以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。また、特別図柄の可変表示を特図変動ともいう。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計特図保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計特図保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計特図保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄の可変表示は、普図変動ともいう。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技盤2に設けられた通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数は、特図保留記憶数と同様に、後述の普図始動条件が成立したものの、後述の普図開始条件が成立していない普図ゲームの保留記憶数を表すものである。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号(駆動信号)を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、乱数回路124などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、RAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM122とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、演出制御用CPU120が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、所定演出、など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。なお、確定普通図柄は、可変表示中に表示される普通図柄とは異なるものであってもよい。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口に遊技球が進入しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態(つまり、遊技者にとって有利でないと捉えることも出来る。)となることもある。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、時短状態が終了して通常状態になることがある。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、時短状態とはならずに高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が少なくとも時短状態となっており高開放制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御が行われるようにしてもよい。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA(ここでは、スーパーA1からスーパーA2に発展するものと、スーパーA1からスーパーA2に発展しないものが用意されている。)、スーパーB(スーパーB1からスーパーB2に発展するものと、スーパーB1からスーパーB2に発展しないものが用意されている。)といったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる(例えば、発展するもの同士、発展しないもの同士を比べた場合。)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。なお、大当り期待度の対象となる「大当り」は、例えば、大当り種別が「確変」及び「非確変」の「大当り」のみであってもよいし、「確変」及び「非確変」に加え、さらに「突確」を含んだものであってもよい。
さらに、この実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bが開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態に変化するか否か(例えば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となるか「普図ハズレ」となるか)、又は、可変表示(特図変動や飾り図柄の可変表示)の表示結果が「大当り」(この実施の形態では、大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)となる可能性を示唆する所定演出が実行される。所定演出は、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などにより、実行される。
普通可変入賞球装置6Bが開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態に変化するか否かを示唆する所定演出を第1所定演出という。可変表示の表示結果が「大当り」となる可能性を示唆する所定演出を第2所定演出という。所定演出は、例えば演出の結果として(ここでは、演出の最後に)、普通可変入賞球装置6Bが開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態に変化するか否か、又は、可変表示の表示結果が「大当り」となる可能性を示唆するものであり、演出の開始から前記2つのいずれかの示唆が行われるまでの間は、第1所定演出と第2所定演出とは演出態様が同じになっている。このため、所定演出が実行されると、演出の結果として示唆が行われるまで、所定演出が第1所定演出か第2所定演出か一見して分からないようになっている。所定演出は、見かけ上1つの演出として、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否か、又は、可変表示の表示結果が「大当り」となる可能性を示唆することが出来ればよい。
一例として、所定演出実行時には、画像表示装置5の画面上には所定演出実行エリア5F(図33を参照)が設けられ、スロットが回転するような演出画像(「○」、「×」、「チャンス」、「激アツ」などの画像を順次回転表示するような画像)を表示することで所定演出が実行される。なお、所定演出が実行されない期間では、所定演出実行エリア5Fが消去されたり、所定演出実行エリア5Fに何も表示されない。
所定演出が第1所定演出である場合、演出の最後に、所定演出実行エリア5Fに「○」(普図変動の表示結果が「普図当り」となることを示唆する。)の図柄を停止表示するか、所定演出実行エリア5Fに「×」(普図変動の表示結果が「普図ハズレ」となることを示唆する。)の図柄を停止表示することにより、演出の結果として普図変動の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否か)を示唆する(図33参照)。第1所定演出は、示唆の対象となる普図変動の実行中に実行される。
なお、第1所定演出は、例えば、所定演出実行エリア5Fに「○」の図柄を停止表示するのみのものであってもよい。つまり、第1所定演出は、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化することを示唆するものであればよい。普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否かを示唆するとは、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化することを示唆することの一例である。
普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否かの示唆(「○」又は「×」の図の停止表示)のタイミングは、この実施の形態では、普図変動の表示結果が導出表示されるタイミングと同じとする。普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否かの示唆のタイミングは、例えば、普図変動の表示結果が導出表示されるタイミングの前や後としてもよい。
普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否かの示唆のタイミングや普図変動の表示結果が導出表示されるタイミングは、「普図当り」となったことに対応して普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態に変化させるタイミングよりも所定期間前に実行される。ここでいう所定期間とは、遊技者が遊技球を発射してから普通可変入賞球装置6Bに到達するまでの最短到達時間を超える時間であることが望ましい。このようにすることで、所定演出による示唆結果を遊技者が確認してから遊技球を発射しても、普通可変入賞球装置6Bが構成する第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができるので(すでに普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化しているので)、遊技者が効率良く遊技をすることができるようになる。
所定演出が第2所定演出である場合、演出の最後に、所定演出実行エリア5Fに「チャンス」や「激アツ」の文字など、「大当り」となる可能性を示唆する文字列を停止表示することにより、演出の結果として特図変動の表示結果が「大当り」となる可能性を示唆する(図33参照)。第2所定演出は、示唆の対象となる特図変動の実行中に実行する。この実施の形態では、「チャンス」よりも「激アツ」が停止表示された方が、大当り期待度が高い。
なお、第2所定演出は、所定演出実行エリア5Fに1種類の文字列(例えば、「激アツ」など、所定以上の大当り期待度に対応する文字列のみなど)を停止表示するものであってもよい。又は、3種類の文字列を停止表示するものであってもよい。このようなものでも、「大当り」となる可能性を示唆することが出来る。
なお、所定演出は、画像表示装置5の画面上に所定のキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりするものであってもよい。また、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが含まれてもよい。また、第1所定演出では、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態に変化するか否かを表す文字列を最後に停止表示し、第2所定演出では、所定の図柄を停止表示することによって「大当り」となる可能性を示唆してもよい。この実施の形態の所定演出は、所定演出実行エリア5Fにて、スロットが回転する演出によって実行されるが、その態様は、これに限定されない。なお、「激アツ」などの文字が停止表示される場合の第2所定演出を第2所定演出Aと呼び、「チャンス」などの文字が停止表示される場合の第2所定演出を第2所定演出Bと呼ぶ。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。なお、「突確」や「小当たり」の場合に導出表示される所定のリーチ組合せは、ハズレのときに導出表示される所定のリーチ組合せと異なるものであってもよいし、少なくとも一部のリーチ組合せが同じであってもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とが含まれていればよい(図5参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が進入しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタの格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタの格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計特図保留記憶数カウンタの格納値である合計特図保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図6(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図6(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じて、始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数通知コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数(第1特図保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第1特図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数(第2特図保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第2特図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや特図保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
ここでの第1特図保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2特図保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、この実施の形態では、第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信される(ステップS268など参照)。保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである特図保留記憶数加算指定コマンド(第1特図保留記憶数加算指定コマンドまたは第2特図保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、特図保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである特図保留記憶数減算指定コマンド(第1特図保留記憶数減算指定コマンドまたは第2特図保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドとともに、合計特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計特図保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計特図保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計特図保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図7は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計特図保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計特図保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図8(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。乱数値MR1と特図表示結果決定テーブルの決定値との比較は、逐一比較、または最小値や最大値との比較によって行えばよい(他の乱数値とテーブルの決定値との比較についても同じ。)。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた後述の確変フラグがオン状態である場合に、確変制御が行われている(現在の遊技状態が確変状態である)と判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図8(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているとき(高確状態のとき)には、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないとき(低確状態のとき)よりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて(例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかなどに応じて)、大当り種別を複数種類(第1特図の場合は、「確変」、「非確変」、「突確」、第2特図の場合は、「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図8(B)参照)。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかと、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかを判定し(例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかなどで判定できる。)、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものである場合(変動特図指定バッファ値が「1」である場合)には、「突確」を大当り種別として決定(選択)し、今回の特図ゲームが第2特図を用いたものである場合(変動特図指定バッファ値が「2」である場合)には、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
図8(B)では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第2特図には、大当り種別が「突確」とはならない。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が進入したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合と比べて、大当り種別が「突確」に決定されにくいように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図8(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」、「突確」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合(例えば、大当りフラグ及び小当りフラグがともにオフ状態の場合)には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合(例えば、大当りフラグがオン状態の場合)には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合(例えば、小当りフラグがオン状態の場合)には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示のための制御を行う。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間(特図変動時間など)は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理も含む。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図9は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図9に示すステップS262の処理では、例えば図11(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別バッファ設定値が「0」のときには変動パターンPA3−4を選択し、大当り種別バッファ設定値が「1」のときには変動パターンPA3−5を選択し、大当り種別バッファ設定値が「2」のときには変動パターンPC1−2を選択する。
