JP5729015B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、合成樹脂の質感とは明らかに異なる優れた金属光沢性を有し、店頭において購入者の注意を引き付け、販売量を拡大する上で有利なゴルフボールを提供することにある。
また、金属光沢性を有するため、ゴルフボールが遠くのフェアウェイ上にある場合や、ゴルフボールがラフに入った場合に簡単に視認でき、ゴルフプレイを楽しむ上でも有利となる。
図1に示すように、本実施の形態のゴルフボール10は、球体12と、アンダー層14と、金属薄膜層16と、トップ層18とを備えている。
球体12の構造として、例えば、球状で中実のコア層と、このコア層を覆うカバー層とを備えるもの、あるいは、球状で中実のコア層と、このコア層を覆う複数のカバー層とを備えるもの、あるいは、前記のコア層が球状で中実の内側コア層と、この内側コア層を覆う外側コア層とで構成されているものなどが挙げられる。また、ディンプルの構造も従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
具体的には、アンダー層14は、第1のアクリル系塗料が球体12の表面1202に吹き付けにより塗装されることで形成される。
球体12の表面1202と反対側のアンダー層14の表面1402に金属薄膜層16が蒸着されるものであり、アンダー層14は、蒸着された金属薄膜層16との密着性が高く金属薄膜層16の剥離防止を図るものである。
第1のアクリル系塗料として、以下に例示するものが金属薄膜層16との密着性が高く、したがって、金属薄膜層16の剥離を防止する上で有利である。
(1)主剤として水酸基を含有し(メタ)アクリル酸エステルを主鎖とする共重合体、硬化剤としてポリイソシアネートよりなる。
(2)主剤として(メタ)アクリル酸エステル共重合体および/または、ポリエステルをグラフト重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。
(3)ポリイソシアネートとして脂肪族鎖を有するポリイソシアネートおよびポリエステル骨格を有するポリイソシアネートとの混合物である。この場合、重量比で、ポリイソシアネートとして脂肪族鎖を有するポリイソシアネートが1に対して、ポリエステル骨格を有するポリイソシアネートが0.01〜10が好ましい。この範囲に満たないと得られる塗膜の柔軟性に不具合があり、この範囲を超えると硬化性が低下するため塗膜の強度が不足する不具合がある。
(4)また第1のアクリル系塗料としてウレタンアクリレートを使用すると、さらに優れた強靭性および柔軟性が付与され好ましい。
(5)また第1のアクリル系塗料は、主剤としてラクトン環をグラフト重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用すると、さらに優れた強靭性および柔軟性が付与され好ましい。主剤としてラクトン環をグラフト重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用する場合、硬化剤の例としては、ポリイソシアネート、例えばポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、さらに具体的にはヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(HDIヌレート)が挙げられる。また、アンダー層14は、紫外線(UV)硬化により形成することもできる。この場合、ラクトン環をグラフト重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、HDIヌレートで変性してもよい(HDIヌレート・ラクトン変性)なお重合開始剤は公知のものから適宜選択し、使用できる。
アンダー層14の膜厚は3〜10μmとされる。
金属薄膜層16は、アンダー層14が形成された球体12を蒸着装置に入れ、金属材料を蒸着することで形成される。
すなわち、真空にした容器の中で、金属材料を加熱、気化、あるいは昇華させることによりアンダー層14の表面1402の全域に金属材料を蒸着させる。
前記の金属材料として、錫(Sn)、アルミニウム(Al),インジウム(In)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などの蒸着可能な従来公知のさまざまな金属材料が使用可能である。
図2に示すように、連続蒸着膜20は、基材としてのアンダー層14の表面1402に沿って連続的に形成されるものであり、言い換えると、連続蒸着膜20は隙間なく面1402上に形成されるものである。
連続蒸着膜20の膜厚は100nm程度である。
言い換えると、不連続蒸着膜22は、隣接する島部22Aの間に微細な隙間22Bを有して表面1402上に形成されるものである。不連続蒸着膜22は、蒸着条件を制御することで形成される。
不連続蒸着膜22の膜厚は20〜50nm程度である。
不連続蒸着膜22の島部22Aおよび隙間22Bは肉眼では判別することはできない。
すなわち、連続蒸着膜20であっても、不連続蒸着膜22であっても、それらが呈する金属光沢の度合いは同じである。
連続蒸着膜20または不連続蒸着膜22からなる金属薄膜16によって得られる金属光沢の度合い、質感は、金属粉顔料(金属フィラー)を含む塗料でゴルフボールを塗装した場合に比較して明らかに優れている。これは、金属粉顔料を含む塗料で塗装した場合は、塗装面に金属粉顔料の凹凸が現れるため、塗装面で反射される光の方向が乱れることが原因である。
また、金属薄膜層16の膜厚は、連続蒸着膜20で100nm、不連続蒸着膜22で20〜50nmと薄いため、ゴルフボール10の形状や寸法に及ぼす影響を最小限に抑制する上で有利となる。
具体的には、トップ層18は、金属薄膜層16の表面1602に吹き付けにより塗装されることで形成される。
トップ層18は、金属薄膜層16を保護し金属薄膜層16の剥離防止を図るものである。
第2のアクリル系塗料としては、前記の第1のアクリル系塗料と同様の材料で形成されるものが耐久性に優れており、金属薄膜層16を保護し金属薄膜層16の剥離防止を図る上で有利である。
したがって、金属蒸着膜で形成された金属薄膜層16により、ゴルフボール10が合成樹脂の質感とは明らかに異なる優れた金属光沢性を有するため、ゴルフボール10に従来とは異なった趣きをもたせることができ、店頭において購入者の注意を引き付け、ゴルフボール10の販売量を拡大する上で有利となる。
