JP5705446B2 - キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層 - Google Patents

キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層 Download PDF

Info

Publication number
JP5705446B2
JP5705446B2 JP2010079766A JP2010079766A JP5705446B2 JP 5705446 B2 JP5705446 B2 JP 5705446B2 JP 2010079766 A JP2010079766 A JP 2010079766A JP 2010079766 A JP2010079766 A JP 2010079766A JP 5705446 B2 JP5705446 B2 JP 5705446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
conductive path
layer
insulating film
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010079766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011211105A (ja
Inventor
匠 浅沼
匠 浅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2010079766A priority Critical patent/JP5705446B2/ja
Publication of JP2011211105A publication Critical patent/JP2011211105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5705446B2 publication Critical patent/JP5705446B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層に関し、特に、静電容量が高く、強度に優れた薄膜キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層に関する。
近年地球温暖化防止のため、発電したエネルギーを効率的に蓄電保存する必要に迫られている。このような蓄電システムとしては、携帯機器用蓄電池として理論エネルギー密度に達するまでに著しく進歩したニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の応用が試みられている。これらの蓄電システムはリチウムなどの希少金属を用いている点や、エネルギー密度と出力密度とを高いレベルで併せ持っていない点などの短所があり、応用上の障害となっている。
一方、前記二次電池の耐電圧単位体積当たりのエネルギー容量をはるかに凌ぐキャパシタ(以下「薄膜キャパシタ型蓄電池」と称する)が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の薄膜キャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜及び第1絶縁膜を積層する第1積層膜と、第1絶縁膜上で第1積層膜の長尺方向に延在する第1導電路と、第1絶縁膜上で第1積層膜の長尺方向に延在し第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、第1導電路及び第2導電路の外面上にそれぞれ設けられた第2絶縁膜と、を備えている。
この薄膜キャパシタ型蓄電池においては、以下の原理で蓄電が行われている。
第1導電路及び第2導電路端に所定の電位差を与えると、絶縁層を介して配置された導電膜や半導体膜と、導電路間に広がった電磁界すなわちフォトンとの間で、フォトン−フォノンのエネルギー交換が行われる。このため、第1導電路及び第2導電路上に流れる電磁エネルギー速度が遅くなり、電気長が長くなるのと等価の働き、すなわち蓄電池の容量が大きくなり電荷を受容している。そのエネルギーは導電膜中のバンド内で励起される。
この原理により、単位体積あたりの容量が大きい電送線型キャパシタ型の蓄電池の開発が期待されており、蓄電池単体の耐電圧として100V以上が得られ、電圧あるいは電流が印加されている状態では、100V以上の電位まで大きな容量での蓄電が可能となる。
上記のフォトン−表面プラズモンのエネルギー交換は蓄電層と導電路が絶縁されている場合に起こる。蓄電層と導電路が通電すると、蓄電層と導電路の間で起きているフォトン−表面プラズモンのエネルギー交換が起きなくなり電荷が蓄積されなくなる。キャパシタとして使用するためには蓄電層と導電路の間に絶縁層が必要である。
ここで、フォトン‐表面プラズモンのエネルギー交換効率は、導電路と蓄電層の間隔が狭いほど高くなり蓄電池の容量が大きくなる。蓄電層が有する蓄電能力を充分に活かすには導電路と蓄電層の間に薄い絶縁層を挟む必要がある。
一方で、薄膜キャパシタ型蓄電池は一般の電池と同様、導電路と蓄電層との間に空隙が存在すると、電池の内部抵抗が上昇するため、このような空隙を発生させずに本来の特性が得られるよう、導電路と蓄電層との間を強く圧着する必要がある。
国際公開第09/116668号パンフレット
上記状況を踏まえ本発明者らが鋭意検討を行った結果、上記薄膜キャパシタ型蓄電池において、蓄電基材の少なくとも表面で導電性又は半導電性を有する特定の大きさの粒子が分散して存在し、この粒子の上に絶縁層が設けられていることが、単位体積あたりの容量が大きくなり、且つ電圧や電流の印加を切っても電位の降下の少なく、電荷保持性能が高くなることが明らかとなった。このような蓄電基材上の粒子は凝集しやすく、そのため蓄電基材は、表面が粗い状態となっている。
そのため、電池の内部抵抗の上昇を抑えるには、導電路と蓄電層との間に空隙を発生させないことが必要であるにも拘らず、表面の粗い蓄電基材ではその形状に追従できず、空隙が発生し易くなるという新たな課題が創出した。
表面の粗い蓄電基材を用いたときでも空隙を発生させないよう、高い圧力で圧着を行えば空隙が消滅し容量は高くなるが、その一方で、蓄電基材の表面の凹凸が薄い絶縁層を貫通し導通させてしまうことがあり、キャパシタの製造において歩留まりが低下する。歩留りを低下させないよう低い圧力で圧着を行うと、空隙が残存し、静電容量の低下や容量特性の再現性の低下が起こる。
そこで、本発明では、静電容量が高く、高い強度を有する薄膜キャパシタ型蓄電池を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を鑑み、鋭意研究を行った結果、絶縁層として2層以上の接着剤層を設け、蓄電基材上の粒子に接する接着剤層は、蓄電基材の表面の凹凸に追従して粒子どうしの間に密着する層とし、この接着剤層よりも導電路側に設ける接着剤層は、第1粒子が導電路に接触するのを防止する層とすることで、圧着にも耐え得、且つ高静電容量の薄膜キャパシタ型蓄電池が得られることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
本発明の第一の形態のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、前記第1基材の一方の面上に第1絶縁膜と、前記第1基材の他方の面上に第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜上で長尺方向に延在する第1導電路と、前記第2絶縁膜上で長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部は最大幅が3μmであり、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうち前記第1基材の表面の凹凸に接する絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなり、前記第1基材に隣接して設けられる第1接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第1接着剤層よりも前記第1基材の表面の凹凸から遠い側に設けられる第2接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路の少なくとも一方に接触するのを防止する接着剤層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10 Pa以上1×10 Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10 Pa以上の有機高分子層である。
また、本発明の第二の形態のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、第1絶縁膜と、を積層する第1積層膜と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在する第1導電路と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、前記第1絶縁膜が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅は3μmであり、前記第1絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなり、前記第1基材に隣接して設けられる第1接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第1接着剤層よりも前記第1導電路及び前記第2導電路側に設けられる第2接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する接着剤層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10 Pa以上1×10 Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10 Pa以上の有機高分子層である。
本発明の第二の形態のキャパシタ型蓄電池では、更に、前記第1導電路及び前記第2導電路の外面上に連続した第2絶縁膜と、第2導電膜又は第2半導体膜からなる第2基材と、をこの順に備えてもよく、この場合には、前記第2絶縁膜が接する前記第2基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、前記第2絶縁膜は、第3接着剤層及び第4接着剤層を含む2層以上からなり、前記第2基材に隣接して設けられる前記第3接着剤層は、前記第2基材の表面の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第3接着剤層よりも前記第1導電路及び前記第2導電路側に設けられる第4接着剤層は、前記第2基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する接着剤層であることが好ましい。
前記凸部どうしの間隔(凹部の幅)は、30nm以上3000nm以下であることが好ましい。
記第3接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であることが好ましく、前記第4接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上の有機高分子層であることが好ましい。
また、前記第1接着剤層及び前記第3接着剤層は、誘電正接(tanδ)が0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であることが好ましく、前記第2接着剤層及び前記第4接着剤層は、tanδが0.5以下の有機高分子層であることが好ましい。
前記第2接着剤層が、樹脂中に無機化合物粉を分散させ形成した層である、或いは高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層であることが好適である。
更に、前記第1接着剤層と前記第2接着剤層の間に、前記前記第1基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する第1強度確保層を有することが好ましく、前記第3接着剤層と前記第4接着剤層の間に、前記前記第2基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する第2強度確保層を有することが好ましい。
