以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図3参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64(図3参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(各種スイッチ208の一部)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、外部出力バッファ203aと、第1入球口通過カウンタ203bと、信号出力管理カウンタ203cとを有している。ここで、外部出力バッファ203aは、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する所定サイズ(例えば、1バイト)の設定データを記憶するバッファである。
この外部出力バッファ203aは、複数の設定データビットから構成され、各設定データビットに、遊技中における管理すべき状態(例えば、大当たりの抽選の契機となる入賞口である第1入球口64へ球が入球(通過)したか否か、遊技が大当たり中であるか否か、など)に応じて0(オフ)又は1(オン)の値が設定される。
外部出力バッファ203aへの値の設定(即ち、各設定データビットへの値の設定)は、外部情報処理(図13参照)の実行間隔である2ms間隔で更新される。このように、2ms毎に更新される設定データは、4msを1サイクルとするメイン処理(図8参照)における外部出力処理が実行される毎に(即ち、4msの間隔で)外部出力端子板261へ出力されて、ホールコンピュータ262へと送信される。
また、第1入球口通過カウンタ203bは、第1入球口64に球が通過したが、その通過に対応する第1入球口通過信号が未出力の状態を計数するカウンタである。なお、「第1入球口通過信号」とは、第1入球口64への1回の通過に対して所定期間(本実施形態では、52ms間)にわたって出力されるオン信号(図14参照)である。
この第1入球口通過カウンタ203bは、電源投入時に0クリアされた後、第1入球口64へ球が入球する毎に(即ち、第1入球口スイッチ(各種スイッチ208の一部)のオンが検出される毎に)1加算され、1の第1入球口通過信号が出力される毎に、後述する外部情報処理(図13参照)において1減算される。
よって、第1入球口通過カウンタ203bの値が0であれば、第1入球口64への球の通過回数に相当する数の第1入球口通過信号が外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へと送信されていることを示す。一方、第1入球口通過カウンタ203bが1以上の値を示す場合には、第1入球口通過カウンタ203bが示す数だけ、第1入球口64への球の通過が検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の第1入球口通過信号があることを示す。
信号出力管理カウンタ203cは、第1入球口通過信号の出力期間(第1の期間)と、その第1入球口通過信号の出力終了後の期間であって、ホールコンピュータ262が次に到来する第1入球口通過信号を区別可能なオフ期間(第2の期間)との両方を計時(計測)するカウンタである。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、ホールコンピュータ262への第1入球口通過信号の出力期間を管理するにあたり、信号出力管理カウンタ203cに設定する初期値として、第1の期間(第1入球口通過信号の出力期間)と第2の期間(その後のオフ期間)との合算期間に相当する値を設定することを特徴しており、かかる特徴によって、ホールコンピュータ262への第1入球口通過信号の出力に伴って主制御装置110におけるMPU201の制御負荷を軽減することができる。
RAM203は、上記したバッファやカウンタに加え、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図8参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図7参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209、外部出力端子板261が接続されている。
外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されている。かかる外部出力端子板261は、主制御装置110から出力されたデータ(外部出力バッファ203aに記憶されている設定データ)を受信し、そのデータをホールコンピュータ262へ中継する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、外部出力バッファ(図示せず)を有している。この払出制御装置111における外部出力バッファは、主制御装置110のRAM203に設けられている外部出力バッファ203aと同様に、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する所定サイズ(例えば、1バイト)の設定データを記憶するバッファであり、複数の設定データビット(例えば、所定個数の賞球が払い出されたか否かを示す賞球信号用の設定データビットなど)から構成される。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板261などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、上述のようにホールコンピュータ262が接続可能に構成されている外部出力端子板261は、払出制御装置111から出力されたデータ(外部出力バッファ(図示せず)に記憶されていた設定データ)を受信し、そのデータをホールコンピュータ262へ中継する。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を有している。この図示されないキャラクタ情報メモリに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、箱の図柄やヘルメットの図柄(図5(b))参照)、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、男の子(図5(b)参照))などが挙げられる。
かかるキャラクタ情報メモリ235aに記憶される各キャラクタ情報は、記憶するデータ量を少なくするため、圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されて解凍された後、ビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリから読み出された後に解凍されたキャラクタ情報を記憶するキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを備えている。
図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するための領域であり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、キャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタ情報(キャラクタデータ)が記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて、ビデオRAM234内の表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に記憶させる理由は、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、ビデオRAM234内の表示用記憶領域に直接書き込むとすると、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないためである。更に、ビデオRAM234において表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図5(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図8参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図11参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図11参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図8参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図11参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図7から図13のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、上述したNMI割込処理とがある。
まず、図7を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図7は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図8のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ123を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ123が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ123がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図8を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図8は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図11参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
また、外部出力処理(S201)により、後述する外部情報処理(図13参照)において遊技中の状態に応じて外部出力バッファ203aに設定されたデータ(設定データ)を、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力する。
なお、かかる設定データを構成する各設定データビットには、第1入球口64へ球が入球した場合に1に設定される(オンされる)設定データビットが含まれており、この設定データビットの出力状態に応じて1の第1入球口通過信号が形成される。
具体的には、1の第1入球口通過信号は、対応する設定データビットの出力状態が初期状態である0(オフ)から1(オン)に反転され、その後(本実施形態では、52ms後)出力状態が再度0(オフ)に戻されることによって、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力されることとなる。
同様に、外部出力バッファ203aに記憶される設定データを構成する各設定データビットには、大当たりが発生した場合に1に設定される設定データビットが含まれており、この設定データビットの出力状態に応じて1の大当たり中信号が形成される。即ち、大当たりの発生に伴って対応する設定データビットの出力状態が0(オフ)から1(オン)に反転され、その後大当たりの終了に伴って出力状態が再度0(オフ)に戻されることによって、1の大当たり中信号が外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力されることとなる。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図9を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図示せず)が実行されたので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図9を参照して、変動処理(S204)について説明する。図9は、メイン処理(図8参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図10を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図10を参照して、変動開始処理について説明する。図10は、変動処理(図9参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図12参照)を実行し(S504)、ホールコンピュータ262へ出力すべき第1入球口通過信号などの設定を行う外部情報処理(図13参照)を実行し(S505)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図12のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図12は、タイマ割込処理(図11参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1入球口通過カウンタ203bの値に1加算する(S602)。
S602の処理後、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S603)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S603:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S604)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S605)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S603:No)、S604及びS605の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
次に、図13のフローチャートを参照して、S505の処理で実行される外部情報処理を説明する。図13は、タイマ割込処理(図11参照)の中で実行される外部情報処理(S505)を示すフローチャートである。
図13に示すように、この外部情報処理(S505)では、まず、外部出力バッファ203aを0クリア、即ち、全ての設定データビットを0クリアし、設定データのクリアを行う(S1501)。
S1501の処理後、信号出力管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1502)。S1502の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0である場合には(S1502:Yes)、ホールコンピュータ262が次の第1入球通過信号を区別可能(検出可能)な状態にあるので、この場合には、第1入球口通過カウンタ203bの値が0であるかを確認する(S1503)。
S1503の処理により確認した結果、第1入球口通過カウンタ203bの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1502:No)、第1入球口64への球の通過が検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の第1入球口通過信号がある場合である。よって、かかる場合には、第1入球口通過カウンタ203bの値を1減算した後(S1504)、信号出力管理カウンタ203cに初期値として52を設定し(S1505)、信号出力管理カウンタ203cによる計時(計測)を開始する。
S1505の処理の結果として信号出力管理カウンタ203cに初期値として52が設定されると、その後は、信号出力管理カウンタ203cの値が0となるまで、この外部情報処理(S505)が実行される毎に、S1509の処理が実行され、その都度1ずつ減算されていく。ここで、この外部情報処理(S505)は、2ms間隔で実行されるタイマ割込処理(図11参照)の中の一処理であるので、信号出力管理カウンタ203cに初期値として52が設定されたことにより、104msの期間が計時されることとなる。
一方で、S1502の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1502:No)、信号出力管理カウンタ203cによる計時中であるので、信号出力管理カウンタ203cの値を1減算する(S1509)。
S1505又はS1509の処理後、信号出力管理カウンタ203cの値が26より大きいかを確認し(S1506)、信号出力管理カウンタ203cの値が26より大きい場合には(S1506:Yes)、第1入球口通過信号の出力が開始されてから、第1入球口通過信号の出力期間である第1の期間(本実施形態では、52ms)が未だ経過していないので、外部出力バッファ203aにおける第1入球口通過信号に対応する設定データビットに1を設定し(S1507)、その他の設定処理(S1508)へ移行する。
S1507の処理の結果として外部出力バッファ203aにおける第1入球口通過信号に対応する設定データビットに1が設定された状態で、次のサイクルのメイン処理(図8参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、オン信号である第1入球口通過信号が、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
一方で、S1506の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が26以下である場合には(S1506:No)、第1入球口通過信号の出力期間が終了しているので、S1507を実行せずに、その他の設定処理(S1508)へ移行する。
ここで、上述したように、外部情報処理(S505)が実行される毎に、まず、S1501の処理が実行され、外部出力バッファ203aが0クリアされるので、S1506におけるNoの分岐処理が実行されたことによりS1507がスキップされた場合には、第1入球口通過信号に対応する設定データビットの出力状態は0(オフ)のままとなる。よって、S1506におけるNoの分岐処理が実行された場合には、次のサイクルのメイン処理(図8参照)における外部出力処理(S201)によって、第1入球口通過信号(オン信号)ではなく、オフ状態の信号が外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
従って、この外部情報処理(S505)によれば、S1506におけるYesの分岐処理が実行された場合、即ち、第1入球口通過信号の出力が開始されてから、第1入球口通過信号の出力期間である第1の期間が経過するまでの間は、S1507の処理が実行され、その結果、第1の期間(本実施形態では、52ms)にわたって、ホールコンピュータ262へ第1入球口通過信号が出力されることになる。
その一方で、S1506におけるNoの分岐処理が実行された場合には、1507がスキップされるので、第1の期間にわたって第1入球口通過信号が出力された後のオフ期間として、第2の期間、即ち、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号を区別可能な期間(本実施形態では52ms)が計時されることとなる。
また、S1503の処理により確認した結果、第1入球口通過カウンタ203bの値が0である場合には(S1502:Yes)、信号出力管理カウンタ203cにより計時(管理)中の第1入球口通過信号も、出力すべき第1入球口通過信号も存在しないので、そのまま、その他の設定処理(S1508)へ移行する。
なお、その他の設定処理(S1508)では、外部出力バッファ203aにおける第1入球口通過信号以外の信号(例えば、大当たり中信号)に対応する設定データビットが更新される。その他の設定処理(S1508)の実行後、この外部情報処理(S505)を終了し、タイマ割込処理へ戻る。
このように、本実施形態のパチンコ機10で実行される外部情報処理(S505)では、1の第1入球口通過信号をホールコンピュータ262へ出力する際には、第1入球口通過信号の出力期間である第1の期間と第1入球口通過信号の出力終了後の第2の期間との合算期間(本実施形態では、104ms)に相当する値を、初期値として、信号出力管理カウンタ203cに設定し、これらの両方の期間(第1の期間及び第2の期間)を1つのカウンタ信号出力管理カウンタ203c)のみで管理できるように構成されている。
かかる構成による第1の利点は、第1の期間を計時するためのカウンタと、第2の期間を計時するためのカウンタとを別々に準備する必要がなく、RAM203における記憶容量の消費を抑制することができる点である。
第2の利点としては、各期間(第1の期間又は第2の期間)の計時開始のタイミングで各期間に相当する値を信号出力管理カウンタ203cに設定することなく、2つの期間(第1の期間及び第2の期間)を計時できるので、ホールコンピュータ262への第1入球口通過信号の出力に伴って主制御装置110のMPU201にかかる制御負荷を軽減することができるという点が挙げられる。
また、この外部情報処理(S505)によれば、第1入球口64に球が通過したがその通過に対応する第1入球口通過信号が未出力(待機中)である状態の数は、第1入球口通過カウンタ203bによって計数され、このカウンタ203bの値が1以上である場合には、信号出力管理カウンタ203cが0になったときに、S1503におけるYesの分岐処理が実行されて、待機されていた次の第1入球口通過信号の出力が開始される。
即ち、第1入球口64に球が通過したが、第1入球口通過信号が出力中であったために、直ちに第1入球口通過信号を出力できなかった場合には、出力中の第1入球口通過信号が終了してから、さらに、ホールコンピュータ262が次の第1入球口通過信号を検出可能とする第2の期間が経過するまで、第1入球口通過信号の出力が待機される。その結果、個々の第1入球口通過信号をホールコンピュータ262が確実に区別(検出)させることができるので、刻々と検出される第1入球口64への球の通過(入賞)を、ホールコンピュータ262に確実に認識させることができる。
次に、図14を参照して、本実施形態のパチンコ機10からホールコンピュータ262へ出力される第1入球口通過信号(外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットの出力状態が1であるもの)の出力タイミングについて説明する。図14は、本実施形態のパチンコ機10における第1入球口通過信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
図14に示すように、第1入球口64に球が通過したことを示す検出信号sg1(オン信号)が第1入球口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力される、即ち、第1入球口64への球の通過が第1入球口スイッチにより検出されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg1(即ち、1回の入賞)に対する1の第1入球口通過信号ON1の出力が開始される。
かかる第1入球口通過信号ON1の出力を開始するにあたり、外部情報処理(図13参照)におけるS1505の処理が実行され、信号出力管理カウンタ203cに初期値が設定される。
本実施形態のパチンコ機10において、信号出力管理カウンタ203cに設定される初期値は、第1入球口通過信号ON1の出力期間とホールコンピュータ262が次の第1入球口通過信号を区別可能なオフ期間OF1との合算期間(本実施形態では、104ms)に相当する値とされている。
信号出力管理カウンタ203cによる期間の計時中、外部情報処理(図13参照)におけるS1506の判断処理により、第1入球口通過信号の出力期間(本実施形態では、52ms)が経過したと判断されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻すことによって、第1入球口通過信号ON1の出力を終了する。
上述のように、本実施形態では、第1入球口通過信号ON1の出力期間とオフ期間OF1との合算期間である104msに相当する値が初期値として信号出力管理カウンタ203cに設定されるので、信号出力管理カウンタ203cが52msの出力期間を計時した場合であっても、信号出力管理カウンタ203cの値は0に到達しない。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、信号出力管理カウンタ203cは、第1入球口通過信号ON1の出力が終了してからも、オフ期間OF1を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間OF1(本実施形態では、52ms)を引き続いて計時することができる。
一方で、第1入球口通過信号ON1の出力開始に伴って初期値が設定された信号出力管理カウンタ203cの値が0に到達する前に、即ち、本実施形態では、第1入球口通過信号ON1の出力開始から104msが経過する前に、第1入球口スイッチから新たな検出信号sg2が出力されている場合には、信号出力管理カウンタ203cの値が0に到達するのを待ってから、検出信号sg2に対する第1入球口通過信号ON2の出力が開始される。
つまり、検出信号sg2に対する第1入球口通過信号ON2は、第1入球口通過信号ON1の出力終了後、ホールコンピュータ262がかかる第1入球口通過信号ON2を区別可能として予め設定されているオフ期間OF1が経過するまで、その出力が待機される。このように、第1入球口通過信号ON2は、第1入球口通過信号ON1の出力終了後、オフ期間OF1が経過してから出力されるので、ホールコンピュータ262は、第1入球口通過信号ON2を確実に検出することができるのである。
なお、かかる第1入球口通過信号ON2の出力が開始される際にも、第1入球口通過信号ON1の場合と同様に、信号出力管理カウンタ203cには、第1入球口通過信号ON2の出力期間とオフ期間OF2との合算期間に相当する値が初期値として設定され、かかる信号出力管理カウンタ203cの値が0に到達する前に新たな検出信号が第1入球口スイッチから出力された場合には、かかる新たな検出信号に対応する第1入球口通過信号は、第1入球口通過信号ON2の出力終了から、さらにオフ期間OF2が経過した後に出力されることになる。
一方で、信号出力管理カウンタ203cの値が0になった後に、新たな検出信号sg3が第1入球口スイッチから出力された場合には、信号出力管理カウンタ203cに初期値を設定する共に、その検出信号sg3に対する第1入球口通過信号ON3の出力を開始する。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1入球口通過信号をホールコンピュータ262へ出力する場合に、第1入球口通過信号(オン信号)の出力の開始に伴って期間の計時が開始される。かかる計時の開始後、まず、予め該信号の出力期間としている第1の期間が経過したか否かの判断が行われ、第1の期間が経過したと判断されると、第1の期間の計時に引き続いて、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号を区別可能なオフ期間である第2の期間の計時を行う。そして、かかる第2の期間の到来を判断するべく、かかる第2の期間が経過したか否か、即ち、第1入球口通過信号の出力から、第1の期間と第2の期間との合算期間が経過したか否かの判断が行われる。
よって、第1入球口通過信号の出力期間(即ち、第1の出力期間)の管理と、第1入球口通過信号の出力終了後のオフ期間(即ち、第2の出力期間)との管理を、計時すべき期間の設定を各期間の計時開始のタイミングに応じて行うことなく実現することができる。従って、第1入球口64への球の通過(入賞)毎に行われる第1入球口通過信号の出力に伴って主制御装置110のMPU201にかかる制御負荷を軽減できる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1入球口通過信号の出力を開始する際、第1の期間と第2の期間との合算期間に対応する値が初期値として信号出力管理カウンタ203cへ設定され、所定時間毎にカウントダウンすることにより、かかる1のカウンタ(信号出力管理カウンタ203c)によって、第1の期間と第2の期間との両方が計時される。
よって、第1の期間を計時するためのカウンタと、第2の期間を計時するためのカウンタとを別々に準備する必要がなく、RAM203における記憶容量の消費を抑制することができる。
なお、この第1実施形態では、第1入球口通過信号の出力期間として予め設定した第1の期間と、第1入球口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定した第2の期間とを、同一の値(52ms)として構成しているが、これらの期間は同一であることに限定されず、第1の期間を第2の期間より長い期間としても、第1の期間を第2の期間より短い期間としてもよい。
ここで、第1の期間と第2の期間とを同一又は略同一の値とすることにより、各期間の管理を容易化することができる。特に、第2の期間を、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号を区別可能な最短期間、又は、該最短期間より長い近傍の期間(例えば、該最短期間を数%程度長くした期間)とした場合、第1の期間と第2の期間とを同一又は略同一の値とすることにより、未出力の(待機中の)第1入球口通過信号があるときに、球が第1入球口64を通過したタイミング(第1入球口スイッチによって球が検出されたタイミング)と、待機中であり次に出力されるべき第1入球口通過信号の出力タイミングとの差を小さくすることができる。よって、1の第1入球口通過信号に対し、その出力期間と出力のオフ期間とにかかる時間を全体的に短くすることができ、データ(第1入球口通過信号を例示する本実施形態では、入賞データ)の取得効率を向上させることができる。
なお、第1の期間の長さと第2の期間の長さとが同一である場合又は異なる場合のいずれの場合であっても、第2の期間を、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号を区別可能な期間とすることにより、時系列的に隣接する第1入球口通過信号の各々をホールコンピュータ262に確実に検出(区別)させることができる。
また、第1の期間の長さと第2の期間の長さとが同一である場合又は異なる場合のいずれの場合であっても、第2の期間を、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号を区別可能な最短期間、又は、該最短期間より長い近傍の期間とすることが好ましい。少なくとも第2の期間を、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号を区別可能な最短期間、又は、該最短期間より長い近傍の期間とすることによって、待機中の第1入球口通過信号がある場合に、球が第1入球口64を通過したタイミングと、待機中であり次に出力されるべき第1入球口通過信号の出力タイミングとの差を小さくすることができる。よって、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する第1入球口通過信号の各々を確実に検出(区別)できるだけでなく、第1入球口通過信号の出力終了後から、次の第1入球口通過信号の出力開始までの期間を、最大限又はほぼ最大限に短縮することができ、データの取得効率を有効に向上させることができる。
次に、図15から図25を参照して、第2実施形態のパチンコ機について説明する。この第2実施形態のパチンコ機と上述した第1実施形態のパチンコ機10とでは、外見上、遊技盤13における前面中央に位置する遊技領域の構成が異なっており(図3及び図15参照)、それに伴い遊技の内容が異なる。なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図15及び図16は、第2実施形態のパチンコ機の遊技盤13の正面図である。図15は、10個の電動役物661a,662a,663a,664a,665a,691a,692a,693a,694a,695aが全て閉鎖位置にある場合を図示したものである。一方で、図16は、10個の電動役物661a,662a,663a,664a,665a,691a,692a,693a,694a,695aが全て開放位置にある場合を図示したものである。なお、図16では、球案内用の釘の図示を省略している。
図15及び図16に示すように、第2実施形態のパチンコ機の遊技盤13は、ベース板60に、球案内用の多数の釘(図16では省略)や風車およびレール61,62、一般入賞口601、上段作動口602、下段作動口603、10個の入賞ユニット641,642,643,644,645,671,672,673,674,675等を組み付けて構成される。ここで、一般入賞口601、上段作動口602、下段作動口603、10個の入賞ユニット641,642,643,644,645,671,672,673,674,675は、第1実施形態のパチンコ機10における第1入球口64等と同様に、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
図15及び図16に示すように、遊技盤13の遊技領域における上部には、一般入賞口601が配設されている。第2実施形態のパチンコ機では、一般入賞口601に球が入賞(入球)すると、1入賞に対し10個の球が賞球として払い出されるように構成されている。
一般入賞口601の下方(図15及び図16の上下方向)には、上段作動口602が配設されている。本実施形態のパチンコ機では、この上段作動口602へ球が入賞したことが、遊技盤13における上段作動口602の裏面側に設けられる上段作動口スイッチ(図17に示す各種スイッチ208の一部)により検出されると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、5つの電動役物661a,662a,663a,664a,665aが一斉に閉鎖位置(図15)から開放位置(図16)へと移行されるように構成されている。
この上段作動口602の下方には、5つの入賞ユニット641,642,643,644,645が左右方向(図15及び図16の左右方向)に並べて配設されている。これらの入賞ユニット641,642,643,644,645は、それぞれ、同様に構成されるユニットである。なお、以下では、代表的に入賞ユニット641を用いて説明する。
入賞ユニット641は、上部に設けられている上第1作動口651と、上第1作動口651の下方に設けられている上第1入賞口661と、上第1入賞口661の入口に設けられている電動役物661aとを有して構成されるユニットである。電動役物661aは、上第1入賞口ソレノイド210a(図17参照)により駆動されて、閉鎖位置(図15に示す状態)か、その閉鎖位置より左右方向に開かれた開放位置(図16に示す状態)のいずれかの位置とされる。
上第1作動口651は、常時入球可能に構成されており、この上第1作動口651に球が入賞したことが、遊技盤13における上第1作動口651の裏面側に設けられる上第1作動口スイッチ(図17に示す各種スイッチ208の一部)により検出されると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、電動役物661aが閉鎖位置(図16)から開放位置(図15)へ移行されるように構成されている。
上第1入賞口661は、その前面側が上第1作動口651の前面から延びるカバーにより覆われており、電動役物661aの位置に応じて球の通過が制限されるように構成されている。具体的には、電動役物661aが開放位置(図16)にある場合には、上第1入賞口661への球の通過(入賞)が可能であるが、電動役物661aが閉鎖位置(図15)にある場合には、上第1入賞口661への球の通過が不可能となる。即ち、上第1入賞口661は、(1)上段作動口602へ球が入賞するか、又は(2)上第1作動口651へ球が入賞した場合にのみ、球の通過が可能となる。
この上第1入賞口661へ球が入賞したことが、遊技盤13における上第1入賞口661の裏面側に設けられる上第1入賞口スイッチ(図17に示す各種スイッチ208の一部)により検出されると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、電動役物661aが開放位置(図16)から閉鎖位置(図15)へ移行されるように構成されている。従って、本実施形態のパチンコ機では、上段作動口602又は上第1作動口651への球の通過によって、閉鎖されている電動役物661aが開放され、開放中の電動役物661aは、上第1入賞口661への球の入賞によって再び閉鎖される。
なお、入賞ユニット642〜645については、入賞ユニット641に対する上記の説明における、(1)「上第1作動口651」を、入賞ユニットに対応する上作動口(上第2〜上第5作動口652〜655)に読み替え、(2)「上第1入賞口661」を、入賞ユニットに対応する上入賞口(上第2〜上第5入賞口662〜665)に読み替え、(3)「電動役物661a」を、入賞ユニットに対応する電動役物(電動役物662a〜665a)に読み替え、(4)「上第1入賞口ソレノイド210a」を、入賞ユニットに対応する入賞口ソレノイド(上第2〜上第5入賞口ソレノイド210b〜210e(図17参照))に読み替え、(5)「上第1作動口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する上作動口スイッチ(上第2〜上第5作動口スイッチ(いずれも、図17に示す各種スイッチ208の一部))に読み替え、(6)「上第1入賞口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する上入賞口スイッチ(上第2〜上第5入賞口スイッチ(いずれも、図17に示す各種スイッチ208の一部))に読み替えればよい。
第3入賞ユニット643の下方には、下段作動口603が配設されている。本実施形態のパチンコ機では、この下段作動口603へ球が入賞すると、1入賞あたり10個の球が賞球として払い出されると共に、5つの電動役物691a,692a,693a,694a,695aが一斉に閉鎖位置(図15)から開放位置(図16)へと移行されるように構成されている。
この下段作動口603の下方には、5つの入賞ユニット671,672,673,674,675が左右方向に並べて配設されている。これらの入賞ユニット671,672,673,674,675は、いずれも、上述した入賞ユニット641と同様に構成されるユニットである。
よって、入賞ユニット671〜675については、入賞ユニット641に対する上記の説明における、(1)「上第1作動口651」を、入賞ユニットに対応する下作動口(下第1〜下第5作動口681〜685)に読み替え、(2)「上第1入賞口661」を、入賞ユニットに対応する下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)に読み替え、(3)「電動役物661a」を、入賞ユニットに対応する電動役物(電動役物691a〜695a)に読み替え、(4)「上第1入賞口ソレノイド210a」を、入賞ユニットに対応する下入賞口ソレノイド(下第1〜下第5入賞口ソレノイド210f〜210j(図17参照))に読み替え、(5)「上第1作動口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する下作動口スイッチ(下第1〜下第5作動口スイッチ(いずれも、図17に示す各種スイッチ208の一部))に読み替え、(6)「上第1入賞口スイッチ」を、入賞ユニットに対応する下入賞口スイッチ(下第1〜下第5入賞口スイッチ(いずれも、図17に示す各種スイッチ208の一部))に読み替えればよい。
従って、第2実施形態のパチンコ機では、上段作動口602への球の入賞によって、5つの上入賞口(上第1〜上第5入賞口661〜665)が全て入賞可能な状態となり、最も有利な遊技状態が発生する。同様に、下段作動口603へ球が入賞した場合も、5つの下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)が全て入賞可能な状態となり、最も有利な遊技状態が発生することとなる。
本実施形態のパチンコ機は、かかる最も有利な遊技状態を発生させることのできる上段作動口602又は下段作動口603へ球が入賞する毎に、ホールコンピュータ262へ、特定作動口通過信号を出力するように構成されている。一方、ホールコンピュータ262は、かかる特定作動口通過信号を受信した場合に、受信した特定作動口通過信号のオン期間にわたって、パチンコ機の周辺(例えば、パチンコ機の上部)に設置されているデータ表示器を点滅させるよう制御信号を出力する。
本実施形態のパチンコ機では、1の特定作動口通過信号の出力期間(オン期間)が30sに初期設定されている。しかし、詳細は後述するが、比較的短い間隔で上段作動口602又は下段作動口603への球の入賞が検出された場合には、出力中又はその後に出力する特定作動口通過信号の出力期間が初期設定値(本実施形態では、30s)より短縮されるように構成されている。
よって、本実施形態のパチンコ機では、比較的短い間隔で上段作動口602又は下段作動口603へ球が入賞した場合であっても、その入賞タイミングと特定作動口通過信号の出力開始タイミング(又は、ホールコンピュータ262における特定作動口通過信号の受信タイミング)とが大きく乖離することが抑制できる。
図17は、第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態の主制御装置110のRAM203は、外部出力バッファ203aと、信号出力管理カウンタ203cと、特定作動口通過カウンタ203dと、上第1入賞口開放中フラグ203eと、上第2入賞口開放中フラグ203fと、上第3入賞口開放中フラグ203gと、上第4入賞口開放中フラグ203hと、上第5入賞口開放中フラグ203iと、下第1入賞口開放中フラグ203jと、下第2入賞口開放中フラグ203kと、下第3入賞口開放中フラグ203lと、下第4入賞口開放中フラグ203mと、下第5入賞口開放中フラグ203nと、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
特定作動口通過カウンタ203dは、上段作動口602又は下段作動口603に球が通過したが、その通過に対応する特定作動口通過信号が未出力の状態を計数するカウンタである。なお、「特定作動口通過信号」とは、上段作動口602又は下段作動口603への1回の通過に対して所定期間(本実施形態では、最大30秒間)にわたって出力されるオン信号(図25参照)である。
この特定作動口通過カウンタ203dは、電源投入時に0クリアされた後、上段作動口602又は下段作動口603へ球が入球する毎に(即ち、上段作動口スイッチ又は下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)のオンが検出される毎に)1加算され、1の特定作動口通過信号が出力される毎に、後述する外部情報処理(図24参照)において1減算される。
よって、特定作動口通過カウンタ203dの値が0であれば、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過回数に相当する数の特定作動口通過信号が既にホールコンピュータ262へと送信されていることを示す。一方、特定作動口通過カウンタ203dが1以上の値を示す場合には、特定作動口通過カウンタ203dが示す数だけ、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過が検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号があることを示す。
上第1入賞口開放中フラグ203eは、上第1入賞口661の入口に設けられている電動役物661aが開放中であるか否かを示すフラグであり、電動役物661aが開放中である場合にオンを示す。同様に、上第2〜上第5入賞口開放中フラグ203f〜203iは、それぞれ、電動役物662a〜665aが開放中であるか否かを示すフラグであり、開放中であればオンを示す。
下第1入賞口開放中フラグ203jは、下第1入賞口691の入口に設けられている電動役物691aが開放中であるか否かを示すフラグであり、電動役物691aが開放中である場合にオンを示す。同様に、下第2〜下第5入賞口開放中フラグ203k〜203nは、それぞれ、電動役物692a〜695aが開放中であるか否かを示すフラグであり、開放中であればオンを示す。
主制御装置110の入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208、電動役物661aを開閉駆動するための上第1入賞口ソレノイド210a、電動役物662aを開閉駆動するための上第2入賞口ソレノイド210b、電動役物663aを開閉駆動するための上第3入賞口ソレノイド210c、電動役物664aを開閉駆動するための上第4入賞口ソレノイド210d、電動役物665aを開閉駆動するための上第5入賞口ソレノイド210e、電動役物691aを開閉駆動するための下第1入賞口ソレノイド210f、電動役物692aを開閉駆動するための下第2入賞口ソレノイド210g、電動役物693aを開閉駆動するための下第3入賞口ソレノイド210h、電動役物694aを開閉駆動するための下第4入賞口ソレノイド210i、電動役物695aを開閉駆動するための下第5入賞口ソレノイド210j、外部出力端子板261が接続されている。
次に、図18〜図25のフローチャートを参照して、第2実施形態のパチンコ機における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、第2実施形態のパチンコ機のMPU201により実行される処理もまた、上述した第1実施形態のパチンコ機10と同様に、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI割込処理とに大別される。
ここで、第2実施形態のパチンコ機の主制御装置110で実行される立ち上げ処理及びNMI処理は、第1実施形態のパチンコ機10で実行される立ち上げ処理(図7参照)及びNMI処理(図示せず)と同様の処理である。また、第2実施形態のパチンコ機の主制御装置110で実行されるメイン処理は、第1実施形態のパチンコ機10で実行されるメイン処理(図8参照)におけるS202〜S206,S209,S210の処理を省略した処理とされる。即ち、第2実施形態のパチンコ機の主制御装置110で実行されるメイン処理は、外部出力処理(S201)の実行後に、S207の処理が実行される。
図18は、第2実施形態のタイマ割込処理を示すフローチャートである。この第2実施形態のタイマ処理もまた、第1実施形態のタイマ割込処理(図11参照)と同様に、主制御装置110のMPU201によって所定期間毎(本実施形態では、2ms毎)に実行される。
第2実施形態のタイマ割込処理では、まず、スイッチ読み込み処理を実行する(S501)。このスイッチ読み込み処理(S501)では、各種スイッチ208(例えば、上段作動口スイッチ、上第1〜第5作動口スイッチ、上第1〜第5入賞口スイッチ、下段作動口スイッチ、下第1〜第5作動口スイッチ、下第1〜第5入賞口スイッチ、など)の状態を読み込み、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を取得する。
次いで、スイッチ読み込み処理(S501)によって取得された入賞検知情報に応じた各設定を行うスイッチ監視処理を実行し(S511)、ホールコンピュータ262へ出力すべき特定作動口通過信号などの各種信号の設定(即ち、外部出力バッファ203aの各設定データビットの設定)を行う外部情報処理を実行し(S512)、発射制御処理を実行して(S506)、このタイマ割込処理を終了する。
ここで、図19及び図20を参照して、上記したスイッチ監視処理(S511)について説明する。図19及び図20は、第2実施形態のタイマ割込処理(図18参照)の中で実行されるスイッチ監視処理(S511)を示すフローチャートである。
図19に示すように、この第2実施形態のスイッチ監視処理(S511)では、まず、上段作動口602に設けられた上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認し(S2501)、通過していれば(S2501:Yes)、後述する上段作動口スイッチ処理を実行する(S2502)。
上段作動口スイッチ処理(S2502)の実行後、又は、S2501の処理により確認した結果、上段作動口スイッチを球が通過していない場合(S2501:No)には、上第1作動口651に設けられた上第1作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2503)。S2503の処理により確認した結果、上第1作動口スイッチを球が通過していれば(S2503:Yes)、後述する上第1作動口スイッチ処理を実行する(S2504)。
上第1作動口スイッチ処理(S2504)の実行後、又は、S2503の処理により確認した結果、上第1作動口スイッチを球が通過していない場合(S2503:No)には、上第2作動口652に設けられた上第2作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2505)。S2505の処理により確認した結果、上第2作動口スイッチを球が通過していれば(S2505:Yes)、後述する上第2作動口スイッチ処理を実行する(S2506)。
上第2作動口スイッチ処理(S2506)の実行後、又は、S2505の処理により確認した結果、上第2作動口スイッチを球が通過していない場合(S2505:No)には、上第3作動口653に設けられた上第3作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2507)。S2507の処理により確認した結果、上第3作動口スイッチを球が通過していれば(S2507:Yes)、後述する上第3作動口スイッチ処理を実行する(S2508)。
上第3作動口スイッチ処理(S2508)の実行後、又は、S2507の処理により確認した結果、上第3作動口スイッチを球が通過していない場合(S2507:No)には、上第4作動口654に設けられた上第4作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2509)。S2509の処理により確認した結果、上第4作動口スイッチを球が通過していれば(S2509:Yes)、後述する上第4作動口スイッチ処理を実行する(S2510)。
上第4作動口スイッチ処理(S2510)の実行後、又は、S2509の処理により確認した結果、上第4作動口スイッチを球が通過していない場合(S2509:No)には、上第5作動口655に設けられた上第5作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2511)。S2511の処理により確認した結果、上第5作動口スイッチを球が通過していれば(S2511:Yes)、後述する上第5作動口スイッチ処理を実行する(S2512)。
上第5作動口スイッチ処理(S2512)の実行後、又は、S2511の処理により確認した結果、上第5作動口スイッチを球が通過していない場合(S2511:No)には、上第1入賞口661に設けられた上第1入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2513)。S2513の処理により確認した結果、上第1入賞口スイッチを球が通過していれば(S2513:Yes)、後述する上第1入賞口スイッチ処理を実行する(S2514)。
上第1入賞口スイッチ処理(S2514)の実行後、又は、S2513の処理により確認した結果、上第1入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2513:No)には、上第2入賞口662に設けられた上第2入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2515)。S2515の処理により確認した結果、上第2入賞口スイッチを球が通過していれば(S2515:Yes)、後述する上第2入賞口スイッチ処理を実行する(S2516)。
上第2入賞口スイッチ処理(S2516)の実行後、又は、S2515の処理により確認した結果、上第2入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2515:No)には、上第3入賞口663に設けられた上第3入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2517)。S2517の処理により確認した結果、上第3入賞口スイッチを球が通過していれば(S2517:Yes)、後述する上第3入賞口スイッチ処理を実行する(S2518)。
上第3入賞口スイッチ処理(S2518)の実行後、又は、S2517の処理により確認した結果、上第3入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2517:No)には、上第4入賞口664に設けられた上第4入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2519)。S2519の処理により確認した結果、上第4入賞口スイッチを球が通過していれば(S2519:Yes)、後述する上第4入賞口スイッチ処理を実行する(S2520)。
上第4入賞口スイッチ処理(S2520)の実行後、又は、S2519の処理により確認した結果、上第4入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2519:No)には、上第5入賞口665に設けられた上第5入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2521)。S2521の処理により確認した結果、上第5入賞口スイッチを球が通過していれば(S2521:Yes)、後述する上第5入賞口スイッチ処理を実行する(S2522)。
上第5入賞口スイッチ処理(S2522)の実行後、又は、S2521の処理により確認した結果、上第5入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2521:No)には、S2523の処理(図20参照)へ移行する。
図20に示すように、S2523では、下段作動口603に設けられた下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2523)。S2523の処理により確認した結果、下段作動口スイッチを球が通過していれば(S2523:Yes)、後述する下段作動口スイッチ処理を実行する(S2524)。
下段作動口スイッチ処理(S2524)の実行後、又は、S2523の処理により確認した結果、下段作動口スイッチを球が通過していない場合(S2523:No)には、下第1作動口681に設けられた下第1作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2525)。S2525の処理により確認した結果、下第1作動口スイッチを球が通過していれば(S2525:Yes)、後述する下第1作動口スイッチ処理を実行する(S2526)。
下第1作動口スイッチ処理(S2526)の実行後、又は、S2525の処理により確認した結果、下第1作動口スイッチを球が通過していない場合(S2525:No)には、下第2作動口682に設けられた下第2作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2527)。S2527の処理により確認した結果、下第2作動口スイッチを球が通過していれば(S2527:Yes)、後述する下第2作動口スイッチ処理を実行する(S2528)。
下第2作動口スイッチ処理(S2528)の実行後、又は、S2527の処理により確認した結果、下第2作動口スイッチを球が通過していない場合(S2527:No)には、下第3作動口683に設けられた下第3作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2529)。S2529の処理により確認した結果、下第3作動口スイッチを球が通過していれば(S2529:Yes)、後述する下第3作動口スイッチ処理を実行する(S2530)。
下第3作動口スイッチ処理(S2530)の実行後、又は、S2529の処理により確認した結果、下第3作動口スイッチを球が通過していない場合(S2529:No)には、下第4作動口684に設けられた下第4作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2531)。S2531の処理により確認した結果、下第4作動口スイッチを球が通過していれば(S2531:Yes)、後述する下第4作動口スイッチ処理を実行する(S2532)。
下第4作動口スイッチ処理(S2532)の実行後、又は、S2531の処理により確認した結果、下第4作動口スイッチを球が通過していない場合(S2531:No)には、下第5作動口685に設けられた下第5作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2533)。S2533の処理により確認した結果、下第5作動口スイッチを球が通過していれば(S2533:Yes)、後述する下第5作動口スイッチ処理を実行する(S2534)。
下第5作動口スイッチ処理(S2534)の実行後、又は、S2533の処理により確認した結果、下第5作動口スイッチを球が通過していない場合(S2533:No)には、下第1入賞口691に設けられた下第1入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2535)。S2535の処理により確認した結果、下第1入賞口スイッチを球が通過していれば(S2535:Yes)、後述する下第1入賞口スイッチ処理を実行する(S2536)。
下第1入賞口スイッチ処理(S2536)の実行後、又は、S2535の処理により確認した結果、下第1入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2535:No)には、下第2入賞口692に設けられた下第2入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2537)。S2537の処理により確認した結果、下第2入賞口スイッチを球が通過していれば(S2537:Yes)、後述する下第2入賞口スイッチ処理を実行する(S2538)。
下第2入賞口スイッチ処理(S2538)の実行後、又は、S2537の処理により確認した結果、下第2入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2537:No)には、下第3入賞口693に設けられた下第3入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2539)。S2539の処理により確認した結果、下第3入賞口スイッチを球が通過していれば(S2539:Yes)、後述する下第3入賞口スイッチ処理を実行する(S2540)。
下第3入賞口スイッチ処理(S2540)の実行後、又は、S2539の処理により確認した結果、下第3入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2539:No)には、下第4入賞口694に設けられた下第4入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2541)。S2541の処理により確認した結果、下第4入賞口スイッチを球が通過していれば(S2541:Yes)、後述する下第4入賞口スイッチ処理を実行する(S2542)。
下第4入賞口スイッチ処理(S2542)の実行後、又は、S2541の処理により確認した結果、下第4入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2541:No)には、下第5入賞口695に設けられた下第5入賞口スイッチ(各種スイッチ208の一部)を球が通過したかを確認する(S2543)。S2543の処理により確認した結果、下第5入賞口スイッチを球が通過していれば(S2543:Yes)、後述する下第5入賞口スイッチ処理を実行する(S2544)。
下第5入賞口スイッチ処理(S2544)の実行後、又は、S2543の処理により確認した結果、下第5入賞口スイッチを球が通過していない場合(S2543:No)には、一般入賞口601への球の通過を検出するスイッチ(図示せず)などのその他のスイッチによる球の検出に応じた処理(その他スイッチ処理)を実行し(S2545)、このスイッチ監視処理(S511)を終了する。
ここで、図21(a)を参照して、上記した上段作動口スイッチ処理(S2502)について説明する。図21(a)は、スイッチ監視処理(図19及び図20)の中で実行される上段作動口スイッチ処理(S2502)を示すフローチャートである。
図21(a)に示すように、この上段作動口スイッチ処理(S2502)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算する(S2601)。なお、この賞球用カウンタは、RAM203内に設けられている非図示のカウンタであり、賞球を得るべき入賞回数(入賞個数)を計数するものである。この賞球用カウンタは、電源投入時及び払出制御装置111に対して出力すべき賞球コマンドの設定に伴って0クリアされるように構成されている。
S2601の処理後、特定作動口通過カウンタ203dに1加算し(S2602)、上第1〜上第5入賞口ソレノイド210a〜210eをオンし(S2603)、上第1〜上第5入賞口開放中フラグ203e〜203iをオンし(S2604)、この上段作動口スイッチ処理(S2502)を終了する。
よって、上段作動口602へ球が入賞した場合には、S2603の処理が実行されて、その結果、上第1〜上第5入賞口661〜665に各々付随する電動役物661a〜665aが一斉に開放される。
また、図21(b)を参照して、上記した下段作動口スイッチ処理(S2524)について説明する。図21(b)は、スイッチ監視処理(図19及び図20)の中で実行される下段作動口スイッチ処理(S2524)を示すフローチャートである。
図21(b)に示すように、この下段作動口スイッチ処理(S2524)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2611)、特定作動口通過カウンタ203dに1加算する(S2612)。
S2612の処理後、下第1〜下第5入賞口ソレノイド210f〜210jをオンし(S2613)、下第1〜下第5入賞口開放中フラグ203j〜203nをオンし(S2614)、この下段作動口スイッチ処理(S2524)を終了する。
よって、下段作動口603へ球が入賞した場合には、S2613の処理が実行されて、その結果、下第1〜下第5入賞口691〜695に各々付随する電動役物691a〜695aが一斉に開放される。
次に、図22(a)を参照して、上記した上第1作動口スイッチ処理(S2504)について説明する。図22(a)は、スイッチ監視処理(図19及び図20)の中で実行される上第1作動口スイッチ処理(S2504)を示すフローチャートである。
図22(a)に示すように、この上第1作動口スイッチ処理(S2504)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2621)、上第1入賞口開放中フラグ203eがオフであるかを確認する(S2622)。
S2622の処理により確認した結果、上第1入賞口開放中フラグ203eがオフであれば(S2622:Yes)、上第1入賞口661に付随する電動役物661aは閉鎖位置にあるので、開放位置に移行させるべく、上第1入賞口ソレノイド210aをオンし(S2623)、上第1入賞口開放中フラグ203eをオンし(S2624)、この上第1作動口スイッチ処理(S2504)を終了する。
一方で、S2622の処理により確認した結果、上第1入賞口開放中フラグ203eがオンであれば(S2622:No)、上第1入賞口661に付随する電動役物661aは既に開放位置にあるので、S2623、S2624の処理を行うことなく、この上第1作動口スイッチ処理(S2504)を終了する。
よって、上第1作動口651へ球が入賞した場合には、S2623の処理が実行されて、その結果、上第1入賞口661に付随する電動役物661aのみが開放されることになる。
なお、上第2作動口スイッチ処理(S2506)、上第3作動口スイッチ処理(S2508)、上第4作動口スイッチ処理(S2510)、及び上第5作動口スイッチ処理(S2512)もまた、上記の上第1作動口スイッチ処理(S2504)と同様の処理が行われる。即ち、上第1作動口スイッチ処理(S2504)における、「上第1入賞口ソレノイド210a」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(上第2〜上第5入賞口ソレノイド210b〜210e)に読み替え、「上第1入賞口開放中フラグ203e」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(上第2〜上第5入賞口開放中フラグ203f〜203i)に読み替えればよい。
従って、上第2作動口652へ球が入賞した場合には、上第2作動口スイッチ処理(S2506)の結果として、上第2入賞口662に付随する電動役物662aのみが開放される。同様に、上第3作動口653へ球が入賞した場合には、上第3作動口スイッチ処理(S2508)の結果として、上第3入賞口663に付随する電動役物663aのみが開放される。また、上第4作動口654へ球が入賞した場合には、上第4作動口スイッチ処理(S2510)の結果として、上第4入賞口664に付随する電動役物664aのみが開放され、上第5作動口655へ球が入賞した場合には、上第5作動口スイッチ処理(S2512)の結果として、上第5入賞口665に付随する電動役物665aのみが開放されることになる。
また、図22(b)を参照して、上記した下第1作動口スイッチ処理(S2526)について説明する。図22(b)は、スイッチ監視処理(図19及び図20)の中で実行される下第1作動口スイッチ処理(S2526)を示すフローチャートである。
図22(b)に示すように、この下第1作動口スイッチ処理(S2526)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2631)、下第1入賞口開放中フラグ203jがオフであるかを確認する(S2632)。
S2632の処理により確認した結果、下第1入賞口開放中フラグ203jがオフであれば(S2632:Yes)、下第1入賞口691に付随する電動役物691aは閉鎖位置にあるので、開放位置に移行させるべく、下第1入賞口ソレノイド210fをオンし(S2633)、下第1入賞口開放中フラグ203jをオンし(S2634)、この下第1作動口スイッチ処理(S2526)を終了する。
一方で、S2632の処理により確認した結果、下第1入賞口開放中フラグ203jがオンであれば(S2632:No)、下第1入賞口691に付随する電動役物691aは既に開放位置にあるので、S2633、S2634の処理を行うことなく、この下第1作動口スイッチ処理(S2526)を終了する。
よって、下第1作動口681へ球が入賞した場合には、S2633の処理が実行されて、その結果、下第1入賞口691に付随する電動役物691aのみが開放されることになる。
なお、下第2作動口スイッチ処理(S2528)、下第3作動口スイッチ処理(S2530)、下第4作動口スイッチ処理(S2532)、及び下第5作動口スイッチ処理(S2534)もまた、上記の下第1作動口スイッチ処理(S2526)と同様の処理が行われる。即ち、下第1作動口スイッチ処理(S2526)における、「下第1入賞口ソレノイド210f」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(下第2〜下第5入賞口ソレノイド210g〜210j)に読み替え、「下第1入賞口開放中フラグ203j」を、球の通過を検出した作動口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(下第2〜下第5入賞口開放中フラグ203k〜203n)に読み替えればよい。
従って、下第2作動口682へ球が入賞した場合には、下第2作動口スイッチ処理(S2528)の結果として、下第2入賞口692に付随する電動役物692aのみが開放される。同様に、下第3作動口683へ球が入賞した場合には、下第3作動口スイッチ処理(S2530)の結果として、下第3入賞口693に付随する電動役物693aのみが開放される。また、下第4作動口684へ球が入賞した場合には、下第4作動口スイッチ処理(S2532)の結果として、下第4入賞口694に付随する電動役物694aのみが開放され、下第5作動口685へ球が入賞した場合には、下第5作動口スイッチ処理(S2534)の結果として、下第5入賞口695に付随する電動役物695aのみが開放されることになる。
次に、図23(a)を参照して、上記した上第1入賞口スイッチ処理(S2514)について説明する。図23(a)は、スイッチ監視処理(図19及び図20)の中で実行される上第1入賞口スイッチ処理(S2514)を示すフローチャートである。
図23(a)に示すように、この上第1入賞口スイッチ処理(S2514)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2641)、上第1入賞口ソレノイド210aをオフする(S2642)。S2642の処理後、上第1入賞口開放中フラグ203eをオフし(S2642)、の上第1入賞口スイッチ処理(S2514)を終了する。
よって、上第1入賞口661へ球が入賞した場合には、S2642の処理が実行されて、その結果、開放されていた上第1入賞口661の電動役物661aが閉鎖されることとなる。
なお、上第2入賞口スイッチ処理(S2516)、上第3入賞口スイッチ処理(S2518)、上第4入賞口スイッチ処理(S2520)、及び上第5入賞口スイッチ処理(S2522)もまた、上記の上第1入賞口スイッチ処理(S2514)と同様の処理が行われる。即ち、上第1入賞口スイッチ処理(S2514)における、「上第1入賞口ソレノイド210a」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(上第2〜上第5入賞口ソレノイド210b〜210e)に読み替え、「上第1入賞口開放中フラグ203e」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(上第2〜上第5入賞口開放中フラグ203f〜203i)に読み替えればよい。
従って、上第2入賞口662へ球が入賞した場合には、上第2入賞口スイッチ処理(S2516)の結果として、開放されていた上第2入賞口662の電動役物662aが閉鎖される。同様に、上第3入賞口663へ球が入賞した場合には、上第3入賞口スイッチ処理(S2518)の結果として、開放されていた上第3入賞口663の電動役物663aが閉鎖される。また、上第4入賞口664へ球が入賞した場合には、上第4入賞口スイッチ処理(S2520)の結果として、開放されていた上第4入賞口664の電動役物664aが閉鎖され、上第5入賞口665へ球が入賞した場合には、上第5入賞口スイッチ処理(S2522)の結果として、開放されていた上第5入賞口665の電動役物665aが閉鎖されることになる。
また、図23(b)を参照して、上記した下第1入賞口スイッチ処理(S2536)について説明する。図23(b)は、スイッチ監視処理(図19及び図20)の中で実行される下第1入賞口スイッチ処理(S2536)を示すフローチャートである。
図23(b)に示すように、この下第1入賞口スイッチ処理(S2536)では、まず、賞球用カウンタ(図示せず)に1加算し(S2651)、下第1入賞口ソレノイド210fをオフする(S2652)。S2652の処理後、下第1入賞口開放中フラグ203jをオフし(S2642)、の下第1入賞口スイッチ処理(S2536)を終了する。
よって、下第1入賞口691へ球が入賞した場合には、S2652の処理が実行されて、その結果、開放されていた下第1入賞口691の電動役物691aが閉鎖されることとなる。
なお、下第2入賞口スイッチ処理(S2538)、下第3入賞口スイッチ処理(S2540)、下第4入賞口スイッチ処理(S2542)、及び下第5入賞口スイッチ処理(S2544)もまた、上記の下第1入賞口スイッチ処理(S2536)と同様の処理が行われる。即ち、下第1入賞口スイッチ処理(S2536)における、「下第1入賞口ソレノイド210f」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口ソレノイド(下第2〜下第5入賞口ソレノイド210g〜210j)に読み替え、「下第1入賞口開放中フラグ203j」を、球の通過を検出した入賞口スイッチに対応する入賞口開放中フラグ(下第2〜下第5入賞口開放中フラグ203k〜203n)に読み替えればよい。
従って、下第2入賞口692へ球が入賞した場合には、下第2入賞口スイッチ処理(S2538)の結果として、開放されていた下第2入賞口692の電動役物692aが閉鎖される。同様に、下第3入賞口693へ球が入賞した場合には、下第3入賞口スイッチ処理(S2540)の結果として、開放されていた下第3入賞口693の電動役物693aが閉鎖される。また、下第4入賞口694へ球が入賞した場合には、下第4入賞口スイッチ処理(S2542)の結果として、開放されていた下第4入賞口694の電動役物694aが閉鎖され、下第5入賞口695へ球が入賞した場合には、下第5入賞口スイッチ処理(S2544)の結果として、開放されていた下第5入賞口695の電動役物695aが閉鎖されることになる。
次に、図24を参照して、上記した外部情報処理(S512)について説明する。図24は、第2実施形態のタイマ割込処理(図18参照)の中で実行される外部情報処理(S512)を示すフローチャートである。
図24に示すように、この第2実施形態の外部情報処理(S512)では、まず、第1実施形態の外部情報処理(図13参照)のS501の処理と同様に、外部出力バッファ203aを0クリアする処理を実行する(S1521)。
S1521の処理後、特定作動口通過カウンタ203dの値が0であるかを確認する(S1522)。S1522の処理により確認した結果、特定作動口通過カウンタ203dの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1522:No)、上段作動口602又は下段作動口603のいずれかへの球の通過が検出されたにもかかわらず、ホールコンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号があるので、この場合には、信号出力管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1523)。
S1523の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0である場合には(S1523:Yes)、信号出力管理カウンタ203cによって管理中(計時中)の特定作動口通過信号が存在しないので、信号出力管理カウンタ203cに初期値として15250を設定し(S1529)、信号出力管理カウンタ203cによる計時(計測)を開始する。
ここで、信号出力管理カウンタ203cの値は、外部情報処理(S512)の実行間隔である2ms毎に1ずつ減算(カウントダウン)されるので、S1529の処理により信号出力管理カウンタ203cに設定された初期値は、30.5s(30500ms)の期間に相当する。
なお、S1529の処理の結果として、信号出力管理カウンタ203cに設定された30.5sの期間に相当する初期値は、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間(30s)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定されている第2の期間(0.5s)との合算期間に相当する値である。
本実施形態では、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間を、遊技者が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得るオフ期間とするべく0.5sに設定している。
また、本実施形態のホールコンピュータ262は、特定作動口通過信号(オン信号)の受信期間にわたって、パチンコ機の周辺に設定されているデータ表示器を点滅させるよう制御信号を出力するように構成されている。即ち、主制御装置110からの特定作動口通過信号の出力期間は、データ表示器の点滅期間に相当する。よって、本実施形態では、特定作動口通過信号の初期設定の出力期間(第1の期間)を30sと設定したことにより、上段作動口602又は下段作動口603への球の1入賞対し、データ表示器は、最大、第1の期間である30sにわたって点滅されることになる。
S1529の処理後、特定作動口通過カウンタ203dの値を1減算した後(S1530)、外部出力バッファ203aにおける特定作動口通過信号に対応する設定データビットに1を設定する(S1531)。
S1531の処理の結果として外部出力バッファ203aにおける特定作動口通過信号に対応する設定データビットに1が設定された状態で、次のサイクルのメイン処理(図8参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、オン信号である特定作動口通過信号が、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
よって、特定作動口通過カウンタ203dの値が0でなく、かつ、信号出力管理カウンタ203cの値が0である場合には、未出力又は待機中の特定作動口通過信号の出力タイミングであるので、S1529の処理による信号出力管理カウンタ203cへ初期値として30.5sの期間が設定されると共に、特定作動口通過信号の出力が開始される。
S1531の処理後、その他の設定処理(S1528)を実行し、この外部情報処理(S512)を終了する。なお、その他の設定処理(S1528)では、外部出力バッファ203aにおける特定作動口通過信号以外の信号(例えば、特別遊技状態中であることを示す信号)に対応する設定データビットが更新される。その他の設定処理(S1528)の実行後、この外部情報処理(S512)を終了し、タイマ割込処理(図18参照)へ戻る。
一方、S1523の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1523:No)、ホールンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号がある状況下で、信号出力管理カウンタ203cによる特定作動口通過信号の管理中であることを示す。かかる場合には、まず、信号出力管理カウンタ203cの値を1減算し(S1524)、信号出力管理カウンタ203cの値が15000より大きいかを確認する(S1525)。
S1525の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が15000より大きい場合には(S1525:Yes)、S1529による信号出力管理カウンタ203cへの初期値の設定後、即ち、特定作動口通過信号の出力が開始された後、0.5sの期間が未だ経過していないので、かかる場合には、S1531の処理へ移行し、特定作動口通過信号の出力を継続する(S1531)。
一方で、S1525の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が15000以下である場合には(S1525:No)、特定作動口通過信号の出力が開始されてから、0.5sの期間が経過したので、次いで、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さいかを確認する(S1526)。
S1526の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250以上であれば(S1526:No)、かかる場合は、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がある状況下で、1の特定作動口通過信号が、出力中であり、かつ、出力開始から少なくとも0.5s経過した状態にあることを示す。かかる場合には、信号出力管理カウンタ203cに250を再設定し(S1527)、その他の設定処理(S1528)へ移行する。
この場合(即ち、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250を再設定した場合)には、S1531の処理は実行されないので、特定作動口通過信号に対応する設定データビットの出力状態が0(オフ)のままとされる。その結果、次のサイクルのメイン処理(図8参照)における外部出力処理(S201)が実行されると、特定作動口通過信号(オン信号)ではなく、オフ状態の信号が外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ出力される。
よって、出力中の特定作動口通過信号があり、かつ、未出力の特定作動口通過信号がある場合には、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が、第3の期間として予め設定されている0.5s以上であれば、S1529の処理により信号出力管理カウンタ203cに設定された初期値とは無関係に、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250が再設定された後、特定作動口通過信号の出力が中断される。
本実施形態では、第3の期間を、遊技者が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得る期間とするべく0.5sに設定している。
一方で、S1526の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さい場合には(S1526:Yes)、特定作動口通過信号の出力終了後の第2の期間(0.5s)の計時中であるので、特定作動口通過信号に対応する設定データビットの出力状態を0(オフ)としたまま、その他の設定処理(S1528)へ移行する。
ここで、上述のように、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250が再設定されると、次のタイミングで(即ち、2ms後に)実行される外部情報処理(S512)では、信号出力管理カウンタ203cの値が249となるため、S1526の判断処理では、No側へ移行する。即ち、S1527の処理により信号出力管理カウンタ203cに250が再設定されて、特定作動口通過信号の出力が中断された後は、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として0.5sが計時されることになる。
また、S1522の処理により確認した結果、特定作動口通過カウンタ203dの値が0である場合には(S1522:Yes)、信号出力管理カウンタ203cの値が0であるかを確認する(S1532)。
S1532の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が0でない、即ち、0より大きい値が確認された場合には(S1532:No)、ホールンピュータ262へ未出力(未送信,待機中)の特定作動口通過信号がない状況下で、信号出力管理カウンタ203cによる特定作動口通過信号の管理中であることを示す。かかる場合には、まず、信号出力管理カウンタ203cの値を1減算し(S1533)、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さいかを確認する(S1534)。
S1534の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250以上であれば(S1534:No)、かかる場合は、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がない状況下で、1の特定作動口通過信号が出力中であることを示すので、S1531の処理へ移行する。その結果、特定作動口通過信号の出力が継続される。
一方、S1534の処理により確認した結果、信号出力管理カウンタ203cの値が250より小さい場合には(S1531:Yes)、特定作動口通過信号の出力終了後の第2の期間(0.5s)の計時中であるので、特定作動口通過信号に対応する設定データビットの出力状態を0(オフ)としたまま、その他の設定処理(S1528)へ移行する。
よって、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がない状況下にある場合には、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間(30s)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間(0.5s)との両方の管理を、S1529の処理による1回の信号出力管理カウンタ203cへの初期値の設定によって達成することができるのである。
また、信号出力管理カウンタ203cの値が0であれば(S1532:Yes)、出力すべき特定作動口通過信号も期間管理すべき特定作動口通過信号も存在しないので、そのまま、その他の設定処理(S1508)へ移行する。
このように、第2実施形態のパチンコ機で実行される外部情報処理(S512)によれば、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下で、特定作動口通過信号が出力されている場合には、かかる特定作動口通過信号の出力期間を第3の期間として予め設定されている期間(本実施形態では、0.5s)だけ少なくとも確保し、全体の出力期間が初期設定値(本実施形態では、30s)より短くなるよう調整する。即ち、特定作動口通過信号の出力期間が、予め設定されている第3の期間以上、かつ、出力期間の初期設定値(第1の期間)未満の期間に調整される。
なお、未出力の特定作動口通過信号が存在する状況下で、特定作動口通過信号が出力されている場合としては、(1)未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生した場合、又は、(2)新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合が想定される。
ここで、上記(1)の場合には、特定作動口通過信号の出力が開始されてから、未出力の特定作動口通過信号が発生するまでは、上述した外部情報処理(S512)における、(S1522:Yes)→(S1532:No)→S1533→(S1534:No)→S1531の順で処理が実行されるが、未出力の特定作動口通過信号が発生したことにより、(S1522:No)→(S1532:No)→S1524の順で処理が実行された後、S1525の確認処理が実行される。
このとき、出力中の特定作動口通過信号が既に第3の期間(本実施形態では、0.5s)だけ出力されていれば、S1525におけるNoの分岐処理が実行されるので、その結果として、特定作動口通過信号の出力は、初期設定の出力期間(第1の期間、本実施形態では、30s)の経過を待つことなく終了され、オフ期間(第2の期間、本実施形態では、0.5s)の計時を開始するべく、S1527の処理により、信号出力管理カウンタ203cの値の再設定が行われる。
一方で、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が、第3の期間(本実施形態では、0.5s)に未だ到達していなければ、S1525におけるYesの分岐処理が実行されるので、その結果、特定作動口通過信号の出力期間として、第3の期間が、少なくとも確保されることとなる。
また、上記(2)の場合には、特定作動口通過信号の出力が開始された後、出力中の特定作動口通過信号の出力期間が第3の期間(本実施形態では、0.5s)に到達するまで、S1525におけるYesの分岐処理が実行されるので、その結果、特定作動口通過信号の出力期間は第3の期間(本実施形態では、0.5s)のみとされる。
次に、図25を参照して、第2実施形態のパチンコ機からホールコンピュータ262へ出力される特定作動口通過信号(外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットの出力状態が1であるもの)の出力タイミングについて説明する。図25は、第2実施形態のパチンコ機における特定作動口通過信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
図25(a)は、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過間隔が、上述した外部情報処理(図24参照)におけるS1529の処理によって信号出力管理カウンタ203cに初期値として設定された期間(30.5s)以上である場合を例示したタイミングチャートである。
図25(a)に示すように、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg11(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力される、即ち、上段作動口602への球の通過が上段作動口スイッチにより検出されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg11(即ち、1回の入賞)に対する1の特定作動口通過信号ON11の出力が開始される。
かかる特定作動口通過信号ON11の出力を開始するにあたり、外部情報処理(図24参照)におけるS1529の処理が実行され、信号出力管理カウンタ203cに初期値が設定される。このとき設定される初期値は、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間(30s)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定されている第2の期間(0.5s)との合算期間に相当する値とされている。
信号出力管理カウンタ203cによる期間の計時中、上段作動口602又は下段作動口603への球の通過が検出されることなく、外部情報処理(図24参照)におけるS1534の判断処理により、特定通過口通過信号の出力期間が初期設定の期間(本実施形態では、30s)だけ経過したと判断されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻すことによって、特定作動口通過信号ON11の出力を終了する。
上述のように、この第2実施形態では、S1529の処理により、特定作動口通過信号ON11に対する初期設定の出力期間(30s)とオフ期間OF11との合算期間である30.5sに相当する値が初期値として信号出力管理カウンタ203cに設定されるので、信号出力管理カウンタ203cが30sの出力期間を計時した場合であっても、信号出力管理カウンタ203cの値は0に到達しない。よって、本実施形態のパチンコ機によれば、信号出力管理カウンタ203cは、特定作動口通過信号ON11の出力が終了してからも、オフ期間OF11を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間OF11(本実施形態では、0.5s)を引き続いて計時することができる。
下段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg12(オン信号)が、信号出力管理カウンタ203cによって検出信号sg11に対して管理する期間外に、下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力された場合には、検出信号sg11が出力された場合と同様に、外部情報処理(図24参照)におけるS1529の処理が実行され、信号出力管理カウンタ203cに初期値として30.5sが設定される。その結果、検出信号sg11に対する期間管理と同様に、特定作動口通過信号ON12の出力が終了してからも、信号出力管理カウンタ203cへオフ期間OF12を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間OF12を引き続いて計時することができる。
図25(b)は、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生した場合を例示したタイミングチャートである。
図25(b)に示すように、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg21(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg21に対する1の特定作動口通過信号ON21の出力が開始される。
一方で、特定作動口通過信号ON21の出力期間が初期設定の出力期間である30sに到達する前に、下段作動口603に球が通過したことを示す検出信号sg22(オン信号)が下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、その検出信号sg22の出力タイミングに応じて、初期設定の出力期間に到達する以前であっても、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻されて、特定作動口通過信号ON21の出力が終了される。
即ち、かかる場合には、特定作動口通過信号ON21の出力期間は、外部情報処理(図24参照)におけるS1525の判断処理によって、少なくとも0.5sの出力期間(第3の期間)に確保されつつ、S1526の判断処理によって、初期設定の出力期間(第1の期間)である30s未満の期間に調整(短縮)される。
特定作動口通過信号ON21の出力終了後、0.5sのオフ期間OF22の経過を待ってから、特定作動口通過信号ON21の出力中に出力された検出信号sg22に対する特定作動口通過信号ON22の出力が開始される(即ち、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転される)。
ここで、特定作動口通過信号ON22の出力期間が初期設定の出力期間である30sに到達する前に、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg23(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、特定作動口通過信号ON22の出力期間は、上述した特定作動口通過信号ON22の出力期間の調整と同様に、0.5sの出力期間を確保しつつ、30s未満の出力期間に調整される。
そして、特定作動口通過信号ON22の出力が終了し、さらに0.5sのオフ期間OF22が経過した後、検出信号sg23に対する特定作動口通過信号ON23の出力を開始する。このとき、上段作動口602又は下段作動口603への新たな球の通過が検出されなければ、30sの出力期間の経過後、特定作動口通過信号ON23はオフされる。
本実施形態のパチンコ機によれば、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生した場合には、特定作動口通過信号ON21,ON22のように、出力期間が初期設定値の30sより短縮される。
よって、未出力の特定作動口通過信号が残存しない状況下における特定作動口通過信号の出力中に、未出力の特定作動口通過信号が発生したとしても、検出信号と、その検出信号に対する特定作動口通過信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
また、上述のように、検出信号と、その検出信号に対する特定作動口通過信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくされるにもかかわらず、オフ期間は第2の期間として予め設定されている0.5sが確保されるので、遊技者は、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別することができる。
図25(c)は、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合を例示したタイミングチャートである。
図25(c)に示すように、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg31(オン信号)が上段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力されると、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットが0から1に反転され、1の検出信号sg31に対する1の特定作動口通過信号ON31の出力が開始される。
ここで、特定作動口通過信号ON31の出力期間が初期設定の出力期間である30sに到達する前に、上段作動口602に球が通過したことを示す検出信号sg32(オン信号)が再び上段作動口スイッチから出力されると、特定作動口通過信号ON31の出力期間は、検出信号sg32の出力タイミングに応じて、少なくとも0.5sの出力期間(第3の期間)に確保されつつ、初期設定の出力期間(第1の期間)である30s未満の期間に調整(短縮)される。
検出信号sg32に対する特定作動口通過信号ON32は、特定作動口通過信号ON31の出力が終了してから、0.5sのオフ期間OF31の経過後に、その出力が開始される。
このとき、0.5sのオフ期間OF31の間に、下段作動口603に球が通過したことを示す検出信号sg33(オン信号)が下段作動口スイッチ(各種スイッチ208の一部)から出力された場合には、検出信号sg32に対する特定作動口通過信号ON32の出力後も、検出信号sg33に対する特定作動口通過信号ON33が未出力のまま待機されることになる。
第2実施形態のパチンコ機では、かかる状況下において、外部情報処理(図24参照)のS1525におけるYesの分岐処理が実行されることによって、特定作動口通過信号ON32が0.5sだけ出力された後、S1526におけるNoの分岐処理が実行されることにより、外部出力バッファ203aにおける対応する設定データビットを1から0に戻されて、特定作動口通過信号ON32の出力が終了される。
そして、特定作動口通過信号ON32の出力終了から、0.5sのオフ期間OF32の経過後に、検出信号sg33に対する特定作動口通過信号ON33の出力が開始される。特定作動口通過信号ON33の出力開始後、上段作動口602又は下段作動口603への新たな球の通過が検出されなければ、30sの出力期間の経過後、特定作動口通過信号ON33はオフされる。
本実施形態のパチンコ機によれば、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合には、特定作動口通過信号ON32のように、その出力期間が第3の期間として予め設定されている0.5sに短縮される。よって、検出信号sg33に対する特定作動口通過信号ON33の待機期間を極力小さくすることができる。
よって、新たに特定作動口通過信号の出力を開始したとしてもなお、未出力の特定作動口通過信号が残存する場合が生じたとしても、検出信号と、その検出信号に対する特定作動口通過信号の出力タイミングとの時間差を極力小さくすることができる。
また、本実施形態では、第3の期間が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で遊技者の視覚的に区別させ得るべく0.5sに設定されているので、遊技者は、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別することができる。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機によれば、特定作動口通過信号を出力する際には、1のカウンタである信号出力管理カウンタ203cに、初期設定の出力期間(第1の期間)と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間として予め設定されている第2の期間との合算期間が初期値として設定される。そのため、特定作動口通過信号に対する初期設定の出力期間が経過したことによりかかる信号の出力を終了してからも、その後のオフ期間を計時するための初期値を設定することなく、オフ期間を引き続いて計時することができる。
即ち、本実施形態のパチンコ機によれば、ホールンピュータ262へ未出力の特定作動口通過信号がない状況下にある場合には、1の特定作動口入球通過信号に対する初期設定の出力期間である第1の期間と、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間との両方の管理を、1の信号出力管理カウンタ203cのみによって、第2の期間の開始タイミングにおいて初期値を設定する必要なく達成することができる。よって、主制御装置110のMPU201にかかる制御負荷を軽減し得る。
なお、本実施形態では、特定作動口通過信号の出力終了後のオフ期間である第2の期間を、遊技者が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、時系列的に隣接する特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得るオフ期間になるよう設定したが、かかる第2の期間は、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する特定作動口通過信号を区別可能な期間(例えば、第1実施形態と同様に52msの期間など)であればよい。信号出力管理カウンタ203cにより管理される第2の期間を、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する特定作動口通過信号を区別可能な期間とすることにより、ホールコンピュータ262は、時系列的に隣接する特定作動口通過信号をそれぞれ確実に検出することができる。
同様に、本実施形態では、第3の期間を、遊技者が、特定作動口通過信号を受信したホールコンピュータ262によって制御されるデータ表示器の点滅を、特定作動口通過信号の単位で視覚的に区別し得る期間になるよう設定したが、かかる第3の期間は、ホールコンピュータ262が特定作動口通過信号を区別可能な期間(例えば、第1実施形態と同様に52msの期間など)であればよい。信号出力管理カウンタ203cにより管理される第3の期間を、ホールコンピュータ262が時系列的に隣接する特定作動口通過信号を区別可能な期間とすることにより、ホールコンピュータ262は、1の特定作動口通過信号をそれぞれ確実に検出することができる。
また、本実施形態では、ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261から出力される特定作動口通過信号を使用し、特定作動口通過信号の出力期間中(即ち、オン期間中)はデータ表示器を点滅させ、オフ期間中はデータ表示器を消灯することにより、パチンコ機の当たり状態に略対応した表示を行うことができる。よって、ホールコンピュータ262では、データ表示器を点滅される期間を計時するカウンタを設けたり、かかる期間を計時する制御を行ったりすることなく、パチンコ機に発生した状態(例えば、当たり状態)に対応した表示を行いつつ、その状態の発生回数(例えば、当たり状態を発生させる入賞回数)を把握できる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、主制御装置110から出力される信号の出力状態の初期状態を0(オフ)とし、第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号を、初期状態を反転させた1(オン)を出力期間にわたって維持したものとしたが、出力状態の初期状態が1である場合には、かかる初期状態を反転させた0を出力期間にわたって維持したものを第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号としてもよい。
また、上記各実施形態では、第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号を出力する場合には、信号出力管理カウンタ203cに初期値を設定し、信号出力管理カウンタ203cの値を減算していくことによって、第1の期間及び第2の期間を計時(管理)するよう構成したが、信号出力管理カウンタ203cを0から加算する方式によって、第1の期間及び第2の期間の両方を計時するように構成してもよい。具体的には、第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号の出力開始に伴って、信号出力管理カウンタ203cにより計時を0から開始し、第1の期間に到達したか否かを監視し、第1の期間に到達したと判定されたら信号をオフし、さらに、第1の期間と第2の期間との合算期間に到達したかを監視するように構成すればよい。
また、上記各実施形態では、管理すべき信号として、第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号を例示したが、本発明は、種々の信号に対して適用できる。なお、第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号のように、球の通過を契機として通常状態に比べて遊技者に有利な状態を創出する(又はその可能性を有する)通過口への球の通過を契機として出力される信号へ適用した場合、通常状態に比べて遊技者に有利な状態を創出する(又はその可能性を有する)通過口への球の通過回数を、ホールコンピュータ262に確実に把握させることができ、かかるデータをホール管理者が釘調整や不正監視等の目的で利用できるので好適である。
また、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81において変動表示が開始される際に外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ信号を出力する構成とし、かかる信号を管理すべき信号として採用してもよい。この変動表示の開始を示す信号を管理すべき信号として採用する場合には、例えば、変動開始処理(図10参照)が実行される毎に、外部情報処理(図13参照)と同様に信号の出力処理を実行するように構成すればよい。あるいは、変動開始処理(図10参照)が実行される毎に、第1入球口通過カウンタ203bの値を減算し、第1入球口通過カウンタ203bの値が減算された場合に、外部情報処理(図13参照)と同様の信号出力処理を実行するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、第1入球口通過信号及び特定作動口通過信号のような信号を、主制御装置110から、パチンコ機(パチンコ機10)の外部に設置される管理装置であるホールコンピュータ262へ出力する場合を例示したが、本発明は、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113や表示制御装置114からホールコンピュータ262への信号の出力に対しても適用できる。また、本発明は、主制御装置110から払出制御装置111への信号の出力など、パチンコ機の内部における信号の出力に対しても適用できる。
また、上記第2実施形態では、10個の電動役物661a,662a,663a,664a,665a,691a,692a,693a,694a,695aは、対応する入賞ソレノイド210a〜210jによって駆動されるように構成したが、電動役物に換えて、メカ的なリンク機構によって作動する役物を配設するように構成してもよい。
例えば、上段作動口602に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって上第1〜上第5入賞口661〜665の入口にそれぞれ配設された役物が一斉に開放し、上第1〜上第5作動口651〜655に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって対応する上入賞口(上第1〜上第5入賞口661〜665)の入口に配設された役物が開放し、上第1〜上第5入賞口661〜665に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって入賞した上入賞口(上第1〜上第5入賞口661〜665)の入口に配設された役物が閉鎖するように構成してもよい。
同様に、下段作動口603に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって下第1〜上第5入賞口691〜695の入口にそれぞれ配設された役物が一斉に開放し、下第1〜上第5作動口681〜685に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって対応する下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)の入口に配設された役物が開放し、下第1〜下第5入賞口691〜695に球が入賞した場合には、メカ的なリンク機構によって入賞した下入賞口(下第1〜下第5入賞口691〜695)の入口に配設された役物が閉鎖するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、第1入球口64へ入球(入賞)した球を全て第1入球口通過カウンタ203bで計数するよう構成したが、RAM203の保留球格納エリアに格納(保留)される球のみを計数するように構成してもよい。即ち、作動保留球数Nが4未満(作動保留球数N=0〜4)である場合のみ、第1入球口64への入球(入賞)に対し、第1入球口通過カウンタ203bを1加算する構成としてもよい。具体的には、始動入賞処理(図12参照)において、S602の処理を、S601におけるYesの分岐処理の後ではなく、S603におけるYesの分岐処理の後に実行するように構成してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生を検出する状態検出手段と、その状態検出手段により検出された1回の状態の発生に対し、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことにより1の状態発生信号を出力する信号出力手段とを備えた遊技機において、前記信号出力手段により前記状態発生信号の出力が開始される場合に、前記状態発生信号の出力が開始されてからの経過期間を計測する期間計測手段と、その期間計測手段により計測される前記経過期間が前記第1の期間に到達したかを判定可能な第1の到達判定手段と、その第1の到達判定手段により前記経過期間が前記第1の期間に到達したと判定された後に引き続いて、前記期間計測手段により計測される前記経過期間が、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間に到達したかを判定可能な第2の到達判定手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生が状態検出手段によって検出された場合には、検出された1回の状態の発生に対して1の状態発生信号が信号出力手段によって出力される。ここで、1の状態発生信号は、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことによって生成される。
そのように信号出力手段による状態発生信号の出力が開始される(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転される)場合に、かかる状態発生信号の出力が開始されてからの経過期間の計測が期間計測手段によって開始される。かかる期間計測手段による経過期間の計測が開始されると、まず、第1の到達判定手段により、経過期間が第1の期間に到達したか、即ち、信号の出力状態が再度反転されて第1状態に戻されるタイミングであるかが判定される。
そして、第1の到達判定手段により、期間計測手段により計測される経過期間が第1の期間に到達したと判定されると、引き続き、経過期間が予め設定されている第2の期間に到達したかの判定が行われる。ここで、かかる第2の期間を、状態発生信号の出力先の演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間とした場合、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置に確実に区別させることができる。その結果、状態検出手段によって刻々と検出される状態の発生を、出力先の演算装置に確実に検出させることができる。
よって、状態発生信号の出力期間(即ち、第1の期間)の管理と、その状態発生信号の出力終了後の所定期間(即ち、第2の期間)の管理との両方を、各期間の計測開始のタイミングに応じて期間計測手段に設定する処理を行うことなく実現することができる。従って、状態発生信号を状態の発生毎に演算装置へ出力することに伴う制御負荷を軽減することができる。
また、信号出力手段による状態発生信号の出力の開始から第1の期間までの経過は、信号出力手段による状態発生信号の出力の開始から第1の期間と第2の期間との合算期間に至るまでの間の通過点として計測されるので、期間計測手段としてのカウンタやタイマなどの計時可能な構成を複数設ける必要がなく、記憶装置における記憶容量の消費を抑制できる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機1に記載される状態検出手段としては、第1入球口スイッチ,上段作動口スイッチ,上段作動口スイッチ(いずれも図示せず)が該当し、遊技機1に記載される信号出力手段としては、外部情報処理(S505,S512)と外部出力処理(S201)とが該当し、遊技機1に記載される期間計測手段としては、信号出力管理カウンタ203c、及び信号出力管理カウンタ203cをカウントダウンするS1504,S1533の処理が該当し、遊技機1に記載される第1の到達判定手段としては、S1506,S1534の処理が該当し、遊技機1に記載される第2の到達判定手段としては、S1502,S1532の処理が該当する。
遊技機1において、前記信号出力手段により前記状態発生信号の出力が開始される場合に、前記第1の期間と前記第2の期間との合算期間に相当する値を初期値として前記期間計測手段に設定する期間設定手段を備え、前記期間計測手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記期間設定手段により設定された値を減算する方式によって前記経過期間を計測するものであることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、信号出力手段により状態発生信号の出力が開始される(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転される)場合に、第1の期間と第2の期間との合算期間に相当する値が初期値として期間設定手段に設定される。その後、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから、期間設定手段により設定された値を減算する方式によって状態発生信号の出力が開始されてからの経過期間が期間計測手段により計測される。
よって、期間計測手段に初期値として設定される値が、第1の期間と第2の期間との合算期間に相当する値であるので、かかる期間計測手段への一度の初期値の設定により、第1の期間までの経過と、第1の期間と第2の期間との合算期間との両方を計測することができ、状態発生信号を状態の発生毎に演算装置へ出力することに伴う制御負荷を軽減することができる。
また、第1の期間と第2の期間との合算期間に相当する値が初期値として設定された期間計測手段により、信号出力手段による状態発生信号の出力の開始から、第1の期間までの経過と、第1の期間と第2の期間との合算期間までの経過との両方が計測できるので、期間計測手段としてのカウンタやタイマなどの計時可能な構成を複数設ける必要がなく、記憶装置における記憶容量の消費を抑制できる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機2に記載される期間設定手段としては、S1505,S1529の処理が該当する。
遊技機1又は2において、前記第2の期間は、前記状態発生信号の出力先である演算装置が時系列的に隣接する前記状態発生信号を区別可能な期間であることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、状態発生信号の出力終了後における第2の期間が、状態発生信号の出力先である演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間とされているので、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置に確実に区別させることができる。その結果、状態検出手段によって刻々と検出される状態の発生を、出力先の演算装置に確実に検出させることができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記第2の期間は、前記演算装置が時系列的に隣接する前記状態発生信号を区別可能な最短期間又はその最短期間より長い近傍の期間であることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、第2の期間が、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置が区別可能な最短期間又は該最短期間近傍の期間とされるので、各状態の発生タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの差を小さくすることができる。従って、出力先の演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を確実に区別できるだけでなく、状態発生信号の出力終了後から次の状態発生信号の出力開始までの期間を最大限又はほぼ最大限に短縮することができるので、データの取得効率を向上できる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記第1の期間と前記第2の期間とが略同一であることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、第1の期間と第2の期間とが略同一、即ち、状態発生信号の出力期間と、状態発生信号の出力終了後、次の状態発生信号を出力先の演算装置が区別し得るために必要な期間とが略同一であるので、各期間の管理を容易にすることができる。また、各状態の発生タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの差を小さくすることができ、データの取得効率を向上させることが可能となる。
ここで、第2の期間を状態発生信号の出力先である演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間とすることにより、各期間の管理が容易である上に、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置に確実に区別させることができる。特に、第2の期間が出力先の演算装置により信号の検出が可能な最短期間又は該最短期間近傍の期間とすることにより、各状態の発生タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの差を小さくすることができ、データの取得効率を向上させることができる。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力開始後、前記第1の到達判定手段により前記経過期間が前記合算期間に到達したと判定される前、又は、前記第2の到達判定手段により前記経過期間が前記合算期間に到達したと判定される前に、前記状態検出手段により前記状態の発生が新たに検出された場合に、前記第2の到達判定手段により前記経過期間が前記合算期間に到達したと判定されるまで、前記新たに検出された前記状態の発生に対する前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力を待機する待機手段を備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、信号出力手段による状態発生信号の出力開始後、第1の到達判定手段により経過期間が前記合算期間に到達したと判定される前、又は、第2の到達判定手段によって経過期間が合算期間に到達したと判定される前に、状態検出手段により状態の発生が新たに検出された場合には、新たに検出された状態の発生に対する信号出力手段による状態発生信号の出力が、第2の到達判定手段によって経過期間が合算期間に到達したと判定されるまで、待機手段によって待機される。よって、刻々と検出される状態を出力先の演算装置に確実に検出させることができる。
なお、上述した各実施形態において、遊技機6に記載される待機手段としては、第1入球口通過カウンタ203bが該当する。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記状態検出手段によって発生を検出する前記状態は、前記遊技媒体の通過を契機として通常状態に比べて遊技者に有利な状態を創出する又はその可能性を有する特定通過部への前記遊技媒体の通過であることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技媒体の通過を契機として通常状態に比べて遊技者に有利な状態を創出する又はその可能性を有する(例えば、抽選の結果として遊技者に有利な状態を創出する)特定通過部への遊技媒体の通過が、状態検出手段によって状態の発生として検出される。よって、通常状態に比べて遊技者に有利な状態を創出する又はその可能性を有する特定通過部への遊技媒体の通過回数を出力先の管理装置に把握させることができ、かかるデータをホール管理者が釘調整や不正監視等の目的で利用し得る。
なお、上述した各実施形態では、遊技機7に記載される特定通過部として、第1入球口64,上段特定作動口602,下段特定作動口603が例示されている。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来、遊技場に設置されたパチンコ機やスロットなどの遊技機に対し、ホールコンピュータによる集中管理が実施されている(例えば、特許文献1:特開平7−59935号公報および特許文献2:特開2005−334218号公報)。かかる集中管理の形態としては、例えば、所定の入賞口(例えば、遊技球の入賞によって大当たり抽選の契機が発生する始動口)へ遊技球が入賞したことを示す始動口入賞信号や、遊技球の入賞口への入賞により球が払い出されたことを示す賞球信号や、大当たり状態を示す大当たり中信号など、遊技中に生じた各種状態に対応する信号(以下、この信号を「状態発生信号」と称する場合がある)を、各遊技機からホールコンピュータへ出力し、これらの信号を受信したホールコンピュータ側において、受信した信号に基づいて大当たり1回あたりの出球数や、大当たり中以外の出球数(ベース)などを演算し、その結果をモニタや用紙へ出力することが挙げられる。
このように、ホールコンピュータから出力されるデータ、例えば、大当たり1回あたりの出球数や大当たり中以外の出球数や始動口を通過した遊技球の数などのデータは、適正な利益を得る目的で、パチンコ機の釘調整や不正監視等のためにホール管理者によって利用されている。
ここで、各遊技機からホールコンピュータへの状態発生信号の出力は、所定の状態が生じた場合に出力状態を反転させたオン信号を生成することによって開始され、その後、ホールコンピュータが該オン信号を検出可能な第1の期間(例えば、0.5s)にわたってオン信号の出力を継続してから、出力状態を再度反転させることによって終了される。
一方で、ホールコンピュータが時系列的に隣接する状態発生信号を区別するには、出力状態を再度反転させたことによる状態発生信号の出力終了後、その出力状態を第2の期間(例えば、0.5s)だけ継続する必要がある。従って、遊技機がホールコンピュータへ状態発生信号を出力するにあたり、状態発生信号となるオン信号の出力期間である第1の期間と、ホールコンピュータが時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間である第2の期間とを管理することが遊技機に対して要求される。
遊技機が上述した第1の期間及び第2の期間を管理する一般的な方法の1つは、第1の期間(即ち、状態発生信号の出力期間)を計測する第1のカウンタと、第2の期間(即ち、状態発生信号の出力終了後、次の状態発生信号をホールコンピュータが区別し得るために必要な期間)を計測する第2のカウンタとを設け、これらの期間をそれぞれ計測する方法である。
かかる方法においては、例えば、所定の状態が生じたことが検出され、出力状態を反転させたオン信号の生成により状態発生信号の出力の開始後、状態発生信号の出力を開始する際に、第1の期間に相当する初期値を第1のカウンタに設定し、その第1のカウンタの値を順次減算させることによって該第1の期間を計測する。そして、第1のカウンタの値がゼロを示した場合、即ち、状態発生信号の出力が終了した場合には、引き続いて、第2のカウンタに第2の期間を設定し、その第2のカウンタの値を順次減算させることによって該第2の期間を計測する。
あるいは、遊技機が第1の期間及び第2の期間を管理する別の方法として、1のカウンタによって第1の期間と第2の期間との両方の期間を管理する方法がある。かかる方法においては、例えば、所定の状態が生じたことが検出され、出力状態を反転させたオン信号の生成により状態発生信号の出力を開始する際に、第1の期間をカウンタに設定し、カウンタの値を順次減算させることによって該第1の期間を計測する。そして、カウンタの値がゼロを示した場合、即ち、状態発生信号の出力が終了した場合には、引き続いて、カウンタに第2の期間を設定し、カウンタの値を順次減算させることによって該第2の期間を計測する。
しかしながら、上記例示した方法はいずれも、第1の期間及び第2の期間を、各期間の計測開始のタイミングに応じてカウンタやタイマに設定する処理などが必要であり、制御装置による制御が煩雑になるという問題点があった。特に、前者の方法は、管理すべき期間の数に応じてカウンタやタイマを複数設ける必要があり、記憶装置における記憶容量の消費が大きくなる。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、ホールコンピュータ等の外部装置への状態発生信号の出力に伴う制御負荷を有効に軽減させた遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生を検出する状態検出手段と、その状態検出手段により検出された1回の状態の発生に対し、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことにより1の状態発生信号を出力する信号出力手段とを備えたものであって、前記信号出力手段により前記状態発生信号の出力が開始される場合に、前記状態発生信号の出力が開始されてからの経過期間を計測する期間計測手段と、その期間計測手段により計測される前記経過期間が前記第1の期間に到達したかを判定可能な第1の到達判定手段と、その第1の到達判定手段により前記経過期間が前記第1の期間に到達したと判定された後に引き続いて、前記期間計測手段により計測される前記経過期間が、前記第1の期間と予め設定されている第2の期間との合算期間に到達したかを判定可能な第2の到達判定手段とを備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記信号出力手段により前記状態発生信号の出力が開始される場合に、前記第1の期間と前記第2の期間との合算期間に相当する値を初期値として前記期間計測手段に設定する期間設定手段を備え、前記期間計測手段は、前記信号出力手段による前記状態発生信号の出力が開始されてから、前記期間設定手段により設定された値を減算する方式によって前記経過期間を計測するものである。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記第2の期間は、前記状態発生信号の出力先である演算装置が時系列的に隣接する前記状態発生信号を区別可能な期間である。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記第1の期間と前記第2の期間とが略同一である。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技領域内にて遊技媒体を通過させて所定条件の成立に応じて遊技価値を遊技者に付与する遊技中における所定の状態の発生が状態検出手段によって検出された場合には、検出された1回の状態の発生に対して1の状態発生信号が信号出力手段によって出力される。ここで、1の状態発生信号は、信号の出力状態を第1状態から反転させて予め設定されている第1の期間にわたって維持した後、再度反転させて第1状態に戻すことによって生成される。
そのように信号出力手段による状態発生信号の出力が開始される(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転される)場合に、かかる状態発生信号の出力が開始されてからの経過期間の計測が期間計測手段によって開始される。かかる期間計測手段による経過期間の計測が開始されると、まず、第1の到達判定手段により、経過期間が第1の期間に到達したか、即ち、信号の出力状態が再度反転されて第1状態に戻されるタイミングであるかが判定される。
そして、第1の到達判定手段により、期間計測手段により計測される経過期間が第1の期間に到達したと判定されると、引き続き、経過期間が予め設定されている第2の期間に到達したかの判定が行われる。ここで、かかる第2の期間を、状態発生信号の出力先の演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間とした場合、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置に確実に区別させることができる。その結果、状態検出手段によって刻々と検出される状態の発生を、出力先の演算装置に確実に検出させることができる。
よって、状態発生信号の出力期間(即ち、第1の期間)の管理と、その状態発生信号の出力終了後の所定期間(即ち、第2の期間)の管理との両方を、各期間の計測開始のタイミングに応じて期間計測手段に設定する処理を行うことなく実現することができる。従って、状態発生信号を状態の発生毎に演算装置へ出力することに伴う制御負荷を軽減することができるという効果がある。
また、信号出力手段による状態発生信号の出力の開始から第1の期間までの経過は、信号出力手段による状態発生信号の出力の開始から第1の期間と第2の期間との合算期間に至るまでの間の通過点として計測されるので、期間計測手段としてのカウンタやタイマなどの計時可能な構成を複数設ける必要がなく、記憶装置における記憶容量の消費を抑制できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。信号出力手段により状態発生信号の出力が開始される(即ち、信号の出力状態が第1状態から反転される)場合に、第1の期間と第2の期間との合算期間に相当する値が初期値として期間設定手段に設定される。その後、信号出力手段による状態発生信号の出力が開始されてから、期間設定手段により設定された値を減算する方式によって状態発生信号の出力が開始されてからの経過期間が期間計測手段により計測される。
よって、期間計測手段に初期値として設定される値が、第1の期間と第2の期間との合算期間に相当する値であるので、かかる期間計測手段への一度の初期値の設定により、第1の期間までの経過と、第1の期間と第2の期間との合算期間との両方を計測することができ、状態発生信号を状態の発生毎に演算装置へ出力することに伴う制御負荷を軽減することができるという効果がある。
また、第1の期間と第2の期間との合算期間に相当する値が初期値として設定された期間計測手段により、信号出力手段による状態発生信号の出力の開始から、第1の期間までの経過と、第1の期間と第2の期間との合算期間までの経過との両方が計測できるので、期間計測手段としてのカウンタやタイマなどの計時可能な構成を複数設ける必要がなく、記憶装置における記憶容量の消費を抑制できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。状態発生信号の出力終了後における第2の期間が、状態発生信号の出力先である演算装置(例えば、遊技機の外部に設置される管理装置)が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間とされているので、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置に確実に区別させることができる。その結果、状態検出手段によって刻々と検出される状態の発生を、出力先の演算装置に確実に検出させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。第1の期間と第2の期間とが略同一、即ち、状態発生信号の出力期間と、状態発生信号の出力終了後、次の状態発生信号を出力先の演算装置が区別し得るために必要な期間とが略同一であるので、各期間の管理を容易にすることができるという効果がある。また、各状態の発生タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの差を小さくすることができ、データの取得効率を向上させることが可能となるという効果がある。
ここで、第2の期間を状態発生信号の出力先である演算装置が時系列的に隣接する状態発生信号を区別可能な期間とすることにより、各期間の管理が容易である上に、時系列的に隣接する状態発生信号を出力先の演算装置に確実に区別させることができる。特に、第2の期間が出力先の演算装置により信号の検出が可能な最短期間又は該最短期間近傍の期間とすることにより、各状態の発生タイミングと状態発生信号の出力タイミングとの差を小さくすることができ、データの取得効率を向上させることができる。