JP5723381B2 - Orl−1受容体アンタゴニストとしてのスピロピペリジン化合物 - Google Patents

Orl−1受容体アンタゴニストとしてのスピロピペリジン化合物 Download PDF

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Description

本発明は、ORL−1受容体アンタゴニストとしてのスピロピペリジン化合物に関する。
オルファニンFQ(OFQ)/ノシセプチンは、ORL1 Gタンパク質共役受容体(GPCR)に対して高い親和性を有する17個のアミノ酸ペプチドである。ORL1受容体は、中枢神経系および末梢神経系において、ならびに胃腸管、平滑筋、および免疫系において主に発現されるクラスA GPCRである。オピオイドペプチド/受容体に構造的に関連しているが、OFQ/ノシセプチン系は、古典的オピオイドペプチド/受容体に対する有意な交差反応を示さず、インビボにおける抗オピオイド活性を示す(例えば、ORQ/ノシセプチンは抗侵害受容特性を示すことが報告されている)。
ノシセプチン/オルファニンFQ受容体(NOC/OFQ)アンタゴニスト、具体的にはORL−1受容体のアンタゴニストは、鬱病および摂食行動に関する多数の研究において動物モデルを用いて抗鬱作用および食欲抑制作用が実証されている。このように、ORL−1アンタゴニストは、鬱病の治療ならびに/あるいは過体重、肥満の治療、および/または過体重もしくは肥満の治療後の体重維持に有用であるとみなされている。
特許文献1は、鎮痛薬として使用するためのORL−1アンタゴニストとしての特定のスピロピペリジニル化合物を記載している。
非特許文献1は、選択的ORL−1アンタゴニストとして特定のN−ビアリールメチル−スピロピペリジン化合物を記載している。
国際公開第2003/095427号パンフレット
Yoshizumi,Takashiら(2008),Design,synthesis,and structure−activity relationship study of a novel class of ORL−1 receptor antagonists based on N−biarylmethyl spiropiperidine,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters vol.18,pg.3778−3782
本発明は、ORL−1受容体の高いアンタゴニスト効力およびインビボでのCNSにおける高いORL−1受容体占有率を有する4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]化合物のファミリーを提供する。さらに、特定の化合物は、hERGチャネル活性に対する選択性、および他の生理学的に重要な受容体(例えば、μ、κおよびδオピオイド、セロトニン、ならびにドーパミン受容体)に対する高い選択性により決定される場合、有益な心臓毒性学プロファイルを有する。さらに、特定の本発明の化合物は、有益な生物薬剤学的および薬物動態特性(例えば溶解性、経口曝露、およびCNS透過性)を有する。本発明の特定の化合物は、有益な経口バイオアベイラビリティを生じる低い酸化的代謝を示す。特定の化合物はまた、本発明の化合物が片頭痛の治療に有用であると動物モデルにより実証されている。
本発明は、式Iの化合物:
Figure 0005723381
(式中、
は、フルオロまたはクロロであり、
2aおよびR2bは、各々水素であるか、または各々フルオロであり、
は、水素、メチル、ヒドロキシメチル、または(C−C)アルコキシメチルであり、
は、フルオロ、クロロ、シアノ、シアノメチル、(C−C)アルキル、シクロプロピル、ヒドロキシメチル、メトキシ、メトキシメチル、アミノカルボニルオキシメチル、メチルアミノカルボニルオキシメチル、ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、−NR、−CH−NR、モルホリン−4−イル、モルホリン−4−イルメチル、Ar、−CHAr、3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル、1−アミノシクロプロピル、1−メチルアミノシクロプロピル、および1−ジメチルアミノシクロプロピルからなる群より選択され、
は、水素、C−Cアルキル、シクロプロピル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、−C(O)CH、または−C(O)O(C−C)アルキルであり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、ヒドロキシメチル、またはメトキシであり、
Arは、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、2−メチルイミダゾール−1−イル、1−メチルイミダゾール−2−イル、および1,2,4−トリアゾール−3−イルからなる群より選択される部分である)
またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
本発明の別の態様において、医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤と共に式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。本発明のこの態様の一実施形態において、医薬組成物はさらに、例えばフルオキセチンなどの例えばSSRI抗鬱剤などの少なくとも1つのさらなる治療成分を含む。さらに、本発明のこの態様は、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤、担体、またはそれらの希釈剤と共に、式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を含む、鬱病の治療に適合される医薬組成物を提供する。本発明のこの態様の別の実施形態において、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤、担体、またはそれらの希釈剤と共に式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を含む、過体重、肥満および/または体重維持の治療に適合される医薬組成物が提供される。さらなる実施形態は、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤、担体、またはそれらの希釈剤と共に、式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を含む、片頭痛の治療に適合される医薬組成物を提供する。
本発明はまた、哺乳動物における鬱病を治療する方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、方法を提供する。さらなる実施形態は、哺乳動物における鬱病を治療する方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に有効量の式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、および有効量のSSRI抗鬱剤、またはその医薬的に許容可能な塩、例えばフルオキセチンなどを投与することを含む、方法を提供する。本発明の他の実施形態は、過体重および/または肥満を治療する方法、ならびに/あるいは体重維持のための方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に有効量の式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、方法を提供する。本発明のこれらの態様の1つの特定の実施形態において、哺乳動物はヒトである。
本発明はまた、治療に使用するための式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。この態様内で、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける鬱病の治療に使用するための、式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける鬱病の治療に使用するためのSSRI抗鬱剤、またはその医薬的に許容可能な塩、例えばフルオキセチンなどと共に式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。さらに、本発明のこの態様は、以下のうちのいずれか1つを含む:過体重の治療に使用するための式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、肥満の治療に使用するための式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、特に過体重または肥満の治療後の体重の維持(体重維持)に使用するための式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、片頭痛の治療に使用するための式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
本発明の別の態様は、鬱病の治療のための医薬の製造における、式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明の別の態様は、過体重、肥満の治療、および/または体重の維持のための医薬の製造における、式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明のさらに別の実施形態は、片頭痛の治療のための医薬の製造における式Iの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
本発明の化合物は塩基であり、従って、多くの有機酸および無機酸と反応して医薬的に許容可能な塩を形成する。本発明の化合物の各々の医薬的に許容可能な塩は本発明の範囲内であると意図される。本明細書で用いる、用語「医薬的に許容可能な塩」とは、生物に実質的に無毒である式Iの化合物の任意の塩を指す。このような塩には、当業者に公知である、Journal of Pharmaceutical Science,66,2−19(1977)に記載されているものが含まれる。
本明細書で用いる略語は以下のように定義する。
「BSA」はウシ血清アルブミンを意味する。
「mCPP」はメタ−クロロフェニルピペラジン、非選択セロトニン受容体アゴニストを意味する。
「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を意味する。
「EGTA」はエチレングリコール四酢酸を意味する。
「GTP」はグアノシン三リン酸を意味する。
「HEPES」は4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を意味する。
「HPLC」は高圧液体クロマトグラフィーを意味する。
「IC50」は最大阻害の50%が達成される濃度を意味する。
「LC/MS」は液体クロマトグラフィー後の質量分析を意味する。
「LC/MS/MS」は液体クロマトグラフィー後の質量分析、その後の第2のイオン化質量分析を意味する。
「mFST」はマウス強制水泳試験、抗鬱作用についての動物モデルを意味する。
「MS」は質量分析を意味する。
「MS(ES+)」はエレクトロスプレーイオン化を用いる質量分析を意味する。
「NMR」は核磁気共鳴を意味する。
「ROトレーサー」は2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)−N,N−ジメチル−プロパンアミドを意味する。
「RO」は受容体占有を意味する。
「SCXカラム」は強カチオン交換カラムを意味する。
「SNAr」は芳香族求核置換を意味する。
「tBu」は第三級ブチル部分を意味する。
「TLC」は薄層クロマトグラフィーを意味する。
「XRD」はX線回折を意味する。
本発明の好ましい化合物は、
1)Rがクロロであり、
2)R2aおよびR2bが各々フルオロであり、
3)Rがクロロであり、R2aおよびR2bが各々フルオロであり、
4)Rがフルオロであり、R2aおよびR2bが各々水素であり、
5)Rが水素、メチル、ヒドロキシメチル、またはメトキシメチルであり、
6)Rがメチルであり、
7)Rがヒドロキシメチルであり、
8)Rがクロロであり、R2aおよびR2bが各々フルオロであり、Rがメチルであり、
9)Rがクロロであり、R2aおよびR2bが各々フルオロであり、Rがヒドロキシメチルであり、
10)Rが水素、フルオロ、またはクロロであり、
11)Rがフルオロであり、
12)Rがクロロであり、R2aおよびR2bが各々フルオロであり、Rがフルオロであり、
13)Rがクロロであり、R2aおよびR2bが各々フルオロであり、Rがメチルであり、Rがフルオロであり、
14)Rがクロロであり、R2aおよびR2bが各々フルオロであり、Rがヒドロキシメチルであり、Rがフルオロであり、
15)Rがフルオロ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、メチルカルボニルまたは2−メチルイミダゾール−1−イルであり、
16)Rがフルオロであり、
17)Rがヒドロキシメチルであり、
18)Rがメトキシメチルであり、
19)Rがメチルカルボニルであり、
20)Rが2−メチルイミダゾール−1−イルであり、
21)Rがフルオロである好ましい実施形態1)〜14)のいずれか1つであり、
22)Rがヒドロキシメチルである好ましい実施形態1)〜14)のいずれか1つであり、
23)Rがメトキシメチルである好ましい実施形態1)〜14)のいずれか1つであり、
24)Rがメチルカルボニルである好ましい実施形態1)〜14)のいずれか1つであり、
25)Rが2−メチルイミダゾール−1−イルである好ましい実施形態1)〜14)のいずれか1つである、
化合物である。
本発明の特定の好ましい化合物は、実施例2、40、47、および50に例示するように、
2−クロロ−1’−[[1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]、
1−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)エタノン、
2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−[2−フルオロ−6−(2−メチルイミダゾール−1−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]、および
[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2,6−ジフルオロフェニル)ピラゾール−3−イル]メタノールのいずれか1つ、またはその医薬的に許容可能な塩である。
別の好ましい実施形態において、R2aおよびR2bが各々フルオロである化合物が、より有益な薬物動態プロファイルを有し、酸化的代謝により安定である化合物であることが見出された。これは化合物の経口バイオアベイラビリティを改善する一般的効果を有する。
一般化学
本発明の化合物は、当該技術分野において周知であり、理解されている方法による以下の合成スキームに従って調製できる。これらのスキームの工程についての適切な反応条件は当該技術分野において周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換は当業者の範囲内である。同様に、必要または所望の場合、合成中間体が種々の周知技術により単離および/または精製されてもよく、多くの場合、ほとんどまたは全く精製せずに後の合成工程において直接、種々の中間体を使用できることは当業者により理解されるだろう。さらに、当業者は、一部の状況において、部分が導入される順序は重要でないことを理解するだろう。熟練した化学者によって十分に理解されているように、式Iの化合物を生成するのに必要とされる工程の特定の順序は、合成される特定の化合物、出発物質、および置換部分の相対的不安定性に依存する。他に記載しない限り、全ての置換基は上記に定義した通りであり、全ての試薬は当該技術分野において周知であり、理解されている。
Figure 0005723381
還元的アミノ化反応条件を用いることによって、室温にてテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で、化合物IIIを、適切に置換されたピラゾールカルバルデヒドおよびナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの還元剤と反応させて、化合物IIを得る。適切なカップリング条件下で、高温にてトルエンなどの適切な溶媒中でヨウ化銅などの適切な触媒、炭酸カリウムなどの適切な塩基を用いて、化合物IIを、化合物IV(式中、置換基Yはクロロ、ブロモ、ヨード、またはボロン酸である)とカップリングさせて、化合物I’(式中、R4’はRに等しいかまたはRの前駆体である)を得る。式IIIの化合物はまた、上記の還元的アミノ化条件下で適切に置換されたアルデヒド化合物Vと反応して、所望の化合物I’を得ることができる。R4’がRの前駆体である場合、公知の方法によりRに変換される。
Figure 0005723381
化合物IIIa、IIIb、およびIIIcはスキーム2に示したように生成できる。化合物XIVおよびXVを、トリフルオロ酢酸などの適切な酸の存在下でジクロロメタンなどの適切な溶媒中で反応させる。得られたトリフルオロ酢酸塩を水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にして、遊離塩基として化合物XIIIを得る。メチルt−ブチルエーテルなどの適切な溶媒中の化合物XIIIを、室温にて塩化スルフリルの酢酸溶液で処理して、塩酸塩として化合物VIIIを得る。次いで当業者に周知の条件下で化合物VIIIを窒素保護基で保護して、化合物VIIを得る(例えば、GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Chapters2および7,John Wiley and Sons Inc.,(1999)を参照のこと)。典型的に、保護基はBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)基である。光源照射を用いてクロロベンゼンなどの適切な溶媒中で、化合物VIIを、N−ブロモスクシンイミドと反応させて、臭化物化合物を得て、次いでそれを重炭酸ナトリウム水溶液などの塩基溶液で処理して、ヒドロキシル化合物を得る。単離してまたはせずに、臭化カリウム、テトラメチルピペリジン−N−オキシド、および次亜塩素酸ナトリウム水溶液中などの適切な酸化条件下でヒドロキシル化合物をさらに酸化させて、所望のケトン化合物VIを得ることができる。次いで高温にてテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で、化合物VIを、(ビス(2−メチルエチル)アミノ)硫黄トリフルオリドと反応させ、得られた生成物を脱保護して化合物IIIaを得る。
式XIIIの化合物を保護して、化合物VIIを生成するのに使用したものと同様の方法を用いて化合物XIIを得る。低温にてテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中の化合物XIIを、リチウムテトラメチルピペリジンなどの適切な塩基で処理し、その後N−フルオロベンゼンスルホンアミドを加えて、フッ化物化合物を得て、それをHCl水溶液で脱保護し、NaOH水溶液で塩基性にして、化合物IIIbを得る。
上記の化合物VIを生成するのに使用した同じ方法によって、臭素化、ヒドロキシル化、および酸化などの3工程合成を介して、化合物IXを、化合物XIIから得ることができる。各々の中間体を、さらなる反応のために純粋化合物として単離できるか、または化合物VIの合成に記載されているように単離せずに反応できる。次いで低温下でテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中のブチルリチウムなどの適切なハロゲン−金属交換試薬、続いてN−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドなどのフッ素化試薬を用いて化合物IXを処理して、所望のフッ素化生成物を得て、次いでそれを適切に脱保護して、所望の化合物IIIcを得る。
Figure 0005723381
式Vの化合物はスキーム3に示されるように生成できる。化合物IIを化合物I’に変換するために上記のカップリング条件下で化合物XVIを化合物XVIIと反応させて式XVの化合物を得る。YがFまたはClである場合、芳香族求核置換(SNAr)が、式XVの化合物を作製する代替の方法である。より具体的には、高温にて炭酸カリウムなどの適切な塩基を用いて、ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で、化合物XVIを、化合物XVIIと反応させて、化合物XVを得ることができる。Zが水素である場合、それはビルスマイヤー・ハック反応によりアルデヒドに変換できる。Zがエステル基である場合、それは、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元剤を用いて、最初にアルコールに還元できる。次いで、アルコールを、ジクロロメタンなどの溶媒中で酸化マンガン(IV)などの適切な酸化剤を用いてアルデヒドに酸化する。
4’がRの前駆体である場合、R4’からRへの変換は、限定されないが、所望の新規アミンを得るための還元的アミノ化、エステル、ケトン、またはアルデヒドのアルコールへの還元などの反応、それをアルコキシ化合物またはカルバミン酸塩にさらに変換でき、ニトリルのアミドまたはアミンへの還元、適切な条件下でのエステルの、オキサジアゾールなどのヘテロシクリルへの変換を含む(例えば、Richard C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,Second Edition,Chapters 2 and 7,John Wiley and Sons Inc.,(1999)を参照のこと)。
以下の調製例および実施例は、本発明の化合物の合成に有用な方法の例示である。調製例および実施例に例示した化合物の多くの名称は、「Symyx Draw 3.1」または「Autonom 2000Name」を用いて描かれる構造から得られる。
調製例1:4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
Figure 0005723381
