JP5720730B2 - 導電性物質の堆積抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス溶融炉において発生する金属等の導電性物質の堆積を抑制することが可能なガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法及びこの方法を用いたガラス溶融炉に関する。
ガラス溶融炉の一形態として、例えば、耐火煉瓦により形成された溶融炉本体の溶融空間に溶融ガラスを生成し、その後溶融ガラスを溶融空間に露出して設けられた電極により通電してジュール熱を発生させて加熱するとともにこの溶融ガラスにガラスビーズを投入して溶融させる直接通電方式のガラス溶融炉が知られている。
かかるガラス溶融炉の用途の一つとして、原子力施設等において発生する放射性廃液を放射性廃液保管施設に保管するためのガラス固化体の形成があり、この場合ガラスビーズとともに放射性廃液をガラス溶融炉に投入して生成した溶融ガラスに放射性廃液を混合し、放射性廃液を含有した溶融ガラスを溶融炉本体の下方に形成された流下ノズルからキャニスターに封入してガラス固化体を形成するようになっている。
そのため、溶融炉本体の下部は、例えば逆ピラミッド型等に溶融空間から流下ノズル側の断面積が縮小するに形成されていて、溶融ガラスが流下ノズルにスムースに流動するようになっている。
しかしながら、放射性廃液に含まれる白金族類元素(ロジウム、パラジウム、ルテニウム)は所定の条件下で析出、クラスター化して炉底部に堆積しやすく、また粘性が非常に高いために、白金族類元素が炉底部に堆積すると溶融ガラスは炉壁に停滞して炉壁に沿って流下ノズルに安定して流動することが困難となる。
また、白金族類元素を多く含む堆積物は溶融ガラスに比べて電気抵抗が小さいために、電極から供給された電流が堆積物に集中的に流れて溶融ガラスに流れる電流が小さくなるために、溶融ガラスの通電加熱が阻害されて炉底部の加熱能力が低下して廃液含有ガラスを流下ノズルからキャニスターに安定的に封入することができなくなる。
そのため、堆積物が堆積してガラス溶融炉の運転に影響するような場合、放射線がない環境下では人手によるはつり作業により、放射線環境下では人手による作業が困難であるために金属製の工具等を用いて遠隔操作により堆積物を炉壁から除去していた。
しかし、遠隔操作による除去は視界や可動範囲が限定されるため作業効率は必ずしも良いとは言えない。導電性物質が炉壁に堆積するのを抑制する手段として、ガラス溶融炉に空気吹出口を設けて溶融ガラス中に空気をバブリングすることにより金属等の堆積物が堆積するのを抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−236197号公報
しかしながら、堆積物となる前の金属類を空気によりバブリングすることはバブリングをした後、一時的には効果が得られるものの、攪拌された金属類がしばらくすると溶融ガラス内を沈降するために根本的な解決手段とするためには充分な運転管理をする必要があり、より効率的かつ確実に堆積を抑制するための技術的解決手段に対する要請が高まっている。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、ガラス溶融炉内における導電性物質の堆積を効率的に抑制することが可能なガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法及びガラス溶融炉を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
第1の発明は、耐火煉瓦により形成された溶融空間に少なくとも一対の電極が露出して配置され、前記溶融空間に貯留された溶融ガラスに通電可能とされるとともに前記溶融空間の下方、あるいは側面に接続された流下ノズルから前記溶融ガラスを排出するように構成されたガラス溶融炉であって、前記耐火煉瓦の前記溶融空間側の表面に導電性物質が堆積するのを抑制する堆積抑制手段を備え、前記堆積抑制手段は、通電状態の溶融ガラスに前記通電電流と直交する方向の磁界を付与する磁力源を有していることを特徴とする。
