以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の構成例を表している。第1の実施形態に係る情報処理システム1は、携帯端末11と電子機器12を備える。
この携帯端末11は、移動通信網NWに収容される基地局BSとの間で無線通信を行うことができる。基地局BSは、予め割り当てられた周波数で携帯端末11と無線通信する。図1の場合、基地局BSは説明を簡略化するために1つだけ明示しているが、実際には多数の基地局BSが移動通信網NWに収容される。
電子機器12は、腕時計型の電子機器であり、本体部12aと装着部12bからなる。装着部12bは、ユーザの腕に巻き付けるベルトなどにより構成される。この装着部12bによって、ユーザは電子機器12を腕などに装着することが可能となる。また、電子機器12は、電気機器12の近傍に存在する携帯端末11との間で近距離無線通信を行うことができる。
電子機器12の本体部12aは、LED表示部(後述する図5のLED表示部74)を有しており、このLED表示部の外観の構成は図2に示される。図2の場合、本体部12a に設けられたLED表示部は時計型表示部であり、これには、時計回りに「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」、および「H」の字を模したLEDが順次配置されている。これは、45度ごとに1つのLEDが配置されるようになっている。勿論、図2のLED表示部の外観の構成は1つの例であり、LEDの配置がより高精細になるように30度ごとに1つのLEDが配置されるようにしてもよいし、少なくしてもよい。また、図3に示されるように、本体部12a に設けられたLED表示部には、方角を示す矢印を模したLEDが配置されるようにしてもよい。
なお、第1の実施形態においては、方向指示の手段として、電子機器12がLED表示部(後述する図5のLED表示部74)を備えるようにしたが、このような場合に限られず、方向を指示することができさえすればよい。例えば方向指示の手段として、LEDを発光させる代わりに、例えば有機EL(Electro Luminescence)や液晶などを用いるようにしてもよいし、電子機器12の本体部12aに、方角を示す一部隆起した隆起部や突起部を設けるようにしてもよい。これらを「方法指示手段」と総称する。
なお、方向指示手段として用いられる有機ELや液晶は、あくまでも方向を指示するための手段にすぎず、ディスプレイとして利用するわけではない。
図4は、第1の実施形態に係る携帯端末11の内部の構成を示すブロック図である。携帯端末11は、アンテナ31、無線送受信部32、信号処理部33、PCMコーデック34、受話増幅器35、スピーカ36、送話増幅器37、マイクロホン38、制御部39、記憶部40、操作部41、表示部42、バッテリ43、電源回路44、時計回路45、BT通信モジュール46、赤外線通信モジュール47、GPS受信部48、GPS用アンテナ49、およびN方向検知部50を備える。
携帯端末11は、W-CDMA方式のみならず、GSM(登録商標)方式、cdma2000 1x RTT方式、EVDO方式、および3.9世代のLTEシステムの無線アクセスであるE-UTRA方式などの種々の無線通信方式によっても音声通信やデータ通信を行うことが可能であり、アンテナ31、無線送受信部32、および信号処理部33はこれらの方式に対応している。
アンテナ31は、移動通信網NWに収容される基地局BSから種々の通信処理方式で送信される無線信号を空間から受信する。また、アンテナ31は、種々の通信処理方式で無線通信できるように空間にいずれかのアクセス方式の無線信号を放射する。
無線送受信部32は、アンテナ31を介して、移動通信網NWに収容される基地局BSとの間で種々の通信処理方式で無線通信する。無線送受信部32は、信号処理部33にて生成された変調信号に基づいて、制御部39から指示されるキャリア周波数の無線信号を生成する。また、無線送受信部32は、制御部39から指示されるキャリア周波数の無線信号を受信し、周波数シンセサイザから出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、無線送受信部32は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。この受信結果は、信号処理部33と制御部39に出力される。
信号処理部33は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、受信ベースバンド信号に所定の信号処理を施し、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータを得る。また、信号処理部33は、受信パケットデータに含まれる音声信号を復調し、この復調結果を復号して音声データなどを得る。一方、信号処理部33は、送話音声信号を符号化し、符号化によって得た音声データやその他のデータに基づいて変調信号を生成するとともに、生成された変調信号を無線送受信部32に出力する。
制御部39は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部40からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯端末11を統括的に制御する。具体的には、制御部39は、種々の通信処理システムによる音声通信やデータ通信を実現する制御機能を備えており、無線送受信部32が用いるキャリア周波数を制御し、無線送受信部32での受信結果に基づいて基地局BSから送信される無線フレームとの同期の確立を行う。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
制御部39には、必要に応じて1または複数のCPUが備えられる。
記憶部40は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部39のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群、携帯端末11の制御プログラムや制御データ、携帯端末11またはユーザに固有に割り当てられた識別情報を格納する。この他にも、記憶部40は、名前と電話番号を対応づけた電話帳データや、データ通信により取得したデータやダウンロードしたデータを適宜記憶する。
本発明に係る実施形態の場合、本発明に係る携帯端末11は、目的地位置情報入力処理(後述する図7の目的地位置情報入力処理)やLED点灯情報送信処理(後述する図8及び図9のLED点灯情報送信処理)などを含む本発明の実施に必要な処理を実行するために、基地局BSを介してコンテンツサーバ(図示せず)などから専用のアプリケーションプログラム(上記目的地位置情報入力処理等を実行するための専用のアプリケーションプログラム)をダウンロードしてインストールし、記憶部40にて記憶する。そして、携帯端末11は、上記目的地位置情報入力処理やLED点灯情報送信処理などを実行する場合に、記憶部40に記憶されている専用のアプリケーションプログラム(本発明に係る携帯端末11の制御プログラム)を読み出して実行する。
