JP5704989B2 - 通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、妨害信号に対処する通信装置及びその通信装置を含む通信システムに関する。
人工衛星を介し、地上の携帯端末と地上局との間で通信を行う衛星通信システムは、都市部から山岳部さらには海洋まで含めた広範なサービスエリアを構築することが可能であるという特徴を有し、災害にも強いという特徴を有している。このような衛星通信システムは、ブロードバンド化に対応することによりさらに利用範囲の拡大が予期されている。予期される利用範囲の拡大によって不可避的に生じる近隣エリアからの信号との間の干渉に伴う通信回線品質の劣化対策が重要となっている。このような劣化対策の一つとして、ディジタルビームフォーミング技術を用いてビームを形成することによる、アンテナ指向性制御による劣化対策がある(特許文献1)。
特開平10−145260
しかしながら、意図的な妨害信号、又は同一周波数帯を利用する他の通信システムからの干渉信号への対処については、従来は、そのような妨害信号又は干渉信号の発生の有無の検出が困難であり、妨害信号又は干渉信号の発生を検出し抑圧することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、妨害信号又は干渉信号の発生を検出し抑圧する通信装置を含む通信システムを提供することを目的とする。
この発明に係る通信システムは、複数の素子アンテナが受信した各受信信号から各素子アンテナ毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出手段と、妨害検出手段により検出された妨害信号を抑圧するための重み係数を演算する重み係数制御手段と、重み係数制御手段により演算された重み係数に基づき、各受信信号の振幅及び位相を調整し、各受信信号を合成して受信ビーム信号を形成する受信ビーム形成手段とを備える通信装置を搭載する衛星局と、ヌルバンドを設定するとともに、ヌルバンドを特定するための周波数帯域情報を衛星局に通知する地上局と、を備えることを特徴とするものである。
この発明によれば、所定のヌルバンドの信号成分に基づき、従来は発生の有無の検出が困難であった妨害信号又は干渉信号の発生を検出し抑圧する通信装置を含む通信システムを提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る通信装置の機能構成図である。 図1に記載の通信装置による妨害信号の発生を検出する方法を説明するための図である。 図1に記載の受信ビーム形成部の機能構成図である。 この発明の実施の形態1に係る通信システムの構成図である。 図4に記載の通信システムにおける処理の流れを示す図である。 この発明の実施の形態2に係る通信装置の機能構成図である。 図6に記載の妨害抑圧部の機能構成図である。 この発明の実施の形態2に係る通信システムにおける処理の流れを示す図である。 この発明の実施の形態3に係る通信装置の機能構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る通信装置1の機能構成図である。
通信装置1は、静止衛星や周回衛星等の衛星(衛星局)に搭載され、地上の携帯端末(地上端末)及び地上局等と通信を行う装置である。通信装置1は、サービスエリア内の地上端末から送信された信号をアレーアンテナを用いて受信する。この際、各素子アンテナは反射鏡を介して、地上端末からの信号を受信するように構成してもよい。
図1に示すように、この実施の形態1に係る通信装置1は、K個の素子アンテナ101,102,103(各素子アンテナの組み合わせがアレーアンテナを構成する)と、LNA104,105,106と、ダウンコンバータ(D/C)107,108,109と、Filter110,111,112と、AD変換器(A/D)113,114,115と、抽出部116,117,118と、受信ビーム形成部120と、分波部121と、妨害検出部122と、重み係数制御部123とを備える。
以下の実施の形態において素子アンテナ101,102,103の数Kが3個の場合について説明するが、数Kは3個に限らない。
図1では、地上端末(図1には記載せず)からの信号を処理するユーザリンク側の受信系のみの構成を示しているが、実際の通信装置においては送信系も具備し、さらに、地上局(図1には記載せず)との通信を行うフィーダリンク側の送受信系も具備している。図1は、本発明において主要な機能に限定して記載するものである。
素子アンテナ101,102,103は、サービスエリア内の地上端末から送信された信号を受信するアレーアンテナを構成する。
