以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1ついて説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。以下に、図1を用いて、パチンコ遊技機1の概略構成及び動作について説明する。パチンコ遊技機1は、発射装置(図示せず)から打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されている。パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、遊技盤2に対して蝶番(図示せず)を介して開閉可能に構成されると共に、遊技盤2に対して着脱可能に構成されている。
遊技盤2の中央部には、各種演出画像を表示する画像表示器6が設けられている。画像表示器6は、本実施形態では一例として液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成されているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等の他の表示装置によって構成されてもよい。画像表示器6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって大当たり抽選の結果を遊技者に報知したり、大当たり遊技中に各種演出画像や情報を表示したりする。
遊技盤2の前面側には、遊技球によって遊技を行うための遊技領域20が設けられている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計回りに回転させると、皿39(図2参照)に貯められた遊技球が発射装置へと供給されて、所定の時間間隔で遊技領域20に発射される。遊技盤2には、この発射装置から供給された遊技球を案内するガイド部材(図示なし)が設けられており、遊技球は、このガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内される。遊技球は、遊技領域20に配置された遊技クギや風車等(図示なし)に接触することでその移動方向を変化させながら、遊技盤2の前面に沿って下方へと落下する。
遊技領域20には、第1始動口21、第2始動口22、及び普通入賞口24が配置されている。
第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下二段に配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入って入賞すると、一定個数(例えば4個)の遊技球が払い出されると共に、大当たり抽選が実行される。すなわち、第1始動口21及び第2始動口22は、大当たり抽選を実行させるための始動入賞口である。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる大当たり抽選を第1特別図柄抽選と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として行われる大当たり抽選を第2特別図柄抽選と呼び、また、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を総称して特別図柄抽選と呼ぶ場合がある。
第1始動口21と第2始動口22との間には、電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有しており、一対の羽根部材が閉じた姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた姿勢(図示なし)との間で姿勢変化可能に構成されている。一対の羽根部材は、電動ソレノイドの駆動によって姿勢変化すると共に、姿勢変化に伴って点灯又は点滅する。第2始動口22への遊技球の進入路は、電動チューリップ27の羽根部材が閉じた姿勢においては、電動チューリップ27及び第1始動口21によって閉じられている。そして、この進入路は、後述する普通図柄抽選に当選することによって、電動チューリップ27の羽根部材が開いた状態となって開放される。
普通入賞口24は、遊技球の入賞によって一定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口21及び第2始動口22とは異なり、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選が行われることはない。
普通入賞口24の上方には、ゲート25が配置されている。遊技球がゲート25を通過した場合、遊技球の払い出しは行われないものの、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が行われる。この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間(例えば1.8秒間)開いた状態を維持した後に閉じる動作が規定回数(例えば3回)繰り返される。このように、普通図柄抽選に当選することで第2始動口22が一時的に開放されて、遊技球が第2始動口22に進入可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能となる。
第2始動口22の下方には大入賞口23(可変入賞口の一例)が配置されている。大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが設けられている。大入賞口23は、通常はこのプレートが遊技盤2と同一平面を形成する姿勢となっているために遊技球が入らない状態となっている。そして、特別図柄抽選に当選して大当り状態になると、プレートの上端側が遊技盤2の前面側へ傾倒(開口)して遊技球が進入可能な開放状態に所定回数(本実施形態では15回)なる。この開放状態は、所定条件を満たすまで(本実施形態では、30秒間を上限として10個の遊技球が入るまで)維持された後、プレートが閉じられることで終了する。なお、大入賞口23に1個の遊技球が入賞する毎に例えば13個の賞球が払い出されるので、遊技者は、大当たり遊技中に大入賞口23を狙って遊技球を打ち出すことで、多量の賞球を得ることが可能な大当たり遊技を楽しむことができる。
大入賞口23の下方には排出口26が設けられている。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、又は普通入賞口24のいずれにも入らなかった遊技球は、排出口26を通じて遊技領域20の外へと排出される。
遊技盤2の前面の画像表示器6と近接する位置には、各種の演出に用いられる盤ランプ8、可動役物7が配置されている。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、例えば発光しながら遊技盤2に対して回転することにより、各種の演出を行う。
遊技盤2における遊技領域20の外側には、表示器4が配置されている。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果、及びこれらの抽選の保留数等に関する情報を表示する。図示されていないが、表示器4は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示して第1特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器、第1特別図柄抽選の保留数を表示する第1特別図柄保留表示器、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示して第2特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器、第2特別図柄抽選の保留数を表示する第2特別図柄保留表示器、遊技球がゲート25を通過したことを契機として普通図柄を変動表示して普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器、普通図柄抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器、及びパチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態)を表示する遊技状態表示器から構成されている。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1及び図2に示すように、枠部材5には、上記したハンドル31及びレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、及び皿39が設けられている。