この発明に係るガラス溶融炉によれば、通電状態の溶融ガラスに通電電流と直交する方向の磁界を磁力源から付与して、堆積物の原因となる、例えば、析出又はクラスター化した金属(以下、原因物質という)を溶融空間において攪拌させることができるので導電性物質の堆積を抑制することができる。また、通電電流と磁界の少なくともいずれか一方を交番させた場合には所定の条件を満足することにより原因物質に振動を生じさせることができる。
第2の発明は、上記第1の発明であって、前記磁力源は、前記通電状態の溶融ガラスが前記表面から離間する方向の力を生じる方向に前記磁界を付与するように構成されていることを特徴とする。
第7の発明は、耐火煉瓦により形成された溶融空間に少なくとも一対の電極が露出して配置され、前記溶融空間に貯留された溶融ガラスに通電可能とされるとともに前記溶融空間の下方に接続された流下ノズルから前記溶融ガラスを排出するように構成されたガラス溶融炉の、前記耐火煉瓦の前記溶融空間側の表面に導電性物質が堆積するのを抑制するガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法であって、前記溶融ガラスに通電された電流と直交する磁界を前記通電されている状態の溶融ガラスに付与し、前記通電されている状態の溶融ガラスを前記表面から離間させることを特徴とする。
この発明に係るガラス溶融炉及びガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法によれば、原因物質を耐火煉瓦の溶融空間側の表面(以下、炉壁という)から効率的に離間させることが可能とされる。また、磁界を継続的に付与する場合には原因物質を炉壁に近づけないようにすることができる。
また、原因物質を炉壁から離間する方向に振動させた場合、堆積状態によって堆積物を炉壁から効率的に剥離させることができる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明であって、前記溶融空間が、上方から下方に向かうに従って断面積が縮小する多角錘状空間に形成されている場合において、前記磁力源は、前記通電状態の溶融ガラスが前記多角錘の稜線部から離間する方向の力を生じる方向に前記磁界を付与するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るガラス溶融炉によれば、原因物質が堆積物として堆積しやすい稜線部から効率的に離間又は炉壁から剥離させることができる。
第4の発明は、上記第3の発明であって、前記電極は、前記多角柱状空間に露出し対向配置された主電極と、前記多角錘状空間の底部近傍に露出し前記主電極と通電可能に構成された底部電極とを備え、前記磁力源は、前記主電極と前記底部電極間で通電される電流と直交する方向に前記磁界を付与するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るガラス溶融炉によれば、主電極と底部電極間で通電され稜線部に沿った方向に流れる通電電流に直交する方向に磁界を付与するので原因物質を稜線部から効率的に離間させることができる。
第5の発明は、上記第3の発明であって、前記電極は、前記多角錘状空間に露出し対向配置された一対の補助電極を備え、前記磁力源は、前記補助電極間に通電される電流と直交するとともに水平方向に前記磁界を付与するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るガラス溶融炉によれば、原因物質を効率的に浮上させて炉壁から離間させることができる。
第6の発明は、上記第3の発明であって、前記電極は、前記多角錘状空間に露出し対向配置された一対の補助電極を備え、前記磁力源は、前記補助電極間に通電される電流と直交するとともに上下方向に前記磁界を付与するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るガラス溶融炉によれば、原因物質を効率的に水平方向に移動させて炉壁から離間させることができる。
この発明に係るガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法及びガラス溶融炉によれば、ガラス溶融炉内における金属等の堆積物の堆積を効率的に抑制することができる。
その結果、ガラス溶融炉を安定して運転するとともにガラス溶融炉の寿命を延ばすことができる。
