JP5706200B2 - 減速装置及びデファレンシャル装置 - Google Patents

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本発明は、減速装置及びデファレンシャル装置に関する。
従来、デファレンシャル装置等の減速装置では、ハウジングの内部にデフケース等の回転体、及びリングギヤ等のギヤを配置して動力を伝達し、この回転体やギヤを軸受によりハウジング内に枢支している。
ギヤは高いトルクを伝達し、かつ高い回転数で回転するので、ギヤの噛合い部の焼付防止及び冷却を目的にする潤滑用オイルがハウジング内に封入される。また、軸受も荷重を受けて高速回転するので、この潤滑用オイルを用いて焼付防止及び冷却を図っている。
ギヤと軸受への潤滑方法として、オイルポンプを用いた強制潤滑方法と、ギヤの回転により掻き上げられてハウジングの内部に飛散したオイルを潤滑必要部に供給する方法がある。
オイルポンプを用いる方法は、ポンプ及びオイル供給路の形成にコストがかかるため、元来ポンプを必要とする自動変速機や無段変速機に採用されることが多い。
ギヤの回転により掻き上げられたオイルを用いる方法では、ハウジングの内面に付着して流れ落ちるオイルを潤滑必要部に供給する。
特に、デファレンシャル装置やトランスアクスル装置では、差動装置が袋形状のデフケースの内部に設けられる左右一対のサイドギヤとそれらの支軸、前後一対のデフピニオンとその支軸から構成され、これらの噛合い摺接を行なう部位に潤滑オイルを供給する必要がある。この潤滑オイル供給方法として、デフケース及びリングギヤの回転に伴う飛沫オイルをデフケースの両端側に集め、このオイルをデフケースの両端側から上記デフケースの内部の噛合い摺接部に供給するものである。
具体的には、特許文献1、2に記載の如く、デフケースの両端側で軸受を保持するボスの上部にオイル受けリブを形成し、更にこのオイル受けリブの側部にガイド板を取付け、ガイド板の上部にオイル受け口を開口させるものがある。
また、特許文献3では、デフケースの両端側の軸受に設けたベアリングスペーサで飛沫オイルを捕集し、このベアリングスペーサが捕集したオイルを軸受ボスの切欠からブレーキ装置の背面に供給するものとしている。
実開昭62-46857 実公平6-2077 特開2008-138780
特許文献1に記載のガイド板はハウジングにボルト止めされていて、ボルトを必要とする他、ハウジングへのねじ加工とボルト止め作業を必要とし、コスト高になる。
特許文献2に記載のガイド板はハウジングへの確実な取付構造が開示されていないし、エンジンからの振動がハウジングに伝わったときにガイド板が振動し、ガイド板がリブを叩くことによる異音を生ずる。
特許文献3に記載のベアリングスペーサは、振動を防止するため、軸受の背面の全域に密着させ、その取付剛性を確保する必要がある。これにより、ベアリングスペーサの軸受と密着すべき面の平面度を確保する必要があり、成形工程での特殊な処理が必要になる他、ベアリングスペーサの大型化に伴うコストの上昇が避けられない。
本発明の課題は、ハウジングの内部に配置した回転体及び大歯車の噛合い摺接部を潤滑するためのオイル捕集空間を潤滑プレートにより形成してなる減速装置において、潤滑プレートを簡易かつ確実に取付けることにある。
本発明の他の課題は、ハウジングの内部に配置したデフケース及びリングギヤの噛合い摺接部を潤滑するためのオイル捕集空間を潤滑プレートにより形成してなるデファレンシャル装置において、潤滑プレートを簡易かつ確実に取付けることにある。
請求項1に係る発明は、ハウジングの内部に回転体を配置し、回転体の端部を枢支する軸受をハウジングに設けたボスに保持し、回転体に大歯車を取着してなり、回転体及び大歯車の回転に伴って掻き上げられてハウジングの内部に飛散したオイルを、上記回転体の軸受に供給し、ハウジングの内面の上記ボスの両側から立上る立上り壁と、該ボスとで形成されるオイル捕集空間の最下面を潤滑プレートで塞ぐとともに、その上部側面を開口したオイル捕集構造を有する減速装置であって、潤滑プレートがオイル捕集空間の最下面を塞ぐ本体部の下部にカギ状延長部を有し、このカギ状延長部が本体部に対して交差するL字状片を備え、このL字状片のL字の内角を軸受の外周角部より鋭角に形成してなり、このL字状片がボス内周に設けた取付溝に係入されて軸受の外周角部に押圧保持され、ボス内周と軸受外周との間に取付けられ、潤滑プレートが取付けられたボスに、潤滑プレートで塞いだオイル捕集空間の最下部から、該ボスが保持している軸受の側室に渡るオイル供給路を切欠形成してなり、ハウジングの内部に飛散し、上部側面の開口から入ってオイル捕集空間に捕集したオイルを、オイル供給路から軸受の側室に供給して該軸受を潤滑するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記潤滑プレートが本体部の上部に突片を備え、この突片が立上り壁に設けた取付スリットに差し込まれて保持され、該潤滑プレートが取付けられるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において更に、前記潤滑プレートのL字状片と突片を用いた該潤滑プレートの取付状態下で、潤滑プレートの本体部が弾性変形されて立上り壁の端面に密着されてなるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、ハウジングの内部にデフケースを配置し、デフケースを枢支する軸受をハウジングに設けたボスに保持し、デフケースにリングギヤを取着してなり、リングギヤの回転に伴って掻き上げられてハウジングの内部に飛散したオイルを、上記デフケースの軸受に供給し、ハウジングの内面の上記ボスの両側から立上る立上り壁と、該ボスとで形成されるオイル捕集空間の最下面を潤滑プレートで塞ぐとともに、その上部側面を開口したオイル捕集構造を有するデファレンシャル装置であって、潤滑プレートがオイル捕集空間の最下面を塞ぐ本体部の下部にカギ状延長部を有し、このカギ状延長部が本体部に対して交差するL字状片を備え、このL字状片のL字の内角を軸受の外周角部より鋭角に形成してなり、このL字状片がボス内周に設けた取付溝に係入されて軸受の外周角部に押圧保持されてボス内周と軸受外周との間に取付けられ、潤滑プレートが取付けられたボスに、潤滑プレートで塞いだオイル捕集空間の最下部から、該ボスが保持している軸受の側室に渡るオイル供給路を切欠形成してなり、ハウジングの内部に飛散し、上部側面の開口から入ってオイル捕集空間に捕集したオイルを、オイル供給路から軸受の側室に供給して該軸受を潤滑するようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において更に、前記潤滑プレートが本体部の上部に突片を備え、この突片が立上り壁に設けた取付スリットに差し込まれて保持され、該潤滑プレートが取付けられるようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において更に、前記潤滑プレートのL字状片と突片を用いた該潤滑プレートの取付状態下で、潤滑プレートの本体部が弾性変形されて立上り壁の端面に密着されてなるようにしたものである。
