JP5710974B2 - クラスターボロンの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、本明細書中に参照として全体が援用される、2007年11月2日に出願した米国仮出願第61/001682号の利益を主張する。
本発明は、クラスターボロン(登録商標)(ClusterBoron)として一般的に市販されている、シンおよびアンチ異性体の混合物としてのB1822を合成する方法を提供する。本発明はさらに、上記の方法によって調製された、同位体が濃縮されたB1822を提供する。特に本発明は、天然に存在するB182210Bが濃縮されたB182211Bが濃縮されたB1822に関する。
大きな水素化ホウ素化合物は、半導体製造におけるホウ素をドープしたP型不純物領域の重要な供給原料になってきている。特に、例えば少なくとも5個のホウ素原子クラスターを含む水素化ホウ素化合物などの、高分子量の水素化ホウ素化合物は、分子ホウ素注入用の好ましいホウ素原子供給原料である。
現在の半導体工学において重要な側面は、より小さくかつより速いデバイスの継続的な開発である。このプロセスはスケーリングと呼ばれている。スケーリングは、集積回路を含む半導体基板におけるより小さなフィーチャーの規定を可能にする、リソグラフ加工法の継続的な進歩によって促進される。一般に認められているスケーリング理論が、半導体装置設計のすべての面の同時の適切なサイズ変更、すなわち各々のテクノロジーまたはスケーリングノードにおいて、チップ生産者を導くために開発された。イオン注入工程におけるスケーリングの大きな影響は接合深さのスケーリングであり、デバイス面積が減るにつれてより浅い接合が必要とされる。集積回路工学の規模での、このより浅い接合への要求は、イオン注入エネルギーを、各スケーリングステップにおいて減少していかなくてはならないという、要求につながる。現在のサブ0.13ミクロンデバイスにより必要とされる極端に浅い接合は、「超浅接合」またはUSJと呼ばれる。
ホウ素ドープP型接合を作成する方法は、ホウ素を使用するイオン注入工程が制御困難なことによって妨害されている。軽量(分子量10.8)である単一ホウ素原子は、シリコン基板中に非常に深く拡散することができ、かつアニーリングまたは他の昇温工程の間、基板格子のいたるところに迅速に拡散することができる。
ボランなどのホウ素クラスターまたはケージは、浸透が少ない分子状ホウ素種を半導体基板へ供給する供給原料として研究されている。PCT/US03/20197を参照されたい。
大きな水素化ホウ素化合物、すなわち5〜約100個のホウ素原子を有するホウ素化合物は、ホウ素原子を半導体基板に供給する分子イオン注入法での使用に好ましい。典型的には、水素化ホウ素化合物の異性体が存在し得る。それは、例えば構造異性体または立体異性体などの、異なる化学的特性を有する、同じ数のホウ素原子と水素原子とを有する水素化ホウ素である。加えて、同じ数のホウ素原子を有するが、異なる数の水素原子を有する、2またはそれ以上の関連する水素化ホウ素化合物が、様々なサイズのホウ素クラスター用に単離されている。例えば、ペンタボラン(9)およびペンタボラン(11)はそれぞれBおよびB11の化学式を有する。このような化合物はしばしばcloso(B),nido(Bn+2),arachno(Bn+4),hypho(Bn+6),conjuncto(Bn+8)等として分類される。このように、様々な量の水素を含む異性体および化合物を包含する、様々な水素化ホウ素種は、しばしばn個のホウ素原子を有する水素化ホウ素として知られている。Jemmis等1,2は、様々な大きさの多角体ボラン、ならびにn個のホウ素原子と様々な量の水素を有する既知の化合物についての総説を提供している。
異性体の混合物およびn個のホウ素原子を含む水素化ホウ素の混合物は、上記の注入法における使用に適している。水素化ホウ素混合物のイオン化工程によって生成された分子イオンは、均一かつ狭い分子量分布を有するであろう。
大きな水素化ホウ素分子、例えば12個以上のホウ素を有する水素化ホウ素分子の調製のための現在の合成技術は、しばしば複雑な合成工程、低い単離収量、および/または一貫性のない再現性に悩まされる。
