本発明による穿孔工具の実施の形態について図1乃至図15を参照しながら説明する。図1に示すように、穿孔工具1は被穿孔材Wに穿孔するロータリーハンマドリルであり、ハンドル部10と、モータハウジング20と、ギヤハウジング60とによりハウジングが構成されている。以下においては、図1における右側(穿孔ビット2の先端側)を穿孔工具1の前端側として前後方向を定義し、前後方向と直交する方向であってハンドル部10がモータハウジング20から延出される方向を下側として上下方向を定義して説明する。また被穿孔材Wは、穿孔工具1の前端側に位置する。ハウジングの先後方向におけるハウジングの長さ、即ち図1における左右方向における長さは30cm〜40cm程度である。
ハンドル部10は、プラスチックで一体成型されて略U字状をなしており、その上部には、モータハウジング20の一部であって後述のモータ21を収容しているモータ収容部20Aが規定され、モータハウジング20の一部をなしている。ハンドル部10の後部10A下部には、電源ケーブル11が取付けられていると共に、後述のモータ21等に接続されるスイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には、作業者によって操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。トリガ13を操作することにより、インバータ回路部102への電源供給又は停止が切り替えられる。また、ハンドル部10の後部10Aであってトリガ13よりもすぐ下の部分は、後部10Aを穿孔工具1のユーザが把持したときに、中指と薬指によって把持される部分たる把持部10Cをなす。
ハンドル部10の前部10Bにおいて、その上部には先端方向に指向する距離センサ14が設けられている。距離センサ14は、波長は850nm程度の赤外線センサにより構成されており、先端・後端方向における距離センサ14から被穿孔材Wまでの間の距離:Xを測定値として測定可能である。
距離センサ14は、図2に示すようにその略全体が樹脂製のカバー14Aにより覆われている。カバー14Aの後部はゴムからなる弾性部材14Bを介してハンドル部10の前部10Bの上部に固定されている。距離センサ14は後述のマイコン110(図4)に電気的に接続されている。また、距離センサ14は後述の入力部23の穴深さ設定ボタン117(図4)に電気的に接続されており、穴深さ設定ボタン117においては後述のように所望の穿孔深さを入力可能である。入力される穿孔深さの値は、より具体的には、3cm〜6cm程度である。
モータハウジング20には、その外表面であって上方位置に入力端末(入力手段)である入力部23が設けられ、その内部にモータ21が収納されている。入力部23は、図3に示されるように、デジタル表示される表示部23Aと、深さ制御機能オン・オフボタン116と、穴深さ設定ボタン117と、原点位置設定ボタン118と深さ補正処理オン・オフボタン23Bとを備えている。深さ制御機能オン・オフボタン116は、後述する穴深さ設定ボタン117により設定された穴の深さで穿孔を行うか(深さ制御機能オン)、当該設定された穴の深さに係らず穿孔を行うか(深さ制御機能オフ)、の切換えを行っている。また制御機能オン・オフボタン116は、長押しすることにより、後述のマイコン110が校正モードに入る、校正モード切替ボタンとしても機能する。
穴深さ設定ボタン117は、穿孔しようとする穴の深さの設定を行っており、UPボタン117AとDOWNボタン117Bとを有している。原点位置設定ボタン118は、穿孔しようとする穴に対する原点位置に穿孔工具1をセットしたときに押圧することで原点位置の設定を行うと共に、長押し(五秒以上)することにより、後述の校正モードのオン・オフを切り替えている。深さ補正処理オン・オフボタン23Bは後述の補正値(Ls)を用いるか否かの設定を行っている。これらボタンは、それぞれ後述のマイコン110に接続されている。
図1に示されるモータ21は三相直流ブラシレスモータにより構成されており、後述のマイコン110により回転の制御が行われる。モータ21は前端側へ延出されて前後方向を軸方向とする出力軸22を備えており出力軸22は回転駆動力を出力する。出力軸22の基部には軸流ファン22Aが出力軸22と同軸的に一体回転可能に設けられている。
ギヤハウジング60は樹脂成型されて構成されており、モータハウジング20の前端側に設けられている。ギヤハウジング60内には、第一中間シャフト61が、出力軸22を延ばすように同軸的に配置され、軸受63により回転可能に支承されている。第一中間シャフト61の後端は出力軸22と連結している。第一中間シャフト61の先端には第四ギヤ61Aが設けられている。また、ギヤハウジング60内には、出力軸22と平行に第二中間シャフト72が、軸受72Bによってその軸心を中心に回転可能に支承されている。
