JP5707249B2 - 化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスク - Google Patents
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Description
しかしながら、高分子系レジストは分子量が1万〜10万程度と大きく、分子量分布も広いため、高分子系レジストを用いるリソグラフィでは、微細パターン表面にラフネスが生じ、パターン寸法を制御することが困難となり、歩留まりが低下する。従って、従来の高分子系レジスト材料を主成分として用いるリソグラフィでは微細化に限界がある。より微細なパターンを作製するために、主成分として用いることのできる種々の低分子量レジスト材料が開示されている。
低分子量レジスト材料の候補として、少なくとも1つのフェノール性水酸基に酸解離性官能基を導入した構造を有する低分子量環状ポリフェノール化合物を主成分として用いるポジ型のレジスト組成物(特許文献3〜10及び非特許文献1、2参照)、あるいは低分子量環状ポリフェノール化合物を主成分として用いるアルカリ現像型のネガ型レジスト組成物(非特許文献3参照)が提案されている。
これらの低分子量環状ポリフェノール化合物は、低分子量であるため、分子サイズが小さく、解像性が高く、ラフネスが小さいレジストパターンを与えることが期待される。また低分子量環状ポリフェノール化合物は、その骨格に剛直な環状構造を有することにより、低分子量ながらも高耐熱性を与える。
しかしながら、現在開示されている低分子量環状ポリフェノール化合物は、感度が低い、ドライエッチング耐性が低い、解像力が低い、得られるレジストパターン形状が悪い、ラインエッジラフネス(LER)が大きい等の問題点がある。また、低分子量環状ポリフェノール化合物の改良が行われているが(特許文献11及び12)、未だ不十分であった。
本発明の目的は、特に、電子線や極紫外線を使用した露光による微細なパターンの形成において、高感度、高解像性(例えば、高い解像力、優れたパターン形状、小さいラインエッジラフネス(LER))、及び、良好なドライエッチング耐性を同時に満足したパターンを形成できる化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクを提供することにある。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1>
(A)下記一般式(1)で表される環状化合物、及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型レジスト組成物。但し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物であってもよい。
一般式(1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
R 1 は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、複数の単環が縮合して形成される多環脂肪族基又は有橋式の多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR 1 、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<2>
前記R’が表す前記多環脂肪族基が、下記構造(R−1)〜(R−17)のいずれかで表される基である、<1>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
上記構造中、*は前記一般式(1)における環構造を形成する炭素原子との結合位置を表す。
<3>
前記一般式(1)で表される環状化合物(A)が、下記一般式(2)で表される環状化合物である、<1>又は<2>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
一般式(2)中、L、R 1 、R’及びmは、前記一般式(1)中のL、R 1 、R’及びmと同義である。
一般式(2)における複数のL、複数のR 1 、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<4>
前記一般式(2)で表される環状化合物(A)が、下記一般式(3)で表される環状化合物である、<3>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
一般式(3)中、L、R 1 及びmは、前記一般式(2)中のL、R 1 及びmと同義である。
一般式(3)における複数のL、複数のR 1 、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<5>
前記一般式(3)で表される環状化合物(A)が、下記一般式(4)で表される環状化合物である、<4>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
一般式(4)中、R 1 は、前記一般式(3)中のR 1 と同義である。
一般式(4)における複数のR 1 はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<6>
R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、複素環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキルシリル基、及びこれらの誘導体からなる群から選択される官能基、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1−置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される酸解離性官能基、又は水素原子を表す、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<7>
更に架橋剤を含有し、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物である、<5>又は<6>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<8>
前記環状化合物(A)が、R 1 として活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を有し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物である、<1>〜<7>のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<9>
電子線又は極紫外線露光用である、<1>〜<8>のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<10>
<1>〜<9>のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
<11>
<10>に記載のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
<12>
<10>に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
<13>
<11>に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
<14>
(A)下記一般式(1)で表される環状化合物、及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を実質的に有機溶剤のみからなる現像液を用いて現像することを含む、レジストパターン形成方法。但し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物であってもよい。
一般式(1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
R 1 は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR 1 、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<15>
(A)下記一般式(1)で表される環状化合物、及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを実質的に有機溶剤のみからなる現像液を用いて現像することを含む、レジストパターン形成方法。但し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物であってもよい。
一般式(1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
R 1 は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR 1 、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<16>
前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、<12>〜<15>のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