また、金属光沢性を有するため、ゴルフボール10が遠くのフェアウェイ上にある場合や、ゴルフボール10がラフに入った場合に簡単に視認でき、ゴルフプレイを楽しむ上で有利となる。
図4は本発明に係るゴルフボールの実施例と比較例との第1の実験結果を示す図である。
図4に示す実施例と比較例のゴルフボールについて評価を行った。
実験条件は次のとおりである。
実施例1(参考例)は金属薄膜層16がアルミニウムの連続蒸着膜20で形成され膜厚は100nmである。
実施例2は金属薄膜層16が錫の不連続蒸着膜22で形成され膜厚は20nmである。
また、実施例1、2においてアンダー層14、トップ層16は、同一のアクリル系塗料を用いて形成し、アンダー層14、トップ層16の膜厚は3μmとした。
比較例1は、球体12の表面に白色の塗料が吹き付けで塗装され、その上に透明な塗料からなるクリア層が形成されている。白色の塗料および透明な塗料の膜厚はそれぞれ5μmである。
実施例および比較例のゴルフボールをドライバーとアイアンを用いて打撃した。
評価項目は、ゴルフボールを打撃した後の耐衝撃性残存塗膜率とした。
耐衝撃性残存塗膜率は、打撃前の金属薄膜層16および塗料の面積を100とした場合の打撃後に残存する金属薄膜層16および塗料の面積の割合をパーセンテージで示すものである。
耐衝撃性残存塗膜率の値は、1個のゴルフボールをそれぞれドライバーでは4回、アイアンでは2回ずつ打撃して得た測定値の平均値とした。
また、アイアンに関しては、実施例1よりも実施例2の方が耐衝撃性残存塗膜率が高いことから、連続蒸着膜20よりも不連続蒸着膜22が耐久性の面でより有利であることがわかった。
これは、不連続蒸着膜22は、前述したように多数の島部22Aの間に微細な隙間22Bが形成されているため、連続蒸着膜20に比較して衝撃を受けた場合に割れが生じることが少ないためであると考えられる。
なお、アイアンで打撃した場合に耐久性の差異が現れた原因は、アイアンはドライバーに比較してロフト角が大きく、したがって、ゴルフボールに加わる摩擦力はアイアンの方がドライバーより大きいためである。
実験条件は次のとおりである。
実施例3〜8は、アンダー層14およびトップ層18を形成する第1、第2のアクリル系塗料の材料を異ならせている。なお、図5において各材料の数値は重量を示しその単位はg(グラム)である。
実施例3〜5は金属薄膜層16が錫の不連続蒸着膜22で形成され膜厚は20nmである。
実施例6〜8(参考例)は金属薄膜層16がアルミニウムの連続蒸着膜20で形成され膜厚は20nmである。
比較例2はアンダー層14を形成せず、金属薄膜層16が錫の不連続蒸着膜22で形成され膜厚は20nmである。
比較例3はトップ層18を形成せず、金属薄膜層16が錫の不連続蒸着膜22で形成され膜厚は20nmである。
(1)基材密着性
ゴルフボールの表面に対して基盤目剥離試験を行った。
基盤目剥離試験は、100個の升目を切り、残った枡目の数で評価する。
図5では、分母に100、分子に残った升目の数を記載している。
99/100〜100/100であれば使用上問題無と評価される。
基盤目剥離試験の値は、1個のゴルフボールについて実施して得た測定値の平均値とした。
(2)意匠性
耐衝撃試験の前後でゴルフボールの外観を目視して金属光沢感、傷について評価する。
耐衝撃試験は、ドライバーとアイアンによる試打試験にて行う。ドライバーによる試打試験の条件は角度10.5°ヘッドスピード40m/s、試打回数は4回にて行い、アイアンによる場合はヘッドスピード32m/s、試打回数は2回にて行う。
意匠性の評価は、1個のゴルフボールについて実施した。
また、実施例3〜8と比較例3とを比較すると、トップ層18を形成しないと、耐久性を確保する上で不利であることがわかる。
また、実施例3〜8からわかるように、アクリル系塗料の材料が異なっていても、基材密着性および意匠性の評価は同等であった。
Claims (7)
- 球体を有するゴルフボールであって、
前記球体の表面全域を覆う第1のアクリル系塗料で形成されたアンダー層と、
前記球体の表面と反対側の前記アンダー層の表面の全域を覆う金属蒸着膜で形成された金属光沢を有する金属薄膜層と、
前記アンダー層と反対側の前記金属薄膜層の表面の全域を覆う透明な第2のアクリル系塗料で形成されたトップ層と、
を備え、
前記金属蒸着膜は膜厚20〜50nmの不連続蒸着膜である、
ことを特徴とするゴルフボール。 - 前記第1のアクリル系塗料および/または前記第2のアクリル系塗料は、
主剤として水酸基を含有し(メタ)アクリル酸エステルを主鎖とする共重合体、硬化剤としてポリイソシアネートよりなる、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。 - 前記第1のアクリル系塗料および/または前記第2のアクリル系塗料は、
主剤として(メタ)アクリル酸エステル共重合体および/または、ポリエステルをグラフト重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体である、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。 - 前記第1のアクリル系塗料および/または前記第2のアクリル系塗料は、
ポリイソシアネートとして脂肪族鎖を有するポリイソシアネートおよびポリエステル骨格を有するポリイソシアネートとの混合物である、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。 - 前記第1のアクリル系塗料および/または前記第2のアクリル系塗料が、ウレタンアクリレートである、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。 - 前記第1のアクリル系塗料および/または前記第2のアクリル系塗料は、
主剤としてラクトン環をグラフト重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用してなる、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。 - 前記アンダー層が、紫外線(UV)硬化により形成される、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
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