異性体の混合物としてB1822を調製するための、文献で報告されているいくつかの合成ルートが存在しているが、これらは冗長で、しばしば著しく低い収率であり、信用性が低く、かつ合成に伴う安全性の問題を有する。
したがって、B1822を調製するための新しい方法が望まれている。
本発明者等は、オクタデカボラン(B1822)を調製するための新規方法を発見した。本発明は、大量のB1822の合成および精製に特に有用である。本発明は、同位体が濃縮されたB1822にも関する。ここで、定義として、「濃縮された」はホウ素同位体の天然存在比を変更することを意味する。原料に依存して、10B同位体の天然存在比は19.10%〜20.31%の範囲であり、および11B同位体の天然存在比は80.90%〜79.69%の範囲である。
一般的なB1822分子のイオンビームは、2つの天然同位体による質量の変化だけでなく、分子イオンからの水素損失数の変化により、広範囲のイオン質量を含む。半導体製造において使用する注入デバイスにおいて質量選択が可能であるので、B1822中の同位体が濃縮されたホウ素は、質量の分散を劇的に減少することができ、所望の注入種の増加したビーム電流を提供する。したがって、11Bおよび10B同位体を濃縮したB1822も大変興味深い。
一態様では、本発明はオクタデカボラン(B1822)を合成する方法を提供し、該方法は(a)ボランアニオンB1010 2−を酸と接触させて、B2018 2−を生成するステップと、(b)ボランアニオンB2018 2−を酸化剤と接触させて、H2018・xHOを生成するステップとを含む。
さらなる態様では、本発明は
(a)ボランアニオンB1010 2−を酸化剤と接触させて、B2018 2−を生成するステップと、
(b)ボランアニオンB2018 2−を酸と接触させて、H2018・xHOを生成するステップと、
(c)不溶性副生成物を反応混合物より分離するステップ
とを含む、オクタデカボラン(B1822)の合成方法を提供する。
本発明の任意の態様では、
(a)溶媒中のボランアニオンB1010 2−をケージカップリング酸化剤と接触させて、B2018 2−をその場で生成するステップと、
(b)B2018 2−を洗浄して、副生成物を除去等するステップと、
(c)溶媒と水中のボランアニオンB2018 2−を酸、好ましくはその過剰モルと接触させて、H2018xHOの溶液をその場で生成するステップと、
(d)好ましくは、前記系において本質的に化学的に不活性であるB1822を溶解する溶媒の存在下で、反応槽から水を除去するステップと、
(e)(i)濾過および/または(ii)反応溶媒の濃縮、B1822の脂肪族溶媒中への溶解、そして副生成物の濾過により、反応混合物から不溶性副生成物を分離するステップと、
(f)溶媒の除去等によりB1822を単離するステップ
とを含む、B1822の合成方法を提供する。
本発明の好ましい方法は、同位体的に純粋なB1822およびB1822の構造異性体の混合物を調製するのに適している。すなわち、本発明の方法は、イオン注入用の、適切な分子イオンビームを生成することが可能なB1822、および他の用途に使用する高純度B1822を提供する。
本発明のいくつかの態様では、B1010 2−の溶液は、溶液中で酸化剤とケージカップリング酸化の様式で反応して、B2018 2−を形成する。好ましい酸化剤は還元されて、B2018生成物とほとんど反応しない安定種を形成する。可能な酸化剤は、標準還元電位ポテンシャルEが0V以上の、無機金属試薬または有機酸化剤を含む。これらは、Sn(IV)、Fe(III)、Cu(II)、Mn(VII)、Ag(I)、Mn(IV)、Cr(VI)、Cl、Br、Hg(I)、Hg(II)、Au(III)、Ce(IV)、Pb(IV)、Co(III)、F、I、O、過酸化水素、有機過酸化物、または有機金属化合物を含み得る。好ましい溶媒は、その中で、B1010 2−塩が可溶だが破壊され、かつB2018 2−塩が不溶だが破壊されない、混合物である。これらの溶媒は水、アルコール、ニトリル、エーテル、スルホンなどを含み得る。
1822の前駆体H2018・xHOは、化学的に不活性な溶媒および水中で、B2018 2−を酸と接触させることで、その場で生成される。好ましい酸はpKaが2.0未満であり、かついかなる出発物質、中間体またはB1822を分解してはならない。これらは硫酸、硝酸、リン酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などの鉱酸、ならびにスルホン酸、ハロゲン化酢酸、およびシュウ酸などの有機酸を含み得る。