LNA104,105,106は、素子アンテナ101,102,103に接続され、素子アンテナ101,102,103で受信した受信信号を増幅する。ダウンコンバータ107,108,109は、受信した信号を直流(DC)または中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に周波数変換する。Filter110,111,112は、アナログフィルタであり、ダウンコンバータ107,108,109が周波数変換した受信信号から所望のシステム帯域信号を抽出する。AD変換器113,114,115は、Filter110,111,112が抽出した信号をサンプリングし、ディジタル信号に変換する。
抽出部116,117,118は、地上局からフィーダリンク無線回線経由で送信される制御コマンド情報に含まれるヌルバンドを特定するための周波数帯域情報、及び、AD変換器113,114,115が出力したディジタル信号を入力する。
抽出部116,117,118は、入力したディジタル信号から、周波数帯域情報で特定されるヌルバンドの信号成分を抽出する。抽出部116,117,118は、抽出した信号成分を妨害検出部122に出力する。
受信ビーム形成部120は、初期状態においては、ビーム情報に基づいてビームパターンを形成するための重み係数が設定されている。
ここで、ビーム情報とは、受信ビームの放射方角を含み、所望の信号の到来方向に向けたビーム放射方角等の情報に基づいてビームパターンを形成するための重み係数を算出するための情報である。ビーム放射方角は、地上局からフィーダリンク無線回線経由で送信される制御コマンド情報に含まれる衛星の位置及び姿勢等から計算される。
受信ビーム形成部120は、設定されている重み係数に基づいて、抽出部116,117,118を経由したA/D出力後の各ディジタル信号に対して振幅及び位相を制御し、各ディジタル信号を全て合成して受信ビーム信号として分波部121に対して出力する。
分波部121は、地上局からフィーダリンク無線回線経由で送信される制御コマンド情報に含まれるユーザ帯域情報に基づいて、受信ビーム形成部120が出力した受信ビーム信号を地上端末毎に周波数分波した周波数分波受信ビーム信号を生成し、生成した地上端末毎の周波数分波受信ビーム信号をフィーダリンク側の送信系(図示せず)に出力する。
妨害検出部122は、抽出部116,117,118が抽出したヌルバンドの周波数帯域の信号成分を用いて妨害信号の有無を検出する。
図2は、妨害検出部122による妨害信号の発生を検出する方法を説明するための図である。この図2では、各段階での信号スペクトルのイメージを示す。
図2(a)は、各素子アンテナ101,102,103で受信される通信信号(地上端末群→衛星局)のスペクトルを例示する図である。横軸は周波数、縦軸は信号電力を示す。ビーム毎に割り当てられた周波数帯域幅を表すビーム割り当て帯域201内に、地上端末との間の通信に係る信号であるユーザ信号202が配置されている。ユーザ信号202の帯域は、各地上端末に個別に割り当てられている。
ヌルバンド203は、通信に利用していない、又は利用させない空き周波数帯域である。ヌルバンド203の帯域は、通信状況に従って地上局により制御される。このヌルバンド203には当該衛星通信システムからの信号成分は到来しないことが保証される。
図2(b)は、妨害発生時を示す図であり、図2(a)に示す信号スペクトルに対して妨害信号204の周波数成分を付加した場合のスペクトルを示す。この図2(b)は、干渉発生時を模擬している。つまり、妨害信号204のスペクトルに重なるユーザ信号は通信不能となる。
抽出部116,117,118は、図2(b)に示すヌルバンド203の信号成分を抽出する。
ヌルバンド203の設定は地上局が行うので、抽出部116,117,118は、フィーダリンク無線回線経由で地上局から送信される制御コマンド情報に含まれる、周波数帯域情報に基づいたフィルタバンク等によって、ヌルバンドの信号成分の抽出を実現する。
図2(c)は、抽出部116,117,118の出力信号を示す図である。205は、上記抽出された信号成分のスペクトルを示す。妨害信号204のうち、ヌルバンド203上の信号成分のみを抽出できることがわかる。
妨害検出部122は、図2(c)に示す抽出された信号成分205の信号電力レベルを観測することで、妨害信号204の有無を検出する。
この実施の形態1に係る通信装置1における上り回線を用いたヌルバンド203の設定が下り回線(衛星局→地上端末)とは独立に制御されるものであるため、ユーザリンク無線回線の下り回線の信号を傍受して周波数変換して送信するようなリピータジャミングやスマートジャミングという高度な妨害手法が用いられた場合でも対処が可能である。
ヌルバンドを設定する方法に関しては、例えば、地上局は、より多くのヌルバンドを帯域内に分散し、できるだけ均一に配置するように設定してもよい。あるいは地上局は、ヌルバンドを帯域内にランダムに配置するように設定してもよい。
地上局が設定するヌルバンドの幅は、一定である必要はない。例えば、地上局は、周波数利用状況や妨害信号電力および帯域幅などに従ってヌルバンドの幅を任意に設定してもよい。
図1に戻り、重み係数制御部123は、妨害検出部122が妨害を検出した場合に、妨害信号を抑圧するような、各素子アンテナ101,102,103に対する重み係数を演算し、受信ビーム形成部120の重み係数を更新する。抽出部116,117,118がヌルバンドを抽出した信号成分は妨害信号のみを含んでおり、これらを用いることで妨害信号の到来方向に対してヌル点を有するビームパターンを形成するための重み係数を演算することは、種々の指向性制御アルゴリズムを用いることで実現可能である。
受信ビーム形成部120は、重み係数制御部123が演算した重み係数に基づき、各素子アンテナ101,102,103の受信信号の振幅及び位相を調整し、振幅及び位相が調整された各素子アンテナ101,102,103の受信信号を合成して受信ビーム信号として出力する。
図3は、受信ビーム形成部120の機能構成図である。
乗算器131,132,133は、各抽出部116,117,118を経由して入力されたディジタル信号と、重み係数制御部123で設定された重み係数(振幅、位相を調整する複素係数)とを乗算する。
合成器135は、乗算器131,132,133による乗算結果を合成し、受信ビーム信号として分波部121に出力する。
図4は、この実施の形態1に係る通信システムの構成図である。この図4に示すように、この実施の形態1に係る通信システムは、衛星局50、地上端末60及び地上局70を備える。
衛星局50は、上記通信装置1を搭載する人工衛星であり、地上端末60及び地上局70と通信可能である。
地上端末60は、通信装置1と無線通信を行う端末である。
地上局70は、ヌルバンドを設定し、当該設定したヌルバンドを特定するための周波数帯域情報と、分波部121が周波数分波するために用いるユーザ帯域情報と、衛星局50の位置及び姿勢に係る情報とを含む制御コマンド情報を衛星局50に通知する。通信装置1は、この制御コマンド情報に基づいてビームパターンを形成する。
地上局70は、周波数利用状況が変化した場合に、その変化に応じて周波数帯域情報を更新するようにしてもよい。また、地上局70は、地上端末60が利用していない空き周波数帯に係る情報を周波数帯域情報として衛星局50に通知してもよい。この時、地上局70は、周波数帯域情報としてシステム帯域内の全体に均一に配置されるように設定された周波数帯域に係る情報を衛星局50に通知してもよい。または、地上局70は、周波数帯域情報としてシステム帯域内の全体にランダムに配置されるように設定された周波数帯域に係る情報を衛星局50に通知してもよい。
次に、この実施の形態1に係る通信装置1における処理の流れを説明する。
図5は、この実施の形態1に係る通信装置1における処理の流れを示す図である。
まず、地上局70は、空きチャネルの状況からヌルバンドを設定する(ステップST301)。即ち地上局70は、ユーザリンク無線回線の上り回線(地上端末60→衛星局50)の周波数利用状況から空きチャネルをヌルバンドとして設定する。
地上局70は、フィーダリンク無線回線の上り回線(地上局70→衛星局50)を介して、ステップST301にて設定したヌルバンドを特定するための情報である周波数帯域情報を制御コマンド情報として衛星局に通知する(ステップST302)。
衛星局50は、ステップST302にて地上局70から通知された周波数帯域情報に基づいて、抽出部116,117,118における出力の設定、すなわち抽出する周波数帯域の設定を行う(ステップST303)。
衛星局50は、抽出したヌルバンドの信号成分を観測して妨害の有無を調べる(ステップST304)。
妨害が検出された場合(ステップST305;YES)、衛星局50は、妨害抑圧のための重み係数を演算する(ステップST306)。妨害が検出されない場合(ステップST305;NO)、衛星局50は、引き続きヌルバンドの信号成分の観測を継続する(ステップST304)。
衛星局50は、受信ビーム形成部120の乗算器131,132,133に与える重み係数を更新する(ステップST307)。それによって、妨害抑圧が実施される。
以上の一連の処理を、定期的あるいは必要なタイミングで繰り返しながら動作させることになる。
このような処理によって、不特定な位置から到来する不明な妨害信号等に対しても、その検出及び抑圧が可能な通信装置および通信システムを実現できる。
