JP5705236B2 - グリセロールからアクロレインを合成する新規な方法 - Google Patents

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Description

本発明はアクロレインの合成反応に関するものである。
本発明の合成反応ではグリセロールのアクロレインへの脱水反応と、この脱水反応中にホルムアルデヒドによって不純物の形で作られるアセトアルデヒドのアルドール縮合とが起こる。
アクロレインは式:CH2=CH−CHOの不飽和アルデヒドの一般名で、プロペナールともよばれる。この化合物は極めて古くから知られ、広域抗菌スペクトル生物致死剤として使われており、また、種々の化合物、D,L-メチオニン(飼料添加剤)、アクリル酸、医薬品、抗菌剤、香料、ピリジン、ピコリン、グルタルアルデヒド、その他の合成中間体でもある。
アクロレインの主たる工業的製造プロセスはデグッサ社が1940年に開発したアセトアルデヒドとホルムアルデヒドを原材料として使用する方法であり、その約20年後に各社がプロピレンの酸化方法を開発した。デグッサ法は下記反応に従って不均一触媒を用いて気相で実行される:
CH3-CHO + CH2O -> CH2=CH-CHO + H2O
上記反応に続く工業的観点から第2の反応は下記の酸化反応をベースにしたものである:
CH2=CH3 +02 -> CH2=CH-CHO+H20
最近では上記プロセスを改良してグリセロールから脱水反応によって合成する別のプロセスが行われている:
CH2OH-CHOH-CH2OH -> CH2=CH-CHO + 2H20
このタイプのプロセスは非化石天然材料を使うことができ、バイオ−ベースのアクロレインを製造でき、環境に対する影響が大きい温室効果ガスの発生を減らすという工業化された多くの国の目標を満足させるものである。
「バイオ−ベース」のアクロレインという用語は使用する原材料の非化石天然起源である炭素14Cの含有量に特徴のある化合物であるということを意味する。
天然の再生可能な材料を起源とする炭素−ベースの原材料であることは最終製品の組成を形成する炭素原子によって検出できる。化石原料に由来する材料とは違って、再生可能な出発材料は14Cを含む。生物(動物または植物)から得られる全ての炭素のサンプルは3つの同位元素:12C(約98.892%)、13C(約1.108%)および14C(痕跡量:1.2×10-10%)の混合物である。生物組織の14C/12C比は大気のそれと同じである。環境中では14Cは主として2つの形:無機の形すなわち二酸化炭素ガス(CO2)の形と、有機の形すなわち有機分子中に一体化された炭素の形で存在する。
有機生物体中では炭素が環境と絶えず交換しているので、14C/12C比は新陳代謝によって一定に保たれる。大気中の14Cの比率は一定であるので、その比は生物中でも同じである。生きている間、生物は12Cと一緒に14Cも吸収し、14C/12C比の平均値は1.2×l0-12に等しい。
12Cは安定しており、サンプル中の12C原子の数は経時的に一定である。一方、14Cは放射性であり、生物中の炭素の1グラム当たり毎分、13.6個の14C同位元素が崩壊する。
半減期(または半減時間)T1/2は崩壊定数と関係し、14Cの半減期は5730年である。この時間を考えると、14Cの含有量は再生可能な出発材料を抽出してから最終製品の使用終了までほぼ一定であるといえる。
14Cの含有量を測定する方法は今のところ下記の2つである:
(1)液体シンチレーションを用いたスペクトロメトリ、
(2)マススペクトル分析、
マススペクトル分析ではサンプルをグラファイトまたはCO2ガスにし、質量分析機で分析する。この方法では14Cイオンを12Cイオンから分離するための加速器と質量分析装置とを使用して、2つの同位元素の比を求める。
材料中の14Cの量を測定するこれらの方法はASTM D6866規格(特にD6866−06)およびASTM D7026規格(特に7026−04)に記載されている。好ましい測定方法はASTM D6866−06規格に記載のマススペクトル分析である。
本発明の対象は、C14/C12の重量含有比が0.6×10-12〜1.2×10-1、好ましくは0.9×10-12〜1.2×10-12となるように、C14を含むバイオベースのアクロレインの合成方法にある。
上記C14/C12比は製造方法および使用した原材料(その一部または全部が非化石の天然材料か否か)または後で作られた混合物かに依存する。この比は1.2×10-12を越えることはなく、この値以上になった場合にはオベレータが意図的、人口的にC14原子をアクロレイン化合物中に入れたということを意味する。
しかし、グリセロールからアクロレインを製造する従来の方法は、全体収率が不十分であった。収率が低い理由の一つはグリセロール、アクロレイン、その他の中間生成物が分解して生じるアセトアルデヒドやホルムアルデヒドのような副生成物が反応装置から出る排出液中に多量に残って存在していることで説明できる。従って、原材料の相当部分すなわち5〜10%が副生成物の形で失われる。下記文献では工業的プロセスにするためにアセトアルデヒドを分離することを提案している。
J. Catal., 257, 163-171 (2000), A. Couna et al
本発明の目的は、主として非化石の天原材料を使用した「バイオ−ベース」のアクロレインを合成するプロセスを提案することで上記欠点を克服し且つ収率を大きくすることにある。
従って、本発明の対象は、アクロレイン収率を最適化し、しかも、副生成物、一般には原材料の5〜10%の量が失われることになる副生成物を利用し、特に、グリセロールの脱水反応で生じるアクロレイン流中に含まれるアセトアルデヒドを最大限に利用して、グリセロールからアクロレインを合成する方法にある。
本発明のアクロレインを合成方法は下記(1)〜(3)の段階から成る:
(1)植物油または動物脂肪のメタノール分解(メタノリシス、methanolysis)で得られるグリセロール材料を下記反応に従って脱水反応してアクロレインにする第1段階

CH2OH−CHOH−CH2OH−>CH2=CH−CHO+2H2
(2)第1の段階で得られた流れを冷却後、先ず最初に、第1帯域で水で洗浄し、第1の段階で得られたガス流を凝縮し、次に、第2の分留帯域で、最初に軽質アルデヒドがリッチな流れを分離し、次に水がリッチな流れを分離し、第3番目にアクロレイン流を分離する第2段階、
(3)上記段階で得られた軽質アルデヒドがリッチな流れの中に含まれるアセトアルデヒドをホルムアルデヒドと反応させて、下記の反応スキームに従うアルドール縮合(aldol縮合)反応によって、アクロレインがリッチな流れを作り、このアクロレインがリッチな流れを第2段階へ戻す第3段階:
CH3−CHO+CH2O−>CH2=CH−CHO+H2
アクロレインを製造するためのアセトアルデヒドとホルムアルデヒドとの間のアルドール縮合反応は公知であるが、グリセロールからアクロレインを合成するプロセスにこの反応を組み合わせて本発明の利点、効果が得られることを記載した文献はない。
アクロレインの合成プロセスの段階1(グリセロールの脱水)および段階2(生成物の凝縮および分離)と、それに続く重室化合物および非凝縮化合物を除去する精製段階と示す図。 上記と同じプロセスの変形例を示す図。 一つの同じカラム中でアセトアルデヒドおよびアクロレインを分離抽出する上記プロセスの段階1、2を示す図。 段階2の分別蒸留相から来るホルムアルデヒドとアセトアルデヒドとのアルドール縮合と、アルドール縮合反応の排出流を凝縮帯域のトップへ再循環することを含むアクロレイン合成の3段階を有する完全プロセスシェーマを示す図。 重質化合物除去カラムの下流の凝縮帯域でライン12を介した再循環を行う本発明プロセスの変形例を示す図。 ライン12を介した再循環を分別蒸留帯域の入力で行う本発明プロセスの変形例を示す図。 図4のプロセスシェーマの変形例であるが、[図3]に示す単一カラムを有する分別蒸留帯域を用いた例を示す図。
最初のプロセスの第1段階で使われる供給原料はグリセロール(1,2,3-プロパントリオール)で、これは植物油または動物脂肪のメタノール分解(meshanolysis)、より一般的にはアルコーリシス、加水分解および鹸化(saponification)の共生成物である。他の共生成物はディーゼルエンジン油および家庭燃料として使用されるメチルエステルまたは脂肪酸(加水分解)または石鹸(鹸化)である。「バイオ燃料」の開発が進むとこのルートでのグリセロールの生産量が増加する。その場合のグリセロールは変換油の約10重量%である。
上記グリセロールには塩を除去するために予め蒸留、イオン交換または流動床を用いた各種の精製処理がされる。
フランス特許第2 913 974号公報
あるいは、下記文献に記載のようにグリセロールを精製、蒸発させる。
G.B. DSouza, in 3. Am. Oil Chemists Soc. November 1979 (Vol 58) S 12A, by Steinbemer U et al. Fat. Sci. Technol.(1987), 89 Jahrgang No. 8, pp. 297-303 Anderson DO. et al. in Soaps and Detergents: A theoretical and Practical Review Miami25 Beach Fla., Oct 12-14 1994, chapter 6pp. 172-206. Fd: L Spits, AOCS Press, Champaign
グリセロールの水溶液の濃度は広範囲に変えることができ、例えばグリセロールを20〜99重量%にすることができる。一般にはグリセロールの濃度が30〜80重量%である水溶液が使われる。
脱水反応は平衡反応で:高温度で有利に進む:
CH2OH−CHOH−CH2OH<−>CH2OH−CH2−CHO+H2O−>CH2=CH−CHO+2H2
この反応は一般に気相で、固体触媒の存在下で、l50〜500℃、好ましくは250〜350℃の温度、1〜5バールの圧力で実行される。また、下記文献の第3欄第13行目、第4欄第11行目に記載のような液相で実行することもできる、
米国特許第US 5,387,720号明細書
また、下記文献に記載のように酸素または酸素含有気体の存在下で実行することもできる。
国際特許第WO 06/087083号公報 国際特許第WO 06/114506号公報
これらの方法で酸素は酸化の機能をせず、生成したコークスを燃焼させて触媒を脱コークスさせる役目をする。この触媒はアクリル酸および酢酸をほとんど作らないという意味で酸化触媒ではなく、酸触媒であり、急速に汚染され(fouled up)るので、脱コークスによって触媒寿命を延ばすことができる。それに加えて、酸化はフェノール、アセトンおよびプロパンアルデヒドのような面倒な副生成物の発生を減らすのに貢献する。温度があまりに高くない限り、アクリル酸に酸化されることはない。
グリセロール脱水反応は一般に酸性固体触媒上で行われる。適した触媒は反応媒体に不溶な、H0で表されるハメット(Haramett)酸度が+2以下である均質材料または多相材料である。ハメット(Haramett)酸度は下記文献に記載のように指示薬を使用したアミン滴定または気相での塩基吸着によって決定される。
米国特許第US 5,387,720号明細書 K. Tabe et al."Studies in Surface Scienceand Catalysis"、vol.51、1989、chap. 1, 2
この触媒はモノ-、ジ-またはポリ-無機酸で被覆された天然または合成の二酸化珪素(siicious)材料または酸性ゼオライト、無機担体、例えば酸化物、酸化物または混合酸化物あるいはヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩の中から選択することができる。
