以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る混合計量用組合せ秤を側方から見た一部断面の概略模式図であり、図1(b)は、同組合せ秤の集合シュート及び計量ホッパを上方から見た概略模式図であり、図1(c)は、同組合せ秤の分散フィーダを上方から見た概略模式図である。なお、図1(a)は後述の制御装置と操作設定表示部とを併せて示している。
この実施形態の混合計量用組合せ秤(以下、単に「組合せ秤」ともいう)は、図1(a)に示すように、装置中央に配設されたセンター基体(ボディ)1の上部に、外部の供給装置(図示せず)から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ2が設けられている。分散フィーダ2の周囲には、分散フィーダ2から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送り込むための複数のリニアフィーダ4が設けられている。各リニアフィーダ4の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ5がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ5はそれぞれセンター基体1の周囲に円状に配置されている。分散フィーダ2、リニアフィーダ4、供給ホッパ3及び計量ホッパ5は、センター基体1に取り付けられている。また、各計量ホッパ5には、計量ホッパ5内の被計量物の重量を計量するロードセル等の重量センサ6が取り付けられ、各重量センサ6による計量値は、センター基体1内に配設された制御装置10へ出力される。
円状に列設された計量ホッパ5の下方には、略逆円錐状の集合シュート7が配設されている。
この組合せ秤の下方には、集合シュート7の下部排出口7aに対応する包装機が配置されており、ミックス計量された被計量物は、集合シュート7を介して包装機へ投入され、包装機で包装される。
この実施形態では、一例として3つの第1〜第3の品種A,B,Cの被計量物をミックス計量して包装機へ排出し、包装機で包装する場合に適用して説明する。ミックス計量される各品種の被計量物は、特に限定されないが、例えば、品種の異なるキャンディなどのミックス計量に好適である。
ここでは、図1(b)に示す第1のグループG1の計量ホッパ5には、第1の品種Aの被計量物が供給され、第2のグループG2の計量ホッパ5には、第2の品種Bの被計量物が供給され、第3のグループG3には、第3の品種の被計量物が供給されるように構成されている。すなわち、図1(c)に示すように、分散フィーダ2上に、異なる品種A,B,Cの被計量物が混じらないようにするための仕切り板9が配設され、分散フィーダ2上の領域が仕切り板9によって3つの第1〜第3の領域2a〜2cに区画されている。外部の供給装置から、第1の領域2aに第1の品種Aの被計量物が供給され、第2の領域2bに第2の品種Bの被計量物が供給され、第3の領域2cに第3の品種Cの被計量物が供給される。
分散フィーダ2の第1の領域2aに供給された第1の品種Aの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第1のグループG1の計量ホッパ5に供給される。分散フィーダ2の第2の領域2bに供給された第2の品種Bの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第2のグループG2の計量ホッパ5に供給される。分散フィーダ2の第3の領域2cに供給された第3の品種Cの被計量物は、リニアフィーダ4及び供給ホッパ3を介して第3のグループG3の計量ホッパ5に供給される。
制御装置10は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、各フィーダ2,4や各ホッパ3,5等の各部を制御して組合せ秤全体の動作を制御する。また、制御装置10は、組合せ演算手段としての機能を有し、各重量センサ6からの計量値に基づいて、後述する組合せ演算を行うことにより、集合シュート7に対して、被計量物を排出すべき計量ホッパ5の組合せである排出組合せを決定する。
この制御装置10に対して、種々の操作設定を行う操作設定表示部11は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作および後述の優先パターンを設定するための設定項目を含む運転パラメータ等の設定を行なうと共に、運転速度や組合せ秤計量値等を画面に表示する。
