JP5720608B2 - 無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、専用の周波数帯域が割り当てられているプライマリシステムに並存する無線通信システムに関する。
従来、観測用の周波数帯域が割り当てられている気象レーダシステムに並存し、この観測用の周波数帯域を使用周波数帯域として、互いに無線通信を行う複数の通信装置からなる無線通信システムが知られている。なお、気象レーダシステムは、気象状況を観測するためのレーダ(気象レーダ)を備え、この気象レーダにおけるアンテナから観測用の周波数帯域を用いて電磁波を放射し、反射して返ってくる電磁波を分析することで、雨や雪の位置と密度、風速や風向などを観測するシステムである。また、気象レーダでは、その目的から、指向性の鋭いアンテナが使用される。
このような気象レーダシステムをプライマリシステムとし、これと周波数帯域を共用する無線通信システムにおいて、各通信装置が、気象レーダから送信される電磁波の受信強度を測定し、この受信強度が所定の閾値以下である場合に、他の通信装置に無線信号を送信する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなプライマリシステムとの共存型の無線通信システムによれば、周波数資源の有効活用が期待できる。
特許第3461779号公報
ところで、一般的に無線通信システムでは、各通信装置が、他の通信装置との通信を開始する前にキャリアセンスを行い、通信チャンネルが空いていれば、ランダムに設定されたバックオフ時間だけ待機した後に送信を行うことにより、通信装置間の信号の衝突を回避するCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)が採用されている。
つまり、特許文献1の無線通信システムでは、各通信装置が気象レーダの指向性に基づいてプライマリシステムに干渉を与えないと判断した場合に、CSMA/CAに則った通信制御が行われることになる。このため、プライマリシステムとして、気象レーダシステムのように狭い指向性を有するシステムでなければ、通信制御に移行できないことになる。
一方、本願出願人は、テレビやラジオのように放送局から全方位に指向性を有するブロードキャスト型のプライマリシステムと周波数帯域を共用可能な無線システムを構築できれば、周波数資源の問題が飛躍的に改善されることに着目した。
しかしながら、このように専用の周波数帯域が割り当てられているブロードキャスト型のプライマリシステムに並存し、プライマリシステム専用の周波数帯域または隣接する周波数帯域を使用周波数帯域として、互いに無線通信を行う複数の通信装置からなる無線通信システムを構築しようとすると、プライマリシステムにおける受信機に与える影響を抑制する必要があり、従来構成とは異なるアプローチを要するという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するために、プライマリシステムにおける受信機に与える影響を抑制可能な周波数共用型の無線通信システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の無線通信システムは、専用の周波数帯域が割り当てられているプライムシステムに並存し、プライマリシステムの専用周波数帯域または隣接する周波数帯域を使用周波数帯域として、互いに無線通信を行う複数の通信装置からなるシステムである。なお、使用周波数帯域としては、少なくともプライマリシステム専用の周波数帯域に干渉する可能性のある周波数帯域が採用される。
このような無線通信システムにおいて、各通信装置では、他装置信号検知手段が、他の通信装置によって送信された無線信号を検知し、バックオフ時間設定手段が、他装置信号検知手段にて無線信号が検知されると、無線信号の衝突を回避するためのバックオフ時間を設定する処理を行い、送信待機手段が、バックオフ時間設定手段にてバックオフ時間が設定されると、他の通信装置への無線信号の送信を待機する。
本発明では、このように構成された各通信装置が、自装置の周囲に存在するプライマリシステムに関する情報を取得するプライマリシステム情報取得手段と、このプライマリ取得手段にて取得した情報に基づき、プライマリシステムが自装置の周囲に存在する場合に、送信待機手段による待機時間を少なくともバックオフ時間を上回る送信延期時間に拡張する待機時間拡張手段とを備えるように構成した。
従って、本発明の無線通信システムによれば、プライマリシステムが存在する環境下で、各通信装置がCSMA/CAに則ったバックオフ時間よりも長い時間(送信延期時間)を待機した後に送信を行うことで、時間的に連続した干渉をプライマリシステムに与えずに済み、これにより、プライマリシステムにおける受信機に与える影響を抑制することができる。
また、本発明の無線通信システムでは、請求項2に記載のように、各通信装置が、他装置信号検知手段による無線信号の検知時間を積算する検知時間積算手段と、予め設定された積算周期において、検知時間積算手段にて積算された検知時間と、自装置から他の通信装置への無線信号の送信に必要な時間との合計時間が、予め設定された閾値時間を下回る場合には、待機時間拡張手段による待機時間の拡張を禁止する時間拡張禁止手段とをさらに備えてもよい。
このような構成によれば、各通信装置が連続的な干渉をプライマリシステムに与えずに済むと判断できれば、通常のCSMA/CAに則って送信を行うことになるため、一律に送信延期時間を待機した後に送信を行う場合と比較して、各通信装置の送信機会を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の無線通信システムにおいて、請求項3に記載のように、プライマリシステムが、時間インターリーブされた複数の符合列からなるデータを送信する通信局と、通信局から受信したデータを出力する際に、インターリーブ前の符合の順番に並べ替えてなる符合列を復号する誤り訂正処理を行う複数の受信機とからなる構成のもと、各通信装置を以下のように構成してもよい。
即ち、各通信装置が、通信局にて時間インターリーブされた各符号列の長さを示すインターリーブ時間を上記積算周期として設定する積算周期設定手段と、各符号列において誤り訂正処理により修復可能な一ないし複数の符合の長さを示す干渉許容時間を上記閾値時間として設定する閾値時間設定手段とを備えるように構成する。
このような構成によれば、各通信装置が連続的な干渉をプライマリシステムに与えずに済む時間を、インターリーブ時間毎の干渉許容時間として正確に判断できるため、受信機による誤り訂正処理能力の限度内において各通信装置の送信機会を最大限に向上させることができる。
ところで、本発明の無線通信システムでは、請求項4に記載のように、各通信装置が、他装置信号検知手段による無線信号の検知強度を積算する検知強度積算手段を備える構成のもと、上記待機時間拡張手段が、予め設定された積算周期において、信号強度積算手段にて積算された検知強度と、自装置から他の前記通信装置への無線信号の送信に必要な信号強度との合計強度が、予め設定された閾値強度を下回る場合には、最小の送信延期時間として予め設定された最小延期時間に上記待機時間を拡張するようにしてもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の周りにおいて、所定時間内に通信を行っている通信装置が少ない場合には、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間に近い時間(最小延期時間)の経過後に送信を開始することで、自装置の周りの受信機(プライマリシステムの受信機)に与える影響を抑制しつつ、送信機会を向上させることができる。
なお、請求項4に記載の無線通信システムにおいて、請求項5に記載のように、待機時間拡張手段は、上記合計強度が閾値強度以上である場合には、その合計強度に応じて長い送信延期時間に上記待機時間を拡張するように構成してもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の周りにおいて、所定時間内に通信を行っている通信装置の推定数が多いほど、送信タイミングを遅らせることにより、自装置から地理的に比較的離れた他の通信装置に送信機会を譲ることになり、ひいては、送信機会を地理的に分散させることができる。
あるいは、本発明の無線通信システムでは、請求項6に記載のように、各通信装置が、自装置の位置情報を含む無線信号を送信する位置情報送信手段と、他装置信号検知手段にて検知した無線信号に含まれる位置情報に基づいて、他の通信装置との相対距離を積算する相対距離積算手段とを備える構成のもと、以下のように構成してもよい。