第二中間シャフト72の後端部には、第四ギヤ61Aと噛合する第五ギヤ71が同軸固定されている。第二中間シャフト72の前端側にはギヤ部72Aが形成され、後述する第六ギヤ73と噛合している。ギヤハウジング60内であって第二中間シャフト72の上方の位置には、シリンダ74が設けられている。シリンダ74は第二中間シャフト72と平行に延びて回転可能に支承されている。第六ギヤ73はシリンダ74の外周に固定され、上述したギヤ部72Aとの噛合により、シリンダ74はその軸心を中心として回転可能である。
シリンダ74の前端側には工具保持部15が設けられており、後述の穿孔ビット2が着脱自在に取付けられる。第二中間シャフト72の中間部分には、バネによって後端側へ付勢されるクラッチ76がスプライン係合されており、クラッチ76は、ギヤハウジング60に設けられた図示せぬチェンジレバによってハンマドリル・モードとドリルモードとを切換え可能である。クラッチ76のモータ21側には、回転運動を往復運動に変換する運動変換部80が第二中間シャフト72に回転可能に外装されている。運動変換部80の腕部80Aは、第二中間シャフト72の回転により穿孔工具1の前後方向に往復動作可能に設けられている。
シリンダ74内にはピストン82が設けられている。ピストン82は、第二中間シャフト72と平行な方向に往復運動可能且つシリンダ74内で摺動可能に装着されている。ピストン82内には打撃子83が内装されており、シリンダ74内であってピストン82と打撃子83の間には空気室84が画成される。打撃子83の空気室側の反対位置には、中間子85がシリンダ74内にピストン82の運動方向に摺動可能に支承されている。中間子85の打撃子側反対位置には、先端工具である穿孔ビット2が位置している。よって打撃子83は中間子85を介して穿孔ビット2を打撃可能である。
クラッチ76がハンマドリル・モードに切換えられているときには、クラッチ76により第二中間シャフト72と運動変換部80とが結合している。運動変換部80は、ピストンピン81を介して、シリンダ74内に設けられたピストン82と連動するように接続されるように構成されている。
穿孔ビット2はドリルビットであり、図1に示されるように、丸棒状を成し螺旋状の溝が切られた胴部2Aと、その胴部の先端に位置する先細り形状の先端部2Bを備えており、先端部2Bが先頭となって被穿孔材Wに孔を穿孔可能に構成されている。よって穿孔された孔の最深部は、先細り形状の先端部2Bが回転して規定される円錐形状を雄型とする略すり鉢状に形成されている。また穿孔ビット2は、工具保持部15に対して着脱可能であり、交換可能である。
次に、図4を用いて、演算部(制御部)であるマイコン110を含む制御回路部と、インバータ回路部102及びモータ21の回路構成について説明する。制御回路部は、スイッチ操作検出回路111と、印加電圧設定回路112と、距離深さ設定回路113と、原点位置設定回路114と、回転子位置検出回路115と、制御信号出力回路119と、増幅回路Aと、増幅回路Bと、を備えている。
スイッチ操作検出回路111は、トリガ13の押込の有無を検出し、その検出結果をマイコン110へ出力する。印加電圧設定回路112は、トリガ13から出力された目標値信号に応じて、インバータ回路部102のスイッチング素子Q1〜Q6を駆動するためのPWM駆動信号のPWMデューティを設定し、マイコン110へ出力する。
距離深さ設定回路113には穴深さ設定ボタン117が接続されており、深さ制御機能オンの状態で孔深さ設定ボタン117より入力された値まで穿孔ビット2で穿孔した時に、モータ21への電力供給を停止する信号をマイコン110に出力するように構成されている。原点位置設定回路114には、原点位置設定ボタン118が接続されており、原点位置設定ボタン118が押された時に、穿孔ビット2で穿孔する孔の原点設定に係る信号をマイコン110に出力している。回転子位置検出回路115は、ホールIC21Aから出力された回転位置検出信号に基づいてモータ21のロータの回転位置を検出し、マイコン110へ出力する。増幅回路A及び増幅回路Bには、距離センサ14が接続されている。
マイコン110は、印加電圧設定回路112からの出力に基づいてPWMデューティーの目標値を算出する。また、回転子位置検出回路115からの出力に基づいて、適切に通電するステータ巻線を決定し、出力切替信号H1〜H3およびPWM駆動信号H4〜H6を生成する。PWM駆動信号H4〜H6はPWMデューティーの目標値の大きさに基づいてデューティー幅が決定されて出力される。制御信号出力回路119は、マイコン110で生成された出力切替信号H1〜H3及びPWM駆動信号H4〜H6をインバータ回路部102に出力する。
インバータ回路部102には、商用電源からの交流電力が整流回路101を介して給電される。インバータ回路部102では、出力切替信号H1〜H3およびPWM駆動信号H4〜H6に基づきスイッチング素子が駆動されて、通電されるステータ巻線が決定される。さらにPWM駆動信号はPWMデューティーの目標値でスイッチングされている。これにより、モータ21の三相のステータ巻線(U、V、W)に電気角120°の三相交流電圧が順に印加されることとなる。またインバータ回路部102では、制御信号出力回路119を介してマイコン110からの信号に基づき、出力軸22の回転を停止するようにスイッチング素子を駆動することが可能である。
増幅回路Aでは、距離センサ14から出力された電圧を第一の増幅率で増幅可能である。また、増幅回路Bでは、距離センサ14から出力された電圧を第一の増幅率よりも大きな第二の増幅率で増幅可能である。増幅回路A及び増幅回路Bにおいては、穿孔工具1の動作時に常時電圧が増幅され出力される。
また、マイコン110は、ROM等の記憶手段である記憶装置120を備えており、この記憶装置120内には、図5のグラフに基づく数式A(Y=e/X+f)である数式プログラムと、図7のフローチャートで説明され図示せぬ後述のマップを備えた有効深さ導出手段である有効深さ導出プログラム120Bと、図8のフローチャートで説明される回転停止プログラム120Cと、図11のフローチャートで説明される変化率予測処理プログラム120Dと、図11のフローチャートで説明される校正手段である校正プログラム120Eとが記憶されている。ここで数式プログラム120Aにおいて、Y:増幅回路A及び増幅回路Bの出力結果、X:測定距離(上述の、前後方向における距離センサ14から被穿孔材Wまでの間の距離)、e、f:校正により求められる係数である。よってマイコン110においては、増幅回路A及び増幅回路Bの出力結果(センサ出力電圧:Y)から、測定距離:Xを算出し、この測定結果を表示部23Aに表示している。また有効深さ導出プログラム120Bに含まれる図示せぬマップには、穿孔ビット2の各径に応じた標準的な長さと、その長さに応じた補正値(後述のすり鉢形状を成す最新部の深さ=先端部2Bの長さ(Ls))とが記憶されている。また記憶手段120は、後述する各々のフローチャートにおいて、各種値を記憶する記憶手段として機能している。
以上の構成の穿孔工具1のモータ21の駆動時には、モータ21の回転出力が第一中間シャフト61、第四ギヤ61A、及び第五ギヤ71を介して第二中間シャフト72に伝わる。第二中間シャフト72の回転は、ギヤ部72Aと第六ギヤ73との噛合によりシリンダ74に伝わり、穿孔ビット2に回転力が伝えられる。クラッチ76をハンマドリル・モードに移動させると、クラッチ76が運動変換部80と結合し、第二中間シャフト72の回転駆動力が運動変換部80に伝わる。運動変換部80では回転駆動力がピストンピン81を介してピストン82の往復運動に変換される。ピストン82の往復運動により打撃子83とピストン82との間に画成された空気室84中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子83に打撃力を付与する。打撃子83が前進して中間子85の後端面に衝突し、中間子85を介して打撃力が図示せぬ穿孔ビット2に伝達される。このようにしてハンマドリル・モードでは図示せぬ穿孔ビット2に回転力と打撃力が同時に付与される。
クラッチ76がドリルモードにあるときは、クラッチ76は第二中間シャフト72と運動変換部80との接続を断ち、第二中間シャフト72の回転駆動力のみがギヤ部72A、第六ギヤ73を介してシリンダ74に伝達される。よって、穿孔ビット2には回転力のみが付与される。
上述の、ハンマドリル・モード若しくはドリルモードにおいては、穿孔ビット2の中心軸(穿孔ビット2の前後方向と平行な軸)と被穿孔材Wの平面とが直交するように穿孔工具1を保持すると共に、深さ制御機能オン・オフボタン116を押してマイコン110を深さ制御機能オン状態にする。この状態で、UPボタン117AとDOWNボタン117Bとを操作して、穿孔深さを設定し、原点位置設定ボタン118を操作して原点位置を設定し、その後にトリガ13を引いて穿孔を行う。穿孔中においては、距離センサ14によって穿孔深さを常に検出しており、その穿孔深さが設定値に達したところでマイコン110により、自動的にモータ21への電源供給が停止される。
上述の距離センサ14により検出する値である測定距離Xは、上述の図5のグラフにかかる数式Aにより算出される。この値は、原点位置から距離センサ14がどれだけ被穿孔材Wに近づいたか、により算出される値である。原点位置(X=L0)は、穿孔ビット2の中心軸と被穿孔材Wの平面とが直交する状態で穿孔ビット2の先端部2B先端を被穿孔材Wに当接させた時の距離センサ14で検出した値である。この原点位置に基づき距離センサ14で検出した測定値(X=L1)から、穿孔ビット2における穿孔深さ(実深さ:L)は、L=L0−L1の式により算出される。この実深さ:Lは、図6に示されるように、穿孔ビット2で被穿孔材Wに穿孔した孔における、開口からすり鉢形状位置の最深部まで(図6におけるL=Ld+Ls)に該当する。
この孔に、例えば孔の内径及び実深さ:Lと略同径及び略同長のアンカを埋設する際には、すり鉢形状位置にアンカを挿入することができないため、アンカの端部が孔の開口から距離:Lsほど突出するおそれがある。従って、深さ制御機能をオンにして設定値:Ldで穿孔する際には、実際に形成される孔の穿孔深さである実深さ:Lではなく、穿孔ビット2の先端部2Bにより形成されるすり鉢形状を成す部分の深さ(Ls)を除した穿孔深さ(有効深さ:L−Ls=L0−L1−Ls)について考慮する必要がある。
具体的には、図7のフローチャートに示されるように、先ずS101において、深さ制御機能オン・オフボタン116が押されたか否かを判断する。S101において深さ制御機能オン・オフボタン116が押されたと判断された場合(S101:YES)には、S102へ進んで初期位置(L0)を設定し、次にS103へ進んでUPボタン117AとDOWNボタン117Bとにより穿孔深さの設定値(Ld)を設定し、S104へと進む。またS101において深さ制御機能オン・オフボタン116が押されていないと判断された場合(S101:NO)には、S105へ進んで、深さ制御機能を使用せずに、トリガ13の操作に基づく手動の穿孔深さ調整を行う。S105の後は、S101へとループする。
S104において初期位置(L0)、設定値(Ld)の設定を完了していなければ(S104:NO)、S102へとループする。S104において初期位置(L0)、設定値(Ld)の設定を完了していれば(S104:YES)、S106へと進み、深さ補正処理オン・オフボタン23Bが押されたか否かを判断する。S106において、深さ補正処理オン・オフボタン23Bが押された場合(S106:YES)にはS107へと進み、深さ補正処理オン・オフボタン23Bが押されなかった場合(S106:NO)にはS111へと進む。
S106でYESと判断した場合には、記憶装置120に記憶されている有効深さ導出プログラム120Bから図示せぬマップを呼び出し、S107へと進み、トリガ13を操作して、モータ21に電力を供給し穿孔ビット2を回転させる。そしてS108へと進み、穿孔開始時の測定値である現在位置(X=L1=L0)、即ち原点位置(L0)から装着された穿孔ビット2の種類を特定し、その特定した種類に応じた上述の補正値(Ls)を用いて穿孔深さ:L0−L1−Lsを算出する。次にS109へと進み、穿孔深さが設定値に到達したか(L0−L1−Ls=Ldになったか)を検出する。S109では所定深さに到達した場合のみ(S109:YES)、S110に進み、モータ21への電源供給を停止し、S106へとループして、次の作業に備える。
また、S106でNOと判断した場合には、S111に進んでUPボタン117AとDOWNボタン117Bとにより、補正値(Ls)を手動入力し、その後にS112へと進み、トリガ13を操作して、モータ21に電力を供給し穿孔ビット2を回転させる。そしてS113へ進んで穿孔深さが設定値に到達したか(L0−L1−Ls=Ldになったか)を検出する。S113では所定深さに到達した場合のみ(S113:YES)、S110に進み、モータ21への電源供給を停止し、S106へとループして、次の作業に備える。
このように穿孔深さ(有効深さ)を導出することにより、穿孔した孔に挿入する物、例えばアンカ等を挿入するために必要な孔の深さより、実際に穿設される穿孔深さ(実深さ)の方が深くなる。よって実際に穿孔された深さ(実深さ:L)が、作業者の望む穿孔深さ(設定値:Ld)より深くなり、アンカ等を挿入した際に、穿孔内からアンカが突出することを抑制することができる。
またS108において、穿孔ビット2の種類を特定し、図示せぬ表からその特定した種類に応じた上述の補正値(Ls)を特定している。このような構成によると、補正値の導出が容易になり、より簡易に有効穿孔深さを導出することができる。
上記フローにおいては、S106〜S113が有効深さ導出手段、有効深さ導出工程に該当し、S108が補正値導出手段、補正値導出工程に該当する。
上述の有効深さ導出プログラム120B(図7のフローチャート)により、補正値(Ls)を考慮して少なくともアンカ等を確実に挿入可能な孔を穿孔することができる。しかし、穿孔の終了時については、単にモータ21への電源供給の停止のみであり、この状態では、慣性力によりモータ21への電源供給停止時から更に穿孔ビット2が回転してより深い位置まで穿孔するおそれがある。よってこれを防止するために、穿孔終了時にモータ21にブレーキをかけて、確実に穿孔ビット2の回転を停止させる。
具体的には、図8のフローチャートに示されるように、S201において、トリガ13を引いて良いか判断する。S201において、すでに原点位置(L0)、穿孔深さである設定値(Ld)が入力されていれば(S201:YES)、トリガ13を引いてS204へ進み、入力されていなければ(S201:NO)、トリガ13を引かずにS201、S202と進んで原点位置(L0)、設定値(Ld)を設定する。
S204でモータ21へ電力供給して穿孔を開始し、次にS205で距離センサ14により現在の測定値である現在位置(L1)を検出・記憶する。次にS206へ進んで、穿孔深さが設定値になったか否か(L0−L1≧Ld)を判断する。設定値に穿孔深さが到達した場合(S206:YES)には、S207へ進み、モータ21にブレーキをかけるべくマイコン110からインバータ回路部102へと信号を出力し、モータ21の回転を強制的に停止させる(ブレーキ手段)。そしてS208へと進み、トリガ13が引かれた状態から元に戻されたと判断した後に、S201へとループし、一連のフローを終了する。