本発明が対象とするガラス溶融炉の一例の縦断面を示す概略図である。 本発明に係るガラス溶融炉の導出部を平面視した概略図である。 第1の実施形態に係るガラス溶融炉の概略を示す図であり、(A)は平面図を、(B)は(A)における矢視IIIの縦断面図である。 第1の実施形態に係るガラス溶融炉の作用を説明する概略図である。 第2の実施形態に係るガラス溶融炉の概略を示す図であり、(A)は平面図を、(B)は(A)における矢視Vの縦断面図である。 第3の実施形態に係るガラス溶融炉の作用を説明する概略図である。 第4の実施形態に係るガラス溶融炉の作用を説明する概略図である。
以下、図1から図7を参照して本発明に係るガラス溶融炉を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態から第3の実施形態に係るガラス溶融炉の一例の概略を示す図であって、符号1はガラス溶融炉を示している。
第1の実施形態から第3の実施形態に係るガラス溶融炉1は、例えば、ガラスビーズを原料として溶融ガラスGを生成し、この溶融ガラスGに放射性廃液を混合してガラス固化体とする放射性廃液物再処理用のガラス溶融炉とされ、溶融炉本体10と、図1において図示しない電気コイル(磁力源)とを備えている。
ガラス溶融炉1は、溶融炉本体10と、原料供給管13と、廃液供給管14と、間接加熱ヒータ15と、主電極16と、補助電極17と、底部電極18と、流下ノズル19とを備え、流下ノズル19の下方にはキャニスター21が配置可能とされ、溶融炉本体10内で溶融ガラスGを直接通電して加熱するとともに流下ノズル19から溶融ガラスGを排出してキャニスター21に充填するようになっている。
溶融炉本体10は、耐火煉瓦により形成され内方が溶融ガラスGを貯留するための溶融空間11とされており、溶融空間11は、上方が略直方体状に形成されるとともに下方が上方から下方に向かうに従って断面積が縮小するいわゆる逆ピラミッドの四角錐(多角錘)状空間とされていて、この四角錐状空間は、溶融ガラスGを流下ノズル19にスムースに流動させるための導出部11Aとされている。
溶融炉本体10を構成する耐火煉瓦は、例えば、Al+Crにより形成されており、電気的に充分な絶縁性を有するとともに磁界が透過可能とされている。
図2は、導出部11Aを平面視した図であり、中央部に形成された開口部に底部電極18が配置されて溶融空間11側が導出部11Aに露出して配置されるようになっている。また、図2において斜線で示したのは四角錘の稜線部であり、導電性物質が堆積する一例を指している。
原料供給管13は、ガラス溶融炉の上部に配置されていて、溶融空間11に溶融ガラスGの原料となるガラスビーズを投入するようになっている。
廃液供給管14は、ガラス溶融炉の上部に配置されていて、例えば、核燃料製造施設において核燃料生成の際に排出される放射性廃液を溶融空間11に投入するものであり、放射性廃液には白金族類元素(ロジウム、パラジウム、ルテニウム)が含有されている。
間接加熱ヒータ15は、溶融空間の上部に配置され、例えば、ニクロム線等の電気抵抗体により構成されており通電されることにより加熱して溶融空間11内に充填されたガラスビーズを輻射熱で加熱、溶融するとともに溶融された溶融ガラスGの温度を維持又は昇温するようになっている。
主電極16は、例えば、耐熱性と溶融ガラスGに対する耐腐食性を有するインコネルにより形成された一対の電極部材から構成され、例えば溶融空間中間部に対向して配置されるとともに溶融空間11側の端部が導出部11A内に露出して形成され、溶融空間11の溶融ガラスGに直接通電してジュール熱を発生させ、溶融ガラスGを昇温するとともにガラスビーズを溶融ガラスGに溶解するようになっている。
補助電極17は、例えば、主電極16と同様にインコネルにより形成された一対の電極部材から構成され、例えば導出部11Aの高さ方向の中間に主電極と直交する方向に対向して配置されるとともに溶融空間11側の端部が導出部11Aに露出して形成されている。かかる構成とすることにより、主電極16で加熱が充分に行なえない導出部11A内の溶融ガラスGを充分に加熱することができる。なお、図1においては、便宜のため主電極と同方向に図示している。