前記第1導電膜及び前記第2導電膜が、各々独立に、Fe、Al、Co、Cr、Ni、Ag、Mg、Cu、Sn、Au、Pt、Pd、In、Ti、Ta及びCからなる群より選択される少なくとも一つの元素、前記群より選択される少なくとも二種の元素で構成される合金若しくは共析物、又は前記群より選択される少なくとも一つの元素を含み更に周期律表の3族から14族からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含んで構成される合金若しくは共析物を含有することが好ましい。また、単独でも導電性を有するFe、Al、Co、Cr、Ni、Ag、Mg、Cu、Sn、Au、Pt、Pd、Inの場合は単一の元素により形成されていても何ら問題ない。
前記第1半導体膜及び前記第2半導体膜が、各々独立に、ニッケルナイトライド、アナターゼ構造のチタン酸化物、酸化錫混入の酸化インジウム、酸化錫、ジルコニウム酸化物、ガリウムナイトライド、アルミニウムナイトライド、シリコン及びカーボンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有することが好ましい。
更に、これら化合物にn型またはp型の遷移金属、希土類金属又は非磁性金属をドープすることが、常温で不純物準位から50%以上の励起電子を発生させる観点から好適である。
なお、前記第1絶縁膜の同一面上には、複数列の前記第1導電路及び前記第2導電路を備える態様も好適である。また、前記複数列の第1導電路に接続する第1端子と、前記複数列の第2導電路に接続する第2端子と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1導電路及び前記第2導電路から離れるに従って幅が狭くなる部分を有しており、この部分において、前記第1導電路と同一方向に延伸する2辺は、互いになす角度が30°以下であることが好ましい。
また、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなる積層体であり、前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層がそれぞれ最外層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上の有機高分子層であるものは、キャパシタ型蓄電池用絶縁膜として有用である。
更に、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、該第1基材の少なくとも一方の面上に第1絶縁膜と、を有し、前記第1絶縁膜が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅は3μmであり、前記第1絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む前述のキャパシタ型蓄電池用絶縁膜であり、前記第1接着剤層が前記第1基材に隣接して設けられ、前記第1接着剤層が前記第1基材の表面の凹凸の間に密着するものは、キャパシタ型蓄電池用蓄電層として有用である。
本発明によれば、静電容量が高く、高い強度を有するキャパシタ型蓄電池が得られる。
本発明における第1の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。 本発明における第2の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。 本発明における第3の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。 本発明における第4の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。
本発明の第一の形態のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、前記第1基材の一方の面上に第1絶縁膜と、前記第1基材の他方の面上に第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜上で長尺方向に延在する第1導電路と、前記第2絶縁膜上で長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうち前記第1基材の表面の凹凸に接する絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなり、前記第前記第1基材の表面の凹凸に隣接して設けられる第1接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第1接着剤層よりも前記第1基材の表面の凹凸から遠い側に設けられる第2接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路の少なくとも一方に接触するのを防止する接着剤層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10 Pa以上1×10 Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10 Pa以上の有機高分子層である。
本発明の第二の形態のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、第1絶縁膜と、を積層する第1積層膜と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在する第1導電路と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、前記第1絶縁膜が接する前記第1導電膜又は第1半導体膜の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さ10μm、凸部の最大幅10μm、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、前記第1絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなり、前記第1基材に隣接して設けられる第1接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第1接着剤層よりも前記第1導電路及び前記第2導電路側に設けられる第2接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する接着剤層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10 Pa以上1×10 Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10 Pa以上の有機高分子層である。
第1導電路と第2導電路のペア線を流れる電流によって生じた導電路長さ方向に進行する電磁波は、第1導電路と第2導電路と接する絶縁層によって速度の低下が生じ、TE成分やTM成分を持つことになる。これらの成分は、導電膜若しくは半導体膜内、又は導電粒子若しくは半導体粒子内の電子の粗密波、つまり表面プラズモンと干渉しやすくなる。
特に導電膜又は半導体膜を構成する要素が粒子の場合に、TM成分と表面プラズモンとの波面の整合確率が高くなることより、TM成分は表面プラズモンと干渉しやすくなる。この干渉によって粗密波(表面プラズモン)はエネルギーを得るが、電界の影響により電子の粗密な状態を、導電膜又は半導体膜内に生じさせる。これにより、電子が密に存在する部分に電子が集まることになる。この電子の集まりは、連続的な金属・半導体中においては、伝搬の際に原子格子の熱振動によって熱緩和し、エネルギーを損失させることになる。
しかし、粗密波の発生する箇所に粒子化した金属・半導体(導電粒子・半導体粒子。以下ではこれらを総称して「粒子」という場合がある。)を配置し、この粒子又は該粒子の集合体の最大幅を10μm以下とすることで、熱緩和しない距離でのエネルギー伝搬となる。更に、この最大幅の粒子又は粒子集合体が互いに接触せずに、互いの間に絶縁物を存在させることで、粗密波から電磁波に戻すことができる。そして再び、電磁波から粗密波にエネルギーを変換する。これを繰り返すことで、熱緩和を抑制でき、電荷の保持性能を向上させることができる。
ここで、前記粒子間又は粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下であることが好ましい。互いの距離を30nm以上とすることで、粗密波から電磁波に、また電磁波から粗密波にエネルギーが変換し、結果として蓄電池の容量が大きくなる。また、大きな容量を得るためには、粒子の数を一定以下に減らさないことが必要であり、この観点から互いの距離は、3000nm以下とする。
また、粒子ではなく、導電膜又は半導体膜の表面に凹部や凹部を埋める絶縁部が存在することでも粗密波から電磁波に、また電磁波から粗密波にエネルギーが変換し、結果として蓄電池の容量が大きくなる。その際に凹部の幅は、前記粒子間又は粒子集合体間の距離と同様に、30nm以上3000nm以下とすることで上記と同様の効果が奏される。また、凸部の高さ(凹部の深さ)は、30nm以上が望ましく、形成の容易さの点から10μm以下とすることが好ましい。
本発明では、上述の通り、粒子に接する絶縁膜を、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上から構成し、粒子に隣接して設けられる第1接着剤層は、粒子又は粒子集合体の間に密着する接着剤層であり、第1接着剤層よりも導電路側に設けられる第2接着剤層は、粒子が導電路に接触するのを防止する接着剤層とすることで、粒子又は粒子集合体が互いに接触せずに、互いの間に絶縁物を介在させる。
導電膜又は半導体膜からなる基材の表面の凹凸に追従させて空隙を発生させないためには、粒子に隣接して設けられる第1接着剤層と、第1接着剤層よりも導電路側に設けられる第2接着剤層の貯蔵弾性率を調節することが好適である。具体的には、第1接着剤層及び第2接着剤層を有機高分子層とし、第1接着剤層の貯蔵弾性率は1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲とし、第2接着剤層の貯蔵弾性率は1×10Pa以上とすることが好ましい。
また、第1接着剤層と、第2接着剤層の誘電正接(tanδ)を調節することも好適である。具体的には、第1接着剤層及び第2接着剤層を有機高分子層とし、第1接着剤層のtanδは0.1以上1以下の範囲とし、第2接着剤層のtanδは0.5以下とすることが好ましい。
更に、第2接着剤層の強度を高めて粒子が導電路に接触するのを効果的に防止するよう、樹脂中に無機化合物粉を分散させ形成した層としたり、或いは高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層としたりすることが好適である。
更に、粒子が導電路に接触するのをより効果的に防止するよう、第1接着剤層と第2接着剤層の間に第1強度確保層を設ける形態も好適である。この第1強度確保層は、接着性を有していなくともよい。
ここで、本発明において「粒子」とは、均一な固体相で構成され、その固体相は他相と接している境界で区切られた有限な一単位を意味する。例えば、導電粒子又は半導体粒子(固体相)の周囲に絶縁物(他相)が充填されている場合、特定の結晶方位を有する金属相の周囲に他の結晶方位を有する金属相又は半導体相が充填されている場合、極薄酸化膜(他層)が形成されている場合などが挙げられる。つまり、固体相は、単結晶、上記サイズの多結晶、アモルファスでもよい。
なお、一般に固体相と他相との境界においては、バルク体と異なり電子の移動の多少の制限を受けるが、粒子が第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と接触している場合には、電荷は、粒子と第1基材とが接触していることで接触面を通過できるものも存在している。
一方で、粗密波は、粒子の周囲を形成する境界によって、粒子の外へ伝搬が阻害される。
したがって、粒子と第1基材とが接触している場合には、第1基材から粒子の電子の密な部分に電荷が移動し、電子の粗密差をより大きくすることができる。つまり、上記構成を有するキャパシタ型蓄電池では、電磁波と表面プラズモンのエネルギー交換を大きくでき、かつ交換したエネルギーを保持できる。よって、更に大きな容量でかつ、電圧や電流の印加を切っても、電位の降下、つまりは蓄電量の低下を著しく抑制することが可能となる。
更に、粒子又は粒子集合体の最大幅が100nm未満の場合には、下記に説明するような量子効果が発現する。
前記粒子又は粒子集合体の最大幅が100nm未満の場合には、固有電子状態を形成し、電子のエネルギーはバルクスケールの連続的なバンド構造ではなく、離散的な複数のエネルギー準位を発生させることができる。つまり量子ドットとなり量子効果が発現する。
