JP5704154B2 - 脱臭装置 - Google Patents

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Description

この発明は、脱臭装置に関するものである。
従来における脱臭装置においては、空気の吸込口及び吐出口を有するとともに吸込口及び吐出口を結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、空気通路上に配置されるとともに空気中の臭気を吸着して空気の脱臭処理を行う触媒フィルターと、空気通路内に空気を流通させる送風機と、触媒フィルターを加温する加温手段と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開2007/020896号
このように、特許文献1に示された従来における脱臭装置は、空気中の臭気を吸着して空気の脱臭処理を行う触媒フィルターを加熱することで、触媒フィルターにおける臭気物質の分解を促進するものである。
しかしながら、このような従来における脱臭装置においては、触媒フィルターに吸着した臭気が再放出され、この触媒フィルターから再放出された臭気が含まれた空気が脱臭装置から放出されてしまう。この現象は、特に、触媒フィルターに臭気が吸着した状態で脱臭装置の運転を停止した後、触媒フィルターの加熱による臭気物質の分解促進を実施することなく、脱臭装置の運転を再開した場合に顕著である。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、空気中から臭気物質を取り除くための触媒フィルター等の脱臭手段から再放出された臭気物質及び/又は当該脱臭手段では除去しきれなかった臭気物質が、脱臭装置から外部へと放出されてしまうことを抑制することができる脱臭装置を得るものである。
この発明に係る脱臭装置においては、吸込口及び吹出口が形成され、内部に前記吸込口から前記吹出口へと通じる通風路が形成された本体ケースと、前記本体ケース内に設けられ、前記通風路に前記吸込口から前記吹出口へと向かう空気の流れを発生させる送風手段と、前記通風路に設けられ、通過する前記空気中から臭気物質を取り除く第1の脱臭手段と、前記通風路における前記第1の脱臭手段の下流側に設けられ、通過する前記空気中から臭気物質を取り除く第2の脱臭手段と、前記通風路における前記第1の脱臭手段の下流側かつ前記第2の脱臭手段の上流側に設けられ、通過する前記空気を冷却する冷却手段と、を備え、前記第1の脱臭手段は、前記臭気物質を吸着する性質を有する、又は、加熱により前記臭気物質を酸化分解する性質を有する触媒を備え、前記第2の脱臭手段は、水を吸着する性質を有する材料から構成され、前記冷却手段は、熱交換素子を備えるとともに、前記熱交換素子の吸熱側で前記冷却手段を通過する前記空気を冷却し、前記熱交換素子の放熱側で前記第2の脱臭手段を加熱可能である構成とする。
この発明に係る脱臭装置においては、空気中から臭気物質を取り除くための脱臭手段から再放出された臭気物質及び/又は当該脱臭手段では除去しきれなかった臭気物質が、脱臭装置から外部へと放出されてしまうことを抑制することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る脱臭装置本体の三面図である。 この発明の実施の形態1に係る脱臭装置本体の分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る脱臭装置本体が備える脱臭手段の分解斜視図である。 図1中に示す断面Y−Yによる脱臭装置本体の縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る脱臭装置本体の縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る脱臭装置本体が備える冷却手段の構成を説明する斜視図である。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1に係るものである。図1は脱臭装置本体の三面図で、図1(a)は脱臭装置本体の正面図、図1(b)は脱臭装置本体の上面図、図1(c)は脱臭装置本体の側面図である。そして、図2は脱臭装置本体の分解斜視図、図3は脱臭装置本体が備える脱臭手段の分解斜視図、図4は脱臭装置本体の縦断面図である。
図1において、脱臭装置本体1は、外郭を構成する本体ケース2を備えている。この本体ケース2は、樹脂により形成された箱形状を呈する。本体ケース2は、大きく分けて前パネル10、前ケース20及び後ケース40の3つの部分からなる。
前ケース20は、正面視形状が長方形を呈し所定の奥行き幅がある枠状のフレーム21が基体となり構成されている。前ケース20のフレーム21の下面側の前端部は、左右両側の前端よりも前方に突出して下突出部25が形成されている。前ケース20のフレーム21の上面には、操作部26が設けられている。この操作部26は、複数の操作ボタン及び表示部を形成するLED等を備えている。
前ケース20の前面側には、前パネル10が取り付けられる。この前パネル10は、正面視形状が前ケース20(フレーム21)の正面視形状とほぼ同形の長方形で、前ケース20の前面の開口部を正面から覆うように配置される。前ケース20の前面側の適切な位置に前パネル10が取り付けられると、前ケース20の下突出部25は前パネル10の下側に配置される。前パネル10の前面には、空気吸込口11が形成されている。この空気吸込口11は、左右方向に延びる複数のスリット状の貫通孔からなる。この空気吸込口11により、前パネル10は、前後方向に貫いて空気が流れることが可能なように通気性が確保されている。
前ケース20の後面側には、後ケース40が取り付けられる。この後ケース40は、正面視形状が前ケース20(フレーム21)の正面視形状とほぼ同形の長方形で、後面側が閉鎖された箱状を呈する。後ケース40の上面には、空気吹出口42となる開口が形成されている。
図2を参照しながら、脱臭装置本体1の構成を詳細に説明する。
後ケース40は前述したように箱状を呈している。後ケース40の前面側は開口されて後ケース前開口41が形成されている。後ケース40の後面側は閉鎖されており後面部43が形成されている。この後面部43の内側には、室内空気を脱臭装置本体1内部に取り込むための送風手段である送風ファン44が取り付けられている。
送風ファン44は、回転軸に沿った方向において所定の幅を有する多数の羽が取り付けられた多翼式ファン(シロッコファン)である。すなわち、送風ファン44は、回転軸から所定の半径の位置に配置された多数の羽44aを備えている。また、送風ファン44を回転駆動させるモーター44bが、その回転軸44cが前方を向きかつ水平方向に配置されるように、後面部43の内側に取り付けられている。
また、周囲を羽44aに囲まれて形成されるファン開口44dは、前方に向けて開口している。以上のような配置でもって送風ファン44を後ケース40に取り付けることで、送風ファン44は、回転軸44cに沿った方向の前方を向くファン開口44dから空気を吸込み、送風ファン44の径方向に空気を吐き出す。
後ケース40における送風ファン44の外周側には、後ケース仕切板45が設けられている。この後ケース仕切板45は、後面部43の内面から前方へと突出するように立設されている。後ケース仕切板45は、送風ファン44から流下する空気を空気吹出口42へと導く風路の外縁を形成する。後ケース仕切板45は、送風ファン44の周囲を囲むようなスクロール形状となるように配置される。後ケース仕切板45の一端は空気吹出口42の右端42aに接続され、他端は空気吹出口42の左端42bへと接続される。すなわち、後ケース仕切板45は、送風ファン44の周囲を囲み、かつ、その端部が空気吹出口42と接続される袋状となるように後ケース40内に配置されている。
後ケース仕切板45の下側において、後ケース40の外壁と後ケース仕切板45との間に形成される空間には、脱臭装置本体1の各部の動作を制御する図示しない制御部が収容されている。
図4に示すように、後ケース40の内側の上部であって、空気吹出口42の近傍には、空気吹出口42から吹き出す空気の風向を変えたり、空気吹出口42を閉じたりするルーバー46が設けられている。ルーバー46は、複数の板状の風向板(図示せず)と、これらの複数の風向板をそれぞれ繋いで風向板を所定の角度に動かすリンク機構(図示せず)と、このリンク機構を動かすモーター等の駆動部(図示せず)とを備えている。