本発明は、上記<1>〜<16>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記〔1〕〜〔14〕)についても記載している。
(A)下記一般式(1)で表される環状化合物、及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型レジスト組成物。但し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物であってもよい。
R1は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR1、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
〔2〕
前記一般式(1)で表される環状化合物(A)が、下記一般式(2)で表される環状化合物である、上記〔1〕に記載の化学増幅型レジスト組成物。
一般式(2)における複数のL、複数のR1、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
〔3〕
前記一般式(2)で表される環状化合物(A)が、下記一般式(3)で表される環状化合物である、上記〔2〕に記載の化学増幅型レジスト組成物。
一般式(3)における複数のL、複数のR1、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
〔4〕
前記一般式(3)で表される環状化合物(A)が、下記一般式(4)で表される環状化合物である、上記〔3〕に記載の化学増幅型レジスト組成物。
一般式(4)における複数のR1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
〔5〕
R1は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、複素環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキルシリル基、及びこれらの誘導体からなる群から選択される官能基、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1−置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される酸解離性官能基、又は水素原子を表す、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
〔6〕
更に架橋剤を含有し、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物である、上記〔4〕又は〔5〕に記載の化学増幅型レジスト組成物。
〔7〕
前記環状化合物(A)が、R1として活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を有し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
〔8〕
電子線又は極紫外線露光用である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
〔9〕
上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
〔10〕
上記〔9〕に記載のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
〔11〕
上記〔9〕に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
〔12〕
上記〔10〕に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
〔13〕
前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、上記〔11〕又は〔12〕に記載のレジストパターン形成方法。
〔14〕
上記〔10〕に記載のレジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスク。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましい。
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、(A)下記一般式(1)で表される環状化合物を含有している。
下記一般式(1)で表される環状化合物、及びその好ましい態様である後述の一般式(2)〜(5)で表される環状化合物は新規化合物である。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される環状化合物、及び後述の一般式(2)〜(5)で表される環状化合物にも関する。
R1は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR1、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(1)で表される環状化合物はR’で表される多環脂肪族基を有するため、薄膜のレジスト膜であっても高いドライエッチング耐性を付与することを可能にすると考えられる。これによりレジスト膜の薄膜化が可能となり、解像性を高くすることができる。また、詳細は定かではないが、一般式(1)で表される環状化合物におけるR’で表される多環脂肪族基は、水素ラジカル供与性が高く、活性光線又は放射線の照射により発生する酸の発生効率を高めることに寄与すると考えられ、高い感度及び高い解像性が得られるものと推定される。特に、電子線や極紫外線を使用した露光においては、一般式(1)で表される環状化合物におけるR’で表される多環脂肪族基が系中で発生する2次電子を効率的に獲得することに寄与すると考えられ、高い感度及び高い解像性を達成するものと推定される。
Lは、単結合又は−O−であることが好ましく、−O−が最も好ましい。
R1で表されるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
R1で表されるシクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数5〜15のシクロアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜10のシクロアルキル基である。
R1で表されるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜15のアリール基であり、更に好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
R1で表されるアラルキル基は、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数7〜15のアラルキル基であり、更に好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基である。なおR1で表されるアラルキル基は、後述の酸解離性官能基としても機能しえる。
R1で表されるアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、アルキルカルボニル基であっても、アリールカルボニル基であってもよい。アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、アダマンタンカルボニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基等が挙げられ、アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、トルイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
R1で表されるアルコキシル基は、炭素数1〜20のアルコキシル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のアルコキシル基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシル基である。
R1で表される複素環基は、炭素数2〜20の複素環基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜10の複素環基であり、更に好ましくは炭素数2〜6の複素環基である。R1で表される複素環基としては、ピラニル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、フラニル基、クロマニル基等が挙げられ、ピラニル基、チオフェニル基、フラニル基が好ましい。
R1で表されるアルキルシリル基としては、炭素数1〜20のアルキルシリル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のアルキルシリル基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキルシリル基である。
上記基又は原子の誘導体とは、上記基又は原子に置換基が修飾されたものであり、該置換基としては特に限定されないが、例えば、R1で表される置換基として上述したものと同様のものが挙げられる。
L31は、2価の有機基を表す。
Ar32は、無置換の芳香族環又はアルキル基若しくはアルコキシ基で置換された芳香族環を表す。
Xa +は、オニウムカチオンを表す。
