JP5714900B2 - 口腔疾患を予防するための組成物および方法 - Google Patents

口腔疾患を予防するための組成物および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5714900B2
JP5714900B2 JP2010516078A JP2010516078A JP5714900B2 JP 5714900 B2 JP5714900 B2 JP 5714900B2 JP 2010516078 A JP2010516078 A JP 2010516078A JP 2010516078 A JP2010516078 A JP 2010516078A JP 5714900 B2 JP5714900 B2 JP 5714900B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oral
bacteria
chlorine dioxide
pharmaceutical composition
periodontal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010516078A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010533189A (ja
Inventor
ラトクリフ,ジェームズ・エル
ドレーク,デーヴィッド・アール
カンニングハム,サリー・エイ
レンケン,エリザベス・エイ
ヤング,エレナ・ジェイ
Original Assignee
マイクロピュア・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マイクロピュア・インコーポレーテッド filed Critical マイクロピュア・インコーポレーテッド
Publication of JP2010533189A publication Critical patent/JP2010533189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5714900B2 publication Critical patent/JP5714900B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/40Peroxides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/02Stomatological preparations, e.g. drugs for caries, aphtae, periodontitis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/04Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Description

本発明は、安定化した二酸化塩素(ClO)を用いる口腔疾患の予防および治療ならびに口臭の軽減のための組成物および機序、ならびにグラム陰性嫌気性/好気性/通性口腔細菌およびグラム陽性嫌気性/好気性/通性口腔細菌の両方に対して細菌の増殖を有意に低下させかつ抗菌薬として作用する0.005〜0.8%(w/v)の濃度範囲における殺菌特性および静菌特性の確証に関する。
関連技術
歯垢は、最近では“歯の表面にバイオフィルムとしてみられる多様な微生物群落であって、宿主および微生物に由来する細胞外高分子マトリックス内に埋め込まれたもの”と定義されている(Marsh, 2004)。歯垢バイオフィルムは歯肉ラインの上および下(それぞれ歯肉縁上および歯肉縁下)に発生する。酸を産生する歯肉縁上の歯垢は齲歯(むし歯)の原因である。歯肉縁下の歯の表面に形成されて歯肉溝の内張り上皮を覆う歯垢は、歯周感染症(すなわち歯肉炎および歯周炎)の発症をもたらす(Rose et al, 2004)。
歯肉縁上の歯垢は、歯を洗浄した後、数時間以内に歯の上に生じる。唾液タンパク質、たとえばムチン類、プロリンリッチタンパク質、スタヘリン(staherin)類、ヒスタチン(histatin)類およびクリスタチン(cystatin)類は、歯のヒドロキシアパタイト(HAP)無機質に対して強い親和性をもつ。これらのタンパク質は歯のHAPに速やかに結合して、獲得被膜(acquired pellicle)と呼ばれる厚いコーティングを形成する。口腔内のある細菌は選択的にこの被膜に付着し、分裂し始めてコロニーを形成する。最初は、被膜で覆われた歯の表面に定着する細菌の約80%は通性、グラム陽性、非運動性の球菌、たとえばストレプトコッカス・(サングイス)サングイニス(Streptococcus (sanguis) sanguinis)である(U.S. Patent 4,889,714)。他の20%は、多様なグラム陰性菌、たとえばベイヨネラ属(Veillonella)の菌種を含む。コロニーが増殖するのに伴って、これらの初期定着菌の代謝活動のため、また多様な他の細菌グループがバイオフィルム(歯垢)塊に加わるため、環境が変化する。歯垢バイオフィルムにおける重大な環境変化は、局所酸化還元電位が低下して低酸素環境が形成されることであり、これが嫌気性細菌の定着および増殖を促進する。バイオフィルム内の微生物は、口腔環境に存在する豊富な多糖、糖タンパク質および食事糖(たとえばショ糖)から粘液マトリックスまたはグリコカリックス(糖衣)を合成する。最終的に、歯垢は、高度に構造化した、マトリックスに埋め込まれた、遺伝子発現が著しく異なる多様な微生物集団を含む、特徴的なバイオフィルムになる(Marsh, 2005)。
歯垢バイオフィルム内の細菌は歯肉炎、慢性および進行性の歯周炎、ならびに壊死性歯周疾患を含めた幾つかの口腔疾患の主因である。大部分の口腔感染症は、普通の口腔微生物叢の定住菌により、および/または口腔に定着する外因性病原体により起きる、表面病変である。これらの感染症には、齲歯、歯肉炎、歯周炎、歯内病変、ならびに口腔症状発現を伴う可能性のある全身性感染症、たとえば結核および梅毒が含まれるが、これらに限定されない。
歯垢バイオフィルムと口腔疾患には関連があるので、歯垢細菌(グラム陰性およびグラム陽性病原菌)の再増殖速度を遅らせ、混合培養物またはブロス中の微生物(たとえば下記のものであるが、これらに限定されない)の存在を減らすことにより菌苔(歯垢)の形成を阻害する配合物が強く求められている:ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、アクチノマイセス・オドントリチカス(Actinomyces odontolyticus)、アクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、アグレガチバクター(アクチノバチルス)・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter (Actinobacillus) actinomycetemcomitans)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ミクロモナス(ペプトストレプトコッカス)・ミクロス(Micromonas (Peptostreptococcus) micros)、ストレプトコッカス・サングイニス(Streptococcus sanguinis)、ストレプトコッカス・オラーリス(Streptococcus oralis)、カンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)。
歯肉炎は、歯垢により起きる歯の周囲の歯肉結合組織の炎症である(Rose et al., 2004)。それは、臨床的には古典的な炎症徴候、たとえば発赤(潮紅、rubor)、腫張(腫瘤、tumor)および組織温度上昇(熱、calor)を特徴とする。さらに、罹患組織は穏やかに触れた場合にも出血する。歯肉炎は日常的な口腔ケアにより予防できるが、処置しなければ歯周炎として知られる重篤な歯肉疾患に至る可能性がある。歯周炎も歯垢によって起き、歯を支える組織(すなわち結合組織および骨)の炎症および感染を特徴とする。それを処置しなければ歯を失うことになるであろう。それは歯周の歯垢誘発性炎症性疾患であり、これは探針深さの増大、ならびに歯周靭帯および隣接する支持歯槽骨の破壊をもたらす。
口臭(Halitosis、oral malodor)は、口腔内の有機物質の分解を伴う細菌性代謝分解によって産生される揮発性硫黄化合物により生じる。唾液、歯垢および舌苔中の細菌は、口臭の主因である硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)およびジメチルメルカプタン((CHS)を含む揮発性硫黄化合物(VSC)を産生する(Loesche and Kazor, 2002)。歯肉縁下の歯垢中にみられるグラム陰性嫌気性菌を含めた口腔細菌は、VSC、および有機酸、たとえば酪酸、プトレッシン(putrescine)、吉草酸およびスカトールを含めた多様な悪臭化合物を産生する(Kazor et al., 2003)。より詳細には、歯肉縁下の歯垢に関連する細菌種は大量のCHSHおよびHSを産生することがインビトロ試験により示された。これらの細菌にはフソバクテリウム・ヌクレアタム、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、タンネレラ・フォルシチア(Tannerella forsythia)(以前はバクテロイデス・フォルサイタス(Bacteroides forsythus))、プレボテラ・インターメディア、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・エンドドンタリス(Porphyromonas endodontalis)、およびユーバクテリウム属(Eubacterium)菌種が含まれる(Loesche and Kazor 2002; Kazor et al., 2003)。本発明は安定化した二酸化塩素を殺菌薬として使用し、これにより口腔細菌が減少し、本質的に口臭が軽減する。先行技術の安定化した二酸化塩素の口腔ケア製品の組成物は、脱臭剤として作用することにより口臭を軽減すると示唆されている(U.S. Patents Nos. 4689215、4696811、4786492、4788053、4792442、4793989、4808389、4818519、4837009、4851213、4855135、4886657、4889714、4925656、4975285、5200171、5348734、5489435、5618550)。
歯周疾患と全身健康状態の関係は、科学的証拠が増えるのに伴って確立されつつある。口腔疾患は全身性疾患、たとえば心血管疾患(アテローム性硬化症、冠性心疾患、卒中)、糖尿病、早産および出産時低体重と関連をもつことが示されている(Kim and Amar, 2006)。
歯周疾患、アテローム性硬化症、冠性心疾患および糖尿病を含む慢性症状には、炎症反応特性の増悪が共通する。この反応の増悪は、微生物攻撃に反応して起きる炎症性サイトカインの産生増大に伴って生じる(Rose et al., 2004)。しかし、炎症反応は全身の健全な組織に損傷を与える可能性がある。
歯周感染症は、身体が微生物攻撃に対する先天性免疫防御システムの一部として単球由来のサイトカインおよびインターロイキンを分泌するのを刺激する。歯周感染部および歯垢中に存在するグラム陰性菌は、炎症性サイトカインの分泌を誘発するリポ多糖(内毒素)を放出する。歯周感染症は、免疫系を刺激して炎症性サイトカインを産生することにより心血管疾患(たとえばアテローム性硬化症および血塞栓状態)の直接的な原因となる可能性がある(Beck et al., 1996)。
