数φの値が大きい領域を含まない初期輪郭を配置することができる。
ここで、上記図15A〜図15Cの初期輪郭配置では、輪郭からの最短距離が1ではない画素が存在する。しかしながら、NB法で示されているように、輪郭から離れた位置では、初期配置としてレベルセット関数の値が必ずしも正確に輪郭からの最短距離で表現されていなくてもレベルセット法による境界抽出を行うことができる。そこで、レベルセット関数φ>1の画素を全てφ=1に変更する前処理を行うことで、1ステップ目の演算をφ=0、1の二値化して演算速度をあげることができる。
[具体例4]
図16A、図16Bは、初期輪郭の具体例4およびその比較例の初期輪郭を同一の画像上に配置した初期状態を示した図である。また、図17は、これらの初期輪郭を用いて領域抽出処理を行った場合の領域抽出に要したCPU時間を示した図表である。
図16A、図16Bは、初期輪郭の具体例4およびその比較例の初期輪郭を同一の画像上に配置した初期状態を示した図である。また、図17は、これらの初期輪郭を用いて領域抽出処理を行った場合の領域抽出に要したCPU時間を示した図表である。
図16A、図16Bに示すように、この領域抽出処理の対象である画像は、500×500ピクセルの画素で表現されており、中央に抽出領域の直径が96ピクセルの円形の明部を有している。図16Aでは、中央の明部を方形に覆うように図9に示す初期輪郭が配置されている。一方、図16Bでは、図9に示す初期輪郭が画像上の全面に配置されている。
これらの場合には、図17に示すように、初期輪郭を全面に配置した際(図16B)の領域抽出に要するCPU時間は3.72秒であり、また、レベルセット関数φの更新回数は、15回であった。一方、図16Aに示したような、初期輪郭が明部を覆う正方形部分にのみ配置された場合の領域抽出に要したCPU時間は、0.67秒と大幅に短縮され、また、レベルセット関数φの更新回数も8回と減少した。
以上のように、上記の実施形態の画像処理装置1においては、レベルセット関数φの初期値を非負とし、且つ、小さい値に限定するように複数の輪郭を密に配置することで、初回の計算で輪郭から離れた領域の初期輪郭を大きく移動、および、消滅させることができるので、輪郭が抽出領域の境界に収束するまでのレベルセット関数の更新回数を大きく減らすことができる。
また、複数の初期輪郭を密に配置することにより、抽出する対象の形状に関わらずほぼ安定して高速に抽出対象領域の境界を検出することができる。
また、初期輪郭の配置の設定によりレベルセット関数φが非負値となるので、計算量の多い一度目の計算で符号なしの計算を行うことで、CPUの負荷を低減することができる。そして、画像から特徴的な領域を抽出する速度を上げることができる。
また、例えば、放射線画像やMRI(Magnetic Resonance Imaging system)画像などの多くの医療画像から病変構造や異常な部位の抽出処理を行う際に、上記のような抽出対象領域の抽出処理の高速化を図ることにより、素早く、且つ、的確に必要な情報を抽出することができ、従って、医療診断の効率化を図ることができる。
また、複数の初期輪郭がそれぞれ他の初期輪郭と共有される、或いは、接するように配置されることで、無理なくレベルセット関数φが負の領域を排除し、且つ、複数の輪郭を密に配置することができる。
また、合同な図形を周期的に配置することで、複数の初期輪郭の間に大きな隙間が生じることなく密に初期輪郭を配置することができるとともに、安定して高速に抽出対象領域の境界を検出することができる。
また、特に、レベルセット関数φの初期値を0、および、1に限ることができるので、初回のレベルセット関数φの更新処理の量を低減することができる。また、レベルセット関数φの初期の更新処理の段階でエネルギーレベルを大きく減少させることができるので、少ないレベルセット関数φの更新回数で目的とする領域を抽出することができる。
また、抽出対象領域の形状が予め知得されている場合には、その抽出領域と同一または類似の形状を用い、一の輪郭が他の輪郭に包含されるように配置することで、画像から特徴的な領域の境界部分を取得するのに要する時間を短縮することができる。
また、特に、重心の等しい同じ形状の異なるサイズの初期輪郭を複数配置することで、初期輪郭と同じ形状の領域を素早く抽出することができる。
また、複数の抽出対象領域の形状、および、これらの相対位置が予め知得されている場合には、それぞれの形状を表した初期輪郭を配置するとともに、これらの複数の初期輪郭を合わせて包含する初期輪郭を更に配置することによって、初期輪郭の形状を大きく崩さないまま初期輪郭の配置されない領域を残さないようにこの初期輪郭を配置することができる。従って、領域抽出時間の短縮を図ることができる。
また、操作部からの入力信号、データが保存されているフォルダ名、或いは、画像ファイルのヘッダ情報やファイル名などの情報に基づき抽出対象領域の形状を取得し、この取得した形状の情報に基づいて初期輪郭の形状を決定することができるので、画像ファイルごとに柔軟に初期輪郭の設定を切り替えることで、安定して高速に領域の抽出処理を行うことができる。
また、操作部からの入力信号、データが保存されているフォルダ名、或いは、画像ファイルのヘッダ情報やファイル名などの情報に基づき抽出対象領域の画像上の位置情報を取得し、この取得した位置情報に基づいて限定して領域のみに対して初期輪郭を配置し、画像処理を開始することで、計算量を大きく減らして素早く領域を抽出することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、全て正方形の画素を正方格子状に配置した画像データに基づいて説明したが、他の配置パターン、例えば、六角形の画素をハニカム状に配置した画像データにも適用することができる。
また、上記実施の形態では、レベルセット関数の設定を画素の数と同数の離散値として取り扱ったが、例えば、レベルセット関数の算出座標をより細かく配置し、隣接する画素値の線形補完によって更新処理を行わせることも可能である。
また、上記実施の形態では、輪郭をゼロレベルセット(φ=0)で表現しているが、異なる値、例えば、φ=10で表現することも可能である。
また、上記実施の形態では、何れも合同または相似の図形を複数配置する初期輪郭配置について説明したが、具体例1、および、具体例2の並列配置の場合、或いは、具体例3において並列配置される複数の輪郭がある場合には、異なる形状を含ませることができる。その他、画像処理装置の構成などの本発明の実施形態に示した細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明は、画像から特徴的な領域を検出する種々の画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムに利用することができる。
1 画像処理装置
11 制御部
12 記憶部
12aプログラム
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 バス
11 制御部
12 記憶部
12aプログラム
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 バス
Claims (22)
- デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像は格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれを表す画素の集合内の少なくとも一画素が、他の輪郭を表す画素の何れかと共有されるように配置する、又は、他の輪郭を表す画素の何れかと隣接するように配置し、
前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を、当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とする
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記画素の各々の形状は、正方形であり、
前記画像上の前記画素間の距離は、一の画素の中心点から他の画素の中心点への距離を前記画素の一辺の長さを単位長として表される