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。携帯端末11には、現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)45が設けられている。
なお、携帯端末11は、受話増幅器35、受話音声信号を拡声出力するスピーカ36、送話増幅器37、送話音声信号を入力するマイクロホン38、ユーザからの要求を受け付ける操作部41、および受信データに基づく画像を表示する表示部42を備える。
BT通信モジュール46は、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))といわれる近距離無線通信方式を用いて、図示せぬアンテナを介して携帯端末11の近傍(数m乃至十数m)に存在する第1の実施形態に係る電子機器12や他の情報処理端末などと無線通信を行うモジュールである。
赤外線通信モジュール47は、例えばIrDA(Infrared Date Association)方式を用いた近距離無線通信手段であり、おおむね0.2〜1m程度の近距離に位置する第1の実施形態に係る電子機器12や他の情報処理端末などとの間で無線通信を行うモジュールである。
GPS受信部48は、制御部39の制御に従い、複数のGPS衛星(図示せず)からのGPS波(GPS情報)を、GPS用アンテナ49を介して受信する。このGPS情報には、例えばそれぞれのGPS衛星からの発信時刻情報が含まれている。その後、このGPS情報は制御部39に入力される。そして、制御部39は、取得されたGPS情報を用いて、携帯端末11の現在地を示す位置情報(緯度経度の情報)を計算し(なお、例えば3つ乃至4つのGPS情報から計算することが望ましい)、携帯端末11の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報を求める。なお、このGPS情報に基づいて求められる位置情報として緯度経度を取得することが一般的であるが、更に緯度経度に対応した住所情報を取得するようにしてもよい。従って、「GPS測位に基づく位置情報」とは、GPS情報から計算された位置情報(例えば緯度経度情報)や、その情報に対応する住所情報などの情報も含むものとする。
N方向検知部50は、例えばコンパスあるいは磁場センサなどにより構成される。N方向検知部50は、N極とS極を抽出し、抽出されたN極とS極に基づいてN方向を検知し、検知結果(検知されたN方向に関する情報)を制御部71に出力する。
なお、図4の場合、携帯端末11が備える近距離無線通信手段として、BT通信モジュール46と赤外線通信モジュール47との2つを明示的に記載したが、このような場合に限られず、その他の近距離無線通信手段を用いるようにしてもよい。例えば、近距離無線通信手段として、WiFi(登録商標)、RFID(radio frequency identifier)、ZigBee(登録商標)、TransferJet(登録商標)、Z-Waveなどを用いるようにしてもよい。
図5は、第1の実施形態に係る電子機器12の内部の構成を示すブロック図である。電子機器12は、制御部71、記憶部72、入力部73、LED表示部74、BT通信モジュール75、赤外線通信モジュール76、およびN方向検知部77を備える。BT通信モジュール75と赤外線通信モジュール76の2つのモジュールは、1つの通信部を構成する。
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)71a及びメモリ71bを備える。制御部71のCPU71aは、記憶部72としてのROM(Read Only Memory)に記憶されている各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種処理を実行する。制御部71のCPU71aは、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより電子機器12を統括的に制御する。メモリ71bは、例えばRAMなどから構成され、CPU71aが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。また、記憶部72は、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子などを有する。
入力部73は、例えば操作ボタンなどの入力手段を介して入力を受け付け、この入力信号を制御部71に出力する。
LED表示部74は、例えば複数のLED(Light Emitting Diode)などからなり、制御部71の制御に従い、これらの複数のLEDを発光(点灯)する。
BT通信モジュール75は、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))といわれる近距離無線通信方式を用いて、図示せぬアンテナを介して第1の実施形態に係る携帯端末11との間で無線通信を行うモジュールである。
赤外線通信モジュール76は、例えばIrDA(Infrared Date Association)方式を用いた近距離無線通信手段であり、第1の実施形態に係る形態端末11との間で無線通信を行うモジュールである。
N方向検知部77は、例えばコンパスあるいは磁場センサなどにより構成される。N方向検知部77は、N極とS極を抽出し、抽出されたN極とS極に基づいてN方向を検知し、検知結果(検知されたN方向に関する情報)を制御部71に出力する。
ここで、例えばユーザが会社以外の場所に外出しており、目的地であるP地点に向かっている最中に急遽目的地がP地点からQ地点に変更された場合を想定する。
図6は、例えばユーザが目的地であるP地点に向かっている最中に急遽目的地がP地点からQ地点に変更された場合の方角の変更を示す図である。図6に示されるように、目的地が急遽変更された時点で、現在地から目的地までの方角(方向)は、ベクトルAPにより示される方角(方向)から、ベクトルAQにより示される方角(方向)に変更されることになる。
この場合、ユーザは、携帯端末11を操作し、携帯端末11の近傍に存在する対向機器である電子機器12(時計型装置)に対してLED点灯情報をBluetooth通信あるいは赤外線通信により送信させる。第1の実施形態に係る携帯端末11は、電子機器11に対してLED点灯情報をBluetooth通信あるいは赤外線通信により送信する。電子機器12は、このLED点灯情報をBluetooth通信あるいは赤外線通信により受信し、このLED点灯情報に基づいて現在地から新たな目的地であるQ地点までの方角を表示する。