このようにモータ21の回転を、穿孔深さが設定値Ldに達したと同時に強制的に停止することにより、設定値に到達した後に穿孔ビット2の回転を停止することができる。よって設定値に到達した後に、更に穿孔作業が行われることは無く、正確な穿孔深さに穿孔することができる。
また図8に示されるフローチャートでは、穿孔深さが設定値(Ld)に到達した時を基準として穿孔ビット2の回転(モータ21の回転)を強制的に停止させたが、これに限らず、停止する時を予測し穿孔深さが設定値(Ld)に到達する前にモータ21を停止させてもよい。具体的には、図9のフローチャートに示されるように、S206とS207の間に、S206.1〜S206.5のフローを追加する。以下、S206.1〜S206.5のフローについて説明する。S206.1〜S206.5以外のフローについては、図8のフローチャートと同一であるため説明は省略する。
先ずS206で未だ設定距離に到達していない状態(S206:NO)で、S206.1へと進み、前回の記憶タイミング(S205での記憶時)から0.2sec経過したかを判断する。0.2sec経過していないと判断した場合(S206.1:NO)には、S205へとループする。0.2sec経過したと判断した場合(S206.1:YES)は、S206.2へと進み、現在位置(L1)を位置(L2)として記憶すると共に、現在位置(L1)に対応した現在時刻(T1)を時刻(T2)として記憶する。次にS206.3に進み、現在位置(L1)及び現在時刻(T1)と、記憶した位置(L2)及び時刻(T2)とから穿孔ビット2が被穿孔材Wに対して掘り進む速度である穿孔速度を算出する。
そしてS206.4で、算出した穿孔速度に基づき、モータ21を止めたとしても穿孔ビット2が掘り進むと想定されるオフセット量:Lofを算出する。この算出は、予め実験等により割り出した、穿孔速度とオフセット量(Lof)と図示せぬ関係式、若しくは図示せぬ表から導出するものである。
オフセット量(Lof)を算出した後にS206.5へ進み、設定値(Ld)からオフセット量(Lof)を引いた値(Ld−Lof)に穿孔深さ(L0−L1)が到達したか否か(L0−L1+Lof≧Ld)を判断する。ここで到達していないと判断した場合(S206.5:NO)には、S205へとループする。到達したと判断した場合(S206.5:YES)には、S207へと進む。
このように予測してモータ21を停止させることにより、設定値Ldより穿孔深さが大きくなることは確実に防がれる。この図9のフローチャートに係る制御は、薄板等の穿孔ビット2の誤貫通が発生する可能性が高い被穿孔材Wに穿孔する際に特に有効である。図9のフローチャートに係る制御では、図8のフローチャートと同一のブレーキ手段(S207)を用いたが、S207のフローの後の穿孔ビット2の動作を予測可能であるならば、S207を、単にモータ21への電力供給を遮断するのみ(電力遮断手段)の制御としてもよい。
また図8、図9のいずれのフローチャートによる制御も、モータ21の制御、即ち電気的な制御のみで穿孔ビット2の回転を停止しているため、穿孔工具1において構成部品の増加を招くことは無い。
上記の穿孔深さを算出するには、上述のように、赤外線センサである距離センサ14を用い、距離センサ14で実際に測定した実測値を測定値(現在位置)(L1)として演算を行っている。具体的には、距離センサ14から照射した赤外線の反射に応じて距離を測定しているが、穿孔作業が進んで粉塵が発生すると、粉塵で赤外線を乱反射して正確な距離の測定ができなくなるおそれがある。
これを回避するために、図10に示されるように、特定の時点(時刻0)における、その前二秒間における検出距離と時間との関係から線形近似(一次近似)により平均変化率直線を算出する。そして算出した平均変化率直線から、時刻0より未来の変化率直線である仮想的なグラフ(仮想線):AL1を定義し、仮想線(AL1)の値:l1を距離センサ14で測定した測定値(現在位置:l1)として使用する。
このグラフ作成後においては、実際に距離センサ14から出力される生データである実測値と、仮想線(AL1)の値とを比較し、実測値が仮想線(AL1)の数値から10%以上異なる場合には、実測値を破棄して演算に使用せず、実測値が仮想線(AL1)の数値から10%内の範囲に位置するならば、実測値を記憶しておき、再度算出する仮想線の演算に使用する。ここで仮想線(AL1)の数値から10%とは、時刻0で平均変化率直線(仮想線(AL1))と交わり平均変化率直線の変化率から10%増した変化率を備える直線(AL2)をいう。故に、図10のグラフにおいて、直線(AL2)から下側に距離センサ14の実測値が位置する場合は、その実測値を破棄し、直線(AL2)から上側に距離センサ14の実測値が位置する場合は、その実測値を記憶する。尚、穿孔開始から、二秒後までの間では、原点位置と、少なくとも最も最初に測定された実測値とを基にして仮想線を線形近似(一次近似)により算出する。