即ち、各通信装置では、待機時間拡張手段が、予め設定された積算周期において、相対距離積算手段にて積算された相対距離である積算距離が、予め設定された閾値距離を上回る場合には、最小の送信延期時間として予め設定された最小延期時間に上記待機時間を拡張するようにしてもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の周りから離れた場所において、所定時間内に通信を行っている通信装置が多いかどうかをより正確に判断できる。よって、各通信装置が、自装置の周りから離れた場所において、所定時間内に通信を行っている装置が多い場合に、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間に近い時間(最小延期時間)の経過後に送信を開始することで、送信機会を地理的に分散させることができる。
なお、請求項6に記載の無線通信システムにおいて、請求項7に記載のように、待機時間拡張手段は、上記積算距離が閾値距離以下である場合には、その積算距離が小さいほど長い送信延期時間に上記待機時間を拡張するように構成してもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の周りから離れた場所において、所定時間内に通信を行っている通信装置の推定数が少ないほど、送信タイミングを遅らせることにより、自装置から地理的に比較的離れた他の通信装置に送信機会を譲ることになり、ひいては、送信機会を地理的に分散させることができる。
また、本発明の無線通信システムでは、請求項8に記載のように、前記各通信装置が、待機時間拡張手段により送信延期時間に拡張された待機時間を経過して無線信号を送信すると、予め設定された送信間隔拡大時間のあいだ、バックオフ時間設定手段による処理を禁止する時間設定禁止手段を備えるように構成してもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の送信後の所定期間だけ、通常のCSMA/CAに則った通信制御の開始タイミングを遅らせることで、他の通信装置に送信機会を譲ることになり、ひいては、送信機会を簡易に分散させることができる。
なお、請求項8に記載の無線通信システムにおいて、請求項9に記載のように、各通信装置が、自装置の識別情報を含む無線信号を送信する識別情報送信手段と、他装置信号検知手段にて検知した無線信号に含まれる識別情報に基づいて、他の通信装置の数である端末数を積算する端末数積算手段とを備える構成のもと、以下のように構成してもよい。
即ち、各通信装置では、時間設定禁止手段が、予め設定された積算周期において端末数積算手段にて積算された端末数に応じて長い送信間隔拡大時間を設定するようにしてもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の周りにおいて、所定時間内に通信を行っている装置が多いほど、次回の送信タイミングを大きく遅らせるにあたって、他の通信装置との送信機会の公平性を保つことができる。
また、本発明の無線通信システムでは、請求項10に記載のように、各通信装置が、他装置信号検知手段により予め設定された干渉許容強度を上回る強度の無線信号を検知した場合に限り、待機時間拡張手段による待機時間の拡張を許可する時間拡張許可手段を備えてもよい。
このような構成によれば、各通信装置が、自装置の周りにプライマリシステムにおける受信機に与える影響を無視できる程度の通信が行われているだけであれば、待機時間の拡張を行わずに済むため、不要な送信機会の損失を防止することができる。
放送システム及び車車間通信システムの構成を示す概略図である。 第1実施形態における車車間通信システムの動作を示す概略図である。 第1実施形態における車載装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態におけるプライマリ情報取得処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態における干渉量推定処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態における送信タイミング制御処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態および第2実施形態における車車間通信システムの主な相違点を示す説明図である。 時間情報テーブル40を示すマトリックス図である。 (a)はインターリーブ時間を示す概略図であり、(b)は干渉許容時間を説明するための概略図である。 第2実施形態におけるプライマリ情報取得処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における干渉量推定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態および第3実施形態における車車間通信システムの主な相違点を示す説明図である。 第3実施形態における干渉量推定処理の手順を示すフローチャートである。 電力積分量と送信延期時間との関係を示す説明図である。 第4実施形態における干渉量推定処理の手順を示すフローチャートである。 合計相対距離と送信延期時間との関係を示す説明図である。 第5実施形態における車載装置の構成を示すブロック図である。 第5実施形態におけるセカンダリ端末記憶処理の手順を示すフローチャートである。 第5実施形態における送信タイミング制御処理の手順を示すフローチャートである。 セカンダリ端末数と送信間隔拡大時間との関係を示す説明図である。 第1実施形態および第6実施形態における車車間通信システムの主な相違点を示す説明図である。 電力情報テーブル41を示すマトリックス図である。 第6実施形態におけるプライマリ情報取得処理の手順を示すフローチャートである。 第6実施形態における干渉量推定処理の手順を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下に、本発明の第1実施形態の無線通信システムとしての車車間通信システムについて図面と共に説明する。なお、車車間通信システムは、放送用の周波数帯域が割り当てられているプライマリシステムに並存するシステムであって、具体的にはこの放送用の周波数帯域またはこの帯域に隣接する周波数帯域を使用周波数帯域として用いて車車間通信を行うシステムである。このため、車車間通信システムについて説明するために、まず、本実施形態のプライマリシステムとしての放送システムについて図面と共に説明する。
[放送システムの構成]
本実施形態の放送システム20aは、図1に示すように、放送データを所定のサービスエリア内にブロードキャストする放送局21と、放送局21のサービスエリア内に設置され、放送局21から送信されてくる放送データを受信する複数の受信機としての複数のテレビ22とから構成される。なお、放送システム20aは、上記サービスエリア単位毎に構築されており、一つのサービスエリア外には別のサービスエリアが存在し、当該放送システム20aの他に、放送用の周波数帯域が近い他の放送システム20b,20cが別のサービスエリア内に設置されているものとする。以下では、これらの放送システム20a,20b,20cを個々に区別する必要がない場合には、放送システム20と記載する。
放送局21は、テレビ放送用のコンテンツを表すトランスポートストリーム(以下「TS」と称する)に対して、誤り訂正符号化、インターリーブ、デジタル変調等の信号処理を行った後、放送データとしてOFDM信号を送信するように構成されている。詳細には、TSは複数のビット列からなり、この各ビット列を、畳み込み符合等の誤り訂正符合に符号化して、符号化されたビット列(符合列)における各符号の順番の並び替え(インターリーブ)を行い、インターリーブされた符合列にOFDM変調を施してデジタル−アナログに変換された信号(OFDM信号)を送信する周知の構成である。なお、この放送局21にてインターリーブされる単位当たりの符合列の長さを時間的に表すインターリーブ時間は、放送システム20毎に予め定められているものとする。
一方、テレビ22は、放送局から送信されてくるOFDM信号を受信し、この受信したOFDM信号をアナログ−デジタル変換するとともにOFDM復調を施すことにより、放送局21によるインターリーブ後の符号列を生成して、この符合列の順番を元の順番(インターリーブ前の順番)に並べ替えるデインターリーブおよび軟判定復号(誤り訂正処理)を行って受信ビット列を復号する周知の構成である。なお、軟判定復号とは、軟判定値を用いて受信ビット列から最も尤度の高い符合系列を探索する処理をいう。
つまり、テレビ22では、受信ビット列(符合列)において、他システムからの干渉が少ない場合(バースト的な干渉を受けない場合)には、誤り訂正処理によって受信ビット列を復号することで、元のTS(テレビ放送用のコンテンツ)を修復して取り出せることが可能になっている。換言すれば、インターリーブ時間毎に他システムからの干渉を許容できる時間が存在し、この単位当たりの符合列において誤り訂正処理により修復可能な一ないし複数の符合の長さを時間的に表す干渉許容時間は、上記のインターリーブ時間に応じて定められる。なお、本実施形態では、誤り訂正処理能力は、全てのテレビ22で同一であるものとする。
