JP5717776B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
また、伝熱管に膨張容積部及び小孔を設けて消音する熱交換器(特許文献3参照)、熱媒体液の流通路に邪魔板を設けて沸騰により生じた蒸気泡の流れと、蒸気の凝縮水の流れを制御して消音する装置(特許文献4参照)、缶体内に遮蔽板を設け、沸騰による熱媒体の衝撃波が缶体の側壁に直接衝突するのを防止する方法(特許文献5参照)が提案されている。
その一は、放熱パネルに部分的に加熱がまだらになること、すなわち均一加熱性が十分でないことである。
その二は、加熱時の異常騒音及び振動の発生の多くは減少したが、定常的な運転時に依然として異常騒音及び振動の発生があることである。
放熱パネルは、加熱される熱媒液の蒸気発生部から放熱用パネルへ蒸気を導入する蒸気導入管及び放熱用パネルから蒸気発生部へ復水させる復水管を用い、放熱用パネルに蒸気を充満させ凝縮潜熱を放出させて加熱を行う仕組みになっているが、放熱用パネルの不均一な加熱を引き起こす原因は不明であり、また定常的な運転時の騒音及び振動の発生の原因も不明であり、それを防止する対策もなかった。
1.加熱される熱媒液の蒸気発生部、放熱用パネル、蒸気発生部から放熱用パネルへ蒸気を導入する蒸気導入管及び放熱用パネルから蒸気発生部へ復水させる復水管を備え、前記蒸気発生部の中に熱源を配置し、該熱源の周囲に、熱媒液の流通間隙ができる複数の耐熱材料製の成形体を充填した熱交換器において、前記放熱用パネルから蒸気発生部への復水管の接続位置を、蒸気発生部の熱媒液面よりも下方に位置させて、放熱用パネルの均一加熱を図り、かつ蒸気発生部内において、内部に封入される熱媒液の液面から上方の空間の容積を、加熱能力1000kcal/h当たり、300,000mm3以上とすることを特徴とする熱交換器を提供する。
2.加熱される熱媒液の蒸気発生部、放熱用パネル、蒸気発生部から放熱用パネルへ蒸気を導入する蒸気導入管及び放熱用パネルから蒸気発生部へ復水させる復水管を備え、前記蒸気発生部の中に熱源を配置し、該熱源の周囲に、熱媒液の流通間隙ができる複数の耐熱材料製の成形体を充填した熱交換器において、前記放熱用パネルから蒸気発生部への復水管の接続位置を、蒸気発生部の熱媒液面よりも下方に位置させると共に、蒸気発生部への復水管の途中に、復水管の断面を縮小したオリフィスを設けて、放熱用パネルの均一加熱を図り、かつ蒸気発生部内において、内部に封入される熱媒液の液面から上方の空間の容積を、加熱能力1000kcal/h当たり、300,000mm3以上とすることを特徴とする熱交換器を提供する。
3.蒸気発生部への放熱用パネルにおける復水管の接続位置を放熱用パネルの下端に位置させ、かつ蒸気導入管を蒸気発生部上端から放熱用パネルの上端に接続したことを特徴とする上記1又は2に記載の熱交換器。
4.前記耐熱材料製の成形体の充填面が、蒸気発生部の中に封入される熱媒液の液面より10mm以上高いことを特徴とする上記1)〜3のいずれかに記載の熱交換器、を提供する。
また、これは加熱時に放熱用パネルの両端に設けた蒸気導入側ヘッダー、復水側ヘッダーの両側に熱媒液が溜まり、蒸気の通過によって溜まった熱媒液が攪拌されることによって発生する騒音をなくすことができる効果を有する。
本願発明の熱交換器において、放熱用パネルの加熱の不均一性は、放熱用パネルの両端に設けた蒸気導入側ヘッダー、復水側ヘッダーにそれぞれ連通する蒸気導入管及び復水管の双方から蒸気が導入されることが放熱用パネルの温度にばらつきを生ずる、すなわち放熱パネルを均一に加熱できない原因と考えられる。
これは、復水管に流入する蒸気の蒸発面が、復水管のオリフィス断面にまで縮小されるために、復水管への逆流が防止でき、放熱用パネルへの蒸気流入が、ほぼ蒸気導入管のみから行われるからである。これによって、放熱用パネル温度の均一化を図ることができる。
これによっても同様に、放熱用パネルの均一加熱が可能となり、放熱用パネルの加熱効率を上昇させることができるという効果を有する。
前記蒸気発生部への放熱用パネルにおける復水管の接続位置を放熱用パネルの下端に位置させること及び前記蒸気導入管を蒸気発生部上端から放熱用パネルの上端に接続すること自体は、従来と同様であるが、本願発明はこれらを包含するものである。
これは、騒音を生じる現象は、熱媒液の沸騰に伴って生じる気泡によって熱媒液面が上昇し、蒸気発生部上面を超え、蒸気導入側、復水側のヘッダーに達するために起こると考えられる。この結果、熱媒液の蒸発はヘッダー内の液面から行われることになり、液中から上昇してくる気泡が熱媒液を攪拌し、騒音を発生すると考えられる。
これを解消するためには、加熱中の熱媒液面が蒸気発生部上面を超えないよう、液面上の空隙を確保すればよいことになる。本願請求項6及び段落[0010]に記載する発明は、これを解決するために行われたものである。
図1は、従来の熱交換器(本発明者等による先の発明)の概略説明図である。直方体状の熱交換器に熱源2(例えば電気ヒータ)を配置し、熱交換器に水等の熱媒液4を入れると共に、熱媒液4内には耐熱材料製の球状等の成形体10を充填したものである。熱媒液の加熱用の熱源2は、熱電対等の熱媒液温度センサーの信号により制御される。
この耐熱性の成形体10を熱媒液中に充填することにより、対流運動を抑制することができる。すなわち、熱源2で加熱された熱媒液4は、周囲にはあまり拡散せず、温度上昇による密度の低下により、上方のみにゆっくりと移動する。
図2の無地及び薄い色の斜線部は温度低下部分を示す。これは発熱面に無駄があり、効率が悪くなるという問題となる。この原因は、上記の通り、放熱用パネルの両端に設けた蒸気導入側ヘッダー、復水側ヘッダーにそれぞれ連通する蒸気導入管及び復水管の双方から蒸気が導入されるためである。
これによって、復水管に流入する蒸気の流路が、復水管のオリフィス断面にまで縮小されるために、復水管への逆流が防止でき、放熱用パネルへの蒸気流入が、ほぼ蒸気導入管のみから行われるからである。復水管から放熱用パネルへの蒸気流入を制限することにより、放熱用パネルを均一に加熱できる。
蒸気発生部への復水管の接続位置を熱媒液面よりも下方に位置させることによって、蒸発面が復水管の位置よりも上方になり、復水管に流入する蒸気の蒸発面が復水管の断面にまで縮小されるため、復水管を経由した放熱用パネルへの蒸気侵入が無くなるからである。これによっても同様に、放熱用パネルの均一加熱が可能となり、放熱用パネルの加熱効率を上昇させることができるという効果を有する。
これを解決するために、図3の形態において、復水管9の断面を縮小するオリフィス11を設けた。これにより、放熱用パネルの温度のばらつきを減少させると同時に、熱交換器の騒音や振動を同時に抑制できる効果を有する。なお、図示の通り、蒸気発生部の形状は円筒形、矩形を問わない。
図6に、図3の条件である復水管9の断面を縮小するオリフィス11を設け、蒸気発生部の形状を円筒形1種類、矩形2種類とした場合、騒音レベルが40dB(A)以下になった時の液面上方空間の容積を求めた実験結果である。
すなわち、図4の条件である放熱用パネル1から蒸気発生部5への復水管9の接続位置を熱媒液面よりも下方に位置させた場合であり、放熱用パネルの温度のばらつきを減少させると同時に、熱交換器の騒音や振動を同時に抑制できる効果を有する。
また、蒸気発生部内において、内部に封入される熱媒液の液面から上方の空間の容積を、加熱能力1000kcal/h当たり300,000mm3以上とすることにより、熱交換器の運転時の振動又は騒音を、特に抑制できる著しい効果を有する。その上限は、液面を下げていき、加熱体が露出する直前の空間容積である。
以上から、電気ヒータによる加熱、灯油・重油あるいはガス燃料を燃焼させた燃焼排気を熱源とする加熱ヒータ、高温蒸気を熱源とするヒータ等を用いた熱交換装置の放熱用パネルの均一加熱に極めて有用である。
2:熱源
3:熱交換部
4:熱媒液
5:蒸気発生部
6:蒸気導入管
7:蒸気導入側ヘッダー
8:復水側ヘッダー
9:復水管
10:充填材
11:オリフィス
Claims (4)
- 加熱される熱媒液の蒸気発生部、放熱用パネル、蒸気発生部から放熱用パネルへ蒸気を導入する蒸気導入管及び放熱用パネルから蒸気発生部へ復水させる復水管を備え、前記蒸気発生部の中に熱源を配置し、該熱源の周囲に、熱媒液の流通間隙ができる複数の耐熱材料製の成形体を充填した熱交換器において、前記放熱用パネルから蒸気発生部への復水管の接続位置を、蒸気発生部の熱媒液面よりも下方に位置させて、放熱用パネルの均一加熱を図り、かつ蒸気発生部内において、内部に封入される熱媒液の液面から上方の空間の容積を、加熱能力1000kcal/h当たり、300,000mm3以上とすることを特徴とする熱交換器。
- 加熱される熱媒液の蒸気発生部、放熱用パネル、蒸気発生部から放熱用パネルへ蒸気を導入する蒸気導入管及び放熱用パネルから蒸気発生部へ復水させる復水管を備え、前記蒸気発生部の中に熱源を配置し、該熱源の周囲に、熱媒液の流通間隙ができる複数の耐熱材料製の成形体を充填した熱交換器において、前記放熱用パネルから蒸気発生部への復水管の接続位置を、蒸気発生部の熱媒液面よりも下方に位置させると共に、蒸気発生部への復水管の途中に、復水管の断面を縮小したオリフィスを設けて、放熱用パネルの均一加熱を図り、かつ蒸気発生部内において、内部に封入される熱媒液の液面から上方の空間の容積を、加熱能力1000kcal/h当たり、300,000mm3以上とすることを特徴とする熱交換器。
- 蒸気発生部への放熱用パネルにおける復水管の接続位置を放熱用パネルの下端に位置させ、かつ蒸気導入管を蒸気発生部上端から放熱用パネルの上端に接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
- 前記耐熱材料製の成形体の充填面が、蒸気発生部の中に封入される熱媒液の液面より10mm以上高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器。
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