この触媒は一般にヘテロポリ酸のプロトンを元素周期律表の第I族〜第XVI族に属する元素の中から選択される少なくとも一つのカチオンで置換したヘテロポリ酸塩から成ることができ、このヘテロポリ酸塩はW、MoおよびVから成る群の中から選択される少なくとも一つの元素を含んでいる。
混合酸化物の中では特に鉄ベース、燐ベース、バナジウムと燐ベース、アルミニウムと燐ベース、硼素と燐ベース、燐または珪素とタングステンベース、セシウム、燐およびタングステンベースのものを挙げることができる。
触媒は特に、ゼオライト、ナフィオン複合材(登録商標、Nafion)複合材(フルオロポリマースルホン酸ベース)、塩素処理したアルミナ、燐タングステン酸(phosphotangstic acid)なおよび/または珪素タングステン酸(silicotungstic acid)およびその酸性塩、各種金属酸化物タイプの固体、例えば酸化タンタルTa25、酸化ニオブNb25、アルミナA123、酸化チタンTiO2、ジルコニアZrO2、酸化錫SnO2、シリカSiO2またはシリカアルミナSiO2−A123、ボレートBO3、サルフェートSO4、タングステートWO3、ホスフェートPO4、シリケートSiO3またはモリブデートMoO3またはこれら化合物の混合物の中から選択できる。
上記触媒は促進剤、例えばAu、Ag、Cu、Pt、Rh, Pd、Ru、Sm、Ce、Yt、Sc、La、Zn、Mg、Fe、CoまたはNiをさらに含むことができる。
好ましい触媒はホスフェートジルコニア、タングステンジルコニア、二酸化珪素(silicious)ジルコニア、タングステート、シリコタングステートまたはホスホタングステートを含浸した酸化チタンまたは酸化錫、ホスフェートアルミナまたはシリケート、ヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩、鉄ホスフェートまたは促進剤を含む鉄ホスフェート、バナジウム-燐混合酸化物である。
反応を液相で行う場合、使用する触媒は上記と同じものであるが、そのハメット酸度Hoは一般に+2以下、好ましくは−20〜−8.2にする。下記文献に記載のこの形式の反応には極めて高圧条件であり、さらに、転化率を増加させると反応の選択性が悪くなるという問題がある。
Benjamin Kanyniok et al. "Towards the Sustainable Production of Acrolein by Glecerol Dehydration" ChemSusChem 2009, 2,719-730 Ed. Wiley
そのため、メーカーが液相プロセスを採用することは無かった。しかし、本発明プロセスでは選択性に関する問題が解決でき、従って、液相プロセスの運転性能を実質的に改善することができるという点に注目する必要がある。
第2段階は少なくとも2つのカラムを有する凝縮帯域(一般に吸収/脱着カラムとよばれる)から成るプラントで実行される。その第1のカラムは重質化合物を除去でき、第2のカラムは非凝縮性化合物を脱着できる。「カラム」という用語はカラムの他に熱交換器、凝縮器またはその任意の均等システムを意味する。このプラントは溶液の水溶性画分と、アクロレイン-リッチ流および軽質アルデヒド流、例えばアセトアルデヒド流とを分離可能な少なくとも1つの蒸留塔を有する分留帯域を有している。
脱水反応装置からのガス排出物は、その反応装置を出た後に直ぐに適当な装置、例えばガス燃焼ボイラー−熱交換器で冷却されて、蒸気が作られ、次いで、凝縮帯域へ送られて水で洗浄され、ガス排出物中の大部分の成分が吸収/脱着カラムで吸収される。この吸収/脱着カラムは一般に0〜90℃の温度で運転される。カラムの頂部ガス温度は30〜60℃、カラム底ぶの液体温度は60〜90℃であるのが好ましい。このカラムではその底部でアクリル酸、酢酸の他にグリセロールポリエーテル、グリセロールアセタール、残留グリセロール等が分離され、カラムのトップではアクロレイン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトン、プロピオンアルデヒドおよび未反応気体、O2、N2およびCO、CO2等が得られる。この第1カラムの頂部流は第2カラムへ送られ、そこで非凝縮性化合物(軽質ガス)を除去する。第2カラムの底部では上記条件下で可溶な軽質成分を含むアクロレイン水溶液を回収する。カラム頂部から非凝縮性化合物をフラッシュオフする。アクロレイン水溶液は蒸留による分別蒸留帯域へ送られ、アセトアルデヒドと他の軽質化合物、例えばホルムアルデヒドとを含む軽質アルデヒド画分と、アクロレインを含み、多くの場合はプロパンアルデヒドおよびアセトンを水溶液得中に含む重質画分とを分離する。この水性溶媒を含む重質画分は蒸留抽出分離後に再循環する。
凝縮帯域の一つの変形例では吸収塔を、吸収/凝集カラムの底部からの排出流が送られる他のカラムと連結して、重質化合物のより良く分離し、この重質画分に随伴していた軽質化合物を回収する。
分別蒸留帯域は一般に連続した少なくとも2つの蒸留塔から成る。第1カラムの頂部では軽質アルデヒド、アセトアルデヒド、その他の軽質化合物がリッチな流れが抜出され、カラムの底部からの液体流は第2カラムへ送られ、この第2カラムの頂部からアクロレイン流が分離され、その底部から水溶性排出液が抜き出される。
この分別蒸留帯域の一つの変形例では、アクロレイン、軽質アルデヒドおよび水が下記文献に記載のようなサイド抜き出し部を有する単一カラムで分離される。
米国特許第US6515 187号明細書
このタイプの「コンパクト」なカラムを用いることで初期設備投資額を下げることができる。これは下記文献に記載のシェーマに示されている。