ルーバー46の複数の風向板は、空気吹出口42の開口に臨み、所定の間隔を空けて互いに平行となるように並んで配置されている。それぞれの風向板は、それぞれの風向板の両端に形成された図示しない軸によって、空気吹出口42に軸支されている。ルーバー46の向き及び開閉状態は、制御部が脱臭装置本体1の状態に応じて駆動部の動作を制御することにより変更される。空気吹出口42の開口部分は、外側からルーバー46を直接触れることができないように、格子が設けられている。
再び図2を参照しながら説明を続ける。
前ケース20のフレーム21の前面側には、長方形の前ケース前開口22が形成されている。フレーム21の後面側は、前ケース仕切板23により覆われている。この前ケース仕切板23には、後方に向いて開口する略円形の前ケース後開口24が形成されている。したがって、前ケース20においては、前ケース前開口22と前ケース後開口24とが連通されている。
なお、前ケース20と後ケース40とが図1に示す状態となるように適切に組み合わされると、前ケース仕切板23の前ケース後開口24が、送風ファン44のファン開口44dに対向する位置に配置されるようになっている。前ケース後開口24は、後方にいくほど次第に絞まる漏斗状あるいはベル状の形状となっている。前ケース後開口24がファン開口44dに対向して配置されることで、前ケース後開口24がファン開口44dのベルマウスとして機能する。
前述したように、前ケース20のフレーム21の下面側の前端部は、左右両側の前端よりも前方に突出して下突出部25が形成されている。また、前ケース20のフレーム21の上面側の前端部は、左右両側の前端よりも前方に突出して上突出部27が形成されている。前ケース20のフレーム21の上面の前寄りの位置には、前述したように操作部26が設けられている。そして、この操作部26に対応して、フレーム21の上面の内側には、操作部26が備える操作ボタン及びLED等が実装されている図示しない操作基板が取り付けられている。この操作基板は、前述した制御部と電気的に接続される。
前ケース20内の前ケース仕切板23より前方側には、脱臭部60が収容される。この脱臭部60の枠体61内には、枠体61の前面開口と同程度の大きさのHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター12が収容され、さらに、このHEPAフィルター12の前面側を覆うようにプレフィルター13が配置される。そして、プレフィルター13の前面側に、前ケース20の上突出部27と下突出部25との間に挟まれて、前パネル10が装着されることで、図1に示す脱臭装置本体1の状態となる。
なお、HEPAフィルター12は、空気中に含まれる花粉、ダニの糞、カビの胞子及び/又はハウスダスト等の微細な塵埃を取り除くためのフィルターである。また、プレフィルター13は、HEPAフィルター12で空気をろ過する前に、予め空気に含まれる大きな塵埃を取っておくための目の粗いフィルターであり、HEPAフィルター12の効果を長期間保つ目的で使用される。
図3に脱臭部60の詳細を示す。なお、この図3においては、手前側−奥側の向きが図2と逆になっている。すなわち、図3においては、奥側が脱臭装置本体1の前側、手前側が脱臭装置本体1の後側になる。
脱臭部60は、脱臭装置本体1の内部に取り込んだ空気を通過させることにより、空気中に含まれる臭気の原因となる物質を取り除くためのものである。脱臭部60は、枠体61、脱臭エレメント62、加熱ユニット63及び駆動手段64を備える。
枠体61は、脱臭部60を構成する各種部品が取り付けられる基体となる部材である。この枠体61は、所定の奥行き幅があり正面視形状が長方形を呈する。枠体61の外形は、前ケース20の前開口41の内部に嵌め込むことができる大きさである。枠体61内には、枠体61内の空間を前後に仕切るようにして中仕切板65が設けられている。
この中仕切板65には、枠体61の前後方向に連通する円形状の脱臭部開口65aが形成されている。この脱臭部開口65aの中心には、中央支持体65bが配置される。中央支持体65bからは、放射状に複数の梁部65cが形成されている。これら複数の梁部65cのそれぞれの中心側の一端は中央支持体65bに連結され、それぞれの他端は脱臭部開口65aの開口縁と連結される。こうして、中央支持体65bは、複数の梁部65cにより、脱臭部開口65aの中心に配置されるように支持される。
中仕切板65の脱臭部開口65aにおける中央支持体65bの下方の領域であって、中央支持体65bを中心に左右に等しく広がる所定の開角により形成される扇形の領域は、当該領域とほぼ同形の扇形状を呈する蓋体65dにより覆われている。この蓋体65dは例えばステンレスにより形成されている。蓋体65dは、中仕切板65の後面側から梁部65cにネジ等により固定されることにより取り付けられる。
なお、蓋体65dは、後述する加熱ユニット63と脱臭エレメント62を挟んで対向するように配置される。また、蓋体65dは加熱ユニット63が備えるヒーターユニットと対向した状態において、このヒーターユニットを覆うことが可能な大きさとなっている。こうして、互いに対向する加熱ユニット63と蓋体65dとの間に形成される空間が、脱臭エレメント62を局部的に加熱するための加熱空間となる。蓋体65dの表面には、熱放射率を向上させるための黒色の耐熱塗装が施されている。
中仕切板65の後面における脱臭部開口65aの外周縁近傍には、ガイド部65eが形成されている。このガイド部65eは、中仕切板65の後面から後方へと向けて立設されている。ガイド部65eは、脱臭部開口65aの外周縁と所定の間隔rを空けて脱臭部開口65aの外周縁を囲むようにして配置されたリング状を呈する。このガイド部65eが形成するリング状の径は、後述する各部が設けられた脱臭エレメント62を内部に保持することが可能な程度の大きさに調整される。
このガイド部65eの後端縁部には、脱臭部開口65aの内方へと突出するように受部65fが取り付けられる。ガイド部65eは、後述する脱臭エレメント62をこのガイド部65e内に取り付けた際に、脱臭エレメント62がガイド部65e内から脱落することがないように、脱臭エレメント62を受けるための部材である。
脱臭エレメント62は、正面視略円板形状を呈する。この脱臭エレメント62は、セラミック又はアルミニウムを素材として蜂の巣状に複数の開口が形成されたハニカムコアに、バインダーで触媒が塗布又は含浸されたものである。この触媒としては、例えば白金系やマンガンを用いたもの等の、臭気成分(特にアンモニア臭)を吸着する性質を有するもの、あるいは、加熱により臭気成分を酸化分解する性質を有するものが用いられる。
脱臭エレメント62の中心部には脱臭エレメント開口部62aが形成されている。脱臭エレメント62の前面には、脱臭エレメント62を保持するための図示しないエレメントフレームが設けられている。このエレメントフレームは、素材としてステンレスが用いられ、所定の開口が形成されている。脱臭エレメント62はハニカムコアにより形成され、その前面に設けられたエレメントフレームには開口が形成されているため、脱臭エレメント62の内部を前後方向に貫いて空気が流れることができるようになっている。
脱臭エレメント62の外周縁部には、鋸歯状のギア部62bが設けられている。このギア部62bを含む脱臭エレメント62の径は、中仕切板65に形成された脱臭部開口65aの径より大きく、かつ、中仕切板65のガイド部65eの径よりも小さい。これは、前述したように、ガイド部65eが脱臭部開口65aの外周縁と所定の間隔rを空けて配置されているために可能である。
なお、脱臭部開口65aの前面側には、脱臭部開口65aを通過する空気の流れを妨げない程度の枠65gが設けられている。この枠65gは、脱臭エレメント62に使用者が直接触れることを防止するためのものである。
加熱ユニット63は、脱臭エレメント62を局部的に加熱する加熱手段であるヒーターユニットと、このヒーターユニットを内部に収納するケースとを備えている。このヒーターユニットは、脱臭装置本体1の制御部に電気的に接続されており、制御部により脱臭装置本体1の状態に応じてヒーターユニットへの通電が制御される。