以上より、実施の形態1に係る通信装置1は、複数の素子アンテナ101,102,103が受信した各受信信号から素子アンテナ101,102,103毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出部116,117,118と、抽出部116,117,118により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出部122と、妨害検出部122により検出された妨害信号を抑圧するための重み係数を演算する重み係数制御部123と、重み係数制御部123により演算された重み係数に基づき、各受信信号の振幅及び位相を調整し、各受信信号を合成して受信ビーム信号を出力する受信ビーム形成部120とを備えるように構成した。このため、所定のヌルバンドの信号成分に基づき、従来は発生の有無の検出が困難であった妨害信号又は干渉信号の発生を検知し抑圧する通信装置1を提供することができる。
実施の形態1に係る通信システムは、通信装置1を搭載する衛星局50と、通信装置1と無線通信を行う地上端末60と、衛星局50の位置および姿勢に基づいて算出される受信ビームの放射方角を含むビーム情報、及びヌルバンドを特定するための周波数帯域情報を衛星局50に通知する地上局70とを備え、通信装置1が、ビーム情報と周波数帯域情報とに基づいて受信ビーム信号を形成するように構成した。このため、所定のヌルバンドの信号成分に基づき、従来は発生の有無の検出が困難であった妨害信号又は干渉信号の発生を検知し抑圧する通信システムを提供することができる。
また、実施の形態1によれば、地上局70は、地上端末60が利用していない空き周波数帯に係る情報を周波数帯域情報として衛星局50に通知する構成としたので、周波数帯域を有効に利用することができる。
また、実施の形態1によれば、地上局70は、周波数帯域情報を周波数利用状況に応じて更新する構成としたので、周波数帯域を状況の変化に応じてより有効に利用することができる。
また、実施の形態1によれば、地上局70は、周波数帯域情報としてシステム帯域内の全体に均一に配置されるように設定された周波数帯域に係る情報を衛星局50に通知する構成としたので、特定の周波数帯域に偏った妨害信号を検出することができる。
また、実施の形態1によれば、地上局70は、周波数帯域情報としてシステム帯域内の全体にランダムに配置されるように設定された周波数帯域に係る情報を衛星局50に通知する構成としたので、特定の周波数帯域に偏った妨害信号を検出することができる。
なお、上述の実施の形態では、シングルビーム(受信ビーム形成部の出力がひとつ)の場合を例に説明したが、複数のビームを配置してサービスエリアを実現するマルチビーム衛星通信においても、各ビームに対して同様の処理を施すことでこの発明が適応可能である。すなわち、受信ビーム形成部120以降の処理が並列化され、ビーム数分実装される構成とすることで適応可能となる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、妨害抑圧も含めてビームパターン形成に関する機能についてはすべて受信ビーム形成部120にて実行されているが、妨害抑圧機能を独立させてもよい。以下、実施の形態2で妨害抑圧機能を独立させた実施の形態について説明する。
図6は、実施の形態2における通信装置1の機能構成を示す図である。この図6において図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので適宜説明を省略し、ここでは、上記実施の形態1との差異点を中心に説明する。
図6に示すように、この実施の形態2に係る通信装置1は、K個の素子アンテナ101,102,103、LNA104,105,106、ダウンコンバータ(D/C)107,108,109、Filter110,111,112、AD変換器(A/D)113,114,115、抽出部116,117,118、受信ビーム形成部120、分波部121、妨害検出部122、妨害抑圧部150及びキャンセル信号生成部160を備える。
受信ビーム形成部120は、地上局70からフィーダリンク無線回線経由で送信される制御コマンド情報に含まれる衛星局50の位置及び姿勢等に基づいて算出されるビーム情報に基づいた重み係数が設定されている。
キャンセル信号生成部160は、妨害検出部122が妨害を検出した場合に、各素子アンテナ101,102,103のヌルバンド信号を使って、妨害信号を除去するためのキャンセル用信号を生成する。
キャンセル用信号とは端的には妨害信号そのものであり、これを受信ビーム形成部120の出力信号から引き去ることで妨害信号を抑圧するための信号を指す。キャンセル用信号の生成は、例えば、各素子アンテナ101,102,103のヌルバンドの信号成分を合成することで生成可能である。これは、抽出されたヌルバンドの信号成分には通信信号は含まれていないために生成可能となるものである。この方法によって、妨害信号のみを効率良く抽出できる。
キャンセル信号生成部160は、ヌルバンドの信号成分を合成する際に、各アンテナ素子101,102,103の振幅位相を最大比合成するような重み付けを行うことがより効果的である。これにより、よりSNR(Signal to Noise Ratio:信号対雑音電力比)の高いキャンセル用信号を生成することが可能となる。もちろん、各アンテナ素子101,102,103のヌルバンド信号を他の方法により利用して、キャンセル用信号を生成してもよい。
妨害抑圧部150は、キャンセル信号生成部160が生成したキャンセル用信号を用いて、受信ビーム形成部120の出力信号である受信ビーム信号から妨害信号を除去する。
この実施の形態2では、受信ビーム形成部120においては、地上局70から通知された制御コマンド情報に基づき、通信信号を受信するためのアンテナパターン(ビームパターン)を形成するための重み係数を設定しており、妨害信号の抑圧などの適応的な指向性制御は行わない。その代り、妨害抑圧部150が、受信ビーム形成部120によるビーム合成後の出力信号である受信ビーム信号に対して妨害抑圧処理を実施する。
図7は、妨害抑圧部150の機能構成図である。この図7に示すように、この実施の形態2に係る妨害抑圧部150は、減算器501、乗算器502、制御器503を備える。
乗算器502は、キャンセル信号生成部160から入力されるキャンセル用信号の振幅および位相を調整して減算器501に出力する。
減算器501は、受信ビーム形成部120の出力信号(受信ビーム信号)から、乗算器502による調整後のキャンセル用信号を差し引くことで妨害信号成分を除去した信号を得る。
制御器503は、乗算器502の制御を担う。
なお、この一連の処理は、キャンセル用信号を対象受信信号と逆相で合成して加算することでも同様の効果が得られるため、乗算器502は逆位相で合成することとし減算器501を加算器(合成器)としてもよい。
つまり、妨害抑圧部150の動作としては、対象となる入力信号(この場合は、受信ビーム信号)に対してキャンセル用信号を減算した出力信号の電力最小化を行う(所望信号のみの電力に近づける)ことに等しく、最終的に妨害信号成分のレベルが小さくなるような重み係数が与えられることになる。
上述の内容に関して、動作フローを図8に示す。ステップST601からST605までは、図5のステップST301からST305と同様である。妨害が検出された場合(ステップST605;YES)、衛星局50は、各素子アンテナ101、102、103のヌルバンド信号を用いて、妨害抑圧のためのキャンセル用信号を生成する(ステップST606)。妨害が検出されない場合(ステップST605;NO)、衛星局50は、引き続きヌルバンドの信号成分の観測を継続する(ステップST604)。
衛星局50は、受信ビーム形成部120の出力信号(受信ビーム信号)からキャンセル用信号を差し引くことで、妨害信号を除去する(ステップST607)。
以上の一連の処理を、定期的あるいは必要なタイミングで繰り返しながら動作させることになる。
このような処理により、この実施の形態2では、上記実施の形態1と比較して簡易な処理にできる。すなわち、実施の形態1では、妨害抑圧の処理に関して素子アンテナ101,102,103毎の信号の振幅位相を制御する必要があったが、実施の形態2では受信ビーム形成部120によるビーム合成後の信号のみを処理すればよく演算量や回路規模を低減できる効果が得られる。
以上から、この実施の形態2に係る通信装置1は、複数の素子アンテナ101,102,103が受信した各受信信号から素子アンテナ101,102,103毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出部116,117,118と、抽出部116,117,118により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出部122と、妨害検出部122により検出された妨害信号を抑圧するためのキャンセル用信号を生成するキャンセル信号生成部160と、複数の素子アンテナ101,102,103が受信した各受信信号を合成して受信ビーム信号を出力する受信ビーム形成部120と、キャンセル信号生成部160が生成したキャンセル用信号を用いて受信ビーム形成部120が出力した受信ビーム信号について妨害信号を抑圧する妨害抑圧部150とを備えるように構成した。このため、所定のヌルバンドの信号成分に基づき、従来は発生の有無の検出が困難であった妨害信号又は干渉信号の発生を検知し抑圧するとともに、簡易な処理により妨害信号を抑圧する通信装置1を提供することができる。