図9に示すステップS264の処理では、例えば図11(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「突確」となる場合とは異なっている。これにより、変動パターンにおける飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(突確期待度)を異ならせることができる。なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図9に示すステップS265の処理では、遊技状態が時短状態以外である場合(時短中以外の場合)と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた後述の時短フラグがオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図12(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図12(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計特図保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計特図保留記憶数は、例えば、合計特図保留記憶数カウンタの格納値である合計特図保留記憶数カウント値から特定すればよい。CPU103は、時短中であるか否かと、合計特図保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、時短中であるか否かに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計特図保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計特図保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計特図保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計特図保留記憶数カウント値が「2」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図12(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計特図保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図12(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでも、合計特図保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図9に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。この実施の形態では、特図変動時間の設定は、特図変動を開始してからの経過時間を計測するための変動時間用のプロセスタイマ(RAM102の所定領域に設けられている。)に、ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間に応じた値のタイマ初期値を設定することによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これら駆動信号の送信設定により、駆動信号の送信が行われ、特図変動が開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1特図保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2特図保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS246で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図13は、特別図柄変動処理として、図3のステップS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、変動時間用のプロセスタイマのタイマ値(初期値は、ステップS266で設定される。)を1減算する(ステップS321)。このようにすることで、特別変動を開始してからの現在の経過時間が計測(特定)される。続いて、この経過時間がステップS266で設定された特図変動時間を経過したか(特図変動時間に達したか)を判定する(ステップS322)。
変動時間用のプロセスタイマのタイマ値が「0」となっていないことなどによって、特別図柄が変動を開始してからの経過時間が特図変動時間を経過していない場合(ステップS322;No)、つまり、現在が特図変動中の期間中である場合、第1特図又は第2特図の可変表示を更新させる駆動信号を、変動特図指定バッファ値が「1」であれば第1特別図柄表示装置4Aに送信し、変動特図指定バッファ値が「2」であれば第2特別図柄表示装置4Bに送信するなどして、特図の可変表示の制御である特図変動制御処理を行い(ステップS326)、特別図柄変動処理を終了する。
変動時間用のプロセスタイマのタイマ値が「0」となっていることなどによって、特別図柄が変動を開始してからの経過時間が特図変動時間を経過した場合(ステップS322;No)、つまり、特図変動の終了タイミングである場合、ステップS246で設定された確定特別図柄を導出表示させる駆動信号を、変動特図指定バッファ値が「1」であれば第1特別図柄表示装置4Aに送信し、変動特図指定バッファ値が「2」であれば第2特別図柄表示装置4Bに送信するなどして、確定特別図柄を導出表示させる(ステップS323)。その後、図柄確定コマンドの送信設定を行い(ステップS324)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新し(ステップS325)、特別図柄変動処理を終了する。
図3のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。図14は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合(ステップS351;Yes)、時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、時短回数カウンタのカウント値を「0」にすることなどによって、時短フラグ及び確変フラグ、時短回数カウンタをリセットする(ステップS352)。時短回数カウンタは、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントするカウンタである。
その後、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS353)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたラウンド数計数用カウンタ(大当り遊技状態で実行される残りのラウンド数をカウントするためのもの、ラウンド数カウンタともいう。)にカウント初期値(例えば、「15」)を設定し(ステップS354)、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)と、確変フラグのオン状態・オフ状態及び時短フラグのオン状態・オフ状態を指定することなどによって現在の遊技状態(ステップS356では、両フラグがオフ状態となっている通常状態)を指定する遊技状態指定コマンド(演出制御コマンド)と、の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新し(ステップS356)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、ステップS355では、例えば、大当りフラグをオフ状態にしたり、変動特図指定バッファ値をリセットして「0」などの初期値にしたりしてもよい。
CPU103は、大当りフラグがオン状態でない(オフ状態である)場合(ステップS351;No)、時短フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS357)。CPU103は、時短フラグがオン状態である場合には(ステップS357;Yes)、時短回数カウンタのカウント値を1減らし(ステップS358)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS359)。CPU103は、カウント値が「0」である場合(ステップS359;Yes)、時短フラグをオフ状態にし(ステップS360)、時短状態を終了させる。CPU103は、ステップS360の処理を行った後には、現在の遊技状態(時短が終了した遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(ステップS361)。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、ステップS361の後や、時短フラグがオンでない場合(ステップS357;No)、カウント値が「0」でない場合(ステップS359;No)には、CPU103は、小当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS362)。小当りフラグがオン状態である場合(ステップS362;Yes)、小当り開始時演出待ち時間(小当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS363)、小当り用の計数カウンタ(小当り遊技状態で大入賞口を開放する回数の計数カウンタ)にカウント初期値(例えば、「15」)を設定し(ステップS364)、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「8」に更新し(ステップS366)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。小当りフラグがオン状態でない場合(ステップS362;No)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS369)、特別図柄停止処理を終了する。なお、ステップS365では、例えば、小当りフラグをオフ状態にしたり、変動特図指定バッファ値をリセットして「0」などの初期値にしたりしてもよい。また、ステップステップS369では、例えば、変動特図指定バッファ値をリセットして「0」などの初期値にしたりしてもよい。
これら処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時や小当り時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフ状態になり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。
図3のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理は、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する処理である。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの現在の経過時間を計測(特定)する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、ラウンド数計数用カウンタの値が1減らされ、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否か(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」であるか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」でない場合)に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの現在の経過時間を計測(特定)する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、次のステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したとき(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」になったとき)には、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。なお、ステップS114からS116において、大入賞口を開放状態としているときには、大入賞口が開放状態となっていることを通知する演出制御コマンドである大入賞口開放中通知コマンドの送信設定を行い、大入賞口を開放状態後の閉鎖状態にしているときには、大入賞口が開放状態後の閉鎖状態となっていることを通知する演出制御コマンドである大入賞口開放後コマンドの送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。これによって、大入賞口が開放状態になっている期間では、大入賞口開放中通知コマンドが特別図柄プロセス処理の実行ごとに繰り返し伝送され、大入賞口が開放状態後の閉鎖状態になっている期間では、大入賞口開放後コマンドが特別図柄プロセス処理の実行ごとに繰り返し伝送されることになる。なお、大入賞口開放中コマンド及び大入賞口開放後コマンドは、大入賞口が開放又は閉鎖されるタイミングごとに1回送信されるようにしてもよい。
ステップS115の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。図15は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図3に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値がRAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、CPU103は、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ及び確変フラグを切り替える(ステップS323)。大当り種別が「非確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「0」であれば)、確変フラグをオフ状態のままにして時短フラグをオン状態にし、大当り種別が「確変」又は「突確」であれば(大当り種別バッファ設定値が「1」又は「2」であれば)、確変フラグ及び時短フラグをオン状態にする。このようにして、大当り種別が「非確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、時短制御のみの低確高ベース状態になり、大当り種別が「確変」又は「突確」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御及び時短制御がある高確高ベース状態になる。
その後、CPU103は、ステップS323で時短フラグをオン状態にしているので、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する(ステップS324)。その後、CPU103は、現在の遊技状態(ステップS323の処理内容に応じた遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS325)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、ステップS325では、例えば、大当り種別バッファ設定値をリセットしてもよい。また、大当りフラグをここでオフ状態にするようにしてもよい。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
図3のステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったこと、大入賞口を開放状態にするタイミングになったこと(例えば、上記で設定された小当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。また、小当り開放前処理では、例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」などに設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われる。大入賞口を開放状態とする処理などが行われると、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。ステップS118が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS118で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、小当り用の計数カウンタの値が1減らされ、開放回数が所定の上限回数に達したか否か(小当り用の計数カウンタの値が「0」になったか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻したタイミングからの経過時間を計測する処理、計測した経過時間が予め設定された時間になった場合に再び大入賞口を開放状態とする処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、小当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである小当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS118が繰り返し行われ、ステップS119が繰り返し行われることによって、小当り遊技状態が実現される。なお、ステップS118及びステップS119において、大入賞口を開放状態としているときには、大入賞口が開放状態となっていることを通知する演出制御コマンドである大入賞口開放中通知コマンドの送信設定を行い、大入賞口を開放状態後の閉鎖状態にしているときには、大入賞口が開放状態後の閉鎖状態となっていることを通知する演出制御コマンドである大入賞口開放後コマンドの送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。これによって、大入賞口が開放状態になっている期間では、大入賞口開放中通知コマンドが特別図柄プロセス処理の実行ごとに繰り返し伝送され、大入賞口が開放状態後の閉鎖状態になっている期間では、大入賞口開放後コマンドが特別図柄プロセス処理の実行ごとに繰り返し伝送されることになる。なお、大入賞口開放中コマンド及び大入賞口開放後コマンドは、大入賞口が開放又は閉鎖されるタイミングごとに1回送信されるようにしてもよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで小当り終了処理を終了する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。なお、小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、ここで、小当りフラグをオフ状態にしてもよい。
特別図柄プロセス処理で送信設定され、コマンド制御処理で送信される上記各コマンドは、中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して電気信号として伝送される。図16に、特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンドの内容の一例を示す。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図16に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、演出制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、演出制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図16において、XXH(Hは16進数であることを示す。以下同じ。)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。例えば、変動パターン指定コマンド(81XXH)では、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。可変表示結果通知コマンド(8CXXH)では、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のうちのいずれとするかの決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。遊技状態指定コマンド(95XXH)では、遊技状態(確変フラグ及び時短フラグのオンとオフとの組合せ)に応じて異なるEXTデータが設定される。
当り開始指定コマンド(A0XXH)は、大当り遊技状態の開始を指定するか、小当り遊技状態の開始を指定するかに応じて異なるEXTデータが設定される。また、当り開始指定コマンド(A0XXH)は、可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。これによっても、大当り遊技状態の開始又は小当り遊技状態の開始を指定することができる。
大入賞口開放中通知コマンド(A1XXH)及び大入賞口開放後通知コマンド(A2XXH)では、大当り遊技状態又は小当り遊技状態での大入賞口の開放(大当りではラウンド)の実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。第1特図保留記憶数通知コマンド(C1XXH)及び第2特図保留記憶数通知コマンド(C2XXH)では、それぞれ、第1特図又は第2特図についての特図ゲームの保留記憶数に応じて異なるEXTデータが設定される。
図16に示す各演出制御コマンドは、上記で説明したように、繰り返し実行される特別図柄プロセス処理において所定のタイミングで主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
