JP5715366B2 - 近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

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本発明は、近接場光でアシストされた磁気記録を行うためのヘッドの製造方法及び近接場光アシスト磁気記録ヘッドに関するものである。
近年、コンピュータ機器におけるハードディスクなどの容量増加に伴い、単一記録面内における情報の記録密度が増加している。例えば、磁気ディスクの単位面積当たりの記録容量を大きくするためには、面記録密度を高くする必要がある。ところが、記録密度が高くなるにつれて、記録媒体上で1ビット当たりの占める記録面積が小さくなっている。このビットサイズが小さくなると、1ビットの情報が持つエネルギーが、室温の熱エネルギーに近くなり、記録した情報が熱揺らぎなどのために反転したり、消えてしまったりするなどの熱減磁の問題が生じてしまう。
一般的に用いられてきた面内記録方式では、磁化の方向が記録媒体の面内方向に向くようにしてビットを形成することで情報を記録する方式であるが、この方式では上述した熱減磁による記録情報の消失などが起こり易い。そこでこのような不具合を解消するために、記録媒体に対して垂直な方向に磁化信号を記録する垂直記録方式に移行しつつある。 この方式は、記録媒体に対して、単磁極を近づける原理で磁気情報を記録する方式である。この方式によれば、記録磁界が記録膜に対してほぼ垂直な方向を向く。垂直な磁界で記録された情報は、記録膜面内においてN極とS極とがループを作り難いため、エネルギー的に安定を保ち易い。そのため、この垂直記録方式は、面内記録方式に比べて熱減磁に強くなっている。
しかしながら、近年の記録媒体は、より大量且つ高密度情報の記録再生を行いたいなどのニーズを受けて、さらなる高密度化が求められている。そのため、隣り合う磁区同士の影響や、熱揺らぎを最小限に抑えるために、保磁力の強いものが記録媒体として採用され始めている。そのため、上述した垂直記録方式であっても、記録媒体に情報を記録することが困難になっていた。
そのような不具合を解消するために、近接場光により磁区を局所的に加熱して一時的に保磁力を低下させ、その間に書き込みを行う熱アシスト磁気記録方式(近接場光アシスト磁気記録方式)が提案されている。この近接場光アシスト磁気記録方式は、記録媒体表面の微小領域と、近接場光発生素子との近接場光を介した相互作用を利用する方式である。 近接場光発生素子は、例えば特許文献1に開示されているように、光波長の数〜数十分の一のサイズの金属薄膜に光を照射することでその先端部などから近接場光を発生させるものである。近接場光は伝搬せず上記先端部から数〜数十ナノメートルの微小空間に分布する。近接場光ヘッドをハードディスクの磁極に近接させて形成することで、発生した近接場光によって加熱された磁区に磁極からの磁場を印加することが可能となり、高い保磁力を持った媒体に対する磁気記録が実現される。近接場光発生素子は、上述した金属薄膜によるものだけでなく、例えば、ナノメートルサイズに形成された突起部により構成しても構わない。この突起部によっても、金属薄膜と同様に近接場光を発生させることができる。
特開2009−70554号公報(図1)
しかしながら、特許文献1に開示された近接場光発生素子は、基板上にAuなどの表面プラズモンを励起する材質を成膜した後、エッチングや研磨などの方法で、高さ100nm、幅50nmの横倒し三角柱を形成しなければならない。三角柱の二つの三角形側面のうち、一面はヘッドの底面すなわち記録媒体表面に対向する面内であるので、ヘッドの底面を研磨加工する際に同時に研磨することによって平坦面を形成することが可能であるが、他方の面すなわち導波路に対向する面は、ヘッド内部に位置しているのでこのような研磨加工ができない。また、三角柱の頂点に近接場光が局在するが、その強度を最大にするためにはその頂点と導波路コアとの平面内相対位置をナノレベルで精密に位置決めする必要が有る。また、三角柱頂点は曲率半径が10nm程度まで先鋭化されていることが、近接場光の局在化と強度向上にとって必要であるが、基板から見て立体構造である三角柱の頂点をそのような精度で加工することは困難である。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法は、コアとクラッドから成り、光源から導入された入射光を伝播する導波路と、導波路から出射した導波路出射光を受けて近接場光に変換する近接場光発生素子、とを有する近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、基板上方に近接場光発生素子母材を成膜したあと所定の平面形状にパターニングして近接場光発生素子原型を形成する工程と、近接場光発生素子原型の上に導波路コア母材を成膜する工程と、近接場光発生素子原型と導波路コア母材を同時に表面加工して近接場光発生素子原型の一部を露出させる露出工程と、露出された近接場光発生素子原型の一部の上に導波路コア母材をさらに成膜する導波路コア追加成膜工程と、近接場光発生素子原型と導波路コア母材を基板に対して略垂直に加工する垂直加工工程とを含むことを特徴とする。
この方法によれば、導波路コアと近接場光発生素子の相対位置を高精度で制御して作製でき、所望の位置に高強度の近接場光を局在して発生させる近接場光アシスト磁気記録ヘッドを製造することができる。また、近接場光発生素子はその導波路側に平坦な面を持つことができ、高強度の近接場光を発生させる近接場光発生素子を製造することができる。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、近接場光発生素子原型を形成する工程は、基板上に導波路クラッド母材を成膜する工程の後に行うことを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えて更に導波路クラッドと近接場光発生素子との相対位置も最適にすることができる。
また、近接場光発生素子母材が、導波路出射光によって表面プラズモンを励起する材質であることを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えて入射光エネルギーを光波長よりもはるかに小さな領域に局在させた状態で伝播させることができ、近接場光を高効率で発生させることで、より高密度な記録が行え、更に消費電力の低減も実現できる。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、近接場光発生素子原型を形成する工程が、近接場光発生素子原型の側面のうち導波路側の面が基板に対して略垂直になるエッチング工程を備えることを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えて導波路を伝播してきた光が近接場光発生素子の表面プラズモンに高効率で変換されるため、高効率な近接場光発生が実現し、記録密度が向上する。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、露出工程が、近接場光発生素子原型をエッチングして近接場光発生素子原型の基板に垂直な断面形状が三角形になるようにする工程であることを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えて近接場光が近接場光発生素子の先端に局在して発生することでエネルギースポットを縮小させ、更なる高密度記録が実現する。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、露出工程が、近接場光発生素子原型の表面加工によって形成される多面状の表面における稜線を基板に対して所定の角度を持つようにする工程であることを特徴とする。
この方法によれば、発生した表面プラズモンがヘッド底面に向けて伝播する際に、主磁極の方向に近接するため、近接場光スポットと磁場スポットを近接させることができ、高密度記録が実現する。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、基板がウェハであり、垂直加工工程は、ウェハを切断する工程と、ウェハの切断面を研磨加工する工程とであることを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えてウェハ上に多数の素子を同時に作製するため、均一な性能の素子を安価に大量生産することができる。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、導波路クラッド母材を成膜する工程と近接場光発生素子母材の成膜工程との間に、導波路コア母材を成膜する工程を有することを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えて近接場光発生素子と導波路コアの相対位置を自在に設計することが可能になり、近接場光発生効率が最大になる配置を作製することができる。
また、上記近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、導波路コア追加成膜工程と垂直加工工程との間に、導波路コア母材を基板表面に平行な面内において部分的に除去し、除去した部分の少なくとも一部に導波路クラッド母材を成膜するコアパターニング工程を有することを特徴とする。
この方法によれば、上述の効果に加えて導波路コアが導波路クラッドに周囲を包まれた形状になるので、光を安定して閉じ込めた状態で伝播させることができ、高い効率で近接場光を発生させ、高密度記録が実現する。
また、本発明は、コアとクラッドから成り、光源から導入された入射光を伝播する導波路と、導波路から出射した導波路出射光を受けて近接場光に変換する近接場光発生素子、とを有する近接場光アシスト磁気記録ヘッドであって、近接場光発生素子が基板上方に形成された多面体であり、多面体は基板に平行な面における断面形状が略台形形状であるとともに基板に垂直な面における断面形状が略三角形状であり、略三角形状の頂点を結ぶ稜線が、基板に対して所定の角度を持って傾斜していることを特徴とする。
この近接場光アシスト磁気記録ヘッドは、高効率に近接場光を磁場スポットのごく近傍に発生させることができるため、低い消費電力で高い密度の磁気記録が可能になる。
本発明に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法においては、導波路コアと近接場光発生素子の相対位置を高精度で制御して作製でき、所望の位置に高強度の近接場光を局在して発生させる近接場光アシスト磁気記録ヘッドを製造することができる。また、近接場光発生素子はその導波路側に平坦な面を持つことができ、高強度の近接場光を発生させる近接場光発生素子を製造することができる。
本発明に係る情報記録再生装置の実施形態を示す斜視図である。 図1に示すヘッドジンバルアセンブリの斜視図である。 第一実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッド2の先端部の底面(ディスクDに対向する面)を拡大した図である。 第一実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す図である。 第二実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す図である。 第三実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す図である。 第四実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す図である。
(第一実施形態)
(情報記録再生装置)
以下、本発明に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法、およびその方法で製造されたヘッドとそれを搭載した情報記録再生装置の第一実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層D1を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、垂直記録方式で書き込みを行う装置である。また、本実施形態では、ディスクDが回転する空気の流れを利用して近接場光アシスト磁気記録ヘッド2を浮かせた空気浮上タイプを例に挙げて説明する。
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、後述する近接場光発生素子22を有する近接場光アシスト磁気記録ヘッド2と、ディスクD表面(磁気記録媒体の表面)に平行な方向(XY方向とする)に移動可能とされ、ディスクD表面に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態で近接場光アシスト磁気記録ヘッド2を先端側で支持するサスペンション3と、光ファイバ(光導入手段)4の基端側から該光ファイバ4に対して光を入射させるレーザ光源(光源)5と、サスペンション3の基端側を支持すると共に、該サスペンション3をディスクDに平行なXY方向に向けてスキャン移動させるアクチュエータ6と、ディスクDを一定方向に回転させるスピンドルモータ(回転駆動部)7と、情報に応じて変調した電流を後述するコイルに対して供給すると共に、レーザ光源5の作動を制御する制御部8と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9とを備えている。
ハウジング9は、アルミニウムなどの金属材料により、上面視四角形状に形成されていると共に、内側に各構成品を収容する凹部9aが形成されている。また、このハウジング9には、凹部9aの開口を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。凹部9aの略中心には、スピンドルモータ7が取り付けられており、該スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定される。凹部9aの隅角部には、上記アクチュエータ6が取り付けられている。このアクチュエータ6には、軸受10を介してキャリッジ11が取り付けられており、該キャリッジ11の先端にサスペンション3が取り付けられている。
なお、キャリッジ11およびサスペンション3は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ6の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。また、近接場光アシスト磁気記録ヘッド2とサスペンション3とで、ヘッドジンバルアセンブリ12を構成している。また、レーザ光源5は、アクチュエータ6に隣接するように凹部9a内に取り付けられている。そして、レーザ光源5に隣接して、制御部8が取り付けられている。レーザ光源5はサスペンション3の上に塔載されていてもよい。
図2は本実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッド2とサスペンション3の先端部とディスクDの断面を示す。近接場光アシスト磁気記録ヘッド2は、回転するディスクDを近接場光によって加熱すると共に、ディスクDに対して垂直方向の記録磁界を与えることで記録層D1内に磁化反転を生じさせ、情報を記録させるものである。この近接場光アシスト磁気記録ヘッド2は、図2に示すように、ディスクD表面から所定距離だけ浮上した状態でディスクDに対向配置され、ディスクDに対向する対向面20aを有するスライダ20と、該スライダ20の先端面に固定された主磁極31と、主磁極31に隣接して固定された導波路32とを備えている。また、本実施形態の近接場光ヘッド2は、導波路32に隣接して固定された再生素子(図示略)を備えている。
サスペンション3はベースプレート(図示略)、ヒンジ(図示略)、ロードビーム23、フレクシャ24から成り、近接場光アシスト磁気記録ヘッド2をディスクDに近接させた状態で浮上させる機能を持つ。ロードビーム23は近接場光アシスト磁気記録ヘッド2をディスクD方向に向けて押す荷重をかける。フレクシャ24の先端(図左方)は基板25のディスクD側(図下方)面に導光部26が備わっている。導光部26の先端は斜めに切断された切断面27(導光部先端面)となっている。この切断面27は基板25の先端28よりも先端側に突出している。
導波路32はコア断面が長方形であり、導光部26からの光は導波路入射面33から入射して導波路32内部を伝播し、近接場光発生素子22の上面34に照射されて近接場光に変換される。近接場光発生素子22は入射光によって表面プラズモンを励起する材質、具体的にはAu、Agなどから成る。
図3は本実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッド2の先端部の底面(ディスクDに対向する面)を拡大した図を示す。図3(a)は導波路32を含んだ形状を示し、図3(b)は導波路32を表示せずに内部を示した図である。近接場光発生素子22は主磁極31の上方に隣接している。導波路32は光透過性の導波路コア35と、それよりも屈折率の低い導波路クラッド36から成る。導波路クラッド36及び導波路コア35として使用される材料の組み合わせの一例を記載すると、例えば、石英(SiO2)で導波路コア35を形成し、フッ素をドープした石英で導波路クラッド36を形成する組み合わせが考えられる。この場合には、光の波長が400nmのときに、導波路コア35の屈折率が1.47となり、導波路クラッド36の屈折率が1.47未満となるので好ましい組み合わせである。また、ゲルマニウムをドープした石英で導波路コア35を形成し、石英(SiO2)で導波路クラッド36を形成する組み合わせも考えられる。この場合には、光の波長が400nmのときに、導波路コア35の屈折率が1.47より大きくなり、導波路クラッド36の屈折率が1.47となるのでやはり好ましい組み合わせである。特に、導波路コア35と導波路クラッド36との屈折率差が大きいほど、導波路コア35内に光を閉じ込める力が大きくなるので、導波路コア35に酸化タンタル(Ta2O5:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、導波路クラッド36に石英等を用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域の光を利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4)で導波路コア35を形成することも有効である。近接場光発生素子22は導波路コア35に埋没している。光は図3(b)の矢印で示すように伝播し、近接場光発生素子22の上面34(ディスクDの反対側の面)に照射される。近接場光発生素子22は三角柱形状であり、その稜線37は基板表面に対してわずかに傾斜している。
(情報記録再生方法)
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する手順について説明する。
まず、スピンドルモータ7を駆動させてディスクDを所定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ6を作動させて、軸受10を回転中心としてキャリッジ11を回動させ、キャリッジ11を介してヘッドジンバルアセンブリ12をXY方向にスキャンさせる。これにより、図1に示すように、ディスクD上の所望する位置に近接場光アシスト磁気記録ヘッド2を位置させる。
この際、近接場光アシスト磁気記録ヘッド2は、サスペンション3によって支持されていると共に所定の力でディスクD側に押さえ付けられている。また、これと同時に記録ヘッド2は、対向面20aを利用して、回転するディスクDによって生じる風圧の影響を受けて浮上する力を受けている。この両者の力のバランスによって、近接場光アシスト磁気記録ヘッド2はディスクD上から離間した位置に浮上している。
ここで、情報の記録を行う場合、制御部8はレーザ光源5を作動させると共に、情報に応じて変調した電流をコイル29に供給して主磁極31から磁場を発生させる。
レーザ光源5が作動すると、導光部26に光を入射させる。すると、この光は、導光部26内を先端側に向かって進んだ後、切断面27で反射されて導波路32内に導入される。導波路32内に導入された光は、ディスクD側に位置する底面側に向かって導波路クラッド36と導波路コア35の界面で反射を繰り返しながら、近接場光発生素子22の上面34に照射される。近接場光発生素子22は照射された光のエネルギーによって表面プラズモンが励起され、それが伝播して底面側で近接場光となってディスクD表面のナノ領域にエネルギーを与え加熱する。これにより、ナノ領域の保磁力が瞬間的に低減される。特に、近接場光発生素子22の稜線37は基板に対して傾斜しているので、発生した表面プラズモンは主磁極31に向かって近接する方向に伝播する。このため、近接場光は主磁極31直下に極めて近接した位置で発生する。
一方、制御部8によってコイル29に電流が供給されると、電磁石の原理により主磁極31からディスクDに対して垂直方向の記録磁界を発生させる。その結果、近接場光発生素子22で発生された近接場光と、主磁極31で発生された記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。しかも垂直記録方式で記録を行うので、熱揺らぎ現象等の影響を受け難く、安定した記録を行うことができる。よって、書き込みの信頼性を高めることができる。
次に、ディスクDに記録された情報を再生する場合には、再生素子(図示略)がディスクDから漏れ出ている磁界を受けて、その大きさに応じて電気抵抗が変化する。よって、再生素子の電圧が変化する。これにより制御部8は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することができる。そして制御部8は、この電圧の変化から信号の再生を行うことで、情報の再生を行うことができる。
上述したように、近接場光アシスト磁気記録ヘッド2を利用してディスクDに対して各種の情報を記録再生することができる。
(製造方法)
図4は本実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す。図4(a)と(b)はそれぞれ、図3(a)に示した平面Aと平面Bにおける断面を示し、S1〜S6は製造工程を順に示す。下地層41は主磁極31を含む層であり、主磁極31を形成済みの段階であり、簡単のため主磁極31の図示を略す。製造はウェハ上に多数の素子を同時に形成するウェハプロセスで行う。工程S1では、下地層41の上にAuの長方形薄膜42をフォトリソグラフィによるパターニングで形成する。次に工程S2で、全体に導波路コア母材43を成膜する。導波路コア母材43の成膜はスパッタリングなどの標準的な成膜技術によって行う。次に工程S3で、エッチングマスクを平面視先細り台形あるいは三角形にすることでレジストパターンを平面視先細りに形成した後、RIE(反応性イオンエッチング)によるスパッタエッチングを行うことで、導波路コア母材43とAuの長方形薄膜42を同時にエッチングし、横倒し三角錐構造を形成する。Auの長方形薄膜42はエッチングされて、Auの横倒し三角錐44となり、これが全体の三角錐の先端部を構成する。次に工程S4で、全体に導波路コア母材43を再度成膜した後、最表面45を研磨して平坦化する。次に工程S5で、導波路コア母材43を平面視長方形になるようパターニングすることで直方体形状の導波路コア35を形成し、その上に導波路クラッド母材を成膜したあと最表面を研磨して導波路クラッド36を形成する。このあと、ウェハを切断して複数の素子が直線状に並んだバー形状にする。最後に工程S6で、底面46を研磨して近接場光発生素子22を形成する。
このように、導波路コア母材43とAuの長方形薄膜42を同時にエッチングすることで、Auから成る近接場光発生素子22と導波路コア35の相対位置が高い精度で制御される。また、Auの長方形薄膜42の厚みが近接場光発生素子22の高さと一致することから、所望の高さの近接場光発生素子22を形成することができる。また、近接場光発生素子22の上面34が、Auの長方形薄膜42の端部であるので、高い位置精度と形状精度で形成することができる。また、近接場光発生素子22の稜線37が下地層41の方向に傾斜しているため、発生する近接場光スポットが磁場スポットに近接し、高効率での近接場光アシスト磁気記録が可能になる。この稜線37の傾斜は、工程S3でのエッチング条件によって制御可能であり、略平坦な形状から急峻な形状まで自在に形成可能である。
(第二実施形態)
図5は本発明の第二実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す。図5(a)、(b)、S11〜S16の意味は図4と同じである。図4に示した第一実施形態と共通する部分は説明を簡略にする。第一実施形態との違いは、工程S11において下地層41の上に導波路コア母材51を成膜した後に、Auの長方形薄膜42を形成する点である。導波路コア母材51の厚みは数〜数百nmである。その後の工程は第一実施形態とほぼ同じであり、工程S12では導波路コア母材53を成膜し、工程S13ではエッチングによって横倒し三角錐形状を形成する。このとき、Auの横倒し三角錐44の下に導波路コアの一部54が残っている。さらに工程S14で導波路コア母材53を再度成膜し、工程S15で導波路コア35のパターニングと導波路クラッド36の形成、さらにウェハ切断のあと工程S16で底面46研磨まで第一実施形態と同様に行う。このような方法で近接場光発生素子22を製造することにより、近接場光発生素子22の導波路コア35断面平面内での位置が、導波路コア35の界面に限定されることなく、所望の位置に配置することができる。近接場光の発生効率は、導波路コア35と近接場光発生素子22の相対位置によって大きく影響を受けることが知られているが、本実施形態の製造方法によれば、設計によって得られた最適位置に近接場光発生素子22を形成することができる。
(第三実施形態)
図6は本発明の第三実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す。図6(a)、(b)、S21〜S26の意味は図5と同じである。図5に示した第二実施形態と共通する部分は説明を簡略にする。第二実施形態との違いは、工程S21において下地層41の上に導波路クラッド母材61を成膜する点である。その後の工程は図5と同様に行う。結果として導波路コア35を導波路クラッド36が取り囲んだ構造を持つ導波路が形成される。このような構造にすることで光の伝播効率が向上するため、近接場光発生の効率も高いものが得られる。更に図示は略すが、第二実施形態と第三実施形態を組み合わせると、下地層41の上に導波路クラッド母材61を成膜し、その上に導波路コア母材53を成膜した後に、Auの長方形薄膜42を形成することができ、これにより、第二実施形態と第三実施形態の効果を合わせた効果が得られる。
(第四実施形態)
図7は本発明の第四実施形態に係る近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を示す。図7(a)、(b)、S1〜S4、S35、S36の意味は図4と同じである。図4に示した第一実施形態と共通する部分は説明を簡略にする。第一実施形態との違いは、工程S35において、導波路コア母材43を工程S3で行ったものと同じ種類のエッチングを行う点である。工程S3とはエッチング対象が異なるためエッチング条件の詳細は同一ではないが、同様の方法で導波路コア斜面64を形成することができる。こうすることで、工程S35では導波路コア55が先細り形状となり、工程S36で形成される近接場光発生素子22は、導波路コア55の先細り三角形状の内部に埋もれた状態になる。コアが先細り形状を持つ導波路はスポットサイズ変換器と呼ばれ、内部を伝播する光のスポットサイズが徐々に縮小する。これにより、近接場光発生素子22に照射される光スポットが小さくできるため、高い効率で近接場光を発生させることができる。更に、この方法に上述の第二、第三実施形態を組み合わせることで、近接場光発生素子22を先細り三角断面導波路コアの所望の位置に自在に形成することができる。
1 情報記録再生装置
2 近接場光アシスト磁気記録ヘッド
3 サスペンション
4 光ファイバ
5 レーザ光源
6 アクチュエータ
7 スピンドルモータ
8 制御部
9 ハウジング
9a ハウジング凹部
10 軸受
11 キャリッジ
12 ヘッドジンバルアセンブリ
20 スライダ
20a 対向面
22 近接場光発生素子
23 ロードビーム
24 フレクシャ
25 基板
26 導光部
27 切断面
28 基板25の先端
29 コイル
31 主磁極
32 導波路
33 導波路入射面
34 近接場光発生素子22の上面
35 導波路コア
36 導波路クラッド
37 近接場光発生素子22の稜線
41 下地層
42 Auの長方形薄膜
43 導波路コア母材
44 Auの横倒し三角錐
45 最表面
46 底面
51、53 導波路コア母材
54 導波路コアの一部
61 導波路クラッド母材
64 導波路コア斜面
D ディスク(磁気記録媒体)
D1 垂直記録層
S1〜S36 製造工程

Claims (9)

  1. コアとクラッドから成り、光源から導入された入射光を伝播する導波路と、前記導波路から出射した導波路出射光を受けて近接場光に変換する近接場光発生素子、とを有する近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、
    基板上方に近接場光発生素子母材を成膜したあと所定の平面形状にパターニングして近接場光発生素子原型を形成する工程と、
    前記近接場光発生素子原型の上に導波路コア母材を成膜する工程と、
    前記近接場光発生素子原型と前記導波路コア母材を同時に表面加工して前記近接場光発生素子原型の一部を露出させる露出工程と、
    前記露出された近接場光発生素子原型の一部の上に前記導波路コア母材をさらに成膜する導波路コア追加成膜工程と、
    前記近接場光発生素子原型と前記導波路コア母材を前記基板に対して略垂直に加工する垂直加工工程とを含み、
    前記導波路コア追加成膜工程の後に、前記導波路コア追加成膜工程でさらに成膜された前記導波路コア母材を表面加工して導波路コアの先細り形状を形成する工程を備えることを特徴とする近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記近接場光発生素子原型を形成する工程は、前記基板上に導波路クラッド母材を成膜する工程の後に行うことを特徴とする請求項1に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記近接場光発生素子母材が、前記導波路出射光によって表面プラズモンを励起する材質であることを特徴とする請求項1に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記近接場光発生素子原型を形成する工程が、前記近接場光発生素子原型の側面のうち、前記導波路へ光が入射される導波路入射面側の面が前記基板に対して略垂直になるエッチング工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記露出工程が、前記近接場光発生素子原型をエッチングして前記近接場光発生素子原型の前記基板に垂直な断面形状が三角形になるようにする工程であることを特徴とする請求項1に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記露出工程が、前記近接場光発生素子原型の前記表面加工によって形成される多面状の表面における稜線を前記基板に対して所定の角度を持つようにする工程であることを特徴とする請求項1に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記基板がウェハであり、前記垂直加工工程は、前記ウェハを切断する工程と、前記ウェハの切断面を研磨加工する工程とであることを特徴とする請求項1に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記導波路クラッド母材を成膜する工程と前記近接場光発生素子母材の成膜工程との間に、前記導波路コア母材を成膜する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記導波路コア追加成膜工程と前記垂直加工工程との間に、前記導波路コア母材を前記基板表面に平行な面内において部分的に除去し、前記除去した部分の少なくとも一部に前記導波路クラッド母材を成膜するコアパターニング工程を有することを特徴とする請求項1に記載の近接場光アシスト磁気記録ヘッドの製造方法。
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