JP5723109B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に係り、特に圧力室とノズルを高精度に形成する技術に関する。
インクジェットヘッドを製造する方法として、圧力室や流路が形成された基板とノズルが形成された基板とを貼り合わせる方法が知られている。これらの基板を接合する際にはアライメント接合が必要となり、アライメント精度によっては、圧力室の中心とノズル開口の中心位置とにずれが発生する可能性がある。その結果、インク吐出効率の低下やモジュール内での吐出ばらつき等の問題が発生する。
このような課題に対し、特許文献1には、流路板に圧力室及びノズルを一体形成したプリントヘッドが開示されている。このプリントヘッドによれば、その製造時において流路板及びノズル板の高精度な位置決め作業を省略することができる。
しかし、圧力室とノズルを形成する際に、それぞれのマスクを用いて露光を2回行っているため、マスクのアライメントが必要となり、位置ずれが発生する可能性がある。
これに対し、特許文献2には、インクが吐出するノズルと、このノズルに連通して形成され充填されたインクに圧力が与えられるインクチャンバと、このインクチャンバにインクを供給するインク供給路とが設けられたインクジェット記録ヘッドにおいて、ノズルとインクチャンバとが同一の結晶基板に形成され、ノズルとインクチャンバとが接続する箇所のインクチャンバ側の径がノズルの径より太いギャップ部を形成する技術が記載されている。
この技術によれば、ギャップを用いてインクチャンバとノズルとが連結する場合の軸心ずれを吸収することができる。
特開2000−94687号公報 特開2002−321356号公報
しかしながら、特許文献2に記載されている技術は、あくまでも位置ずれを吸収しているだけであって、従来よりも位置ずれを緩和しているに過ぎない。根本的には、両面アライメントを行っているので、圧力室の開口部とノズルの中心位置では、位置ずれが発生する可能性がある。また、この技術では、圧力室の形状が四角錐に限定されてしまい、設計の自由度が狭いという欠点もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、位置ずれを発生させずに圧力室とノズルを高精度に形成する液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法は、振動板によって一壁面が構成され、液体を収容する圧力室と、前記圧力室の前記振動板と対向する面に連通し、前記圧力室から離れるにしたがって径が徐々に細くなるノズルテーパー部と、前記ノズルテーパー部に連通し、ノズル開口部を有するノズルストレート部とを有する液体吐出ヘッドの製造方法において、基板に前記ノズルストレート部及びノズルテーパー部の外周部の領域を規定するための第1のマスクパターンと前記基板に前記圧力室に相当する空間部の領域を規定するための第2のマスクパターンとを前記基板の一方の面に同時に形成するパターニング工程と、前記第1のマスクパターンに基づいて第1のエッチングを行い、前記基板にストレート状の貫通孔を形成する第1のエッチング工程と、前記第2のマスクパターンに基づいて、前記基板に前記圧力室に相当する空間部を形成する第2のエッチング工程と、前記第1のマスクパターンに基づいて、前記圧力室に相当する空間部の前記貫通孔が形成された面のうち、該貫通孔の周辺にテーパー形状を形成する第3のエッチング工程と、を備え、前記基板は、シリコンからなる支持体層と、酸化膜からなる中間層と、シリコンからなる活性層とが積層されたSOI基板であり、さらに前記活性層表面に形成されたドープ層を有し、前記第1のエッチング工程は、前記第1のマスクパターンと、前記ノズルストレート部の領域及び前記空間部の外周部の領域以外を保護するマスクパターンとをマスクとして前記支持体層をエッチングして除去する工程と、前記第1のマスクパターンと前記ノズルストレート部の領域以外を保護するマスクパターンとをマスクとして前記中間層、前記活性層、及び前記ドープ層をエッチングして除去する工程とを有し、前記第2のエッチング工程は、前記第2のマスクパターン以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記第2のマスクパターンをエッチングして除去する工程と、前記第1のマスクパターン以外の前記基板の全面に形成した保護膜をマスクとして前記第1のマスクパターン及び該第1のマスクパターンの位置に対応する前記支持体層をエッチングして除去する工程と、前記圧力室に相当する空間部の領域以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記支持体層上の前記保護膜をエッチングして除去するとともに、前記ノズルテーパ―部の領域の前記中間層をエッチングして該中間層の厚さを薄くする工程と、前記圧力室に相当する空間部の領域以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記支持体層をエッチングして除去することで前記圧力室に相当する空間部を前記支持体層及び中間層に形成する工程とを有し、前記第3のエッチング工程は、前記圧力室に相当する空間部の領域以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記中間層をエッチングして前記ノズルテーパー部の領域の前記活性層のみを露出させる工程と、前記保護膜及び前記ノズルテーパー部の領域以外の前記中間層をマスクとして前記ノズルテーパー部をエッチングして前記活性層にテーパー形状を形成することで、前記ノズルテーパー部を前記活性層に形成し、前記ノズルストレート部を前記ドープ層に形成する工程とを有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ノズルストレート部及びノズルテーパー部の領域を規定するための第1のマスクパターンと圧力室に相当する空間部の領域を規定するための第2のマスクパターンとを基板に同時に形成し、第1のマスクパターン及び第2のマスクパターンに基づいてエッチングを行うようにしたので、位置ずれを発生させずに圧力室とノズルを形成することができる。
