JP5704388B2 - 流体ポンプ - Google Patents
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Description
従って、ロータの周囲の前記迂回路に流通している流体は、合成樹脂製の前記筒部材によって遮られ、ステータ側へ漏出することが防止されている。
一般的には、筒部材の放熱性のみを考慮するならば、合成樹脂に替えてアルミニウム等の金属によって構成する方が好ましいが、前記ステータの絶縁性を確保する必要があることから少なくともステータの周囲部分は合成樹脂によって構成することが好ましい。
そこで、放熱性の向上と絶縁性の確保との双方を満たすものとして、ステータとロータとの間を遮断する筒状隔壁部を合成樹脂によって構成する一方、隣接する底部は、金属製のモータハウジングの一部として構成するものが考えられる。また、筒状隔壁部と底部とを嵌合構造として、互いの嵌合面の間にシールリングを備えることも防水性維持の観点から必要となる。
しかし、筒状隔壁部と底部との嵌合面には、互いにシールリングの弾性復元力が作用し続けるが、高温環境下においては、合成樹脂製の筒状隔壁部にはクリープ変形が発生してシールリングに対する抗力が低下する可能性があり、その結果、シールリングによる防水性が低下し、流体の漏れを起こしやすくなる新たな問題が考えられる。
更には、変形抑制機構を設けてあるから、熱環境下においてシールリングの当接力を受ける筒状隔壁部のクリープ変形を抑制することができる。その結果、モータハウジングと筒状隔壁部との嵌合面におけるシールリングへの抗力を維持でき、シールリングによる防水性を確保し、モータ部からの流体漏れを防止できる。
図1に示すように、本実施形態に係る流体ポンプ1は、ポンプ部2とポンプ部2を駆動するモータ部3と、モータ部3を制御するドライバ部4とを備えて構成してある。この流体ポンプ1は、ポンプ部2の側が不図示の車両用エンジンに取り付けられ、エンジン冷却水を循環させるためのウォータポンプとして機能する。
前記ステータハウジング35は、ポンプ部2の側に形成したフランジ部35aと、筒状隔壁部35bの一端部35cとをモータハウジング31に固定されている。
前記フランジ部35aは、ポンプハウジング21とモータハウジング31とで挟んだ状態でボルト締めされている。
前記一端部35cは、前記モータハウジング31の端面31aの裏面側(ポンプ部側)に形成された筒状の突出部31dに外嵌する状態で固定されている。
筒状嵌合部Kにおける前記一端部35cと突出部31dとの嵌合面の間には、全周にわたって弾性体で構成されたシールリングSが設けてあり、このシールリングSの弾性復元力によって筒状嵌合部Kの止水を図っている。当該実施形態においては、嵌合面でのモータハウジング31側に形成した周溝内に、前記シールリングSが納められている。
尚、同様のシールリングSは、例えば、前記フランジ部35aに対する、モータハウジング31やポンプハウジング21の各合わせ面間、及び、後述する台座43に対する、モータハウジング31やカバー41の各合わせ目間にも設置されている。
このバンド部材B1は、合成樹脂製の前記一端部35cのクリープ変形防止を図っている。即ち、合成樹脂製の前記一端部35cにおいては、前記シールリングSの弾性復元力が常に拡径方向に作用し続けているから、モータ部3やドライバ部4からの発熱で環境温度が高温となると、前記一端部35cが拡径方向にクリープ変形しやすくなる。従って、前記バンド部材B1によって前記一端部35cを外方から拘束することで、前記一端部35cの拡径方向のクリープ変形を抑制することができ、シールリングSによる止水効果を維持することができる。
前記バンド部材B1によって変形抑制機構Bが構成されている。
また、モータハウジング31の端面の内側に形成された前記突出部31dの内径側には、前記迂回路39の一部を構成する溝状の放熱部31cが形成されている。よって、ドライバ部4にて発生した熱は、モータハウジング31を経由して放熱部31cにおいて流体に回収されるので、ドライバ部4の温度上昇を抑制することができる。
ドライバASSY48には電子素子が配設されており、前記ターミナル34を介してモータ部3の回転制御を行えるように構成されている。
