JP5712740B2 - 薄型機器 - Google Patents

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Description

この発明は薄型機器に関し、より詳しくは、体重計などの偏平な本体を有する薄型機器に関する。
薄型機器としては、体重計などのように、使用時には床面や机面など(以下「水平面」という。)の上に置いて使用されるものがある。このような薄型機器は、不使用時には、邪魔にならないように、部屋の壁や棚の側板など(以下「鉛直面」という。)に対して立て掛け可能であることが望まれる。
従来、立て掛けを補助するために、例えば特許文献1(特開昭58−127330号公報)に開示されているように、薄型機器にスタンドを付属させる方式が知られている。また、特許文献2(特開2006−177880号公報)に開示されているように、薄型機器を折りたたんでしまう方式が知られている。
特開昭58−127330号公報 特開2006−177880号公報
しかしながら、上記従来の方式では、スタンドや折りたたみ構造などを要するため、機器の複雑化やコストの増大を招くという問題がある。
そこで、この発明の課題は、機器の複雑化やコストの増大を招くことなく構成でき、容易に立て掛けることができる薄型機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の薄型機器は、
偏平な本体を有する薄型機器であって、
上記本体は、実質的に互いに平行に広がりを有して対向する第1の主面および第2の主面と、上記第1、第2の主面の互いに対応する辺同士をつなぐ4つの側面とを有し、
上記第1の主面は、上記第2の主面の上記辺よりも所定の寸法だけ外向きに突出した第1の縁部を有し、
上記側面に、上記側面から所定の寸法だけ外向きに突出した態様で、上記本体をなす材料の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する滑り止め部を備え
上記滑り止め部の先端は、上記第1の縁部よりも所定の寸法だけ内向きに後退していることを特徴とする。
本明細書で、「外向き」とは、上記第1、第2の主面に対して平行で、上記側面から本体の外側へ向かう向きを指す。また、「内向き」とは、上記第1、第2の主面に対して平行で、上記側面から本体の内側へ向かう向きを指す。この「内向き」は、上記「外向き」とは反対の向きに相当する。
この発明の薄型機器は、使用時には、例えば第1の主面を上向きにし、第2の主面を下向きにして、水平面の上に置いて使用される。一方、この薄型機器は、不使用時には、例えば、上記側面が下向きで上記滑り止め部が水平面に当接し、かつ上記第2の主面の上部(上記滑り止め部を備えた側面に対して反対側に相当する部分)が鉛直面に当接する態様(これを「立て掛け態様」という。)で立て掛けられる。特に、この薄型機器では、上記第1の主面は、上記第2の主面の上記辺よりも所定の寸法だけ外向きに突出した第1の縁部を有し、かつ、上記滑り止め部の先端は、上記第1の縁部よりも所定の寸法だけ内向きに後退している。したがって、上記第1、第2の主面が鉛直面に対して上記第1の主面から上記第2の主面へ向かう向きに或る角度範囲(例えば5度から25度までの範囲)で傾斜した状態で、上記滑り止め部の先端が上記水平面に接する立て掛け態様を実現できる。この立て掛け態様では、主に上記滑り止め部と上記水平面との間の摩擦力によって、上記薄型機器の下部が上記水平面上を滑ることが防止され、上記薄型機器の姿勢が維持される。したがって、上記薄型機器は、容易に立て掛けることができる。しかも、上記側面に滑り止め部を設けるだけであるから、上記薄型機器は、機器の複雑化やコストの増大を招くことなく構成できる。
また、この薄型機器では、上記滑り止め部の先端は、上記第1の縁部よりも所定の寸法だけ内向きに後退している。したがって、この薄型機器を既述の立て掛け態様から、ユーザがこの薄型機器を使用するために移動させようとするとき、例えばこの薄型機器を水平面に対して垂直になるように起こすと、上記滑り止め部が上記水平面から離間し、上記第1の縁部のみが上記水平面に接触する状態になる。したがって、ユーザは、上記第1の縁部を上記水平面に沿ってスライドさせて、この薄型機器を容易に移動させることができる。このことは、ユーザが非力な高齢者、女性、子供などであるとき、特に有益となる。
一実施形態の薄型機器では、上記滑り止め部は、上記側面同士が互いに隣り合う側面コーナー部に、上記側面同士にまたがって一体に設けられていることを特徴とする。
本明細書で、「コーナー部」とは、90度である場合に限られず、丸く湾曲している場合も含む。
この一実施形態の薄型機器では、上記滑り止め部は、上記側面同士が互いに隣り合う側面コーナー部に、上記側面同士にまたがって一体に設けられている。したがって、それらの側面のうちいずれの側面を下向きにした場合であっても、上記滑り止め部が機能して、この薄型機器を安定して立て掛けることができる。また、上記滑り止め部を上記側面同士にまたがって一体に設けることで、上記薄型機器全体として上記滑り止め部の数を節約することができ、コストの増大を抑制できる。
一実施形態の薄型機器では、上記滑り止め部は、上記側面コーナー部から、上記第2の主面のうち上記側面コーナー部につながる主面コーナー部までを一体に覆っていることを特徴とする。
この一実施形態の薄型機器では、滑り止め部は、側面コーナー部から、第2の主面のうち側面コーナー部につながる主面コーナー部までを一体に覆っている。したがって、この薄型機器を既述の立て掛け態様で鉛直面に対して立て掛けるとき、立て掛けの角度(上記薄型機器が鉛直面に対してなす角度)を大きくしていくと、上記滑り止め部のうち上記側面コーナー部と上記主面コーナー部とをつなぐ部分が上記水平面に当接する。したがって、立て掛けの角度の範囲を広く確保できる。
一実施形態の薄型機器では、上記側面は、上記第1の主面から上記第2の主面へ向かうにつれて内向きに後退するように、上記第1の主面および第2の主面に対して傾斜していることを特徴とする。
この一実施形態の薄型機器では、上記側面は、上記第1の主面から上記第2の主面へ向かうにつれて内向きに後退するように、上記第1の主面および第2の主面に対して傾斜している。したがって、この薄型機器を既述の立て掛け態様で鉛直面に対して立て掛けるとき、立て掛けの角度の範囲を広く確保できる。
一実施形態の薄型機器では、上記本体が上記側面を下方へ向けて水平面の上に置かれるとき、上記第1、第2の主面が鉛直面に対して上記第1の主面から上記第2の主面へ向かう向きに少なくとも5度から25度までの範囲で傾斜した状態で、上記滑り止め部の先端が上記水平面に接することを特徴とする。
この一実施形態の薄型機器では、上記第1、第2の主面が鉛直面に対して上記第1の主面から上記第2の主面へ向かう向きに少なくとも5度から25度までの範囲で傾斜した状態で、上記滑り止め部の先端が上記水平面に接する。したがって、立て掛け角度が少なくとも5度から25度までの範囲で、上記薄型機器の下部が上記水平面上を滑ることが防止される。したがって、上記薄型機器の姿勢が維持され、上記薄型機器が安定して立て掛けられる。また、立て掛け角度が少なくとも5度から25度までの範囲で、上記薄型機器が立て掛けられていれば、ユーザがこの薄型機器を使用するために移動させようとするとき、この薄型機器と上記鉛直面との間の隙間に手の指を容易に入れることができる。したがって、既述のように、ユーザは、この薄型機器を容易に起こして、スライドさせて移動させることができる。
一実施形態の薄型機器では、上記滑り止め部はシリコンゴムからなることを特徴とする。
この一実施形態の薄型機器では、上記滑り止め部はシリコンゴムからなるので、上記滑り止め部を簡単かつ低コストに設けることができる。
以上より明らかなように、この発明の薄型機器は、機器の複雑化やコストの増大を殆ど招くことなく構成でき、容易に立て掛けて保管することができる。
この発明の一実施形態の体重計の上面側のレイアウトを示す図である。 図2(A)から図2(D)は、上記体重計の立て掛け態様を示す図である。 図1の体重計を変形した体重計の要部を示す図である。 図4(A)から図4(C)は、図3の体重計の立て掛け態様を示す図である。 図5(A)から図5(C)は、図3の体重計の立て掛け態様をさらに示す図である。 図6(A)は図1の体重計をさらに変形した体重計の要部を示す図である。 図7(A)から図7(D)は、図6の体重計の立て掛け態様を示す図である。
以下、この発明の薄型機器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の薄型機器の一実施形態としての体重計(全体を符号90で示す。)の上面10a側のレイアウトを示している。なお、上面10aという呼び方は、この体重計90が使用される状態に合わせて定めている。
図1に示すように、この体重計90は、上面10aに人を載せるべき略矩形の平面形状を有するガラス板10を備えている。この例では、ガラス板10の互いに対向する2辺(図1中の上下の辺)10c,10dの寸法は、残りの2辺(図1中の左右の辺)10e,10fの寸法よりも長く設定されており、この結果、ガラス板10の平面形状は、全体として横長の長方形になっている。ガラス板10の四隅は、ガラス板10に対して垂直に見て、丸く面取り10rが施されている。ガラス板10の厚さは、実質的に均一になっている(ただし、ガラス板10の四辺に沿って、僅かな面取り10gを施している。)。
ガラス板10の上面10a側で1辺10cの中央部に沿った領域16には、測定された体重等の情報を表示するためのLCD(液晶表示素子)からなる表示部22が設けられている。ガラス板10の中央部に相当する領域15には、ユーザが測定開始等を指示するための3つのスイッチ21が設けられている。
また、ガラス板10の上面10a側で四隅に相当する領域11,12,13,14には、この体重計90が体組成計としても機能するように、左足の爪先側に接触すべき第1電極1、右足の爪先側に接触すべき第2電極2、左足の踵に接触すべき第3電極3、および右足の踵に接触すべき第4電極4がそれぞれ取り付けられている。
ガラス板10の下面側でガラス板10の四隅に相当する領域11,12,13,14にそれぞれ4つのロードセル51,52,53,54が配置されている。これら4つのロードセル51,52,53,54は、それぞれ略円筒状のロードセル用ハウジング31,32,33,34に覆われて保護されている。この例では、4つのロードセル用ハウジング31,32,33,34は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)樹脂からなっている。4つのロードセル用ハウジング31,32,33,34の底面(使用状態で下方を向く面)には、それぞれ略円柱状の脚61,62,63,64を通すための円形の開口(図示せず)が設けられている。4つの脚61,62,63,64は、それらの開口を通してハウジング31,32,33,34内から若干突出する態様で、ハウジング31,32,33,34に対して進退可能に支持されている。なお、図2(A)(図1のものを右側方から見たところに相当する。)中に、ハウジング32,34の底面32b,34bからそれぞれ脚62,64が突出している態様を示している。図示を省略しているが、ハウジング31,33の底面(それぞれ31b,33bとする。)からも、全く同じ態様で脚61,63が突出している。
図2(A)に示すように、ガラス板10の下面側でガラス板10の中央部に相当する領域に、制御部35が設けられている。制御部35の底面35bは、各ロードセル用ハウジング31,32,33,34の底面31b,32b,33b,34b(図2(A)中には2つの底面32b,34bのみを示す。)よりもガラス板10に近い位置にある。
この結果、この体重計90の本体は、概ね、ガラス板10と、ロードセル用ハウジング31,32,33,34とによって構成された偏平な外形を有している。ガラス板10の上面10aが本体の第1の主面を構成し、また、ロードセル用ハウジング31,32,33,34の底面31b,32b,33b,34bが本体の第2の主面を構成している。また、図1中に示す各ロードセル用ハウジング31,32,33,34の外周面31r,32r,33r,34rのうち近接した辺10c,10d,10e,10fに対応する部分が、本体の4つの側面を構成している。特に、各ロードセル用ハウジング31,32,33,34の外周面31r,32r,33r,34rのうちガラス板10の隅に面する1/4円弧の部分が側面コーナー部31d,32d,33d,34dを構成している。
ガラス板10の各辺10c,10d,10e,10fは、ロードセル用ハウジング31,32,33,34の外周面31r,32r,33r,34rよりもそれぞれ寸法G1だけ外向きに突出している。ガラス板10の各辺10c,10d,10e,10fが第1の縁部を構成している。
なお、この体重計90の本体の側面は、各辺10c,10d,10e,10fを含む最外面と、ロードセル用ハウジング31,32,33,34の外周面31r,32r,33r,34rとの2段に構成されていると言える。
図1における左下、右下のロードセル用ハウジング33,34の外周面33r,34rには、側面コーナー部33d,34dを越えて取り巻くように、シリコンゴムからなる滑り止め部73,74が接着剤によって貼り付けられている。これらの滑り止め部73,74は、本体を構成するガラス板10、ロードセル用ハウジング31,32,33,34の材料の摩擦係数よりも大きい摩擦係数(この例では、水平面98としての床面に対する静止摩擦係数を0.5とする。)を有している。このような、滑り止め部73,74は、機器の複雑化やコストの増大を殆ど招くことなく構成できる。
この例では、図1のようにガラス板10の上面10aに対して垂直に見たとき、滑り止め部73,74がガラス板10の辺10dから内向きに後退している距離(寸法)G2は、G2=0.5mmに設定されている。また、図2(A)のように側方から見たとき、ガラス板10(面取り部分を除く。)と滑り止め部73,74(図2では手前側の74のみを示す。)との間の距離D1は、D1=13.1mmに設定されている。
この体重計90は、図1中に示す4つの脚61,62,63,64が水平面(この例では木製の床面とする。)に着いた状態で使用される。その状態で人がガラス板10上に載ったとき、ガラス板10を介してガラス板10の下面側で四隅にそれぞれ配置された4つのロードセル51,52,53,54に荷重がかかる。それらの荷重は、それぞれロードセル51,52,53,54で電気信号に変換されて、制御部35へ送られる。制御部35は、それらの電気信号が表す荷重を合計して、人の体重を算出する。算出された体重は、図1中に示した表示部22に表示される。
また、この体重計90では、制御部35による制御によって、4つの電極1,2,3,4を用いて四端子法により生体インピーダンス等を測定することができる。制御部35は、測定された生体インピーダンスに基づいて、さらに体組成値等を算出する。したがって、この体重計90では、体重に加えて、体組成値等を表示部22に表示することができる。
一方、この体重計90は、不使用時には、例えば図2(B)、図2(C)に示すように、ガラス板10の辺10dが下向きで滑り止め部73,74(図2では手前側の74のみを示す。)が水平面98に当接し、かつロードセル用ハウジング31,32の底面31b,32b(図2では手前側の底面32bのみを示す。)側が鉛直面99に当接する態様(これを「立て掛け態様」という。)で立て掛けられる。この立て掛け態様では、主に滑り止め部73,74と水平面98との間の摩擦力によって、体重計90の下部が水平面98上を滑ることが防止され、体重計90の姿勢が維持される。したがって、この体重計90は、容易に立て掛けることができる。
この例では、滑り止め部73,74がガラス板10の辺10dから内向きに後退している距離G2、ガラス板10の辺10d(面取り部分を除く。)と滑り止め部73,74との間の距離D1をそれぞれ既述のように設定しているお蔭で、少なくとも図2(B)に示す立て掛け角度5度から図2(C)に示す立て掛け角度25度までの範囲で、体重計90の姿勢が維持され、体重計90が安定して立て掛けられる。
また、立て掛け角度が少なくとも5度から25度までの範囲で、体重計90が立て掛けられていれば、ユーザがこの体重計90を使用するために移動させようとするとき、この体重計90と鉛直面99との間の隙間W1,W2に手の指を容易に入れることができる。したがって、ユーザは、この体重計90を水平面98に対して垂直になるように容易に起こすことができる。この体重計90が水平面98に対して垂直になると、滑り止め部73,74が水平面98から離間し、ガラス板10の辺10dのみが水平面98に接触する状態になる。したがって、ユーザは、ガラス板10の辺10dを水平面98に沿ってスライドさせて、この体重計90を容易に移動させることができる。このことは、ユーザが非力な高齢者、女性、子供などであるとき、特に有益となる。
なお、図2(A)に示すように、体重計90が水平面98に対して垂直になっている場合、この体重計90に対してガラス板10の辺10dを回転中心とする右回り(図2(A)において)の回転モーメントが生ずる。したがって、この体重計90は、立て掛け角度が0度であるときも、鉛直面99に対して立て掛けられる。また、図2(D)に示すように、立て掛け角度が−5度であっても、ガラス板10の辺10dが僅かに摩擦係数(この例では、水平面98としての床面に対する静止摩擦係数を0.1とする。)を有することから、この体重計90は、鉛直面99に対して立て掛けられる。ただし、立て掛け角度が5度から25度までの場合の方が、体重計90をより安定して立て掛けられる。
(第2実施形態)
図3は、図1の体重計90を変形した別の体重計(全体を符号90′で示す。)の要部、すなわち図2(A)の下部に対応する部分を示している。図3および後述の図4から図5において、第1実施形態中の構成要素とおなじ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
この体重計90′では、ロードセル用ハウジング31,32,33,34が円錐台状に形成されている点が、図1の体重計90と異なっている。この結果、図3に例示するように、ロードセル用ハウジング34の側面コーナー部34d′は、ガラス板10の上面10aからロードセル用ハウジング34の底面へ向かうにつれて内向きに後退するように傾斜している。この例では、体重計90が水平面98に対して垂直になっている場合、ロードセル用ハウジング34の側面コーナー部34d′は、水平面98に対して角度θ(この例では5度)だけ傾斜している。
図示を省略しているが、残りのロードセル用ハウジング31,32,33の側面コーナー部(31d′,32d′,33d′とする。)も、ロードセル用ハウジング34の側面コーナー部34d′と全く同様に、ガラス板10の上面10aからロードセル用ハウジング31,32,33の底面へ向かうにつれて内向きに後退するように角度θ(この例では5度)だけ傾斜している。
また、図4(A−1)から分かるように、この体重計90′では、2つの側面コーナー部32d′,34d′のそれぞれに滑り止め部72,74が設けられている。図示を省略しているが、残りの2つの側面コーナー部(31d′,33d′とする。)にも、全く同様に、それぞれに滑り止め部(71,73とする。)が設けられている。
図3から分かるように、各滑り止め部71,72,73,74が対応する近接した辺10c,10d,10e,10fから内向きに後退している距離G3は、G3=0.5mmに設定されている。また、ガラス板10(面取り部分を除く。)と滑り止め部71,72,73,74との間の距離D2は、D2=13.1mmに設定されている。
この体重計90′を既述の立て掛け態様で鉛直面99に対して立て掛けるとき、図4(B−1)、図4(C−1)、図5(A−1)、図5(B−1)、図5(C−1)に示すように、立て掛けの角度の範囲を2.1度から25.8度までというように広く確保できる。ここで、図4(B−2)、図4(C−2)、図5(A−2)、図5(B−2)、図5(C−2)は、理解の容易のために、それぞれ図4(A−1)、図4(B−1)、図4(C−1)、図5(A−1)、図5(B−1)、図5(C−1)の下部を拡大して示している。
なお、図4(A−1)、図4(A−2)に示すように、体重計90′が水平面98に対して垂直になっている場合、この体重計90′に対してガラス板10の辺10dを回転中心とする右回り(図4(A)において)の回転モーメントが生ずる。このため、体重計90′が自立状態を維持することはない。
この例では、4つの側面コーナー部31d′,32d′,33d′,34d′のそれぞれに滑り止め部71,72,73,74が設けられている。したがって、ガラス板10の4つの辺10c,10d,10e,10fのうちいずれの辺を下向きにした場合であっても、その辺に対応する1対の滑り止め部が機能して、この体重計90を安定して立て掛けることができる。また、滑り止め部71,72,73,74を側面コーナー部31d′,32d′,33d′,34d′に設けているので、言い換えれば本体の隣り合う側面同士にまたがって一体に設けているので、体重計90全体として滑り止め部の数を節約することができ、コストの増大を抑制できる。
なお、この例では、4つのロードセル用ハウジング31,32,33,34は、図4(A−1)中に例示するような細長い連結部材38で一体に連結されている。したがって、ばらばらに形成されている場合に比して、体重計90′の組み立て工程が簡単かつ容易になる。また、連結部材38と4つのロードセル用ハウジング31,32,33,34とを一体に、例えば押出成形によって同時に形成すれば、材料コストを低減できる。
(第3実施形態)
図6(A)は、図1の体重計90を変形したさらに別の体重計(全体を符号90″で示す。)の要部、すなわち図1中の右下隅の領域14を示している。また、図6(B)は、図2(A)の下部に対応する部分を示している。図6(A)、図6(B)および後述の図7において、第1実施形態中の構成要素とおなじ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図6(A)から分かるように、この体重計90″では、ガラス板10に対して垂直に見て、ロードセル用ハウジング34の一部がそれぞれガラス板10の対応する隅(面取り10r)の形状に一致するように変形されている点が、図1の体重計90と異なっている。
詳しくは、ロードセル用ハウジング34の外周面34rは、ガラス板10の対応する隅へ向かってストレートに延びる延在部分34d1,34d2と、面取り10rに略一致した曲率(外周面34rの本来の曲率よりも大きい曲率)を持つ側面コーナー部34d3とを有している。
ロードセル用ハウジング34に設けられた滑り止め部74′は、側面コーナー部34d3から、底面34bのうち側面コーナー部34d3につながる主面コーナー部34b1までを一体に覆っている。具体的には、図6(B)に示すように、滑り止め部74′は、側面コーナー部34d3を覆う部分74bと、主面コーナー部34b1を覆う部分74cと、それらの部分74b,74c同士を滑らか湾曲してつなぐ湾曲部74rとを有している。
この滑り止め部74′が対応する近接した辺10dから内向きに後退している距離G4は、G4=0.5mmに設定されている。
図示を省略しているが、ロードセル用ハウジング33の外周面33r、ロードセル用ハウジング34に設けられた滑り止め部(73′とする。)は、それぞれロードセル用ハウジング34の外周面34rと左右対称に形成されている。特に、滑り止め部73′は、滑り止め部74′の湾曲部74rと同様の湾曲部(73rとする。)を有している。
この体重計90″は、不使用時には、例えば図7(B)、図7(C)に示すように、ガラス板10の辺10dが下向きで滑り止め部73′,74′(図7では手前側の74′のみを示す。)が水平面98に当接し、かつロードセル用ハウジング31,32の底面31b,32b(図2では手前側の底面32bのみを示す。)側が鉛直面99に当接する態様で立て掛けられる。
この例では、滑り止め部73′,74′の湾曲部73r,74rのお蔭で、少なくとも図7(B)に示す立て掛け角度5度から図7(C)に示す立て掛け角度25度までの広い角度範囲で、体重計90″の姿勢が維持され、体重計90″が安定して立て掛けられる。
なお、図7(A)、図7(D)に示すように、それぞれ立て掛け角度が0度、−5度であっても、この体重計90″は、鉛直面99に対して立て掛けられる。ただし、図2(A)、図2(D)に関して既に述べたのと同様に、立て掛け角度が5度から25度までの場合の方が、体重計90″をより安定して立て掛けられる。
以上の実施形態では、滑り止め部はいずれもシリコンゴムからなるものとしたが、当然ながら、これに限られるものではない。滑り止め部は、高摩擦係数と耐摩耗性を有する材料であれば良く、例えばニトリルゴム、フッ素ゴムなどの材料を用いても良い。
また、以上の実施形態では、薄型機器として体重計を例示して説明した。しかしながら、この発明は、偏平な本体を有する薄型機器であれば、広く適用することができる。例えば、ラップトップ型パーソナルコンピュータ(いわゆるノートパソコン)にも適用することができる。
10 ガラス板
10c,10d,10e,10f 辺
31,32,33,34 ロードセル用ハウジング
31d,32d,33d,34d,34d′ 側面コーナー部
34b1 主面コーナー部
72,73,74,74′ 滑り止め部
90,90′,90″ 体重計

Claims (6)

  1. 偏平な本体を有する薄型機器であって、
    上記本体は、実質的に互いに平行に広がりを有して対向する第1の主面および第2の主面と、上記第1、第2の主面の互いに対応する辺同士をつなぐ4つの側面とを有し、
    上記第1の主面は、上記第2の主面の上記辺よりも所定の寸法だけ外向きに突出した第1の縁部を有し、
    上記側面に、上記側面から所定の寸法だけ外向きに突出した態様で、上記本体をなす材料の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する滑り止め部を備え
    上記滑り止め部の先端は、上記第1の縁部よりも所定の寸法だけ内向きに後退していることを特徴とする薄型機器。
  2. 請求項1に記載の薄型機器において、
    上記滑り止め部は、上記側面同士が互いに隣り合う側面コーナー部に、上記側面同士にまたがって一体に設けられていることを特徴とする薄型機器。
  3. 請求項2に記載の薄型機器において、
    上記滑り止め部は、上記側面コーナー部から、上記第2の主面のうち上記側面コーナー部につながる主面コーナー部までを一体に覆っていることを特徴とする薄型機器。
  4. 請求項1から3までのいずれか一つに記載の薄型機器において、
    上記側面は、上記第1の主面から上記第2の主面へ向かうにつれて内向きに後退するように、上記第1の主面および第2の主面に対して傾斜していることを特徴とする薄型機器。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の薄型機器において、
    上記本体が上記側面を下方へ向けて水平面の上に置かれるとき、上記第1、第2の主面が鉛直面に対して上記第1の主面から上記第2の主面へ向かう向きに少なくとも5度から25度までの範囲で傾斜した状態で、上記滑り止め部の先端が上記水平面に接することを特徴とする薄型機器。
  6. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の薄型機器において、
    上記滑り止め部はシリコンゴムからなることを特徴とする薄型機器。
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