請求項2に示すように請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記パターニング工程は、前記ノズルストレート部及びノズルテーパー部の領域の中心と前記圧力室に相当する空間部の領域の中心とが一致するように前記第1のマスクパターン及び第2のマスクパターンを同時に形成することを特徴とする。
これにより、吐出性能の優れた液体吐出ヘッドを製造することができる。
請求項3に示すように請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第1のエッチング工程、第2のエッチング工程、及び第3のエッチング工程は、前記第1のマスクパターン及び第2のマスクパターンが形成された面からのみエッチングを行うことを特徴とする。
これにより、位置ずれを発生させずに圧力室とノズルを形成することができる。
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記基板は、シリコンからなる支持体層と、酸化膜からなる中間層と、シリコンからなる活性層とが積層されたSOI基板であり、さらに前記活性層表面に形成されたドープ層を有し、前記第2のエッチング工程は、前記圧力室に相当する空間部を前記支持体層及び中間層に形成し、前記第3のエッチング工程は、前記活性層に前記テーパー形状を形成することで、前記ノズルテーパー部を前記活性層に形成し、前記ノズルストレート部を前記ドープ層に形成することを特徴とする。
支持体層、中間層、活性層、及びドープ層の厚さにより、圧力室の深さ、ノズルテーパー部、ノズルストレート部の長さが規定されるので、一定の圧力室とノズルを形成することができる。
請求項5に示すように請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第3のエッチング工程は、ウエットエッチングにより前記貫通孔の周辺にテーパー形状を形成することを特徴とする。
これにより、適切にノズルテーパー部を形成することができる。
請求項6に示すように請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第3のエッチング工程は、結晶異方性エッチングを行うことで、四角錐のテーパー形状を形成することを特徴とする。
これにより、適切にノズルテーパー部を形成することができる。
請求項7に示すように請求項5又は6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第3のエッチング工程は、前記ドープ層をエッチングストップ層として用いることを特徴とする。
これにより、適切にノズルテーパー部を形成することができる。
請求項8に示すように請求項4から7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第2のエッチング工程は、前記貫通孔の内側に保護膜を形成する工程と、前記ノズルテーパー部の領域の支持体層をエッチングする工程と、該ノズルテーパー部の領域の中間層を、該中間層の厚さが薄くなるようにエッチングする工程と、前記圧力室の領域の支持体層をエッチングする工程と、を含み、前記第3のエッチング工程は、前記圧力室の領域の中間層をエッチングすることで、前記ノズルテーパー部の領域の活性層のみを露出させる工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、適切にノズルテーパー部を形成することができる。
本発明によれば、位置ずれを発生させずに圧力室とノズルを高精度に形成することが可能となる。
本実施形態で製造されるインクジェットヘッドの断面図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、インクジェットヘッド100の立体構造の一例を示す断面図であり、記録素子単位となる1チャンネル分の液滴噴射素子が図示されている。同図に示すように、インクジェットヘッド100は、圧電素子102、振動板104、圧力室106、及びノズル108から構成されており、圧電素子102が形成された振動板104と、圧力室106及びノズル108が形成されたノズル基板110とが積層接合されて形成されている。
ノズル108は、ノズル開口部を有するノズルストレート部108aと、ノズルストレート部108aと圧力室106とを連通し、ノズルストレート部108aから圧力室106へ向かって径が徐々に太くなるノズルテーパー部108bとから構成されている。
