JP5708867B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
従来、遊技場に設置されたパチンコ機やスロットなどの遊技機に対し、ホールコンピュータによる集中管理が実施されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。かかる集中管理の形態としては、例えば、所定の入賞口(例えば、遊技球の入賞によってたり抽選の契機が発生する始動口)へ遊技球が入賞したことを示す始動口入賞信号や、遊技球の入賞口への入賞に基づき賞球が払い出されたことを示す賞球信号や、たり状態を示すたり中信号など、遊技中に生じた各種状態に対応する信号(以下、この信号を「状態発生信号」と称する場合がある)を、各遊技機からホールコンピュータへ出力し、これらの信号を受信したホールコンピュータ側において、例えば、受信した信号に基づいてたり1回あたりの出球数や、たり中以外の出球数(ベース)などを演算し、その結果をモニタや用紙へ出力することが挙げられる。
このように、ホールコンピュータから出力されるデータ、例えば、たり1回あたりの出球数やたり中以外の出球数や始動口を通過した遊技球の数などのデータは、適正な利益を得る目的で、パチンコ機の釘調整や不正監視等のためにホール管理者によって利用されている。
また、ホールコンピュータは、例えば、遊技機から受信した状態発生信号に基づき、受信元の遊技機の上方などに設置されているランプの点灯制御を行い、所定の状態の発生(例えば、たりなど、遊技者に有利な遊技状態の発生)を周囲に喚起することができる
特開平7−59935号公報 特開2005−334218号公報
本発明は、上記例示した遊技機等において、ホールコンピュータ等の各種装置への信号の出力を好適に行うことが可能となる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が入球可能な入球部と、その入球部へ入球した遊技球を検出可能な入球検出手段と、その入球検出手段により検出された一の入球の発生に対し、信号の出力状態をオフ状態から反転させて予め設定されている第1の期間にわたってオン状態を維持した後、再度反転させてオフ状態に戻し一の状態信号を出力する信号出力手段とを備えたものであって、前記信号出力手段によりオン出力が開始される場合に、オン出力が開始されてからの経過期間を計測する期間計測カウンタと、その期間計測カウンタにより計測される前記経過期間が、オン期間である前記第1の期間に到達したかを判定可能な第1の到達判定手段と、その第1の到達判定手段により前記経過期間が前記第1の期間に到達したと判定された後に引き続いて、前記期間計測カウンタにより計測される前記経過期間が、前記第1の期間と予め設定されているオフ期間である第2の期間とを合わせた期間に到達したかを判定可能な第2の到達判定手段とを備えている。
請求項2の遊技機は、請求項1の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機である。
本発明によれば、ホールコンピュータ等の各種装置への信号の出力を好適に行うことが可能となる
一実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図8のタイマ割込処理の中で実行されるスイッチ監視処理を示すフローチャートである。 図8のタイマ割込処理の中で実行されるスイッチ監視処理を示すフローチャートである。 (a)は、上段作動口スイッチ処理を示すフローチャートであり、(b)は、下段作動口スイッチ処理を示すフローチャートである。 (a)は、上第1作動口スイッチ処理を示すフローチャートであり、(b)は、下第1作動口スイッチ処理を示すフローチャートである。 (a)は、上第1入賞口スイッチ処理を示すフローチャートであり、(b)は、下第1入賞口スイッチ処理を示すフローチャートである。 図8のタイマ割込処理の中で実行される外部情報処理を示すフローチャートである。 特定作動口通過信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2及び図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2は、10個の電動役物661a,662a,663a,664a,665a,691a,692a,693a,694a,695aが全て閉鎖位置にある場合を図示したものであり、図3は、10個の電動役物661a,662a,663a,664a,665a,691a,692a,693a,694a,695aが全て開放位置にある場合を図示したものである。なお、図3では、球案内用の釘の図示を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、上段特定作動口602や、下段特定作動口603等を有する遊技盤13(図2及び図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2及び図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2及び図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図3では省略)や風車およびレール61,62、一般入賞口601、上段作動口602、下段作動口603、10個の入賞ユニット641,642,643,644,645,671,672,673,674,675等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。ここで、一般入賞口601、上段作動口602、下段作動口603、10個の入賞ユニット641,642,643,644,645,671,672,673,674,675は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2及び図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2及び図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
また、遊技盤13の遊技領域における上部には、一般入賞口601が配設されている。本実施形態のパチンコ機10では、一般入賞口601に球が入賞(入球)すると、1入賞に対し10個の球が賞球として払い出されるように構成されている。
一般入賞口601の下方(図2及び図3の上下方向)には、上段作動口602が配設されている。本実施形態のパチンコ機10では、この上段作動口602へ球が入賞したことが、遊技盤13における上段作動口602の裏面側に設けられる上段作動口スイッチ(図5に示す各種スイッチ208の一部)により検出されると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、5つの電動役物661a,662a,663a,664a,665aが一斉に閉鎖位置(図2)から開放位置(図3)へと移行されるように構成されている。
この上段作動口602の下方には、5つの入賞ユニット641,642,643,644,645が左右方向(図2及び図3の左右方向)に並べて配設されている。これらの入賞ユニット641,642,643,644,645は、それぞれ、同様に構成されるユニットである。なお、以下では、代表的に入賞ユニット641を用いて説明する。
入賞ユニット641は、上部に設けられている上第1作動口651と、上第1作動口651の下方に設けられている上第1入賞口661と、上第1入賞口661の入口に設けられている電動役物661aとを有して構成されるユニットである。電動役物661aは、上第1入賞口ソレノイド210a(図5参照)により駆動されて、閉鎖位置(図2に示す状態)か、その閉鎖位置より左右方向に開かれた開放位置(図3に示す状態)のいずれかの位置とされる。
上第1作動口651は、常時入球可能に構成されており、この上第1作動口651に球が入賞したことが、遊技盤13における上第1作動口651の裏面側に設けられる上第1作動口スイッチ(図5に示す各種スイッチ208の一部)により検出されると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、電動役物661aが閉鎖位置(図2)から開放位置(図3)へ移行されるように構成されている。
上第1入賞口661は、その前面側が上第1作動口651の前面から延びるカバーにより覆われており、電動役物661aの位置に応じて球の通過が制限されるように構成されている。具体的には、電動役物661aが開放位置(図3)にある場合には、上第1入賞口661への球の通過(入賞)が可能であるが、電動役物661aが閉鎖位置(図2)にある場合には、上第1入賞口661への球の通過が不可能となる。即ち、上第1入賞口661は、(1)上段作動口602へ球が入賞するか、又は(2)上第1作動口651へ球が入賞した場合にのみ、球の通過が可能となる。
この上第1入賞口661へ球が入賞したことが、遊技盤13における上第1入賞口661の裏面側に設けられる上第1入賞口スイッチ(図5に示す各種スイッチ208の一部)により検出されると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、電動役物661aが開放位置(図2)から閉鎖位置(図3)へ移行されるように構成されている。従って、本実施形態のパチンコ機10では、上段作動口602又は上第1作動口651への球の通過によって、閉鎖されている電動役物661aが開放され、開放中の電動役物661aは、上第1入賞口661への球の入賞によって再び閉鎖される。
なお、入賞ユニット642〜645については、入賞ユニット641に対する上記の説明における、(1)「上第1作動口651」を、入賞ユニットに対応する上作動口(上第2〜上第5作動口652〜655)に読み替え、(2)「上第1入賞口661」を、入賞ユニットに対応する上入賞口(上第2〜上第5入賞口662〜665)に読み替え、(3)「電動役物661a」を、入賞ユニットに対応する電動役物(電動役物662a〜665a)に読み替え、(4)「上第1入賞口ソレノイド210a」を、入賞ユニットに対応する入賞口ソレノイド(上第2〜上第5入賞口ソレノイド210b〜210e(図5参照))に読み替え、(5)「上第1作動口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する上作動口スイッチ(上第2〜上第5作動口スイッチ(いずれも、図5に示す各種スイッチ208の一部))に読み替え、(6)「上第1入賞口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する上入賞口スイッチ(上第2〜上第5入賞口スイッチ(いずれも、図5に示す各種スイッチ208の一部))に読み替えればよい。
第3入賞ユニット643の下方には、下段作動口603が配設されている。本実施形態のパチンコ機10では、この下段作動口603へ球が入賞すると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、5つの電動役物691a,692a,693a,694a,695aが一斉に閉鎖位置(図2)から開放位置(図3)へと移行されるように構成されている。
この下段作動口603の下方には、5つの入賞ユニット671,672,673,674,675が左右方向に並べて配設されている。これらの入賞ユニット671,672,673,674,675は、いずれも、上述した入賞ユニット641と同様に構成されるユニットである。
よって、入賞ユニット671〜675については、入賞ユニット641に対する上記の説明における、(1)「上第1作動口651」を、入賞ユニットに対応する下作動口(下第1〜下第5作動口681〜685)に読み替え、(2)「上第1入賞口661」を、入賞ユニットに対応する下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)に読み替え、(3)「電動役物661a」を、入賞ユニットに対応する電動役物(電動役物691a〜695a)に読み替え、(4)「上第1入賞口ソレノイド210a」を、入賞ユニットに対応する下入賞口ソレノイド(下第1〜下第5入賞口ソレノイド210f〜210j(図5参照))に読み替え、(5)「上第1作動口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する下作動口スイッチ(下第1〜下第5作動口スイッチ(いずれも、図5に示す各種スイッチ208の一部))に読み替え、(6)「上第1入賞口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する下入賞口スイッチ(下第1〜下第5入賞口スイッチ(いずれも、図17に示す各種スイッチ208の一部))に読み替えればよい。
従って、本実施形態のパチンコ機10では、上段作動口602への球の入賞によって、5つの上入賞口(上第1〜上第5入賞口661〜665)が全て入賞可能な状態となり、最も有利な遊技状態が発生する。同様に、下段作動口603へ球が入賞した場合も、5つの下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)が全て入賞可能な状態となり、最も有利な遊技状態が発生することとなる。
本実施形態のパチンコ機10は、かかる最も有利な遊技状態を発生させることのできる上段作動口602又は下段作動口603へ球が入賞する毎に、ホールコンピュータ262へ、特定作動口通過信号を出力するように構成されている。一方、ホールコンピュータ262は、かかる特定作動口通過信号を受信した場合に、受信した特定作動口通過信号のオン期間にわたって、パチンコ機10の周辺(例えば、パチンコ機10の上部)に設置されているデータ表示器を点滅させるよう制御信号を出力する。
本実施形態のパチンコ機10では、1の特定作動口通過信号の出力期間(オン期間)が30sに初期設定されている。しかし、詳細は後述するが、比較的短い間隔で上段作動口602又は下段作動口603への球の入賞が検出された場合には、出力中又はその後に出力する特定作動口通過信号の出力期間が初期設定値(本実施形態では、30s)より短縮されるように構成されている。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、比較的短い間隔で上段作動口602又は下段作動口603へ球が入賞した場合であっても、その入賞タイミングと特定作動口通過信号の出力開始タイミング(又は、ホールコンピュータ262における特定作動口通過信号の受信タイミング)とが大きく乖離することが抑制できる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。一般入賞口601,上段作動口602,下段作動口603,上第1〜上第5作動口651〜655,下第1〜下第5作動口681〜685,上第1〜上第5入賞口661〜665,下第1〜下第5入賞口691〜695のいずれにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、外部出力バッファ203aと、信号出力管理カウンタ203cと、特定作動口通過カウンタ203dと、上第1入賞口開放中フラグ203eと、上第2入賞口開放中フラグ203fと、上第3入賞口開放中フラグ203gと、上第4入賞口開放中フラグ203hと、上第5入賞口開放中フラグ203iと、下第1入賞口開放中フラグ203jと、下第2入賞口開放中フラグ203kと、下第3入賞口開放中フラグ203lと、下第4入賞口開放中フラグ203mと、下第5入賞口開放中フラグ203nとを有している。ここで、外部出力バッファ203aは、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する所定サイズ(例えば、1バイト)の設定データを記憶するバッファである。
この外部出力バッファ203aは、複数の設定データビットから構成され、各設定データビットに、遊技中における管理すべき状態(例えば、上段特定作動口602又は下段特定作動口603へ球が入球(通過)したか否か、など)に応じて0(オフ)又は1(オン)の値が設定される。
外部出力バッファ203aへの値の設定(即ち、各設定データビットへの値の設定)は、外部情報処理(図14参照)の実行間隔である2ms間隔で更新される。このように、2ms毎に更新される設定データは、4msを1サイクルとするメイン処理(図7参照)における外部出力処理が実行される毎に(即ち、4msの間隔で)外部出力端子板261へ出力されて、ホールコンピュータ262へと送信される。
信号出力管理カウンタ203cは、特定作動口通過信号の出力期間(第1の期間)と、その特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間(第2の期間)との両方を計時(計測)するカウンタである。
特定作動口通過カウンタ203dは、上段作動口602又は下段作動口603に球が通過したが、その通過に対応する特定作動口通過信号が未出力の状態を計数するカウンタである。なお、「特定作動口通過信号」とは、上段作動口602又は下段作動口603への1回の通過に対して所定期間(本実施形態では、最大30秒間)にわたって出力されるオン信号(図15参照)である。