Techniques de l'lnginieur JOICO p2 Ulimano's and Kirk Othmer's encyclopedias, pages 154,217
蒸留塔のトップで回収されるアセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドのような軽質アルデヒドがリッチな軽質留分は、必要に応じて追加の精製処理をした後に、第3段階へ送られる。
この軽質アルデヒドがリッチな軽質留分の組成は脱水反応および吸収/脱着相の運転条件に依存する。一般に、アセトアルデヒドの含有量がホルムアルデヒド含有量より実質的に高い。しかし、アセトアルデヒド含有量が常に軽質アルデヒドがリッチな軽質留分中のホルムアルデヒドの含有量より大きいということを意味するものではない。要約すると、軽質留分は常にアセトアルデヒドを含み、ホルムアルデヒドの量は運転条件に従って変化する。
第3段階中に、前段階から来るアセトアルデヒドは下記の反応スキームに従ってアルドール縮合反応でホルムアルデヒドと反応する。このアセトアルデヒドは、アセトアルデヒドがリッチな段階2から来る軽質アルデヒドリッチな軽質留分を構成する流れを介して、アルドール縮合反応装置に送られる。ホルムアルデヒドは、第1に、軽質アルデヒドがリッチな軽質留分を構成する流れを介してアルドール縮合反応装置へ導入され、第2に、新しいホルムアルデヒドの形で導入される。軽質アルデヒドがリッチな軽質留分中のホルムアルデヒドの含有量は、ホルムアルデヒド/アセトアルデヒド比が反応を実行するために設定された比より大きくなるようなものでなければならず、上記の比にするために新しいアセトアルデヒドをアルドール縮合反応装置へ供給する。アルドール縮合反応からは追加のアクロレイン流が得られる。この追加のアクロレイ流は段階2へ再循環される。上記反応は一般に150〜400℃、好ましくは260〜350℃の温度で、0.5〜10バール、好ましくは0.8〜2バールの圧力で、固体縮合触媒の存在下で、一般に100〜2500h-1の時間空間速度(VVH)で気相で実行される。アルドール縮合反応装置には重合禁止剤、例えばフェノチアジン系、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジ-tert-ブチル-パラ-クレゾール(BHT)、パラ-フェニレンジアミンまたはTEMPO誘導体を加えることができる。
本発明方法で使用可能な固体凝縮触媒は一般に天然または合成の酸化物(例えば、ゼオライト)であり、その範囲は極めて広いが、一定の特性を有していなければならない。すなわち、凝縮反応(アルドール縮合反応)は2段階反応で、先ず最初にヒドロキシル化されたアルデヒドが作られ、それが次いで脱水反応を介して不飽和アルデヒドになる。この2段階反応を実行するのに必要な触媒は酸点を有するが、反応全体を成功させるためには、塩基点も有しているのが好ましい。
最適触媒はテスト分子:NH3(酸度)、CO2およびSO2(塩基度)の吸着度とリンクした2つの評価基準(クライテリア)を基礎にして選択される。
最初の判定基準は固形物上での上記テスト分子の吸着熱である。示唆マイクロ熱量の測定方法は下記文献に記載されている。
Handbook of Thermal Analysis and Calorimetry; vol. 5, Chapter 11, pages 387-438 "Heterogeneous Catalysis on Solids"
平均CO2吸着熱は303°Kで40kJ/モル〜170kJ/モルでなければならない。
平均値SO2吸着熱は353°Kで25kJ/モル〜10kJ/モルでなければならない。
平均NH3吸着熱は423°Kで25kJ/モル〜170kJ/モルでなければならない。
第2の判定基準は下記文献に記載のように、上記固形の単位面積あたりに吸着される上記テスト分子の量である。
"Micmcalotimettic Study of the Acidity andtassicity of Metal Oxide Surfaces" by Aline Auroux and Anronella Gervasini published in 2.Phys. Chem. 1990, 94,6371-6379
触媒の表面に吸着されるNH3の量は1.5〜8マイクロモル/m2であり、CO2の量は0.5〜8マイクロモル/m2である。
固体触媒成分の例としてはBaO、SrO、CaO、MgO、ZnO、TiO2、ZrO2の酸化物または炭酸塩の形、クレータイプの酸化物、例えばハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライト、アルカリ金属(Cs、K、Na、Li)イオンで置換したゼオライト、アルミナ、希土類酸化物またはオキシカーボネート上に沈着させたアルカリ金属フッ化物(例えば、KF)、例えばアルミナ(Na/A1203)またはマグネシア(例えばLi/MgO)に支持されたアルカリ金属のタイプの固形物、または、アルカリ土類金属を堆積させた希土類酸化物(SeO-La2O3)が挙げられる。
この固体触媒は例えばシリカ上またはシリカ-アルミナ、好ましくはSi/Al原子比が10以上のシリカ-アルミナ上の珪酸ナトリウムであり、必要に応じてプロモータを含む。そうした触媒の例としては結晶性または非晶質のアルミノシリケート、シリカライト、結晶性合成ゼオライト、例えばホージャサイト、フェリエライト、ZSM-5の酸形または第1〜14族元素、好ましくは第1、2族元素およびZnおよびTlで部分的または完全に置換されたものを挙げることができる。構造中のアルミニウム原子の一部または全てを三価原子、例えばB、Ga、Fe、Cr、V、As、Sb、BiまたはBeで置換し、珪素原子の一部または全てを四価原子、例ええばGe、Ti、ZrまたはHfで置換することもできる。