インクジェットヘッド100は、圧力室106の天井面に設けられた圧電素子102を動作させて圧力室106内の液体を加圧して、圧力室106と連通するノズル108から液滴を噴射させる。ノズル108から液滴が噴射されると、圧力室106と連通される液体の供給源たるタンク(不図示)から圧力室106へ液体が充填される。
ここで、ノズル108は、その中心108cが、圧力室の中心106cと一致するように形成されている。このように、ノズル108と圧力室106の中心を一致させることで、吐出性能を向上させている。
図2〜図6は、本実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を示した工程図であり、図1に示すノズル基板110の形成方法を示している。
本実施形態のノズル基板110は、SOI(Silicon On Insulator)基板10を用いて製造する。SOI基板10は、支持体層12、支持体層12の一面側に設けられたBOX(Buried Oxide)層(埋め込み酸化膜層)14、BOX層14の支持体層12の反対側に設けられた活性層16とから構成されている(図2(a))。
ここで、支持体層12は圧力室になり、活性層16はノズルになる。支持体層は50〜200μmにすればよく、ここでは100μmとする。活性層16は10〜100μmにすればよく、ここでは50μmとする。また、BOX層14のシリコン酸化膜の膜厚は1μmのものを用いた。
まず、活性層16の表面に高濃度のボロンをドープし、ドープ層18を形成する(図2(b))。ドープ層18は、ノズルのストレート部を構成するものであり、ドープ層18の厚さを制御することにより、ストレート部の長さを調整することができる。
また、このドープ層18は、ノズルのテーパー部を形成する際のシリコンのウエットエッチング時のエッチングストップ層としても機能する。ドープ層18の厚さは0.5〜10μm程度にすればよく、ここでは1μmとする。
なお、ノズルのストレート部に相当する部分は、ボロンドープ層に限らず、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などを用いることも可能である。
次に、支持体層12の表面側にSiN膜20を形成する(図2(c))。このSiN膜20は、支持体層12のドライエッチング時のマスクとして使用されるものであり、LP−CVD、プラズマCVD、スパッタ、真空蒸着等で形成すればよい。ここではLPCVD(減圧化学気相成長)法を用いて、SiHCl(ジクロルシラン)とNH(アンモニア)等を使用し、反応圧力は20〜200Pa、加熱温度は650〜800℃で行い、1μmの膜厚を形成する。
なお、ここでは支持体層12のドライエッチング時のマスクとしてSiN膜を用いているが、シリコン酸化膜以外の無機膜を用いてもよい。例えば、SiC、Al等を用いることが考えられる。
次に、SiN膜20上にレジスト22を形成(塗布)し、プリベーク(ソフトベーク)、露光、現像、ポストベークの各プロセスを順に行い、レジスト22を所定形状にパターニングする(図2(d))。
ここで形成したレジスト22のマスクパターンは、ノズルのストレート部(ノズル開口部)とノズルのテーパー部、そして圧力室の外周部を規定している。レジスト22は、1枚のマスクで形成したものであるから、必然的にノズルの中心部と圧力室の中心部が一致することになる。
続いて、レジスト22をマスクとしてSiN膜20をウエットエッチングやドライエッチングによりパターニングする(図2(e))。例えば、ウエットエッチングの場合であれば、100〜150℃のリン酸を用いればよい。ドライエッチングの場合であれば、フッ素系のガスを用いることができる。
その後、レジスト22を剥離する(図2(f))。剥離方法としては、アッシングや専用のレジスト剥離液を用いることができる。
次に、支持体層12のドライエッチング時のマスクパターンを形成する。ここでのレジストの役割は、ノズル開口部と圧力室の外周以外の支持体層12を保護するためである。支持体層12上のSiN膜20がパターニングされた面に、レジスト24をパターニングする(図3(g))。
なお、レジスト24のパターンは、SiN膜20の上にあればよく、アライメント精度は必要とされない。
このレジスト24をマスクとして支持体層12をドライエッチングにより加工し、ノズル開口部に相当する部分と圧力室の外周部を形成する(図3(h))。ドライエッチングは、SF(六フッ化硫黄)とO(酸素)等を用いた反応性イオンエッチング(RIE)やボッシュプロセスを用いることで、異方性エッチングを行うことができる。
その後、レジスト24を剥離する(図3(i))。剥離方法としては、アッシングや専用のレジスト剥離液を用いることができる。
次に、ノズル開口部に相当する位置にあるBOX層14をエッチングするため、それ以外の部分を保護するためのレジスト26をパターニングする(図3(j))。レジスト26として、ドライフィルムレジストを用いてもよい。
ここでのパターニングは、支持体層12のノズル開口部に相当する位置をエッチングする際に用いたマスクであるSiN膜20の上に設けられればよく、精度は必要とならない。
このレジスト26をマスクとして、BOX層14をエッチングする(図3(k))。ここでのエッチングは、フッ素系ガスを用いたドライエッチングや、希釈したフッ酸、バッファードフッ酸等を用いたウエットエッチングにより行うことができる。
続いて、ノズル穴に相当する部分の活性層16をドライエッチングにより加工する。また、活性層16表面にあるボロンドープ層18も同時にドライエッチングにより加工し、貫通穴を形成する(図3(l))。ドライエッチングは、SF(六フッ化硫黄)とO(酸素)等を用いた反応性イオンエッチング(RIE)やボッシュプロセスを用いることで、異方性エッチングを行うことができる。
その後、レジスト26を剥離する(図4(m))。剥離方法としては、アッシングや専用のレジスト剥離液を用いることができる。
次に、圧力室の外周部を形成する際に用いたSiN膜20を除去するために、レジスト28をパターニングする(図4(n))。
このレジスト28をマスクとして、SiN膜20をウエットエッチングやドライエッチングにより除去する(図4(o))。例えば、ウエットエッチングの場合であれば、100〜150℃のリン酸を用いればよい。ドライエッチングの場合であれば、フッ素系のガスを用いることができる。
その後、レジスト28を剥離する(図4(p))。剥離方法としては、アッシングや専用のレジスト剥離液を用いることができる。さらに、シリコンのドライエッチング時に付着したポリマーを除去するための洗浄を行う。ここでは、専用の洗浄液を用いて行う。
次に、SOI基板10の全面に保護膜30を形成する(図4(q))。保護膜30としては、CVD法や熱処理法、プラズマ処理などを用いて無機膜を形成すればよい。特に、シリコン酸化膜が好ましく、熱酸化法で形成すればよい。
なお、保護膜30として熱酸化法によるシリコン酸化膜をSOI基板10の全面に形成した場合であっても、SiN膜20がある場所にはシリコン酸化膜は形成されない。即ち、選択的に熱酸化を行うことができる。
次に、保護膜30をマスクとしてSiN膜20を除去する(図4(r))。例えば、高温のリン酸を用いたウエットエッチングや、フッ素ガスを用いたドライエッチングにより行えばよい。
続いて、ノズルのテーパー部を形成するため、保護膜30をマスクとして支持体層12をドライエッチングにより除去する(図5(s))。ドライエッチングは、SF(六フッ化硫黄)とO(酸素)等を用いた反応性イオンエッチング(RIE)やボッシュプロセスを用いることで、異方性エッチングを行うことができる。
次に、圧力室に相当する部分を形成するためのレジスト32をパターニングする(図5(t))。レジスト32として、ドライフィルムレジストを用いてもよい。
このレジスト32をマスクとして支持体層12上にある保護膜30をドライエッチングにより除去する(図4(u))。このとき、ノズルのテーパー部のBOX層14も同時にエッチングされる。ここで、支持体層12上の酸化膜の厚みが0.5μmであるのに対し、BOX層14の厚みは1μmであるので、BOX層14のシリコン酸化膜が0.5μm残ることになる。なお、ドライエッチングは、フッ素系のガスを用いれば容易にエッチングが可能である。
次に、保護膜30とレジスト32をマスクとして、支持体層12のシリコンをドライエッチングにより加工し、圧力室に相当する部分を形成する(図5(v))。ドライエッチングは、SF(六フッ化硫黄)とO(酸素)等を用いた反応性イオンエッチング(RIE)やボッシュプロセスを用いることで、異方性エッチングを行うことができる。
次に、ノズルのテーパー部に相当する部分のBOX層を除去し、ウエットエッチング時のためのマスクパターンを形成する(図5(w))。ノズルのテーパー部の開口部のBOX層の厚さは0.5μmであるのに対し、その他の部分のBOX層14の厚さは1.0μmである。したがって、シリコン酸化膜を0.5μmエッチングすることで、ウエットエッチング時のマスクパターンが形成される。
その後、レジスト22を剥離する(図5(x))。剥離方法としては、アッシングや専用のレジスト剥離液を用いることができる。
次に、ノズルのテーパー部を形成する(図6(y))。ここでは、結晶異方性エッチングを行うことで、四角錐のテーパー部を形成することができる。エッチング液は、60〜100℃程度に加熱したKOH(水酸化カリウム)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等を用いればよい。
ここで、ドープ層18がエッチングストップ層となるので、テーパー部の長さが規定される。したがって、ノズルのテーパー部の長さとストレート部の長さが必然的に決まり、高精度のノズルを形成することができる。
次に、保護膜30を除去する(図6(z))。保護膜30は、希釈したフッ酸やバッファードフッ酸等を用いたウエットエッチングにより除去することができる。
最後に、耐インク膜34を形成する(図6(aa))。耐インク膜34は、SiO、SiN、SiON、Al、AlN、SiC、Taなどを成膜すればよい。成膜方法としては、CVD、スパッタ、真空蒸着、熱処理等を用いることができる。ここでは、基板10全面に熱酸化膜を形成する。
以上のようにSOI基板を加工することで、ノズルのストレート部(ノズル開口部)とノズルのテーパー部、圧力室の外周部が1枚のマスクで規定されるので、ノズルの中心部と圧力室の中心部とを一致させることができ、その結果、吐出ばらつきを低減させることができる。
また、ノズルのストレート部をドープ層18に形成し、ノズルテーパー部を活性層16に形成し、圧力室を支持体層12に形成するようにしたので、ノズルのストレート部、テーパー部の長さ、及び圧力室の深さを一定に形成することができ、その結果、吐出ばらつきを低減させることができる。