この特定作動口通過カウンタ203dは、電源投入時に0クリアされた後、上段作動口602又は下段作動口603へ球が入球する毎に(即ち、上段作動口スイッチ又は下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)のオンが検出される毎に)1加算され、1の特定作動口通過信号が出力される毎に、後述する外部情報処理(図14参照)において1減算される。
よって、特定作動口通過カウンタ203dの値が0であれば、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過回数に相当する数の特定作動口通過信号が既にホールコンピュータ262へと送信されていることを示す。一方、特定作動口通過カウンタ203dが1以上の値を示す場合には、特定作動口通過カウンタ203dが示す数だけ、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過が検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号があることを示す。
上第1入賞口開放中フラグ203eは、上第1入賞口661の入口に設けられている電動役物661aが開放中であるか否かを示すフラグであり、電動役物661aが開放中である場合にオンを示す。同様に、上第2〜上第5入賞口開放中フラグ203f〜203iは、それぞれ、電動役物662a〜665aが開放中であるか否かを示すフラグであり、開放中であればオンを示す。
下第1入賞口開放中フラグ203jは、下第1入賞口691の入口に設けられている電動役物691aが開放中であるか否かを示すフラグであり、電動役物691aが開放中である場合にオンを示す。同様に、下第2〜下第5入賞口開放中フラグ203k〜203nは、それぞれ、電動役物692a〜695aが開放中であるか否かを示すフラグであり、開放中であればオンを示す。
RAM203は、上記したバッファやカウンタに加え、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図6参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図7参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208、電動役物661aを開閉駆動するための上第1入賞口ソレノイド210a、電動役物662aを開閉駆動するための上第2入賞口ソレノイド210b、電動役物663aを開閉駆動するための上第3入賞口ソレノイド210c、電動役物664aを開閉駆動するための上第4入賞口ソレノイド210d、電動役物665aを開閉駆動するための上第5入賞口ソレノイド210e、電動役物691aを開閉駆動するための下第1入賞口ソレノイド210f、電動役物692aを開閉駆動するための下第2入賞口ソレノイド210g、電動役物693aを開閉駆動するための下第3入賞口ソレノイド210h、電動役物694aを開閉駆動するための下第4入賞口ソレノイド210i、電動役物695aを開閉駆動するための下第5入賞口ソレノイド210j、外部出力端子板261が接続されている。
外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されている。かかる外部出力端子板261は、主制御装置110から出力されたデータ(外部出力バッファ203aに記憶されている設定データ)を受信し、そのデータをホールコンピュータ262へ中継する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、外部出力バッファ(図示せず)を有している。この払出制御装置111における外部出力バッファは、主制御装置110のRAM203に設けられている外部出力バッファ203aと同様に、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する所定サイズ(例えば、1バイト)の設定データを記憶するバッファであり、複数の設定データビット(例えば、所定個数の賞球が払い出されたか否かを示す賞球信号用の設定データビットなど)から構成される。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板261などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、上述のようにホールコンピュータ262が接続可能に構成されている外部出力端子板261は、払出制御装置111から出力されたデータ(外部出力バッファ(図示せず)に記憶されていた設定データ)を受信し、そのデータをホールコンピュータ262へ中継する。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜113等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、各ソレノイド210a〜210j、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜113等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図6から図14のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、上述したNMI割込処理とがある。
まず、図6を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図6は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図4参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図7のS206の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ123を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ123が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ123がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図7を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図7は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201の処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図8参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
また、外部出力処理(S201)により、後述する外部情報処理(図14参照)において遊技中の状態に応じて外部出力バッファ203aに設定されたデータ(設定データ)を、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する。
なお、かかる設定データを構成する各設定データビットには、上段特定作動口602又は下段特定作動口603へ球が入球した場合に1に設定される(オンされる)設定データビットが含まれており、この設定データビットの出力状態に応じて1の特定作動口通過信号が形成される。
具体的には、1の特定作動口通過信号は、対応する設定データビットの出力状態が初期状態である0(オフ)から1(オン)に反転され、その後、出力状態が再度0(オフ)に戻されることによって、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力されることとなる。
外部出力処理(S201)の処理後、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S202)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S202:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S203)、既に所定時間が経過していれば(S203:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201の処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S203:No)、S202の処理へ移行し、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまで、外部出力処理(S201)の実行を待機する。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S202:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図示せず)が実行されたので、S204以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S204)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S205)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S206)、RAM203のアクセスを禁止して(S207)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S202の処理は、S201で行われる遊技の状態変化に対応した処理の終了時、又は、残余時間内のタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず、スイッチ読み込み処理を実行する(S501)。このスイッチ読み込み処理(S501)では、各種スイッチ208(例えば、上段作動口スイッチ、上第1〜第5作動口スイッチ、上第1〜第5入賞口スイッチ、下段作動口スイッチ、下第1〜第5作動口スイッチ、下第1〜第5入賞口スイッチ、など)の状態を読み込み、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を取得する。
次いで、スイッチ読み込み処理(S501)によって取得された入賞検知情報に応じた各設定を行うスイッチ監視処理を実行し(S502)、ホールコンピュータ262へ出力すべき特定作動口通過信号などの各種信号の設定(即ち、外部出力バッファ203aの各設定データビットの設定)を行う外部情報処理を実行し(S503)、発射制御処理を実行して(S504)、このタイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図9及び図10を参照して、上記したスイッチ監視処理(S502)について説明する。図9及び図10は、上記したタイマ割込処理(図8参照)の中で実行されるスイッチ監視処理(S502)を示すフローチャートである。
図9に示すように、このスイッチ監視処理(S502)では、まず、上段作動口602に設けられた上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認し(S2501)、通過していれば(S2501:Yes)、後述する上段作動口スイッチ処理を実行する(S2502)。
上段作動口スイッチ処理(S2502)の実行後、又は、S2501の処理により確認した結果、上段作動口スイッチを球が通過していない場合(S2501:No)には、上第1作動口651に設けられた上第1作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2503)。S2503の処理により確認した結果、上第1作動口スイッチを球が通過していれば(S2503:Yes)、後述する上第1作動口スイッチ処理を実行する(S2504)。
上第1作動口スイッチ処理(S2504)の実行後、又は、S2503の処理により確認した結果、上第1作動口スイッチを球が通過していない場合(S2503:No)には、上第2作動口652に設けられた上第2作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2505)。S2505の処理により確認した結果、上第2作動口スイッチを球が通過していれば(S2505:Yes)、後述する上第2作動口スイッチ処理を実行する(S2506)。
上第2作動口スイッチ処理(S2506)の実行後、又は、S2505の処理により確認した結果、上第2作動口スイッチを球が通過していない場合(S2505:No)には、上第3作動口653に設けられた上第3作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2507)。S2507の処理により確認した結果、上第3作動口スイッチを球が通過していれば(S2507:Yes)、後述する上第3作動口スイッチ処理を実行する(S2508)。
上第3作動口スイッチ処理(S2508)の実行後、又は、S2507の処理により確認した結果、上第3作動口スイッチを球が通過していない場合(S2507:No)には、上第4作動口654に設けられた上第4作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2509)。S2509の処理により確認した結果、上第4作動口スイッチを球が通過していれば(S2509:Yes)、後述する上第4作動口スイッチ処理を実行する(S2510)。
上第4作動口スイッチ処理(S2510)の実行後、又は、S2509の処理により確認した結果、上第4作動口スイッチを球が通過していない場合(S2509:No)には、上第5作動口655に設けられた上第5作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2511)。S2511の処理により確認した結果、上第5作動口スイッチを球が通過していれば(S2511:Yes)、後述する上第5作動口スイッチ処理を実行する(S2512)。
上第5作動口スイッチ処理(S2512)の実行後、又は、S2511の処理により確認した結果、上第5作動口スイッチを球が通過していない場合(S2511:No)には、上第1入賞口661に設けられた上第1入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2513)。S2513の処理により確認した結果、上第1入賞口スイッチを球が通過していれば(S2513:Yes)、後述する上第1入賞口スイッチ処理を実行する(S2514)。
上第1入賞口スイッチ処理(S2514)の実行後、又は、S2513の処理により確認した結果、上第1入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2513:No)には、上第2入賞口662に設けられた上第2入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2515)。S2515の処理により確認した結果、上第2入賞口スイッチを球が通過していれば(S2515:Yes)、後述する上第2入賞口スイッチ処理を実行する(S2516)。
上第2入賞口スイッチ処理(S2516)の実行後、又は、S2515の処理により確認した結果、上第2入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2515:No)には、上第3入賞口663に設けられた上第3入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2517)。S2517の処理により確認した結果、上第3入賞口スイッチを球が通過していれば(S2517:Yes)、後述する上第3入賞口スイッチ処理を実行する(S2518)。
上第3入賞口スイッチ処理(S2518)の実行後、又は、S2517の処理により確認した結果、上第3入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2517:No)には、上第4入賞口664に設けられた上第4入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2519)。S2519の処理により確認した結果、上第4入賞口スイッチを球が通過していれば(S2519:Yes)、後述する上第4入賞口スイッチ処理を実行する(S2520)。
上第4入賞口スイッチ処理(S2520)の実行後、又は、S2519の処理により確認した結果、上第4入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2519:No)には、上第5入賞口665に設けられた上第5入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2521)。S2521の処理により確認した結果、上第5入賞口スイッチを球が通過していれば(S2521:Yes)、後述する上第5入賞口スイッチ処理を実行する(S2522)。
上第5入賞口スイッチ処理(S2522)の実行後、又は、S2521の処理により確認した結果、上第5入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2521:No)には、S2523の処理(図10参照)へ移行する。