具体的には、図17(A)及び(C)に示すように、始動入賞発生(第1始動入賞又は第2始動入賞の発生)時には、始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数通知コマンドが送信される。具体的には、第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数通知コマンドが送信され、第2始動入賞時には、第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数通知コマンドが送信される。
また、図17(A)及び(C)に示すように、特図変動の開始時には、変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、特図保留記憶数通知コマンドが送信される。具体的には、第1特図の特図ゲーム開始時には、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1特図保留記憶数通知コマンドが送信され、第2特図の特図ゲーム開始時には、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2特図保留記憶数通知コマンドが送信される。
また、図17(A)〜(C)に示すように、特図変動の終了時(特図表示結果の導出時)には、図柄確定コマンドが送信される。また、特図表示結果の導出時に、特図表示結果が「大当り」又は「小当り」の場合には、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドが送信され、遊技状態の変更された場合(例えば、大当り遊技状態の開始時に確変フラグ及び時短フラグがオフになったり、時短状態のときの所定回数の可変表示が実行されたことによって時短フラグがオフになったりしたとき)には、遊技状態指定コマンドが送信される。なお、小当り遊技状態と「突確」の大当り遊技状態とを見た目上同じにするために、大当り遊技状態と同様に、小当り遊技状態開始時に確変フラグ及び時短フラグのうちオンになっているものを一旦オフにし、小当り遊技状態終了時に確変フラグ及び時短フラグのうち前記でオフにしたものを再度オンにするようにしてもよく、この場合には、遊技状態の変更時に遊技状態指定コマンドが送信されるようにしてもよい。
また、図17(B)及び(C)に示すように、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の実行中には、大入賞口の開放中の期間(開放したタイミングのみでもよい)に大入賞口開放中通知コマンドが繰り返し送信される。また、大入賞口の開放後の閉鎖中の期間(閉鎖したタイミングのみでもよい)に大入賞口開放後通知コマンドが繰り返し送信される。
また、図17(B)及び(C)に示すように、大当り遊技状態終了時には、大当り遊技状態終了コマンドが送信され、小当り遊技状態終了時には、小当り遊技状態終了コマンドが送信される。
また、図17(B)及び(C)に示すように、大当り遊技状態終了後又は小当り遊技状態終了後、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過したときに、遊技状態の変更された場合(例えば、大当り遊技状態後に確変フラグ及び時短フラグがオンになったときなど)には、遊技状態指定コマンドが送信される。
図18は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS131)。
例えば、ステップS131のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、例えばRAM102の所定領域に設けられた普図保留記憶部における保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値(例えば、RAM102の所定領域に設けられた普図保留記憶カウンタによってカウントされる値)が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR4を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。なお、この更新のときに、普図保留表示器25Cの、LEDなどの点灯個数を増やし普図保留表示器25Cによって表示される普図保留記憶数を増やすようにするとよい。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を遊技球が通過したものの未だ開始されていない普図ゲームの保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部は、通過ゲート41の通過順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による普図始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして普図保留記憶部に記憶された保留データは、普通図柄を用いた普図ゲームの実行が保留されていることを示し、この普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)に基づき「普図当り」に決定されるか否かなどを判定可能にする普図保留記憶情報となる。
ステップS131のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、ステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無、普図当り中であるか否か(例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられたに設けられた普図当りフラグ(オン状態となることによって、現在が普図当り状態であることを示すフラグ)がオン状態であるか否か)などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。例えば、普図保留記憶部に格納された保留データがあり、普図当り中でない(例えば、普図当りフラグがオフ状態である)場合など、普図ゲームを開始する開始条件が成立した場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普通図柄判定処理を実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。それ以外の場合には、普通図柄判定処理を実行せずに、普図プロセスフラグの値も“0”のままで、普通図柄通常処理を終了する。
ステップS140の普通図柄通常処理にて実行される普通図柄判定処理では、普図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データ(普図保留記憶情報)である普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データが、CPU103によって読み出される。このときには、普図保留記憶部において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)を、1エントリずつ上位にシフトする。こうして読み出された保留データに基づいて、所定の普図表示結果決定テーブルを参照することにより、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかと、普図変動時間(普図変動の期間を表す時間)を予め用意された変動時間のいずれにするかと、が決定される。また、保留データの読み出しを行うと、普図保留記憶数カウント値を1つ減算する。
この実施の形態では、普図表示結果決定テーブルとして、遊技状態が時短中でない低ベース時に参照される低ベース時普図表示結果決定テーブル(図19(A)参照)と、遊技状態が時短中である高ベース時に参照される高ベース時普図表示結果決定テーブル(図19(B)参照)と、が用意されている。CPU103は、ステップS140において、時短フラグがオフ状態になっているときには、低ベース時普図表示結果決定テーブルを参照し、時短フラグがオン状態になっているときには、高ベース時普図表示結果決定テーブルを参照する。各普図表示結果決定テーブルでは、普図表示結果決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、予め用意された普図変動時間毎に「普図当り」と「普図ハズレ」とのそれぞれに、割り当てられていればよい。
低ベース時普図表示結果決定テーブルでは、普図変動時間が異なる複数の「普図当り」と「普図ハズレ」が用意されている。具体的には、普図変動時間が2秒、8秒、10秒の「普図当り」と「普図ハズレ」とが用意されており、低ベース時には、いずれかの普図変動時間の「普図当り」又は「普図ハズレ」が選択される。高ベース時普図表示結果決定テーブルでは、普図変動時間は一種類のみ用意されている。具体的には、普図変動時間が1.5秒の「普図当り」と「普図ハズレ」とが用意され、高ベース時には、1.5秒の普図変動時間の「普図当り」又は「普図ハズレ」が選択される。なお、普図表示結果と普図変動時間とを別々に決定してもよい。
CPU103は、参照する普図表示結果決定テーブルにおいて、乱数値MR4に該当する決定値に割り当てられている「普図当り」又は「普図ハズレ」を普図表示結果として決定(選択)し、かつ、その普図表示結果に対応する普図変動時間を予め用意された変動時間のいずれに決定(選択)すればよい(事前決定すればよい)。例えば、乱数値MR4が「30」の場合、CPU103は、低ベース時普図表示結果決定テーブルを参照した場合に、普図変動時間が8秒の「普図ハズレ」を選択し、高ベース時普図表示結果決定テーブルを参照した場合に、普図変動時間が1.5秒の「普図当り」を選択する。
普通図柄判定処理では、前記事前決定によって決定された普図変動時間の設定を行い、主基板11から演出制御基板12に対して、普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンド、普図保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定も行う。送信設定されたコマンドは、例えば普通図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。普図変動時間の設定では、例えば、前記の事前決定によって、普図変動時間が8秒の「普図ハズレ」が選択された場合には、普図変動時間として「8秒」が設定される。
普図変動開始コマンドは、普図変動の開始を指定するとともに、普図表示結果などを示す演出制御コマンドであればよい。具体的には、普図変動開始コマンドとして、普図当りの普図変動開始コマンドと、普図ハズレの普図変動開始コマンドと、が用意され、普図表示結果が「普図当り」と決定された場合には、普図当りの普図変動開始コマンドを送信設定し、普図表示結果が「普図ハズレ」と決定された場合には、普図ハズレの普図変動開始コマンドを送信設定する。なお、普図変動の開始を指定するコマンドと、普図表示結果を指定するコマンドとを別々に用意してもよい。普図変動時間指定コマンドは、前記で設定された普図変動時間を指定する演出制御コマンドである。普図保留記憶数通知コマンドは、現在の普図保留記憶数(今回の普図変動を除いた残りの保留記憶数であり、普図保留記憶数カウント値などによって特定される。)を通知する演出制御コマンドである。
また、普通図柄判定処理では、普図表示結果が「普図当り」に決定されたときには、例えば、普図当りフラグをオン状態にセットする。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させる処理(例えば、普通図柄表示器20に対して普通図柄表示器20が表示する普図の表示を更新させる駆動信号などを送信する処理)が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が、ステップS140で設定された普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。計測された経過時間が、ステップS140で設定された普図変動時間に達した場合には、普図プロセスフラグの値が“2”に更新される。ステップS141が繰り返し実行されることによって、変動時間がステップS140で設定された普図変動時間に到達するまで普通図柄の可変表示が実行される。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄(ステップS140で決定された普図表示結果に対応する、予め定められた確定普通図柄。なお、普図変動時間に応じて確定普通図柄を異ならせてもよい。)を停止表示(導出表示)させる設定などを行う。確定普通図柄が「普図当り」である場合(例えば、普図当りフラグがオン状態の場合)には、普図プロセスフラグの値が“3”に更新される。確定普通図柄が「普図ハズレ」である場合(例えば、普図当りフラグがオフ状態の場合)には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。なお、確定普通図柄を停止させる場合には、普図変動の終了を指定する演出制御コマンドである普図変動終了コマンドの送信設定も行われ、送信設定されたコマンドは、例えば普通図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通電動役物作動処理を開始してからの経過時間を計測する処理や、計測した経過時間が所定の時間(遊技者が遊技球を発射してから普通可変入賞球装置6Bに到達するまでの最短到達時間を超える時間など)になったときに、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態から閉鎖状態または通常開放状態といった第2可変状態に変化させる処理や、第2始動入賞口を第1可変状態に変化させてからの経過時間を計測する処理や、計測した経過時間が第1の所定時間になったときに第2始動入賞口を第2可変状態に変化させる処理や、第2可変状態に変化させたときに第1可変状態にする回数が所定の上限値に達したかを判定する処理や、上限値に達していない場合に第2始動入賞口を第2可変状態に変化させてからの経過時間を計測する処理や、計測した経過時間が第2の所定時間になったときに第2始動入賞口を再び第1可変状態に変化させる処理などが含まれる。この普通電動役物作動処理が繰り返し実行されることによって、普図当り状態が実現される。
普図当り状態が終了した場合(つまり、第1可変状態にする回数が所定の上限値に達したと判定された場合)には、例えば、普図当りフラグをオフ状態にリセットし、また、普図当り状態が終了したことを指定する演出制御コマンドである普図当り終了指定コマンドの送信設定を行い、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。送信設定されたコマンドは、例えば普通図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
普図当り状態の態様は、遊技状態が高ベース状態であるか否かに応じて異なる。低ベース時の普図当り状態の態様は、図19(A)の開放時間の欄に示すように、第2始動入賞口を、5.8秒間第1可変状態にすることを1回行う態様となっている。高ベース時の普図当り状態の態様は、図19(B)の開放時間の欄に示すように、第2始動入賞口を、1.8秒間第1可変状態にすることを3回行う態様(各第1可変状態のインターバルは、任意の時間となっている(例えば、1秒))となっている。
CPU103は、時短フラグがオン状態である場合には、高ベース時の普図当り状態の態様が実現されるように、前記第1の所定期間(1.8秒間)や第2の所定期間(1秒間)、所定の上限値(3回)を設定し、普通電動役物作動処理を実行する。CPU103は、時短フラグがオフ状態である場合には、低ベース時の普図当り状態の態様が実現されるように、前記第1の所定期間(5.8秒間)や第2の所定期間(0秒間)、所定の上限値(1回)を設定し、普通電動役物作動処理を実行する。前記第1の所定期間や第2の所定期間、所定の上限値の設定タイミングは、上記ステップS142で普図プロセスフラグの値が“3”に更新された直後に実行されるステップS143の開始時であってもよいし、上記ステップS142で普図プロセスフラグの値を“3”に更新するタイミングであってもよい。
図19のように、この実施の形態では、高ベース時において、低ベース時よりも高い割合で、普図表示結果が「普図当り」に決定される。
普通図柄プロセス処理で送信設定され、コマンド制御処理で送信される上記各コマンドは、中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して電気信号として伝送される。図20に、特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンドの内容の一例を示す。これら演出制御コマンドは、特別図柄プロセス処理で送信設定されると同様に、例えば2バイト構成である。なお、図20に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、演出制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、演出制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図20において、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。例えば、普図変動時間指定コマンド(8EXXH)では、上記事前決定された普図変動時間などに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、普図保留記憶数通知コマンド(C3XXH)では、現在の普図保留記憶数(普図保留記憶数カウント値)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
図20に示す各演出制御コマンドは、上記で説明したように、繰り返し実行される特別図柄プロセス処理において所定のタイミングで主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
具体的には、図21(A)及び(C)に示すように、普図変動開始時には、普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンド、普図保留記憶数通知コマンドが送信される。普図変動開始コマンドとしては、普図表示結果を「普図当り」と決定した場合には、普図当りの普図変動開始コマンド(8D01H)が送信され、普図表示結果を「普図ハズレ」と決定した場合には、普図ハズレの普図変動開始コマンド(8D02H)が送信される。
また、図21(A)〜(C)に示すように、確定普通図柄の導出表示時(普図変動の終了時)には、普図変動終了コマンドが送信される。なお、普図変動終了コマンドは、適宜、普図表示結果を指定するものであってもよい。
また、図21(B)及び(C)に示すように、普図当り状態の終了時には、普図当り終了指定コマンドが送信される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。図22は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する(ステップS72;No)。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理が再度実行される。
図23は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図23のコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータなどを確認することなどにより(以下、演出制御コマンドの受信の有無についての判定において同じ。)、主基板11から伝送された第1特図保留記憶数通知コマンドと第2特図保留記憶数通知コマンドとのいずれかを受信したか否かを判定する(ステップS681)。
第1特図保留記憶数通知コマンド又は第2特図保留記憶数通知コマンドを受信した場合には(ステップS681;Yes)、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするもの)のカウント値を第1特図保留記憶数通知コマンドが通知する第1特図保留記憶数の値に更新するか、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするもの)のカウント値を第2特図保留記憶数通知コマンドが通知する第2特図保留記憶数の値に更新する(ステップS682)。このような制御によって、演出制御基板12側でカウントされる特図保留記憶数は、実際の特図保留記憶数と同期する。なお、誤作動を防ぐため、ステップS681では、第1特図保留記憶数通知コマンド又は第2特図保留記憶数通知コマンドとともに送信されるはずのすべてのコマンド(図17(C)の送信タイミング(1)及び(2)で送信されるコマンドなどを参照)が受信されたときに、受信あり(Yes)と判定してもよい。
ステップS682の処理に続いて、演出制御用CPU120は、保留記憶表示を変化させる表示動作制御を行う(ステップS683)。
例えば、特図保留記憶の数が1増えた場合(第1特図保留記憶数カウンタ又は第2特図保留記憶数カウンタのカウント値が1増えた場合)には、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ増やし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ増やす。この場合、受信コマンドが第1特図保留記憶数通知コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ増やし、受信コマンドが第2特図保留記憶数通知コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ増やす。
例えば、特図保留記憶の数が1減った場合(第1特図保留記憶数カウンタ又は第2特図保留記憶数カウンタのカウント値が1減った場合)には、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす。この場合、受信コマンドが第1特図保留記憶数通知コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ減らし、受信コマンドが第2特図保留記憶数通知コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ減らす。なお、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす場合には、前記処理を飾り図柄の可変表示の開始時(例えば、後述のステップS171などの処理の実行時)に行ってもよい。
ステップS683の処理のあと、又は、ステップS681で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される普図保留記憶数通知コマンドの受信があったか否かを判定し(ステップS684)、受信があった場合には(ステップS684;Yes)、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた普図保留記憶数カウンタ(普図保留記憶数をカウントするもの)のカウント値を普図保留記憶数通知コマンドが通知する普図保留記憶数の値に更新する(ステップS685)。このような制御によって、演出制御基板12側でカウントされる普図保留記憶数は、実際の普図保留記憶数と同期する。なお、誤作動を防ぐため、ステップS684では、普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンド、及び、普図保留記憶数通知コマンドのすべてが受信されたときに、受信あり(Yes)と判定してもよい。
ステップS685の処理のあと、又は、ステップS684で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS684;No)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドの受信があったか否かを判定し(ステップS687)、受信があった場合には(ステップS687;Yes)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS688)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。
ステップS688において、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS688の処理のあと、又は、ステップS687で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS687;No)、演出制御用CPU120は、その他のコマンド解析処理を実行してから(ステップS689)、コマンド解析処理を終了する。
図24は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出制御プロセス処理では、まず、所定演出制御処理を実行する(ステップS161)。
図25は、所定演出制御処理として、図24のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す所定演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、普図変動対応処理(詳しくは後述)を実行してから(ステップS801)、第1所定演出制限カウンタのカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS802)。第1所定演出制限カウンタは、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられる。詳しくは後述するが、この実施の形態では、第1所定演出の実行中又は実行前に普図変動終了コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送されると(詳しくは後述するが、コマンド化けやプログラムの誤動作などが原因でこのような現象が起こり得る。)、第1所定演出の実行を途中で中止させたり、第1所定演出の実行開始を中止させたりする。これら中止によって、所定演出の実行が普図変動の所定回数分制限される。第1所定演出制限カウンタは、この所定演出の実行を制限する普図変動の回数をカウントするものである。
第1所定演出制限カウンタのカウント値が「0」である場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、第2所定演出制限カウンタのカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS803)。第2所定演出制限カウンタは、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられる。詳しくは後述するが、この実施の形態では、第2所定演出の実行中又は実行前に図柄確定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送されると(詳しくは後述するが、コマンド化けやプログラムの誤動作などが原因でこのような現象が起こり得る。)、第2所定演出の実行を途中で中止させたり、第2所定演出の実行開始を中止させたりする。これら中止によって、所定演出の実行が特図変動の所定回数分制限される。第2所定演出制限カウンタは、この所定演出の実行を制限する特図変動の回数をカウントするものである。
第2所定演出制限カウンタのカウント値が「0」である場合(ステップS802;Yes)、この場合、所定演出の実行が制限されないので、第1所定演出の実行に係る第1所定演出制御処理(詳しくは後述)を実行し(ステップS804)、第2所定演出の実行に係る第2所定演出制御処理(詳しくは後述)を実行する(ステップS805)。第1所定演出制限カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS802;No)、第2所定演出制限カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS803;No)、ステップS805の処理のあとは、所定演出制御処理を終了する。
このような処理によって、第1所定演出の実行を途中で中止させたり、第1所定演出の実行開始を中止させたりした場合には、所定演出の実行が普図変動の所定回数分制限され、第2所定演出の実行を途中で中止させたり、第2所定演出の実行開始を中止させたりした場合には、所定演出の実行が特図変動の所定回数分制限されることになる。
図26は、普図変動対応処理として、図25のステップS801にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す普図変動対応処理において、演出制御用CPU120は、まず、普図変動フラグがオン状態であるかを判定する。普図変動フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、普図変動中にオン状態になるフラグである。
普図変動フラグがオフ状態である場合(ステップS811;No)、主基板11から伝送される普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンド、及び、普図保留記憶数通知コマンドの受信があったかを判定し(ステップS812)、受信があった場合(ステップS812;Yes)、普図変動が開始するので、普図変動フラグをオン状態とし(ステップS813)、普図変動時間指定コマンドが指定する普図変動時間に応じたタイマ初期値を普図変動タイマに設定する(ステップS814A)。普図変動タイマは、普図変動の開始からの経過時間を計測するものであり、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられる。例えば、普図変動時間が8秒であれば、8秒に対応するタイマ初期値を普図変動タイマに設定する。このようにして、ステップS814Aでは主基板11で実行される普図変動時間と同じ時間が普図変動時間として設定される。その後、普図変動カウンタのカウント値を1減じる(ステップS814B)。普図変動カウンタは、所定の条件のもとで第2所定演出の実行を次回の普図変動から開始するために(詳しくは後述)、普図変動の回数をカウントするためのものであり、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられる。ステップS814Bのあとや、普図変動時間指定コマンドの受信がない場合(ステップS812;No)には、普図変動対応処理が終了する。なお、ステップS812では、誤作動を防ぐために、上記3つのコマンドの受信があったときのみ、受信あり(Yes)と判定するようにしているが、少なくとも普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンドを受信したときに受信ありと判定してもよい。
普図変動フラグがオン状態である場合(ステップS811;Yes)、主基板11から伝送される普図変動終了コマンドの受信があったかを判定し(ステップS815)、受信があった場合(ステップS815;Yes)、普図変動が終了するので(確定普通図柄が導出されるので)、普図変動フラグをオフ状態とし(ステップS816)、第1所定演出制限カウンタのカウント値を1減じ(ステップS817)、普図変動タイマをリセットする(ステップS818)。なお、ステップS817やステップS814Bにおいて、第1所定演出制限カウンタのカウント値や普図変動カウンタのカウント値がすでに「0」の場合には、カウント値をそのまま「0」とする。普図変動終了コマンドの受信がない場合(ステップS815;No)、普図変動タイマのタイマ値を1減じることで(ステップS820)、普図変動の開始からの経過時間が計測される。ステップS820、ステップS818の終了後は、普図変動対応処理が終了する。
これら処理によって、実際の普図変動に対応した処理がなされ、演出制御基板12側でも、現在普図変動が行われているか否か、普図変動の開始からの現在の経過時間、普図変動の回数などが適宜把握される。
図27は、第1所定演出制御処理として、図25のステップS804にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す第1所定演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1所定演出フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS831)、所定演出フラグがオフ状態の場合(ステップS831;No)、第2所定演出実行決定フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS832)。
第1所定演出フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、普図変動中にオン状態となるものである。この実施の形態では、この第1所定演出フラグが普図変動開始時にオン状態になることによって、普図変動開始時においてのみ第1所定演出の実行の有無など判定されることになる(ステップS831;Yes、ステップS834参照)。
第2所定演出実行決定フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、第2所定演出の実行が決定されたときにオン状態になり、第2所定演出の実行が終了したときなどにオフ状態になるフラグである。
第2所定演出実行決定フラグがオン状態である場合(ステップS832;Yes)、第2所定演出の実行が決定されているため(あるいは実行中であるため)、第1所定演出を実行すると所定演出が重複してしまうため、第1所定演出の実行の有無を決定せずに第1所定演出制御処理を終了する。一方、第2所定演出実行決定フラグがオフ状態である場合(ステップS832;No)、第2所定演出の実行を決定していないため(かつ実行中でないため)、普図変動が開始されたときに主基板11から演出制御基板12に伝送される、普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンド、及び、普図保留記憶数通知コマンドの受信があったかを判定し(ステップS833)、これらコマンドの受信があった場合(ステップS833;Yes)には、第1所定演出フラグをオン状態とする(ステップS834)。なお、ステップS833では、誤作動を防ぐために、上記3つのコマンドの受信があったときのみ、受信あり(Yes)と判定するようにしているが、少なくとも、普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンドを受信したときに受信ありと判定してもよい。これらコマンドの受信がない場合(ステップS833;No)、普図変動の開始時でないため、第1所定演出制御処理を終了する。
ステップS834に続いて、演出制御用CPU120は、現在が大当り遊技状態、小当り遊技状態(ここでは、エンディング演出などを含む)中であるかを判定する(ステップS835)。演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が「3」〜「6」であるなどして、現在が大当り遊技状態、小当り遊技状態中である場合(ステップS835;Yes)、所定演出を実行しても、遊技者の関心は得られにくいので、第1所定演出の実行の有無を決定せずに第1所定演出制御処理を終了する。
演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が「0」〜「2」であるなどして、現在が大当り遊技状態、小当り遊技状態中でない場合(ステップS835;No)、受信した図変動時間指定コマンドによって指定される普図変動時間が短いかを判定する(ステップS836)。普図変動時間が例えば2秒以下で短い場合(ステップS836;Yes)、第1所定演出の十分な実行期間を確保できないので、第1所定演出の実行の有無を決定せずに第1所定演出制御処理を終了する。なお、この実施の形態では、普図変動時間が2秒以下で短い場合には、現在が高ベース中であることも含まれる(高ベース中の普図変動時間が1.5秒のため)。高ベース中は、普図変動の表示結果が「普図当り」になる確率が高いので、このときに第1所定演出を実行しても、「普図当り」になる期待感を効果的に煽ることができないので、高ベース中は第1所定演出の実行を禁止するとよい。この実施の形態では、ステップS836によって、高ベース中の第1所定演出の実行が禁止されることができ、上記不都合を解消できる。なお、低ベース時の普図変動時間がいずれも長い場合(又は、短くても第1所定演出の実行期間を確保できるとき)などには、ステップS836で高ベース中か否かのみを判定し、高ベース中であれば(例えば、高ベースフラグがオン状態であれば)、第1所定演出制御処理を終了し、高ベース中でなければ(例えば、高ベースフラグがオフ状態であれば)、ステップS837の処理を実行するようにしてもよい。
一方、普図変動時間が例えば2秒以下でなく短くない場合(8秒以上である場合)(ステップS836;No)、第1所定演出を実行する条件が揃ったとして、第1所定演出の実行の有無を決定する(ステップS838)。
一例として、ステップS838の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される第1所定演出実行決定用の乱数値SR1(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された第1所定演出実行決定テーブルを参照することなどにより、第1所定演出の実行の有無を決定すればよい。
図28は、第1所定演出実行決定テーブルの内容を示している。第1所定演出実行決定テーブルでは、例えば、普図表示結果が「普図当り」か「普図ハズレ」かに応じて、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、第1所定演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。普図表示結果が「普図当り」か「普図ハズレ」かは、普図変動開始コマンドが「普図当り」のコマンドであるか、「普図ハズレ」のコマンドであるかによって特定できる。
演出制御用CPU120は、ステップS838において、第1所定演出実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR1と、普図変動開始コマンドが「普図当り」又は「普図ハズレ」のいずれのコマンドであるかと、に基づいて、第1所定演出実行決定テーブルを参照することにより、普図表示結果に応じて乱数値SR1に該当する決定値に割り当てられた「実行有り」又は「実行無し」のいずれかを決定結果とすればよい。実行有りの場合には、第1所定演出を実行することを決定する。実行無しの場合には、第1所定演出を実行しないと決定する。例えば、乱数値SR1が「30」のときには、演出制御用CPU120は、普図変動開始コマンドが「普図当り」のコマンドである場合には、第1所定演出を実行すると決定し、普図変動開始コマンドが「普図当り」のコマンドである場合には、第1所定演出を実行しないと決定する。
図28のように、この実施の形態では、「普図当り」のときの方が「普図ハズレ」のときより第1所定演出が実行されやすくなっている。このため、遊技者は、所定演出が実行されたときに普図変動の表示結果が「普図当り」となることを期待できる。
ステップS838のあと、ステップS838の決定結果に基づいて、第1所定演出を実行すると決定したか否かの判定する(ステップS839)。ステップS838にて第1所定演出を実行しないと決定している場合(ステップS839;No)、第1所定演出制御処理を終了する。第1所定演出制御処理を終了しても、第1所定演出フラグがオン状態となっているので、今回の普図変動(第1所定演出を実行しないと決定した普図変動)において再度第1所定演出の実行の有無を決定するなどを重複して行うことが防止される(ステップS831;Yes参照)。
ステップS839にて第1所定演出を実行すると決定している場合(ステップS839;Yes)、第1所定演出の実行が決定されているので、第1所定演出実行決定フラグをオン状態とし(ステップS840)、現在が飾り図柄の可変表示中であるかを判定する(ステップS841)。
第1所定演出実行決定フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、第1所定演出の実行が決定されたときにオン状態になり、第1所定演出の実行が終了したときなどにオフ状態になるフラグである。
演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が「2」であるなどして、現在が飾り図柄の可変表示中であると判定した場合には(ステップS841;Yes)、現在実行中の可変表示結果が「ハズレ」で、飾り図柄の可変表示終了までの残時間が短いか否か(例えば、残時間が所定期間(例えば、10秒)よりも短いか否か)を判定する(ステップS842)。可変表示結果が「ハズレ」か否かは、後述のステップS171で決定された最終停止図柄などによって特定でき、前記の残時間は、例えば、後述のステップS531でタイマ初期値が設定される演出制御プロセスタイマのタイマ値によって特定できる。このタイマ値は、特図変動時間に応じて初期値が設定され、飾り図柄の可変表示を開始してからの時間経過に応じて更新されるもの(1減じられるもの)であるので、このタイマ値によって、飾り図柄の可変表示の残時間を特定できる。
なお、可変表示結果が「ハズレ」か否かの判定のために、特図ハズレフラグをRAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設け、後述のステップS171において、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」の場合には、特図ハズレフラグをオン状態にし、後述のステップS172において図柄確定コマンドを受信したときに特図ハズレフラグをオフ状態にするようにし、演出制御用CPU120は、ステップS842で、前記特図ハズレフラグがオン状態となっていれば、現在実行中の可変表示結果が「ハズレ」であると判定してもよい。
現在実行中の可変表示結果が「ハズレ」で、飾り図柄の可変表示終了までの残時間が短い場合(ステップS842;Yes)、特図保留記憶が有るかどうか(例えば、RAM122の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタのカウント値又は第1特図保留記憶数カウンタのカウント値のいずれもが「0」であるか否か)を判定し(ステップS843)、特図保留記憶が有る場合(両カウント値のいずれもが「0」でない場合)(ステップS843;Yes)、可変表示カウンタにカウント初期値である「1」を設定し(ステップS844)、第1所定演出制御処理を終了する。可変表示カウンタは、所定の条件のもとで第1所定演出の実行を次回の可変表示から開始するために(詳しくは後述)、飾り図柄の可変表示の回数をカウントするためのものであり、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられる。
現在実行中の可変表示結果が「ハズレ」でないか、飾り図柄の可変表示終了までの残時間が短くない場合(ステップS842;No)、又は、特図保留記憶がない場合(両カウント値のいずれもが「0」である場合)(ステップS843;No)、第1所定演出制御処理を終了する。
演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が「2」でないなどして、現在が飾り図柄の可変表示中でないと判定した場合には(ステップS841;No)、第1待機用タイマに所定のタイマ初期値をセットし(ステップS845)、第1所定演出制御処理を終了する。第1待機用タイマは、可変表示の開始待ちのための第1所定演出の実行待機時間を測定するためのものであり、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられる。タイマ初期値は、飾り図柄の可変表示の開始を待つことができる最大時間(例えば、3秒)に応じた値になる。
ステップS831において第1所定演出フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS831;Yes)、主基板11から伝送される普図変動終了コマンドの受信があったかを判定し(ステップS846)、受信がない場合には(ステップS846;No)、まだ普図変動の終了時期ではないので、第1所定演出実行決定フラグがオン状態であるか否かを判定し(ステップS854)、第1所定演出実行決定フラグがオフ状態であれば(ステップS854;No)、第1所定演出制御処理を終了する。
第1所定演出実行決定フラグがオン状態であれば(ステップS854;No)、第1所定演出実行フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS855)。第1所定演出実行フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、第1所定演出の実行中(下記のステップS862で設定される待ちも含む。)にオン状態になるフラグである。
第1所定演出実行フラグがオフ状態である場合(ステップS855;No)、第1待機用タイマのタイマ値が「0」であるかを判定し(ステップS857)、第1待機用タイマのタイマ値が「0」である場合(ステップS857;Yes)、可変表示カウンタのカウント値が「0」であるか判定する(ステップS861)。
可変表示カウンタのカウント値が「0」である場合(ステップS861;Yes)、第1所定演出を実行する条件が揃ったので、普図表示結果(普図変動開始コマンドが「普図当り」のものであるか「普図ハズレ」のものであるかによって特定される)、普図変動の残時間(普図変動タイマのタイマ値で特定される)などに応じた第1所定演出パターンによる第1所定演出の実行を開始するための設定を行う(ステップS862)。
第1所定演出パターンは、ROM121に記憶された、第1所定演出を実行するときに使用される演出制御パターンの一種であり、第1所定演出用のプロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
第1所定演出パターンとしては、普図変動の表示結果が「普図当り」となることを報知する当り第1所定演出パターン(所定演出実行エリア5Fに「○」の図柄を停止表示させる第1所定演出のパターン)と、普図変動の表示結果が「普図ハズレ」となることを報知するハズレ第1所定演出パターン(所定演出実行エリア5Fに「×」の図柄を停止表示させる第1所定演出のパターン)と、が用意されている。さらに、第1所定演出パターンとしては、当り第1所定演出パターンとハズレ第1所定演出パターンとのそれぞれについて、実行時間の異なる複数種のパターンが用意されている。例えば、実行時間が5秒間、7秒間の当り第1所定演出パターンとハズレ第1所定演出パターンとが用意されている。演出制御用CPU120は、普図変動の残時間よりも短いパターンであって、最も実行時間が長い第1所定演出パターンを実際に使用するパターンとして選択する(なお、選択方法は、これに限られない)。さらに、第1所定演出の実行時間を計測するための、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた第1所定演出用のプロセスタイマに、前記で選択した第1所定演出パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を設定する。
例えば、ステップS862では、演出制御用CPU120は、普図変動開始コマンドが「普図当り」のものであり、普図変動タイマのタイマ値から把握される普図変動の残時間が7.5秒であれば、実行時間が7秒間の当り第1所定演出パターンを選択し、普図変動開始コマンドが「普図当り」のものであり、普図変動タイマのタイマ値から把握される普図変動の残時間が6秒であれば、実行時間が5秒間の当り第1所定演出パターンを選択する(RAM122の所定領域に記憶させることなどして、この第1所定演出パターンを使用パターンとして設定する)。
さらに、ステップS862では、演出制御用CPU120は、前記で設定した第1所定演出パターンで第1所定演出を実行する場合に、第1所定演出の終了タイミングと、普図変動の終了タイミングとを合わせるために、第1所定演出の実行待ち期間を設定する。例えば、普図変動タイマのタイマ値から把握される普図変動の残時間から前記で設定した第1所定演出パターンの実行時間を減じた時間に対応する値をタイマ初期値として、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた、前記実行待ち時間を計測するための待ち時間タイマに設定する。
このようにステップS862では、第1所定演出パターンの使用パターンとしての設定、第1所定演出用のプロセスタイマの設定、及び、待ち時間タイマの設定が行われることによって、第1所定演出パターンによる第1所定演出の実行を開始するための設定が行われる。
ステップS862に続いて、第1所定演出実行フラグをオン状態として(ステップS863)、第1所定演出制御処理を終了する。可変表示カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS861;No)も、第1所定演出を実行する条件が揃わないので、第1所定演出制御処理を終了する。
第1待機用タイマのタイマ値が「0」でない場合(ステップS857;No)、飾り図柄の可変表示の開始を待つことができる最大時間(例えば、3秒)が未だ経過してない。この場合には、可変表示が開始されたかを判定し(ステップS858)、演出プロセスフラグの値が「2」であるなどして、飾り図柄の可変表示が開始されたと判定した場合(ステップS858;Yes)、第1所定演出を実行できるので、第1待機用タイマをリセットし(ステップS860)、ステップS861の処理を行う(なお、ステップS862の処理にとんでも良い)。演出プロセスフラグの値が「2」でないなどして、飾り図柄の可変表示が開始されていないと判定した場合(ステップS858;No)、第1待機用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS859)、第1所定演出制御処理を終了する。
ステップS855で、第1所定演出実行フラグがオンであると判定された場合(ステップS855;Yes)、第1所定演出の実行を行う第1所定演出動作制御を行い(ステップS856)、第1所定演出制御処理を終了する。第1所定演出動作制御では、まず、待ち時間タイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が「0」であるかを判定する。減じた後のタイマ値が「0」でない場合には、第1所定演出動作制御を終了する。これによって、前記待ち時間が経過するまで、第1所定演出の実行が待たれる。減じた後のタイマ値が「0」である場合には、待ち時間が終了したので、今度は、第1所定演出用のプロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたプロセスタイマのタイマ値と同じ値の演出制御プロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データを前記で設定された第1所定演出パターンから読み出し、読み出した演出制御実行データに基づく表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた所定演出実行エリア5Fにて第1所定演出を実行する動作制御を行い、第1所定演出動作制御を終了すればよい。なお、1減じたプロセスタイマのタイマ値と同じ値の演出制御プロセスタイマ判定値に対応した終了コードが読み出された場合には、普図変動終了コマンドの受信待ちとなる。第1所定演出動作制御が繰り返し行われることで、第1所定演出の実行待ち、及び、第1所定演出(所定演出実行エリア5Fに「○」又は「×」の図柄を停止表示するまでの演出)の実行が行われる。
ステップS846にて普図変動終了コマンドが受信されたと判定された場合(ステップS846)、第1所定演出実行決定フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS847)、第1所定演出実行決定フラグがオン状態である場合には(ステップS847;Yes)、第1所定演出を実行する実行期間の終了タイミングであるかを判定する(ステップS848)。この判定は、例えば、演出制御用CPU120がステップS856で終了コードを読み出したか否かで判定する。
終了コードを読み出しているなどして、現在が第1所定演出を実行する実行期間の終了タイミングである場合(ステップS848;Yes)、第1所定演出の終了制御を行い、第1所定演出の結果として、普通可変入賞球装置6Bが開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態に変化するか否か(例えば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となるか「普図ハズレ」となるか)を報知する(ステップS851)。具体的には、例えば、前記で設定された第1所定演出実行パターンに含まれる、所定演出実行エリア5Fに「○」又は「×」の図柄を停止表示するための表示制御データなどを読み出し、読み出した演出制御実行データに基づく表示制御指令を、表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた所定演出実行エリア5Fに「○」(当り第1所定演出実行パターンの場合)又は「×」(ハズレ第1所定演出実行パターンの場合)の図柄を停止表示させることで、前記第1可変状態に変化するか否かを報知する。
一方、終了コードを読み出していないなどして、現在が第1所定演出を実行する実行期間の終了タイミングでない場合には(ステップS848;No)、ステップS849以降の後述の処理を行う。ステップS848で現在が第1所定演出を実行する実行期間の終了タイミングでないと判定されるのは、第1所定演出の実行前(第1所定演出の待ちのときや第1所定演出の実行することは決定したがステップS862の処理を未だ行っていないとき)又は第1所定演出の実行中に主基板11側から普図変動の終了を指定する普図変動終了コマンドが演出制御基板12に送信されたとき、つまり、第1所定演出の実行前又は第1所定演出の実行中に主基板11側で実行されている実際の普図変動が終了したときである。ここで、パチンコ遊技機1が正常に動作している限りは、主基板11と演出制御基板12とは同期が取れているので、このようなこと(誤動作)が起きることはない。しかし、例えば、普図変動時間指定コマンドがノイズなどによってコード化けしたり、演出制御基板12側のプログラムが誤動作したりすることなどによって、主基板11側にて上記ステップS140で設定される普図変動時間よりも、演出制御基板12側にてステップS814Aで設定される普図変動時間の方が長く設定されたり、ステップS862での設定で本来選択するべきものよりも実行時間が長い第1所定演出パターンが選択されたりすることがある(又は実行の待ち時間が本来よりも長い場合もある)。このような場合に、上記誤動作が起こりうる。そこで、この実施の形態では、このような場合に備えて、以下のような処理を行う。
具体的には、ステップS849において、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行い、所定演出実行エリア5Fを消去したり、所定演出実行エリア5Fに何も表示しないようにしたりすることを開始し、実行中の第1所定演出を中止させる動作制御を行う。また、設定された実行前又は実行中の第1所定演出パターンをRAM122から消去したり、第1所定演出用のプロセスタイマをリセットしたり、及び、待ち時間タイマをリセットしたりして、第1所定演出の実行のための設定をキャンセルする。このようなキャンセルは、第1所定演出が実行中でも実行前でも実行される。
ステップS849の後は、第1所定演出制限カウンタに所定のカウンタ初期値(例えば、普図保留記憶数の上限値である「4」など)を設定する(ステップS850)。これによって、上記誤作動があった場合には、所定期間の間、所定演出の実行を禁止できる。なお、これ以降、前記所定期間では、第2所定演出制御処理もスキップされるので(ステップS802;No)、誤動作防止のため、ステップS850では、例えば、後述の第2所定演出フラグがオン状態になっていればオフ状態とする他、念のため、後述の第2所定演出実行フラグ、第2所定演出実行決定フラグをリセットしてオフ状態としたり、後述の第2待機用タイマ、普図変動カウンタなどを念のため適宜リセットしたりする。
ステップS850のあと、ステップS851のあと、ステップS847にて第1所定演出実行決定フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS847;No)には、第1所定演出フラグ、第1所定演出実行フラグ、第1所定演出実行決定フラグのうちでオン状態になっているものをオフ状態とし(ステップS852)、第1待機用タイマ、可変表示カウンタをリセットして(ステップS853)、第1所定演出制御処理を終了する。ステップS850のあと、ステップS852やS853などが実行されることによって、第1所定演出の実行が決定しているが第1所定演出が未だ実行されていない場合であっても、第1所定演出の実行そのものを第1所定演出の開始前に中止させられる。
演出制御プロセス処理が実行されるごとに第1所定演出制御処理が繰り返し行われることによって、第1所定演出の実行の有無の決定や、第1所定演出の実行などが実現される。具体的には、主基板11側での普図変動の実行開始に応答して、現在が大当り遊技状態や小当り遊技状態でなかったり、当該普図変動の変動時間が短くなかったりした場合(変動時間が所定の基準よりも短くなかった場合)には、第1所定演出の実行の有無が決定されることになる。
第1所定演出の実行の決定時に飾り図柄の可変表示が行われていなければ、例えば、最大3秒、可変表示の実行開始を待つ。3秒間待っても可変表示の実行開始がない場合には、第1所定演出が実行される(普図変動と第1所定演出の終了タイミングを合わせるための前記待ち時間がある場合もある)。3秒経過しないうちに可変表示の実行が開始された場合には、待機なしにその時点で第1所定演出の実行が開始される(普図変動と第1所定演出の終了タイミングを合わせるための前記待ち時間がある場合もある)。
また、第1所定演出の実行の決定時に飾り図柄の可変表示が行われていても、その可変表示の残り時間が所定の基準よりも短い場合には、その可変表示の表示結果が「ハズレ」であり、特図保留記憶が有ることを条件として、次回の可変表示まで第1所定演出の実行を待機し、次回の可変表示が実行されるときに第1可変表示の実行が開始される(普図変動と第1所定演出の終了タイミングを合わせるための前記待ち時間がある場合もある)。このような場合には、次の飾り図柄の可変表示がすぐに開始されるので、この開始時における普図変動の残り時間も多くなり、第1所定演出の実行期間を確保できるので、次回の可変表示までの待機が行われる。一方で、可変表示の表示結果が「ハズレ」でない場合や特図保留記憶がない場合には、次回の可変表示が開始されるときには普図変動が終了している可能性があるので、その時点で第1可変表示の実行が開始される(普図変動と第1所定演出の終了タイミングを合わせるための前記待ち時間がある場合もある)。
また、第1所定演出の実行中、又は、第1所定演出の実行は決まっているが未だ実行されていない第1所定演出の実行前に、普図変動終了コマンドを受信したときには、第1所定演出の実行中においては第1所定演出の実行が中止(中断)され、又は、第1所定演出の実行前においては第1所定演出の実行を開始することが中止される。
図29は、第2所定演出制御処理として、図25のステップS805にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す第2所定演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、第2所定演出フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS871)、第2所定演出フラグがオフ状態の場合(ステップS871;No)、第1所定演出実行決定フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS872)。
第2所定演出フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、飾り図柄の可変表示中にオン状態となるものである。この実施の形態では、この第2所定演出フラグが飾り図柄の可変表示開始時にオン状態になることによって、特図変動開始時においてのみ第2所定演出の実行の有無など判定されることになる(ステップS871;Yes、ステップS874参照)。
第1所定演出実行決定フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、第1所定演出の実行が決定されたときにオン状態になり、第1所定演出の実行が終了したときなどにオフ状態になるフラグである。
第1所定演出実行決定フラグがオン状態である場合(ステップS872;Yes)、第1所定演出の実行が決定されているため(あるいは実行中であるため)、第2所定演出を実行すると所定演出が重複してしまうため、第2所定演出の実行の有無を決定せずに第2所定演出制御処理を終了する。一方、第1所定演出実行決定フラグがオフ状態である場合(ステップS872;No)、第1所定演出の実行を決定していないため(かつ実行中でないため)、演出制御プロセスフラグの値が「1」であるか(つまり、飾り図柄の可変表示の開始時であるか)を判定し(ステップS873)、「1」である場合(ステップS873;Yes)には、第2所定演出フラグをオン状態とする(ステップS874)。「1」でない場合(ステップS873;No)には、飾り図柄の可変表示の開始時でないため、第2所定演出制御処理の実行を終了する。
ステップS874に続いて、演出制御用CPU120は、特図変動時間が短いかを判定する(ステップS875)。演出制御用CPU120は、特図変動時間が例えば10秒未満などの所定の基準より短い場合(ステップS876;Yes)、第2所定演出の実行期間を十分確保できないので、第2所定演出の実行の有無を決定せずに第2所定演出制御処理を終了する。
演出制御用CPU120は、特図変動時間が短くない場合(ステップS875;No)、現在が高ベース中であるかを判定し(ステップS876)、高ベースフラグがオン状態となっているなどして現在が高ベースである場合には(ステップS876;Yes)、第1所定演出の実行も禁止されているので、第2所定演出の実行の有無を決定せずに第2所定演出制御処理を終了する。高ベース中には第1所定演出の実行を禁止しているので、第2所定演出が高ベース中に実行されるとすると所定演出の実行時にそれが第2所定演出であることが遊技者に分かってしまう。この実施形態のように、第2所定演出も高ベース中には、実行を禁止することでこのような不都合を解消できる。
高ベースフラグがオフ状態となっているなどして現在が高ベース中でない場合には(ステップS876;No)、第2所定演出を実行する条件が揃ったとして、第2所定演出の実行の有無を決定する(ステップS877)。
一例として、ステップS877の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される第2所定演出実行決定用の乱数値SR2(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された第2所定演出実行決定テーブルを参照することなどにより、第2所定演出の実行の有無を決定すればよい。
図30(A)は、第2所定演出実行決定テーブルの内容を示している。第2所定演出実行決定テーブルでは、例えば、可変表示結果が「大当り」(ここでは、大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」であるが、さらに「突確」を含むものであってもよい。以下、同じ)か、それ以外か、に応じて、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、第2所定演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。可変表示結果や大当り種別は、可変表示結果通知コマンドによって特定できる。
演出制御用CPU120は、ステップS877において、第2所定演出実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR2と、可変表示結果と、に基づいて、第2所定演出実行決定テーブルを参照することにより、可変表示結果に応じて乱数値SR2に該当する決定値に割り当てられた「実行有り」又は「実行無し」のいずれかを決定結果とすればよい。実行有りの場合には、第2所定演出を実行することを決定する。実行無しの場合には、第2所定演出を実行しないと決定する。例えば、乱数値SR2が「30」のときには、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」の場合には、第2所定演出を実行すると決定し、可変表示結果が「ハズレ」の場合には、第2所定演出を実行しないと決定する。
図30(A)のように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」のときの方が飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」のときより第2所定演出が実行されやすくなっている。このため、遊技者は、所定演出が実行されたときに可変表示結果が「大当り」となることを期待できる。
ステップS877のあと、ステップS877の決定結果に基づいて、第2所定演出を実行すると決定したか否かの判定する(ステップS878)。ステップS877にて第2所定演出を実行しないと決定している場合(ステップS878;No)、第2所定演出制御処理を終了する。第2所定演出制御処理を終了しても、第2所定演出フラグがオン状態となっているので、今回の可変表示において再度第2所定演出の実行の有無を決定するなどを重複して行うことが防止される(ステップS871;Yes参照)。
ステップS878にて第2所定演出を実行すると決定している場合(ステップS878;Yes)、第2所定演出の実行が決定されているので、第2所定演出実行決定フラグをオン状態とし(ステップS879)、現在が普図変動中であるかを判定する(ステップS880)。
第2所定演出実行決定フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、第2所定演出の実行が決定されたときにオン状態になり、第2所定演出の実行が終了したときなどにオフ状態になるフラグである。
演出制御用CPU120は、普図変動フラグがオン状態であるなどして、普図変動中であると判定した場合には(ステップS880;Yes)、現在実行中の普図変動の表示結果が「普図ハズレ」で、飾り図柄の可変表示終了までの残時間が短いか否か(例えば、残時間が所定期間(例えば、5秒)よりも短いか否か)を判定する(ステップS881)。普図変動の表示結果が「普図ハズレ」か否かは、最新の受信した普図変動開始コマンドが「普図当り」であるか「普図ハズレ」であるかによって特定される。前記の残時間は、例えば、普図変動タイマのタイマ値によって特定できる。このタイマ値は、普図変動時間に応じて初期値が設定され、普図変動を開始してからの時間経過に応じて更新されるもの(1減じられるもの)であるので、このタイマ値によって、普図変動の残時間を特定できる。
なお、普図変動の表示結果が「普図ハズレ」か否かの判定のために、普図ハズレフラグをRAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設け、後述のステップS814Aなどにおいて、受信した普図変動開始コマンドが「普図ハズレ」の場合には、普図ハズレフラグをオン状態にし、ステップS818などにおいて普図ハズレフラグをオフ状態にするようにし、演出制御用CPU120は、ステップS881で、前記普図ハズレフラグがオン状態となっていれば、現在実行中の普図変動の表示結果が「ハズレ」であると判定してもよい。
現在実行中の普図変動の表示結果が「普図ハズレ」で、飾り図柄の可変表示終了までの残時間が短い場合(ステップS881;Yes)、普図保留記憶が有るかどうか(例えば、RAM122の所定領域に設けられた普図保留記憶数カウンタのカウント値が「0」であるか否か)を判定し(ステップS882)、普図保留記憶が有る場合(カウント値が「0」でない場合)(ステップS882;Yes)、普図変動カウンタにカウント初期値である「1」を設定し(ステップS883)、第2所定演出制御処理を終了する。
現在実行中の可変表示結果が「ハズレ」でないか、飾り図柄の可変表示終了までの残時間が短くない場合(ステップS881;No)、又は、普図保留記憶がない場合(カウント値が「0」である場合)(ステップS882;No)、第2所定演出制御処理を終了する。
演出制御用CPU120は、普図変動フラグがオフ状態であるなどして、普図変動中でないと判定した場合には(ステップS880;No)、第2待機用タイマに所定のタイマ初期値をセットし(ステップS884)、第2所定演出制御処理を終了する。第2待機用タイマは、普図変動の開始待ちのための第2所定演出の実行待機時間を測定するためのものであり、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられる。タイマ初期値は、普図変動の開始を待つことができる最大時間(例えば、3秒)に応じた値になる。
ステップS871において第2所定演出フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS871;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったかを判定し(ステップS885)、受信がない場合には(ステップS885;No)、第2所定演出実行決定フラグがオン状態であるか否かを判定し(ステップS893)、第2所定演出実行決定フラグがオフ状態であれば(ステップS893;No)、第2所定演出制御処理を終了する。
第2所定演出実行決定フラグがオン状態であれば(ステップS893;Yes)、第2所定演出実行フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS894)。第2所定演出実行フラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、第2所定演出の実行中(下記のステップS901で設定される待ちも含む。)にオン状態になるフラグである。
第2所定演出実行フラグがオフ状態である場合(ステップS894;No)、第2待機用タイマのタイマ値が「0」であるかを判定し(ステップS896)、第2待機用タイマのタイマ値が「0」である場合(ステップS896;Yes)、普図変動カウンタのカウント値が「0」であるか判定する(ステップS900)。
普図変動カウンタのカウント値が「0」である場合(ステップS900;Yes)、第2所定演出を実行する条件が揃ったので、特図表示結果(可変表示結果通知コマンドによって特定される)、飾り図柄の可変表示の残時間(飾り図柄の可変表示のときに使用される演出制御プロセスタイマのタイマ値で特定される)などに応じて、第2所定演出パターンによる第2所定演出の実行を開始するための設定を行う(ステップS901)。
第2所定演出パターンは、ROM121に記憶された、第2所定演出を実行するときに使用される演出制御パターンの一種であり、第2所定演出用のプロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
第2所定演出パターンとしては、第1所定演出パターンと同様に、例えば、実行時間が4秒間、8秒間の第2所定演出パターンが用意されている。演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示の残時間よりも短いパターンであって、最も実行時間が長い第2所定演出パターンを実際に使用するパターンとして選択する(なお、選択方法は、これに限られない)。さらに、第2所定演出の実行時間を計測するための、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた第2所定演出用のプロセスタイマに、前記で選択した第2所定演出パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を設定する。
例えば、ステップS901では、演出制御用CPU120は、可変表示の残時間が20秒であれば、実行時間が8秒間の第2所定演出パターンを選択する(RAM122の所定領域に記憶させることなどして、この第2所定演出パターンを使用パターンとして設定する)。
さらに、ステップS901では、演出制御用CPU120は、第2所定演出の実行待ち期間(0秒も含む。)を設定する。例えば、予め複数用意された実行待ち時間のうち、可変表示の残時間から前記で設定した第2所定演出パターンの実行時間を減じた時間よりも少ない時間を選択し(例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値と、ROM121に予め記憶されて用意された決定テーブルを参照することなどにより選択すればよい。)、選択した時間に対応する値をタイマ初期値として、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた、前記実行待ち時間を計測するための待ち時間タイマに設定する。これによって、第2所定演出でも、第1所定演出と同様に、実行までに待ちが発生するため、実行タイミングで、所定演出が第2所定演出であるか第1所定演出であるかを見分け難くすることができる。
さらに、ステップS901では、演出制御用CPU120は、実行する第2所定演出を第2所定演出Aとするか第2所定演出Bとするかを決定する。具体的には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される第2所定演出種別決定用の乱数値SR3(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された第2所定演出種別決定テーブルを参照することなどにより、第2所定演出の種別を決定すればよい。
図30(B)は、第2所定演出種別決定テーブルの内容を示している。第2所定演出種別決定テーブルでは、例えば、可変表示結果が「大当り」か、それ以外か、に応じて、乱数値SR3と比較される数値(決定値)が、第2所定演出A及びBのいずれかに割り当てられていればよい。可変表示結果や大当り種別は、可変表示結果通知コマンドによって特定できる。
演出制御用CPU120は、ステップS901において、第2所定演出種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR3と、可変表示結果と、に基づいて、第2所定演出種別決定テーブルを参照することにより、可変表示結果に応じて乱数値SR3に該当する決定値に割り当てられた「A」又は「B」のいずれかを決定結果とすればよい(選択すればよい)。「A」を選択した場合には、第2所定演出Aを実行することを決定する。「B」を選択した場合には、第2所定演出Bを実行することを決定する。例えば、乱数値SR2が「30」のときには、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」の場合には、第2所定演出Aを実行すると決定し、可変表示結果が「ハズレ」の場合には、第2所定演出Bを実行すると決定する。そして、演出制御用CPU120は、第2所定演出Aを実行すると決定したときには、演出の最後に、所定演出実行エリア5Fに「激アツ」の文字を表示することを決定し、第2所定演出Bを実行すると決定したときには、演出の最後に、所定演出実行エリア5Fに「チャンス」の文字を表示することを決定する。
図30(B)のように、この実施の形態では、第2所定演出Aが実行された場合の方が、第2所定演出Bが実行された場合よりも大当り期待度が高くなっている。
所定演出が第2所定演出である場合、演出の最後に、所定演出実行エリア5Fに「チャンス」や「激アツ」の文字など、「大当り」となる可能性を示唆する文字列を停止表示することにより、演出の結果として特図変動の表示結果が「大当り」となる可能性を示唆する(図33参照)。第2所定演出は、示唆の対象となる特図変動の実行中に実行する。この実施の形態では、「チャンス」よりも「激アツ」が停止表示された方が、大当り期待度が高い。
なお、第2所定演出は、所定演出実行エリア5Fに1種類の文字列(例えば、「激アツ」など、所定以上の大当り期待度に対応する文字列のみなど)を停止表示するものであってもよい。又は、3種類の文字列を停止表示するものであってもよい。このようなものでも、「大当り」となる可能性を示唆することが出来る。
このようにステップS901では、第2所定演出パターンの使用パターンとしての設定、第2所定演出用のプロセスタイマの設定、待ち時間タイマの設定、及び、停止表示する文字の決定(第2所定演出の種別の決定)が行われることによって、第2所定演出の実行を開始するための設定が行われる。
ステップS901に続いて、第2所定演出実行フラグをオン状態として(ステップS902)、第2所定演出制御処理を終了する。普図変動カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS900;No)も、第2所定演出を実行する条件が揃わないので、第2所定演出制御処理を終了する。
第2待機用タイマのタイマ値が「0」でない場合(ステップS896;No)、普図変動の開始を待つことができる最大時間(例えば、3秒)が未だ経過してない。この場合には、普図変動が開始されたかを判定し(ステップS897)、普図変動フラグがオン状態であるなどして、普図変動が開始されたと判定した場合(ステップS897;Yes)、第2所定演出を実行できるので、第2待機用タイマをリセットし(ステップS899)、ステップS900の処理を行う(なお、ステップS901の処理にとんでも良い)。普図変動フラグがオフ状態であるなどして、普図変動が開始されていないと判定した場合(ステップS897;No)、第2待機用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS898)、第2所定演出制御処理を終了する。
ステップS894で、第2所定演出実行フラグがオンであると判定された場合(ステップS894;Yes)、第2所定演出の実行を行う第2所定演出動作制御を行い(ステップS895)、第2所定演出制御処理を終了する。第2所定演出動作制御では、まず、待ち時間タイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が「0」であるかを判定する。減じた後のタイマ値が「0」でない場合には、第2所定演出動作制御を終了する。これによって、前記待ち時間が経過するまで、第2所定演出の実行が待たれる。減じた後のタイマ値が「0」である場合には、待ち時間が終了したので、今度は、第2所定演出用のプロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたプロセスタイマのタイマ値と同じ値の演出制御プロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データを前記で設定された第2所定演出パターンから読み出し、読み出した演出制御実行データに基づく表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた所定演出実行エリア5Fにて第2所定演出を実行する動作制御を行い、第2所定演出動作制御を終了すればよい。なお、1減じたプロセスタイマのタイマ値と同じ値の演出制御プロセスタイマ判定値に対応した終了コードが読み出された場合には、ステップS901で決定した停止表示する文字(「激アツ」又は「チャンス」)を停止表示する。第2所定演出動作制御が繰り返し行われることで、第2所定演出の実行待ち、及び、第2所定演出の実行が行われる。
ステップS885にて図柄確定コマンドが受信されたと判定された場合(ステップS886)、第2所定演出実行決定フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS886)、第2所定演出実行決定フラグがオン状態である場合には(ステップS886;Yes)、第2所定演出がすでに実行されて終了しているかを判定する(ステップS887)。この判定は、例えば、演出制御用CPU120がステップS895で終了コードを読み出したか否かで判定する。
終了コードを読み出していないなどして、第2所定演出がすでに終了していない場合(ステップS887;No)、ステップS888以降の後述の処理を行う。ステップS887で第2所定演出の実行が終了済みでないと判定されるのは、第2所定演出の実行前(第2所定演出の待ちのときや第2所定演出の実行することは決定したがステップS901の処理を未だ行っていないとき)又は第2所定演出の実行中に、主基板11側から可変表示の終了(飾り図柄の変動停止)を指定する図柄確定コマンドが演出制御基板12に送信されたとき、つまり、第2所定演出の実行前又は第2所定演出の実行中に主基板11側で実行されている実際の特図変動が終了したときである。ここで、パチンコ遊技機1が正常に動作している限りは、主基板11と演出制御基板12とは同期が取れているので、このようなこと(誤動作)が起きることはない。しかし、例えば、変動パターン指定コマンドがノイズなどによってコード化けしたり、演出制御基板12側のプログラムが誤動作したりすることなどによって、主基板11側にて上記ステップS111で設定される特図変動時間よりも、演出制御基板12側にてステップS531で設定される特図変動時間(飾り図柄の可変表示の変動時間)の方が長く設定されたり、ステップS901での設定で本来選択するべきものよりも実行時間が長い第2所定演出パターンが選択されたりすることがある(又は実行の待ち時間が本来よりも長い場合もある)。このような場合に、上記誤動作が起こりうる。そこで、この実施の形態では、このような場合に備えて、以下のような処理を行う。
具体的には、ステップS888において、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行い、所定演出実行エリア5Fを消去したり、所定演出実行エリア5Fに何も表示しないようにしたりすることを開始し、実行中の第2所定演出を中止させる動作制御を行う。また、設定された実行前又は実行中の第2所定演出パターンをRAM122から消去したり、第2所定演出用のプロセスタイマをリセットしたり、待ち時間タイマをリセットしたり、又は、停止表示する文字をキャンセルするなどして、第2所定演出の実行のための設定をキャンセルする。このようなキャンセルは、第2所定演出が実行中でも実行前でも実行される。
ステップS888の後は、第2所定演出制限カウンタに所定のカウンタ初期値(例えば、普図保留記憶数の上限値である「4」など)を設定する(ステップS889)。これによって、上記誤作動があった場合には、所定期間の間、所定演出の実行を禁止できる。なお、これ以降、前記所定期間では、第1所定演出制御処理もスキップされるので(ステップS803;No)、誤動作防止のため、ステップS889では、例えば、第1所定演出フラグがオン状態になっていればオフ状態とする他、念のため、第1所定演出実行フラグ、第1所定演出実行決定フラグをリセットしてオフ状態としたり、第1待機用タイマ、可変表示カウンタなどを念のため適宜リセットしたりする。
ステップS889のあと、ステップS887にて第2所定演出が実行済みと判定された場合(ステップS887;Yes)、ステップS886にて第2所定演出実行決定フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS886;No)には、第2所定演出フラグ、第2所定演出実行フラグ、第2所定演出実行決定フラグのうちでオン状態になっているものをオフ状態とし(ステップS891)、第2待機用タイマ、普図変動カウンタをリセットして(ステップS892)、第2所定演出制御処理を終了する。ステップS889のあと、ステップS891やS892などが実行されることによって、第2所定演出の実行が決定しているが第2所定演出が未だ実行されていない場合であっても、第2所定演出の実行そのものを第2所定演出の開始前に中止させられる。
演出制御プロセス処理が実行されるごとに第2所定演出制御処理が繰り返し行われることによって、第2所定演出の実行の有無の決定や、第2所定演出の実行などが実現される。具体的には、主基板11側での特図変動の実行開始に応答して、高ベース中でなかったり、特図変動(飾り図柄の可変表示)の変動時間が短くなかったりした場合(変動時間が所定の基準よりも短くなかった場合)には、第2所定演出の実行の有無が決定されることになる。
第2所定演出の実行の決定時に普図変動が行われていなければ、例えば、最大3秒、普図変動の実行開始を待つ。3秒間待っても可変表示の実行開始がない場合には、第2所定演出が実行される(前記待ち時間がある場合もある)。3秒経過しないうちに普図変動が開始された場合には、その時点で第2所定演出の実行が開始される(前記待ち時間がある場合もある)。
また、第2所定演出の実行の決定時に普図変動が行われていても、その普図変動の残り時間が所定の基準よりも短い場合には、その普図変動の表示結果が「普図ハズレ」であり、普図保留記憶が有ることを条件として、次回の普図変動まで第2所定演出の実行を待機し、次回の普図変動が実行されるときに第2可変表示の実行が開始される(前記待ち時間がある場合もある)。このような場合には、次の普図変動がすぐに開始されるので、この開始時における特図変動の残り時間も多くなり、第2所定演出の実行期間を確保できるので、次回の可変表示までの待機が行われる。一方で、普図変動の表示結果が「普図ハズレ」でない場合や普図保留記憶がない場合には、次回の可変表示が開始されるときには特図変動(飾り図柄の可変表示)が終了している可能性があるので、待機なしにその時点で第2可変表示の実行が開始される(前記待ち時間がある場合もある)。
また、第2所定演出の実行中、又は、第2所定演出の実行は決まっているが未だ実行されていない第2所定演出の実行前に、普図変動終了コマンドを受信したときには、第2所定演出の実行中においては第2所定演出の実行が中止(中断)され、又は、第2所定演出の実行前においては第2所定演出の実行を開始することが中止される。
演出制御用CPU120は、ステップS161の処理を実行したあと、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する(図24参照)。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、又は、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「突確」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における各種の演出制御(大当りや小当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口短期開放時処理は、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンド又は小当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。なお、大入賞口短期開放時処理では、主基板11から伝送される大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドなどに基づいて大入賞口の開放又は閉鎖を報知する演出を行うようにしてよい。
ステップS175の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。なお、大入賞口通常開放時処理では、主基板11から伝送される大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドなどに基づいて大入賞口の開放又は閉鎖を報知する演出を行うようにしてよい。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御(エンディング演出)又は小当り遊技状態の終了を報知する演出動作を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図31は、可変表示開始設定処理として、図24のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
ステップS526における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、例えばステップS524と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(特図変動時間に対応したタイマ値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、可変表示カウンタのカウント値を1減じ(ステップS533)、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
図32は、可変表示中演出処理として、図24のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS551)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS551;No)例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS552)。一例として、ステップS552の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS552にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS558にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS558;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS559)。
ステップS558にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS558;No)、ステップS559の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS560)、可変表示中演出処理を終了する。また、ステップS552にて可変表示時間が経過した場合にも(ステップS552;Yes)、可変表示中演出処理を終了する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理(例えば、可変表示の終了を含む。)が実行されるようにしてもよい。
ステップS551にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS551;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。また、第2所定演出制限カウンタのカウント値を1減じ(ステップS564)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS566)、可変表示中演出処理を終了する。
上記の演出制御プロセス処理が繰り返し行われることによって、第1所定演出や第2所定演出を含む所定演出が実行される。この実施の形態では、図33のように、所定演出の実行開始によって、画像表示装置5の画面上に所定演出実行エリア5Fが設けられ、スロットが回転するような演出画像を表示することで所定演出が実行される。そして、最終的に、所定演出実行エリア5Fに「○」の図柄を停止表示するか(図33の(A)→(B)→(C)、当り第1所定演出パターン)、所定演出実行エリア5Fに「×」の図柄を停止表示するか(図33の(A)→(B)→(D)、ハズレ第1所定演出パターン)、所定演出実行エリア5Fに「チャンス」の文字を停止表示するか(図33の(A)→(B)→(E)、第2所定演出B)、所定演出実行エリア5Fに「激アツ」の図柄を停止表示する(図33の(A)→(B)→(E)、第2所定演出A)。
そして、この実施形態では、正常時では、第1所定演出の終了タイミングよりも前に普図変動終了コマンドが演出制御基板12に送信されることはない(図34の符号A参照)。しかし、上記のように誤作動(主基板11と演出制御基板12との間での誤認識)などによって、第1所定演出の実行中に、主基板側11の実際の普図変動が終了し、普図変動終了コマンドが演出制御基板12に送信されることがある。この場合には、このコマンドの受信タイミングで第1所定演出を途中で終了させる(図34の符号B参照)。さらに、上記のように誤作動などによって、第1所定演出の実行を決定したが実際に実行する前に、主基板側11の実際の普図変動が終了し、普図変動終了コマンドが演出制御基板12に送信されることがある。この場合には、このコマンドの受信タイミングで第1所定演出の実行開始を中止し、第1所定演出を実行しないようにする(図34の符号C参照)。これらのようにすることで、実際には普図変動が終了したにもかかわらず(つまり、実際の普通図柄の可変表示期間が終了したにもかかわらず)、第1所定演出の実行が続行又は実行されてしまうことを防止できる。
なお、第2所定演出の実行中に、又は、第2所定演出の実行を決定したが実際に実行する前に、演出制御基板12で普図変動終了コマンドが受信されても、第2所定演出は通常時(図35の符号D参照)と同様に、第2所定演出を最後まで実行する(中止などしない。図35の符号E〜F参照)。このようにすることで、普図変動とは関係のない第2所定演出については実行を続行できる。又は実行を開始できる。
また、この実施形態では、正常時では、第2所定演出の終了タイミングよりも前に図柄確定コマンドが送信されることはない(図36の符号G参照)。しかし、上記のように誤作動(主基板11と演出制御基板12との間での誤認識)などによって、第2所定演出の実行中に、主基板側11の実際の特図変動が終了し、図柄確定コマンドが演出制御基板12に送信されることがある。この場合には、このコマンドの受信タイミングで第2所定演出を途中で終了させる(図36の符号H参照)。そして、この受信タイミングで、飾り図柄の変動も途中で終了し、確定飾り図柄が強制的に導出表示される。このように、第2所定演出が途中で終了すると、これと同期して飾り図柄の変動も途中で終了することになる。さらに、上記のように誤作動などによって、第2所定演出の実行を決定したが実際に実行する前に、主基板側11の実際の特図変動が終了し、図柄確定コマンドが演出制御基板12に送信されることがある。この場合には、このコマンドの受信タイミングで第2所定演出の実行開始を中止し、第2所定演出を実行しないようにする(図36の符号I参照)。そして、この受信タイミングで、飾り図柄の変動も途中で終了し、確定飾り図柄が強制的に導出表示される。これらのようにすることで、実際には特図変動が終了したにもかかわらず(つまり、実際の飾り図柄の可変表示期間が終了したにもかかわらず)、第2所定演出の実行が続行又は実行されてしまうことを防止できる。また、この実施の形態では、実際の飾り図柄の可変表示期間(特図変動期間)が終了したにもかかわらず、飾り図柄の可変表示が続行されてしまうことも防止される。例えば、第1所定演出が途中で終了したにもかかわらず飾り図柄の可変表示が続行されてしまうことを防止できる。
なお、第1所定演出の実行中に、又は、第1所定演出の実行を決定したが実際に実行する前に、演出制御基板12で確定図柄コマンドが受信されても、第1所定演出は通常時(図37の符号J参照)と同様に、第1所定演出を最後まで実行する(中止などしない。図37の符号K〜L参照)。このようにすることで、特図変動とは関係のない第1所定演出については実行を続行できる。又は実行を開始できる。
なお、上記のように、第1所定演出の実行を中断する、又は、実行前の第1所定演出を実行しないようにしたり、第2所定演出の実行を中断する、又は、実行前の第2所定演出を実行しないようにしたりしたときに、所定演出の実行をしばらく禁止することで、演出制御基板12側が誤認識をしている状況下で所定演出を実行することによって所定演出の正確性が担保されないことを防止できる。なお、第1所定演出の実行について中断又は実行開始を中止した場合には、第1所定演出の実行を一定期間制限し、第2所定演出の実行を制限しないようにしてもよい。また、第2所定演出の実行について中断又は実行開始を中止した場合には、第2所定演出の実行を一定期間制限し、第1所定演出の実行を制限しないようにしてもよい。また、所定演出の実行を制限する期間は、特図や普図の可変表示の回数の場合は、任意の数でもよく、現実の所定時間であってもよい。また、例えば、上記中断や中止があったときに保留記憶されている特図の可変表示や普図の可変表示がすべて消化されるまでの期間であってもよい。また、例えば、パチンコ遊技機1としてエラー解除がされるまでの期間であってもよい。また、所定演出の実行を制限する期間は、パチンコ遊技機1の電源が落とされるまでの期間であってもよい。つまり、パチンコ遊技機1の電源を再投入するまでは、所定演出の実行を制限してもよい。
さらにこの実施の形態では、普図変動の開始時に第1所定演出の実行の有無が決定されるが、このときに飾り図柄の可変表示が実行されていない場合には、最大3秒まで第1所定演出の実行が待機される。そして、可変表示が開始されると、又は、可変表示が開始されないで3秒経過すると、第1所定演出が実行される(前記の待ち時間がある場合もある。)(図38参照)。このように3秒経過前に可変表示が開始されると第1所定演出を実行するので、第1所定演出の実行するときに、普図変動と特図変動(飾り図柄の可変表示)とが行われる可能性が高くなるので、遊技者は、第1所定演出が行われているのか第2所定演出が行われているのかが最後の方まで分かり難くなっており、遊技者の期待感を効果的に煽れるタイミングで第1所定演出を実行できる。また、可変表示が開始されないで3秒経過しても、第1所定演出が実行されるので、第1所定演出を確実に実行でき、遊技者の期待感を効果的に煽れる。
さらにこの実施の形態では、飾り図柄の可変表示の開始時に第2所定演出の実行の有無が決定されるが、このときに普図変動が実行されていない場合には、最大3秒まで第2所定演出の実行が待機される。そして、普図変動が開始されると、又は、普図変動が開始されないで3秒経過すると、第2所定演出が実行される(前記の待ち時間がある場合もある。)(図39参照)。このように3秒経過前に普図変動が開始されると第2所定演出を実行するので、第2所定演出の実行するときに、普図変動と特図変動(飾り図柄の可変表示)とが行われる可能性が高くなるので、遊技者は、第2所定演出が行われているのか第1所定演出が行われているのかが最後の方まで分かり難くなっており、遊技者の期待感を効果的に煽れるタイミングで第2所定演出を実行できる。また、可変表示が開始されないで3秒経過しても、第2所定演出が実行されるので、第2所定演出を確実に実行でき、遊技者の期待感を効果的に煽れる。
なお、上記では、第1所定演出も第2所定演出も実行までに前記の待ち時間が設定されることがあったが(ステップS862、ステップ901)、このような待ち時間を設けないようにしてもよい。また、第1所定演出や第2所定演出の長さ(実行時間)なども適宜変更可能であり、例えば、第1所定演出は、普図変動の終了前に先に終了するようにしてもよい。第1所定演出は、普図変動の終了前に終了する場合には、例えば、第2所定演出と同様に、ステップS856で「○」や「×」を停止表示するところまでやり、ステップS848では第1所定演出がすでに終了しているかを判定し、ステップS851は不要になる。同様にして、本実施形態のように第1所定演出が普図変動の終了と合わせて終了するときも、実行開始時にその実行時間を設定し、設定した実行時間が経過(到達)したときに、第1所定演出を終了する(「○」や「×」を停止表示する)ようにしてもよい。
本実施形態では、第2所定演出は、リーチ成立後でもリーチ成立前でも終了し得る(「チャンス」や「激アツ」が停止表示され得る)が、第2所定演出は、飾り図柄の可変表示におけるリーチ成立前又はリーチ成立時に終了するようにしてもよいし、リーチ成立後に終了するようにしてもよい。第2所定演出は、所定の飾り図柄の停止時(例えば、飾り図柄が2番目に停止するタイミング)、リーチ成立前のあるタイミング、リーチ成立時(この場合には、飾り図柄の変動パターンがリーチを指定しているときにのみ第2所定演出を実行するようにする。)など、所定のタイミングで終了する(「チャンス」や「激アツ」を停止表示する)ようにしてもよい。この場合には、例えば、飾り図柄の可変表示の開始から前記所定のタイミングまでの時間を固定としておき、飾り図柄の可変表示の経過時間(飾り図柄の可変表示のときに使用される演出制御プロセスタイマのタイマ値などで特定される)に基づいて、ステップS901において、前記所定タイミングまでの残時間に合わせて、第2所定演出の実行時間(例えば、残時間などに応じた第2所定演出パターン)や前記の待ち時間を決定すればよい。または、例えば、ステップS901において、現在設定されている飾り図柄の可変表示の演出制御パターンに基づいて、前記所定タイミングまでの残時間を特定し、特定した残時間に合わせて、第2所定演出の実行時間や待ち時間を決定するようにしてもよい。なお、第2所定演出は、その後に実行されるリーチ演出の種類を報知することで、大当り期待度を報知するものであってもよい。
また、本実施形態では、第1所定演出の実行中に特図変動(飾り図柄の可変表示)が終了する可能性があり、第2所定演出の実行中に普図変動が終了する可能性があるが、特図変動と普図変動の重複期間のみに第1所定演出や第2所定演出を実行してもよい。このような場合には、例えば、ステップS804やステップS805において、特図変動の残時間(または第2所定演出が終了する前記所定タイミングまでの残時間)と普図変動の残時間(または第1所定演出が終了するタイミングまでの残時間)との両者が重複する期間の長さ以下の実行時間の所定演出を実行するようにし、特図変動の残時間及び普図変動の残時間のうちの、先に時間が「0」になるタイミングで、第1所定演出又は第2所定演出を終了する(「チャンス」や「激アツ」、「○」や「×」を停止表示する)ようにすればよい。
また、飾り図柄の可変表示については、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたことによって飾り図柄の可変表示を終了(確定飾り図柄を導出)してもよい。つまり、変動パターンによって指定される可変表示期間が終了したときに飾り図柄の可変表示を終了してもよい。この場合には、実際の特図変動が終了したにも係わらず、第2所定演出が続行される恐れがあるが、実際の飾り図柄の可変表示期間(つまり、実際の特図変動であり、誤認識の可変表示期間ではない)が終了したにもかかわらず、飾り図柄の可変表示が続行されてしまうことは防止される。なお、この場合には、後述の識別情報の可変表示の終了に関連して遊技制御手段から出力される所定コマンドのうちの少なくとも1つの受信に基づいて、飾り図柄の可変表示を強制終了するようにしてもよい(例えば、ステップS562以降の処理を実行する)。
飾り図柄の可変表示と同様に、普図変動に対応して演出制御基板12側で所定の可変表示を行っても良い。この場合には、上記飾り図柄の可変表示の場合と同様に、普図変動の期間が終了しないうちに普図変動終了コマンド(または、後述の)の入力があった場合には、この所定の可変表示も第1所定演出ともに途中で終了してもよい(第1所定演出の実行前の場合には第1所定演出の実行開始を中止するとともに所定の可変表示を途中で終了させる)し、所定の可変表示については続行させてもよい。どちらにしても、実際には普図変動が終了したにもかかわらず、第1所定演出の実行が続行又は実行されてしまうことを防止できる。なお、所定の可変表示を途中で終了させる方が見栄えはよい。
本実施形態では、上記構成によって、遊技領域に設けられた始動領域に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入した後に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、飾り図柄など)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて、前記識別情報の可変表示を行い表示結果を導出し、予め定められた特定表示結果(例えば、大当り組合せの確定飾り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機であって、前記識別情報の可変表示の可変表示期間(例えば、特図変動時間など)を決定するとともに、決定した前記可変表示期間を示す可変表示期間コマンド(例えば、変動パターン指定コマンドなど)を含む複数種類のコマンドを出力する遊技制御手段(例えば、変動パターンを決定し、変動パターン指定コマンドを含む各種演出制御コマンドを送信する主制御基板11など)と、前記遊技制御手段が出力した前記複数種類のコマンドが入力され、前記可変表示期間コマンドが入力された場合に前記可変表示期間コマンドが示す前記可変表示期間で前記識別情報の可変表示を実行する演出制御手段(例えば、変動パターン指定コマンドに従って識別情報の可変表示を実行する演出制御基板12など)と、遊技媒体が前記始動領域に進入し易い進入容易状態(例えば、第1可変状態など)に変化可能な可変入賞装置(例えば、普通可変入賞球装置6Bなど)と、前記遊技媒体が所定領域を通過したことに基づいて前記可変入賞装置を前記進入容易状態に変化させる制御を行う可変入賞装置制御手段(例えば、普図変動を実行し、普図当りのときに普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態に変化させるCPU103など)と、を備え、前記演出制御手段は、前記可変入賞装置制御手段によって前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化すること、又は、前記識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出(例えば、第1所定演出及び第2所定演出)を実行する所定演出実行手段(例えば、所定演出を実行する演出制御用CPU120など)を備え、前記所定演出実行手段は、前記識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する前記所定演出(例えば、第2所定演出)の実行中に、前記複数種類のコマンドのうち、前記識別情報の可変表示の終了に関連して前記遊技制御手段から出力される所定コマンド(例えば、図柄確定コマンド)が前記演出制御手段に入力された場合には当該所定演出の実行を中止する(例えば、図29のように、第2所定演出の実行中に図柄確定コマンドが送信された場合には第2所定演出の実行を中止する演出制御用CPU120など)、パチンコ遊技機1が構成される。
上記の構成によれば、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出の実行中に、所定コマンドが演出制御手段に入力された場合には当該所定演出の実行を中止するので、実際の可変表示期間が終了したにもかかわらず、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出の実行が続行されることを防止できる。なお、上記のように、識別情報の可変表示も所定演出の実行の中止に合わせて中止することによって、識別情報の可変表示と所定演出とのうちのいずれか一方のみが続行されることも防止される。
なお、可変表示期間を示す可変表示期間コマンドは、直接可変表示期間を表しているものであっても、可変表示期間コマンドのみからは可変表示期間を特定できないが演出制御手段に入力されることによって演出制御手段が可変表示期間を特定できるような可変表示期間を間接的に示すコマンド(上記変動パターン指定コマンドは、変動パターンを指定することによって特図変動時間を特定しているので、このようなコマンドに該当する。)であってもよい。可変表示期間を示す可変表示期間コマンドは、演出制御手段(上記実施形態では演出制御基板12)が、このコマンドに基づいて、遊技制御手段で決定された可変表示期間で識別情報の可変表示を行えるものであればよい。つまり、可変表示期間コマンドは、上記実施形態における変動パターン指定コマンドの他、例えば、主制御基板11で決定された可変表示期間で飾り図柄の可変表示を演出制御基板12側で実行できるように主制御基板11から演出制御基板12に伝送される他のコマンドであってもよい。
また、識別情報の可変表示の終了に関連して遊技制御手段から出力される所定コマンドは、識別情報の可変表示の終了時に出力されるコマンドの他、識別情報の可変表示の終了後に出力されるコマンドも含まれる。所定コマンドは、遊技制御手段から出力された場合に前記の識別情報の可変表示が終了したことを把握できるコマンドであればよい。例えば、上記実施形態では、所定コマンドは、図柄確定コマンドの他、遊技状態指定コマンド、当り開始指定コマンド、大入賞口開放中通知コマンド、大入賞口開放後通知コマンド、大当り遊技状態終了コマンド、小当り遊技状態終了コマンド、遊技状態指定コマンド、次回の識別情報の可変表示時(例えば、特図変動時)に出力される変動開始コマンド、可変表示結果通知コマンド、変動パターン指定コマンドなどであってもよい。例えば、演出制御用CPU120は、ステップS885で、これらコマンドのいずれかが演出制御基板12で受信されたときに、ステップS886以降の処理などを行えばよい。なお、上記のように、特図変動と飾り図柄の可変表示との終了タイミングを同じにする場合には、ステップS551で、これらコマンドのいずれかが演出制御基板12で受信されたときに、ステップS862以降の処理などを行えばよい。
本実施形態では、特に上記の構成によって、前記所定演出実行手段は、前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化することを示唆する前記所定演出の実行中に前記所定コマンドが前記演出制御手段に入力されても前記所定演出の実行を中止しない(例えば、図37参照)。
上記の構成によれば、可変入賞装置が進入容易状態に変化することを示唆する所定演出を中止しないので、進入容易状態の示唆が中止されて遊技者に報知されず、遊技者が不利になってしまうことが防止される。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記所定コマンドが前記演出制御手段に入力されて前記所定演出の実行を中止した場合に、前記所定演出を所定期間実行しない(例えば、第2所定演出制限カウンタをセットすることによって、所定演出の実行を制限する演出制御用CPU120など)。
上記の構成によれば、演出制御手段が誤認識をしている状況下で所定演出を実行することによって所定演出の正確性が担保されないことを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記遊技制御手段は、前記識別情報の可変表示を開始するときに前記可変表示期間コマンド(例えば、変動パターン指定コマンドなど)を出力し、開始された前記可変表示を終了するときに終了確定コマンド(例えば、図柄確定コマンドなど)を出力し、前記所定演出実行手段は、前記演出制御手段に前記可変表示期間コマンド又は前記終了確定コマンドが入力された場合に前記所定コマンドが前記演出制御手段に入力されたとして前記所定演出の実行を中止する(例えば、図29参照)。
上記の構成によれば、実際の可変表示期間が終了したにもかかわらず、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出の実行が続行されることを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する前記所定演出を実行するか否かを決定し、当該可変表示の実行中に前記所定演出を実行すると決定しているにも係わらず前記所定演出の実行を開始する前に前記所定コマンドが前記遊技制御手段から前記演出制御手段に入力された場合には当該所定演出の実行の開始を中止する(例えば、図29、図36参照)。
上記の構成によれば、実際の可変表示期間が終了したにもかかわらず、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出の実行が開始されることを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化することを示唆する前記所定演出を実行するときに前記識別情報の可変表示が行われていないときには前記識別情報の可変表示が開始されるタイミングに基づいて前記所定演出を実行する(例えば、第1所定演出を飾り図柄の可変表示が開始されたときを基準として開始する(ある期間待ってから開始する場合を含む。)演出制御用CPU120など)。
上記の構成によれば、遊技者の期待感を効果的に煽れるタイミングで所定演出を実行できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記遊技媒体が前記所定領域を通過したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の第2識別情報(例えば、普通図柄など)の可変表示を実行する可変表示実行手段(ステップS141を行うCPU103など)を備え、前記可変入賞装置制御手段は、前記可変表示実行手段が前記第2識別情報の可変表示の表示結果として特殊表示結果(例えば、「普図当り」など)を導出した場合に前記可変入賞装置を前記進入容易状態に変化させ、前記所定演出実行手段は、前記識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する前記所定演出を実行するときに前記第2識別情報の可変表示が行われていないときには前記第2識別情報の可変表示が開始されるタイミングに基づいて前記所定演出を実行する(例えば、第2所定演出を普図変動が開始されたときを基準として開始する(ある期間待ってから開始する場合を含む。)演出制御用CPU120など)。
上記の構成によれば、遊技者の期待感を効果的に煽れるタイミングで所定演出を実行できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、遊技領域に設けられた始動領域に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入した後に、各々を識別可能な複数種類の第1識別情報(例えば、飾り図柄など)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて、前記第1識別情報の可変表示を行い表示結果を導出し、予め定められた特定表示結果(例えば、大当り組合せの確定飾り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機であって、遊技媒体が前記始動領域に進入し易い進入容易状態(例えば、第1可変状態など)に変化可能な可変入賞装置(例えば、普通可変入賞球装置6Bなど)と、遊技媒体が所定領域(例えば、通過ゲート41など)を通過したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の第2識別情報(例えば、普通図柄など)の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、普図変動を実行するCPU103など)と、前記可変表示実行手段が前記第2識別情報の可変表示の表示結果として特殊表示結果(例えば、「普図当り」など)を導出した場合に前記可変入賞装置を前記進入容易状態に変化させる可変入賞装置制御手段(例えば、「普図当り」のときに普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態に変化させるCPU103など)と、前記第2識別情報の可変表示の可変表示期間(例えば、普図変動時間など)を決定するとともに、決定した前記可変表示期間を示す可変表示期間コマンド(例えば、普図変動時間指定コマンドなど)を含む複数種類のコマンドを出力する遊技制御手段(例えば、主制御基板11など)と、前記遊技制御手段が出力した前記複数種類のコマンドが入力され、前記可変表示期間コマンドが入力されたことに基づいて所定の演出装置(例えば、画像表示装置5など)を制御して演出を実行可能な演出制御手段(例えば、演出制御基板12など)と、を備え、前記演出制御手段は、前記可変入賞装置制御手段によって前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化することを示唆する所定演出(例えば、第1所定演出)を実行する所定演出実行手段(例えば、第1所定演出を実行する演出制御用CPU120など)を備え、前記所定演出実行手段は、前記所定演出の実行中に、前記複数種類のコマンドのうち、前記第2識別情報の可変表示の終了に関連して前記遊技制御手段から出力される所定コマンド(例えば、普図変動終了コマンドなど)が前記演出制御手段に入力された場合には当該所定演出の実行を中止する(例えば、図27のように、第1所定演出の実行中に普図変動終了コマンドが送信された場合には第1所定演出の実行を中止する演出制御用CPU120など)、パチンコ遊技機1が構成される。
なお、可変表示期間を示す可変表示期間コマンドは、直接可変表示期間を表しているものであっても(上記普図変動時間指定コマンドは、このようなコマンドに該当する。)、可変表示期間コマンドのみからは可変表示期間を特定できないが演出制御手段に入力されることによって演出制御手段が可変表示期間を特定できるような可変表示期間を間接的に示すコマンドであってもよい。可変表示期間を示す可変表示期間コマンドは、演出制御手段(上記実施形態では演出制御基板12)が、このコマンドに基づいて、遊技制御手段で決定された可変表示期間で可変表示を行えるものであればよい。つまり、可変表示期間コマンドは、上記実施形態における普図変動時間指定コマンドの他、例えば、主制御基板11で決定された可変表示期間で演出制御基板12が所定の処理を実行できるように主制御基板11から演出制御基板12に伝送される他のコマンドであってもよい。なお、上記実施形態において普図変動期間は、低ベース、高ベースについて一種類ずつしかなくてもよい(例えば、低ベース時は10秒、高ベース時には1.5秒など)。このような場合、上記実施形態では、普図変動時間指定コマンドを不要としてもよい。この場合、例えば、普図変動開始コマンドが送信されることで、演出制御基板12の演出制御用CPU120は、高ベースか低ベースか(高ベースフラグがオン状態かオフ状態か)で一意に特定される可変表示期間で普図の可変表示を行うので、普図変動開始コマンドは、間接的に可変表示期間を示すので、可変表示期間コマンドに該当することになる。
また、第2識別情報の可変表示の終了に関連して遊技制御手段から出力される所定コマンドは、第2識別情報の可変表示の終了時に出力されるコマンドの他、第2識別情報の可変表示の終了後に出力されるコマンドも含まれる。所定コマンドは、遊技制御手段から出力された場合に前記の第2識別情報の可変表示が終了したことを把握できるコマンドであればよい。例えば、上記実施形態では、所定コマンドは、普図変動終了コマンドの他、普図当り終了指定コマンド、次回の第2識別情報の可変表示時(例えば、普図変動時)に出力される普図変動開始コマンド、普図変動時間指定コマンド、普図保留記憶数通知コマンドなどであってもよい。例えば、演出制御用CPU120は、ステップS846で、これらコマンドのいずれかが演出制御基板12で受信されたときに、ステップS847以降の処理などを行えばよい。
上記の構成によれば、可変入賞装置が進入容易状態に変化することを示唆する所定演出の実行中に、所定コマンドが演出制御手段に入力された場合には当該所定演出の実行を中止するので、実際の第2識別情報の可変表示の可変表示期間が終了したにもかかわらず、当該所定演出の実行が続行されることを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記所定演出として、前記可変入賞装置制御手段によって前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化すること、又は、前記第1識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出を実行し、前記第1識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する前記所定演出の実行中に前記所定コマンドが前記演出制御手段に入力されても前記所定演出の実行を中止しない(例えば、図35参照)。
上記の構成によれば、第1識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出を中止しないので、当該可能性が示唆されることが中止することによって遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記所定コマンドが前記演出制御手段に入力されて前記所定演出の実行を中止した場合に、前記所定演出を所定期間実行しない(例えば、第1所定演出制限カウンタをセットすることによって、所定演出の実行を制限する演出制御用CPU120など)。
上記の構成によれば、演出制御手段が誤認識をしている状況下で所定演出を実行することによって所定演出の正確性が担保されないことを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記遊技制御手段は、前記第2識別情報の可変表示を開始するときに前記可変表示期間コマンド(例えば、普図変動時間指定コマンドなど)を出力し、開始された前記可変表示を終了するときに終了確定コマンド(例えば、普図変動終了コマンドなど)を出力し、前記所定演出実行手段は、前記演出制御手段に前記可変表示期間コマンド又は前記終了確定コマンドが入力された場合に前記所定コマンドが前記演出制御手段に入力されたとして前記所定演出の実行を中止する(例えば、図27参照)。
上記の構成によれば、実際の可変表示期間が終了したにもかかわらず、可変入賞装置が進入容易状態に変化することを示唆する所定演出の実行が続行されることを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記第2識別情報の可変表示の表示結果が前記特殊表示結果となることを示唆する前記所定演出を実行するか否かを決定し、当該可変表示の実行中に前記所定演出を実行すると決定しているにも係わらず前記所定演出の実行を開始する前に前記所定コマンドが前記遊技制御手段から前記演出制御手段に入力された場合には当該所定演出の実行の開始を中止する(例えば、図27、図34参照)。
上記の構成によれば、実際の可変表示期間が終了したにもかかわらず、可変入賞装置が進入容易状態に変化することを示唆する所定演出の実行が開始されることを防止できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記所定演出として、前記可変入賞装置制御手段によって前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化すること、又は、前記第1識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出を実行し、前記所定演出実行手段は、前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化することを示唆する前記所定演出を実行するときに前記第1識別情報の可変表示が行われていないときには前記第1識別情報の可変表示が開始されるタイミングに基づいて前記所定演出を実行する(例えば、第1所定演出を飾り図柄の可変表示が開始されたときを基準として開始する(ある期間待ってから開始する場合を含む。)演出制御用CPU120など)。
上記の構成によれば、遊技者の期待感を効果的に煽れるタイミングで所定演出を実行できる。
さらに上記実施形態では、上記構成によって、前記所定演出実行手段は、前記所定演出として、前記可変入賞装置制御手段によって前記可変入賞装置が前記進入容易状態に変化すること、又は、前記第1識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する所定演出を実行し、前記所定演出実行手段は、前記第1識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する前記所定演出を実行するときに前記第2識別情報の可変表示が行われていないときには前記第2識別情報の可変表示が開始されるタイミングに基づいて前記所定演出を実行する(例えば、第2所定演出を普図変動が開始されたときを基準として開始する(ある期間待ってから開始する場合を含む。)演出制御用CPU120など)。
上記の構成によれば、遊技者の期待感を効果的に煽れるタイミングで所定演出を実行できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
普通図柄の表示結果が「普図当り」となる場合に、所定割合で、所定演出実行エリア5Fに「×」の図柄が停止表示されるようにしてもよい。普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる場合に、所定演出実行エリア5Fに「○」の図柄が停止表示されるようにしてもよい。このように、普通図柄の表示結果の報知は、必ず当たるものでなくてもよい。また、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる場合には、必ず第1所定演出を実行するようにしてもよい。また、所定演出の演出態様は適宜変更できる。また、所定演出は、例えば、特図変動の表示結果が「小当り」になるか否かまたは「小当り」になる可能性を示唆するような演出を含むものであってもよい。
(変形例2)
上記普図保留記憶数通知コマンドなど、所定のコマンドについては適宜不要としもよい。また、他のコマンドを使用するようにしてもよい。
(変形例3)
時短状態は、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるのではなく、次回の大当り遊技状態が開始されたことによってのみ終了してもよい。この場合、時短回数カウンタなどは不要である。また、確変状態は、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。この場合、時短回数カウンタと同様の確変回数カウンタを用意するとよい。
(変形例4)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。