1822は、同時の、または後続の水の除去により、H2018・xHOから形成される。理論に束縛されることは望まないが、水和ヒドロニウムイオン塩である、HB20H18・xHO(xは正の実数)からの水の除去をもたらす条件もまた、部分的なヒドロニウムイオンの分解を誘導するのに適している。一般的には、好ましい分解条件はディーン・スタークトラップ、水分トラップ、水分除去剤の使用、または水和ヒドロニウム塩の1以上の乾燥剤との接触を含む。乾燥剤は、モレキュラーシーブ、五酸化リン、アルミナ、シリカ、シリケート等、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。反応溶媒は、B1822もしくは任意の出発原料、または反応の過程において生成される中間体の、分解を引き起こしてはならず、またはそれらとの実質的な反応性を示してはならない。これらは、芳香族およびアレーン溶媒、アルカン溶媒、エーテル、スルホン等を含み得るが、これらに限定されない。系からの水分の除去を促進するための反応温度は、0℃〜約250℃の範囲である。
好ましい態様では、本発明は、
(a)B1010 2-のアンモニウム塩を、還流しながら酸性水(pH<2.0)中で、FeClと接触させて、B2018 2-を生成するステップと、
(b)B2018 2−を水で洗浄して、副生物の除去等をするステップと、
(c)ボランアニオンB2018 2−をトルエンおよび水中で、5〜40モル当量のp−トルエンスルホン酸と接触させてその場でH2018xHOを生成するステップと、
(d)加温トルエン(90℃〜120℃)の存在下で、ディーン・スターク水分トラップを使用して、反応槽より水を除去するステップと、
(e)濾過により、反応混合物から不溶性副生成物を分離するステップと、
(f)トルエンを除去または濃縮して、ホウ酸とホウ酸塩で汚染されている粗製B1822を残すステップと、
(g)粗製B1822をヘキサン中に溶解し、そして不溶物を濾過するステップと、
(h)ヘキサンを除去して、B1822を単離するステップ
とを含む、B1822を合成する方法を提供する。
さらに別の好ましい態様では、本発明は、
(c)ボランアニオンB2018 2−をトルエンおよび水中で、5〜40モル当量のp−トルエンスルホン酸と接触させて、その場でH2018xHOを生成するステップと、
(d)加温トルエン(90℃〜120℃)の存在下で、ディーン・スターク水分トラップ等を使用して、反応槽より水を除去するステップと、
(e)濾過により、反応混合物から不溶性副生成物を分離するステップと、
(f)トルエンを除去または濃縮して、ホウ酸とホウ酸塩で汚染されている粗製B1822を残すステップと、
(g)粗製B1822をヘキサン中に溶解し、そして不溶物を濾過するステップと、
(h)ヘキサンを除去して、B1822を単離するステップ
とを含む、B1822の合成方法を提供する。
本発明の好ましい方法は、イオン注入用の適切な分子イオンビームを産生可能なB1822、および他の適用に使用する高純度B1822の提供に適している。
わずかな合成操作で高い単離収率(50%を超える)のB1822を提供する合成方法は、例えば10Bまたは11Bの同位体濃度が天然存在比よりも高い、同位体が濃縮されたB1822の調製への使用に適している。本発明の合成方法を使用する10Bまたは11Bの、同位体が濃縮されたB1822の調製は、限られた数の合成ステップ、質量(マス)効率、および高い全体的な合成収量(B2018 2−からの65%を超える収率)により、実用的である。
本発明の他の態様は以下に開示されている。
本発明の好ましい工程の概略図である。 本発明の好ましい工程による反応設定の使用を示す。
好ましい一態様では、本発明は、
(a)好ましくは溶媒中のボランアニオンB1010 2−と酸化剤(好ましくは、ケージカップリング酸化剤)とを接触させて、B2018 2−をその場で生成するステップと、
(b)所望により、B2018 2−を洗浄して、副生成物を除去等するステップと、