上記反応に適した他の触媒は混合酸化物触媒、例えコバルトとアルミニウムの混成燐酸塩、例えばナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、カドニウム(Cd)、マグネシウム、Ca、Sr、Mn、Zn, Mo、Nb、PbまたはSi塩をドープしたアルミナ、シリカまたはシリカ-アルミナである。これはMgO-アルミナ、MgO-Si02、リン酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩の形をした希土類にすることができる。また、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、燐含有誘導体のオキシナイトライド(酸窒化物)、例えばバナジウム−アルミニウム、リン−ジルコニウム、リン−アルミニウ、バナジウ-アルミニウ-リンまたはガリウム-アルミニウム-リンも上記反応に適している。同様に下記文献の[表1.2]に定義の塩基性固体も使用できる。
Handbook "NewSolid Acids and Bases" by Tanabe et at., Kodanoha, Tokyo, 1989, pages 1 to 3, pages 326 to 329 "Definition and Classification of Solid Acids and Bases, Their Catalytic Properties"
一つの分子または他の分子に対する選択性げ最も重要なファクタは使用する反応物の種類と量である。従って、ホルムアルデヒド/アセトアルデヒドのモル比が0.3〜1.5、好ましくは0.5〜1.0となるような量のホルムアルデヒドを反応媒体に加える。
上記反応は酸素または空気の存在下で行うのが好ましく、それによって触媒の急速な失活を避けることができる。触媒は250〜550℃の温度での空気処理で再生することができる。
Figure 0005705236
上記合成条件下では、媒体中に存在する分子(不純物)に応じて、例外的に他の反応も起こる。例えば
クロトンアルデヒド(2-ブタナール)の生成
Figure 0005705236
メタクリルアルデヒドおよびペンタナールの生成
Figure 0005705236
しかし、アセトアルデヒドとプロパンアルデヒドのクロスアルドール縮合で得られるこのペンタナール化合物の生成は避けることができる。すなわち、軽質アルデヒド画分中のアセトアルデヒドと一緒にプロパンアルデヒドが存在しないようにすることで、このメタアクロレイン化合物はさせることができる。
一方、ペンタエリトリトールの生成はプロセスシェーマを考えなければならない。この重質生成物の生成をへ防ぐためにはホルムアルデヒド/アセトアルデヒド比を1以下に保つ必要がある。従って、反応はホルムアルデヒドの全転化と、アセトアルデヒドの部分転化で行なわれる。
Figure 0005705236
アルドール縮合でアクロレインを合成する反応装置に入る混合液の組成が合成後に得られる各種生成物−アクロレイン、クロトンアルデヒド(2-ブテンアルデヒド)−のモル比の一部を決める。
アルドール縮合反応装置を出たアクロレインを含むガス排出流は冷却され、凝縮段階2へ再循環される。この流れは段階2の凝縮帯域の入力部に追加の供給原料として導入し、そこでグリセロールの脱水で製造されたアクロレインの精製の全ての主たる処理を行うことができる。また、非凝縮化合物を除去した後に、段階2の縮合帯域の中間点に導入することができる。最後に、段階2の分別蒸留帯域の入力部へ導入することができる。
本発明プロセスの上記実施例は、グリセロールの脱水によってアクロレインを単に製造するだけのプロセスと比較して、同じ量のアクロレインを生産するのに消費するグリセロールの量が大きく減るという利点がある。さらに、排出流の一部がアクロレインの製造で消費されるため廃棄物の量が減るという効果もある。すなわち、脱水段階中に一般に生じる主たる脱水プロセスの「不純物」はアセトアルデヒドで、その量は一般に2〜10モル%であり、多くの場合、ホルムアルデヒドが約0.1〜2モル%生じる。さらに、アルドール凝縮で製造したアクロレインに通常の精製処理を行ったものは後の使用に対応する仕様の精製レベルに達するということが分かっている。本発明プロセスではアルドール凝縮で反応装置からの排出流の全てを段階2に再循環できるので、この段階の精製を無くすことができるという利点がある。
本発明プロセスの他の実施例では、バイオ材料から得たバイオ−ベースのホルムアルデヒドを第3段階の反応物として使用する。この変換はわずかに異なる2つの反応モードに従って行われる。第1の変換は下記反応に従った酸化反応である:
2CH3OH+O2 −> 2HCHO+2H2
この反応は200〜500℃の温度で、1〜5絶対バール、一般にはほぼ大気圧で、モリブデン酸鉄、タングステン酸鉄、モリブデンと少なくとも一種の金属 W、V、Co、Nb、Tiとの混合酸化ものの中から選択される固体触媒の存在下で、気相で実行される。
他の反応モードでは、下記反応に従ったメタノールのオキシデハイドロジェネーションによってホルムアルデヒドを得る:
CH2OH −> HCHO+H2
この反応は5OO〜7OO℃の温度で、ほぼ大気圧下で、金属銀または金属銅の触媒の存在下で気相で実行される。
下記の反応を組み合わせて、2つの反応モードでホルムアルデヒドを合成することもできる:
CH2OH −> HCHO+H2
2CH3OH+O2 −> 2HCHO+2H2
2H2+O2 −> 2H2
この反応の組み合せは400〜760℃の温度で、1〜5絶対バールの圧力で、炭化珪素、シリカ、アルミナおよび酸化チタンを含む各種担体に担持された銅金属、銀金属および銀金属から選択される固体触媒の存在下で気相で実行される。
種々の反応が下記文献およびハンドブックに記載されている。
Ullmann Encyclopedia、vol. All、pages 624-631 Institut Frangais do Pdsrole [French Institute forPetroleum] "Proc6ddi de pitrochianie" ["Petrochemical processes"], volume 1, pages 105 to114
アルドール縮合反応装置に新しいバイオ−ベースのアセトアルデヒドを入れる際には、アセトアルデヒドを下記文献およびハンドブックに記載の方法を用いたバイオエタノールの合成方法に類似した反応で合成できる。
Ulbuasan's Encyclopedia, volume Al, pages 34-35 thetustitut Frangais du Pdtrolc [French institute for Petroleum] "Procdddi de pdtrochimie"["Petrochemical processes"], volume 2, 1966 edition, pages 33 50 36
ホルムアルデヒドは水溶液の形または無水物の形、例えばパラホルムアルデヒドまたはトリオキサンの形で使用できる。後者の場合、固体のホルムアルデヒド誘導体をガス流下で加熱して蒸発させる。
本発明方法で得られるアクロレインはC14/C12の重量含有比が0.9×10-12〜1.2×10-12であり、この比はバイオ−ベースの新しいホルムアルデヒドおよび/またはアセトアルデヒドを使用するか否かに依存する。得られたアクロレインでは上記の比が1.1〜1.2×10-12であるのが好ましい。
添付図面を参照した以下の説明によって本発明はより明瞭になるであろう。
[図1]では予備加熱した後の、スチーム、酸素および窒素のよう不活性ガスとの混合物の形をしたグリセロール供給原料ライン1を介して酸触媒を収容した反応装置Rに入れる。運転中に上記窒素の一部をライン14を介してカラム4から抜き出した非凝縮ガスで置換することができる。反応装置は250〜350℃の温度で、1〜5バールの圧力に維持する。反応装置を出たガス排出流は凝縮カラム2の上流域で冷却される。凝縮カラム2ではライン19を介して導入される水で洗浄され、重質画分が底部から取り出されてカラム3へ送られ、そこでストリッピングされる。カラム3の目的は酸性の重質化合物を含む重質流名かに伴出する軽質アルデヒドを回収することにある。最も軽い化合物のストリッピンはライン18を介して導入されるストリッピングガスを用いて容易に行うことができる。ストリッピングガスは空気、希釈空気またはカラム4の頂部で得た再循環ガス等にすることができる。
空気(O2)は、可燃条件の原因にならない制限された量を使用する限り、カラム中での重合反応を抑制する。軽質画分はカラム3の頂部から取り出し、カラム2の底部へ再循環する。カラム2の軽質留分はそのカラムの頂部から取り出し、カラム4へ送り、そこでストリッピングによって非凝集物を除去し、水溶液中でアルデヒドを吸収する。このカラム4では、カラム頂部で非凝縮物化合物が抜き出され、カラム底部から液体排出流が抜き出され、熱交換器で加熱された後にカラム5へ送られる。カラム5の頂部ではライン8を介してアセトアルデヒド(および軽質化合物)がリッチな流れが取り出され、このカラムの底部ではアクロレインがリッチな水溶液流が取り出されて、カラム6へ送られる。カラム6の頂部ではライン7を介してアクロレインがリッチなガス流が取り出され、底部からは水がリッチな排出流が抜き出され、その一部フラッシュオフで抜き出され、主なる流れはライン9を介してカラム4へ再循環される。
[図2]のシェーマは本発明プロセスの上流の段階1、2のグリセロールの脱水および生成物の分別蒸留の変形例を示す。ここでは[図1]と違って、反応装置からの排出流がカラム2で矢印19を介して供給される水で洗浄される。重質化合物はライン10を介してこのカラム2の底部から抜き出される。気体画分はカラム4'へ送られ、このカラム4'の頂部からライン14を介して非凝縮物化合物が取り出される。このカラム4'はカラム4とカップルになっており、カラム4の底部流は加熱後にカラム4'へ再循環される。他の構成は[図1]と同じであるが、唯一異なるのはライン9の水性溶媒が再循環されないことである。
[図3]のシェーマは[図1]に類似しているが、違いはカラム5の運転法である。このカラム5には中間位置に配置した側部抜き出し部が設けてあり、それによってライン7を介してアクロレインがリッチなガス流を抜き出すことができ、それと同時にアセトアルデヒドおよび軽質化合物をライン8を介して頂部で取り出すことができる。カラム5の水がリッチな底部流はライン9を介してカラム4へ再循環される。
蒸留による分離には温度レベルを上げる必要があるという点に注意されたい。この場合には、この温度レベルを上げるのにカラム底部にリボイラを挿入できる。図を簡単にするために、このリボイラやその他の追加ユニットは図示していない。
[図4]は3つの段階を有するプロセス全体のシェーマを示している。反応装置Rからカラム6までのプロセスの上流域部全体は[図2]と同じである。カラム5、6の下流で、流れ8は加熱され、反応装置15へ送られ、アクロレインの合成が実行される。この反応装置15では流れ8中に含まれるアセトアルデヒドおよび必要に応じてライン13を介して供給されるアセトアルデヒドがホルムアルデヒドとのアルドール縮合される。追加のホルムアルデヒドがライン11を介してオプションとして導入される。空気(または酸素源)はライン16を介して反応装置15に送られる。窒素(ライン17)も送られる。反応装置15は260〜350℃の温度、0.8〜2バールの圧力、100〜2500h-1のV.V.Hで気相で運転され、固体縮合反応触媒を収容している。生成したアクロレインと、未反応物と、その他の副生成物と、水とを含むガス流はライン12を介して抜き出され、冷却後にカラム2へ送られる。ライン8を介して供給されないこの反応に必要なホルムアルデヒドおよび/またはアセトアルデヒドの量は、ライン13またはライン11を介して供給される追加の量で補われる。
例えば[図4]に記載のような本発明プロセスの実行に好ましい変形例では、アセトアルデヒドの外部供給無しにアクロレイン生産ユニットを運転することができる。当然、カラム6で生じるアクロレインがリッチな流れをライン7を介して取り出し、製品としてアクロレインを製造する。ライン8を介して出る流れはアセトアルデヒドを含むだけではなく、グリセロールをアクロレインへ変換する場合には、アセトアルデヒドがリッチな流れもホルムアルデヒドを含む。必要なことは、各成分の含有量および反応装置15への流れ8の供給流速と組み合わせて、アルドール縮合反応のために選択した上記モル比が得られるように、補充量がホルムアルデヒドの量に対応するように、ライン11の流れの流速を選択することだけである。これはライン13を介した補充流無しに行うこともできる。
同様に、ホルムアルデヒド/アセトアルデヒド・モル比がアルドール縮合反応を維持する比より大きくなるように、流れ8はホルムアルデヒド含有量を有している必要がある。アセトアルデヒドの補充はライン13を介して行う。
工業プラントでは先ず最初にそれを構成する各装置、特に反応装置の寸法をキャパシティに関する「公称」(名目)運転ベースで定義する。反応装置Rはこのキャパシティに対して「不足状態」で運転し、例えば、再生時にはライン11を介したホルムアルデヒドおよびライン13を介したアセトアルデヒドの補給で反応装置15の最適運転ができ、従って蒸留ラインが最適になる。
本発明プロセスの上記配置では、カラム5でアクロレインとアセトアルデヒドとを完全に分離する必要はない。カラム5は、それが全てのアセトアルデヒドを流れ8に送り、結果的に、頂部で一定量のアクロレインと、他の軽質アルデヒドおよびケトンが得られるように調節する。「軽質アルデヒドおよびケトン」という用語はアクロレインより沸点が低いか、それに等しいもの、例えば軽質アルデヒドおよびケトンを意味する。もちろん、アクロレインをアセトアルデヒド中にパスさせ、カラム6へ送ってアセトアルデヒドが少ない流れを分離することもできる。それと同時に、低速になり、カラム5を過度に大きくせず済む。それによって必要な初期投資額を減らし、アクロレイン品質に関するクライテリアをより容易に達成することができる。
グリセロールの脱水によるアクロレイン生産に、ホルムアルデヒドによるアセトアルデヒドのアルドール縮合で他のアクロレインの生産とを組み合わせた上記配置では、各流れがより良く利用でき、従って、工業的利用が容易になる。
[図5]はアセトアルデヒドとホルムアルデヒドとの間のアルドール縮合反応で合成されたアクロレインを冷却後にライン12を介してカラム4'の下流および/またはカラム4の上流へ送る本発明方法の変形例である。このプロセスでは流れ12をカラム4'からカラム4へ行く流れの中に戻して、非凝縮性ガスの洗浄に利用する。アセトアルデヒドおよびアクロレインが吸収され、カラム4の頂部で除去される。生成した重質化合物は水と一緒にカラム4'へ戻される。この配置の利点はライン12からの熱い流れでカラム4'からカラム4への流れを加熱できる点にある。アセトアルデヒドを補給する場合には、ライン8で行うか、カラム5の上流で行い、このカラム5で軽質アルデヒドとアクロレインとを分離する。
[図6]はアセトアルデヒドとホルムアルデヒドとの間のアルドール縮合反応で合成されたアクロレインを冷却後にライン12を介してカラム4からカラム5へ行く流れ中で分別蒸留帯域の入力に送る本発明方法の変形例である。
このプロセス配置では、流れ12が主としてアクロレインと、アセトアルデヒドと、水とを含み、これがカラム5へ送られ、そこで未変換のアセトアルデヒドが再び蒸留される。反応装置15中での転化が一部の場合にはアセトアルデヒドが平衡濃度に達するまでこのループ中に蓄積し、反応装置Rで製造されたアセトアルデヒドの量が反応装置15で製造されたものにほぼ等しくなる。反応装置15で形成された重質アルデヒドは9で除去される。
この配置では、プロパンアルデヒドはアクロレインと一緒に除去され、アセトアルデヒドと一緒に反応装置15へ送られる。従って、このプロセスではメタアクロレインは生じないので、それを分離する必要はない。
[図7]は[図3]のものに類似した単一カラムから成る単純化合した別蒸留帯域を有する[図4]の変形例である。この変性例ではライン9の水溶性生成物を再循環せずに、4バールの圧力の流れをライン20を介してカラム5の底部で噴射し、吸収水はライン12を介してカラム4の頂部へ噴射する。
以下、本発明プロセスの実施例を示す。
実施例1は[図2]に示すような「従来法」でアクロレインを合成したもので、比較例である。
実施例2は[図4]に示す本発明プロセスである。
実施例3〜6は、アルドール縮合反応装置の運転条件、ホルムアルデヒドの量、ホルムアルデヒド/アセトアルデヒド比、温度、V.V.Hを変えて行った[図7]に示すシェーマに従って実行されるプロセスを示す。
実施例1(比較例)および実施例2
この2つの実施例の反応装置は下記の同様な運転条件下で運転した:温度:320℃、圧力:2.8絶対バール、触媒:タングステン化ジルコニア (Dai Ichi Kigenso社のref Z1044)、V.V.Hは2250h-1
実施例2での反応装置15の運転条件は以下の通り:温度:300℃、圧力:1.3絶対バール、触媒:シリカに担持した珪酸ナトリウム。
プロセスの主成分のモル流速の測定値は[表1](比較例)および[表2](本発明)に示した。
Figure 0005705236
Figure 0005705236
実施例3〜6
実施例3〜6は[図7]のプロセスシェーマをベースに実行した。簡潔にするために機器の一定部品(圧縮機、リボイラ、凝縮器、分離器、その他)は故意に省略した。グリセロールのアクロレインへの脱水反応装置Rの運転条件はこれらの実施例で全体的に実施例1、2と類似させた。違いはアルドール縮合反応装置15の条件に関するものである。
実施例3では27重量%のホルムアルデヒド水溶液を使用して反応装置15へ供給した。ホルムアルデヒド/アセトアルデヒドのモル比は0.7である。反応は300℃の温度、500h-1のHSVで、実施例2で用いた触媒の存在下で実行した。各種アクロレイン流の内容物および各種化合物の詳細な分析結果は[表4]に示した。反応装置Rの出力で利用可能なアクロレイン含有量に対してアクロレインの生産性が10%近く増加することが観測された。
実施例4では、27重量%のホルムアルデヒド水溶液を使用して反応装置15へ供給した。ホルムアルデヒド/アセトアルデヒドのモル比は0.8である。反応は325℃の温度、300h-1のHSVで、実施例2で用いた縮合触媒の存在下で実行した。各種アクロレイン流の内容物および各種化合物の詳細な分析結果は[表4]に示した。アクロレインの生産性が10%近く増加することが観測された。
実施例5では反応装置15に供給する流れは、ホルムアルデヒド/アセトアルデヒドのモル比が0.9である希釈空気流に昇華させたパラホルムアルデヒドを使用した。反応は325℃の温度、750h-1のHSVで、実施例2で用いた縮合触媒の存在下で実行した。各種アクロレイン流の内容物および各種化合物の詳細な分析結果は[表5]に示した。アクロレインの生産性が10%近く増加することが観測された。この実施例では痕跡量のクロトンアルデヒドが作られ、カラム5のボトムで除去されたことがわかる。
実施例6では、50重量%のホルムアルデヒド水溶液を使用して反応装置15へ供給した。ホルムアルデヒド/アセトアルデヒドのモル比は0.8である。ホルムアルデヒド溶液と一緒に少量の空気流を加えた。反応は350℃の温度、300h-1のHSVで、実施例2で用いた縮合触媒の存在下で実行した。各種アクロレイン流の内容物および各種化合物の詳細な分析結果は[表6]に示した。アクロレインの生産性が10%近く増加することが観測された。
Figure 0005705236
Figure 0005705236
Figure 0005705236
Figure 0005705236

Claims (12)

  1. 下記(1)〜(3)の段階から成るアクロレインの合成方法:
    (1)植物油または動物脂肪のメタノール分解(メタノリシス、methanolysis)で得られるグリセロール材料を下記反応に従って脱水反応してアクロレインにする第1段階:
    CH2OH−CHOH−CH2OH−>CH2=CH−CHO+2H2
    (2)第1段階で得られた流れを冷却後、先ず最初に、第1帯域で水で洗浄し、第1段階で得られたガス流を凝縮し、次に、第2の分留帯域で、最初に軽質アルデヒドがリッチな流れを分離し、次に水がリッチな流れを分離し、第3番目にアクロレイン流を分離する第2段階、
    (3)上記第2段階で得られた軽質アルデヒドがリッチな流れの中に含まれるアセトアルデヒドをホルムアルデヒドと反応させて、下記の反応スキームに従うアルドール縮合(aldol縮合)反応によって、アクロレインがリッチな流れを作り、このアクロレインがリッチな流れを第2段階へ戻す第3段階:
    CH3−CHO+CH2O−>CH2=CH−CHO+H2
  2. 上記アルドール縮合反応を行う反応装置に、第2段階で得られる軽質アルデヒドがリッチな流を供給し、それにアセトアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒドの補助流を、この反応装置中でのアセトアルデヒド/ホルムアルデヒドのモル比が0.3〜1.5の間となるように補充する請求項1に記載の方法。
  3. 上記モル比が0.5〜1の間となるように補充する請求項2に記載の方法
  4. 第1段階のグリセロール脱水を反応装置中で気相で、固体触媒の存在下で、l50℃〜500℃温度、1〜5バールの圧力で実行する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 第1段階を酸素の存在下で行う請求項に記載の方法。
  6. 固体触媒が、反応媒体に不溶な均質材料または多相の材料で且つH0で表されるハメット(Hamsnett)酸度が+2以下である請求項またはに記載の方法。
  7. 第3段階のアルドール縮合反応気相でl50℃〜400℃温度で、0.5〜10バール間の圧力で、固体触媒の存在下で実行する請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第3段階を酸素の存在下で実行する請求項に記載の方法。
  9. 固体触媒が下記(1)と(2)を満たす固形物である請求項に記載の方法:
    (1)上記固形物の平均CO2、SO2およびNH3吸着熱がそれぞれ303°Kで40〜170kJ/モル(CO2)、353°Kで25〜180kJ/モル(SO2)、423°Kで25〜170kJ/モル(NH3)であり、
    (2)上記固形物表面上に吸着できるNH3の量が1.5〜8マイクロモル/m2で、CO2の量が0.5〜8マイクロモル/m2である。
  10. 第3段階で得られたアルドール縮合反応からの第2のアクロレインがリッチな流れを第2段階の凝縮帯域への入力として再循環する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上記の第2のアクロレインがリッチな流を、非凝縮化合物を除去した後に、第2段階の凝縮帯域の中間位置に再循環する請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  12. 第3段階で得られたアクロレインがリッチな流第2段階の分別蒸留帯域の入力として再循環する請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
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