*は一般式(1)中のLとの結合位置を表す。
上記アルキレン基として、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基が挙げられる。
上記アルケニレン基は、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜4のアルケニレン基である。
n’は、1〜6の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1が最も好ましい。
Ar32が、アルキル基を有する場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、より好ましくは炭素数1〜4である。Ar32が、アルコキシ基を有する場合のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜8であり、より好ましくは炭素数1〜4である。Ar32の芳香族環は、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)であっても、芳香族複素環(例えば、キノリン環)であってもよく、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12である。
Ar32は、無置換又はアルキル基若しくはアルコキシ基が置換した芳香族環であり、該芳香族環が芳香族炭化水素環であることがより好ましく、芳香族炭化水素環がベンゼン環又はナフタレン環であることが更に好ましい。またAr32は、無置換の芳香族環であることがより好ましい。
Xa +は、オニウムカチオンを表し、好ましくはスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンであり、より好ましくはスルホニウムカチオンである。
例えば、下記一般式(NL−1)の場合は3であり、(NL−2)の場合は7である。なお以下の例において、Lは−O−であり、*は−LR1のベンゼン環との結合手を意味する。
Rb1、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5は、各々独立に、有機基を表す。
アリールスルホニウムカチオンは、Rb1〜Rb3の全てがアリール基でもよいし、Rb1〜Rb3の一部がアリール基で残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよく、例えば、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアリールアルキルスルホニウムカチオン、アリールジアルキルスルホニウムカチオン、ジアリールシクロアルキルスルホニウムカチオン、アリールジシクロアルキルスルホニウムカチオンを挙げることができる。
アリールスルホニウムカチオンのアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。2つ以上のアリール基を有する場合、アリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムカチオンのアリール基以外の基は、アルキル基の場合、炭素数1〜15の直鎖、分岐状アルキル基、シクロアルキル基の場合、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
Rb1〜Rb3のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は置換基を有してもよく、好ましい置換基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。Rb1〜Rb3がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
一般式(7)に於けるRb1〜Rb3は、そのうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
上記一般式(8)のRb4及びRb5は、各々独立に、有機基を表すが、好ましくは各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、更に好ましくは、一般式(8)で表されるヨードニウムカチオンは、Rb4及びRb5の少なくとも1つがアリール基であるアリールヨードニウムカチオンである。
前記Rb4及びRb5のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
Rb4及びRb5としてのアルキル基は、直鎖、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。Rb4及びRb5としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
Rb4及びRb5が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
R1で表される1−置換エチル基は、炭素数3〜20の1−置換エチル基が好ましい。
R1で表される1−置換−n−プロピル基は、炭素数4〜20の1−置換−n−プロピル基が好ましい。
R1で表される1−分岐アルキル基は、炭素数3〜20の1−分岐アルキル基が好ましい。
R1で表されるシリル基は、炭素数1〜20のシリル基が好ましい。
R1で表されるアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましい。
R1で表される1−置換アルコキシメチル基は、炭素数2〜20の1−置換アルコキシメチル基が好ましい。
R1で表される環状エーテル基は、炭素数2〜20の環状エーテル基が好ましい。
R1で表されるアルコキシカルボニル基は、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。
R1で表されるアルコキシカルボニルアルキル基は、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましい。
また本発明の化学増幅型レジスト組成物がネガ型の組成物である場合、一般式(1)中の全ての−LR1に対する−OHとしての−LR1の割合が、モル比で50〜100%であることがより好ましく、70〜100%であることが更に好ましく、80〜100%であることが特に好ましい。このようにすることで、一般式(1)中のベンゼン環の炭素上が架橋点となり、露光部において後述の架橋剤(C)と架橋反応が進行し、環状化合物(A)の分子量が増大して現像液に不溶化することでネガ型のパターンが形成される。
R’で表される多環脂肪族基は、一般式(1)における環構造を形成する炭素原子と連結する原子が含まれる環が脂肪族環であり、複数の環からなる基である限り特に限定されず、複数の単環が縮合して形成される多環脂肪族基であってもよく、有橋式であってもよい。
nは3〜8の整数であり、4、6又は8が好ましく、4が特に好ましい。
一般式(2)における複数のL、複数のR1、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(3)における複数のL、複数のR1、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
また、製造面においても工業的に製造されている芳香族アルデヒドをはじめとする各種アルデヒド類とレゾルシノール、ピロガロール等のフェノール類を原料として、塩酸等の非金属触媒により脱水縮合反応させることにより、高収率で製造できることから、実用性にも極めて優れる。
本発明においては、上記環状化合物のうち、以下のものが更に好ましい。
一般式(4)における複数のR1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
1−分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜20の1−分岐アルキル基であり、炭素数5〜18の1−分岐アルキル基がより好ましく、炭素数7〜16の分岐アルキル基が更に好ましい。例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−メチルアダマンチル基、及び2−エチルアダマンチル基等を挙げることができる。
アシル基としては、好ましくは炭素数2〜20のアシル基であり、炭素数4〜18のアシル基がより好ましく、炭素数6〜16のアシル基が更に好ましい。例えば、アセチル基、フェノキシアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、アダマンチルカルボニル基、ベンゾイル基及びナフトイル基等を挙げることができる。
例えば、1−シクロペンチルメトキシメチル基、1−シクロペンチルエトキシメチル基、1−シクロヘキシルメトキシメチル基、1−シクロヘキシルエトキシメチル基、1−シクロオクチルメトキシメチル基及び1−アダマンチルメトキシメチル基等を挙げることができる。
環状エーテル基としては、好ましくは炭素数2〜20の環状エーテル基であり、炭素数4〜18の環状エーテル基がより好ましく、炭素数6〜16の環状エーテル基が更に好ましい。例えば、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基及び4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基等を挙げることができる。
具体例には、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等が挙げられ、より具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン等のポリシクロアルカンが挙げられる。これらの中でも、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロデカンが好ましく、特にアダマンタン、トリシクロデカンが好ましい。炭素数3〜12のシクロアルカンは置換基を有しても良い。ラクトンとしては、ブチロラクトン又はラクトン基を有する炭素数3〜12のシクロアルカン基が挙げられる。炭素数6〜14の芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環等が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましく、特にナフタレン環が好ましい。
環状化合物(a)は、多環脂肪族カルボニル化合物(a1)からなる群より選ばれる1種以上、及びフェノール性化合物(a2)からなる群より選ばれる1種以上との縮合反応により得られる。
環状化合物(b)のアモルファス膜の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度は、5Å/sec以下が好ましく、0.0005〜5Å/secがより好ましく、0.05〜5Å/secが更に好ましい。
5Å/sec以下であるとアルカリ現像液に不溶で、レジストとすることができる。また0.0005Å/sec以上の溶解速度を有すると、解像性が向上する場合もある。これは、前記環状化合物(b)のミクロの表面部位が溶解し、LERを低減するからと推測される。またディフェクトの低減効果がある。
レジスト組成物の固形成分は、スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる。レジスト組成物の固形成分をスピンコートして形成したアモルファス膜の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度は、5Å/sec以下が好ましい。前記アモルファス膜にKrFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により所望のパターンに露光し、必要に応じて20〜250℃で加熱した後のアモルファス膜の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度は、10Å/sec以上であることが好ましい。上記条件を満たすことにより、歩留まり良く、優れた形状のパターン形状を与えることができる。
環状化合物(b)のガラス転移温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上、特に好ましくは150℃以上である。ガラス転移温度が上記範囲内であることにより、半導体リソグラフィープロセスにおいて、パターン形状を維持しうる耐熱性を有し、高解像度などの性能が付与しうる。
本発明に用いられる上記環状化合物(A)の添加量は組成物の全固形分を基準として、30〜100質量%とすることが好ましく、50〜99.7質量%とすることがより好ましく、60〜99.5質量%とすることが特に好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、更に必須成分として、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、これらの化合物を「酸発生剤」と略称する)を含有する。本発明において、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)は、活性光線又は放射線(特に電子線又は極紫外線)の照射により酸を発生する低分子の酸発生剤でもでもいいし、酸発生高分子化合物でもよい。また前述したように、環状化合物(A)中のR1として、一体化した環状化合物としているのも好ましい。
酸発生剤の好ましい形態として、オニウム化合物を挙げることができる。そのようなオニウム化合物としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩などを挙げることができる。
また、酸発生剤の別の好ましい形態として、活性光線又は放射線の照射により、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生する化合物を挙げることができる。その形態における酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、オキシムスルホネート、イミドスルホネートなどを挙げることができる。
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4及びRa5は、各々独立に、有機基を表す。
X−は、有機アニオンを表す。
以下、一般式(I)で表されるスルホニウム化合物及び一般式(II)で表されるヨードニウム化合物を更に詳述する。
上記一般式(I)及び(II)におけるX−の有機アニオンは、例えばスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、好ましくは、下記一般式(III)、(IV)又は(V)で表される有機アニオンであり、より好ましくは下記一般式(III)で表される有機アニオンである。
上記Rc1〜Rc4の有機基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が連結された基を挙げることができる。これら有機基のうちより好ましくは1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたシクロアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。上記Rc2〜Rc4の有機基の複数が互いに連結して環を形成していてもよく、これら複数の有機基が連結された基としては、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキレン基が好ましい。フッ素原子又はフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。ただし、末端基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
以下に本発明において、特に好ましい酸発生剤を以下に例示する。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å3)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物をネガ型の化学増幅型レジスト組成物として用いる場合には、ネガ型化学増幅型レジスト組成物は、架橋剤を含有する。該架橋剤としては、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物(以下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を含有することが好ましい。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
このようにして合成されたフェノール誘導体のうち、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体が感度、保存安定性の点から特に好ましい。
これら架橋剤の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
例えば、上記のフェノール誘導体に加え、他の架橋剤、例えば上述のN−アルコキシメチル基を有する化合物等を併用する場合、上記のフェノール誘導体と他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましくは80/20〜50/50である。
本発明の化学増幅型レジスト組成物には、前記成分の他に、塩基性化合物を酸補足剤として含有することが好ましい。塩基性化合物を用いることにより、露光から後加熱までの経時による性能変化を小さくすることできる。このような塩基性化合物としては、有機塩基性化合物であることが好ましく、より具体的には、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。アミンオキサイド化合物(特開2008−102383に記載)、アンモニウム塩(好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがLERの観点で好ましい。)も適宜用いられる。更に、酸の作用により塩基性が増大する化合物も、塩基性化合物の1種として用いることができる。
アミン類の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
含窒素複素環構造を有する化合物としては、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ジメチルアミノピリジン、アンチピリン、ヒドロキシアンチピリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。アンモニウム塩としてはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