(c)好ましくは溶媒(例えば、水、アルコール、ニトリル、エーテル、スルホン、アレーン、脂肪族炭化水素、およびこれらの組み合わせ)中のボランアニオンB2018 2−と酸を含む水(好ましくは、モル過剰の、例えばp−トルエンスルホン酸などの、pKaが2未満の有機酸および無機酸を含む適切な酸)とを接触させて、H2018xHOの溶液を、好ましくはその場で生成するステップと、
(d)所望により、前記系において実質的に化学的に不活性なB1822可溶化溶媒の存在下で反応槽から水を除去するステップと、
(e)好ましくは、(i)濾過および/または(ii)反応溶媒の濃縮、B1822の脂肪族溶媒(例えば、アルカン、エーテル、またはこれらの組み合わせ)中への溶解、そして副生成物の濾過により、不溶性副生成物を反応混合物から分離するステップと、および
(f)例えば、溶媒の除去等により、好ましくは、B1822を単離するステップ
とを含む、オクタデカボラン(B1822)の合成方法を提供する。
上記方法において、前記酸化剤は好ましくは、0V以上の標準還元ポテンシャルEを有する。特に、前記酸化剤は好ましくは、0V以上の標準還元ポテンシャルEを有する無機塩であり得る。前記酸化剤は鉄(III)塩であってよい。前記酸化剤は好ましくは、0V以上の標準還元ポテンシャルEを有する有機金属化合物であり得る。前記酸化剤は好ましくは、0V以上の標準還元ポテンシャルEを有する有機酸化剤でもあり得る。好ましい酸化剤は鉄(III)塩を含む。
上記方法のステップ(c)における適切な溶媒は、水性および非水性溶媒の混合物であり、かつ適切な非水性溶媒は、好ましくはアルコール、ニトリル、エーテル、アレール、脂肪族炭化水素、及びこれらの組み合わせ、より好ましくは、ヘキサン、トルエン、キシレン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ適切には、前記非水性溶媒は全体の溶媒成分全体の体積の約1%〜約99%の間で含まれ、適切には、該溶媒成分は、溶媒成分の全体積を基準として、約1%〜約99%の間の水を含む。
別の好ましい一態様では、
(a)好ましくは溶媒及び水中のボランアニオンB2018 2−を酸(好ましくは、モル過剰の、例えばp−トルエンスルホン酸などの、pKaが2未満の有機酸および無機酸を含む適切な酸)と接触させて、H2018xHOを好ましくはその場で生成するステップと、
(b)好ましくは、前記系において本質的に化学的に不活性であるB1822を溶解する溶媒の存在下で反応槽から水を除去するステップと、
(c)(i)濾過および/または(ii)反応溶媒の濃縮、B1822の脂肪族溶媒、例えばアルカン、エーテルまたはこれらの組み合わせへの溶解、そして副生成物の濾過により、反応溶液から不溶性副生成物を分離するステップと、
(d)好ましくは、溶媒の除去等によりB1822を単離するステップ
とを含む、オクタデカボラン(B1822)を合成する方法が提供される。
上記の方法において、前記B1010 2−塩は[NRの化学式のカチオンとのアルキルアンモニウム塩であって、前記R、R、およびRは、水素、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群より独立して選択され、または前記R、R、およびRのうちの任意の2つが組み合わさって複素環を形成し、かつ前記Rは水素、C1−20アルキル、またはC6−10アリールより選択される。
上記の方法において、前記B2018 2−塩は、[NRの化学式のカチオンとのアルキルアンモニウム塩であって、前記R、R、およびRは、水素、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群より独立して選択され、または前記R、R、およびRのうちの任意の2つが組み合わさって複素環を形成し、かつ前記Rは水素、C1−20アルキル、またはC6−10アリールより選択される。
上記方法において、B2018 2−塩は、適切には無機塩であり得る。
上記方法のステップ(a)における適切な溶媒は、水性および非水性溶媒の混合物であり、かつ適切な非水性溶媒は、好ましくはアルコール、ニトリル、エーテル、アレーン、脂肪族炭化水素、及びこれらの組み合わせ、より好ましくは、ヘキサン、トルエン、キシレン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ適切には、前記非水性溶媒は全体の溶媒成分の体積の約1%〜約99%の間で含まれ、適切には、該溶媒成分は、溶媒成分の全体積を基準として、約1%〜約99%の間の水を含む。