また、実施の形態2に係るキャンセル信号生成部160は、抽出部116,117,118により抽出された各ヌルバンドの信号成分を最大比合成することでキャンセル用信号を生成するように構成したので、より適切な重み係数を算出することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1及び実施の形態2では、受信ビーム信号毎に妨害抑圧処理を実施しているが、より細かくしてユーザ信号毎に同処理を実施することも可能である。以下、実施の形態3では、ユーザ信号毎に妨害抑圧処理を実施する場合について説明する。
図9は、この実施の形態3に係る通信装置1の機能構成図である。この図9において図6と同一符号は同一又は相当部分を示すので適宜説明を省略し、ここでは、上記実施の形態2との差異点を中心に説明する。
この図9に示すように、この実施の形態3に係る通信装置1は、K個の素子アンテナ101,102,103、LNA104,105,106、ダウンコンバータ(D/C)107,108,109、Filter110,111,112、AD変換器(A/D)113,114,115、抽出部116,117,118、受信ビーム形成部120、分波部121、妨害検出部122、キャンセル信号生成部160、及び妨害抑圧部151,152,153とを備える。
妨害抑圧部151,152,153は、分波部121が周波数分波した地上端末60毎のユーザ信号(周波数分波受信ビーム信号)を入力し、入力した地上端末60毎のユーザ信号に対して独立に上記実施の形態2で説明した妨害抑圧部150による処理内容と同様の処理を実行する。
この実施の形態3に係る通信装置1は、地上端末60毎のユーザ信号の状態に従って、妨害抑圧をより緻密に実施できる。たとえば、図2に例示するような状況においては、帯域端の(即ち、妨害信号成分が検出されたヌルバンドから離れた帯域が割り当てられている)ユーザ信号は妨害信号の影響を受けないので、上記のような妨害抑圧処理は本来、不要である。したがって、分波部121により周波数帯域幅をユーザ信号単位に分離したのち、妨害が検出されたヌルバンド付近のユーザ信号のみに絞って妨害抑圧処理を実施することが可能となる。
以上より、実施の形態3に係る通信装置1は、複数の素子アンテナ101,102,103が受信した各受信信号から素子アンテナ101,102,103毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出部116,117,118と、抽出部116,117,118により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出部122と、妨害検出部122により検出された妨害信号を抑圧するためのキャンセル用信号を生成するキャンセル信号生成部160と、複数の素子アンテナ101,102,103が受信した各受信信号を合成して受信ビーム信号を出力する受信ビーム形成部120と、受信ビーム形成部120が出力した受信ビーム信号を周波数分波した周波数分波受信ビーム信号を生成する分波部121と、キャンセル信号生成部160が生成したキャンセル用信号を用いて分波部121が生成した周波数分波受信ビーム信号について妨害信号を抑圧する妨害抑圧部151,152,153とを備えるように構成した。このため、所定のヌルバンドの信号成分に基づき、従来は発生の有無の検出が困難であった妨害信号又は干渉信号の発生を検知し抑圧するとともに、地上端末60毎のユーザ信号の状態に従って、妨害抑圧をより緻密に実施する通信装置1を提供することができる。
また、実施の形態3によれば、妨害抑圧部151,152,153は、周波数分波受信ビーム信号のなかで妨害信号の影響を受けている信号のみに対して動作するように構成したので、妨害抑圧処理が必要である信号に絞って妨害抑圧処理を実施する通信装置1を提供することができる。
上述の実施の形態では、ディジタル処理を前提に記載しているが、アナログ技術により実現することも可能であり、これらの構成例に限定したものではない。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 通信装置、50 衛星局、60 地上端末、70 地上局、101,102,103 素子アンテナ、104,105,106 LNA、107,108,109 ダウンコンバータ(D/C)、110,111,112 Filter、113,114,115 AD変換器(A/D)、116,117,118 抽出部、120 受信ビーム形成部、121 分波部、122 妨害検出部、123 重み係数制御部、150,151,152,153 妨害抑圧部、160 キャンセル信号生成部。

Claims (11)

  1. 複数の素子アンテナが受信した各受信信号から素子アンテナ毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出手段と、前記妨害検出手段により検出された妨害信号を抑圧するための重み係数を演算する重み係数制御手段と、前記重み係数制御手段により演算された重み係数に基づき、前記各受信信号の振幅及び位相を調整し、各受信信号を合成して受信ビーム信号を出力する受信ビーム形成手段とを備える通信装置を搭載する衛星局と、
    前記ヌルバンドを設定するとともに、前記ヌルバンドを特定するための周波数帯域情報を前記衛星局に通知する地上局と、
    を備えることを特徴とする通信システム。
  2. 複数の素子アンテナが受信した各受信信号から素子アンテナ毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出手段と、前記妨害検出手段により検出された妨害信号を抑圧するためのキャンセル用信号を生成するキャンセル信号生成手段と、前記複数の素子アンテナが受信した各受信信号を合成して受信ビーム信号を出力する受信ビーム形成手段と、前記キャンセル信号生成手段が生成したキャンセル用信号を用いて前記受信ビーム形成手段が出力した受信ビーム信号について妨害信号を抑圧する妨害抑圧手段とを備えた通信装置を搭載する衛星局と、
    前記ヌルバンドを設定するとともに、前記ヌルバンドを特定するための周波数帯域情報を前記衛星局に通知する地上局と、
    を備えることを特徴とする通信システム。
  3. 前記キャンセル信号生成手段は、前記抽出手段により抽出された各ヌルバンドの信号成分を最大比合成することで前記キャンセル用信号を生成することを特徴とする請求項2記載の通信システム
  4. 複数の素子アンテナが受信した各受信信号から素子アンテナ毎に所定のヌルバンドの信号成分を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された信号成分に基づき妨害信号の有無を検出する妨害検出手段と、前記妨害検出手段により検出された妨害信号を抑圧するためのキャンセル用信号を生成するキャンセル信号生成手段と、前記複数の素子アンテナが受信した各受信信号を合成して受信ビーム信号を出力する受信ビーム形成手段と、前記受信ビーム形成手段が出力した受信ビーム信号を周波数分波した周波数分波受信ビーム信号を生成する分波手段と、前記キャンセル信号生成手段が生成したキャンセル用信号を用いて前記分波手段が生成した周波数分波受信ビーム信号について妨害信号を抑圧する妨害抑圧手段とを備えた通信装置を搭載する衛星局と、
    前記ヌルバンドを設定するとともに、前記ヌルバンドを特定するための周波数帯域情報を前記衛星局に通知する地上局と、
    を備えることを特徴とする通信システム。
  5. 前記妨害抑圧手段は、前記周波数分波受信ビーム信号のなかで妨害信号の影響を受けている信号のみに対して動作することを特徴とする請求項4記載の通信システム
  6. 記通信装置と無線通信を行う地上端末を備え
    前記地上局は、前記衛星局の位置および姿勢に基づいて算出される受信ビームの放射方角を含むビーム情報を前記衛星局に通知
    前記通信装置が、前記ビーム情報に基づいて受信ビーム信号を形成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の通信システム。
  7. 前記地上局は、前記地上端末が利用していない空き周波数帯に係る情報を前記周波数帯域情報として前記衛星局に通知することを特徴とする請求項6記載の通信システム。
  8. 前記地上局は、前記周波数帯域情報を周波数利用状況に応じて更新することを特徴とする請求項6または請求項7記載の通信システム。
  9. 前記地上局は、前記周波数帯域情報としてシステム帯域内の全体に均一に配置されるように設定された周波数帯域に係る情報を前記衛星局に通知することを特徴とする請求項6から請求項8のうちのいずれか1項記載の通信システム。
  10. 前記地上局は、前記周波数帯域情報としてシステム帯域内の全体にランダムに配置されるように設定された周波数帯域に係る情報を前記衛星局に通知することを特徴とする請求項6から請求項8のうちのいずれか1項記載の通信システム。
  11. 前記地上局は、前記地上端末から前記衛星局への上り回線と前記衛星局から前記地上端末への下り回線とで互いに独立した前記ヌルバンドを設定することを特徴とする請求項6から請求項10のうちのいずれか1項記載の通信システム。
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