ヒーターユニットは、平板状の発熱部と、この発熱部を熱するヒーター部とを備える。発熱部の平面形状は扇形状を呈する。発熱部の表面には、ヒーター部から受けた熱の放射率を向上させるため、黒色の耐熱塗装が施されている。このようにして構成された加熱ユニット63のヒーターユニットは、ヒーター部で生じた熱を板状の発熱部が受け、発熱部の平板面全体から熱を放射する。このような加熱ユニット63の性質により、加熱ユニット63に対向する脱臭エレメント62をムラなく加熱することができる。
加熱ユニット63が備えるヒーターユニットの加熱能力は、予め定められた一定時間の間通電された場合に、ヒーターユニットから所定の隙間を介在して配置された脱臭エレメント62の対向した部位を、当該部位に吸着した臭気物質を除去可能な所定の温度にまで上昇させることができるように設定してある。
ヒーターユニットのヒーター部には、チタン酸バリウムを主成分とする半導体セラミックスを用いたPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターが使われている。PTCヒーターは、自己温度制御性を有し外部からの温度制御を必要としない。このため、サーモスタットのような断続的制御を行わないので、火花やノイズが発生せず安定して使用することができるという利点がある。
駆動手段64は、モーターと、このモーターを保持するブラケットとを備える。モーターの回転軸には、図示しないギアが取り付けられている。また、モーターは、脱臭装置本体1の制御部に電気的に接続されている。モーターは、制御部により脱臭装置本体の状態に応じてその通電が制御される。
駆動手段64は、中仕切板65の後面の所定の位置に取り付けられる。この際、駆動手段64のモーターの回転軸のギアが、脱臭エレメント62のギア部62bと歯合する。よって、駆動手段64のモーターが回転駆動されることにより、ギア部62bを介して脱臭エレメント62が回転される。こうして、駆動手段64は、脱臭エレメント62を動かして加熱ユニット63に対向する脱臭エレメント62の部位の相対的位置関係を変更する位置変更手段を構成する。
以上のように構成された脱臭エレメント62、加熱ユニット63及び駆動手段64を、次のようにして枠体61に取り付けることにより、脱臭部60が構成される。
まず、枠体61の後面側より、中央支持体65bから後方に突出して設けられた軸に、脱臭エレメント62の脱臭エレメント開口部62aが軸受となって回転自在に嵌め込まれる。
この状態において、ガイド部65eの後端縁部に受部65fが内方に突出するように取り付けられる。これらの受部65fは、脱臭エレメント62の回転方向の動きを大きく阻害しないように、脱臭エレメント62を後面側から保持する。
このように、脱臭エレメント62が枠体61に取り付けられることで、脱臭エレメント62は、中仕切板65の開口65aに臨んだ状態で、中仕切板65の裏面(隙間r)と、ガイド部65eと、受部65fに囲まれた空間の内部に回転自在に保持される。こうして、脱臭エレメント62は、中仕切板65の後面に形成されているガイド部65eの内側において、脱臭エレメント62が脱臭部開口65aに臨んだ状態で、中仕切板65の後面(隙間r)と受部65fとの間で枠体61に対して回転自在に配設される。
なお、中央支持体65bの軸と脱臭エレメント開口部62aとを設けることなく、脱臭エレメント62をガイド部65eにより主に支持するようにしてもよい。しかし、以上で説明したように、中央支持体65bの軸と脱臭エレメント開口部62aとを回転自在に係合させる構成とすることで、脱臭エレメント62を回転させる際の回転軸の位置のブレをより抑制することが可能である。
以上のようにして枠体61に脱臭エレメント62が取り付けられた状態で、次に、加熱ユニット63が枠体61に取り付けられる。加熱ユニット63は、脱臭エレメント62の中心から下側の部位を跨ぐようにして、脱臭エレメント62の一部を覆って配置される。この際、加熱ユニット63のヒーターユニットが脱臭エレメント62に近接して対向する。この状態においては、加熱ユニット63が脱臭エレメント62の回転を妨げないように配置される。
このように配置された加熱ユニット63は、脱臭エレメント開口部62a内に位置する中央支持体65bと、中仕切板65におけるガイド部65eより外側の位置に設けられた取り付け位置とにネジで固定される。この際、加熱ユニット63と蓋体65dとは、間に脱臭エレメント62が配置された状態で互いに対向する位置関係となっている。
このように、加熱ユニット63と蓋体65dとが互いに対向して配置されることで、加熱ユニット63と蓋体65dとの間の空間(加熱空間)には、加熱ユニット63から放射された熱が留まりやすくなる。そして、こうして熱が留まった加熱ユニット63と蓋体65dとの加熱空間に脱臭エレメント62が介在することで、加熱空間内にある脱臭エレメント62の部位を効率的に加熱することができる。また、加熱ユニット63の発熱部の表面及び蓋体65dの表面に、熱放射率を向上させる機能を有する塗装を施すことで、加熱効率をさらに向上することが可能である。
駆動手段64は、モーターを保持するブラケットを中仕切板65に固定することで枠体61に取り付けられる。この際、モーターの回転軸のギアと、脱臭エレメント62のギア部62bとが噛み合わされる。駆動手段64が配置される位置は、中仕切板65の後面であって、脱臭部開口65aと中仕切板65の隅角部とに挟まれた領域内である。
この駆動手段64が配置される位置は、加熱ユニット63からなるべく離れた位置、すなわち、枠体61における上方寄りの位置が好ましい。これは、加熱ユニット63から生じる熱の影響がなるべく駆動手段64に及ばないようにするためである。
このように取り付けられた駆動手段64は、制御部による制御の下でモーターが駆動されることで、枠体61に対して脱臭エレメント62を回転させることができる。すなわち駆動手段64は、枠体61に対して脱臭エレメント62を動かすことで、加熱ユニット63に対向する脱臭エレメント62の部位の相対的位置関係を変更する位置変更手段の機能を有することとなる。
次に、図4を参照しながら、脱臭装置本体1の構成についてさらに説明する。脱臭装置本体1内には、前パネル10の空気吸込口11から、プレフィルター13、HEPAフィルター12及び脱臭エレメント62をこの順で通過し、最終的に空気吹出口42へと通じる通風路3が形成されている。
脱臭装置本体1内の通風路3上における、脱臭エレメント62よりも下流側には、第2の脱臭エレメント90が設置されている。この第2の脱臭エレメント90も、脱臭エレメント62と同じく、セラミック又はアルミニウムにより形成されたハニカムコアからなる。また、ハニカムコアに白金及び/又はマンガンを主成分とする触媒をバインダーにより担持させてもよい。
第2の脱臭エレメント90の大きさは、通風路3上を流れる空気が第2の脱臭エレメント90を通過でき、かつ、通風路3内部に保持することができるという条件を満たすもののうち、可能な限り大きいことが好ましい。
なお、ここでは、第2の脱臭エレメント90は、通風路3における、空気吹出口42のルーバー46の手前側に配置されている。換言すれば、第2の脱臭エレメント90は、通風路3上における脱臭エレメント62よりも下流側で、かつ、送風ファン44よりも下流側に配置されている。
このように第2の脱臭エレメント90を送風ファン44の下流側に設ける場合、第2の脱臭エレメント90と送風ファン44との間の距離D’は、一定距離以上離すようにすることが好ましい。送風ファン44から排出される空気流は少なからず乱れるため、送風ファン44の近傍では乱流が卓越する。このような、乱流状態にある空気流を第2の脱臭エレメント90に導入すると、第2の脱臭エレメント90における圧力損失が高くなる要因となる。
そこで、第2の脱臭エレメント90と送風ファン44との間の距離D’を一定距離以上離すことで、送風ファン44から排出された空気流が乱流状態のまま第2の脱臭エレメント90へと導入されることをなるべく防止することができる。また、このような観点から、第2の脱臭エレメント90の上流側かつ送風ファン44の下流側に、通風路3の空気流を整流するための部材を設けることが、より好ましい。