具体的には、図11のフローチャートに示されるように、先ずS301で、深さ制御機能オン・オフボタン116が押されたか否かを判断する。S301において深さ制御機能オン・オフボタン116が押されていないと判断された場合(S301:NO)には、S302へ進んで、深さ制御機能を使用せずに、トリガ13の操作に基づく手動の穿孔深さ調整を行う。S301において深さ制御機能オン・オフボタン116が押されたと判断された場合(S301:YES)には、S303へ進んで初期位置(L0)を設定し、次にS304へ進んでUPボタン117AとDOWNボタン117Bとにより穿孔深さの設定値(Ld)を設定し、S305へと進み、初期位置(L0)、設定値(Ld)が設定されているかを確認し、確認したら(S305:YES)、S306へと進む。
S306でトリガ13を引いて穿孔を開始し、S307へ進んで現在位置(L1)の検出・記憶を開始する。そしてS308へ進んで穿孔開始時(S306の時)から現在時点までの記憶した各時刻における現在位置(L1)から仮想線を算出し、仮想線の値(l1)を現在位置(l1)とする。次にS309へと進み、実測値である現在位置(L1)がS308で求めた仮想線の10%以上の範囲にあるか、を判断する。S309で距離センサ14において現在位置(L1)が仮想線の10%以上に有ると判断した場合(S309:YES)は、S310へと進んで演算に使用するデータから実測値である現在位置(L1)のデータを除外し、S308へとループする。現在位置(L1)が仮想線の10%未満と判断した場合(S309:NO)は、S311へと進む。
S311では、トリガ13が引かれて穿孔開始してから二秒経過したかを判断する。二秒経過していないと判断した場合(S311:NO)は、S308へとループする。二秒経過したと判断した場合(S311:YES)は、S312へと進み、記憶した直前二秒間の現在位置(L1)のデータから、線形近似により平均変化率直線を求め、この平均変化率直線を時刻0から延長した線である仮想線(AL1)を定義し、仮想線の値(l1)を現在位置(l1)とする。次にS313へと進み、実測値である現在位置(L1)がS312で求めた仮想線(AL1)の変化率の10%以上の範囲にあるか、を判断する。S313で距離センサ14において現在位置(L1)が仮想線(AL1)の10%以上に有ると判断した場合(S313:YES)、即ち図10のグラフにおいて、現在位置(L1)が直線(AL2)より下側に位置している場合には、S314へと進んで演算に使用するデータから実測値である現在位置(L1)のデータを除外し、S312へとループする。現在位置(L1)が仮想線の10%未満と判断した場合(S313:NO)は、実測値である現在位置(L1)のデータを除外せず、S315へと進む。S315においては、平均変化率直線(仮想線(AL1))の値(l1)である現在位置(l1)が、Ld=L0−l1を満たす位置に到達したかを判断する。S315でLd=L0−l1を満たす位置に到達したと判断した場合(S315:YES)には、S316へ進んでモータ21の回転を停止させる。またS315でLd=L0−l1を満たす位置に到達していないと判断した場合(S315:NO)には、S317へと進み、設定値(Ld)を変更するか否かを判断する。設定値(Ld)を変更すると判断した場合(S317:YES)には、S318へと進み、設定値(Ld)を変更した後にS306へとループする。設定値(Ld)を変更しないと判断した場合(S317:NO)には、S312へと進み、作業を続行する。
このように、仮想線を定義し、仮想線により定められる値(l1)を現在位置(l1)として選考作業を進めることにより、粉塵等で距離センサ14の精度が低下した場合であっても、所定の深さの孔を穿孔する穿孔作業を続行することができる。上記フローチャートにおいて、S312では、直前二秒から、直後二秒の仮想線を定義したが、この秒数については、穿孔工具1の性能、作業環境等から、適宜変更してもよい。また仮想線の10%を閾値として用いたが、この値も前述の秒数と同様に適宜変更可能である。
また図11に示されるフローチャートでは、例えば穿孔ビット2が被穿孔材Wを貫通して穿孔工具1が被穿孔材Wと急激に近接する等の異常な状態については考慮していない。よってこのような異常な状態が発生した場合に、モータ21への電力を遮断する電力遮断手段を備えていてもよい。具体的には、回転子位置検出回路115でモータ21の回転数を検出すると共に、S313で現在位置(L1)が仮想線の10%以上にあるかを判断する。そしてS313:YESと判断すると共に、モータ21の回転数の異常を検出した場合に、モータ21への電力供給を停止する。一般に被穿孔材Wを穿孔ビット2が貫通した場合には、モータ21への負荷が無くなりモータ21の回転数が急上昇する。よってこの急激な回転数増加をモータ21の異常として検出し、かつS313:YESと判断することにより、穿孔ビット2が被穿孔材Wを貫通したとして穿孔動作を停止することができる。尚、この電力遮断手段としては、モータ21の回転数の他に、モータ21の電流量等によってモータ21の異常回転を検出してもよい。