この実施形態では、上述のように第1〜第3の品種A,B,Cの被計量物をミックス計量するのであるが、品種毎に順番に組合せ演算を行って排出すべき計量ホッパ5の組合せである排出組合せを選択する際に、最後に組合せ演算が行われる第3の品種Cの組合せが成立せず、稼働率が低下するのを抑制するために、次のようにしている。
すなわち、この実施形態では、第1,第2の品種A,Bについては、各品種に対応するグループG1,G2の計量ホッパ5の被計量物の重量を組合せた組合せ重量が許容範囲内となる適量組合せの中に、目標組合せに等しい適量組合せがない場合に、排出組合せとしていずれの適量組合せを優先的に選択するかの優先パターンを設定項目として操作設定表示部11に設定できるようにしている。
この優先パターンには、計量ホッパ5の被計量物の重量を組合せた組合せ重量が、目標組合せ重量よりも大きく、かつ、目標組合せ重量に最も近い適量組合せを排出組合せとして優先的に選択する優先パターン(以下「上限側優先パターン」ともいう)と、前記組合せ重量が、目標組合せ重量よりも小さく、かつ、目標組合せ重量に最も近い適量組合せを前記排出組合せとして優先的に選択する優先パターン(以下「下限側優先パターン」ともいう)と、前記組合せ重量が、目標組合せ重量に最も近い(目標組合せ重量に対する偏差の絶対値が最も小さい)適量組合せを前記排出組合せとして優先的に選択する優先パターン(以下「絶対値優先パターン」ともいう)とがあり、いずれかの優先パターンを選択して設定することができる。なお、最後に組合せ演算が行われる第3品種Cについては、全ての品種A,B,Cを組合せた全体としての目標組合せ重量を下回ることはできないので、従来と同様に、上限側の許容範囲内で選択される。
被計量物は、その品種によって、目標組合せ重量よりも大きい組合せ重量の適量組合せが出来易く、あるいは、逆に目標組合せ重量よりも小さな組合せ重量の適量組合せが出来易い場合がある。
そこで、目標組合せ重量よりも大きい組合せ重量の適量組合せが出来易い品種では、目標組合せ重量よりも大きな組合せ重量の適量組合せを優先的に選択する上限側優先優先パターンを設定し、あるいは、逆に目標組合せ重量よりも小さな組合せ重量の適量組合せが出来易い品種では、目標組合せ重量よりも小さな組合せ重量の適量組合せを優先的に選択する下限側優先パターンを設定することにより、組合せが成立し易くなる。
この実施形態では、第1,第2の品種については、作業者が、設定手段としての操作設定表示部11を操作して、上限側優先パターン、下限側優先パターン、または、絶対値優先パターンのいずれかを設定する。
更に、操作設定表示部11を操作して、従来例と同様に、全ての品種A,B,Cの被計量物を組合せた全体についての目標組合せ重量とその許容上限値とを設定すると共に、第1,第2の各品種A,Bについて、品種毎の被計量物の目標組合せ重量と許容上限値と許容下限値とを設定する。
なお、複数の品種の被計量物を混合して個数計量を行うような場合には、品種毎の目標組合せ重量として、品種毎の単体重量に目標個数(整数)を乗算した値を設定する。また、個数計量の場合には、目標組合せ重量等の設定に加えて、品種毎の目標組合せ個数、全ての品種の組合せ個数を加えた全体についての目標組合せ個数等を設定し、個数についても組合せ条件を満足するように組合せ演算を行ってもよい。
図2は、この実施形態の混合計量用組合せ秤の全体の動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、制御装置10は、各品種A,B,Cの被計量物を分散フィーダ2に供給する供給装置の駆動停止を制御して、分散フィーダ2上への各品種A,B,Cの被計量物の供給量を制御する供給装置制御を行う(ステップs1)。
次に、分散フィーダ2の駆動を制御して被計量物を周囲へ分散させてリニアフィーダ4へ供給する分散フィーダ制御を行う(ステップs2)。
次に、リニアフィーダ4の駆動を制御して、空の供給ホッパ3に対応するリニアフィーダ4を振動させて被計量物を当該空の供給ホッパ3に供給するリニアフィーダ制御を行う(ステップs3)。
次に、ステップs4の供給ホッパ制御に移る。この供給ホッパ制御では、空の計量ホッパ5に対応する供給ホッパ3の投入用のゲートを開放して、被計量物を当該空の計量ホッパ5へ投入し、ステップs5へ移る。
ステップs5では、計量ホッパ5に被計量物が投入されると、対応する重量センサ6によって、前記計量ホッパ5に投入された被計量物の重量を計量し、計量値を制御装置10に取込む計量制御を行う。