脱臭装置本体1内の通風路3上における、脱臭エレメント62の下流側であって、かつ、第2の脱臭エレメント90の上流側には、冷却手段91が設けられている。この冷却手段91は、通風路3を流れ第2の脱臭エレメント90へと導入される空気を冷却して、当該空気の温度を下げる又は当該空気の相対湿度を増加させるためのものである。こうして、第2の脱臭エレメント90へと導入される空気の温度を下げる又は相対湿度を増加させることで、第2の脱臭エレメント90における脱臭効率を向上させる補助的な効果を得ることができる。
このような冷却手段91の目的から、第2の脱臭エレメント90と冷却手段91との間の距離はなるべく近い方が熱損失をより低く抑えることができる。したがって、冷却手段91は第2の脱臭エレメント90の上流側における第2の脱臭エレメント90の近傍に配置されることが好ましい。
また、冷却手段91は、ペルチェ素子等の熱交換機能を有する電子素子を用いて構成することが好ましい。冷却手段91にペルチェ素子を用いる場合、ペルチェ素子の吸熱側で空気を冷却すると同時に、ペルチェ素子の放熱側で第2の脱臭エレメント90を加熱することができるようにするのがより好ましい。なお、コンプレッサを用いたヒートポンプユニットを組み込むことでアルミフィン等の金属フィンを冷却する構成を、冷却手段91として用いることも有効である。
冷却手段91のペルチェ素子又はヒートポンプユニットの動作は、脱臭装置本体1の制御部により制御される。具体的には、制御部は、脱臭装置本体1の脱臭運転開始時及び脱臭エレメント62の再生動作時の少なくともいずれか一方において、冷却手段91を動作させて冷却手段91を通過する空気を冷却することができるようにする。
以上のように各部が構成された前パネル10、前ケース20、後ケース40及び脱臭部60からの脱臭装置本体1の組み立ては、次のようにして行われる。
まず、後ケース前開口41を前方に向けた後ケース40を、前ケース20の後面に取り付けられる。この際、後ケース40に設けられた送風ファン44のファン開口44dは、前ケース20の仕切板45に形成された前ケース後開口24と対向する。さらにこの際、送風ファン44の回転軸の軸心と前ケース後開口24の開口中心とが一致する。
次に、脱臭部60を、枠体61が前ケース20の前ケース前開口22から前ケース20の内部に挿入する。そして、枠体61の外周が前ケース20の内部に保持されることにより、脱臭部60が前ケース20に取り付けられる。
こうして脱臭部60が前ケース20に取り付けられた状態においては、脱臭部60の後面側(すなわち、中仕切板65に対して加熱ユニット63が取り付けられている側)が、前ケース20の前ケース後開口24の方を向くように配置される。よって、脱臭エレメント62と前ケース後開口24との間に、加熱ユニット63が配置される。
この際、図4に示すように、脱臭エレメント62の後面と、前ケース20の前ケース仕切板23とは、一定の間隔Dだけ空けて配置される。前述したように、前ケース仕切板23の前ケース後開口24は、送風ファン44の開口44dの周囲にベルマウスを形成している。そこで、脱臭エレメント62と前ケース仕切板23との間に一定の間隔Dを確保することで、脱臭エレメント62を通過した空気が円滑に前ケース後開口24から送風ファン44へと流れ込むことができるようにしている。
次に、以上のように構成された脱臭装置本体1の動作について説明する。前述したように、脱臭装置本体1の内部には、脱臭装置本体1の外部から空気を取り込み、この取り込んだ空気の清浄及び脱臭を行った上で脱臭装置本体1の外部へと放出する通風路3が形成されている。
まず、使用者が操作部26を操作することで、制御部により脱臭装置本体の運転を行う所定のプログラムが実行される。運転が開始されると、送風ファン44が駆動し、脱臭装置本体1内の送風ファン44より前方側の空間に負圧が発生する。この負圧により、空気吸込口11から脱臭装置本体1の内部へと空気を取り込む吸い込み力が生じ、空気吸込口11から脱臭装置本体1内へと空気が流入する。空気吸込口11から取り込まれた空気は、脱臭装置本体1の内部を後方へと流れ、プレフィルター13で空気中に含まれる大きな塵埃が取り除かれた後、HEPAフィルター12で空気中に含まれる微細な塵埃が取り除かれる。
こうして、塵埃が取り除かれた空気は、さらに通風路3を後方へと流れて脱臭部60へと到達する。脱臭部60に到達した空気は、脱臭部開口65aを通過し、この脱臭部開口65aに臨む位置に配置された脱臭エレメント62に至る。そして、ハニカム状の脱臭エレメント62を通過する際に、空気中に含まれている臭気物質が、脱臭エレメント62に塗布された触媒に吸着されて通過空気中から取り除かれる。
なお、ここでいう、空気中に含まれている臭気物質が取り除かれた状態とは、空気中から完全に臭気が無くなる状態のみならず、脱臭エレメント62を通過する前と後とで空気中の臭気物質の量が減少した状態をも含んでいる。脱臭装置本体1の運転を継続すると、脱臭エレメント62に、吸着した臭気物質が蓄積されていく。そして、脱臭エレメント62における臭気物質の蓄積量が増えるに従って、脱臭エレメント62の脱臭能力が低下していく。
塵埃と臭気物質が取り除かれた空気は、脱臭エレメント62から通風路3をさらに後方へと流れ、前ケース仕切板23の前ケース後開口24を通過し、送風ファン44へと流れる。送風ファン44へと達した空気は、送風ファン44回転軸方向の前方のファン開口44dから、送風ファン44の羽44aに囲まれた空間内へと入り、回転する羽44aの作用により、送風ファン44の上方を含む送風ファン44の径方向外側へと吐き出される。
送風ファン44から吐き出された空気は、後ケース40の後ケース仕切板45により導かれ、通風路3上の冷却手段91へと至る。そして、冷却手段91における熱交換により、冷却されて空気の温度は低下し、かつ、空気の相対湿度は上昇する。こうして、冷却手段91により冷却された空気は第2の脱臭エレメント90に至る。
この第2の脱臭エレメント90においては、脱臭エレメント62から再放出されて空気中に戻った臭気物質を吸着することにより、空気中から臭気物質が取り除かれる。この際、事前に冷却手段91で空気を冷却しておくことで、空気中の臭気物質の運動エネルギーを低下させ、第2の脱臭エレメント90で吸着しやすくなる。
また、第2の脱臭エレメント90を構成する材料は水を吸着する性質を有している。このため、第2の脱臭エレメント90を通過する空気を冷却して相対湿度を上昇させておくことで、水に溶け易い臭気物質が空気中の水分に溶け込んだ状態で第2の脱臭エレメント90に吸着されやすくなる。こうしたことから、第2の脱臭エレメント90の通過前に冷却手段91で予め空気を冷却しておくことで、第2の脱臭エレメント90における脱臭効率を向上させることができる。
なお、脱臭エレメント62と同様、吸着した臭気物質の蓄積により第2の脱臭エレメント90の脱臭能力は、脱臭装置本体1の運転継続に伴い徐々に低下していく。
第2の脱臭エレメント90を通過した空気はルーバー46を通過する際に風向が整えられ、空気吹出口42から脱臭装置本体1の上方に向けて吹き出される。このように、通風路3は、空気吸込口11から水平方向に脱臭装置本体1の後部へと繋がり、この後部で上方へと向きを変えて空気吹出口42へと至る風路である。
つまり、通風路3における空気の流れを基準として見ると、脱臭エレメント62の上流側に、プレフィルター13及びHEPAフィルター12の塵埃ろ過フィルターが配置される。また、脱臭エレメント62の下流側に、冷却手段91及び第2の脱臭エレメント90が配置される。さらに、脱臭エレメント62の下流側であって、かつ、第2の脱臭エレメント90及び冷却手段91の上流側において、空気流の向きを上方に屈曲して変える屈曲部が形成されている。そして、この屈曲部に、送風ファン44であるシロッコファンが配置されている。
シロッコファンは、ファンの回転軸に沿った方向から空気を取り込み、ファンの径方向へと取り込んだ空気を吐き出す。このため、送風ファン44としてシロッコファンを採用することで、本体ケース2の前面から後方への直線的な空気流を作り出すとともに、空気吹出口42に向けて効率よく風の向きを変えることができる。
なお、プレフィルター13、HEPAフィルター12、脱臭エレメント62及び送風ファン44の開口44dのそれぞれの前面は、通風路3を流れる空気の向きに対して、垂直な向きに配置されている。これにより、脱臭エレメント62まで空気の流れが直線状で、各フィルター面に垂直に空気を当てることができるため、空気の流れを良好なものとすることができる。