なお、本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
10…SOI基板、12…支持体層、14…BOX層、16…活性層、18…ドープ層、20…SiN膜、22、24、26、28、32…レジスト、30…保護膜、34…耐インク膜

Claims (6)

  1. 振動板によって一壁面が構成され、液体を収容する圧力室と、前記圧力室の前記振動板と対向する面に連通し、前記圧力室から離れるにしたがって径が徐々に細くなるノズルテーパー部と、前記ノズルテーパー部に連通し、ノズル開口部を有するノズルストレート部とを有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
    基板に前記ノズルストレート部及びノズルテーパー部の領域を規定するための第1のマスクパターンと前記基板に前記圧力室に相当する空間部の外周部の領域を規定するための第2のマスクパターンとを前記基板の一方の面に同時に形成するパターニング工程と、
    前記第1のマスクパターンに基づいて第1のエッチングを行い、前記基板にストレート状の貫通孔を形成する第1のエッチング工程と、
    前記第2のマスクパターンに基づいて、前記基板に前記圧力室に相当する空間部を形成する第2のエッチング工程と、
    前記第1のマスクパターンに基づいて、前記圧力室に相当する空間部の前記貫通孔が形成された面のうち、該貫通孔の周辺にテーパー形状を形成する第3のエッチング工程と、
    を備え
    前記基板は、シリコンからなる支持体層と、酸化膜からなる中間層と、シリコンからなる活性層とが積層されたSOI基板であり、さらに前記活性層表面に形成されたドープ層を有し、
    前記第1のエッチング工程は、
    前記第1のマスクパターンと、前記ノズルストレート部の領域及び前記空間部の外周部の領域以外を保護するマスクパターンとをマスクとして前記支持体層をエッチングして除去する工程と、
    前記第1のマスクパターンと前記ノズルストレート部の領域以外を保護するマスクパターンとをマスクとして前記中間層、前記活性層、及び前記ドープ層をエッチングして除去する工程と、
    を有し、
    前記第2のエッチング工程は、
    前記第2のマスクパターン以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記第2のマスクパターンをエッチングして除去する工程と、
    前記第1のマスクパターン以外の前記基板の全面に形成した保護膜をマスクとして前記第1のマスクパターン及び該第1のマスクパターンの位置に対応する前記支持体層をエッチングして除去する工程と、
    前記圧力室に相当する空間部の領域以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記支持体層上の前記保護膜をエッチングして除去するとともに、前記ノズルテーパ―部の領域の前記中間層をエッチングして該中間層の厚さを薄くする工程と、
    前記圧力室に相当する空間部の領域以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記支持体層をエッチングして除去することで前記圧力室に相当する空間部を前記支持体層及び中間層に形成する工程と、
    を有し、
    前記第3のエッチング工程は、
    前記圧力室に相当する空間部の領域以外を保護するマスクパターンをマスクとして前記中間層をエッチングして前記ノズルテーパー部の領域の前記活性層のみを露出させる工程と、
    前記保護膜及び前記ノズルテーパー部の領域以外の前記中間層をマスクとして前記ノズルテーパー部をエッチングして前記活性層にテーパー形状を形成することで、前記ノズルテーパー部を前記活性層に形成し、前記ノズルストレート部を前記ドープ層に形成する工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記パターニング工程は、前記ノズルストレート部及びノズルテーパー部の領域の中心と前記圧力室に相当する空間部の領域の中心とが一致するように前記第1のマスクパターン及び第2のマスクパターンを同時に形成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第1のエッチング工程、第2のエッチング工程、及び第3のエッチング工程は、前記第1のマスクパターン及び第2のマスクパターンが形成された面からのみエッチングを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記第3のエッチング工程は、ウエットエッチングにより前記貫通孔の周辺にテーパー形状を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記第3のエッチング工程は、結晶異方性エッチングを行うことで、四角錐のテーパー形状を形成することを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記第3のエッチング工程は、前記ドープ層をエッチングストップ層として用いることを特徴とする請求項又はに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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