次に、各グループG1〜G3の計量ホッパ5に投入されている各品種A,B,Cの被計量物の重量に基づいて、品種毎に順番に後述の組合せ演算を行う(ステップs6)。
その後、包装機からの排出命令信号の入力があったか否かを判断し(ステップs7)、排出命令信号の入力があったときには、計量ホッパ5のゲートを制御して、組合せ演算によって選択された排出組合せの計量ホッパ5の被計量物を、集合シュート7へ排出する計量ホッパ制御を行い(ステップs8)、ステップs1に戻る。以下、上述と同様の計量サイクルを繰り返すことによって、ミックス計量された被計量物が包装機へ排出され、包装機で包装される。
なお、上記ステップs6において、組合せ演算が成立せず、排出組合せが得られないときには、従来と同様に、例えば、所定の計量ホッパ5から被計量物を、包装機外へ強制的に排出させる。
図3〜図5は、図2のステップs6の組合せ演算の一例の詳細を示すフローチャートである。
先ず、図3に示すように、第1の品種Aに対応する第1のグループG1の計量ホッパ5の組合せのパターンが記録されている領域を指定する組合せパターンデータアドレスを初期化し(ステップs601)、目標組合せ重量よりも大きいプラス側の組合せ重量を記録するプラス側記録領域のデータを初期化し(ステップs602)、目標組合せ重量よりも小さいマイナス側の組合せ重量を記録するマイナス側記録領域のデータを初期化する(ステップs603)。
次に、組合せパターンデータアドレスに対応する計量ホッパ2の組合せパターンを読み込み(ステップs604)、組合せパターンの計量ホッパ5の計量値を加算して組合せ重量を求め(ステップs605)、この求めた新たな組合せ重量が、第1の品種Aの目標組合せ重量以上であるか否かを判断する(ステップs606)。新たな組合せ重量が、第1の品種Aの目標組合せ重量以上であるときには、この新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量より小さいか否かを判断し(ステップs607)、小さいときには、新たな組合せ重量が、記録されている組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、この新たな組合せ重量でプラス側記録領域のデータを更新してステップs611に移る(ステップs608)。ステップs607において、新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量より小さくない、すなわち、大きいときには、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量が、新たな組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、ステップs611に移る。
ステップs606において、新たな組合せ重量が、第1の品種Aの目標組合せ重量以上でないときには、新たな組合せ重量が、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量より大きいか否かを判断し(ステップs609)、大きいときには、新たな組合せ重量が、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、この新たな組合せ重量でマイナス側記録領域のデータを更新してステップs611に移る(ステップs610)。 ステップs609において、新たな組合せ重量が、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量より大きくない、すなわち、小さいときには、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量が、新たな組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、ステップs611に移る。
ステップs611では、第1の品種Aに対応する第1のグループG1の計量ホッパ5の組合せのパターンが記録されている領域を指定する組合せパターンデータアドレスを増加させ、全ての組合せのパターンのデータが終了したか否かを判断し(ステップs612)、終了していないときには、ステップs604に戻って次の組合せパターンを読み込む。
ステップs612において、全ての組合せパターンのデータが終了したときには、第1の品種Aについて、上述の優先パターンとして、絶対値優先パターンが設定されているか否かを判断する(ステップs613)。第1の品種Aについて、絶対値優先パターンが設定されているときには、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量とマイナス側記録領域に記録されている組合せ重量の内、第1の品種Aの目標組合せ重量に近い組合せ重量、すなわち、偏差の絶対値が最も小さい組合せを選択し(ステップs614)、ステップs618に移る。
ステップs613において、第1の品種Aについて、絶対値優先パターンが設定されていないときには、下限側優先パターンが設定されているか否かを判断し(ステップs615)、下限側優先パターンが設定されているときには、目標組合せ重量よりも小さく、かつ、目標組合せ重量に最も近い組合せ重量が記録されているマイナス側記録領域の組合せ重量を選択し(ステップs614)、ステップs618に移る。
ステップs615において、下限側優先パターンが設定されていないときには、上限側優先パターンが設定されているとして、目標組合せ重量よりも大きく、かつ、目標組合せ重量に最も近い組合せ重量が記録されているプラス側記録領域の組合せ重量を選択してステップs618に移る(ステップs617)。
ステップs618では、ステップs614、ステップs616またはステップs617で選択した組合せ重量が、第1の品種Aの目標組合せ重量の許容上限値と許容下限値とで規定される許容範囲内であるか否かを判断し、許容範囲内でないときには、エラー表示をして終了し(ステップs619)、許容範囲内であるときには、選択した組合せ重量の計量ホッパ5が、第1の品種Aの排出組合せとされ、ステップs620に移る。
ステップs620では、第2の品種Bの目標組合せ重量を補正し(ステップs620)、図4のステップ621に移る。この第2の品種Bの目標組合せ重量の補正は、ステップs614、ステップs616またはステップs617で選択され、ステップs618で許容範囲内である判断された第1品種Aの排出組合せの組合せ重量と第1の品種Aの目標組合せ重量との差を補償するように行う。
次に、図4のステップs621では、第2の品種Bに対応する第2のグループG2の計量ホッパ5の組合せのパターンが記録されている領域を指定する組合せパターンデータアドレスを初期化し、目標組合せ重量よりも大きいプラス側の組合せ重量を記録するプラス側記録領域のデータを初期化し(ステップs622)、目標組合せ重量よりも小さいマイナス側の組合せ重量を記録するマイナス側記録領域のデータを初期化する(ステップs623)。
次に、組合せパターンデータアドレスに対応する計量ホッパ2の組合せパターンを読み込み(ステップs624)、組合せパターンの計量ホッパ5の計量値を加算して組合せ重量を求め(ステップs625)、この求めた新たな組合せ重量が、第2の品種Bの目標組合せ重量以上であるか否かを判断する(ステップs626)。新たな組合せ重量が、第2の品種Bの目標組合せ重量以上であるときには、この新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量より小さいか否かを判断し(ステップs627)、小さいときには、新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、この新たな組合せ重量でプラス側記録領域のデータを更新してステップs631に移る(ステップs628)。ステップs627において、新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量より小さくないときには、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量が、新たな組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、ステップs631に移る。
ステップs626において、新たな組合せ重量が、第2の品種Bの目標組合せ重量以上でないときには、新たな組合せ重量が、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量より大きいか否かを判断し(ステップs629)、大きいときには、新たな組合せ重量が、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、この新たな組合せ重量で、マイナス側記録領域のデータを更新してステップs631に移る(ステップs630)。ステップs629において、新たな組合せ重量が、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量より大きくないときには、マイナス側記録領域に記録されている組合せ重量が、新たな組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、ステップs631に移る。
ステップs631では、第2の品種Bに対応する第2のグループG2の計量ホッパ5の組合せのパターンが記録されている領域を指定する組合せパターンデータアドレスを増加させ、全ての組合せパターンのデータが終了したか否かを判断し(ステップs632)、終了していないときには、ステップs624に戻って次の組合せパターンを読み込む。
ステップs632において、全ての組合せパターンのデータが終了したときには、第2の品種Bについて、絶対値優先パターンが設定されているか否かを判断する(ステップs633)。第2の品種Bについて、絶対値優先パターンが設定されているときには、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量とマイナス側記録領域に記録されている組合せ重量の内、第2の品種Bの目標組合せ重量に近い組合せ重量を選択し(ステップs634)、ステップs638に移る。
ステップs633において、第2の品種Bについて、絶対値優先パターンが設定されていないときには、下限側優先パターンが設定されているか否かを判断し(ステップs635)、下限側優先パターンが設定されているときには、目標組合せ重量よりも小さく、かつ、目標組合せ重量に最も近い組合せ重量が記録されているマイナス側記録領域の組合せ重量を選択し(ステップs636)、ステップs638に移る。
ステップs635において、下限側優先パターンが設定されていないときには、上限側優先パターンが設定されているとして、目標組合せ重量よりも大きく、かつ、目標組合せ重量に最も近い組合せ重量が記録されているプラス側記録領域の組合せ重量を選択してステップs638に移る(ステップs637)。
ステップs638では、ステップs634、ステップs636またはステップs637で選択した組合せ重量が、第2の品種Bの目標組合せ重量の許容範囲内であるか否かを判断し、許容範囲内でないときには、エラー表示をして終了し(ステップs639)、許容範囲内であるときには、選択した組合せ重量の計量ホッパ5が、第2の品種Bの排出組合せとされ、ステップs640に移る。
ステップs640では、第3の品種Cの目標組合せ重量を算出し(ステップs640)、図5のステップ641に移る。この第3の品種Cの目標組合せ重量は、全ての品種A,B,Cの被計量物を組合せた全体についての目標組合せ重量から、上述の図3のステップs618及び前記ステップs638でそれぞれ排出組合せとされた第1,第2の品種A,Bの各組合せ重量を減算して算出される。
次に、図5のステップs641では、第3の品種Cに対応する第3のグループG3の計量ホッパ5の組合せのパターンが記録されている領域を指定する組合せパターンデータアドレスを初期化し(ステップs641)、目標組合せ重量よりも大きいプラス側の組合せ重量を記録するプラス側記録領域のデータを初期化し(ステップs642)、目標組合せ重量よりも小さいマイナス側の組合せ重量を記録するマイナス側記録領域のデータを初期化する(ステップs643)。
次に、組合せパターンデータアドレスに対応する計量ホッパ2の組合せパターンを読み込み(ステップs644)、組合せパターンの計量ホッパ5の計量値を加算して組合せ重量を求め(ステップs645)、この求めた新たな組合せ重量が、第3の品種Cの目標組合せ重量以上であるか否かを判断する(ステップs646)。新たな組合せ重量が、第3の品種Cの目標組合せ重量以上であるときには、この新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量より小さいか否かを判断し(ステップs647)、小さいときには、新たな組合せ重量が、目標組合せ重量に近いので、この新たな組合せ重量で、プラス側記録領域の組合せ重量を更新してステップs649に移る(ステップs648)。ステップs647において、新たな組合せ重量が、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量より小さくないときには、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量が、新たな組合せ重量よりも目標組合せ重量に近いので、ステップs649に移る。
ステップs646において、新たな組合せ重量が、第3の品種Cの目標組合せ重量以上でないときには、全ての品種A,B,Cの被計量物を組合せた組合せ重量が、全体として目標組合せ重量を下回ることになるので、そのままステップs649に移る。
ステップs649では、第3の品種Cに対応する第3のグループG3の計量ホッパ5の組合せパターンが記録されている領域を指定する組合せパターンデータアドレスを増加させ、組合せパターンのデータが終了したか否かを判断し(ステップs650)、終了していないときには、ステップs644に戻って次の組合せパターンを読み込み、終了したときには、プラス側記録領域に記録されている組合せ重量が、第3の品種Cの目標組合せ重量の許容上限内であるか否かを判断し(ステップs651)、許容上限内でないときには、エラー表示をして終了し(ステップs652)、許容上限内であるときには、その組合せ重量の計量ホッパ5が、第3の品種Cの排出組合せとされて終了する。
このように第1,第2の品種A,Bについては、品種に応じて、組合せが成立し易い優先パターンを設定できるので、品種毎に優先パターンを設定できない従来例に比べて組合せが成立し易くなり、組合せ不成立による稼働率の低下を抑制することができる。
また、最後に組合せ演算が行われる第3の品種Cでは、上述のように組合せが成立しにくいが、この実施形態によれば、先に組合せ演算が行われる第1,第2の品種A,Bの少なくとも一方の品種、例えば、第2の品種Bについて、目標組合せ重量よりも大きく、かつ、目標組合せ重量に最も近い適量組合せを排出組合せとして優先的に選択する上限側優先パターンを設定することによって、第2の品種Bでは、許容上限値側のプラス方向の適量組合せが優先的に選択されることになり、目標組合せ重量に対してプラス方向の偏差が生じることになる。これによって、許容上限値しかない第3の品種Cでは、第2の品種Bで生じたプラス方向の偏差を補償するために、その目標組合せ重量が、マイナス方向、すなわち、小さくなって、組合せが成立し易くなり、第3の品種Cの組合せの不成立による稼働率の低下を抑制することができる。
以上のように、この実施形態によれば、組合せが成立し易いように、品種毎に優先パターンを選択して設定することができるので、従来例に比べて組合せが成立し易くなり、組合せの不成立による稼働率の低下を抑制することができる。
(実施形態2)
上述の実施形態では、品種に応じて優先パターンを設定できるようにしたけれども、本発明の他の実施形態として、品種毎の被計量物の実測値に基づいて、優先パターンを自動的に決定するようにしてもよい。
混合計量用組合せ秤において、複数の品種の被計量物を混合して個数計量を行うような場合には、上述のように、品種毎の目標組合せ重量として、品種毎の単体重量に目標個数(整数)を乗算した重量を用いることがある。かかる場合に、実際に計測される品種毎の被計量物の重量から単体重量の平均値を算出し、この単体重量の平均値を整数倍した値の内、最も目標組合せ重量に近い値が、目標組合せ重量よりも大きいか否かによって、その品種が、目標組合せ重量よりも大きい組合せ重量の適量組合せが出来易い品種であるか、あるいは、逆に目標組合せ重量よりも小さな組合せ重量の適量組合せが出来易い品種であるかを把握することができる。
そこで、この実施形態では、品種毎に実測される被計量物の重量に基づいて、単体重量の平均値を算出し、この平均値を整数倍した値の内、目標組合せ重量に最も近い値と目標組合せ重量との大小に基づいて、品種毎の優先パターンを決定するものである。
この実施形態も上述の実施形態と同様に、第1〜第3の品種A,B,Cの被計量物をミックス計量するものであり、品種毎に実測される被計量物の重量に基づいて、優先パターンを決定する以外は、上述の実施形態と基本的に同様である。
図6は、この実施形態の組合せ演算の処理を示すフローチャートである。
ステップs701の第1の品種Aの組合せ演算では、その優先パターンを第2の品種Bの実測値に基づいて決定するものである。
ステップs702の第2の品種Bの組合せ演算では、その優先パターンを第3の品種Cの実測値に基づいて決定するものである。
ステップs703の第3の品種Cの組合せ演算では、最後の品種であるので、上述の実施形態と同様に上限側の優先パターンが設定される。
図7および図8は、図6の第1の品種A及び第2の品種Bの組合せ演算における優先パターンの決定のための処理を示すフローチャートであり、図7は、第2の品種B及び第3の品種Cの単体重量データの採取処理を、図8は、採取した単体重量データに基づく、優先パターンの決定処理を示している。
先ず、図7に示すように、第2の品種Bの被計量物が投入された計量ホッパ5の被計量物の計量値をWbとし(ステップs801)、この計量値Wbを、予め操作設定表示部11に設定されている第2の品種Bの単体重量で除算し、その値を、a+bとする(ステップs802)。ここで、aは整数、bは小数点以下の実数とする。
次に、bが0≦b≦0.1であるか否かを判断し(ステップs803)、0≦b≦0.1であるときには、前記計量値Wbを、前記整数値aで除算した値を、単体重量データとして記憶し(ステップs804)、ステップs807に移る。
ステップs803において、bが0≦b≦0.1でないときには、bが0.9≦b<1.0であるか否かを判断し(ステップs805)、0.9≦b<1.0であるときには、前記計量値Wbを、前記整数値aに1を加えた値(a+1)で除算した値を単体重量データとして記憶し(ステップs806)、ステップs807に移る。なお、bが、0.1以下または0.9以上でないときには、被計量物の割れや欠けなどが生じていて有効なデータを採取できないとしてステップs807に移る。この有効なデータを採取するための閾値となる数値は、予め設定されるものであり、0.1,0.9に限らず、他の数値としてもよい。
次に、第3の品種Cについても同様の処理を行なう。すなわち、ステップs807では、第3の品種Cの被計量物が投入された計量ホッパ5の被計量物の計量値をWcとし、この計量値Wcを、予め操作設定表示部11に設定されている第3の品種Cの単体重量で除算し、その値を、c+dとする(ステップs808)。ここで、cは整数、dは小数点以下の実数とする。
次に、dが0≦d≦0.1であるか否かを判断し(ステップs809)、0≦d≦0.1であるときには、前記計量値Wcを、前記整数値cで除算した値を単体重量データとして記憶し(ステップs810)、図8のステップs813に移る。
ステップs809において、dが0≦d≦0.1でないときには、dが0.9≦d<1.0であるか否かを判断し(ステップs811)、0.9≦b<1.0であるときには、前記計量値Wcを、前記整数値cに1を加えた値(c+1)で除算した値を単体重量データとして記憶し(ステップs812)、図8のステップs813に移る。
図8のステップs813では、第2の品種Bについての単体重量データの採取が、予め設定されている所定回数に達したか否かを判断し、所定回数に達したときには、採取した単体重量データに基づいて、単体重量データの平均値と標準偏差とを算出する(ステップs814)。所定回数に達していないときには、ステップs825に移る。
次に、標準偏差が、予め設定されている所定値以上であるか否かを判断し(ステップs815)、所定値以上でないときには、第2の品種Bの目標組合せ重量を単体重量データの平均値で除算し、その値を、e+fとする(ステップs816)。ここで、eは整数、fは小数点以下の実数とする。
次に、fが0≦f≦αであるか否かを判断する(ステップs817)。ここで、αは、有効にデータを採取するための閾値となるものであり、上述の図7のステップs803の数値「0.1」に対応するものである。
ステップs817において、fが0≦f≦αであるときには、単体重量データの平均値に整数eを乗算した値を、第2の品種Bの組合せ重量TCBとし(ステップs818)、ステップs819移る。ステップs817において、fが0≦f≦αでないときには、fがβ≦f<1.0であるか否かを判断する(ステップs821)。ここで、βは、有効にデータを採取するための閾値となるものであり、上述の図7のステップs805の数値「0.9」に対応するものである。
ステップs821において、fがβ≦f<1.0であるときには、単体重量データの平均値に(e+1)を乗算した値を、第2の品種Bの組合せ重量TCBとし(ステップs822)、ステップ819に移る。
ステップs819では、実測値に基く組合せ重量TCBが、第2の品種Bの目標組合せ重量より小さいか否かを判断する。組合せ重量TCBが、第2の品種Bの目標組合せ重量より小さいときには、第2の品種Bでは、目標組合せ重量よりも小さな組合せ重量の適量組合せが出来易いので、この第2の品種Bで組合せが成立し易いように、先に組合せ演算が行われる第1の品種Aの優先パターンを、上限側優先パターンに決定し、第1の品種Aでは、組合せ重量が目標組合せ重量よりも大きいプラス側の組合せを選択し(ステップs820)、ステップs825に移る。
このように第1の品種Aでは、組合せ重量が目標組合せ重量よりも大きいプラス側の組合せを選択するので、第1の品種Aでは、許容上限値側のプラス方向の適量組合せが優先的に選択されることになり、目標組合せ重量に対してプラス方向の偏差が生じることになる。これによって、第2の品種Bでは、第1の品種Aで生じたプラス方向の偏差を補償するために、その目標組合せ重量が、マイナス方向、すなわち、小さくなって、組合せが成立し易くなる。
ステップs819において、組合せ重量TCBが、第2の品種Bの目標組合せ重量より小さくないとき、すなわち、大きいときには、第2の品種Bでは、目標組合せ重量よりも大きな組合せ重量の適量組合せが出来易いので、この第2の品種Bで組合せが成立し易いように、先に組合せ演算が行われる第1の品種Aの優先パターンを、下限側優先パターンに決定し、第1の品種Aでは、組合せ重量が目標組合せ重量よりも小さいマイナス側の組合せを選択し(ステップs823)、ステップs825に移る。
ステップs815において、標準偏差が所定値以上であるとき、あるいは、ステップs821において、fがβ≦f<1.0でないときには、第1の品種Aの優先パターンを、絶対値優先パターンに決定し、第1の品種Aの偏差の小さい組合せを選択し(ステップs824)、ステップs825に移る。
次に、第3の品種Cについても同様の処理を行なう。すなわち、ステップs825では、第3の品種Cについての単体重量データの採取が、所定回数に達したか否かを判断し、所定回数に達したときには、採取した単体重量データに基づいて、単体重量データの平均値と標準偏差とを算出する(ステップs826)。
次に、標準偏差が所定値以上であるか否かを判断し(ステップs827)、所定値以上でないときには、第3の品種Cの目標組合せ重量を単体重量データの平均値で除算し、その値を、g+hとする(ステップs828)。ここで、gは整数、hは小数点以下の実数とする。
次に、hが0≦f≦αであるか否かを判断し(ステップs829)、hが0≦f≦αであるときには、単体重量データの平均値に整数gを乗算した値を、第3の品種Cの組合せ重量TCCとし(ステップs830)、ステップ831に移る。ステップs829において、hが0≦h≦αでないときには、hがβ≦h<1.0であるか否かを判断し(ステップs833)、β≦h<1.0であるときには、単体重量データの平均値に(g+1)を乗算した値を、第3の組合せ重量TCCとし(ステップs834)、ステップ831に移る。
ステップs831では、実測値に基く組合せ重量TCCが、第3の品種Cの目標組合せ重量より小さいか否かを判断する。組合せ重量TCCが、第3の品種Cの目標組合せ重量より小さいときには、第3の品種Cでは、目標組合せ重量よりも小さな組合せ重量の適量組合せが出来易いので、この第3の品種Cで組合せが成立し易いように、先に組合せ演算が行われる第2の品種Bの優先パターンを、上限側優先パターンに決定し、第2の品種Bでは、組合せ重量が目標組合せ重量よりも大きいプラス側の組合せを選択する(ステップs832)。
ステップs831において、組合せ重量TCCが、第3の品種Cの目標組合せ重量より小さくないとき、すなわち、大きいときには、第3の品種Cでは、目標組合せ重量よりも大きな組合せ重量の適量組合せが出来易いので、この第3の品種Cで組合せが成立し易いように、先に組合せ演算が行われる第2の品種Bの優先パターンを、下限側優先パターンに決定し、第2の品種Bでは、組合せ重量が目標組合せ重量よりも小さいマイナス側の組合せを選択する(ステップs835)。
ステップs827において、標準偏差が所定値以上であるとき、あるいは、ステップs833において、hがβ≦h<1.0でないときには、第2の品種Bの優先パターンを、絶対値優先パターンに決定し、第2の品種Bの偏差の小さい組合せを選択する(ステップs836)。
このように第3の品種Cの被計量物の実測値に基いて、組合せが成立し易いように、第2の品種Bの優先パターンを自動的に決定し、第2の品種Bの被計量物の実測値に基いて、組合せが成立し易いように第1の品種Aの優先パターンが自動的に決定されるので、作業者が優先パターンを設定することなく、組合せが成立し易い優先パターンが選択されることになり、従来例に比べて組合せが成立し易くなり、組合せの不成立による稼働率の低下を抑制することができる。
なお、被計量物の実測値に基づいて、優先パターンが決定されるまでの期間の組合せ演算は、予め操作設定表示部11に設定した優先パターンによって行えばよい。