なお、ここで、脱臭部開口65aの位置は、本体ケース2の正面に対して上下方向中央に位置するように調整されている。また、本体ケース2の正面視における投影面積Sと、脱臭部開口65aの正面視における面積Tとが、
T≧0.6S
となる関係を満足するように構成されている。
次に、これまでに説明したようにして脱臭運転を実施したことで、多くの臭気物質を吸着して脱臭性能が低下した脱臭エレメント62の脱臭性能を回復させるための動作(再生動作)について説明する。
脱臭装置本体1の制御部は、所定のタイミングで、例えば、運転開始又は前回行った脱臭エレメント62の再生動作からの累積運転時間が所定の時間を超えた場合、次のようにして再生動作を行う。なお、好ましくは、24時間に1回以上の再生動作を行う。
送風ファン44が停止している状態、すなわち、脱臭装置本体1が脱臭運転を終えた後か、あるいは、脱臭運転を行っていない状態にある場合、制御部はヒーターユニットに通電させて、ヒーターユニットを発熱させ、加熱ユニット63のヒーターユニットと対向している脱臭エレメント62の部位を加熱して所定の温度まで上昇させる。この加熱は、所定の時間の間継続される。
この際における脱臭エレメント62の加熱温度及び加熱時間は、脱臭エレメント62に吸着した臭気を除去させるのに十分な温度と時間となるように決定される。なお、加熱ユニット63と脱臭エレメント62との間には空気層が介在しているため、加熱ユニット63の温度と脱臭エレメント62の温度とには差異が生じる。制御部は、この温度差を加味した上で、加熱ユニット63の温度を制御する。
脱臭エレメント62の脱臭性能を回復させるために所定温度αまで上昇させる際の加熱時間α’の長さは、脱臭装置の設計事由、例えば使用環境の温度や脱臭対象臭気の種類、脱臭エレメント62への触媒の添着有無やその種類等を鑑みて決定される。ここで、加熱時間α’の開始時間は、再生動作開始時又は所定温度α到達時とし、加熱時間α’の終了時間は再生動作終了時とする。
再生動作中の送風ファン44は、停止状態及び動作状態のいずれでもよい。なお、脱臭エレメント62を効率的に加熱させるためには送風ファン44を停止させることが好ましい。その一方で、送風ファン44を動作させることは、再生動作で酸化分解された生成物を脱臭エレメント62近傍から除去できるため酸化分解反応を促進できるという点で好ましい。したがって、再生動作中の送風ファン44の動作については、脱臭エレメント62に吸着された臭気物質の特性や使用環境等により、停止状態及び動作状態の併用を含め最適化することが望ましい。
なお、脱臭エレメント62の被加熱部位は、前面側が蓋体65dに覆われ、後面側が加熱ユニット63に覆われる。蓋体65d及び加熱ユニット63の表面には、熱放射性を向上させる加工が施されており、効率よく脱臭エレメント62を加熱することができる。また、脱臭エレメント62の被加熱部位は、蓋体65dと加熱ユニット63とに挟まれた加熱空間内に配置されている。この加熱空間内は熱が留まりやすいため、より効率的に脱臭エレメント62を加熱することができる。
次に、加熱ユニット63と対向する脱臭エレメント62の部位の再生動作が終了すると、脱臭装置本体1の制御部は駆動手段64を動作させて、脱臭エレメント62を所定の角度だけ回転させる。この動作により、加熱ユニット63と対向していた脱臭エレメント62における加熱処理終了部位が、加熱ユニット63に対して回転方向にずれる。したがって、加熱再生処理が完了している脱臭エレメント62の部位が、加熱ユニット63と蓋体65dに挟まれた位置から外れるとともに、新たに臭気を多く吸着した脱臭エレメント62の部位が、加熱ユニット63と蓋体65dに挟まれた加熱空間内に位置することとなる。
なお、この際に脱臭エレメント62を回転させる角度は、扇形状である加熱ユニット63の開角と同じか、又は、この開角より小さい角度がよい。このように回転角度を設定することで、脱臭エレメント62が1周回転する内に、脱臭ユニット62のいずれの部位も、必ず加熱ユニット63の前に留まり加熱再生処理されることになる。また、脱臭エレメント62を動かすタイミングは、加熱処理の後、直ぐとしてもよいし、あるいは、次に行う脱臭運転の直前としてもよい。
第2の脱臭エレメント90も、脱臭エレメント62と同様に、脱臭運転により臭気物質が蓄積して脱臭性能が低下する。そこで、第2の脱臭エレメント90についても、再生動作を実施することが望ましい。ここでは、冷却手段91としてペルチェ素子等の熱交換機能を有する電子素子を備えたものを用いた場合について説明する。
前述したように、冷却手段91に熱交換機能を有する素子を用いた場合、当該素子の放熱側を第2の脱臭エレメント90に近接させることで、第2の脱臭エレメント90を加熱することができる。そこで、冷却手段91の熱交換素子により第2の脱臭エレメント90を加熱することで、第2の脱臭エレメント90についても加熱再生処理を施すことが可能となる。
脱臭装置本体1の制御部は、所定のタイミングで、例えば、運転開始又は前回行った第2の脱臭エレメント90の再生動作からの累積運転時間が所定の時間を超えた場合、次のようにして再生動作を行う。なお、好ましくは、24時間に1回以上の再生動作を行う。
送風ファン44が停止している状態、すなわち、脱臭装置本体1が脱臭運転を終えた後か、あるいは、脱臭運転を行っていない状態にある場合、制御部は第2の脱臭エレメント90の加熱手段としても機能する冷却手段91に通電させることで、冷却手段91の第2の脱臭エレメント90側を発熱させ、第2の脱臭エレメント90を加熱して所定の温度まで上昇させる。この加熱は、所定の時間の間継続される。
この際における第2の脱臭エレメント90の加熱温度及び加熱時間は、第2の脱臭エレメント90に吸着した臭気を除去させるのに十分な温度と時間となるように決定される。第2の脱臭エレメント90と冷却手段91の放熱側とは、直接に接触していてもよいし、これらの間に空気層が介在していてもよい。制御部は、第2の脱臭エレメント90と冷却手段91の放熱側との関係を加味した上で冷却手段91への通電を制御する。
第2の脱臭エレメント90の脱臭性能を回復させるために所定温度αまで上昇させる際の加熱時間α’の長さは、脱臭装置の設計事由、例えば使用環境の温度や脱臭対象臭気の種類、第2の脱臭エレメント90への触媒の添着有無やその種類等を鑑みて決定される。ここで、加熱時間α’の開始時間は、再生動作開始時又は所定温度α到達時とし、加熱時間α’の終了時間は再生動作終了時とする。
再生動作中の送風ファン44は、停止状態及び動作状態のいずれでもよい。なお、第2の脱臭エレメント90を効率的に加熱させるためには送風ファン44を停止させることが好ましい。その一方で、送風ファン44を動作させることは、再生動作で酸化分解された生成物を第2の脱臭エレメント90近傍から除去できるため酸化分解反応を促進できるという点で好ましい。したがって、再生動作中の送風ファン44の動作については、第2の脱臭エレメント90に吸着された臭気物質の特性や使用環境等により、停止状態及び動作状態の併用を含め最適化することが望ましい。
第2の脱臭エレメント90の再生動作が終了すると、通常の脱臭運転に移行する。第2の脱臭エレメント90の再生動作は脱臭エレメント62の再生動作と同じタイミングで行うことが好ましいが、別途、それぞれの再生動作を個別に行ってもよい。ただし、第2の脱臭エレメント90は、脱臭エレメント62からの放出臭気を除去するためのものであるため、脱臭エレメント62と同じ頻度で再生動作を行う必要はない。そこで、第2の脱臭エレメント90の再生動作移行プログラムは、脱臭エレメント62の再生動作移行プログラムとは別個に設けることが好ましい。
以上のように構成された脱臭装置本体1においては、通風路3における空気流の方向に対して、脱臭エレメント62の下流側に冷却手段91及び第2の脱臭エレメント90を配置することで、脱臭エレメント62から空気中へと再放出された臭気物質を、当該空気中から再度除去することができる。特に、冷却手段91を設けることで、第2の脱臭エレメント90へと導入される空気が冷却され、第2の脱臭エレメント90における脱臭効率を向上させることができる。そして、このため、脱臭装置本体1から排出される空気中に含まれる臭気物質の量を大幅に低減し、脱臭装置本体1からの臭気物質の再放出を抑制することが可能である。
