JP5714265B2 - 透液シート及び動物用トイレ - Google Patents
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Description
このような性質を維持するためには、接着剤は、不透液性能を有していることが好ましいものである。
上記焙煎コーヒー豆の粉砕物とは、焙煎コーヒー豆を所定の粗さに挽いたコーヒー抽出液の抽出前の状態のものをいい、焙煎コーヒー豆の抽出残渣(以下、「コーヒー抽出残渣」という。)とは、缶コーヒー、インスタントコーヒー等のコーヒー飲料の製造時や、喫茶店或いは家庭などでコーヒー抽出液を抽出した後等に発生するもの、すなわち、焙煎コーヒー豆からコーヒー抽出液を抽出した際に排出される抽出残渣であり、所謂コーヒー粕と言われるものである。
なお、排尿処理材の製造コストを低減させるためには、茶殻又はコーヒー抽出残渣等の残渣構成材料を使用することが好適である。
[透液シートの構成]
図1に示すように、本発明の透液シート(以下、「本透液シート」という。)Sは、表面シート5と、裏面シート6と、当該表面シート5と裏面シート6の間に積層された状態で狭持されることにより、その内部に充填されている複数の粒状の排尿処理材31とから形成されている。
そして、当該裏面シート6は、排尿処理材31を構成する層の下面の全面と、当該排尿処理材31を構成する層の側面と、その上面の所定幅の口字形状の四周部とを覆い、各排尿処理材31を包持するように設けられている。
一般的に、排尿を放置すると黄色ブドウ球菌が繁殖するが、当該黄色ブドウ球菌中には、尿素を分解して二酸化炭素とアンモニアを発生する酵素が存在しており、この酵素によって、排尿からアンモニアが発生し、刺激臭の強い不快なアンモニア臭が発生するものであることが知られている。
そこで、本発明者が研究を重ねたところ、茶コーヒー構成材料には黄色ブドウ球菌の発生を防止する作用が存在することを見出し、当該茶コーヒー構成材料を混ぜた排尿処理材を作成したところ、アンモニア臭の発生を防ぐことを確認したものである(実施例参照)。
続いて、本透液シートSの作用効果について説明する。
本透液シートSは、従来のペットシートと異なり、吸液性を有さない点に特徴があるため、下記の動物用トイレや、汚水等を浸透させる必要がある場所に敷設することになる。
そして、コーヒー抽出残渣には、コーヒー成分が残留しているため、排尿を浄化する過程で、当該排尿に対して、コーヒーの香気を付加させることができる。
また、排尿処理材31は、排尿をほとんど吸収せず、透過させるだけであるため、塊状等になったりせずに、複数回にわたって、繰り返して使用することができる。
[動物用トイレの構成]
図2及び図3に示すように、本動物用トイレT1(第1実施形態)は、排尿容器10と、当該排尿容器10に敷設されている上記透液シートSと、粒状吸収体32とから構成されている。
排尿容器10は、合成樹脂を原材料として直方体状の箱形に形成されている。この排尿容器10は、底部11a及び周壁部11bを有する中空状の容器本体11と、当該容器本体11の上面を塞ぐための蓋部15から形成されており、後記する排尿口15b及び側面開口部11cを除いて、所定の水密性及び気密性が保たれている。
なお、蓋部15は、その上部に愛玩動物が載り、排尿を行うために所定の耐久性能を有している。また、蓋部15には、排尿が排尿口15bに導かれるように、適度の傾斜が形成されている。
なお、蓋部15の各排尿口15bは、各処理材収容カップ22の上面の開口部のほぼ中央部に位置するように配置されている。
粒状吸収材32は、芯部と、この芯部の表面を被覆する被覆層部とから形成される複層構造を有しており、液体分を吸収する排尿の吸液処理材である。
但し、透液シートSの排尿処理材31に用いた茶コーヒー構成材料と同種の茶コーヒー構成材料(例えば、コーヒー抽出残渣の場合はコーヒー抽出残渣、緑茶殻の場合には緑茶殻など)を用いれば、排尿容器10の内部と透液シートSの双方から同じ芳香を発生させることができる。したがって、芳香の相乗効果を発揮させることができるため、非常に好適である。
続いて、本動物用トイレT1の作用効果を説明する。
まず、透液シートSを蓋部15の上面に敷設するとともに、収容トレイ13の上に、粒状吸収材32を充填した処理材収容カップ22を敷設して、排尿容器10にセットする。このとき、透液シートSから発せられるコーヒーの香気が室内空間に向けて発せられている。
そして、排尿口15bを通過して、排尿容器10の内部に滴下し、粒状吸収材32に達する。粒状吸収材32では、芯部が排尿を吸収するとともに、隣接する粒状吸収材32の被覆層部が排尿により付着して塊33となり、排尿をその周囲から包み込む等の作用を奏することになる。そのため、排尿部分を容易に確認することができる。
また、排尿容器10は気密性を有しており、上記透液シートSが蓋部15の排尿口15bを覆うように敷設されているため、排尿容器10の内部から排尿の臭気が発せられた場合でも、効果的に遮断することができるとともに、透液シートS自身からも、その構成材料に応じて、コーヒーの芳香が発せられるため香気効果を発することができる。
図5に示すように、本動物用トイレT2の他の実施形態は、排尿容器10と、蓋部15に敷設されている透液シートSと、複数枚(本実施形態では6枚)の排尿吸収シート42(シート状吸液処理材)から構成されている。
収容トレイ13’には、排尿吸収シート42の敷設を容易にするために、縦方向及び横方向に仕切部材14が設けられている。そして、各排尿吸収シート42は、排尿口15bがほぼその中央部に位置するように、収容トレイ13’の各区画に敷設されている。この排尿吸収シート42も、第1実施形態の動物用トイレT1における処理材収容カップ22の場合と同様に、収容トレイ13’を容器本体11の外部に引き出して、容易に取り替えることが可能となっている。
また、粒状吸収材32を用いる場合と比べて、排尿吸収シート42の交換は容易であるため、さらに、使用後の後始末を簡易に行うことができる。
また、排尿容器は、透明材料で形成されていれば、その内部の状況が認識可能となるため特に好適である。
さらに、収容トレイに設けられている粒状吸収材は処理材収容カップ等に入っている必要はなく、また、排尿吸収シートも分割されている必要はないものである。
表1に示すコーヒー抽出残渣及び各種茶殻を構成材料とした4種類の透液シートのサンプルを作成した。各サンプルは、各構成材料を90重量%、接着剤(カルボキシメチルセルロース)10重量%とし、含水率を10重量%にして加圧造粒した。
なお、比較対象資料(サンプル番号0と称する)は、下記の菌液を脱脂綿にしみ込ませたものとした。
高圧蒸気滅菌(121℃、15分間)したサンプル10gに、黄色ブドウ球菌の菌液(10%Nutrient Broth(ニュートリエントブロス)溶液10mlに2%尿素液を添加したもの)を滴下し、以下の試験を行った。
各サンプルを35℃で保存し、24時間経過時及び48時間経過時にSCDLP培地(日本製薬株式会社製)で直ちに10倍又は100倍に希釈し、各サンプルの生菌数を菌数測定用培地を用いて測定した。
サンプルをにおい袋(25cm×40cm)(有限会社 ミヤコビニル加工所製)に入れ密封し、空気1リットルを注入した。そして、35℃で保存し、24時間経過時及び48時間経過時におけるアンモニア濃度を、検知管により計測した。
表2に示すように、尿素液を滴下した直後の黄色ブドウ球菌の生菌数は1.9×104であったが、各残渣の構成材料を使用したサンプル1乃至4に関しては、24時間経過時及び48時間経過時の黄色ブドウ球菌量は検出されない程度に減少した。しかし、比較対象サンプルは、黄色ブドウ球菌数は増加していることが明らかになった。
5 表面シート
6 裏面シート
T1,T2 動物用トイレ
10 排尿容器
11 容器本体
11c 側面開口部
13,13’ 収容トレイ
15 蓋部
15a 凹部
15b 排尿口
16 カーテン材
22 処理材収容カップ
31 排尿処理材
32 粒状吸収材(吸液処理材)
42 排尿吸収シート(吸液処理材)
Claims (3)
- 透液性能を有する表面シート及び裏面シートの間に、複数個の粒状の排尿処理材が充填されている透液シートにおいて、
前記排尿処理材は、
茶葉又は茶殻と、接着剤とを含み、当該排尿処理材の内部への液体の浸透を遮断する不透液性能を有するように加圧造粒されていること、を特徴とする透液シート。 - 透液性能を有する表面シート及び裏面シートの間に、複数個の粒状の排尿処理材が充填されている透液シートにおいて、
前記排尿処理材は、
焙煎コーヒー豆の粉砕物又は焙煎コーヒー豆の抽出残渣と、接着剤とを含み、当該排尿処理材の内部への液体の浸透を遮断する不透液性能を有するように加圧造粒されていること、を特徴とする透液シート。 - 上面に排尿口を有する中空箱型形状である気密性を有する排尿容器と、
前記上面の排尿口を覆うように敷設されている請求項1又は請求項2に記載の透液シートと、
前記排尿容器の内部に設けられている吸液処理材と、を備えることを特徴とする動物用トイレ。
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