(請求項1、
(a)潤滑プレートがオイル捕集空間の下部側面を塞ぐ本体部の下部にカギ状延長部を有し、このカギ状延長部がボス内周と軸受外周との間に取付けられる。これにより、潤滑プレートのハウジングへの取付けが、ボルトを用いずに簡易かつ確実に取付けることができる。
従って、ハウジングの内部に配置した回転体及び大歯車の噛合い摺接部を潤滑するためのオイル捕集空間を潤滑プレートにより形成してなる減速装置において、潤滑プレートを簡易かつ確実に取付けることができる。
また、ハウジングの内部に配置したデフケース及びリングギヤの噛合い摺接部を潤滑するためのオイル捕集空間を潤滑プレートにより形成してなるデファレンシャル装置において、潤滑プレートを簡易かつ確実に取付けることができる。
(b)前記潤滑プレートのカギ状延長部が本体部に対して交差するL字状片を備え、このL字状片のL字の内角を軸受の外周角部より鋭角に形成してなり、このL字状片がボス内周に設けた取付溝に係入されて軸受の外周角部に押圧保持され、該潤滑プレートが取付けられる。これにより、潤滑プレートのカギ状延長部が備えるL字状片を、ボスの内周と軸受の外周角部との間で弾性変形させて押圧保持し、潤滑プレートの取付けのガタ付きを確実に防止できる。
(請求項
(c)前記潤滑プレートが本体部の上部に突片を備え、この突片が立上り壁に設けた取付スリットに差し込まれて保持され、該潤滑プレートが取付けられる。これにより、潤滑プレートの本体部を弾性変形させる状態下で、その突片を立上り壁の取付スリットに差し込み保持し、潤滑プレートの取付けのガタ付きを一層確実に防止できる。
(請求項
(d)前記潤滑プレートのL字状片と突片を用いた該潤滑プレートの取付状態下で、潤滑プレートの本体部が弾性変形されて立上り壁の端面に密着される。これにより、潤滑プレートの本体部がオイル捕集空間の下部側面を隙間なく塞ぎ、オイル捕集空間に捕集したオイルを漏れなく潤滑に供することができる。
図1はデファレンシャル装置を示す平面図である。 図2はデファレンシャル装置を示す横断面図である。 図3は図2のIII−III線に沿う模式矢視図である。 図4は図2のIV−IV線に沿う模式矢視図である。 図5は図2のV−V線に沿う断面図である。 図6はデファレンシャル装置の潤滑系統を示す模式図である。 図7はデファレンシャル装置の潤滑系統を示す斜視図である。 図8は図のVIII−VIII線に沿う模式矢視図である。 図9は図6のIX−IX線に沿う模式矢視図である。 図10は左潤滑プレートを示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図である。 図11は左潤滑プレートの取付手順を示す模式図である。 図12は右潤滑プレートを示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図である。 図13は右潤滑プレートの取付手順を示す模式図である。
デファレンシャル装置10は、図1〜図5に示す如く、モータ付デファレンシャル装置であり、ハウジング11の内部にモータ20と減速ギヤ列30と差動装置を構成するデフケース40を配置している。
デファレンシャル装置10は、ハウジング11の内部でデフケース40の後述する出力軸41(回転軸)に交差する平面上に設けられる隔壁12を有し、モータ20が配置されるモータ室13と減速ギヤ列30が配置されるギヤ室14とを隔壁12により仕切る。デファレンシャル装置10は、隔壁12のギヤ室14の側であって該ギヤ室14に後方からつながり、デフケース40及び後述するリングギヤ44が配置されるデフ室15を設ける。デファレンシャル装置10は、モータ室13を外側から閉じる一端閉塞状キャップ16をハウジング11の左開口端にボルト止めし、ギヤ室14を外側から閉じる一端閉塞状カバー17をハウジング11の右開口端にボルト止めする。本発明では、モータ20と減速ギヤ列30とデフケース40を内蔵するハウジング11とキャップ16とカバー17の全部を広義のハウジングとする。
尚、本実施例では、デファレンシャル装置10が車両に搭載された状態で、鉛直上方を上、鉛直下方を下とする。また、車両前進方向を前方とし、モータ20及び減速ギヤ列30の側を前方、デフケース40の側を後方として説明する。
モータ20は、ハウジング11のモータ室13内で、モータ軸21の左右の両端部をキャップ16と隔壁12のボス22A、32Aのそれぞれに保持した左右の軸受22、32により枢支し、このモータ軸21の外周にロータ23を備え、環状隙間を介してロータ23を囲むステータ24をハウジング11の内周に固定配置している。尚、モータ軸21の右端部は、このモータ軸21に同軸結合されている減速ギヤ列30の入力軸31を介して上述の軸受32に枢支される。
減速ギヤ列30は、ハウジング11のギヤ室14内で、モータ軸21に同軸結合されて接続される入力軸31の左右両端部を隔壁12とカバー17のボス32A、33Aのそれぞれに保持した左右の軸受32、33により枢支し、この入力軸31の外周に入力ギヤ34を固定している。また、減速ギヤ列30は、ハウジング11のギヤ室14内で、入力軸31に平行する中間軸35の左右両端部を隔壁12とカバー17のボス36A、37Aのそれぞれに保持した左右の軸受36、37により枢支し、この中間軸35の外周に第1中間ギヤ38と第2中間ギヤ39を固定している。第1中間ギヤ38は入力ギヤ34と噛合い、第2中間ギヤ39は後述するリングギヤ44(出力ギヤ)に噛合う。