なお、特に、脱臭運転の稼動時には脱臭エレメント62に残存した臭気物質が再放出されることが多い。そこで、脱臭装置本体1の脱臭運転開始時に冷却手段91を動作させて冷却手段91を通過する空気を冷却することで、使用者は、脱臭装置本体1の運転稼動時での脱臭効果を、短時間のうちに実感することができる。また、脱臭エレメント62の再生動作中において、脱臭エレメント62に添着された触媒が作用する温度に達するまでの間に脱臭エレメント62から脱離した臭気物質が空気吹出口42から放出するのを抑制することも可能である。したがって、再生動作の直後に、脱臭装置本体1を使用した者も不快感なく装置を使用することができる。
また、脱臭エレメント62の再生動作においては、脱臭エレメント62の触媒を加熱することで脱臭エレメント62に吸着した臭気物質の酸化分解を促進する。この際、脱臭エレメント62における温度ムラ及び/又は処理時間の不足等により酸化分解反応が不完全な状態の場合、吸着除去した臭気物質が、より臭気閾値が低い物質に変化することがある。
例えば、吸着除去した臭気物質がエタノールの場合、完全酸化分解生成物である二酸化炭素を得るまでに、アセトアルデヒドや酢酸が中間生成物として発生する。特に酢酸は臭気閾値が0.006ppmと低く、脱臭装置本体1から放出された際に酸っぱい臭として使用者により認知されやすい臭気物質の1つである。
そこで、脱臭エレメント62の再生動作時において、冷却手段91を動作させて冷却手段91を通過する空気を冷却することで、脱臭エレメント62の再生動作において酢酸のように臭気閾値が低い中間生成物が生じる場合、冷却手段91を設けることで第2の脱臭エレメント90の脱臭効率を向上させることにより、当該中間生成物を第2の脱臭エレメント90で効果的に捕捉し、当該中間生成物が脱臭装置本体1外へと排出されてしまうことを防止することができる。
なお、酢酸は水に易溶という性質を有することから、冷却手段91により第2の脱臭エレメント90へと導入される空気の相対湿度を上昇させるという作用は非常に効果的である。この結果、臭気閾値が低い酢酸が脱臭装置本体1から放出されることを抑制し、使用者がより強く脱臭効果を実感することができる。
また、特に臭気が高濃度で存在する高負荷な環境の場合には、触媒反応による完全酸化分解ができない可能性が高くなる。このように場合には、脱臭エレメント62の再生動作において分解生成物を監視する濃度検出器等の制御システムを併用していない限り中間生成物が再放出されるリスクが高いため、脱臭装置本体1の使用者はより高い効果を実感することができる。
また、冷却手段91としてペルチェ素子等の熱交換機能を有する電子素子を用いる場合、一つの部品で第2の脱臭エレメント90に通気される空気の冷却と、第2の脱臭エレメント90の加熱再生とが可能であるため、脱臭装置本体1を小型化することができる。
また、脱臭エレメント62と、この脱臭エレメント62を局部的に加熱する加熱ユニット63との相対位置関係を変更可能に構成することにより、加熱ユニット63を小型化することができる。そして、加熱ユニット63を小型化することにより、例えば、脱臭エレメント62の全域を確実に加熱処理できるように脱臭エレメント62の全域に対面するような大型のヒーターを配置する必要がなく、構造の簡略化やコスト低減が可能となる。
また、加熱ユニット63と脱臭エレメント62の相対位置関係を変更可能に構成することで、脱臭エレメント62の全域を加熱再生するにあたり、加熱ユニット63の対向する脱臭エレメント62の部位を順次変更すればよく、加熱ユニット63は脱臭エレメント62の全域を覆う必要がない。したがって、加熱ユニット63により覆われる脱臭エレメント62の部位を限定することができ、脱臭エレメント62を通過する空気流が加熱ユニット63により妨げられてしまうことを最小限にとどめることができる。よって、脱臭エレメント62に対して、単位時間に多くの空気を流すことが可能であり、より多くの臭気物質を一度に空気中から取り除くことができる。
さらに、脱臭エレメント62と加熱ユニット63との相対位置関係を変更可能とすることで、脱臭エレメント62の各部位に対して、確実に加熱ユニット63を対向させて加熱することが可能である。このため、脱臭エレメント62の各部位間の加熱ムラを少なくでき、脱臭エレメント62の脱臭能力を効率よく回復することが可能である。
次に、空気吸込口11は脱臭装置本体1の前面に形成され、空気吹出口42の脱臭装置本体1の側面、天面又は背面のいずれかに形成されている。このように構成することで、臭気の発生源に対して、大きく開口する空気吸込口11を対向させやすいので、より速く臭気を吸込み、室内空気から臭気を除去することができる。また、空気吹出口42が本体の側面、天面又は背面のいずれかに形成することで、臭気の発生源に清浄された空気が流れにくく、臭気の拡散を防止することができる。
また、脱臭エレメント62は、本体ケース2に回動可能に支持され、加熱ユニット63は、脱臭エレメント62の表面に近接して本体ケース2に固定されている。このため、発熱する部位である加熱ユニット63が本体ケース2の内部の所定位置に固定され動くことがない。したがって、加熱ユニット63を発熱させるための電源を供給する配線の取り回しや高温の部位が本体ケース2の内部で位置を変えることによる本体ケース2内部の広範囲にわたる熱対策を考慮する必要がない。
また、脱臭エレメント62が回動することで、加熱ユニット63と対向する面を変えるので、1つの方向にだけ脱臭エレメント62を動かすだけで、ムラ無く脱臭エレメント62の全面を加熱ユニット63に対向させることができる。
また、脱臭エレメント62の形状を円板形状とすることで、脱臭エレメント62の回転軸方向から見た面積に対して、脱臭エレメント62が回転する回転領域を最小にすることができる。つまり、本体ケース2の内部の脱臭エレメント62の配置領域を小さくすることができる。
また、脱臭エレメント62は回転することで加熱ユニット63と対向する面を変えることから、脱臭エレメント62の形状が円板形状であれば、加熱ユニット63のヒーターユニットの脱臭エレメント62の径に沿った寸法を、脱臭エレメント62の回転半径と同等とすることで、脱臭エレメント62の多くの領域を加熱することが可能である。
さらに、脱臭エレメント62の形状を円板形状としてことで、上述した効果を実現しつつ、併せて、円形状は矩形の開口である本体ケース2の開口面積に対して、最も大きな領域を形成することが可能であって、脱臭を可能とする領域をより大きく形成することができる。したがって、より多くの空気が脱臭エレメント62を通って流れることができるので、脱臭力を維持しながら風量を大きくすることができる。
ここで、脱臭エレメント62の表面に、アンモニアの吸着及び酸化分解機能を有する触媒を塗布又は含浸させることで、ペット臭や病院、介護施設又は介護現場等における介護臭をすばやく脱臭するとともに、加熱により効率的に酸化分解することが可能な脱臭装置を構成することが可能となる。特に本実施の形態であれば、短時間の間に、より多くの空気から臭気を取り除くことができるので、病院又は介護施設等多くの人が利用する場所における臭いのトラブルを迅速に解決することが可能である。
次に、送風手段である送風ファン44は通風路3内に配置され、脱臭エレメント62は、通風路3内における送風ファン44の上流側に配置され、送風ファン44と脱臭エレメント62の間に、加熱ユニット63が配置される。このような構成により、脱臭エレメント62と送風ファン44のファン開口44dの周囲で生じる圧損(空気の流れの損失)を低減するために必要な空間内に加熱ユニット63を配置し、脱臭装置本体1内の空間を効率的に活用して、脱臭装置本体1の小型化を図ることができる。
次に、加熱ユニット63は、脱臭エレメント62に対向する側が開口し所定の内部空間を有するケースと、このケースの内部空間に位置しケースの開口を通じて熱を放射するヒーターユニットとを備えている。そして、ヒーターユニットは、所定時間通電された場合に、脱臭エレメント62の対向した部分を所定温度まで上昇させることができる加熱能力に設定してある。これにより、脱臭エレメント62に吸着した臭気を加熱ユニット63により適切に除去することが可能である。
また、加熱ユニット63のケースの形状を扇形とすることで、加熱ユニット63により覆われる脱臭エレメント62の面積を必要最小限とすることができる。なお、扇形の開角は、脱臭エレメント62を回転させる際の1回の回転角度を目安に構成されている。