また、光分解性塩基性化合物(当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線あるいは放射線の照射により分解されて、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が減少又は消失する化合物。例えば、特許3577743、特開2001−215689号、特開2001−166476、特開2008−102383に記載のオニウム塩)、光塩基発生剤(例えば、特開2010−243773に記載の化合物)も適宜用いられる。
これら塩基性化合物の中でもパターン形状の観点でアンモニウム塩又は光分解性塩基性化合物が好ましい。
本発明において、塩基性化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用される塩基性化合物の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物中には、更に、塗布性を向上させるため界面活性剤を加えることができる。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、フロラードFC430(住友スリーエム製)やサーフィノールE1004(旭硝子製)、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
レジスト組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
本発明の化学増幅型レジスト組成物には、前記成分の他に、有機カルボン酸を含有することが好ましい。このような有機カルボン酸化合物として、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などを挙げることができるが、電子線露光を真空化で行なう際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい化合物としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の配合量としては、環状化合物(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
レジスト組成物の固形分は、上記溶剤に溶解し、固形分濃度として、0.5〜20質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは0.7〜15質量%、更に好ましくは1.0〜10質量%である。このような固形分濃度の範囲とすることで、後述の膜厚を達成できる。
本発明に適した基板は、シリコン基板、金属蒸着膜又は金属を含む膜が設けられた基板、より適しているのは、表面にCr、MoSi、TaSi若しくはそれらの酸化物、窒化物による蒸着膜が設けられた基板である。
遮光膜は単層でも良いが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
次いで、このレジスト膜には活性光線又は放射線(電子線等)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃で、通常1〜20分間、好ましくは1〜10分間)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そして、このパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
本発明は、上記レジスト膜又はレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、該露光されたレジスト膜又はレジスト塗布マスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法にも関する。本発明において、前記露光が電子線又は極紫外線を用いて行われることが好ましい。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上への露光(パターン形成工程)は、まず本発明のレジスト膜にパターン状に電子線又は極紫外線(EUV)照射を行うことが好ましい。露光量は電子線の場合0.1〜20μC/cm2程度、好ましくは3〜15μC/cm2程度、極紫外線の場合0.1〜20mJ/cm2程度、好ましくは3〜15mJ/cm2程度となるように露光する。次いで、ホットプレート上で60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、露光後加熱(ポストエクスポージャベーク)を行い、ついで現像、リンス、乾燥することによりレジストパターンを形成する。現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)等の好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは2〜3質量%アルカリ水溶液で、好ましくは0.1〜3分間、より好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像する。アルカリ現像液には、アルコール類及び/又は界面活性剤を、適当量添加してもよい。こうして、本発明の化学増幅型レジスト組成物がネガ型の場合、未露光部分のレジスト膜は溶解し、露光された部分は環状化合物が架橋しているので現像液に溶解され難く、本発明の化学増幅型レジスト組成物がポジ型の場合、露光された部分が現像液に溶解し、未露光部分は現像液に溶解され難く、基板上に目的のパターンが形成される。
また本発明は、レジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスクにも関する。露光及び現像としては、上記に記載の工程が適用される。該フォトマスクは半導体製造用として好適に使用される。
以下に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程を含むレジストパターン形成方法及びレジストパターンについて説明する。
本発明の有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程を含むレジストパターン形成方法は、架橋反応によりネガ化する、前述のネガ型の化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(1)、該膜を露光する工程(2)、及び、露光後に有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(4)をこの順番で有する。
ここでネガ化とは、架橋反応により環状化合物(A)の分子量が増大して、溶剤(現像液)に不溶化することである。
また本発明のレジストパターンは、上記本発明のレジストパターン形成方法により形成される。
また本発明は、前述したように、上記本発明のレジストパターン形成方法に用いられる、有機溶剤現像用の架橋性ネガ型化学増幅型レジスト組成物にも関する。
本発明は、本発明の架橋性ネガ型化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜にも関する。ネガ型化学増幅型レジスト組成物の膜を得るには、前述の各成分を溶剤に溶解し、必要に応じてフィルター濾過した後、支持体(基板)に塗布して用いる。フィルターとしては、ポアサイズ0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。塗布膜は60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜140℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。
組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン、二酸化シリコン被覆)上にスピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後乾燥し、感光性の膜を形成する。
必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。更にレジスト下層に反射防止膜を塗布して用いることもできる。
形成した該膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射する。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線等であり、EUV光、電子線が好ましい。すなわち、膜を露光する工程(2)における露光が、電子線又はEUV光を用いて行われることが好ましい。
露光後、現像を行う前にベーク(加熱)を行うことが好ましい。
加熱温度は80〜150℃で行うことが好ましく、90〜150℃で行うことがより好ましく、100〜140℃で行うことが更に好ましい。加熱時間は、1〜20分間が好ましく、1〜10分間がより好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
本発明においては、有機溶剤を含む現像液を用いて現像を行う。
現像液に用いられる有機溶剤は、20℃に於ける蒸気圧が5kPa以下のものが好ましく、3kPa以下のものが更に好ましく、2kPa以下のものが特に好ましい。有機溶剤の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