図10に示すように、S2523では、下段作動口603に設けられた下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2523)。S2523の処理により確認した結果、下段作動口スイッチを球が通過していれば(S2523:Yes)、後述する下段作動口スイッチ処理を実行する(S2524)。
下段作動口スイッチ処理(S2524)の実行後、又は、S2523の処理により確認した結果、下段作動口スイッチを球が通過していない場合(S2523:No)には、下第1作動口681に設けられた下第1作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2525)。S2525の処理により確認した結果、下第1作動口スイッチを球が通過していれば(S2525:Yes)、後述する下第1作動口スイッチ処理を実行する(S2526)。
下第1作動口スイッチ処理(S2526)の実行後、又は、S2525の処理により確認した結果、下第1作動口スイッチを球が通過していない場合(S2525:No)には、下第2作動口682に設けられた下第2作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2527)。S2527の処理により確認した結果、下第2作動口スイッチを球が通過していれば(S2527:Yes)、後述する下第2作動口スイッチ処理を実行する(S2528)。
下第2作動口スイッチ処理(S2528)の実行後、又は、S2527の処理により確認した結果、下第2作動口スイッチを球が通過していない場合(S2527:No)には、下第3作動口683に設けられた下第3作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2529)。S2529の処理により確認した結果、下第3作動口スイッチを球が通過していれば(S2529:Yes)、後述する下第3作動口スイッチ処理を実行する(S2530)。
下第3作動口スイッチ処理(S2530)の実行後、又は、S2529の処理により確認した結果、下第3作動口スイッチを球が通過していない場合(S2529:No)には、下第4作動口684に設けられた下第4作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2531)。S2531の処理により確認した結果、下第4作動口スイッチを球が通過していれば(S2531:Yes)、後述する下第4作動口スイッチ処理を実行する(S2532)。
下第4作動口スイッチ処理(S2532)の実行後、又は、S2531の処理により確認した結果、下第4作動口スイッチを球が通過していない場合(S2531:No)には、下第5作動口685に設けられた下第5作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2533)。S2533の処理により確認した結果、下第5作動口スイッチを球が通過していれば(S2533:Yes)、後述する下第5作動口スイッチ処理を実行する(S2534)。
下第5作動口スイッチ処理(S2534)の実行後、又は、S2533の処理により確認した結果、下第5作動口スイッチを球が通過していない場合(S2533:No)には、下第1入賞口691に設けられた下第1入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2535)。S2535の処理により確認した結果、下第1入賞口スイッチを球が通過していれば(S2535:Yes)、後述する下第1入賞口スイッチ処理を実行する(S2536)。
下第1入賞口スイッチ処理(S2536)の実行後、又は、S2535の処理により確認した結果、下第1入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2535:No)には、下第2入賞口692に設けられた下第2入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2537)。S2537の処理により確認した結果、下第2入賞口スイッチを球が通過していれば(S2537:Yes)、後述する下第2入賞口スイッチ処理を実行する(S2538)。
下第2入賞口スイッチ処理(S2538)の実行後、又は、S2537の処理により確認した結果、下第2入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2537:No)には、下第3入賞口693に設けられた下第3入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2539)。S2539の処理により確認した結果、下第3入賞口スイッチを球が通過していれば(S2539:Yes)、後述する下第3入賞口スイッチ処理を実行する(S2540)。
下第3入賞口スイッチ処理(S2540)の実行後、又は、S2539の処理により確認した結果、下第3入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2539:No)には、下第4入賞口694に設けられた下第4入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2541)。S2541の処理により確認した結果、下第4入賞口スイッチを球が通過していれば(S2541:Yes)、後述する下第4入賞口スイッチ処理を実行する(S2542)。
下第4入賞口スイッチ処理(S2542)の実行後、又は、S2541の処理により確認した結果、下第4入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2541:No)には、下第5入賞口695に設けられた下第5入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2543)。S2543の処理により確認した結果、下第5入賞口スイッチを球が通過していれば(S2543:Yes)、後述する下第5入賞口スイッチ処理を実行する(S2544)。
下第5入賞口スイッチ処理(S2544)の実行後、又は、S2543の処理により確認した結果、下第5入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2543:No)には、一般入賞口601への球の通過を検出するスイッチ(図示せず)などのその他のスイッチによる球の検出に応じた処理(その他スイッチ処理)を実行し(S2545)、このスイッチ監視処理(S502)を終了する。
ここで、図11(a)を参照して、上記した上段作動口スイッチ処理(S2502)について説明する。図11(a)は、スイッチ監視処理(図9及び図10)の中で実行される上段作動口スイッチ処理(S2502)を示すフローチャートである。
図11(a)に示すように、この上段作動口スイッチ処理(S2502)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算する(S2601)。なお、この賞球用カウンタは、RAM203内に設けられている非図示のカウンタであり、賞球を得るべき入賞回数(入賞個数)を計数するものである。この賞球用カウンタは、電源投入時及び払出制御装置111に対して出力すべき賞球コマンドの設定に伴って0クリアされるように構成されている。
S2601の処理後、特定作動口通過カウンタ203dに1加算し(S2602)、上第1〜上第5入賞口ソレノイド210a〜210eをオンし(S2603)、上第1〜上第5入賞口開放中フラグ203e〜203iをオンし(S2604)、この上段作動口スイッチ処理(S2502)を終了する。
よって、上段作動口602へ球が入賞した場合には、S2603の処理が実行されて、その結果、上第1〜上第5入賞口661〜665に各々付随する電動役物661a〜665aが一斉に開放される。
また、図11(b)を参照して、上記した下段作動口スイッチ処理(S2524)について説明する。図11(b)は、スイッチ監視処理(図9及び図10)の中で実行される下段作動口スイッチ処理(S2524)を示すフローチャートである。
図11(b)に示すように、この下段作動口スイッチ処理(S2524)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2611)、特定作動口通過カウンタ203dに1加算する(S2612)。
S2612の処理後、下第1〜下第5入賞口ソレノイド210f〜210jをオンし(S2613)、下第1〜下第5入賞口開放中フラグ203j〜203nをオンし(S2614)、この下段作動口スイッチ処理(S2524)を終了する。
よって、下段作動口603へ球が入賞した場合には、S2613の処理が実行されて、その結果、下第1〜下第5入賞口691〜695に各々付随する電動役物691a〜695aが一斉に開放される。
次に、図12(a)を参照して、上記した上第1作動口スイッチ処理(S2504)について説明する。図12(a)は、スイッチ監視処理(図9及び図10)の中で実行される上第1作動口スイッチ処理(S2504)を示すフローチャートである。
図12(a)に示すように、この上第1作動口スイッチ処理(S2504)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2621)、上第1入賞口開放中フラグ203eがオフであるかを確認する(S2622)。
S2622の処理により確認した結果、上第1入賞口開放中フラグ203eがオフであれば(S2622:Yes)、上第1入賞口661に付随する電動役物661aは閉鎖位置にあるので、開放位置に移行させるべく、上第1入賞口ソレノイド210aをオンし(S2623)、上第1入賞口開放中フラグ203eをオンし(S2624)、この上第1作動口スイッチ処理(S2504)を終了する。
一方で、S2622の処理により確認した結果、上第1入賞口開放中フラグ203eがオンであれば(S2622:No)、上第1入賞口661に付随する電動役物661aは既に開放位置にあるので、S2623、S2624の処理を行うことなく、この上第1作動口スイッチ処理(S2504)を終了する。
よって、上第1作動口651へ球が入賞した場合には、S2623の処理が実行されて、その結果、上第1入賞口661に付随する電動役物661aのみが開放されることになる。
なお、上第2作動口スイッチ処理(S2506)、上第3作動口スイッチ処理(S2508)、上第4作動口スイッチ処理(S2510)、及び上第5作動口スイッチ処理(S2512)もまた、上記の上第1作動口スイッチ処理(S2504)と同様の処理が行われる。即ち、上第1作動口スイッチ処理(S2504)における、「上第1入賞口ソレノイド210a」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(上第2〜上第5入賞口ソレノイド210b〜210e)に読み替え、「上第1入賞口開放中フラグ203e」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(上第2〜上第5入賞口開放中フラグ203f〜203i)に読み替えればよい。
従って、上第2作動口652へ球が入賞した場合には、上第2作動口スイッチ処理(S2506)の結果として、上第2入賞口662に付随する電動役物662aのみが開放される。同様に、上第3作動口653へ球が入賞した場合には、上第3作動口スイッチ処理(S2508)の結果として、上第3入賞口663に付随する電動役物663aのみが開放される。また、上第4作動口654へ球が入賞した場合には、上第4作動口スイッチ処理(S2510)の結果として、上第4入賞口664に付随する電動役物664aのみが開放され、上第5作動口655へ球が入賞した場合には、上第5作動口スイッチ処理(S2512)の結果として、上第5入賞口665に付随する電動役物665aのみが開放されることになる。
また、図12(b)を参照して、上記した下第1作動口スイッチ処理(S2526)について説明する。図12(b)は、スイッチ監視処理(図9及び図10)の中で実行される下第1作動口スイッチ処理(S2526)を示すフローチャートである。
図12(b)に示すように、この下第1作動口スイッチ処理(S2526)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2631)、下第1入賞口開放中フラグ203jがオフであるかを確認する(S2632)。
S2632の処理により確認した結果、下第1入賞口開放中フラグ203jがオフであれば(S2632:Yes)、下第1入賞口691に付随する電動役物691aは閉鎖位置にあるので、開放位置に移行させるべく、下第1入賞口ソレノイド210fをオンし(S2633)、下第1入賞口開放中フラグ203jをオンし(S2634)、この下第1作動口スイッチ処理(S2526)を終了する。
一方で、S2632の処理により確認した結果、下第1入賞口開放中フラグ203jがオンであれば(S2632:No)、下第1入賞口691に付随する電動役物691aは既に開放位置にあるので、S2633、S2634の処理を行うことなく、この下第1作動口スイッチ処理(S2526)を終了する。
よって、下第1作動口681へ球が入賞した場合には、S2633の処理が実行されて、その結果、下第1入賞口691に付随する電動役物691aのみが開放されることになる。
なお、下第2作動口スイッチ処理(S2528)、下第3作動口スイッチ処理(S2530)、下第4作動口スイッチ処理(S2532)、及び下第5作動口スイッチ処理(S2534)もまた、上記の下第1作動口スイッチ処理(S2526)と同様の処理が行われる。即ち、下第1作動口スイッチ処理(S2526)における、「下第1入賞口ソレノイド210f」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(下第2〜下第5入賞口ソレノイド210g〜210j)に読み替え、「下第1入賞口開放中フラグ203j」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(下第2〜下第5入賞口開放中フラグ203k〜203n)に読み替えればよい。
従って、下第2作動口682へ球が入賞した場合には、下第2作動口スイッチ処理(S2528)の結果として、下第2入賞口692に付随する電動役物692aのみが開放される。同様に、下第3作動口683へ球が入賞した場合には、下第3作動口スイッチ処理(S2530)の結果として、下第3入賞口693に付随する電動役物693aのみが開放される。また、下第4作動口684へ球が入賞した場合には、下第4作動口スイッチ処理(S2532)の結果として、下第4入賞口694に付随する電動役物694aのみが開放され、下第5作動口685へ球が入賞した場合には、下第5作動口スイッチ処理(S2534)の結果として、下第5入賞口695に付随する電動役物695aのみが開放されることになる。
次に、図13(a)を参照して、上記した上第1入賞口スイッチ処理(S2514)について説明する。図13(a)は、スイッチ監視処理(図9及び図10)の中で実行される上第1入賞口スイッチ処理(S2514)を示すフローチャートである。
図13(a)に示すように、この上第1入賞口スイッチ処理(S2514)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2641)、上第1入賞口ソレノイド210aをオフする(S2642)。S2642の処理後、上第1入賞口開放中フラグ203eをオフし(S2642)、の上第1入賞口スイッチ処理(S2514)を終了する。
よって、上第1入賞口661へ球が入賞した場合には、S2642の処理が実行されて、その結果、開放されていた上第1入賞口661の電動役物661aが閉鎖されることとなる。
なお、上第2入賞口スイッチ処理(S2516)、上第3入賞口スイッチ処理(S2518)、上第4入賞口スイッチ処理(S2520)、及び上第5入賞口スイッチ処理(S2522)もまた、上記の上第1入賞口スイッチ処理(S2514)と同様の処理が行われる。即ち、上第1入賞口スイッチ処理(S2514)における、「上第1入賞口ソレノイド210a」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(上第2〜上第5入賞口ソレノイド210b〜210e)に読み替え、「上第1入賞口開放中フラグ203e」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(上第2〜上第5入賞口開放中フラグ203f〜203i)に読み替えればよい。
従って、上第2入賞口662へ球が入賞した場合には、上第2入賞口スイッチ処理(S2516)の結果として、開放されていた上第2入賞口662の電動役物662aが閉鎖される。同様に、上第3入賞口663へ球が入賞した場合には、上第3入賞口スイッチ処理(S2518)の結果として、開放されていた上第3入賞口663の電動役物663aが閉鎖される。また、上第4入賞口664へ球が入賞した場合には、上第4入賞口スイッチ処理(S2520)の結果として、開放されていた上第4入賞口664の電動役物664aが閉鎖され、上第5入賞口665へ球が入賞した場合には、上第5入賞口スイッチ処理(S2522)の結果として、開放されていた上第5入賞口665の電動役物665aが閉鎖されることになる。
また、図13(b)を参照して、上記した下第1入賞口スイッチ処理(S2536)について説明する。図13(b)は、スイッチ監視処理(図9及び図10)の中で実行される下第1入賞口スイッチ処理(S2536)を示すフローチャートである。
図13(b)に示すように、この下第1入賞口スイッチ処理(S2536)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2651)、下第1入賞口ソレノイド210fをオフする(S2652)。S2652の処理後、下第1入賞口開放中フラグ203jをオフし(S2642)、の下第1入賞口スイッチ処理(S2536)を終了する。
よって、下第1入賞口691へ球が入賞した場合には、S2652の処理が実行されて、その結果、開放されていた下第1入賞口691の電動役物691aが閉鎖されることとなる。
なお、下第2入賞口スイッチ処理(S2538)、下第3入賞口スイッチ処理(S2540)、下第4入賞口スイッチ処理(S2542)、及び下第5入賞口スイッチ処理(S2544)もまた、上記の下第1入賞口スイッチ処理(S2536)と同様の処理が行われる。即ち、下第1入賞口スイッチ処理(S2536)における、「下第1入賞口ソレノイド210f」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(下第2〜下第5入賞口ソレノイド210g〜210j)に読み替え、「下第1入賞口開放中フラグ203j」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(下第2〜下第5入賞口開放中フラグ203k〜203n)に読み替えればよい。
従って、下第2入賞口692へ球が入賞した場合には、下第2入賞口スイッチ処理(S2538)の結果として、開放されていた下第2入賞口692の電動役物692aが閉鎖される。同様に、下第3入賞口693へ球が入賞した場合には、下第3入賞口スイッチ処理(S2540)の結果として、開放されていた下第3入賞口693の電動役物693aが閉鎖される。また、下第4入賞口694へ球が入賞した場合には、下第4入賞口スイッチ処理(S2542)の結果として、開放されていた下第4入賞口694の電動役物694aが閉鎖され、下第5入賞口695へ球が入賞した場合には、下第5入賞口スイッチ処理(S2544)の結果として、開放されていた下第5入賞口695の電動役物695aが閉鎖されることになる。
次に、図14を参照して、上記した外部情報処理(S503)について説明する。図14は、上記したタイマ割込処理(図8参照)の中で実行される外部情報処理(S503)を示すフローチャートである。
図14に示すように、この外部情報処理(S503)では、まず、外部出力バッファ203aを0クリア、即ち、全ての設定データビットを0クリアし、設定データのクリアを行う(S1521)。
S1521の処理後、特定作動口通過カウンタ203dの値が0であるかを確認する(S1522)。S1522の処理により確認した結果、特定作動口通過カウンタ203dの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1522:No)、上段作動口602又は下段作動口603のいずれかへの球の通過が検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号があるので、この場合には、信号出力管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1523)。
S1523の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0である場合には(S1523:Yes)、信号出力管理カウンタ203cによって管理中(計時中)の特定作動口通過信号が存在しないので、信号出力管理カウンタ203cに初期値として15250を設定し(S1529)、信号出力管理カウンタ203cによる計時(計測)を開始する。
ここで、信号出力管理カウンタ203cの値は、外部情報処理(S503)の実行間隔である2ms毎に1ずつ減算(カウントダウン)されるので、S1529の処理により信号出力管理カウンタ203cに設定された初期値は、30.5s(30500ms)の期間に相当する。
なお、S1529の処理の結果として、信号出力管理カウンタ203cに設定された30.5sの期間に相当する初期値は、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間(30s)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定されている第2の期間(0.5s)との合算期間に相当する値である。
本実施形態では、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間を、遊技者が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得るオフ期間とするべく0.5sに設定している。
また、本実施形態のホールコンピュータ262は、特定作動口通過信号(オン信号)の受信期間にわたって、パチンコ機10の周辺に設定されているデータ表示器を点滅させるよう制御信号を出力するように構成されている。即ち、主制御装置110からの特定作動口通過信号の出力期間は、データ表示器の点滅期間に相当する。よって、本実施形態では、特定作動口通過信号の初期設定の出力期間(第1の期間)を30sと設定したことにより、上段作動口602又は下段作動口603への球の1入賞対し、データ表示器は、最大、第1の期間である30sにわたって点滅されることになる。
S1529の処理後、特定作動口通過カウンタ203dの値を1減算した後(S1530)、外部出力バッファ203aにおける特定作動口通過信号に対応する設定データビットに1を設定する(S1531)。
S1531の処理の結果として外部出力バッファ203aにおける特定作動口通過信号に対応する設定データビットに1が設定された状態で、次のサイクルのメイン処理(図7参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、オン信号である特定作動口通過信号が、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
よって、特定作動口通過カウンタ203dの値が0でなく、かつ、信号出力管理カウンタ203cの値が0である場合には、未出力又は待機中の特定作動口通過信号の出力タイミングであるので、S1529の処理による信号出力管理カウンタ203cへ初期値として30.5sの期間が設定されると共に、特定作動口通過信号の出力が開始される。
S1531の処理後、その他の設定処理(S1528)を実行し、この外部情報処理(S503)を終了する。なお、その他の設定処理(S1528)では、外部出力バッファ203aにおける特定作動口通過信号以外の信号(例えば、特別遊技状態中であることを示す信号)に対応する設定データビットが更新される。その他の設定処理(S1528)の実行後、この外部情報処理(S503)を終了し、タイマ割込処理(図8参照)へ戻る。
一方、S1523の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1523:No)、ホールンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号がある状況下で、信号出力管理カウンタ203cによる特定作動口通過信号の管理中であることを示す。かかる場合には、まず、信号出力管理カウンタ203cの値を1減算し(S1524)、信号出力管理カウンタ203cの値が15000より大きいかを確認する(S1525)。
S1525の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が15000より大きい場合には(S1525:Yes)、S1529による信号出力管理カウンタ203cへの初期値の設定後、即ち、特定作動口通過信号の出力が開始された後、0.5sの期間が未だ経過していないので、かかる場合には、S1531の処理へ移行し、特定作動口通過信号の出力を継続する(S1531)。
一方で、S1525の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が15000以下である場合には(S1525:No)、特定作動口通過信号の出力が開始されてから、0.5sの期間が経過したので、次いで、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さいかを確認する(S1526)。
S1526の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250以上であれば(S1526:No)、かかる場合は、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がある状況下で、1の特定作動口通過信号が、出力中であり、かつ、出力開始から少なくとも0.5s経過した状態にあることを示す。かかる場合には、信号出力管理カウンタ203cに250を再設定し(S1527)、その他の設定処理(S1528)へ移行する。
この場合(即ち、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250を再設定した場合)には、S1531の処理は実行されないので、特定作動口通過信号に対応する設定データビットの出力状態が0(オフ)のままとされる。その結果、次のサイクルのメイン処理(図7参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、特定作動口通過信号(オン信号)ではなく、オフ状態の信号が外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
よって、出力中の特定作動口通過信号があり、かつ、未出力の特定作動口通過信号がある場合には、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が、第3の期間として予め設定されている0.5s以上であれば、S1529の処理により信号出力管理カウンタ203cに設定された初期値とは無関係に、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250が再設定された後、特定作動口通過信号の出力が中断される。
本実施形態では、第3の期間を、遊技者が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得る期間とするべく0.5sに設定している。
一方で、S1526の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さい場合には(S1526:Yes)、特定作動口通過信号の出力終了後の第2の期間(0.5s)の計時中であるので、特定作動口通過信号に対応する設定データビットの出力状態を0(オフ)としたまま、その他の設定処理(S1528)へ移行する。
ここで、上述のように、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250が再設定されると、次のタイミングで(即ち、2ms後に)実行される外部情報処理(S503)では、信号出力管理カウンタ203cの値が249となるため、S1526の判断処理では、No側へ移行する。即ち、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250が再設定されて、特定作動口通過信号の出力が中断された後は、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として0.5sが計時されることになる。
また、S1522の処理により確認した結果、特定作動口通過カウンタ203dの値が0である場合には(S1522:Yes)、信号出力管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1532)。
S1532の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1532:No)、ホールンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号がない状況下で、信号出力管理カウンタ203cによる特定作動口通過信号の管理中であることを示す。かかる場合には、まず、信号出力管理カウンタ203cの値を1減算し(S1533)、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さいかを確認する(S1534)。
S1534の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250以上であれば(S1534:No)、かかる場合は、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がない状況下で、1の特定作動口通過信号が出力中であることを示すので、S1531の処理へ移行する。その結果、特定作動口通過信号の出力が継続される。
一方、S1534の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さい場合には(S1531:Yes)、特定作動口通過信号の出力終了後の第2の期間(0.5s)の計時中であるので、特定作動口通過信号に対応する設定データビットの出力状態を0(オフ)としたまま、その他の設定処理(S1528)へ移行する。
よって、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がない状況下にある場合には、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間(30s)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間(0.5s)との両方の管理を、S1529の処理による1回の信号出力管理カウンタ203cへの初期値の設定によって達成することができるのである。
また、信号出力管理カウンタ203cの値が0であれば(S1532:Yes)、出力すべき特定作動口通過信号も期間管理すべき特定作動口通過信号も存在しないので、そのまま、その他の設定処理(S1508)へ移行する。
このように、本実施形態のパチンコ機10で実行される外部情報処理(S503)によれば、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下で、特定作動口通過信号が出力されている場合には、かかる特定作動口通過信号の出力期間を第3の期間として予め設定されている期間(本実施形態では、0.5s)だけ少なくとも確保し、全体の出力期間が初期設定値(本実施形態では、30s)より短くなるよう調整する。即ち、特定作動口通過信号の出力期間が、予め設定されている第3の期間以上、かつ、出力期間の初期設定値(第1の期間)未満の期間に調整される。
なお、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下で、特定作動口通過信号が出力されている場合としては、(1)未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生した場合、又は、(2)新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合が想定される。
ここで、上記(1)の場合には、特定作動口通過信号の出力が開始されてから、未出力の特定作動口通過信号が発生するまでは、上述した外部情報処理(S503)における、(S1522:Yes)→(S1532:No)→S1533→(S1534:No)→S1531の順で処理が実行されるが、未出力の特定作動口通過信号が発生したことにより、(S1522:No)→(S1532:No)→S1524の順で処理が実行された後、S1525の確認処理が実行される。
このとき、出力中の特定作動口通過信号が既に第3の期間(本実施形態では、0.5s)だけ出力されていれば、S1525におけるNoの分岐処理が実行されるので、その結果として、特定作動口通過信号の出力は、初期設定の出力期間(第1の期間、本実施形態では、30s)の経過を待つことなく終了され、オフ期間(第2の期間、本実施形態では、0.5s)の計時を開始するべく、S1527の処理により、信号出力管理カウンタ203cの値の再設定が行われる。
一方で、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が、第3の期間(本実施形態では、0.5s)に未だ到達していなければ、S1525におけるYesの分岐処理が実行されるので、その結果、特定作動口通過信号の出力期間として、第3の期間が、少なくとも確保されることとなる。
また、上記(2)の場合には、特定作動口通過信号の出力が開始された後、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が第3の期間(本実施形態では、0.5s)に到達するまで、S1525におけるYesの分岐処理が実行されるので、その結果、特定作動口通過信号の出力期間は第3の期間(本実施形態では、0.5s)のみとされる。
次に、図15を参照して、本実施形態のパチンコ機10からホールコンピュータ262へ出力される特定作動口通過信号(外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットの出力状態が1であるもの)の出力タイミングについて説明する。図15は、本実施形態のパチンコ機10における特定作動口通過信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
図15(a)は、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過間隔が、上述した外部情報処理(図14参照)におけるS1529の処理によって信号出力管理カウンタ203cに初期値として設定された期間(30.5s)以上である場合を例示したタイミングチャートである。
図15(a)に示すように、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg11(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力される、即ち、上段作動口602への球の通過が上段作動口スイッチにより検出されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg11(即ち、1回の入賞)に対する1の特定作動口通過信号ON11の出力が開始される。
かかる特定作動口通過信号ON11の出力を開始するにあたり、外部情報処理(図14参照)におけるS1529の処理が実行され、信号出力管理カウンタ203cに初期値が設定される。このとき設定される初期値は、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間(30s)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定されている第2の期間(0.5s)との合算期間に相当する値とされている。
信号出力管理カウンタ203cによる期間の計時中、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過が検出されることなく、外部情報処理(図14参照)におけるS1534の判断処理により、特定通過口通過信号の出力期間が初期設定の期間(本実施形態では、30s)だけ経過したと判断されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻すことによって、特定作動口通過信号ON11の出力を終了する。
上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、S1529の処理により、特定作動口通過信号ON11に対する初期設定の出力期間(30s)とオフ期間OF11との合算期間である30.5sに相当する値が初期値として信号出力管理カウンタ203cに設定されるので、信号出力管理カウンタ203cが30sの出力期間を計時した場合であっても、信号出力管理カウンタ203cの値は0に到達しない。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、信号出力管理カウンタ203cは、特定作動口通過信号ON11の出力が終了してからも、オフ期間OF11を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間OF11(本実施形態では、0.5s)を引き続いて計時することができる。
下段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg12(オン信号)が、信号出力管理カウンタ203cによって検出信号sg11に対して管理する期間外に、下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力された場合には、検出信号sg11が出力された場合と同様に、外部情報処理(図14参照)におけるS1529の処理が実行され、信号出力管理カウンタ203cに初期値として30.5sが設定される。その結果、検出信号sg11に対する期間管理と同様に、特定作動口通過信号ON12の出力が終了してからも、信号出力管理カウンタ203cへオフ期間OF12を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間OF12を引き続いて計時することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、特定作動口通過信号を出力する際には、1のカウンタである信号出力管理カウンタ203cに、初期設定の出力期間(第1の期間)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定されている第2の期間との合算期間が初期値として設定される。そのため、特定作動口通過信号に対する初期設定の出力期間が経過したことによりかかる信号の出力を終了してからも、その後のオフ期間を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間を引き続いて計時することができる。
即ち、本実施形態のパチンコ機10によれば、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がない状況下にある場合には、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間との両方の管理を、1の信号出力管理カウンタ203cのみによって、第2の期間の開始タイミングにおいて初期値を設定する必要なく達成することが可能である。よって、主制御装置110のMPU201にかかる制御負荷を軽減し得る。
図15(b)は、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生した場合を例示したタイミングチャートである。
図15(b)に示すように、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg21(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg21に対する1の特定作動口通過信号ON21の出力が開始される。
一方で、特定作動口通過信号ON21の出力期間が初期設定の出力期間である30sに到達する前に、下段作動口603に球が通過したことを示す検出信号sg22(オン信号)が下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、その検出信号sg22の出力タイミングに応じて、初期設定の出力期間に到達する以前であっても、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻されて、特定作動口通過信号ON21の出力が終了される。
即ち、かかる場合には、特定作動口通過信号ON21の出力期間は、外部情報処理(図14参照)におけるS1525の判断処理によって、少なくとも0.5sの出力期間(第3の期間)に確保されつつ、S1526の判断処理によって、初期設定の出力期間(第1の期間)である30s未満の期間に調整(短縮)される。
特定作動口通過信号ON21の出力終了後、0.5sのオフ期間OF22の経過を待ってから、特定作動口通過信号ON21の出力中に出力された検出信号sg22に対する特定作動口通過信号ON22の出力が開始される(即ち、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転される)。
ここで、特定作動口通過信号ON22の出力期間が初期設定の出力期間である30sに到達する前に、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg23(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、特定作動口通過信号ON22の出力期間は、上述した特定作動口通過信号ON22の出力期間の調整と同様に、0.5sの出力期間を確保しつつ、30s未満の出力期間に調整される。
そして、特定作動口通過信号ON22の出力が終了し、さらに0.5sのオフ期間OF22が経過した後、検出信号sg23に対する特定作動口通過信号ON23の出力を開始する。このとき、上段作動口602又は下段作動口603への新たな球の通過が検出されなければ、30sの出力期間の経過後、特定作動口通過信号ON23はオフされる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生した場合には、特定作動口通過信号ON21,ON22のように、出力期間が初期設定値の30sより短縮される。
よって、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生したとしても、検出信号と、その検出信号に対する特定作動口通過信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
また、上述のように、検出信号と、その検出信号に対する特定作動口通過信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくされるにもかかわらず、オフ期間は第2の期間として予め設定されている0.5sが確保されるので、遊技者は、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別することができる。
図15(c)は、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合を例示したタイミングチャートである。
図15(c)に示すように、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg31(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg31に対する1の特定作動口通過信号ON31の出力が開始される。
ここで、特定作動口通過信号ON31の出力期間が初期設定の出力期間である30sに到達する前に、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg32(オン信号)が再び上段作動口スイッチから出力されると、特定作動口通過信号ON31の出力期間は、検出信号sg32の出力タイミングに応じて、少なくとも0.5sの出力期間(第3の期間)に確保されつつ、初期設定の出力期間(第1の期間)である30s未満の期間に調整(短縮)される。
検出信号sg32に対する特定作動口通過信号ON32は、特定作動口通過信号ON31の出力が終了してから、0.5sのオフ期間OF31の経過後に、その出力が開始される。
このとき、0.5sのオフ期間OF31の間に、下段作動口603に球が通過したことを示す検出信号sg33(オン信号)が下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力された場合には、検出信号sg32に対する特定作動口通過信号ON32の出力後も、検出信号sg33に対する特定作動口通過信号ON33が未出力のまま待機されることになる。
本実施形態のパチンコ機10では、かかる状況下において、外部情報処理(図14参照)のS1525におけるYesの分岐処理が実行されることによって、特定作動口通過信号ON32が0.5sだけ出力された後、S1526におけるNoの分岐処理が実行されることにより、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻されて、特定作動口通過信号ON32の出力が終了される。
そして、特定作動口通過信号ON32の出力終了から、0.5sのオフ期間OF32の経過後に、検出信号sg33に対する特定作動口通過信号ON33の出力が開始される。特定作動口通過信号ON33の出力開始後、上段作動口602又は下段作動口603への新たな球の通過が検出されなければ、30sの出力期間の経過後、特定作動口通過信号ON33はオフされる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合には、特定作動口通過信号ON32のように、その出力期間が第3の期間として予め設定されている0.5sに短縮される。よって、検出信号sg33に対する特定作動口通過信号ON33の待機期間を極力小さくすることができる。
よって、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合が生じたとしても、検出信号と、その検出信号に対する特定作動口通過信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
また、本実施形態では、第3の期間が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で遊技者の視覚的に区別させ得るべく0.5sに設定されているので、遊技者は、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別することができる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下で、特定作動口通過信号が出力されている場合には、特定作動口通過信号の出力期間が、予め設定されている第3の期間以上、かつ、出力期間の初期設定値(第1の期間)未満の期間に調整される。
具体的には、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下の1つである、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に未出力の特定作動口通過信号が発生した場合には、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が、第3の期間(本実施形態では、0.5s)以上であれば、初期設定値(本実施形態では、30s)に到達する前に、その出力が中断(終了)される。一方、第3の期間(本実施形態では、0.5s)未満であれば、第3の期間だけの出力を確保した後、その出力が終了される。
あるいは、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下のもう1つである、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合には、新たに出力された特定作動口通過信号の出力期間を、初期設定値である第1の期間ではなく、第3の期間に短縮される。
よって、上段作動口602又は下段作動口603へ球が刻々と入賞する場合であっても、各入賞の検出タイミングと特定作動口通過信号の出力タイミングとの差を極力小さくすることができる。その結果、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過が比較的短い間隔で連続して生じた場合に、球の通過タイミングと特定作動口通過信号の出力タイミングとが合致しない状況が生じたり、それらの連続する球の通過に対する特定作動口通過信号を全て出力したときにその全期間が以上に長くなったり等の問題を抑制することができる。
ここで、「第3の期間」を、少なくとも、出力先であるホールコンピュータ262が特定作動口通過信号を検出可能な最短期間(例えば、50msなどの数十ms程度の期間)とすれば、上段作動口602又は下段作動口603へ球が刻々と入賞する場合であっても、各入賞の検出タイミングと特定作動口通過信号の出力タイミングとの差を極力小さくすることができるだけでなく、各特定作動口通過信号をホールコンピュータ262に確実に検出させることができる。
さらに、本実施形態のように、「第3の期間」が、遊技者が特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得る期間に設定されている場合には、各入賞の検出タイミングと特定作動口通過信号の出力タイミングとの差を極力小さくすることができ、かつ、特定作動口通過信号をホールコンピュータ262に確実に検出させることができるだけでなく、データ表示器の点滅によって上段作動口602又は下段作動口603への球の通過が1回生じたことを遊技者に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である「第2の期間」が、遊技者が特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得る期間に設定されているので、各入賞の検出タイミングと特定作動口通過信号の出力タイミングとの差を極力小さくされるにもかかわらず、データ表示器の点滅を時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で遊技者に視覚的に区別させることができる。
なお、「第2の期間」は、少なくとも、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する特定作動口通過信号を区別可能な最短期間(例えば、50msなどの数十ms程度の期間)であればよい。「第2の期間」を、少なくとも、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する特定作動口通過信号を区別可能な最短期間とすることにより、時系列的に隣接する各特定作動口通過信号をホールコンピュータ262にそれぞれ確実に検出させることができる。
また、本実施形態では、ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261から出力される特定作動口通過信号を使用し、特定作動口通過信号の出力期間中(即ち、オン期間中)はデータ表示器を点滅させ、オフ期間中はデータ表示器を消灯することにより、パチンコ機の当たり状態に略対応した表示を行うことができる。よって、ホールコンピュータ262では、データ表示器を点滅される期間を計時するカウンタを設けたり、かかる期間を計時する制御を行ったりすることなく、パチンコ機に発生した状態(例えば、当たり状態)に対応した表示を行いつつ、その状態の発生回数(例えば、当たり状態を発生させる入賞回数)を把握できる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下において、特定作動口通過信号の出力期間を短縮(調整)するように構成したが、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間(即ち、第2の期間)を短縮(調整)する構成であってもよい。あるいは、特定作動口通過信号の出力期間と出力終了後のオフ期間との両方を短縮する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110から出力される信号の出力状態の初期状態を0(オフ)とし、特定作動口通過信号を、初期状態を反転させた1(オン)を出力期間にわたって維持したものとしたが、出力状態の初期状態が1である場合には、かかる初期状態を反転させた0を出力期間にわたって維持したものを特定作動口通過信号としてもよい。
また、上記実施形態では、特定作動口通過信号を出力する場合には、信号出力管理カウンタ203cに初期値を設定し、信号出力管理カウンタ203cの値を減算していくことによって、第1の期間及び第2の期間を計時(管理)するよう構成したが、信号出力管理カウンタ203cを0から加算する方式によって、第1の期間及び第2の期間の両方を計時するように構成してもよい。具体的には、特定作動口通過信号の出力開始に伴って、信号出力管理カウンタ203cにより計時を0から開始し、第1の期間に到達したか否かを監視し、第1の期間に到達したと判定されたら信号をオフし、さらに、第1の期間と第2の期間との合算期間に到達したかを監視するように構成すればよい。
また、上記実施形態では、信号出力管理カウンタ203cによって、第1の期間と第2の期間との両方を計時する構成としたが、第1の期間と第2の期間とを各々異なるカウンタ又はタイマを用いて計時する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、管理すべき信号として、特定作動口通過信号を例示したが、本発明は、種々の信号に対して適用できる。なお、特定作動口通過信号のように、ある程度の長さ(例えば、10秒や30秒など、数十秒程度の長さ)の出力期間を確保する必要があると共に、信号出力の契機となる通過口への球の通過回数をホールコンピュータ262に認識させる必要がある信号へ適用した場合、該通過口への球の通過回数(検出回数)をホールコンピュータ262に確実に把握させることができる上に、該通過口への球の通過とその通過に対する信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができるので好適である。
また、上記実施形態では、特定作動口通過信号のような信号を、主制御装置110から、パチンコ機(パチンコ機10)の外部に設置される管理装置であるホールコンピュータ262へ出力する場合を例示したが、本発明は、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113や表示制御装置114からホールコンピュータ262への信号の出力に対しても適用できる。また、本発明は、主制御装置110から払出制御装置111への信号の出力など、パチンコ機の内部における信号の出力に対しても適用できる。
また、上記実施形態では、10個の電動役物661a,662a,663a,664a,665a,691a,692a,693a,694a,695aは、対応する入賞ソレノイド210a〜210jによって駆動されるように構成したが、電動役物に換えて、メカ的なリンク機構によって作動する役物を配設するように構成してもよい。
例えば、上段作動口602に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって上第1〜上第5入賞口661〜665の入口にそれぞれ配設された役物が一斉に開放し、上第1〜上第5作動口651〜655に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって対応する上入賞口(上第1〜上第5入賞口661〜665)の入口に配設された役物が開放し、上第1〜上第5入賞口661〜665に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって入賞した上入賞口(上第1〜上第5入賞口661〜665)の入口に配設された役物が閉鎖するように構成してもよい。
同様に、下段作動口603に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって下第1〜上第5入賞口691〜695の入口にそれぞれ配設された役物が一斉に開放し、下第1〜上第5作動口681〜685に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって対応する下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)の入口に配設された役物が開放し、下第1〜下第5入賞口691〜695に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって入賞した下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)の入口に配設された役物が閉鎖するように構成してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生を検出する状態検出手段と、その状態検出手段により検出された1回の状態の発生に対し、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間の出力期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことにより1の状態発生信号を出力する信号出力手段とを備えた遊技機において、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号に対する前記合算期間、又は、前記状態検出手段により新たに検出された前記状態の発生に対応する前記状態発生信号に対する前記合算期間の少なくとも一方を短縮する出力期間調整手段を備え、前記信号出力手段は、前記状態発生信号の出力が終了してから、前記第2の期間が経過した後、未出力の前記状態発生信号があれば次の状態発生信号を出力するものであることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生が状態検出手段によって検出された場合には、検出された1回の状態の発生に対して1の状態発生信号が信号出力手段によって出力される。ここで、1の状態発生信号は、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間の出力期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことによって生成される。
ここで、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間と第2の期間との合算期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、出力期間調整手段により、(1)出力中の状態発生信号に対する第1の期間と第2の期間との合算期間、又は、(2)状態検出手段により新たに検出された状態の発生に対応する状態発生信号に対する第1の期間と第2の期間との合算期間の少なくとも一方が短縮される。なお、「第2の期間」は、予め設定されている値である。
遊技機1における「合算期間の短縮」としては、第1の期間(即ち、状態発生信号の出力期間)の短縮、第2の期間(即ち、状態発生信号の出力が終了してからの期間)の短縮、又は、その両方の期間の短縮が含まれる。
出力期間調整手段により1の状態発生信号が予め規定されている合算期間より短縮されたことにより、状態検出手段によって状態の発生が刻々と検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。よって、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題を解決し得ることとなる。
また、第2の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能に予め設定されている期間、即ち、該演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短時間以上の期間のうち予め設定されている期間に設定することにより、状態発生信号を出力先の演算装置に確実に検出させることが可能となる。
なお、上述した実施形態において、遊技機1に記載される状態検出手段としては、上段作動口スイッチ,上段作動口スイッチ(いずれも図示せず)該当し、遊技機1に記載される信号出力手段としては、外部情報処理(S503)と外部出力処理(S201)とが該当し、遊技機1に記載される出力期間調整手段としては、S1522におけるYesの分岐処理,S1525,S1526,S1527の処理が該当する。
遊技機1において、前記第2の期間は、前記状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列に隣接する前記状態発生信号を区別可能な期間であることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、第2の期間は、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能に予め設定されている期間、即ち、該演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短時間以上の期間のうち予め設定されている期間とされる。よって、状態発生信号を出力先の演算装置に確実に検出させることができる。
遊技機1又は2において、出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号、又は、前記状態検出手段により新たに検出された前記状態の発生に対応する前記状態発生信号の少なくとも一方の出力期間を、予め設定されている第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の期間に調整するものであることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間と第2の期間との合算期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、出力期間調整手段により、(1)出力中の状態発生信号又は(2)状態検出手段により新たに検出された状態の発生に対応する状態発生信号の少なくとも一方の出力期間(即ち、第1状態から反転させた後にその出力状態が維持される期間)が、第3の期間以上かつ第1の期間未満の期間に調整される。なお、「第3の期間」は、予め設定されている値である。
信号出力手段により1の状態発生信号の出力が終了してから、第2の期間が経過した後、未出力の状態信号がある場合には、信号出力手段によって次の状態発生信号が出力される。このとき、状態発生信号の出力期間は、予め設定されている第1の期間であるか、出力期間調整手段による調整がなされている場合には、その調整によって生じた第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の期間とされる。
よって、出力期間調整手段により出力期間が調整されたことにより、出力中の状態発生信号及び/又は未出力であり今後出力されるべき状態発生信号の出力期間が第1の期間未満とされるので、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題を解決し得る。
また、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定することにより、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合であっても、出力中の状態発生信号に対して、その出力先である演算装置によって検出可能な第3の期間以上の出力期間を確保できるので、出力中の状態発生信号を出力先の演算装置によって確実に検出させることが可能となる。
同様に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定することにより、状態検出手段により検出された状態の発生に対応する未出力の状態発生信号に対しても、第3の期間以上の出力期間を確保できるので、出力中の状態発生信号を出力先の演算装置によって確実に検出させることが可能となる。
なお、状態発生信号の出力期間にわたって光や音を外部出力する構成である場合に、出力期間調整手段によって調整される状態発生信号の出力期間を、人間の視覚や聴覚で光や音を認識又は区別することが可能な限界の(最短の)期間又はその近傍の期間以上、かつ、前記第1の期間未満の期間とすることにより、遊技者などに、外部出力された光や音を認識させることによって、所定の状態が1回発生したことを認識させることができる。
さらに、第2の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能に予め設定されている期間、即ち、該演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短時間以上の期間のうち予め設定されている期間に設定した場合には、状態発生信号の出力中に新たに検出された状態の発生に対する状態発生信号は、状態発生信号の出力の終了から(即ち、信号の出力状態が再度反転されて第1状態に戻されてから)、出力先の演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号が区別可能な第2の期間後に出力される。よって、状態検出手段によって刻々と検出される状態の発生を、出力先の装置に確実に検出させることができる。
なお、状態発生信号の出力期間にわたって光や音を外部出力する構成である場合に、第2の期間(状態発生信号の出力終了後のオフ期間)を、人間の視覚や聴覚で光や音を認識又は区別することが可能な限界の(最短の)期間又はその近傍の期間に設定することにより、遊技者などに、外部出力された光や音を認識させることによって、時系列的に隣接する状態発生信号を個々に(1単位ずつ)認識させることができる。
遊技機3において、前記第3の期間は、前記状態発生信号の出力先となる演算装置が該状態発生信号を検出可能な最短期間であることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、第3の期間は、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が該状態発生信号を検出可能な最短期間に設定されるので、出力中の状態発生信号に対して、その出力先である演算装置によって検出可能な第3の期間以上の出力期間が確保されることになる。よって、出力中の状態発生信号を出力先の演算装置によって確実に検出させることができる。
同様に、状態検出手段により検出された状態の発生に対応する未出力の状態発生信号に対しても、第3の期間以上の出力期間が確保されるので、出力中の状態発生信号を出力先の演算装置によって確実に検出させることができる。
遊技機3又は4において、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから前記第1の期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号の出力期間を、前記新たに検出された前記状態の発生の検出タイミングに応じて、前記第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の期間に短縮する第1出力期間短縮手段を含むことを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、第1出力期間短縮手段(出力期間調整手段の一部)によって、出力中の状態発生信号の出力期間が、新たに検出された状態の発生の検出タイミングに応じて短縮される。
具体的には、第1出力期間短縮手段によって、出力中の状態発生信号の出力期間(即ち、出力中の状態発生信号に対する、第1状態から反転させた後にその出力状態を維持する期間)が、新たに検出された状態の発生の検出タイミングに応じて、予め設定されている第3の期間以上かつ第1の期間未満の期間に短縮される。
よって、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合には、その検出タイミングに応じて、出力中の状態発生信号の出力期間が、第1の期間未満に短縮される。よって、状態検出手段によって刻々と状態の発生が検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
特に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、状態発生信号を出力先の装置に確実に検出させつつ、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
従来、状態発生信号の用途によっては、状態発生信号の出力期間(即ち、第1の期間)を、状態の発生が連続して検出される際の検出間隔に比べかなり長い期間に設定しなければならない場合があった。例えば、連続して検出される状態の発生の検出間隔が数秒のオーダーであるにもかかわらず、状態発生信号の出力期間を数十秒のオーダーに設定しなければならない場合があった。かかる場合、状態発生信号の出力期間中に複数回の状態の発生が検出されると、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと検出された各状態の発生に対して出力される状態発生信号の出力タイミングとの時間差は次第に大きくなり、検出対象となる状態が発生したタイミングに合致しない状況が生じるという問題や、検出された全ての状態の発生に対する状態発生信号の出力が完了するまでの期間が異常に長くなるという問題など、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する問題を生じる虞がある。
これに対し、遊技機5によれば、上述のように、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合には、その検出タイミングに応じて、出力中の状態発生信号の出力期間が、第1の期間未満に短縮される。よって、出力先の演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する上記例示した問題などを解決することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機5に記載される第1出力期間短縮手段としては、S1522におけるYesの分岐処理,S1525におけるNoの分岐処理,S1526におけるNoの分岐処理,S1527の処理が該当する。
遊技機3から5のいずれかにおいて、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから前記第3の期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、少なくとも前記第3の期間まで前記状態発生信号の出力を確保する出力期間確保手段を含むことを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから第3の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、出力期間確保手段(出力期間調整手段の一部)により、状態発生信号の出力期間として、少なくとも第3の期間が確保される。ここで、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、出力中の状態発生信号を、出力先の演算装置において検出可能にしつつ、短縮することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機6に記載される出力期間確保手段としては、S1522におけるYesの分岐処理,S1525におけるYesの分岐処理が該当する。
遊技機3から6のいずれかにおいて、前記出力期間調整手段は、前記状態検出手段により検出された前記状態の発生のうち、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が未出力であるものが2以上存在するときには、前記信号出力手段により次の状態発生信号を出力する場合に、前記次に出力する状態発生信号の出力期間を、前記第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の範囲内における予め設定されている期間に短縮する第2出力期間短縮手段を含むことを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、状態検出手段により検出された状態の発生のうち、信号出力手段による状態発生信号の出力が未出力であるものが2以上存在するとき、信号出力手段により次の状態発生信号を出力する場合には、第2出力期間短縮手段(出力期間調整手段の一部)により、次に出力する状態発生信号の出力期間(即ち、第1状態から反転させた後にその出力状態を維持する期間)が、第3の期間以上かつ第1の期間未満の範囲内における予め設定されている期間に短縮される。
即ち、信号出力手段による状態発生信号の出力が未出力である状態の発生が2以上存在する場合には、状態発生信号の出力期間が、第1の期間より短縮された期間とされる。よって、状態検出手段によって刻々と状態の発生が検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題(例えば、遊技機5の利点を述べる上で例示した問題など)を解決することができる。
特に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、状態発生信号を出力先の装置に確実に検出させつつ、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機7に記載される第2出力期間短縮手段としては、S1522におけるYesの分岐処理,S1525,S1526におけるNoの分岐処理,S1527の処理が該当する。
遊技機3から6のいずれかにおいて、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による1の状態発生信号の出力が終了してから、前記第2の期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が2回以上検出されたとき、前記信号出力手段によって次の状態発生信号を出力する場合に、前記次に出力する状態発生信号の出力期間を、前記第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の範囲内における予め設定されている期間に短縮する第3出力期間短縮手段を含むことを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、信号出力手段による1の状態発生信号の出力が終了してから第2の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が2回以上検出されたとき、信号出力手段により次の状態発生信号を出力する場合には、第3出力期間短縮手段(出力期間調整手段の一部)によって、次に出力する状態発生信号の出力期間(即ち、第1状態から反転させた後にその出力状態を維持する期間)が、第3の期間以上かつ第1の期間より短い予め設定されている期間に短縮される。
即ち、信号出力手段による1の状態発生信号の出力が終了してから第2の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が2回以上検出された場合には、状態発生信号の出力期間が、第1の期間より短縮された期間とされる。よって、状態検出手段によって刻々と状態の発生が検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題(例えば、遊技機5の利点を述べる上で例示した問題など)を解決することができる。
特に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、状態発生信号を出力先の装置に確実に検出させつつ、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機8に記載される第3出力期間短縮手段としては、S1522におけるYesの分岐処理,S1525,S1526におけるNoの分岐処理,S1527の処理が該当する。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号に対する前記第2の期間又は前記状態検出手段により新たに検出された前記状態の発生に対応する前記状態発生信号に対する前記第2の期間の少なくとも一方の期間を、予め設定されている第4の期間以上かつ前記第2の期間未満の期間に調整するものであることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間と第2の期間との合算期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、第2の出力期間調整手段により、(1)出力中の状態発生信号に対する第2の期間又は(2)状態検出手段により新たに検出された状態の発生に対応する状態発生信号に対する第2の期間の少なくとも一方の期間が、第4の期間以上かつ第2の期間未満の期間に調整される。なお、「第4の期間」は、予め設定されている値である。
よって、第2の出力期間調整手段により第2の期間が短縮されるので、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題(例えば、遊技機5の利点を述べる上で例示した問題など)を解決し得ることとなる。
特に、状態発生信号の出力期間にわたって光や音を外部出力する構成である場合に、出力期間調整手段によって調整される状態発生信号の出力終了後のオフ期間を、人間の視覚や聴覚で光や音を認識又は区別することが可能な限界の(最短の)期間又はその近傍の期間に設定することにより、遊技者などに、外部出力された光や音を認識させることによって、時系列的に隣接する状態発生信号を個々に(1単位ずつ)認識させることができる。
また、第4の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短期間に設定することにより、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合であっても、出力中の状態発生信号に対し、その出力終了後のオフ期間が、その出力先である演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な第4の期間以上に確保されるので、時系列的に隣接する状態発生信号をそれぞれ出力先の演算装置によって確実に検出させることが可能となる。
同様に、第4の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短期間に設定することにより、状態検出手段により検出された状態の発生に対応する未出力の状態発生信号に対しても、その状態発生信号が出力された場合に、出力終了後のオフ期間が、第4の期間以上に確保されるので、時系列的に隣接する状態発生信号をそれぞれ出力先の演算装置によって確実に検出させることが可能となる。
遊技機9において、前記第4の期間は、前記状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する該状態発生信号を区別可能な最短期間であることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、第4の期間は、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が時系列的に隣接する該状態発生信号を区別可能な最短期間に設定されるので、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合であっても、出力中の状態発生信号に対し、その出力終了後のオフ期間が、その出力先である演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な第4の期間以上に確保されるので、時系列的に隣接する状態発生信号をそれぞれ出力先の演算装置によって確実に検出させることができる。
同様に、状態検出手段により検出された状態の発生に対応する未出力の状態発生信号に対しても、その状態発生信号が出力された場合に、出力終了後のオフ期間が、第4の期間以上に確保されるので、時系列的に隣接する状態発生信号をそれぞれ出力先の演算装置によって確実に検出させることができる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機11。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来、遊技場に設置されたパチンコ機やスロットなどの遊技機に対し、ホールコンピュータによる集中管理が実施されている(例えば、特許文献1:特開平7−59935号公報,特許文献2:特開2005−334218号公報)。かかる集中管理の形態としては、例えば、所定の入賞口(例えば、遊技球の入賞によって大当たり抽選の契機が発生する始動口)へ遊技球が入賞したことを示す始動口入賞信号や、遊技球の入賞口への入賞により球が払い出されたことを示す賞球信号や、大当たり状態を示す大当たり中信号など、遊技中に生じた各種状態に対応する信号(以下、この信号を「状態発生信号」と称する場合がある)を、各遊技機からホールコンピュータへ出力し、これらの信号を受信したホールコンピュータ側において、受信した信号に基づいて大当たり1回あたりの出球数や、大当たり中以外の出球数(ベース)などを演算し、その結果をモニタや用紙へ出力することが挙げられる。
このように、ホールコンピュータから出力されるデータ、例えば、大当たり1回あたりの出球数や大当たり中以外の出球数や始動口を通過した遊技球の数などのデータは、適正な利益を得る目的で、パチンコ機の釘調整や不正監視等のためにホール管理者によって利用されている。
また、ホールコンピュータは、遊技機から受信した状態発生信号に基づき、受信元の遊技機の上方などに設置されているランプの点灯制御を行い、所定の状態の発生(例えば、大当たりなど、遊技者に有利な遊技状態の発生)を周囲に喚起することができる。
ここで、各遊技機からホールコンピュータへの状態発生信号の出力は、所定の状態が生じた場合に出力状態を反転させたオン信号を生成することによって開始され、その後、予め設定されている期間にわたってオン信号の出力を継続してから、出力状態を再度反転させることによって終了される。オン信号の出力期間は、状態発生信号の用途に応じて、少なくともホールコンピュータが該オン信号を検出可能な種々の期間に設定されている。例えば、オン信号の出力期間が、ホールコンピュータが該オン信号を検出可能な最短期間又はその近傍の値である比較的短い期間(例えば、0.5秒程度)に設定されることもあれば、ある程度の長い期間(例えば、30秒間)として設定されることもある。
しかしながら、連続して検出される状態の発生の検出間隔が数秒のオーダーであるにもかかわらず、状態発生信号の出力期間を数十秒のオーダーに設定した場合、状態発生信号の出力期間中に複数回の状態の発生が検出されたときに、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと検出された各状態の発生に対して出力される状態発生信号の出力タイミングとの時間差は次第に大きくなり、検出対象となる状態が発生したタイミングに合致しない状況が生じ得る。それ以外にも、検出された全ての状態の発生に対する状態発生信号の出力が完了するまでの期間が異常に長くなる等、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題が生じる虞があった。
本技術的思想は、状態発生信号の出力期間の長さに起因して生じ得る上述の例を始めとする各種の問題を解決するためになされたものであり、ホールコンピュータ等の外部装置が状態発生信号を確実に検出できる上に、状態の発生の検出タイミングに応じて状態発生信号の出力期間が適切に調整される遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生を検出する状態検出手段と、その状態検出手段により検出された1回の状態の発生に対し、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間の出力期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことにより1の状態発生信号を出力する信号出力手段とを備えたものであって、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号に対する前記合算期間、又は、前記状態検出手段により新たに検出された前記状態の発生に対応する前記状態発生信号に対する前記合算期間の少なくとも一方を短縮する出力期間調整手段を備え、前記信号出力手段は、前記状態発生信号の出力が終了してから、前記第2の期間が経過した後、未出力の前記状態発生信号があれば次の状態発生信号を出力するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1の遊技機において、出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号、又は、前記状態検出手段により新たに検出された前記状態の発生に対応する前記状態発生信号の少なくとも一方の出力期間を、予め設定されている第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の期間に調整するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2の遊技機において、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから前記第1の期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、出力中の前記状態発生信号の出力期間を、前記新たに検出された前記状態の発生の検出タイミングに応じて、前記第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の期間に短縮する第1出力期間短縮手段を含む。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想2又は3の遊技機において、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから前記第3の期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、少なくとも前記第3の期間まで前記状態発生信号の出力を確保する出力期間確保手段を含む。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想2から4のいずれかの遊技機において、前記出力期間調整手段は、前記状態検出手段により検出された前記状態の発生のうち、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が未出力であるものが2以上存在するときには、前記信号出力手段により次の状態発生信号を出力する場合に、前記次に出力する状態発生信号の出力期間を、前記第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の範囲内における予め設定されている期間に短縮する第2出力期間短縮手段を含む。
技術的思想6の遊技機は、技術的思想2から4のいずれかの遊技機において、前記出力期間調整手段は、前記信号出力手段による1の状態発生信号の出力が終了してから、前記第2の期間が経過する前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が2回以上検出されたとき、前記信号出力手段によって次の状態発生信号を出力する場合に、前記次に出力する状態発生信号の出力期間を、前記第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の範囲内における予め設定されている期間に短縮する第3出力期間短縮手段を含む。
<効果>
技術的思想1の遊技機によれば、遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生が状態検出手段によって検出された場合には、検出された1回の状態の発生に対して1の状態発生信号が信号出力手段によって出力される。ここで、1の状態発生信号は、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間の出力期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことによって生成される。
ここで、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間と第2の期間との合算期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、出力期間調整手段により、(1)出力中の状態発生信号に対する第1の期間と第2の期間との合算期間、又は、(2)状態検出手段により新たに検出された状態の発生に対応する状態発生信号に対する第1の期間と第2の期間との合算期間の少なくとも一方が短縮される。なお、「第2の期間」は、予め設定されている値である。
技術的思想1における「合算期間の短縮」としては、第1の期間(即ち、状態発生信号の出力期間)の短縮、第2の期間(即ち、状態発生信号の出力が終了してからの期間)の短縮、又は、その両方の期間の短縮が含まれる。
出力期間調整手段により1の状態発生信号が予め規定されている合算期間より短縮されたことにより、状態検出手段によって状態の発生が刻々と検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。よって、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題を解決し得るという効果がある。
また、第2の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能に予め設定されている期間、即ち、該演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短時間以上の期間のうち予め設定されている期間に設定することにより、状態発生信号を出力先の演算装置に確実に検出させることが可能となる。
技術的思想2の遊技機によれば、技術的思想1の遊技機が奏する効果に加えて次の効果を奏する。信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間と第2の期間との合算期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、出力期間調整手段により、(1)出力中の状態発生信号又は(2)状態検出手段により新たに検出された状態の発生に対応する状態発生信号の少なくとも一方の出力期間(即ち、第1状態から反転させた後にその出力状態が維持される期間)が、第3の期間以上かつ第1の期間未満の期間に調整される。なお、「第3の期間」は、予め設定されている値である。
信号出力手段により1の状態発生信号の出力が終了してから、第2の期間が経過した後、未出力の状態信号がある場合には、信号出力手段によって次の状態発生信号が出力される。このとき、状態発生信号の出力期間は、予め設定されている第1の期間であるか、出力期間調整手段による調整がなされている場合には、その調整によって生じた第3の期間以上かつ前記第1の期間未満の期間とされる。
よって、出力期間調整手段により出力期間が調整されたことにより、出力中の状態発生信号及び/又は未出力であり今後出力されるべき状態発生信号の出力期間が第1の期間未満とされるので、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題を解決し得るという効果がある。
また、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定することにより、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合であっても、出力中の状態発生信号に対して、その出力先である演算装置によって検出可能な第3の期間以上の出力期間を確保できるので、出力中の状態発生信号を出力先の演算装置によって確実に検出させることが可能となる。
同様に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定することにより、状態検出手段により検出された状態の発生に対応する未出力の状態発生信号に対しても、第3の期間以上の出力期間を確保できるので、出力中の状態発生信号を出力先の演算装置によって確実に検出させることが可能となる。
さらに、第2の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能に予め設定されている期間、即ち、該演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な最短時間以上の期間のうち予め設定されている期間に設定した場合には、状態発生信号の出力中に新たに検出された状態の発生に対する状態発生信号は、状態発生信号の出力の終了から(即ち、信号の出力状態が再度反転されて第1状態に戻されてから)、出力先の演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号が区別可能な第2の期間後に出力される。よって、状態検出手段によって刻々と検出される状態の発生を、出力先の装置に確実に検出させることができる。
技術的思想3の遊技機によれば、技術的思想2の遊技機が奏する効果に加えて次の効果を奏する。信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転されてから)、第1の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、第1出力期間短縮手段(出力期間調整手段の一部)によって、出力中の状態発生信号の出力期間が、新たに検出された状態の発生の検出タイミングに応じて短縮される。
具体的には、第1出力期間短縮手段によって、出力中の状態発生信号の出力期間(即ち、出力中の状態発生信号に対する、第1状態から反転させた後にその出力状態を維持する期間)が、新たに検出された状態の発生の検出タイミングに応じて、予め設定されている第3の期間以上かつ第1の期間未満の期間に短縮される。
よって、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合には、その検出タイミングに応じて、出力中の状態発生信号の出力期間が、第1の期間未満に短縮される。よって、状態検出手段によって刻々と状態の発生が検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
特に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、状態発生信号を出力先の装置に確実に検出させつつ、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
従来、状態発生信号の用途によっては、状態発生信号の出力期間(即ち、第1の期間)を、状態の発生が連続して検出される際の検出間隔に比べかなり長い期間に設定しなければならない場合があった。例えば、連続して検出される状態の発生の検出間隔が数秒のオーダーであるにもかかわらず、状態発生信号の出力期間を数十秒のオーダーに設定しなければならない場合があった。かかる場合、状態発生信号の出力期間中に複数回の状態の発生が検出されると、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと検出された各状態の発生に対して出力される状態発生信号の出力タイミングとの時間差は次第に大きくなり、検出対象となる状態が発生したタイミングに合致しない状況が生じるという問題や、検出された全ての状態の発生に対する状態発生信号の出力が完了するまでの期間が異常に長くなるという問題など、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する問題を生じる虞がある。
これに対し、技術的思想3の遊技機によれば、上述のように、状態発生信号の出力中に新たな状態の発生が検出された場合には、その検出タイミングに応じて、出力中の状態発生信号の出力期間が、第1の期間未満に短縮される。よって、出力先の演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する上記例示した問題などを解決することができるという効果がある。
技術的思想4の遊技機によれば、技術的思想2又は3の遊技機が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから第3の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、出力期間確保手段(出力期間調整手段の一部)により、状態発生信号の出力期間として、少なくとも第3の期間が確保される。ここで、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、出力中の状態発生信号を、出力先の演算装置において検出可能にしつつ、短縮することができるという効果がある。
技術的思想5の遊技機によれば、技術的思想2から4のいずれかの遊技機が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。状態検出手段により検出された状態の発生のうち、信号出力手段による状態発生信号の出力が未出力であるものが2以上存在するとき、信号出力手段により次の状態発生信号を出力する場合には、第2出力期間短縮手段(出力期間調整手段の一部)により、次に出力する状態発生信号の出力期間(即ち、第1状態から反転させた後にその出力状態を維持する期間)が、第3の期間以上かつ第1の期間未満の範囲内における予め設定されている期間に短縮される。
即ち、信号出力手段による状態発生信号の出力が未出力である状態の発生が2以上存在する場合には、状態発生信号の出力期間が、第1の期間より短縮された期間とされる。よって、状態検出手段によって刻々と状態の発生が検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題(例えば、技術的思想3の遊技機の効果を述べる上で例示した問題など)を解決することができる。
特に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、状態発生信号を出力先の装置に確実に検出させつつ、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
技術的思想6の遊技機によれば、技術的思想2から4のいずれかの遊技機が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。信号出力手段による1の状態発生信号の出力が終了してから第2の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が2回以上検出されたとき、信号出力手段により次の状態発生信号を出力する場合には、第3出力期間短縮手段(出力期間調整手段の一部)によって、次に出力する状態発生信号の出力期間(即ち、第1状態から反転させた後にその出力状態を維持する期間)が、第3の期間以上かつ第1の期間より短い予め設定されている期間に短縮される。
即ち、信号出力手段による1の状態発生信号の出力が終了してから第2の期間が経過する前に、状態検出手段により状態の発生が2回以上検出された場合には、状態発生信号の出力期間が、第1の期間より短縮された期間とされる。よって、状態検出手段によって刻々と状態の発生が検出される場合であっても、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
従って、状態発生信号の出力先となる演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が検出タイミングに比較的近いタイミングで状態発生信号を検出することができるので、予め設定されている状態発生信号の出力期間の長さに起因する種々の問題(例えば、技術的思想3の遊技機の効果を述べる上で例示した問題など)を解決することができるという効果がある。
特に、第3の期間を、状態発生信号の出力先となる演算装置が状態発生信号を検出可能な最短期間に設定した場合には、状態発生信号を出力先の装置に確実に検出させつつ、状態検出手段による状態の発生の検出タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
10 パチンコ機(遊技機)
203c 信号出力管理カウンタ(期間計測カウンタ

Claims (2)

  1. 遊技球が入球可能な入球部と、その入球部へ入球した遊技球を検出可能な入球検出手段と、その入球検出手段により検出された一の入球の発生に対し、信号の出力状態をオフ状態から反転させて予め設定されている第1の期間にわたってオン状態を維持した後、再度反転させてオフ状態に戻し一の状態信号を出力する信号出力手段とを備えた遊技機において、
    前記信号出力手段によりオン出力が開始される場合に、オン出力が開始されてからの経過期間を計測する期間計測カウンタと、
    その期間計測カウンタにより計測される前記経過期間が、オン期間である前記第1の期間に到達したかを判定可能な第1の到達判定手段と、
    その第1の到達判定手段により前記経過期間が前記第1の期間に到達したと判定された後に引き続いて、前記期間計測カウンタにより計測される前記経過期間が、前記第1の期間と予め設定されているオフ期間である第2の期間とを合わせた期間に到達したかを判定可能な第2の到達判定手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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