更には、熱環境下においてシールリングSの当接力を受ける筒状隔壁部35bのクリープ変形をバンド部材B1で抑制することができ、シールリングSによる防水性を確保し、モータ部3からの流体漏れを防止できる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、ポンプ部2やモータ部3やドライバ部4の構造の変更も可能である。
〈2〉 前記変形抑制機構Bは、先の実施形態で説明したバンド部材B1に限るものではなく、例えば、図2に示すように、前記シールリングSを設置した前記モータハウジング31と前記筒状隔壁部35bとの筒状嵌合部Kにおいて、前記モータハウジング31から前記筒状隔壁部35bの外周面に突出状態に設けられた筒状部B2で構成してあってもよい。
この実施形態によれば、筒状嵌合部Kにおいて、モータハウジング31に外嵌する筒状隔壁部35bの外周側から、前記モータハウジング31の筒状部B2によって筒状隔壁部35bが拡径方向に変形するのを抑制でき、簡単な構造でありながら、筒状嵌合部Kにおける筒状隔壁部35bのクリープ変形を確実に抑制することができる。また、別部材を使用せずに、モータハウジング31の筒状部B2のみで筒状隔壁部25bのクリープ変形を抑制できるから、部品点数が少なくなり、部品管理や筒状嵌合部Kでの嵌合操作の手間を軽減できると共に、材料コストの低減を図ることが可能となる。
〈3〉 前記変形抑制機構Bは、先の実施形態で説明したステータハウジング35の前記一端部35cの外周側に配置するものに限らず、例えば、図3に示すように、ステータハウジング35のフランジ部35aの外周側に配置するものであってもよい。この実施形態においては、フランジ部35aの一方側のモータハウジング31との間にシールリングSが配置してあり、フランジ部35aの他方側は、インペラ室21cに面しており、前記変形抑制機構Bは、フランジ部35aの他方側の面に接着されたリング状の鉄板B3で構成されている。この鉄板B3によってフランジ部35aのクリープ変形(曲げ変形)を抑制している。
3 モータ部
31 モータハウジング
32 ステータ
35b 筒状隔壁部
36 ロータ
39 迂回路
B 変形抑制機構
B1 バンド部材
B2 筒状部
K 筒状嵌合部
S シールリング
Claims (1)
- ポンプ部と、
固定されたステータとその内周側に回転自在に配設されたロータとを備えて前記ポンプ部を駆動するモータ部と、
少なくとも前記モータ部を収容するモータハウジングと、
前記ステータをインサート成形する合成樹脂材で構成され、前記モータハウジングに嵌合して前記ステータと前記ロータとの間を遮断する筒状隔壁部と、
前記ポンプ部を流通する流体の一部を冷却用として前記筒状隔壁部の内空部に迂回させる迂回路と、
前記筒状隔壁部と前記モータハウジングとの嵌合面の間に設けられたシールリングとを備え、
前記モータハウジングは、前記筒状隔壁部より耐熱性の高い材料で構成してあり、
前記シールリングを設置した前記モータハウジングと前記筒状隔壁部との筒状嵌合部において、前記筒状隔壁部に外嵌状態に備えた金属製のバンド部材で構成し、前記シールリングの当接力による前記筒状隔壁部のクリープ変形を抑制する流体ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2010240750A JP5704388B2 (ja) | 2010-10-27 | 2010-10-27 | 流体ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010240750A JP5704388B2 (ja) | 2010-10-27 | 2010-10-27 | 流体ポンプ |
Publications (2)
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JP2012092743A JP2012092743A (ja) | 2012-05-17 |
JP5704388B2 true JP5704388B2 (ja) | 2015-04-22 |
Family
ID=46386351
Family Applications (1)
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JP2010240750A Active JP5704388B2 (ja) | 2010-10-27 | 2010-10-27 | 流体ポンプ |
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