底部電極18は、例えば、主電極16と同様にインコネルにより形成された一つの電極部材により構成され、溶融空間11側の端部が導出部11Aの下部に上方に向かって露出して配置されている。
また、底部電極18は平面視して、例えば中央部に形成された流路を流下ノズル19の流路と連通されており溶融ガラスGを流下ノズル19に流通させることができるようになっている。
主電極16、補助電極17、底部電極18は、上方からこの順番に配置されており、それぞれの電極部材に印加する電圧の設定により、主電極16を構成する電極部材の間、補助電極17を構成する電極部材の間、主電極16と底部電極18の間、補助電極17と底部電極18の間で溶融ガラスGに通電してジュール熱を発生させて溶融ガラスGを加熱するようになっている。
なお、この実施形態において、溶融ガラスGに通電する電流は交流電流とされている。
流下ノズル19は、溶融空間11の下部に配置され、導出部11Aに連通して形成されるとともに溶融ガラスGを排出してキャニスター21に充填するようになっている。
なお、流下ノズル19は、高周波加熱コイルが流路を取り囲むようにして形成されており、これにより流路内を通過する溶融ガラスGの温度を調整可能とされている。
かかる構成によって、ガラス溶融炉1は、投入されたガラスビーズを初期段階は間接加熱ヒータ15によって加熱、溶融して溶融ガラスGとし、その後、主電極16、補助電極17、底部電極18のいずれかに電圧を印加して溶融ガラスGに通電して加熱、溶融する。
次いで、溶融空間11内にガラスビーズ及び放射性廃液を投入し、ガラスビーズを溶融ガラスGに溶解、溶融するとともに溶融ガラスGに放射性廃液を混合し、放射性廃液が混合された溶融ガラスGを流下ノズル排出してキャニスター21内に充填して固化するようになっている。
〔第1の実施形態〕
次に、図3、図4を参照して、第1の実施形態に係るガラス溶融炉1について説明する。
図3(A)は、第1の実施形態に係るガラス溶融炉1における電気コイル(磁力源)30の概略平面図を、図3(B)はIII矢視の縦断面図を示している。なお、図5(B)、図6に示した主電極16は、電流I1を図示するために便宜上平面図と一致しない部位に表示している。
電気コイル30は、主電極16と底部電極18間に通電する電流I1と、電気コイル30により発生させた磁界B1によって原因物質に導出部11Aの稜線部から離間させる場合の例である。この実施形態において電流I1は交流電流とされている。
電気コイル30は、図3(A)、(B)に示すように、例えば、矩形に巻回された導線により構成されており、導出部11Aのそれぞれの稜線部を挟んで導出部11Aの外方に稜線部に沿って配置され、電流I1が矢印方向に流れるタイミングで電気コイル30に矢印方向の電流を流して図3(B)、図4に示した方向の磁界B1を発生させるようになっている。
電気コイル30に流す電流は交流電流とされ、発生する磁界B1と電流I1の流れる方向により溶融ガラスGに炉壁から離間する方向の力F1を生じさせるようにタイミングが同期されている。
図3(B),図4に示した電流I1及び磁界B1は、ある瞬間における方向を示したものである。
その結果、図4に示すように通電状態の溶融ガラスGに稜線部から離間する方向の力F1が発生し原因物質が導出部11Aの稜線部から離間する方向に移動する。
第1の実施形態に係るガラス溶融炉1によれば、主電極16と底部電極18間で通電することにより導出部11Aの稜線部に沿った方向に電流I1を流し、電流I1と直交する方向に磁界B1を付与するので原因物質を導出部11Aの稜線部から効率的に離間させることができ、その結果、導電性物質の堆積を効率的に抑制することができる。
また、通電電流I1と磁界B1とが同期して交番する構成とされているため導電性物質を炉壁から効率的に離間させることができる。なお、通電電流I1と磁界B1の交番を同期させない構成とすることにより原因物質に振動を生じさせクラスター化した原因物質を破砕する構成としてもよい。
なお、電気コイル30を構成する導線は、一回以上巻回されていても複数回巻回されていてもよい。
また、一つの電気コイル30により磁力源を構成して溶融炉本体10を平面視した中央を中心として周回することにより、図3に示した電気コイル30の位置を順次移動して磁界B1を付与する構成としてもよい。
また、電気コイル30への通電は、必ずしも連続的に行なう必要はなく、電流を継続(連続、間欠を含む)して流すことによって原因物質を溶融ガラスG内に浮遊させて炉壁に近づけないにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、図5を参照して、第2の実施形態に係るガラス溶融炉1について説明する。
図5(A)は、第2の実施形態に係るガラス溶融炉1における電気コイル(磁力源)40の概略平面図を、図5(B)はV矢視断面図を示している。
電気コイル40は、主電極16と底部電極18間に通電する電流I2と、電気コイル30により発生させた磁界B2によって原因物質に導出部11Aの稜線部から離間させる場合の例である。
電気コイル40は、図5(A)、(B)に示すように、例えば、矩形の一つの角部が開口する鉄心に導線を巻回して構成されており、電気コイル40をなす矩形状を水平にして電気コイル40の開口部の両側に位置し電磁石の両極をなす一対の端部が平面視して導出部11Aの稜線部を挟んで配置されている。そして、電気コイル40に電流を流すことにより磁界B2を発生させるようになっている。
第2の実施形態における電流I2と、磁界B2を発生させるために電気コイル40に流す電流はともに交流電流とされ、電流I2、磁界B2の方向は、第1の実施形態と同様に溶融ガラスGに発生させる力F2の方向に基づいてタイミングを同期する構成とされている。図5に示した電流I2、磁界B2の方向はある瞬間におけるものである。
その結果、図5(B)に示すように通電状態の溶融ガラスGに原因物質が導出部11Aの稜線部から離間する方向の力F2が発生して原因物質が炉壁から離間する方向に移動する。
なお、電気コイル40は鉄心を有しない中空構造に形成されていてもよい。また、電気コイル40を稜線部が伸びる方向に沿って移動させることにより稜線部全体に渡り又は導電性物質が堆積され易い部位に重点的に磁界B2を付与する構成としてもよい。
なお、通電電流I2と磁界B2の交番タイミングを同期させない構成とすることにより原因物質に振動を生じさせてクラスター化した原因物質を破砕する構成としてもよい。
また、電気コイル40への通電は、電気コイル30の場合と同様に継続(連続、間欠を含む)して流すことによって原因物質を溶融ガラスG内に浮遊させて炉壁に近づけないにしてもよい。
〔第3の実施形態〕
次に、図6を参照して、第3の実施形態に係る溶融ガラスGの力F3を発生させる場合について説明する。
図6は、第3の実施形態における溶融ガラスGに力F3を発生させる場合の例を説明する図である。
第3の実施形態は、補助電極17間に交流電流が通電されていて、磁界B3が水平方向に付与されるようになっている。
その結果、通電状態の溶融ガラスGに上方への力F3が発生し、原因物質を効率的に浮上させて炉壁から離間させることができる。
なお、電流I3と磁界B3とを同期して交番させて力F3を上方に維持するか、電流I3と磁界B3とを同期させずに力F3により振動を生じさせてクラスター化した原因物質を破砕する構成とするかについては自在に設定可能である。
〔第4の実施形態〕
次に、図7を参照して、第4の実施形態に係る溶融ガラスGに力F4を発生させる場合の例を説明する。
図7は、第4の実施形態における溶融ガラスGに力F4を発生させる場合の例を説明する図である。
第4の実施形態は、補助電極17間に交流電流が通電されていて、磁界B4が上方向に付与されるようになっている。その結果、水平方向に力F4が発生するようになっている。図7で示した電流I4が反対向きに流れる場合には、力F4は反対向きに発生するので力F4は原因物質に振動を生じさせることができる。
図7において、便宜のため力F4を示す矢印を斜め方向に表示しているが、電流I4と磁界B4の両方と直交する方向、すなわち溶融空間の水平方向に発生するようになっている。
その結果、原因物質を効率的に水平方向に移動されて炉壁から離間させることができる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、ガラス溶融炉1が、一対の主電極16と、一対の補助電極17と、一つの底部電極18を備えた場合について説明したが、例えば、主電極16のみを備えた構成、主電極16と補助電極17のみを備えた構成、主電極16と底部電極18のみを備えた構成、主電極16に加えて補助電極17と底部電極18の少なくともいずれかを備えた構成に他の電極を付加した構成としてもよい。
また、一対の主電極16に代えて一つの主電極を配置し、この主電極と補助電極又は底部電極18間に通電して加熱し、又は一対の補助電極17に代えて一つの補助電極を配置し、この補助電極と主電極又は底部電極18間に通電して加熱する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、主電極16、補助電極17、底部電極18のいずれかの間を流れる溶融ガラスGを加熱するための電流に磁界B1、B2、B3、B4を付与する場合について説明したが、溶融ガラスGの加熱を目的としない電極を介して通電し、その電流と直交する方向の磁界を付与することにより所望の方向の力を効率的に発生させる構成としてもよい。
また、溶融ガラスG内に通電される電流I1、I2、I3、I4に対する磁界B1、B2、B3、B4の方向に関しては必ずしも全体として直交する必要がないことは勿論であり、電流I1、I2、I3、I4に対して磁界B1、B2、B3、B4が直交する方向成分を有していれば充分であることはいうまでもない。
また、上記実施の形態においては、電極間に流す電流I1、I2、I3、I4が交流電流とされる場合について説明したが、交流電流I1、I2、I3、I4に代えて直流電流を流す構成としてもよい。
上述のように、電流I1、I2、I3、I4と磁界B1、B2、B3、B4のいずれか一方を交番させる場合において、電流I1、I2、I3、I4と磁界B1、B2、B3、B4の方向を原因物質が炉壁から離間する方向とし、又は振動させてクラスター化した原因物質を破砕し又は炉壁から剥離する構成とするかは自在に設定可能である。
上記実施の形態においては、ガラス溶融炉1が溶融ガラスGと白金族類を含有する放射性廃液とを混合する場合について説明したが、例えば、溶融ガラスGと、溶融ガラスGよりも電気抵抗が小さい他の導電性物質とを混合する場合に適用することもできる。
上記実施の形態においては、溶融空間が上方から下方に向かうに従って断面積が縮小する四角錘状空間に形成されている場合について説明したが、溶融空間については、四角錐以外の多角錘でもよいし、例えば円錐状に形成されていてもよいことはいうまでもない。
上記実施の形態においては、耐火煉瓦がAl+Crにより形成され、耐火煉瓦と耐火煉瓦との間にホウ珪酸ガラスからなる接合材が充填されて、耐火煉瓦同士が接続される場合について説明したが、耐火煉瓦及び接合材については耐熱性と電気絶縁性とを有し磁界が通過な物質であれば上記以外の物質を用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、磁界を発生させる磁力源が電気コイルにより構成され、それぞれ単一の電気コイル30、40により磁界を発生させる場合について説明したが、例えば、永久磁石等の電気コイル以外の磁力源を用いてもよいし、複数の電気コイル又は永久磁石の異極を用いて磁界を付与してもよい。
B1、B2、B3、B4 磁界
I1、I2、I3、I4 電流(溶融ガラスを流れる電流)
F1、F2、F3、F4 力(通電された溶融ガラスに生じる力)
G 溶融ガラス
1 ガラス溶融炉
10 溶融炉本体
11 溶融空間
16 主電極
17 補助電極
18 底部電極
30、40 電気コイル(磁力源)

Claims (1)

  1. 耐火煉瓦により形成された溶融空間に少なくとも一対の電極が露出して配置され、前記溶融空間に貯留された溶融ガラスに通電可能とされるとともに前記溶融空間の下方に接続された流下ノズルから前記溶融ガラスを排出するように構成されたガラス溶融炉の、前記耐火煉瓦の前記溶融空間側の表面に導電性物質が堆積するのを抑制するガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法であって、前記溶融ガラスに通電された交流電流と直交すると共に当該交流電流と同期しない交番磁界を前記溶融ガラスに付与し、前記導電性物質を振動させることを特徴とするガラス溶融炉における導電性物質の堆積抑制方法。
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