皿39は、枠部材5からパチンコ遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球を一時的に溜めるものである。皿39には、上述のように払い出された遊技球(賞球)が排出される。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計回りに回転させると、皿39に溜められた遊技球が発射装置へ供給されて遊技領域20へ発射される。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作することによって皿39の下面の一部が開口され、皿39の下方に配置された箱(図示なし)へ皿39に溜まった遊技球を落下させることができる。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられている。遊技者がハンドル31を時計回りに回転させたままの状態で停止ボタン33を押下することによって、遊技球の発射が一時的に停止される。遊技者は、停止ボタン33を操作することによって、いわゆる止め打ちを行うことができる。
演出ボタン37は、皿39の上面に設けられる。演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有し、演出ボタン37に隣接して設けられる。パチンコ遊技機1では、遊技者が演出ボタン37又は演出キー38を押下することで、所定の演出が行われる。
スピーカ35及び枠ランプ36は、パチンコ遊技機1の遊技状態等を報知するための各種演出を行う。具体的には、スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行い、枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による演出を行う。
以上ではパチンコ遊技機1の概略構成について説明したが、上述したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例であって、遊技盤2の盤面構成(入賞や抽選に関する役物の配置)等は、適宜変更されてもよい。
[パチンコ遊技機1が行う特徴的な演出動作]
以下では、パチンコ遊技機1が行う特徴的な演出動作について説明する。図3は、大当たり遊技における大入賞口23の開閉動作及び大当たり遊技中に実行される演出について説明するための図である。
大当たり遊技は、1つ以上のラウンドを含む。図3では、15個のラウンドを含む大当たり遊技を一例として示している。本実施形態において、ラウンドとは、大当たり遊技において大入賞口23が開放して閉塞する動作又はその期間を示す。図3では、1回目〜15回目のラウンドを、それぞれ、1R〜15Rと表している。本実施形態では、各ラウンドにおいて、大入賞口23は、30秒を上限として、遊技球が10個入賞するまでの期間開放される。ラウンドとラウンドとの間には、インターバル期間が設けられている。インターバル期間は、所定の期間(本実施形態では2秒間)であり、インターバル期間において、大入賞口23は閉塞された状態となる。
最初のラウンド(1R)の開始前には、オープニング期間が設けられている。オープニング期間には、例えば、大当たり遊技が開始したことを報知したり、発生した大当たりの種類(通常大当たりや確変大当たり等)を報知したりするオープニング演出が行われる。また、最終ラウンド(15R)の終了後には、エンディング期間が設けられている。エンディング期間には、例えば、パチンコ遊技機1のメーカの名称等を含む所定のエンディング画面を画像表示器6に表示するといった、エンディング演出が行われる。そして、大当たり遊技演出は、オープニング期間とエンディング期間との間の期間に実行される。大当たり遊技演出は、この期間に、例えば、パチンコ遊技機1の題材となった物語や人物等に関する映像等を画像表示器6等を用いて遊技者に提供する演出である。
ここで、既に説明したように、大入賞口23に遊技球が10個入賞するまでの時間は、遊技クギの調整によって異なる。このため、各ラウンド(即ち、各ラウンドにおける大入賞口23の開放期間)は、30秒を上限として、原則として互いに異なる期間となる。この結果として、大当たり遊技演出の実行期間は、遊技クギの調整によって異なることとなる。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、大入賞口23が開放してから閉塞するまでの時間(以下、R開放時間という)を計測することによって複数の大当たり遊技演出の実行時間を算出し、算出した実行時間の平均値(以下、基準大当たり演出時間という)を算出し、この平均値に応じて大当たり遊技演出の長さを調節する。つまり、パチンコ遊技機1は、過去に実行した大当たり遊技演出の実行時間に応じて、今回実行する大当たり遊技演出の長さを適切に変更する。
なお、図3には、「オープンコマンド」や「クローズコマンド」等が矢印と共に記載されているが、これらは、後の説明において使用する。
図4は、パチンコ遊技機1が実行する大当たり遊技演出について説明するための図である。図4(A)に示すように、パチンコ遊技機1は、大当たり遊技演出を構成する内容的に連続性のある一連の演出要素を予め格納(記憶)している。この演出要素には、大当たり遊技演出において実行される順番(実行番号)が設定されている。図4(A)では、一例として、実行番号1〜実行番号13が設定された13個の演出要素が、予め格納されているものとする。例えば、パチンコ遊技機1が或る格闘もののテレビアニメーションを題材としている場合、例えば、実行番号1の演出要素は主人公が登場する場面の動画(又は静止画)であり、実行番号2の演出要素は宿敵が登場する場面の動画(又は静止画)であり、実行番号3〜12の演出要素は主人公と宿敵が交互に攻撃を繰り出す場面の動画(又は静止画)であり、実行番号13の演出要素は主人公が勝利する場面の動画(又は静止画)である。
また、図4(A)に示す13個の演出要素の全てが実行された場合に必要となる大当たり遊技演出の実行時間(つまり、フルバージョンの大当たり遊技演出に必要な実行時間)は、最も長い場合の大当たり遊技演出の実行期間(図3参照)と等しい。具体的には、図4(A)に示すフルバージョンの大当たり遊技演出に必要な実行時間は、R開放時間の全てが最大値30秒となる場合の大当たり遊技演出の実行期間と等しく、478秒(R開放時間30秒×15回+インターバル期間2秒×14回)である。
パチンコ遊技機1は、予め算出しておいた基準大当たり演出時間に応じて、図4(A)に示す13個の演出要素のうち最適な数量の演出要素を用いて大当たり遊技演出を構成して実行する。以下に、具体的に説明する。
まず、基準大当たり演出時間が、比較的長い場合(例えば380秒の場合)を考える。この場合、パチンコ遊技機1は、例えば図4(B)の(1)に示すように、10個の演出要素(演出要素1,2,3,7,8,9,10,11,12,13)を用いて大当たり遊技演出を構成して実行する。図4(B)の(1)に示す10個の演出要素によって構成される大当たり遊技演出が必要とする実行時間は、基準大当たり演出時間(例えば380秒)以下であり、又、この基準大当たり演出時間に近い時間である。また、図4(B)の(1)に示す10個の演出要素によって構成される大当たり遊技演出は、全体を通してその内容に連続性を有する。具体的には、演出要素7の内容は、その直前に実行される演出要素3の内容と連続性を有しており、遊技者が違和感を感じない内容となっている。
次に、基準大当たり演出時間が、標準的な長さの場合(例えば270秒の場合)を考える。この場合、パチンコ遊技機1は、例えば図4(B)の(2)に示すように、7個の演出要素(演出要素1,2,7,8,9,10,13)を用いて大当たり遊技演出を構成して実行する。図4(B)の(2)に示す7個の演出要素によって構成される大当たり遊技演出が必要とする実行時間は、基準大当たり演出時間(例えば270秒)以下であり、又、この基準大当たり演出時間に近い時間である。また、図4(B)の(2)に示す7個の演出要素によって構成される大当たり遊技演出は、全体を通してその内容に連続性を有する。
次に、基準大当たり演出時間が、比較的短い場合(例えば200秒の場合)を考える。この場合、パチンコ遊技機1は、例えば図4(B)の(3)に示すように、5個の演出要素(演出要素1,2,7,8,13)を用いて大当たり遊技演出を構成して実行する。図4(B)の(3)に示す5個の演出要素によって構成される大当たり遊技演出が必要とする実行時間は、基準大当たり演出時間(例えば200秒)以下であり、又、この基準大当たり演出時間に近い時間である。また、図4(B)の(3)に示す5個の演出要素によって構成される大当たり遊技演出は、全体を通してその内容に連続性を有する。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技クギの調整状態によって変化する基準大当たり演出時間を予め算出し、大当たり遊技において、基準大当たり演出時間に応じた長さの大当たり遊技演出を構成して実行する。その際、パチンコ遊技機1は、予め格納しているフルバージョンの大当たり遊技演出を構成する演出要素(図4(A)参照)のうち最適な数量の演出要素を用いて内容に連続性のある大当たり遊技演出を構成して実行する(図4(B)参照)。