3−チオフェンエタノール(123.03mL、1.11mol)を、ジクロロメタン(1300mL)中のN−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリドン(185g、928.48mmol)の溶液に加え、室温にて攪拌する。次いでトリフルオロ酢酸(280.82mL、3.71mole)を、氷/水槽(内部温度=14℃〜30℃、注意:CO発生)で冷却しながら滴下して加える(5分)。反応混合物を室温まで徐々に加温し、その温度にて攪拌する。20時間後、溶媒を蒸発させて、真空下での冷却時にベージュ色の結晶性固体を得る。固体をメチルt−ブチルエーテル(200mL)中でスラリーにし、濾過し、メチルt−ブチルエーテル(2×1000mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イウムトリフルオロアセテートを95%収率で白色の固体として得る。MS=(m/z):210(M+1)。10Mの水酸化ナトリウム(220.36mL、2.20mol)を、冷却(氷/水槽)しながらジクロロメタン(1L)中の4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イウムトリフルオロアセテート(285g、881.44mmol)の攪拌した懸濁液に加え、得られた混合物を、二相混合物が得られるまで攪拌する。相を分離し、水層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出する。合わせた有機物を真空下で濃縮して厚い油を得て、それを水で粉砕して淡黄色の沈殿物を得る。その沈殿物を濾過し、水(300mL)およびヘキサン(200mL)で洗浄し、35℃にて20時間真空下で乾燥させて、86%収率で淡黄色の固体として標題化合物を得る。MS(m/z):210(M+1)。
調製例2:tert−ブチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
Figure 0005723381
2−メチルテトラヒドロフラン(600mL)中のスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](60g、286.6mmol)を22℃にて10分間攪拌する。次いで、2−メチルテトラヒドロフラン(300mL)中のtert−ブトキシカルボニルtert−ブチルカルボネート(65.6g、301mmol)を滴下して加える。12時間後、塩化ナトリウム水溶液(250mL)を加え、有機層を分離する。次いで水層を2−メチルテトラヒドロフラン(2×50mL)で2回洗浄し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、99%収率で標題化合物を得る。MS(m/z):310(M+1)。
調製例3:2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,2−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
Figure 0005723381
1.tert−ブチル2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(18.7mL、110.5mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に加え、−78℃にて窒素下で溶液を冷却する。ヘキサン中のブチルリチウムの2.5M溶液(37.2mL、93mmol)を加え、混合物を−78℃にて30分間攪拌する。新たなリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン溶液に、−70℃以下に温度を維持しながら、テトラヒドロフラン(90mL)中のtert−ブチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(20g、58.2mmol)の溶液を加える。20分後、窒素下で−20℃に事前に冷却したテトラヒドロフラン(200mL)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(30.26g、93.07mmol)の溶液を、カニューレを介して加える。1時間攪拌後、水(20mL)および塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加える。次いで、有機層を分離し、水層をメチルt−ブチルエーテル(2×25mL)で2回洗浄する。有機物を合わせ、溶媒を減圧下で蒸発させる。粗物質を、溶媒としてヘキサン/メチルt−ブチルエーテルを用いる順相HPLCにより精製して、tert−ブチル2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートを50%収率で得る。MS(m/z):328(M+1)。
2.2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,2−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
37%塩酸(11.75mL、125.22mmol)を、45℃にて、イソプロピルアルコール(57.4mL)中のtert−ブチル2’−フルオロ−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(8.2g、25.04mmol)の溶液に加える。得られた溶液を45℃にて6.5時間攪拌する。溶媒を黄色の懸濁液まで濃縮する。水(50mL)を加え、混合物を5Nの水酸化ナトリウムで塩基性にする。水相を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、96%収率で標題化合物を得る。MS(m/z):228(M+1)。
調製例4:2’−クロロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]塩酸塩
Figure 0005723381
酢酸(400mL)とメチルt−ブチルエーテル(40mL)との混合物中の4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン](50g、238.88mmol)の溶液を15℃まで冷却する。次いで、酢酸(100mL)中の塩化スルフリル(21.20mL、262.77mmol)の溶液を、その温度(内部温度=15℃〜22℃)にて40分滴下して加え、混合物を室温にて20時間攪拌する。次いで、酢酸(50mL)中の塩化スルフリル(11.56mL、143.33mmol)の溶液を室温にて滴下して加える。反応混合物を室温にて30分間攪拌し、次いでそれを、攪拌しながら氷/水槽で冷却しているメチルt−ブチルエーテル(1L)に滴下して加える(30分)。白色の懸濁液が形成し、固体を濾過する。物質の第2の産物を得るために、濾過物を濃縮する(ロータリエバポレーターによりメチルt−ブチルエーテルを補充する)。得られた固体をメチルt−ブチルエーテル(300mL)に懸濁し、懸濁液を還流(槽:100℃)にて攪拌し、濁った懸濁液が形成するまでメタノール(30mL)を加える。次いで、その懸濁液を一晩室温まで冷却する。さらに懸濁液を氷/水槽中で冷却し、濾過する。固体をメチルt−ブチルエーテル(50mL)で洗浄し、第1の産物を合わせて、60%収率で標題化合物を得る。MS(m/z):244(M+1)。
調製例5:2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
Figure 0005723381
1.tert−ブチル2−クロロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
ジクロロメタン(1.12L)中の2−クロロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,2−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]塩酸塩(140g、0.49mole)の懸濁液に、トリエチルアミン(67.25mL、1.05mole)、4−ピリジンアミン、N,N−ジメチル−(3.05g、0.025mole)およびジ−t−ブチルジカルボネート(111.22g、0.509mole)を一部ずつ加え、得られた混合物を室温にて一晩攪拌する。反応物を1N HCl(2×)および水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert−ブチル2−クロロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートを53%の収率で得る。MS(m/z):244(M+1−Boc)。
2.tert−ブチル4’−オキソ−2’−クロロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
5Lのジャケット形リアクター中に、室温にて、N−ブロモスクシンイミド(115.02g、639.77mmol)を、クロロベンゼン(1.60L)中のtert−ブチル2−クロロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(200g、581.61mmol)の溶液に加える。得られた懸濁液に、外部リアクター壁とほぼ接触して配置された3×100w電球を照射し、リアクターの温度を45℃に設定する。4時間後、N−ブロモスクシンイミド(26.14g、145.40mmol)を加え、温度を15時間40℃に維持する。反応混合物を0℃に冷却し、メチルt−ブチルエーテル(500mL)を加える。固体を濾過し、溶液を約1000mLのクロロベンゼン溶液まで濃縮する。次いで、メチルt−ブチルエーテル(1000mL)を加え、固体を濾過し、濾過物を濃縮して600mLのクロロベンゼン溶液を得る。ジメチルスルホキシド(806.47mL、11.35mol)を加え、炭酸水素ナトリウム(95.38g、1.14mol)を室温にて加える。24時間後、室温にて、水/氷(1000mL)を加え、相を分離する。有機相を水(2×1L)で洗浄し、濃縮して、クロロベンゼン溶液を得る。次いで、ジクロロメタン(1.2L)を加え、混合物を5℃(氷/水槽)に冷却する。臭化カリウム(20.27g、170.31mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシド(4.43g、28.38mmol)を加える。次いで、炭酸水素ナトリウムでpH=9に調整した6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(644.40mL、567.68mmol)を5℃にて反応混合物に加え、得られた混合物を5℃にて1時間攪拌する。室温で水(1L)を加え、相を分離する。有機相を水(2×0.5L)で洗浄し、氷/水槽で冷却した。次いで、臭化カリウム(2.03g、17.03mmol)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシド(0.05g、0.32mmole)および固体の炭酸水素ナトリウムでpH=9に調整した6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(128.88mL、113.54mmol)を5℃にて反応混合物に加え、得られた混合物を5℃から室温まで1時間攪拌する。次いで、水(1L)を加え、相を分離する。有機相を水(2×1L)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して暗褐色の固体を得る。
ヘキサン(500mL)、メチルt−ブチルエーテル/ヘキサン5%(250mL)およびメチルt−ブチルエーテル/ヘキサン10%(250mL)で固体を粉砕して、tert−ブチル4’−オキソ−2’−クロロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレートを66%収率で淡褐色の固体として得る。MS(m/z):258(M+1(Boc))。
3.tert−ブチル2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(81mL)を入れた500mLのPFAフラスコ中に、(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)硫黄トリフルオリド(183.62g、829.94mmol)およびtert−ブチル4’−オキソ−2’−クロロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(135g、377.24mmol)を加える。得られた懸濁液を70℃にて24時間攪拌する。次いで、室温に冷却し、攪拌しながら氷と飽和炭酸水素ナトリウム(4L)との混合物にゆっくりと注ぐ(ガス発生)。メチルt−ブチルエーテルを使用して、残っている物質をフラスコから移す。ガス発生が停止した後、固体の炭酸水素ナトリウムをpH8になるまで攪拌しながら加える。得られた混合物を、水相中で生成物がTLCにより検出されなくなるまで、メチルt−ブチルエーテル(3×500mL)で抽出する。合わせた有機物を水(3×500mL)およびブライン(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、暗色の厚い油(250g)を得る。粗物質をジクロロメタンに溶解し、メチルt−ブチルエーテル/ヘキサン10%(6L)およびメチルt−ブチルエーテル/ヘキサン(4L)で溶出するシリカゲルプラグで濾過する。TLC(20%メチルt−ブチルエーテル/ヘキサン UV、Rf=0.5)により生成物が検出されなくなるまで、画分を回収する。画分を濃縮して淡褐色の固体を得て、それを一定重量まで40℃にて真空下で乾燥させて、70%収率のtert−ブチル2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレートを得る。MS(m/z):324(M+1−tBu)。
4.2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
37%塩酸(74.12mL、789.78mmol)を、45℃にて、イソプロピルアルコール(420mL)中のtert−ブチル2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(60g、157.96mmol)の溶液に加える。得られた溶液を45℃にて15時間攪拌する。次いで、混合物を1/4容量まで濃縮して、白色の懸濁液を得る。水(100mL)を加え、懸濁液を6Nの水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にして、メチルt−ブチルエーテル(3×100mL)で抽出される2層混合物を得る。合わせた有機物をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、淡褐色の固体を得て、それを一定重量まで真空下で乾燥させて、97%の標題化合物を得る。MS(m/z):280(M+1)。
調製例6:2,4,4−トリフルオロスピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
Figure 0005723381
1.tert−ブチル2−ブロモ−4−ヒドロキシ−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
N−ブロモスクシンイミド(2.2当量)を、クロロベンゼン(108mL)中のtert−ブチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(13.5g)の溶液に加える。得られた懸濁液に、260wの電球を一晩照射する。さらにN−ブロモスクシンイミド(1.7g)を混合物に加え、その混合物に、260wの電球を3時間照射する。溶媒を減圧下で除去して、残渣を得、それを、アセトン(650mL)に溶解し、硝酸銀(8.8g)水溶液(650mL)を加える。混合物を暗所で一晩室温にて攪拌する。混合物を濾過し、アセトンを蒸発させる。酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を順相Iscoクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル15〜60%)により精製して、tert−ブチル−2−ブロモ−4−ヒドロキシ−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートを38%収率で得る。MS(m/z):426/428(M+23/M+2+23)。
2.tert−ブチル2’−ブロモ−4’−オキソ−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
臭化カリウム(535.67mg、4.50mmol)を、0℃にて、ジクロロメタン(70mL)中のtert−ブチル2−ブロモ−4−ヒドロキシ−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−シクロヘキサン]−1’−カルボキシレート(7.28g)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシド(281.33mg、1.80mmol)の溶液に加える。別の容器中に、pH9になるまで、10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(22.34mL、36.01mmol)に炭酸水素ナトリウムを加える。この次亜塩素酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム溶液を0℃にて滴下して加え、得られた暗色の懸濁液を0℃にて15分間攪拌する。ジクロロメタン(20mL)および水(20mL)を加え、相を分離する。有機相を水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、tert−ブチル2’−ブロモ−4’−オキソ−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレートを99%収率で得る。MS(m/z):346/348(M+1tBu/M−3−tBu)。
3.tert−ブチル2−ブロモ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
100mLのペルフルオロアルコキシ−フラスコフラスコ(perfluoroalcoxy−flask flask)中で、(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)硫黄トリフルオリド(5.16mL、27.96mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(3.5mL)に加える。次いでtert−ブチル2’−ブロモ−4’−オキソ−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(4.5g、11.19mmol)を加える。溶液を70℃にて一晩攪拌する。その時間の後、メチルt−ブチルエーテルを加え(30mL)、反応混合物を、氷槽中で冷却した炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液)に注意深く注ぐ。CO2発生が見られ、pH8になるまで炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液)を加える。混合物をメチルt−ブチルエーテルで抽出する。有機層をデカントし、ブライン(2×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。粗物質を、メチルt−ブチルエーテル/ヘキサンで溶出する順相Iscoクロマトグラフィーにより精製して、3.2gのtert−ブチル2−ブロモ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートを得る。MS(m/z):368(M−55)。
4.tert−ブチル2,4,4−トリフルオロスピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
ヘキサン(47mL)中の2.5Mのブチルリチウムを、窒素下で−78℃にて、テトラヒドロフラン(50mL)中のtert−ブチル2−ブロモ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(1.99g、4.69mmol)の溶液に加える。混合物を−78℃にて1時間攪拌し、固体のN−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド(3.69g、11.73mmol)を加える。混合物を室温まで加温し、室温にて一晩攪拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、有機相を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去する。粗物質を、順相Iscoクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル3〜12%)により精製して、1.3gのtert−ブチル2,4,4−トリフルオロスピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートを得て、それらをHPLCによりさらに精製して、0.818gのその化合物を得る。MS(m/z):308(M−1−tBu)。
5.2,4,4−トリフルオロスピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
t−ブチル2,4,4−トリフルオロスピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(2.00g、5.50mmol)を塩酸(ジオキサン中に4N)(10mL、40mmol)に溶解する。混合物を室温にて1時間攪拌し、次いで50gのSCXカートリッジに通して、メタノール画分中の2Nのアンモニアの蒸発後に1.3gの標題化合物を得る。MS(m/z):264(M+1)。
調製例7:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
Figure 0005723381
テトラヒドロフラン(1.58L)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン(105g、375mmol)の溶液に、3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(43.40g、394.12mmol)を加え、混合物を室温にて1時間攪拌する。次いで、粉末のナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(95.46g、450.42mmol)を3部で加える。混合物を室温にて15時間攪拌する。次いで、反応混合物を氷−炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(400mL)に注ぐ。相を分離する。水相を酢酸エチル(100mL)で抽出する。合わせた有機層を50%ブラインで洗浄し、固体が有機相中で沈殿する。有機相を合わせて、170gの標題化合物を得る。MS(m/z):374(M+1)。