また、加熱ユニット63は、脱臭エレメント62の回転中心より下側に位置するように本体に取り付けられている。このように、ヒーターユニット等を有するある程度重量がある加熱ユニットを低い位置に配置することで、脱臭装置本体1の重心を低くすることができる。よって、床面に安定して設置することができる脱臭装置本体1を構成することができる。
次に、脱臭装置本体1が備える制御部は、位置変更手段である駆動手段64を所定のタイミングで駆動して、脱臭エレメント62を回動させる制御プログラムを内蔵している。これにより、脱臭エレメント62を加熱する際に、制御部47により自動的に脱臭エレメント62の脱臭すべき部位を加熱ユニット63に対向させることができる。
また、この制御プログラムは、駆動手段64を所定のタイミングで駆動して脱臭エレメント62を所定の回転角度だけ回動した後停止させ、その停止状態で加熱ユニットを所定時間通電する処理ステップを有している。これにより、脱臭エレメント62の回転から加熱に至る一連の動作を制御部により自動的に行うことができる。
次に、通風路3には、脱臭エレメント62より上流側に塵埃ろ過フィルター(プレフィルター13及びHEPAフィルター12)が設置されている。そして、本体ケース2の前面に、通気性を有する枠体である前パネル10が着脱可能に取り付けられ、この枠体を本体ケース2から取り外した状態で、塵埃ろ過フィルター(プレフィルター13及びHEPAフィルター12)を本体ケース2前方に取り出すことが可能である。このため、本体ケース2の前側から塵埃ろ過フィルターを着脱することができるので、大きめな塵埃が付着しやすい塵埃ろ過フィルターのメンテナンス性を向上することができる。
次に、通風路3は、脱臭エレメント62の下流側で上方に屈曲しているとともに、この屈曲部に送風ファン44を配置し、この送風ファン44は、水平方向に延びる回転軸を中心に回転し、本体ケース2の正面側から導入した空気を上方へと送り出す多翼式ファン(シロッコファン)である。このため、本体ケース2の前面から後方へと直線的な空気の流れを作り出すとともに空気吹出口42に向けて効率よく風の向きを変えることができる。
この他に、脱臭部開口65aの位置は、本体ケース2の正面に対して上下方向中央に位置するように調整されている。また、本体ケース2の正面視における投影面積Sと、脱臭部開口65aの正面視における面積Tとが、
T≧0.6S
となる関係を満足するように構成されている。これは、本体ケース2の正面視の面積に対して、脱臭部開口65aが空気を最大限取り込める関係であり、より空気を多く取り込み脱臭エレメント62へ流すことが可能な脱臭装置本体1を構成することができる。
以上のように構成された脱臭装置は、吸込口及び吹出口が形成され、内部に吸込口から吹出口へと通じる通風路が形成された本体ケースと、本体ケース内に設けられ、通風路に吸込口から吹出口へと向かう空気の流れを発生させる送風手段である送風ファンと、通風路に設けられ、通過する空気中から臭気物質を取り除く第1の脱臭手段である脱臭エレメントと、通風路における第1の脱臭手段の下流側に設けられ、通過する空気中から臭気物質を取り除く第2の脱臭手段である第2の脱臭エレメントと、通風路における第1の脱臭手段の下流側かつ第2の脱臭手段の上流側に設けられ、通過する空気を冷却する冷却手段と、を備えている。
このため、第1の脱臭手段により一度は捕捉されたものの第1の脱臭手段から再放出されてしまった臭気物質、及び/又は、第1の脱臭手段では除去しきれなかった臭気物質を、第2の脱臭手段で効率的に捕捉することができるため、脱臭装置本体から臭気物質が放出されてしまうことを防止することが可能である。
実施の形態2.
図5及び図6は、この発明の実施の形態2に係るもので、図5は脱臭装置本体の縦断面図、図6は脱臭装置本体が備える冷却手段の構成を説明する斜視図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成において、冷却手段を脱臭装置本体に対して着脱可能にしたものである。
すなわち、図5に示すように、この実施の形態2においては、冷却手段91は、熱交換部材装着ユニット91a及び冷却風路91bを備えている。冷却風路91bは、通風路3上における第2の脱臭エレメント90の上流側であって、かつ、脱臭エレメント62の下流側の所定の位置に配置される。熱交換部材装着ユニット91aは、冷却風路91bが設けられた位置において、本体ケース2の後面側から着脱可能に取り付けられている。
図6に冷却手段91の詳細な構成を示す。
熱交換部材装着ユニット91aは、その内部に熱交換部材である保冷剤92を装着することが可能である。熱交換部材装着ユニット91aの冷却風路91b側の面は、熱伝導率の高い材料で構成されている。また、冷却風路91bも、同様の熱伝導率の高い材料で構成されている。この熱交換部材装着ユニット91aの冷却風路91b側の面及び冷却風路91bを構成する熱伝導率の高い材料としては、具体的に例えば、アルミニウム、銅又は銀といった金属を用いることが好ましい。
熱交換部材装着ユニット91aに装着される熱交換部材である保冷剤92としては、水と高吸水性樹脂を用いた一般的なものを使用することができる。冷凍させた保冷剤92を熱交換部材装着ユニット91aに装着すると、熱交換部材装着ユニット91aの冷却風路91b側の面及び冷却風路91bは熱伝導率の高い材料で構成されていることから、保冷剤92によって冷却風路91bが冷却される。
熱交換部材装着ユニット91aの冷却風路91b側の面及び冷却風路91bは、図6にも示すように、通風路3の内壁の一部を形成している。したがって、保冷剤92により冷却風路91bが冷却されることで、通風路3上における冷却風路91b内を通過する空気を冷却することができる。
こうして、通風路3を流れる空気は、第2の脱臭エレメント90へと導入される前に冷却手段91の冷却風路91bを通過して冷却される。そして、冷却されることで、第2の脱臭エレメント90へと流れ込む空気の温度は低下し、かつ、当該空気の相対湿度は上昇する。したがって、第2の脱臭エレメント90での脱臭効率を向上することができる。
なお、第2の脱臭エレメント90は、実施の形態1でも述べた通り、脱臭装置本体1の運転を継続するにつれて次第に臭気物質が蓄積してくる。そこで、前述した実施の形態1においては、冷却手段91の熱交換素子の放熱側でもって第2の脱臭エレメント90を加熱することにより、第2の脱臭エレメント90の再生を行っていた。
しかし、この実施の形態2における冷却手段91は、前述したように熱交換素子を備えておらず、第2の脱臭エレメント90を加熱することはできない。そこで、この実施の形態2において第2の脱臭エレメント90を加熱により再生する場合には、例えば第2の脱臭エレメント90を100℃以上に加熱することのできるヒーターを設ける。または、冷却風路91bにヒーターを接続して、再生動作時には冷却風路91bを通過する空気を加熱するようにしてもよい。これらの場合、第2の脱臭エレメント90には加熱触媒を添着することが好ましい。
あるいは、第2の脱臭エレメント90についても脱臭装置本体1から取り外すことができるようにしてもよい。第2の脱臭エレメント90を脱臭装置本体1に対して着脱自在にすることにより、臭気物質が蓄積した第2の脱臭エレメント90を取り外して交換することができるようになる。
あるいは、脱臭装置本体1から取り外した第2の脱臭エレメント90を、例えば太陽光に晒すこと等によって再生を行うようにすることもできる。第2の脱臭エレメント90に太陽光を照射して再生する場合、光励起型の触媒を第2の脱臭エレメント90に担持させることが、吸着物質の酸化分解反応を促進して単位時間あたりの再生効率を向上させる点において好ましい。また、光励起型触媒を添着しない場合には、第2の脱臭エレメント90の表面を黒色とすることで太陽熱を吸収しやすくして加熱再生を可能とすることもできる。
以上のように構成された脱臭装置本体1においては、第2の脱臭エレメント90に流入する空気の冷却動作を脱臭装置本体1の制御部により自動的に制御することはできない。このため、使用者が脱臭装置本体1の脱臭運転を開始する前に準備を行う必要がある。この準備としては、まず、熱交換部材装着ユニット91aに冷凍された保冷剤92を装着する。そして、保冷剤92が装着された熱交換部材装着ユニット91aを脱臭装置本体1に取り付ける。