[車車間システムの構成]
次に、車車間通信システム10について説明する。なお、車車間通信システム10は、放送システム20a,20b,20cのいずれにも近接した周波数帯域を使用し、図1に示すように、複数の車載装置11が情報交換するために双方向に無線通信を行うシステムである。このため、放送システム20は、車車間通信システム10からのスプリアス干渉などによって受信障害が起こる可能性がある。特に、テレビ22は、ブースターにおける電力の飽和によって車車間通信システム10からの干渉が発生し、受信障害が起こると考えられる。詳細には、テレビ22は、図2(a)に示すように、前述のインターリーブ時間における干渉許容時間以上の干渉(バースト的な干渉)を受けると、受信障害が起こることになり、一方、図2(b)に示すように、バースト的な干渉を回避できれば、自身の誤り訂正能力によって受信障害を回避できると考えられる。
本実施形態の車車間通信システム10は、当該システム10を構成する車載装置11のうち、例えば放送システム20aのサービスエリア内に位置する車載装置MT1,MT2,MT3の各々が無線信号を送信する際に、放送システム20a内のテレビ22(例えばTV1)にバースト的な干渉を与えないように、送信延期を行うように構成されている。なお、図2(a)及び図2(b)において、四角で囲んだ斜線部分が車載装置11(MT1〜MT5)における無線信号の送信時間を表している。また、本実施形態の車車間通信システム10は、放送システム20のサービスエリアと比べて狭い範囲で、各車載装置11が互いに通信を行う近距離無線通信システムであるため、放送システム20から受ける干渉は無視できるレベルであるものとする。
車載装置11は、図3に示すように、受信アンテナARを介して使用周波数帯域および放送用の周波数帯域を含む帯域の無線信号を受信する受信部12と、受信部12にて受信した使用周波数帯域の無線信号を復調することにより、他の車載装置11から各種情報(データ)を取得するデータ取得部13と、受信部12にて受信した使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)の強度(信号レベル)を検出する受信信号レベル検出部14と、受信信号レベル検出部14からの入力に基づいて、使用周波数帯域(通信チャンネル)が空いているか否かを判定するキャリアセンスを行うレベル判定部15と、受信部12およびレベル判定部15からの入力に基づいて、送信延期に係る制御を行う制御部30と、他の車載装置11に向けてデータ送信を行う際に、制御部30からの送信指示に従って送信アンテナASを介して使用周波数帯域の無線信号を送信する送信部16とを備える。
なお、受信部12は、例えば、使用周波数帯域の無線信号を受信するための一つのチューナー(非図示)と、放送用の周波数帯域の受信信号を受信するための一ないし複数のチューナー(非図示)とを備え、使用周波数帯域の受信信号をデータ取得部13、受信信号レベル検出部14、及び、制御部30に供給し、放送用の周波数帯域の受信信号を制御部30に供給するように構成されている。
また、データ取得部13は、受信部12から供給された無線信号をアナログ−デジタル変換するとともにOFDM復調を施すことにより、他の車載装置11によるインターリーブ後の符号列を生成して、この符合列の順番を元の順番(インターリーブ前の順番)に並べ替えるデインターリーブおよび軟判定復号(誤り訂正処理)を行って受信ビット列を復号する周知の構成である。
一方、送信部16は、送信データ列を畳み込み符合等の誤り訂正符合に符号化して、符号化されたビット列(符合列)における各符号の順番の並び替え(インターリーブ)を行い、インターリーブされた符合列にOFDM変調を施してデジタル−アナログに変換された無線信号を送信する周知の構成である。
制御部30は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータ(マイコン)を中心に構成されており、CPUがROMに記憶されたプログラムに基づき、RAMを作業領域として各種処理を実行する。この各種処理を実行する制御部30は、機能的には、受信部12からの放送用の受信信号に関する入力に基づいて放送システム20に関する情報を取得するプライマリ情報取得部31と、プライマリ情報取得部31からの入力と受信部からの使用周波数帯域の受信信号に関する入力とに基づいて干渉量を推定する干渉量推定部33と、干渉量推定部33からの入力に基づいて送信延期に関する付加時間(延期付加時間)を設定する送信延期拡大部35と、レベル判定部15からの入力と送信延期拡大部35からの入力とに基づいて送信タイミングを制御する送信タイミング制御部37とを備える。
以下、制御部30がこれらプライマリ情報取得部31、干渉量推定部33、送信延期拡大部35、及び、送信タイミング制御部37として機能するための各処理について説明する。
[プライマリ情報取得処理(1)]
まず、プライマリ情報取得部31として機能するために制御部30のCPUが実行するプライマリ情報取得処理について、図4のフローチャートに沿って説明する。なお、本処理は、車載装置11の電源がオンされている間、繰り返し実行される。
本処理が開始されると、制御部30のCPUが、S101では、受信部12からの入力に基づいて、放送用の無線信号(放送システム20の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS102に移行し、否定的に判断した場合には放送システムの信号を受信するまで待機する。なお、S102では、後段の干渉量推定部33として機能するための干渉量推定処理を実行する。
[干渉量推定処理(1)]
干渉量推定処理が開始されると、図5のフローチャートに示すように、S111では、受信部12からの入力に基づいて、放送システム20の信号を継続的に受信しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS112に移行し、否定的に判断した場合には本処理を終了する。具体的には、受信部12からの入力された放送用の周波数帯域の信号に関する信号レベルを検出し、この信号レベルが所定の閾値以上である状態が継続した場合に、放送システム20の信号を継続的に受信していると判断する。
S112では、受信部12からの入力に基づいて、使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS113に移行し、否定的に判断した場合にはS111に戻る。なお、S113では、後段の送信延期拡大部35として機能するための送信延期拡大処理を実行する。
[送信延期拡大処理(1)]
送信延期拡大処理が開始されると、任意の延期付加時間を設定し、この設定した延期付加時間を送信タイミング制御部37へ出力する。なお、この延期付加時間は、予め設定された固定値であってもよい。
[送信タイミング制御処理(1)]
次に、送信タイミング制御部37として機能するために制御部30のCPUが実行する送信タイミング制御処理について、図6のフローチャートに沿って説明する。なお、本処理は、レベル判定部15からの入力に応じて開始される。
本処理が開始されると、制御部30のCPUが、S131では、レベル判定部15の判定結果に基づいて、通信チャンネルが空いてから(他の車載装置11の送信終了を検知してから)自身が送信を開始する前にランダムな待ち時間としてのバックオフスロット数を決定し、S132に移行する。
S132では、レベル判定部15の判定結果に基づいて、通信チャンネルが空いている状態(キャリアセンスオフ)が継続しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS133に移行し、否定的に判断した場合には待機する。
S133では、S131にて決定したバックオフスロット数がゼロであるか否かを判定し、ここで肯定的に判断した場合にはS137に移行し、否定的に判断した場合にはS134に移行する。
S134では、レベル判定部15の判定結果に基づいて、通信チャンネルが空いている状態(キャリアセンスオフ)が継続しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS135に移行し、否定的に判断した場合にはS132に戻る。
S135では、バックオフスロット数における1スロット分に相当する時間だけ待機し、S136に移行する。なお、バックオフスロット数における全てのスロット分に相当する時間をバックオフ時間とする。
S136では、バックオフスロット数を1スロット分だけデクリメント(−1)して更新し、S133に戻る。
一方、S133にてバックオフスロット数がゼロになった場合、換言すればバックオフ時間だけ経過した場合に移行するS137では、送信延期拡大処理から延期付加時間が入力されているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS138に移行し、否定的に判断した場合にはS139に移行する。
S138では、送信延期拡大処理から入力された延期付加時間だけ待機し、S139に移行する。S139では、送信部16に送信指示を出力し、本処理を終了する。
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、放送システム20のサービスエリア内に位置する場合、他の車載装置11によって送信された無線信号を検知する毎に、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間(待機時間)を、バックオフ時間に延期付加時間を足した送信延期時間に拡張するようにしている。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、当該システム10を構成する車載装置11のうち、例えば放送システム20aのサービスエリア内に位置する車載装置MT1,MT2,MT3の各々が無線信号を送信する際に、放送システム20a内のテレビ22(例えばTV1)にバースト的な干渉を与えないように、送信延期を行うことが可能となり(図2(b)参照)、ひいてはテレビ22の受信障害を抑制することができる。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、プライマリ情報取得部31がプライマリ情報取得手段、受信信号レベル検出部14が他装置信号検知手段、S131の処理を実行する制御部30がバックオフ時間設定手段、S132〜S136の処理を実行する制御部30が送信待機手段、S137〜S138の処理を実行する制御部30が待機時間拡張手段の各一例にそれぞれ相当する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の無線通信システムとしての車車間通信システムについて図面と共に説明する。なお、本第2実施形態の車車間通信システムにおいて、第1実施形態と同一である部分についてはその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態の説明で用いたものと同じ図面番号を付す。
具体的には、第1実施形態では、各車載装置11がキャリアセンスにより干渉を検出すると、他の車載装置11に無線信号を送信する際に待機時間(送信待機時間)を拡大していたのに対し(図7(b)参照)、本第2実施形態では、所定の干渉観察周期における各車載装置11の送信時間(干渉発生時間)の合計が干渉許容時間になるまでは送信待機時間を拡大しない点で大きく異なる(図7(a)参照)。
本第2実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11における制御部30のRAMに、干渉観察周期として放送システム20毎に予め定められたインターリーブ時間と、干渉許容時間とを対応づけて記憶するための時間情報テーブル40(図8参照)が格納されている。
前述のように、インターリーブ時間は、放送局21にてインターリーブされる単位当たりの符合列の長さを時間的に表すものであり(図9(a)参照)、干渉許容時間は、この単位当たりの符合列において、連続的な干渉(誤り)が発生した場合であっても、テレビ22側の誤り訂正処理(デインターリーブ,軟判定復号)により修復可能な一ないし複数の符合の長さを時間的に表すものである(図9(b)参照)。なお、本第2実施形態では、放送システム20の信号におけるプリアンブル(先頭部分)には、上記インターリーブ時間および干渉許容時間を表す情報(以下「干渉許容情報」という)が含まれているものとする。
また、本第2実施形態のプライマリ情報取得部31は、受信部12から供給された放送システム20の信号をアナログ−デジタル変換するとともにOFDM復調を施すことにより、放送システム20の信号におけるプリアンブルを抽出し、この抽出したプリアンブルから干渉許容情報を取り出すことが可能に構成されている。
[プライマリ情報取得処理(2)]
まず、プライマリ情報取得部31として機能するために制御部30のCPUが実行するプライマリ情報取得処理について、図10のフローチャートに沿って説明する。
本処理が開始されると、制御部30のCPUが、S201では、受信部12からの入力に基づいて、放送用の無線信号(放送システム20の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS202に移行し、否定的に判断した場合には放送システムの信号を受信するまで待機する。
S202では、放送システム20の信号の受信周波数に基づいて、放送システム20a,20b,20cのうちいずれのシステムの信号を受信したかを認識し、その認識した放送システム20について、受信信号から取得した干渉許容情報に含まれているインターリーブ時間および干渉許容時間をRAMの時間情報テーブル40に書き込み、S203に移行する。なお、S203では、後段の干渉量推定部33として機能するための干渉量推定処理を実行する。
[干渉量推定処理(2)]
干渉量推定処理が開始されると、図11のフローチャートに示すように、S211では、受信部12からの入力に基づいて、放送システム20の信号を継続的に受信しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS212に移行し、否定的に判断した場合には本処理を終了する。
S212では、インターリーブ時間を計測するためのタイマを、S202にて取得した干渉許容情報に含まれているインターリーブ時間にセットし、さらにS202にて取得した干渉許容情報に含まれている干渉許容時間を設定して、S213に移行する。
S213では、インターリーブ時間における各車載装置11の無線信号の送信時間(干渉発生時間)の合計時間を計測するための干渉時間カウンタのカウンタ値Cをリセット(C=0)し、S214に移行する。
S214では、受信部12からの入力に基づいて、使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS215に移行し、否定的に判断した場合にはS218に移行する。
S215では、S214にて受信した車車間通信システム10の信号の受信時間を、干渉時間カウンタのカウンタ値Cに積算し、S216に移行する。
S216では、干渉時間カウンタのカウンタ値Cが、S212にて設定した干渉許容時間に基づく時間以上であるか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS217に移行し、否定的に判断した場合にはS218に移行する。なお、干渉許容時間に基づく時間とは、S202にて取得した干渉許容情報に含まれている干渉許容時間から、送信部16にて自身が他の車載装置11に無線信号を送信するために必要な時間を予め減算した時間をいう。
S217では、後段の送信延期拡大部35として機能するための送信延期拡大処理を実行する。なお、S214にて車車間通信システム10の信号を受信していないと判断した場合、又は、S216にて干渉時間カウンタのカウンタ値Cが干渉許容時間に基づく時間を下回る場合に移行するS218では、S212にてタイマにセットされたインターリーブ時間が経過(タイムアウト)したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS211に移行し、否定的に判断した場合にはS214に移行する。
つまり、S216及びS218では、予め設定された積算周期(インターリーブ時間)において、干渉時間カウンタのカウンタ値Cに積算された時間と、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な時間との合計時間が、予め設定された閾値時間(干渉許容時間)を下回る場合には、送信延期拡大処理の実行を禁止している。なお、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な時間に関する情報は、送信部16から取得することができる。
[送信延期拡大処理(2)]
送信延期拡大処理が開始されると、S212にてタイマにセットされたインターリーブ時間以上の任意の送信延期時間となるように延期付加時間を設定し、この設定した延期付加時間を送信タイミング制御部37へ出力する。つまり、バックオフ時間と延期付加時間との合計時間が少なくともインターリーブ時間以上となるように延期付加時間を設定することになる。
なお、送信タイミング制御処理については、第1実施形態と同じであるため説明を割愛する。
[第2実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、放送システム20のサービスエリア内に位置する場合、他の車載装置11によって送信された無線信号を検知した場合であっても、所定の積算周期において、検知した無線信号の積算時間と、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な時間との合計時間が、所定の干渉許容時間を下回る場合には、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間の経過後に無線信号を送信するようにしている。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、積算周期毎の干渉発生時間を推定し、干渉発生時間が干渉許容時間以上である場合に限り、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間(待機時間)を、バックオフ時間に延期付加時間を足した送信延期時間に拡張するため、放送システム20に受信障害を生じさせることなく、車載装置11の送信機会を増やすことができる。
また、本実施形態の車車間通信システム10では、車載装置11が位置するサービスエリアの放送システム20に対応するインターリーブ時間を積算周期として設定し、インターリーブ時間毎の干渉発生時間を干渉許容時間の範囲内に抑えることで、より確実に放送システム20における受信障害を回避しながら、車載装置11の送信機会を増やすことができる。
なお、本実施形態の車車間通信システム10では、干渉許容情報にインターリーブ時間と干渉許容時間とが含まれているが、干渉許容時間を固定値とみなして、車載装置11が位置するサービスエリアの放送システム20に対応するインターリーブ時間だけを含む干渉許容情報を取得する構成でもよい。また、インターリーブ時間と干渉許容時間との比を表す情報を干渉許容情報として取得する構成でもよい。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、S214及びS215の処理を実行する制御部30が検知時間積算手段、S216及びS218の処理を実行する制御部30が時間拡張禁止手段、S212の処理を実行する制御部30が積算周期設定手段および閾値時間設定手段の各一例にそれぞれ相当する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の無線通信システムとしての車車間通信システムについて図面と共に説明する。なお、本第3実施形態の車車間通信システムにおいて、第2実施形態と同一である部分についてはその説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、第2実施形態と同一の構成要素については、第2実施形態(及び第1実施形態)の説明で用いたものと同じ図面番号を付す。
具体的には、第2実施形態では、各車載装置11が、所定の積算周期において、単に、検知した無線信号の積算時間と、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な時間との合計時間が、所定の干渉許容時間を下回る場合には、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間の経過後に無線信号を送信していた。このため、放送システム20のサービスエリア内において、送信機会が得られた車載装置11が偏在する可能性があった(図12(a)参照)。
これに対して、本第3実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、所定の積算周期において、送信機会が得られる車載装置11の地理的な偏りを受信電力から予測し、放送システム20のサービスエリア内において送信機会が得られる車載装置11を分散させようとするシステムである(図12(b)参照)。
[干渉量推定処理(3)]
本第3実施形態では、干渉量推定処理が開始されると、図13のフローチャートに示すように、S311では、受信部12からの入力に基づいて、放送システム20の信号を継続的に受信しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS312に移行し、否定的に判断した場合には本処理を終了する。
S312では、インターリーブ時間を計測するためのタイマを、S202にて取得した干渉許容情報に含まれているインターリーブ時間(干渉観察周期)にセットし、さらにS202にて取得した干渉許容情報に含まれている干渉許容時間を設定して、S313に移行する。
S313では、後述する電力積分量を計測するための強度積算カウンタのカウント値Sをリセットし(S=0)、S314に移行する。
S314では、インターリーブ時間における各車載装置11の無線信号の送信時間(干渉発生時間)の合計時間を計測するための干渉時間カウンタのカウンタ値Cをリセット(C=0)し、S315に移行する。
S315では、受信部12からの入力に基づいて、使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS316に移行し、否定的に判断した場合にはS321に移行する。
S316では、S315にて受信した車車間通信システム10の信号の強度(電力)を、その信号の受信時間で積分し、続くS317では、この電力の積分値を強度積算カウンタのカウント値Sに積算し、S318に移行する。なお、ここでの信号強度は、受信信号レベル検出部14から取得することができる。
S318では、S315にて受信した車車間通信システム10の信号の受信時間を、干渉時間カウンタのカウンタ値Cに積算し、S319に移行する。
S319では、干渉時間カウンタのカウンタ値Cが、S312にて設定した干渉許容時間に基づく時間以上であるか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS320に移行し、否定的に判断した場合にはS321に移行する。
S320では、後段の送信延期拡大部35として機能するための送信延期拡大処理を実行する。なお、S315にて車車間通信システム10の信号を受信していないと判断した場合、又は、S319にて干渉時間カウンタのカウンタ値Cが干渉許容時間に基づく時間を下回る場合に移行するS321では、S312にてタイマにセットされたインターリーブ時間が経過(タイムアウト)したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS311に移行し、否定的に判断した場合にはS315に移行する。
[送信延期拡大処理(3)]
送信延期拡大処理が開始されると、インターリーブ時間(干渉観察周期)内にS317にて積算されたカウント値に基づく電力積分量Sに応じて延期付加時間を設定し、この設定した延期付加時間を送信タイミング制御部37へ出力する。なお、ここでの電力積分量Sは、S317にて積算されたカウント値と、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な信号強度との合計強度であるものとする。ちなみに、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な信号強度に関する情報は、送信部16から取得することができる。
具体的には、送信延期拡大処理では、図14(a)に示すように、電力積分量Sが、シミュレーション等によって予め設定された閾値強度Sxを下回る場合には、最小の送信延期時間として予め設定された最小延期時間となるように延期付加時間を設定する。一方、電力積分量Sが閾値強度Sx以上である場合には、電力積分量Sに所定の係数a(a>0)を乗じて最小延期時間を加えた送信延期時間となるように延期付加時間を設定する。あるいは、図14(b)に示すように、電力積分量Sに応じて段階的に送信延期時間が長くなるように延期付加時間を設定してもよい。なお、バックオフ時間と延期付加時間との合計時間が送信延期時間となる。
プライマリ情報取得処理および送信タイミング制御処理については、第2実施形態と同じであるため説明を割愛する。
[第3実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、放送システム20のサービスエリア内に位置する場合、他の車載装置11によって送信された無線信号を検知した場合であっても、所定の積算周期において、検知した無線信号における電力の積分値と、自装置から他の車載装置11への無線信号の送信に必要な信号強度との合計強度(電力積分量)が、所定の閾値強度を下回る場合には、最小延期時間の経過後に無線信号を送信するようにしている。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、各車載装置11が、自装置の周りにおいて、所定時間内に通信を行っている車載装置11が少ない場合には、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間に近い時間(最小延期時間)の経過後に送信を開始することになり、自装置の周りのテレビ22に受信障害を与えることなく、送信機会を向上させることができる。
また、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、送信機会が得られる車載装置11の地理的な偏りを電力積分量から推測し、電力積分量が閾値強度以上である場合には、電力積分量に応じて長い送信延期時間に待機時間を拡張するようにしている。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、各車載装置11が、自装置の周りにおいて、所定時間内に通信を行っている車載装置11の推定数が多いほど、送信タイミングを遅らせることにより、自装置から地理的に比較的離れた他の車載装置11に送信機会を譲ることになり、ひいては、送信機会を地理的に分散させることができる。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、S316及びS317の処理を実行する制御部30が信号強度積算手段の一例に相当する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の無線通信システムとしての車車間通信システムについて図面と共に説明する。なお、本第4実施形態の車車間通信システムにおいて、第3実施形態と同一である部分についてはその説明を省略し、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、第3実施形態と同一の構成要素については、第3実施形態(及び第1実施形態、第2実施形態)の説明で用いたものと同じ図面番号を付す。
具体的には、第3実施形態では、各車載装置11が、送信機会が得られる車載装置11の地理的な偏りを上記の電力積分量から推測していた。このため、実際には自装置の周りに存在する車載装置11から送信された無線信号であっても、遮蔽物などの影響によって、その信号強度(電力)が小さく検出されてしまうことがあり、必ずしも電力量と他の車載装置11との位置における対応関係が整合するわけではなく、上記の地理的な偏りの推測精度が低くなる場合が考えられる。
これに対して、本第4実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、所定の積算周期において、送信機会が得られる車載装置11の地理的な偏りを位置情報から予測し、放送システム20のサービスエリア内において送信機会が得られる車載装置11をより確実に分散させようとするシステムである。
なお、本第4実施形態では、車車間通信システム10の信号には、その信号の送信元である車載装置11の現在位置を表す位置情報が含まれているものとする。ちなみに、位置情報は、GPS等の周知の技術を用いて取得することができる。この場合、送信部16が、GPS等を用いて取得した位置情報を含む送信ビット列に対して信号処理を行うことで生成された無線信号を送信することになる。
また、本第4実施形態のデータ取得部13は、受信部12にて受信された使用周波数帯域の無線信号に基づいて、受信ビット列を復号することにより、その無線信号の送信元である車載装置11の位置情報を取り出し、取り出した位置情報を制御部30に出力するように構成されている。
[干渉量推定処理(4)]
本第4実施形態では、干渉量推定処理が開始されると、図15のフローチャートに示すように、S411では、受信部12からの入力に基づいて、放送システム20の信号を継続的に受信しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS412に移行し、否定的に判断した場合には本処理を終了する。
S412では、インターリーブ時間を計測するためのタイマを、S202にて取得した干渉許容情報に含まれているインターリーブ時間(干渉観察周期)にセットし、さらにS202にて取得した干渉許容情報に含まれている干渉許容時間を設定して、S413に移行する。
S413では、後述する合計相対距離を計測するための距離積算カウンタのカウント値Lをリセットし(L=0)、S414に移行する。
S414では、インターリーブ時間における各車載装置11の無線信号の送信時間(干渉発生時間)の合計時間を計測するための干渉時間カウンタのカウンタ値Cをリセット(C=0)し、S415に移行する。
S415では、受信部12からの入力に基づいて、使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS416に移行し、否定的に判断した場合にはS421に移行する。
S416では、データ取得部13から入力された位置情報と、自装置の位置情報とに基づいて、自装置から他の車載装置11(送信端末)までの相対距離を算出し、続くS417では、この相対距離を距離積算カウンタのカウント値Lに積算し、S418に移行する。なお、ここでの自装置の位置情報は、例えば送信部16から取得することができる。
S418では、S415にて受信した車車間通信システム10の信号の受信時間を、干渉時間カウンタのカウンタ値Cに積算し、S419に移行する。
S419では、干渉時間カウンタのカウンタ値Cが、S412にて設定した干渉許容時間に基づく時間以上であるか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS420に移行し、否定的に判断した場合にはS421に移行する。
S420では、後段の送信延期拡大部35として機能するための送信延期拡大処理を実行する。なお、S415にて車車間通信システム10の信号を受信していないと判断した場合、又は、S419にて干渉時間カウンタのカウンタ値Cが干渉許容時間に基づく時間を下回る場合に移行するS421では、S412にてタイマにセットされたインターリーブ時間が経過(タイムアウト)したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS411に移行し、否定的に判断した場合にはS415に移行する。
[送信延期拡大処理(4)]
送信延期拡大処理が開始されると、インターリーブ時間(干渉観察周期)内にS417にて積算されたカウント値に基づく合計相対距離Lに応じて延期付加時間を設定し、この設定した延期付加時間を送信タイミング制御部37へ出力する。
具体的には、送信延期拡大処理では、図16に示すように、合計相対距離Lが、シミュレーション等によって予め設定された第1の閾値距離L1を下回る場合には、最大の送信延期時間として予め設定された最大延期時間Tmaxとなるように延期付加時間を設定する。一方、合計相対距離Lが、シミュレーション等によって予め設定された第2の閾値距離L2を上回る場合には、最小の送信延期時間として予め設定された最小延期時間Tminとなるように延期付加時間を設定する。なお、バックオフ時間と延期付加時間との合計時間が送信延期時間となる。
また、合計相対距離Lが第1の閾値距離L1以上であり第2の閾値距離L2以下の場合には、例えば合計相対距離Lに所定の係数c(c=(Tmin−Tmax)/(L2−L1))を乗じて最大延期時間Tmaxを加えた送信延期時間となるように延期付加時間を設定する。なお、ここでは一次関数を用いて送信延期時間を求める例を挙げたが、これに限らず、多項式などのあらゆる関数を用いてもよい。
プライマリ情報取得処理および送信タイミング制御処理については、第3実施形態(及び第2実施形態)と同じであるため説明を割愛する。
[第4実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、放送システム20のサービスエリア内に位置する場合、他の車載装置11によって送信された無線信号を検知した場合であっても、所定の積算周期において、検知した無線信号の送信元に対する相対距離を積算した合計相対距離が、第2の閾値距離を上回る場合には、最小延期時間の経過後に無線信号を送信し、第1の閾値距離(少なくとも第2の閾値距離よりも小さい距離)を下回る場合には、最大延期時間の経過後に無線信号を送信している。また、送信機会が得られる車載装置11の地理的な偏りを合計相対距離から推測し、合計相対距離が第1の閾値距離以上であり第2の閾値距離以下である場合には、合計相対距離に応じて短い送信延期時間に待機時間を拡張するようにしている。
つまり、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、所定時間内に通信を行っている車載装置11が自装置の周りから離れた場所に多く存在すると推測できる場合ほど、通常のCSMA/CAに則ったバックオフ時間に近い時間の経過後に送信を開始し、所定時間内に通信を行っている車載装置11が自装置の周りから離れた場所にあまり存在しないと推測できる場合ほど、バックオフ時間よりも充分に長い時間の経過後に送信を開始することになる。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、自装置の周りから離れた場所において、所定時間内に通信を行っている車載装置11の推定数が多いほど、送信タイミングを遅らせ、所定時間内に通信を行っている車載装置11の推定数が少ないほど、送信タイミングを早めることにより、自装置の周りのテレビ22に受信障害を与えることなく、送信機会をより確実に地理的に分散させることができる。
なお、本実施形態の車車間通信システム10では、合計相対距離に加え、第3実施形態で用いた電力積分量に基づいて送信タイミングを制御してもよい。この場合、自装置の周りと自装置の周りから離れた場所とにおいて、所定時間内に通信を行っている車載装置11の推定数をより精度よく把握することができる。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、第2の閾値距離L2が閾値距離、送信部16が位置情報送信手段、S416及びS417の処理を実行する制御部30が相対距離積算手段の一例に相当する。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態の無線通信システムとしての車車間通信システムについて図面と共に説明する。なお、本第5実施形態の車車間通信システムにおいて、第1実施形態と同一である部分についてはその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態の説明で用いたものと同じ図面番号を付す。
具体的には、第1実施形態では、各車載装置11がキャリアセンスによる干渉を検出すると、他の車載装置11に無線信号を送信する際に待機時間(送信待機時間)を拡大していたのに対し、本第5実施形態では、さらに自装置からの送信後にバックオフ時間を設定するまでの待機時間を設定する点で大きく異なる。
なお、本第5実施形態では、車車間通信システム10の信号には、その信号の送信元である車載装置11を識別するための識別情報が含まれているものとする。この場合、送信部16が、この識別情報を含む送信ビット列に対して信号処理を行うことで生成された無線信号を送信することになる。
また、本第5実施形態のデータ取得部13は、受信部12にて受信された使用周波数帯域の無線信号に基づいて、受信ビット列を復号することにより、その無線信号の送信元である車載装置11の識別情報を取り出し、取り出した識別情報を制御部30に出力するように構成されている。
また、本第5実施形態の制御部30は、図17に示すように、機能的には、プライマリ情報取得部31、干渉量推定部33、送信延期拡大部35、及び、送信タイミング制御部37に加えて、データ取得部13からの入力に基づいて他の車載装置11の数を認識し、その認識結果を表す情報(セカンダリ端末数情報)を送信タイミング制御部37に出力するセカンダリ端末記憶部39を備える。
[セカンダリ端末記憶処理(5)]
まず、セカンダリ端末記憶部39として機能するために制御部30のCPUが実行するセカンダリ端末記憶処理について、図18のフローチャートに沿って説明する。
本処理が開始されると、制御部30のCPUが、S501では、受信部12からの入力に基づいて、使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS502に移行し、否定的に判断した場合にはS505に移行する。
S502では、S501にて受信した車車間通信システム10の信号からデータ取得部13によって取り出された識別情報が、制御部30のRAMに既に記憶されているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合には、この識別情報が過去に受信した無線信号の送信元である端末(他の車載装置11)を示しているとみなして、S504に移行し、否定的に判断した場合には、S503に移行する。
S503では、S502における識別情報(ID)をその受信時刻とともにRAMに記憶(記録)し、S505に移行する。一方、S504では、S502における識別情報(ID)が既にRAMに記憶されているため、受信時刻だけを更新する。
S505では、RAMに記憶されている全ての識別情報および受信時刻を表す情報から、予め設定された一定時間のあいだ受信していない無線信号の送信元である端末(他の車載装置11)に対応する情報(識別情報,受信時刻)を削除し、S506に移行する。
S506では、RAMに記憶されている全ての識別情報および受信時刻を表す情報に基づいて、上記の一定時間のあいだ受信した無線信号の送信元である端末(他の車載装置11)の数(セカンダリ端末数N)を積算し、その積算結果を表すセカンダリ端末数情報を、送信タイミング制御部37に出力して、S501に戻る。
[送信タイミング制御処理(5)]
次に、本第5実施形態の送信タイミング制御部37として機能するために制御部30のCPUが実行する送信タイミング制御処理について、図19のフローチャートに沿って説明する。なお、本処理が開始されて制御部30のCPUが実行するS531〜539は、第1実施形態の送信タイミング制御処理におけるS131〜S139と同じであるため、その説明を省略する。
本第5実施形態の送信タイミング制御処理では、S539に続き、S540では、セカンダリ端末記憶部39から前述のセカンダリ端末数情報が入力されたか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS541に移行し、否定的に判断した場合には本処理を終了する。
S541では、S540にて入力されたセカンダリ端末数情報に基づいて、前述のセカンダリ端末数Nに応じて、少なくとも次回のバックオフスロット数を決定する(S531の処理を行う)まで待機する時間(送信間隔拡大時間)を設定する。具体的には、図20(a)に示すように、セカンダリ端末数Nに比例して増加するように送信間隔拡大時間T3を設定する。あるいは、図20(b)に示すように、セカンダリ端末数Nに応じて段階的に長くなるように送信間隔拡大時間を設定してもよい。
なお、プライマリ情報取得処理および干渉量推定処理については、第1実施形態と同じであるため説明を割愛する。
[第5実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、放送システム20のサービスエリア内に位置する場合、他の車載装置11に向けて無線信号を送信すると、セカンダリ端末数に応じて少なくとも送信間隔拡大時間のあいだバックオフ時間の設定を待機する。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、各車載装置11が、自装置の送信後の所定期間だけ、通常のCSMA/CAに則った通信制御の開始タイミングを遅らせることで、他の車載装置11に送信機会を譲ることになり、送信機会を簡易に分散させることができる。
なお、本実施形態の車車間通信システム10では、セカンダリ端末数に応じて送信間隔拡大時間を可変設定しているが、これに限定されるものではなく、予め固定された送信間隔時間のあいだバックオフ時間の設定を待機するように構成されてもよい。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、S541及びS542の処理を実行する制御部30が時間設定禁止手段、送信部16が識別情報送信手段、セカンダリ端末記憶処理を実行する制御部30が端末数積算手段の一例に相当する。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態の無線通信システムとしての車車間通信システムについて図面と共に説明する。なお、本第6実施形態の車車間通信システムにおいて、第1実施形態と同一である部分についてはその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態の説明で用いたものと同じ図面番号を付す。
具体的には、第1実施形態では、各車載装置11がキャリアセンスによる干渉を検出すると、他の車載装置11に無線信号を送信する際に一律に待機時間(送信待機時間)を拡大していたのに対し、本第6実施形態では、図21に示すように、車車間通信システム10からの受信電力が予め設定された干渉許容電力以下である場合には、送信待機時間の拡大を行わない点で大きく異なる。
本第6実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11における制御部30のRAMに、放送システム20毎に予め定められた干渉許容電力を記憶するための電力情報テーブル41(図22参照)が格納されている。なお、干渉許容電力は、干渉(誤り)が発生した場合であっても、テレビ22側の誤り訂正処理(デインターリーブ,軟判定復号)により修復可能な電力値に表すものである。なお、本第6実施形態では、放送システム20の信号におけるプリアンブル(先頭部分)には、上記干渉許容電力を表す情報(以下「干渉許容情報」という)が含まれているものとする。
また、本第6実施形態のプライマリ情報取得部31は、受信部12から供給された放送システム20の信号をアナログ−デジタル変換するとともにOFDM復調を施すことにより、放送システム20の信号におけるプリアンブルを抽出し、この抽出したプリアンブルから干渉許容情報を取り出すことが可能に構成されている。
[プライマリ情報取得処理(6)]
まず、プライマリ情報取得部31として機能するために制御部30のCPUが実行するプライマリ情報取得処理について、図23のフローチャートに沿って説明する。
本処理が開始されると、制御部30のCPUが、S501では、受信部12からの入力に基づいて、放送用の無線信号(放送システム20の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS502に移行し、否定的に判断した場合には放送システムの信号を受信するまで待機する。
S502では、放送システム20の信号の受信周波数に基づいて、放送システム20a,20b,20cのうちいずれのシステムの信号を受信したかを認識し、その認識した放送システム20について、受信信号から取得した干渉許容情報に含まれている干渉許容電力をRAMの電力情報テーブル41に書き込み、S503に移行する。なお、S503では、後段の干渉量推定部33として機能するための干渉量推定処理を実行する。
[干渉量推定処理(2)]
干渉量推定処理が開始されると、図24のフローチャートに示すように、S511では、受信部12からの入力に基づいて、放送システム20の信号を継続的に受信しているか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS512に移行し、否定的に判断した場合には本処理を終了する。
S512では、受信部12からの入力に基づいて、使用周波数帯域の無線信号(車車間通信システム10の信号)を受信したか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS513に移行し、否定的に判断した場合にはS511に戻る。
S513では、RAMに格納されている電力情報テーブル41を用いて、S512における車車間通信システムの信号の強度(電力)が、自装置が存在するサービスエリアの放送システム20の干渉許容電力を上回るか否かを判断し、ここで肯定的に判断した場合にはS514に移行し、否定的に判断した場合にはS511に戻る。なお、S514では、後段の送信延期拡大部35として機能するための送信延期拡大処理を実行する。
送信延期拡大処理および送信タイミング制御処理については、例えば第1実施形態と同じであるため説明を割愛する。
[第6実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車車間通信システム10では、各車載装置11が、放送システム20のサービスエリア内に位置する場合、他の車載装置11によって送信された無線信号を検知した場合であっても、その無線信号の強度が干渉許容電力以下である場合には、送信待機時間の拡大を禁止するようにしている。
従って、本実施形態の車車間通信システム10によれば、放送システム20a内のテレビ22の受信障害を抑制しつつ、各車載装置11の送信機会を増やすことができる。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、S513の処理を実行する制御部30が時間拡張許可手段の一例に相当する。
10…車車間通信システム、11…車載装置、12…受信部、13…データ取得部、14…受信信号レベル検出部、15…レベル判定部、16…送信部、20(20a,20b、20c)…放送システム、21…放送局、22…テレビ、30…制御部、31…プライマリ情報取得部、33…干渉量推定部、35…送信延期拡大部、37…送信タイミング制御部、39…セカンダリ端末記憶部、40…時間情報テーブル、41…電力情報テーブル。

Claims (10)

  1. 専用の周波数帯域が割り当てられているプライマリシステムに並存し、前記専用の周波数帯域または隣接する周波数帯域を使用周波数帯域として、互いに無線通信を行う複数の通信装置からなる無線通信システムであって、
    前記各通信装置は、
    自装置の周囲に存在する前記プライマリシステムに関する情報を取得するプライマリ情報取得手段と、
    他の前記通信装置によって送信された無線信号を検知する他装置信号検知手段と、
    前記他装置信号検知手段にて無線信号が検知されると、前記無線信号の衝突を回避するためのバックオフ時間を設定する処理を行うバックオフ時間設定手段と、
    前記バックオフ時間設定手段にて前記バックオフ時間が設定されると、他の前記通信装置への無線信号の送信を待機する送信待機手段と、
    前記プライマリ情報取得手段にて取得した情報に基づき、前記プライマリシステムが自装置の周囲に存在する場合に、前記送信待機手段による待機時間を少なくとも前記バックオフ時間を上回る送信延期時間に拡張する待機時間拡張手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記各通信装置は、
    前記他装置信号検知手段による無線信号の検知時間を積算する検知時間積算手段と、
    予め設定された積算周期において、前記検知時間積算手段にて積算された検知時間と、自装置から他の前記通信装置への無線信号の送信に必要な時間との合計時間が、予め設定された閾値時間を下回る場合には、前記待機時間拡張手段による待機時間の拡張を禁止する時間拡張禁止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記プライマリシステムは、
    インターリーブされた複数の符合列からなるデータを送信する通信局と、
    該通信局から受信したデータを出力する際に、インターリーブ前の符合の順番に並べ替えてなる符合列を復号する誤り訂正処理を行う複数の受信機とからなり、
    前記各通信装置は、
    前記通信局にてインターリーブされた各符合列の長さを示すインターリーブ時間を前記積算周期として設定する積算周期設定手段と、
    前記各符号列において前記誤り訂正処理により修復可能な一ないし複数の符合の長さを示す干渉許容時間を前記閾値時間として設定する閾値時間設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記各通信装置は、前記他装置信号検知手段による無線信号の検知強度を積算する信号強度積算手段を備え、
    前記待機時間拡張手段は、予め設定された積算周期において、前記信号強度積算手段にて積算された検知強度と、自装置から他の前記通信装置への無線信号の送信に必要な信号強度との合計強度が、予め設定された閾値強度を下回る場合には、最小の前記送信延期時間として予め設定された最小延期時間に前記待機時間を拡張することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 前記待機時間拡張手段は、前記合計強度が前記閾値強度以上である場合には、該合計強度に応じて長い前記送信延期時間に前記待機時間を拡張することを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記各通信装置は、
    自装置の位置情報を含む無線信号を送信する位置情報送信手段と、
    前記他装置信号検知手段にて検知した無線信号に含まれる位置情報に基づいて、他の前記通信装置との相対距離を積算する相対距離積算手段と、
    を備え、
    前記待機時間拡張手段は、予め設定された積算周期において、前記相対距離積算手段にて積算された相対距離である積算距離が、予め設定された閾値距離を上回る場合には、最小の前記送信延期時間として予め設定された最小延期時間に前記待機時間を拡張することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  7. 前記待機時間拡張手段は、前記積算距離が前記閾値距離以下である場合には、該積算距離が小さいほど長い前記送信延期時間に前記待機時間を拡張することを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。
  8. 前記各通信装置は、前記待機時間拡張手段により前記送信延期時間に拡張された待機時間を経過して無線信号を送信すると、予め設定された送信間隔拡大時間のあいだ、前記バックオフ時間設定手段による処理を禁止する時間設定禁止手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  9. 前記各通信装置は、
    自装置の識別情報を含む無線信号を送信する識別情報送信手段と、
    前記他装置信号検知手段にて検知した無線信号に含まれる識別情報に基づいて、他の前記通信装置の数である端末数を積算する端末数積算手段と、
    を備え、
    前記時間設定禁止手段は、予め設定された積算周期において前記端末数積算手段にて積算された端末数に応じて長い前記送信間隔拡大時間を設定することを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 前記各通信装置は、前記他装置信号検知手段により予め設定された干渉許容強度を上回る強度の無線信号を検知した場合に限り、前記待機時間拡張手段による待機時間の拡張を許可する時間拡張許可手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の無線通信システム。
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