歯周疾患、および全身性炎症における歯周疾患の役割が、頚動脈内のアテローム中にアグレガチバクター(アクチノバチルス)・アクチノミセテムコミタンスを含む口腔病原菌を同定する研究で示された(Padilla et al., 2006)。Michaud et al. (2007)により報告された証拠は、歯周疾患を伴うヒトは63%高い膵臓癌の発症リスクをもつことを示唆している。歯周疾患と慢性炎症および膵臓癌との関連については、その関係を確認するためにさらに研究する必要がある。
米国における主要な死因のひとつである心血管疾患の発症リスクに歯周疾患が影響を及ぼすことを指摘する証拠がある。アテローム性硬化症は血管の疾患であって、血管を内張りする内皮細胞が損傷を受ける。内皮損傷は、高血圧症、喫煙、高脂血症、毒素、ウイルス、免疫応答および細菌を含めた広範な有害刺激により起きる可能性がある。内皮損傷に応答して、血管壁の血管内壁(内膜)が肥厚する。肥厚した領域はアテローム(またはアテローム斑)と呼ばれ、線維性莢膜で囲まれた脂質、コレステロールおよび脂肪酸を含む。アテローム斑の存在により、血流低下および心筋梗塞(心臓発作)をもたらす血栓症または狭窄症のリスクが高まる。
心疾患と歯周疾患の最も重要な関連は炎症である。歯周疾患は身体の最も一般的な慢性炎症状態のひとつである。炎症は身体に定着する細菌に対する防御機序として起きる。歯周感染症の経過中に、炎症仲介物質および細菌が血流に進入し、身体の他の部分、たとえば心臓へ移動する。
Briggs et al. (2006)は、中年男性において冠性心疾患が歯周健康状態不良と関連することを示した。この研究では、肝臓で細菌に応答して産生されるC反応性タンパク質(CRP)の血清濃度を測定した。CRPは炎症に関する非特異的マーカーであり、心血管疾患発症リスクの増大と関連する。この研究で、歯周炎を伴う男性は歯周炎を伴わない個体より高い血清CRP濃度をもつことが見いだされた。
歯周感染症は虚血性発作に対する独立したリスク因子であることも示された(Grau et al., 2004)。これらの研究者は、重篤な歯周炎を伴う者では軽度の歯周炎を伴う者または歯周炎を伴わない者と比較して脳虚血のリスクが4.3倍高いことを見いだした。
主要な歯周病原菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスはアテローム硬化斑中で他の細菌より高い優勢度をもつことが示された(Ford et al., 2005 & 2007)。Fordらの研究で動脈中に有意に高いことが認められた他の細菌には、フソバクテリウム・ヌクレアタムおよびタンネレラ・フォルシチアが含まれる(2005)。これらの研究は、歯周病原菌がアテローム硬化症の発症に役割を果たすこと、および多数の病原菌に対する免疫応答はきわめて複雑であると思われるという事実を示す(Ford et al, 2007)。連鎖球菌属(Streptococci)、たとえばストレプトコッカス・サングイニスは、健全な部位からの歯垢の一般的な成分である。しかし、それらは血流に進入すると全身問題の原因となる可能性がある。Herzberg and Meyer (1998)は、ストレプトコッカス・サングイニスをウサギの血流に導入するとそれらの動物はその循環系中に致命的な血栓(凝血塊)を発生することを示した。しかし、歯周疾患が心血管疾患の発症に及ぼす影響は依然として研究領域にあり、これら両者の因果関係を確証するためにはより多くの研究が必要である。
歯周疾患は、早産および出産時低体重に対する新たなリスク因子として出現しつつある。それは、これらの合併症に対して喫煙、アルコール、薬物使用および尿生殖路感染症などと全く同じ程度の影響をもつ可能性がある。歯周感染症と早産および出産時低体重との関係が研究され、歯周炎を伴う女性は有害な妊娠予後に対する高いリスクをもつことが指摘された(Offenbacher et al., 2001; Madianos et al., 2001)。歯周炎が早産に及ぼす影響を説明する機序は、リポ多糖(内毒素)を含む微生物が妊娠中に子宮腔に進入し、サイトカイン産生(炎症)を刺激することを示唆する。炎症仲介物質の産生によりプロスタグランジン合成が生じ、これが子宮筋を収縮させ、子宮頚部を拡張させ、膜を早期に破裂させる(Rose et al., 2004)。
Buduneli et al. (2005)は、以下の歯肉縁下細菌、ペプトストレプトコッカス・ミクロスおよびカンピロバクター・レクタスが、両方とも早期出産時低体重のリスクを高める役割を果たすことを見いだした。これらの口腔細菌に曝露されると、胎児性炎症および感染症が生じ、これがさらに早産のリスクを高める(Boggess et al., 2005; Offenbacher et al., 2005)。グラム陰性口腔嫌気性菌であるフソバクテリウム・ヌクレアタムが胎盤壁に定着することによって有害な妊娠予後と関連することも見いだされた(Han et al., 2004)。歯周疾患と早産および出産時低体重との関係について統計的に有意の関連性を説明するためには、さらに研究を確立する必要がある(Bassani et al., 2007)。
糖尿病は、インスリンの活性またはその分泌に関する問題のため高血糖症(血糖増加)が起きる一群の代謝疾患である。1型糖尿病は、膵臓のインスリン産生ベータ細胞の破壊によるものである。ベータ細胞は、特定のウイルス感染または自己免疫反応などの環境傷害により破壊される可能性がある。この疾患に対する遺伝的羅病性があり、主に北欧系の個体に起きる。2型糖尿病は膵ベータ細胞の消耗によるものである。末梢組織に顕著なインスリン抵抗性がある。慢性高血糖症は、最終的に膵臓のインスリン産生に障害をもたらす。肥満症は、2型糖尿病発症のリスクを著しく高めるきわめて重大な環境因子である。糖尿病と歯周疾患の間には両方向性の関係がある。糖尿病は、細菌感染に対する応答の撹乱のため歯周疾患発症のリスクを高める(Garcia et al., 2001)。代謝制御不良状態にある糖尿病患者では、好中球(白血球)が機能不全になる。歯周疾患は糖尿病状態の増悪に対するリスクとしても認識されている。
糖尿病と歯周疾患は、感染により起きる炎症とインスリン抵抗性の関係によっても関連する。炎症はサイトカイン産生、タンパク質合成、およびインスリン抵抗性の増大をもたらす(Kim and Amar, 2006)。糖尿病を伴う対象は細菌に曝露された際に糖尿病を伴わない対象と比較して増強した応答を示すことが研究により示唆された(Nishimura et al., 2007)。
糖尿病の代謝制御は、歯周疾患を処置していない患者では損なわれている。Lim et al. (2007)は、糖血制御と歯周健康状態の関係を調べ、糖血不良が歯周疾患の存在と強く関連していることを見いだした。糖尿病患者における歯周疾患の予防は、他の糖尿病合併症、たとえば腎障害、心筋梗塞および卒中を発症するリスクを減らすために重要である(Nishimura et al., 2007)。歯周状態が糖尿病および他のすべての全身状態に対して重要であることを立証するためには、さらに研究が必要である。
感受性の者においてバイオフィルム中に一般的にみられる歯周病原菌と考えられる細菌種には以下のものが含まれる:ポルフィロモナス・ジンジバリス、アグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンス、タンネレラ・フォルシチアおよびトレポネーマ・デンティコラ(Holt and Ebersole, 2005)。細菌の共凝集または微生物の細胞−対−細胞接着は歯垢バイオフィルムの基本的な特徴または特色である。歯垢バイオフィルムにおける細菌の共凝集はランダムに起きるのではなく、細菌はグループとして、または複合体状で、歯に定着する傾向がある。考察の目的で、バイオフィルム形成の発生段階、および特定の細菌複合体と歯周感染症の関連を反映させるために、これらの複合体にカラー表示が与えられた(Socransky et al., 1998)。青色、黄色、緑色および紫色複合体と表示される4グループは、歯肉縁下ニッチの初期定着菌から構成される。成熟した歯肉縁下バイオフィルムの複雑な微生物群落と関連する後期定着菌は、橙色および赤色複合体と表示される(Rose et al., 2004)。黄色複合体は数種の連鎖球菌属菌、たとえばストレプトコッカス・サングイニスおよびストレプトコッカス・オラーリスを含む。紫色複合体はアクチノマイセス・オドントリチカスおよびベイヨネラ・パルブラ(Veillonella parvula)からなる。これらの種は初期定着菌であり、歯の表面に最初に付着するものに含まれる。それらは他の細菌複合体の定着を容易にする環境を作り出す。緑色複合体はカプノシトファガ属(Capnocytophaga)菌種、カンピロバクター・コンサイサス(Campylobacter concisus)、エイケネラ・コロデンス(Eikenella corrodens)、およびアグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンスを含む。橙色クラスターはフソバクテリウム属菌種、プレボテラ属菌種、ミクロモナス(ペプトストレプトコッカス)・ミクロス、カンピロバクター属菌種、およびユーバクテリウム属菌種を含む。橙色複合体のメンバーは初期定着菌を認識してそれらに結合し、赤色複合体菌種の定着を促進する。これらの細菌は、バイオフィルムにおいて他の細菌が付着して定着するための’架橋’および栄養素放出と関連する。最後に、赤色複合体は3種からなる:ポルフィロモナス・ジンジバリス、タンネレラ・フォルシチアおよびトレポネーマ・デンティコラ。これらは、重篤な疾患を伴う部位、深い歯嚢、および進行した病変部に、より多数見いだされる(Rose et al., 2004)。これらの3種は歯肉溝の内張り上皮に隣接する歯垢領域内に一緒にみられる。
周知のグラム陰性歯周病原菌のうちの2種は、ポルフィロモナス・ジンジバリスおよびフソバクテリウム・ヌクレアタムである。ポルフィロモナス・ジンジバリスは慢性歯周炎の進行と関連がある。それは、宿主の組織および細胞、たとえば歯肉上皮細胞へのそれの接着を容易にする分子成分および構造をもつことが示された。重要なことは、この微生物が上皮細胞内に侵入して増殖しうるので細胞内病原菌であることである(Holt and Ebersole, 2005)。ポルフィロモナス・ジンジバリスは、宿主組織に定着し、細胞外空間を経由することなく細胞から細胞へ拡散移動することにより宿主の免疫応答を逃れる、新規な機序をもつ(Yilmaz et al., 2006)。フソバクテリウム・ヌクレアタムは歯垢バイオフィルムの発生に重要な細菌であると考えられ、病原性となる潜在性をもつ。それは歯垢の増殖を支持し、細菌の初期定着と後期定着の間の橋渡しとして作用すると考えられる(Bolstad et al., 1996)。それらの細菌種が口腔に定着する速度を抑制することが健康にとって重要である。
二酸化塩素という用語は業界で広く用いられている。当業者は、意図する特定の機能および目的を実行するために利用できるその多様な形態または異形を実際に認識しているであろう。さらに、U.S. Patent No. 3,271,242には、ある形態の安定化した二酸化塩素およびその生成物を製造する方法が記載されており、これは本発明を実施する際に特に有用である。
二酸化塩素の殺菌特性は、それが1950年代に最初に利用可能となる以前に周知であった(Masschelein, 1979)。二酸化塩素は亜塩素酸ナトリウムから得られ、塩素を含まない溶液を生成することにより、飲料水処理として用いられる。安定化した二酸化塩素は、亜塩素酸塩および安定剤を含む水溶液である。安定化した二酸化塩素のpHが中性pHから低下すると、二酸化塩素分子が水溶液から放出される。安定化した二酸化塩素のこの作用機序が、好気性、通性および嫌気性の病原菌の微生物生態に対して殺菌作用および静菌作用をもつ。