こうして準備が完了すると、保冷剤92は溶解する際に吸熱反応を伴うことから、熱伝導率の高い材料を介して冷却風路91bが吸熱されることで、冷却風路91bが冷却される。脱臭装置本体1の脱臭運転が開始されると、脱臭エレメント62、送風ファン44を経て到達した空気が冷却風路91bで冷却され、かつ、当該空気の相対湿度が上昇する。そして、こうして冷却された空気が第2の脱臭エレメント90へと導入されることで、脱臭エレメント62から放出された臭気物質が第2の脱臭エレメント90において効率的に再捕捉される。
なお、以上に述べた冷却手段91による空気の冷却を可能とする準備(すなわち、ここでは、熱交換部材装着ユニット91aへの冷凍された保冷剤92の装着)については、特に、脱臭装置本体1の脱臭運転開始前及び脱臭エレメント62の再生動作前の少なくともいずれか一方において、実施することが好ましい。このようにすることで、脱臭装置本体1の脱臭運転開始時及び脱臭エレメント62の再生動作時の少なくともいずれか一方において、冷却手段91による空気の冷却を有効とすることができる。
脱臭装置本体1の脱臭運転開始時には、脱臭エレメント62から再放出され脱臭装置本体1内の通風路3に残留していた臭気物質が空気吹出口42から放出されやすくなる。また、脱臭エレメント62の再生動作時には、脱臭エレメント62の加熱による中間生成物として発生した臭気物質が空気吹出口42から放出されやすくなる。したがって、これらの場合に冷却手段91による空気の冷却を有効にして第2の脱臭エレメント90の脱臭効率を向上させることで、より効果的に空気吹出口42からの臭気物質の放出を抑制することが可能である。
第2の脱臭エレメント90の再生動作については、冷却風路91bにヒーターを接続する場合であれば、実施の形態1と同様に、一定時間脱臭運転が行われると脱臭装置本体1の制御部により自動的に再生動作に移行するように制御することができる。
一方、第2の脱臭エレメント90の加熱再生用のヒーターのスイッチを使用者が投入する場合、及び、第2の脱臭エレメント90を脱臭装置本体1から取り外して太陽光照射による再生又は第2の脱臭エレメント90の交換を行う場合には、制御部により自動的に再生動作に移行することはできなくなる。したがって、このような場合には、脱臭装置本体の脱臭運転継続時間が規定の時間を超えた場合に、使用者に第2の脱臭エレメント90の再生動作を行うように制御部より信号を発して報知するようにするとよい。
なお、他の構成及び動作については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
以上のように構成された脱臭装置本体1においては、冷却手段91に冷凍された保冷剤92を用いることで脱臭運転中に第2の脱臭エレメント90を通気する空気を冷却するためのエネルギー消費量を低減することができる。また、第2の脱臭エレメント90の再生にヒーターを用いず、太陽光又は太陽熱のエネルギーを利用することによっても、エネルギー消費量を低減することができる。
また、第2の脱臭エレメント90を着脱自在とすることで、使用環境に適したものを適宜、使用者が選択することができる可能性が広がる。具体例を挙げて説明すると、病院や介護施設において、ヒトの排泄物臭の除去、消毒用の薬品臭の除去、喫煙スペースのタバコ臭除去等、一つの施設の中でも臭気成分は多様である。そこで、脱臭エレメント62で多様な臭気成分の除去に対応しつつ、脱臭エレメント62では処理しきれない特異な臭気成分については、第2の脱臭エレメント90で除去するというように対応することもできる。
この際、冷却手段91を第2の脱臭エレメント90の上流側に配置することで、これらの特異臭を効率よく脱臭でき、使用者が脱臭装置本体1の脱臭運転開始から短時間で除去効果を実感することができる。また、脱臭エレメント62の再生動作中において、脱臭エレメント62に添着された触媒が作用する温度に達するまでの間に脱臭エレメント62から脱離した臭気物質が空気吹出口42から放出するのを抑制することも可能である。したがって、再生動作の直後に、脱臭装置本体1を使用した者も不快感なく装置を使用することができる。
また、冷却手段91を熱交換部材装着ユニット91a及び冷却風路91bから構成することで、通風路3の圧力損失の増大を抑制することができる。特に、冷却手段91は第2の脱臭エレメント90に比べて送風手段44の近傍に配置され、送風手段44に近いほど空気が乱流状態であることから圧力損失が増大する傾向がある。
そこで、送風手段44により近い冷却手段91において、冷却風路91bの形状を通風路3の内壁の一部を構成するようなものとすることで、圧力損失の増大によるエネルギー消費量の増大及び処理風量の減少を抑制することができる。そして、このため、エネルギー消費量を低減し、処理風量を保つことで短時間での脱臭効果を得ることが可能である。
1 脱臭装置本体、 2 本体ケース、 3 通風路、 10 前パネル、 11 空気吸込口、 12 HEPAフィルター、 13 プレフィルター、 20 前ケース、 21 フレーム、 22 前ケース前開口、 23 前ケース仕切板、 24 前ケース後開口、 25 下突出部、 26 操作部、 27 上突出部、 40 後ケース、 41 後ケース前開口、 42 空気吹出口、 42a 右端、 42b 左端、 43 後面部、 44 送風ファン、 44a 羽、 44b モーター、 44c 回転軸、 44d ファン開口、 45 後ケース仕切板、 46 ルーバー、 60 脱臭部、 61 枠体、 62 脱臭エレメント、 62a 脱臭エレメント開口部、 62b ギア部、 63 加熱ユニット、 64 駆動手段、 65 中仕切板、 65a 脱臭部開口、 65b 中央支持体、 65c 梁部、 65d 蓋体、 65e ガイド部、 65f 受部、 65g 枠、 90 第2の脱臭エレメント、 91 冷却手段、 91a 熱交換部材装着ユニット、 91b 冷却風路、 92 保冷剤。

Claims (5)

  1. 吸込口及び吹出口が形成され、内部に前記吸込口から前記吹出口へと通じる通風路が形成された本体ケースと、
    前記本体ケース内に設けられ、前記通風路に前記吸込口から前記吹出口へと向かう空気の流れを発生させる送風手段と、
    前記通風路に設けられ、通過する前記空気中から臭気物質を取り除く第1の脱臭手段と、
    前記通風路における前記第1の脱臭手段の下流側に設けられ、通過する前記空気中から臭気物質を取り除く第2の脱臭手段と、
    前記通風路における前記第1の脱臭手段の下流側かつ前記第2の脱臭手段の上流側に設けられ、通過する前記空気を冷却する冷却手段と、を備え
    前記第1の脱臭手段は、前記臭気物質を吸着する性質を有する、又は、加熱により前記臭気物質を酸化分解する性質を有する触媒を備え、
    前記第2の脱臭手段は、水を吸着する性質を有する材料から構成され、
    前記冷却手段は、熱交換素子を備えるとともに、前記熱交換素子の吸熱側で前記冷却手段を通過する前記空気を冷却し、前記熱交換素子の放熱側で前記第2の脱臭手段を加熱可能であることを特徴とする脱臭装置。
  2. 前記第2の脱臭手段は、前記本体ケースに対して着脱可能に設けられることを特徴とする請求項に記載の脱臭装置。
  3. 前記冷却手段は、脱臭装置の脱臭運転開始時に前記冷却手段を通過する前記空気を冷却することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脱臭装置。
  4. 前記第1の脱臭手段を加熱することで、前記第1の脱臭手段の脱臭能力を回復させるための加熱手段を備え、
    前記冷却手段は、前記加熱手段による前記第1の脱臭手段の加熱時に前記冷却手段を通過する前記空気を冷却することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の脱臭装置。
  5. 前記加熱手段は、前記第1の脱臭手段を局部的に加熱し、
    前記加熱手段と前記第1の脱臭手段の相対的位置関係を変更する位置変更手段と、
    前記送風手段、前記加熱手段及び前記位置変更手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項に記載の脱臭装置。
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