このことから、大入賞口23に遊技球が入り難い遊技クギの調整状態であるために大当たり遊技の実行時間が長い場合であっても、大当たり遊技演出が不自然に早く終わってしまうことがなくなる。また、大入賞口23に遊技球が入り易い遊技クギの調整状態であるために大当たり遊技の実行時間が短い場合であっても、大当たり遊技演出の途中で大当たり遊技が不自然に終了してしまうことがなくなる。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技クギの調整状態に影響される大当たり遊技の長さに応じた適切な長さの大当たり遊技演出を実行することができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技の長さに応じて実行する大当たり遊技演出の長さを変化させても、大当たり遊技演出の内容の連続性を維持できるので、遊技者に違和感を与えることがない。また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、フルバージョンの大当たり遊技演出を構成する演出要素のみを、大当たり遊技演出のデータとして格納しておけばよいので、記憶手段の記憶容量を節約することができる。
以下では、このような効果的な演出を実現させるためのパチンコ遊技機1の構成及び動作について説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
図5は、パチンコ遊技機1が備える制御装置の構成の一例を示すブロック図である。遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が配置される。この制御装置は、メイン制御部51を構成するメイン基板と、サブ制御部52を構成するサブ基板とを有する。メイン基板は、特別図柄抽選の実行やその抽選結果に基づくコマンドをサブ制御部52側へ送信する処理等を制御する遊技制御部100として機能する遊技制御基板と、賞球の払い出しを制御する払出制御部120として機能する払出制御基板とを含む。一方、サブ基板は、遊技制御部100から送信されたコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130として機能する演出制御基板と、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140として機能する画像音響制御基板と、各種のランプ(枠ランプ36や盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部150として機能するランプ制御基板等とから構成される。
以下、図5を用いて、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。図5に示すように、メイン制御部51は、遊技制御部100と払出制御部120とを備え、サブ制御部52は、演出制御部130と画像音響制御部140とランプ制御部150とを備える。
[遊技制御部100の構成及び主な機能]
遊技制御部100は、CPU101とROM102とRAM103とを備える。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。ROM102には、上記プログラムの他に、第1特別図柄抽選の最大保留数、第2特別図柄抽選の最大保留数、特別図柄抽選に使用される乱数(当選値)、大当たり遊技中の各ラウンドにおいて大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する最大遊技球数Cmax、大当たり遊技中の最大ラウンド数Rmax、各種演出に係る設定時間等が記憶されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。RAM103には、パチンコ遊技機1の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態等)を示す遊技状態情報、第1特別図柄抽選の保留数、第2特別図柄抽選の保留数、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22に入賞したタイミングで取得された各種乱数、大当たり遊技中であるか否かを示す情報、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球数C、大当たり遊技中のラウンド数R等が一時的に記憶される。以下、遊技制御部100の主な機能について説明する。
遊技制御部100は、第1始動口21に遊技球が入賞すると第1特別図柄抽選を実行し、第2始動口22に遊技球が入賞すると第2特別図柄抽選を実行する。そして、これらの抽選結果を示すデータを演出制御部130へ送信する。また、遊技制御部100は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄変動時間の短縮設定(時短設定)を示すデータ等を演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開状態となる開時間、羽根部材が開閉する回数、及び羽根部材が閉じてから次に開くまでの開閉時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したことによる第1特別図柄抽選の保留数、遊技球が第2始動口22へ入賞したことによる第2特別図柄抽選の保留数、遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数等を管理する。
遊技制御部100は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、又は大入賞口23への10個の遊技球の入賞)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(本実施形態では15回)繰り返すように制御する。また、遊技制御部100は、大入賞口23が閉じてから次のラウンドで開くまでのインターバル期間(本実施形態では2秒)を制御する。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部120に遊技球の払出しを指示する。例えば、遊技制御部100は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が1個入賞すると4個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球を払い出すように、払出制御部120へコマンドを送信する。なお、遊技制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部120に指示しない。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部120から払い出した賞球の個数に関する情報が遊技制御部100へ送られる。そして、遊技制御部100は、払出制御部120から取得した情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口開閉部116、及び普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部113は、例えば電動ソレノイドから成り、遊技制御部100の制御に従って電動チューリップ27の一対の羽根部材を開閉する。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口開閉部116は、例えば電動ソレノイドから成り、特別図柄抽選に当選した場合に、遊技制御部100の制御に従って、大入賞口23を開放してから閉塞するラウンドを繰り返す。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。
また、遊技制御部100には、上述した表示器4が接続されている。遊技制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞によって始動した第1特別図柄抽選の結果を表示器4の第1特別図柄表示器に表示させる。遊技制御部100は、第1特別図柄抽選の保留数を表示器4の第1特別図柄保留表示器に表示させる。遊技制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞によって始動した第2特別図柄抽選の結果を表示器4の第2特別図柄表示器に表示させる。遊技制御部100は、第2特別図柄抽選の保留数を表示器4の第2特別図柄保留表示器に表示させる。遊技制御部100は、ゲート25への遊技球の通過によって始動した普通図柄抽選の結果を、表示器4の普通図柄表示器に表示させる。遊技制御部100は、普通図柄抽選の保留数を表示器4の普通図柄保留表示器に表示させる。遊技制御部100は、パチンコ遊技機1の遊技状態を表示器4の遊技状態表示器に表示させる。
[払出制御部120の構成及び主な機能]
払出制御部120は、CPU121とROM122とRAM123とを備える。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを指示するコマンドを遊技制御部100から受信する。そして、払出制御部120は、コマンドによって指定された数だけ賞球を払い出すように払出モータ125を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから皿39へ遊技球を送り出す駆動モータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出検出部126と球あり検出部127と満タン検出部128とが接続されている。払出検出部126は、払出モータ125によって球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球あり検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、発射装置へ供給される遊技球や球タンクから払い出された賞球によって皿39が満タンになったことを検出する。そして、払出制御部120は、払出検出部126、球あり検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成及び主な機能]
演出制御部130は、CPU131とROM132とRAM133とRTC(リアルタイムクロック)134とを備える。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
RTC134は、現時点の日時を計測したり、時間(期間)を計測するために用いられる。RTC134には、パチンコ遊技機1への電源供給が遮断されている期間(典型的には、ホールが閉店している夜間)でも計測が継続できるように、ボタン電池が内蔵されている。また、RTC134は、日時の計測等の処理を行うために、小容量の揮発性の記憶領域を備えている。後述するが、この揮発性の記憶領域を用いて、図3及び図4を用いて説明した「基準大当たり演出時間」等がRTC134に格納される。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる各種コマンド等に基づいて、パチンコ遊技機1で行われる演出を統括的に制御する。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150へ送信する。なお、演出制御部130は、大当たり遊技演出の内容を設定する場合、図3及び図4を用いて説明したように、予め算出してRTC134に格納している基準大当たり演出時間に応じて、大当たり遊技演出の構成を決定し、決定した内容の大当たり遊技演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150へ送信する。
[画像音響制御部140の構成及び主な機能]
画像音響制御部140は、CPU141とROM142とRAM143とを備える。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像及び音響を制御する際の演算処理を行う。ROM142には、上記プログラムの他に、画像表示器6において遊技中に表示される各種画像の画像データと、スピーカ35から出力される楽曲や音声と、効果音等の音響データとが記憶されている。RAM143は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
画像音響制御部140は、演出制御部130から送られたコマンドに基づいて、画像表示器6に表示する画像及びスピーカ35から出力する音を制御する。具体的には、CPU141は、ROM142に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部130から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU141は、読み出した画像データを用いて画像処理を行い、画像処理後の画像データに対応する画像を画像表示器6に表示させる。また、CPU141は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理後の音響データに対応する音響をスピーカ35に出力させる。なお、画像音響制御部140は、大当たり遊技演出が実行される場合、演出制御部130から受信したコマンドに従って、演出制御部130が基準大当たり演出時間に従って決定した構成の大当たり遊技演出を実現する画像データ及び音響データをROM142から読み出して画像処理及び音声処理を行い、画像表示器6及びスピーカ35に出力する。ここで、図4(A)を用いて説明したフルバージョンの大当たり遊技演出を構成する演出要素は、ROM142に予め格納(記憶)されている。
[ランプ制御部150の構成及び主な機能]
ランプ制御部150は、CPU151とROM152とRAM153とを備える。CPU151は、盤ランプ8と枠ランプ36と可動役物7とを制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM152は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御部150は、演出制御部130から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8と枠ランプ36と可動役物7の点灯及び点滅や発光色等を制御する。具体的には、ランプ制御部150のROM152には、演出制御部130において設定される演出内容に応じた盤ランプ8、枠ランプ36、及び可動役物7での点灯(及び点滅)パターンデータ及び発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU151は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36、及び可動役物7の発光を制御する。
また、ランプ制御部150は、演出制御部130から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ROM152には、演出制御部130において設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU151は、読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を駆動回路(図示せず)へ出力する。これにより、パルス信号に応じた励磁信号が駆動回路から可動役物7と連結されたステッピングモータへ出力されて、可動役物7の動きが制御される。
なお、ランプ制御部150は、大当たり遊技演出が実行される場合、演出制御部130から受信したコマンドに従って、演出制御部130が基準大当たり演出時間に従って決定した構成の大当たり遊技演出を実現する各ランプ等の発光パターンデータ及び可動役物7の動作パターンデータをROM152から読み出して出力し、各ランプや可動役物7の動作を制御する。
[遊技制御部100の主要動作]
図6は、遊技制御部100によって行われる主要動作(メイン処理)の一例を示すフローチャートである。以下に、図6を参照して、遊技制御部100において行われる主要動作について説明する。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図6に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図6以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて、CPU101自身によって実行され又はCPU101が発行する命令に従って実行される。
まず、ステップS1において、遊技制御部100は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を決定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。ステップS1の乱数更新処理において、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各抽選が行われて各乱数が取得され、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では300)に達した後は、再び0に戻る。
次に、ステップS2において、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111及び第2始動口スイッチ112の状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112から検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数や第2特別図柄抽選の保留数に関する処理や乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等)を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。具体的には、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112が遊技球の入賞を検出した場合、第1特別図柄抽選の保留数又は第2特別図柄抽選の保留数を所定数(例えば、4)を上限に1だけ増加させる。また、遊技制御部100は、上記乱数を取得して、上記増加させた保留数に対応するデータ(保留玉データ)に関連付けてRAM103に記憶する。
次に、ステップS3において、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114の状態を監視し、ゲートスイッチ114がONとなった時点(ゲートスイッチ114から検出信号が出力された時点)で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば、4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、遊技制御部100は、特別図柄抽選を実行し、画像表示器6に装飾図柄を変動表示した後にこれらの抽選の結果を示す停止図柄を表示等するための特別図柄処理を実行する。具体的には、遊技制御部100は、大当たり遊技中ではなく、かつ、装飾図柄の変動表示が開始されていない場合(つまり、表示器4で特別図柄の変動表示が開始されていない場合)、上記した保留数を1だけ減少させ、特別図柄抽選を実行する。より具体的には、遊技制御部100は、始動口SW処理(S2)において保留玉データと関連付けてRAM103に記憶した各乱数(大当たり乱数等)を取得して、大当たり判定を行う。大当たり判定では、遊技制御部100は、取得した大当たり乱数が予め定められた大当たりを示す値と等しいか否かを判定することにより、特別図柄抽選の結果が大当たりか否かを判定する。また、大当たり判定の結果が大当たりの場合、遊技制御部100は、大当たり乱数と同時に取得した図柄乱数に基づいて大当たりの種類(通常大当たりや確変大当たり等)を判定し、演出制御部130に対して大当たり遊技演出の開始を指示する大当たり開始コマンドをRAM103にセットする。なお、大当たり開始コマンドは、遊技制御部100によって判定された大当たりの種類を示す情報を含む。また、遊技制御部100は、上記大当たり判定の結果に応じて、特別図柄を変動させる変動パターン(変動時間)を決定し、画像表示器6に装飾図柄を変動表示させる演出(以下、装飾図柄変動演出という)の開始を演出制御部130に指示する変動開始コマンドをRAM103にセットするとともに、表示器4に特別図柄の変動表示を開始させる。また、遊技制御部100は、特別図柄の変動が既に開始されている場合は、変動の開始から所定時間(変動パターンが示す変動時間)が経過したか否かを判定し、この所定時間が経過した場合は、実行中の装飾図柄変動演出の終了を演出制御部130に指示する変動停止コマンドをRAM103にセットするとともに、表示器4に変動表示されている特別図柄を停止させる。
次に、ステップS5において、遊技制御部100は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、遊技制御部100は、表示器4に普通図柄を変動表示させた後に判定処理の結果を示す普通図柄を表示させる。
次に、ステップS6において、遊技制御部100は、特別図柄抽選に当選して大当たり遊技中となっている場合、この大当たり遊技中の各状態に応じて、大入賞口開閉部116を制御して大入賞口23の開閉動作を行わせたり、演出制御部130へコマンドを送信等する大入賞口処理を実行する。この大入賞口処理については、図7及び図8を用いて後に詳述する。
次に、ステップS7において、遊技制御部100は、ステップS5の普通図柄処理によって表示器4に表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。なお、電動チューリップ27が作動することによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、遊技制御部100は、遊技球の入賞個数の管理、及び入賞に応じた賞球の払出しを制御するためのコマンドをRAM103にセットする賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、遊技制御部100は、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部130又は払出制御部120へ出力する出力処理を実行する。
[大入賞口処理]
図7及び図8は、図6のステップS6における大入賞口処理の一例の詳細フローチャートである。以下に、図6のステップS6における大入賞口処理について、図7及び図8を用いて説明する。
まず、ステップS601において、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている大当たり遊技中であるか否かを示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり遊技中であるか否かを判定する。大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS601でYES)、処理はステップS602に移る。一方、大当たり遊技中ではないと判定された場合(ステップS601でNO)、大入賞口処理は終了し、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、現在の状態が大当たり遊技中のいずれの状態であるかを示すRAM103に記憶されている情報に基づいて、大当たり遊技のオープニング中(図3参照)であるか否かを判定する。オープニング中であると判定された場合(ステップS602でYES)、処理はステップS603に移る。一方、オープニング中ではないと判定された場合(ステップS602でNO)、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、図6のステップS4の特別図柄処理でセットされた大当たり開始コマンドがステップS9の出力処理によって演出制御部130に送信された時点から、予め設定された設定オープニング時間(つまり、オープニング演出の実行時間)が経過したか否かを判定する。設定オープニング時間が経過したと判定された場合(ステップS603でYES)、処理はステップS604に移る。一方、設定オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS603でNO)、大入賞口処理を終了し、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当たりの種類に基づいて、大当たり遊技中の全ラウンド数Rmax及び大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103に格納する。この処理によって、大当たり遊技中の全ラウンド数Rmax、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間、大当たり遊技演出後に実行されるエンディング演出の実行時間である設定エンディング時間等が決定される。なお、本実施形態では、大当たり中の全ラウンド数Rmaxは15である。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cをリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当たり遊技中のラウンド数Rを1加算した値に書き換える。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部116を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、ラウンドが開始され、大入賞口23の開放が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、演出制御部130に大入賞口23の開放が開始されたことを通知するオープンコマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS614に移る。
ここで、ステップS607の大入賞口23を開放する処理、ステップS608のオープンコマンドをセットする処理、及び図6のステップS9の当該オープンコマンドを送信する出力処理は、遊技制御部100による一連の主要動作として連続して瞬間的に実行される。このため、オープンコマンドは、CPU101の制御によって大入賞口23が開放されたタイミングで演出制御部130へ送信される。
ステップS609において、CPU101は、現在の状態が大当たり遊技中のいずれの状態であるかを示す情報に基づいて、インターバル中であるか否かを判定する。インターバル中であると判定された場合(ステップS609でYES)、処理はステップS610に移る。一方、インターバル中はないと判定された場合(ステップS609でNO)、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で決定された設定インターバル期間が経過したか否かを判定する。設定インターバル期間が経過したと判定された場合(ステップS610でYES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているので、処理は既に説明したステップS605に移る。一方、設定インターバル期間が経過していないと判定された場合(ステップS610でNO)、次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、大入賞口処理は終了し、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
以上に説明したように、ステップS603で設定オープニング時間が終了したと判定された場合、及びステップS610で設定インターバル期間が経過して次のラウンドを開始するタイミングになった場合に、ステップS605に続くステップS608へ処理が進められる。このことから、CPU101によってラウンドが開始される度に、大入賞口23の開放開始を通知するオープンコマンドが演出制御部130へ送信される。
ステップS611において、CPU101は、現在の状態が大当たり遊技中のいずれの状態であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド(15ラウンド)が終了した時点で開始されるエンディング演出(図3参照)の実行中であるか否かを判定する。エンディング演出の実行中であると判断された場合(ステップS611でYES)、処理は図8のステップS621に移る。一方、エンディング演出の実行中ではないと判断された場合(ステップS611でNO)、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、現在の状態がラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ115からの検出信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ115がONになったか否かを判定する。大入賞口スイッチ115がONになったと判断された場合(ステップS612でYES)、処理はステップS613に移る。一方、大入賞口スイッチ115がONになっていないと判断された場合(ステップS612でNO)、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に書き換える。CPU101は、ステップS613の処理を大入賞口スイッチ115がONになる毎に実行することで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)をRAM103に累積記憶させる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、大入賞口23が開放された時点から規定の開放時間が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放が開始された時点から大入賞口23の開放時間が規定時間(本実施形態では30秒)に達したか否かを判定する。規定の開放時間が経過したと判定された場合(ステップS614でYES)、処理はステップS615に移る。一方、規定の開放時間が経過していないと判定された場合(ステップS614でNO)、処理はステップS616に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では10個)となったか否かを判定する。入賞数CがCmaxになったと判定された場合(ステップS615でYES)、処理はステップS616に移る。一方、入賞数CがCmaxになっていないと判定された場合(ステップS615でNO)、大入賞口処理は終了し、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部116を制御して大入賞口23の開放制御を終了する。この結果として大入賞口23は閉塞される。このように、ラウンドにおいて、CPU101は、大入賞口23を開放してから30秒が経過するまでに大入賞口スイッチ115によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく30秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、大入賞口23が閉塞されたことを演出制御部130に通知するクローズコマンドをRAM103にセットする。このことから、クローズコマンドは、CPU101によってラウンドが終了される度に、演出制御部130へ送信される。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS616における大入賞口23を閉塞する処理、ステップS617におけるクローズコマンドをセットする処理、図6のステップS9におけるこのクローズコマンドを演出制御部130へ送信する出力処理は、遊技制御部100による一連の主要動作として連続して瞬間的に実行される。このことから、クローズコマンドは、CPU101によって大入賞口23が閉塞されたタイミングで、演出制御部130へ送信される。なお、本実施形態では、大入賞口23の開放時間が規定の開放時間(30秒)に達するか又は入賞数Cが上限遊技球数Cmaxに達したことを条件として、ステップS616以降の処理が実行される。このことから、クローズコマンドが演出制御部130へ送信されるタイミングは、大入賞口23の開放時間が規定の開放時間に達するか又は入賞数Cが上限遊技球数Cmaxに達したタイミングとも言える。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当たり遊技中の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。Rmaxに達したと判定された場合(ステップS618でYES)、処理は図8のステップS619に移る。一方、Rmaxに達していないと判定された場合(ステップS618でNO)、大入賞口処理は終了し、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図8のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rをリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部130にエンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドをRAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図6のステップS9の出力処理によって演出制御部130へ送信される。すなわち、最終ラウンドが終了したタイミングで、エンディングコマンドが演出制御部130へ送信される。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でセットされたエンディングコマンドが図6のステップS9の出力処理で演出制御部130に送信された時点から、図7のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。設定エンディング時間が経過したと判断された場合(ステップS621でYES)、処理はステップS622に移る。一方、設定エンディング時間が経過していないと判断された場合(ステップS621でNO)、大入賞口処理は終了し、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、RAM103に格納されている大当たり遊技中であることを示すフラグをOFFに設定して、大当たり遊技を終了する。その後、処理は図6のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
以上に図7及び図8を用いて説明したように、各ラウンドにおいて大入賞口23が開放されるタイミングでオープンコマンドが遊技制御部100から演出制御部130へ送信され、また、各ラウンドにおいて大入賞口23が閉塞されるタイミングでクローズコマンドが遊技制御部100から演出制御部130へ送信される。そして、最終ラウンドのクローズコマンドが送信されると同時に、エンディングコマンドが遊技制御部100から演出制御部130へ送信される。
[演出制御部130の大当たり演出処理]
図9は、演出制御部130によって行われる大当たり演出処理の一例を示すフローチャートである。以下では、図9を用いて、遊技制御部100から送信されたコマンドに基づいて演出制御部130で行われる大当たり演出処理について説明する。なお、本発明と直接的には関係しない演出制御部130の処理(装飾図柄変動演出に関する処理等)については、説明を省略する。演出制御部130は、遊技制御部100で行われる主要動作(図6参照)と同様に、図9に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図9以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいて、CPU131自身によって実行され又はCPU131が発行する命令に従って行われる。
まず、ステップS101において、演出制御部130のCPU131は、図6のステップS4の特別図柄処理でセットされた大当たり開始コマンド(図3参照)を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合(ステップS101でYES)、処理はステップS102に移る。一方、受信していないと判定された場合(ステップS101でNO)、処理はステップS104に移る。
ステップS102において、CPU131は、後述するステップS110の処理で算出してRTC134の記憶領域に格納している基準大当たり演出時間に基づいて、実行する大当たり遊技演出の構成を決定する。具体的には、CPU131は、RTC134の記憶領域に格納されている基準大当たり演出時間を参照し、図4を用いて説明したように、基準大当たり演出時間の長さに応じて、図4(A)に示す13個の演出要素のうち最適な数量の演出要素を用いた大当たり遊技演出の構成を決定する。より具体的には、CPU131は、図4(B)を用いて説明したように、例えば、基準大当たり演出時間が比較的長い場合10個の演出要素を用いた大当たり遊技演出を決定し(図4(B)の(1)参照)、例えば、基準大当たり演出時間が標準的な長さの場合7個の演出要素を用いた大当たり遊技演出を決定し(図4(B)の(2)参照)、例えば、基準大当たり演出時間が比較的短い場合5個の演出要素を用いた大当たり遊技演出を決定する(図4(B)の(3)参照)。その後、処理はステップS103に移る。
ステップS103において、CPU131は、ステップS102で決定した大当たり遊技演出の開始を指示するコマンドをRAM133にセットして、画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。このことによって、画像音響制御部140は、オープニング演出を開始し、ROM142に予め格納しているフルバージョンの大当たり遊技演出の演出要素(図4(A)参照)のうち、ステップS102で決定された大当たり遊技演出を構成する演出要素(図4(B)参照)を読み出して、オープニング演出に続いて大当たり遊技演出を実行する(図3参照)。また、このことによって、ランプ制御部150は、画像音響制御部140が実行する演出に同期させて、各ランプや可動役物7による演出を実行する。その後、処理はステップS104に移る。
ステップS104において、CPU131は、図7のステップS608でセットされたオープンコマンド(図3参照)を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合(ステップS104でYES)、処理はステップS105に移る。一方、受信していないと判定された場合(ステップS104でNO)、処理はステップS106に移る。
ステップS105において、CPU131は、RTC134を用いて、図3を用いて説明したR開放時間の計測を開始する。その後、処理はステップS106に移る。なお、ステップS104のオープンコマンドを受信したか否かを判定する処理およびステップS105の計測を開始する処理は、CPU131による一連の動作として連続して瞬間的に実行される。ここで、既に説明したように、大入賞口23が開放されるタイミングと、オープンコマンドが遊技制御部100から送信されるタイミングとは、同時とみなすことができる。そして、オープンコマンドが遊技制御部100から送信されるタイミングと、オープンコマンドが演出制御部130で受信されてステップS105において時間計測が開始されるタイミングとは、同時とみなすことができる。このことから、大入賞口23が開放されるタイミングと、ステップS105において時間計測が開始されるタイミングとは、同時とみなすことができる。また、後述するステップS107の説明で明らかとなるが、大入賞口23が閉塞されるタイミングと、ステップS107においてこの時間計測が終了されるタイミングとは、同時とみなすことができる。この結果として、ステップS105において、CPU131が開始する計測は、R開放時間の計測とみなすことができる。
ステップS106において、CPU131は、図7のステップS617でセットされたクローズコマンド(図3参照)を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合(ステップS106でYES)、処理はステップS107に移る。一方、受信していないと判定された場合(ステップS106でNO)、処理はステップS108に移る。
ステップS107において、CPU131は、ステップS105で開始したR開放時間の計測を終了し、計測したR開放時間を、今回の大当たり遊技におけるR開放時間の累積値として累積的にRAM133に格納する。つまり、CPU131は、今回の大当たり遊技における大入賞口23の開放時間の現時点の合計値を、RAM133に格納する。その後、処理はステップS108に移る。なお、ステップS106のクローズコマンドを受信したか否かを判定する処理およびステップS107における計測を終了する処理は、演出制御部130による一連の動作として連続して瞬間的に実行される。ここで、既に説明したように、大入賞口23が閉塞されるタイミングと、クローズコマンドが遊技制御部100から送信されるタイミングとは、同時とみなすことができる。そして、クローズコマンドが遊技制御部100から送信されるタイミングと、クローズコマンドが演出制御部130で受信されてステップS107において時間計測が終了されるタイミングとは、同時とみなすことができる。このことから、大入賞口23が閉塞されるタイミングと、ステップS107において時間計測が終了するタイミングとは、同時とみなすことができる。
ステップS108において、CPU131は、図8のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンド(図3参照)を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合(ステップS108でYES)、処理はステップS109に移る。一方、受信していないと判定された場合(ステップS108でNO)、処理は、ステップS101に戻る。
ステップS109において、CPU131は、ステップS107でRAM133に格納したR開放時間の累積値を用いて今回の大当たり遊技における大当たり遊技演出の実行時間を算出して、RTC134の記憶領域に格納する。具体的には、CPU131は、今回の大当たり遊技で計測されたR開放時間の合計値をRAM133から読み出し、このR開放時間の合計値(例えば、300秒)に今回の大当たり遊技におけるインターバル期間(2秒)の合計値(2秒×14回=28秒)を加えて、今回の大当たり遊技における大当たり遊技演出の実行時間(328秒)を算出する(図3参照)。ここで、ステップS108でエンディングコマンドが受信されているので、ステップS109の処理時点において、RAM133には、ステップS107の処理によって今回の大当たり遊技に含まれる全てのR開放時間の合計値(つまり、15ラウンド全てのR開放時間の合計値)が格納されている。また、ステップS109において、CPU131は、直近の所定回数(本実施形態では、直近の20回とする)の大当たり遊技演出の実行時間を、RTC134の記憶領域に格納しておく。その後、処理はステップS110に移る。
ステップS110において、CPU131は、RTC134の記憶領域に格納されている直近の20回の大当たり遊技演出の実行時間の平均値を算出し、この平均値を基準大当たり演出時間としてRTC134の記憶領域に更新する。その後、処理は、ステップS111に移る。なお、この基準大当たり演出時間は、上述したステップS102において、大当たり遊技演出の構成を決定するために用いられる。
ここで、RTC134には、パチンコ遊技機1への電源供給が遮断されている期間(典型的には、ホールが閉店している夜間)でも日時等の計測ができるようにボタン電池が備えられている。本実施形態のパチンコ遊技機1は、直近20回の大当たり遊技演出の実行時間及び最新の基準大当たり演出時間をRTC134の記憶領域に格納することによって、パチンコ遊技機1への電源供給が遮断されてこれらのデータが消滅することを回避している。このことによって、本実施形態のパチンコ遊技機1は、例えば電源供給が遮断されて供給再開された後の大当たり遊技においても、ステップS102において基準大当たり演出時間を使用でき、又、ステップS110において問題なく基準大当たり演出時間を算出できる。
ステップS111において、CPU131は、エンディング演出を開始してする。具体的には、CPU131は、画像音響制御部140に対してエンディング演出の実行を指示するコマンドをRAM133にセットして送信する。このことによって、画像音響制御部140は、画像表示器6によってエンディング画面の表示を実行し、スピーカ35によってエンディング演出の音声を出力する。その後、処理はステップS101に戻る。
以上に図9を用いて説明したように、演出制御部130は、オープンコマンドを受信してからクローズコマンドを受信するまでの時間を計測することによって、各ラウンドにおける大入賞口23の開放時間(R開放時間)の計測を行い、これらの開放時間を合計して大当たり遊技毎の大当たり遊技演出の実行時間を算出して、直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間を記憶する。そして、直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間を用いてその平均値(基準大当たり演出時間)を算出し、大当たり遊技において、この平均値に応じた長さの大当たり遊技演出を構成して実行する。
[本実施形態の変形例]
なお、上記実施形態では、各R開放時間を計測して大当たり遊技演出の実行時間を算出(取得)した(図9参照)。しかし、大当たり遊技演出の実行時間を取得する方法は、これには限られない。例えば、最初のラウンド(1R)のオープンコマンド受信から最終ラウンド(15R)のクローズコマンド(又はエンディングコマンド)受信までの期間を計測して、大当たり遊技演出の実行時間を取得してもよい(図3参照)。また、例えば、大当たり開始コマンド受信からエンディングコマンド受信までの期間を計測して、この計測時間からオープニング演出の実行時間を差し引いて、大当たり遊技演出の実行時間を取得してもよい(図3参照)。
また、上記実施形態では、図9のステップS109及びS110において、直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間及び最新の基準大当たり演出時間は、RTC134の記憶領域に格納された。しかし、直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間及び最新の基準大当たり演出時間は、RAM133に格納されてもよい。この場合、パチンコ遊技機1への電源供給が遮断されている期間には、パチンコ遊技機1の電源装置(図示なし)に備えられる蓄電部(コンデンサ)等から、RAM133に電源が供給される必要がある。
また、上記実施形態では、図9のステップS110において、直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間を用いて基準大当たり演出時間が算出された。しかし、例えば、図9のステップS110において、直近の所定期間に実行された大当たり遊技演出の実行時間を用いて基準大当たり演出時間が算出されてもよい。また、例えば、図9のステップS110において、前日に実行された全ての大当たり遊技演出の実行時間を用いて基準大当たり演出時間が算出されてもよい。つまり、図9のステップS110において、過去に実行された複数の大当たり遊技演出の実行時間を用いて基準大当たり演出時間が算出されればよい。なお、その場合、図9のステップS109において、基準大当たり演出時間を問題なく算出できる数量の大当たり遊技演出の実行時間が、RTC134の記憶領域に格納される必要がある。
また、上記実施形態では、図9のステップS110において、直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間の平均時間を、基準大当たり演出時間として算出した。しかし、基準大当たり演出時間は、上記平均時間には限られない。例えば、基準大当たり演出時間は、上記平均時間よりも所定時間短い又は所定時間長い時間に設定されてもよい。以下、一例について説明する。RTC134の記憶領域(又はRAM133)に記憶された直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間のデータに基づいて、大当たり遊技演出の実行時間に関する確率分布を得ることができる。図10は、大当たり遊技演出の実行時間に関する確率分布の一例を示すグラフである。図10において、横軸は大当たり遊技演出の実行時間を示し、縦軸はその分布割合を示す。そして、図9のステップS110において、得られた確率分布に基づいて、例えば時間t1以上の割合が例えば90%となる場合(すなわち、図10に示すグラフを時間t1から478秒まで積分した値が0.9となる場合)において、当該時間t1を基準大当たり演出時間として設定してもよい。このことによって、基準大当たり演出時間は上記平均時間よりも短い時間に設定され、この結果として、大当たり遊技演出の途中で当該大当たり遊技演出が終了してしまう可能性を大幅に削減できる。また、逆に、図9のステップS110において、得られた確率分布に基づいて、例えば時間t2までの割合が例えば90%となる場合(すなわち、図10に示すグラフを時間0から時間t2まで積分した値が0.9となる場合)において、当該時間t2を基準大当たり演出時間として設定してもよい。このことによって、基準大当たり演出時間は上記平均時間よりも長い時間に設定され、この結果として、大当たり遊技演出が早く終わりすぎてしまう可能性を大幅に削減できる。また、例えば、図10の時間t3以上のデータを除外して、残ったデータのみを用いた確率分布を用いて、基準大当たり演出時間が設定されてもよい。このことによって、遊技者がパチンコ遊技機1を離れていたために大当たり遊技演出の実行時間が極端に長くなった場合等の特殊な場合を、基準大当たり演出時間の算出に反映させることを回避できる。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。
[作用効果]
以上に説明した実施形態の第1の構成例に係るパチンコ遊技機は、所定の当たり(大当たり)が発生した場合に遊技球が入賞する可変入賞口(大入賞口23)の開閉処理を行うパチンコ遊技機(1)であって、前記可変入賞口の開閉処理(S607、S616)を実行する可変入賞口制御手段(CPU101)と、前記可変入賞口の開閉処理の開始から終了までの期間(図3の大当たり遊技演出の実行期間)に当たり演出(大当たり遊技演出)を実行する(S103、S111)当たり演出実行手段(CPU131、141、151)と、前記当たり演出を構成するための複数の演出要素(図4(A)参照)を予め記憶している演出要素記憶手段(ROM142)と、前記可変入賞口制御手段によって実行された前記可変入賞口の開閉処理の開始から終了までの時間を計測する(S105、S107、S109)計測手段(CPU131、RTC134)と、前記計測手段によって計測された時間を記憶する(S109)時間記憶手段(RTC134の記憶領域等)と、前記演出要素記憶手段に記憶されている前記複数の演出要素から使用数量及び使用する演出要素を決定して、前記記憶手段に記憶された時間に対応する長さの前記当たり演出(図4(B)参照)を構成する(S102)当たり演出構成手段(CPU131)とを備える。
この構成例によれば、大当たり遊技演出の実行時間を、過去に実行された大当たり遊技演出の実行時間に近付けることができる。このことから、遊技クギの調整状態に影響される大当たり遊技の長さに応じた適切な長さの大当たり遊技演出を実行できる。また、大当たり遊技演出は、ROM142に記憶された複数の演出要素を用いて構成されるので、長さの異なる大当たり遊技演出をそれぞれROM142に記憶しておく必要はなく、ROM142の記憶容量を節約できる。
第2の構成例では、前記時間記憶手段は、前記計測手段によって計測された時間を複数記憶し(S109)、前記当たり演出構成手段は、前記時間記憶手段に記憶された複数の時間の平均時間(基準大当たり演出時間)を算出し、当該平均時間に対応する長さの前記当たり演出を構成してもよい。
この構成例によれば、大当たり遊技演出の実行時間を、例えば直近の所定回数の大当たり遊技演出の実行時間の平均時間に近付けることができる。ここで、遊技クギの調整状態が同じであっても、大当たり遊技の長さにはばらつきが生じる。しかし、この構成例によれば、極端にばらついて短い又は長い大当たり遊技演出の影響を減少させることができる。
第3の構成例では、前記時間記憶手段は、前記計測手段によって計測された時間を複数記憶し、前記当たり演出構成手段は、前記時間記憶手段に記憶された複数の時間の平均時間を算出し、当該平均時間から所定時間短い又は所定時間長い時間に対応する長さの前記当たり演出を構成してもよい。
この構成例によれば、上記平均時間から所定時間短い時間に対応する長さの大当たり遊技演出が構成された場合、途中で大当たり遊技演出が終了してしまう場合を減少できる。また、上記平均時間から所定時間長い時間に対応する長さの大当たり遊技演出が構成された場合、大当たり遊技演出が早く終了しすぎてしてしまう場合を減少できる。
第4の構成例では、前記時間記憶手段は、前記パチンコ遊技機の電源が遮断された期間も駆動するRTC(134)の記憶領域であってもよい。
この構成例によれば、例えば、パチンコ遊技機1の電源が一旦遮断された場合(典型的には夜間に電源が切られた場合)であっても、計測手段によって計測された時間情報が消滅することはないので、大当たり遊技演出の実行時間を、過去に実行された大当たり遊技演出の実行時間に近付けることができる。
第5の構成例では、前記当たり演出構成手段は、内容の連続性を有する前記当たり演出を構成してもよい。
この構成例によれば、大当たり遊技演出の長さを調節しても、大当たり遊技演出の内容の連続性を維持できるので、遊技者に違和感を与えることがない。