本発明は、病原菌、菌苔(歯垢)および口臭を抑制するために、約0.8%(w/v)以下の濃度の溶液状で、たとえば口内洗浄剤(mouthwash)またはリンス(rinse)として口腔の処置に使用できる、安定化した二酸化塩素を含有する組成物に関する。リンスをミントの油またはエキスの添加により着香することもできる。着香剤の添加は安定化した二酸化塩素と相互作用せず、または配合物の安定性に影響を及ぼさないであろう。
口内洗浄剤などの液体について、濃度を表わす際の標準的な測定単位は重量−容量%である。すなわち、ある重量の成分(固体、液体または溶剤に溶解したもの)が、ある容量の口内洗浄剤全体の中に存在する。本発明における安定化した二酸化塩素の好ましい濃度は、0.005%〜2%(w/v)の範囲である。
本明細書中で用いる“局所口腔ケア組成物”または“口腔用組成物”とは、療法薬を全身投与するために意図的に嚥下するのではなく、口腔内活性を得る目的で、実質的に歯の表面および/または口腔粘膜組織の全体と接触するのに十分な時間、口腔内に保持する製品を意味する。
従来の研究は、歯肉炎を処置するための殺菌薬および口臭を処置するための脱臭剤としての、安定化した二酸化塩素の使用を考慮している(Ratcliff, US 4,689,215; Madray, US 6,231,830; Richter, US 5,738,840; Witt, US 6,350,438)。二酸化塩素が殺菌特性をもつこと、および二酸化塩素が口内の悪臭をもつ揮発性硫黄化合物をスルフィド結合の切断により攻撃する作用をすることを指摘する多量の証拠がある(Lynch, 1997; Silwood , 2001)。
使用および試験された先行技術組成物は、歯周炎、歯肉炎、歯垢蓄積および口臭の治療または予防においてある程度は有効性が受け入れられている。Ratcliffの先行特許は、ストレプトコッカス・サングイニスに対する安定化した二酸化塩素の殺菌作用を立証した(U.S. Patents Nos. 4,851,213および4,889,714)。そこには、ストレプトコッカス・サングイニスを90%以上減少させることにより10秒間にわたって口腔細菌の生態を変化させることによって歯垢を減少させる方法が記載されている。それには、口腔に存在するグルコシルトランスフェラーゼ中の二重結合の破壊も記載されている。
二酸化塩素0.005〜0.5%(w/v)およびリン酸塩約0.02%〜3.0%の濃度範囲がU.S. Patent 5,348,734(Ratcliff)に示されている。これは先行技術にみられる最高の主張範囲である。本発明は、先行技術より高い濃度の安定化した二酸化塩素が、より速やかな速度で、より複雑な微生物環境における口腔細菌に対して殺菌性であることを証明する。
本発明は、安定化した二酸化塩素の静菌特性に注目する。本発明の証拠は、安定化した二酸化塩素が細菌に及ぼす作用により細菌の増殖が有意に低下することを示す。本発明を口腔疾患および歯垢発生の予防および治療に有効な薬剤にする、歯周病原菌に対する阻害作用を教示した先行技術はない。
DoyleのU.S. Patent (No. 6,846,478)には、亜塩素酸イオンを混合物中に含む口腔用組成物は口腔における細菌性の状態および疾患を抑制するのに有効であって、細菌が血流中へ拡散するのを阻害すると主張されている。さらにU.S. Patent No. 7,087,228 (Goodman)は、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)を含めた細菌に対して口腔を処置することにより歯垢および感染性心内膜炎を予防するための組成物を提供している。しかしこれらの発明は、口腔内の多菌状態による口腔疾患を予防および治療するための有効成分としての安定化した二酸化塩素に特定のものではない。
歯周疾患は歯肉縁下の歯垢の多菌生態に対する応答から生じる。多様で複雑な口腔生態は、免疫系および抗菌薬に対して、より抵抗性の応答をもたらす。歯周疾患を伴う口腔のより自然な環境について調べるためには、細菌生態の多様性および複雑さを模倣した実験条件を開発することが重要である。そのような微生物環境での注目すべき細菌死および歯垢発生阻害を証明する研究の数は限られている。本発明は多様な自然生態を考慮して、歯周疾患に関連する多数の口腔細菌の混合微生物懸濁液中における殺菌特性および静菌特性の両方を調べる。従来の発明およびこれまでの研究は、単一細菌の懸濁培養に関するものであり、それらは自然な口腔生態を実際に表わすものではない。
本発明の抗菌特性を支持する証拠は、個々の菌を二酸化塩素濃厚錠で阻害するBotha and Molobelaの研究(2006)で観察されている。この研究は、二酸化塩素が下記の口腔病原菌に対して試験した際に有効な抗菌薬であると結論した:ストレプトコッカス・ミュータンス、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ポルフィロモナス・ジンジバリス、アグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンス、プレボテラ・インターメディア、タンネレラ・(フォルサイテンシス)フォルシチア(T. (forsythensis) forsythia)、およびエイケネラ・コロデンス。菌が異なるのに伴って感受性は変動したが、増殖阻害は実際に観察された。これらの結果は、二酸化塩素に対する細菌の感受性が二酸化塩素濃度の上昇に対して直線的な抗菌作用を示さないことも示唆している。本発明はこれらの所見を支持し、多様な環境としての口腔生態に対応する包括的な方法へと拡張したものである。
安定化した二酸化塩素を含有する組成物を、約0.005%〜約0.8%(w/v)の範囲の濃度の口内洗浄剤として、病原菌、菌苔(歯垢)および口臭を抑制するために使用する。殺菌特性には、混合微生物群落中に存在する嫌気性/好気性/通性グラム陰性およびグラム陽性口腔細菌の死滅が含まれる。口内洗浄剤は、曝露された多くの歯周病原菌を死滅させるのに有効であるだけでなく、口腔細菌の経時的な再定着も遅延または阻止できる。
したがって、本発明の第1目的は、歯垢および口臭の発生を軽減するための口内洗浄剤として安定化した二酸化塩素を提供することである。
本発明の他の目的は、約0.005%〜約0.8%(w/v)の範囲の濃度の安定化した二酸化塩素を含む口内洗浄剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、口腔内の混合微生物群落中の細菌を死滅させるための口内洗浄剤中の安定化した二酸化塩素を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、口腔内の嫌気性/好気性/通性グラム陰性菌およびグラム陽性菌を死滅させるための口内洗浄剤中の安定化した二酸化塩素を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、それの殺菌特性および静菌特性により口腔疾患を予防するための、約0.005%〜約0.8%(w/v)の範囲の濃度の安定化した二酸化塩素を含む口内洗浄剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、口腔内の混合微生物群落中の細菌を死滅させるための方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、口腔内の嫌気性/好気性/通性グラム陰性菌およびグラム陽性菌を死滅させるための方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、口腔内の混合微生物群落における歯垢および口臭の発生を軽減するための方法を提供することである。
本発明のこれらおよび他の目的は、本発明の記載が進むのに伴って当業者に明らかになるであろう。
図面を参照して本発明をより詳細に記載する:
図1は、着香剤無添加の0.1%(w/v)濃度の口内リンスを0時間、17時間および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す。 図2は、蒸留水(対照)に0、17および36時間目のインキュベーション時点で1分間曝露した後の細菌の生存量を示し、これは図1に示す0.1%濃度の口内リンスと比較するための陰性対照として用いられる。 図3は、着香剤無添加の0.4%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す。 図4は、着香剤無添加の0.5%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す。 図5は、蒸留水(対照)を0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示し、これは図4に示す着香剤無添加の0.5%(w/v)濃度の口内リンスに対する比較として用いられる。 図6は、着香剤添加した0.5%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す(曝露3におけるフソバクテリウム・ヌクレアタム数の回復が注目される;これは細菌の耐性または技術的誤りによるものと思われる)。 図7は、蒸留水(対照)を0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示し、これは図6に示す着香剤添加した0.5%(w/v)濃度の口内リンスに対する比較として用いられる。 図8は、着香剤添加した0.6%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す。 図9は、着香剤無添加の0.6%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す;この口内リンスと対照(dHOおよびETSB−YE)の比較も示す。 図10は、着香剤添加した0.8%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す;この口内リンスと対照(dHOおよびETSB−YE)の比較も示す。 図11は、着香剤無添加の0.8%(w/v)濃度の口内リンスを0、17および36時間目のインキュベーション時点で混合細菌懸濁液に1分間曝露した後の細菌の生存量を示す;この口内リンスと対照(dHOおよびETSB−YE)の比較も示す。 図12は、着香剤無添加の口内リンスに1分間曝露した後のポルフィロモナス・ジンジバリス(ATCC 33277)の増殖阻害を示す(Tアッセイ濃度=10);この試験に含めた対照は、クロルヘキシジン、中和ブロス、dHOおよびPg(ポルフィロモナス・ジンジバリス)ブロスである。
本発明は、安定化した二酸化塩素を含む溶液状の、口内洗浄剤またはリンスを含めた口腔ケア組成物に関する。本発明は、口腔疾患に関与する微生物、たとえばポルフィロモナス・ジンジバリス、アクチノマイセス・オドントリチカスおよびアクチノマイセス・ビスコーサス、プレボテラ・インターメディア、フソバクテリウム・ヌクレアタム、ミクロモナス・ミクロス、ストレプトコッカス・サングイニスおよびストレプトコッカス・オラーリス、カンピロバクター・レクタス、ならびにエンテロコッカス・フェカーリス(これらに限定されない)に対する殺菌薬および静菌薬としての安定化した二酸化塩素の使用を考慮する。この組成物についての機序には、歯周の疾患および健康と関連する単一細菌または多菌群落としての口腔細菌スペクトルに対する安定化した二酸化塩素の殺菌活性が判定されたことが含まれる。
本発明は、0.005%〜0.8%(w/v)の濃度範囲で口腔細菌群落に対して殺菌薬および静菌薬として作用する安定化した二酸化塩素組成物からなる。それは先行技術において知られているより高い濃度でグラム陰性菌およびグラム陽性菌を死滅させ、数を減少させる効果をもつ。細菌死滅量に直線関係が示されると信じられていたので、この効果は予想外であった。しかし、指数的割合の細菌死が起きることがインビトロ試験で見いだされた。直線関係で判定して、0.2%(w/v)濃度では死滅率は0.1%(w/v)濃度の死滅の2倍であろうと推定された。本発明の証明として実施した試験では、この相関関係は観察されなかった。安定化した二酸化塩素の濃度が上昇するのに伴って、微生物に対して指数的効果があると思われる。
本発明は、混合細菌群落に対する0.005%〜0.8%(w/v)の濃度範囲における安定化した二酸化塩素の抗菌特性の殺菌動態を確立する。口腔細菌は単一種として口内に存在するのではなく複雑かつ多様な細菌種の群落として存在するので、単一菌としてではなく群落としての細菌を評価する実験方法が重要である。一般的な試験法は、この実験において行なうように歯垢様の環境または多菌懸濁液中での細菌死を試験するものではない。この環境は、抗菌薬に対する感受性を低下させ、疾病状態への進行を抑制および阻止するのをより困難にする。
本発明は下記の細菌に対して殺菌薬として作用する:ポルフィロモナス・ジンジバリス、アクチノマイセス・オドントリチカスおよびアクチノマイセス・ビスコーサス、プレボテラ・インターメディア、フソバクテリウム・ヌクレアタム、ミクロモナス・ミクロス、ストレプトコッカス・サングイニスおよびストレプトコッカス・オラーリス、カンピロバクター・レクタス、ならびにエンテロコッカス・フェカーリス。本発明は口腔疾患および歯周炎の進行に関連する大部分の口腔細菌に対して有効であると考えられる。本発明は、多種の口腔細菌の多菌培養物に懸濁すると、口腔疾患に関連する口腔細菌、および健康に関連するものを含めた日和見細菌、より具体的にはグラム陰性嫌気性/好気性/通性口腔細菌およびグラム陽性嫌気性/好気性/通性口腔細菌の両方を死滅させ、再増殖を低下させる。
本発明は、混合培養物中の口腔細菌に対する48時間にわたる静菌処置として用いるための安定化した二酸化塩素口内リンスの使用を主張する。本発明は、歯周疾患に関与する口腔細菌に対する静菌薬としての安定化した二酸化塩素の能力を考慮している。たとえば、本発明においてポルフィロモナス・ジンジバリスの再増殖が阻害されることが示され、これはこの特定のグラム陰性歯周病原菌に対する静菌作用を示す。安定化した二酸化塩素に曝露した後のポルフィロモナス・ジンジバリスなどの口腔細菌の増殖阻害を主張した技術はこれまでほとんどまたは全く無い。研究により、安定化した二酸化塩素は細菌細胞に対する静菌作用をもたらして、最終的に細胞死に至ることが示唆される。この細胞代謝および細胞機能の阻害は、口腔疾患および歯垢形成の主因である菌苔(歯垢)および悪臭をもつ揮発性硫黄化合物の形成を効果的に阻害または抑制する。
二酸化塩素が細菌を不活性化する具体的な機序は、現在、仮説を立てて研究中である。したがって本発明の静菌特性は、タンパク質合成の阻害によるもの、および/または細胞が膜透過性を維持できず代謝プロセスが阻害されることによるものであると考えられる。細菌に対するこれらの作用のため、0.005%〜0.8%(w/v)の濃度範囲の安定化した二酸化塩素の溶液ですすぐことにより、歯垢の生成および口腔疾患への進行を阻止することができる。悪臭をもつ口腔内化合物(VSC)の産生を阻害することもできる。以下の作用機序は、二酸化塩素による細菌死の説明を詳述する。
細胞に対する二酸化塩素の具体的な作用機序は長年にわたって議論されてきた。初期の研究は、二酸化塩素の主な作用がタンパク質合成の撹乱であり、これにより細胞死に至ることを示した(Benarde et al., 1967)。Benardeの研究から得られた結果は、タンパク質合成に対する急激な阻害を明瞭に示した。細胞に対するこの出来事の説明は、二酸化塩素によるアミノ酸の活性化阻害、メッセンジャーRNAの不活性化(これは翻訳を妨げる)、およびリボソームの破壊(これは漏出により細胞内容物の損失を引き起こす)の可能性を含んでいた。
しかし、その後の研究で、これが該当しない可能性があることが指摘された。Rollerらは二酸化塩素が細菌のデヒドロゲナーゼ酵素、タンパク質合成、およびデオキシリボ核酸に及ぼす作用を調べた(Roller et al., 1986)。結果は、全デヒドロゲナーゼ酵素が二酸化塩素による反応の最初の5秒以内に完全に阻害され、タンパク質合成が部分的に阻害されることを示した。二酸化塩素の使用量は阻害の程度に比例することが認められた。これらの研究では、二酸化塩素が細胞に及ぼす主な作用はデヒドロゲナーゼ酵素、タンパク質合成複合体、またはDNA以外の細胞内領域で起きていると結論された。細胞のタンパク質合成の阻害が実際には細胞死に関与すると判定された。しかしRollerらは、タンパク質合成以前にすら細胞の機能の損傷が起きると結論した。二酸化塩素は細胞のDNAを変化させることにより細胞の不活性化を引き起こすのではないことが示された。この研究における二酸化塩素による細胞死の説明または理論は、細胞の酵素活性に関係する成分との反応またはその酸化によるものである(Roller et al., 1986)。
二酸化塩素の作用機序についてのより最近の研究が、Berg et al. (1986)により行なわれた。Bergらは、二酸化塩素が大腸菌(Escherichia coli)の膜機能に及ぼす作用を調べて、透過性制御が損なわれ、これにより細胞死に至ることを見いだした。二酸化塩素による不活性化は、細胞の内側に存在する細胞内高分子の周囲への著しい損失を起こさないことも示された。しかし、膜の損傷は細胞内カリウムの損失をもたらして膜内外イオン勾配を破壊し、これが代謝プロセスの致死的阻害および細胞死をもたらすと理解される。したがって、二酸化塩素に対する感受性および細胞の増殖特性にとって細胞の透過性バリヤーが重要であると判定された。
本発明の研究による証拠は、安定化した二酸化塩素が細菌細胞に対して殺菌作用および静菌作用を引き起こし、これにより最終的に細胞死に至ることを示唆する。これらの作用は、口腔疾患の主因である菌苔(歯垢)および悪臭をもつ揮発性硫黄化合物の形成の抑制をもたらすことができる。
安定化した二酸化塩素が単一の口腔細菌および混合細菌懸濁液に及ぼす殺菌特性を試験するために、特定濃度(0.1%〜0.8%(w/v)の濃度範囲)の溶液をインビトロで、細菌を含むアッセイにおいて試験した。実験には、着香剤無添加および着香剤添加の両方の口内リンス溶液の試験が含まれていた。
安定化した二酸化塩素の静菌特性を試験するために、0.1%(w/v)濃度の安定化した二酸化塩素を含む溶液をインビトロで口腔細菌について試験した。
材料:
アクチノマイセス・ビスコーサス ATCC 43146
アクチノマイセス・オドントリチカス ATCC 17929
カンピロバクター・レクタス ATCC 33238
エンテロコッカス・フェカーリス ATCC 10741
フソバクテリウム・ヌクレアタム ATCC 49256
ミクロモナス(ペプトストレプトコッカス)・ミクロス ATCC 33270
ポルフィロモナス・ジンジバリス ATCC 49417
プレボテラ・インターメディア ATCC 25611
ストレプトコッカス・サングイニス ATCC 10556
ストレプトコッカス・オラーリス ATCC 35037
着香剤を含む口内リンス
着香剤を含まない口内リンス
Difco(商標)中和ブロス(約800mL)
強化TSBYE(約400mL)
人工唾液+5%トリプトン+5%酵母エキス(約2,500mL)(AS+T+Y)
0.147g/L 塩化カルシウム(CaCl
0.426g/L リン酸ナトリウム(NaHPO
1.68g/L 炭酸水素ナトリウム(NaHCO
90〜50mL遠心管
25mL、10mL、5mLおよび0.1mLピペット
ピペットエイドピペッター
9個の無菌エルレンマイヤーフラスコ
無菌試験管
39−各選択寒天、合計312のプレート用(48時間、前還元したもの)
最適増殖培地および選択寒天(培地を24時間、前還元したもの):
CRブロスおよびCR寒天−カンピロバクター・レクタス
BHIBブロスおよびBHIB pH=9.6寒天−エンテロコッカス・フェカーリス
TSBYEインベルターゼ処理ブロスおよびMSss/MSN寒天−ストレプトコッカス・サングイニスおよびストレプトコッカス・オラーリス
シェードラー(Schaedler)ブロスおよびCVE寒天−フソバクテリウム・ヌクレアタム
PmブロスおよびMSCN寒天−ミクロモナス・ミクロス
PgブロスおよびBPB+MUP寒天−ポルフィロモナス・ジンジバリス
BHIBブロスおよびCFAT+MUP寒天−アクチノマイセス・ビスコーサス
ETSBYE−すべての細菌用
血液寒天
安定化した二酸化塩素リンスの殺菌活性の測定を、歯肉炎、歯周の疾患および健康状態に関連する個々の口腔細菌の懸濁液について実施した。下記の細菌を個々にマイクロタイタープレートアッセイシステムによりアッセイした:ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディア、フソバクテリウム・ヌクレアタム、ミクロモナス・ミクロス、アクチノマイセス・ビスコーサス、アクチノマイセス・オドントリチカス、ストレプトコッカス・サングイニス、ストレプトコッカス・オラーリス、カンピロバクター・レクタスおよびエンテロコッカス・フェカーリス。
実験に用いた細菌は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)分離株であり、最初に口腔感染症から得られた。すべての細菌がクリオライブラリーとして−90℃で永久保存されている。
初代培養物をその種に適した標準強化培地で嫌気チャンバー(Coy)内において37℃で48時間、増殖させた。細胞を遠心により収穫し、前還元した無菌培地で2回洗浄した。細胞を前還元した無菌培地に懸濁し、細胞濃度と分光分析による吸光度との標準曲線に基づいて標準濃度に調整した。
殺菌アッセイをマイクロタイタープレート設定で実施した。アッセイ成分は、標準化した細菌懸濁液(出発細胞濃度10〜10CFU/mL)、抗菌剤希釈液、および無菌培地からなっていた。無菌蒸留水に希釈したある範囲の濃度のリンスを用いた。陽性対照は0.12%クロルヘキシジンからなり、陰性対照は無菌蒸留水(dHO)であった。多数回の実験において、着香剤もアッセイに際して含有させた。
マイクロタイタープレートをアッセイ時点間は嫌気チャンバー内でインキュベートした。試料を種々の期間で取り出して、Spiral Plate 4000システムを用いるらせん平板培養法により生存細胞数を測定するために処理した。らせん平板培養システムを用いて、細菌細胞数および抗菌薬感受性の程度を測定した。1、5および10分間の曝露時間について観察した。
統計分析を実施する前にデータを正規化するために、粗微生物数をまずlog10値に換算した。これは標準法であり、抗菌アッセイにおいて細菌数を評価するために広く用いられている。データを大部分は一元分散分析(ANOVA)により分析した。場合により、不等分散が生じた際にはノンパラメトリック クルスカル−ウォリス(Kruskall−Wallis)ANOVAによってもデータを分析した。前者の場合、統計的有意性がみられた際には、グループ間の差を判定するためにチューキー−クレイマー事後検定(Tukey−Kramer post−test)を行なった。後者の場合、ダンの多重比較検定(Dunn’s multiple comparison’s test)を行なった。統計的有意性をα=0.05に設定した。データをスチューデントのt−検定により分析した。
グラム陰性嫌気性菌における全般的傾向を観察して、これらの細菌は0.1%(w/v)濃度の安定化した二酸化塩素リンスに対して、より感受性であった(データは示していない)。1分間曝露後の生存細胞数の減少がフソバクテリウム・ヌクレアタムについてみられたが、データは統計的に有意ではなかった。同様に、生存細胞の減少がポルフィロモナス・ジンジバリスについてみられた。しかし、10分間曝露の実験では接種菌の完全な死滅がみられた。
嫌気性グラム陰性菌プレボテラ・インターメディアについては、わずかに異なる感受性プロフィールがみられた。統計的に有意の生存細胞数減少が1および5分間曝露の両方についてみられ、5分間で完全な死滅が起きた。
カンピロバクター・レクタス実験からの結果は、口内リンス濃度に1分間曝露すると統計的に有意の生存細胞数減少がアッセイにおいて生じることを示す。この口内リンスは、カンピロバクター・レクタス(嫌気性グラム陰性菌)に対する1分間の曝露で>95%の死滅をもたらした。
結論として、このリンスはグラム陰性嫌気性口腔細菌に対して細菌の生存性に対する強い作用を示した。さらに、これらの細菌を、歯周の疾患および感染症の発症および進行と関連する多菌混合物において試験した。
多菌混合物の組成は、健康状態および疾患と関連する菌を含むように設計された(前記の個々の口腔細菌懸濁液の試験に用いたものと同じ細菌からなる)。
この実験の目的は、混合細菌懸濁液を複数の時点で(0、17および36時間目)0.1%から0.8%(w/v)までの範囲の濃度の口内リンスに1分間曝露した際に懸濁液に対する殺菌作用があるかを判定することであった。下記の方法は0.4%(w/v)の口内リンス濃度について詳述したものであり、0.1%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%および0.8%(w/v)濃度を含む他の濃度については、それに応じてこれを変更した。
実施した試験は、個々の細菌について行なったものと同様であり、口内リンスを混合細菌懸濁液に対して評価したにすぎない。それぞれの細菌(好気性菌については0.1mL、嫌気性菌については0.5mL)を50mLの最適増殖培地に接種し、24時間(好気性菌)および48時間(嫌気性菌)インキュベートした。インキュベーション期間が終了すると、25mLの細菌原液を7500×重力(7500×g)で10分間遠心し、25mLのETSBYEに再懸濁した。これらの再懸濁液からETSBYE中へ2回の10−2希釈を行なった(0.1mLの再懸濁液を10mLのETSBYE中に)。元の増殖培養物のCFL/mLを求めるために、2回目の希釈液を血液寒天で平板培養した。混合懸濁液についてフソバクテリウム・ヌクレアタムの出発濃度を確認するために、3.5mLの初期培養物を6.5mLのシェードラーブロスに添加した。次いでこれを10−2および10−4希釈し、血液寒天およびCVE寒天でらせん平板培養した。
次表は、35mLの1.2×10CFU/mL混合培養物懸濁液を作成するために添加した各細菌の容量を示す。混合懸濁液が作成されると、この懸濁液を10−2および10−3希釈し、それぞれ選択寒天および血液寒天でらせん平板培養した。A660は660nmにおける吸光度であり、これにより懸濁液中の細胞数を判定する。
Figure 0005714900
E. faecalis エンテロコッカス・フェカーリス
S. oralis ストレプトコッカス・オラーリス
S. sanguinis ストレプトコッカス・サングイニス
A. viscosus アクチノマイセス・ビスコーサス
C. rectus カンピロバクター・レクタス
F. nucleatum フソバクテリウム・ヌクレアタム
M. micros ミクロモナス・ミクロス
P. gingivalis ポルフィロモナス・ジンジバリス
−−細菌がフラスコの底に付着したのでA660がきわめて低かった。フラスコの底を無菌ループで掻き取ってそれらを懸濁させると、そのアッセイのCFU/mL数は予想どおりになった;
**−−A660による濃度が2倍に見えたが、標準曲線によればわずかな差があり、したがってこの実験は予め計算したとおりに行なわれた。
着香剤添加および無添加口内リンスの試験管を一緒に三重試験法で試験し、dHOおよびETSBYEの試験管(対照)を一緒に三重試験法で試験した。各管を下記に従って調製した:細菌懸濁液を添加し、遠心管を1分間ボルテックス撹拌した。この1分間の曝露の直後に、22mLを取り出し、22mLの中和ブロスを入れた遠心管に添加した。次いでこの遠心管を30秒間ボルテックス撹拌した。遠心管を還元し、次いで8,000×gで10分間遠心した。上清を取り出し、44mLの前還元したAS+T+Yを添加した。次いで遠心管を8,000×gでさらに10分間遠心した。上清を再び取り出し、3mLのAS+T+Yを添加した。10−2希釈を行ない、選択寒天上にらせん播種した。次いで遠心管を37℃のインキュベーター内で17時間、嫌気的にインキュベートし、そして、その処理を繰り返した。この処理を0、17および36時間目に行なった。
前記で実施した試験と同様に、マイクロタイタープレートをアッセイ時点間は嫌気チャンバー内でインキュベートした。種々の時点で試料を取り出して、Spiral Plate 4000システムを用いるらせん平板培養法により生存細胞数を測定するために処理した。
前記の個々の細菌懸濁液の試験について行なったものと同じ方法で統計分析を実施した。
多菌懸濁液に対する0.1%(w/v)濃度の口内リンスの作用についての結果を図1に示す。グラム陰性嫌気性歯周病原菌であるカンピロバクター・レクタスの完全死滅が、0.1%(w/v)濃度の口内リンスへの2回目(17時間目)の曝露後に起きた。フソバクテリウム・ヌクレアタムおよびポルフィロモナス・ジンジバリスを含めた他の被験細菌の生存細胞数も有意に減少した。図2は蒸留水曝露の対照を示す;これは、図1と比較した場合に多菌細菌の死滅に対する口内リンスの有意の作用を指摘する。口内リンス溶液中に着香剤を含有させて実施した試験は、2回目の曝露後にカンピロバクター・レクタスおよびポルフィロモナス・ジンジバリスの両方の完全死滅を示した(データは示していない)。
普通は口腔の健康状態に関連するグラム陽性菌は、0.1%(w/v)濃度の口内リンスでは複数回曝露計画後にほとんど変化を示さなかった。しかし、より高い濃度のリンス(0.4、0.5、0.6および0.8%)は、これよりはるかに高いレベルの殺菌活性を示した。これらの濃厚リンスに多菌懸濁液を曝露すると、すべてのグラム陰性菌およびグラム陽性菌が2回目の曝露直後に完全に死滅した。
結果は、多菌懸濁液中の嫌気性グラム陰性歯周病原菌は安定化した二酸化塩素口内リンスへの複数回の短時間曝露に対して著しく感受性であることを示した。図3に示すように、0.4%(w/v)の口内リンスはきわめて強い殺菌活性を示し、多菌懸濁液中のすべての細菌のレベルに有意の減少を生じた。より詳細には、4種類のグラム陽性菌(ストレプトコッカス・サングイニス、エンテロコッカス・フェカーリス、ストレプトコッカス・オラーリス、およびアクチノマイセス・ビスコーサス)のみが口内リンスへの初回曝露で生存した。重要なことに、ポルフィロモナス・ジンジバリス、フソバクテリウム・ヌクレアタムおよびカンピロバクター・レクタスなどのグラム陰性嫌気性菌は、口内リンスへの初回曝露後に完全に排除された。
0.3%(w/v)リンスについての殺菌活性レベルは、0.1%(w/v)濃度のリンスときわめて類似していた(データは示していない)。0.4%(w/v)以上の濃度の口内リンスに応答して細菌生存量が急激に増加するので、この出来事はこの口内リンスによる細菌に対する指数的な死滅作用であると考えられる。この結果は、0.4、0.5、0.6および0.8%口内リンス試験からの結果を表わす図に表わされる。着香剤を含む、または含まない0.5%濃度の安定化した二酸化塩素では、図4および6に示すように36時間をかけた複数回曝露後に多菌懸濁液中のすべての細菌の完全な死滅が生じる。図4に示すように、2種類の口腔細菌のみが初回曝露後に生存し、17時間後の2回目の曝露で完全に死滅排除された;これら2種類の細菌はエンテロコッカス・フェカーリス(グラム陽性嫌気性菌)およびアクチノマイセス・ビスコーサス(グラム陽性好気性菌)であった。これらの有意差を明瞭に比較および観察するために、安定化した二酸化塩素への曝露により得られた結果を図5および7に示す蒸留水曝露の対照と比較することができる。
図8〜11は、着香剤を含む、または含まない(着香剤添加および無添加)0.6%および0.8%(w/v)濃度の口内リンスの殺菌活性を示す。0.6%濃度の口内リンスは、混合細菌懸濁液中のすべての細菌を着香剤無添加の口内リンス中での初回曝露後に完全に死滅させた。着香剤添加した口内リンス中での初回曝露で生存した唯一の細菌は、グラム陽性菌アクチノマイセス・ビスコーサスであった。しかしこの細菌は、17時間後の2回目の曝露後に死滅した。図9に示すように、dHOおよびETSB−YE対照も0.6%リンスと共に分けて示す。対照には生存細胞があったことが分かる。
試験した最高濃度0.8%(w/v)では、それぞれ図10および11に示すように、着香剤添加および無添加の両方の口内リンスにおいて初回曝露後に生存細菌の徴候がなかった。この場合も、両図中の対照を口内リンスと比較することができる。
結論として、0.8%(w/v)に及ぶ濃厚な安定化した二酸化塩素口内リンスは、グラム陰性嫌気性菌およびグラム陽性好気性菌/嫌気性菌に対する高レベルの殺菌活性をもつ。これらの結果は、口内リンスの殺菌作用と濃度との上昇ステップ関数関係を立証する。0.4%以上で多菌懸濁液において細菌死が有意に増大する。口腔細菌に対する0.1%および0.3%濃度の口内リンスから0.4%濃度の口内リンスへの作用の変化からみて、直線的な増大が起きるのではないと思われる。
安定化した二酸化塩素リンスがポルフィロモナス・ジンジバリスなどの口腔細菌に及ぼす静菌作用を立証するために、歯垢の再増殖実験を実施した。アッセイ濃度10〜10CFU/mLに調整したポルフィロモナス・ジンジバリス懸濁液を0.1%(w/v)濃度の口内リンスに1分間曝露した。懸濁液を直ちに新鮮な培地中に希釈し、次いで嫌気チャンバー内において37℃でインキュベートした。
安定化した二酸化塩素口内リンスは有効な静菌剤であって48時間にわたって口腔細菌の増殖を阻害することが証拠により示唆される。二酸化塩素の静菌特性は、それが外因性および内因性のタンパク性物質、口腔上皮、食物屑ならびに唾液の分解を阻止するのに有効な溶液であることを示す。最も重要なことであるが、これは歯垢および揮発性硫黄化合物の発生を制限するであろう。
蒸留水または新鮮な培地に曝露した細胞は正常な増殖速度を示し、36時間のインキュベーション後に高い吸光度に達した。しかし、口内リンスに曝露した細胞は、着香剤添加および無添加のいずれであっても、48時間を超えて増殖することはできなかった。この作用はポルフィロモナス・ジンジバリスについて10〜10CFU/mLでみられた。ポルフィロモナス・ジンジバリスの増殖阻害を、図12に着香剤無添加0.1%(w/v)濃度口内リンスの結果として示す。得られたデータに基づいて、口内リンスへの短期間曝露がグラム陰性歯周病原菌ポルフィロモナス・ジンジバリスに対して有意の静菌作用をもつことが認められた。他の口腔細菌に対しても有効であると思われる。
口内リンスへの着香剤添加も、ポルフィロモナス・ジンジバリス増殖を阻害する同じ作用をもつ(データは示していない)。着香剤は通常は殺菌特性をもつことが知られており、その作用がこれらの試験で認められた。さらに、着香剤は安定化した二酸化塩素口内リンスと共に使用した際に有益な効果をもつと判定できる。

Claims (4)

  1. 口腔内のバイオフィルム環境における歯周細菌を減少および死滅させるための、0.5%〜0.8%(w/v)の範囲の濃度を有する安定化した二酸化塩素の溶液を含有する医薬組成物であって、
    医薬組成物で口腔をすすいで、口腔の歯および組織に付着したバイオフィルム内に存在する歯周細菌の増殖に対する殺菌作用を生じさせ
    前記口腔内のバイオフィルムに混合微生物群が存在し、
    前記殺菌作用は、前記医薬組成物より遊離する二酸化塩素により生じる、
    前記医薬組成物。
  2. 前記歯周細菌は、口腔のバイオフィルムにおける歯周細菌の複合体の多様な微生物群に存在する嫌気性および好気性細菌である、請求項1に記載の医薬組成物であって、
    前記歯周細菌の減少および死滅は、前記歯周細菌の再増殖の阻害による、
    前記医薬組成物
  3. グラム陰性およびグラム陽性歯周細菌が生息する口腔内のバイオフィルムの多様な微生物環境に生息する該歯周細菌を減少および死滅させるための、0.5%〜0.8%(w/v)の範囲の濃度を有する安定化した二酸化塩素の溶液を含有する医薬組成物であって、
    前記医薬組成物で口腔をすす
    前記口腔内のバイオフィルムに混合微生物群が存在し、
    前記殺菌作用は、前記医薬組成物より遊離する二酸化塩素により生じる、
    前記医薬組成物。
  4. 口腔に導入した際に歯周疾患に関連する好気性および嫌気性歯周細菌の増殖に対する静菌干渉を生じさせる、請求項に記載の医薬組成物であって、
    前記歯周細菌の減少および死滅は、前記歯周細菌の再増殖の阻害による、
    前記医薬組成物
JP2010516078A 2007-07-09 2008-02-27 口腔疾患を予防するための組成物および方法 Expired - Fee Related JP5714900B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/774,730 US20090016973A1 (en) 2007-07-09 2007-07-09 Composition and Method for the Prevention of Oral Disease
US11/774,730 2007-07-09
PCT/US2008/055154 WO2009009163A1 (en) 2007-07-09 2008-02-27 Composition and method for the prevention of oral disease

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013217385A Division JP6087781B2 (ja) 2007-07-09 2013-10-18 口腔疾患を予防するための組成物および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010533189A JP2010533189A (ja) 2010-10-21
JP5714900B2 true JP5714900B2 (ja) 2015-05-07

Family

ID=40224433

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010516078A Expired - Fee Related JP5714900B2 (ja) 2007-07-09 2008-02-27 口腔疾患を予防するための組成物および方法
JP2013217385A Expired - Fee Related JP6087781B2 (ja) 2007-07-09 2013-10-18 口腔疾患を予防するための組成物および方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013217385A Expired - Fee Related JP6087781B2 (ja) 2007-07-09 2013-10-18 口腔疾患を予防するための組成物および方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20090016973A1 (ja)
EP (2) EP2921174B1 (ja)
JP (2) JP5714900B2 (ja)
CA (1) CA2623769C (ja)
ES (2) ES2682457T3 (ja)
HK (2) HK1143929A1 (ja)
WO (1) WO2009009163A1 (ja)

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7383423B1 (en) * 2004-10-01 2008-06-03 Advanced Micro Devices, Inc. Shared resources in a chip multiprocessor
US8926951B2 (en) * 2007-07-09 2015-01-06 Micropure, Inc. Composition for preventing oral disease by penetrating polymicrobial oral biofilms and killing oral pathogens
WO2010036427A1 (en) 2008-06-17 2010-04-01 Brigham Young University Cationic steroid antimicrobial diagnostic, detection, screening and imaging methods
US20100009009A1 (en) 2008-07-10 2010-01-14 Micropure, Inc. Method and composition for prevention and treatment of oral fungal infections
CN102149363A (zh) * 2008-07-15 2011-08-10 巴斯夫公司 二氧化氯的施用方法、系统和装置
WO2010009131A2 (en) * 2008-07-15 2010-01-21 Basf Catalysts Llc Tooth polishing compositions and methods of tooth polishing without mechanical abrasion
JP2011528357A (ja) * 2008-07-15 2011-11-17 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション 非細胞毒性二酸化塩素流体
US20100196512A1 (en) * 2009-02-04 2010-08-05 Basf Catalyst Llc Treatment of Non-Oral Biological Tissue with Chlorine Dioxide
US20100233101A1 (en) * 2009-02-13 2010-09-16 Micropure, Inc. Composition and method for the oxidative consumption of salivary biomolecules
CN102458143A (zh) * 2009-05-01 2012-05-16 巴斯夫公司 基于二氧化氯的胶和糖
US8992831B2 (en) 2009-09-25 2015-03-31 E. I. Du Pont De Nemours And Company Stabilized chlorine dioxide to preserve carbohydrate feedstocks
WO2011094657A2 (en) 2010-01-31 2011-08-04 Basf Corporation Additives for chlorine dioxide-containing compositions
WO2013013221A1 (en) 2011-07-20 2013-01-24 Brigham Young University Hydrophobic ceragenin compounds and devices incorporating same
EP2755661A1 (en) 2011-09-13 2014-07-23 Brigham Young University Compositions for treating bone diseases and broken bones
AU2012308530B2 (en) 2011-09-13 2016-04-21 Brigham Young University Products for healing of tissue wounds
US9694019B2 (en) 2011-09-13 2017-07-04 Brigham Young University Compositions and methods for treating bone diseases and broken bones
US9603859B2 (en) 2011-09-13 2017-03-28 Brigham Young University Methods and products for increasing the rate of healing of tissue wounds
US20140363780A1 (en) * 2011-12-21 2014-12-11 Brigham Young University Oral care compositions
EP3449900A1 (en) 2011-12-21 2019-03-06 Brigham Young University Oral care compositions
GB201202341D0 (en) 2012-02-10 2012-03-28 Periproducts Ltd Multicomponent oral care compostion
US9533063B1 (en) 2012-03-01 2017-01-03 Brigham Young University Aerosols incorporating ceragenin compounds and methods of use thereof
CA2872399C (en) 2012-05-02 2021-01-12 Brigham Young University Ceragenin particulate materials and methods for making same
JP6323781B2 (ja) * 2012-08-27 2018-05-16 ユニバーシティ オブ プレトリア 口腔ケア
CA2888259C (en) 2012-10-17 2019-05-28 Brigham Young University Treatment and prevention of mastitis
US9943529B2 (en) 2013-01-07 2018-04-17 Brigham Young University Methods for reducing cellular proliferation and treating certain diseases
JP6518230B2 (ja) 2013-03-15 2019-05-22 ブリガム・ヤング・ユニバーシティBrigham Young University 炎症、自己免疫疾患、および疼痛を治療する方法
US10568893B2 (en) 2013-03-15 2020-02-25 Brigham Young University Methods for treating inflammation, autoimmune disorders and pain
US11524015B2 (en) 2013-03-15 2022-12-13 Brigham Young University Methods for treating inflammation, autoimmune disorders and pain
US9387215B2 (en) 2013-04-22 2016-07-12 Brigham Young University Animal feed including cationic cholesterol additive and related methods
US10471109B2 (en) 2013-05-04 2019-11-12 The Board Of Regents Of The University Of Texas System Compositions and methods for promoting nitric oxide production through an oral delivery system
US11690855B2 (en) 2013-10-17 2023-07-04 Brigham Young University Methods for treating lung infections and inflammation
US20150203527A1 (en) 2014-01-23 2015-07-23 Brigham Young University Cationic steroidal antimicrobials
CA2844321C (en) 2014-02-27 2021-03-16 Brigham Young University Cationic steroidal antimicrobial compounds
US9867836B2 (en) 2014-03-13 2018-01-16 Brigham Young University Lavage and/or infusion using CSA compounds for increasing fertility in a mammal
US10220045B2 (en) 2014-03-13 2019-03-05 Brigham Young University Compositions and methods for forming stabilized compositions with reduced CSA agglomeration
US9931350B2 (en) 2014-03-14 2018-04-03 Brigham Young University Anti-infective and osteogenic compositions and methods of use
US9686966B2 (en) 2014-04-30 2017-06-27 Brigham Young University Methods and apparatus for cleaning or disinfecting a water delivery system
US10441595B2 (en) 2014-06-26 2019-10-15 Brigham Young University Methods for treating fungal infections
US10238665B2 (en) 2014-06-26 2019-03-26 Brigham Young University Methods for treating fungal infections
US10227376B2 (en) 2014-08-22 2019-03-12 Brigham Young University Radiolabeled cationic steroid antimicrobials and diagnostic methods
US10155788B2 (en) 2014-10-07 2018-12-18 Brigham Young University Cationic steroidal antimicrobial prodrug compositions and uses thereof
US10370403B2 (en) 2015-04-22 2019-08-06 Brigham Young University Methods for the synthesis of ceragenins
WO2016172553A1 (en) 2015-04-22 2016-10-27 Savage Paul B Methods for the synthesis of ceragenins
US9434759B1 (en) 2015-05-18 2016-09-06 Brigham Young University Cationic steroidal antimicrobial compounds and methods of manufacturing such compounds
US20170157013A1 (en) * 2015-12-07 2017-06-08 Colgate-Palmolive Company Metal Amino Acid Complexes for Bacterial Aggregation
US10226550B2 (en) 2016-03-11 2019-03-12 Brigham Young University Cationic steroidal antimicrobial compositions for the treatment of dermal tissue
CN109790531A (zh) * 2016-07-11 2019-05-21 三菱化学株式会社 口腔内检查方法
US10959433B2 (en) 2017-03-21 2021-03-30 Brigham Young University Use of cationic steroidal antimicrobials for sporicidal activity
CA3020197A1 (en) 2017-09-01 2019-03-01 Micropure, Inc. Aliphatic anionic compounds and oxidative compounds with improved stability and efficacy for use in pharmaceutical compositions

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3271242A (en) * 1963-03-29 1966-09-06 Alexander R Reed Iii Stable chlorine dioxide composition and method of making same
JPS6054311A (ja) * 1983-09-04 1985-03-28 Mitsuru Tsuchikura 口臭に係る消臭殺菌溶液。
US4855135A (en) * 1984-07-30 1989-08-08 Ratcliff Perry A Method for debriding
US4689215A (en) * 1984-07-30 1987-08-25 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US4837009A (en) * 1986-03-31 1989-06-06 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention of plaque formation and plaque dependent diseases
US4818519A (en) * 1986-12-29 1989-04-04 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention of plaque formation and plaque dependent diseases
US4886657A (en) * 1984-07-30 1989-12-12 Ratcliff Perry A Method for preventing periodontitis
US4975285A (en) * 1984-07-30 1990-12-04 Ratcliff Perry A Method for cleaning dental prosthetic devices
US4793989A (en) * 1984-07-30 1988-12-27 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US4788053A (en) * 1984-07-30 1988-11-29 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US4696811A (en) * 1984-07-30 1987-09-29 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US4889714A (en) * 1984-07-30 1989-12-26 Ratcliff Perry A Method for retarding dental plaque by killing streptococcus sanguis
US4786492A (en) * 1986-03-31 1988-11-22 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US4792442A (en) * 1986-03-31 1988-12-20 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US4925656A (en) * 1986-03-31 1990-05-15 Ratcliff Perry A Method for retarding formation of dental plaque
US4851213A (en) * 1986-03-31 1989-07-25 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease due to S. Sanguis
EP0613678B1 (en) * 1986-12-29 1997-11-19 Micropure, Inc. Oral care composition
US5348734A (en) * 1990-11-20 1994-09-20 Micropure Inc. Oral health preparation and method
US5200171A (en) * 1990-11-20 1993-04-06 Micropure, Inc. Oral health preparation and method
US4808389A (en) * 1986-12-29 1989-02-28 Ratcliff Perry A Method and composition for prevention and treatment of oral disease
US5284648A (en) * 1989-03-17 1994-02-08 White Robert D Alcohol-free, oral rinse and pre-rinse emulsions method of prepration and method of use
US5281412A (en) * 1991-12-30 1994-01-25 The Procter & Gamble Company Oral compositions
US5489435A (en) * 1993-07-06 1996-02-06 Ratcliff; Perry A. Composition for treatment of abnormal conditions of the epithelium of bodily orifices
US6200557B1 (en) * 1993-07-06 2001-03-13 Perry A. Ratcliff Method of treating HIV by a topical composition
AU2204995A (en) * 1994-04-07 1995-10-30 Jon L. Richter Oral rinse and method of treating halitosis
US6846478B1 (en) * 1998-02-27 2005-01-25 The Procter & Gamble Company Promoting whole body health
US6350438B1 (en) * 1998-02-27 2002-02-26 The Procter & Gamble Company Oral care compositions comprising chlorite and methods
US6132702A (en) * 1998-02-27 2000-10-17 The Procter & Gamble Company Oral care compositions comprising chlorite and methods
US6391577B1 (en) * 1999-03-03 2002-05-21 Susan R. Mikkelsen Rapid electrochemical assay for antibiotic and cytotoxic drug susceptibility in microorganisms
US6231830B1 (en) * 1999-03-04 2001-05-15 George Madray Method of making molecular chlorine dioxide
US7087228B2 (en) * 2002-07-03 2006-08-08 University Of Southern California Preventing tooth decay and infective endocarditis using natural oligopeptides

Also Published As

Publication number Publication date
ES2682457T3 (es) 2018-09-20
JP2010533189A (ja) 2010-10-21
WO2009009163A1 (en) 2009-01-15
JP6087781B2 (ja) 2017-03-01
HK1143929A1 (en) 2011-01-21
EP2200441A1 (en) 2010-06-30
US20090016973A1 (en) 2009-01-15
CA2623769A1 (en) 2009-01-09
EP2200441B1 (en) 2014-12-10
CA2623769C (en) 2019-02-12
EP2200441A4 (en) 2011-01-05
JP2014040470A (ja) 2014-03-06
ES2543132T3 (es) 2015-08-14
EP2921174A1 (en) 2015-09-23
HK1212598A1 (zh) 2016-06-17
EP2921174B1 (en) 2018-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5714900B2 (ja) 口腔疾患を予防するための組成物および方法
Ryan et al. The influence of diabetes on the periodontal tissues
EP0923939B1 (en) Haloperoxidase for the treatment of infection and control of flora
Ekmekcioglu et al. Effect of sulfur baths on antioxidative defense systems, peroxide concentrations and lipid levels in patients with degenerative osteoarthritis
Nędzi-Góra et al. The immune response in periodontal tissues
EP2549877B1 (en) Composition for preventing oral disease
Siqueira Jr et al. Stimulated whole saliva components in children with Down syndrome
Guven et al. Hyperbaric oxygen therapy reduces the severity of necrotizing enterocolitis in a neonatal rat model
Audus et al. Chlorhexidine effects on membrane lipid domains of human buccal epithelial cells
Wuersching et al. Targeting antibiotic tolerance in anaerobic biofilms associated with oral diseases: Human antimicrobial peptides LL-37 and lactoferricin enhance the antibiotic efficacy of amoxicillin, clindamycin and metronidazole
Cho et al. Interactions between hyaluronic acid, lysozyme, and the glucose oxidase-mediated lactoperoxidase system in enzymatic and candidacidal activities
Thomas et al. Assessment of the antioxidant levels in sera of periodontitis patients with or without diabetes mellitus
Kaskova et al. Prculiarities of free radical oxidation and antioxidant protection parameters of the oral fluid in children with chronsc catarrhal gingivitis with underlying diabetes mellitus
Bienvenue et al. In Vitro Evaluation of the Efficacy of an Aqueous Extract of Allium Sativum as an Antibacterial Agent on Three Major Periodontal Pathogen
Meurman et al. Oral infection and vascular disease
JP6667501B2 (ja) 生存菌類寄生微生物ピシウム・オリガンドラムを含む、皮膚および粘膜の皮膚糸状菌症および酵母感染症の処置用製剤、微生物ピシウム・オリガンドラムの細胞生存率を決定する方法ならびに該製剤の適用方法
Churilov et al. Prospects of SkQ1 (10-(6’-plastoquinoyl) decyltriphenylphosphonium) application for prevention of oral cavity diseases
Ghobadi Investigation of periodontal infections and its relation with cardiovascular diseases
CN114681350B (zh) 一种含溶菌酶的清洁剂组合物
Parihar et al. A comparison of sulfiredoxin level in patients with periodontitis and healthy subjects
Farzanegan et al. Fungi associated oral cavity hygiene and denture stomatitis: a review on diagnostic and treatment
Камилов et al. ETIOPATHOGENETIC CHARACTERISTICS OF CHRONIC CATARRHAL GINGIVITIS
Kaplan Synergistic activity of dispersin B and benzoyl peroxide against Cutibacterium acnes biofilms
Klitynska et al. Peculiarities of free radical oxidation and antioxidant protection parameters of the oral fluid in children with chronic catarrhal gingivitis with underlying diabetes mellitus
Amtha et al. A Comparison of Commercial Mouthwashes Towards Oral Pathogens Biofilms in vitro

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130403

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130502

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131018

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131105

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20131206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5714900

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees