以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の上側、下側、左側、右側、手前側、奥側を、それぞれパチンコ機1の上側、下側、左側、右側、前側、後側とする。
図1を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。パチンコ機1の上半分の部分には、略正方形の遊技盤2が設けられている。遊技盤2は、透明なガラス板を保持したガラス枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。ガラス枠13の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCDである表示装置28が設けられている。表示装置28の表示領域では、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための報知演出、大当たり遊技中の演出等、様々な演出の映像が表示される。特に、報知演出では複数のデモ図柄の変動および停止が行われ、同一のデモ図柄が所定ライン上に確定表示されることで、大当たり判定の結果が当たりであることが遊技者に報知される。
表示装置28の外縁を取り囲むように、各種演出を行う演出装置30が設けられている。演出装置30は、表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。図示しないが、遊技盤2の所定位置には、遊技領域4を流下する遊技球が通過可能な普通図柄始動ゲートが設けられている。この普通図柄始動ゲートを遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われる。また、表示装置28の下方には、特別図柄始動口14が設けられている。特別図柄始動口14の直下には、特別図柄始動電動役物15が配設されている。特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。さらに、遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技釘が設けられている。
特別図柄始動口14および特別図柄始動電動役物15のいずれかに遊技球が入賞することを契機として、大当たり判定が行われる。ただし、特別図柄始動電動役物15には開閉部材が設けられており、この開閉部材が開放されていない状態では、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞は困難となる。先述の普通当たり判定によって当たりと判定されると、この開閉部材が開放されて、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が容易となる。
大入賞口16にも開閉部材が設けられており、この開閉部材が開放された場合のみ、遊技球が大入賞口16に入賞可能となる。大入賞口16の開閉部材は、先述の大当たり判定によって当たりと判定された場合に、ソレノイドによって電気的に開放される。特別図柄始動口14、特別図柄始動電動役物15および大入賞口16に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
図示しないが、パチンコ機1の背面側には、各種基板を備えた制御部が設けられている。制御部の各基板はCPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。サブ制御基板は、主基板で行われた各種判定の結果等に基づいて、各種演出動作を実行する。
図2を参照して、演出装置30について説明する。演出装置30は、前方に開口する有底箱状の本体部31を有する。本体部31の底部(後側面)には、前後方向に貫通する表示用開口32が形成されている。表示用開口32は、演出装置30の背後に設置される表示装置28(図1参照)に対応する形状および大きさで形成されている。つまり、表示装置28の表示面は表示用開口32を介して前方に露出するため、遊技者は表示装置28の演出画像等を前方から目視できる。
本体部31における表示用開口32の周囲には、報知演出等に用いられる各種の装飾体、可動体、発光ランプなどが配設されている。さらに、本体部31の前面側には、正面視で本体部31の開口を覆うように、略円形の枠状体である装飾部材40が配設されている。装飾部材40が.本体部31の前面に配設された状態では、装飾部材40の内側に形成されている開口が、表示用開口32と前後方向に連通する。つまり、表示装置28の演出画像等は、正面視で装飾部材40の内側で表示される。
図3〜図5を参照して、装飾部材40について説明する。装飾部材40は、透明樹脂で成型されているため、その内部を通過する遊技球の挙動や、その背後に配置された電飾ランプの発光態様などを、遊技者が正面から目視可能である。装飾部材40の左枠部分には、箱状の装飾体であるワープ導入部61が設けられている。ワープ導入部61の左側面には、遊技領域4を流下する遊技球が進入可能なワープ口60が形成されている。
ワープ導入部61内には、ワープ口60から右方向に延びる球通路61Aが形成されている。ワープ導入部61の下側には、筒状のワープ通路62が設けられている。ワープ通路62内には、球通路61Aの右端部から右下方向に延びる球通路62Aが形成されている。球通路61Aおよび球通路62Aが、ワープ口60に進入した遊技球を後述のステージ50に案内する遊技球の流路であるワープ通路63を構成している。
ステージ50は、装飾部材40の下部上面に形成された略平面部分である。ワープ通路63を流下した遊技球は、ステージ50の左端側から供給される。つまり、ワープ口60に進入した遊技球は、正面視で表示装置28(図1参照)の直下に案内されて、ステージ50上を転動する。ステージ50は、ワープ通路63を流下した遊技球が供給される第一ステージ70と、第一ステージ70よりも下方に設けられた第二ステージ80とを含む。
第一ステージ70は、正面視で表示装置28(図1参照)の直下を左右対称に延びる面部であって、左側流路71、右側流路72、中央流路73、左側球案内部74、右側球案内部75、中央球案内部76、規制壁77を含む。左側流路71は、第一ステージ70の左側から1/3の範囲を占める流路であり、右側に向けてやや下方に傾斜している。右側流路72は、第一ステージ70の右側から1/3の範囲を占める流路であり、左側に向けてやや下方に傾斜している。中央流路73は、第一ステージ70の中央部で1/3の範囲を占める流路であり、左端部で左側流路71と連通し、右端部で右側流路72と連通している。中央流路73は、その左右方向中央部から左右両側に向けてやや下方に傾斜している。
左側球案内部74は、左側流路71と中央流路73とが接続する部位に設けられた、前側に向けてやや下方に傾斜する面である。右側球案内部75は、右側流路72と中央流路73とが接続する部位に設けられた、前側に向けてやや下方に傾斜する面である。中央球案内部76は、中央流路73の左右方向中央部に設けられた、前側に向けてやや下方に傾斜する面である。規制壁77は、右側流路72の右端側に移動した遊技球の飛び出しを防止する壁部である。
第二ステージ80は、正面視で第一ステージ70の直下前方を左右対称に延びる面部である。言い換えると、第二ステージ80は、第一ステージ70の一段下に形成された段差面であり、左分岐部81、第一分岐路82、第二分岐路83、右分岐部84、第三分岐路85、第四分岐路86、中央分岐部87、落下案内部88A,88B、中央転動部89を含む。
左分岐部81は、左側球案内部74の前端中央から前方に延びる突条である。第一分岐路82は、左分岐部81から左前側に向けてやや下方に傾斜する面である。第一分岐路82は、左分岐部81から右側に向けてやや下方に傾斜する面である。右分岐部84は、右側球案内部75の前端中央から前方に延びる突条である。第三分岐路85は、右分岐部84から右前側に向けてやや下方に傾斜する面である。第四分岐路86は、右分岐部84からから左側に向けてやや下方に傾斜する面である。
つまり、左分岐部81および右分岐部84は、第二ステージ80において最も高さ位置が大きい部位である。左分岐部81から延びる第二分岐路83と、右分岐部84から延びる第四分岐路86とは、第二ステージ80の中央部に形成された略平面状の中央転動部89に接続されている。中央転動部89における中央球案内部76の直下には、後述の球入口91が形成されている。中央転動部89の前縁部における球入口91の手前側には、中央転動部89から正面視で円弧状に盛り上がる中央分岐部87が設けられている。中央分岐部87の左右両側には、中央転動部89から前側に下方傾斜する溝状の落下案内部88A、88Bが設けられている。
装飾部材40には、第二ステージ80を転動する遊技球を、特別図柄始動口14(図1参照)に向けて案内する誘導孔90が設けられている。以下、図5〜図10を参照して、誘導孔90について説明する。なお、図8〜図10は、理解を容易にするために、ステージ50を取り除いた装飾部材40を図示している。また、以下の説明では、図5の上側、下側、左側、右側、手前側、奥側を、それぞれ誘導孔90の上側、下側、左側、右側、前側、後側する。
