JP5707822B2 - ノズル、冷却装置および冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッダに設けられ、熱鋼板上面を冷却するノズル、およびこのノズルを使用した冷却装置、冷却方法に関わり、特に、熱間圧延された熱延鋼帯、厚板等の加熱された熱鋼板を上方から冷却するノズル、該ノズルを使用した冷却装置および冷却方法に関するものである。
図1に示すように、熱鋼板の1つとして例えば、熱延鋼帯を製造するには、加熱炉1においてスラブを所定温度に加熱し、加熱されたスラブを粗圧延機2で圧延して粗バーとなし、ついでこの粗バーを複数基の圧延スタンドからなる連続熱間仕上圧延機3において所定の厚みの熱延鋼帯6となす。そして、ランアウトテーブルに設置された冷却装置4から熱延鋼帯の上部および下部から冷却水を供給することによって熱延鋼帯を冷却した後、巻取機5で巻き取ることにより製造される。
鋼板の品質はこの冷却装置による熱鋼板の冷却により大きく変化する。熱鋼板の長手・幅方向で冷却能力がばらつくと、材質のばらつきが生じる。通常、熱鋼板を上面から冷却する冷却装置では、ヘッダに接続された円管状の冷却ノズルから冷却水が熱鋼板上に注水されるが、ノズルから噴出する流れが不安定である場合、ノズルから噴射した後の流れが捩れたりし、ノズル毎に冷却能力のばらつきが発生することにより、熱鋼板の長手・幅方向で材質のばらつきを生じさせる。そのため、ノズルから噴出する流れ(以降、ラミナーと称する)を安定化させる試みがなされてきた。
一般に、ノズルの内径が大きくなるにしたがい、ノズルから噴射される冷却水の流れが安定することが知られている。しかし、ノズル内径が大きくなるにしたがい、ノズルにおける圧力損失が減少するため、ヘッダ内の圧力が低い状態で冷却水を噴射しなければならない。その場合、熱鋼板の幅方向に複数あるノズルの一部で安定したラミナーフローが得られない。そのため、特許文献1に記載された技術のように、ノズルの冷却水流入口に絞り部を設置する等の工夫が必要である。
ところで、従来一般的に使用されてきた、熱鋼板の上面に冷却水を注水して冷却する冷却装置の冷却ノズルは図2や図3に示されるようなものである。
図2には、熱間圧延ラインの熱鋼板の冷却において多用されているタイプの1つである冷却ノズル8が示されている。このノズルはヘアピン型と呼ばれているもので、一端がヘッダ7の上部に接続され、ヘッダからの冷却水を噴射する他端がヘッダ7の左右の側面に隣接する位置に垂下しており、逆U字状をなしている。そして、このようなノズルがヘッダに、熱鋼板の幅方向に所定の間隔をとって複数本接続されている。
また、図3に示されるように、ヘアピン型とは異なる直管型のノズルを備える冷却装置も使用されている。図3に示される冷却装置では、下部ヘッダ7に山型の屋根部9を重ねて冠着し、該下部ヘッダ7の上部壁と該屋根部9とで形成される室で上部ヘッダ10を形成し、冷却水が下部ヘッダ7から上部ヘッダ10へ供給できるようになっており、直管状のノズル8が上部ヘッダ10内より下部ヘッダ7を貫通して垂下している。下部ヘッダ7に給水された冷却水は、上部ヘッダ10に至り、ノズル8上端の冷却水流入口からノズル8内部に流入し、ノズル下端から噴射される。そして、このようなノズル8が、上部ヘッダと下部ヘッダからなるヘッダに、熱鋼板の幅方向に所定の間隔をとって、複数本接続されている。
上記の図2に示されるヘアピン型ノズルにおいて、ノズルから噴射される冷却水の流れを安定化させる技術として、特許文献1には、ノズルの曲がり部とヘッダの接続部との間に絞り部を設けることにより、広い水量範囲に渡ってラミナーフローを維持できるノズルの発明が記載されている。
しかし、このヘアピン型ノズルは、ノズル曲がり部や絞り部を有しているため、その内面には水垢や錆が固着、堆積しやすく、清掃を頻繁に実施する必要があり、しかもその清掃には困難をともなう。
また、従来の直管型のノズルは、後述するように、十分に安定した柱状の冷却水を噴出することが困難であった。
特公昭53−36809号公報 実公昭63−44168号公報
本発明は、上記の実情に鑑み、ノズルから鋼板上面に柱状の冷却水を安定した状態で噴出することができるヘッダのノズル、およびこのノズルを使用した冷却装置、冷却方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
[1]ヘッダに設けられ、柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズルであって、該ノズルは直管状の外ノズルと、長さが外ノズルよりも短く、かつ外径が外ノズルの内径よりも小さい直管状の内ノズルとからなり、内ノズルは外ノズル内に同心円状に配置して外ノズルと内ノズルとで二重管構造とし、ヘッダから内ノズルおよび外ノズルの上端から冷却水が流入するようになっており、かつ内ノズル下端部の冷却水流出口は外ノズル下端部の冷却水流出口よりも上方に位置していることを特徴とする、柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
[2]外ノズルの内径を10〜50mmとし、内ノズルの内径を外ノズルの内径の30%〜60%とすることを特徴とする、[1]に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
[3]内ノズル下端部の冷却水流出口は外ノズル下端部の冷却水流出口よりも30mm〜180mm上方に位置することを特徴とする、[1]または[2]に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
[4]内ノズル下端部先端の内面を面取りしたことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
[5]内ノズル下端部先端の内面を、ノズル軸方向に対して15〜45°の角度となすように面取りしたことを特徴とする、[4]に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の前記ノズルを複数本、搬送される熱鋼板の幅方向にヘッダに設けたことを特徴とする、熱鋼板の冷却装置。
[7][6]に記載の熱鋼板の冷却装置を使用した熱鋼板の冷却方法。
本発明の冷却ヘッダに設けられたノズルは、柱状の冷却水を安定した流れの状態で噴出することができるので、熱鋼板の冷却において、長手・幅方向で高い冷却均一性を有した冷却が可能となり、材質のばらつきが小さく品質の高い鋼板を製造することができる。
熱延鋼帯の圧延ラインの概略を示す図である。 一般的なヘアピン型ノズルの側面図である。 一般的な直管型ノズルの側面図である。 本発明のノズルの概略図である。 (a)は従来の単管型のノズルの流速分布、(b)は本発明の内ノズル下端部の先端内面を面取りしない場合のノズルの流速分布、(c)は本発明の内ノズル下端部の先端内面を面取りした場合のノズルの流速分布をそれぞれ示す。 本発明(二重管型ノズル)と従来例(単管型ノズル)の場合における鋼板上での圧力変動値を示す。実線は本発明(二重管型ノズル)の場合を、破線は従来例(単管型ノズル)の場合を、それぞれ示す。 外ノズル下端部の冷却水流出口の位置を基準とした内ノズル下端部の冷却水流出口の位置(L)と圧力変動値との関係を示す図である。 v1/v2と圧力変動値との関係を示す図で、本発明の冷却装置の内ノズル下端部の先端内面が面取りされているものと内ノズル下端部の先端内面が面取りされていないものとを比較した図である。 (a)は本発明の冷却装置についての一実施例の側面図、(b)はその正面図をそれぞれ示す。
図9に本発明の冷却装置の実施形態の1例の概略図を示す。
図9における冷却装置は、下部ヘッダ7に山型の屋根部9を重ねて冠着し、該ヘッダ7の上部壁と該屋根9とで形成される室で上部ヘッダ10を形成し、下部ヘッダ7上部壁の数箇所に形成された、図示しない孔を経て冷却水が下部ヘッダ7から上部ヘッダ10へ供給できるようになっており、該鋼板の幅方向に所定の間隔で取り付けられた複数本の直管状の外ノズル8が上部ヘッダ10内より下部ヘッダ7を貫通して垂下している。
そして、外ノズル8の内側(管内側)には、長さが外ノズルよりも短く、かつ外径が外ノズルの内径よりも小さい直管状の内ノズル12が、外ノズルと同心円状に、かつ、内ノズル下端部が外ノズル下端部よりも上方に位置するように配置されている。したがって、外ノズルと内ノズルとにより、二重管構造を形成している。ここでは、内ノズル上端部と外ノズル上端部の双方の先端をおおむね同一高さになるように揃えて、外ノズルと内ノズルとで、二重管構造を形成している。
なお、内ノズルは外ノズル8の内側に図示しない支持器具で固定されている。この支持器具は冷却水の流れを実質的に妨げるものではない。
給水管15から下部ヘッダ7に給水された冷却水は、前記孔を経て上部ヘッダ10に至り、外ノズル8の上端および内ノズル12の上端から流入し、外ノズル8下端部および内ノズル12の下端部の流出口から噴射される。13は冷却水を、14はテーブルローラをそれぞれ示している。
図4に基づいて、本発明のノズルおよび冷却装置をさらに詳しく説明する。
外ノズル8と内ノズル12とは同心円状に配置されており、上部ヘッダ10の冷却水は、外ノズル上端部の流入口と内ノズル上端部の流入口とから、ノズル内に流入することになる。
流入口は、流量調整部材11により、各ノズルの流量が適切になるように調整されてもよい。
この流量調整部材11は、例えば、特許文献2に記載のオリフィスこまのように、小径の孔を有する部材を流入口に装着して、流路を狭くして変化させることにより圧力損失を調整し、各ノズルが所定の流量になるようにするものである。このように流量調整部材11は、流路を狭くしてノズル(内ノズルと外ノズル、あるいはその一方)の流量を変えられるものであればよい。
図4では、内ノズル12の流入口に設けられた流量調整部材11が示されている。ここでの流量調節部材11は、内ノズルの内径よりも小さい内径を有する円環状のリング状部材であり、リング状部材の内側部分が小孔を形成して、内ノズルの流路を狭めている。また、リング状部材の外側部分が外ノズルの流路を若干狭めている。このように、リング状部材の内径と外径とを変えることにより、内ノズルの流量と内ノズルと外ノズルで形成される流路の流量を調節することができる。
また、このようなリング状部材を、内径を内ノズルの外径よりも大きくして、内ノズルではなく外ノズルに設け、内ノズルと外ノズルで形成される流路の流量を狭くすることにより、相対的に内ノズルの流量と内ノズルと外ノズルで形成される流路の流量を調節することもできる。
なお、内ノズルと外ノズルの径(外径や内径)等を予め、内ノズルの流量と内ノズルと外ノズルで形成される流路の流量が所定のものになるように製作しておけば、流量調節部材11は取り付ける必要はない。また、流路調整部材11に相当するものを内ノズルや外ノズルに一体的に製作することもできる。
他方、各ノズルの冷却水流出口については、内ノズル下端部の流出口は外ノズル下端部の流出口の位置よりも上方にある。このため、内ノズルの流出口から噴射された冷却水は、外ノズル内の冷却水と合流し、外ノズル下端部の流出口から噴射される。内ノズルと外ノズルとは、内ノズルと外ノズルの中心軸が一致するように、すなわち同心円状に、図示しないスペーサ等により調整される。なお、このスペーサ等も冷却水の流れを実質的に妨げるものではない。
図5(a)に従来の、内ノズルを有さない単管型のノズルの流速分布を、図5(b)に本発明の内ノズルと外ノズルからなり、両ノズル長が重複する部分で二重管を構成するノズルで、内ノズルの先端の内側を面取りしていない場合の流速分布を、図5(c)に、図5(b)と同様の本発明の内ノズルと外ノズルからなる二重管を構成するノズルで、内ノズル下端部の先端内側を面取りした場合の流速分布を示す。
以下において、図5(b)および図5(c)に示されるノズルを二重管型のノズルということがある。
図5(a)に示すような従来のノズルでの流速分布が示すように、ノズルから噴射された柱状の冷却水は、ノズルの内壁面での半径方向の速度勾配が大きいため乱れが大きく、柱状の安定した流れを維持することができない。
他方、図5(b)に示すような本発明の内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを用いることにより、外ノズルの内壁面における速度勾配を緩やかにすることで、柱状冷却水の乱れを抑制して、柱状の安定した流れを維持することができる。さらに、図5(c)のように、内ノズル下端部の先端内面を面取りすることにより、内ノズルの流出口における非連続な流速分布を解消することができ、一層、柱状冷却水の乱れを抑制して、柱状の安定した流れを維持することができる。
本発明の二重管型ノズルの場合においては、内ノズル下端の流出口における内ノズルの冷却水の平均流速をv1、内ノズル下端の流出口部位における外ノズルの冷却水(内ノズルの冷却水は含まない)の平均流速をv2、外ノズル下端の流出口における冷却水の平均流速をv3とし、従来および本発明のノズルを用いた場合の、v3と圧力変動値の関係およびv1/v2(上部の横軸)と圧力変動値の関係を図6に示す。
また、従来の単管型ノズルの場合においては、v1、v2は存在しないが、単管型ノズル下端の流出口における冷却水の平均流速をv3として、v3と圧力変動値の関係を図6に示す。
ここで、実線はノズルは、図5(b)の二重管型のノズルの場合を表し、破線は図5(a)の従来の単管型ノズルの場合を示している。前者の二重管型のノズルについては、外ノズルの外径と内径はそれぞれ19mm、15mm、長さは1000mm、内ノズルの外径と内径はそれぞれ7mm、5mm、長さは900mmである。後者の単管型ノズルについては、ノズルの外径と内径はそれぞれ19mm、15mm、長さは1000mmである。
ここで、圧力変動値とは、冷却水が鋼板上に着水する位置に設置した圧力センサで圧力を測定した値の変動のことを言う。ノズル流出口から噴射される柱状の冷却水の流れ(ラミナー)が安定である条件は、圧力変動値が±10%以内である。
図6に示すように、本発明のノズルではv3が4.2m/s、v1/v2が1.5で圧力変動値が最も小さく、ラミナー性が最も良くなり、従来のノズルよりもラミナー性が著しく良くなる。v1/v2が1.1〜1.9の範囲で圧力変動値が±10%以内であり、かつ従来よりも圧力変動値が小さい。したがって、v1/v2が1.1〜1.9の範囲が好適である。v1/v2を1.2〜1.8とすると、圧力変動値が±7%以内あるいは±6%以内となりさらに好適である。
v1/v2が1.8を超えた場合、内ノズルの流出口における流速分布に大きな段差ができるため、流れが乱れる。また、v1/v2が1.1未満の場合、従来のノズルと同様の流れとなり、効果がない。
また、図6より、外ノズル下端部の流出口における平均流速は3.3〜5m/sの範囲で、圧力変動値が±10%以内であり好適である。平均流速が3.3m/s未満であれば、従来のノズルの方が乱れを抑制できるため、わざわざ2重管構造のノズルを使う意味がない。また、平均流速が5m/sを超えると、流速が速すぎるため、乱れが非常に大きくなる。
これに対して、単管型ノズル(破線)の場合は、圧力変動値が比較的高く、単管型ノズル下端の流出口における冷却水の平均流速v3が比較的小さい範囲で圧力変動値が±10%以内になるが、v3の増加とともに圧力変動値が単調増加傾向を示し、v3が3.7m/sあたりで±10%を超えることが分かる。
図7に、v1/v2は最適値の1.5とした場合の、外ノズルの流出口と内ノズルの流出口との距離Lと圧力変動値の関係を示す。
図7に示すように、外ノズルの流出口と内ノズルの流出口との距離は30mm〜180mmの範囲において、圧力変動が±10%となるため、好適である。
外ノズル下端部の流出口と内ノズル下端部の流出口との距離が30mm未満の場合、内ノズルと外ノズルの冷却水が合流し、流れが発達する間がなく、なだらかな流速分布になる前に外ノズル流出口から冷却水が噴射されるため、柱状冷却水の乱れが大きい。
また、外ノズル下端部の流出口と内ノズル下端部の流出口との距離が180mmより大きい場合、外ノズル内で流速分布が十分に発達し、図5(a)のような、従来のノズルと同様の流速分布となり、乱れが大きい。
図8に、内ノズル下端部の先端内面での面取りがない場合とある場合とについて、v1/v2と圧力変動値の関係を示す。実線は内ノズル下端部の先端内面が面取りされていないノズルの場合、破線は内ノズル下端部の先端内面がノズル軸方向に対して30°で面取りされている場合を示す。
図8に示すように、本発明の冷却装置では、内ノズル下端部の先端内面が面取りされているノズルの方が圧力変動値が小さくなり、ラミナー性が良くなる。
面取りをすることにより、内ノズルの流出口において、図5(c)に示すように、内ノズルと外ノズルの流速分布の不連続性が解消されてなだらかになり、流れの安定性が向上する。
面取りは、内ノズル下端部の先端内面をノズル軸方向に対して15〜45°の角度の面取りとするのが好ましい。
面取りの角度が15°より小さい場合は先端が鋭利になり、加工費が増大するため、よくない。また、面取りの角度が45°を超える場合は、面取りの効果がなくなるため、よくない。
外ノズルの内径を10〜50mm、内ノズルの内径を外ノズルの内径の30%〜60%とするのが好適である。
外ノズルの内径が50mmより大きい場合、冷却水がノズル内部に充満しにくくなり、また、外ノズルの内径が10mmより小さい場合、噴射される冷却水の速度が速くなりすぎて流れが乱れる。
内ノズルの内径が外ノズルの30%より小さい場合、内ノズルの流路が小さ過ぎて、内ノズルから噴射される流れが乱れる。また、内ノズルの内径が外ノズルの60%より大きい場合、外ノズルの流路が狭くなり、内ノズルと外ノズルの流れが合流する位置で乱れが大きくなる。
実施例は、熱鋼板として熱延鋼帯を採用し、図1に示す熱延鋼帯の圧延ラインにおいて、図9に示す上部ヘッダと下部ヘッダを有する冷却装置により冷却を行い、冷却装置のヘッダに設けるノズルを換えることにより実施した。
以下の実施例(本発明例1〜3および比較例1〜4)では、いずれもヘッダに設けられるノズルの熱鋼板幅方向におけるピッチが50mm、ノズルの本数が48本である。
なお、いずれの実施例にも流量調整部材は使用していない。
比較例1として、図9に示す装置において、図5(a)に示される、従来の単管型のノズルを使用して熱鋼板を冷却した。
該ノズルは、内径が15mm、外径が19mm、長さが1000mm、下端の冷却水流出口と熱鋼板上面との距離は1500mmとした。
ノズル1本当りの流量は40L/minである。ノズル下端の流出口と熱鋼板表面との距離は1500mmである。なお、L/minの「L」はリットルを指している(以下同じ)。
以下の本発明例1〜3および比較例2〜4では、図9に示す装置において、図5(b)あるいは5図(c)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。これらの実施例において、外ノズルの長さは、いずれも1000mm、外ノズルと熱鋼板上面との距離は、いずれも単管型のノズルの場合と同様に1500mmとした。
本発明例1として、図5(b)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。
外ノズルは、内径が15mm、内ノズルは、内径が5mm、外径が7mm、長さが900mmである。内ノズル下端の冷却水流出口は、外ノズル下端の冷却水流出口よりも、100mm上方に位置し、内ノズルの先端内面は面取りされていない。
外ノズルの流量は33L/min、内ノズルの流量は7L/minである。
比較例2として、図9に示す装置において、図5(b)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。
外ノズルは、内径が15mm、内ノズルは、内径が5mm、外径が7mm、長さが900mmである。内ノズル下端の冷却水流出口は、外ノズルの冷却水流出口よりも、100mm上方に位置し、内ノズルの先端内面は面取りされていない。
外ノズルの流量は30L/min、内ノズルの流量は10L/minである。
比較例3として、図9に示す装置において、図5(b)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。
外ノズルは、内径が15mm、内ノズルは、内径が5mm、外径が7mm、長さが800mmである。内ノズル下端の冷却水流出口は、外ノズルの冷却水流出口よりも、200mm上方に位置し、内ノズルの先端内面は面取りされていない。
外ノズルの流量は33L/min、内ノズルの流量は7L/minである。
比較例4として、図9に示す装置において、図5(b)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。
外ノズルは、内径が5mm、内ノズルは、内径が1mm、外径が3mm、長さが900mmである。内ノズル下端の冷却水流出口は、外ノズルの冷却水流出口よりも、100mm上方に位置し、内ノズルの先端内面は面取りされていない。
外ノズルの流量は12L/min、内ノズルの流量は1.2L/minである。
本発明例2として、図9に示す装置において、図5(c)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。
外ノズルは、内径が15mm、内ノズルは、内径が5mm、外径が7mm、長さが900mmである。内ノズル下端の冷却水流出口は、外ノズルの冷却水流出口よりも、100mm上方に位置し、内ノズルの先端内面はノズル軸方向に対して60°で面取りされている。
外ノズルの流量は33L/min、内ノズルの流量は7L/minである。
本発明例3として、図9に示す装置において、図5(c)に示される、内ノズルと外ノズルからなる二重管型のノズルを使用して冷却を行った。
外ノズルは、内径が15mm、内ノズルは、内径が5mm、外径が7mm、長さが900mmである。内ノズル下端の冷却水流出口は、外ノズルの冷却水流出口よりも、100mm上方に位置し、内ノズルの先端内面はノズル軸方向に対して30°で面取りされている。
外ノズルの流量は33L/min、内ノズルの流量は7L/minである。
上記の本発明例1〜3および比較例1〜4のノズルを有する冷却装置を使用して、仕上げ板厚3.0mm、引張強度550MPaの鋼帯を製造した。仕上圧延機出側での搬送速度は鋼板先端部で650mpm、鋼帯先端部が巻取機に到達して以降は順次速度を上げて最高800mpmまで増速した。鋼板の仕上圧延機出側の温度は860℃で、冷却装置を使って、巻取機手前の温度計の指示が500℃となるように冷却ゾーンの長さを制御した。
それぞれについて、ノズルから噴出する冷却水の圧力変動値をオフラインで測定した。また、巻取温度のばらつきΔTおよび引張強度のばらつきΔTSを測定した。その結果を表1に示す。
単管型のノズルである比較例1では、圧力変動値が15%、ΔTが23℃であり、その結果、TSが550MPaに対し、ΔTSが22MPaに達しした。
これは、すでに記載したように、ノズルから噴射された柱状冷却水のノズル内壁面での半径方向の速度勾配が大きいため、柱状冷却水の乱れが大きいためと考えられる。
外ノズルと内ノズルからなる二重管型のノズルである本発明例1では、内ノズルの下端の流出口と外ノズルの下端の流出口との距離(この距離を「Loi」と表記する)が100mmであり、v1、v2がそれぞれ5.9m/s、4.0m/sとなりv1/v2は1.5である。そして、冷却水の圧力変動値が8%であり10%以下の抑えることができ、ΔTは14℃、TSの変動ΔTSは13MPaに低減することができた。
なお、v1は内ノズル下端の流出口での冷却水の平均流速であり、流量を該流出口の面積で除することにより求めることができる。また、v2は内ノズル下端の流出口部位での外ノズルの冷却水の平均流速であり、外ノズルの流量(内ノズルの流量は含まない)を、内ノズル下端の冷却水の流出口面積を除いた、内ノズル下端の流出口部位での外ノズル流路面積で除することにより求めることができる。
比較例2は、本発明例1と同様に二重管型ノズルであり、Loiが100mmであるが、v1、v2がそれぞれ8.5m/s、3.6m/sとなりv1/v2が2.4であり、v1/v2の好適な範囲1.1〜1.8を外れるため、圧力変動値が20%、ΔTが31℃であり、その結果、TSが550MPaに対し、ΔTSが30MPaにも達した。
比較例3は、本発明例1と同様に二重管型ノズルでありv1/v2は本発明例1と同じ1.5であるが、Loiが200mmであるため、圧力変動値が18%、ΔTが29℃であり、その結果、TSが550MPaに対し、ΔTSが29MPaに達した。
比較例4は、本発明例1と同様に二重管型ノズルであり、上記の距離Loiが100mm、v1/v2が1.5であり、本発明例1と同じであるが、外ノズルの内径が5mmであり、好適な範囲10〜50mmを外れ、また内ノズルの内径と外ノズルの内径の比(B/A)も0.20であり、好適な範囲(すなわち内ノズルの内径を外ノズルの内径の30%〜60%とする)を外れている。このため、圧力変動値が25%、ΔTが37℃であり、その結果、TSが550MPaに対し、ΔTSが36MPaにも達した。
本発明例2では、本発明例1と同様に、二重管型ノズルであり、Loiが100mm、v1/v2は1.5であり、本発明例1と同じであるが、内ノズル先端内面が面取りされている。
面取りの角度が60°であり、好適な範囲15〜45°を外れているものの、冷却水の圧力変動値が7%であり10%以下の抑えることができ、ΔTは13℃、TSの変動ΔTSは13MPaに低減することができた。
本発明例3は、本発明1、2と同様に、二重管型ノズルであり、Loiが100mm、v1/v2は1.5であり、内ノズル先端内側が面取りされている点は、本発明例2と同じであるが、面取りの角度が30°であり、好適な範囲15〜45°内である。このため、冷却水の圧力変動値は4%であり、本発明例2よりもさらに小さく抑えることができ、ΔTは6℃、TSの変動ΔTSは5MPaに低減することができた。
以上のように、本発明のノズルを使用した冷却装置により均一な冷却が可能となり、熱鋼板の長手・幅方向における鋼板温度のばらつきを低減でき、材質の均一性を向上することができた。
なお、本発明の実施例では、熱延鋼帯の冷却装置について示したが、本発明の内容はこれに限るものではなく、厚板など他の熱鋼板などの冷却対象物を柱状冷却水で冷却する場合において適用することも可能である。
また、冷却装置として、上部ヘッダと下部ヘッダを有する冷却装置について示したが、本発明のノズルは、これに限らず、直管型のノズルを有する冷却装置に適用できることはいうまでもない。
1 加熱炉
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 冷却装置
5 巻取機
6 熱鋼板(熱延鋼帯)
7 ヘッダ、下部ヘッダ
8 ノズル、外ノズル
9 屋根部
10 上部ヘッダ
11 流量調整部材
12 内ノズル
13 冷却水
14 テーブルローラ
15 給水管

Claims (7)

  1. ヘッダに設けられ、柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズルであって、該ノズルは直管状の外ノズルと、長さが外ノズルよりも短く、かつ外径が外ノズルの内径よりも小さい直管状の内ノズルとからなり、内ノズルは外ノズル内に同心円状に配置して外ノズルと内ノズルとで二重管構造とし、ヘッダから内ノズルおよび外ノズルの上端から冷却水が流入するようになっており、かつ内ノズル下端部の冷却水流出口は外ノズル下端部の冷却水流出口よりも上方に位置していることを特徴とする、柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
  2. 外ノズルの内径を10〜50mmとし、内ノズルの内径を外ノズルの内径の30%〜60%とすることを特徴とする、請求項1に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
  3. 内ノズル下端部の冷却水流出口は外ノズル下端部の冷却水流出口よりも30mm〜180mm上方に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
  4. 内ノズル下端部先端の内面を面取りしたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
  5. 内ノズル下端部先端の内面を、ノズル軸方向に対して15〜45° の角度となすように面取りしたことを特徴とする、請求項4に記載の柱状の冷却水を噴射して熱鋼板上面を冷却するノズル。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記ノズルを複数本、搬送される熱鋼板の幅方向にヘッダに設けたことを特徴とする、熱鋼板の冷却装置。
  7. 請求項6に記載の熱鋼板の冷却装置を使用した熱鋼板の冷却方法。
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