上記の方法において、様々な方法、例えば水分トラップ、水分除去剤、またはさらにモレキュラーシーブ、五酸化二リン、アルミナ、シリカ、シリケート等の乾燥剤もしくはこれらの組み合わせの使用により、水は反応混合物より除去され得る。図2に示すようなディーン・スタークトラップが好まれる。
別の態様では、
(a)B1010 2-のアンモニウム塩を、還流しながら酸性水(pH≦2.0)中で、FeClと接触させて、B2018 2-を生成するステップと、
(b)B2018 2−を水で洗浄して、副生成物を除去するステップと、
(c)ボランアニオンB2018 2−をトルエンおよび水中で、5〜40モル当量のp−トルエンスルホン酸と接触させて、その場でH2018・xHOを生成するステップと、
(d)加温トルエン(90℃〜120℃)の存在下で、ディーン・スターク水分トラップ(図2を参照)を使用して、反応槽より水を除去するステップと、
(e)濾過により、反応混合物から不溶性副生成物を分離するステップと、
(f)トルエンを除去または濃縮して、ホウ酸とホウ酸塩で汚染されている粗製B1822を残すステップと、
(g)粗製B1822をヘキサン中に溶解し、そして不溶物を濾過するステップと、
(h)ヘキサンを除去して、B1822を単離するステップ
とを含む、オクタデカボラン(B1822)の合成方法が提供される。
さらに別の態様では、
(a)ボランアニオンB2018 2−をトルエンおよび水中で、5〜40モル当量のp−トルエンスルホン酸と接触させて、その場でH2018・xHOを生成するステップと、
(b)加温トルエン(90℃〜120℃)の存在下で、ディーン・スターク水分トラップ(図2を参照)を使用して、反応槽より水を除去するステップと、
(c)濾過により、反応混合物から不溶性副生成物を分離するステップと、
(d)トルエンを除去または濃縮して、ホウ酸とホウ酸塩が混入している粗製B1822を残すステップと、
(e)粗製B1822をヘキサン中に溶解し、そして不溶物を濾過するステップと、
(f)ヘキサンを除去して、B1822を単離するステップ
とを含む、オクタデカボラン(B1822)の合成方法が提供される。
本発明の方法において、適切には10B原子の同位体濃度は天然存在量よりも多く、例えばB1822産物中の少なくとも50%のホウ素原子が10Bであり、またはB1822産物中の少なくとも80%のホウ素原子が10Bであり、またはB1822産物中の少なくとも90%のホウ素原子が10Bであり、またはB1822産物中の少なくとも95%のホウ素原子が10Bであり、またはB1822産物中の少なくとも99%のホウ素原子が10Bである。
本発明の方法において、適切には11B原子の同位体濃度は天然存在量よりも多く、例えばB1822産物中の少なくとも90%のホウ素原子が11Bであり、またはB1822産物中の少なくとも95%のホウ素原子が11Bであり、またはB1822産物中の少なくとも99%のホウ素原子が11Bである。
図1の図面は、特に好ましい本発明の方法も表わす。
以下の実施例への言及によってより容易に理解されるであろうが、それらの実施例は、本発明を広く説明してきたが、本発明の或る態様と実施態様を単に例示する目的のために含まれ、かつ発明を制限することが企図されているわけではない。
(HNEt1010(100.0g,0.31mol)から調製した、再結晶したが乾燥していない(HNEt2018・xHO、およびp−CSOH・HO(265.4g,1.40mol)を、1Lの2つ口丸底フラスコ中に秤り入れた。トルエン(1L)及び水(113mL)をフラスコ内に加え、図2に示すようにディーン・スターク装置を設置し、トラップをトルエンで満たした。アルゴンで45分間パージした後、溶液を急速攪拌しながら還流した。反応系からの大部分の水の除去に続いて、水素放出が顕著に増加し、沈殿物の形成が始まった。水素放出が終了した時点で、反応系は冷却した後、不溶物を濾過で除去した。トルエン層を存在する何らかの油状物から分離し、水で3回(3x200ml)洗浄後、MgSO上で乾燥させて、乾燥するまで濃縮し、明るい黄色の粉末を得た。前記粉末は1Lのヘキサンで抽出され、かつ何らかの不溶物は濾過によって除去された。ヘキサン溶液を除去したところ、白色または準白色の111822(16.8g,50.6%)が残った。