デフケース40は、ハウジング11のデフ室15内で、左右の出力軸41をハウジング11とカバー17のボス42A、43Aのそれぞれに保持した左右の軸受42、43により枢支している。デフケース40は、出力軸41の右端の側に設けたフランジ41Aの左側面にリングギヤ44をボルト固定している。デフケース40は、ケース本体40Aの内部に、左右の車軸L、Rに接続される左右一対のサイドギヤ45A、45Bと、このサイドギヤ45A、45Bに噛合う前後一対のデフピニオン47A、47B等の差動装置を内蔵している。サイドギヤ34A、45Bはそれらの支軸46A、46Bをデフケース40の軸孔に枢支される。デフピニオン47A、47Bはデフケース40の軸孔に嵌挿された支軸48に枢支される。
デファレンシャル装置10は、入力ギヤ34、第1中間ギヤ38、第2中間ギヤ39、リングギヤ44のギヤ径d1、d2、d3、d4を、d1<d2、d2>d3、d3<d4としている。モータ20の回転が入力ギヤ34、第1中間ギヤ38、第2中間ギヤ39を介してデフケース40に固定のリングギヤ44の順に減速されて伝達され、更に、デフケース40に内蔵されているサイドギヤ45A、45Bとデフピニオン47A、47Bの差動装置を介して左右の車軸L、Rに伝達される。
しかるに、デファレンシャル装置10では、図6に示す如く、モータ20、減速ギヤ列30、デフケース40の差動装置等の複数の潤滑系統を潤滑するためのオイルをハウジング11の内部に充填してあり、最も外径の大きいリングギヤ44の外周の下側の一部を浸漬するようにオイルを貯留する下部貯留部50(図7)がハウジング11の内部の下部に設けられている。モータ20の回転が前述の如くにしてリングギヤ44に伝達されると、このリングギヤ44及びリングギヤ44が下部貯留部50に貯留されているオイルを掻き上げる。そして、デフケース40及びリングギヤ44の回転に伴って掻き上げられてハウジング11の内部に飛散したオイルが、ハウジング11の内部に離隔して設けられている複数の上部貯留部51、52…のそれぞれに分配される。
即ち、デファレンシャル装置10にあっては、リングギヤ44の回転に伴って上述の下部貯留部50から掻き上げられたオイルを貯留する複数の上部貯留部51、52…をハウジング11の内部の複数の潤滑必要部A、B…に近接してハウジング11の上部の複数ヶ所に設けている。
そして、各上部貯留部51、52…に貯留されたオイルが、各上部貯留部51、52…から対応する各潤滑必要部A、B…に向けて重力で落下して供給される。
本実施例では、図6に示す如く、前述した隔壁12のモータ室13の側に上部貯留部51を設け、隔壁12のギヤ室14の側に上部貯留部52を設け、ギヤ室14の後方につながるデフ室15の側に上部貯留部53、54を設ける。そして、ハウジング11、キャップ16、カバー17の内部の上部の4カ所に第1〜第4の上部貯留部51〜54を設け、モータ室13の潤滑必要部Aに対し第1の上部貯留部51を、ギヤ室14の潤滑必要部Bに対し第2の上部貯留部52を、デフケース40の一端側の潤滑必要部Cに対し第3の上部貯留部53を、デフケース40の他端側の潤滑必要部Dに対し第4の上部貯留部54を、それぞれ近接配置した。具体的には、以下の通りである。
尚、上述の分割必要部A、B、C、Dは具体的には以下の通りである(図2)。
潤滑必要部Aは、モータ20の支持軸受22、32と、モータ20のステータ24及びロータ23である。
潤滑必要部Bは、入力軸31の支持軸受33と、中間軸35の支持軸受36、37である。
潤滑必要部Cは、オイルシール49Lの摺接部と、車軸Lとデフケース40の摺接面46Aと、サイドギヤ45Aとデフピニオン47A、47Bの噛合い部と、サイドギヤ45Aの背面とスラストワッシャとデフケース40の摺接面と、デフピニオン47A、47Bの背面とスラストワッシャとデフケース40の摺接面と、デフピニオン47A、47Bの内径と支軸48の摺接面と、デフケース40の軸受42である。
潤滑必要部Dは、オイルシール49Rの摺接部と、車軸Lとデフケース40の摺接面46Bと、サイドギヤ45Bとデフピニオン47A、47Bの噛合い部と、サイドギヤ45Bの背面とスラストワッシャとデフケース40の摺接面と、デフピニオン47A、47Bの背面とスラストワッシャとデフケース40の摺接面と、デフピニオン47A、47Bの内径と支軸48の摺接面と、デフケース40の軸受43である。
(モータ室13の潤滑必要部Aへの潤滑系統)
デファレンシャル装置10にあっては、ハウジング11の内部のギヤ室14側で、リングギヤ44が下部貯留部50から回転方向に掻き上げるオイルの掻き上げ方向(リングギヤ44の外周の概ね接線方向)に相対するオイル受け面61にて該オイルを受けるオイル受けリブ60を有する。オイル受けリブ60は、ハウジング11の隔壁12よりもギヤ室14側の上部内面からハウジング11の後ろ斜め下方に向けて延在され、かつ隔壁12のギヤ室14側の壁面上〜ハウジング11におけるカバー17との合面まで突設されている。オイル受けリブ60は隔壁12の後方寄りの上端側の壁面上で、後述する第2の上部貯留部52を形成するための仕切り壁71の上部に突設される。そして、隔壁12におけるオイル受けリブ60のオイル受け面61の付け根に、ギヤ室14の側からモータ室13の上部貯留部51につながる孔12A(貫通孔)を設けている。
デファレンシャル装置10は、図7に示す如く、ハウジング11及びキャップ16により第1の上部貯留部51を形成している。第1の上部貯留部51は、ハウジング11に設けられる空洞部51A(図7)と、キャップ16に設けられる空洞部51B(不図示)が、ハウジング11とキャップ16の合面で連続されて形成される。
空洞部51Aは、ハウジング11のモータ軸21が配置される中心軸に直交する断面の後方寄り壁内に鋳造にて成形され、ハウジング11の周方向で外壁11Kに沿う内壁11Lが該外壁11Kとの間に袋状をなすように囲み形成され、ハウジング11の周方向で上述の隔壁12の孔12Aが開口する上端側〜上下方向中間部に渡って円弧状をなし、ハウジング11の軸方向で隔壁12の孔12Aからキャップ16が接続される合面に向けて、その下面が緩やかな下り勾配をなすように延在される。
空洞部51Bは、キャップ16の閉塞端面内で、キャップ16の周方向で外壁16Kに沿う内壁16Lが該外壁16Kとの間に袋状をなすように囲み形成し、空洞部51Aと同じ円弧状をなし、キャップ16におけるハウジング11との合面に開口する。キャップ16はハウジング11との合面の反対側に位置する閉塞端にオイル供給路51C(不図示)を穿設して備え、このオイル供給路51Cを空洞部51Bに連通している。空洞部51Bはハウジング11との合面からオイル供給路51Cに向けて、その下面が緩やかな下り勾配をなすように延在される。
ハウジング11とキャップ16が合面で接続されたとき、ハウジング11の外壁11K、内壁11Lとキャップ16の外壁16K、内壁16Lが完全に合致し、空洞部51Aと空洞部51Bが連通して第1の上部貯留部51を形成する。第1の上部貯留部51の下面は、隔壁12の孔12Aからオイル供給路51Cに向けて緩やかな下り勾配をなす。
リングギヤ44により下部貯留部50から掻き上げられたオイルは、ハウジング11の内部のギヤ室14側で、後述する仕切り壁71、72が形成している第2の上部貯留部52のオイル導入開口52Cに入ったときに、隔壁12上のオイル受けリブ60のオイル受け面61に受け止められる。このオイル受けリブ60のオイル受け面61に受け止められたオイルの一部は、オイル受けリブ60のモータ室向けのオイル分配面の下り勾配に沿って隔壁12の孔12Aから第1の上部貯留部51の内部に流下して貯留されるものになる。第1の上部貯留部51に貯留されたオイルは、該上部貯留部51に近接配置されているモータ室13の潤滑必要部Aに以下の順で潤滑作用を及ぼす。
(1)第1の上部貯留部51に貯留されたオイルは、キャップ16の空洞部51Bに連通するようにキャップ16の閉塞端に穿設されているオイル供給路51Cから、キャップ16のボス22Aが保持しているモータ軸21のための軸受22の側室22Bに供給され、軸受22のボール間を通って該軸受22を潤滑し、軸受22の焼付防止と冷却を行なう。
(2)軸受22を潤滑してモータ室13に流出したオイルは、モータ20の左端側からロータ23とステータ24の環状隙間を通り、その過程でモータ20を冷却する。
(3)モータ20を冷却してモータ20の右端側に流出したオイルは、隔壁12のボス32Aが保持している軸受32のボール間を通って該軸受32を潤滑し、軸受32の焼付防止と冷却を行なう。
(4)軸受32を潤滑したオイルは、ギヤ室14に流出してハウジング11の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
(ギヤ室14の潤滑必要部Bへの潤滑系統)
デファレンシャル装置10は、図8〜図9に示す如く、ハウジング11及びカバー17により第2の上部貯留部52を形成している。第2の上部貯留部52は、ハウジング11に設けられる空洞部52A(図8)と、カバー17に設けられる空洞部52B(図9)が、ハウジング11とカバー12の合面で連続されて形成される。
空洞部52Aは、図8に示す如く、ハウジング11の前部内面の上下方向中間部からハウジング11の後方に向けて延在され、かつ前述の隔壁12のギヤ室14側の壁面上〜ハウジング11におけるカバー17との合面まで突設される仕切り壁71により、ハウジング11の上部内面との間に区画される。
仕切り壁71は、デフ室15に臨む隔壁12の後端寄りに突設され、リングギヤ44の外周に沿う円弧状壁部71Aと、円弧状壁部71Aにつながり、中間軸35のためのボス36Aの上部に沿う円弧状壁部71Bと、円弧状壁部71Bにつながり、入力軸31のためのボス32Aの上部に沿う円弧状壁部71Cと、円弧状壁部71Cから水平に延び、ハウジング11の前部内面につながる直線状壁部71Dとからなる。仕切り壁71の円弧状壁部71Aの先端はハウジング11の上部内面との間に間隔を置き、この間隔により第2の上部貯留部52のためのオイル導入開口52Cを形成する。オイル導入開口52Cはリングギヤ44の外周の接線方向に位置し、リングギヤ44が下部貯留部50から回転方向に掻き上げるオイルを第2の上部貯留部52に導入可能にする。仕切り壁71の円弧状壁部71Aの上方には、図3、図8に示す如く、ハウジング11の上部内面から延在している前述のオイル受けリブ60が一定の間隔を介して配置されている。仕切り壁71は円弧状壁部71Aから直線状壁部71Dに向けてそれらの壁面が概ね下り勾配をなすようにつながり、それらの最下部となるオイル溜り52Dが直線状壁部71Dの上に形成される。
空洞部52Bは、図9に示す如く、カバー17の閉塞端面内で、カバー17の前部内面の上下方向中間部からカバー17の後方に向けて延在され、かつカバー17の閉塞端面〜ハウジング11との合面まで突設される仕切り壁72により、カバー17の上部内面との間に区画される。
仕切り壁72は、空洞部52Aの仕切り壁71の円弧状壁部71A〜71C、直線状壁部71Dと同様の円弧状壁部72A〜72C、直線状壁部72Dからなる。仕切り壁72の円弧状壁部72Aの先端はカバー17の上部内面との間に間隔をおき、この間隔により第2の上部貯留部52のためのオイル導入開口52Cを形成する。オイル導入開口52Cはリングギヤ44の外周の接線方向に位置し、リングギヤ44が下部貯留部50から回転方向に掻き上げるオイルを第2の上部貯留部52に導入可能にする。仕切り壁72は円弧状壁部72Aから直線状壁部71Dに向けてそれらの壁面が概ね下り勾配をなすようにつながり、それらの最下部となるオイル溜り52Dが直線状壁部72Dの上に形成される。カバー17は、ハウジング11との合面の反対側に位置する閉塞端にオイル供給路52E(不図示)を穿設して備え、このオイル供給路52Eをオイル溜り52Dに連通している。
ハウジング11とカバー17が合面で接続されたとき、ハウジング11の仕切り壁71とカバー17の仕切り壁72が完全に合致し、空洞部52Aと空洞部52Bが第2の上部貯留部52及びオイル導入開口52C、オイル溜り52Dを形成する。第2の上部貯留部52の下面は、オイル導入開口52Cからオイル溜り52Dに向けて概ね下り勾配をなす。
リングギヤ44により下部貯留部50から掻き上げられたオイルは、仕切り壁71、72が形成しているオイル導入開口52Cから第2の上部貯留部52の入側に入ったときに、前述のオイル受けリブ60のオイル受け面61に受け止められる。このオイル受けリブ60のオイル受け面61により受け止められたオイルの一部は、オイル受けリブ60のオイル分配面の下り勾配に沿って流下し、ひいては第2の上部貯留部52の内部に落下して貯留されるものになる。第2の上部貯留部52に貯留されたオイルは、第2の上部貯留部52に近接配置されているギヤ室14の潤滑必要部Bに以下の順で潤滑作用を及ぼす。
(1)第2の上部貯留部52に貯留されたオイルはオイル溜り52Dに集まり、オイル溜り52Dに集まったオイルは、カバー17の閉塞端に穿設されているオイル供給路52Eから、カバー17のボス33Aが保持している入力軸31のための軸受33の側室33Bに供給され、その一部のオイルが軸受33のボール間を通って該軸受33を潤滑し、軸受33の焼付防止と冷却を行なう。
(2)軸受33を潤滑してギヤ室14に流出したオイルは、入力軸31まわりの入力ギヤ34及びその第1中間ギヤ38との噛合い部を潤滑して冷却した後、ハウジング11の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
(3)カバー17の側室33Bに供給されたオイルの残部は、カバー17の閉塞端に穿設されているオイル供給路52F(不図示)から、カバー17のボス37Aが保持している中間軸35のための軸受37の側室37Bに供給され、その一部のオイルが軸受37のボール間を通って該軸受37を潤滑し、軸受37の焼付防止と冷却を行なう。
(4)軸受37を潤滑してギヤ室14に流出したオイルは、中間軸35まわりの第1中間ギヤ38及びその入力ギヤ34との噛合い部を潤滑して冷却した後、ハウジング11の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
(5)カバー17の側室37Bに供給されたオイルの残部は、側室37Bに開口している中間軸35の中空部35Aを通って、隔壁12のボス36Aが保持している中間軸35のための軸受36の側室36Bに供給され、軸受36のボール間を通って該軸受36を潤滑し、軸受36の焼付防止と冷却を行なう。
(6)軸受36を潤滑してギヤ室14に流出したオイルは、中間軸35まわりの第2中間ギヤ39及びそのリングギヤ44との噛合い部を潤滑して冷却した後、ハウジング11の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
(デフケース40の左端側の潤滑必要部Cへの潤滑系統)
デファレンシャル装置10は、図5、図7、図8に示す如く、リングギヤ44の回転に伴って下部貯留部50から掻き上げられてハウジング11の内部に飛散したオイルを、デフケース40の左端部の軸受42に供給するためのオイル捕集構造として、第3の上部貯留部53を形成している。
デファレンシャル装置10は、図5、図7、図8に示す如く、ハウジング11のデフ室15を区画している内面に、デフケース40の出力軸41の左端部を枢支する軸受42を保持するボス42Aを設けている。そして、ハウジング11の上述の内面の上記ボス42Aの上部の両側から互いに平行に立上る立上り壁81、82と、該ボス42Aとで形成されるオイル捕集空間83を第3の上部貯留部53とすべく、このオイル捕集空間83のデフケース40に臨む最下面を潤滑プレート、本実施例では左潤滑プレート84で塞ぐとともに、その上部側面をデフ室15内で回転するリングギヤ44の外周の上部の左側部に臨むオイル導入開口53Aとして開口している。
デファレンシャル装置10は、左潤滑プレート84を両立上り壁81、82の相対する壁面に隙間なく添設し、オイル導入開口53Aを形成する上端部からボス42Aの側に取着される下端部に向けて下り勾配をなすように延在される。そして、左潤滑プレート84の下端部が取着されたボス42Aの上端部(周方向の最上位部)に、第3の上部貯留部53(オイル捕集空間83)の最下部から、ボス42Aが保持している出力軸41のための軸受42の側室42Bに渡るスリット状のオイル供給路53Bを切欠形成している。
リングギヤ44により下部貯留部50から掻き上げられたオイルは、リングギヤ44から直接的にオイル導入開口53Aに入り、又はハウジング11の壁面を伝わり流れてから、第3の上部貯留部53に導入されて貯留される。第3の上部貯留部53に貯留されたオイルは、第3の上部貯留部53に近接配置されているデフケース40の左端側の潤滑必要部Cに以下の順で潤滑作用を及ぼす。
(1)第3の上部貯留部53に貯留されたオイルは、ハウジング11の内面のボス42Aに上述の如くに切欠形成されているオイル供給路53Bから、ハウジング11のボス42Aが保持している出力軸41のための軸受42の側室42Bに供給される。側室42Bに供給されたオイルの一部は、軸受42のボール間を通って該軸受42を潤滑し、軸受42の焼付防止と冷却を行なう。側室42Bに供給されたオイルは、同時に、左車軸Lのためにハウジング11の左側の軸孔に設けられているオイルシール49Lを潤滑する。軸受42とオイルシール49Lを潤滑したオイルは、軸受42のボール間からハウジング11の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
(2)ハウジング11の側室42Bに供給されたオイルの残部は、デフケース40の軸孔に枢支されているサイドギヤ45Aのための支軸46Aの外周螺旋溝a(図5)を通ってケース本体40Aの内部に流入し、デフケース40Aの内部のサイドギヤ45A、45B、デフピニオン47A、47B等の差動装置を潤滑する。デフケース40Aの内部の差動装置を潤滑したオイルは、デフケース40Aの窓部からハウジング11の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
ここで、左潤滑プレート84について詳述する。
左潤滑プレート84は、図10に示す如く、金属板等の板材の成形体からなり、概ね矩形状の本体部85を有し、本体部85の上部の両側に突片86を備える。左潤滑プレート84は、本体部85の下部の中央部に狭幅のカギ状延長部87を有し、このカギ状延長部87を本体部85に対して曲げ変形させて交差するL字状片88としている。本体部85は上部側を狭幅部85Aとし、下部側を広幅部85Bとしている。
即ち、左潤滑プレート84は、図8に示す如く、本体部85の上部の突片86がハウジング11に設けた両立上り壁81、82の相対する壁面に設けてある取付スリット81A、82Aに差し込まれて保持されることにより、ハウジング11に取付けられる。本体部85の狭幅部85Aは両立上り壁81、82の相対する壁面の間に隙間なく差し込み配置され、本体部85の広幅部85Bは両立上り壁81、82のデフ室15に臨む下端面に下から隙間なく添設される(図7)。そして、本体部85の下部のカギ状延長部87(L字状片88)が、図5、図7に示す如く、ボス42Aの内周と軸受42の外輪との間に差し込まれて取付けられる。
左潤滑プレート84において、カギ状延長部87のL字状片88は、軸受42がボス42Aの内周に装填される組立過程で、本体部85につながる基部88Aがボス42Aの内径と軸受42の外輪の外周との間に差し込まれ、先端部88Bがボス42Aの奥底面と軸受42の外輪の端面との間に差し込まれて取付けられる。これにより、左潤滑プレート84は、図5、図7に示す如く、本体部85をオイル導入開口53Aからオイル供給路53Bの側へ下り勾配に傾斜配置し、両立上り壁81、82とボス42Aとで形成される第3の上部貯留部53(オイル捕集空間83)最下面を塞ぐ。
左潤滑プレート84におけるカギ状延長部87のL字状片88は、ハウジング11の内面におけるボス42Aの内周であって、該ボス42Aの上端部に設けた前述のスリット状のオイル供給路53Bを中央にして挟むように該オイル供給路53Bの両側に形成された、オイル供給路53Bより広幅で浅い取付溝53Cに係入される。取付溝53Cは、カギ状延長部87のL字状片88に対応するL字状をなし、ボス42Aの内径に設けられる溝部と、ボス42Aの奥底面に設けられる溝底とをL字状に交差させて形成される。
左潤滑プレート84は、図11に示す如く、カギ状延長部87のL字状片88のL字の内角α(図11(A))(L字状片88において、基部88Aと先端部88Bとの交差角のうち、小角度の側を内角とした)を軸受42の外輪の外周角部(直角)より鋭角に形成される。これにより、左潤滑プレート84がハウジング11に取付けられるとき、カギ状延長部87のL字状片88がボス42Aの内周の上述の取付溝53Cに係入されて取付けられるとき、このL字状片88が軸受42の外輪の外周角部に押圧保持される。ハウジング11への左潤滑プレート84の取付け状態で、L状片88は、図11(C)に示す如く、L字の内角を軸受42の外輪の外周角部により拡開された弾性変形を付与されて押圧保持されるものになる。
左潤滑プレート84は、突片86とカギ状延長部87のL字状片88を用いたハウジング11への上述の取付状態下で、本体部85、本実施例では本体部85の広幅部85Bが弾性曲げ変形されて両立上り壁81、82の下端面に下から圧接されて隙間なく密着する。
(デフケース40の右端側の潤滑必要部Dへの潤滑系統)
デファレンシャル装置10は、図5、図7、図9に示す如く、リングギヤ44の回転に伴って下部貯留部50から掻き上げられてハウジング11の内部に飛散したオイルを、デフケース40の右端部の軸受43に供給するためのオイル捕集構造として、第4の上部貯留部54を形成している。
デファレンシャル装置10は、図5、図7、図9に示す如く、カバー17のデフ室15を区画している内面に、デフケース40の出力軸41の右端部を枢支する軸受43を保持するボス43Aを設けている。そして、カバー17の上述の内面の上記ボス43Aの上部の両側から互いに平行に立上る立上り壁91、92と、該ボス43Aとで形成されるオイル捕集空間93を第4の上部貯留部54とすべく、このオイル捕集空間93のデフケース40に臨む最下面を潤滑プレート、本実施例では右潤滑プレート94で塞ぐとともに、その上部側面をデフ室15内で回転するリングギヤ44の外周の上部の右側部に臨むオイル導入開口54Aとして開口している。
デファレンシャル装置10は、右潤滑プレート94を両立上り壁91、92の相対する壁面(端面)に隙間なく添設し、オイル導入開口54Aを形成する上部からボス43Aの側に取着される下部に向けて下り勾配をなすように延在される。そして、右潤滑プレート94の下端部が取着されたボス43Aの上端部(周方向の最上位部)に、第4の上部貯留部54(オイル捕集空間93)の最下部から、ボス43Aが保持している出力軸41のための軸受43の側室43Bに渡るスリット状のオイル供給路54Bを切欠形成している。
リングギヤ44により下部貯留部50から掻き上げられたオイルは、リングギヤ44から直接的にオイル導入開口54Aに入り、又はカバー17の壁面を伝わり流れてから、第4の上部貯留部54に導入されて貯留される。第4の上部貯留部54に貯留されたオイルは、第4の上部貯留部54に近接配置されているデフケース40の右端側の潤滑必要部Dに以下の順で潤滑作用を及ぼす。
(1)第4の上部貯留部54に貯留されたオイルは、カバー17の内面のボス43Aに上述の如くに切欠形成されているオイル供給路54Bから、カバー17のボス43Aが保持している出力軸41のための軸受43の側室43Bに供給される。側室43Bに供給されたオイルの一部は、軸受43のボール間を通って該軸受43を潤滑し、軸受43の焼付防止と冷却を行なう。側室43Bに供給されたオイルは、同時に、右車軸Rのためにカバー17の右側の軸孔に設けられているオイルシール49Rを潤滑する。軸受43とオイルシール49Rを潤滑したオイルは、軸受43のボール間からカバー17の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
(2)カバー17の側室43Bに供給されたオイルの残部は、デフケース40の軸孔に枢支されているサイドギヤ45Bのための支軸46Bの外周螺旋溝b(図5)を通ってケース本体40Aの内部に流入し、デフケース40Aの内部のサイドギヤ45B、46B、デフピニオン47A、47B等の差動装置を潤滑する。デフケース40Aの内部の差動装置を潤滑したオイルは、デフケース40Aの窓部からカバー17の下部に落下し、下部貯留部50に戻る。
ここで、右潤滑プレート94について詳述する。
右潤滑プレート94は、図12に示す如く、金属板等の板材の成形体からなり、概ね矩形状の本体部95を有し、本体部95の上部の両側に突片96を折曲げて備える。右潤滑プレート94は、本体部95の下部の中央部に狭幅のカギ状延長部97を有し、このカギ状延長部97を本体部95に対して曲げ変形させて交差するL字状片98としている。
即ち、右潤滑プレート94は、図9に示す如く、本体部95の上部の突片96がカバー17に設けた両立上り壁91、92の相対する壁面(端面)に設けてある取付スリット91A、92Aに差し込まれて保持されることにより、カバー17に取付けられる。本体部95は両立上り壁91、92のデフ室15に臨む端面に隙間なく添設される(図7)。そして、本体部95の下部のカギ状延長部97(L字状片98)が、図5、図7に示す如く、ボス43Aの内周と軸受43の外輪との間に差し込まれて取付けられる。
右潤滑プレート94において、カギ状延長部97のL字状片98は、軸受43がボス43Aの内周に装填される組立過程で、本体部95につながる基部98Aがボス92Aの内径と軸受43の外輪の外周との間に差し込まれ、先端部98Bがボス43Aの奥底面と軸受43の外輪の端面との間に差し込まれて取付けられる。これにより、右潤滑プレート94は、図5、図7に示す如く、本体部95をオイル導入開口54Aからオイル供給路54Bの側へ下り勾配に傾斜配置し、両立上り壁91、92とボス43Aとで形成される第4の上部貯留部54(オイル捕集空間93)最下面を塞ぐ。
右潤滑プレート94におけるカギ状延長部97のL字状片98は、カバー17の内面におけるボス43Aの内周であって、該ボス43Aの上端部に設けた前述のスリット状のオイル供給路54Bを中央にして挟むように該オイル供給路54Bの両側に形成された、オイル供給路54Bより広幅で浅い取付溝54Cに係入される。取付溝54Cは、カギ状延長部97のL字状片98に対応するL字状をなし、ボス43Aの内径に設けられる溝部と、ボス43Aの奥底面に設けられる溝底とをL字状に交差させて形成される。
右潤滑プレート94は、図13に示す如く、カギ状延長部97のL字状片98のL字の内角β(図13(A))(L字状片98において、基部98Aと先端部98Bとの交差角のうち、小角度の側を内角とした)を軸受43の外輪の外周角部(直角)より鋭角に形成される。これにより、右潤滑プレート94がカバー17に取付けられるとき、カギ状延長部97のL字状片98がボス43Aの内周の上述の取付溝54Cに係入されて取付けられるとき、このL字状片98が軸受43の外輪の外周角部に押圧保持される。カバー17への右潤滑プレート94の取付け状態で、L状片98は、図13(C)に示す如く、L字の内角を軸受43の外輪の外周角部により拡開された弾性変形を付与されて押圧保持されるものになる。
右潤滑プレート94は、突片96とカギ状延長部97のL字状片98を用いたカバー17への上述の取付け状態下で、本体部95が弾性曲げ変形されて両立上り壁91、92の端面に圧接されて隙間なく密着する。
以上により、本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
まず、デファレンシャル装置10が、複数の上部貯留部51〜54をハウジング11の内部の複数の潤滑必要部A〜Dに近接配置したことにより、以下の作用効果を奏する。
(a)モータ付デファレンシャル装置10において、リングギヤ44の一部を浸漬するようにオイルを貯留する下部貯留部50をハウジング11の内部の下部に設け、リングギヤ44の回転に伴って下部貯留部50から掻き上げられたオイルを貯留する第1〜第4の上部貯留部51〜54をハウジング11の内部の上部の4カ所に設け、モータ室13の潤滑必要部Aに対し第1の上部貯留部51を、ギヤ室14の潤滑必要部Bに対し第2の上部貯留部52を、デフケース40の一端側の潤滑必要部Cに対し第3の上部貯留部53を、デフケース40の他端側の潤滑必要部Dに対し第4の上部貯留部54を、それぞれ近接配置した。
従って、各潤滑必要部A〜Dに近接した複数の各上部貯留部51〜54に貯留したオイルをスムースに供給できる。加減速や旋回Gが作用しても常に、ハウジング11の下部貯留部50から上部貯留部51〜54に掻き上げたオイルを、ハウジング11の内部の複数の潤滑必要部A〜Dに安定的に供給できる。
オイルを唯1つのリングギヤ44により掻き上げて、ハウジング11の内部の複数の上部貯留部51〜54ひいては潤滑必要部A〜Dへ供給するものであり、オイルの掻き上げに伴う撹拌抵抗損失を小さくすることができる。
モータ20がオイルの掻き上げを伴うことなく、リングギヤ44がオイルの掻き上げを行なうものであるから、オイル掻き上げ効果が大きい。また、モータ室13に掻き上げようとしても多量のオイルを貯留する必要がなく、オイル掻き上げの撹拌によるオイルの油温上昇をモータ室13で招くこともない。
(b)デファレンシャル装置10において、4個の上部貯留部51〜54を設けたが、それらに対応する各潤滑必要部A〜Dのオイル必要量に応じてそれらの上部貯留部51〜54の容積を調整することで、それらの上部貯留部51〜54同士を油路で連通させてオイル量のバランスをとる必要がない。
また、デファレンシャル装置10が、ハウジング11の内部に第3と第4の上部貯留部53、54を形成するための潤滑プレート84、94の本体部85、95に突片86、96、カギ状延長部87、97を設けたことにより、以下の作用効果を奏する。
(a)潤滑プレート84、94がオイル捕集空間(上部貯留部53、54)の最下面を塞ぐ本体部85、95の下部にカギ状延長部87、97を有し、このカギ状延長部87、97がボス42A、43A内周と軸受42、43外周との間に取付けられる。これにより、潤滑プレート84、94のハウジング11、カバー17への取付けが、ボルトを用いずに簡易かつ確実に取付けることができる。
従って、ハウジング11、カバー17の内部に配置したデフケース40及びリングギヤ44の噛合い摺接部を潤滑するためのオイル捕集空間(上部貯留部53、54)を潤滑プレート84、94により形成してなるデファレンシャル装置10において、潤滑プレート84、94を簡易かつ確実に取付けることができる。
(b)前記潤滑プレート84、94のカギ状延長部87、97が本体部85、95に対して交差するL字状片88、98を備え、このL字状片88、98のL字の内角を軸受42、43の外周角部より鋭角に形成してなり、このL字状片88、98がボス42A、43A内周に設けた取付溝53C、54Cに係入されて軸受42、43の外周角部に押圧保持され、該潤滑プレート84、94が取付けられる。これにより、潤滑プレート84、94のカギ状延長部87、97が備えるL字状片88、98を、ボス42A、43Aの内周と軸受42、43の外周角部との間で弾性変形させて押圧保持し、潤滑プレート84、94の取付けのガタ付きを確実に防止できる。
(c)前記潤滑プレート84、94が本体部85、95の上部に突片86、96を備え、この突片86、96が立上り壁81及び82、91及び92に設けた取付スリット81A及び82A、91A及び92Aに差し込まれて保持され、該潤滑プレート84、94が取付けられる。これにより、潤滑プレート84、94の本体部85、95を弾性変形させる状態下で、その突片86、96を立上り壁81及び82、91及び92の取付スリット81A及び82A、91A及び92Aに差し込み保持し、潤滑プレート84、94の取付けのガタ付きを一層確実に防止できる。
(d)前記潤滑プレート84、94のL字状片88、98と突片86、96を用いた該潤滑プレート84、94の取付状態下で、潤滑プレート84、94の本体部85、95が弾性変形されて立上り壁81及び82、91及び92の端面に密着される。これにより、潤滑プレート84、94の本体部85、95がオイル捕集空間(上部貯留部53、54)の最下面を隙間なく塞ぎ、オイル捕集空間(上部貯留部53、54)に捕集したオイルを漏れなく潤滑に供することができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、トランスアクスル装置等の他の減速装置にも適用できる。そのような減速装置では、ハウジングの内部に回転体を配置し、回転体の端部を枢支する軸受をハウジングに設けたボスに保持し、回転体に大歯車を取着してなり、回転体及び大歯車の回転に伴って掻き上げられてハウジングの内部に飛散したオイルを、上記回転体の軸受に供給し、ハウジングの内面の上記ボスの両側から立上る立上り壁と、該ボスとで形成されるオイル捕集空間の最下面を潤滑プレートで塞ぐとともに、その上部側面を開口したオイル捕集構造を有するものとするとき、潤滑プレートがオイル捕集空間の最下面を塞ぐ本体部の下部にカギ状延長部を有し、このカギ状延長部がボス内周と軸受外周との間に取付けられてなるものとするものである。
本発明によれば、ハウジングの内部に配置した回転体及び大歯車の噛合い摺接部を潤滑するためのオイル捕集空間を潤滑プレートにより形成してなる減速装置において、潤滑プレートを簡易かつ確実に取付けることができる。
10 デファレンシャル装置(減速装置)
11 ハウジング
40 デフケース(回転体)
42、43 軸受
42A、43A ボス
44 リングギヤ(大歯車
51、52、53、54 上部貯留部(オイル捕集空間)
81、82、91、92 立上り壁
83、93 オイル捕集空間
84、94 潤滑プレート
85、95 本体部
86、96 突片
87、97 カギ状延長部
88、98 L字状片

Claims (6)

  1. ハウジングの内部に回転体を配置し、回転体の端部を枢支する軸受をハウジングに設けたボスに保持し、回転体に大歯車を取着してなり、
    回転体及び大歯車の回転に伴って掻き上げられてハウジングの内部に飛散したオイルを、上記回転体の軸受に供給し、
    ハウジングの内面の上記ボスの両側から立上る立上り壁と、該ボスとで形成されるオイル捕集空間の最下面を潤滑プレートで塞ぐとともに、その上部側面を開口したオイル捕集構造を有する減速装置であって、
    潤滑プレートがオイル捕集空間の最下面を塞ぐ本体部の下部にカギ状延長部を有し、このカギ状延長部が本体部に対して交差するL字状片を備え、このL字状片のL字の内角を軸受の外周角部より鋭角に形成してなり、このL字状片がボス内周に設けた取付溝に係入されて軸受の外周角部に押圧保持され、ボス内周と軸受外周との間に取付けられ
    潤滑プレートが取付けられたボスに、潤滑プレートで塞いだオイル捕集空間の最下部から、該ボスが保持している軸受の側室に渡るオイル供給路を切欠形成してなり、
    ハウジングの内部に飛散し、上部側面の開口から入ってオイル捕集空間に捕集したオイルを、オイル供給路から軸受の側室に供給して該軸受を潤滑する減速装置。
  2. 前記潤滑プレートが本体部の上部に突片を備え、この突片が立上り壁に設けた取付スリットに差し込まれて保持され、該潤滑プレートが取付けられる請求項に記載の減速装置。
  3. 前記潤滑プレートのL字状片と突片を用いた該潤滑プレートの取付状態下で、潤滑プレートの本体部が弾性変形されて立上り壁の端面に密着されてなる請求項に記載の減速装置。
  4. ハウジングの内部にデフケースを配置し、デフケースを枢支する軸受をハウジングに設けたボスに保持し、デフケースにリングギヤを取着してなり、
    リングギヤの回転に伴って掻き上げられてハウジングの内部に飛散したオイルを、上記デフケースの軸受に供給し、
    ハウジングの内面の上記ボスの両側から立上る立上り壁と、該ボスとで形成されるオイル捕集空間の最下面を潤滑プレートで塞ぐとともに、その上部側面を開口したオイル捕集構造を有するデファレンシャル装置であって、
    潤滑プレートがオイル捕集空間の最下面を塞ぐ本体部の下部にカギ状延長部を有し、このカギ状延長部が本体部に対して交差するL字状片を備え、このL字状片のL字の内角を軸受の外周角部より鋭角に形成してなり、このL字状片がボス内周に設けた取付溝に係入されて軸受の外周角部に押圧保持されてボス内周と軸受外周との間に取付けられ
    潤滑プレートが取付けられたボスに、潤滑プレートで塞いだオイル捕集空間の最下部から、該ボスが保持している軸受の側室に渡るオイル供給路を切欠形成してなり、
    ハウジングの内部に飛散し、上部側面の開口から入ってオイル捕集空間に捕集したオイルを、オイル供給路から軸受の側室に供給して該軸受を潤滑するデファレンシャル装置。
  5. 前記潤滑プレートが本体部の上部に突片を備え、この突片が立上り壁に設けた取付スリットに差し込まれて保持され、該潤滑プレートが取付けられる請求項に記載のデファレンシャル装置。
  6. 前記潤滑プレートのL字状片と突片を用いた該潤滑プレートの取付状態下で、潤滑プレートの本体部が弾性変形されて立上り壁の端面に密着されてなる請求項に記載のデファレンシャル装置。
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