また図11のフローチャートにおいて、S308〜S314は、粉塵等の発生で距離センサ14による測定の精度低下を補完するフローである。よって距離センサ14の精度が低下しない状態ならば、これらフローを実施する必要はない。よってS307のフローの次に、S308〜S314のフローを実施するか否かを判断するフロー(異常値排除制御手段)を設けてもよい。上記フローチャートにおいて、S312が平均穿孔速度算出手段、仮想穿孔深さ予測手段に該当し、S313、S314が異常値排除手段に該当する。またS315が仮想穿孔深さ認識手段に該当する。
距離センサ14の特性が経年変化した場合、図5のグラフに示される数式Aでは、正確な値が算出されないおそれがある。よってこの場合には、校正を行うべく新たな数式Aを算出する。具体的には、図12、図13に示されるように、穿孔ビット2(図1)の代わりに第一校正治具201及び第二校正治具202を工具保持部15に装着し、これら第一校正治具201及び第二校正治具202を校正に係る測定対象の板材Wsに当接された状態で距離センサ14により距離測定を行い、上記数式Aにおける係数e、係数fを新たに算出する。第一校正治具201は、板材Wsと面当接する平面201Bを備えた平板部201Aと、平板部201Aに接続され平面201Bと直交する方向に延びる軸部201Cとを備えており、軸部201Cによって工具保持部15に装着される。また軸部201Cは、第一校正治具201が工具保持部15に装着された状態で、平面201Bから距離センサ14までの距離が、350mmになるようにその軸方向長さが定められている。第二校正治具202は、第一校正治具201の平板部201Aと略同形状を成し平面202Bを備えた平板部202Aと、平板部202Aに接続され平面201Bと直交する方向に延びる軸部202Cとを備えており、軸部202Cによって工具保持部15に装着される。また軸部202Cは、第二校正治具202が工具保持部15に装着された状態で、平面202B(板材Wsの平面202Bと当接している面)から距離センサ14までの距離が、250mmになるようにその軸方向長さが定められている。
上述の第一校正治具201及び第二校正治具202を用いて校正を行うには、図14のフローチャートに示される様に、先ずS401でトリガ13が引かれたか否かを判断する。S401でトリガ13が引かれたと判断した場合(S401:YES)には、S402〜S404で示される通常の穿孔作業へと進む。
S401でトリガ13が引かれていないと判断した場合(S401:NO)は、S405へ進み、原点位置設定ボタン118が押されたか否かを判断する。S405において、原点位置設定ボタン118が押されていないと判断した場合(S405:NO)には、S401へとループする。S405において、原点位置設定ボタン118が押されたと判断した場合(S405:YES)には、S406へと進み、原点位置設定ボタン118が押された時間を判断する。S406において原点位置設定ボタン118の押された時間が5秒未満である場合(S406:NO)には、S407へと進んで原点位置(X=L0)を設定し、S401へとループする。S406において原点位置設定ボタン118の押された時間が5秒以上である場合(S406:YES)には、S408へと進んで校正モードを開始する。
S408からS409へと進んで記憶装置120から図5に示される距離変換数式である数式Aを読み出し、次にS410に進み、第一校正治具201を装着した状態で距離センサ14が検出する距離に応じた距離データL1(数式AのXに代入する値)とこれに対応する距離センサ14の出力電圧データVm1(数式AのYに代入する値)を記憶する。次にS411に進み、第二校正治具202を装着した状態で距離センサ14が検出する距離に応じた距離データL2(数式AのXに代入する値)とこれに対応する距離センサ14の出力電圧データVm2(数式AのYに代入する値)を記憶し、S412へと進む(一回目のS412)。
S412において原点位置設定ボタン118が五秒以上押されたと判断された場合(S412:YES)にはS413へと進んで校正モードを終了し、その後S401へとループする。S412において原点位置設定ボタン118の押された時間が5秒未満である場合(S412:NO)には、S414へと進んで距離センサ14から出力される出力V0(V01)を検出する。
このS414においては、予め第一校正治具201を工具保持部15に装着する(治具装着工程)と共に平面201Bを板材Wsに押し当てた状態で距離センサ14による測定(距離測定工程)を行う。この状態において距離センサ14から板材Wsまでの距離は、350mmになる。
次にS415へと進んで、出力V0を数式AのYに代入してXを算出し、S416へ進んでこの値を表示部23Aに表示する。次にS417へ進んで、現在の数値(350mm)を入力すべく、UPボタン117AとDOWNボタン117Bを操作する(入力工程)。S417において作業者が操作の必要が無いと判断した場合(S417:NO)、即ち、S416における表示部23Aの値が現在の数値(350mm)と同一若しくは略同一の場合には、S412にループする。S417からS412にループした場合の説明については、後述のS426と合わせて後ほど説明する。
S417において作業者が操作の必要があると判断した場合(S417:YES)には、S418へと進んでUPボタン117AとDOWNボタン117Bを操作し表示部23Aの表示を現在の数値(350mm)に変更する。次に、S419へ進んで、S414で検出した値V0が、Vm1とVm2との平均値より大きいか否か、即ちS410とS411とで記憶した出力電圧データVm1とVm2のいずれかに近いかを判断する。ここでS414で検出した値V0は、第一校正治具201を装着した状態での測定結果であり、Vm1に近い値であるため(S419:NO)、S420へ進み、V01を新たなVm1と記憶し、S421へ進んで表示部23Aに表示されている入力された値(350mm)を新たなL1と記憶する。
次にS424へと進み、数式Aの(X、Y)に、S420、S421で記憶した新たな(L1,Vm1)と、S411で記憶した(L2、Vm2)をそれぞれ代入し、S425へ進んで、新たな係数e、係数fを算出する。そしてS426へと進んで、新たな係数e、fを用いた新たな数式Aを記憶し、S412へとループする(二回目のS412)。
S426及びS417から二回目のS412へとループした際に、校正作業が必要ないと判断した場合には、二回目のS412において原点位置設定ボタン118を五秒以上長押しすること(S412:YES)により、上述のようにS413へと進み校正モードを終了する。
また第二校正治具202で更に校正を必要とする時には、工具保持部15から第一校正治具201を外して第二校正治具202を装着し、原点位置設定ボタン118を押さずに(S412:NO)、S414へと進む。S414〜S418については、第一校正治具201の場合と同じであるので省略する。次にS419へ進んで、第二校正治具202に係るS414で検出した値V0が、Vm1とVm2との平均値より大きいか否か、即ちS420とS411とで記憶した出力電圧データVm1とVm2のいずれかに近いかを判断する。ここでS414で検出した値V0は、第二校正治具202を装着した状態での測定結果であり、Vm2に近い値であるため(S419:YES)、S422へ進み、V01を新たなVm2と記憶し、S423へ進んで表示部23Aに表示されている入力された値(250mm)を新たなL2と記憶する。
次にS424へと進み、数式Aの(X、Y)に、S420、S421で記憶した新たな(L1,Vm1)と、S422、S423で記憶した新たな(L2、Vm2)をそれぞれ代入し、S425へ進んで、新たな係数e、fを算出する。そしてS426へと進んで、新たな係数e、係数fを用いた新たな数式Aを記憶し、S412へとループする(三回目のS412)。
三回目のS412においては、第一校正治具201による校正と、第二校正治具202による校正とを経ているため、原点位置設定ボタン118を五秒以上長押しし(S412:YES)、校正モードを終了する。
このように、数式Aの係数e、係数fを校正することにより、距離センサ14の感度が変化したとしても正確な値を導出することができ、従来のようなゲージを備えないセンサ式の穿孔工具1においても、正確な穿孔深さを保持することができる。
本実施の形態においては、専用治具である第一校正治具201、第二校正治具202を用いたがこれに限らず、予め長さが判明している所定長の穿孔ビットを治具として用いてもよい。また穿孔用ビットを治具として用いる場合には、各穿孔用ビットを工具保持部15に装着したのに対応した距離センサ14から板材Wsまでの距離が記載された表(校正値導出手段、校正値導出工程)を備えていることが好ましい。この表を用いることにより、所定長の穿孔用ビットを治具として用いた際に、上記のフローチャートにおけるS417で入力する値を容易に判別することができ、校正作業を易化することができる。この表は、穿孔工具1と別体であってもよいし、穿孔工具1と一体、例えばハンドル部10や、モータハウジング20に記載されていてもよい。
また上記フローチャートにおいては、S412の後に直ちにS413においてセンサ出力V0を検出していたが、これに限らず、図15のフローチャートに示されるように、S412の後に、S412.1として、いずれかの校正治具を装着した状態で穿孔工具1を移動させ距離センサ14から板材Wsまでの測定距離を変化させたことを確認するフローを入れてもよい。このフローをいれることにより、作業者の校正に係る手順を明確にすることができる。
本実施の形態では穿孔工具1はロータリーハンマドリルであったが、ロータリーハンマドリルに限定されない。被穿孔材に対して穿孔する工具であればいずれも本発明を適応することができる。