これにより、例えばユーザが会社以外の場所に外出しており、目的地であるP地点に向かっている最中に急遽目的地がP地点からQ地点に変更された場合であっても、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)は、現在地から目的地までの方角に関する情報を簡便に、かつ適切に提供することができる。したがって、ユーザは、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)を用いて、即座に、かつ簡単に現在地から新たな目的地までの方角を知ることができる。以下、この方法を用いた第1の実施形態に係る携帯端末11と電子機器12における処理について説明する。
なお、以下においては、携帯端末11と電子機器12との間でBluetooth通信によりデータのやり取りが行われる場合について説明するが、基本的な処理は、赤外線通信によりデータのやり取りが行われる場合と同様である。
図7のフローチャートを参照して、図4の携帯端末11における目的地位置情報入力処理について説明する。この目的地位置情報入力処理は、あらかじめ記憶部40に記憶されている専用のアプリケーションプログラムが読み出され、読み出された専用のアプリケーションプログラムが実行されることにより行われる。なお、この目的地位置情報入力処理は、図8及び図9のフローチャートを用いて説明するLED点灯情報送信処理に先だって実行されるが、LED点灯情報送信処理の中で現在地の位置情報の検出と合わせて実行されるようにしてもよい。
ステップS1において、制御部39は、ユーザにより操作部41が操作されることにより、目的地位置情報入力処理を開始するとの指示が受け付けられたか否かを判定し、目的地位置情報入力処理を開始するとの指示が受け付けられたと判定するまで待機する。
ステップS1において制御部39が目的地位置情報入力処理を開始するとの指示が受け付けられた場合、制御部39はステップS2で、ユーザにより操作部41が操作されることにより、目的地に関する位置情報(目的地に関するGPS測位に基づく位置情報)の入力を受け付ける。なお、第1の実施形態においては、いずれかの方法により目的地に関する位置情報が携帯端末11に取得されればよく、例えばGPS受信部48を用いて目的地に関する位置情報(目的地に関するGPS測位に基づく位置情報)を取得するようにしてもよいし、表示部42に目的地に関する地図情報を表示させた上で、その地図上から、目的地に関するGPS測位に基づく位置情報が取得されるようにしてもよい。
ステップS3において、制御部39は、入力が受け付けられた目的地に関する位置情報(目的地に関するGPS測位に基づく位置情報)を取得し、取得された目的地に関する位置情報を記憶部40に記憶させる。記憶部40は、制御部39の制御に従い、目的地に関する位置情報を記憶する。
これにより、携帯端末11は、GPS受信部48を用いることが可能な環境(あるいは、移動通信網NWに接続することが可能な環境)にありさえすれば、いつでも目的地に関する位置情報を取得し、記憶することができる。従って、たとえユーザが携帯端末11を所持して外出中であったとしても、携帯端末11は、GPS受信部48(あるいは移動通信網NWに収容される基地局BS)を介して必要に応じて、目的地に関する位置情報を取得することができる。特に、目的地が急遽変更された場合であっても、携帯端末11は、上記目的地位置情報入力処理が実行されることにより、適宜、目的地に関する位置情報を取得することができる。
なお、携帯端末11は、外部メモリから目的地に関する位置情報を取得するようにしてもよい。さらに、本発明で用いる位置情報として、単なるGPS測位に基づく位置情報を用いる以外にも、情報取得の高速化と精密性の向上のために移動通信網NWに接続される基地局とWi-Fiのアクセスポイントの位置情報及びGPS測位に基づく位置情報とを組み合わせたA-GPSを用いるようにしてもよいし、何らかの形で目的地に関する位置情報が取得できさえすればよい。また、図8のステップS18の処理において、現在地に関する位置情報の取得と同時に、目的地に関する位置情報を取得するようにしてもよい。
図8及び図9のフローチャートを参照して、図4の携帯端末11におけるLED点灯情報送信処理について説明する。このLED点灯情報送信処理は、あらかじめ記憶部40に記憶されている専用のアプリケーションプログラムが読み出され、読み出された専用のアプリケーションプログラムが実行されることにより行われる。また、このLED点灯情報送信処理は、ユーザが携帯端末11を用いてLED点灯情報送信処理を開始するとの指示をすることにより、開始される。
ステップS11において、制御部39は、ユーザにより操作部41が操作されることにより、LED点灯情報送信処理を開始するとの指示が受け付けられたか否かを判定し、LED点灯情報送信処理を開始するとの指示が受け付けられたと判定するまで待機する。
ステップS11において制御部39がLED点灯情報送信処理を開始するとの指示が受け付けられたと判定した場合、制御部39はステップS12で、対向機器である電子機器12に対するLED点灯情報送信処理を行うにあたり、BT通信モジュール46を介して、電子機器12との間でBluetooth通信による接続を確立する。具体的には、制御部39は、電子機器12との間でBluetooth通信による接続確立を要求するための接続確立要求を生成し、生成された接続確立要求をBT通信モジュール46を介して電子機器12に対して送信する。BT通信モジュール46は、制御部39の制御に従い、この接続確立要求を電子機器12に対してBluetooth通信により送信する。
その後、BT通信モジュール46は、電子機器12から、接続確立要求に対する応答である接続確立応答をBluetooth通信により受信し、受信された接続確立応答を制御部39に供給する。制御部39は、BT通信モジュール46から供給された接続確立応答を取得する。これにより、携帯端末11と対向機器である電子機器12との間でBluetooth通信による接続が確立される。
携帯端末11と電子機器12との間でBluetooth通信による接続が確立されると、電子機器12は、電子機器12に関する向き情報(N方向に対して電子機器12の基準軸方向が有する角度に関する情報)を生成し、生成された電子機器12に関する向き情報を、BT通信モジュール75を介して携帯端末11に対して順次送信を開始する。例えば、電子機器12は、あらかじめ設定された所定のタイマが満了するごとに、電子機器12に関する向き情報を、BT通信モジュール75を介して携帯端末11に順次送信する。この電子機器12における電子機器向き情報送信処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
図10のフローチャートを参照して、図5の電子機器12における電子機器向き情報送信処理について説明する。
ステップS51において、制御部71は、N方向検知部77を制御し、N極とS極を抽出させる。N方向検知部77は、制御部71の制御に従い、N極とS極を抽出し、抽出されたN極とS極に基づいてN方向を検知する。ここで、「N方向」とは、S極からN極を見た方向を意味する。
N方向検知部77は、検知されたN方向に関する情報を制御部71に出力する。制御部71は、N方向検知部77から、N方向に関する情報を取得する。
ステップS52において、制御部71は、N方向に対しての時計型装置である電子機器12の向き(α角度)を算出する。
図11は、制御部71がN方向に対しての時計型装置である電子機器12の向き(α角度)を算出する算出方法を説明するための説明図である。
図11に示されるように、まず、ステップS51の処理によりすでにN方向が検知されているものとする。そして、図11に示される「基準軸方向」とは、時計型装置である電子機器12において基準となる軸方向を意味するものであり、時計で例えれば6時から12時(0時)を見た方向に対応する。勿論、あくまでも時計型装置である電子機器12の基準となる方向が定まればよく、電子機器12においていかなる方向を軸方向と定めても構わない。
ここで、N極とS極に基づいてN方向を検知するN方向検知部77の物理的な位置は、あらかじめ、時計型装置である電子機器12の基準軸方向に対して対応づけられて設けられている。そのため、電子機器12内におけるN方向検知部77の設置方向と電子機器12の基準軸方向との関係、および電子機器12内におけるN方向検知部77の設置方向とそれにより検知されるN方向との関係に基づいて、制御部71は、電子機器12の基準軸方向とN方向との差分(α角度)を算出することができる。
制御部71は、算出されたα角度に基づいて、時計型装置である電子機器12の向きに関する情報(すなわち、N方向に対して電子機器12の基準軸方向が有する角度に関する情報であり、これを「第1の差分情報」と定義するとともに、以下において簡略的に「α角度情報」と適宜称する。)を生成する。
なお、図11の場合、電子機器12の基準軸方向は、N方向に対して時計回りにα角度回転した方向である。そして、N方向を基準にして時計回りを正の方向とし、反時計回りを負の方向とする。これは、本明細書中で同様のこととする。
ステップS53において、制御部71は、BT通信モジュール75を制御し、生成されたα角度情報(電子機器12の向きに関する情報)をBluetooth通信により携帯端末11に対して送信させる。BT通信モジュール75は、制御部71の制御に従い、α角度情報を携帯端末11に送信する。
ステップS54において、制御部71は、BT通信モジュール75によりα角度情報が送信された後、α角度情報の送信を再開する際に用いられるタイマ(予め設定された所定の時間T(例えば10秒間など)のタイマ)をセットする。
ステップS55において、制御部71は、セットされたタイマの満了時であるか(所定の時間Tが経過したか)否かを判定する。ステップS55において制御部71がタイマ満了時であると判定した場合、処理はステップS51に戻り、その後、ステップS51以降の処理が実行される。これにより、電子機器12は、所定の時間Tごとにα角度情報を携帯端末11に対して送信することができる。
他方、ステップS55において制御部71がタイマ満了時ではないと判定した場合、制御部71はステップS56で、携帯端末11から、携帯端末11と電子機器12との間で確立されているBluetooth通信による接続を切断するとの接続切断要求をBT通信モジュール75を介して受信したか否か判定する。ステップS56において制御部71が接続切断要求を受信していないと判定した場合、処理はステップS55に戻り、その後、ステップS55以降の処理が繰り返し実行される。
ステップS56において制御部71が接続切断要求を受信したと判定した場合、制御部71はステップS57で、BT通信モジュール75を介して、携帯端末11との間でBluetooth通信による接続を切断する。具体的には、制御部71は、携帯端末11との間でBluetooth通信による接続切断要求に対する応答(接続切断応答)を生成し、生成された接続確立応答をBT通信モジュール75を介して携帯端末11に対して送信する。BT通信モジュール75は、制御部71の制御に従い、この接続確立応答を携帯端末11に対してBluetooth通信により送信する。これにより、携帯端末11と電子機器12との間でBluetooth通信による接続が切断される。その後、図5の電子機器12における電子機器向き情報送信処理は終了する。
図8のステップS13に戻り、ステップS13において、制御部39は、BT通信モジュール46を介して、電子機器12から電子機器12に関する向き情報の受信を開始したか否かを判定し、電子機器12に関する向き情報の受信を開始したと判定するまで待機する。
ステップS13において制御部39が電子機器12に関する向き情報の受信を開始したと判定した場合、制御部39はステップS14で、BT通信モジュール46を制御し、電子機器12から電子機器12に関する向き情報の受信を完了させる。BT通信モジュール46は、制御部39の制御に従い、電子機器12から、電子機器12に関する向き情報を受信し、受信された電子機器12に関する向き情報を供給する。
ステップS15において、制御部39は、BT通信モジュール46から供給された電子機器12に関する向き情報を取得する。
ステップS16において、制御部39は、N方向検知部50を制御し、N極とS極を抽出させる。N方向検知部50は、制御部39の制御に従い、N極とS極を抽出し、抽出されたN極とS極に基づいてN方向を検知する。上記で説明した通り、「N方向」とは、S極からN極を見た方向を意味する。
N方向検知部50は、検知されたN方向に関する情報を制御部39に出力する。制御部39は、N方向検知部50から、N方向に関する情報を取得する。
ステップS17において、制御部39は、GPS受信部48を起動し、GPS受信部48にてGPS波(GPS情報)を受信可能にする。ステップS18において、GPS受信部48は、制御部39の制御に従い、複数のGPS衛星(図示せず)からのGPS波(GPS情報)を、GPS用アンテナ49を介して受信する。このGPS情報には、例えばそれぞれのGPS衛星からの発信時刻情報が含まれている。その後、このGPS情報は制御部39に入力される。そして、制御部39は、取得されたGPS情報を用いて、携帯端末11の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報を算出する。
ステップS19において、制御部39は、記憶部40に記憶されている目的地に関する位置情報を読み出す。図9のステップS20において、制御部39は、算出された携帯端末11の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報と、読み出された目的地に関する位置情報に基づいて、現在地から目的地までの方角を検出し、現在地から目的地までの方角に関する情報を取得する。例えば図6の場合、現在地から新たな目的地であるQ地点までの方角(ベクトルAQにより示される方角)が制御部39により検出される。なお、このとき、合わせて、現在地と新たな目的地であるQ地点との距離が算出される。例えば現在地から目的地であるQ地点までの距離は、700メートルであることが制御部39により算出される。
ステップS21において、制御部39は、取得されたN方向に関する情報と、取得された現在地から目的地までの方角に関する情報に基づいて、N方向と現在地から目的地までの方角との差分(θ角度)を算出する。
図12は、N方向と現在地から目的地までの方角とがなす角度θを示す図である。図12に示されるように、制御部39は、N方向と現在地から目的地までの方角との差分(θ角度)を算出し、算出結果に基づいて、N方向と現在地から目的地までの方角とがなす角度θに関する情報(これを「第2の差分情報」と定義するとともに、以下において簡略的に「θ角度情報」と適宜称する。)を生成する。
ステップS22において、制御部39は、電子機器12から取得されたα角度情報と、生成されたθ角度情報に基づいて、θ角度とα角度との差分(θ−α)を算出する。
図13は、θ角度とα角度との関係を説明する説明図である。図13に示されるように、電子機器12の基準軸方向はN方向に対して時計回りにα角度をなしている一方で、現在地から目的地であるQ地点までの方角はN方向に対して時計周りにθ角度をなしていることから、電子機器12の基準軸方向は現在地から目的地であるQ地点までの方角に対して時計回りにθ−α角度をなしている。
ステップS23において、制御部39は、記憶部40に予め記憶されている点灯LEDテーブルを読み出す。
図14は、θ−α角度と点灯LED(電子機器12において点灯させるLED)との対応関係を示す点灯LEDテーブルである。図14に示されるように、θ−α角度と点灯LED(電子機器12のLED表示部74において点灯させるLED)はあらかじめ対応づけられており、θ−α角度が0度の場合には点灯LEDは「A」の位置にあるLED(図2ないし図3における「A」の文字を模したLED。以下、同様である。)、θ−α角度が45度の場合には点灯LEDは「B」の位置にあるLED、θ−α角度が90度の場合には点灯LEDは「C」の位置にあるLEDなどのように対応づけられている。なお、図2に示されるLED表示部においても述べたように、予めより高精細にLEDが配置されるようにした上で、θ−α角度が30度ごと異なるごとに異なるLEDが対応づけられるようにしてもよい。
ステップS24において、制御部39は、算出されたθ角度とα角度との差分(θ−α)に基づいて、LED点灯情報を生成する。具体的には、θ−α角度が45度であったとすると、電子機器12のLED表示部74において「B」の位置にあるLEDが点灯されることとなるから、制御部39は、電子機器12のLED表示部74において「B」の位置にあるLEDを点灯させる(点灯する)ためのLED点灯情報を生成する。その他の場合についても同様である。
なお、LED点灯情報には、現在地から目的地であるQ地点までの距離(例えば700メートルなど)に関する情報も含まれている。
ステップS25において、制御部39は、BT通信モジュール46を制御し、生成されたLED点灯情報をBluetooth通信により電子機器12に対して送信させる。BT通信モジュール46は、制御部39の制御に従い、LED点灯情報を電子機器12に送信する。
電子機器12は、携帯端末11からのLED点灯情報を受信し、受信されたLED点灯情報に基づいて所定のLEDを点灯させる。この電子機器12におけるLED点灯処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
図15のフローチャートを参照して、図5の電子機器12におけるLED点灯処理について説明する。
ステップS101において、制御部71は、BT通信モジュール75を制御し、携帯端末11から送信されたLED点灯情報をBluetooth通信により受信させる。BT通信モジュール75は、制御部71の制御に従い、LED点灯情報を携帯端末11から受信し、受信されたLED点灯情報を制御部71に供給する。
ステップS102において、制御部71は、BT通信モジュール75からLED点灯情報を取得する。このLED点灯情報には、例えば、LED表示部74において予め「B」の位置に配置されたLEDを点灯させるための情報が含まれている。
ステップS103において、制御部71は、LED表示部74を制御し、取得されたLED点灯情報に基づいて所定のLEDを点灯させる。LED表示部74は、制御部71の制御に従い、所定のLEDを点灯(発光)する。例えばLED点灯情報に、LED表示部74において予め「B」の位置に配置されたLEDを点灯させるための情報が含まれていた場合には、LED表示部74は、図16に示されるように「B」の位置に配置されたLEDを点灯する。
なお、図16の場合、「B」の文字を模したLEDが太文字で表示されているが、これは、「B」の位置に配置されたLEDが点灯されていることを意味している。また、本実施形態においては、電子機器12が現在地から目的地までの方角を示すことができさえすればよく、基本的にはその方角に対する1つ以上のLEDが表示されればよい。
これにより、電子機器12は、現在地から新たな目的地であるQ地点までの方角が電子機器12の基準軸方向に対してどの方向にあるのかを、LED表示部74を用いて表示することができる。
なお、LED点灯情報に含まれる現在地から目的地であるQ地点までの距離に関する情報に基づいて、現在地から目的地までの方角を示すLEDが点灯されると同時に、現在地から目的地であるQ地点までの距離がLEDにより表示される。これにより、ユーザは、現在地から目的地であるQ地点までの距離を同時に知ることができる。
図9のステップS26に戻り、制御部39は、ユーザにより操作部41が操作されることにより、電子機器12との間でのBluetooth通信による接続を切断するとの指示が受け付けられたか否かを判定する。ステップS26において制御部39が電子機器12との間でのBluetooth通信による接続を切断するとの指示が受け付けられていないと判定した場合、処理は図8のステップS13に戻り、その後、ステップS13以降の処理が繰り返し実行される。
これにより、電子機器12からα角度情報(電子機器12の向きに関する情報)がBluetooth通信により携帯端末11に対して所定の時間T(例えば10秒間など)ごとに送信され、携帯端末11は、その度に、現在地に関する位置情報を取得するとともに、α角度情報などに基づいてLED点灯情報を生成し、LED点灯情報を電子機器12に対して送信し、電子機器12は所定の時間T(例えば10秒間など)ごとに、このLED点灯情報に基づいてLEDを点灯することができる。
したがって、電子機器12は、現在地から新たな目的地であるQ地点までの方角が電子機器12の基準軸方向に対してどの方向にあるのかを、所定の時間T(例えば10秒間など)ごとにリアルタイムに、LED表示部74を用いて表示することができる。その結果、ユーザは、所定の時間T(例えば10秒間など)ごとにリアルタイムに、電子機器12に表示される目的地までの方角を確認することができる。
他方、ステップS26において制御部39が電子機器12との間でのBluetooth通信による接続を切断するとの指示が受け付けられたと判定した場合、制御部39はステップS27で、電子機器12との間でBluetooth通信による接続切断を要求するための接続切断要求を生成する。ステップS28において、制御部39は、生成された接続切断要求をBT通信モジュール46を介して電子機器12に対して送信する。BT通信モジュール46は、制御部39の制御に従い、この接続切断要求を電子機器12に対してBluetooth通信により送信する。
その後、BT通信モジュール46は、電子機器12から、接続切断要求に対する応答である接続切断応答をBluetooth通信により受信し、受信された接続切断応答を制御部71に供給する。制御部71は、BT通信モジュール46から供給された接続切断応答を取得する。これにより、携帯端末11と対向機器である電子機器12との間でBluetooth通信による接続が切断される。その後、LED点灯情報送信処理は終了する。
なお、第1の実施形態及び後述する第2の実施形態においてLED点灯情報を用いて本発明を説明し、後述する第3の実施形態において方位針駆動情報を用いて説明するが、電子機器12に設けられた方向指示手段としてのLED表示部74や有機EL、液晶などに対して指示を出すための情報という意味で、LED点灯情報ないし方位針駆動情報などを総称して「方向指示情報」と定義する。
以上のように、例えばユーザが会社以外の場所に外出しており、目的地であるP地点(図6参照)に向かっている最中に急遽目的地がP地点からQ地点に変更された場合であっても、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)は、携帯端末11が、位置情報(GPS情報)を取得し、取得された現在地に関する位置情報(GPS情報)および目的地に関する位置情報(GPS情報)に基づいて、現在地から目的地までの方向を検出し、S極からN極を見た方向であるN方向と電子機器12の基準軸となる基準軸方向との差分に関する第1の差分情報が電子機器から受信された後、N方向と現在地から目的地までの方向との差分に関する第2の差分情報を生成し、第1の差分情報と第2の差分情報に基づいて、現在地から目的地までの方向と電子機器12の基準軸方向との差分を算出し、算出結果に基づいて、電子機器12が有する方向指示手段に、現在地から目的地までの方向と電子機器12の基準軸方向との差分に基づく所定の方向を指示させるための方向指示情報を生成し、方向指示情報を電子機器12に対して近距離無線通信を介して送信し、電子機器12は、第1の差分情報を生成し、生成された第1の差分情報を携帯端末11に対して近距離無線通信を介して送信し、現在地から目的地までの方向と電子機器12の基準軸となる基準軸方向との差分に基づく所定の方向を指示させるための方向指示情報を携帯端末11から受信し、方向指示情報に基づいて、現在地から目的地までの方角と電子機器12の基準軸となる基準軸方向との差分に基づく所定の方向を指示することができる。
より具体的には、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)は、携帯端末11が、GPS情報を取得し、取得された現在地に関するGPS情報および目的地に関するGPS情報に基づいて、現在地から目的地までの方向を検出し、S極からN極を見た方向であるN方向と電子機12器の基準軸となる基準軸方向との差分に関する第1の差分情報が電子機器12から受信された後、N方向と現在地から目的地までの方向との差分に関する第2の差分情報を生成し、第1の差分情報と第2の差分情報に基づいて、現在地から目的地までの方向と電子機器12の基準軸方向との差分を算出し、算出結果に基づいて、電子機器12が有する複数の発光素子のうち、現在地から目的地までの方向と電子機器12の基準軸方向との差分に予め対応づけられた所定の位置の発光素子を点灯するための点灯情報を生成し、点灯情報を電子機器12に対して近距離無線通信を介して送信し、電子機器12が、第1の差分情報を生成し、生成された第1の差分情報を携帯端末11に対して近距離無線通信を介して送信し、複数の発光素子のうち、現在地から目的地までの方向と電子機器12の基準軸となる基準軸方向との差分に予め対応づけられた所定の位置の発光素子を点灯させるための点灯情報を携帯端末11から受信し、点灯情報に基づいて、現在地から目的地までの方角と電子機器12の基準軸となる基準軸方向との差分に予め対応づけられた所定の位置の発光素子を点灯することができる。
このように、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)は、現在地から目的地までの方角に関する情報を簡便に、かつ適切に提供することができる。その結果、ユーザは、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)を用いて、即座に、かつ簡単に現在地から新たな目的地までの方角を知ることができる。
特に、従来の技術では、あらかじめ外出前などに目的地に関する情報が入力されていることが前提となっており、急遽目的地が変更された場合は基本的に想定されていない。そのため、従来技術では、目的地が急遽変更された場合には全く対応することができなかった。これに対して、第1の実施形態に係る情報処理システム1によれば、移動通信網NWに接続することが可能な環境にありさえすれば、いつでも目的地に関する位置情報を取得し、現在地から目的地までの方角を検出することが可能となる。
また、従来のスマートフォンに搭載される上記目的地指示アプリの場合には、第1に、目的地に到達するまでの間、スマートフォンをずっと片手で持ち歩かなければならず、第2に、スマートフォンの表示部として通常用いられる液晶画面が太陽の光で反射してしまい、ユーザにとって見にくくなるなどの問題点があった。
これに対して、第1の実施形態に係る情報処理ステム1においては、電子機器12が時計型装置であり、これは装着部12bによってユーザに装着される。そのため、ユーザは、目的地に到着するまでの間、電子機器12を手で持ち歩く必要性がなくなる。加えて、第1の実施形態に係る情報処理システム1の場合、携帯端末11と電子機器12は近距離無線通信でデータのやり取りをすることが可能となっているため、ユーザは、携帯端末11それ自体も手で持つ必要がなくなり、それを鞄などに入れておくことが可能となる。
(第2の実施形態)
なお、第1の実施形態に係る情報処理システム1においては、電子機器12が、携帯端末11から送信されてきたLED点灯情報に基づいて、LED表示部74に設けられた所定のLEDを点灯(発光)するようにしたが、このような場合に限られず、例えば電子機器12に方位針駆動部および方位針を設け、携帯端末11から送信されてきたLED点灯情報に基づいて方位針を所定の位置まで駆動するようにしてもよい。以下、第2の実施形態に係る情報処理システム1の詳細について説明する。
第2の実施形態の場合においても、図1ないし図16を用いて説明した第1の実施形態における情報処理システム1(携帯端末11と電子機器12)における各処理は、基本的に同様であり、共通する構成や処理については省略する。
図17は、第2の実施形態に係る電子機器12の内部の構成を示すブロック図である。電子機器12は、制御部71、記憶部72、入力部73、BT通信モジュール75、赤外線通信モジュール76、N方向検知部77、方位針駆動部101、および方位針102を備える。なお、図17に示す構成のうち、図5の構成と同一のものについては同一の符号を付しており、その説明は繰り返しになるので基本的に省略する。
方位針駆動部101は、方位針102を駆動するための駆動機構である。方位針102は、方位針駆動部101の駆動により所定の位置まで駆動される。
図18は、図17の電子機器12の本体12aに設けられた方位針102の構成例である。図18に示されるように、現在地から目的地までの方角が方位針102により指示される。
第2の実施形態は第1の実施形態と基本的には同様である。もっとも、第2の実施形態の場合には、現在地から目的地までの方角を示す手段がLED点灯(表示)ではなく方位針となり、それに伴い、携帯端末11から電子機器12に送信される情報が方位針駆動情報となる。この方位針駆動情報送信処理は、図19及び図20に示される。
図19及び図20のフローチャートを参照して、第2の実施形態での図4の携帯端末11における方位針駆動情報送信処理について説明する。なお、図19及び図20の処理は、基本的には図8の処理と同様であり、異なる処理である図20のステップS213とS214についてのみ説明し、その他の処理については省略する。
図20のステップS213において、制御部39は、算出されたθ角度とα角度との差分(θ−α)に基づいて、方位針駆動情報を生成する。具体的には、θ−α角度が93度であったとすると、電子機器12の方位針102が基準軸と93度をなす位置まで方位針駆動部101によって駆動される。そのため、この方位針駆動情報には、方位針の駆動を指令する情報とともに、θ角度とα角度との差分に関する情報が含まれている。その他の場合についても同様である。
ステップS214において、制御部39は、BT通信モジュール46を制御し、生成された方位針駆動情報をBluetooth通信により電子機器12に対して送信させる。BT通信モジュール46は、制御部39の制御に従い、方位針駆動情報を電子機器12に送信する。
図21のフローチャートを参照して、図17の電子機器12における方位針駆動処理について説明する。
ステップS251において、制御部71は、BT通信モジュール75を制御し、携帯端末11から送信された方位針駆動情報をBluetooth通信により受信させる。BT通信モジュール75は、制御部71の制御に従い、方位針駆動情報を携帯端末11から受信し、受信された方位針駆動情報を制御部71に供給する。
ステップS252において、制御部71は、BT通信モジュール75から方位針駆動情報を取得する。
ステップS253において、制御部71は、方位針駆動部101を制御し、方位針駆動情報に基づいて、方位針102を所定の位置まで駆動する。例えばθ−α角度が93度であったとすると、電子機器12の方位針102が基準軸と93度をなす位置まで方位針駆動部101によって駆動される。
これにより、電子機器12は、現在地から目的地までの方角を方位針102により示すことができる。特に、携帯端末11から電子機器12に送信される方位針駆動情報に、θ−α角度に関する情報をそのまま含めるようにすると、電子機器12は、現在地から目的地までの方角をより正確に示すことが可能となる。勿論、このような場合に限られず、携帯端末11から電子機器12に送信される方位針駆動情報に、θ−α角度に応じて30度ごと(あるいは、45度ごと)に分割するようにしてもよい。
以上のように、第2の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)は、現在地から目的地までの方角に関する情報を簡便に、かつ適切に提供することができる。その結果、ユーザは、第1の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)を用いて、即座に、かつ簡単に現在地から新たな目的地までの方角を知ることができる。
(第3の実施形態)
ところで、第1の実施形態と第2の実施形態のいずれの場合も、現在地から目的地までの方角に関する情報を、LEDによる点灯あるいは方位針により提供し、目的地を直接的に示すようにしたが、このような場合に限られない。
例えば、現在地から目的地に行く道が複雑になっており、回り道をしなければならないような場合もありうる。このような場合に、現在地から目的地までの方角を直接的に示しただけでは、ユーザによっては不便であると感じることもある。
そこで、携帯端末11が、ナビゲーション機能を用いて目的地までのルートを検索し、現在地から最も近いルートの交差点(すなわち、ユーザの進行方向を変更する点、あるいは分岐点)を中間目的地として設定し、現在地から中間目的地までの方角に関する情報を電子機器12に対して送信する。電子機器12は、現在地から中間目的地と現在地までの方角に関する情報に基づいて、LEDを点灯したり、あるいは方位針を駆動したりする。
そして、携帯端末11は、ユーザが中間目的地に到達する度に、新たな中間目的地を繰り返し設定し、現在地から中間目的地までの方角に関する情報を電子機器12に対して送信する。
これにより、現在地から目的地に行く道が複雑になっている場合に、ユーザは、簡単に現在地から中間目的地までの方角を知ることができ、最終的に目的地までの方角を確実に知ることができる。以下、第3の実施形態に係る情報処理システム1の詳細について説明する。
なお、第3の実施形態は、第1の実施形態をベースに実施することもできるし、第2の実施形態をベースに実施することもできる。以下においては、第1の実施形態をベースにした第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態の場合においては、第1の実施形態における情報処理システム1におけるハードウェア構成や処理手順と基本的に同様であり、その説明は適宜省略する。
図22及び図23のフローチャートを参照して、図4の携帯端末11におけるLED点灯情報送信処理について説明する。なお、図22及び図23のステップS301乃至S308、S311乃至S317、およびS321乃至S322の処理は、図8のステップS11乃至S18、S20乃至S26、およびS27乃至S28の処理と基本的には同様であり、その説明は省略する。
ステップS309において、携帯端末11の制御部39は、記憶部40に記憶されている目的地に関する位置情報を読み出すとともに、ナビゲーション機能を用いて、読み出された目的地に関する位置情報と取得された現在地に関する位置情報に基づいて、基地局BSおよび移動通信網NWを介して現在地から目的地までのルートを検索し、ルート検索結果を取得する。
図24は、ルート検索により得られた現在地から目的地までのルートの具体例である。図24に示されるように、現在地Aから目的地Qまでのルートが基地局BSおよび移動通信網NWを介して取得される。図24の場合、現在地Aから目的地Qまでのルートには、方向を変更する点(あるいは分岐点)として、k点、L点、M点、N点、O点、およびZ点が存在している。
なお、ステップS309において制御部39が取得するルート検索結果には、図24に示されるような分岐点(k点、L点、M点、N点、O点、およびZ点)に関する位置情報(るGPS測位に基づく位置情報)が含まれているものとする。
図23のステップS310において、制御部39は、現在地に関する位置情報と、ルートの検索結果に基づいて、現在地から最も近い分岐点を抽出し、中間目的地に設定する。図24の場合、まず、制御部39は、現在地Aからルート上で最も近い分岐点であるK点を中間目的地に設定する。
その後、ステップS311において、制御部39は、算出された携帯端末11の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報と、設定された中間目的地に関する位置情報に基づいて、現在地から中間目的地までの方角を検出し、現在地から中間目的地までの方角に関する情報を取得する。例えば図24の場合、現在地から中間目的地であるK地点までの方角が制御部39により検出される。
ステップS312において、制御部39は、取得されたN方向に関する情報と、取得された現在地から中間目的地までの方角に関する情報に基づいて、N方向と現在地から中間目的地までの方角との差分(θ角度)を算出する。その後、ステップS313以降の処理が実行され、ステップS316においてLED点灯情報が電子機器12に対して送信される。なお、N方向と現在地から中間目的地までの方角との差分に関する情報を「第3の差分情報」と定義する
その後、電子機器12は、携帯端末11からのLED点灯情報を受信し、受信されたLED点灯情報に基づいて、現在地から中間目的地までの方角を示す所定のLEDを点灯させる。
これにより、現在地から目的地に行く道が複雑になっており、回り道をしなければならないような場合、ユーザは、現在地から中間目的地までの方角を知ることができる。
ステップS317において制御部39が電子機器12との間でのBluetooth通信による接続を切断するとの指示が受け付けられていないと判定した場合、処理はステップS318に進む。
ステップS318において、GPS受信部48は、制御部39の制御に従い、複数のGPS衛星(図示せず)からのGPS波(GPS情報)を、GPS用アンテナ49を介して受信する。その後、このGPS情報は制御部39に入力される。そして、制御部39は、取得されたGPS情報を用いて、携帯端末11の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報を算出する。
ステップS319において、制御部39は、設定された中間目的地に関する位置情報と、現在地を示す位置情報に基づいて、現在地と中間目的地が一致するか否か(すなわち、ユーザが中間目的地に到達したか否か)を判定する。なお、このステップS319での判定処理では、現在地と中間目的地とがGPS測位に基づく位置として完全に一致する場合だけではなく、中間目的地から所定の距離(例えば2メートルとか5メートルなど)以内となった場合に、「現在地と中間目的地が一致する」と判定される。これは、ステップS320での判定処理においても同様である。所定の距離は、任意に定めることができる。現在地と中間目的地が一致しないと判定した場合、処理はステップS318に戻り、現在地と中間目的地が一致すると判定するまで同様の処理を繰り返す。
ステップS319において制御部39が、現在地と中間目的地が一致すると判定した場合、制御部39はステップS320で、現在地(中間目的地)が最終的な目的地と一致するか(すなわち、現在地=中間目的地=目的地であるか)否かを判定する。例えば図24の場合に、現在設定されている中間目的地がK点であるときには、現在地(中間目的地)は最終的な目的地Q点と一致せず、K点以降においてL点などの中間目的地が新たに設定可能であることから、現在地(中間目的地)が最終的な目的地と一致しないと判定される。
他方、例えば図24の場合に、現在設定されている中間目的地がQ点であるときには、現在地(中間目的地)が最終的な目的地と一致すると判定される。
ステップS320において制御部39が、現在地(中間目的地)が最終的な目的地と一致しないと判定した場合、処理はステップS310に戻り、ステップS310以降の処理が繰り返し実行される。これにより、現在地から最終的な目的地に到達するまでのルート上において、現在地(中間目的地)が最終的な目的地と一致するまで(中間目的地が設定不可能となるまで)、繰り返し新たな中間目的地が設定される。したがって、ユーザが、現在地から最終的な目的地までのルートをたどることが可能となる。
ステップS320において制御部39が、現在地(中間目的地)が最終的な目的地と一致すると判定した場合、処理はステップS321に進み、LED点灯情報送信処理を終了するために、接続切断要求が生成される。
以上のように、第3の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)は、現在地から目的地までの方角に関する情報を提供する際に、現在地と目的地までのルート上に存在する分岐点を中間目的地に設定し、現在地から中間目的地までの方角に関する情報を最終的な目的地に到達するまでの間、繰り返して提供することができる。その結果、ユーザは、第3の実施形態に係る情報処理ステム1(携帯端末11と電子機器12)を用いて、即座に、かつ簡単に現在地から目的地までの方角を知ることができる。 なお、第1の実施形態に係る情報処理システム1乃至第3の実施形態に係る情報処理システム1のいずれにおいても、携帯端末11がGPS受信部48を備えるようにして、携帯端末11が現在地から目的地までの方角を算出し、LED点灯情報ないし方位針駆動情報を生成するようにしたが、このような場合に限られない。
例えば電子機器12がGPS受信部を備えるようにして、電子機器12が現在地から目的地までの方角を算出し、LED点灯情報ないし方位針駆動情報を生成するとともに、LEDの点灯ないし方位針の駆動まですべての処理を行うようにしてもよい。この場合には、携帯端末11との間でのBluetooth通信による接続は不要となる。これにより、スマートフォンにおいて目的地指示アプリによる処理をもう一度はじめからやり直さなければならないなどの問題が解消される。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。