電磁波と表面プラズモン干渉によりエネルギーを得た粗密状態は、量子ドットの量子効果で得られた離散的エネルギー準位において、基底のエネルギー準位から高いエネルギーバ準位への移動、つまり準位間励起となることができる。バルクスケールの連続的なバンド構造では、バンド内でエネルギーが緩和されてしまい保持が困難であるのに対し、離散的エネルギー準位間の励起では、エネルギーの保持作用を発現できる。さらに言うならば、金属の連続的なエネルギー順位にあっても量子ドット的構造で離散的エネルギー順位となり、エネルギーの保持作用が発現できる。
離散的励起状態では、電子を伝導体に励起することで電子の抜け殻にホールができ、その電子ホールペア状態でエネルギーが保持される。この状態では、外部から見たとき電気的に中性である。すなわち、電磁エネルギーから電子ホールペア励起エネルギーにエネルギーが変換されたことになり、いわゆる静電気的な電界強度で対抗電極の一方に電子、他方にホールが保持された状態とは異なるエネルギー保持状態となる。
また、電子が一方の電極側に集まっていることにより、カップリングの存在する範囲で正の電荷(ホール)は分極的に、他方に位置することになる。熱緩和的な正の電荷の存在確率が少ないことにより、中和が生じにくくなり、電子の強い粗密状態の保持作用に有効である。
上記メカニズムでの蓄電の安定化作用は、第1導電路と第2導電路のペア線の一方の面でだけでなく、他面も活用できることから、第1導電路と第2導電路のペア線の他面に、連続した第2絶縁層を設け、この第2絶縁膜の外面上に、複数個の第2導電粒子又は第2半導体粒子を含む第2粒子層と、第2導電膜又は第2半導体膜からなる第2基材と、をこの順に備えても構わない。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、基材表面の凸部を粒子又は粒子が集合した粒子集合体として説明しているが、粒子又は粒子集合体を凸部と読み替えることができる。また粒子間又は粒子集合体間の距離を凹部と読み替えることができる。
<キャパシタ型蓄電池>
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。
第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材10の一方の面上に第1絶縁膜20、他方の面上に第2絶縁膜25が設けられる。第1絶縁膜20上には、第1積層型基材の長尺方向(図1では紙面の手前から奥に向かう方向)に延在する第1導電路30が設けられ、第2絶縁膜25上には、第1積層型基材の長尺方向に延在し、第1導電路30と平行するように第2導電路32が設けられる。
第1絶縁膜20及び第2絶縁膜25のうちの少なくとも一方が接する第1基材10の表面に、複数個の導電性又は半導電性の第1粒子40が存在する。図1では、第1絶縁膜20及び第2絶縁膜25が接する第1基材10の両表面において、第1粒子40が存在する図を示しているが、片面のみであってもよい。
第1粒子40又は第1粒子40が複数個集合した第1粒子集合体の最大幅は10μm以下である。第1粒子40又は粒子集合体の間には後述の第1接着剤層22,26が密着して介在し、第1粒子間又は第1粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下であることが好ましい。
図1において、第1絶縁膜20は、第1粒子40側から、第1接着剤層22、第1強度確保層23、及び第2接着剤層24をこの順に積層する3層からなる。第2絶縁膜25は、第1粒子40側から、第1接着剤層26、第1強度確保層27、第2接着剤層28をこの順に積層する3層からなる。第1強度確保層23、27は任意に設けられるが、絶縁膜の強度を高めて第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止する観点からは、設けることが好ましい。
なお、図1では、第1基材10の両面に第1粒子40が設けられているため、第1絶縁膜20及び第2絶縁膜25はいずれも積層構成となっているが、第1粒子40が第1絶縁膜22及び第2絶縁膜25のうちの一方側にのみ設けられている場合には、第1粒子40が設けられた側の絶縁層において積層構成となっていればよく、第1粒子40が設けられていない側の絶縁層は単層であってもよい。
また、図1では、3層構成の第1絶縁膜20及び第2絶縁膜25を示しているが、4層以上からなるものであってもよい。
第1粒子40に隣接して設けられる第1接着剤層22,26は、第1粒子40又は第1粒子集合体の間に密着する接着剤層であり、第1接着剤層22,26よりも第1導電路30及び第2導電路側32に設けられる第2接着剤層24,28は、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを防止する接着剤層である。第1接着剤層22,26と第2接着剤層24,28の間に設けられる第1強度確保層23、27は、圧着時において第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止するための層である。
以下、各部材を構成する材料について説明する。
(第1基材)
第1基材10は、第1導電膜又は第1半導体膜からなり、導電物質、半導体物質のいずれで構成されていてもよい。
なお、本発明において導電性(導電膜)とは、体積抵抗率が10−3Ω・cm以下であることを意味する。半導電性(半導体膜)とは、体積抵抗率が10−3Ω・cmを超えて10Ω・cm以下であることを意味する
第1導電膜又は第1半導体膜は、キャリア密度が高く、電荷の移動度が高い材料であることが好ましい。具体的には例えば以下の材料を例示することができる。
第1導電膜は、導電性を示すものであれば特に限定されないが、例えば、Fe、Al、Co、Cr、Ni、Ag、Mg、Cu、Sn、Au、Pt、Pd、In、Ti、Ta及びCからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むことが好ましく、単一元素で構成されていても、2種以上の元素が含まれていてもよい。2種以上の元素が含まれている場合には、合金若しくは共析物であってもよい。更に前記群より選択される少なくとも一つの元素を含み更に周期律表の3族から14族からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含んで構成される合金若しくは共析物あってもよい。なお、合金には固溶限界以下の固溶体も含まれる。また、単独でも導電性を有するFe、Al、Co、Cr、Ni、Ag、Mg、Cu、Sn、Au、Pt、Pd、In、Ti、Ta及びCの場合は単一の元素により形成されていても何ら問題ない。
また、第1導電膜としてSi含有物を用いる場合、SiにB、Al、Pなどに代表される、周期律表の3族から15族からなる群より選択される少なくとも一つの元素を固溶限界以下にまで固溶させ導電性を付与したものを用いることができる。
第1半導体膜は、半導電性を示すものであれば特に限定されないが、ニッケルナイトライド、アナターゼ構造のチタン酸化物、酸化錫混入の酸化インジウム、酸化錫、ジルコニウム酸化物、ガリウムナイトライド、アルミニウムナイトライド、シリコン、カーボンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有し、二種以上の化合物を併用してもよい。
特に半導体においては、常温で不純物準位から50%以上の励起電子が発生するよう、前記群より選択される化合物にn型又はp型の遷移金属、希土類金属又は非磁性金属をドープすることが有効である。
第1基材10は、第1導電膜又は第1半導体膜のいずれか1層で構成される単層であっても、異なる材料で構成される第1導電膜を2層以上積層する複層であっても、異なる材料で構成される第1半導体膜を2層以上積層する複層であっても、更には第1導電膜及び第1半導体膜から選択される2層以上を積層してもよい。
なお、第1基材10は、後述の第1粒子40とともに一体的に形成されていてもよい。
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1基材10の厚みは、20nm以上30000nm以下であることが好ましく、モジュール化した際の電気容量向上のための電荷量の確保の観点から、1μm〜20μmであることが好ましい。
前記第1基材10の表面粗さRz(μm)は、第1粒子層を形成する際に集合体の最大幅を好適な状態にする観点から1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上5μm以下であることがより好ましい。
表面粗さRzの測定方法は以下の通りである。
第1基材の表面の凹凸状態を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定する。この粗さ曲線からJIS B0601−1994に従い、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定して求める。
(第1粒子)
第1粒子40は導電性又は半導電性を示す。第1粒子40は、複数個が集合した粒子集合体(第1粒子集合体)となっていてもよい。第1粒子40又は第1粒子集合体の最大幅は10μm以下であり、前述の通り、量子効果を発揮させる観点からは、100nm以下であることがより好ましく、80nm以下であることが更に好ましい。
ここで、第1粒子40又は第1粒子集合体の最大幅とは、後述の第1導電路30及び第2導電路32の延在方向、つまり表面プラズモンの進行方法に沿った第1粒子を含む断面をAFMによって画像を観察し、その断面画像に含まれる100個以上の任意の第1粒子40又は粒子集合体について最大幅を測定したときの値をいう。第1粒子40又は第1粒子集合体の最大高さも同様にして測定する。
前記第1粒子40又は第1粒子集合体の間の距離は、30nm以上3000nm以下であり、より好ましくは、30nm以上1500nm以下であり、更に好ましくは50nm以上1000nm以下である。
ここで、第1粒子40又は第1粒子集合体の間の距離とは、上記粒子又は粒子集合体の最大幅の測定と同様の方法で断面を観察し、このときに隣り合う第1粒子40又は第1粒子集合体どうしにおいて、もっとも短い距離を測定したときの値をいう。
前記第1粒子40又は第1粒子集合体の間には、絶縁物を介在させる。本発明においては、第1粒子40又は第1粒子集合体の間には、後述する第1接着剤層22,26が密着して介在している。なお、上述の通り、第1粒子40又は第1粒子集合体の間の距離が、30nm以上3000nm以下であるため、本発明ではこの部分に第1接着剤層22,26が埋込している。
このように、第1粒子40又は第1粒子集合体の周囲に、絶縁層である第1接着剤層22,26が埋込されていると、表面プラズモンの発生が安定する。
第1粒子40は、第1基材10の少なくとも一方の面上に設けられていればよく、第1基材10の両面上に設けられていてもよい。第1粒子40を両面に設ける場合には、それぞれの面に同じ第1粒子40を適用しても、異なる第1粒子40を適用してもよい。
更に、同一面上に付与する第1粒子40は、単一種の粒子であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性の第1粒子の組成としては、前記第1導電膜で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
半導電性の第1粒子の組成としては、前記第1半導体膜で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
特に半導電性の第1粒子においては、常温で不純物準位から50%以上の励起電子が発生するよう、前記群より選択される化合物にn型又はp型の遷移金属、希土類金属又は非磁性金属をドープすることが有効である。
第1粒子40は、キャリア密度が高く、表面プラズモンを発生しやすく、また、粒子を形成しやすい材料で構成されることが好ましい。
前述の第1基材10と第1粒子40とは、同材質で構成されていてもよく、また同材質で構成される場合には、第1基材10と第1粒子40とが一体形成されていてもよい。
<第1絶縁膜、第2絶縁膜>
第1絶縁膜20は、少なくとも、第1粒子40に隣接して設ける第1接着剤層22と、第1接着剤層22よりも第1導電路30及び第2導電路32側に設ける第2接着剤層24とが積層されてなり、更に、第1接着剤層22と第2接着剤層24との間に第1強度確保層23を設けて、第1接着剤層22、第1強度確保層23、及び第2接着剤層24の3層構造としてもよい。更に、第1接着剤層22、第1強度確保層23、及び第2接着剤層24は、それぞれ2層以上から構成されていてもよい。
第2絶縁膜25は、少なくとも、第1粒子40に隣接して設ける第1接着剤層26と、第1接着剤層26よりも第1導電路30及び第2導電路32側に設ける第2接着剤層28とが積層されてなり、更に、第1接着剤層26と第2接着剤層28との間に第1強度確保層27を設けて、第1接着剤層26、第1強度確保層27、及び第2接着剤層28の3層構造としてもよい。更に、第1接着剤層26、第1強度確保層27、及び第2接着剤層28は、それぞれ2層以上から構成されていてもよい。
2層以上から構成される第1絶縁膜20及び第2絶縁膜25の総厚は、電磁波と表面プラズモンのエネルギー交換の効率化を高めて電容量を大きくするという観点から、1000nm以上30000nm以下が好ましく、5000nm以上20000nm以下がより好ましい。
第1接着剤層22,26は圧着時に第1基材10表面の第1粒子40による凹凸に追従して密着できるほどに軟らかい層とすることが好ましい。第2接着剤層24,28は、第1接着剤層22,26と第1導電路30及び第2導電路32の間に位置し、第1導電路30及び第2導電路32の角(端)や第1基材10表面の第1粒子40による凹凸が第1接着剤層22,26を貫通して、第1導電路30及び第2導電路32と第1基材10とが互いに傷付けることなく、一定の間隔を保持しつつ接着させるよう、第1接着剤層22,26よりも硬い層とすることが好ましい。具体的には、貯蔵弾性率を調節することが好適であり、その具体的な物性値については後述する。
また、第1接着剤層22,26及び第2接着剤層24,28が絶縁膜として効果的に機能するよう、誘電正接(tanδ)を調節することが好ましい。その具体的な数値については後述する。
以下、第1接着剤層22,26、第2接着剤層24,28、及び第1強度確保層23,27について説明する。
−第1接着剤層−
第1接着剤層22,26は、第1粒子40又は第1粒子集合体の間に密着する接着剤層である。第1接着剤層22,26は圧着時に第1基材10表面の第1粒子40による凹凸に密着できるほどに軟らかい層とすることが好ましい。
具体的には、第1接着剤層22,26が有機高分子層である場合に、貯蔵弾性率は1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲とすることが好ましく、2×10Pa以上9×10Pa以下の範囲とすることがより好ましく、3×10Pa以上6×10Pa以下の範囲とすることが更に好ましい。
また、第1接着剤層22,26の誘電正接(tanδ)は、第1粒子層との密着性を向上させるという観点から0.1以上1以下の範囲とすることが好ましく、0.2以上0.8以下の範囲とすることがより好ましく、0.3以上0.6以下の範囲とすることが更に好ましい。
第1接着剤層22,26には、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤、又は低分子のゴム系接着剤などを適用することができる。
第1接着剤層22,26は、それぞれ単層であっても、2層以上の複層であってもよい。第1接着剤層22,26の厚み(2層以上を重ねて使用する場合には総厚)は、第1粒子層に効率的に密着させるという観点から、各々500nm以上20000nm以下が好ましく、2000nm以上15000nm以下がより好ましい。
−第2接着剤層−
第2接着剤層24,28は、第1接着剤層22,26よりも第1導電路30及び第2導電路32側に設けられ、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを防止する接着剤層である。第1接着剤層24,28は圧着したときであっても、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止するよう、第1接着剤層22,26よりも強度の高い層とすることが好ましい。
具体的には、第2接着剤層24,28が有機高分子層である場合に、貯蔵弾性率は1×10Pa以上とすることが好ましく、2×10Pa以上1×10Pa以下の範囲とすることがより好ましく、5×10Pa以上1×10Pa以下の範囲とすることが更に好ましい。
また、第2接着剤層24,28の誘電正接(tanδ)は、第2接着剤層24,28の強度を上げ導電路の端面により破壊されることを防止する観点から、0.5以下とすることが好ましく、0.05以上0.5以下の範囲とすることがより好ましく、0.1以上0.2以下の範囲とすることが更に好ましい。
第2接着剤層24,28には、例えば、プチルゴム、CRゴム、CSMゴムなどのゴム系接着剤、高分子型のアクリル系接着剤、又は高分子型のシリコン系接着剤などを適用することができる。
第2接着剤層24,28は、圧着時においても第1導電路30及び第2導電路32と第1基材10との間を一定の間隔で保持できるよう、樹脂中に無機化合物粉を分散させ形成した層としたり、高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層としたりすることが好適である。
前記無機化合物粉としては、SiO、MgO、ZrO及びTiO等を例示することができる。
また、前記無機化合物粉を分散させる樹脂としては、無機化合物粉を分散させることができるものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂などいずれであってもよい。例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル樹脂(例えばPET等)、ポリカーボネートとポリエステルを含むアロイ樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、及びフッ素系樹脂等を例示することができる。
樹脂中の無機化合物粉の含有率は、20質量%以上85質量%以下とすることが好ましく、30質量%以上80質量%以下とすることがより好ましく、40質量%以上80質量%以下とすることが更に好ましい。
前記高分子樹脂を用いた多孔質材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリエチレン(PE)などに代表されるような高分子樹脂を例示することができる。多孔質材料とするために、発泡剤を添加してもよい。
また、前記多孔質材料に含浸させる樹脂としては、前記無機化合物粉を分散させる樹脂として例示したもの等を適宜適用することができる。
第2接着剤層24,28は、それぞれ単層であっても、2層以上の複層であってもよい。第2接着剤層24,28の厚み(2層以上を重ねて使用する場合には総厚)は、第1粒子層と第1及び第2導電路の確実な絶縁の観点から、各々500nm以上10000nm以下が好ましく、1000nm以上5000nm以下がより好ましい。
−第1接着剤層と第2接着剤層の組み合わせ例−
第1接着剤層22,26と第2接着剤層24,28の組み合わせ例を以下に示す。
(1)第1接着剤層22,26が、貯蔵弾性率1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が貯蔵弾性率1×10Pa以上の有機高分子層。
(2)第1接着剤層22,26が、誘電正接(tanδ)0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が誘電正接(tanδ)0.5以下の有機高分子層。
(3)第1接着剤層22,26が、貯蔵弾性率1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が無機化合物粉を分散させ形成した層。
(4)第1接着剤層22,26が、誘電正接(tanδ)0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が無機化合物粉を分散させ形成した層。
(5)第1接着剤層22,26が、貯蔵弾性率1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層。
(6)第1接着剤層22,26が、誘電正接(tanδ)0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層。
(7)第1接着剤層22,26が、貯蔵弾性率1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にあり且つ誘電正接(tanδ)0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が貯蔵弾性率1×10Pa以上で且つ誘電正接(tanδ)0.5以下の有機高分子層。
(8)第1接着剤層22,26が、貯蔵弾性率1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にあり且つ誘電正接(tanδ)0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が無機化合物粉を分散させ形成した層。
(9)第1接着剤層22,26が、貯蔵弾性率1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にあり且つ誘電正接(tanδ)0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、第2接着剤層24,28が高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層。
−第1強度確保層−
第1強度確保層23,27は、第1接着剤層22,26と第2接着剤層24,28の間に配置され、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのをより効果的に防止する層である。第1強度確保層23,27は任意の層であり、設けなくともよい。
圧着時において、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止するという観点からは、第1強度確保層23,27に要求される物性値は、第2接着剤層24,28に要求されるものと同様であり、よって、第2接着剤層24,28で説明した好適な貯蔵弾性率や誘電正接(tanδ)は、第1強度確保層23,27にも適用できる。
第1強度確保層23,27において、より好適な貯蔵弾性率は、2×10Pa以上1×10Pa以下の範囲であり、更に好適には1×10Pa以上1×10Pa以下の範囲である。また、より好適な誘電正接(tanδ)は0.05以上0.2以下の範囲であり、更に好適には0.05以上0.1以下の範囲である。
なお、第1接着剤層22,26及び第2接着剤層24,28が接着性を有するため、これらの層の間に設ける第1強度確保層23,27には接着性が必ずしも要求されず、接着性を有していなくともよい。
第1強度確保層23,27としては、市販の熱可塑性樹脂シートを使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル樹脂(例えばPET等)、ポリカーボネートとポリエステルを含むアロイ樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、及びフッ素系樹脂等の樹脂シートが挙げられる。シートの形状で入手されるものであっても、熱硬化性樹脂・UV硬化樹脂のように非固体であって絶縁膜上に付与した後で硬化させるものであってもよい。
第1強度確保層23,27は、圧着時においても第1導電路30及び第2導電路32と第1基材10との間を一定の間隔で保持できるよう、樹脂中に無機化合物粉を分散させ形成した層としたり、高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層としたりすることが好適である。無機化合物粉を分散させ形成した層や、高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層については、第2接着剤層24,28で説明したものと同様であるため説明を省略する。
第1強度確保層23,27は、表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが付与されてもよい。また、第1絶縁膜22,26及び第2絶縁膜24,28との密着性を向上させるために、前処理としてコロナ放電処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などを施してもよい。
第1強度確保層23,27は、それぞれ単層であっても、2層以上の複層であってもよい。第1強度確保層23,27の厚み(2層以上を重ねて使用する場合には総厚)は、蓄電池の薄化の観点から、各々200nm以上5000nm以下が好ましく、500nm以上2000nm以下がより好ましい。
(第1導電路、第2導電路)
第1導電路30及び第2導電路32の組成としては、前記第1導電膜10で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。第1導電路30と第2導電路32は同じ材質で形成してもよいし、異なる材質で形成されていてもよい。
第1導電路30及び第2導電路32の短尺方向の長さ(幅)wは、例えば各々1μm以上100mm以下であり、第1導電路と第2導電路との間隔d(つまり第1基材と第1粒子層と第1絶縁膜20と第2絶縁膜22の総厚み)は、例えば各々1μm以上100mm以下である。また第1導電路及び第2導電路の厚み(高さ)tは、例えば各々0.5μm以上10μm以下である。また、幅wと間隔dの関係は、w/d≧1.5が望ましい。また幅wと高さtの関係は、t/w≦1が好ましく、より好ましくはt/w≦0.5である。
(作製方法)
本発明の第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池の製造方法は、上記構成のキャパシタ型蓄電池を形成し得る方法であれば特に限定されるものではない。以下に製造方法の一例について説明する。
基材シートの上に、例えばスパッタ、蒸着、めっき、イオンプレーティング、CVD、溶射などの手法で、第1導電膜又は第1半導体膜10が形成される。第1導電膜として市販の金属箔を用いてもよい。
この第1導電膜又は半導体膜10の上に、マグネトロンスパッタ、蒸着、めっき、イオンプレーティング、CVD、溶射などの手法により、上記サイズの第1粒子40を付与する。或いは、電界めっき、イオンプレーティング、CVD、溶射などの手法により、第1導電膜又は半導体膜10の上に、上記サイズの第1粒子40を析出させる。
第1粒子40又は粒子集合体の最大幅を10μm以下に調整し且つその第1粒子40又は粒子集合体の間の距離を30nm以上3000nm以下とするのは、スパッタ法の場合は製膜条件の最適化を行うこと、電解メッキ法では印加電流条件の最適化により行うことができる。
なお、第1導電膜又は第1半導体膜10と第1粒子40とを一体形成する場合には、一連のプロセスで、第1導電膜又は第1半導体膜10と第1粒子40とを形成することができる。また、これらを各々異なる条件や異なる手法により形成してもよい。
第1基材10上の第1粒子40の上に、別途作製した2層以上からなる第1絶縁膜20(少なくとも第1接着剤層及び第2接着剤層を含む)を載せて、圧着させる。このとき、第1粒子40又は第1粒子集合体の間に第1絶縁膜20の第1接着剤層が埋込するように、加熱によりラミネートをすることが有益である。更に、第1絶縁膜20の上に第1導電路30が形成される。
他方、基材シートが第1導電膜又は第1半導体膜10から剥がされ、その剥がされた面の上に、第1絶縁膜20の形成方法と同様の方法により第2絶縁膜25が形成される。市販の金属箔を第1導電膜又は第1半導体膜10として用いた場合には、第1導電膜又は第1半導体膜10における第1絶縁膜20が設けられていない面に、第2絶縁膜25が形成される。
このようにして形成した第2絶縁膜25の上に、第2導電路32が形成される。
なお、第1導電膜又は第1半導体膜10の上に第2絶縁膜25を形成する前に、第1粒子40を形成してもよい。
(使用)
図示しないが、蓄電池の長尺方向の一方の端部では第1導電路30及び第2導電路32が露出している。この露出している部分に、第1導電路30及び第2導電路32に電圧を与えるための第1端子及び第2端子がそれぞれ接続している。第1端子及び第2端子に所定の電位差を与えると、第1基材10と、第1導電路30及び第2導電路32との間に広がった電磁界すなわちフォトンとの間で、フォトン−表面プラズモンのエネルギー交換が行われ、大きな容量で蓄電される。以下の実施形態においても同様である。
[第2の実施形態]
図2は、第2の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる基材10の上に第1絶縁膜20を積層した第1積層膜50を有する。第1積層膜50上には、第1積層膜50の長尺方向(図2では紙面の手前から奥に向かう方向)に延在する第1導電路30と、第1導電路30に平行する第2導電路32とが設けられる。
第1絶縁膜20が接する第1基材10の少なくとも表面に、複数個の導電性又は半導電性の第1粒子40が存在する。第1粒子40又は第1粒子40が複数個集合した第1粒子集合体の最大幅は10μm以下である。第1粒子40又は粒子集合体の間には第1接着剤層22が密着して介在し、粒子間又は粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下である。
図2において、第1絶縁膜20は、第1粒子40側から、第1接着剤層22、第1強度確保層23、及び第2接着剤層24をこの順に積層する3層からなる。第1強度確保層23は任意に設けられるが、絶縁膜の強度を高めて第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止する観点からは、設けることが好ましい。
なお、図2では、3層構成の第1絶縁膜20を示しているが、4層以上からなるものであってもよい。
第1粒子40に隣接して設けられる第1接着剤層22は、第1粒子40又は第1粒子集合体の間に密着する接着剤層であり、第1接着剤層22よりも第1導電路30及び第2導電路側32に設けられる第2接着剤層24は、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを防止する接着剤層である。第1接着剤層22と第2接着剤層24の間に設けられる第1強度確保層23は、圧着時において第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止するための層である。
以下、各部材を構成する材料について説明する。
(第1基材)
第1基材10は、第1導電膜又は第1半導体膜からなり、導電物質、半導体物質のいずれで構成されていてもよい。
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1基材10は、前記第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1基材で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。第1基材10は、第1粒子40とともに一体的に形成されていてもよい。
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1基材10の厚み(第1粒子40とともに一体的に形成されている場合には、第1粒子40を含めた厚み)は、電荷量の確保の観点や軽量化の観点から20nm以上10000nm以下であることが好ましく、0.1μm〜5μmであることがより好ましい。
(第1粒子)
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1粒子40は、前記第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1粒子層で説明したものをそれぞれ適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
<第1絶縁膜>
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1絶縁膜20は、前記第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1絶縁膜20で説明したものをそれぞれ適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1絶縁膜20の総厚みは、電磁波と表面プラズモンのエネルギー交換の効率化を高めて電気容量を大きくする観点から、1000nm以上30000nm以下が好ましく、5000nm以上20000nm以下がより好ましい。
また、第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1接着剤層22の厚みは、0.5μm〜20μmであることが好ましく、2μm〜15μmであることがより好ましい。第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第2接着剤層24の厚みは、0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1強度確保層23の厚みは、0.2μm〜5μmであることが好ましく、0.5μm〜2μmであることがより好ましい。
(第1導電路、第2導電路)
第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1導電路30及び第2導電路32は、前記第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池における第1導電路及び第2導電路で説明したものをそれぞれ適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
(基材シート)
図2に示すキャパシタ型蓄電池では、基材シート60の上に前記第1導電膜又は第1半導体膜10を積層する。基材シート60の適用は任意であり、基材シート60を設けなくともよい。
基材シート60を適用する場合の組成としては、前記第1導電膜又は第1半導体膜10を積層できるものであれば、導電性、半導電性、及び絶縁性のいずれであってもよい。絶縁性であれば、本キャパシタ型蓄電池を巻いて使用する場合には、基材シートは導電性のある第1基材と第1導電路及び第2導電路の間を絶縁する役割を果たせる。
導電性のシートとしては、前記第1導電膜で説明したものと適用することができ、半導電性のシートとしては、前記第1半導体膜で説明したものと適用することができ、絶縁性のシートとしては、前記第1絶縁膜で説明したものを適用することができる。好適に用いられる材料についても同様である。
基材シート60の厚みは、1μm〜25μmが好ましい。
(作製方法)
本発明の第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池の製造方法は、上記構成のキャパシタ型蓄電池を形成し得る方法であれば特に限定されるものではない。以下に製造方法の一例について説明する。
基材シート60の上に、例えばスパッタ、蒸着、めっき、イオンプレーティング、CVD、溶射などの手法で、第1導電膜又は第1半導体膜10を形成する。第1導電膜として市販の金属箔などを用いてもよい。
この第1導電膜又は半導体膜10の上に、マグネトロンスパッタ、蒸着、イオンプレーティングなどの手法により、上記サイズの第1粒子40を付与する。或いは、電界めっきCVD、溶射などの手法により、第1導電膜又は半導体膜10の上に、上記サイズの第1粒子40を析出させる。
第1基材10上の第1粒子40の上に、別途作製した2層以上からなる第1絶縁膜20(少なくとも第1接着剤層及び第2接着剤層を含む)を載せて、圧着させる。更にその第1絶縁膜20の上に第1導電路30と第2導電路32とを、互いが平行するように形成する。
[第3の実施形態]
図3は、第3の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。
第3の実施形態のキャパシタ型蓄電池は、第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池において、更に、第1導電路30及び第2導電路32の外面上に、第2絶縁膜25が連続して設けられ、第2絶縁膜25の外面上に、第2導電膜又は第2半導体膜からなる第2基材12が設けられる。更に図3においては、第2基材12の外側表面には基材シート60が設けられる。
第2絶縁膜25が接する第1基材12の少なくとも表面に、複数個の導電性又は半導電性の第2粒子42が存在する。第2粒子42又は第2粒子42が複数個集合した第2粒子集合体の最大幅は10μm以下である。第2粒子42又は第2粒子集合体の間には第1接着剤層26が密着して介在し、第2粒子間又は第2粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下である。
図3において、第1絶縁膜25は、第2粒子42側から、第1接着剤層26、第1強度確保層27、及び第2接着剤層28をこの順に積層する3層からなる。第1強度確保層27は任意に設けられるが、絶縁膜の強度を高めて第1粒子42が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止する観点からは、設けることが好ましい。
なお、図3では、3層構成の第2絶縁膜25を示しているが、4層以上からなるものであってもよい。
第2粒子42に隣接して設けられる第1接着剤層26は、第2粒子42又は第1粒子集合体の間に密着する接着剤層であり、第1接着剤層26よりも第1導電路30及び第2導電路側32に設けられる第2接着剤層28は、第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを防止する接着剤層である。第1接着剤層26と第2接着剤層28の間に設けられる第1強度確保層27は、圧着時において第1粒子40が第1導電路30及び第2導電路32に接触するのを確実に防止するための層である。
第3の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池において、第1基材10、第1粒子40、第1絶縁膜20、第1導電路30、第2導電路32、及び基材シート60は、第2の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池における第1基材、第1粒子、第1絶縁膜、第1導電路、第2導電路及び基材シートで説明したものをそれぞれ適用することができ、好適に用いられる材料についても同様であるため、説明を省略する。
(第2絶縁膜)
第2絶縁膜25は、前記第1絶縁膜20で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料や形状についても同様である。
なお、図3では、第2絶縁膜25及び第2基材12は平板状のものとして示しているが、このような形状に限定されず、導電路30及び第2導電路32による凹凸に沿って設けられていてもよい。
(第2基材)
第2導電膜又は第2半導体膜からなる第2基材12は、前記第1基材10で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
前記第2基材12の表面粗さRz(μm)も、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上5μm以下であることがより好ましい。
(第2粒子)
第2粒子42は、前記第1粒子40で説明したものを適用することができ、好適に用いられる材料についても同様である。
前述の第2基材12と第2粒子42とは、同材質で構成されていてもよく、また同材質で構成される場合には、第2基材12と第1粒子42とが一体形成されていてもよい。
(作製方法)
本発明の第3の実施形態のキャパシタ型蓄電池の製造方法は、上記構成のキャパシタ型蓄電池を形成し得る方法であれば特に限定されるものではない。以下に製造方法の一例について説明する。
基材シート60の上に、例えばスパッタ、蒸着、めっき、イオンプレーティング、CVD、溶射などの手法で、第1導電膜又は第1半導体膜10が形成される。第1導電膜として市販の金属箔を用いてもよい。
この第1導電膜又は半導体膜10の上に、マグネトロンスパッタ、イオンプレーティングなどの手法により、上記サイズの第1粒子40を付与する。或いは、電界めっき、CVD、溶射などの手法により、第1導電膜又は半導体膜の上に、上記サイズの第1粒子40を析出させる。
第1基材10上の第1粒子40の上に、別途作製した2層以上からなる第1絶縁膜20(少なくとも第1接着剤層及び第2接着剤層を含む)を載せて圧着させ、基材シート60、第1導電膜又は第1半導体膜10、(第1粒子40)、及び第1絶縁膜20がこの順に積層した積層体1を得る。
他方、基材シート60の上に、例えばスパッタ、蒸着、めっき、イオンプレーティング、CVD、溶射などの手法で、第2導電膜又は第2半導体膜12が形成される。第2導電膜として市販の金属箔などを用いてもよい。
この第2導電膜又は第2半導体膜12の上に、マグネトロンスパッタイオンプレーティングなどの手法により、上記サイズの第2粒子42を付与する。或いは、電界めっき、CVD、溶射などの手法により、第2導電膜又は第2半導体膜12の上に、上記サイズの第2粒子42を析出させる。
第2基材12上の第2粒子42の上に、別途作製した2層以上からなる第2絶縁膜25を載せて圧着させ、基材シート60、第2導電膜又は第2半導体膜12、(第2粒子42)、及び第2絶縁膜25がこの順に積層した積層体2を得る。
前記準備した積層体1及び積層体2を、積層体1の第1絶縁膜20と積層体2の第2絶縁膜25が対向するようにして、その第1絶縁膜20と第2絶縁膜25の間に、第1導電路30と第2導電路32とが平行するように配置して挟持させ、第3の実施形態のキャパシタ型蓄電池を得る。
[第4の実施形態]
図4は、第4の実施形態に係るキャパシタ型蓄電池の一例を示す短尺方向(幅方向)での断面図である。
図4に示すキャパシタ型蓄電池は、第1絶縁膜20の同一面上に、第1導電路30及び第2導電路32を複数交互に設けた点、更に図示しないが複数の第1導電路30が同一の第1端子に接続しており、複数の第2導電路32が同一の第2端子に接続している点を除いて、第3の実施形態にかかる蓄電池と同様である。
対を形成している第1導電路30及び第2導電路32の幅wとその間の距離dとは、w/d≧1.5の関係を満たすことが望ましい。対を形成していない第1導電路30と第2導電路32との距離をsとした場合、s/d≧1を満たすことが望ましい。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
第1端子及び第2端子は、第1導電路30及び第2導電路32から離れるに従って幅が狭くなる部分を有しており、かつこの部分において、第1導電路30及び第2導電路32が延伸する2辺が互いになす角度θが30°以下である。これにより、第1端子及び第2端子における電力の抵抗損失を少なくすることができる。
また、第1端子は、直接第1導電路30に接続しているが、第2端子は貫通電極(図示せず)を介して第2導電路32に接続している。貫通電極は、第1端子上及び第1導電路30及び第2導電路32上に設けられた絶縁層を貫通している。第2端子は、絶縁層上に位置している。
第4の実施形態によっても、第1〜第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。第1導電路30及び第2導電路32の数を多くしたため、蓄電池の容量がさらに大きくなる。
なお、図4では、第3の実施形態のキャパシタ型蓄電池の構成で、第1導電路30及び第2導電路32を複数交互に設けたものを示したが、図1の第1の実施形態のキャパシタ型蓄電池の構成や、図2の第2の実施形態のキャパシタ型蓄電池の構成で、第1導電路30及び第2導電路32を複数交互に設けたものであってもよい。
〔その他の実施形態〕
図1〜図4に示したキャパシタ型蓄電池はシート状であるが、このシートを長尺方向においてロール状に巻いて使用してもよい。
<キャパシタ型蓄電池用基板>
第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなる積層体であり、前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層がそれぞれ最外層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上の有機高分子層であるものは、キャパシタ型蓄電池用絶縁膜として有用である。
キャパシタ型蓄電池用基板において、第1接着剤層及び第2接着剤層は、上述の第1接着剤層及び第2接着剤層であり、好適な範囲についても同様である。
<キャパシタ型蓄電池用蓄電層>
第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、該第1基材の少なくとも一方の面上に第1絶縁膜と、を有し、前記第1絶縁膜が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅は3μmであり、前記第1絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む前述のキャパシタ型蓄電池用絶縁膜であり、前記第1接着剤層が前記第1基材に隣接して設けられ、前記第1接着剤層が前記第1基材の表面の凹凸の間に密着するものは、キャパシタ型蓄電池用蓄電層として有用である。
キャパシタ型蓄電池用蓄電層において、第1導電膜又は第1半導体からなる第1基材、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む第1絶縁膜については、第1導電膜又は第1半導体からなる第1基材、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む第1絶縁膜とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
以下、本発明の実施例について比較例と共に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
<絶縁層の作製>
参考例1)
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合して、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂1を合成した。また、モノマーとしてメチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合して、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂2を合成した。
上記の樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件で貯蔵弾性率が樹脂1で7.4×10Pa、tanδが0.4、樹脂2で貯蔵弾性率が1.2×10Pa、tanδが0.4であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに樹脂2を乾燥後の厚みが10μm厚となるようにバーコート法により塗工し、乾燥した後、さらに樹脂1を乾燥後の厚みが10μm厚となるように塗工・乾燥し、絶縁層1を得た。
参考例2)
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合して、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂3を合成した。また、モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合して、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂4を合成した。
上記の樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件において樹脂3で貯蔵弾性率が5.1×10Pa、tanδが0.4、樹脂4で貯蔵弾性率が4.9×10Pa、tanδが1.2であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに樹脂4を乾燥後の厚みが10μm厚となるようにバーコート法により塗工し、乾燥した後、さらに樹脂3を乾燥後の厚みが10μm厚となるように塗工・乾燥し、絶縁層2を得た。
(実施例
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂5を合成した。また、モノマーとして、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂6を合成した。
上記の樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件において樹脂5で貯蔵弾性率が4.9×10Pa、tanδが1.2、樹脂6で貯蔵弾性率が1.2×10Pa、tanδが0.4であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに樹脂6を乾燥後の厚みが10μm厚となるようにバーコート法により塗工し乾燥した後、さらに樹脂5を乾燥後の厚みが10μm厚となるように塗工・乾燥し、絶縁層3を得た。
(実施例
モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加し、有機高分子である樹脂7を合成した。また、モノマーとしてメチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂8を合成した。
上記の樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件において樹脂7で貯蔵弾性率が5.1×10Pa、tanδが0.4、樹脂8で貯蔵弾性率が1.8×10Pa、tanδが0.8であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに樹脂8を乾燥後の厚みが10μm厚となるようにバーコート法により塗工し乾燥した後、さらに樹脂7を乾燥後の厚みが10μm厚となるように塗工・乾燥し、絶縁層4を得た。