(HNEt1010(5.00g,15.4mmol)から調製した、再結晶したが乾燥していない(HNEt2018・xHOおよびp−CSOH・HO(14.32g,75.3mmol)を、1Lの2つ口丸底フラスコ中に秤り入れた。トルエン(1L)及び水(113mL)をフラスコ内に加え、図2に示すようにディーン・スターク装置を設置し、トラップをトルエンで満たした。アルゴンで45分間パージした後、溶液を急速攪拌しながら還流した。反応系からの大部分の水の除去に続いて、水素放出が顕著に増加し、沈殿物の形成が始まった。水素放出が終了した時点で、反応系は冷却した後、不溶物を濾過で除去した。トルエン層を存在する何らかの油状物から分離し、水で3回(3x200ml)洗浄後、MgSO上で乾燥させて、乾燥するまで濃縮し、明黄色の粉末を得た。前記粉末は250mlのヘキサンで抽出され、かつ何らかの不溶物は濾過によって除去された。ヘキサン溶液を除去したところ、白色または準白色の111822(0.85g,50.1%)が残った。11Bの濃縮は出発物質より特定された(>98.6% 11B同位体濃縮)。
本発明を好ましい態様を参照して、詳細に記載した。しかしながら、当然のことながら、当業者は開示を考慮して、発明の精神および範囲内で、修正と改善をもたらし得ることが認められるであろう。
参考文献
Figure 0005710974
本明細書で引用する特許及び刊行物は、引用によりその全体が含まれる。
当業者は、単なる通常の実験を用いて、本明細書中に記載されている特定の態様の多くの等価物を認識し、または解明することができるだろう。このような等価物は以下の特許請求の範囲において包含されることを意図される。

Claims (6)

  1. オクタデカボラン(B1822)を合成する方法であって、
    (a)B1010 2-のアンモニウム塩を、酸性水(pH≦2.0)中で、FeClと接触させて、B2018 2-を生成するステップと、
    (c)前記ボランアニオンB2018 2−を酸と接触させて、その場でH2018・xHOを生成するステップと、
    (d)反応槽より水を除去するステップと、
    (e)反応混合物から不溶性副生成物を分離するステップと、
    (f)所望により、溶媒を除去してホウ酸とホウ酸塩が混入している粗製B1822を得るステップと、
    (g)粗製B1822をヘキサン中に溶解し、そして不溶物を濾過するステップ
    とを含む、方法。
  2. ヘキサンを除去して、B1822を単離するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記B1010 2−の塩が[NRの化学式のカチオンとのアルキルアンモニウム塩であって、
    前記R、R、およびRは、水素、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群より独立して選択されるか、または前記R、R、およびRのうちの任意の2つが組み合わさって複素環を形成し、
    前記Rが水素、C1−20アルキル、またはC6−10アリールより選択される、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記B2018 2−の塩が[NRの化学式のカチオンとのアルキルアンモニウム塩であって、
    前記R、R、およびRは、水素、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群より独立して選択されるか、または前記R、R、およびRのうちの任意の2つが組み合わさって複素環を形成し、
    前記Rが水素、C1−20アルキル、またはC6−10アリールより選択される、
    請求項1または2に記載の方法。
  5. 生成物B1822中に存在する少なくとも90%のホウ素原子が10Bである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 生成物B1822中に存在する少なくとも90%のホウ素原子が11Bである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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