JP5711080B2 - 光送受信システム - Google Patents

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Description

本発明は光送受信システムに関し、より詳しくは安価な構成で反射戻り光に対する耐性を高めた送信機を備える光送受信システムに関する。
従来、光送受信システムにおいて光アイソレータは必須部品であった(例えば、非特許文献1参照)。光アイソレータは一方向の光のみを透過し、逆方向の光を遮る機能を有するデバイスであって、偏光素子やファラデー効果を利用した回転子などの光学部品により構成される。
通常、レーザ光源から出射された光はその光路上にある光コネクタ、レンズ、光ファイバ端面、光カプラ、受光器などの光学部品表面で僅かに反射して戻ってくる。この僅かな反射戻り光は、出力変動やノイズなどの要因となり、レーザ光源の不安定化につながるため遮断する必要がある。そこで、従来の光送受信システムにおいては、光アイソレータを用いてレーザ光源に反射戻り光が入射するのを防止していた。
図6に従来の光送受信システムの一例を示す。図6に示す光送受信システムは、光送信機1と、光送信機1から出射される変調レーザ光(以下、変調出力光)を伝搬する光ファイバ2と、光ファイバ2によって伝搬された変調出力光を受光する光受信機3とを備えている。
光送信機1は、EA(Electroabsorbtion:電界吸収型)変調器集積半導体レーザ101、第一レンズ102、光アイソレータ104、及び第二レンズ103を備えている。EA変調器集積半導体レーザ101は、レーザ発振光を出射する半導体レーザ111と、半導体レーザ111から出射されたレーザ発振光を変調出力光に変換するEA変調器112とから構成されている。
半導体レーザ111は直流電流I11を印加されることによってレーザ発振光を出射する。EA変調器112はEAドライバー113によって増幅された電気変調信号V11に基づいてレーザ発振光を変調出力光に変換する。EAドライバー113は直流電圧V12により駆動する。なお、半導体レーザ111は接地され、EA変調器112には終端抵抗が接続されている。
ここで、通常、半導体レーザ111に印加される直流電流I11は80mA〜150mA程度、EA変調器112に印加される変調電圧(電気変調信号)V11は電界吸収オフ時−0.5V、電界吸収オン時−3V程度、信号速度としては例えば10Gb/s程度、もしくは28Gb/s程度、あるいは40Gb/s程度となる。
図6に示す従来の光送受信システムにおいては、EA変調器集積半導体レーザ101から出射された変調出力光P11は、第一レンズ102によって平行光に変換され、光アイソレータ104を通過した後、第二レンズ103によって集光され、光ファイバ2の端面に入射される。そして、変調出力光P11は光ファイバ2を伝搬し、光受信機3によって受光・受信される。
このような光送受信システムにおいて、変調出力光P11は主に第二レンズ103の入射端面、光ファイバ2の入射端面、光受信機3の入射端面で僅かに反射される(第一レンズ102の入射端面では光が拡散するように反射するので第一レンズ102で反射してEA変調器集積半導体レーザ101に戻る反射光は無視できる程度に少ない)。反射戻り光のレベルは変調出力光P11の例えば−30dB程度の低下であるが、場合によっては−13dB程度(ファイバ接続を外した場合のフレネル反射)、最大で−8dB程度低下する場合もあり得る。
図7に光アイソレータ104を設けない場合(図6に示す光送受信システムにおいて光アイソレータ104を廃止した場合)の光送受信システムの伝送特性(符号誤り率評価)を示す。図7中、横軸は光受信機3の最小受光感度(dBm)、縦軸は符号誤り率である。信号速度は10Gb/s、光受信機3の受光器としてはSiフォトダイオードを使用した。
図7中、二点鎖線は反射戻り光レベル−8dBにおける符号誤り率、一点鎖線は反射戻り光レベル−13dBにおける符号誤り率、破線は反射戻り光レベル−30dBにおける符号誤り率、実線は反射戻り光レベル−∞(反射無し)における符号誤り率となっている。なお、反射戻り光レベルが−40dB以下の場合は光送受信システムに与える影響は無視できるので、−∞は−40dB以下と考えてよい。
図7から、反射戻り光レベルが増えるに従って伝送特性が劣化することが分かる。この結果、光受信機3への光強度を上げても符号誤り率が下がらず、光受信機3において符号誤り率を無視できる状態で受信することが困難になる。
なお、反射戻り光によって伝送特性が劣化するのは、基本的には半導体レーザ111から出射されるレーザ発振光が、反射戻り光によって外部から擾乱されることによる。この乱れは、現象としては低周波振動(low frequency fluctuation;LFF)もしくはコヒーレントコラプス、あるいは何らかのカオス現象として説明される。
このようなことから、従来の光送受信システムにおいては、光送信機1に光アイソレータ104を設け、この光アイソレータ104によって反射戻り光レベルを抑制する構成としている。光アイソレータ104は例えば35dBのアイソレーション機能を有し、順方向に対する光損失が1dB程度であるのに対し、逆方向に対する光損失が35dBとなっている。よって、最大で−8dBの反射戻り光が生じた場合でもEA変調器集積半導体レーザ101に入射される反射戻り光の光強度は−43dBとなり、レーザ発振光への反射戻り光の影響を無視できることが分かる。
図8に図6に示し上述した光アイソレータ104を有する従来の光送受信システムによる伝送特性(符号誤り率評価)を示す。図8に示す符号誤り率は実際には完全に重なって区別がつかないが、わかりやすくするためにあえて少しずらしている。
図8から、光アイソレータ104を設けることにより、反射戻り光の影響を受けない安定した光送受信システムを得ることができることがわかる。
図9に従来の他の光送受信システムを示す。図9に示すように、従来の他の光送受信システムは、EA変調器集積半導体レーザ401、直接変調型半導体レーザ402、受光器403、第一〜第四レンズ404〜407、第一波長カプラ408、第二波長カプラ409、及び、光アイソレータ410を備えて主にレーザ発振光の送信を行う光送信機4と、光送信機4から出力される出力光を伝搬する光ファイバ5と、第一受信器601、第二受信器602、送信器603、及び波長カプラ604を備えて主に光ファイバ5によって伝搬された出力光を受光する光受信機6とから構成されている。
EA変調器集積半導体レーザ401は、直流電流I21が印加されることによってレーザ発振光を出射する半導体レーザ411と、半導体レーザ411から出射されたレーザ発振光を変調するEA変調器412とを備え、変調出力光P21を出射する。EA変調器412にはEAドライバー413によって増幅された電気変調信号V21が入力される。EAドライバー413は直流電圧V22を印加されて駆動する。なお、半導体レーザ411は接地され、EA変調器412には終端抵抗が接続されている。
直接変調型半導体レーザ402はレーザドライバー421を介して入力される電気変調信号V23によってそのレーザ発振光を変調され、変調された変調出力光P22を出射する。レーザドライバー421は直流駆動電圧V24を印加されることによって駆動する。
受信器403は送信器603から出射される変調出力光P23を受信し、電気変調信号に復調する。
また、第一レンズ404はEA変調型半導体レーザ401から出射された変調出力光P21を平行光に変換する。第二レンズ405は直接変調型半導体レーザ402から出射された変調出力光P22を平行光に変換する。第三レンズ406はEA変調器集積半導体レーザ401、直接変調型半導体レーザ402から出射された変調出力光P21,P22を集光する一方、光受信機6から入射される変調出力光P23を平行光に変換する。第四レンズ407は第三レンズ406を介して入射される変調出力光P23を集光する。
また、第一波長カプラ408はEA変調器集積半導体レーザ401から出射される変調出力光P21を透過する一方、直接変調型半導体レーザ402から出射される変調出力光P22を反射してその光路を90度屈折させる。第二波長カプラ409はEA変調器集積半導体レーザ401から出射される変調出力光P21、直接変調型半導体レーザ402から出射される変調出力光P22を透過する一方、送信器603から出射される変調出力光P23を反射して90度屈折させる。
すなわち、EA変調器集積半導体レーザ401から出射された変調出力光P21は、第一レンズ404によって平行光に変換され、第一波長カプラ408、光アイソレータ410、第二波長カプラ409を通過した後、第三レンズ406によって集光され、光ファイバ2の端面に入射される。
また、直接変調型半導体レーザ402から出射された変調出力光P22は、第二レンズ405によって平行光に変換され、第一波長カプラ408、光アイソレータ410、第二波長カプラ409を通過した後、第三レンズ406によって集光され、光ファイバ2の端面に入射される。
波長カプラ604はEA変調器集積半導体レーザ401から出射された変調出力光P21と直接変調型半導体レーザ402から出射された変調出力光P22とを分波する。これにより変調出力光P21,P22はそれぞれ第一受信器601、第二受信器602に入射される。
第一受信器601はEA変調器集積半導体レーザ401から出射される変調出力光P21を受信し、これを復調する。第二受信器602は直接変調型半導体レーザ402から出射される変調出力光P22を受信し、これを復調する。
また、光受信機6側からも変調信号を出射することがあり、上述したように送信器603は電気変調信号を光に変換してなる光信号(変調出力光)P23を送信する。送信器603から送信された変調出力光P23は光ファイバ5によって光送信機4に入射され、第三レンズ406によって平行光となり、第二波長カプラ409によって分波され、第四レンズ407によって集光されて受信器403によって受信され、電気変調信号に復調される。
なお、通常半導体レーザ401に注入される直流電流は80mA〜150mA程度、EA変調器412に印加する電気変調信号(変調電圧)V21は電界吸収オフ時−0.5V、電界吸収オン時−3V程度、信号速度としては例えば10Gb/s程度、もしくは28Gb/s程度、あるいは40Gb/s程度となる。
EA変調器集積半導体レーザ401から出射される変調出力光P21の波長は例えば1577nm、直接変調型半導体レーザ402から出射される変調出力光P22の波長は例えば1490nmであり、レーザドライバー421を介して直接変調型半導体レーザ402に入力される電気変調信号V23の信号速度は例えば1Gb/s程度である。
また、送信器603から出力される変調出力光P23の波長は例えば1270nmで、信号速度は例えば10Gb/sである。
このような光送受信システムにおいても、図6に示し上述した従来の光送受信システムと同様、光アイソレータ410がなければ、EA変調器集積半導体レーザ401、直接変調型半導体レーザ402における電気変調信号の光信号への変調・復調が困難となる。また、図には明示していないが、送信器603の中にも半導体レーザ及び光アイソレータがあり(構造的には例えば図7の光送信機1と同様)、送信器603において光信号に変調される電気変調信号に関しても図示しない光アイソレータが無ければ信号の送受信が困難となる。
F. Grillot, B. Thedrez, J. Py, O. Gauthier-Lafaye, V. Voiriot, and J. L. Lafragette、「2.5-Gb/s transmision characeristics of 1.3-mm DFB lasers with external optical feedback」、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS、2002年、Vol. 14、p101-103
上記に示したように、光送受信システムにおける反射戻り光の影響は、光アイソレータを用いれば解決する。しかしながら問題は光アイソレータが高価なことである。光アイソレータは通常、ファラデー回転子となるガーネット単結晶、それを磁化する磁石、そして2つの偏光子からなり、光部品としては一番高価である。そのため、光アイソレータをなくした安価な光送信機が求められてきた。もちろん、光アイソレータをなくした状況下でも、反射戻り光の影響があることは許されない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは高価な光アイソレータを用いることなく、光送受信システムの反射戻り光の影響を抑制した光送受信システムを提供することにある。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る光送受信システムは、電気変調信号を変調出力光に変換して出力する発光素子を備える光送信機と、前記光送信機から出力された前記変調出力光を入力して電気変調信号に変換する光受信機とを備える光送受信システムにおいて、前記光送信機が、前記発光素子に微弱な電気信号を印加する摂動付与手段を備え、前記発光素子が半導体レーザと該半導体レーザから出射されるレーザ発振光を前記電気変調信号に基づいて変調出力光に変換する変調器とからなる電界吸収型変調器集積半導体レーザであり、前記変調器に前記電気変調信号が印加されるとともに、前記半導体レーザに前記微弱な電気信号が印加され、前記微弱な電気信号が、減衰手段によって減衰された前記電気変調信号であることを特徴とする。
また、上記の課題を解決する第の発明に係る光送受信システムは、第1の発明に係る光送受信システムにおいて、前記半導体レーザが電気的に終端され、前記電気変調信号が誤り訂正符号を含み、前記光受信機が受信した前記電気変調信号により誤り訂正を行うことを特徴とする。
本発明に係る光送受信システムによれば、高価な光アイソレータを用いることなく、光送受信システムの反射戻り光の影響を抑制することができる。
本発明の第1の実施例に係る光送受信システムの概略構成図である。 本発明の第参考例に係る光送受信システムの概略構成図である。 本発明の第参考例に係る光送受信システムの概略構成図である。 本発明の第参考例に係る光送受信システムの概略構成図である。 本発明の第参考例に係る光送受信システムの概略構成図である。 従来の光送受信システムの概略構成図である。 反射戻り光の影響がある場合の伝送特性を説明するグラフである。 反射戻り光の影響がない場合の伝送特性を説明するグラフである。 従来の他の光送受信システムの概略構成図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る光送受信システムの詳細を説明する。
図1に基づいて本発明の第1の実施例に係る光送受信システムについて説明する。図1に示すように、本実施例に係る光送受信システムは、図6に示し上述した従来の光送受信システムに比較して光送信機1の構成が異なる。具体的には、従来の光送信機1に対して光アイソレータ104を廃止する一方、摂動付与手段として、減衰手段である電気アッテネータ116とバイアス・ティー115を追加するとともに、終端抵抗117を追加している。その他の構成については上述した構成とおおむね同様であり、以下、同様の作用を奏する部材については同一の名称及び符号を用いて重複する説明は適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
本実施例に係る光送受信システムにおいては、EAドライバー113に入力される前の電気変調信号V11を電気アッテネータ116によって減衰し、減衰された電気変調信号(以下、減衰電気変調信号という)V13を結線118によりバイアス・ティー115を介して半導体レーザ111に印加する。すなわち、本実施例に係る光送受信システムにおいて、半導体レーザ111には駆動用の直流電流I11に加えて電気変調信号V11の一部である減衰電気変調信号V13が入力されることとなる。
また、本実施例において終端抵抗117は例えば46オームであって、半導体レーザ111の内部抵抗4オームと合わせると、半導体レーザ111は50オームの終端となる。
ここで、一例として電気変調信号V11の電圧を250mV、電気アッテネータ116の減衰量を20dBとした場合、バイアス・ティー115を介して半導体レーザ111に印加される減衰電気変調信号V13は25mVとなる。半導体レーザ111及び終端抵抗117による50オームの抵抗を考慮すると、減衰電気変調信号V13によって半導体レーザ111に付与される電流は0.5mAとなる。
これに対し、半導体レーザ111にレーザ発振光を出射させるために供給される直流電流I11は例えば100mAであり、半導体レーザ111には、100mAの直流電流と0.5mAの微小変調電流とが流れることになる。すなわち、減衰電気変調信号V13によって半導体レーザ111に摂動が与えられることとなり、その結果、半導体レーザ111の反射戻り光に対する耐性が向上する。
なお、EA変調器112に印加される電気変調信号V11と、半導体レーザ111に印加される減衰電気変調信号V13とは同期をとっても同期をとらなくてもどちらでも構わない。半導体レーザ111に印加される減衰電気変調信号V13は微小なので、半導体レーザ111の発振光強度にほとんど影響はなく、光送信信号に影響を与えることなく反射戻り光に対する耐性を高めることができる。
以上に示したように、本実施例に係る光送受信システムによれば、光アイソレータを用いることなく光送受信システムにおける反射戻り光の影響を抑制することができるため、安価な構成で光送受信機を製造することが可能となる。
〔参考例1〕
図2を用いて本発明の第参考例に係る光送受信システムについて説明する。図2に示すように、本参考例に係る光送受信システムは、図1に示し上述した第1の実施例に係る光送受信システムに比較して、EAドライバー113に入力される電気信号としてデータ信号V14(例えば、250mV)とデータバー信号V15(例えば、250mV)の差動電気信号を用い、EAドライバー113に入力される前のデータバー信号V15を電気アッテネータ116によって減衰し、減衰されたデータバー信号(以下、減衰データバー信号という)V16を結線118によりバイアス・ティー115を介して半導体レーザ111に印加する点で異なる。すなわち、本参考例に係る光送受信システムにおいて、半導体レーザ111には駆動用の直流電流I11に加えてデータバー信号V15の一部である減衰データバー信号V16が入力されることとなる。
その他の構成は図1に示し上述した第1の実施例に係る光送受信システムとおおむね同様であり、以下、同一の作用を奏する部材については同一の名称及び符号を用いて重複する説明は適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
ここで、一例としてデータバー信号V15の電圧を250mV、電気アッテネータ116の減衰量を20dBとした場合、バイアス・ティー115を介して半導体レーザ111に印加される減衰データバー信号V16は25mVとなる。半導体レーザ111及び終端抵抗117による50オームの抵抗を考えると、減衰データバー信号V16によって半導体レーザ111に付与される電流は0.5mAとなる。
これに対し、半導体レーザ111にレーザ発振光を出射させるために供給される直流電流I11は例えば100mAであり、半導体レーザ111には、100mAの直流電流と0.5mAの微小変調電流とが流れることになる。すなわち、半導体レーザ111に減衰データバー信号V16によって摂動が与えられることとなり、その結果、半導体レーザ111の反射戻り光に対する耐性が向上する。
なお、EA変調器112に印加されるデータバー信号V15と半導体レーザ111に印加される減衰データバー信号V16とは同期をとっても同期をとらなくてもどちらでも構わない。半導体レーザ111に印加される減衰データバー信号V16は微小であるので、レーザの発振光強度にほとんど影響はなく、光送信信号に影響を与えることなく反射戻り光に対する耐性を高めることができる。
以上に示したように、本参考例に係る光送受信システムによれば、光アイソレータを用いることなく光送受信システムにおける反射戻り光の影響を抑制することができるため、安価な構成で光送受信機を製造することが可能となる。
〔参考例2〕
図3を用いて本発明の第参考例に係る光送受信システムについて説明する。図3に示すように、本参考例に係る光送受信システムは、図1に示し上述した第1の実施例に係る光送受信システムに比較して、EAドライバー113に入力される電気信号としてクロック・データ・リカバリ(clock and data recovery:CDR)119から入力されるデータ信号V14とクロック信号V17とを用い、このEAドライバー113に入力される前のクロック信号V17を電気アッテネータ116によって減衰し、減衰されたクロック信号(以下、減衰クロック信号という)V18を結線118によりバイアス・ティー115を介して半導体レーザ111に印加する点で異なる。すなわち、本参考例に係る光送受信システムにおいて、半導体レーザ111には駆動用の直流電流I11に加えてクロック信号V17の一部である減衰クロック信号V18が入力されることとなる。
その他の構成は図1に示し上述した第1の実施例に係る光送受信システムとおおむね同様であり、以下、同一の作用を奏する部材については同一の名称及び符号を用いて重複する説明は適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
ここで、一例としてクロック信号V17の電圧を250mV、電気アッテネータ116の減衰量を20dBとした場合、バイアス・ティー115を介して半導体レーザ111に印加される減衰クロック信号V18は25mVとなる。半導体レーザ111及び終端抵抗117による50オームの抵抗を考えると、減衰クロック信号V18によって半導体レーザ111に付与される電流は0.5mAとなる。
これに対し、半導体レーザ111にレーザ発振光を出射させるために供給される直流電流I11は例えば100mAであり、半導体レーザ111には、100mAの直流電流と0.5mAの微小変調電流とが流れることになる。すなわち、半導体レーザ111に減衰クロック信号V18によって摂動が与えられることとなり、その結果、半導体レーザ111の反射戻り光に対する耐性が向上する。
なお、EA変調器112に印加されるクロック信号V17と半導体レーザ111に印加される減衰クロック信号V18とは同期をとっても同期をとらなくてもどちらでも構わない。半導体レーザ111に印加される減衰クロック信号V18は微小であるので、レーザの発振強度にほとんど影響はなく、光送信信号に影響を与えることなく、反射戻り光に対する耐性を高めることができる。
以上に示したように、本参考例に係る光送受信システムによれば、光アイソレータを用いることなく光送受信システムにおける反射戻り光の影響を抑制することができるため、安価な構成で光送受信機を製造することが可能となる。
〔参考例3〕
図4に基づいて本発明の第参考例に係る光送受信システムについて説明する。図4に示すように、本参考例に係る光送受信システムは、図9に示し上述した従来の他の光送受信システムに比較して光送信機4の構成が異なるものである。
具体的には、従来の光送信機4に比較して光アイソレータ410を廃止する一方、摂動付与手段として、減衰手段である電気アッテネータ416とバイアス・ティー415とを追加するとともに、終端抵抗417を追加している。その他の構成については上述した構成とおおむね同様であり、以下、同様の作用を奏する部材については同一の名称及び符号を用いて重複する説明は適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
参考例に係る光送受信システムにおいては、レーザドライバー421に入力される前の電気変調信号V23を電気アッテネータ416によって減衰し、減衰された電気変調信号(以下、減衰電気変調信号という)V25を結線418によりバイアス・ティー415を介して半導体レーザ411に印加する。すなわち、本参考例に係る光送受信システムにおいて、半導体レーザ411には駆動用の直流電流I21に加えて電気変調信号V23の一部である減衰電気変調信号V25が入力されることとなる。
また、本参考例において終端抵抗417は例えば46オームであって、半導体レーザ411の内部抵抗4オームと合わせると、半導体レーザ411は50オームの終端となる。
ここで、一例としてレーザドライバー421に入力される電気変調信号V23の電圧を250mV、電気アッテネータ416の減衰量を20dBとした場合、バイアス・ティー415を介して半導体レーザ411に印加される減衰電気変調信号V25は25mVとなる。半導体レーザ411及び終端抵抗417による50オームの抵抗を考えると、減衰電気変調信号V25によって半導体レーザ411に付与される電流は0.5mAとなる。
これに対し、半導体レーザ411にレーザ発振光を出射させるために供給される直流電流I21は例えば100mAであり、半導体レーザ411には、100mAの直流電流と0.5mAの微小変調電流とが流れることになる。すなわち、半導体レーザ411に減衰電気変調信号V25によって摂動が与えられることとなり、その結果、半導体レーザ411の反射戻り光に対する耐性が向上する。
半導体レーザ411に印加される減衰電気変調信号V25は微小なので、レーザの発振光強度にほとんど影響はなく、光送信信号に影響を与えることなく反射戻り光に対する耐性を高めることができる。
なお、直接変調型半導体レーザ402については電気変調信号V23を入力してレーザ発振光を変調すること自体が摂動を与えることと等価となるので、摂動を与えるために別途電気信号を用意する必要はない。
また、図示はしないが、光受信機6側の送信器603においても、搭載されている半導体レーザによっては上述した実施例1、参考例1,2又は後述する参考において説明するような手段により摂動が与えらえるものとする。
以上に示したように、本参考例に係る光送受信システムによれば、光アイソレータを用いることなく光送受信システムにおける反射戻り光の影響を抑制することができるため、安価な構成で光送受信機を製造することが可能となる。
〔参考例4〕
図5を用いて本発明の第参考例に係る光送受信システムについて説明する。図5に示すように、本参考例に係る光送受信システムは、図4に示し上述した第参考例に係る光送受信システムに比較して、受信器403によって復調された電気変調信号V26を電気アッテネータ416によって減衰し、減衰された電気変調信号(以下、減衰電気変調信号という)V27を結線418によりバイアス・ティー415を介して半導体レーザ411に印加する点で異なる。すなわち、本参考例に係る光送受信システムにおいて、半導体レーザ411には駆動用の直流電流I21に加えて復調された電気変調信号V26の一部である減衰電気変調信号V27が入力されることとなる。
その他の構成は図4に示し上述した第参考例に係る光送受信システムとおおむね同様であり、以下、同一の作用を奏する部材については同一の名称及び符号を用いて重複する説明は適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
ここで、一例として復調された電気変調信号V26の電圧を250mV、電気アッテネータ416の減衰量を20dBとした場合、バイアス・ティー415を介して半導体レーザ411に印加される減衰電気変調信号V27は25mVとなる。半導体レーザ411及び終端抵抗417による50オームの抵抗を考えると、減衰電気変調信号V27によって半導体レーザ411に付与される電流は0.5mAとなる。
これに対し、半導体レーザ411にレーザ発振光を出射させるために供給される直流電流I21は例えば100mAであり、半導体レーザ411には、100mAの直流電流と0.5mAの微小変調電流とが流れることになる。すなわち、半導体レーザ411に減衰電気変調信号V27によって摂動が与えられることとなり、その結果、半導体レーザ411の反射戻り光に対する耐性が向上する。
半導体レーザ411に印加される減衰電気変調信号V27は微小であるので、半導体レーザ411の発振光強度にほとんど影響はなく、光送信信号に影響を与えることなく反射戻り光に対する耐性を高めることができる。
以上に示したように、本参考例に係る光送受信システムによれば、光アイソレータを用いることなく光送受信システムにおける反射戻り光の影響を抑制することができるため、安価な構成で光送受信機を製造することが可能となる。
〔参考例5〕
以下、本発明の第参考例に係る光送受信システムについて説明する。本参考例に係る光送受信システムは、少なくとも図1〜図3に示し上述した第1の実施例及び第1参考例におけるEA変調器112、又は図4、図5に示し上述した第、第参考例におけるEA変調器412及び直接変調型半導体レーザ402にそれぞれ入力される電気変調信号に誤り訂正符号を挿入し、光受信機3または光受信機6による受光・受信後に符号誤り訂正を行うものである。その他の構成は図1〜図5に示し上述した第1の実施例及び第1〜第参考例に係る光送受信システムと同様であり、以下、図1〜図5に示し上述した部材と同一の部材については同一の名称及び符号を用いて重複する説明は省略する。
半導体レーザ111又は411、直接変調型半導体レーザ402から出射されるレーザ発振光が、外部からの擾乱によって生じる乱れは、現象的には上述したようにLFFもしくはコヒーレントコラプス、あるいはなんらかのカオス現象として説明されるが、いずれもMHzオーダの揺らぎになり、図7に示すように例えば10Gb/sの信号に対しては10のマイナス4乗、あるいはマイナス5乗台の符号誤りが顕著になる。
符号誤り訂正(例えば64b66b)は10マイナス4乗、あるいはマイナス5乗台の符号誤りの大部分を訂正できる能力を持つので第1の実施例及び第1〜第参考例の構成と組み合わせることにより、光アイソレータを廃止したことで生じる、反射戻り光を原因とする符号誤り率の増加を完全に補償することができる。
以上に示したように、本参考例に係る光送受信システムによれば、第1の実施例及び第1〜第参考例による効果に加えて、より好適な伝送特性を得ることができる。
本発明は、光送受信システムに適用して好適なものである。
1,4 光送信機
2,5 光ファイバ
3,6 光受信機
101 EA変調器集積半導体レーザ
102,103 レンズ
111 半導体レーザ
112 EA変調器
113 EAドライバー
114 抵抗
115 バイアス・ティー
116 電気アッテネータ
117 終端抵抗
118 結線
401 EA変調器集積半導体レーザ
402 直接変調型半導体レーザ
403 受信器
404,405,406,407 レンズ
408,409 波長カプラ
411 半導体レーザ
412 EA変調器
413 EAドライバー
414 抵抗
415 バイアス・ティー
416 電気アッテネータ
417 終端抵抗
418 結線
421 レーザドライバー
601,602 受信器
603 送信器
604 波長カプラ

Claims (2)

  1. 電気変調信号を変調出力光に変換して出力する発光素子を備える光送信機と、前記光送信機から出力された前記変調出力光を入力して電気変調信号に変換する光受信機とを備える光送受信システムにおいて、
    前記光送信機が、前記発光素子に微弱な電気信号を印加する摂動付与手段を備え、
    前記発光素子が半導体レーザと該半導体レーザから出射されるレーザ発振光を前記電気変調信号に基づいて変調出力光に変換する変調器とからなる電界吸収型変調器集積半導体レーザであり、
    前記変調器に前記電気変調信号が印加されるとともに、
    前記半導体レーザに前記微弱な電気信号が印加され、
    前記微弱な電気信号が、減衰手段によって減衰された前記電気変調信号である
    ことを特徴とする光送受信システム。
  2. 前記半導体レーザが電気的に終端され、
    前記電気変調信号が誤り訂正符号を含み、
    前記光受信機が受信した前記電気変調信号により誤り訂正を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の光送受信システム。
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