調製例8〜11の化合物を、溶媒として1,2−ジクロロエタンを用いて調製例7に記載されるように本質的に調製する。
Figure 0005723381
調製例12:1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
1.1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール
ねじ口試験管に、ヨウ化銅(I)(1.86g、9.74mmole)、3−メチル−1−H−ピラゾール(3.92mL、48.72mmole)および炭酸カリウム(14.28g、102.31mmole)を加える。次いで、2−ブロモ−1,3−ジフルオロ−ベンゼン(13.75mL、121.80mmole)およびtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(3.07mL、19.49mmole)を加え、混合物を、115℃で24時間、攪拌する。反応物を冷却し、水(50mL)を加え、混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出する。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、暗色油を得る。残渣を、溶出液としてジクロロメタン/ヘキサン(50から100%のジクロロメタン)を用いる、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2.5gの1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾールを得る。MS(m/z):195(M+1)。
2.1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(9.19mL、98.88mmol)を、ジメチルホルムアミド(7.65mL、98.88mmol)に0°Cで滴下して加え、混合物をその温度で10分間攪拌する。次いで、1−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール(4.80g、24.72mmol)を得られた懸濁液に加え、反応混合物を20時間、85℃で攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、氷および水(20mL)を発熱なしに、加える。混合物を重炭酸ナトリウム(30mL)の飽和水溶液に注ぎ、2Nの水酸化ナトリウムで塩基性にする。混合物を、メチルt−ブチルエーテル(2×30mL)で抽出し、有機層をブライン(2×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、5.3gの標題化合物を得る。MS(m/z):223(M+1)。
調製例13:エチル3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
Figure 0005723381
硫酸(18mL、337.69mmol)を、エタノール(90mL)中の1H−ピラゾール−4−カルボン酸,3−メチル−(10g、79.29mmol)の懸濁液に加え、混合物を20時間、85℃で攪拌する。その後、溶媒を部分的に取り除く。残渣を1Mの水酸化ナトリウム水溶液でpH6−7まで塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、10.3gの標題化合物を得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):155(M+1)。
調製例14:メチル2,3−ジフルオロベンゾエート
Figure 0005723381
調製例14の化合物を、96%の収率で、2,3−ジフルオロ安息香酸およびメチルアルコールを用いることによって、調製例13に記載されているように実質的に調製する。:H−NMR(CDCl):7.70(m,1H),7.35(m,1H),7.14(m,1H),3.95(s,3H)。
調製例15:2,3−ジフルオロ−N−メチル−ベンズアミド
Figure 0005723381
2,3−ジフルオロ安息香酸(1g、6.32mmol)および塩化チオニル(9mL、123.53mmol)の混合物を攪拌し、2時間還流で加熱する。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をトルエンで共蒸発させる。いったん乾燥させ、残渣を、5mLのテトラヒドロフラン中に溶解し、0℃で冷やし、モノメチルアミン(6.32mL、12.65mmol)を加える。20分後、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させ、790mgの標題化合物を得る。MS(m/z):172(M+1)。
調製例16:3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド
Figure 0005723381
ジメチルホルムアミド(228.75mL)中の3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(15.25g、138.49mmole)および2,3−ジフルオロベンズアミド(26.11g、166.19mmole)の混合物を、氷/水槽で冷却し、次いでカリウムtert−ブトキシド(17.09g、152.34mmoles)を加える。得られた混合物を、20時間、50℃にて攪拌する。反応混合物を室温まで冷却する。次いで、氷/水(300mL)を加え、混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。有機物を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、20%の他のビラゾール位置異性体を含む淡褐色の油を得る。残渣を、酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として用いる、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、17.4gの標題化合物を得る。MS(m/z):248(M+1)。
調製例17−18の化合物を、対応する2,3−ジフルオロフェニル誘導体から、調製例16に実質的に記載されるように調製する。
Figure 0005723381
調製例19:1−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
アセトニトリル(10mL)中の3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(1g、9.08mmol)の溶液に、炭酸カリウム(1.76g、12.71mmol)および2,3−ジフルオロニトロベンゼン(1.73g、10.90mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌する。水を加え、有機相を酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(20〜80%)を溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーにより精製し、62%の収率の標題化合物を主生成物として含む位置異性体の混合物を得て、それをさらに精製せずに用いる。
H−NMRは所望の構造と一致しているが、位置異性体の混合物が検出される:H−NMR(MeOD):9.98(s,1H),8.65(d,1H,J=1.6Hz),7.99−7.26(m,3H),2.49(s,3H)。
調製例20:3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)ベンゾニトリル
Figure 0005723381
3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(5g、45.41mmol)、炭酸カリウム(9.41g、68.11mmol)、2,3−ジフルオロベンゾニトリル(6.06mL、54.5mmol)およびジメチルホルムアミド(50mL)の混合物を、100℃で5時間、攪拌し、次いで室温で一晩攪拌する。水を加え、沈殿物を形成させる。沈殿物を濾過する。濾過した水溶液を酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。蒸発させた後、両方の固体が沈殿し、有機層から固体を回収し、合わせ、10.4gの標題化合物を得て、それをさらに精製せずに用いる(標題化合物は90:10の比で他のピラゾール位置異性体と混合している)。MS(m/z):230(M+1)。
調製例21〜27の化合物を、対応するフルオロフェニル誘導体から、調製例20に実質的に記載されるように調製する。
Figure 0005723381
Figure 0005723381
調製例28:エチル1−[2−(ジメチルアミノメチル)−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
Figure 0005723381
エチル1−(2−フルオロ−6−ホルミル−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートおよびジメチルアミンを用いることによって、調製例7に記載されるように化合物を実質的に調製する。残渣を、順相Iscoクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン/メタノール)によって精製し、90%の収率のエチル1−[2−(ジメチルアミノメチル)−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを得る。MS(m/z):306(M+1)。
調製例29:[1−[2−(ジメチルアミノメチル)−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノール
Figure 0005723381
0℃に冷却し、かつ窒素下でテトラヒドロフラン(42.6mL)中のエチル1−(2−ジメチルアミノメチル−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(1.95g、6.39mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(9.6mL、9.6mmol)中の1Mの水素化アルミニウムリチウムを加え、混合物を、1時間、その温度にて攪拌する。反応混合物を0℃にて、0.36mLの水、0.36mLの15%の水酸化ナトリウム水溶液、および最後に、1.08mLの水を用いて処理し、15分間、室温で攪拌する。固体を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させ、1.68gの標題化合物を得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):264(M+1)。
調製例30:1−[2−(ジメチルアミノメチル)−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
[1−(2−ジメチルアミノメチル−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−メタノール(4.89mmol;1.43g)および酸化マンガン(IV)(4.25g、48.88mmol)の混合物を、ジクロロメタン(50mL)中にて室温で一晩、攪拌する。反応混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させ、1.4gの標題化合物を得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):262(M+1)。
調製例31:1−[2−フルオロ−6−(モルホリノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
1.エチル1−[2−フルオロ−6−(モルホリノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
この化合物を、エチル1−(2−フルオロ−6−ホルミル−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートおよびモルホリンを用いることによって、調製例7に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):348(M+1)。
2.[1−[2−フルオロ−6−(モルホリノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノール
この化合物を、エチル1−[2−フルオロ−6−(モルホリノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを用いることによって、調製例29に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):306(M+1)。
3.1−[2−フルオロ−6−(モルホリノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
3,3,3−トリアセトキシ−3−ヨードフタリド(0.42g、0.96mmol)を、ジクロロメタン(3mL)中の[1−(2−フルオロ−6−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−メタノール(0.24g、0.8mmol)の溶液に室温で加える。一時間後、反応物を2Nの炭酸ナトリウム水溶液を加えることでクエンチし、化合物をジクロロメタン中で抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発し、標題化合物を99%の収率において得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):304(M+1)。
調製例32:1−[2−クロロ−6−(ジメチルアミノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
標題化合物を、ジメチルアミンおよびエチル1−(2−クロロ−6−ホルミル−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを用いて、調製例31に実質的に記載されている方法を用いて調製する(68%の収率)。MS(m/z):278(M+1)。
調製例33:tert−ブチルN−シクロプロピル−N−[[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル]カルバメート
Figure 0005723381
1.エチル1−[2−[(シクロプロピルアミノ)メチル]−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
以下の化合物を、エチル1−(2−フルオロ−6−ホルミル−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートおよびシクロプロピルアミンを用いることによって、調製例7に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):318(M+1)。
2.エチル1−[2−[(tert−ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ)メチル]−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
ジクロロメタン(3mL)中の1−(2−シクロプロピルアミノメチル−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(330.00mg、1.04mmol)の溶液に、室温で、tert−ブトキシカルボニルtert−ブチル炭酸塩(226.94mg、1.04mmol)およびトリエチルアミン(115.52mg、1.14mmol)を加える。1時間後、水を加え、化合物をDCMで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。粗物質を、ショートシリカゲルプラグおよび溶出液として5:1のヘキサン/酢酸エチルを用いて精製し、349mgのエチル1−[2−[(tertブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ)メチル]−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを得る。MS(m/z):418(M+1)。
3.tert−ブチルN−シクロプロピル−N−[[3−フルオロ−2−[4−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ピラゾール−1−イル]フェニル]メチル]カルバメート
以下の化合物を、92%の収率において、エチル1−[2−[(tert−ブトキシカルボニル(シクロプロピル)アミノ)メチル]−6−フルオロ−フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを用いることによって、0℃にて、調製例29に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):376(M+1)。
4.tert−ブチルN−シクロプロピル−N−[[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル]カルバメート
以下の化合物を、tert−ブチルN−シクロプロピル−N−[[3−フルオロ−2−[4−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ピラゾール−1−イル]フェニル]メチル]カルバメートを用いることによって、調製例31、工程3(最終酸化工程)に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):374(M+1)。
調製例34:1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
1.1−(2−シアノ−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル
ジメチルホルムアミド(12mL)中の3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(1.25g、8.11mmol)、炭酸カリウム(1.68g、12.16mmol)、2,3−ジフルオロベンゾニトリル(1.08mL、9.73mmol)の混合物を、磁気攪拌を利用して、100℃まで加熱する。2.5時間後、反応混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出する。有機層をデカントし、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、2.3gの1−(2−シアノ−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(この化合物は75:25の比で他のピラゾール位置異性体と混合している)を得る。MS(m/z):274(M+1)。
2.エチル1−[2−フルオロ−6−(1−メチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
蓋の付いたバイアルに、エチル1−(2−シアノ−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.97g、7.21mmol)(75:25の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)、1,2−エタンジアミン,N−メチル−(6mL、68.02mmol)および五硫化リン(229mg、1,01mmol)を入れ、混合物を、110℃で30分間攪拌し、次いで、室温にする。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を、溶出液として95/5から85/15のメタノール中のジクロロメタン/2Mのアンモニアを用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、2.11gのエチル1−[2−フルオロ−6−(1−メチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(75:25の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)を得る。MS(m/z):331(M+1)。
3.エチル1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
過マンガン酸カリウム(1.58g、10mmmol)およびモンモリロナイトK−10(3.16g)を、細かい均質な粉末が得られるまでモルタル中で一緒に粉砕する。KMnO4−モンモリロナイトK−10(3.2g、6.78mmol)を、アセトニトリル(84.76mL、1.62mole)中のエチル1−[2−フルオロ−6−(1−メチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.12g、3.39mmol)(75:25の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)の溶液に、滴下して加える。混合物を、6.5時間、室温で攪拌し、さらなるKMnO−モンモリロナイトK−10(0.8g、1.69mmol)を一部ずつ加え、混合物を一晩室温で攪拌する。エタノールを加え、さらに20分、攪拌する。次いで、反応混合物をセライトのショートパッドで濾過し、固体物質をアセトニトリルで洗浄する。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗混合物を、酢酸エチルを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーで精製し、518mgの1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(75:25の比で他のピラゾール位置異性体と混合している)を得る。MS(m/z):329(M+1)。
4.[1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノール
この化合物を、99%の収率で、エチル1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(75:25の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)を用いることによって、調製例29に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):287(M+1)。
5.1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
以下の化合物を、[1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノール(75:25の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)を用いることによって、調製例30に記載されるように実質的に調製する。残渣を、酢酸エチルを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、64%の収率の標題化合物(75:25の比で他のピラゾール位置異性体と混合している)を得る。MS(m/z):285(M+1)。
調製例35:メチルN−[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルバメート
Figure 0005723381
1.1−(2−アミノ−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
数滴の酢酸を含むエタノール(5.1mL)および水(5.1mL)中の1−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(620mg;2.49mmol)(ピラゾール中の位置異性体の混合物中の主化合物として)および鉄(1.40g)の混合物を、90℃で2時間、加熱する。その後、セライトで濾過し、さらなるエタノールで溶出する。混合物を、真空下で濃縮し、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、500mgの標題化合物を、ピラゾール中の位置異性体の混合物中の主生成物として得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):220(M+1)。
2.メチルN−[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルバメート
ジクロロメタン(15.21mL)中の1−(2−アミノ−6−フルオロ−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(500mg、2.28mmol)(ピラゾール中の位置異性体の混合物における主化合物として)の溶液に、ピリジン(553.31μL)を加える。次いで、クロロギ酸メチル(194.17μL)を0℃にて滴下して加え、混合物を室温で30分、攪拌する。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出する。有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、酢酸エチルおよびヘキサンを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、418mgの標題化合物を得る。MS(m/z):278(M+1)。
調製例36:メチルN−[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]−N−メチル−カルバメート
Figure 0005723381
窒素雰囲気下および0℃に冷却したテトラヒドロフラン(6mL)中のメチルN−[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]カルバメート(335mg、1.2mmol)(ピラゾール中の位置異性体の混合物中の主化合物として)の溶液に、水酸化ナトリウム(鉱油中60%)(58.3mg)を加える。次いで、ヨウ化メチル(0.4mL)を加え、反応混合物を1時間、0℃で攪拌する。その後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機層をデカントし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。残渣を、酢酸エチルおよびヘキサンを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、287mgの標題化合物を、ピラゾール中の位置異性体の混合物中の主生成物として得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):292(M+1)。
調製例37:エチル1−[2−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
Figure 0005723381
メタノール(10mL)中の1−(2−フルオロ−6−ホルミル−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(1,5g、5,43mmol)の溶液に、室温で水素化ホウ素ナトリウム(246,50mg、6.52mmol)を加える。溶液を、30分間攪拌し、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を、酢酸エチル中で溶解させ、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液、水、およびブラインで洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、99%の収率で標題化合物を得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):279(M+1)。
調製例38:1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
1.エチル1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
10mLのテトラヒドロフラン中のエチル1−[2−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.2g、4.34mmol)の溶液に、60%の水酸化ナトリウム(0.21g、5.21mmol)を0℃にて窒素雰囲気下で加える。溶液を1時間、0℃で攪拌する。ヨウ化メチル(0.81mL、13.02mmol)を溶液に加える。混合物を室温で一晩攪拌する。混合物を、水を加えることでクエンチし、粗物質を酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残渣を、10%のジクロロメタン/メタノールで溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、エチル1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを得る。化合物は完全に純粋ではないので、さらにHPLCによって精製し、化合物を18%の収率で得る。MS(m/z):293.1(M+1)。
2.[1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノール
この化合物を、92%の収率にて、エチル1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを用いて、調製例29に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):251(M+1)。
3.1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
以下の化合物を、99%の収率にて、[1−[2−フルオロ−6−(メトキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノールを用いて、調製例30に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):249(M+1)。
調製例39:[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチルN−メチルカルバメート
Figure 0005723381
1.エチル1−[2−フルオロ−6−(メチルカルバモイルオキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
ジクロロメタン(3mL)中の1−(2−フルオロ−6−ヒドロキシメチル−フェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(300mg、1.08mmol)の溶液に、メチルイソシアネート(71.55μL、1.19mmol)を室温で加える。1時間後、さらにメチルイソシアネート(1当量)およびトリエチルアミン(1当量)を加える。1時間後、反応物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させ、360mgのエチル1−[2−フルオロ−6−(メチルカルバモイルオキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを得て、それをさらに精製せずに用いる。MS(m/z):336(M+1)。
2.[3−フルオロ−2−[4−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ピラゾール−1−イル]フェニル]メチルN−メチルカルバメート
この化合物を、82%の収率で、エチル1−[2−フルオロ−6−(メチルカルバモイルオキシメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを用いることによって、調製例29に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):294(M+1)。
3.[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチルN−メチルカルバメート
この化合物を、[3−フルオロ−2−[4−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ピラゾール−1−イル]フェニル]メチルN−メチルカルバメートを用いることによって、調製例31、工程3(最終酸化工程)に記載されるように実質的に調製する。残渣を、ヘキサンおよび酢酸エチル(酢酸エチル中0から70%)を溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、169mgの標題化合物を得る。MS(m/z):292(M+1)。
調製例40:1−[2−(ジメチルアミノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
1.[1−[2−(ジメチルアミノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノール
[1−(2−クロロ−6−ジメチルアミノメチル−フェニル)−3−メチル−H−ピラゾール−4−イル]−メタノール(777.00mg、2.78mmol)を、水素バルーンを用い、Pd(C)10%(77mg)を含む酢酸エチル(15mL)中で水素化する。1.5時間後、混合物を、メタノールを溶出液として用いる、セライトのプラグを介して濾過する。溶媒を蒸発させ、残渣を、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を用いて塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。残渣を、メタノールおよびジクロロメタン(メタノール中5から7%)中の2Nのアンモニアを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、531mgの[1−[2−(ジメチルアミノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノールを得る。MS(m/z):246(M+1)。
2.1−[2−(ジメチルアミノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド
この化合物を、[1−[2−(ジメチルアミノメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メタノールを用いることによって、調製例31、工程3(最終酸化工程)に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):244(M+1)。
調製例41:メチル3−シクロプロピル−2−(4−ホルミル−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート
Figure 0005723381
トルエン(5.7mL)および水(0.28mL)の混合物中のメチル3−ブロモ−2−(4−ホルミル−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート(412mg、1.3mmol)、シクロプロピルボロン酸(142mg、1.7mmol)、リン酸カリウム(947mg、4.5mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(36mg、0.13mmol)の混合物を含有する、ねじ口試験管に、窒素下で酢酸パラジウム(14mg、0.06mmol)を加える。反応管をすばやく密封し(注意:圧力増加が起こり得る;安全シールドを用いること)、100℃で18時間、磁気攪拌器を利用して、予熱した油槽中で攪拌する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させる。得られた残渣をヘキサン:エタノール(エタノール中2から15%の勾配)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、96mgの標題化合物を得る。MS(m/z):285(M+1)。
調製例42:1−(2,6−ジメチルフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
モレキュラーシーブ(4A)および乾燥ジクロロメタン(4.5mL)中の3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(100mg、0.91mmol)、2,6−ジメチルフェニルボロン酸(150mg、1mmol)、酢酸銅(II)(247mg、1.36mmol)およびピリジン(147μl、1.8mmol)の溶液を含有する、ねじ口試験管を、室温で48時間、振盪する。混合物をセライトで濾過し、メタノールで洗浄し、溶媒を真空下で蒸発させる。得られた生成物を、ヘキサン:アセトン(アセトン中5から30%の勾配)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーを用いる、シリカゲルによって精製し、67mgの標題化合物を得る。MS(m/z):215(M+1)。
調製例43:エチル1−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−ホルミル−ピラゾール−3−カルボキシレート
Figure 0005723381
1.エチル2−[(2,6−ジフルオロフェニル)ヒドラゾノ]プロパノエート
水(50mL)中の(2,6−ジフルオロフェニル)ヒドラジン塩酸塩(3.0g、16.6mmol)の溶液に、メチルピルベート(2.32g、19.9mmol)および酢酸ナトリウム(6.8g、50.0mmol)を室温で加える。混合物を2時間攪拌する。完了後、沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、3.0g(74%)のエチル2−[(2,6−ジフルオロフェニル)ヒドラゾノ]プロパノエートを得る。MS(m/z):243(M+1)。
2.エチル1−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−ホルミル−ピラゾール−3−カルボキシレート
ジメチルホルムアミド(20mL)中のエチル2−[(2,6−ジフルオロフェニル)ヒドラゾノ]プロパノエート(3.0g、12.3mmol)の溶液に、オキシ塩化リン(V)(9.6mL、99.1mmol)を0℃でゆっくりと加える。混合物を、5時間、60℃まで加熱する。完了後、反応混合物を0℃まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(75mL)で中和し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ヘキサン/酢酸エチル(30:70)で溶出する、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、2.5g(73%)の標題化合物を得る。MS(m/z):281(M+1)。
調製例44:エチル1−(2−フルオロフェニル)−4−ホルミル−ピラゾール−3−カルボキシレート
Figure 0005723381
標題化合物を2−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(56%の収率)を用いて、調製例43に実質的に記載される方法を用いて調製する。MS(m/z):263(M+1)。
調製例45:1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−カルバルデヒド
Figure 0005723381
1.tert−ブチル3−[(2−フルオロフェニル)ヒドラゾノ]ブタノエート
エタノール(15mL)およびピリジン(65mL)の溶液に、tert−ブチル3−オキソブタノエート(5.0g、31.6mmol)および(2−フルオロフェニル)ヒドラジン(4.4g、34.9mmol)を室温にて加え、16時間攪拌する。完了後、反応混合物をエーテル(100mL)と1Nの塩酸(50mL)との間に分配する。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ヘキサン/酢酸エチル(90:10)で溶出する、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、8g(95%)のtert−ブチル3−[(2−フルオロフェニル)ヒドラゾノ]ブタノエートを得る。MS(m/z):267(M+1)。
2.tert−ブチル1−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート
トルエン(100mL)中のtert−ブチル3−[(2−フルオロフェニル)ヒドラゾノ]ブタノエート(8.0g、30mmol)の溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3.9mL、30mmol)を加え、次いで14時間、110℃まで加熱する。完了後、反応混合物を真空下で濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(95:5)で溶出する、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチル1−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレートを得る。MS(m/z):277(M+1)。
3.tert−ブチル3−(ブロモメチル)−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−4−カルボキシレート
四塩化炭素(30mL)中のtert−ブチル1−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.0g、3.6mmol)および過酸化ベンゾイル(0.08g、0.36mmol)の溶液を、100Wのランプを用いて照射し、還流下で加熱する。次いで、N−ブロモスクシンイミド(0.58g、3.2mmol)を、7時間にわたり、4回の等しい間隔で加える。反応混合物を2時間、さらに還流する。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、水(25mL)とジクロロメタン(25mL)との間に分配する。水相を、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、tert−ブチル3−(ブロモメチル)−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−4−カルボキシレートを得て、そのまま次の工程に用いる。MS(m/z):355,357(M+1,M+3)。
4.1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−カルボン酸
メタノール(30mL)中のtert−ブチル3−(ブロモメチル)−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−4−カルボキシレート(1.5g、4.2mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(6.86g、27.5mL、メタノール中25wt%、127mmol)を加え、混合物を、5時間、室温にて攪拌する。完了後、反応混合物を真空下で濃縮し、粗混合物を得て、そのまま用いる。メタノール(10mL)中のこの粗混合物(1.5g、4.9mmol)の溶液に、10%水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加え、24時間、室温にて攪拌する。完了後、反応混合物を真空下で濃縮する。水を残渣に加え、1Nの塩酸を用いて、pHを5に調整し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、0.8g(66%)の1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−カルボン酸を得る。MS(m/z):251(M+1)。
5.[1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メタノール
テトラヒドロフラン(8mL)およびトルエン(8mL)中の1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−カルボン酸(0.8g、3.2mmol)の溶液に、エーテル(3.80mL、19.2mmol)中の5.0Mのボランジメチルスルフィド錯体を0℃にて加え、16時間、室温にて攪拌する。完了後、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液(25mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ジクロロメタン/メタノール(99:1)で溶出する、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、0.3g(40%)の[1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メタノールを得る。MS(m/z):237(M+1)。