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。 - 前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を表す全ての画素が、異なる2以上の輪郭を表す画素として共有されるように配置する、又は、当該輪郭の外側の境界をなす全ての辺において他の輪郭を表す何れかの画素と隣接するように配置する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。 - 前記複数の輪郭は、当該複数の輪郭内の全ての画素が前記複数の輪郭を表す画素の何れかと隣接し、前記輪郭内の全ての画素におけるレベルセット関数の初期値が1となるように配置される
ことを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。 - 前記画素の配置は正方格子状であり、
前記初期輪郭配置手段は、
1画素毎に市松模様を成すように前記初期輪郭を配置し、
当該初期輪郭を構成する画素以外の画素では、レベルセット関数の初期値が全て1に設定されている
ことを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像は、格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とし、且つ、何れも予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。 - 前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を格子状に配置し、隣り合う2つの輪郭の間には、当該2つの輪郭を表す画素のそれぞれ少なくとも一つずつに隣接する画素が存在するように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置手段を備え、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置において、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像は、格子状に配置された画素により構成され、
前記初期輪郭配置手段は、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、前記画像の各画素におけるレベルセット関数の初期値を当該画素から輪郭を表す全画素への距離の絶対値のうち最小値とし、且つ、何れも予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記初期輪郭配置手段は、
重心位置、及び、傾きの角度が同一であり、大きさが異なる複数の相似図形を前記画像上の画素の解像度でそれぞれ表現した前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。 - 前記初期輪郭配置手段は、
一の輪郭を包含する輪郭が他の輪郭と重なる部分を生じる場合には、前記一の輪郭と前記他の輪郭とを同時に包含する輪郭を代わりに配置する
ことを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。 - 前記初期輪郭配置手段は、
前記複数の輪郭を構成する画素以外の画素では、レベルセット関数の初期値が全て1となるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする請求項11〜13の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 抽出対象の形状情報を取得する取得手段を備え、
前記初期輪郭配置手段は、
当該取得手段により取得された抽出対象の形状情報に基づいて前記複数の輪郭のそれぞれの形状を決定する
ことを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。 - 抽出対象の画像上の配置情報を取得する取得手段を備え、
前記初期輪郭配置手段は、
当該取得手段により取得された抽出対象の配置情報に基づいて前記複数輪郭の配置範囲を決定する
ことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の画像処理装置。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする
ことを特徴とする画像処理方法。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする画像処理方法。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置する初期輪郭配置ステップを含み、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理方法であって、
前記初期輪郭配置ステップは、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する
ことを特徴とする画像処理方法。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、当該複数の輪郭のそれぞれにおける少なくとも一点が他の輪郭と接するように配置し、前記レベルセット関数の初期値を当該画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とする初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラム。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を重複部分のない複数の輪郭により構成し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から前記初期輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラム。 - デジタル画像上にレベルセット関数を用いて初期輪郭を配置し、レベルセット法により当該初期輪郭を変化させて前記画像から特徴的な領域を抽出する画像処理装置に用いられるコンピュータを、
前記初期輪郭を複数の輪郭により構成し、一の輪郭、又は、前記複数の輪郭のうち重複部分のない一部の輪郭を他の輪郭によって多重に包含し、レベルセット関数の初期値を前記画像上の各点から輪郭への符号なし最短距離とし、当該レベルセット関数の初期値の最大値が予め定められた閾値より小さくなるように前記複数の輪郭を配置する初期輪郭配置手段
として機能させるためのプログラム。
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CSNG200501616001; 佐藤 俊治: '動的輪郭法の計算原理に基づく視覚モデル' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.104 No.525 , 20041209, p.1-6, 社団法人電子情報通信学会 * |
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JPN6015009444; LUMINITA A. VESE AND TONY F. CHAN: 'A Multiphase Level Set Framework for Image SegmentationUsing the Mumford and Shah Model' International Journal of Computer Vision, Vol.50, No.3 , 20021201, p.271-293 * |
JPN6015009445; 佐藤 俊治: '動的輪郭法の計算原理に基づく視覚モデル' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.104 No.525 , 20041209, p.1-6, 社団法人電子情報通信学会 * |
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