(実施例
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂9を合成した。また、モノマーとして、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂10を合成した。
上記の樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件において樹脂9で貯蔵弾性率が5.1×10Pa、tanδが0.4、樹脂10で貯蔵弾性率が1.2×10Pa、tanδが0.4であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに樹脂10を乾燥後の厚みが10μm厚となるようにバーコート法により塗工し乾燥した後、さらに樹脂9を乾燥後の厚みが10μm厚となるように塗工・乾燥し、絶縁層5を得た。
(実施例
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂11を合成した。また、モノマーとしてメチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂12を合成した。
上記の樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件において樹脂11で貯蔵弾性率が5.1×10Pa、tanδが0.4、樹脂12で貯蔵弾性率が1.2×10Pa、tanδが0.4であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに樹脂11を乾燥後の厚みが5μm厚となるようにバーコート法により塗工し乾燥した後、その上に樹脂12を乾燥後の厚みが5μm厚となるようにバーコート法により塗工・乾燥し、さらに樹脂11を乾燥後の厚みが10μm厚となるようにバーコート法により塗工・乾燥して、絶縁層6を得た。
(比較例1)
モノマーとして、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂13を合成した。
この樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件で貯蔵弾性率が1.2×10Pa、tanδが0.4であった。
支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、樹脂13を乾燥後の厚みが20μm厚となるようにバーコート法により片面塗工し、乾燥して、比較の絶縁層7を得た。
(比較例2)
モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを用い、これらを混合し、更に硬化剤を適量添加して、有機高分子である樹脂14を合成した。
この樹脂に関してJIS−K7244に準拠した方法で粘弾性を測定したところ、25℃、1Hzの条件で貯蔵弾性率が5.1×10Pa、tanδが0.4であった。
この樹脂14を、支持体としての25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥後の厚みが20μm厚となるようにバーコート法により片面塗工し、乾燥して、比較の絶縁層8を得た。
<試験用キャパシタの作製>
上記のように作製した絶縁層1〜8を用いて、試験用キャパシタを試作した。
具体的にはRz=5μm、厚み20μmの銅箔上に、電解メッキ法を用いCu粒子を析出させた蓄電層に、上記絶縁層1〜8のそれぞれを表1に示す圧力で貼り付けた。支持体としてのポリエチレンテレフタレートフィルムを絶縁層1〜8から剥離し、ここに別途用意した幅20mm、厚さ50μmの銅箔が1mm間隔で平行になるように貼合して導電路とし、試験用キャパシタとした。
蓄電層の表面をSEMで観察したところ、いずれも最大幅10μmの突起が平均300nmの間隔で形成されていた。
<評価>
作製した試験用キャパシタについて、LCRメータ(日置製、LCRハイテスタ 3522−50)を用いて静電容量を測定した。結果を表1に示す。なお、表1に示す静電容量の平均値とは、100個の試作キャパシタをうち静電容量を測定できた値を母数とした測定値群の平均値である。また、バラつきは上記測定値群のレンジを表す。更に、歩留りとは、キャパシタ試作数中の上記測定値群の母数の百分率を表す。
表1に示されるように、比較例1の試験用キャパシタでは、圧着条件が室温(25℃)で0.1MPaの場合は、導電路と蓄電層の間が絶縁されているものの、流動性がないため粒子表面との密着性がなく剥がれてしまい、歩留まりが悪くなっている。また静電容量も内部抵抗が高いため低いものとなった。また粒子と絶縁層の間の空隙の存在確率が一定でないため、容量値の幅も大きくバラつきが大きい結果となった。空隙量の低下を目的に、加圧力を増した圧着条件(0.3MPa、0.5MPa)でも貯蔵弾性率が高いため十分といえるほどには空隙量が減少せず、容量は十分には向上しなかった。圧着の加圧力を増したことにより容量値のバラつき幅は小さくなったものの未だ十分ではなかった。
比較例2の試験用キャパシタでは、圧着条件が室温(25℃)で0.1MPaの場合は、導電路と蓄電層の間が絶縁されているものの、粒子表面との距離が離れているため容量が低くなっていた。粒子表面に近接させるため、加圧力を増した圧着条件では予想通り静電容量は増加したものの、蓄電層に分散した粒子または導電路のエッジ部によって、接着剤層の破壊が多数のサンプルで起きてしまい、通電により蓄電することができず、歩留が大きく低下した。
一方、2層積層構造の絶縁層を有する参考例1,2では、加圧力を増した圧着条件(25℃、0.5MPa)において高い容量を保ちつつ、歩留の低下を抑制することができた。
さらに2層構造の絶縁層に関して貯蔵弾性率を調整した実施例3,4においては、容量値のバラつきが小さくなり静電容量の安定性が増し、さらに歩留まりが改善された。
加えてtanδに関しても調整した実施例5においては、静電容量の平均値が高く、安定性があり、歩留まり100%を達成することができた。また3層構造の絶縁層を有する実施例6においても、貯蔵弾性率・tanδを調整したことにより、同様に静電容量の平均値が高く、且つ歩留まりの向上が図られた。
以上の結果から、絶縁層を本発明に係る複層構造にすることで、圧着にも耐えうる強度と高静電容量を安定して有する蓄電池が得られた。
10 第1基材
12 第2基材
20 第1絶縁膜
22,26 第1接着剤層
23,27 第1強度補強層
24,28 第2接着剤層
25 第2絶縁膜
30 第1導電路
32 第2導電路
40 第1粒子
42 第2粒子
50 第1積層型基材
60 基材シート

Claims (21)

  1. 第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、
    前記第1基材の一方の面上に第1絶縁膜と、
    前記第1基材の他方の面上に第2絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜上で長尺方向に延在する第1導電路と、
    前記第2絶縁膜上で長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうちの少なくとも一方が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜のうち前記第1基材の表面の凹凸に接する絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなり、
    前記第1基材に隣接して設けられる第1接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第1接着剤層よりも前記第1基材の表面の凹凸から遠い側に設けられる第2接着剤層は、前記第1基材の表面の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路の少なくとも一方に接触するのを防止する接着剤層であり、
    前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上の有機高分子層であるキャパシタ型蓄電池。
  2. 第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、第1絶縁膜と、を積層する第1積層膜と、
    前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在する第1導電路と、
    前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、
    前記第1絶縁膜が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、
    前記第1絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなり、
    前記第1基材に隣接して設けられる第1接着剤層は、前記第1基材の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第1接着剤層よりも前記第1導電路及び前記第2導電路側に設けられる第2接着剤層は、前記第1基材の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する接着剤層であり、
    前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上の有機高分子層であるキャパシタ型蓄電池。
  3. 更に、前記第1導電路及び前記第2導電路の外面上に連続した第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜の外面上に、第2導電膜又は第2半導体膜からなる第2基材と、を有し、前記第2絶縁膜が接する前記第2基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、
    前記第2絶縁膜は、第3接着剤層及び第4接着剤層を含む2層以上からなり、
    前記第2基材に隣接して設けられる前記第3接着剤層は、前記第2基材の凹凸の間に密着する接着剤層であり、前記第3接着剤層よりも前記第1導電路及び前記第2導電路側に設けられる第4接着剤層は、前記第2基材の凹凸が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する接着剤層である請求項2に記載のキャパシタ型蓄電池。
  4. 前記凹部の幅が、30nm以上3000nm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  5. 前記第1接着剤層は、誘電正接(tanδ)が0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、誘電正接(tanδ)が0.5以下の有機高分子層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  6. 前記第2接着剤層が、樹脂中に無機化合物粉を分散させ形成した層である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  7. 前記第2接着剤層が、高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  8. 更に、前記第1接着剤層と前記第2接着剤層の間に、前記凸部が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する第1強度確保層を有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  9. 前記第3接着剤層は、貯蔵弾性率が、1×10Pa以上1×10Pa未満の範囲にあり、前記第4接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10Pa以上の有機高分子層である有機高分子層である請求項3〜請求項8のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  10. 前記第3接着剤層は、誘電正接(tanδ)が0.1以上1以下の範囲にある有機高分子層であり、前記第4接着剤層は、誘電正接(tanδ)が0.5以下の有機高分子層である請求項3〜請求項9のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  11. 前記第4接着剤層が、樹脂中に無機化合物粉を分散させ形成した層である請求項3〜請求項10のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  12. 