6.1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−カルバルデヒド
ジクロロメタン(10mL)中の[1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メタノール(0.30g、1.2mmol)の溶液に、デス・マーチンペルホージナン(0.65g、1.5mmol)を0℃で加え、4時間、0℃で攪拌を続ける。完了後、反応混合物を重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×25mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ジクロロメタン/メタノール(99.5:0.5)で溶出する、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、0.28g(96%)の標題化合物を得る。MS(m/z):235(M+1)。
実施例1:[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メタノール(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1.メチル2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンゾエート
テトラヒドロフラン(170mL)中のメチル3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート(17g、64.83mmol)および2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](19.95g、71.31mmol)の溶液を、1時間、室温にて攪拌する。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(16.49g、77.79mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌する。反応物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)でクエンチし、得られた相を分離する。水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出する。有機物をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させる。粗物質を、メチルtert−ブチルエーテル中で溶解させ、ベージュ色の固体を沈殿させる。固体を濾過し、取り除く。溶液を濃縮して、ヘキサン/酢酸エチルの混合物を用いる、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、73%の収率において、25gのメチル2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンゾエートを得る。MS(m/z):526(M+1)。
2.[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メタノール(L)−酒石酸塩
テトラヒドロフラン(240mL)中のメチル2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンゾエート(30g、57.04mmol)の溶液に、窒素下で、−20℃にて、テトラヒドロフラン(45.63mL、45.63mmol)中の1Mの水素化アルミニウムリチウムを加える。氷槽を取り除き、反応混合物を0℃(30分)に到達させる。水(2mL)を注意して滴下して加え(ガスの発生)、その後、2Nの水酸化ナトリウム(2mL)および水(6mL)を加える。得られた懸濁液を室温で30分間、攪拌する。懸濁液を濾過し、固体を酢酸エチル(20mL)で洗浄する。濾過物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、28gの[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メタノールを得る。MS(m/z):498(M+1)。
4mLのメタノール中の[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メタノール(384mg、0.77mmol)の溶液を、4mLのメタノール中の(L)−酒石酸(115.7mg、0.77mmol)の溶液に加える。数分間、攪拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を、真空下で一晩乾燥させ、[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メタノール(L)−酒石酸塩を定量的収率において得る。MS(m/z):498(M+1)。
実施例2:2−クロロ−1’−[[1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1,2−ジクロロエタン(54mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](7.14g、25.52mmole)の溶液に、1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(5.40g、24.30mmole)を加え、混合物を30分間、室温で攪拌する。次いで、粉末状のナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.27g、43.75mmole)を加え(内部温度25〜35°)、得られた懸濁液を室温で2時間、攪拌する。水/氷の混合物(30mL)を攪拌しながら一部ずつ加える。相を分離する。水相をtert−ブチルメチルエーテル(50mL)で抽出する。合わせた有機層を50%の重炭酸ナトリウム飽和水溶液(50mL)、水(50mL)および50%のブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、厚い油を得て、ジクロロメタン/メタノール(97:3)を溶出液として用いる、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、7.1gの2−クロロ−1’−[[1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]を得る。MS(m/z):486(M+1)。
実施例1に記載されるように酒石酸塩を実質的に調製する。MS(m/z):486(M+1)。
対応するアルデヒドから、実施例3〜21の化合物を、実施例2に記載されるように実質的に調製する。
Figure 0005723381
Figure 0005723381
Figure 0005723381
Figure 0005723381
Figure 0005723381
反応はテトラヒドロフランを溶媒として用いて実施する。
実施例22:2’−クロロ−1−((1−(2,6−ジメチルフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
Figure 0005723381
1,2−ジクロロエタン(1.1mL)中の1−(2,6−ジメチルフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(0.067g、0.31mmol)、2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](0.088mg、0.31mmol)および酢酸(18μL、0.31mmol)の混合物を含有する、ねじ口試験管に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.2g、0.94mmol)を加える。反応管を密封し、磁気攪拌器を用いて室温にて18時間、攪拌する。混合物をメタノールで希釈し、2gのSCXカートリッジを用いて精製する。溶媒を真空下で蒸発させ、得られた残渣をヘキサン:エタノール(エタノール中2〜20%)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.099gの標題化合物を得る。MS(m/z):478(M+1)。
実施例23:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
Figure 0005723381
1,2−ジクロロエタン(3mL)中の1−[2−フルオロ−6−(1−メチルイミダゾール−2−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド(288mg、1.01mmol)(75:25の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)および2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](311.72mg、1.11mmol)の混合物を含有する、ねじ口試験管を、室温で1時間攪拌し、次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(429.41mg、2.03mmol)を加える。反応管を密封し、磁気攪拌器を用いて、18時間、室温で攪拌する。次いで、反応物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによってクエンチし、化合物を酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で取り除く。化合物を、AD−Hを固定相として用いる、超臨界流体クロマトグラフィーにより精製し、230mg(41%)の標題化合物を白色の固体として得る。MS(m/z):548(M+1)。
実施例24:メチルN−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N−メチル−カルバメート(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
ジクロロメタン(3.00mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](210mg、0.75mmol)の溶液に、メチルN−[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)フェニル]−N−メチル−カルバメート(284.27mg)(ピラゾール中の位置異性体の混合物中の主化合物として)を加える。混合物を室温で10分間攪拌する。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(331.5mg)を加え、反応物を、一晩、室温で攪拌する。混合物を、ジクロロメタンで希釈し、重炭酸ナトリウム(飽和溶液)でゆっくりとクエンチする。有機相を、次いでさらにジクロロメタンで抽出し、デカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、ジクロロメタンおよびメタノールを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、160mgのメチルN−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N−メチル−カルバメートを得る。MS(m/z):555(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):555(M+1)。
実施例25:N−[[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メチル]シクロプロパンアミン(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
テトラヒドロフラン(0.3mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](0.220g、0.788mmol)およびシクロプロピル−[3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.327g、0.876mmol)の溶液を、1時間、室温で攪拌し、次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.371g、1.75mmol)を加える。混合物を一晩攪拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を、イソ−プロピルアルコール中の4Nの塩酸中に溶解させ、室温で2時間、攪拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をメタノール中で希釈し、SCXカートリッジ内に入れる。メタノール画分中の2Nのアンモニアを回収し、蒸発させる。残渣を、逆相HPLCによって精製し、0.142gのN−[[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メチル]シクロプロパンアミンを得る。MS(m/z):537(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):537(M+1)。
実施例26:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
ねじ口試験管に、ヨウ化銅(I)(6.1mg、0.32mmol)、2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](120mg、0.32mmol)、炭酸カリウム(94mg、0.67mmol)、1mLのトルエン(前もって20分間窒素で泡立てる)、および攪拌棒を加える。反応混合物を、さらに10分間、窒素を用いて泡立て、次いで1−フルオロ−2−ヨードベンゼン(106mg、0.48mmol)、およびtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.01mL、0.64mmol)を加える。反応管を迅速に密封し(注意:圧力増加が起こり得る;安全シールドを用いること)、115℃で、16時間、予熱した油中に浸す。サンプルを室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過する。溶媒を真空下で蒸発させる。残渣を、ヘキサン/酢酸エチル(酢酸エチル中10〜40%)を用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、103.9mgの標題化合物を得る。MS(m/z):468(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):468(M+1)。
実施例27〜29の化合物を、対応するハロゲン化フェニルから、実施例26に実質的に記載されるように調製する。
Figure 0005723381
実施例30:2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−1−((1−(2−トリル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
Figure 0005723381
ねじ口試験管に、ヨウ化銅(I)(23.74mg、0.125mmol)、2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](233mg、0.623mmol)、炭酸カリウム(182.71mg、1.31mmol)、トルエン(2mL)(前もって20分間窒素で泡立てる)および攪拌棒を加える。反応混合物を、さらに20分間、窒素を用いて泡立て、次いで2−ヨード−トルエン(272mg、1.25mmol)およびtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(39.31μL、0.25mmol)を加える。反応管を迅速に密封し(注意:圧力増加が起こり得る;安全シールドを用いること)、磁気攪拌器を用いて24時間、110℃にて予熱した油槽中に浸す。次いで、混合物をSCXカラム(25g)に注ぎ、メタノール、および、次いでメタノール中の2Nのアンモニア溶液で溶出する。塩基性画分を濃縮し、得られた残渣をジクロロメタン:エタノール(エタノール中5から20%の勾配)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、16%の収率において標題化合物得る。MS(m/z):464(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):464(M+1)。
実施例31:2’−クロロ−1−((1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
Figure 0005723381
乾燥ジメチルホルムアミド(3.2mL)中の1−フルオロ−2−ヨード−3−メトキシベンゼン(607mg、2.41mmol)を含有する、ねじ口試験管に、窒素下で、4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール(600mg、1.6mmol)、酸化銅(I)(23mg、160μmole)、(R,R)−(−)−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(68mg、480μmole)および炭酸セシウム(1040mg、3.2mmol)を加える。反応管を迅速に密封し(注意:圧力増加が起こり得る;安全シールドを用いること)、16時間、110℃にて、予熱した油槽中で磁気攪拌器を用いて攪拌する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させる。得られた残渣を、ヘキサン:エタノール(エタノール中2から15%の勾配)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーを用いる、シリカゲルによって精製し、17%の収率の標題化合物を得る。MS(m/z):498(M+1)。
実施例32:1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N−メチル−メタンアミン(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1.2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンズアルデヒド
酸化マンガン(IV)(13.89g、140.57mmol)を、ジクロロメタン(224mL)中の[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メタノール(28.00g、56.23mmol)の溶液に室温で加え、得られた懸濁液を、還流で2.5時間攪拌する。さらに酸化マンガン(IV)(33.33g、337.37mmol)を加え、混合物を、還流で4時間、および室温で15時間、攪拌する。さらに酸化マンガン(IV)(8.33g、84.34mmol)を加え、攪拌を7時間室温で続ける。反応混合物を攪拌せずに1時間静置する。上澄液をデカントし、ジクロロメタンで溶出する、セライトのパッドで濾過する。濾過物を濃縮して、27gの2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンズアルデヒドを得る。MS(m/z):496(M+1)。
2.1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N−メチル−メタンアミン(L)−酒石酸塩
水(3.25mL、37.71mmol)中の40%のモノメチルアミンを、エタノール(170mL)中の2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンズアルデヒド(17.00g、34.28mmol)の溶液に、0℃(氷/水槽)で加える。得られた混合物を室温で15時間、攪拌する。氷/水槽で冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.778g、20.57mmol)を加え、混合物を3時間、室温で攪拌する。5%の塩酸を、ガスの発生が観察されなくなるまで、0℃で滴下して加え(pH=6、約20mL)、混合物を1/4の体積まで濃縮する。重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加え(100mL)、得られた懸濁液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗物質を得て、メタノール/ジクロロメタン混合物中の水酸化アンモニウムで溶出する、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、14gの標題化合物の遊離塩基を得る。MS(m/z):511(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):511(M+1)。
実施例33:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−[2−フルオロ−6−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
32%の収率にて、2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンズアルデヒドおよびピロリジンを用いて、標題化合物の遊離塩基を調製例7に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):551(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):551(M+1)。
実施例34〜35の化合物を、対応するアミンを用いて、実施例33に実質的に記載されるように調製する。
Figure 0005723381
実施例36:N−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンジリデン)−2−メトキシエタンアミン
Figure 0005723381
2.2mLの無水ジクロロメタン中の2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンズアルデヒド(0.220g、0.44mmol)および2−メトキシエチルアミン(0.058mL、0.67mmol)の溶液を、一晩、4Aのモレキュラーシーブで攪拌する。混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させ、定量的収率において、対応するイミンを得る。MS(m/z):553(M+1)。
水素化ホウ素ナトリウム(0.050g、1.32mmol)および2滴のメタノールを、2.2mLの1,2−ジクロロエタン中のN−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンジリデン)−2−メトキシエタンアミン(0.237g、0.44mmol)の溶液に加え、混合物を24時間攪拌する。1Nの水酸化ナトリウムを溶液に加え、反応物をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過および溶媒の蒸発後、得られた残渣を、2gのSCXカートリッジを用いて精製する。得られた生成物を、エタノールおよびエタノール中の15%の水酸化アンモニウム水溶液(メタノール中7N)(塩基性溶出液の50〜90%の勾配)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.075gの標題化合物の遊離塩基を得る。MS(m/z):555(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):555(M+1)。
実施例37:2−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンジルアミノ)エタノール
Figure 0005723381
ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.280g、1.32mmol)を、1.8mLの1,2−ジクロロエタン中の2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンズアルデヒド(0.163g、0.33mmol)および2−アミノエタノール(0.022mL、0.36mmol)中の溶液に加える。混合物を一晩攪拌する。重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加え、混合物を酢酸エチル中で抽出し、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過および蒸発後、残渣を、2gのSCXカートリッジを用いて精製する。得られた生成物をさらに、ヘキサン:エタノール(エタノール中50〜90%)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.070gの標題化合物を得る。MS(m/z):541(M+1)。
実施例38:(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)メタンアミン(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1.2−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンジル)−イソインドール−1,3−ジオン
ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.105mL、0.54mmol)を、3mLのトルエン中の(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)メタノール(0.180g、0.36mmol)、フタルイミド(0.079mg、0.54mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.142g、0.54mmol)の溶液に0℃で加える。混合物を一晩室温で攪拌する。溶媒を取り除き、残渣を、2gのSCXカートリッジをまず用いて精製し、メタノール画分中の2Nのアンモニアを蒸発させた後、ヘキサン/エタノール(3%〜30%)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.204gの2−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンジル)−イソインドール−1,3−ジオンを得る。MS(m/z):627(M+1)。
2.(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)メタンアミン(L)−酒石酸塩
エタノール(2.5mL)中の2−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロベンジル)−イソインドール−1,3−ジオン(0.204g、0.33mmol)および24μlの水を含有するフラスコに、ヒドラジン一水和物(0.04g、0.79mmol)を加える。反応混合物を2.5時間、還流し、次いでメタノールで希釈し、2gのSCXカートリッジを用いて精製する。メタノール画分中の2Nのアンモニアを蒸発させた後、得られた生成物を、エタノールおよびエタノール中の15%の水酸化アンモニウム溶液(メタノール中7N)(塩基性溶出液の25〜90%の勾配)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、75mgの(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)メタンアミンを得る。MS(m/z):497(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):497(M+1)。
実施例39:(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロプロピルフェニル)メタノール
Figure 0005723381
1.メチル2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロプロピルベンゾエート
1,2−ジクロロエタン(0.73mL)中のメチル3−シクロプロピル−2−(4−ホルミル−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート(0.059g、0.21mmol)、2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン(0.058g、0.13mmol)および酢酸(12μL、0.21mmol)の混合物を含有する、ねじ口試験管に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.066g、0.31mmol)を加える。反応管を密封し、18時間、室温にて磁気攪拌器を用いて攪拌する。混合物をメタノールで希釈し、2gのSCXカートリッジを用いて精製し、溶媒を真空下で蒸発させ、0.113gのメチル2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロプロピルベンゾエートを得る。MS(m/z):548(M+1)。
2.(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロプロピルフェニル)メタノール
テトラヒドロフラン(0.8mL)中の水素化アルミニウムリチウム(9mg、0.23mmol)の懸濁液を含有する、ねじ口試験管に、無水テトラヒドロフラン(0.4mL)中のメチル2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−シクロプロピルベンゾエート(0.113g、0.21mmol)の溶液を、窒素下で0℃にて加える。反応管を密封し、磁気攪拌器を用いて、30分間0℃で攪拌する。混合物を水(0.4mL)で希釈し、30分間攪拌し、メタノールで希釈する。生成物を、2gのSCXカートリッジを用いて精製し、塩基性画分を蒸発させた後、得られた残渣を、ヘキサン:エタノール(エタノール中2〜15%)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.070mgの標題化合物を得る。MS(m/z):520(M+1)。
実施例40:1−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)エタノン
Figure 0005723381
ジメチルホルムアミド(2.2mL)中の4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール(0.271g、0.72mmol)を含有する、ねじ口試験管に、1−(2,3−ジフルオロフェニル)エタノン(0.124g、0.8mmol)および炭酸カリウム(0.150g、1.1mmol)を加える。反応管を迅速に密封し(注意:圧力増加が起こり得る;安全シールドを用いること)、予熱した油槽中で110℃にて18時間、磁気攪拌器を用いて攪拌する。混合物をメタノールで希釈し、2gのSCXカートリッジを用いて精製し、溶媒を真空下で蒸発させる。得られた残渣を、ジクロロメタン/メタノール(メタノール中2〜20%)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.075gの標題化合物を得る。MS(m/z):510(M+1)。
実施例41:2−クロロ−1’−[[1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
モレキュラーシーブ(4A)および無水ジクロロメタン(1.3mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](0.250g、0.675mmol)、2−クロロベンゼンボロン酸(0.212g、1.35mmol)、酢酸銅(II)(0.185g、1.01mmol)、ピリジン(0.083mL、1.35mmol)の溶液を含有する、ねじ口試験管を、48時間振盪する。粗反応物をメタノールで希釈し、5gのSCXカートリッジを用いて、まず精製する。得られた生成物をさらに、ジクロロメタン/エタノール(エタノール中5〜30%)で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、0.067gの標題化合物を得る。MS(m/z):535(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):535(M+1)。
実施例42:1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]シクロプロパンアミン(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1.2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンゾニトリル
1,2−ジクロロエタン(20.5mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]塩酸塩(1.3g、4.11mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.75mL、5.3mmol)および3−フルオロ−2−(4−ホルミル−3−メチル−ピラゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(位置異性体の混合物中の主化合物として)(1.13g、4.93mmol)を加える。混合物を30分間、室温で攪拌する。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.82g、8.22mmol)を加える。混合物を、室温で一晩攪拌する。その後、溶媒を蒸発させ、残渣をメタノールで希釈し、50gのSCXのカートリッジを用いて精製し、次いでジクロロメタンおよびメタノールで溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーで精製し、位置異性体の混合物(約80:20)を含有する、1.6gの粗物質を得る。この残渣をさらに、逆相HPLCによって精製し、927mgの2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンゾニトリルを主な位置異性体として得る。MS(m/z):493(M+1)。
2.1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]シクロプロパンアミン(L)−酒石酸塩
窒素下で、−70℃に冷却したジエチルエーテル(10.75mL)中の2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンゾニトリル(0.530g、1.08mmol)およびチタンテトラ(イソプロポキシド)(0.350mL、1.19mol)の懸濁液に、エチルエーテル(0.789mL、2.42mmol)中の3.0Mのエチル臭化エチルマグネシウムを加える。冷却槽を取り除き、混合物を室温で1時間、攪拌する(冷却槽を取り除いた後、沈殿物を出現させ、混合物は経時的に黒色の溶液となる)。三弗化硼素エーテラート(0.272mL、2.16mmol)を加え、1時間、室温で攪拌する(沈殿物を再び出現させ、漸次的に赤みがかった色となる)。その後、1Mの塩酸(3.5mL)を加え、その後、tert−ブチルメチルエーテル(18mL)を加える。10%の水酸化ナトリウム(15mL)を混合物に加え、tert−ブチルメチルエーテルで抽出する。有機層をデカントし、溶媒を蒸発させる。粗物質を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、160mgの1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]シクロプロパンアミンを得る。MS(m/z):523(M+1)。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):523(M+1)。
実施例43:1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N,N−ジメチルシクロプロパンアミン(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
テトラヒドロフラン(1.91mL)中の1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]シクロプロパンアミン(100mg、0.19mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(水中37%)(17.24μL)を加え、混合物を、室温で10分、攪拌する。次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(81.05mg)を加え、反応混合物を室温で一晩、攪拌する。反応は完了せず、さらにホルムアルデヒド(2当量)、およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(2当量)を加え、攪拌を室温で2時間続ける。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を、5gのSCXのカートリッジを用いて精製する。メタノール画分中の2Nのアンモニアを蒸発させた後、残渣をさらに、ジクロロメタン/メタノールを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N,N−ジメチルシクロプロパンアミンを、68%の収率にて、得る。MS(m/z):551(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):551(M+1)。
実施例44:N−[[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メチル]−N−メチル−アセトアミド(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
無水酢酸(0.043mL、0.452mmol)を、ジクロロメタン(4mL)中の1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]−N−メチル−メタンアミン(0.210g、0.411mmol)の溶液に、0℃で加える。1時間後、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を反応物に加え、粗物質をジクロロメタンで抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させ、0.21gのN−[[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−フェニル]メチル]−N−メチル−アセトアミドを得る。MS(m/z):533(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):533(M+1)。
実施例45:1−[2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−メトキシ−フェニル]−N−メチル−メタンアミン(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
ジメチルホルムアミド(1mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](0.125g、0.334mmol)の溶液に、2−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド(0.501mmol、0.080mg)および炭酸セシウム(0.142g、0.435mmol)を加える。混合物を24時間、110℃で加熱する。水を加え、有機層を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。溶媒を減圧下で蒸発させる。5gのシリカカートリッジを用いて、主な不純物が現れるまで、1:1のヘキサン/酢酸エチルを溶出液として用いて残渣を精製し、その後、酢酸エチルで精製し、0.065gの純粋でないアルデヒドを得る。この物質を、テトラヒドロフラン(4mL)中で溶解させ、モノメチルアミン(0.640mL、1.28mmol)を加える。混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.1g)および数滴の酢酸を加える。反応混合物を室温で10時間、攪拌する。水および重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加える。反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で取り除く。この化合物を、塩基性の逆相HPLCを連続せずに用い、その後、キラルクロマトグラフィーを用いて精製し、18.5mgの標題化合物を遊離塩基として得る。MS(m/z):523(M+1)。
(キラル精製条件:固定相:Chiralcel OD;移動相:n−ヘキサン−0.2%ジメチルエチルアミン/エタノール;カラムサイズ:10μm、20250;溶出モード:アイソクラチック85/15;流速:12(mL/min);UV検出:254.16(nm);ローディング:27mg)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):523(M+1)。
実施例46:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロ−6−イミダゾール−1−イル−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1.2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
ジクロロメタン(47mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](2.1g、7.5mmol)および1−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−カルバルデヒド(3g)(ピラゾール中の位置異性体の混合物中の主化合物として)の溶液を、室温で30分間、攪拌する。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.94g)を加え、混合物をその温度で一晩、攪拌する。反応混合物を重炭酸ナトリウム(飽和溶液)で注意してクエンチし、ジクロロメタンで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、デカントし、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残渣を、溶出液として、ジクロロメタンおよびイソプロパノールを用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、2.28gの2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](化合物は80:20の比で、他のピラゾール位置異性体と混合している)を得る。MS(m/z):513(M+1)。
2.2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−アニリン
エタノール(11mL)および水(11mL)中の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](2.28g、4.46mmol)および鉄(2.5g)の溶液に、数滴の酢酸を加える。反応混合物を、90℃で70分間、攪拌する。混合物を、次いでセライトで濾過し、真空下で濃縮する。残存する溶液を重炭酸ナトリウム(飽和溶液)で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機層をデカントし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、1.8gの2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−アニリンを得て、次の工程において、さらに精製せずに用いる(化合物は80:20の比にて、他のピラゾール位置異性体と混合している)。MS(m/z):483(M+1)。
3.2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロ−6−イミダゾール−1−イル−フェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
0.5mLの酢酸、ホルムアルデヒド(37.81μL)、およびエタンジアール(59.61μL)の混合物を、70℃で加熱する。0.5mLの酢酸、酢酸アンモニウム(29.74mg)および2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−アニリン(250mg、0.52mmol)の溶液を、15分にわたってフラスコに滴下して加える。溶液を、一晩、70℃で連続して攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、ゆっくりと注意して、15mLの重炭酸ナトリウム溶液(90mg/mL)に注ぐ。所望の化合物を、次いで酢酸エチルで抽出する。有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。粗物質を、98/2から90/10のジクロロメタン/メタノール混合物を溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製する。RP HPLCによってさらに精製し、89.7mgの標題化合物を遊離塩基として得る。MS(m/z):534(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):534(M+1)。
実施例47:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−[2−フルオロ−6−(2−メチルイミダゾール−1−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
標題化合物を、2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−アニリン(350.0mg、0.73mmol)およびアセトアルデヒド(0.163mL、2.90mmol)を用いて、実施例46の調製例の第3の工程に記載されるように実質的に調製する。残渣を、逆相HPLCによって精製し、95.4mgの所望の化合物を得て、順相HPLCによりさらに精製して、32mgの所望の純粋な遊離塩基を、8%の収率で得る。酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):548(M+1)。
実施例48:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−[2−フルオロ−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]
Figure 0005723381
2−[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−3−フルオロ−ベンズアミド(455mg)およびメタンアミン、1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチル(3.12mL、23.40mmol)の混合物を、2時間、120℃まで加熱する。反応物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で取り除く。残渣を、酢酸(2.68mL)中に溶解させ、ヒドラジン一水和物(43.49μl)を加える。得られた溶液を、2時間、90℃まで加熱する。反応物を、室温まで冷却する。酢酸を次いで減圧下で取り除き、残渣を、酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄する。有機相を真空下で蒸発させる。粗混合物を、メタノール混合物中のジクロロメタン/2Nのアンモニアを用いるシリカゲルクロマトグラフィー上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、163mgの標題化合物を白色の固体として得る。MS(m/z):465(M+1)。
実施例49:[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−3−イル]メタノール
Figure 0005723381
1.エチル4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−3−カルボキシレート
1,2−ジクロロエタン(25mL)中の2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]塩酸塩(0.8g、2.53mmol)およびエチル1−(2−フルオロフェニル)−4−ホルミル−ピラゾール−3−カルボキシレート(0.79g、3.04mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン(0.83mL、7.59mmol)およびモレキュラーシーブ(0.20g)を加える。反応混合物を、15分間、室温で攪拌する。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.61g、7.59mmol)を加え、室温で16時間、攪拌する。完了後、反応混合物をセライトで濾過し、ジクロロメタン(50mL)と水(25mL)との間に分配する。水相をジクロロメタン(2×25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ヘキサン/酢酸エチル(80:20)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、1.1g(84%)のエチル4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−3−カルボキシレートを得る。MS(m/z):526(M+1)。
2.[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−3−イル]メタノール
テトラヒドロフラン(10mL)およびエタノール(10mL)中のエチル4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2−フルオロフェニル)ピラゾール−3−カルボキシレート(0.9g、1.71mmol)の溶液に、水素化ホウ素リチウム(テトラヒドロフラン中の3.40mL、2.0Mの溶液、6.85mmol)を0℃で加え、16時間、室温で攪拌する。完了後、反応混合物を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×25mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ヘキサン/酢酸エチル(70:30)で溶出する、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、0.75g(91%)の標題化合物を得る。MS(m/z):484(M+1)。
実施例50:[4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2,6−ジフルオロフェニル)ピラゾール−3−イル]メタノール
Figure 0005723381
標題化合物を、2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]塩酸塩およびエチル1−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−ホルミル−ピラゾール−3−カルボキシレートを用いて、実施例49に記載されるように実質的に調製する。標題化合物を26%の収率にて得る。MS(m/z):502(M+1)。
実施例51:2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1,2−ジクロロエタン(10mL)中の2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]塩酸塩(0.32g、1.0mmol)および1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)ピラゾール−4−カルバルデヒド(0.28g、1.2mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン(3.0当量、3.0mmol)を加える。反応混合物を、室温で10分間、攪拌し、次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.53g、2.5mmol)を加え、室温で24時間、攪拌する。完了後、反応混合物をジクロロメタン(15mL)と水(15mL)との間に分配する。水相をジクロロメタン(3×15mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗混合物を、ジクロロメタン/メタノール(99:1)で溶出するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、0.27g(54%)の2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−(2−フルオロフェニル)−3−(メトキシメチル)−ピラゾール−4−イル]メチル]−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]を得る。MS(m/z):498(M+1)。
酒石酸塩を実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):498(M+1)。
受容体占有トレーサー化合物:2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)−N,N−ジメチル−プロパンアミド(L)−酒石酸塩
Figure 0005723381
1.tert−ブチル3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロパノエート
2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,2−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](2.7g、11.9mmol)を、MeOH(60mL)中に溶解する。次いで、トリエチルアミン(2.65mL)およびtert−ブチルアクリレート(3.55mL、23.76mmol)を加え、混合物を、5時間、65℃で加熱する。熱を取り除き、反応混合物を室温で一晩攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗物質を、1/1の酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、4.2gの所望の化合物を、無色の油として得る。MS(m/z):356(M+1)。
2.tert−ブチル2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロパノエート
下で、−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(41mL)中のtert−ブチル3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロパノエート(4.9g、13.78mmol)の攪拌溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M(41,35mL、41.45mmol)を滴下して加える。得られた混合物を、その温度で3時間攪拌する。次いで、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.33mL、11.03mmol)を加え、得られた溶液を、30分間、同じ温度で攪拌する。得られた混合物に、乾燥テトラヒドロフラン(1mL)中の2−フルオロベンジルブロミド(2.33mL、19.3mmol)を加え、攪拌を続ける。温度を一晩で、−78℃から室温にする。粗反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発し、粗物質を得て、5/95から20/80の酢酸エチル/ヘキサンを用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、5.06gの標題化合物を無色の油として得る。MS(m/z):464(M+1)。
3.2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロパン酸トリフルオロ酢酸
tert−ブチル2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロパノエート(5.06g、10.91mmol)およびトリフルオロ酢酸(26.20mL、218mmol)の混合物を、室温で一晩攪拌する。溶媒を蒸発乾固し、粗物質をさらに精製せずに用いる。
4.2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)−N,N−ジメチルプロパンアミド
2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロパン酸トリフルオロ酢酸(5.68g、10.89mmol)をジクロロメタン(218mL)中に溶解し、次いでトリエチルアミン(12.14mL、87.13mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(1.80g、21.78mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(4.18g、21.78mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.34g、21.78mmol)をその後に0℃で溶液に加える。混合物を室温で5時間、攪拌する。反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で処理し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を、減圧下で蒸発させる。粗物質を、100/0から90/10のメタノール中のジクロロメタン/2Nのアンモニアを溶出液として用いる、順相Iscoクロマトグラフィーによって精製し、4.0g(84.5%)の標題化合物を得る。MS(m/z):435(M+1)。
5.2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)−N,N−ジメチル−プロパンアミド(L)−酒石酸塩
ラセミ化合物2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)−N,N−ジメチル−プロパンアミド(2.3g、5.29mmol))の鏡像異性体分割を、ヘキサン/エタノール中の0.2%ジメチルエチルアミン 9/1を使用して、キラルパックADカラムを用いて実施する。所望の化合物を、36%の収率にて、最初に溶出する鏡像異性体として得る。
酒石酸塩を、実施例1に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):435(M+1)。
文献データ(PrzydzialおよびHeisler,2008,上記;Reinscheid,2006,上記)および非臨床的動物研究において生成されたデータは、鬱病、肥満および摂食障害、ならびに片頭痛の治療におけるノシセプチンアンタゴニストについての役割を支持している。具体的には、ノシセプチン受容体アンタゴニストが、過食症、以前の体重損失後の体重の再増加を阻害する齧歯動物モデルにおいて、および片頭痛のためのモデルにおいて、単独または三環系もしくは選択的セロトニン作動性再取り込み阻害剤(SSRI)の抗鬱剤と併用して鬱病の齧歯動物モデルにおいて有効であると見出されている。さらに、ノシセプチン受容体ノックアウトマウスにおいて実施した研究は、強制水泳試験(抗鬱作用の尺度)および空腹により誘発される摂取(抗肥満活性)におけるノシセプチンアンタゴニストの作用は、遺伝子型依存性であることを実証しており、これらの動物モデルにおけるノシセプチンアンタゴニスト作用の特定の機構を支持している。上述の障害が一般的な併存症の臨床症状を表す場合、ノシセプチン受容体アンタゴニストは特に、大鬱病性障害、過食障害、過体重、肥満、および臨床気分障害と併存した肥満を有する患者などのこれらの特定の患者集団において効果的であり得る。
本発明の化合物の特徴をさらに実証するために、代表的な化合物を以下のインビトロおよびインビボアッセイにおいて実施する。
インビトロ受容体結合
放射性リガンド結合アッセイは一般に、特定の受容体または標的タンパク質に結合する化合物の親和性(K)または有効性を測定するために使用される。濾過ベースの[3H]−OFQ/ノシセプチン受容体結合アッセイは、少しの改良を有して以前のアッセイフォーマットに基づいて開発されている(Ardati A,Henningsen RA,Higelin J,Reinscheid RK,Civelli O,Monsma FJ Jr.Mol Pharmacol.1997 May;51(5):816−24)。[3H]−OFQ/ノシセプチン結合アッセイを、ディープウェル96ウェルプレート中で実施する。[H]OFQ(最終アッセイ濃度0.2nM)競合研究を、20mM HEPES、pH7.4、5mM MgCl、1mM EGTA、100mM NaCl、0.1%ウシ血清アルブミンを含有する0.5mLの最終アッセイ体積の緩衝液中で5〜10μgの膜タンパク質(クローニングしたヒトORL1受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)から単離した)を用いて実施する。サンプルを室温にて60分間インキュベートし、それが競合アッセイに最適であることを見出す。そのアッセイは、Tometc細胞収集器におけるガラス繊維フィルター(WallacフィルターマットA)[0.3%ポリエチレンイミン(Sigma)で1時間予め処理した]での濾過により終了し、フィルターを、5mLの氷冷50mM Tris・HCl、pH7.4で3回洗浄する。次いでフィルターマットを乾燥させ、MeltilexシンチラントAに埋め込み、放射線をWallac Microbetaシンチレーションカウンタで計数する。特異的結合を100nMの未標識ノシセプチンでの置換により測定する。曲線を特異的結合の割合としてプロットし、IC50値を、可変勾配を有するS字状用量反応曲線を用いて測定する。K値はチェン−プルソフ(Cheng and Prusoff)の式(Cheng,Y.C.,およびPrusoff,W.H.,Biochem.Pharmacol.22,3099−3108(1973))によりIC50から計算する(式中、K=IC50×(1+D×K −1−1である)。
同様に、μ、κおよびδオピオイド、セロトニン、アドレナリン作用性、およびムスカリン作用性受容体に対するKは、所望の受容体を発現する膜および適切な対応する放射性リガンド競合分子を用いて測定できる。
例示した化合物を上記のように実質的に試験し、ORL−1受容体に対する高親和性を有することを見出す。例示した化合物についてのORL−1受容体に対するKは0.9nM未満であることを見出し、一方、μ、κおよびδオピオイド、セロトニン、およびドーパミン受容体に対するKは、著しく高くなることを見出す。実施例2、40、47および50の化合物を上記のように実質的に試験し、以下の表1に示すような親和性を有することを見出す。
Figure 0005723381
従って、本発明の化合物の生理学的に関連する用量は、インビボにおけるこれらの部位と実質的に相互作用するとは予想されず、従って、このような活性に関連する望ましくない作用を回避すると予想される。
アゴニストにより媒介されるGタンパク質活性化−GTPγ−[35S]結合のインビトロでの機能的遮断
Gタンパク質共役受容体のアゴニストにより媒介される刺激により、膜結合Gαβγ−タンパク質ヘテロ三量体複合体の活性化が生じ、細胞内経路の修飾への細胞外シグナルの変換における第1の工程を表す。Gαβγ−タンパク質三量体の受容体により媒介される活性化の第1の工程は、Gαサブユニット結合グアノシン二リン酸(GDP)のグアノシン三リン酸(GTP)への交換である。Gαサブユニットに対するGTPの結合により、ヘテロ三量体サブユニット、GβおよびGγの解離が引き起こされ、いくつかの細胞内シグナル伝達カスケードの調節が生じる。受容体により媒介されるGタンパク質活性化の尺度は、非加水分解性の放射性標識したGTP、GTP−γ−[35S]のアナログを用いて測定され得る。
この方法を利用して、アンタゴニスト親和性(Kb)を、少しの変更を有して、以前に記載されたプロトコル(DeLappら,J Pharmacol Exp Ther.1999 May;289(2):946−55;Ozakiら,Eur J Pharmacol.2000 Aug 18;402(1−2):45−53)に従ってGTP−γ−[35S]結合アッセイを用いてクローン化したヒトORL1/ノシセプチン受容体を発現する膜で測定する。アッセイを、以下の緩衝液成分:100mM NaCl、20mM HEPES、5mM MgCl、1mM EDTA、0.1% BSA、3μM GDP、0.5nM[35S]GTPγSを有する200μ体積で実施する。ORL1受容体膜懸濁液を20μgタンパク質/ウェルの濃度で加え、300nMノシセプチン/OFQを用いて受容体刺激を達成する。コムギ胚芽凝集素でコーティングしたビーズ(Amersham,Arlington Hts.,IL)を1mg/ウェルにて加えて、膜結合[35S]GTPγSを検出する。プレートを密閉し、2時間室温にてインキュベートする。次いでプレートを4℃にて一晩置き、SPAビーズを定着させ、次いでWallac Microbetaでカウントする。特異的[35S]GTPγS結合を、10μMの非標識GTPγSの非存在および存在下で観測されたCPMの相違として測定する。特異的[35S]GTPγS結合の割合としてデータをプロットする。特異的結合の割合として曲線をプロットし、IC50値を、可変勾配を有するS字状用量反応曲線を用いて測定する。アンタゴニスト親和性(K)を、チェン−プルソフ(1973)の式の変形(式中、K=IC50×(1+D×EC50−1−1である)を用いてDeLappら,1999に従って算出する。
例示した化合物を上記のように実質的に試験し、ORL−1受容体の有効なアンタゴニストであることを見出す。ORL−1受容体についてのKは、1.3nM未満であると見出す。実施例2、40、47および50の化合物を上記のように実質的に試験し、それぞれ、0.43、0.30、0.15および0.54nMのORL−1受容体についてのKを有すると見出す。
インビボでの受容体占有
LC/MS/MSを用いる受容体占有(RO)は、インビボでの推定ORL−1アンタゴニストの主要な標的結合を測定する方法として確立している。ノシセプチン/ORL1受容体占有(RO)を、新規所有のノシセプチン/ORL1アンタゴニストROトレーサー、2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−3−(2−フルオロスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)−N,N−ジメチル−プロパンアミド、(ROトレーサー)を用いて、血液脳関門の内側の高密度のノシセプチン/ORL1結合部位を含有する構造である、臨床下部において測定する。これらの測定は、修飾を有して他の受容体について以前に公開された(Chernet E,Martin LJ,Li D,Need AB,Barth VN,Rash KS,Phebus LA.Use of LC/MS to assess brain tracer distribution in preclinical,in vivo receptor occupancy studies:dopamine D2,serotonin 2A and NK−1 receptors as examples.Life Sci. 78(4):340−6,2005)ような放射性標識したトレーサーを必要とせずになされる。
中枢ノシセプチン/ORL1 ROと、齧歯動物における摂食行動および強制水泳試験の調節の効果との間に正相関を確立した。中枢ノシセプチン/ORL1 ROを、試験化合物のラットへの経口投与後、6または24時間に測定する。オスのSprague−Dawleyラット(Harlan Sprague−Dawley,Indianapolis,IN)を試験化合物、またはビヒクル(20%カプチソール、25mMリン酸緩衝液、pH2.0)で経口処置する。試験化合物/ビヒクル投与の6または24時間後、全ての動物に3μg/kg用量のROトレーサーを静脈内投与する。ROを測定するとみなすのは、ROトレーサー投与の時である。ROトレーサー投与の40分後、ラットを頸椎脱臼により屠殺し、視床下部を除去する。ROトレーサーのレベルを各組織サンプル中で測定する。
中枢作用性の文献参照標準物質(−)−シス−1−メチル−7−[[4−(2,6−ジクロロフェニル)ピペリジン−1−イル]メチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプタン−5−オール(SB612111、上記のMagdalenaおよびHeislerを参照のこと)、有効なノシセプチン/ORL1受容体選択的アンタゴニストを陽性対照として使用して、100%ノシセプチン/ORL1 ROに関連するROトレーサーレベルを確立する。SB612111を、ROトレーサーの1時間前に30mg/kgの用量(視床下部ノシセプチン/ORL1受容体の約100%ROを生じる用量)で静脈内投与する。
視床下部サンプルを、0.1%ギ酸を含有する4容量(w/v)のアセトニトリル中でホモジナイズし、14,000RPMにて16分間遠心分離する。上清を回収し、滅菌水で0.3mLの最終体積まで希釈する。ROトレーサーの測定を、Agilentモデル1200HPLC(Agilent Technologies,Palo Alto,CA)およびAPI4000質量分析計を用いて実施する。クロマトグラフ分離は、2.1×50mm C18カラム(Agilentパート番号971700−907)および全体で0.1%ギ酸含有量を含む38%アセトニトリル水溶液からなる移動相を使用する。ROトレーサーの検出は、脳組織ホモジネート中で調製した標準物質との比較により定量化したレベルを用いて、435対239の質量対電荷比(m/z)でイオン遷移を生じる前駆体をモニタリングすることにより達成する。0パーセントのROを、ビヒクルで前処置した動物の視床下部におけるROトレーサーのレベルとして算出し、これは非特異的および特異的結合の合計を表す(全ての受容体はトレーサーに利用可能である)。SB612111、陽性対照群の非常に高い静脈内用量で前処置した動物における低いレベルのROトレーサーは非特異的結合を表し、100%占有の値が割り当てられる(受容体はトレーサーに利用可能ではない)。試験化合物で処置した群由来の視床下部に見出されるROトレーサーのレベルは、これらの2点間で線形補間して、試験化合物についてのROを算出する。
例示した化合物を上記のように実質的に試験し、ORL−1受容体において高い受容体占有を有することを見出す。例示した化合物についての受容体占有は、6時間後、3mg/kg用量について約50から約115%の間、または24時間後、3mg/kg用量について約5から約108%の間のROであることを見出す。実施例2、40、47および50の化合物についての受容体占有を、6時間後、3mg/kgについて上記のように実質的にアッセイし、それぞれ、76、70、84および81%ROを有することを見出す。このように、本発明の化合物は、有益なバイオアベイラビリティおよび標的ORL−1受容体に対するCNS内への侵入を有することが予想される。
hERGチャネル活性
心臓におけるKチャネル伝導性の遮断は、QT−波延長の形態で心臓毒性に関連する。ヒトERG(hERG)Kチャネルについての例示したノシセプチン受容体アンタゴニストの親和性(K)を、周知の手順(例えば、Finlayson Kら,(Eur J Pharmacol.412(3):203−12,2001)を参照のこと)に従って、hERGチャネルアンタゴニスト放射性リガンド[3H]アステミゾール(2nM最終アッセイ濃度)を用いるクローン化hERGを発現するHEK293細胞において測定する。[3H]アステミゾール結合アッセイを、標準的な手順に従って委託研究会社Cerep(Paris France)にて実施する。
実施例2、40、および50を上記のように実質的にアッセイし、それぞれ、2.89、1.08、および7.0μMのKで、低い活性を有することを見出す。このように、ノシセプチン/ORL1受容体においてアンタゴニスト活性を生じるのに必要とされる濃度(インビトロでのKおよびK)と、hERGK+チャネル活性に必要とされる濃度との間に大きな分離が存在する。従って、本発明の化合物の生理学的関連用量は、インビボでのhERG部位と実質的に相互作用すると予想されず、従って、QT延長に対する十分な効果を有さないと予想される。
マウス(mFST)における強制水泳試験
mFSTを抗鬱作用についてインビボアッセイで規定する(Liら,J Pharmacol Exp Ther.319(1):254−9,2006)。既知の臨床的に有効な抗鬱剤(選択的セロトニン再摂取阻害剤および/または三環系抗鬱剤)で処置したマウスは、絶望に関連する行動である、水タンクに置かれた後、短い時間の不動行動を示す。mFSTを使用して、以前に公開された方法に従って新規ノシセプチン/ORL1アンタゴニストの潜在的な抗鬱剤様活性を評価した(Liら,J.Pharmacol Exp Ther.319(1):254−9,2006)。つまり、25〜30gの間の体重のオスのNIH−Swissマウス(Harlan Sprague−Dawley,Indianapolis,IN)を使用する。群で収容した動物を動物施設からそれらの動物独自のケージ内の試験領域に移動させ、試験前に少なくとも1時間、新しい環境に順応させる。代替として、オスの129S6野生型およびノシセプチン/ORL1受容体ノックアウトマウスを使用して、化合物に対する反応の依存性がノシセプチン/ORL1受容体依存性であることを確認した。使用の日に、20%カプチソール、25mMリン酸緩衝液、pH2.0中で全ての化合物を調製する。6cmの水(22〜25℃)で満たした円筒(直径:10cm、高さ:25cm)に6分間、マウスを置く。試験時間の6分のうちの最後の4分間、不動の時間を記録した。浮いている状態で動かないまたは水の上に頭を維持するのに必要がある動きのみをする場合、マウスを不動と記録する。
代表的な化合物を上記のように実質的に試験し、不動時間が顕著に減少することが見出される。実施例2および40の化合物を上記のように実質的に試験し、それぞれ、不動時間の56%および50%の減少の最大効果で、それぞれ、23および23nMのED60を有することが見出される。従って、本発明の化合物はインビボにおいて抗鬱活性を有すると考えられる。
さらに、本発明の化合物は、高い効果を生じさせるために他の既知の抗鬱剤と併用して使用できる。
なおさらに、ORL−1ノックアウトマウス、ORL−1受容体を欠失するように操作したマウスの系統を用いる場合、短い不動時間のこれらの効果は観察されず、この効果は実際にORL−1受容体によって媒介されることを示す。研究の第1のアームにおいて野生型マウスおよび研究の第2のアームにおいてORL−1ノックアウトマウスを用いて本発明の化合物を上記のように実質的に試験し、野生型マウスにおいて不動時間が顕著に減少することが見出されるが、ノックアウトマウスにおいて効果は示されない。ノルエピネフリン再摂取阻害抗鬱剤、イミプリミンを陽性対照として実施し、野生型およびノックアウトマウスの両方において不動時間を減少させることが見出され、ノルエピネフリン再摂取機構によって媒介される行動はノックアウトマウス系統において未変化であることを示す。
マウスにおける空腹により誘発される過食症の遮断
齧歯動物における空腹により誘発される過食症の遮断は、過食症障害について承認されているモデルである(Hollopeter G,Erickson JC,Seeley RJ,Marsh DJ,Palmiter RD.Response of neuropeptide Y−deficient mice to feeding effectors.Regul Pept.1998 Sep 25;75−76:383−9)。全ての実験を、129S6近交系バックグラウンドにおける未処置の12週齢オスの野生型およびORLノックアウトマウスで実施する。試験を開始する前にマウスを個々に最低で3日間収容して、群から個々の収容の変化に起因するストレスの効果を評価する。3匹のマウス/遺伝子型を試験日に各処置群に無作為に割り当てる。絶食前の体重測定を行い、次いで食物をケージから一晩取り除く。マウスを約15時間絶食させる。翌朝、食物にアクセスする前の30分、強制経口投与により、マウスに3用量の薬物またはビヒクルのうちの1用量を与える。薬物は25mMリン酸緩衝液、pH2.0に溶解した20%カプチソールに溶解する。体重の測定を薬物治療の直前または食物へのアクセスを戻してから24時間後に行う。遺伝子型と関係なく全てのマウスは、一晩絶食後、約5〜10%の体重を減少させることは注目すべきことである。食物摂取の測定を、1時間での残っている食物の重量によって示すように、食物へのアクセスから1時間後に記録する。測定した食物摂取は明期の間であり、その間の時間、マウスは典型的に休息し、通常、食べないことは留意すべきである。最初の試験後、マウスを無制限に食物にアクセスさせて1週間休息させる。その週の休息の後、表1に示すラテン方格法に従ってマウスを再試験する。
Figure 0005723381
代表的な化合物を上記のように実質的に試験し、マウスにおいて空腹により誘発される過食症を顕著に減少させることが見出される。実施例1、2、40、47および50を上記のように実質的にアッセイし、空腹により誘発される過食症が顕著に遮断されることが見出される。その効果はORL−1ノックアウトマウス系統において観察されず、その効果がORL−1受容体を介して媒介されることが実証される。5−HT2Cアゴニスト、mCPPをポジティブ対照として使用し、野生型マウスおよびORL−1ノックアウトマウス系統の両方において同等に空腹により誘発される過食症が顕著に減少することが見出される。このように、本発明の化合物は、過体重および/または肥満の治療ならびに/あるいは例えば過食症の治療としての体重維持に有用であることが予想される。
ラット硬膜血漿タンパク質浸出(PPE)モデル−経口投与プロトコル
全ての試験化合物を、25mMリン酸緩衝液(pH2.0)中の20%カプチソールを含有するビヒクル溶液中に調製する。陽性対照化合物、スマトリプタンを生理食塩水中に溶解する。一晩絶食させたオスのSprague−Dawleyラット(Harlan Laboratoriesから提供)(250〜350g)に、試験化合物、スマトリプタンまたはビヒクルを強制経口投与(2mL/kg)により投与する。投与の50分後、ラットをネンブタール(60mg/kg、ip)で麻酔し、−2.5mmにて設定した切歯棒を用いて定位フレームに置く。正中矢状頭皮切開の後、頭蓋骨を貫通して2対の両側穴をドリルで開ける(3.2mm後方、1.8および3.8mm側方、全ての座標はブレグマを参照とする)。チップを除いて防護される1対のステンレス鋼刺激電極(Rhodes Medical Systems Inc)を、両方の脳半休において穴を通して硬膜の下9.2mmの深さまで下げる。
フルオロセインイソチオシアネート(FITC)色素で標識したウシ血清アルブミン(BSA)(FITC−BSA)(20mg/kg、iv)の溶液を、タンパク質溢出のためのマーカーとして機能する三叉神経節の電気刺激の2分前に大腿静脈内に注入する。試験化合物またはビヒクルの投与から60分後、左側三叉神経節を、1.0mA(5Hz、5分間)の電流の強さで5分間電気刺激する。
刺激の5分後、ラットを、40mLの生理食塩水での瀉血により殺傷し、血管外の残余のFITC/BSAもリンスする。頭蓋骨の上部を取り除いて硬膜を回収する。その膜サンプルを両方の脳半休から取り除き、水でリンスし、顕微鏡スライド上で平らに広げる。スライド保湿器でスライドを15分間乾燥させ、70%グリセロール/水溶液でカバーガラスをかける。
格子モノクロメーターおよび分光光度計を備えた蛍光顕微鏡を使用して、各硬膜サンプルのFITC−BSA色素の量を定量する。その顕微鏡はパーソナルコンピューターと接続された電動ステージを備える。これはステージのコンピューター制御された動きを促進し、各硬膜サンプルの25点(500μmステップ)において蛍光を測定する。三叉神経節の電気刺激によって誘発される溢出は同側作用である(すなわち、三叉神経節が刺激される硬膜側のみで生じる)。これにより、硬膜の残りの(刺激されていない)半分を対照として使用することが可能となる。溢出の割合(すなわち、刺激されていない側に対して刺激された側からの硬膜における溢出の量の割合)を算出する。ビヒクル単独または効果のない用量の試験化合物を投与した動物は約2の溢出の割合を有するが、全体で有効な処置は約1の割合を生じる。
標準誤差(±SEM)を用いて平均値として結果を示す。ANOVAを利用して全ての統計的評価を実施し、続いてダネット法(Dunnett’s Method)により対照群と比較する。統計的有意性はp<0.05の場合とみなす。JMP統計的分析ソフトウェア(SAS Research Institute,バージョン6.0.2)を利用して統計的分析を実施する。
本発明の代表的な化合物を上記のように実質的に試験し、用量依存的に溢出を効果的に遮断することが見出される。結果として、本発明の化合物は片頭痛の治療に有用であることが予想される。
反応性代謝物生成に対する安定性
先行文献は、反応性代謝物生成と、特異的薬物反応(IDR)として知られている臨床毒性との間の相関関係を示唆しているが、直接的な因果効果は規定されていない。反応性代謝物が臨床IDRにおいて役割を果たし得ると仮定すれば、酸化による生体内活性化の潜在性を最小化することが、そのような反応性と関連する構造的特徴を含む化合物の全体の安全性プロファイルを改善する手段として提案される(Baillie,Thomas A.,Approaches to the Assessment of Stable and Chemically Reactive Drug Metabolites in Early Clinical Trials,Chemical Research in Toxicology,vol 22(2)2009を参照のこと)。この目的を達成するために、本発明の代表的な化合物および関連化合物を、チエニル部分の酸化による生体内活性化の潜在性を理解するために、内因性求核試薬としてグルタチオンを用いる、ラット肝臓ミクロソーム捕捉アッセイを用いてスクリーニングする。試験した化合物の中で、R2aおよびR2bが水素であるものが、チエニル部分の酸化を示唆するグルタチオンコンジュゲート形成の証拠を示すことが見出される。試験した化合物の中で、R2aおよびR2bがフルオロであるものは、グルタチオンコンジュゲート形成を示さないことが見出される(以下の表3を参照のこと)。分子を含有するgem−ジフルオロに対するグルタチオンコンジュゲート形成の欠如は、gem−ジフルオロ置換が、このアッセイにおいて試験される生体内活性化についての内在する化学的性質を低下させることを示唆する。
Figure 0005723381
いかなる製剤も含まずに直接本発明の方法に利用される化合物を投与することも可能であるが、その化合物は通常、活性成分として、式Iの少なくとも1つの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩と、少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体、希釈剤および/または賦形剤とを含む医薬組成物の形態で投与される。それらの組成物は、経口、鼻腔内、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および肺を含む種々の経路によって投与されてもよい。そのような医薬組成物およびそれらを調製するためのプロセスは当該技術分野において周知である。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(University of the Sciences in Philadelphia,ed.,21sted.,Lippincott Williams & Wilkins Co.,2005を参照のこと)
組成物は好ましくは単位投薬形態で製剤化され、各投薬量は約0.1〜約500mg、より通常は約1.0〜約200mg、例えば約5〜50mgの間の活性成分を含む。用語「単位投薬形態」とは、ヒト被験体および他の動物に対する単一の投薬として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、少なくとも1つの適切な医薬的に許容可能な担体、希釈剤および/または賦形剤と関連して、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含む。
式Iの化合物は一般に、広範囲の投薬範囲にわたって有効である。例えば、通常、1日当たりの用量は、約0.01〜約50mg/kg、より通常は約0.05〜5.0mg/kg、および例えば0.1から1.0mg/kg体重の範囲内である。一部の例において、上述の範囲の下限以下の投薬レベルがより適切であってもよく、一方、他の場合において、さらに多くの用量が、あらゆる有害な副作用を引き起こさずに利用されてもよく、従って、上述の投薬範囲は本発明の範囲を限定すると決して意図されるわけではない。実際に投与される化合物の量は、治療される病態、選択される投与経路、投与される実際の化合物(複数も含む)、個々の患者の年齢、体重および反応、ならびに患者の症状の重症度を含む、関連する状況を考慮して医師によって決定されることは理解されるだろう。

Claims (11)

  1. 下記式の化合物:
    Figure 0005723381
    (式中、
    は、フルオロまたはクロロであり、
    2aおよびR2bは、各々水素であるか、または各々フルオロであり、
    は、水素、メチル、ヒドロキシメチル、または(C−C)アルコキシメチルであり、
    は、フルオロ、クロロ、シアノ、シアノメチル、(C−C)アルキル、シクロプロピル、ヒドロキシメチル、メトキシ、メトキシメチル、アミノカルボニルオキシメチル、メチルアミノカルボニルオキシメチル、ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、−NR、−CH−NR、モルホリン−4−イル、モルホリン−4−イルメチル、Ar、−CHAr、3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イルメチル、ピロリジン−1−イルメチル、1−アミノシクロプロピル、1−メチルアミノシクロプロピル、および1−ジメチルアミノシクロプロピルからなる群より選択され、
    は、水素、C−Cアルキル、シクロプロピル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、−C(O)CH、または−C(O)O(C−C)アルキルであり、
    は、水素またはメチルであり、
    は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、ヒドロキシメチル、またはメトキシであり、
    Arは、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、2−メチルイミダゾール−1−イル、1−メチルイミダゾール−2−イル、および1,2,4−トリアゾール−3−イルからなる群より選択される部分である)
    またはその医薬的に許容可能な塩。
  2. がクロロである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  3. 2aおよびR2bが各々フルオロである、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  4. がフルオロであり、R2aおよびR2bが各々水素である、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  5. がメチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  6. がフルオロ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、メチルカルボニルまたは2−メチルイミダゾール−1−イルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  7. がフルオロである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  8. 2−クロロ−1’−[[1−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]、
    1−(2−(4−((2’−クロロ−4’,4’−ジフルオロ−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−イル)メチル)−3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)−3−フルオロフェニル)エタノン、
    2−クロロ−4,4−ジフルオロ−1’−[[1−[2−フルオロ−6−(2−メチルイミダゾール−1−イル)フェニル]−3−メチル−ピラゾール−4−イル]メチル]スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]、および
    [4−[(2−クロロ−4,4−ジフルオロ−スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル]−1−(2,6−ジフルオロフェニル)ピラゾール−3−イル]メタノール
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を含む、肥満または過体重を治療するための医薬組成物。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を含む、片頭痛を治療するための医薬組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を含む、鬱病を治療するための医薬組成物。
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