JP5707966B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートに画像を記録する画像記録装置に関し、特に、シートの両面に画像を記録可能な画像記録装置に関する。
従来より、記録用紙などのシートの両面に画像を記録することができる画像記録装置が知られている(特許文献1参照)。この種の画像記録装置では、給紙トレイから送り出されたシートが記録部へ搬送され、そして、記録部によってシートの表面に画像が記録される。記録部よりも搬送方向下流側には分岐口が設けられており、この分岐口を起点にして反転搬送路が形成されている。両面記録時は、記録部によって表面に画像が記録されたシートは、分岐口よりも搬送方向下流側でシートの進行方向を逆方向に変更するためにスイッチバックされる。スイッチバックされたシートは、分岐口から分岐されて記録部の下側を通る反転搬送路へ搬送される。シートは、反転搬送路を通って再び記録部へ搬送される。記録部に到達したシートは、表面に画像を形成されたときと同様にして、記録部によってその裏面に画像が記録される。その後、両面に画像が記録されたシートは排出トレイに排出される。
分岐口の上側には、回動自在に支持されたフラップが設けられている。フラップは、常時においては自重又はバネ等の弾性力によって下方(分岐口側)へ付勢されている。記録部から搬送されるシートがフラップに当接すると、フラップはシートによって押し上げられてシート通過させる。シートの後端がフラップを通過して分岐口に到達すると、フラップによる下方への付勢力によってシートの後端が押し下げられる。これにより、シートの後端が反転搬送路のガイド面に押し付けられて、シートの後端が反転搬送路へ向けられる。
特開2010−208718号公報
しかしながら、シートと反転搬送路のガイド面との間には空気が存在するため、フラップによってシートの後端が押し下げられたときに、この空気が抵抗となって、シートの後端が反転搬送路のガイド面に素早く移動しない。つまり、シートの後端が反転搬送路側へ移動するまでに空気の抵抗分の遅れが生じる。したがって、従来は、シートをスイッチバックさせる際に、シートの後端が反転搬送路側へ移動するまでに要する時間を待ってからシートを後進させている。すなわち、上記空気抵抗分の遅れは、シートの高速搬送を妨げる大きな要因となっている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチバック時のシートの搬送を高速化することが可能な画像記録装置を提供することにある。
(1) 本発明は、第1搬送路と、記録部と、第2搬送路と、搬送ローラと、ガイド部材と、フラップと、を備えた画像記録装置として構成されている。第1搬送路は、シートを第1搬送向きへ案内する。記録部は、上記第1搬送路においてシートに画像を記録する。第2搬送路は、上記記録部より上記第1搬送向き下流側に設けられた分岐口で上記第1搬送路から分岐され、上記記録部より上記第1搬送向き上流側に設けられた合流口で上記第1搬送路と合流するように延びており、シートを上記分岐口から上記合流口に向かう第2搬送向きへ案内する。搬送ローラはシートを搬送するものであり、上記分岐口よりも上記第1搬送向き下流側に設けられている。ガイド部材は、上記分岐口から斜め下方へ延出されて上記第2搬送路の下側ガイド面を形成するとともに、上記分岐口より上記第1搬送向き下流側でスイッチバックされたシートを支持しつつ上記第1搬送路から上記第2搬送路へ案内する。フラップは、上記分岐口よりも上記第1搬送向き上流側の支軸から上記第1搬送向き下流側へ延出され、上記分岐口よりも上方に位置する第1姿勢と少なくとも延出端が上記分岐口から上記第2搬送路に進入する第2姿勢との間で上記支軸を中心に回動自在に支持されている。上記ガイド部材は、シートが支持される下側ガイド面から反対側へ貫通する貫通孔を有している。
このように構成されているため、分岐口に到達したシートの後端がフラップによってガイド部材の下側ガイド面へ押し下げられたときに、シートの後端側と下側ガイド面との間に存在する空気がガイド部材の貫通孔を通ってガイド部材の反対側へ抜ける。このため、下側ガイド面へ向かって移動するシートの後端に対する空気の抵抗が小さくなる。これにより、シートの後端が下側ガイド面まで移動するのに要する時間が短縮し、スイッチバック搬送が素早く行われ得る。また、ガイド部材に貫通孔が設けられているため、ユーザは、貫通孔を通じて第2搬送路内を目視することができる。このため、ユーザは、ガイド部材を取り外したり動かしたりすることなく、第2搬送路に用紙が詰まっているかどうかを確認できる。
(2) 上記貫通孔は、上記第2搬送向きに直行し且つ上記下側ガイド面に沿う方向へ複数個設けられている。
これにより、空気の抜け具合が格段に良くなる。また、ユーザは、第2搬送路内を目視で容易に確認することが可能となる。
(3) 本発明の画像記録装置は、装置本体に着脱可能なように上記第2搬送路の下側に設けられ、シートを保持可能なトレイを更に備える。上記第2搬送路は、上記ガイド部材より上記第2搬送向き下流側の少なくとも一部が相互に対向するガイド面を構成する下側の第1部材及び上側の第2部材により構成されている。上記第1部材は、上記第2搬送路においてシートを案内可能な第3姿勢と、上記第3姿勢より上記第2部材から離間した第4姿勢とに姿勢変化可能に設けられている。上記ガイド部材は、上記第2搬送路においてシートを案内可能な第5姿勢と、上記第5姿勢より対向するガイド面から離間された第6姿勢との間で回動自在なように、上記分岐口側の基端が上記搬送ローラの支軸に支持されており、上記第5姿勢において、上記第1部材を上記第3姿勢に保持し、上記第6姿勢において上記第1部材を上記第4姿勢へ姿勢変化可能とするものである。上記トレイは、当該装置に装着された状態において上記ガイド部材を上記第5姿勢に保持し、当該装置から脱抜された状態において上記ガイド部材を上記第6姿勢へ姿勢変化可能とするものである。
この構成では、トレイが脱抜されると、トレイによって第5姿勢に保持されていたガイド部材が、その自重によって回動し、搬送ローラの支軸から鉛直下方へ延びる第6姿勢となる。この状態では、第1部材が第4姿勢になって第2搬送路が下方へ広げられても、第6姿勢のガイド部材によって視界が妨げられることになる。このような構成において、ガイド部材に貫通孔が設けられることにより、ユーザは貫通孔を通じて第2搬送路内を目視で容易に確認することが可能となる。
(4) 上記フラップは、上記第1搬送路を搬送されるシートに対して当接可能な拍車状の第1補助ローラを有している。
第2搬送向き下流側のシートの端部が下側ガイド面まで移動するのに要する時間を短縮する手段として、フラップによる下方への荷重を大きくすることが考えられる。しかしながら、シートに当接可能な上記第1補助ローラが設けられている場合は、第1補助ローラが拍車状に形成されているから、フラップによる下方への荷重を大きくすると、第1補助ローラとの当接によってシートに記録された画像が乱れる。また、フラップの抵抗により搬送精度が悪化するおそれがある。このような構成においては、空気抵抗を減じさせてシートの端部をすばやく下側ガイド面に移動させることができる本発明の構成、つまり、ガイド部材に貫通孔が設けられた構成が好ましい。
(5) 上記フラップは、上記第2搬送路を搬送されるシートに対して当接可能な拍車状の第2補助ローラを有している。
上記第2補助ローラが設けられた構成では、フラップによる下方への荷重を大きくすると、第2補助ローラとの当接によってシートに記録された画像が乱れる。また、フラップの抵抗により搬送精度が悪化するおそれがある。このような構成においては、空気抵抗を減じさせてシートの端部をすばやく下側ガイド面に移動させることができる本発明の構成、つまり、ガイド部材に貫通孔が設けられた構成が好ましい。
(6) 上記フラップは、常時上記第2姿勢に付勢され上記第1補助ローラとシートとが接触した際に上記第2姿勢に付勢される。
(7) この場合、上記第2姿勢への付勢力は、上記フラップの自重によるものであることが好ましい。
(8) また、上記第1姿勢への付勢力は、上記第1搬送路を搬送されるシートから受ける上記第1搬送向きの力によるものであることが好ましい。
本発明によれば、スイッチバック時にシートの後端が第1搬送路から第2搬送路へ素早く移動するので、スイッチバック後の搬送の待ち時間を設ける必要がなくなる。このため、スイッチバック時のシートの搬送速度を上げることができる。
図1は、本発明の実施形態の一例である複合機10の斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、上側ガイド部材82の周辺機構を示す平面図である。 図4は、図3における切断線IV-IVの断面図であり、フラップ49の周辺機構の構成が詳細に示されている。 図5は、第3搬送ローラ45及び第3ガイド部材33の構成を示す外形図である。 図6は、第3ガイド部材33の斜視図である。 図7は、シートがスイッチバック搬送される状態を模式的に示す部分断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態は適宜変更できる。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7を定義し、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8を定義し、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9を定義する。
図1に示されるように、複合機10は、薄型の直方体に概ね形成されており、下部にインクジェット記録方式のプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。なお、プリント機能以外の機能の有無は任意である。したがって、本実施形態では、プリント機能以外の機能及びその機能を実現する構成要素についての説明を省略する。
[プリンタ部11の構成]
図2に示されるように、プリンタ部11は、主として、各種サイズの記録用紙(本発明のシートの一例)を保持可能なトレイ20(本発明のトレイの一例)と、トレイ20から記録用紙をピックアップして給送する給送部15と、インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録方式の記録部24と、を備えている。プリンタ部11は、正面に開口13(図1参照)が形成されたケーシング14(図1参照)を有しており、トレイ20は、開口13から前後方向8に挿抜可能に設けられている。つまり、トレイ20は、ケーシング14に装着及び脱抜可能である。なお、なお、記録部24はインクジェット方式に限られず、電子写真方式などの種々の記録方式のものが適用可能である。
[トレイ20]
トレイ20は、シートの載置面よりも上方に設けられた排紙保持部79を備える。排紙保持部79は、概ね平板形状に形成されており、トレイ20の前方側の上部に水平を保つように取り付けられている。排紙保持部79の後方端部には、ケーシング14にトレイ20が装着された状態で、後述する第3ガイド部材33(本発明のガイド部材の一例)に当接する凸部112が設けられている。
[給送部15]
図2に示されるように、給送部15は、トレイ20の上方であって記録部24の下方に設けられている。給送部15は、給紙ローラ25、給紙アーム26、及び複数のギヤが噛み合わされてなる駆動伝達機構27とを備えている。給紙ローラ25は、給紙アーム26の先端部で軸支されている。給紙アーム26は、その基端部に設けられた支軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給紙ローラ25はトレイ20に載置された記録用紙に当接することができ、また、トレイ20から離間することができる。給紙ローラ25は、駆動伝達機構27によって給紙用モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、トレイ20上に積載された記録用紙のうち、一番上側の記録用紙に当接された状態で回転することによって、当該記録用紙をその下側にある他の記録用紙から分離して後述の湾曲路65Aに給送する。
[搬送路65]
図2に示されるように、プリンタ部11の内部には、トレイ20の先端(後方側の端部)から記録部24を経て排紙保持部79に至る搬送路65(本発明の第1搬送路の一例)が形成されている。搬送路65は、トレイ20の先端から記録部24に至る間に形成された湾曲路65Aと、記録部24から排紙保持部79に至る間に形成された直線路65Bとに区分される。
湾曲路65Aは、トレイ20に設けられた分離傾斜板22の上端付近から記録部24に渡って延設された湾曲状の通路である。湾曲路65Aは、プリンタ部11の内部側を中心とする円弧形状に概ね形成されている。トレイ20から給送される記録用紙は、湾曲路65Aを搬送方向(図2において一点鎖線で示される方向)に沿って第1搬送向き(図2において一点鎖線に付された矢印の向き、本発明の第1搬送向きに相当)に湾曲されて、記録部24の直下へ案内される。湾曲路65Aは、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18と内側ガイド部材19によって区画されている。なお、外側ガイド部材18、内側ガイド部材19、及び後述の各ガイド部材82,83,31〜34は、いずれも、図2において紙面に垂直な方向(図1の左右方向9)へ延出されている。
直線路65Bは、記録部24の直下から排紙保持部79に渡って延設された直線状の概ね水平な通路である。記録用紙は、直線路65Bを第1搬送向きに案内される。直線路65Bは、記録部24が設けられている箇所においては、所定間隔を隔てて互いに対向する記録部24及びプラテン42によって形成されており、記録部24が設けられていない箇所においては、所定間隔を隔てて互いに対向する上側ガイド部材82及び下側ガイド部材83によって区画されている。
下側ガイド部材83は、凹部84を有する。凹部84は、下側ガイド部材83の上面、つまり直線路65Bの下側ガイド面に開口している。凹部84は、前後方向8に沿って延びる溝である。この凹部84は、第1搬送向きの下流側に延ばされて下側ガイド部材83の下流端に達するように形成されていてもよい。この場合、凹部84の下流側は分岐口36に連通する。凹部84のサイズ及び位置は、後述する第1補助ローラ47が凹部84に進退することができるように設計されている。なお、凹部84は、単一の溝ではなく、第1補助ローラ47の数に応じて複数の溝が左右方向9へ併設されており、櫛状に形成されている。
記録部24よりも第1搬送向きの下流側の直線路65Bに分岐口36(本発明の分岐口の一例)が設けられている。両面画像記録の際には、直線路65Bを搬送される記録用紙は、分岐口36の下流側でスイッチバックされ、後述する反転搬送路67(本発明の第2搬送路の一例)へ向けて搬送される。
[記録部24]
記録部24は、トレイ20の上方に配置されている。記録部24は、左右方向9(図2において紙面と垂直な方向)に往復移動する。記録部24の下方には記録用紙を水平に保持するためのプラテン42が設けられている。記録部24は、左右方向9への往復移動過程において、図示しないインクカートリッジから供給されたインクをノズル39からプラテン42上を搬送される記録用紙に吐出する。これにより、搬送路65において記録用紙に画像が記録される。
[搬送ローラ45,60,62]
図2に示されるように、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19の第1搬送向きの下流端と記録部24との間には、第1搬送ローラ60及びピンチローラ61が設けられている。ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60の下方に配置されており、図示しないバネなどの弾性部材によって第1搬送ローラ60のローラ面に圧接されている。第1搬送ローラ60及びピンチローラ61は、湾曲路65Aを搬送してきた記録用紙を狭持してプラテン42上へ送る。
記録部24と上側ガイド部材82及び下側ガイド部材83との間には、第2搬送ローラ62及び拍車63が設けられている。拍車63は、第2搬送ローラ62の上方に配置されており、図示しないバネなどの弾性部材によって第2搬送ローラ62のローラ面に圧接されている。第2搬送ローラ62及び拍車63は、記録部24で画像を記録された記録用紙を狭持して第1搬送向きの下流側へ搬送する。
各搬送ローラ60,62は、搬送用モータ(不図示)から駆動伝達機構(不図示)を介して回転駆動力が伝達されて回転される。前記の駆動伝達機構は、遊星ギヤなどから構成されており、搬送用モータが正回転及び逆回転方向のいずれに回転されても、各搬送ローラ60,62を一回転方向へ回転させる。これにより、記録用紙は第1搬送向きへ搬送される。
分岐口36よりも第1搬送向きの下流側に、第3搬送ローラ45(本発明の搬送ローラの一例)と拍車46とが設けられている。拍車46は、第3搬送ローラ45の上方に配置されており、図示しないバネなどの弾性部材によって第3搬送ローラ45のローラ面に圧接されている。第3搬送ローラ45は、プリンタ部11のフレームなどに軸支された支軸85に固定されている。本実施形態では、図3に示されるように、左右方向9に沿って並ぶように6つの第3搬送ローラ45が支軸85に取り付けられている。
第3搬送ローラ45は、搬送用モータから正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正回転方向又は逆回転方向に回転駆動される。例えば、片面記録が行われる場合は、第3搬送ローラ45は正回転方向へ回転される。これにより、記録用紙は第3搬送ローラ45及び拍車46に挟持されて下流側へ搬送され、排紙保持部79に排紙される。一方、両面記録が行われる場合は、第3搬送ローラ45及び拍車46が記録用紙の後端部を挟持した状態で、第3搬送ローラ45の回転方向が正回転方向から逆回転方向へ切り換えられる。以下で説明する経路切換部41によって記録用紙の後端が後述する反転搬送路67へ向けられた後に第3搬送ローラ45の回転方向が逆回転方向に切り換えられると、記録用紙は、反転搬送路67へ向けて搬送される。
[経路切換部41]
図2に示されるように、経路切換部41は、第2搬送ローラ62よりも第1搬送向きの下流側、かつ第3搬送ローラ45よりも第1搬送向きの上流側に配置されている。経路切換部41は、第1補助ローラ47(本発明の第1補助ローラの一例)、第2補助ローラ48(本発明の第2補助ローラの一例)、フラップ49(本発明のフラップの一例)、及び支軸87で構成されている。
プリンタ部11のフレームなどに、図2の紙面垂直方向(図1の左右方向9)へ延びる支軸87が設けられている。フラップ49は、支軸87から概ね第1搬送向きの下流側へ延出されており、支軸87に回動自在に軸支されている。フラップ49には、第1補助ローラ47及び第2補助ローラ48が軸支されている。補助ローラ47,48のローラ面は、記録用紙の記録面に当接されるので、拍車63及び拍車46と同様に拍車状に形成されている。
フラップ49は、姿勢変化可能に構成されており、下側ガイド部材83や分岐口36よりも上方に位置する排出姿勢(図2に破線で示される姿勢、本発明の第1姿勢に相当)と、延出端部49Aが分岐口36よりも下方へ進入する反転姿勢(図2に実線で示される姿勢、本発明の第2姿勢に相当)との間で回動する。フラップ49は、外力が加えられていない状態では、プラップ49の自重によって延出端部49Aが垂れ下がる。そのため、フラップ49は、常時において、反転姿勢を維持する。フラップ49が排出姿勢にあるときに、第1補助ローラ47は凹部84から退出している。一方、フラップ49が反転姿勢にあるときは、第1補助ローラ47は凹部84に進入している。なお、フラップ49は、バネ等の弾性部材によって反転姿勢となるように弾性付勢されていてもよい。
[反転搬送路67]
図2に示されるように、反転搬送路67は、分岐口36で直線路65Bから分岐され、記録部24の下側且つ給紙アーム27の上側を通って、記録部24よりも第1搬送向きの上流側の合流口37(本発明の合流口の一例)で湾曲路65Aと合流する。記録用紙は、反転搬送路67を第2搬送向き(本発明の第2搬送向きに相当)に搬送される。ここで、第2搬送向きとは、反転搬送路67を分岐口36から合流向き37に向かう向きで、図2における矢印付きの二点鎖線で示される向きを指す。
反転搬送路67は、上側を第2ガイド部材32(本発明の第2部材の一例)によって区画されている。また、反転搬送路67は、下側を第1ガイド部材31(本発明の第1部材の一例)、第3ガイド部材33、及び第4ガイド部材34によって区画されている。
詳細には、第2ガイド部材32の下面は、反転搬送路67の上側ガイド面を区画している。第4ガイド部材34の上面は、反転搬送路67において第2搬送向きの下流端付近(合流口37付近)の下側ガイド面を区画している。第1ガイド部材31の上面は、反転搬送路67において第4ガイド部材34よりも第2搬送向きの上流側の下側ガイド面を区画している。第3ガイド部材33の上面33Aは、反転搬送路67において第1ガイド部材31よりも第2搬送向きの上流側の下側ガイド面を区画している。つまり、第2ガイド部材32と、第1ガイド部材31、第3ガイド部材33、及び第4ガイド部材34とは、記録用紙が通過可能な所定間隔を隔てて互いに対向するように配置されている。
[第1ガイド部材31]
図2に示されるように、第1ガイド部材31は、概ね平板矩形状の部材である。第1ガイド部材31は、その基端部(後方側の端部)が支軸88に支持されている。支軸88は、その両端をプリンタ部11のフレーム(不図示)に回転可能に支持されている。これにより、第1ガイド部材31は、支軸88を回動中心軸として矢印77の方向へ回動可能である。第1ガイド部材31は、回動することによって、反転搬送路67の少なくとも一部を形成して反転搬送路67において記録用紙を案内可能な第3姿勢(図2に実線で示される姿勢、本発明の第3姿勢に相当)と、支軸88よりも前方側が下側へ回動して第3姿勢よりも第2ガイド部材32から離間する第4姿勢(図2に破線で示される姿勢、本発明の第4姿勢に相当)とのいずれかの姿勢になることが可能である。
[第3ガイド部材33]
第3ガイド部材33は、概ね平板矩形状の部材である。図2及び図4に示されるように、第3ガイド部材33は、その基端部(前方側の端部)が第3搬送ローラ45の支軸85に回動自在に支持されている。このため、第3ガイド部材33は、支軸85の周りを自由に回動することができ、支軸を回動中心軸として矢印78の方向へ回動可能である。第3ガイド部材33は、回動することによって、分岐口36から後方斜め下方へ延出されて反転搬送路67の少なくとも一部を形成して、反転搬送路67において記録用紙を案内可能な第5姿勢(図2及び図4に実線で示される姿勢、図6(A)に示される姿勢、本発明の第5姿勢に相当)と、第5姿勢よりも下側へ回動して第5姿勢よりも第2ガイド部材32の下面から離間する第6姿勢(図2に破線で示される姿勢、及び図6(B)に示される姿勢、本発明の第6姿勢に相当)とのいずれかの姿勢になることが可能である。
図5に示されるように、第3ガイド部材33は、記録用紙が支持される上面33Aからその反対側の下面33Bへ貫通する長方形状の貫通孔118を有している。この貫通孔118は、記録用紙が上面33Aに押し付けられる過程において、空気の逃げ道の役割を担っている。また、この貫通孔118は、第3ガイド部材33が支軸87から鉛直下方へ延びる第6姿勢となったときに、ユーザが開口13側から反転搬送路67の内部を目視確認するための窓の役割を担っている。貫通孔118は、第2搬送向きに直行し且つ上面33Aに沿う方向、つまり、支軸85の軸方向(複合機10の左右方向9)へ並ぶようにして複数個形成されている。本実施形態では、合計14個の貫通孔118が形成されている。いずれの貫通孔118も、支軸85から遠ざかる方向に長い長方形状に形成されている。貫通孔118には、面積が大きい長方形状の貫通孔118Aと、面積が小さい長方形状の貫通孔118Bの2タイプがある。2つの貫通孔118Aが第3ガイド部材33の中央で互いに隣接して対をなすように配置されており、その両側それぞれに2つの貫通孔118Bが隣接して対をなすように配置されている。更にそれらの外側には2つの貫通孔118Aが隣接して配置されており、更にそれらの外側には2つの貫通孔118Bが隣接して配置されている。
第3ガイド部材33の第2搬送向きの下流側の先端部には、第2搬送向きの下流側へ突出する突出片101が設けられている。本実施形態では、図6に示されるように、2つ突出片101が第3ガイド部材33に設けられている。より詳細には、第3ガイド部材33の先端部の軸方向両端それぞれに突出片101が設けられている。先端部の下側から延びている。この突出片101の上面102(図4参照)は、第3ガイド部材33が第6姿勢から第5姿勢へ向けて回動される際に、第1ガイド部材31の第2搬送向きの上流側の端部103(図2参照)と当接して、この端部103を下側から掬い上げる。
[第4ガイド部材34]
第4ガイド部材34は、概ね平板矩形状の部材である。反転搬送路67を搬送される記録用紙は、第4ガイド部材34によって合流口37から湾曲路65Aへ案内される。
[第4搬送ローラ68]
図2に示されるように、反転搬送路67には、第4搬送ローラ68及び従動ローラ69よりなる搬送ローラ対70が設けられている。従動ローラ69は、記録部24よりも下方であって第4搬送ローラ68よりも上方に配置されている。第4搬送ローラ68は、コイルバネ(不図示)によって従動ローラ69のローラ面に圧接されている。第4搬送ローラ68は、搬送用モータから正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正回転方向又は逆回転方向に回転駆動される。本実施形態においては、搬送ローラ対70は、搬送用モータが逆転の向きに回転された場合に、第4搬送ローラ68と従動ローラ69との間に記録用紙を挟持することによって、反転搬送路67に搬送されてきた記録用紙を第2搬送向きに搬送する。
[スイッチバック動作]
以下、図7を参照して、プリンタ部11において両面画像記録が行われたときのスイッチバック動作について説明する。ここで、図7の(A)には記録用紙Sの進行方向先端が分岐口36に到達した状態が示されており、(B)には記録用紙Sの後端がフラップ49によって押し下げられている状態が示されており、(C)にはスイッチバック後の記録用紙Sの進行方向先端が第4搬送ローラ67によって挟持搬送されている状態が示されている。
記録用紙Sがフラップ49に到達していない状態では、フラップ49は、常時において、その自重によって反転姿勢(図2に実線で示される姿勢)となっており、第1補助ローラ47は凹部84に進入している。この状態で記録用紙Sが第1搬送向きへ搬送されると、記録用紙Sの先端が第1補助ローラ47に接触する。更に記録用紙Sが同向きに搬送されることにより、記録用紙Sによって凹部85が徐々に塞がれるとともに、記録用紙Sの当接によって当該記録用紙Sから受ける第1搬送向きの力によって第1補助ローラ47が上方へ押し上げられる。これに伴い、フラップ49は支軸87を中心に回動して、反転姿勢から排出姿勢(図2に破線で示される姿勢)へと変化する(図7(A))。
更に記録用紙Sが同向きへ搬送され、記録用紙Sの後端が第1補助ローラ47を通過すると、第1補助ローラ47が凹部84に進入可能となる。第1補助ローラ47が凹部84に進入すると、フラップ49は再び反転姿勢となり、第2補助ローラ48が記録用紙を下方へ押さえ付ける(図7(B)。これにより、記録用紙Sの後端が分岐口36よりも下方へ曲げられる。このとき、記録用紙Sと第3ガイド部材33の上面33Aとの間に存在する空気は、第3ガイド部材33の貫通孔118を通って第3ガイド部材33の下側へ抜ける。このため、貫通孔118がない場合に比べて、記録用紙Sの後端が上面33Aに当接するまでに要する時間が短縮する。
記録用紙Sの後端が分岐口36付近に到達したタイミングで、第3搬送ローラ45が逆転される。これにより、記録用紙Sがスイッチバック搬送される。つまり、記録用紙Sが第3ガイド部材33の上面33Aに案内されながら、反転搬送路67へ向けて搬送される(図7(C))。
[トレイ20の挿抜による第3ガイド部材33及び第1ガイド部材31の姿勢変化]
本実施形態においては、第3ガイド部材33は、下方から支持されない限り、自重によって下方へ回動した姿勢となる。つまり、トレイ20がケーシング14の開口13から脱抜されている状態では、図2の波線で示されるように、第3ガイド部材33は第6姿勢となる。言い換えると、トレイ20は、ケーシング14から脱抜された状態において第3ガイド部材33を第6姿勢へ姿勢変化可能とするものである。第3ガイド部材33が第6姿勢のときは、第1ガイド部材31は、下方から支持されていないので、その自重によって下方へ回動した姿勢となる。つまり、トレイ20がケーシング14の開口13から脱抜されている状態において、第1ガイド部材31は第4姿勢となる。言い換えると、第3ガイド部材33は、第6姿勢において第1ガイド部材31を第4姿勢へ姿勢変化可能とするものである。
この状態において、トレイ20がケーシング14の開口13から後方に向かって挿入されると、挿入過程において排紙保持部79の凸部112が、第3ガイド部材33の下面33Bに当接する。そのまま、トレイ20の挿入が続行されると、第3ガイド部材33は、凸部112に押されることによって、上方に回動する。そして、図2に示されるように、トレイ20がケーシング14の最奥まで挿入された状態、つまりトレイ20が装着された状態において、第3ガイド部材33は、凸部112に支持されることによって、第5姿勢に保持される。また、第3ガイド部材33がトレイ20に押されることによって上方へ回動されると、第3ガイド部材33の突出片101の上面102は、第1ガイド部材31の端部103と当接して、この端部103を下側から掬い上げるようにして支持する。これにより、第1ガイド部材31は、上面102に押し上げられることによって上方に回動し、トレイ20が装着された状態となったときには、第1ガイド部材31は、上面102に支持されることによって、第3姿勢を保持する。
[実施形態の作用・効果]
上述の実施形態においては、第3ガイド部材33に複数の貫通孔118が設けられているから、記録用紙の後端が第1補助ローラ47を通り抜けたことによりフラップ49の第2補助ローラ48によって押し下げられたときに、記録用紙の後端側と第3ガイド部材33の上面33Aとの間に存在する空気が貫通孔118を通って第3ガイド部材33の反対側へ抜ける。そのため、記録用紙の後端が上面33Aへ向かって下降するときの空気の抵抗が小さくなる。これにより、記録用紙の後端が上面33Aに当接するまでに要する時間が短縮し、その後のスイッチバック搬送が素早く行われることになる。その結果、スイッチバック時のシートの搬送速度を上げることができ、ひいては、複合機10のスループットが向上する。また、トレイ20が脱抜されたときに第3ガイド部材33が第6姿勢となっていても、ユーザは、複数の貫通孔118を通じて反転搬送路67内を目視することができる。このため、ユーザは、第3ガイド部材33を動かすことなく、反転搬送路67に記録用紙が詰まっているかどうかを確認できる。
なお、上述の実施形態では、第3ガイド部材33が支軸85を中心に回動自在な構成としたが、第3ガイド部材33が図2で実践で示される第5姿勢で固定され、第1ガイド部材が回動せずに第3姿勢で固定された構成であっても本発明は適用可能である。この場合でも、貫通孔118から空気が抜けることにより記録用紙の後端が素早く上面33Aに達することができ、また、貫通孔118から反転搬送路67内を目視することができる。
10:複合機
20:トレイ
24:記録部
31:第1ガイド部材
32:第2ガイド部材
33:第3ガイド部材
45:第3搬送ローラ
47:第1補助ローラ
48:第2補助ローラ
49:フラップ
65:搬送路
67:反転搬送路
85:支軸
87:支軸
118:貫通孔

Claims (9)

  1. シートを第1搬送向きへ案内する第1搬送路と、
    上記第1搬送路においてシートに画像を記録する記録部と、
    上記記録部より上記第1搬送向き下流側に設けられた分岐口で上記第1搬送路から分岐され、上記記録部より上記第1搬送向き上流側に設けられた合流口で上記第1搬送路と合流するように延びており、シートを上記分岐口から上記合流口に向かう第2搬送向きへ案内する第2搬送路と、
    上記分岐口よりも上記第1搬送向き下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラと、
    上記分岐口から斜め下方へ延出されて上記第2搬送路の下側ガイド面を形成するとともに、上記分岐口より上記第1搬送向き下流側でスイッチバックされたシートを支持しつつ上記第1搬送路から上記第2搬送路へ案内するガイド部材と、
    上記分岐口よりも上記第1搬送向き上流側の支軸から上記第1搬送向き下流側へ延出され、上記分岐口よりも上方に位置する第1姿勢と少なくとも延出端が上記分岐口から上記第2搬送路に進入する第2姿勢との間で上記支軸を中心に回動自在に支持されたフラップと、
    上記フラップに設けられ、当該フラップの上記第2姿勢において、上記第2搬送路を搬送されるシートに当接可能な当接部と、を備え、
    上記ガイド部材は、上記第2搬送向きにおいて、上記第2姿勢の上記フラップの上記当接部に対面する位置に、シートが支持される下側ガイド面から反対側へ貫通する貫通孔を有している画像記録装置。
  2. 上記貫通孔は、上記第2搬送向きに直交し且つ上記下側ガイド面に沿う方向へ複数個設けられている請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 装置本体に着脱可能なように上記第2搬送路の下側に設けられ、シートを保持可能なトレイを更に備え、
    上記第2搬送路は、上記ガイド部材より上記第2搬送向き下流側の少なくとも一部が相互に対向するガイド面を構成する下側の第1部材及び上側の第2部材により構成されており、
    上記第1部材は、上記第2搬送路においてシートを案内可能な第3姿勢と、上記第3姿勢より上記第2部材から離間した第4姿勢とに姿勢変化可能に設けられており、
    上記ガイド部材は、上記第2搬送路においてシートを案内可能な第5姿勢と、上記第5姿勢より対向するガイド面から離間された第6姿勢との間で回動自在なように、上記分岐口側の基端が上記搬送ローラの支軸に支持されており、上記第5姿勢において、上記第1部材を上記第3姿勢に保持し、上記第6姿勢において上記第1部材を上記第4姿勢へ姿勢変化可能とするものであり、
    上記トレイは、当該装置に装着された状態において上記ガイド部材を上記第5姿勢に保持し、当該装置から脱抜された状態において上記ガイド部材を上記第6姿勢へ姿勢変化可能とするものである請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 上記フラップは、上記第1搬送路を搬送されるシートに対して、上記第2姿勢において当接可能な拍車状の第1補助ローラを有する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 上記当接部には、上記第2搬送路を搬送されるシートに対して当接可能な拍車状の第2補助ローラが設けられている請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置
  6. 上記フラップは、常時上記第2姿勢に付勢されている請求項1から5のいずれかに記載の画像記録装置
  7. 上記第2姿勢への付勢力は、上記フラップの自重によるものである請求項6記載の画像記録装置
  8. 上記第1姿勢への付勢力は、上記第1搬送路を搬送されるシートから受ける上記第1搬送向きの力によるものである請求項6記載の画像記録装置
  9. シートを第1搬送向きへ案内する第1搬送路と、
    上記第1搬送路においてシートに画像を記録する記録部と、
    上記第1搬送路に設けられた分岐口から分岐され、上記記録部より上記第1搬送向き上流側に設けられた合流口で上記第1搬送路と合流するように延びており、シートを上記分岐口から上記合流口に向かう第2搬送向きへ案内する第2搬送路と、
    上記分岐口よりも上記第1搬送向き下流側に設けられ、シートを搬送する搬送ローラと、
    上記分岐口から斜め下方へ延出されて上記第2搬送路の下側ガイド面を形成するとともに、上記分岐口より上記第1搬送向き下流側でスイッチバックされたシートを支持しつつ上記第1搬送路から上記第2搬送路へ案内するガイド部材と、
    上記分岐口よりも上方に位置する第1姿勢と、少なくとも一部が上記分岐口から上記第2搬送路に進入する第2姿勢との間で回動自在に設けられたフラップと、
    上記フラップに設けられ、当該フラップの上記第2姿勢において、上記第2搬送路を搬送されるシートに当接可能な当接部と、を備え、
    上記ガイド部材は、上記第2搬送向きにおいて、上記第2姿勢の上記フラップの上記当接部と対面する位置に、シートが支持される下側ガイド面から反対側へ貫通する貫通孔を有している画像記録装置。
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