前記第4接着剤層が、高分子樹脂を用いた多孔質材料に樹脂を含浸させ形成した層である請求項3〜請求項10のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  13. 更に、前記第3接着剤層と第4接着剤層の間に、前記凸部が前記第1導電路及び第2導電路に接触するのを防止する第2強度確保層を有する請求項3〜請求項12のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  14. 前記第1導電膜が、Fe、Al、Co、Cr、Ni、Ag、Mg、Cu、Sn、Au、Pt、Pd、In、Ti,Ta及びCからなる群より選択される少なくとも一つの元素、前記群より選択される少なくとも二種の元素で構成される合金若しくは共析物、又は前記群より選択される少なくとも一つの元素を含み更に周期律表の3族〜14族からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含んで構成される合金若しくは共析物、を含有する請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  15. 前記第2導電膜が、Fe、Al、Co、Cr、Ni、Ag、Mg、Cu、Sn、Au、Pt、Pd、In、Ti,Ta及びCからなる群より選択される少なくとも一つの元素、前記群より選択される少なくとも二種の元素で構成される合金若しくは共析物、又は前記群より選択される少なくとも一つの元素を含み更に周期律表の3族〜14族からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含んで構成される合金若しくは共析物、を含有する請求項3〜請求項14のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  16. 前記第1半導体膜が、ニッケルナイトライド、アナターゼ構造のチタン酸化物、酸化錫混入の酸化インジウム、酸化錫、ジルコニウム酸化物、ガリウムナイトライド、アルミニウムナイトライド、シリコン及びカーボンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有する請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  17. 前記第2半導体膜が、ニッケルナイトライド、アナターゼ構造のチタン酸化物、酸化錫混入の酸化インジウム、酸化錫、ジルコニウム酸化物、ガリウムナイトライド、アルミニウムナイトライド、シリコン及びカーボンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有する請求項3〜請求項16のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  18. 常温で不純物準位から50%以上の励起電子が発生するよう、前記化合物にn型またはp型の遷移金属、希土類金属又は非磁性金属をドープしてなる請求項16又は請求項17に記載のキャパシタ型蓄電池。
  19. 前記第1絶縁膜の同一面上に、複数列の前記第1導電路及び前記第2導電路を備える請求項2〜請求項18のいずれか1項に記載のキャパシタ型蓄電池。
  20. 前記複数列の第1導電路に接続する第1端子と、
    前記複数列の第2導電路に接続する第2端子と、
    を備え、
    前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1導電路及び前記第2導電路から離れるに従って幅が狭くなる部分を有しており、この部分において、前記第1導電路と同一方向に延伸する2辺は、互いになす角度が30°以下である請求項19に記載のキャパシタ型蓄電池。
  21. 第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材と、該第1基材の少なくとも一方の面上に第1絶縁膜と、を有し、
    前記第1絶縁膜が接する前記第1基材の表面が凹凸を有し、凸部の最大高さは10μm、凸部の最大幅は10μmであり、前記凸部どうしは間隔をもって設けられ、該間隔である凹部の最大幅3μmであり、
    前記第1絶縁膜は、第1接着剤層及び第2接着剤層を含む2層以上からなる積層体であり、前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層が最外層であり、前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10 Pa以上1×10 Pa未満の範囲にある有機高分子層であり、前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1×10 Pa以上の有機高分子層であるキャパシタ型蓄電池用絶縁膜であり、
    前記第1接着剤層が前記第1基材に隣接して設けられ、前記第1接着剤層が前記第1基材の表面の凹凸の間に密着する、キャパシタ型蓄電池用蓄電層。
JP2010079766A 2010-03-30 2010-03-30 キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層 Expired - Fee Related JP5705446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010079766A JP5705446B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010079766A JP5705446B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014260195A Division JP5940138B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 キャパシタ型蓄電池用絶縁膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011211105A JP2011211105A (ja) 2011-10-20
JP5705446B2 true JP5705446B2 (ja) 2015-04-22

Family

ID=44941828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010079766A Expired - Fee Related JP5705446B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5705446B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5901181B2 (ja) * 2010-09-28 2016-04-06 古河電気工業株式会社 キャパシタ型蓄電池、キャパシタ型蓄電池用蓄電層

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3770537B2 (ja) * 2001-07-30 2006-04-26 三井金属鉱業株式会社 キャパシター及びそれを形成するための両面銅張積層板の製造方法
JP2008193010A (ja) * 2006-07-04 2008-08-21 Tama Tlo Kk 蓄電池及びその製造方法
WO2009116668A1 (ja) * 2008-03-21 2009-09-24 学校法人明星学苑 キャパシタ型蓄電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011211105A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cheng et al. Interlayer structure engineering of MXene‐based capacitor‐type electrode for hybrid micro‐supercapacitor toward battery‐level energy density
Zhang et al. Challenges and opportunities of polymer nanodielectrics for capacitive energy storage
Liu et al. Evaluating the role of nanostructured current collectors in energy storage capability of supercapacitor electrodes with thick electroactive materials layers
Zhu et al. Highly flexible, freestanding supercapacitor electrode with enhanced performance obtained by hybridizing polypyrrole chains with MXene
Xiong et al. Graphitic petal electrodes for all‐solid‐state flexible supercapacitors
Sun et al. Hybrid fibers made of molybdenum disulfide, reduced graphene oxide, and multi‐walled carbon nanotubes for solid‐state, flexible, asymmetric supercapacitors
TWI601330B (zh) 電極材料及能量儲存設備
Zhang et al. Solid-state, flexible, high strength paper-based supercapacitors
JP2020503639A (ja) 集電体、その極シートと電気化学デバイス
US8526166B2 (en) Lithium ion capacitor
WO2004023584A1 (ja) 複合集電体
JP6304681B2 (ja) 金属膜及び金属膜の形成方法
CN103903869A (zh) 一种纸质超级电容器及其制备方法
CN103003901B (zh) 固体电解电容器
US9269959B2 (en) Lithium ion battery electrode
US9530573B2 (en) Electrode structure, method of manufacturing the same, and energy storage device having the same
US20050233209A1 (en) Electrical contact for current collectors of electrochemical cells and method therefor
CN113228353A (zh) 碳纳米管(cnt)-金属复合产品及其生产方法
Trivedi et al. Current collector material selection for supercapacitors
JP5705446B2 (ja) キャパシタ型蓄電池及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層
JP5881963B2 (ja) キャパシタ型蓄電池、キャパシタ型蓄電池用基板、及びキャパシタ型蓄電池用蓄電層
JP5940138B2 (ja) キャパシタ型蓄電池用絶縁膜
JP5901181B2 (ja) キャパシタ型蓄電池、キャパシタ型蓄電池用蓄電層
US9912008B2 (en) Electrical energy storage device with non-aqueous electrolyte
JP2011211118A (ja) キャパシタ型蓄電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20141007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141224

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150225

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5705446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees