JP5718403B2 - 携帯式コンピュータに搭載するアンテナ・システムおよび利得を向上する方法 - Google Patents

携帯式コンピュータに搭載するアンテナ・システムおよび利得を向上する方法 Download PDF

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Description

本発明は携帯式コンピュータに搭載するアンテナ・システムの利得の向上に関し、さらに詳細には同一の周波数帯に適応する複数の放射素子と共通のグランド素子を備えるアンテナ・システムの利得の向上に関する。
ノートブック型携帯式コンピュータ(ノートPC)には、無線LAN(Wireless Local Area Network)、または無線WAN(Wireless Wide Area Network )などのような、それぞれにおいて複数のアンテナを使用する無線通信システムを搭載するものがある。無線WANでは、送信と受信に使用する主アンテナと受信専用に使用する補助アンテナを搭載する場合がある。あるいは、主アンテナと補助アンテナを利用してMIMO方式で通信する場合がある。無線WANでは700MHzといった比較的低い周波数帯も使用するために無線LANに比べてアンテナのサイズが大きくなる。
特許文献1は、無線アンテナを実装するコンパーチブル型のタブレット・コンピュータを開示する。システム筐体とディスプレイ筐体はそれぞれの1つの辺の中央部で連結部により結合されている。ディスプレイ筐体の頂部側の辺には、WANアンテナとLANアンテナが取り付けられ、側部側の辺には他のLANアンテナが取り付けられている。特許文献2は、誘電体基板に形成された周波数帯が異なるGPS用のパッチアンテナとETC用のパッチアンテナの間に、電界誘導手段としてのスルーホールを設けて相互の電界の干渉を回避する技術を開示する。特許文献3は、金属板のプレス加工によって形成された周波数帯が異なるGPS用のパッチアンテナとETC用のパッチアンテナの間に、シールド効果を得るために短絡脚片を設けてアイソレーションをする技術を開示する。
特開2010−45698号公報 特開2005−124056号公報 特開2007−158957号公報
図1はノートPCに無線WANのアンテナを搭載するときの課題を説明する図である。ノートPC10は、ディスプレイ筐体11とシステム筐体17が2つのヒンジ機構23、24で開閉できるように結合されている。ディスプレイ筐体11はフラット・パネル型のディスプレイ15およびカメラ・モジュール25を収納する。システム筐体17は、表面にキーボード19を実装し、内部にマザーボードやディスク・ドライブなどのシステム・デバイスを収納する。ディスプレイ筐体11には、ディスプレイ15の周辺を覆う化粧パネル13が設けられている。
システム筐体17には、キーボード19の周辺を覆う化粧パネル21が設けられている。化粧パネル21は一部がパームレストとして機能し、中央にはタッチパッド27が設けられている。化粧パネル13、21はABS樹脂などの合成樹脂で形成される。ディスプレイ筐体11およびシステム筐体17は合成樹脂または金属で形成される。ここで化粧パネル13に、上辺13a、左辺13b、下辺13cおよび右辺13dを定義する。上辺13aは、ディスプレイ筐体11を開いたときに周辺に障害物が少ない位置であるためアンテナの取り付け位置としては最適である。
したがってディスプレイ筐体11を合成樹脂で形成する場合は、これまで無線WANの2本のアンテナ301、303を上辺13aの下に配置していた。このとき、アンテナ301、303のグランドには相互に独立したアルミニウム・シートを採用する。この場合、アンテナ301、303を覆う上辺13aの上下方向の幅が大きくなるため、その幅を小さくしてディスプレイ15の表示領域を拡大したいという要望があった。
また、カメラ・モジュール25およびアンテナ301、303のケーブルが左辺13bおよび右辺13dの下にあるディスプレイ15と側壁の隙間を通ることで、左辺13b、右辺13dの左右方向の幅が大きくなるため、その幅を小さくしてディスプレイ15の表示領域を拡大したいという要望があった。さらに、薄型化、軽量化、または強度の確保などの理由でディスプレイ筐体11をアルミニウム合金やマグネシウム合金などの金属で形成する場合もある。
ディスプレイ筐体11を金属で形成する場合には、アンテナ301、303を配置する近辺に存在するディスプレイ筐体11の領域を部分的に切り欠いて目隠しのために合成樹脂を嵌め込む必要があり、ディスプレイ筐体の表面に合成樹脂と金属部分の境界が現れることになる。しかし、上辺13aに対向する位置にあるディスプレイ筐体11の領域は、ディスプレイ筐体11を閉じた時にユーザに近い位置になるため合成樹脂の嵌めこみは意匠的に好ましいものとはいえなかった。したがって、ディスプレイ筐体11を金属で形成する場合には、アンテナ301、303の位置に対応するディスプレイ筐体11の領域を切り欠いても目立たない位置を選定することが求められている。
上辺13aの下は最もアンテナの性能を発揮できる位置であるが、ディスプレイ15の表示領域の拡大、ディスプレイ筐体11を金属で形成する場合の意匠的な要求などから下辺13cに点線で示した領域31a、31bの下に配置することを検討してみた。しかし、領域31a、31bの下にアンテナ301、303を配置して利得を測定すると、2つの課題があることがわかった。1つ目の課題はこれまで、カメラ・モジュール25、アンテナ301、303およびディスプレイ15に接続されるケーブルをヒンジ機構23、24の内部を経由してシステム筐体17の内部に収納されたモジュールまで配線していた点にある。
ヒンジ機構23、24は、強度を保つために両者の間隔ができるだけ長くなるように配置することが望ましい。また、アンテナ301、303は相互干渉を避けるため、両者の間隔ができるだけ長くなるように配置することが望ましい。したがってヒンジ機構23、24の外側である領域31a、31bの下にアンテナ301、303を配置すると、アンテナ301とヒンジ機構23、アンテナ303とヒンジ機構24がそれぞれ接近することになる。ヒンジ機構23、24は、ディスプレイ筐体11の開閉によりシャフトが回転運動をするため、内部を通過させるケーブルには余長を設ける必要がある。その結果、ディスプレイ筐体11の開閉のたびに可動部でケーブルが移動してアンテナ301、303の特性に影響を与えるため特性が安定しないことがわかった。
2つ目の課題は、ディスプレイ筐体11を金属で形成する場合に、ディスプレイ筐体をグランド素子として利用する点にある。ディスプレイ筐体11を金属で形成する場合には、これまで個別に設けていたアルミニウム・シートを省いて、ディスプレイ筐体をグランド素子として利用できれば部品点数の削減の面で有利である。しかし、この場合アンテナ301とアンテナ303の間で一方から放射された電磁波が他方のアンテナおよび共通のグランド素子であるディスプレイ筐体を通じて伝搬し、放射した電力の一部がディスプレイ筐体11で消費されてしまうため利得が低下する。
アンテナ301、303にそれぞれ独立したグランド素子を設けることも考えられるが、ディスプレイ筐体11との間隔を十分に確保して浮遊容量による高周波電流に対する結合を防ぐことは困難である。独立したグランド素子を十分に分離できない場合は、2つのグランドが接続されて利得の低下を防ぐことはできない。したがって、下辺13cの下にアンテナ301、303を配置する場合はこの2つの課題を克服する必要がある。
そこで本発明の目的は、同一の周波数帯に適応する複数の放射素子とそれらに共通するグランド素子で構成されたアンテナ・システムの利得を向上する方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、金属で形成された筐体に収納するアンテナ・システムの利得を向上する方法を提供することにある。さらに本発明の目的はそのような方法を実現したアンテナ・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、そのようなアンテナ・システムを搭載した携帯式コンピュータを提供することにある。
本発明の第1の態様にかかる携帯式コンピュータは、ディスプレイ筐体の下端部とシステム筐体がヒンジ機構で開閉可能に結合されている。ディスプレイ筐体にはディスプレイが収納される。第1の放射素子と第2の放射素子は下端部に配置され同一の周波数帯域に適応する。第1の放射素子と第2の放射素子は共通のグランド素子を備えている。第1の放射素子と第2の放射素子の間には第1の放射素子と第2の放射素子の間の電磁波の伝搬を抑制するアイソレーション部材が配置される。
上記のように構成した結果、アイソレーション部材は、第1の放射素子から放射した電磁波の電力が第2の放射素子に伝搬して共通のグランドで消費されることによる利得の低下を抑制することができる。第1の放射素子と第2の放射素子が無線WANの通信システムを構成する場合は、無線LANよりも放射素子が長くなって両者が接近し易くなるため本発明を適用して効果的に利得の低下を防ぐことができる。ディスプレイ筐体を金属で形成するときは、ディスプレイ筐体をグランド素子に利用すると独立したグランド素子を設ける必要がなくなる。
アイソレーション部材としては金属材料またはダミー・ケーブルを設けることもできる。しかし、アイソレーション部材をディスプレイとビデオ・カードを接続するケーブル、カメラ・モジュールとチップ・セットを接続するケーブル、第1の放射素子また記第2の放射素子と無線モジュールを接続するケーブルのいずれかまたは複数で構成すれば部品を追加する必要がないため有利である。第1の放射素子と第2の放射素子を、間に2つのヒンジ機構を挟むように配置すると、ヒンジ機構を単独のまたはケーブルと協働するアイソレーション部材として利用できる。
本発明の第2の態様にかかる携帯式コンピュータは、筐体が金属で形成されている。携帯式コンピュータはタブレット・コンピュータであってもよい。第1の放射素子は、筐体の周辺部に配置される。周辺部は、矩形状の筐体の周辺を構成する4つの片のいずれかとすることができる。第2の放射素子は、第1の放射素子と同じ周辺部に配置され第1の放射素子と同一の周波数帯域に適応する。第1の同軸ケーブルは、内部導体が第1の放射素子に接続され外部導体が筐体に接続される。第2の同軸ケーブルは、内部導体が第2の放射素子に接続され外部導体が筐体に接続される。第1の同軸ケーブルと第2の同軸ケーブルは無線モジュールに接続される。
アイソレーション部材は、第1の放射素子と第2の放射素子の間に配置され、第1の放射素子と第2の放射素子との間の電磁波の伝搬を抑制する。この構成により第1の放射素子または第2の放射素子から放射された電力が、筐体で消費されることを抑制し利得を向上することができる。アイソレーション部材には、第1の放射素子と第2の放射素子の間を通過する第1のケーブルおよび第2のケーブルまたはいずれか一方を利用することができる。
本発明により、同一の周波数帯に適応する複数の放射素子とそれらに共通するグランド素子で構成されたアンテナ・システムの利得を向上する方法を提供することができた。さらに本発明により、金属で形成された筐体に収納するアンテナ・システムの利得を向上する方法を提供することができた。さらに本発明によりそのような方法を実現したアンテナ・システムを提供することができた。さらに本発明により、そのようなアンテナ・システムを搭載した携帯式コンピュータを提供することができた。
ノートPCに無線WANのアンテナを搭載するときの課題を説明する図である。 ノートPCに搭載した無線WANのアンテナ・システムの構成を説明する図である。 図2のアンテナ・システムの電気的な接続状態を説明する図である。 アンテナ・システムのアイソレーション効果を示す図である。
図2はノートPC100に搭載した無線WANのアンテナ・システムの構成を説明する図で、図3は図2のアンテナ・システムの電気的な接続状態を説明する図である。なお、図2、図3では図1と同一の要素に同一の参照番号を付与して説明を省略するか簡略化する。図2は、ディスプレイ筐体11およびシステム筐体17から化粧パネル13、21を取り外した状態を示している。アンテナ・システムは、無線WANの主アンテナ301、補助アンテナ303、グランド素子としてのディスプレイ筐体11、およびアイソレーション部材の一例としてのケーブル211、213、215、217、および無線WANモジュール205で構成している。
ディスプレイ筐体11とシステム筐体17はアルミニウム合金またはマグネシウム合金などの金属材料で形成されている。ただし、ディスプレイ筐体11を金属材料で形成することは本発明の適用において好ましいが必須ではない。また、システム筐体17も金属材料で形成することが望ましいが本発明との関係では必須ではない。ディスプレイ筐体11には、開いた状態で頂部に位置する上端部11a、下に位置する下端部11c、左に位置する左端部11bおよび右に位置する右端部11dを定義している。
上端部11a、左端部11b、下端部11cおよび右端部11dは化粧パネル13の上片13a、左片13b、下片13cおよび右片13dが隠蔽する領域に対応する。ヒンジ機構23、24は、それぞれ金属で形成された軸受部23a、24aとそれらを貫通するシャフト23b、24bで構成されている。軸受部23a、24aはシステム筐体17に固定され、シャフト23b、24bはディスプレイ筐体11の下端部11cに固定される。軸受部23a、24aとシャフト23b、24bはそれぞれ電気的に絶縁されている。
上端部11aの側壁とディスプレイ15の側壁の間にはカメラ・モジュール25が配置されている。下端部11cの両端でかつヒンジ機構23、24の外側には、主アンテナ301と補助アンテナ303が配置されている。以後、主アンテナ301と補助アンテナ303を区別する必要がないときは、単にアンテナ301、303と記述する。主アンテナ301と補助アンテナ303は両者間を伝搬する電磁波を低減するため、それぞれ図2に示すようにヒンジ機構23、24の外側に配置して間隔を広げることが望ましい。
主アンテナ301は無線WANの送信と受信に使用し、補助アンテナ303は受信専用に使用することができる。あるいは、主アンテナ301および補助アンテナ303は送信および受信またはいずれか一方においてMIMO方式の通信で使用するようにしてもよい。アンテナ301、303は、それぞれ回路基板にフォトリソグラフィ法でアンテナ・パターンを加工したり、誘電体基板の表面にアンテナ形状に加工した金属板を貼り付けたりして形成することができる。アンテナ301、303の放射素子301a、303aが配置される位置に対応するディスプレイ筐体11の領域は部分的に切除している。
化粧パネル13は合成樹脂で形成しているため、ディスプレイ筐体11を金属材料で形成しても近辺の金属の影響で主アンテナ301、303の性能が低下しないように構成している。ディスプレイ筐体11の切除した領域には合成樹脂を充填するが、下端部11cはユーザの視線から遠い位置にあるため合成樹脂と金属の境界は目立たない。システム筐体17には、CPU、マザーボード、およびディスク・ドライブなどの多くの半導体デバイスが設けられている。図では半導体デバイスとして本発明の説明に必要なビデオ・カード203、無線WANモジュール205およびチップ・セット207だけを示している。
カメラ・モジュール25は、ケーブル211でチップ・セット207のUSBコントローラに接続され、ディスプレイ15はケーブル217でビデオ・カード203に接続され、アンテナ301、303はそれぞれ同軸ケーブル213、215で無線WANモジュール205に接続される。ケーブル211、213、215、217はディスプレイ筐体11からシステム筐体17までこれまでのようにヒンジ機構23、24の内部を通過しないで、ヒンジ機構23とヒンジ機構24の間でかつ主アンテナ301と補助アンテナ303の間を通過する。
つぎに図2および図3を参照して、アンテナ・システムの特徴を説明する。まず、アンテナ・システムは、ディスプレイ筐体11を主アンテナ301と補助アンテナ303に対する共通のグランド素子として利用することで、個別のグランド素子を設ける必要がないため部品点数を削減することができる。アンテナ301、303は、上端部11aに配置しないで、下端部11cに配置している。したがって、カメラ・モジュール25の幅はアンテナ301、303の幅より狭いため、化粧パネル13の上片13aの幅を狭くした分だけディスプレイ15の表示領域を拡大することができる。
アンテナ301、303を下端部11cに配置することで、化粧パネル13の下辺13cの幅が大きくなるとしても、ディスプレイ筐体11の頂部に多くの表示領域を確保したほうがユーザにとっては見やすい構造になる。またアンテナ301、303を上端部11aに配置しないため、左端部11bの側壁または右端部11dの側壁とディスプレイ15の側壁の間をケーブル211、217が通過しない。したがって、化粧パネル13の左辺13bと右辺13dの幅を減らしてディスプレイ15の表示領域を拡大することができる。
低い周波数帯まで適応する無線WANのアンテナは無線LANのアンテナに比べて放射素子の長さが長くなるため、主アンテナ301はヒンジ機構23に接近し、補助アンテナ303はヒンジ機構24に接近する。本実施の形態では、各ケーブル211、213、215、217がヒンジ機構23、24の内部を通過しないで下端部11cの左右方向のほぼ中央部を通過するため、ディスプレイ筐体11の開閉に対してアンテナ301、303の特性を安定させることができる。なお、ケーブル211がアンテナ301に接近する位置およびケーブル217がアンテナ303に接近する位置ではケーブルを固定することができるため、ディスプレイ筐体11の開閉がアンテナ301、303の特性に影響を与えることはない。
図3には、アンテナ301、303の放射素子301a、303aに同軸ケーブル213、215が接続された様子を示している。放射素子301a、303aは、それぞれ先端部が折れ曲がった高周波用の素子と低周波用の素子で構成され、ディスプレイ筐体11を共通のグランド素子として利用して700MHz帯から2.2GHz帯までの周波数に適応する。図3では一例として放射素子301a、303aに逆L型アンテナを採用しているが、逆F型またはT型などの他の接地型アンテナを採用してもよい。
同軸ケーブル213、215の内部導体213a、215aが放射素子301a、303aの給電部に接続され外部導体213b、215bがその近辺でディスプレイ筐体11に接続される。主アンテナ301と補助アンテナ303はともに同一の周波数帯に共振するため、放射素子301aと放射素子303aの間にケーブル211、213、215、217が存在しない場合は、放射素子301aが放射した電磁波の一部が空間を伝わって放射素子303aに伝搬する。
放射素子303aに伝搬した電磁波は、内部導体215a、無線モジュール205の高周波回路、外部導体215bを経由してディスプレイ筐体113に漏洩する。したがって、放射素子301aが放射した電力の一部が、ディスプレイ筐体113を流れる高調波電流の熱として消費されて空間に放射されなくなってしまうため、主アンテナ301の利得が低下する。本実施の形態では、放射素子301aと放射素子303aの間に複数のケーブル213、215、217、219が配置されているため、放射素子301aから放射された電磁波は、ケーブル211、213、215、217で屈折、減衰、または反射して放射素子303aに伝搬されにくくなり、利得の低下を防ぐことができる。
このようにケーブル211、213、215、217は、アンテナ301、303間の電磁的な結合を弱めるアイソレーション部材として作用する。ケーブルは、例示した4本のケーブルに限定する必要はなくいずれか一本でも効果はあるが、アイソレーションの効果は放射素子301aと放射素子303aの間を遮る金属の面積が大きいほど、すなわちある程度まではケーブルの本数が多いほど高くなる。アイソレーション部材は、ケーブルに限定する必要はなく金属板などの他の金属材料でもよい。たとえば、ヒンジ機構23、24のサイズを大きくしてアイソレーション部材として機能させることもできる。
図4は、ケーブル211、213、215、217によるアイソレーションの効果を実測した結果を示す図である。図4で縦軸はSパラメータの伝達係数S12をdB値に変換した値で、横軸は周波数(MHz)である。伝達係数S12は無線WANが使用する周波数帯域の全体に渡って−10dB以下になっており、図1、図2に示したアンテナ・システムが実用的なアイソレーションの効果を得て利得の低下を防止できることを示している。
本発明は、特許文献1の図1に示したようなコンパーチブル型のタブレット・コンピュータに適用することもできる。コンパーチブル型のタブレット・コンピュータは、ディスプレイ筐体とシステム筐体を結合するヒンジ機構(連結部)が中央に1個だけ設けられており、ノートPCまたはタブレット・コンピュータとして使用することができる。ノートPCとして使用するときは、ディスプレイがユーザを向くようにディスプレイ筐体を開いた状態で使用する。タブレット・コンピュータとして使用するときは、さらに、ディスプレイ筐体の背面がユーザを向くように180度回転させてから同じ背面がキーボードと向き合うように閉じる。
タブレット・コンピュータでは、図2と同様に下端部の左右両側にアンテナ301、303を配置してもヒンジ機構とアンテナ301、303の間隔を広げることができるため、ディスプレイ筐体の開閉によるアンテナの性能への影響は少ない。したがって、コンパーチブル型のタブレット・コンピュータの場合は、ケーブルをヒンジ機構の内部を通過させることができる。
これまで本実施の形態にかかるアンテナ・システムを無線WANに適用する例を示したが、本発明は共通の周波数帯で使用する複数の放射素子が近接して配置され、かつ、共通のグランド素子を利用する無線WANなどの他の通信システムに適用することもできる。また、ディスプレイ筐体11を合成樹脂で形成しかつ共通のグランド素子を設けるようなアンテナ・システムに適用することもできる。また、放射素子301a、303aを下端部11cに配置する例を説明したが、本発明は他の位置に配置する場合にも適用することができる。また、ヒンジ機構で結合された携帯式コンピュータを例に説明したが、本発明はヒンジ機構がないタブレット型コンピュータに適用することもできる。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
10、100 ノートPC
11 ディスプレイ筐体
11a、11b、11c、11d ディスプレイ筐体の上端部、左端部、下端部、右端部
13、21 化粧パネル
15 ディスプレイ
17 システム筐体
23、24 ヒンジ機構
25 カメラ・モジュール
203 ビデオ・カード
205 無線モジュール
207 チップ・セット
211、213、215、217 ケーブル
301 無線WANの主アンテナ
301a 放射素子
303 無線WANの補助アンテナ
303a 放射素子

Claims (14)

  1. 金属で形成されたディスプレイ筐体の下端部とシステム筐体がヒンジ機構で開閉可能に結合された携帯式コンピュータであって、
    前記下端部に配置された第1の放射素子と、前記下端部に配置され前記第1の放射素子と同一の周波数帯域に適応する第2の放射素子と、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子に対する共通のグランド素子としての前記ディスプレイ筐体を含むアンテナ・システムと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間に配置され前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間の電磁波の伝搬を抑制するアイソレーション・ケーブル
    を有する携帯式コンピュータ。
  2. 前記アンテナ・システムが無線WANの通信システムを構成する請求項1に記載の携帯式コンピュータ。
  3. 前記ディスプレイ筐体に収納されたディスプレイと
    前記システム筐体に収納されたビデオ・カードとを有し、
    前記アイソレーション・ケーブルが、前記ディスプレイと前記ビデオ・カードを接続するケーブルを含む請求項1または請求項2に記載の携帯式コンピュータ。
  4. 前記ディスプレイ筐体の上端部に配置されたカメラ・モジュールと、
    前記システム筐体に収納されたチップ・セットとを有し、
    前記アイソレーション・ケーブルが前記カメラ・モジュールと前記チップ・セットを接続するケーブルを含む請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
  5. 前記システム筐体に収納された無線モジュールを有し、
    前記アイソレーション・ケーブルが前記第1の放射素子または前記第2の放射素子と前記無線モジュールを接続するケーブルを含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
  6. 前記ヒンジ機構が2個のヒンジ機構で構成され、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子は前記2個のヒンジ機構を間に挟むように配置されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
  7. 金属で形成されたディスプレイ筐体の下端部とシステム筐体がヒンジ機構で開閉可能に結合され、前記ディスプレイ筐体を開いた状態で180度回転してから閉じることでタブレット・コンピュータとして使用できるコンパーチブル型の携帯式コンピュータであって、
    前記下端部に配置された第1の放射素子と、前記下端部に配置され前記第1の放射素子と同一の周波数帯域に適応する第2の放射素子と、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子に対する共通のグランドとしての前記ディスプレイ筐体を含むアンテナ・システムと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間に配置されたアイソレーション・ケーブル
    を有する携帯式コンピュータ。
  8. 前記アイソレーション・ケーブルが前記ヒンジ機構の中を通過するケーブルを含む請求項7に記載の携帯式コンピュータ。
  9. 筐体が金属で形成された携帯式コンピュータであって、
    前記筐体の周辺部に配置された第1の放射素子と、
    前記筐体の周辺部に配置され前記第1の放射素子と同一の周波数帯域に適応する第2の放射素子と、
    内部導体が前記第1の放射素子に接続され外部導体が前記筐体に接続された第1の同軸ケーブルと、
    内部導体が前記第2の放射素子に接続され外部導体が前記筐体に接続された第2の同軸ケーブルと、
    前記第1の同軸ケーブルと前記第2の同軸ケーブルに接続された無線モジュールと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間に配置され、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子との間の電磁波の伝搬を抑制するアイソレーション・ケーブル
    を有する携帯式コンピュータ。
  10. 前記アイソレーション・ケーブルが前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間を通過する前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルまたはいずれか一方である請求項9に記載の携帯式コンピュータ。
  11. 筐体が金属で形成された携帯式コンピュータに搭載が可能なアンテナ・システムであって、
    前記筐体の周辺部に配置され前記筐体をグランド素子として利用する第1の放射素子を含む第1のアンテナと、
    前記筐体の周辺部に配置され前記筐体をグランド素子として利用し前記第1の放射素子と同一の周波数帯に適応する第2の放射素子を含む第2のアンテナと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間に配置され前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間の電磁波の伝搬を抑制するアイソレーション・ケーブル
    を有するアンテナ・システム。
  12. 前記アイソレーション・ケーブルが前記携帯式コンピュータの電子デバイスに接続されたケーブルである請求項11に記載のアンテナ・システム。
  13. 金属で形成されたディスプレイ筐体を含む携帯式コンピュータに搭載するアンテナの利得を向上する方法であって、
    第1の放射素子を前記ディスプレイ筐体の周辺部に配置するステップと、
    前記第1の放射素子と同一周波数帯に適応する第2の放射素子を前記ディスプレイ筐体の周辺部に配置するステップと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子のそれぞれに、同軸ケーブルの内部導体を接続するステップと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子のそれぞれに対するグランドとして前記同軸ケーブルの外部導体を前記ディスプレイ筐体に接続するステップと、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間での電磁波の伝搬を抑制するように前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間にアイソレーション・ケーブルを挿入するステップと
    を有する方法。
  14. アイソレーション・ケーブルを挿入するステップが、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子の間に前記同軸ケーブルを通過させるステップを含む請求項13に記載の方法。
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