誘導孔90は、球入口91、案内路92、および球出口93を備えている。球入口91は、中央転動部89を転動している遊技球が進入可能な開口である。本実施形態の球入口91は、遊技球の直径よりも若干大きい、中央転動部89を上下方向に貫通する円形状の開口である。
球出口93は、第二ステージ80の前端縁から下方に延びる前板部49に形成された、球入口91に進入した遊技球を排出可能な開口である。球出口93は、正面視で特別図柄始動口14の直上に設けられている。本実施形態の球出口93は、遊技球が通過可能な程度の大きさを有する、前板部49を前後方向に貫通する略五角形状の開口である。球出口93には、遊技球を排出しやすくするために、後方から前方に向けて開口面積を広くするテーパ状の傾斜面が形成されている。
案内路92は、球入口91から前側下方に向けて延びる遊技球の流路であって、球入口91に進入した遊技球を球出口93まで案内する。案内路92は、球入口91から略下方に延びる第一流路92Aと、第一流路92Aと連通して球出口93まで略前方に延びる第二流路92Bとからなる、側面視で略L字型の流路である(図7参照)。本実施形態の案内路92は、その内部を流れる遊技球の中心が通る軌跡を平面視で屈折させるが、詳細は後述する。
第一流路92Aは、球落下部101、球送り部102、左側面部103の後側部分、左傾斜面104、右側面部105の後側部分、右傾斜面106に囲まれた遊技球の流路である。第二流路92Bは、左側面部103の前側部分、右側面部105の前側部分、左底面部107、右底面部108、流路段差109、流路底面110に囲まれた遊技球の流路である。
球落下部101は、球入口91から直下に延びる円筒部材であり、その内部に球入口91から連通する遊技球の流路が形成されている。球送り部102は、球落下部101の直下に設けられた、側面視で円弧状をなすように後側上方に延びる湾曲した壁面であって、後方に延びるほど勾配が大きくなっている。球送り部102の上側部分における左右側縁から前方に向けて、左側面部103および右側面部105がそれぞれ延びている。球送り部102は、案内路92の前後方向中央よりも若干後方まで延びている。これに対し、左側面部103および右側面部105は、案内路92の前端部(つまり、球出口93)まで延びている。
左側面部103および右側面部105は、上下方向および前後方向と平行に延びる垂直な壁面であって、遊技球の流路を挟んで左右に対向している。左側面部103と右側面部105との間隔(図10に示す左右方向の流路幅W1)は、遊技球の直径よりも若干大きい。なお、平面視で、左側面部103と右側面部105との左右方向中心を通る仮想的な線が、案内路92の中心線L1である(図10参照)。
球送り部102の下側部分における左右側縁には、左傾斜面104および右傾斜面106が設けられている。左傾斜面104は、球送り部102の下側部分における左側縁から左上方向に延び、左側面部103の下端縁に接続される壁面である。右傾斜面106は、球送り部102の下側部分における右側縁から右上方向に延び、右側面部105の下端縁に接続される壁面である。なお、左傾斜面104および右傾斜面106は、それぞれ前方に向けて若干下方に傾斜するように、球送り部102の前端部と同じ前後方向位置まで延びている。
左傾斜面104の後端側は、球送り部102における垂直面部の下端部(言い換えると、球送り部102が前方に屈曲される部位)よりも若干上方に接続されている。つまり、左傾斜面104は、球送り部102における垂直面部の下端部よりも若干上方から右下方向に延びている。左傾斜面104は、垂直方向(図5等では上下方向)に向かって所定角度をなすように傾斜しており、本実施形態では左傾斜面104の傾斜角度θ1は「30°」である(図5および図6参照)。
一方、右傾斜面106の後端側は、球送り部102における垂直面部の下端部に接続されている。つまり、右傾斜面106は、左傾斜面104よりも低い位置に設けられて、球送り部102における垂直面部の下端部から左下方向に延びている。右傾斜面106は、垂直方向に向かって所定角度よりも大きい角度をなすように傾斜しており、本実施形態では右傾斜面106の傾斜角度θ2は「45°」である(図5および図6参照)。
このように傾斜角が異なる一対の傾斜面(つまり、左傾斜面104および右傾斜面106)によって、第一流路92Aの下端(言い換えると、球送り部102の前端側)に向かって遊技球の流路が狭くなっている。第一流路92Aの下端における流路幅、つまり左傾斜面104の下端部と右傾斜面106の下端部との間隔(左右方向の流路幅W2)は、遊技球の直径よりも小さい(図10参照)。
また、第一流路92Aの下端では、中心線L1から左傾斜面104の前縁部下端までの距離のほうが、中心線L1から右傾斜面106の前縁部下端までの距離よりも小さい。そのため、平面視で、第一流路92Aの左右方向中心(具体的には、左傾斜面104の下端部と右傾斜面106の下端部との左右方向中心)を通る仮想的な線(第一流路92Aの中心線L2)が、先述の中心線L1よりも若干右側に位置している(図10参照)。
球送り部102および左傾斜面104の各前縁部から下方に延びる板部によって、流路面の高さを一段低くするように流路段差109が形成されている。言い換えると、流路段差109は、第一流路92Aと第二流路92Bとの連設部分に設けられ、第一流路92Aの下端部よりも第二流路92Bの下端部のほうを低くする部位である。球送り部102の前側には、球送り部102よりも幅狭の水平な壁面である流路底面110が、流路段差109を介して前方に延びている。流路底面110における左右側縁には、左底面部107および右底面部108がそれぞれ設けられている。
左底面部107および右底面部108は、中心線L1を中心に左右対称をなす一対の傾斜面である。左底面部107は、流路底面110における左側縁から左上方向に延び、左側面部103の下端縁に接続されている。右底面部108は、流路底面110における右側縁から右上方向に延び、右側面部105の下端縁に接続されている。左底面部107および右底面部108は、それぞれ垂直方向(図5等では上下方向)に向かって所定角度をなすように傾斜しており、本実施形態では垂直方向に向かう傾斜角度がそれぞれ「45°」である(図5および図6参照)。
そのため、平面視で、第二流路92Bの左右方向中心(具体的には、流路底面110の左右方向中心)を通る仮想的な線は、先述の中心線L1と略一致する。言い換えると、第二流路92Bの中心線L1は、第一流路92Aの中心線L2よりも若干左側に位置している(図10参照)。つまり、第二流路92Bは、第一流路92Aの下端部に対して左右方向に僅かにずれた形で連設している。
また、左底面部107は、左傾斜面104の前側に設けられて、流路段差109を介して前方に延びている。右底面部108は、右傾斜面106の前側に設けられて、右傾斜面106と面一となるように前方に延びている。左底面部107の傾斜方向長さ(つまり、流路幅)は、左傾斜面104の傾斜方向長さ(つまり、流路幅)よりも大きいため、左底面部107の下端部は平面視で中心線L1(図10参照)の近傍まで延びている。同様に、右底面部108の傾斜方向長さ(つまり、流路幅)は、右傾斜面106の傾斜方向長さ(つまり、流路幅)よりも大きいため、右底面部108の下端部は平面視で中心線L1(図10参照)の近傍まで延びている。
したがって、第二流路92Bの下端における流路幅、つまり流路底面110上における左右方向長さ(左右方向の流路幅W3)は、第一流路92Aの下端における流路幅W2よりも小さい(図10参照)。ただし、第二流路92Bの下端における流路幅W3は、前方に向けて漸増するように、流路底面110の形成幅が調整されている。これにより、流路底面110に沿って延びる左底面部107と右底面部108との間に、遊技球の下端が嵌まる案内溝120が形成されている。案内溝120の左右方向中心を通る仮想的な線も、平面視で中心線L1(図10参照)と一致する。つまり、案内溝120は、平面視で球出口93の中心位置を通るように前後方向に延びている。
なお、流路底面110、左底面部107、および右底面部108は、それぞれ前方に向けて若干下方に傾斜するように、案内路92の前端部(つまり、球出口93)まで延びている。これらの壁面の前縁部は、前板部49に形成された略五角形状の球出口93の対応した輪郭部分に連設されている。
図11〜図14を参照して、ステージ50上を転動する遊技球の挙動パターンについて説明する。なお、図11〜図14では、遊技時に遊技盤2を流下する遊技球の挙動を図示している。また、図13および図14では、誘導孔90内を案内される遊技球の中心が通る軌跡を、各時点における遊技球の中心位置P1、P2、P3、P4、P5、P6を時系列で結んで図示している。図13において、正面視で、左側面部103と右側面部105との左右方向中心を通る仮想的な線が、案内路92の中心線L1と交差する垂直線L3である。
図11に示すように、遊技領域4を流下する遊技球がワープ口60に進入すると、その遊技球はワープ通路63を流下して、第一ステージ70の左側流路71上に排出される。さらに、遊技球は左側流路71によって右方向に案内されて、中央流路73を経由して右側流路72まで転動して、規制壁77に衝突する。規制壁77に衝突した遊技球は、右側流路72の傾斜によって左方向に案内されて、中央流路73を経由して左側流路71まで転動して、左側流路71の傾斜によって再び右方向に案内される。つまり、遊技球は、第一ステージ70上を左右方向に転動する。
第一ステージ70上を転動する遊技球の勢いが弱くなると、遊技球は左側球案内部74、右側球案内部75、中央球案内部76のいずれかから、第一ステージ70の前方(つまり、第二ステージ80上)に案内される。詳細には、左側球案内部74から第二ステージ80上に案内された遊技球は、左分岐部81によって第一分岐路82および第二分岐路83のいずれかに振り分けられる。第一分岐路82に振り分けられた遊技球は、第一分岐路82の前端から落下する。第二分岐路83に振り分けられた遊技球は、中央転動部89に向けて案内される。
右側球案内部75から第二ステージ80上に案内された遊技球は、右分岐部84によって第三分岐路85および第四分岐路86のいずれかに振り分けられる。第三分岐路85に振り分けられた遊技球は、第三分岐路85の前端から落下する。第四分岐路86に振り分けられた遊技球は、中央転動部89に向けて案内される。なお、中央球案内部76から第二ステージ80上に案内された遊技球は、中央転動部89に落下する。
球入口91は、正面視で中央球案内部76の直下に設けられている。そのため、中央球案内部76から第二ステージ80上に案内された遊技球は、高確率で球入口91に落入する。また、第二分岐路83または第四分岐路86から案内された遊技球は、中央球案内部76上を転動する。中央球案内部76上を転動する遊技球の一部が、球入口91に落入する。中央球案内部76上を転動する遊技球のうちで、球入口91に落入しない遊技球は、落下案内部88A、88Bの前端から落下する。
図10および図11に示すように、球入口91に落入した遊技球は、案内路92を経由して球出口93から前方に排出される。球出口93は、正面視で、特別図柄始動口14(図1参照)の直上に設けられている。そのため、球出口93から排出された遊技球は、直下に位置する特別図柄始動口14に高確率で落入する。さらに、本実施形態では、先述した誘導孔90の構造的特徴によって、球入口91に落入した遊技球が極めて高い確率で特別図柄始動口14に落入するが、以下説明する。
図13および図14に示すように、球入口91に落入した遊技球は、まず第一流路92Aに沿って流動する。すなわち、球落下部101の内部を落下して、球送り部102上に供給される。このとき、遊技球の中心位置は下方に移動するが、平面方向(具体的には、前後左右方向)には移動しない(中心位置P1→P2)。図13、14に示す例では、遊技球の中心位置P1→P2の軌跡は、平面視で変化なく、且つ正面視で垂直線L3と平行であるが、中心線L1および垂直線L3よりも僅かに左側に位置している。
遊技球が球送り部102上に供給されると、右傾斜面106よりも高い位置に設けられている左傾斜面104が、その遊技球に対して正面視で斜め下方(具体的には、遊技球の左下側)から接触する。左傾斜面104に接触した遊技球は、左傾斜面104で弾かれる。このとき、遊技球の中心位置は、左傾斜面104での反発力および重力の作用によって、右下方向に移動する。さらに、この遊技球には、球送り部102の湾曲形状によって前方に送り出される作用が生じる。これによって、遊技球の中心位置は、前方向にも移動する(中心位置P2→P3)。図13、14に示す例では、遊技球の中心位置P2→P3の軌跡は、平面視で中心線L1と交差し、且つ正面視で垂直線L3と交差する。ただし、中心位置P3は、平面視で、中心線L2(図10参照)またはその近傍に位置している。
次いで、右傾斜面106で弾かれた遊技球に対して、右傾斜面106と対向配置されている右傾斜面106が、斜め下方(具体的には、遊技球の右下側)から接触する。右傾斜面106に接触した遊技球は、右傾斜面106で弾かれる。このとき、遊技球の中心位置は、右傾斜面106での反発力および重力の作用によって、左下方向に移動する。ただし、右傾斜面106は左傾斜面104よりも垂直に近い傾斜角度であるため、右傾斜面106で弾かれた遊技球の左方向への移動量は、左傾斜面104で弾かれた遊技球の右方向への移動量よりも小さい。さらに、この遊技球には、球送り部102の湾曲形状によって前方に送り出される作用が生じているため、遊技球の中心位置は前方向にも移動する(中心位置P3→P4)。図13、14に示す例では、遊技球の中心位置P3→P4の軌跡は、平面視で中心線L1と交差し、且つ正面視で垂直線L3と交差する。ただし、中心位置P4は、平面視で、中心線L1またはその近傍に位置している。
右傾斜面106で弾かれた遊技球は、流路段差109を経由して第一流路92Aから第二流路92Bに移動する。このとき、遊技球は流路段差109による高低差分を落下するから、遊技球に落下時の衝撃が加えられて、その後に遊技球が第二流路92Bに沿って流動する。すなわち、遊技球の下端が案内溝120に嵌まった状態でガイドされつつ、遊技球が前方に向かって案内される。このとき、遊技球の中心位置は、案内溝120に沿って前方向に移動する。また、案内溝120は前方に向けて若干下方傾斜しているため、遊技球の中心位置は下方向にも移動する(中心位置P4→P5)。図13、14に示す例では、遊技球の中心位置P4→P5の軌跡は、平面視で中心線L1と略一致し、且つ正面視で垂直線L3と略一致している。
最後に、案内溝120によって第二流路92Bを案内された遊技球は、球出口93から直下に排出される。このとき、遊技球の中心位置は下方に移動するが、平面方向(具体的には、前後左右方向)にはほとんど移動しない(中心位置P5→P6)。図13、14に示す例では、遊技球の中心位置P5→P6の軌跡も、平面視で中心線L1と略一致し、且つ正面視で垂直線L3と略一致している。なお、中心位置P6まで移動した遊技球は、平面視で変化がない垂直線L3と略一致する軌跡で落下して、特別図柄始動口14に入賞する。
このように、本実施形態では、誘導孔90の内部を流れる遊技球の中心が通る軌跡は、平面視で屈折している(中心位置P2→P3→P4参照)。つまり、誘導孔90に落下した遊技球は、誘導孔90内で蛇行するように案内される過程で、ステージ50上での転動時に生じた慣性の作用が大幅に低減される。そうすると、球出口93から排出される遊技球に不規則な方向に作用する慣性が生じることを抑制でき、遊技球の挙動を安定させることができる。ひいては、遊技球が誘導孔90の直下に向けて正確に排出されるため、遊技球を特別図柄始動口14に高確率で入賞させることができる。
また、案内路92は側面視で略L字型の流路であるため、第一流路92Aを経由した遊技球は第二流路92Bに向けて流動方向が変化する。球入口91から落下した遊技球は、この流動方向の変化によって、ステージ50上での転動時に生じた慣性の作用が大幅に低減される。その結果、案内路92内における遊技球の勢いが弱められるから、遊技球が球出口93から大きく飛び出すことを抑制でき、ひいては、遊技球を特別図柄始動口14に高確率で入賞させることができる。
また、第一流路92Aに傾斜角が異なる一対の傾斜面(すなわち、左傾斜面104および右傾斜面106)を設けることで、球入口91に進入した遊技球を一対の傾斜面のいずれかに優先的に接触させて、遊技球を誘導孔90内で蛇行させることができる。具体的には、球入口91に進入した遊技球は、左傾斜面104に接触して弾かれる。左傾斜面104で弾かれた遊技球は、右傾斜面106に接触して弾かれる。このように一対の傾斜面で順次弾かれることで、遊技球を誘導孔90内で蛇行させることができる。また、第二流路92Bで案内される遊技球は、ステージ50上での転動時に生じた慣性の作用が大幅に低減されているので、球ブレのない状態で球出口93から排出することができる。
また、左傾斜面104の下端部と右傾斜面106の下端部との流路幅W2は、遊技球の径よりも小さい。これにより、球入口91に進入した遊技球を左傾斜面104および右傾斜面106の両方で弾かれやすくすることができ、ひいてはステージ50上での転動時に生じた慣性の作用を低減できる。
また、第一流路92Aを経由した遊技球は、第一流路92Aよりも低い位置にある第二流路92Bに、流路段差109を介して案内される。これにより、遊技球が流路段差109を落下する時の衝撃によって、ステージ50上での転動時に生じた慣性の作用をさらに低減できる。
また、第二流路92Bでは、遊技球の下端部が案内溝120に嵌まる。そのため、案内溝120の形成方向とは異なる方向への移動が規制されつつ、遊技球が案内溝120に沿って球出口93まで案内される。したがって、第二流路92Bで案内される遊技球について、ステージ50上での転動時に生じた慣性の作用をさらに低減できる。
ところで、上記実施形態において、特別図柄始動口14が本発明の「入賞口」に相当する。装飾部材40が本発明の「遊技部材」に相当する。左傾斜面104および右傾斜面106が本発明の「一対の傾斜面」に相当する。左傾斜面104が本発明の「第一傾斜面」に相当する。右傾斜面106が本発明の「第二傾斜面」に相当する。案内溝120が本発明の「溝部」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更が可能である。例えば、上記実施形態では、特別図柄始動口14に遊技球を案内する誘導孔90に本発明を適用した場合を例示したが、他の入賞口に遊技球を案内する誘導孔に本発明を適用してもよい。例えば、ステージ面が形成された遊技部材に、大入賞口や普通入賞口に遊技球を案内する誘導孔が設けられている場合、この誘導孔に本発明を適用してもよい。