現像液として用いる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が広く使用されるが、例えば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される1種類以上の溶剤を用いることができる。
特に、本発明のレジストパターン形成方法に用いられる現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される1種類以上の溶剤を含有する現像液であることが好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができ、アルキルケトン系溶剤、例えばメチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンがより好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール等のヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール等のヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール等のオクチルアルコール、n−デカノール等のデカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名、1−メトキシ−2−プロパノール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、メトキシメチルブタノール、プロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、フェノール、クレゾールなどのフェノール系溶剤等を挙げることができ、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−オクタノール、2エチル−ヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、クレゾールがより好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤及びグリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。
現像液における有機溶剤(複数混合の場合はその合計)の濃度は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。特に好ましくは、実質的に有機溶剤のみからなる場合である。なお、実質的に有機溶剤のみからなる場合とは、微量の界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、消泡剤などを含有する場合を含むものとし、具体的には、現像液中、有機溶剤の濃度が好ましくは99.0質量%以上100質量%以下、より好ましくは99.5質量%以上100質量%以下とする。
現像液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下、最も好ましくは実質的に水分を含有しないこと(具体的には、現像液中の含水率が好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、理想的には0質量%、すなわち、水分を有さないこと)である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
(bp−2) > (bp−1) 式(I)
ここで、良溶媒とは、その溶媒単独での、露光前のレジスト膜を溶解する溶解速度が10nm/秒以上の溶解性を有する溶剤であり、好ましくは20nm/秒以上の溶解性を有する溶剤である。
貧溶媒とは、その溶媒単独での、露光前のレジスト膜を溶解する溶解速度が0.5nm/秒以下の溶解性を有する溶剤であり、好ましくは0.2nm/秒以下の溶解性を有する溶剤であり、特に好ましくは0.1nm/秒以下の溶解性を有する溶剤である。
溶解速度の測定温度は、23℃であり、測定方法としては、例えば、後述の実施例における方法を挙げることができる。
式(I)で表されるように、良溶媒の沸点(bp−1)より貧溶媒の沸点(bp−2)が高くなるような組み合わせの有機溶剤を、混合して現像液として用いることが好ましい。このとき、良溶媒/貧溶媒の割合が質量比で1/99〜99/1が好ましく、より好ましくは50/50〜95/5であり、更に好ましくは60/40〜90/10である。
このような現像液を用いることで、現像後にウェハを乾燥させる際に、貧溶媒より揮発性が高い良溶媒が先に揮発する。レジストパターン内に良溶媒が残留しにくくなることで、レジストパターンの膨潤、パターン倒れなどが改良される。
解像力の観点から、貧溶媒の沸点(bp−2)は、良溶媒の沸点(bp−1)より10℃以上高いことが好ましく、25℃以上高いことがより好ましく、40℃以上高いことが更に好ましい。また貧溶媒の沸点(bp−2)は、良溶媒の沸点(bp−1)+100℃以下であることが好ましく、良溶媒の沸点(bp−1)+80℃以下であることがより好ましい。
上記溶剤(S−2)としては、炭化水素系溶剤が好ましい。
これら溶剤の具体例及び好ましい例は前述のものと同様である。
有機溶剤を含む現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては、前述のレジスト組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は未露光部の環状化合物、架橋剤などが充分に溶解する時間が好ましく、通常は10秒〜300秒が好ましい。更に好ましくは、20秒〜120秒である。
現像液の温度は0℃〜50℃が好ましく、15℃〜35℃が更に好ましい。
現像液量は現像方法により適宜調整可能である。
本発明のレジストパターン形成方法では、現像工程(4)の後に、有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄する工程(5)を含むことできる。
リンス液に用いられる有機溶剤は、20℃に於ける蒸気圧が0.05kPa以上、5kPa以下のものが好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下のものが更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下のものが最も好ましい。リンス液に用いられる有機溶剤の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
より好ましくは、現像の後に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される1種類以上の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。更により好ましくは、現像の後に、アルコール系溶剤及び炭化水素系溶剤からなる群より選ばれる1種類以上の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
リンス液として用いられる、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤の具体例は、前述の現像液で説明されたものと同様である。
特に好ましくは、一価のアルコール系溶剤及び炭化水素系溶剤からなる群より選ばれる1種類以上の有機溶剤を含有するリンス液を用いる。
炭化水素系溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
界面活性剤としては、前述のレジスト組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができ、その使用量はリンス液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
リンス工程においては、現像を行ったウェハを前記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。
洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。基板の回転時間は、回転数に応じて、リンス液の基板上からの除去を達成する範囲で設定可能だが、通常10秒間から3分間である。なお、室温条件で、リンスすることが好ましい。
リンス時間は現像溶剤がウェハ上に残存しないようにすることが好ましく、通常は10秒〜300秒が好ましい。更に好ましくは、20秒〜120秒である。
リンス液の温度は0℃〜50℃が好ましく、15℃〜35℃が更に好ましい。
リンス液量はリンス方法により適宜調整できる。
更に、現像処理、リンス処理又は超臨界流体による処理の後、パターン中に残存する溶剤を除去するために加熱処理を行うことができる。加熱温度及び時間は、良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されるものではなく、通常40℃〜160℃、10秒間から3分間である。加熱処理は複数回行っても良い。
<合成例1:環状化合物(A)の合成>
(化合物P1の合成)
十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート式冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(1000ml)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(22g、0.2mol)と、東京化成社製1−アダマンタンアルデヒド(32.9g、0.2mol)と、脱水エタノール(200ml)を投入し、エタノール溶液を調整した。この溶液を攪拌しながらオイルバスで85℃まで加熱した。次いで濃塩酸(35質量%)75mlを、滴下漏斗により30分かけて滴下した後、引き続き85℃で3時間攪拌した。反応終了後、放冷し、室温に到達させた後、氷浴で冷却した。1時間静置後、淡黄色の目的粗結晶が生成し、これを濾別した。粗結晶をメタノール500mlで2回洗浄し、濾別、真空乾燥させることにより、目的生成物(以下、P1と示す)(48.7g、収率95%)を得た。この化合物の構造は、LC−MSで分析した結果、目的物の分子量1025を示した。
また比較用の化合物として、以下の表1に記載する比較化合物(A1)〜(A5)を準備した。
比較化合物(A1)はポリ(p−ヒドロキシスチレン)〔日本曹達(株)製の“VP2500”、重量平均分子量3600、分散度1.14〕である。
比較化合物(A5)の組成比(モル比)、重量平均分子量及び分散度は以下の表1に記載のとおりである。
なお高分子化合物につき、1H−NMR測定により、高分子化合物の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(溶媒:THF)測定により、高分子化合物の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn、以下「PDI」ともいう)を算出した。
またPの構造式における*は酸素原子との結合位置を意味する。更に、以下の表1に記載されるPの構造の比率は、1H−NMR測定により算出されたモル比である。
(I)ネガ型の化学増幅型レジストとしての例(電子線露光、アルカリ現像)
〔実施例1E〕
(1)支持体の準備
酸化Cr蒸着した6インチウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)を準備した。
(2)レジスト塗布液の準備
(ネガ型レジスト組成物N1の塗布液組成)
化合物P1 0.60g
光酸発生剤(z42)(構造式は下記) 0.12g
架橋剤CL−1(構造式は下記) 0.08g
架橋剤CL−5(構造式は下記) 0.04g
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(塩基性化合物) 0.002g
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(有機カルボン酸) 0.012g
界面活性剤PF6320(OMNOVA(株)製) 0.001g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) 4.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテル(溶剤) 5.0g
上記6インチウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
このレジスト膜に、電子線描画装置((株) エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
(5)レジストパタ−ンの評価
得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅100nm(ライン:スペース=1:1)のレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)が分離解像する最小の線幅)をLS解像力(nm)とした。
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「逆テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや逆テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で、線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)を形成した。そして、その長さ方向50μmに含まれる任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で線幅100nm(ライン:スペース=1:1)のレジストパターンを形成したレジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C4F6/O2ガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
レジスト液処方で、下表2に記載の成分以外は実施例1Eと同様にしてレジスト溶液(ネガ型レジスト組成物N2〜N13、ネガ型レジスト比較組成物N1〜N3)の調製、ネガ型パターン形成及びその評価を行った。評価結果を表3に示す。
架橋剤CL−2〜CL−4の化学式を下に示す。
B1:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
B2:トリ(n−オクチル)アミン
B3:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)
S3:2−ヘプタノン
S4:乳酸エチル
S5:シクロヘキサノン
S6:γ−ブチロラクトン
S7:プロピレンカーボネート
〔実施例1F〜6F並びに比較例1F及び2F〕
(レジスト溶液の調製)
下記表4に示したネガ型レジスト組成物をポアサイズ0.04μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して、ネガ型レジスト溶液を調製した。
調製したネガ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行って、0.05μmの膜厚を有したレジスト膜を形成させた。
得られたレジスト膜に関し、下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
得られたレジスト膜に、EUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜20.0mJ/cm2の範囲で0.1mJ/cm2ずつ変えながら、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、露光を行った後、110℃で90秒間ベークした。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
線幅100nmのラインアンドスペース(L/S=1/1)のマスクパターンを再現する露光量を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)とが分離解像する最小の線幅)をLS解像力(nm)とした。
上記の感度を示す露光量における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「逆テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや逆テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
上記の感度を示す露光量で、線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)を形成した。そして、その長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
上記の感度を示す露光量で全面照射を行うことにより形成したレジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C4F6/O2ガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて15秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
〔実施例1G〜6G並びに比較例1G及び2G)
(レジスト溶液の調製)
下記表5に示したネガ型レジスト組成物を0.04μmの孔径を有するメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト塗布溶液を得た。
(レジスト膜の作成)
酸化Cr蒸着した6インチウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)上に東京エレクトロン製Mark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、130℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
(ネガ型レジストパターンの作製(EB露光))
このレジスト膜に、電子線描画装置((株) エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒間ホットプレート上で加熱し、良溶媒としての酢酸ブチル(沸点=126℃)と、貧溶媒としてのデカン(沸点=174℃)を85/15質量比で混合した溶剤を用いて、30秒間スプレー現像した後、スピンコーターにて30秒間3000回転で回転して十分に乾燥させた。
(レジストパタ−ンの評価)
得られたパターンを上記(I)ネガ型の化学増幅型レジストとしての例(電子線露光、アルカリ現像)における評価と同様の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
評価結果を表5に示す。
〔実施例1P〕
(1)支持体の準備
酸化Cr蒸着した6インチウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)を準備した。
(2)レジスト塗布液の準備
(ポジ型レジスト組成物P1の塗布液組成)
化合物P4 0.60g
光酸発生剤(z5)(構造式は上記) 0.12g
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(塩基性化合物) 0.002g
界面活性剤PF6320(OMNOVA(株)製) 0.001g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) 4.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテル(溶剤) 5.0g
上記6インチウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
このレジスト膜に、電子線描画装置(電子線描画装置((株) エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
(5)レジストパタ−ンの評価
得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅100nm(ライン:スペース=1:1)のレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)が分離解像する最小の線幅)をLS解像力(nm)とした。
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅100nmラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「順テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや順テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で、線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)を形成した。そして、その長さ方向50μmに含まれる任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
未露光レジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C4F6/O2ガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
レジスト液処方で、下表6に記載の成分以外は実施例1Pと同様にしてレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物P2〜P20、ポジ型レジスト比較組成物P1及びP2)の調製、ポジ型パターン形成及びその評価を行った。
〔実施例1Q〜7Q、並びに、比較例1Q及び2Q〕
(レジスト溶液の調製)
下記表8に示したポジ型レジスト組成物をポアサイズ0.04μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して、ポジ型レジスト溶液を調製した。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行って、0.05μmの膜厚を有したレジスト膜を形成させた。
得られたレジスト膜に関し、下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
得られたレジスト膜に、EUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜20.0mJ/cm2の範囲で0.1mJ/cm2ずつ変えながら、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、露光を行った後、110℃で90秒間ベークした。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
線幅100nmのラインアンドスペース(L/S=1/1)のマスクパターンを再現する露光量を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)とが分離解像する最小の線幅)をLS解像力(nm)とした。
上記の感度を示す露光量における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「順テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや順テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
上記の感度を示す露光量における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
未露光レジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C4F6/O2ガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて15秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
Claims (16)
- R1は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、複素環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキルシリル基、及びこれらの誘導体からなる群から選択される官能基、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1−置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される酸解離性官能基、又は水素原子を表す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
- 更に架橋剤を含有し、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物である、請求項5又は6に記載の化学増幅型レジスト組成物。
- 前記環状化合物(A)が、R1として活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を有し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
- 電子線又は極紫外線露光用である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
- 請求項10に記載のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
- 請求項10に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
- 請求項11に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
- (A)下記一般式(1)で表される環状化合物、及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を実質的に有機溶剤のみからなる現像液を用いて現像することを含む、レジストパターン形成方法。但し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物であってもよい。
一般式(1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
R 1 は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR 1 、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。 - (A)下記一般式(1)で表される環状化合物、及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを実質的に有機溶剤のみからなる現像液を用いて現像することを含む、レジストパターン形成方法。但し、前記環状化合物(A)と前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)とが同一の化合物であってもよい。
一般式(1)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
R 1 は、置換基又は水素原子を表す。
R’は、多環脂肪族基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。
nは、3〜8の整数を表す。
一般式(1)における複数のL、複数のR 1 、複数のR’、及び複数のmはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。 - 前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、請求項12〜15のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
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