[0004]多くの医学的用途において、経腸用および非経口用の流体は、良好に調整された態様で患者に投与されなければならない。そのような場合、流体が重力下で患者へ送出される自立的な輸液構造は受け入れられない。代わりに、流体が輸液ポンプの使用によって投与される場合がある。輸液ポンプは、流体がリザーバから患者へ送出される量および速度を調整するために使用される。一般に、リザーバに接続される管は、輸液ポンプを通過して患者に挿入される。管は通常はポンプ装置の一部を形成し、それにより、ポンプが流体を圧送するために管に作用する。しかしながら、管を通じて流体を圧送するためにポンプ装置内に挿入されるべき管を有する別個のカセットを必要とするポンプ装置が使用される場合もある。そのようなカセットは、例えば輸液セットの効率および安全性を高めるために使用される更なる構成要素を備える場合がある。
[0005]医用ポンプ装置と共に使用するためのカセットが提供される。カセットを使用する方法も提供される。一般的な実施形態において、本開示は、可撓管と、筐体と、空気ラインセンサ装置、該空気ラインセンサ装置のための誤検出(false reading)構成要素、閉塞センサ装置、該閉塞センサ装置のための誤検出構成要素、ラッチセンサ装置、該ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素、フロー防止弁手段、筐体の上面に配置される突起、筐体の縁部の少なくとも1つの切り欠き、筐体の外部に配置される少なくとも1つのタブ部材、筐体の表面上の方向表示、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される少なくとも2つの構成要素とを含むカセットを提供する。
[0006]一実施形態において、カセットの筐体は、ポンプ装置の一部を受けるように構成されて配置される凹部領域を含む。また、筐体は、可撓管を保持するための第1および第2の端部を含んでもよい。
[0007]一実施形態では、カセットが非反射材料から形成される。一実施形態では、カセットに暗い顔料が加えられる。一実施形態では、周辺光がカセットに沿って伝わるのを防止するために、カセットに暗い顔料が加えられる。一実施形態では、カセットにカーボンブラック顔料が加えられる。一実施形態では、周辺光がカセットに沿って伝わるのを防止するために、カセットにカーボンブラック顔料が加えられる。
[0008]一実施形態では、カセットが空気ラインセンサ装置を含む。空気ラインセンサ装置は、可撓管の一部を受けるように構成されて配置されてもよい検出チャンバを含んでもよい。検出チャンバは赤外光が透過して通過できるようにするための窓を含むことができる。検出チャンバが複数の窓を有してもよい。一実施形態では、検出チャンバは、可撓管を保持するように構成されて配置される成形されたプラスチックチャンバから成る。一実施形態において、検出チャンバは透明なポリ塩化ビニル材料から形成される。また、検出チャンバは、赤外線透過面を含む部分を少なくとも有してもよく、または、赤外線遮断材料を含む部分を少なくとも有してもよい。検出チャンバは、カセットに取り付けられてもよく、2つの端部を有してもよく、各端部は可撓管に取り付けられるように構成される。
[0009]一実施形態において、カセットは、空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素を含む。空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料から形成されてもよい。空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、可撓管と、ポンプの内部に面するカセットの側との間に配置されてもよい。一実施形態では、空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0010]一実施形態では、カセットが閉塞センサ装置を含む。閉塞センサ装置は、不透明材料、赤外線反射材料、および、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料から形成される管と、管の一部に隣接して配置されるバイアスバンプとを含んでもよい。管が不透明な壁を有してもよい。あるいは、管の少なくとも一部が赤外線反射面を含んでもよい。
[0011]一実施形態において、管は、その内部の流体圧に応じて拡張または収縮するように構成され、また、窓を画定する管筐体内に収容されてもよい。管筐体をカセットと一体に形成することができる。管筐体は、不透明なポリ塩化ビニルから形成されてもよく、または、赤外線透過面を含む管筐体の部分を少なくとも有してもよい。一実施形態では、管筐体の少なくとも一部が赤外線吸収材料を含む。
[0012]一実施形態では、管がバイアスバンプを越えて拡張するのを防止するためにバイアスバンプが略硬質である。
[0013]一実施形態では、管が経腸栄養管セットの一部である。
[0014]一実施形態において、カセットは、閉塞センサ装置のための誤検出構成要素を含む。閉塞センサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料を含む。閉塞センサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、管と、ポンプの内部に面するカセットの側との間に配置されてもよい。一実施形態では、閉塞センサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0015]一実施形態では、カセットがラッチセンサ装置を含む。ラッチセンサ装置は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置の赤外線センサと連携するように構成されて配置される赤外線反射材料から成る部分を少なくとも有するカセットの筐体を含んでもよい。
[0016]一実施形態では、カセットがラッチセンサ装置のための誤検出構成要素を含む。ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料を含む。ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、カセットの筐体の赤外線反射材料とポンプの内部との間に配置される。一実施形態では、ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0017]一実施形態では、カセットがフロー防止弁手段を含む。
[0018]一実施形態において、フロー防止弁手段は、流体非送出位置で可撓管に対して付勢され可撓管を通じた流れを防止するフロー防止弁機構と、力付与部材の付勢に打ち勝つべくフロー防止弁機構と作用的に関連付けられ筐体がポンプと係合されるときに可撓管を通じた流体の流れを可能にする部材とを含む。筐体は輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられてもよく、その場合、係合中または係合後に、部材は、可撓管を通じた流体の流れを可能にする流体送出位置をとり、一方、カセットが輸液ポンプから取り外される前または取り外されるときに、部材は、可撓管を通じた流体の流れを防止する流体非送出位置をとる。
[0019]一実施形態において、フロー防止弁機構は、管、カセット、または筐体と関連付けられ、あるいは、カセットもしくは筐体にまたはその近傍に配置されるとともに、可動部材と力付与部材とを含む。部材は、流体非送出位置と流体送出位置との間で移動できるタブ部材であってもよく、その場合、筐体とポンプとの係合前には、タブ部材および可動部材が流体非送出位置にあり、一方、係合中または係合後には、タブ部材が力付与部材の付勢に打ち勝って可動部材を流体送出位置へ移動させる。
[0020]一実施形態において、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合する際に可動部材を流体送出位置へ移動させ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外されると、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。
[0021]一実施形態において、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合した後に可動部材を流体送出位置へ移動させ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外される前に、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。
[0022]一実施形態において、筐体は、略長方形形状を有しており、輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられ、また、管の長尺部は、当初は、カセットの端部間で直線状に且つ筐体の剛性湾曲壁の前方で保持され、それにより、管の長尺部は、ポンプのポンピング機構と係合されると、湾曲壁とポンピング機構との間にこれらと接触した状態で正確に配置される。
[0023]一実施形態において、力付与部材は圧縮ばねを含み、また、フロー防止弁機構の可動部材は、力付与部材と接触する相対的に大きい断面と、管と接触して管に対する力付与部材の力を集中させる相対的に狭い断面とを有する締付ヘッドを含む。
[0024]一実施形態において、筐体は、輸液ポンプとの係合中にカセットを位置合わせするための位置決め溝を含む。筐体は、管を通じた流体の流れを監視しまたは検出できるように管に隣接する少なくとも1つの窓を含む。
[0025]一実施形態では、筐体が成形プラスチックから形成され、管がエラストマー材料またはシリコン材から形成され、また、管が筐体の入口管支持部と出口管支持部との間で保持される。各管支持部は雄接合部と雌接合部とを含み、入口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が流体供給源へ延びる管を受けるように構成されて寸法付けられ、また、出口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が患者へ延びる管の長尺部を受けるように構成されて寸法付けられる。
[0026]一実施形態において、フロー防止弁手段がベースを含み、該ベースは、可撓管をベースと作用的に係合する状態に保持するための保持手段と、第1のクランプ面と、コネクタを支持するための支持手段とを含み、また、フロー防止弁手段は、可撓管と係合可能な第2のクランプ面を有するクランプ要素であって、可撓管を通じた流体の流れを可能にする開位置と可撓管がクランプ要素によって塞がれる閉位置との間で移動できるクランプ要素と、可撓管を患者のポートと接続するコネクタであって、ピンチクランプアセンブリから取り外すことができるコネクタと、ばねとを含む。コネクタは、クランプ要素を開位置に保持するべくクランプ要素と係合するように構成されていてもよく、また、クランプ要素は、コネクタがピンチクランプアセンブリから取り外されると直ぐにばねの力によって開位置から閉位置へ押し進められ、また、クランプ要素は、ピンチクランプアセンブリが経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けられてコネクタが取り外されるときに閉位置から開位置へ移動されるように構成されている。クランプ要素がベースに蝶着されてもよい。
[0027]一実施形態において、コネクタは、経腸スパイク、IVスパイク、経腸栄養アダプタ、IVルアーロックアダプタ、他の経腸またはIV構成要素、および、これらの組み合わせから成るグループから選択される。コネクタは、クランプ要素および/または支持手段にねじ結合されてもよい。
[0028]一実施形態において、ベースは、ピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに一体に取り付けることができるようにカセットとして形成される。ベース、クランプ要素、およびコネクタは熱可塑性物質などの再利用可能なプラスチック材料から形成されてもよく、また、ばねは金属から形成されてもよい。管はシリコンから形成されてもよい。
[0029]一実施形態において、ベースは、ばねを受け入れるための円筒形状の保持要素を含む。
[0030]一実施形態において、クランプ要素は、管閉塞部を伴う第1の脚部と、ばねと係合するための手段とコネクタと係合するための保持部とを有する第2の脚部と、ベース上の適切な座部と係合するように構成されているスイベルピンとを含む。保持部は、コネクタの先端を受け入れるように構成されているキャップとして構成されてもよい。
[0031]一実施形態では、第1および/または第2のクランプ面が、平らでなく、波形であり、またはフィンが付いている。
[0032]一実施形態では、ベースが第1および第2の内壁を含み、これらの内壁間にクランプ要素が配置される。
[0033]一実施形態において、フロー防止弁手段は、締め付け器を有する筐体と、筐体に取り付けられて締め付け器を貫通して配置される管と、管の内側に配置されるボールとを含む。締め付け器は、締め付け器に隣接する位置でボールが管を通って移動するのを防止するように構成されて配置されてもよい。管は、入口ポートに取り付けられる第1の端部と、出口ポートに取り付けられる第2の端部とを含んでもよい。入口ポートは、ボールが入口ポートに入らないように寸法付けられる。
[0034]一実施形態において、フロー防止弁手段は、ロック部材とばねとを伴うフロー制限器を有する筐体と、筐体に取り付けられてフロー制限器に隣接して配置される管とを含む。ロック部材は、ポンプ装置内に挿入されるときに回転するように構成されて配置されてもよい。
[0035]一実施形態において、筐体は、フロー制限器とは反対の管の側に管に隣接して配置されるストッパを更に含む。フロー制限器およびストッパは、フロー制限器が休止位置にあるときに管を閉塞してもよい。フロー制限器およびストッパは、フロー制限器が作動位置にあるときに流体が管を通じて流れることができるようにする。
[0036]一実施形態では、管の少なくとも一部が柔軟である。
[0037]一実施形態において、カセットは筐体の上面に突起を含む。突起は、略円筒形状であってもよく、また、筐体の長手方向の中間に配置されてもよい。突起は、筐体の上面の外側部分に配置されてもよい。突起は、カセットをポンプ装置内の所定位置にロックするためにポンプ装置のラッチ機構と協働するように構成されて配置される。
[0038]一実施形態では、カセットが筐体の少なくとも1つの縁部に切り欠きを含む。縁部はカセットの筐体の凹部領域に隣接する。切り欠きは、半円、「V」形状、楕円、正方形、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。一実施形態では、切り欠きが略「V」形状を成す。「V」形状は、縁部の切断部および傾斜部によって画定される。切り欠きは、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに可撓管を部分的に受けるように構成されて配置されてもよい。
[0039]一実施形態では、カセットがカセットの筐体の側壁に少なくとも1つのタブ部材を含む。カセットは、カセットの少なくとも2つの側に少なくとも1つのタブ部材を含んでもよい。タブ部材は、ポンプ装置の内壁の棚部と連携し、カセットをポンプ装置内への挿入中に案内するように構成されて配置されてもよい。タブ部材は、半円、正方形、長方形、楕円、三角形、翼形状、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。一実施形態では、タブ部材が略翼形状を成す。タブ部材は、カセットと一体に形成されてもよく、または、カセットの側面に取り付けられてもよい。
[0040]一実施形態では、カセットが少なくとも1つの方向表示を含む。方向表示はカセットの筐体の表面上に配置される。方向表示は、文字、書き込み表示、ロゴ、記号、数字、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される表示である。一実施形態では、カセットが少なくとも2つの方向表示を含む。方向表示はカセットの筐体の壁に付着されるステッカであってもよい。方向表示は、エッチング、レーザ加工、成形、形成、または、それらの組み合わせから成るグループから選択される技術を使用してカセットの筐体の壁に適用されてもよい。方向表示は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときのカセットの適切な方向を示す。
[0041]一実施形態では、患者への流体送出用の輸液ポンプと係合するためのカセットが提供される。カセットは、流体を方向付けて流通させる可撓管と、可撓管を保持するための第1および第2の端部を有し且つ流路を少なくとも部分的に画定する筐体とを含み、管を通じた流体流れのために流路に沿って管に張力が付与され、管は、管を通じて流体を移動させる輸液ポンプのポンピング機構と係合するように構成され、管の長尺部は、当初は、カセットの端部間に直線状に保持されるが、ポンプのポンピング機構と係合されると、正確に且つ繰り返し可能に張力が付与されて流路内に配置される。その場合、ポンピング機構は、可撓管を引き伸ばして管に繰り返し可能に張力を付与し、それにより、管を通じた正確な流体流れを可能にする。
[0042]一実施形態において、流路は、ポンピング機構と対向する凹部形状を形成する剛性湾曲壁によって少なくとも部分的に画定され、また、管は、湾曲壁と接触して、ポンピング機構と管とのそれぞれの係合時に湾曲壁とポンピング機構との間の流路に沿って配置される。
[0043]一実施形態において、カセットは、当初は管を通じた流れを防止するために流体非送出位置で管に対して付勢されるフロー防止弁機構と、筐体がポンプと係合されるときに管を通じた流体の流れを許容するために力付与部材の付勢に打ち勝つべくカセットおよびフロー防止弁機構と作用的に関連付けられる部材とを含む。筐体は輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられ、係合中または係合後、部材は、管を通じた流体の流れを可能にするために流体送出位置をとり、一方、カセットがポンプから取り外される前または取り外されるときには、部材は、管を通じた流体の流れを防止するために流体非送出位置をとる。
[0044]一実施形態において、フロー防止弁機構は、管、カセット、または筐体と関連付けられ、あるいは、カセットもしくは筐体にまたはその近傍に配置されてもよく、また、可動部材と力付与部材とを有する。この場合、流体非送出位置にある力付与部材は、可動部材を管に対して付勢して、管を通じた流れを防止し、また、可動部材は流体非送出位置と流体送出位置との間で移動でき、流体送出位置では、力付与部材の付勢が除去されて、管を通じた流体の流れが許容される。
[0045]一実施形態において、筐体は、輸液ポンプとの係合中にカセットを位置合わせするための位置決め溝を含み、この場合、筐体は、管を通じた流体の流れの監視または検出を可能にするために管に隣接する少なくとも1つの窓を含む。
[0046]一実施形態では、筐体が成形プラスチックから形成され、管がエラストマー材料またはシリコン材から形成され、また、管が筐体の入口管支持部と出口管支持部との間で保持される。この場合、各管支持部は雄接合部と雌接合部とを含み、入口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が流体供給源へ延びる管を受けるように構成されて寸法付けられ、また、出口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が患者へ延びる管の長尺部を受けるように構成されて寸法付けられる。
[0047]一実施形態では、個人へ医用流体を投与するためのシステムが提供される。システムは、先の実施形態のうちのいずれか1つに係るカセットと、ポンプと、医用流体源とを含む。医用流体源はカセットに流体的に結合されてもよい。
[0048]一実施形態では、医用流体の投与のためにカセットを使用する方法が提供される。方法は、先の実施形態のうちのいずれか1つに係るカセットを準備するステップと、カセットをポンプ装置内に挿入するステップと、カセットを通じて医用流体を圧送するステップとを含む。
[0049]一実施形態では、患者へ流体を供給する方法が提供される。該方法は、カセットを使用して患者へ流体を圧送することを含み、カセットは、可撓管と、筐体と、空気ラインセンサ装置、該空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素、閉塞センサ装置、該閉塞センサ装置のための誤検出構成要素、ラッチセンサ装置、該ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素、フロー防止弁手段、筐体の上面に配置される突起、筐体の縁部の少なくとも1つの切り欠き、筐体の外部に配置される少なくとも1つのタブ部材、筐体の表面上の方向表示、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される少なくとも2つの構成要素とを含む。
[0050]一実施形態において、カセットの筐体は、ポンプ装置の一部を受けるように構成されて配置される凹部領域を含む。筐体は、可撓管を保持するための第1および第2の端部を含んでもよい。
[0051]一実施形態では、カセットが空気ラインセンサ装置を含む。空気ラインセンサ装置は、可撓管の一部を受けるように構成されて配置されてもよい検出チャンバを含んでもよい。検出チャンバは赤外光が透過して通過できるようにするための窓を含むことができる。検出チャンバが複数の窓を有してもよい。一実施形態では、検出チャンバは、可撓管を保持するように構成されて配置される成形されたプラスチックチャンバから形成される。一実施形態において、検出チャンバは透明なポリ塩化ビニル材料から形成される。また、検出チャンバは、赤外線透過面を含む部分を少なくとも有してもよく、または、赤外線遮断材料を含む部分を少なくとも有してもよい。検出チャンバは、カセットに取り付けられてもよく、また、2つの端部を有してもよく、各端部は可撓管に取り付くように構成される。
[0052]一実施形態において、カセットは、空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素を含む。空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料から形成されてもよい。空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、可撓管と、ポンプの内部に面するカセットの側との間に配置されてもよい。一実施形態では、空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0053]一実施形態では、カセットが閉塞センサ装置を含む。閉塞センサ装置は、不透明材料、赤外線反射材料、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料から形成される管と、管の一部に隣接して配置されるバイアスバンプとを含んでもよい。管が不透明な壁を有してもよい。あるいは、管の少なくとも一部が赤外線反射面を含んでもよい。
[0054]一実施形態において、管は、その内部の流体圧に応じて拡張または収縮するように構成され、また、窓を画定する管筐体内に収容されてもよい。管筐体をカセットと一体に形成することができる。管筐体は、不透明なポリ塩化ビニルから形成されてもよく、または、赤外線透過面を含む管筐体の部分を少なくとも有してもよい。一実施形態では、管筐体の少なくとも一部が赤外線吸収材料を含む。
[0055]一実施形態では、管がバイアスバンプを越えて拡張するのを防止するためにバイアスバンプが略硬質である。
[0056]一実施形態では、管が経腸栄養管セットの一部である。
[0057]一実施形態において、カセットは、閉塞センサ装置のための誤検出構成要素を含む。閉塞センサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料を含む。閉塞センサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、管と、ポンプの内部に面するカセットの側との間に配置される。一実施形態では、閉塞センサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0058]一実施形態では、カセットがラッチセンサ装置を含む。ラッチセンサ装置は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置の赤外線センサと連携するように構成されて配置される赤外線反射材料から成る部分を少なくとも有するカセットの筐体を含んでもよい。
[0059]一実施形態では、カセットがラッチセンサ装置のための誤検出構成要素を含む。ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料を含む。ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、カセットの筐体の赤外線反射材料とポンプの内部との間に配置される。一実施形態では、ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0060]一実施形態では、カセットがフロー防止弁手段を含む。
[0061]一実施形態において、フロー防止弁手段は、流体非送出位置で可撓管に対して付勢され可撓管を通じた流れを防止するフロー防止弁機構と、力付与部材の付勢に打ち勝つべくフロー防止弁機構と作用的に関連付けられ筐体がポンプと係合されるときに可撓管を通じた流体の流れを可能にする部材とを含む。筐体は輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられてもよく、その場合、係合中または係合後に、部材は、可撓管を通じた流体の流れを可能にする流体送出位置をとり、一方、カセットが輸液ポンプから取り外される前または取り外されるときに、部材は、可撓管を通じた流体の流れを防止する流体非送出位置をとる。
[0062]一実施形態において、フロー防止弁機構は、管、カセット、または筐体と関連付けられ、あるいは、カセットもしくは筐体にまたはその近傍に配置されるとともに、可動部材と力付与部材とを含む。部材は、流体非送出位置と流体送出位置との間で移動できるタブ部材であってもよく、その場合、筐体とポンプとの係合前には、タブ部材および可動部材が流体非送出位置にあり、一方、係合中または係合後には、タブ部材が力付与部材の付勢に打ち勝って可動部材を流体送出位置へ移動させる。
[0063]一実施形態において、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合する際に可動部材を流体送出位置へ移動させ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外されると、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。
[0064]一実施形態において、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合した後に可動部材を流体送出位置へ移動させ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外される前に、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。
[0065]一実施形態において、筐体は、略長方形形状を有しており、輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられ、また、管の長尺部は、当初は、カセットの端部間で直線状に且つ筐体の剛性湾曲壁の前方で保持され、それにより、管の長尺部は、ポンプのポンピング機構と係合されると、湾曲壁とポンピング機構との間にこれらと接触した状態で正確に配置される。
[0066]一実施形態において、力付与部材は圧縮ばねを含み、また、フロー防止弁機構の可動部材は、力付与部材と接触する相対的に大きい断面と、管と接触して管に対する力付与部材の力を集中させる相対的に狭い断面とを有する締付ヘッドを含む。
[0067]一実施形態において、筐体は、輸液ポンプとの係合中にカセットを位置合わせするための位置決め溝を含み、また、筐体は、管を通じた流体の流れを監視しまたは検出できるように管に隣接する少なくとも1つの窓を含む。
[0068]一実施形態では、筐体が成形プラスチックから形成され、管がエラストマー材料またはシリコン材から形成され、また、管が筐体の入口管支持部と出口管支持部との間で保持される。この場合、各管支持部は雄接合部と雌接合部とを含み、入口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が流体供給源へ延びる管を受けるように構成されて寸法付けられ、また、出口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が患者へ延びる管の長尺部を受けるように構成されて寸法付けられる。
[0069]一実施形態において、フロー防止弁手段がベースを含み、該ベースは、可撓管をベースと作用的に係合する状態に保持するための保持手段と、第1のクランプ面と、コネクタを支持するための支持手段とを含み、また、フロー防止弁手段は、可撓管と係合可能な第2のクランプ面を有するクランプ要素であって、可撓管を通じた流体の流れを可能にする開位置と可撓管がクランプ要素によって塞がれる閉位置との間で移動できるクランプ要素と、可撓管を患者のポートと接続するコネクタであって、ピンチクランプアセンブリから取り外すことができるコネクタと、ばねとを含む。コネクタは、クランプ要素を開位置に保持するべくクランプ要素と係合するように構成されていてもよく、また、クランプ要素は、コネクタがピンチクランプアセンブリから取り外されると直ぐにばねの力によって開位置から閉位置へ押し進められ、また、クランプ要素は、ピンチクランプアセンブリが経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けられてコネクタが取り外されるときに閉位置から開位置へ移動されるように構成されている。クランプ要素がベースに蝶着されてもよい。
[0070]一実施形態において、コネクタは、経腸スパイク、IVスパイク、経腸栄養アダプタ、IVルアーロックアダプタ、他の経腸またはIV構成要素、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される。コネクタは、クランプ要素および/または支持手段にねじ結合されてもよい。
[0071]一実施形態において、ベースは、ピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに一体に取り付けることができるようにカセットとして形成される。ベース、クランプ要素、およびコネクタは熱可塑性物質などの再利用可能なプラスチック材料から形成されてもよく、また、ばねは金属から形成されてもよい。管はシリコンから形成されてもよい。
[0072]一実施形態において、ベースは、ばねを受け入れるための円筒形状の保持要素を含む。
[0073]一実施形態において、クランプ要素は、管閉塞部を伴う第1の脚部と、ばねと係合するための手段とコネクタと係合するための保持部とを有する第2の脚部と、ベース上の適切な座部と係合するように構成されているスイベルピンとを含む。保持部は、コネクタの先端を受け入れるように構成されているキャップとして構成されてもよい。
[0074]一実施形態では、第1および/または第2のクランプ面が、平らでなく、波形であり、またはフィンが付いている。
[0075]一実施形態では、ベースが第1および第2の内壁を含み、これらの内壁間にクランプ要素が配置される。
[0076]一実施形態において、フロー防止弁手段は、締め付け器を有する筐体と、筐体に取り付けられて締め付け器を貫通して配置される管と、管の内側に配置されるボールとを含む。締め付け器は、締め付け器に隣接する位置でボールが管を通って移動するのを防止するように構成されて配置されてもよい。管は、入口ポートに取り付けられる第1の端部と、出口ポートに取り付けられる第2の端部とを含んでもよい。入口ポートは、ボールが入口ポートに入らないように寸法付けられる。
[0077]一実施形態において、フロー防止弁手段は、ロック部材とばねとを伴うフロー制限器を有する筐体と、筐体に取り付けられてフロー制限器に隣接して配置される管とを含む。ロック部材は、ポンプ装置内に挿入されるときに回転するように構成されて配置されてもよい。
[0078]一実施形態において、筐体は、フロー制限器とは反対の管の側に管に隣接して配置されるストッパを更に含む。フロー制限器およびストッパは、フロー制限器が休止位置にあるときに管を閉塞してもよい。フロー制限器およびストッパは、フロー制限器が作動位置にあるときに流体が管を通じて流れることができるようにする。
[0079]一実施形態では、管の少なくとも一部が柔軟である。
[0080]一実施形態において、カセットは筐体の上面に突起を含む。突起は、略円筒形状であってもよく、また、筐体の長手方向の中間に配置されてもよい。突起は、筐体の上面の外側部分に配置されてもよい。突起は、カセットをポンプ装置内の所定位置にロックするためにポンプ装置のラッチ機構と協働するように構成されて配置される。
[0081]一実施形態では、カセットが筐体の少なくとも1つの縁部に切り欠きを含む。縁部はカセットの筐体の凹部領域に隣接する。切り欠きは、半円、「V」形状、楕円、正方形、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。一実施形態では、切り欠きが略「V」形状を成す。「V」形状は、縁部の切断部および傾斜部によって画定される。切り欠きは、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに可撓管を部分的に受けるように構成されて配置されてもよい。
[0082]一実施形態では、カセットがカセットの筐体の側壁に少なくとも1つのタブ部材を含む。カセットは、カセットの少なくとも2つの側に少なくとも1つのタブ部材を含んでもよい。タブ部材は、ポンプ装置の内壁の棚部と連携し、カセットをポンプ装置内への挿入中に案内するように構成されて配置されてもよい。タブ部材は、半円、正方形、長方形、楕円、三角形、翼形状、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。一実施形態では、タブ部材が略翼形状を成す。タブ部材は、カセットと一体に形成されてもよく、または、カセットの側面に取り付けられてもよい。
[0083]一実施形態では、カセットが少なくとも1つの方向表示を含む。方向表示はカセットの筐体の表面上に配置される。方向表示は、文字、書き込み表示、ロゴ、記号、数字、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される表示である。一実施形態では、カセットが少なくとも2つの方向表示を含む。方向表示はカセットの筐体の壁に付着されるステッカであってもよい。方向表示は、エッチング、レーザ加工、成形、形成、あるいは、それらの組み合わせから成るグループから選択される技術を使用してカセットの筐体の壁に適用されてもよい。方向表示は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときのカセットの適切な方向を示す。
[0084]一実施形態では、患者内へ流体を圧送するための輸液ポンプの安全な使用を高める方法が提供される。方法は、輸液ポンプと共に使用するように構成されるカセットを設けることを含み、カセットは、可撓管と、筐体と、空気ラインセンサ装置、該空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素、閉塞センサ装置、該閉塞センサ装置のための誤検出構成要素、ラッチセンサ装置、該ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素、フロー防止弁手段、筐体の上面に配置される突起、筐体の縁部の少なくとも1つの切り欠き、筐体の外部に配置される少なくとも1つのタブ部材、筐体の表面上の方向表示、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される少なくとも2つの構成要素とを含む。
[0085]一実施形態において、カセットの筐体は、ポンプ装置の一部を受けるように構成されて配置される凹部領域を含む。また、筐体は、可撓管を保持するための第1および第2の端部を含んでもよい。
[0086]一実施形態では、カセットが空気ラインセンサ装置を含む。空気ラインセンサ装置は、可撓管の一部を受けるように構成されて配置されてもよい検出チャンバを含んでもよい。検出チャンバは赤外光が透過して通過できるようにするための窓を含むことができる。検出チャンバが複数の窓を有してもよい。一実施形態では、検出チャンバは、可撓管を保持するように構成されて配置される成形されたプラスチックチャンバから形成される。一実施形態において、検出チャンバは透明なポリ塩化ビニル材料から形成される。また、検出チャンバは、赤外線透過面を含む部分を少なくとも有してもよく、または、赤外線遮断材料を含む部分を少なくとも有してもよい。検出チャンバは、カセットに取り付けられてもよく、2つの端部を有してもよく、各端部は可撓管に取り付けられるように構成される。
[0087]一実施形態において、カセットは、空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素を含む。空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料から形成されてもよい。空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、可撓管と、ポンプの内部に面するカセットの側との間に配置されてもよい。一実施形態では、空気ラインセンサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0088]一実施形態では、カセットが閉塞センサ装置を含む。閉塞センサ装置は、不透明材料、赤外線反射材料、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料から形成される管と、管の一部に隣接して配置されるバイアスバンプとを含んでもよい。管が不透明な壁を有してもよい。あるいは、管の少なくとも一部が赤外線反射面を含んでもよい。
[0089]一実施形態において、管は、その内部の流体圧に応じて拡張または収縮するように構成され、また、窓を画定する管筐体内に収容されてもよい。管筐体をカセットと一体に形成することができる。管筐体は、不透明なポリ塩化ビニルから形成されてもよく、または、赤外線透過面を含む管筐体の部分を少なくとも有してもよい。一実施形態では、管筐体の少なくとも一部が赤外線吸収材料を含む。
[0090]一実施形態では、管がバイアスバンプを越えて拡張するのを防止するためにバイアスバンプが略硬質である。
[0091]一実施形態では、管が経腸栄養管セットの一部である。
[0092]一実施形態において、カセットは、閉塞センサ装置のための誤検出構成要素を含む。閉塞センサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料を含む。閉塞センサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、管と、ポンプの内部に面するカセットの側との間に配置される。一実施形態では、閉塞センサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0093]一実施形態では、カセットがラッチセンサ装置を含む。ラッチセンサ装置は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置の赤外線センサと連携するように構成されて配置される赤外線反射材料から成る部分を少なくとも有するカセットの筐体を含んでもよい。
[0094]一実施形態では、カセットがラッチセンサ装置のための誤検出構成要素を含む。ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素は、白紙、金属面、赤外線反射プラスチック、赤外線反射ガラス、赤外線反射塗料、赤外線反射テープ、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される材料を含む。ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに、カセットの筐体の赤外線反射材料とポンプの内部との間に配置される。一実施形態では、ラッチセンサ装置のための誤検出構成要素が赤外線反射プラスチックの断片である。
[0095]一実施形態では、カセットがフロー防止弁手段を含む。
[0096]一実施形態において、フロー防止弁手段は、流体非送出位置で可撓管に対して付勢され可撓管を通じた流れを防止するフロー防止弁機構と、力付与部材の付勢に打ち勝つべくフロー防止弁機構と作用的に関連付けられ筐体がポンプと係合されるときに可撓管を通じた流体の流れを可能にする部材とを含む。筐体は輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられてもよく、その場合、係合中または係合後に、部材は、可撓管を通じた流体の流れを可能にする流体送出位置をとり、一方、カセットが輸液ポンプから取り外される前または取り外されるときに、部材は、可撓管を通じた流体の流れを防止する流体非送出位置をとる。
[0097]一実施形態において、フロー防止弁機構は、管、カセット、または筐体と関連付けられ、あるいは、カセットもしくは筐体にまたはその近傍に配置されるとともに、可動部材と力付与部材とを含む。部材は、流体非送出位置と流体送出位置との間で移動できるタブ部材であってもよく、その場合、筐体とポンプとの係合前には、タブ部材および可動部材が流体非送出位置にあり、一方、係合中または係合後には、タブ部材が力付与部材の付勢に打ち勝って可動部材を流体送出位置へ移動させる。
[0098]一実施形態において、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合する際に可動部材を流体送出位置へ移動させ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外されると、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。
[0099]一実施形態において、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合した後に可動部材を流体送出位置へ移動させ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外される前に、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。
[00100]一実施形態において、筐体は、略長方形形状を有しており、輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられ、また、管の長尺部は、当初は、カセットの端部間で直線状に且つ筐体の剛性湾曲壁の前方で保持され、それにより、管の長尺部は、ポンプのポンピング機構と係合されると、湾曲壁とポンピング機構との間にこれらと接触した状態で正確に配置される。
[00101]一実施形態において、力付与部材は圧縮ばねを含み、また、フロー防止弁機構の可動部材は、力付与部材と接触する相対的に大きい断面と、管と接触して管に対する力付与部材の力を集中させる相対的に狭い断面とを有する締付ヘッドを含む。
[00102]一実施形態において、筐体は、輸液ポンプとの係合中にカセットを位置合わせするための位置決め溝を含み、また、筐体は、管を通じた流体の流れを監視しまたは検出できるように管に隣接する少なくとも1つの窓を含む。
[00103]一実施形態では、筐体が成形プラスチックから形成され、管がエラストマー材料またはシリコン材から形成され、また、管が筐体の入口管支持部と出口管支持部との間で保持される。各管支持部は雄接合部と雌接合部とを含み、入口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が流体供給源へ延びる管を受けるように構成されて寸法付けられ、また、出口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が患者へ延びる管の長尺部を受けるように構成されて寸法付けられる。
[00104]一実施形態において、フロー防止弁手段がベースを含み、該ベースは、可撓管をベースと作用的に係合する状態に保持するための保持手段と、第1のクランプ面と、コネクタを支持するための支持手段とを含み、また、フロー防止弁手段は、可撓管と係合可能な第2のクランプ面を有するクランプ要素であって、可撓管を通じた流体の流れを可能にする開位置と可撓管がクランプ要素によって塞がれる閉位置との間で移動できるクランプ要素と、可撓管を患者のポートと接続するコネクタであって、ピンチクランプアセンブリから取り外すことができるコネクタと、ばねとを含む。コネクタは、クランプ要素を開位置に保持するべくクランプ要素と係合するように構成されていてもよく、また、クランプ要素は、コネクタがピンチクランプアセンブリから取り外されると直ぐにばねの力によって開位置から閉位置へ押し進められ、また、クランプ要素は、ピンチクランプアセンブリが経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けられてコネクタが取り外されるときに閉位置から開位置へ移動されるように構成されている。クランプ要素がベースに蝶着されてもよい。
[00105]一実施形態において、コネクタは、経腸スパイク、IVスパイク、経腸栄養アダプタ、IVルアーロックアダプタ、他の経腸またはIV構成要素、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される。コネクタは、クランプ要素および/または支持手段にねじ結合されてもよい。
[00106]一実施形態において、ベースは、ピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに一体に取り付けることができるようにカセットとして形成される。ベース、クランプ要素、およびコネクタは熱可塑性物質などの再利用可能なプラスチック材料から形成されてもよく、また、ばねは金属から形成されてもよい。管はシリコンから形成されてもよい。
[00107]一実施形態において、ベースは、ばねを受け入れるための円筒形状の保持要素を含む。
[00108]一実施形態において、クランプ要素は、管閉塞部を伴う第1の脚部と、ばねと係合するための手段とコネクタと係合するための保持部とを有する第2の脚部と、ベース上の適切な座部と係合するように構成されているスイベルピンとを含む。保持部は、コネクタの先端を受け入れるように構成されているキャップとして構成されてもよい。
[00109]一実施形態では、第1および/または第2のクランプ面が、平らでなく、波形であり、またはフィンが付いている。
[00110]一実施形態では、ベースが第1および第2の内壁を含み、これらの内壁間にクランプ要素が配置される。
[00111]一実施形態において、フロー防止弁手段は、締め付け器を有する筐体と、筐体に取り付けられて締め付け器を貫通して配置される管と、管の内側に配置されるボールとを含む。締め付け器は、締め付け器に隣接する位置でボールが管を通って移動するのを防止するように構成されて配置されてもよい。管は、入口ポートに取り付けられる第1の端部と、出口ポートに取り付けられる第2の端部とを含んでもよい。入口ポートは、ボールが入口ポートに入らないように寸法付けられる。
[00112]一実施形態において、フロー防止弁手段は、ロック部材とばねとを伴うフロー制限器を有する筐体と、筐体に取り付けられてフロー制限器に隣接して配置される管とを含む。ロック部材は、ポンプ装置内に挿入されるときに回転するように構成されて配置されてもよい。
[00113]一実施形態において、筐体は、フロー制限器とは反対の管の側に管に隣接して配置されるストッパを更に含む。フロー制限器およびストッパは、フロー制限器が休止位置にあるときに管を閉塞してもよい。フロー制限器およびストッパは、フロー制限器が作動位置にあるときに流体が管を通じて流れることができるようにする。
[00114]一実施形態では、管の少なくとも一部が柔軟である。
[00115]一実施形態において、カセットは筐体の上面に突起を含む。突起は、略円筒形状であってもよく、また、筐体の長手方向の中間に配置されてもよい。突起は、筐体の上面の外側部分に配置されてもよい。突起は、カセットをポンプ装置内の所定位置にロックするためにポンプ装置のラッチ機構と協働するように構成されて配置される。
[00116]一実施形態では、カセットが筐体の少なくとも1つの縁部に切り欠きを含む。縁部はカセットの筐体の凹部領域に隣接する。切り欠きは、半円、「V」形状、楕円、正方形、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。一実施形態では、切り欠きが略「V」形状を成す。「V」形状は、縁部の切断部および傾斜部によって画定される。切り欠きは、カセットがポンプ装置内に挿入されるときに可撓管を部分的に受けるように構成されて配置されてもよい。
[00117]一実施形態では、カセットがカセットの筐体の側壁に少なくとも1つのタブ部材を含む。カセットは、カセットの少なくとも2つの側に少なくとも1つのタブ部材を含んでもよい。タブ部材は、ポンプ装置の内壁の棚部と連携し、カセットをポンプ装置内への挿入中に案内するように構成されて配置されてもよい。タブ部材は、半円、正方形、長方形、楕円、三角形、翼形状、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。一実施形態では、タブ部材が略翼形状を成す。タブ部材は、カセットと一体に形成されてもよく、または、カセットの側面に取り付けられてもよい。
[00118]一実施形態では、カセットが少なくとも1つの方向表示を含む。方向表示はカセットの筐体の表面上に配置される。方向表示は、文字、書き込み表示、ロゴ、記号、数字、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される表示である。一実施形態では、カセットが少なくとも2つの方向表示を含む。方向表示はカセットの筐体の壁に付着されるステッカであってもよい。方向表示は、エッチング、レーザ加工、成形、形成、または、それらの組み合わせから成るグループから選択される技術を使用してカセットの筐体の壁に適用されてもよい。方向表示は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときのカセットの適切な方向を示す。
[00119]更なる他の実施形態では、カセットが設けられ、該カセットは、可撓管と、筐体と、フリーフロー防止弁機構とを含む。フリーフロー防止弁機構は、作動部を有するキャップと、管遮断部を有する弁アームとを含む。
[00120]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよく、または、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00121]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップの長手方向に対して略垂直な方向でキャップから延びる。キャップの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。キャップの作動部は、キャップから離れる作動部の端部に切り欠き部を有してもよい。作動部の切り欠き部は、弁アームの少なくとも一部と係合するように構成される。キャップの作動部はカセットの穴に挿入するように構成されてもよい。
[00122]一実施形態において、カセットは、カセットの作動部が穴に挿入されるときにキャップと当接するように構成されるストッパを更に含む。ストッパは、略円形、三角形、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。ストッパは、カセットの長手方向に対して略垂直な方向でカセットから延びる。
[00123]一実施形態において、キャップは略中空であり、可撓管の一部を受けるように構成される。
[00124]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00125]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成されてもよい。
[00126]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含んでもよい。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。
[00127]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成されてもよい。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00128]更に他の実施形態では、カセットが設けられ、該カセットは、可撓管と、筐体と、フリーフロー防止弁機構とを含む。フリーフロー防止弁機構は、作動部を有するキャップと、フック部を有するルアーと、管遮断部を有する弁アームとを含む。
[00129]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00130]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップの長手方向に対して略垂直な方向でキャップから延びる。キャップの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00131]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップから離れる作動部の端部に切り欠き部を含む。作動部の切り欠き部は、弁アームの少なくとも一部と係合するように構成される。
[00132]一実施形態において、キャップの作動部はカセットの先端の第1の穴に挿入されるように構成されてもよい。
[00133]一実施形態において、キャップは略中空であり、ルアーの端部を受けるように構成される。ルアーは、治療と共に使用するための患者ラインの対応するねじ部と係合するように構成されるねじ部を含む。また、ルアーは、ルアーを把持して回転させるためのフィン部も含む。ルアーのフック部は、カセットの先端の第2の穴に挿入するように構成される。一般に、ルアーは、治療のためのカセットの使用の前にキャップの中空部に挿入されるように構成される。
[00134]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00135]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成されてもよい。
[00136]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含んでもよい。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。
[00137]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成されてもよい。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00138]他の実施形態では、カセットが設けられ、該カセットは、可撓管と、筐体と、フリーフロー防止弁機構とを含む。フリーフロー防止弁機構は、作動部を有するルアーと、キャップと、管遮断部を有する弁アームとを含む。
[00139]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00140]一実施形態において、キャップは略中空であり、ルアーの端部を受けるように構成される。ルアーは、治療と共に使用するための患者ラインと係合するように構成されるテーパ形状を有してもよい。ルアーの作動部は、ルアーの長手方向に対して略平行な方向でルアーから延びる。ルアーの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。ルアーの作動部は、カセットの少なくとも1つのブラケットに挿入するように構成される。ルアーは、治療のためのカセットの使用の前にキャップの中空部に挿入されるように構成される。
[00141]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00142]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。コネクタ部は、弁アームの両側に2つの同軸の球状部を含んでもよい。
[00143]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含んでもよい。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有してもよい。
[00144]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴の両側に配置される第1および第2のペグを含む。
[00145]一実施形態において、弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00146]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00147]更なる他の実施形態では、流体を患者へ供給する方法が提供される。該方法は、キャップの作動部をカセットから取り外すステップと、可撓管の端部をキャップから外すステップと、可撓管の端部を患者ラインに接続するステップと、カセットを使用して流体を患者内へ圧送するステップとを含む。カセットは、可撓管と、筐体と、管遮断部を有する弁アームとを含む。
[00148]一実施形態において、方法は、キャップの作動部がカセットから取り外されるときに弁アームが付勢された管遮断位置へ戻ることができるようにするステップを含む。
[00149]一実施形態において、キャップの作動部は、弁アームの一部と係合するように構成されて配置される。
[00150]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。キャップの作動部は、キャップの長手方向と略垂直な方向でキャップから延びる。キャップの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00151]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップから離れる作動部の端部に切り欠き部を含む。作動部の切り欠き部は、弁アームの少なくとも一部と係合するように構成される。
[00152]一実施形態において、キャップの作動部はカセットの穴に挿入するように構成されてもよい。
[00153]一実施形態において、カセットは、カセットの作動部が穴に挿入されるときにキャップと当接するように構成されるストッパを更に含む。ストッパは、略円形、三角形、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。ストッパは、カセットの長手方向に対して略垂直な方向でカセットから延びる。
[00154]一実施形態において、キャップは略中空であり、患者管ラインの端部を受けるように構成される。
[00155]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00156]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00157]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含む。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を含む。
[00158]一実施形態において、弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00159]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00160]更なる他の実施形態では、流体を患者へ圧送するための輸液ポンプの安全な使用を高める方法が提供される。該方法は、輸液ポンプと共に使用するように構成されるカセットを準備するステップを含み、カセットは、可撓管と、筐体と、管遮断部を有する弁アームと、弁アームの一部と係合するように構成されて配置される作動部を有するキャップとを含む。
[00161]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00162]一実施形態において、キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00163]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップの長手方向に対して略垂直な方向でキャップから延びる。キャップの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00164]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップから離れる作動部の端部に切り欠き部を含む。作動部の切り欠き部は、弁アームの少なくとも一部と係合するように構成される。
[00165]一実施形態において、キャップの作動部はカセットの穴に挿入されるように構成される。
[00166]一実施形態において、カセットは、カセットの作動部が穴に挿入されるときにキャップと当接するように構成されるストッパを更に含む。ストッパは、略円形、三角形、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。ストッパは、カセットの長手方向に対して略垂直な方向でカセットから延びる。
[00167]一実施形態において、キャップは略中空であり、患者管ラインの端部を受けるように構成される。
[00168]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00169]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00170]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含む。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00171]請求項408−411のいずれか一項に記載の方法では、弁アームのコネクタ部がカセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00172]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00173]更なる他の実施形態では、流体を患者へ供給する方法が提供される。該方法は、キャップの作動部およびルアーのフック部をカセットから取り外すステップと、ルアーをキャップから外すステップと、ルアーを患者ラインに接続するステップと、カセットを使用して流体を患者内へ圧送するステップとを含む。カセットは、可撓管と、筐体と、管遮断部を有する弁アームとを含む。
[00174]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00175]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップの長手方向に対して略垂直な方向でキャップから延びる。キャップの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、および、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00176]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップから離れる作動部の端部に切り欠き部を含む。作動部の切り欠き部は、弁アームの少なくとも一部と係合するように構成される。
[00177]一実施形態において、キャップの作動部はカセットの先端の第1の穴に挿入するように構成される。
[00178]一実施形態において、キャップは略中空であり、ルアーの端部を受けるように構成される。ルアーは、治療と共に使用するための患者ラインの対応するねじ部と係合するように構成されるねじ部を含む。ルアーは、ルアーを把持して回転させるためのフィン部を含む。フック部は、カセットの先端の第2の穴に挿入されるように構成される。
[00179]一実施形態において、ルアーは、治療のためのカセットの使用の前にキャップの中空部に挿入されるように構成される。
[00180]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00181]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00182]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含む。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00183]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00184]他の実施形態では、流体を患者へ圧送するための輸液ポンプの安全な使用を高める方法が提供される。該方法は、輸液ポンプと共に使用するように構成されるカセットを準備するステップを含み、カセットは、可撓管と、筐体と、管遮断部を有する弁アームと、弁アームの一部と係合するように構成されて配置される作動部を有するキャップと、フック部を有するルアーとを含む。
[00185]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00186]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップの長手方向に対して略垂直な方向でキャップから延びる。キャップの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00187]一実施形態において、キャップの作動部は、キャップから離れる作動部の端部に切り欠き部を含む。作動部の切り欠き部は、弁アームの少なくとも一部と係合するように構成される。
[00188]一実施形態において、キャップの作動部は、カセットの先端の第1の穴に挿入するように構成される。
[00189]一実施形態において、キャップは略中空であり、ルアーの端部を受けるように構成される。ルアーは、治療と共に使用するための患者ラインの対応するねじ部と係合するように構成されるねじ部を含む。ルアーは、ルアーを把持して回転させるためのフィン部も含む。フック部は、カセットの先端の第2の穴に挿入するように構成される。
[00190]一実施形態において、ルアーは、治療のためのカセットの使用の前にキャップの中空部に挿入されるように構成される。
[00191]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びてもよい。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びてもよい。
[00192]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00193]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含む。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00194]一実施形態において、弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00195]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00196]更なる他の実施形態では、流体を患者へ供給する方法が提供される。該方法は、ルアーの作動部をカセットから取り外すステップと、ルアーをキャップから外すステップと、ルアーを患者ラインに接続するステップと、カセットを使用して流体を患者内へ圧送するステップとを含む。カセットは、可撓管と、筐体と、管遮断部を有する弁アームとを含む。
[00197]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端部に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00198]一実施形態において、キャップは略中空であり、ルアーの端部を受けるように構成される。
[00199]一実施形態において、ルアーは、治療と共に使用するための患者ラインと係合するように構成されるテーパ形状を有する。
[00200]一実施形態において、ルアーの作動部は、ルアーの長手方向に対して略平行な方向でルアーから延びる。ルアーの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。ルアーの作動部は、カセットに配置される少なくとも1つのブラケットに挿入されるように構成される。
[00201]一実施形態において、ルアーは、治療のためのカセットの使用の前にキャップの中空部に挿入されるように構成される。
[00202]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びる。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びる。
[00203]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00204]一実施形態において、コネクタ部は、弁アームの両側に2つの同軸の球状部を含む。
[00205]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含む。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を含む。
[00206]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴の両側に配置される第1および第2のペグを含む。
[00207]一実施形態において、弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00208]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00209]更なる他の実施形態では、流体を患者へ圧送するための輸液ポンプの安全な使用を高める方法が提供される。該方法は、輸液ポンプと共に使用するように構成されるカセットを準備するステップを含み、カセットは、可撓管と、筐体と、管遮断部を有する弁アームと、キャップと、弁アームの一部と係合するように構成されて配置される作動部を有するルアーとを含む。
[00210]一実施形態において、キャップは、略円筒状、長方形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。キャップは、カセットの外側の先端に配置されてもよい。また、キャップは、カセットの内側の底部に配置されてもよい。
[00211]一実施形態において、キャップは略中空であり、ルアーの端部を受けるように構成される。ルアーは、治療と共に使用するための患者ラインと係合するように構成されるテーパ形状を有する。ルアーの作動部は、ルアーの長手方向に対して略平行な方向でルアーから延びる。
[00212]一実施形態において、ルアーの作動部は、略円筒状、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。ルアーの作動部は、カセットに配置された少なくとも1つのブラケットに挿入するように構成される。
[00213]一実施形態において、ルアーは、治療のためのカセットの使用の前にキャップの中空部に挿入されるように構成される。
[00214]一実施形態では、弁アームが管保持部を含む。管保持部は弁アームの前端から延びる。管保持部は、弁アームの長手方向に対して略垂直な方向で延びる。
[00215]一実施形態において、弁アームは、カセットの接続要素と係合するように構成されて配置されるコネクタ部を含む。コネクタ部は、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を含む。
[00216]一実施形態において、コネクタ部は、弁アームの両側に2つの同軸の球状部を含む。
[00217]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴に存在して該穴の2つの対向する側面を接続するバーを含んでもよい。バーは、略円筒状、長方形、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される形状を有する。
[00218]一実施形態において、カセットの接続要素は、カセットの穴の両側に配置される第1および第2のペグを含む。
[00219]一実施形態において、弁アームのコネクタ部は、カセットの接続要素を中心に回転するように構成される。
[00220]一実施形態において、弁アームは、弁アームの上面に突起を含む。突起は、カセットがポンプ装置内に挿入されるときにポンプ装置のタブ部材と相互に作用するように構成される。タブ部材は、弁アームの遮断位置の付勢に打ち勝ち且つ弁アームをフリーフロー位置へ移動させるべく弁アームの突起と協働する。
[00221]改良されたカセットを提供することが本開示の利点である。
[00222]また、改良された流体送出システムを提供することが本開示の利点である。
[00223]改良されたカセットを使用する方法を提供することが本開示の更なる他の利点である。
[00224]管ライン内のエアーを検出できるカセットを提供することが本開示の更なる他の利点である。
[00225]管ライン内の閉塞を検出できるカセットを提供することが本開示の他の利点である。
[00226]管ラインのねじれまたは圧着を防止するカセットを提供することが本開示の利点である。
[00227]改良されたフロー制御装置を提供することが本開示の更なる他の利点である。
[00228]流体送出システムのための改良されたロック機構を提供することが本開示の更なる他の利点である。
[00229]カセットを流体送出システムに挿入するための改良された案内システムを提供することが本開示の他の利点である。
[00230]更なる特徴および利点は、本明細書中に記載されており、以下の詳細な説明および図面から明らかである。
[00303]本開示は、患者への流体送出用の輸液ポンプと該輸液ポンプに関連付けることができるカセットとを含む流体送出システムに関する。
[00304]一実施形態において、カセットは、可撓管を保持するための第1および第2の端部を有する筐体を含み、管を通じて流体を方向付けることができる。管は、該管を通じて流体を移動させる輸液ポンプのポンピング機構と係合するように構成される。筐体は剛性湾曲壁を有する部分を有し、輸液ポンプと関連付けられると管の長尺部が湾曲壁に隣接してポンピング機構と係合し、管を通じて流体を移動させる。カセットは、ポンプと係合されないときに管を通じたフリーフローを防止するためにフロー防止弁機構を含んでもよい。
[00305]一実施形態では、カセットが非反射材料から形成される。一実施形態では、カセットに暗い顔料が加えられる。一実施形態では、周辺光がカセットに沿って伝わるのを防止するために、カセットに暗い顔料が加えられる。一実施形態では、カセットにカーボンブラック顔料が加えられる。一実施形態では、周辺光がカセットに沿って伝わるのを防止するために、カセットにカーボンブラック顔料が加えられる。
[00306]カセットがフロー防止弁機構を含む一実施形態では、患者の安全を確保するために、フロー防止弁とポンピング機構との間の相互作用が重要である。例えば、カセットがポンピング機構と係合されないときには、フロー防止弁機構は、流体が管を通じて流れることができないようにする。あるいは、カセットがポンプ装置内に完全に挿入されると、ポンピング機構は、流体が管を通じて流れるのを防止するべく管を変形させる。一般に、患者への流体送出の前および後にフロー防止形態が常に維持されることが重要である。
[00307]ポンプ装置内へのカセットの挿入中およびポンプ装置からのカセットの取り外し中、フロー防止弁機構は、管を通じた流れが妨げられるようにするべく構成されなければならない。例えば、カセットがポンプ装置内に挿入されているときには、フロー防止弁機構が解放する前にポンピング機構が管と係合して管を通じた流れを遮断することが重要である。したがって、ポンプ装置内への挿入前に、フロー防止弁機構が閉じられて、管を通じた流体の流れが遮断される。カセットがポンプ装置内に完全に挿入されると、フロー防止弁機構およびポンピング機構の両方が同時に管を通じた流れを遮断してもよい。カセットがポンプ装置内に完全に挿入されると、フロー防止弁機構が離脱して、ポンピング機構が管を通じたフリーフローを遮断してもよい。
[00308]同様に、ポンプ装置からのカセットの取り外し中には、ポンピング機構が管から離脱する前にフロー防止弁機構が管と係合して管を通じた流れを遮断することが重要である。例えば、カセットがポンプ装置から取り外されているときには、ポンピング機構が解放する前にフロー防止弁機構が管と係合して管を通じた流れを遮断することが重要である。したがって、ポンプ装置からの取り外し前に、フロー防止弁機構が開放して、管を通じた流体の流れを可能にする。カセットが取り外されると、フロー防止弁機構が作動されてもよく、それにより、フロー防止弁機構およびポンピング機構の両方が同時に管を通じた流れを遮断してもよい。カセットがポンプ装置から取り外されて、ポンピング機構が管と接触しなくなると、フロー防止弁機構は依然として管を通じた流れを防止するように作動される。これらの一般的な原理は、フロー防止弁機構の使用を含む本開示に開示される実施形態のそれぞれに適用されてもよい。
[00309]カセットは、リザーバから患者への流体のフリーフローを制御する専用の輸液ポンプと関連付けることができ、また、カセット/ポンプ流体送出システムは、そのような流体の制御された送出を行なう。カセットは、更なる独立した機構の相互作用を伴うことなく輸液ポンプとの関連によって作用するとともに、ポンプからの取り外し前または取り外し時に直ちに流体の流れを制限する。輸液ポンプは、患者への流体の制御された流れを可能にするべくカセット機構と係合する。
[00310]一実施形態において、本開示は、IVバッグなどの流体リザーバと患者への静脈ラインとの間に接続されるカセットに関する。実施形態は、略長方形形状を成し且つ輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられる幅を伴う筐体を有し、この場合、筐体は4つの外壁と2つの面とを有する。
[00311]互いに対向して配置される第1および第3の外壁は、流体を方向付けて流通させる管を保持するための第1および第2の端部を画定する。第1および第2の端部を形成する外壁はそれぞれ開口を伴う平坦な壁を有し、開口は、該開口を通過する入口管支持部または出口管支持部のいずれかと嵌合するように構成されて寸法付けられる。他の実施形態では、管支持部が筐体一体をなす部分として形成される。したがって、管支持部は、カセットの筐体への組み立てを必要とする別個の構成要素ではなく、筐体の成形される特徴部である。
[00312]可撓管は、管支持部の雄接合部上に被嵌されて、カセットの端部間で直線状に保持される。管の位置は、露出されまたは被覆され得る筐体の部分を横断する。
[00313]第1の外壁と第3の外壁との間に位置し且つこれらの外壁に対して垂直な第2の外壁は、2つの直線壁部分と、2つの直線壁部分間に配置される剛性湾曲壁部分とを有し、それにより、管を通じて流体を移動させるために輸液ポンプと関連付けられるときに、剛性湾曲壁を伴う部分に隣接して、管の長尺部がポンピング機構と係合する。剛性湾曲壁は、輸液ポンプのポンピング機構が自由に回転できるように構成されて寸法付けられており、可撓管が通過できる両側に開口を有する。ポンプと関連付けられると、管の長尺部が湾曲壁とポンピング機構との間でこれらと接触して配置される。湾曲壁は、ポンピング機構の繰り返し作用に耐えるように適切に強固で硬質でなければならない。
[00314]筐体は、外壁と垂直関係を成す第1の面を有する。第1の面は、筐体の4つの壁の外側寸法に適合するように長方形状に構成して寸法付けることができ、あるいは、第3の外壁の湾曲壁部分と一致するように構成されて寸法付けられる切り欠き部を有する。第1の面は、輸液ポンプの対応する隆起部を受けるように構成されて寸法付けられる位置決め溝と、開口とを有し、該開口を貫通してタブ部材が突出し得る。
[00315]筐体は、第1の面と反対側に、外壁と垂直関係を成す第2の面を有し、この第2の面は、筐体の4つの壁の外側寸法に適合するように長方形状に構成して寸法付けることができ、または、第3の外壁の湾曲壁部分と一致するように構成されて寸法付けられる切り欠き部を有する。これにより、切り欠き部を有する第1および第2の面は管を露出させる開放領域を形成し、一方、長方形の面は管を覆って保護する。第2の面は、少なくとも1つの開口を有するが、好ましくは筐体の両端に配置される2つの開口を有する。これらの開口は、管の位置と位置合わせされ、流体の観察および任意の気泡または異物の存在の観察を可能にするための窓として作用する。これは、湾曲部分内の管が両方の面によって覆われ、それにより、管のその部分の観察が妨げられる場合に特に重要である。
[00316]一実施形態において、カセットは筐体と関連付けられるフロー防止弁機構を有し、フロー防止弁機構は可動部材と力付与部材とを含む。可動部材は、締付ヘッドと、筐体の第1の面の開口を貫通して可動部材および力付与部材の方向に対して垂直に延びるタブ部材とを含む。力付与部材は、カセットが輸液ポンプと関連付けられないときに可動部材を管に抗して付勢して流体の流れを防止する。可動部材を付勢するために使用される力付与部材は、圧縮ばね、リーフばね、または弾性部品であってもよい。可動部材は、力付与部材と接触する側に大きい面を有し、管と接触する側に狭い面を有する。狭い面は、力付与部材の力を集中させるように作用して、管に対する可動部材の閉鎖作用を高める。可動部材および締付ヘッドの全体の形態は幾つかの形状を有することができ、最も好ましい形状は「T形状」または「楔形状」である。また、可動部材は、管を押圧する端部と反対側に、力付与部材を所定位置に保持する座部を有することもできる。
[00317]タブ部材は、筐体およびフロー防止弁機構と作用的に関連付けられ、流体非送出位置と流体送出位置との間で移動できる。カセットがポンプと関連付けられると、タブが押し戻され、それにより、関連する可動部材が可撓管と接触しないように引き込まれ、そのため、力付与部材に蓄えられる力が増大する。カセットが輸液ポンプから引き離されると、力付与部材に蓄えられた力が解放されて可動部材および関連するタブ部材を付勢された流体非送出位置へ戻す。
[00318]また、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと関連付けられない長い期間にわたって開放した流体送出位置で固定されるように構成されており、それにより、管が永久的に圧縮されまたは変形されるのを防止する。そのような押圧、圧着、または変形は、管を通じた流体の流れに影響を及ぼして、カセットおよび輸液ポンプの両方が適切に作動しているときであっても不正確な量の流れをもたらす可能性がある。タブ部材は、タブ部材と筐体面の縁部との間の開口に嵌め込まれるプラグの使用により開放位置に保持させることができる。その後、プラグを引き出してカセットを作動させるとともにフロー防止弁機構を付勢された流体非送出位置へ戻すことができる。カセットと関連付けられるラッチ、キャッチ、およびフックは、保管のためにタブを開放流体送出位置に保持するべく使用することもでき、その後、カセットが使用されるべきときに取り除くことができる。
[00319]他の実施形態において、本開示は、流体リザーバと患者との間で管上でスライドされる再使用可能なカセットに関する。実施形態は、略長方形形状を成し且つ輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられる短尺部を伴う筐体を有し、この場合、筐体は4つの外壁と2つの面とを有する。
[00320]外壁のうちの2つは、流体を方向付けて流通させる管を保持するための第1および第2の端部を画定する。第1および第2の端部を形成する外壁はそれぞれ開口を伴う平坦な壁を有し、開口は、該開口を通過する入口管支持部または出口管支持部のいずれかと嵌合するように構成されて寸法付けられる。
[00321]入口管支持部および出口管支持部は開口を有するブシュであり、開口は、可撓管をブシュに押し通すことができるが所定位置にしっかりと保持させたままにするように適切に寸法付けられて構成される。ブシュは、カセットが輸液ポンプと関連付けられないときにカセットが管から滑り落ちるのを防止するとともに、カセットがポンプと関連付けられるときに管が滑るのを防止する。
[00322]輸液ポンプは、関連するカセットと関連付けられるように構成されて寸法付けられる。ポンプは、カセットを挿入できる開口、または、カセットを収容できる窪みまたは凹部を有する。
[00323]本開示の他の実施形態は、患者への流体送出用の輸液ポンプと係合するためのカセットに関する。カセットは、流体を方向付けて流通させる可撓管を保持するための第1および第2の端部を有する筐体を含み、管は、管を通じて流体を移動させる輸液ポンプのポンピング機構と係合するように構成され、また、カセットは、管、筐体、またはカセットと関連付けられ且つ筐体もしくはカセットにまたはその近傍に存在するフロー防止弁機構を含む。フロー防止弁機構は、流体非送出位置で管に対して付勢されて管を通じた流れを妨げ、また、筐体がポンプと係合されるときに管を通じた流体の流れを可能にするために力付与部材の付勢に打ち勝つべくカセットおよびフロー防止弁機構と作用的に関連付けられる部材を含む。フロー防止弁機構は、管、カセットもしくは筐体と関連付けられ、あるいは、カセットもしくは筐体にまたはその近傍に配置される。フロー防止弁機構は、好ましくは、可動部材および力付与部材を有してもよく、流体非送出位置にある力付与部材は、可動部材を管に対して付勢して、管を通じた流れを妨げる。また、カセットは、カセットの筐体およびフロー防止弁機構と作用的に関連付けられ且つ流体非送出位置と力付与部材の付勢が除去されて管を通じた流体の流れが許容される流体送出位置との間で移動できるタブ部材も含む。タブ部材は、力付与部材の付勢に打ち勝つためにカセットおよびフロー防止弁機構と作用的に関連付けられる。筐体は、専用の輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられ、係合中または係合後に、タブ部材がポンプにより流体送出位置へ移動され、それにより、管を通じた流体の流れが許容され、一方、カセットがポンプから取り外される前または取り外されるときに、タブ部材が解放され、それにより、力付与部材が流体非送出位置へ戻り、管を通じた流体の流れが防止される。
[00324]タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合する際に可動部材を流体送出位置へ移動させることができ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外されると、タブ部材が解放され、それにより、可動部材が流体非送出位置へ戻って管を通じた流体の流れが防止される。このように、流体非送出位置と流体送出位置との間のタブ部材の移動は力付与部材の付勢を変える。あるいは、タブ部材は、カセットが輸液ポンプと係合した後に可動部材を流体送出位置へ移動させることができ、それにより、管を通じた流体の流れを可能にし、また、カセットがポンプから取り外される前に、タブ部材が解放される。
[00325]カセットの筐体は、略長方形形状を有してもよく、輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられ、また、管の長尺部は、当初は、カセットの端部間で直線状に且つ筐体の剛性湾曲壁の前方で保持され、それにより、管の長尺部は、ポンプのポンピング機構と係合されると、湾曲壁とポンピング機構との間にこれらと接触した状態で正確に配置される。
[00326]フロー防止弁機構の力付与部材は圧縮ばねを含み、また、フロー防止弁機構の可動部材は、力付与部材と接触する相対的に大きい断面と、管と接触して管に対する力付与部材の力を集中させる相対的に狭い断面とを有する締付ヘッドを含む。また、筐体は、輸液ポンプとの係合中にカセットを位置合わせするための位置決め溝を含んでもよい。
[00327]カセットの筐体は、一般に、管を通じた流体流れの監視または検出を可能にするために管に隣接する少なくとも1つの窓を含む。一実施形態では、筐体が成形プラスチックから形成され、管がエラストマー材料またはシリコン材から形成され、また、管が筐体の入口管支持部と出口管支持部との間で保持される。各管支持部は雄接合部と雌接合部とを含むことができ、入口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が流体供給源へ延びる管を受けるように構成されて寸法付けられ、また、出口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が患者へ延びる管の長尺部を受けるように構成されて寸法付けられる。
[00328]本開示の他の実施形態は、本明細書中に記載されるカセットのうちの1つと輸液ポンプとを含む流体送出システムに関し、ポンプは、カセットを受けるまたはカセットと係合するように構成されて寸法付けられる開口を有するポンプ筐体と、部材と係合することにより部材を流体非送出位置と管を通じた流体流れを可能にするための流体送出位置との間で移動させる作動機構とを含み、また、カセットがポンプと係合され、カセットが係合されることをポンプが検出し、タブ部材が流体送出位置にあるときだけ管を通じて流体を移動させるべくポンピング機構が可撓管と係合する。
[00329]ポンプは、カセットがポンプおよびポンプ機構と適切に係合されるかどうかを決定するための検出器を有することができる。ポンピング機構は、一般に、管に十分な大きさの張力を付与するのに必要な十分な量だけ可撓管を引き伸ばし、それにより、ポンピング機構とカセットとが係合される度に管を通じた正確な流体流れを可能にする。また、作動機構により、タブ部材は、カセットがポンプと係合する際またはカセットがポンプと係合した後に、流体非送出位置と流体送出位置との間で移動する。したがって、ポンピング機構が固定された位置にあって、カセットをポンピング機構と接触する状態へ移動させることにより可撓管がポンピング機構と係合され、または、カセットが輸液ポンプと関連付けられるときに固定された位置にあって、ポンピング機構が可撓管と接触する状態へ移動することにより可撓管と係合する。一実施形態において、輸液ポンプは、カセットの位置決め溝と係合する少なくとも1つの位置決め構成要素と、管を通じた流体の流れを監視しまたは検出するためにカセットの窓と光学的に位置合わせされた少なくとも1つのセンサとを更に含む。
[00330]本開示の更なる他の実施形態は、輸液セットの管を通じた流体の流れを妨げる方法であって、患者への流体送出用の輸液ポンプと係合するカセットに管を設けるステップと、可動部材と力付与部材とを有するフロー防止弁機構を管またはカセットに設けるステップとを含み、ポンプと係合されないときには、可動部材および力付与部材が流体非送出位置に保持され、その位置では、力付与部材が可動部材を管に対して付勢して管を通じた流れを防止し、また、カセットがポンプと係合するときまたは係合した後には、力付与部材がポンプによって流体送出位置へ移動され、その位置では、流体が管を通じて流れることができるように可動部材が管に対して付勢されない、方法に関する。
[00331]また、本開示は、輸液セットの管を通じた流体のフリーフローを防止するための本明細書中に記載されるフロー防止弁機構または流体送出システムのうちの一方の使用に関する。フロー防止弁機構は、管または筐体を有するカセットに設けられあるいはこれらと関連付けられるとともに、輸液セットの管を通じた流体のフリーフローを防止するために使用できる。
[00332]本開示の他の実施形態は、輸液ポンプと、患者へ流体を正確に繰り返し可能に送出するために輸液ポンプのポンプ機構と係合するように構成される管を伴うカセットとを有する流体送出システムに関する。
[00333]カセットは、流体を方向付けて流通させる可撓管を保持するための第1および第2の端部を有する筐体を含んでもよく、管は、管を通じて流体を移動させる輸液ポンプのポンピング機構と係合するように構成される。管の長尺部は、当初は、ポンピング機構と係合する前にカセットの第1の端部と第2の端部との間で直線状に保持される。筐体の第1および第2の端部の位置は少なくとも部分的に流路を画定し、該流路内で流体を流すために流路に沿って管に張力が付与され、また、管の長尺部が流路内に正確に繰り返し可能に配置され、この場合、ポンピング機構が可撓管を引き伸ばして管に繰り返し可能に張力を付与することにより管を通じた正確な流体流れが可能になる。流路は、筐体の剛性湾曲壁の前方に有利に且つ少なくとも部分的に形成され、この場合、固定された剛性湾曲壁がポンピング機構と対向する凹形状を成す。ポンピング機構と管とのそれぞれの係合時に、この管の長尺部は、ポンプのポンピング機構と係合されると、湾曲壁とポンピング機構との間に配置されてこれらと接触する。ポンピング機構と管とのそれぞれの係合時に、ポンピング機構は、可撓管を正確に繰り返し可能に引き伸ばしてそれを湾曲壁と接触させることにより管に張力を付与して管を通じた正確な流体流れを可能にする。
[00334]管が所定の位置へ移動されてもよく、その場合、カセットとポンプとの係合が管をその初期位置と管が湾曲壁に接触する流体送出位置との間で移動させ、または、カセットとポンプとの係合後に管を流体送出位置へ付勢して湾曲壁と接触させるようにポンピング機構が移動する。
[00335]ポンピング機構またはカセットが可動部品となることができ、一方、他のものが固定位置にとどまる。ポンピング機構が固定位置にある場合には、カセットを移動させることにより可撓管がポンピング機構と係合されて接触され、一方、カセットが固定位置にある場合には、輸液ポンプと係合されると、ポンピング機構は、可撓管と接触するように移動することにより可撓管と係合する。
[00336]カセットは、当初は管を通じた流れを防止するために流体非送出位置で管に対して付勢されるフロー防止弁機構と、筐体がポンプと係合されるときに管を通じた流体の流れを許容するために力付与部材の付勢に打ち勝つべくカセットおよびフロー防止弁機構と作用的に関連付けられる部材とを含んでもよい。筐体は輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられ、係合中または係合後、部材は、管を通じた流体の流れを可能にする流体送出位置をとり、一方、カセットがポンプから取り外される前または取り外されるときには、部材は、管を通じた流体の流れを防止する流体非送出位置をとる。
[00337]フロー防止弁機構は、管、カセット、または筐体と関連付けられてもよく、あるいは、カセットもしくは筐体にまたはその近傍に配置されてもよく、また、可動部材と力付与部材とを有する。この場合、流体非送出位置にある力付与部材は、可動部材を管に対して付勢して、管を通じた流れを防止し、また、可動部材は流体非送出位置と流体送出位置との間で移動でき、流体送出位置では、力付与部材の付勢が除去されて、管を通じた流体の流れが許容される。
[00338]カセットの筐体は一般に輸液ポンプと係合するように構成されて寸法付けられ、筐体は、略長方形形状を有するとともに輸液ポンプの開口内に嵌合するように構成されて寸法付けられ、あるいは、輸液ポンプの外面に取り付けるまたは隣接させることができるように構成されて寸法付けられる形状およびサイズを有し、また、筐体は、輸液ポンプとの係合中にカセットを位置合わせするための位置決め溝を含む。また、筐体は、管を通じた流体の流れの監視または検出を可能にするために管に隣接する少なくとも1つの窓を含む。筐体は成形プラスチックから形成され、また、管はエラストマー材料またはシリコン材から形成される。
[00339]管は、筐体の入口管支持部と出口管支持部との間で保持されてもよく、その場合、各管支持部は雄接合部と雌接合部とを含むことができ、入口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が流体供給源へ延びる管を受けるように構成されて寸法付けられ、また、出口支持部では、雄接合部が管の内側に嵌合するように構成されて寸法付けられるとともに、雌接合部が患者へ延びる管の長尺部を受けるように構成されて寸法付けられる。
[00340]本開示の他の実施形態は、前述したカセットと輸液ポンプとを含む流体送出システムに関する。輸液ポンプは、カセットを受けるように構成されて寸法付けられる開口を有する筐体と、可撓管と係合してそれを所定位置へ引き伸ばすポンピング機構とを含み、この場合、管は、正確な量の流体を管を通じて繰り返し可能に流すことができるようにするのに十分な張力を与えるべく湾曲壁に沿って引き伸ばされる。輸液ポンプとカセットとの組み合わせは、本開示の更なる他の実施形態を表わす。
[00341]輸液ポンプは、対応するカセットと関連付けられるように適切に設計されて構成され、第1の実施形態では適切な寸法を有するカセットを挿入できる開口を有し、第2の実施形態では輸液ポンプの外面にカセットを取り付けて固定するための特徴部を有する。ポンプの開口は、カセットを縁部に沿って滑り込ませることができるスロットであってもよく、あるいは、カセットを嵌め込ませることができるポンプの面の窪みまたは凹部であってもよい。カセットを輸液ポンプの外面に取り付けるための特徴部としては、タブ、クリップ、ラッチ、キャッチ、ファスナ、または、これらの任意の組み合わせが挙げられる。カセットは、輸液ポンプの開口、窪み、または凹部に挿入することにより、あるいは、前述した特徴部を使用して輸液ポンプ外面に取り付けるまたは隣接させることにより輸液ポンプと係合できる。
[00342]輸液ポンプは一般にポンピング機構を含み、該ポンピング機構は、可撓管と係合するとともに、ポンピング機構が係合されるときに管を通じた正確な流体の流れを可能にするのに十分な大きさの張力を管に付与するために必要な量だけ管を流路に適合するように引き伸ばす。ポンピング機構は、カセットが輸液ポンプと関連付けられる度に可撓管を同じ程度まで引き伸ばす。
[00343]輸液ポンプは、カセットの位置決め溝と係合する少なくとも1つの位置決め構成要素と、管を通じた流体の流れを監視しまたは検出するためのカセットの窓と光学的に位置合わせされる少なくとも1つのセンサとを有してもよい。
[00344]本開示の他の実施形態は、輸液セットの管を通じて流体を正確に繰り返し分配する方法であって、患者への流体送出用の輸液ポンプと係合するカセットに管を設けるステップと、流体を方向付けて流通させる可撓管を保持するために第1および第2の端部を有する筐体をカセットに設けるステップとを含み、剛性湾曲壁によって流路が少なくとも部分的に画定され、筐体が管の長尺部を有し、管の長尺部が、輸液ポンプのポンピング機構と関連付けられるときにこれと係合し、それにより、管を通じて流体を移動させるために管が引き伸ばされてポンピング機構と湾曲壁との間に配置される、方法に関する。
[00345]この方法において、カセットは、輸液ポンプを介して流体を患者へ正確に送出するために使用され、カセットが湾曲壁を含み、それにより、管は、輸液ポンプのポンピング機構との係合時に、流体を患者へ正確に繰り返し可能に送出するためにポンピング機構と湾曲壁との間の流路に沿って少なくとも部分的に引き伸ばされて配置されることを特徴とする。カセットは、輸液ポンプを介して流体を患者へ正確に繰り返し可能に送出するために使用される。
[00346]本開示の更なる他の実施形態は、輸液セットの管を介して流体を患者へ正確に送出するための本明細書中に開示されるカセット、流体送出システム、および/またはポンプの使用に関する。本明細書中で説明されるように、カセットは、流路を少なくとも部分的に画定する構造、例えば湾曲壁を含み、それにより、管は、輸液ポンプのポンピング機構との係合時に、流体を患者へ正確に繰り返し可能に送出するためにポンピング機構と湾曲壁との間の流路に沿って引き伸ばされて配置される。
[00347]図1を参照すると、本開示に係るカセット10の様々な構成要素を見ることができる。カセット10は、筐体12と、可撓管14と、管支持部16、18とを含む。可撓管14は、第2の外壁26の第1の直線壁部分22と第2の直線壁部分24との間の剛性湾曲壁20によって形成される部分に跨っている。可撓管は、湾曲壁20の両側の開口28を通過して、入口管支持部16および出口管支持部18と合流する。タブ部材30が、輸液ポンプと関連付けられる作動機構と係合するためにフロー防止弁機構34の可動部材32から第1の面38の開口36を貫通して十分に延びている。位置決め溝40が第1の面38に配置されており、それにより、カセットの位置決め溝に嵌合するように構成されて寸法付けられる輸液ポンプの隆起した特徴部を受け入れるように構成されている。位置決め溝は、様々な長さ、断面サイズ、および、三角形、正方形、長方形、「T」、および、円を含むがこれらに限定されない形状を有することができる。
[00348]図2を参照すると、可撓管14は入口管支持部16と出口管支持部18との間に配置される。可撓管を通じて流れる流体流れは、可撓管14がポンプ機構によって剛性湾曲壁20に押し付けられるときに、筐体12の第2の面42の開口44を通じて観察できる。これは、流体が管14を通じて適切に流れているようにするために気泡検出装置または他の監視装置の使用も可能にする。
[00349]図3を参照すると、筐体12の第1の面38の開口36を貫通して延びるタブ部材30がデフォルト流体非送出位置にあり、この位置では、図4に示されるように、力付与部材46が可動部材32に押し付き、それにより、締付ヘッド48が可撓管14を補強体50に押し付け、その結果、流体流れが妨げられる。
[00350]図5を参照すると、筐体12の第1の面38の開口36を貫通して延びるタブ部材30を作動流体送出位置へ移動させることができ、この位置では、図6に示されるように、可撓管14から離れる可動部材32の待避により、力付与部材46の寸法が減少し、それに伴って蓄えられる力が増大し、それにより、可撓管に対する締付ヘッド48の力が解放され、その結果、流体が自由に流れることができる。この動作は、カセットがそれを受けるように構成されている対応する輸液ポンプ内に挿入されるときにはまたは挿入されるにつれて自動的に達成され、あるいは、ポンプが作動されるときだけタブを移動させて弁を開くためにポンプ筐体自体の機構によって達成される。ポンプは、動作のために駆動されるときに管を圧縮して管を通じた流体の流れを促す従来のローラまたはフィンガ部材を含む。前述したように、ポンプが作動されるときまでに、フロー防止弁機構が、流体の流れを許容するべく管が塞がれない位置へ移動される。カセットがポンプから引き離されると、または、ポンプの動作が停止されると、フロー防止弁機構が非流体送出位置へ戻って、管を通じた任意の流れが防止され、それにより、任意の意図しないフリーフロー状態が回避される。
[00351]図7を参照すると、両側に開口28を有して第2の外壁26の第1の直線壁部分22と第2の直線壁部分24との間に配置される剛性湾曲壁部分20に関連して、フロー防止弁機構34、可撓管14、入口管支持部16、および、出口管支持部18の筐体12内の内部配置をはっきりと見て取ることができる。力付与部材46は、第4の直線壁部分52と可動部材32との間に配置され、それにより、締付ヘッド48を可撓管14に対して押し付け、その結果、管は、第2の外壁26の第2の直線壁部分24に隣接する補強体50に押し付けられて閉じられる。
[00352]図示のように、フロー防止弁機構がカセットの入口側に配置されてもよい。しかしながら、当業者であれば分かるように、フロー防止弁機構を外側に配置することもできる。
[00353]筐体12は、輸液ポンプに嵌合するのに適した寸法および幅を有する長方形であってもよいが、筐体は、必要に応じてポンプ内に嵌合するための他の形状を有することもできる。筐体12は、破壊することなくまたは汚染を引き起こすことなく医療環境で用いるのに適した材料から形成され、使い捨てすることができ、あるいは、その後の再使用のために洗浄することができ、オートクレーブ滅菌することができ、または、消毒することができる。一般に、この目的のためにエンジニアリングプラスチックが使用される。筐体12は、力付与部材、可動部材、および、管支持部を閉じられた筐体内に容易に且つ確実に配置することができる。筐体12が2つ以上の成形品から形成されてもよく、それらの成形品は、その後に組み立てられて、他の構成要素を内側にして密閉される。筐体12は、永久的に密閉されてもよく、あるいは、後に内部構成要素に対して洗浄または交換のためにアクセスできるように、タブ、クリップ、ラッチ、キャッチ、ファスナ、または、それらの任意の組み合わせによって互いに保持されてもよい。
[00354]第4の外壁52は、輸液ポンプの外面にカセット10を挿入する際または輸液ポンプの外面に対してカセットを固定する際に容易に押圧され得る開口がない平坦面であってもよいが、当業者であれば分かるように、第4の外壁が他の輪郭、テクスチャ、開口、または、特徴を有することができる。
[00355]第2の外壁26は、輸液ポンプおよびポンピング機構と係合するように構成されて寸法付けられる直線部分および湾曲部分の両方を有する。剛性湾曲壁20は、輸液ポンプのホイールおよびローラを受け入れるように構成されて寸法付けられ、そのため、ポンプの作動時にはこれらの要素の自由な回転が存在し、また、ローラは、ポンプ作用をもたらすために可撓管14を適切に圧縮できる。カセットは、輸液ポンプのローラまたはフィンガが可撓管を繰り返し押圧してそれを湾曲壁に押し付けるときに湾曲壁がその形状を保持するのに十分に強力で硬質となるように形成される。開口28にある湾曲壁の縁部は、カセット10が輸液ポンプ内に挿入されて輸液ポンプのホイールおよびローラが可撓管を湾曲凹部に対して押し戻すときに可撓管を挟む可能性がある角部を避けるために傾斜していてもよい。
[00356]剛性湾曲壁部分の両側の開口28は、カセットが輸液ポンプ内に挿入されるときには可撓管14が湾曲の両縁部に押し付いて流れを完全に遮断することなく湾曲凹部の輪郭に追従できるように適切にサイズ設定され、構成され、および、寸法付けられるとともに、筐体が輸液ポンプ内に挿入されないときには可撓管が2つの管支持部間に真っ直ぐな状態で固定される際に可撓管と位置合わせされる。
[00357]カセットおよびポンプの形態および寸法と調和する可撓管の所定の位置および長さは、カセットがポンピング機構によって係合される度に常に同じ大きさの張力を可撓管にもたらす。このとき、ポンピング機構とカセットとの係合が可撓管に適切な張力をもたらし、それにより、ポンプが動作しているときに正確で狂いのない流体流れが可能になる。
[00358]一実施形態では、第1の外壁54が開口56を有し、この開口56は、該開口を通過する入口管支持部16を保持するように構成されて寸法付けられ、また、第3の外壁58が開口60を有し、この開口60は、該開口を通過する出口管支持部18を保持するように構成されて寸法付けられる。
[00359]他の実施形態において、管支持部は、筐体壁の単一の一体部分を形成するために、第1および第3の外壁の一部として成形される。
[00360]いずれかの実施形態において、管支持部16、18は、それらの間に固定される可撓管の分離した部品を入口側および出口側の異なる管と接続するアダプタの形態を成すことができ、または、可撓管の単一の部品が押し込まれるように適切に寸法付けられる内径を有するブシュであって、可撓管を2つのブシュ間にぴったりと保持して、カセットが輸液ポンプと関連付けられないときにカセットが管から滑り落ちないようにするブシュの形態を成すことができる。
[00361]管支持部は、流体の流れを観察できるようにするとともに任意の気泡または障害物を検出または監視できるようにする透明な材料から形成することができる。あるいは、後述するように、この目的のために窓が筐体に設けられてもよい。
[00362]筐体が成形品でない場合、管の異なる部品を接続するために使用されるアダプタは、第1の外壁開口56または第3の外壁開口60で筐体内の所定位置に保持されるようにサイズ設定され、構成され、および、寸法付けられる立方体形状の中心部分を有してもよく、この場合、中心部分から筐体内へ延びる1つの円形の雄接合部は、気密シールを形成するように可撓管を押し被せることができる外径を有し、中心部分から延びて筐体から抜け出る1つの円形の雌接合部は、気密シールを形成するように静脈ラインを押し込むことができる内径を有する。雄接合部は可撓管を良好に固定するために返しを有することができる。当業者であれば分かるように、本明細書中に記載される態様および位置で管を保持するために他の構造が使用されてもよい。
[00363]筐体が成形品でない場合、管の長尺部を保持するために使用されるブシュは、第1の外壁開口56または第3の外壁開口60で筐体内の所定位置に保持されるようにサイズ設定され、構成され、および、寸法付けられる立方体形状の中心部分を有することが好ましく、この場合、中心部分から筐体内へ延びる内部応力除去部と、中心部分から延びて筐体から抜け出る外部応力除去部とを伴う。1つ穴は、ブシュを通過する可撓管上に緊密に被嵌するように寸法付けられる直径を有する。ブシュは可撓管14をぴったりと保持し、そのため、カセットは、管から垂れ下がることができる場合に管から滑り落ちず、また、カセットが輸液ポンプ内に挿入されるときに管を引く輸液ポンプの作用に起因する可撓管での張力の変化を防止する。
[00364]可撓管14を任意のエラストマー材料から形成することができる。エラストマー材料は、例えばシリコンなどの透明で柔軟な医療グレード材料であってもよい。
[00365]フロー防止弁機構34は、締付ヘッド48とは反対の面で力付与部材46と作用的に関連付けられる可動部材32を有する。力付与部材と接触する可動部材の面は、力付与部材の力を締付ヘッドに伝えるのに十分な接触を力付与部材と可動部材との間で可能にするように適切に寸法付けられる。可動部材の面は、力付与部材に着座できる隆起したまたは陥凹状の特徴部を有することが好ましく、それにより、力付与部材が位置合わせ状態に維持され、2つの構成要素間の接触損失が防止される。
[00366]可動部材32は、力付与部材接触端に幅広い寸法を有し、締付ヘッド48端に幅狭い寸法を有することが好ましく、また、可動部材32の面から延びるタブ部材30は、力付与部材46および締付ヘッド48の軸線に対して垂直である。締付ヘッドは、「T」、「U」、「V」、または、楔形などの異なる形状を有することができる。そのような形状は、力付与部材の力を更に小さい面積に集中させて、デフォルト非送出位置にあるときに可撓管に対する閉塞作用を高める。管と接触する締付ヘッドの端部の形状は、平坦面、所定範囲の半径を有する湾曲面、または、鋭い角部のいずれかを有することができ、その場合、湾曲面が好ましい実施形態である。そのような湾曲面は、可動部材が非送出位置にあるときに圧接される管の部分に対する摩耗を減少させる。
[00367]締付ヘッド48は、可撓管14の一方側を押圧して該可撓管の反対側を補強体50に押し付け、それにより、管を閉じて、カセットが輸液ポンプ内に挿入されないときに任意の自由な流体流れを防止する。
[00368]タブ部材30は、筐体12の第1の面38よりも上側に延びるように十分に長いとともに、輸液ポンプの作動機構と係合し、それにより、カセット10が輸液ポンプと関連付けられるときに、可動部材32が引き込まれ、力付与部材46に蓄えられる力が増大する。可動部材32は、カセットが輸液ポンプと関連付けられるときに力付与部材の力に抵抗し且つカセットがポンプから引き離されるときに締付ヘッドと可撓管との間の接触に抵抗しつつタブと輸液ポンプの作動機構との繰り返しの係合に耐えるのに十分に強い耐衝撃性材料から形成される。
[00369]力付与部材46は第4の外壁52と可動部材32との間に配置され、それにより、力が締付ヘッド48を通じて伝えられ、可撓管14が圧縮される。力付与部材は、カセットが輸液ポンプと関連付けられるときに蓄えられる力を増大し、また、作動機構とタブ部材30との間の接触によりフロー防止弁機構34が引き込まれる。力付与部材は、医療環境で使用するのに適したステンレススチールまたは他の材料から形成される円形の圧縮ばねであってもよいが、リーフばね、レバー、または、弾性要素であってもよい。力付与部材は、タブが解放されるときに可撓管を完全に挟んで閉じるのに十分な強度を有するが、カセットが輸液ポンプと関連付けられるときには圧縮させることができる。力は、「T」、「U」、「V」、または、楔形などの異なる形状を有することができる締付ヘッドを通じて管に印加される。これらの形状は、締付ヘッドと可撓管との間により小さい接触表面をもたらし、それにより、力付与部材によって及ぼされる力を集中させる。
[00370]図8を参照すると、筐体12の第1の面38は、筐体の外壁の寸法と適合するように形状が長方形であるが、湾曲切り欠き部を有することができ、この湾曲切り欠き部は、第2の外壁26の直線壁部分22、24および湾曲壁部分20と適合するように構成されて寸法付けられ、それにより、第2の面の切り欠き部と共に開放領域を形成し、その結果、管14を露出させる(図1参照)。第1の面38は開口36を有し、この開口は、ピストン32のタブ部材30が開口を貫通して第1の面よりも上側に延びることができるように適切に配置される。第1の面38は、輸液ポンプの隆起した特徴部を受けるように構成されて寸法付けられる2つの位置決め溝40を有する。溝40は、カセットを一方向でのみ輸液ポンプ内に挿入できるようにカセット10を二極化させる。一実施形態では、溝の形状が直線である。
[00371]筐体12の第2の面42は、筐体の外壁の寸法と適合するように形状が長方形であってもよい(図8参照)が、湾曲切り欠き部を有してもよく、この湾曲切り欠き部は、第2の外壁26の直線壁部分22、24および湾曲壁部分20と適合するように構成されて寸法付けられ、それにより、第2の面の切り欠き部と共に開放領域を形成し、その結果、管14を露出させる(図1参照)。第2の面42は、湾曲切り欠き部の両側に配置されて入口管支持部16および出口管支持部18によって直線状態で支持されるときの可撓管の位置と合わせされる2つの開口44を有する。これらの開口は、流体流れおよび気泡または障害物の観察を可能にする。
[00372]面38、42または壁52のいずれかは、力付与部材をその適切な位置に保持するための特徴部を有することができる。
[00373]図9〜図12を参照すると、カセットおよび輸液ポンプはカセット/ポンプ流体送出システム62を含む。図9を参照すると、輸液ポンプ64は、カセット10の可撓管14と係合するポンプ機構68、カセットのタブ部材30と係合できる作動機構70、および、随意的に、カセットを筐体に取り付けるまたは隣接させるための特徴部(図示せず)を収容する筐体66を含む。
[00374]ポンプ筐体72は、カセットを受けてカセットと係合するように構成されて寸法付けられる。係合は、筐体の面のうちの一方にある開口74、凹部、または窪みであって、カセットを受け入れるように構成されて寸法付けられる開口74、凹部、または窪みにカセット10を挿入することによって、あるいは、筐体の外面上の位置にカセットを取り付けまたは隣接させることによって達成することができる。カセットは、タブ、クリップ、ラッチ、キャッチ、ファスナ、または、それらの任意の組み合わせなどの何らかの特徴部によって取り付けまたは隣接させて固定することができる。
[00375]ポンプ機構68は、中心ハブ78の周囲に配置されて自由に回転できる1つ以上のローラ76またはフィンガを有しており、可撓管と係合しているときにカセットの剛性湾曲壁20によって画定される領域内に嵌合するように構成されて寸法付けられる。ポンプ機構68は、ポンプ機構68のローラ76またはフィンガとカセットの剛性湾曲壁との間に管を通過させることにより管14を伸長させて管14に張力を加える。伸長および張力付与は、最初にカセットの両端間に直線状に保持される管の長手部がポンプ機構によって係合されるときに更に長い経路をとらされるためになされる(図11参照)。この係合は、剛性湾曲壁とポンプ機構との間の空間に管を適合させる(図12参照)。管14の所定長が湾曲壁20とポンピング機構のローラ76との間で接触して圧縮され、それにより、ポンプが管を通じて流体を送出できる。ポンピング機構は、それがカセットと係合される度に常に同じ大きさの張力を可撓管にもたらし、また、この張力により、ポンピング機構が作動されるときに正確で狂いのない量の流体が管を通じて流れることができる。位置決め、張力付与、および、流体の流量は、カセットとポンプとが係合される度に再現できる。ポンプ機構の作用は、可撓管を通じた正確で狂いのない量の制御された流体流れを引き起こすとともに、停止時には管を通じた流体の流れを制限する。
[00376]ポンピング機構は、カセットの存在を検出するセンサまたはトリガの使用により、カセットがポンプと係合されまたはポンプ内に挿入されるときに管と自動的に係合するように移動できる。引き込み位置から可撓管と係合する伸長位置へのポンピング機構の移動は、モータ、ピストン、または、同様の装置機構を使用して達成できる。ポンピング機構は、初期位置と湾曲壁20とポンピング機構のローラ76との間で管が圧縮される位置との間の直線経路または湾曲経路を辿ってもよい。ポンピング機構は管の平面内で移動し、それにより、ローラが管と適切な角度で接触して管を適切な量だけ引き伸ばし、その結果、管が湾曲壁とポンピング機構との間に接触状態で正確に配置される。
[00377]他の実施形態では、ポンピング機構が管の軸線と平行な軸線の周りで回転でき、それにより、ポンピング機構は、カセットの平面に対して垂直な位置から管の平面内の位置へ上方へ揺動する。
[00378]輸液ポンプ64は、フロー防止弁機構34のタブ部材30と係合してタブ部材30を流体非送出位置(図3参照)と管を通じた流体流れを可能にするための流体送出位置(図4参照)との間で移動させるための作動機構を有する。
[00379]作動機構は、カセットがポンプと係合するときにタブ部材30と接触してタブを流体送出位置へ移動させるとともにカセットが輸液ポンプ内へ挿入された後にタブを流体送出位置に保持する突起または壁80を含むことができる(図11〜図12参照)。
[00380]突起または壁80は、ポンプの筐体から延びるとともに、タブ部材の経路内へ延びるように適切に構成されて寸法付けられており、それにより、カセットがポンプ内に挿入されるときにタブが特定の距離を超えてポンプ筐体12の開口74内へ移動することが防止される(図11〜図12参照)。突起は、タブ部材の経路内に配置されるタブ部材とほぼ同じサイズの隆起した特徴部であってもよい。突起は、タブ部材の動きを妨げることができる任意の形状を有することができる。一実施形態では、タブ部材が楔形状を成し、その場合、平坦面がタブと接触し、楔が接触面から離れて後方に傾斜する。この構成は、摩耗や破壊を伴うことなくカセットの繰り返しの挿入に耐えることができる十分な強度および耐久性を伴う最大接触面をタブ30と作動機構70との間に与える。突起は、輸液ポンプ内へのカセットの実際の挿入を妨げないように適切に寸法付けられるべきである。壁はタブ部材の経路を垂直に横切って延びており、タブ部材の経路に対して垂直な壁の長手部は、少なくともタブ部材の幅よりも大きく、また、壁は、輸液ポンプ筐体の開口の全長を横切って延びることができる。
[00381]他の実施形態において、作動機構は、タブ部材を流体非送出位置と流体送出位置との間で移動させるように構成されて寸法付けられるアームまたは複合部品アセンブリであってもよい。作動機構は、カセットがポンプと係合されまたはポンプ内に挿入されるとき、カセットがポンプと係合されまたはポンプ内に挿入された後、あるいは、ポンピング機構がカセットの可撓管と係合するときまたは係合した後に、タブ部材を移動させることができる。作動機構は、タブ部材を移動させるときにカセットおよびポンピング機構の両方とは独立に移動できる。カセットを輸液ポンプと係合させ、ポンピング機構と係合させ、フロー防止弁機構を送出位置と非送出位置との間で移動させる手順、および、カセットを引き離す逆の手順は、流体送出システム用途の特定の要件を受け入れるために変更することができる。
[00382]作動機構の動作は、カセットとポンプまたはポンピング機構との係合、ポンピング機構の作動によって引き起こされてもよく、あるいは、別個のトリガ事象によって自動的に引き起こされてもよく、あるいは、何らかの選択された時間にユーザにより手動で引き起こされてもよい。ポンピング機構とカセットとの係合がタブ部材を流体送出位置へ押し進めるように作動機構を促す場合には、フロー防止弁機構34が流体送出位置へ移動される前にポンピング機構のローラ76が管14を挟んで閉じることができるようにタブ部材の移動が十分に遅らされてもよい。これは、可撓管の圧縮を他の位置での圧縮解放前に1つの位置で可能にし、それにより、管を通じた任意の一時的な漏れを防止する。
[00383]作動機構とタブ部材との係合は、センサ、スイッチ、またはトリガの使用により、カセットとの係合時またはポンプ内へのカセットの挿入時に自動的に開始することができる。作動機構とタブ部材との係合は、ポンプを始動させるあるいはセンサ、スイッチ、またはトリガを独立に作動させるユーザによって手動で開始されてもよい。タブ部材と係合するための作動機構の動作は、モータ、ピストン、または、同様の装置などの駆動機構を使用して達成することができる。駆動機構は、作動機構を直接に動かすことができ、または、ポンピング機構を直接に動かしてポンピング機構との関連付けによって作動機構を動かしてもよい。
[00384]ポンプからのカセットの除去は、作動機構を自動的に離脱させてタブ部材を解放することができ、それにより、力付与部材が付勢された流体非送出位置に戻り、管を通じた流体の流れが防止される。あるいは、フロー防止弁機構34を流体送出位置へ移動させる前にポンピング機構のローラ76による可撓管の圧縮を可能にするためにカセットが輸液ポンプ内に挿入された後に輸液ポンプの作動機構がタブ部材30と係合する場合には、ローラによる圧縮が解放されてカセットがポンプから除去される前に、作動機構がタブ部材を離脱して解放し、それにより、力付与部材46が可動部材32を流体非送出位置へ戻し、管を通じた流体の流れが防止される。これは、管を通じた任意の一時的な漏れを防止する。
[00385]カセットを輸液ポンプと関連付け、ポンピング機構と係合し、フロー防止弁機構を送出位置と非送出位置との間で移動させる手順、および、カセットを引き離す逆の手順は、流体送出システム用途の特定の要件を受け入れるために変更することができる。
[00386]輸液ポンプは、カセットの位置決め溝と係合する1つ以上の位置決め構成要素を有することもできる。位置決め構成要素は、カセットが誤った態様または方向でポンプと関連付けられないようにするためにカセット面の位置決め溝と嵌合するように構成されて寸法付けられるピン、隆起トラック、または、他の隆起した特徴部であってもよい。位置決め溝は、様々な長さ、断面サイズ、および、三角形、正方形、長方形、「T」、および円形を含むがこれらに限定されない形状を有することができる。
[00387]本開示の更なる他の実施形態によれば、栄養を患者へ送出するように構成されているまたは医療用溶液を患者へ注入するように構成されている経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプと管とを係合させるためのピンチクランプアセンブリが設けられる。ピンチクランプアセンブリはベースを含んでもよく、該ベースは、可撓管をベースと作用的に係合する状態に保持するための保持手段と、第1のクランプ面と、コネクタを支持するための支持手段とを含み、また、ピンチクランプアセンブリは、可撓管と係合可能な第2のクランプ面を有するクランプ要素であって、可撓管を通じた流体の流れを可能にする開位置と可撓管がクランプ要素によって塞がれる閉位置との間で移動できるクランプ要素と、可撓管を患者のポートと接続するコネクタであって、ピンチクランプアセンブリから取り外すことができるコネクタと、ばねとを含んでもよく、コネクタは、クランプ要素を開位置に保持するべくクランプ要素と係合するように構成されており、クランプ要素は、コネクタがピンチクランプアセンブリから取り外されると直ぐにばねの力によって開位置から閉位置へ押し進められ、また、クランプ要素は、ピンチクランプアセンブリが経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けられてコネクタが取り外されるときに閉位置から開位置へ移動されるように構成されている。
[00388]それにより、ピンチクランプアセンブリがその送出状態にあるときにフリーフロー状態が防止される。これは、患者のポートに接続されるように構成されているコネクタが依然としてピンチクランプアセンブリの一部だからである。コネクタが取り外されると直ぐに、ばねの力に起因してクランプ要素がその閉位置へ自動的に移動し、それにより、シリコン管のポンピング部分を通じた任意の流れが防止される。したがって、それぞれのコネクタの一端がポートに接続されて他端が溶液容器または調合容器に接続されると、フリーフロー状態が再び防止される。この状態では、すなわち、コネクタの取り外し後においては、ピンチクランプアセンブリが経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに挿入されてもよい。ポンプに挿入すると、クランプ要素は、ポンプとクランプ要素との相互作用により開放される。しかしながら、シリコン管のポンピング部分が経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプのポンピング機構(ロータユニット)の周囲に非常に緊密に巻き付けられ、それにより、シリコン管を通じた溶液の流れが防止されるため、フリーフロー状態は存在しない。そのため、本開示に係るピンチクランプアセンブリを含む輸液セットのフリーフロー状態が、常に、特に最初の使用の前に避けられる。
[00389]本開示に係るピンチクランプアセンブリは、5年間などの長時間にわたってその送出状態で保管されてもよい。これは、クランプ要素がその開位置にあり、シリコン管が圧縮されまたは挟圧されておらず、したがって、材料の劣化または固着が防止されるからである。また、フリーフロー防止機構がピンチクランプアセンブリの一体部分であり、それにより、任意の更なる構成要素が避けられる。
[00390]本開示のピンチクランプアセンブリは不正使用が防止されてもよい。これは、通常のユーザにとって、コネクタが依然としてアセンブリの内側にあるときにクランプ要素を自分の手で閉じることが不可能だからである。コネクタをその先端が残りの部分から分離される状態で切断した場合にのみフリーフロー状態をもたらすことができるが、これは、必然的に、ポートやルアーロック等の他の部品と嵌合しなければならない特別なアダプタが両端に含まれるコネクタの機能を破壊する。
[00391]クランプ要素がベースに蝶着されてもよい。これは、ロッキングチェアのような動きおよびメカニズムを可能にするとともに、ばねおよびクランプ要素の開/閉相互作用を確保する。スナップ取り付け構成はクランプ要素に対する十分な固定を行なう。
[00392]一実施形態において、コネクタは、経腸スパイク、IV(静脈内)スパイク、経腸栄養アダプタ、IVルアーロックアダプタ、または、他の経腸またはIV構成要素である。経腸栄養法または点滴の技術分野で知られる全ての想定し得るコネクタを使用できる。
[00393]コネクタは、クランプ要素および/または支持手段に対してねじ結合されてもよい。これにより、コネクタがクランプ要素に対して良好に固定され、コネクタがアセンブリから不用意に抜け落ちることが防止される。磁気手段やバヨネットジョイントなど、クランプ要素に対するコネクタの他の固定手段も想定し得る。
[00394]一実施形態において、ベースは、ピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに一体に取り付けることができるようにカセットとして形成される。カセットは、大型でなくコンパクトなフォーマットを含む平坦な構造をもたらす。
[00395]他の実施形態において、ベース、クランプ要素、およびコネクタは、熱可塑性物質などの再利用可能なプラスチック材料から形成され、ばねは金属から形成され、また、管のポンピング部分はシリコンまたはシリコン置換管から形成される。これは、ばねだけが異なる材料から成る場合のこの使い捨ての器具の簡単な再利用手続きを可能にする。
[00396]ベースは、ばねを受け入れるための円筒形状の保持要素を含んでもよい。これにより、コア機能部品のうちの1つであるばねがアセンブリ内のその場所に常に保持される。
[00397]一実施形態において、クランプ要素は、管閉塞部を伴う第1の脚部と、ばねと係合するための手段とコネクタと係合するための保持部とを有する第2の脚部と、ベース上の適切な座部と係合するように構成されているスイベルピンとを有する。管閉塞部は、ベースのクランプ面との最適な相互作用を確保し、ばねと係合するための手段は、ばねがその定められた機能的な場所に常に維持されるようにし、また、保持部は、コネクタとクランプ要素との係合を確保する。
[00398]他の実施形態において、保持部は、コネクタの先端を受け入れるように構成されているキャップまたはダストカバーとして構成される。これは、コネクタのための案内領域を拡大し、したがって、コネクタとクランプ要素との適切な係合を確保する。また、保持部は、塵埃がコネクタの開口に入り込むことを防止する。また、そのようなキャップおよびコネクタには更に大きいねじ領域が設けられてもよく、それにより、係合機能が高まる。
[00399]一実施形態では、クランプ面が、平らでなく、波形であり、またはフィンが付いている。シリコン管の特定の要件に応じて、クランプ面の異なる設定が使用されてもよい。
[00400]ベースは、クランプ要素が配置される第1および第2の内壁を含んでもよい。これは、管の方向に対して垂直なクランプ要素の良好な案内を確保するとともに、不正に使用してクランプ要素を取り出すための想定し得るアクセスポイントを回避する。
[00401]本開示の他の実施形態によれば、経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプが前述したピンチクランプアセンブリを含み、この場合、ポンプは、クランプ要素と係合してクランプ要素を閉位置から開位置へ解放するように構成されている解放手段を有する。
[00402]一実施形態において、ポンピング部分を通じた流れは、ピストンクランプアセンブリが取り付けられるときにのみ可能にされる。これにより、フリーフロー防止機構は、ピンチクランプアセンブリが輸液ポンプに完全に取り付けられるときにだけ使用不可能になる。
[00403]図13は、本開示に係るピンチクランプアセンブリの一実施形態の主要な構成要素の斜視図を描いており、アセンブリのベースを形成するカセット100を含んでいる。カセット100は、略長方形に且つ比較的平坦な構造に構成される。カセット100は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、またはアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などの熱可塑性材料から射出成形することにより形成されることが想定されるが、他の適した熱可塑性材料が使用されてもよい。カセット100は、シリコン管(この図では示されない)のポンピング部分を支持するために4つの保持手段102を両側に含む。シリコン管を受け入れるための保持手段102は、カセット100の中心へ向かっておよびカセットの長手方向縁部近傍に配置される。
[00404]ベースまたはカセット100は、保持手段102に隣接して第1のクランプ面104を更に含む。第1のクランプ面104は、平坦であり、カセット100の一般面に対して略平行である。その面積は、管の最適なクランプを行なうのに十分大きい。支持手段106が、カセット100の側壁に形成される略円形穴(recess)の形態を成して、また、支持部106を受け入れる側壁と略平行な内壁108に形成される更なる略円形穴の形態を成して、カセット100に設けられる。これらの略円形穴は、ほぼ同じ軸線を有するとともに、以下で更に詳しく説明されるコネクタを支持するために設けられる。
[00405]カセット100は、後述するようにばねを受け入れるように構成されている円筒形状の保持要素110を更に含む。平行な内側壁112、114が管の方向に対して略垂直に形成される。また、座部116がカセット100の基板上に形成される。本開示にとって不可欠ではない構成要素によって図を過度に複雑にしないように、この時点では管が省かれている。カセット100の底部はロータユニット凹部118を有する。本開示に係るピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けると、蠕動ロータユニットのピンが、ロータユニット凹部118によって解放された空間に嵌まり込む。保持手段102の爪状の接触領域は、シリコン管の強固な嵌合を行なうのに十分大きい。
[00406]図14、図15、図16は、図13のピンチクランプアセンブリの構成要素の正面図、平面図、および側面図である。この場合、同様の参照符号は同様の要素を示す。
[00407]図17、図18は、本開示のピンチクランプアセンブリの一実施形態に係るクランプ要素120の斜視図を示している。クランプ要素120は、ピンチクランプアセンブリの中心要素であり、管閉塞部124を伴う第1の脚部122と、ばね130(図示せず)と係合するための手段128を有する第2の脚部126と、コネクタ134と係合するための保持部132とによって形成される。第1の脚部122および第2の脚部126は互いに対して約10°〜20°の角度を成して向き合っており、それにより、脚部間にスイベルピン136が位置するロッキングチェアのような機構が形成される。スイベルピン136は、カセット100に形成される座部116に嵌まり込むように構成されている。また、クランプ要素120は内側壁112、114間で案内されて取り囲まれる。管閉塞部124は、カセット100の第1のクランプ面104と相互作用して係合するように構成されている第2のクランプ面138を有する。手段128は、ばね130との完全な嵌合を達成できるように形成される。安定性のため、第1の脚部122、第2の脚部126、手段128、および管閉塞部124の間にTバー状のリンクが設けられる。
[00408]図19、図20、図21、図22はそれぞれ、図17および図18に示されるクランプ要素の正面図、左側面図、平面図、右側面図であり、同様の参照符号が同様の要素を示す。
[00409]図17〜図22に示される実施形態では、保持部132がコネクタ134の先端を受け入れるためのリングとしてほぼ形成される。なお、本開示に係るピンチクランプアセンブリの一部としてのクランプ要素120の最適な動作を確保するために、第2の脚部126と保持部132との間の接続が非常に強固でなければならないことに留意すべきである。
[00410]図23、図24は、本開示のピンチクランプアセンブリの一実施形態に係るクランプ要素120の斜視図を示している。この実施形態では、クランプ要素120の揺動方向に対して略垂直に延びる長尺な円筒キャップまたはダストカバーとして保持部132が形成されるため、保持部132の形状が異なる。図17〜図18の実施形態の保持部132のリングをその中心軸線に沿って拡張すると、図23〜図24の実施形態の保持部132の形状がもたらされる。なお、円筒キャップ以外の形状が可能であることに留意すべきである。また、保持部132は、内側に平坦な面を含んでもよく、またはねじを含んでもよい。重要なのは、以下で詳しく説明するように、保持部132とコネクタ134との相互作用である。
[00411]図25、図26、図27、図28はそれぞれ、図23、図24に示されるクランプ要素の正面図、左側面図、右側面図であり、同様の参照符号が同様の要素を示す。
[00412]図29は、本開示に係る図17〜図18のピンチクランプアセンブリの実施形態のその構成要素の組み立て前の状態における分解斜視図を示している。管140は、シリコンまたは任意の他の適した材料から形成されるポンピング部分を含む。管140の両端には、シリコン管140を保持し且つピンチクランプアセンブリのカセット100の長手方向端部に設けられる保持手段102に嵌合するように構成されている2つの管取り付け要素142が設けられる。良好な嵌合を行なうため、管取り付け要素142は、カセット100の保持手段102に形成される穴と係合するように構成されているフランジを有する。図31は、本開示に係るピンチクランプアセンブリに嵌合する管140を示している。なお、通常は、輸液セット全体のうち管部のポンピング部分だけがシリコンから形成され、一方、管の残りの部分はPVC(ポリ塩化ビニル)により形成される。また、PVC管のような輸液セットの他の構成要素が添付図面に描かれていないことに留意すべきである。
[00413]本開示に係るピンチクランプアセンブリの他の構成要素は、金属または同様の特性を有する他の適した材料から形成されてもよいばね130である。図30から詳細に分かるように、クランプ要素120をカセットまたはベース100に取り付けることができる前に、ばね130が円筒状に形成された保持手段110内に挿入されなければならない。その後、図示の実施形態では経腸アダプタであるコネクタ134がクランプ要素120と共にアセンブリに取り付けられてもよい(図31参照)。クランプ要素120のスイベルピン136がばね130の力に抗してカセット100の座部116内に挿入されなければならない。それにより、管140は、ベース上において、第1および第2のクランプ面104、138間で圧縮される。図示の実施形態では、管閉塞部124のクランプ面および第2の脚部126が平坦である。しかしながら、シリコン管の特性に応じてクランプ要素120の圧搾機能を促進させるために、クランプ面が平らでなく、波形であり、またはフィン付きであることも想定し得る。
[00414]管は、ピンチクランプアセンブリの送出状態中に圧縮されてはならない。したがって、クランプ要素120は、クランプ面が離れてとどまるように、どうにかして傾けられなければならない。これは、ばね130の一端が円筒状に形成された保持要素110で圧縮され且つばねの他端が手段128で圧縮されるようにクランプ要素120を第2の脚部126で押し下げることにより達成されてもよい。このとき、第2の脚部126の最下位置では、すなわち、手段128が円筒状に形成された保持手段110と実質的に接触する場合、その間にカセット100の側壁および内壁108の支持部106を貫通して挿入されるコネクタ134(図32参照)は、それがクランプ要素120の保持部またはキャップ132内に挿入されるようにその先端がその軸線に沿って更に移動される。図23〜図24の保持部またはキャップ132はクランプ要素側が閉じられる円筒体として形成され、それにより、係合時に塵埃がコネクタ134内に入ることが防止される。この係合は、クランプ要素120の第2の脚部126の側を押し下げたまま維持するロック機構としての機能を果たし、このことは、第1および第2のクランプ面104、138が離間されて管140が解放されるように第1の脚部122が上方位置に保たれることを意味する。管140が開放してクランプ要素120がばね130の力に抗して押し下げられるこの位置は、開位置と呼ばれる。
[00415]図33、図34、図35は、異なる側から見た開位置の本開示に係るピンチクランプアセンブリの図23〜図24の実施形態を示している。コネクタ134は、それが軸方向に引っ張られなければアセンブリから抜け落ちることができないように保持部132と強固に係合されることに留意すべきである。図は、コネクタ134として、一端にテーパ嵌合を有する経腸アダプタを示している。なお、他のタイプのコネクタが使用されてもよく、また、コネクタ134の外方端が例えば溶剤結合によって管に直接に接続される。また、管に接続するためにルアータイプのロックが使用されてもよい。
[00416]コネクタ134と保持部132および/またはカセット100の側壁および内壁108の支持部106との間の係合は、対向する面にねじを設けることによって高められてもよい。これは、保持部132がキャップまたはダストカバーとして形成される図23〜図24の実施形態において有益な場合がある。
[00417]前述したように、コネクタ134がピンチクランプアセンブリに取り付けられる開位置は送出状態を表わす。ピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けるためには、コネクタ134をピンチクランプアセンブリから取り外さなければならず、コネクタ134を患者のポートに取り付けなければならず、また、コネクタ134を伴わないアセンブリをポンプの対応するスロットに挿入しなければならない。
[00418]コネクタ134がピンチクランプアセンブリから取り外されると直ぐに、クランプ要素が閉位置へ移行し、それにより、管140を通じた流れが遮断される。コネクタ134を取り外すことは、コネクタの先端を保持部132(キャップ/ダストカバーまたはリング)とのその係合から引き離すことを意味する。この離脱はばね130を解放し、これにより、ばねは、クランプ要素120の手段128を押圧して第2の脚部126を上方へ移動させる。これにより、クランプ面104、138がそれらの間にシリコン管140を挟んだ状態で互いに押し付けられるため、管140が即座に閉塞される。このように、クランプ要素120は、ばね130の状態に応じて管140を通じた流れを開閉する傾動スイッチとしての役目を果たす。閉位置は、本開示に係るピンチクランプアセンブリの図23〜図24の実施形態の異なる斜視図を示す図36および図37において見ることができる。
[00419]コネクタ134がピンチクランプアセンブリに強固に係合してピンチクランプアセンブリの一体部分である間は、アセンブリは送出状態にあって開位置を成すことができる。コネクタ134がアセンブリ内に緊密に保持されるため、フリーフロー状態を生み出すことができず、また、コネクタ134をピンチクランプアセンブリから取り外すと、直ちにクランプ要素120がその閉位置へ至る。したがって、ピンチクランプアセンブリをポンプ内に挿入する前は、シリコン管140を通じた流れが常に遮られる。
[00420]なお、図36および図37に示されるピンチクランプアセンブリは、そのままで経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けられるように構成されている。無論、取り付けを行なうことができる前に、コネクタ134を取り外さなければならない。コネクタ134が取り外された状態でピンチクランプアセンブリを経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに取り付けると、クランプ要素120は依然としてその閉位置にあり、それにより、シリコン管140のポンピング部分を通じた液体の流れが遮断される。したがって、フリーフロー状態が回避される。しかしながら、シリコン管140のポンピング部分の閉塞状態は、ピンチクランプアセンブリの他の構成要素を伴うカセット100が経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプに挿入されると直ぐに解放されなければならない。図36および図37から分かるように、第2の脚部126は、その上面がアセンブリの残りの部分の上面から突出する。したがって、ポンプは、ばね130の力に抗してクランプ要素120の第2の脚部126を押し下げ、それにより、クランプ面104、138を離間させて管140を通じた流れを開放する解放手段を含む。当業者は、クランプ要素120の第2の脚部126を押し下げるためのポンプの様々な構造を考えることができる。
[00421]一実施形態では、ロック・解放機構について説明してきた。磁気的な解決策または締結手段を伴う解決策など、他のロック・解放機構も可能であることに留意すべきである。しかしながら、全ての代わりの解決策は、コネクタ134が取り外されなければ手でまたは医療関係者に容易に利用できる工具を用いてクランプ要素120を容易に開放できないように不正使用が防止されるべきである。
[00422]本開示の主題によれば、患者に対して栄養を送出しまたは医療用溶液を注入するように構成されている経腸栄養ポンプまたは輸液ポンプと管とを係合させるためのピンチクランプアセンブリであって、比較的簡単な構造を有し、常に機能するフリーフロー防止機構を確保するとともに、シリコン管の長期保管を可能にするピンチクランプアセンブリが提供されてきた。
[00423]他の実施形態において、本開示は、流れ制御装置および流れ制御装置を使用する方法に関する。一般的な実施形態において、本開示は、締め付け器を有する筐体と、筐体に取り付けられて締め付け器を貫通して配置される管と、管の内側に配置されるボールとを含むカセットを提供する。この形態では、ボールと締め付け器との組み合わせがフリーフロー防止機構を形成する。ボールは、カセットが使用されないときに管を通じた流体流れを制限する。カセットは、栄養組成体をそれを必要とする人または患者へ投与する経腸投与装置またはシステムの一部となることができる。
[00424]フリーフロー防止機構を収容するカセットは、カセットの筐体に組み込まれる特徴部を介してフリーフロー防止機構および栄養管セットをポンプ装置内に組み込むための優れた方法をユーザに与えるとともに、人または患者に対して栄養組成体を首尾よく送出するための他の組み込み機能性を与える。フリーフロー防止機構は、例えば以下の場合において、すなわち、1)栄養管セットに栄養流体が導入される前および後に、2)ポンプ装置内に栄養管セットを取り付ける最中およびポンプ装置から栄養管セットを取り外す最中に、3)栄養管セットがポンプ装置から取り外された後に、経腸栄養管セット内の栄養組成体の漏れ/流れを防止する。
[00425]本明細書中で使用される用語「栄養組成体」は、完全な栄養組成体、部分的なまたは不完全な栄養組成体、および、病気または病状特有の栄養組成体を含むがこれらに限定されない。完全な栄養組成体(すなわち、全ての不可欠なマクロおよびミクロの栄養素を含む栄養組成体)を患者のための唯一の栄養源として使用できる。患者は、自分達の栄養所要量の100%をそのような完全栄養組成体から受けることができる。部分的なまたは不完全な栄養組成体は、全ての不可欠なマクロおよびミクロの栄養素を含まず、患者のための唯一の栄養源として使用することができない。部分的なまたは不完全な栄養組成体は栄養補給剤として使用することができる。
[00426]図38〜図39に示される実施形態において、本開示は、押し退け機構204を有するポンプ装置202を含む流れ制御システム200を提供する。流れ制御システム200は、ポンプ装置202に取り外し可能に取り付けられるカセット206を更に含む。カセット30の構造は、管を経路付ける/案内する必要なくまたは管を経腸栄養管セットからロータ(例えば、蠕動ポンプの一部)上で引き伸ばす必要なく経腸栄養管セット(図示せず)をポンプ装置202に組み付けるのに役立つことができる。
[00427]ポンプ装置202が経腸栄養ポンプであってもよい。ポンプ装置の非限定的な例が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,659,976号に記載されている。ポンプ装置202は、モニタ/情報スクリーン208と、ポンプ装置202を動作させるための制御パッド210とを含むことができる。
[00428]カセット206は、図38〜図39に示される形状などの任意の適した形状を有することができ、ポンプ装置202内に配置されるように構成されている。別のカセット形態の非限定的な例は、参照することにより本願に組み入れられる米国特許第D504,506号、D505,199号、D455,489号、D501,924号、およびD507,647号に記載されている。カセット206は、任意の適した硬質、半硬質、または柔軟な材料から形成することができる。カセット206は、それを一方向でのみポンプ装置202内に挿入できるように「キー付け/ポカヨケ」することもできる。
[00429]図38〜図39に示されるように、カセット206は、カセット206がポンプ装置202内に配置されるときにポンプ装置202の押し退け機構204と位置合わせするように構成されて配置される締め付け器214を有する筐体212を含む。可撓管216が筐体212に取り付けられるとともに締め付け器214を貫通して配置される。可撓管216はシリコンなどの任意の適した材料から形成できる。言うまでもなく、可撓管216の任意の適した部分を柔軟にすることができ、一方、残りの部分は硬質または半硬質である。
[00430]ボール218が可撓管216の内側に配置されまたは位置決めされる。締め付け器214は、ボール218が締め付け器214に隣接する位置で可撓管216を通って移動しないように構成されて配置される。例えば、締め付け器214は、図40に見られるようにカセット206に組み付けられる可撓管216の外径(「OD」)よりも僅かに小さい穴または通路を画定することができる。言うまでもなく、ボール218は、可撓管216の通路の内径(「ID」)形状と適合するように任意の適した形状(例えば、球形、立方体、多角形)を有することができる。
[00431]可撓管216は、入口ポート222に取り付けられる第1の端部220と、出口ポート226に取り付けられる第2の端部224とを含むことができる。結果として、流体は、第1の端部220から第2の端部224へ向かう方向で可撓管216を通じて流れることができる。入口ポート222は、栄養組成体源に接続される管に取り付けることができる。出口ポート226は、栄養組成体を受ける人に接続される管に取り付けることができる。
[00432]別の実施形態において、入口ポート222および出口ポート226は、上流閉塞検出センサおよび下流閉塞検出センサ(図示せず)のそれぞれを含むことができる。用語「上流」とは、栄養組成体源(例えば、送出バッグ)と流体流れを与えるために使用されるポンプロータ(例えば、蠕動ポンプ)との間の管の部分のことである。用語「下流」とは、ポンプロータと栄養組成体を受ける人に対する先端コネクタとの間の管の部分のことである。
[00433]カセット202は、センサポートと、組み込まれたセンサ窓とを含むことができる。例えば、ポートおよび窓の形状およびサイズは、上流および下流の閉塞を検出しおよび/または流体の流動経路または管内のエアーを検出するためにポンプ装置のセンサと一意的に協働できる。また、カセット206の任意の部分は、カセット206がポンプ装置202内に不正確に挿入されないように他の特徴部を組み込むことができる。
[00434]作業中、可撓管216が締め付け器214内に挿入されると、可撓管216のODは、締め付け器214の穴のサイズに適合し、それに比例して、可撓管216のIDを減少させる。ボール218は、カセット206の可撓管216の内側であって、締め付け器214の上流側の流体の流路内に直接に配置される(図40参照)。ボール218は、それが締め付け器214に隣接する位置の可撓管216の減少されたIDよりも大きくなるように寸法付けられる。
[00435]可撓管216内の流体が圧力を受けているときに、ボール218は締め付け器214へ向かって押圧されて締め付け器214に押し付けられる(図40参照)。ボール218は締め付け器214での可撓管216の減少されたIDよりも大きいため、ボール218が締め付け器214の表面に対して可撓管216を圧搾する。その結果、ボール218と締め付け器214との間の管材料が、ガスケットまたはOリングとして作用して、ボール218が締め付け器214を通過することを防止する。
[00436]ボール218に作用する流体圧は、形成されたガスケットにボール218を押し付け、可撓管216を通じた流体の流路を塞ぐ。圧力の増大に伴って、ボール218に作用する密閉力が比例的に増大し、それにより、非常に良好な密閉が形成されて流体流れが防止される。
[00437]可撓管216を通じた流体流れを塞がないようにまたは許容するために、図38および図40〜図42に示されるように押し退け機構204によってボール218が機械的に押し退けられる。図40〜図42に見られるように、押し退け機構222は、可撓管216の外面を押圧して、ボール218をその着座/密閉位置から移動させることによりボール218を変位させる。ボール218が変位され/押し退けられると、可撓管216のIDの変形に起因して新たに形成された間隙248によって流路が開かれて可撓管216を通じて流体が流れる。
[00438]押し退け機構204の除去時(例えば、カセット206をポンプ装置202から除去することにより)、ボール218は、締め付け器214に再び着座し(可撓管218の弾力性と可撓管に作用する流体圧とに起因して)、流路を再び密閉する(図40参照)。結果として、カセットが挿入されるときにはポンプによりフリーフロー防止機構のロックを解除してフリーフロー防止機構を機能させないようにすることができ、カセットがポンプ202から除去されるときにはフリーフロー防止機構が再び作動される。既存の経腸栄養管セットの従来のフリーフロー防止機構とは異なり、カセット206は、圧力またはローラクランプによりドアを閉じることにより非作動状態にされない。その代り、カセットは、ポンプ装置202の特徴部を介してボール218を物理的に押し退けることにより非作動状態にされる。
[00439]つまり、カセット206の内側のフリーフロー防止機構は、圧力によって作動させることができ、また、ボール218を機械的に変位させることにより解除することができる。フリーフロー防止機構を作動させるためにシステムにばねが必要とされない。ボール218に作用する圧力が流路を密閉し、それにより、可撓管216を通じた流れが防止される。このフリーフロー防止機構はポンプ圧送中の任意の静圧損失を防止する。カセット206がポンプ装置202の内側にあるときには、ポンプ装置202内のポンプローラ(例えば、蠕動ポンプ)によって流れを防止し/制御することができる。
[00440]図43に示される別の実施形態において、本開示は、締め付け器232と締め付け器232にまたはその近傍に移動可能に取り付けられる押し退け機構234とを有する筐体230を含むカセット228を提供する。可撓管236が筐体230に取り付けられて締め付け器232を貫通して配置される。ボール238が可撓管236の内側に配置される。締め付け器232は、ボール238が締め付け器232に隣接する位置で可撓管236を通じて移動するのを防止するように構成されて配置される。可撓管236は、入口ポート242に取り付けられる第1の端部240と、出口ポート246に取り付けられる第2の端部244とを含むことができる。カセット228は、任意の適したポンプ装置に対して取り外し可能に取り付けることができる。
[00441]カセット228と適合するポンプ装置は押し退け機構を何ら含む必要がない。この場合、カセット228がポンプ装置に挿入されると、ポンプ装置の表面が押し退け部材234を可撓管236内へ押し下げることができ、それにより、押し退け部材234がボール238を締め付け器またはその近傍のその位置から押し退けまたは移動させることができる。可撓管236の変形の結果として、流体はボール238を通り過ぎて流れることができる。カセット228がポンプ装置から除去されると、可撓管236はその当初の形状に戻ることができ、それにより、ボール238を締め付け器232またはその近傍に再配置して可撓管236内の流れを遮断することができる。
[00442]更なる他の実施形態において、本開示は、管内の流体流れを制御する方法を提供する。該方法は、1)締め付け器を有する筐体と、2)筐体に取り付けられて締め付け器を貫通して配置される管と、3)管の内側に配置されるボールとを含むカセットを設けることを含む。管を通じた流体流れは、締め付け器に隣接する位置で管内にボールを配置することにより閉塞される。方法は、管内のボールを押し退けることによって管を通じて流体を通過させることを含む。
[00443]一実施形態では、カセットがポンプ装置内に配置されると、ボールが押し退けられる。例えば、押し退け機構をカセットに取り付けることができ、また、カセットがポンプ装置内に配置されるときにボールを押し退けるように押し退け機構を構成して配置することができる。あるいは、押し退け機構をポンプ装置内に取り付けることができ、また、カセットがポンプ装置内に配置されるときにボールを押し退けるように押し退け機構を構成して配置することができる。
[00444]更に他の実施形態において、本開示は、流れ制御装置および流れ制御装置を使用する方法に関する。一般的な実施形態において、本開示は、フロー制限器を有する筐体と、筐体に取り付けられてフロー制限器に隣接して配置される管とを含むカセットを提供する。フロー制限器は、筐体に取り付けられるばねおよび/またはペグと組み合わされるロック部材を含んでもよい。この構成において、フロー制限器のロック部材は、管を通じた流体の流れを制限する第1の位置から流体が管を通じて流れることができるようにする第2の位置へ回転するように構成されて配置される。カセットが使用されていないときにロック部材を第1の位置に配置すると、管を通じた流体の流れが制限される。カセットは、栄養組成体をそれを必要とする人または患者へ投与する経腸投与装置またはシステムの一部となることができる。
[00445]フロー制限機構を含むカセットは、カセットの筐体に組み込まれる特徴部を介してフロー制限機構および栄養管セットをポンプ装置内に組み込むための優れた方法をユーザに与えるとともに、人または患者に対して栄養組成体を首尾よく送出するための他の組み込み機能性を与えてもよい。フロー制限機構は、例えば以下の場合において、すなわち、1)栄養管セットに栄養流体が導入される前および後に、2)ポンプ装置内に栄養管セットを取り付ける最中およびポンプ装置から栄養管セットを取り外す最中に、3)栄養管セットがポンプ装置から取り外された後に、経腸栄養管セット内の栄養組成体の漏れ/流れを防止する。
[00446]図44〜図45に示される実施形態において、本開示は、作動部材304を有するポンプ装置302を含む流れ制御システム300を提供する。流れ制御システム300は、ポンプ装置302に取り外し可能に取り付けられるカセット306を更に含む。カセット306の構造は、管を経路付ける/案内する必要なくまたは管を経腸栄養管セットロータ(例えば、蠕動ポンプの一部)上で引き伸ばす必要なく経腸栄養管セット(図示せず)をポンプ装置302に組み付けるのに役立つことができる。
[00447]ポンプ装置302が経腸栄養ポンプであってもよい。ポンプ装置の非限定的な例が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,659,976号に記載されている。ポンプ装置302は、モニタ/情報スクリーン308と、ポンプ装置302を動作させるための制御パッド310とを含むことができる。
[00448]カセット306は、図44および図36〜図47に示される形状などの任意の適した形状を有することができ、ポンプ装置302内に配置されるように構成されている。別のカセット形態の非限定的な例は、参照することにより本願に組み入れられる米国特許第D504,506号、D505,199号、D455,489号、D501,924号、および、D507,647号に記載されている。カセット306は、任意の適した硬質、半硬質、または、柔軟な材料から形成することができる。カセット306は、それを一方向でのみポンプ装置302内に挿入できるように「キー付け/ポカヨケ」することもできる。
[00449]図44〜図45に示されるように、カセット306は、カセット306がポンプ装置302に挿入されるときにポンプ装置302の作動部材304と位置合わせするように構成されて配置されるフロー制限器314を有する筐体312を含む。筐体312は、フロー制限器314とは反対の可撓管318の側に可撓管318に隣接して配置されまたは位置決めされるストッパ316を更に含む。可撓管318は筐体312に取り付けられるとともにフロー制限器314に隣接して配置される。可撓管318はシリコンなどの任意の適した材料から形成できる。言うまでもなく、可撓管318の任意の適した部分を柔軟にすることができ、一方、残りの部分は硬質または半硬質である。
[00450]可撓管318は、入口ポート322に取り付けられる第1の端部320と、出口ポート326に取り付けられる第2の端部324とを含むことができる。結果として、流体は、第1の端部322から第2の端部324へ向かう方向で可撓管318を通じて流れることができる。入口ポート322は、栄養組成体源に接続される管に取り付けることができる。出口ポート326は、栄養組成体を受ける人に接続される管に取り付けることができる。
[00451]図47に示されるように、一実施形態において、フロー制限器314は、ロック部材328と、ばね330と、筐体312に取り付けられるペグ332とを含む。ロック部材328は閉塞部334と作動部336とを含む。前述したように、フロー制限器314は、ポンプ装置302の作動部材304と位置合わせするように構成されて配置される。具体的には、フロー制限器314の作動部46は、フロー制限器314を回転させるために作動部材304によって接触されるように構成されて配置される。作動部材304は、形状が略長方形として示されているが、フロー制限器314と接触してこれを回転させるのに十分な任意の形状またはサイズを有してもよい。例えば、作動部材304は、正方形、長方形、三角形、楕円形、放物線等の形状を有してもよい。同様に、フロー制限器314の作動部336が、作動部材304によって接触されて回転されるのに十分な任意の形状またはサイズを有してもよいことも言うまでもない。例えば、作動部336は、正方形、長方形、三角形、楕円形、放物線等の形状を有してもよい。また、当業者であれば分かるように、フロー制限器314の閉塞部334は、可撓管318をストッパ316に押し付けることによって可撓管318を閉塞するのに十分な任意の形状またはサイズを有してもよい。例えば、作動部336は、正方形、長方形、三角形、楕円形、放物線等の形状を有してもよい。
[00452]作業中、カセット306がポンプ装置302内に挿入されると、作動部材304がロック部材328の作動部336と接触する。ポンプ装置302内に挿入し続けられると、作動部材304がフロー制限器314を作動させる。一実施形態において、作動部材304は、ポンプ装置302から離れる方向でロック部材328の作動部336を押圧してロック部材328を反時計回りに回転させることによりフロー制限器314を作動させる。ロック部材328およびばね330は、ペグ332と共有される共通の回転軸線を中心に回転する。当業者であれば分かるように、ロック部材328が反時計回りに回転する必要はない。むしろ、他の実施形態では、ロック部材328が時計回りに回転してもよい。
[00453]フロー制限器314が回転によって作動される実施形態では、フロー制限器314は、図44および図46に示される第1の位置または休止位置から、カセット306がポンプ装置302内に挿入されるときの第2の位置または作動位置(図示せず)へ回転する。第1の位置または休止位置では、フロー制限器314がストッパ316に隣接して配置される。「ストッパ316に隣接して配置される」とは、流体が可撓管318を通じて流れないようにフロー制限器314の少なくとも一部がストッパ316に十分近接して配置されると理解される。したがって、フロー制限器314が第1の位置または休止位置にあり且つばね330が対応する付勢位置にあるときには、ロック部材328の閉塞部334が可撓管318をストッパ316に押し付けて可撓管318を閉塞するとともに可撓管を通じた流体の流れを防止することができる。カセット306は、ポンプ装置302内へのカセット306の挿入前およびカセット306がポンプ装置302から取り外された後は、第1の位置または休止位置にあってもよい。
[00454]前述したように、カセット306がポンプ装置302内に挿入されるにつれて、作動部材304がロック部材328の作動部336と接触する。ポンプ装置302内に挿入し続けると、作動部材304がロック部材328の作動部336に作用し続けてロック部材328を第2の作動位置(図示せず)へ回転させ、それにより、張力をばね330に印加して、フロー制限器314がストッパ316から離間して配置されるようにロック部材328の閉塞部334をストッパ316から離間させる。「ストッパ316から離間して配置される」とは、流体が可撓管318を通じて流れることができるようにフロー制限器314がストッパ316から十分遠くに離れて配置されると理解される。したがって、フロー制限器314が作動位置にあるときには、ロック部材328の閉塞部334が可撓管318をストッパ316に押し付けて閉塞せず、そのため、流体が可撓管を通じて流れることができる。
[00455]カセット306がポンプ装置302内に十分に挿入されると、作動部材304は、カセット306がポンプ装置302内に存在している時間の間にわたって流体が可撓管318を通じて流れることができるようにロック部材328の作動部336と接触したままである。カセット306がポンプ装置302から取り外されると、作動部材304はロック部材328の作動部336との接触を失い、それにより、ばね330に作用する張力が解放できる。ばね330の張力が解放すると、ばね330およびロック部材328は第1の位置または休止位置へ戻ることができる。一実施形態において、ロック部材328およびばね330は、ロック部材328の作動部336がストッパ316と接触するまで解放されて時計回りに回転し、作動部336がストッパ316と接触すると、ロック部材330の更なる時計回りの回転が防止される。このように、カセット306がポンプ装置302から取り外されると、フロー制限器314が第1の解放位置へ移動し、それにより、可撓管318が閉塞される。
[00456]結果として、フロー制限器314は、カセット306がポンプ装置302に挿入されるときにポンプ装置302によってロックが解除されて機能しなくなり、また、カセットがポンプ装置302から取り外されるときに機能が再開される。既存の経腸栄養管セットの従来のフリーフロー防止装置とは異なり、カセット306は、圧力またはローラクランプによりドアを閉じることにより解除されない。その代り、カセットは、ポンプ装置302の特徴部を介してフロー制限器314を物理的に回転させることにより解除される。
[00457]つまり、カセット306のフロー制限機構は、ばね330の付勢によって作動させることができ、また、ロック部材328を回転させてばね330に張力を加えることにより解除することができる。ばね330の付勢と協働するロック部材328が流路を密閉し、それにより、可撓管318を通じた流れを防止する。このフロー制限機構はポンプ圧送中の任意の静圧損失を防止する。カセット306がポンプ装置302の内側にあるときには、ポンプ装置302内のポンプローラ(例えば、蠕動ポンプ)によって流れを防止し/制御することができる。
[00458]前述したように、経腸栄養システムの一部として経腸栄養管セットと共に経腸栄養ポンプを使用して医用流体を投与することは、当該医療技術分野において良く知られている。経腸栄養管セットは、一般に、ポンプ装置に組み込むことができる中心に配置された短い管部分に接続される幾つかの長い管部分を含む。経腸栄養管セットに対する1つの共通の懸念は、多量のエアーが経腸栄養溶液にもたらされることが望ましくないということである。経腸システムにおいて、過度のエアーは、患者の消化器系を刺激して、他の病状を悪化させる場合がある。
[00459]経腸栄養管セット内のどのようなエアーも、経腸栄養ポンプの容積計算を不正確にする可能性もある。未知の量のエアーが管セットを通過すると、経腸栄養システムは、患者へ送出された溶液の実際の量を正確に決定することができない。結果として、所定の期間にわたって、経腸栄養システムを通過する過度の量のエアーは、システムが指示する送出されるべき経腸栄養溶液の量と患者に送出された実際の量との間にかなりの違いをもたらす可能性がある。
[00460]更に他の実施形態において、本開示は、気泡センサシステムおよび気泡センサシステムを使用する方法に関する。気泡センサシステムは、赤外線技術を利用し、ポンプ装置に組み込むことができる。ポンプ装置は、栄養組成体をそれを必要とする人または患者へ投与する経腸投与装置またはシステムの一部となることができる。
[00461]病気または病状特有の栄養組成体は、栄養素を伝達する組成体であり、完全なまたは部分的な栄養組成体となることができる。病気または病状特有の栄養組成体は、所定の状況で支援するように構成されている組成体、例えば、術後の感染を減らすためにNestle Nutritionにより販売されるImpact(登録商標)、糖尿病または高血糖を伴う人のためにNestle Nutritionにより販売されるDiabetisource AC(登録商標)、および、呼吸器系統の病気を伴う患者または人工呼吸器のサポートを必要とする患者のためにNestle Nutritionにより販売されるNovasource(登録商標)pulmonaryである。
[00462]図48〜図49に示されるように、一実施形態において、本開示は、ポンプ装置404に取り外し可能に取り付けられるカセット402を含む気泡センサシステム400を提供する。ポンプ装置404は、ポンプ装置404の内側部分内に気泡センサシステムの一部として配置される赤外線反射発光ダイオード408と赤外線フォトトランジスタ受光体410とを有する赤外線センサシステム406を含むことができる。赤外線発光体408が発光ダイオードであってもよい。
[00463]カセット402は、気泡センサシステムの一部として検出チャンバ412を更に含む。検出チャンバ412の詳細が図50に示されている。赤外線反射発光ダイオード408および赤外線フォトトランジスタ受光体410は、図48に示されるように検出チャンバ412の長手方向に対して垂直に並んで横たわるように配置することができる。
[00464]ポンプ装置404が経腸栄養ポンプであってもよい。ポンプ装置の非限定的な例が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,659,976号に記載されている。ポンプ装置404は、モニタ/情報スクリーン414と、ポンプ装置404を動作させるための制御パッド416とを含むことができる。モニタ/情報スクリーン414および制御パッド416は、本開示の実施形態では、気泡センサシステムと併せて使用することもできる。ポンプ装置404は、電源ボタン418と、カセット402をポンプ装置404から解放するための解放機構420とを更に含むことができる。
[00465]カセット402は、図48に示される形状などの任意の適した形状を有する筐体または支持構造体を含むことができる。カセット402は、図49に示されるようにポンプ装置404内に部分的にまたは完全に挿入されるように形成することができる。カセット402の構造は、管を経路付ける/案内する必要なくまたは管を経腸栄養管セットからポンプ装置404内に収容されるロータ(例えば、蠕動ポンプの一部)上で引き伸ばす必要なく経腸栄養管セットをポンプ装置404に組み付けるのに役立つことができる。別のカセット形態の非限定的な例は、参照することにより本願に組み入れられる米国特許第D504,506号、D505,199号、D455,489号、D501,924号、およびD507,647号に記載されている。カセット402は、任意の適した硬質、半硬質、または柔軟な材料から形成することができる。カセット402は、それを一方向でのみポンプ装置404内に挿入できるように形成することもできる。
[00466]図48に見られるように、カセット402は、第1の端部424が検出チャンバ412に取り付けられる管422を含む。管422は、柔軟であってもよく、硬質または半硬質部分を有することができる。管422は、栄養管であってもよく、ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)のロータと共にポンプ装置404に組み込まれるように構成して配置することができる。
[00467]検出チャンバ412は、カセット402から離れるように延びる管426に取り付けることができる。管422は、カセット402から離れるように延びる管430に取り付けられる第2の端部428を更に含むことができる。結果として、流体は、第1の端部424から第2の端部428へ向かう方向で管422を通じて流れることができる。管426を栄養組成体源に接続することができる。管430を栄養組成体を受ける人に接続することができる。
[00468]図50〜図51に示されるように、検出チャンバ412は、管426に取り外し可能に取り付けできるように構成される第1の端部432と、管422の第1の端部424に取り外し可能に取り付けできるように構成される第2の端部434とを含む長尺体を有することができる。言うまでもなく、検出チャンバ412を管422および/または管426と(例えば、一体品として)一体に取り付けることもできる。
[00469]検出チャンバ412は、赤外線反射センサ406からの赤外光またはエネルギが通過できるように窓436を更に含むことができる。窓436は、赤外線反射センサ406からの赤外光が通過できるようにする任意の適した光学的に透明な材料から形成することができる。赤外線発光体408および赤外線フォトトランジスタ受光体410は、ポンプ装置404内でのそれらの位置(図48参照)から、カセット402が検出チャンバ404内に挿入されるときに窓436またはその近傍に配置される。一実施形態において、赤外線反射発光ダイオード408および赤外線フォトトランジスタ受光体410は、図51に示されるように検出チャンバ412の上部に沿ってスタックされた位置状態を成すことができる。
[00470]検出チャンバ412は、それぞれの端部で管を保持するように構成されて配置される成形プラスチックチャンバから形成することができる。例えば、検出チャンバ412を透明なポリ二塩化ビニル材料から形成することができる。窓436に加えて、検出チャンバ412の任意の部分は、赤外線透過面または赤外光の透過を防止するための固体表面を含むことができる。
[00471]一実施形態では、赤外光を赤外線フォトトランジスタ受光体410によって検出されるように反射するために、赤外線反射面426を窓436の背後に配置することができる。赤外線反射面426は、白紙または金属面などの任意の適した反射面であってもよい。赤外線反射面426を検出チャンバ412の一部として組み込むことができる。あるいは、赤外線反射面426は、窓436の背後の位置にカセット402の一部として組み込むことができ、または、カセット402がポンプ装置404に挿入されるときの窓436の背後の位置でポンプ装置404の内部に組み込むことができる。
[00472]別の実施形態において、検出チャンバ412は、赤外光を元の赤外線反射センサへ反射させるのに関与する第2の窓438を含む。図51では窓438が窓436と平行に示されているが、赤外光の反射を最適化するために窓438を任意の適した角度に変えることができる。
[00473]動作中、栄養組成体が人へ投与されるように検出チャンバ412および管422を通過する。赤外線発光体408が赤外光を放射し、該赤外光は窓436を通過するとともに栄養組成体を通過し、そこで赤外光が赤外線反射面426で反射する。反射された赤外光の強度は赤外線フォトトランジスタ受光体410を使用して監視できる。赤外線信号の強度に変化がある場合、これは、気泡などの不具合が栄養組成体中に現れることを示唆する可能性がある。反射される赤外光またはエネルギの強度は、栄養組成体の内容物に応じて変わる可能性があり、また、内容物を考慮して適切に較正することができる。
[00474]他の実施形態において、検出チャンバ412は、赤外光が反射信号と干渉する角度でチャンバに入らないように赤外線遮断材料(図示せず)を含むことができる。赤外線遮断材料は、赤外光の透過を防止するブラックテープまたは固体表面などの任意の適した材料であってもよい。赤外線遮断材料を検出チャンバ412の一部として任意の適した位置に組み込むことができる。
[00475]赤外線センサシステム406は、赤外線放射・検出装置を有する任意の適した赤外線センサシステムであってもよい。赤外線センサシステム406の非限定的な例としては、Fairchild SemiconductorによりQRDシリーズ下で開発された赤外線センサが挙げられる。赤外線発光体408および赤外線フォトトランジスタ受光体410を(例えば、ポンプ装置内の)支持部440上に支持しまたは配置することができる。支持部440が使用される場合、支持部は、赤外光を通過できるようにするのに適した光学的に透明な材料(例えば、ポリカーボネート)から形成されなければならない。
[00476]赤外線発光体408および赤外線フォトトランジスタ受光体410は、赤外線発光体408によって送られて検出チャンバ412で反射される所望量の赤外光が赤外線フォトトランジスタ受光体410によって検出されるように検出チャンバ412の窓436に対しておよび互いに対して適切な態様で配置することができる。赤外線発光体408および赤外線フォトトランジスタ受光体410は、赤外光放射および検出を最適化するために窓436と接触した状態または窓436から適切な距離(「D」)だけ離間された状態で検出チャンバ412に隣接して配置することができる。赤外線発光体408および赤外線フォトトランジスタ受光体410は、互いに接触した状態でまたは離間された状態で並んで配置することができる。
[00477]別の実施形態において、本開示は、赤外線発光体および赤外線フォトトランジスタ受光体を含む赤外線反射センサを組み込むカセットを提供する。この場合、ポンプ装置は赤外線反射センサを収容しない。しかしながら、カセット上の赤外線反射センサをポンプ装置と相互作用するように構成して配置することができ、それにより、赤外線反射センサの検出結果をポンプ装置のモニタ上に表示することができる。
[00478]更なる他の実施形態において、本開示は、経腸栄養システムのための管内の気泡を検出する方法を提供する。該方法は、1)栄養管に取り付けるように構成されて配置される検出チャンバと、2)赤外線発光ダイオードを含む赤外線反射センサと、3)赤外線フォトトランジスタ受光体とを含み、赤外線反射センサおよび赤外線フォトトランジスタ受光体が検出チャンバまたはその近傍に配置される気泡検出システムを設けることを含む。検出チャンバおよび栄養管は、ポンプ装置に取り付けられ得るカセットの一部として組み込むことができる。
[00479]方法は、検出チャンバを栄養管に取り付け、赤外光を検出チャンバへ伝えて反射される赤外光を赤外線フォトトランジスタ受光体を使用して検出することにより検出チャンバ内の気泡を検出することを更に含む。気泡が検出チャンバ内で検出される場合には、例えば経腸栄養サイクル中にポンプ装置を停止させることができる。
[00480]別の実施形態では、図52に示されるように、本開示は、誤検出値を赤外線センサシステム406へ伝達する構成要素442を有するカセット402を提供する。すなわち、カセット402は、赤外線センサシステム406が放射された赤外線信号の強度の変化を何ら検出しないように一貫性ポジティブ検出値(consistent positive reading)を伝達する構成要素442を含んでもよい。
[00481]例えば、カセット402は、窓436または438を有する検出チャンバ412を伴うことなくおよび/または赤外線反射面426が赤外線システム406として検出チャンバ412の反対側に配置されることなく使用するように製造されてもよい。そのような実施形態において、カセット402は、第1および第2の端部424、428を有する管422を伴うカセット402として単に製造されてもよい。そのような実施形態において、赤外線センサシステム406は、放射された赤外線信号の強度を適切に検出することができない。その代り、赤外線センサシステム406は、放射された赤外線信号の強度を検出できなかったことをエラーとして読み取ってもよく、ポンプ装置406が患者へ治療をもたらすことを禁止してもよい。
[00482]そのような状況を避けるため、カセット402は、誤検出値を赤外線センサシステム406へ伝達するための構成要素442を伴って製造されてもよい。そのような構成要素は、放射された赤外線信号を十分な量で一貫して元の赤外線センサシステム406へ反射する当該技術分野において知られる任意の構成要素を含んでもよく、それにより、赤外線センサシステム406は赤外線信号の強度の変化を検出しない。構成要素は、例えば、前述したような白紙または金属面、または赤外線反射プラスチック、ガラス、塗料、テープなどの赤外線反射面を含んでもよい。図52では構成要素442が赤外線反射プラスチックの断片として示されているが、当業者であれば分かるように、前述した赤外線反射材料のいずれかまたは当該技術分野において知られる任意の同様の材料が使用されてもよい。
[00483]例えば検出チャンバ412などの赤外線センサ構成要素を伴わずにカセット402が製造される実施形態では、誤検出構成要素442が管422と赤外線センサシステム406との中間のカセット402上に配置されてもよい。例えば、一実施形態において、構成要素442は、図52に示されるように、カセット402と一体に形成されて管422と赤外線センサシステム406との中間に配置されるプラスチックの赤外線反射断片である。そのような形態により、赤外線センサシステム406は、赤外線反射発光ダイオード408を使用して赤外線信号を放射することができ、該赤外線信号は、誤検出構成要素442によって反射されてもよく、赤外線フォトトランジスタ受光体410を使用して赤外線センサシステム406により受けられる。そのような形態によれば、赤外線センサシステム406は、管422内のエアーまたは他の不純物の存在にもかかわらずポジティブな連続する赤外線信号を連続的に受ける。
[00484]前述したように、経腸栄養システムの一部として経腸栄養管セットと併せて経腸栄養ポンプを使用して医用流体を投与することは、当該医療技術分野において良く知られている。経腸栄養管セットは、一般に、ポンプ装置に組み込むことができる中心に配置された短い管部分に接続される幾つかの長い管部分を含む。経腸栄養管セットに対する1つの共通の懸念は、それが患者の知識を伴わずに経時的に遮断されまたは閉塞される場合があるということである。栄養管セットが閉塞される場合には、経腸栄養システムが正常に機能しなくなる場合があり、また、患者が必要な栄養を受けず、そのため、患者にとって不都合な健康問題をもたらす可能性がある。
[00485]一実施形態において、本開示は、閉塞センサシステムおよび閉塞センサシステムを使用する方法に関する。閉塞センサシステムは、赤外線技術を利用するとともに、ポンプ装置に組み込むことができる。ポンプ装置は、栄養組成体をそれを必要とする人または患者へ投与する経腸投与装置またはシステムの一部となることができる。
[00486]図53〜図54に示されるように、一実施形態において、本開示は、ポンプ装置504に取り外し可能に取り付けできるカセット502を含む閉塞センサシステム500を提供する。ポンプ装置504は1つ以上の赤外線センサ506、508を含むことができる。赤外線センサ506、508はそれぞれ赤外線反射発光体510、512を更に含む。赤外線センサ506、508はそれぞれ、ポンプ装置504の内側部分内に閉塞センサシステム500の一部として配置される赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード514、516を更に含む。赤外線発光体510、512が発光ダイオードであってもよい。
[00487]赤外線センサ506、508は、赤外線放射装置および検出装置を有する任意の適した赤外線センサであってもよい。赤外線センサ506、508の非限定的な例としては、Fairchild SemiconductorによりQRDシリーズ下で開発された赤外線センサが挙げられる。赤外線発光体510、512および赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード514、516を(例えば、ポンプ装置504内の)任意の適した支持部上に支持しまたは配置することができる。
[00488]カセット502は、閉塞センサシステムの一部として管518を更に含む。カセット502がポンプ装置504内に挿入されると、図53に示されるように、赤外線反射発光体510、512および赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード514、516を管518の異なる部分520、522のそれぞれに管518の長手方向に沿って並んで横たわるように配置することができる。
[00489]流体は、第1の部分520から第2の部分522へ向かう方向で管518を通じて流れることができる。管518は、栄養組成体源を収容するバッグに接続されるように部分520から延びることができるとともに、栄養組成体を受ける人に接続されるように部分522から延びることができる。
[00490]赤外線センサ506、508は、ポンプ装置504内のポンプ(図示せず)の両側に配置することができる。例えば、ポンプは、ポンプ装置504の中心に配置することができるとともに、カセット502に配置される管518の部分520と相互作用する。したがって、赤外線センサ506は、ポンプの上流側に配置される管518の部分520(例えば、容器またはバッグから栄養組成体を受ける)と相互に作用する。赤外線センサ508は、ポンプの下流側に配置される管518の部分522(例えば、栄養組成体を患者へ送る)と相互に作用する。
[00491]ポンプ装置504が経腸栄養ポンプであってもよい。ポンプ装置504内に収容されるポンプは蠕動ポンプであってもよい。ポンプ装置の非限定的な例が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,659,976号に記載されている。ポンプ装置504は、モニタ/情報スクリーン526と、ポンプ装置504を動作させるための制御パッド524とを含むことができる。本開示の実施形態では、モニタ/情報スクリーン526および制御パッド524を閉塞センサシステムと併せて使用することもできる。ポンプ装置504は、電源ボタン528と、カセット502をポンプ装置504から解放するための解放機構530とを更に含むことができる。
[00492]カセット502は、図53に示される形状などの任意の適した形状を有する筐体または支持構造体を含むことができる。カセット502は、図54に示されるようにポンプ装置504内に部分的にまたは完全に挿入されるように形成することができる。カセット502の構造は、管を経路付ける/案内する必要なくまたは管を経腸栄養管セットからポンプ装置504内に収容されるロータ(例えば、蠕動ポンプの一部)上で引き伸ばす必要なく経腸栄養管セットをポンプ装置504に組み付けるのに役立つことができる。別のカセット形態の非限定的な例は、参照することにより本願に組み入れられる米国特許第D504,506号、D505,199号、D455,489号、D501,924号、およびD507,647号に記載されている。カセット502は、任意の適した硬質、半硬質、または柔軟な材料から形成することができる。カセット502は、それを一方向でのみポンプ装置504内に挿入できるように形成することもできる。
[00493]管518は、柔軟であってもよく、硬質または半硬質部分を有することができる。管518は、栄養管であってもよく、また、ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)のロータと共にポンプ装置504内に組み込まれるように構成して配置することができる。
[00494]図55〜図57に示される動作中、部分532の近傍に配置されるポンプ装置504内のポンプ(図示せず)は、栄養組成体をバッグからカセット502を通じて管518により患者へ圧送する。バッグとポンプとの間またはポンプと患者との間に閉塞がない場合には、部分520、522における管518の側壁は静止したままである(例えば、拡張または収縮しない)。部分520、522のそれぞれの両側で管518を覆うカセット502の部分532、536は、管518をカセット502内の所定位置に保持する管保持機構として作用する。
[00495]ポンプの上流側(例えば、バッグとポンプとの間)で管518に閉塞が生じる場合には、ポンプは、栄養組成体を管518に通過させようとし続ける。しかしながら、栄養組成体が通過していないため、管518の部分520の側壁538、540が図56に示されるように収縮し(例えば、内側に移動し)始める。同時に、赤外線発光体510が赤外光を赤外線発光体510と対向する管518の側壁540へ向けて放射する。側壁540は不透明でありあるいは赤外線反射材料を含むため、側壁540は赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード514によって検出されるように赤外光を反射させる。
[00496]反射される赤外光の強度または量は、側壁540が赤外線センサ506から離れる距離に比例する。結果として、側壁540が赤外線センサ506から離れていることにより反射光の強度が変化する場合、これは側壁540が収縮したことを示し、それにより、ポンプの上流側で閉塞が生じたことを意味する。側壁540の様々な収縮段階で検出される赤外線放射光の強度は、例えばポンプ装置504のコンピュータプロセッサを使用して(例えば、閉塞の強さに関連付けられる)収縮量を決定できるように測定して較正することができる。言うまでもなく、方向の変化は、センサの最適な焦点(光検出器電流においては最大)に対する管の位置に依存する。初期間隔が最大点よりも小さい場合には、管が収縮するにつれて、受けられる反射エネルギが増大する。管が最大点を通過し始めるときに逆のことが起こると、その場合には、管が収縮するにつれて、反射エネルギが減少する。いずれの形態も有用となり得るが、選択は、センサをより大きなシステムの一部として統合する際に課される機械的な制約によって決まり得る。
[00497]管518の閉塞がポンプの下流側(例えば、ポンプと患者との間)で生じる場合、ポンプは、栄養組成体を管518に通過させようとし続ける。しかしながら、蓄積する栄養組成体の通過によって管518内の圧力が増大しているため、管518の部分522の側壁538、540が拡張しまたは膨張し始める(例えば、外側に移動する)。同時に、赤外線発光体512が赤外線発光体512と対向する管518の側壁540へ向けて赤外光を放射する。
[00498]反射される赤外光の強度または量は、側壁540が赤外線センサ508から離れる距離に比例する。結果として、側壁540が赤外線センサ508に近接していることにより反射光の強度が変化する場合、これは側壁540が拡張したことを示し、それにより、ポンプの下流側で閉塞が生じたことを意味する。側壁540の様々な段階で検出される赤外線放射光の強度は、例えばポンプ装置504のコンピュータプロセッサを使用して(例えば、閉塞の強さに関連付けられる)拡張量を決定できるように測定して較正することができる。
[00499]図53および図55〜図57に示されるように、カセット502は、管518の部分520、522に隣接するバイアスバンプを含むことができる。バイアスバンプ542は、バイアスバンプ542と同じ側に配置される管518の側壁538がバイアスバンプ542を越えて拡張するのを防止するために使用できる。結果として、バイアスバンプと反対側の管518の側壁540は、バイアスバンプ542を伴わない場合に想定し得るよりも大きく赤外線センサ506、508へ向けて拡張し得る。これは閉塞検出の感度を高める。
[00500]図58〜図60に示される他の実施形態において、管544は、管544を保持するカセットの部分548と一体化される管筐体546を用いて位置決めされる。管筐体546は窓550を更に画定する。管筐体546は、例えば、管544を保持するように構成されて配置される成形プラスチックチャンバから形成することができる。例えば、管筐体546は不透明なポリ二塩化ビニル材料から形成することができる。管筐体546の任意の部分は、赤外線透過面、または、赤外光が窓550のみを通過するように赤外光の透過を防止するまたは赤外光を吸収するための固体表面を含むことができる。
[00501]図58〜図60に示される動作中、ポンプ(図示せず)は、栄養組成体をバッグから管544を通じて患者へ圧送する。バッグとポンプとの間またはポンプと患者との間に閉塞がない場合には、管544の側壁は静止したままである(例えば、拡張または収縮しない)。管544を覆うカセットの部分548、552は、管544をカセット内の所定位置に保持する管保持機構として作用する。
[00502]ポンプの上流側(例えば、バッグとポンプとの間)で管544に閉塞が生じる場合には、ポンプは、栄養組成体を管544に通過させようとし続ける。しかしながら、栄養組成体が通過していないため、ポンプの上流側に配置される管544の側壁554、556が図59に示されるように収縮し(例えば、内側に移動し)始める。同時に、赤外線発光体558が筐体546の窓550を通じて赤外光を管544の側壁556へ向けて放射する。側壁556は不透明でありまたは赤外線反射材料を含むため、側壁556は赤外線センサシステム568の赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード560によって検出されるように赤外光を反射させる。反射される赤外光の強度または量は、側壁556が赤外線センサ568から離れる距離に比例し、また、強度の変化は、ポンプの上流側で閉塞が生じたことを表わす。
[00503]管544の閉塞がポンプの下流側(例えば、ポンプと患者との間)で生じる場合、ポンプは、栄養組成体を管544に通過させようとし続ける。しかしながら、蓄積する栄養組成体の通過によって管544内の圧力が増大しているため、図60に示されるようにポンプの下流側の管544の側壁554、556が拡張しまたは膨張し始める(例えば、外側に移動する)。同時に、赤外線センサ564の赤外線発光体562が管544の側壁556へ向けて赤外光を放射する。赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード566によって測定される赤外光増大の強度の変化は、側壁556が拡張したことを示し、それにより、ポンプの下流側で閉塞が生じたことを表わす。管筐体546に起因して、窓550に配置される管544の部分だけが拡張しまたは窓550を通過し、それにより、管544のより端的な拡張がもたらされる。
[00504]赤外線センサ568、564は、赤外線センサ568、564によって送られて管544で反射される所望量の赤外光が赤外線センサ568、564によって検出されるように筐体546の窓550に対しておよび互いに対して適切な態様で配置することができる。赤外線発光体558および赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード560、566はそれぞれ、互いに接触した状態でまたは離間された状態で並んで配置することができる。
[00505]別の実施形態において、本開示は、赤外線発光体および赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオードを含む赤外線反射センサを組み込むカセットを提供する。この場合、ポンプ装置は赤外線反射センサを収容しない。しかしながら、カセット上の赤外線反射センサをポンプ装置と相互作用するように構成して配置することができ、それにより、赤外線反射センサの検出結果をポンプ装置のモニタ上に表示することができる。
[00506]更なる他の実施形態において、本開示は、経腸栄養システムのための管の閉塞を検出する方法を提供する。該方法は、栄養管と、赤外線発光ダイオードおよび赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオードを含む赤外線反射センサとを含む閉塞検出システムを設けることを含む。栄養管は、経腸栄養システムのポンプ装置に取り付けられ得るカセットの一部として組み込むことができる。
[00507]方法は、赤外光を栄養管へ伝えて反射される赤外光を赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオードを使用して検出することにより栄養管内の閉塞を検出することを更に含む。閉塞が栄養管で検出される場合には、例えば経腸栄養サイクル中にポンプ装置を停止させることができる。
[00508]別の実施形態では、図61に示されるように、本開示は、誤検出値を赤外線センサ506、508へ伝達する構成要素570を有するカセット502を提供する。すなわち、カセット502は、赤外線発光体510、512から放射されて管518の側壁540により反射されて赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード514、516により検出される反射される赤外線信号の強度の変化を赤外線センサシステム506、508が何ら検出しないように一貫性ポジティブ検出値を赤外線センサ506、508へ伝達する構成要素570を含んでもよい。
[00509]例えば、カセット502は、バイアスバンプ542を伴うことなく且つ不透明な赤外線反射面を有する管518の側壁540を伴うことなく製造されてもよい。そのような実施形態において、カセット502は、第1および第2の部分520、522を有する管518を伴うカセット502として単に製造されてもよい。そのような実施形態において、赤外線センサ506、508は、反射された赤外線信号の強度を適切に検出することができない。その代り、赤外線センサ506、508は、反射された赤外線信号の強度を検出できなかったことをエラーとして読み取ってもよく、ポンプ装置504が患者へ治療をもたらすことを禁止してもよい。
[00510]そのような状況を避けるため、カセット502は、誤検出値を赤外線センサ506、508へ送出するための構成要素570を伴って製造されてもよい。そのような構成要素は、放射された赤外線信号を元の赤外線センサ506、508へ十分な量で一貫して反射する当該技術分野において知られる任意の構成要素を含んでもよく、それにより、赤外線センサ506、508は反射される赤外線信号の強度の変化を検出しない。構成要素は、例えば、前述したような白紙または金属面、あるいは、赤外線反射プラスチック、ガラス、塗料、テープなどの赤外線反射面を含んでもよい。
[00511]例えばバイアスバンプ542および不透明な面または赤外線反射面を有する管518の側壁540などの赤外線センサ構成要素を伴わずにカセット502が製造される実施形態では、誤検出構成要素570が管518と赤外線センサ506、508との中間のカセット502上に配置されてもよい。例えば、一実施形態において、構成要素570は、カセット502と一体に形成されて管518と赤外線センサ506、508との中間に配置されるプラスチックの赤外線反射断片であってもよい。そのような形態により、赤外線センサ506、508は、赤外線反射発光体510、512を使用して赤外線信号を放射することができ、該赤外線信号は、誤検出構成要素570を使用して反射されてもよく、赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード514、516を使用して赤外線センサ506、508により受けられる。そのような形態によれば、赤外線センサ506、508は、管518の閉塞の存在にもかかわらずポジティブな連続する赤外線信号を連続的に受ける。
[00512]前述したように、経腸栄養管内の任意のエアーまたは経腸栄養管の閉塞は、経腸栄養システムを介して栄養組成体を受ける患者にとって医学的な合併症または不都合な健康問題を引き起こす可能性がある。したがって、経腸栄養システムに関する想定し得る問題について患者またはヘルスケア提供者に警告するために使用される空気ラインセンサまたは閉塞センサを含むカセットが設けられてもよい。しかしながら、時として、空気ラインセンサまたは閉塞センサは、エアーおよび/または閉塞を適切に検出するのに十分に感度が良くない場合があり、したがって、想定し得る不都合な健康上の懸念について患者またはヘルスケア提供者に適切に警告しない場合がある。
[00513]例えば、水のような送出物の場合、赤外線空気ラインセンサシステムは、カセットの管内で起こる送出物−エアー−送出物の移行を決定するロバストな方法を与える。しかしながら、特定の粘性のある送出物の場合には、エアーへの移行後に、材料の多量の残渣が空気ライン検出チャンバ内に残る場合がある。したがって、残存する残渣は、検出チャンバ内のエアーの適時の検出を妨げる(例えば、空気ライン状態)。しかしながら、閉塞センサは、空気ラインセンサとは全く異なる態様で管内の送出物の不存在または存在にも反応するため、閉塞センサが流体−エア検出プロセスを促進させるために使用されてもよい。
[00514]前述したように、閉塞センサは、例えばシリコン管であってもよいカセット内の管から反射される赤外光を測定することにより機能する。反射される赤外線エネルギは、管とセンサとの間の距離と、管内の送出物のタイプとによって決まる。更なる信号が閉塞センサから観察されてもよい−送出物からエアーへの移行時またはエアーから送出物への移行時の信号シフト。エアー状態からのシフトの方向は送出物のタイプによって決まる。例えば、赤外線反射率が低い水および含水量が高い送出物において、送出物からエアーへの移行は、x軸線上に秒をとりy軸線上にボルトをとったグラフにおける立下がりである。一方、エアーよりも粘性があり且つエアーよりも強い赤外線信号を反射する送出物では、逆が当てはまる。すなわち、粘性が高い送出物は、送出物からエアーへの移行においては、x軸線上に秒をとりy軸上にボルトをとったグラフにおいて立ち上がりをもたらす。入口(基端側)閉塞センサからの出力信号は、それが空気ラインセンサの位置に最も近いため、有利な観察ポイントを与える。
[00515]したがって、更なる他の実施形態において、本開示は、管620を有するカセット602を含む赤外線センサシステム600を提供し、カセット602はポンプ装置604に対して取り外し可能に取り付けられる。ポンプ装置604は、空気ライン赤外線センサシステム606と、閉塞赤外線センサシステム608とを含むことができる。空気ライン赤外線センサシステム606および閉塞赤外線センサシステム608のそれぞれには、赤外線反射発光ダイオード610、612と、赤外線フォトトランジスタ受光体614、616とが設けられる。典型的な空気ライン赤外線センサシステム606および閉塞赤外線センサシステム608の詳細は図48〜図52および図53〜図61のそれぞれに関して前述した。
[00516]栄養組成体の内容物に応じて、栄養組成体の粘度および在留物は大きく異なり得る。例えば、図63〜図66は、粘度が異なる栄養組成体に関して空気ライン赤外線センサ606および閉塞赤外線センサ608により測定された典型的な送出物からエアーへの移行を示している。それぞれの図において、閉塞センサデータは、明確にするために2倍だけ拡大されている。空気ライン赤外線センサデータおよび閉塞赤外線センサデータの立ち上がり間の図中の時間差は、テストベッドにおけるセンサ間の大きな物理的距離によって引き起こされる。
[00517]図63によって示されるように、空気ライン赤外線センサ606は、栄養組成体、すなわち、Nestle Nutritionによって製造される栄養組成体であるCOMPLEAT(登録商標)に関して送出物からエアーへの移行の信頼できる表示を与えることができた。COMPLEAT(登録商標)は、例えば、チキン、エンドウ豆、ニンジン、トマト、およびクランベリーのジュースカクテル、並びに、繊維混合物を含む実際の食品によって形成されている。したがって、COMPLEAT(登録商標)は、粘性がない低残渣送出物である。
[00518]一方、図64のグラフは、同様にNestle Nutritionによって製造されるISOSOURCE(登録商標)1.5 CALなどの栄養組成体に関して空気ラインセンサ606が送出物からエアーへの移行を適切に検出できないことを示している。図63の粘性がない低残渣送出物とは異なり、ISOSOURCE(登録商標)1.5 CALは、粘性が大きく、したがって、より多くの量の残渣を有する。図64に示されるように、空気ラインセンサ606の読取値の後期の変化は、ポンプ装置604が作動し続けている間に空気ライン検出チャンバ618の壁から徐々に流れ出る残渣に起因しており、また、残留送出物の小さなスラグが、送出物リザーバ(図示せず)から移動して、空気ラインセンサ606を通り過ぎ、残渣を徐々に運び去る。空気ラインセンサ606とは異なり、閉塞センサ608は、送出物からエアーへの移行の明確な表示を与える。
[00519]図65は、Nestle Nutritionによって製造されるRESOURCE(登録商標)BREEZEなどの粘性のない水様性送出物が閉塞センサ608の信号に関する先のグラフとは異なる反応を有することを示している。RESOURCE(登録商標)BREEZEは、フルーツ味の澄んだ液体の栄養飲料であり、したがって、水様性送出物である。前述したように、水様性送出物は赤外線反射率が低いため、水様性送出物の全てが閉塞センサデータのベースラインに対してプラスのオフセットをもたらし、それにより、流体からエアーへの移行が立下りによって示される。
[00520]特定の実施形態では、閉塞センサ608の存在が流体からエアーへの移行を適切に検出するのに十分となり得る。しかしながら、これが常に当てはまるとは限らない。例えば、図66は、多くの量のペプチド系タンパク質、オメガ−3脂肪酸、並びに、高レベルの抗酸化物質、ビタミン、およびミネラルを含む送出物/水混合組成体であるNestle NutritionのCRUCIAL(登録商標)栄養組成体を用いた試験によってもたらされた空気ラインセンサデータおよび閉塞センサデータに関するグラフを示している。図66に示されるように、送出物/水混合物においては閉塞信号が非常に弱く、このことは、水と混合された際(例えば、強力な吸収体、流体からエアーへの移行の立下り)に強い赤外線反射を引き起こす(例えば、流体からエアーへの移行の立ち上がり)送出物原料が互いに打ち消し合ってエアーと同等な閉塞センサ信号をもたらすことを示す。
[00521]したがって、空気ライン赤外線センサ606および閉塞赤外線センサ608の両方を使用することにより、本開示のカセットおよびポンプは、送出物のタイプにかかわらず初期の流体からエアーへの移行を正確に検出できなければならない。
[00522]前述したように、本開示のカセットは、医用流体の投与のための経腸栄養システムと組み合わせて使用されてもよい。カセットは、一般に、中心に配置された短い管部分に接続される幾つかの長い管部分を有する経腸栄養管セットを含む。カセットが経腸栄養システムのポンプ装置内に挿入されると、ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)をカセットの凹部領域へ押し進めることができ、それにより、カセットの管をカセットの凹部領域へ引き伸ばすことができる。輸液カセットが一般に鈍的な縁部を有し、該縁部を横切って管が引き伸ばされるため、管は、該管がカセットの縁部上で引き伸ばされるにつれてねじられる場合がある。そのようなねじれは、それが管を閉塞して流体が管を通過するのを妨げるため望ましくない。
[00523]一実施形態では、図67に示されるように、本開示にしたがってカセット700が提供される。カセット700は、筐体702と、筐体702内の凹部領域704と、管706とを含む。管706は、カセット700の第1および第2の端部708、710でカセット700に対して接続される。カセット700が例えば蠕動ポンプなどのポンプ712を有するポンプ装置(図示せず)内に挿入されると、ポンプ712が管706と接触して管706を筐体702の凹部領域704内へ押し込む。ポンプ712が管706を引き伸ばして凹部領域704へ押し込むと、管706は、筐体702が凹部領域704を形成し始める筐体702の縁部714、716を横切って曲がる。管706を縁部714、716を横切って曲げて凹部領域704内へ引き伸ばす必要があるため、管706が曲がる場所で管706がねじれる危険が高い。
[00524]一実施形態では、縁部714、716の位置で管706にねじれを形成しないように、管706が鋭い90°の角度で曲がることなく凹部領域704内へ伸びることができるようにする切り欠き718、720が縁部714、716に形成されてもよい。代わりに、切り欠き718、720は、管706が凹部領域704内へ伸びるときにより柔軟な曲げを成すことができるようにする幾分丸みを帯びた形状を管706に対して与える。切り欠き718、720は、半円、「V」形状、楕円、正方形、長方形等を含む当該技術分野において知られる任意の形状を有してもよい。図68に示される実施形態では、切り欠き718、720が略「V」形状を成す。図68の筐体702の略「V」形状縁部を形成するために、縁部714、716は、ポンプ装置(図示せず)内へのカセット700の挿入方向に開放する略半円形状を有する切り欠き部722、724を含む。また、切り欠き部722、724は、切り欠き部722、724の凹部領域704側の中心部に傾斜縁部726、728を含むように更に形成される。切り欠き部722、724と傾斜縁部726、728との組み合わせは、管706が凹部領域704内へ引き伸ばされる際に柔軟に曲がることができるようにする「V」形状を形成する。管706のより柔軟な曲げは、縁部714、716での管706のねじれの形成を防止するのに役立つ。
[00525]カセットにおける流れ制限装置に関して前述したように、カセット管からの注入流体の漏れを回避するために輸液ポンプカセットがポンプ装置内に適切に組み込まれることは重要である。同様に、カセットは、ポンプ装置内に適切に挿入されると、装置またはカセットの任意の動きが装置内でのカセットの位置を変えて注入流体の漏れを引き起こさないように装置内に固定されなければならない。
[00526]一実施形態では、カセット802とポンプ装置804とを含む流体送出システム800が提供される。流体送出システム800は、図69に示されるように、カセット802の突起808と協働するポンプ装置804のラッチ機構806の使用によってポンプ装置804内にカセット802を固定するように構成されている。突起808は、略円筒形状であってもよく、また、図69に示されるようにカセット802の上面の外側部分に配置されてもよい。一実施形態において、突起808はペグ、ピン等である。しかしながら、当業者であれば分かるように、突起808は、例えば楕円、長方形等を含む当該技術分野において知られる任意の形状を有してもよい。また、当業者であれば分かるように、突起808は、カセット802をポンプ装置804内の所定の位置にロックするためにラッチ機構806と突起808とが連携できさえすれば、カセット802上の任意の場所に配置されてもよい。
[00527]一実施形態において、ラッチ機構806は、上部812と、下部814と、上下部812、814を接続する中心部816とを有する本体810を含む。上部812は、上部812と一体に形成されるアーム816を含む。図示の実施形態ではアーム818が本体810の上部812と一体に形成されるが、当業者であれば分かるように、アーム818は、本体810と一体に形成される必要がなく、当該技術分野において知られる任意の取り付け手段により上部812に取り付けられてもよい。また、当業者であれば分かるように、アーム816が本体810の下部814に配置されてもよい。また、図69に示されるように、ポンプ装置804は、本体810の中心部816を受けるように構成される円筒形状のスナップ係合部分822を有するカップ形状部820を含む。
[00528]作業時、図69に示されるように、ラッチ機構806がスナップ係合部分822に嵌め込まれて、アーム818が左へ回転される。その後、カセット802がポンプ装置804内に挿入される。前述したように、ラッチ機構806および突起808は、カセット802をポンプ装置804内に固定するように互いに作用する。具体的には、アーム818は、カセット802を所定位置にロックするための付勢の解放時に回転するように付勢されてもよいばねとして作用する。図70に示されるように、アーム818は、アーム818をポンプ装置804に対して押圧するように付勢するべくポンプ装置804に平らに押し付けられてもよい湾曲部824を含む。湾曲部824をポンプ装置804に対して平らに押し付けると、ラッチ機構806が時計回り方向に僅かに回転する。ラッチ機構806の回転は、突起808を下部814の開口826と位置合わせさせる。以下で更に説明するように、開口826は、ラッチ機構806がカセット802を所定位置にロックする際に突起808が横切る下部814の湾曲した切り欠き部828に隣接して配置される。カセット802がポンプ装置804内に挿入され続けるにつれて、突起808が開口826に入る。
[00529]湾曲部824の付勢を受けて湾曲部824が解放されてポンプ装置804を押圧すると、ラッチ機構806がカップ部820内で反時計回りに傾転し、アーム818がポンプ装置804の左側から右側へ移動する。ラッチ機構806が反時計回りに回転すると、突起808が切り欠き部828を横切る。ラッチ機構806が回転して突起808が切り欠き部828を横切ると、図71に示されるように、カセット802が適切な位置合わせ状態へポンプ装置804内に引き込まれる。
[00530]図72は、ポンプ装置804内に完全に挿入されたカセット802と、アーム818がポンプ装置804の右側に配置されるように完全に回転されたラッチ機構806とを示している。ポンプ装置804の右側は、アーム818の湾曲部824を受けるように構成されて配置される湾曲部830を含む。ポンプ装置804の湾曲部830により、ラッチ機構806は、下部814の略平坦部832がポンプ装置804から外側に面するように完全に回転できる。
[00531]前述したタイプのラッチ機構の使用は、ポンプ装置内へのカセットの挿入のためのスナップ作用を与えるためにばねを必要としない簡単な構造を与える。むしろ、ラッチ機構は、そのようなスナップ作用を与えるように構成されるハンドルアームを含む。
[00532]他の実施形態では、図73に示されるように、ポンプ装置804は、ラッチ機構806が開位置から閉位置へ完全に回転できるように複数の湾曲部830を含んでもよい。図73に示される実施形態では、ラッチ機構806のアーム818が湾曲部824を含まない。したがって、当業者であれば分かるように、ラッチ機構806は、湾曲部824のばね作用によってのみ動作する必要がなく、ラッチ機構806のためのスナップ作用を与える内部構成要素を含んでもよい。
[00533]他の実施形態では、前述した空気ラインセンサ装置および閉塞センサ装置と同様に、図74が本開示のラッチセンサ装置900を示している。ラッチセンサ装置900は、カセット902がポンプ装置904内に挿入されたかどうかおよび/またはカセット802がポンプ装置904内に適切に挿入されるかどうかを検出するために使用されてもよい。そのようなラッチ検出装置900の使用は、カセット902がポンプ装置904内に完全に且つ正確に挿入されなければカセット902を通じた医用流体の圧送を妨げることによりポンプ装置904の安全機能としての役目を果たすことができる。
[00534]例えば、前述した空気ラインセンサ装置および閉塞センサ装置と同様に、ラッチセンサ装置900は、赤外線発光体908と赤外線フォトトランジスタ受光体またはフォトダイオード910とをポンプ装置904の一部に有する赤外線センサ906を含んでもよい。赤外線発光体908は、ラッチアーム914の赤外線反射面912によって反射されてポンプ装置904の赤外線フォトトランジスタ910によって受けられる赤外線信号を放射できてもよい。赤外線発光体908は、ポンプ装置904上の任意の位置から突出してもよい。ポンプ装置904上の赤外線発光体908の位置に応じて、ラッチアーム914は、赤外線発光体908およびフォトトランジスタ910の位置に対応する外側部分に赤外線反射面912を有してもよい。そのような形態は、カセット902がポンプ装置904内に完全におよび/または適切に挿入されてラッチ機構914が完全に閉じられるまで赤外線フォトトランジスタ910が赤外線信号を受信するのを防止してもよい。
[00535]例えば、図74のポンプ装置904は、ポンプ装置904の湾曲部916の近傍に赤外線発光体908および受光体910を含む赤外線センサ906を含んでもよい。ラッチアーム914は、その対応する位置に赤外線反射面912を有してもよい。そのような実施形態では、アーム914が完全に回転されてカセット902内でロックされるとともにポンプ装置904の湾曲部916と同一平面上に位置すると、赤外線発光体908によって放射される赤外線信号が赤外線反射面912で反射されて赤外線フォトトランジスタ910により受けられる。このことは、カセット902がポンプ装置904内に完全に且つ適切に挿入されることを示す。
[00536]他の実施形態において、図74のポンプ装置904は、赤外線発光体922と受光体924とを含む赤外線センサ920をポンプ装置904の左側の近傍に含んでもよい。カセット902は、その対応する位置に赤外線反射面926を有してもよい。そのような実施形態では、カセット902がポンプ装置904内に完全に挿入されると、赤外線発光体922によって放射される赤外線信号が赤外線反射面926で反射されて赤外線フォトトランジスタ924により受けられる。このことは、カセット902がポンプ装置904内に完全に且つ適切に挿入されることを示す。
[00537]別の実施形態では、空気ラインセンサ装置および閉塞センサ装置に関して既に説明したように、本開示は、誤検出値をラッチセンサ906へ伝達する構成要素918を有するカセット902も提供する。すなわち、本開示のカセット902は、赤外線センサが放射された赤外線信号の強度の変化を何ら検出しないように一貫性ポジティブ検出値をラッチセンサ装置900の赤外線センサへ伝達する構成要素を含んでもよい。
[00538]例えば、カセット902は、誤検出値をラッチセンサ906へ送出伝達するための構成要素918と共に使用するように製造されてもよい。そのような構成要素は、放射された赤外線信号を元の赤外線センサシステムへ十分な量で一貫して反射する当該技術分野において知られる任意の構成要素を含んでもよく、それにより、赤外線センサシステムは赤外線信号の強度の変化を検出しない。構成要素は、例えば、前述したような白紙または金属面、あるいは、赤外線反射プラスチック、ガラス、塗料、テープなどの赤外線反射面を含んでもよい。図74では構成要素918が例えばテープまたは塗料などの平坦な材料として示されているが、当業者であれば分かるように、前述した赤外線反射材料または当該技術分野において知られる任意の更なる赤外線反射材料が使用されてもよい。
[00539]誤検出構成要素918は、カセット902上、ポンプ装置904上、またはラッチセンサ906と赤外線反射面912との中間のラッチアーム914上に配置されてもよい。例えば、一実施形態において、構成要素918は、ラッチセンサ906と赤外線反射面912との中間に配置されるテープの赤外線反射断片である。そのような形態により、ラッチセンサ906は、赤外線反射発光ダイオード908を使用して赤外線信号を放射することができ、該赤外線信号は、誤検出構成要素918によって反射されてもよく、赤外線フォトトランジスタ受光体910を使用して赤外線センサシステムにより受けられる。そのような形態によれば、ラッチセンサ装置906は、カセット902をポンプ装置904内に固定するためにラッチ914が完全に且つ適切に閉じられるかどうかにかかわらずポジティブな連続する赤外線信号を連続的に受ける。
[00540]本開示のカセットは、医用流体を患者へ送出するのに役立つための幾つかの異なる利点を与える。例えば、本開示のカセットは、カセットを動作させるポンプ装置のセンサ装置と相互作用する赤外線反射構成要素を含んでもよい。また、カセットは、例えば、ポンプ装置のポンプがカセットの凹部領域内に受けられるときにカセットの管をねじれを伴うことなくカセットの筐体の縁部上で引き伸ばすことができるようにするカセットの筐体の切り欠き部を含んでもよい。したがって、本開示のカセットはカセットの構成要素がポンプ装置の構成要素と相互に作用する必要がある異なる実施形態を提供するため、カセットがポンプ装置内に適切に挿入されることが重要である。
[00541]一実施形態において、本開示は、カセットをポンプ装置内に適切に位置合わせするように案内するための異なる構成要素を有するカセットに関する。例えば、図75に示されるように、医用流体送出システム1000が提供される。医用流体送出システム1000は、カセット1002と、カセット1002を受けるように構成されて配置される開口1006を有するポンプ装置1004とを含む。カセット1002は、開口1006内に挿入されると、カセット1002の全ての側面と開口1006の内部との間に小さい大きさの空間を有さなければならない。しかしながら、カセット1002は一般に開口1006内に挿入されるときには固定されなければならない。
[00542]また、カセット1002は、カセット1002の損傷および破壊を回避するために開口1006内に一方向でのみ挿入されなければならない。一実施形態では、カセット1002が開口1006内に適切に挿入されるようにするために、カセット1002には、ポンプ装置1004の棚部1012と協働するタブ部材1008、1010が設けられる。当業者であれば分かるように、図75には1つの棚部1012だけが示されているが、ポンプ装置1004は、ポンプ装置1004の反対側にも反対向きに同一の棚部(図示せず)を有してもよい。例えば、図76は、ポンプ装置1004の両側に1つずつ2つの棚部1012、1028を示している。
[00543]タブ部材1008、1010は、図75に示されるようにカセット1002の第1および第2の側壁1014、1016から外側に延び且つタブ部材1008、1010が棚部1012、1028と接触するときにカセット1002をポンプ装置1004内へ案内するために使用される突起であってもよい。一実施形態において、タブ部材1008、1010は、図75に示されるように翼形状の突起であってもよい。本明細書で使用される「翼形状」とは、ほぼ丸みを帯びた長方形形状を意味し、丸みを帯びた長方形形状の一辺に沿って一端部から反対側の端部へ向かって幅が先細っている。典型的な「翼形状の」突起1008、1010が図75に示されている。しかしながら、当業者であれば分かるように、タブ部材1008、1010は、例えば半円、正方形、長方形、楕円、三角形等を含む当該技術分野において知られる任意の形状を有してもよい。
[00544]例えば、図77は、内側に延びるタブ部材1008、1010を有するカセット1002の他の実施形態を示しており、タブ部材1008、1010は、タブ部材1008、1010が棚部1012、1028と接触するときにカセット1002をポンプ装置1004内へ案内するためにも使用される。この実施形態では、タブ部材1008、1010の形状が略長方形である。タブ部材1008、1010がカセット1002と一体に形成されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、タブ部材1008、1010がカセット1002に取り付けられてもよい。
[00545]カセット1002が任意の数のタブ部材を1008、1010を含んでもよい。一実施形態において、カセット1002は、それぞれの側壁1014、1016に1つのタブ部材1008、1010を含む。しかしながら、当業者であれば分かるように、カセット1002が3つ以上のタブ部材1008、1010を含んでもよい。一実施形態において、カセット1002は、1、2、3、4、5、6個、または、これらの組み合わせから成るグループから選択される数のタブ部材1008、1010を含む。
[00546]図75に示されるように、一実施形態において、タブ部材1008、1010は、カセット1002の第1および第2の側壁1014、1016の上部に配置されてもよい。したがって、棚部1012も開口1006の側壁の上部1018に配置されなければならない。当業者であれば分かるように、図75には開口1006の側壁の一方の上部1018だけが示されているが、ポンプ装置1004の反対側には、反対側の側壁の上部(図示せず)が存在してもよい。また、当業者であれば分かるように、タブ部材1008、1010は、側壁1014、1016の上部に配置される必要はなく、側壁1014、1016の任意の部分に配置されてもよい。
[00547]ポンプ装置1004は、カセット1002が不正確に挿入されるのを防止するように構成されている部分1020を含んでもよい。例えば、カセット1002を開口1006内に上下逆さまに装着しようと試みられる場合には、タブ部材1008、1010が部分1020と接触し、それにより、カセット1002がそのような方向で挿入されることが防止される。当業者であれば分かるように、部分1020がタブ部材1008、1010と接触するときにカセット1002が不正確な方向で開口1006内に挿入されるのを部分1020が防止しさえすれば、部分1020が任意の特定の形状を有する必要はない。
[00548]作業時、カセット1002がポンプ装置1004の開口1006内に挿入される際には、タブ部材1008、1010が棚部1012と位置合わせされなければならず、これは、カセット1002をポンプ装置1004内に適切に配置するように案内するのに役立つ。したがって、タブ部材1008、1010および棚部1012は、カセット1002がポンプ装置1004内で適切に中心に配置されるように且つカセット1002が開口1006内に挿入されすぎないようにまたは過度に深く挿入されないようにする。
[00549]他の実施形態では、カセット1002がポンプ装置1004内に適切に挿入されるようにするため、カセット1002にロゴまたは他の方向表示1022が設けられてもよい。例えば、カセット1002は、図75に示されるようにカセット1002の第3の側面1024にただしく配置されるまたは図77に示されるようにカセット1002の上面1026に配置される例えばロゴNestle Nutritionなどの方向表示1022を有してもよい。方向表示1022は、カセット1002をポンプ装置1004内へ挿入する患者またはヘルスケア提供者によって適切に読み取られるように正しく方向付けられまたは上面にある。そのような方向は、カセット1002をポンプ装置内へ正しい方向で挿入するように患者またはヘルスケア提供者に促す。一方で患者またはヘルスケア提供者がカセット1002を上下逆さまの方向でポンプ装置1004内に挿入しようとする場合、患者は、方向表示1022が上下逆さまであることまたは存在しないことに気付き、これにより、カセット1002が不正確に挿入されていることを患者に警告する。
[00550]図75では方向表示1022が書かれたロゴとして示されているが、当業者であれば分かるように、方向表示1022は、ポンプ装置1004内へ挿入するためのカセット1002の適した方向を表示する任意の文字、単語、記号、または数字であってもよい。例えば、方向表示1022は、カセット1002の上端を示すために上方へ向く矢印であってもよい。また、方向表示1022は、「これが上端」というフレーズなどの異なる書き込み表示であってもよい。当業者であれば分かるように、方向表示1022は図75に示されるロゴに限定されない。また、当業者であれば分かるように、カセット1002は、複数の方向表示1022を方向表示1002の任意の組み合わせで含んでもよい。例えば、一実施形態において、カセット1002は、「これが上端」という書き込み表示を含むとともに、カセット1002の上側1026の方を向く矢印も含む。
[00551]同様に、方向表示1022は、当該技術分野において知られる任意の手段によってカセット1002に貼り付けられあるいは関連付けられてもよい。例えば、方向表示1022は、ステッカ上にあって、カセット1002の製造中に第1、第2、または第3の壁1014、1016、1024のそれぞれに接着されてもよい。あるいは、方向表示1022は、カセット1002の壁にエッチングされ、レーザ加工され、成形され、または形成されてもよい。しかしながら、方向表示1022の物理的な構成は、方向表示1022がポンプ装置1004内へのカセット1002の適切な挿入方向を患者またはヘルスケア提供者へ伝えることができさえすれば、本開示で与えられる例に限定されない。
[00552]更なる他の実施形態では、ポンプ装置内へのカセットの挿入前および/または患者への接続前にカセットと関連付けられる管を通じた流体のフリーフローを制限するためにフリーフロー防止弁アセンブリが設けられる。図78に示されるように、一実施形態において、フリーフロー防止弁機構1100は、カセット1102と、カセット1102の開口1136内へ取り外し可能に挿入できるように構成されるキャップ1104とを含む。カセット1102は、管を受け入れるための切り欠き1108を有する管側1106と、キャップ1104と係合するための先端側1110とを含む。
[00553]以下で更に説明するように、カセット1102は、キャップ1104がカセット1102内に取り外し可能に挿入されるときにキャップ1104を安定させてキャップ1104の移動を防止するためのストッパ1112を含む。ストッパ1112は、キャップ1104がカセット1102内に挿入されるときにキャップ1104の前後または左右の動きを防止するように構成されて配置される任意の構造または機構であってもよい。一実施形態では、図78に示されるように、ストッパ1112は、突起1116を有する略円形形状のディスク1114であり、突起1116は、ディスク1114の外縁でディスク1114から略垂直な態様で延びる。この実施形態では、円形形状のディスク1114がキャップ1104の前後方向の動きを防止し、一方、突起1116がキャップ1104の左右の動きを防止する。しかしながら、当業者であれば分かるように、キャップ1104がカセット1102内に挿入されるときにストッパ1112がキャップ1104の前後または左右の動きを防止しまたは制限しさえすれば、ストッパ1112は、例えば長方形、三角形、円形、または、これらの組み合わせを含む当該技術分野において知られる任意のサイズまたは形状を有してもよい。
[00554]また、カセット1002は、図86に示され且つ以下で更に説明する弁アーム1122の同様の形状の突起を受けるように構成されている円形の穴1118および略長方形の穴1120も含む。また、カセット1102は、カセット1102の凹部1126内に位置し且つ凹部1126の2つの対向する側面を結合する接続要素1124も含む。一実施形態では、接続要素1124の形状が略円筒形であり、そのため、弁アーム1122の略「C」形状の接続部1128を接続要素にスナップ嵌合させることができ、また、以下で説明するように弁アーム1122が遮断位置とフリーフロー位置との間で揺動するときに接続部1128が接続要素1124の周囲で部分的に回転できる。当業者であれば分かるように、弁アーム1122の接続部1128は、「C」形状である必要がなく、例えば、略「C」形状、円形、長方形、半球形、または、これらの組み合わせであってもよい。
[00555]図79に示されるように、キャップ1104は、形状が略円筒であるとともに、作動突起1130を含んでおり、作動突起1130は、図80に更に詳しく示されるように、キャップ1104の作動突起1130がカセット1102の開口1136内に挿入されるときに弁アーム1122の後端1134と係合するように構成されて配置される。一実施形態において、作動突起1130は、弁アーム1122の後端1134の対応する切り欠き部1135と結合する切り欠き部1132を有する。したがって、作動突起1130が開口1136内に挿入されると、切り欠き部1132が弁アーム1122の切り欠き部1134aと係合して、後端1134を下方に押圧し、それにより、弁アーム1122がその支点(例えば、「C」形状接続部1128)を中心に回転されるとともに、弁アーム1122の管遮断部1138が持ち上げられ、その結果、管(図示せず)を通じたフリーフローが可能になる。
[00556]キャップ1104は形状が略円筒形として示されているが、当業者であれば分かるように、キャップ1104は、例えば円筒形、長方形、球形、または、これらの組み合わせなどの当該技術分野において知られる任意の形状を有してもよい。同様に、作動突起1130は形状が略長方形として示されているが、当業者であれば分かるように、作動突起1130は、例えば、略円筒形、長方形、三角形、球形、または、これらの組み合わせである形状を有してもよい。
[00557]キャップ1104は、管の一部、管端、または管ルアーを内部に受けるように構成されて配置される。治療で使用する前の包装中または送出中にカセット1102とパッケージ化される管(図示せず)が汚染されないようにすることが重要である。包装中および送出中に管の端部をキャップ1140内に包み込むことにより、キャップ1104は、治療前に任意の汚染物質が管内に入ることを防止する。治療を施すために、キャップ1104が患者または介護者によって取り外されてもよく、また、後述するように管部分が患者ラインに接続されてもよい。
[00558]図80に示される実施形態は、管(図示せず)と組み合わせたカセット1102の包装および送出にとって有益である。カセット1102をフリーフロー位置にある状態で送出すると、弁アーム1122の管遮断部1138が管に対して応力を印加している期間が長くなることが防止される。応力のこの減少により、患者による使用前の管の破損を低減でき、その結果、治療不全の報告事例を減らすことができる。
[00559]患者がポンプ装置(図示せず)およびカセット1102を使用していつでも治療を開始できる状態にある場合には、患者がキャップ1104をカセット1102から取り外すだけで、キャップ1104の切り欠き部1132が弁アーム1122の後端1134から離脱され、それにより、弁アーム1122は、その支点(例えば、「C」形状接続部1128)を中心に回転できるとともに、弁アーム1122の管遮断部1138を管(図示せず)を通じたフリーフローを妨げるその付勢位置へ戻すことができる。キャップ1104がカセット1102から取り外されると、キャップ1104がその内部に収容される管端(図示せず)から取り外され、治療を受けるための患者ラインに管端を接続することができる。カセット1102が使用のためにポンプ装置に挿入されると、ポンプ装置は、弁アーム1122の後端1134に圧力を印加するための内部タブ部材が、弁アーム1122をそのフリーフロー位置へ戻し、管の遮断を解除する。フリーフロー位置では、溶液が管を通じて自由に流れることができ、治療を患者に施すことができる。
[00560]他の実施形態において、キャップは、本開示のカセットの管を通じたフリーフローを防止するためにルアーと組み合わせて使用されてもよい。例えば、図81aは、前述したキャップ1104に類似するキャップ1200を示している。この場合、キャップ1200は、キャップ1200から延びる作動突起1202、および、前述した弁アーム1122に類似する弁アーム(図示せず)の切り欠き部と係合するように構成される切り欠き部1204も含む。この実施形態において、キャップ1200は、図81bに示されるようなルアー1206を図82に示されるように開放端1208内に受けるように構成されて配置される。
[00561]ルアー1206は、フック部1210と、フィン部1212と、ねじ付き端部1214と、管端部1216とを含む。治療のためにポンプ装置およびカセット1218を使用する前に、ルアー1206のねじ付き端部1214がキャップ1200内に位置し、そのため、ねじ付き端部1214が治療用の患者ラインに接続される前にねじ付き端部1214の滅菌状態を維持するのに役立つ。ルアー1206の管端1216は、当該技術分野において知られる任意の手段によってカセット1218と関連付けられる管に接続されてもよい。例えば、カセット1218の管は、カセット1218の流出側でルアー1206の管端1216に嵌め込まれてもよい。したがって、患者がポンプ装置により治療を受けるため、ルアー1206をキャップ1200から引き出してねじ付き端部1214により患者ラインに接続しなければならない。ルアー1206のフィン部1212は、ルアー1206を患者ラインに取り付けるためにルアー1206を把持して回転させるのに役立つ。
[00562]先の実施形態と同様に、キャップ1200の作動突起1202は、カセットの管を通じた流体のフリーフローを制限するまたは許容するために弁アーム(図示せず)と係合するように構成されて配置されてもよい。この場合、キャップ1200の作動突起1202は、カセット1218の先端側の第1の開口1220内に挿入され、ここで前述したように作動突起1202の切り欠き部1204が弁アームの対応する後端切り欠き部と係合する。しかしながら、この実施形態では、ルアー1212およびキャップ1200の移動または外れを防止するための異なるストッパが設けられる。
[00563]例えば、(図82に示されるような)キャップ1200とルアー1206との組み合わせ後、ルアー1206のフック部1210が、図83に示されるような第1の開口1220に隣接するカセット1218の第2の開口1222内に挿入されてもよい。フック部1210は、第1の開口1220内へのキャップ1200の作動突起1202の挿入前に第2の開口1222内へ所定の角度を成して挿入されなければならない。フック部1210の大部分が第2の開口1220に挿入されると、作動突起1202を第1の開口1220内に挿入するための力をキャップ1200に印加できる。この形態では、フック部1210および挿入された作動突起1202がキャップ1200/ルアー1206の組み合わせの位置をカセット1218の先端に維持し、そのため、キャップ1200/ルアー1206の組み合わせが包装および送出中に外れず、これにより、弁アームの管遮断部は、管を通じた流体のフリーフローを遮断することができる。
[00564]前述したプロセスと同様に、患者がポンプ装置およびカセット1218を使用していつでも治療を開始できる状態にある場合には、患者がキャップ1200を引き上げるだけで、作動突起1202が第1の開口1220から外れて、キャップ1200の切り欠き部1204が弁アームの後側の切り欠き端から離脱し、それにより、弁アームがその支点を中心に僅かに回転してその付勢位置に戻ることができ、その結果、管(図示せず)を通じたフリーフローが防止される。その後、患者は、第2の開口1222からフック部1210を引張り出して、ねじ付き端部1214をキャップ1200から取り外し、ねじ付き端部1214を治療用の患者ラインにねじ込んでもよい。使用のためにポンプ装置内に挿入されると、ポンプ装置は、弁アームの後端に圧力を印加するための内部タブ部材が、弁アームをそのフリーフロー位置へ戻し、管の遮断を解除する。
[00565]図84〜図86は、注入療法のためにカセットと共に使用されてもよいフリーフロー防止アセンブリ1300の更なる他の実施形態を示している。図84に示されるように、フリーフロー防止機構1300は、弁アーム1304を有するカセット1302と、ルアー1306と、キャップ1308とを含む。この実施形態において、ルアー1306およびキャップ1308は、カセット1302の外側先端に配置されず、むしろ、カセット1302の上側内部に配置される。先の実施形態と同様に、ルアー1306およびキャップ1308はカセット1302の長手方向と平行に方向付けられる。しかしながら、この実施形態において、キャップ1308は、キャップ1308の長手方向に対して略垂直に延びる突起により弁アーム1304を作動させない。その代り、ルアー1306は、ルアー1306の長手方向と略平行に方向付けられる作動突起1310を含む。
[00566]弁アーム1304をフリーフロー位置に向けるため、作動突起1310がカセット1302の2つのブラケット状構造体1312のスロットに内に挿入され、それにより、弁アーム1304の後端1314が押し下げられ、その結果、弁アーム1304の前端1316が上方に引き上がることができ、これにより、流体がカセット1302の管を通じて流れることができる。作動突起1310の完全に挿入された位置が図85に示されている。
[00567]先に簡単に説明したように、図86の弁アーム1304は、図87に示されるカセット1302の接続要素1320と係合する略「C」形状の接続部1318を含む。接続要素1320は、カセット1302の凹部1322内に位置して、凹部1322の2つの対向する側面を結合する。一実施形態では、接続要素1320の形状が略円筒形であり、そのため、弁アーム1304の「C」形状の接続部1318を接続要素1320にスナップ嵌合させることができ、また、弁アーム1304が流体遮断位置とフリーフロー位置との間で揺動するときに接続部1318が接続要素1320の周囲で部分的に回転できる。
[00568]また、図86は弁アーム1304を示しており、該弁アームは、弁アームが流体遮断位置とフリーフロー位置との間で揺動するときに弁アーム1304の動きを安定させるために円形穴1326と結合する略円筒形状突起1324を更に含む。また、弁アーム1304は、同様の目的のためにカセット1302の長方形穴1330と結合する略長方形形状の突起1328も含む。
[00569]図86に示されるように、弁アーム1304は、カセット1302の切り欠き1334内に配置されるカセット管の位置を維持するように構成されて配置される管保持部1332を含んでもよい。保持部1332は本開示の全ての実施形態に示されていないが、当業者であれば分かるように、そのような構造は本開示に開示される任意の実施形態で使用されてもよい。また、保持部1332が略円筒状の形状として示されているが、当業者であれば分かるように、管保持部1332は、そのような形状に限定されず、保持構造として役立つ当該技術分野において知られる任意の形状を有してもよい。
[00570]また、図86に示されるように、弁アーム1304は、以下で詳しく説明するように、弁アーム1304の上側にストッパ1336を随意的に含んでもよい。一般的に言えば、弁アーム1304を、その付勢されたフリーフロー防止位置から、弁アーム1304の遮断部1332がカセット管を通じた流体の流れをもはや遮断しないように弁アーム1304の前端1316が引き上げられるそのフリーフロー位置へ揺動させるために、ストッパ1336は、弁アーム1304に圧力を及ぼすように構成されているポンプ装置の内部タブ部材(図示せず)と相互に作用するように構成される。
[00571]図88〜図90は、カセット1402と、弁アーム1404と、作動突起1408を有するルアー1406と、キャップ1410とを含むフリーフロー防止アセンブリ1400の更に他の実施形態を示している。図84〜図85と同様に、作動突起1408は、ルアー1406の長手方向と略平行に向けられるとともに、カセット1402の2つのブラケット状構造体1412のスロット内に挿入され、それにより、弁アーム1404の後端1414が押し下げられ、その結果、弁アーム1404の前端1416が上方に引き上がることができ、これにより、流体がカセット1402の管を通じて流れることができる。作動突起1408の完全に挿入された位置が図88に示されている。
[00572]しかしながら、図88〜図90に示される実施形態では、弁アーム1404が図86の弁アーム1304とは僅かに異なる。例えば、略円筒形状の突起1418および略長方形形状の突起1422に加えて、図88〜図90の弁アーム1404は、該弁アーム1404の下側にストッパ1426を含むとともに、カセット1402の対応する接続要素1430と協働する略「O」形状の接続部1428も含む。一実施形態において、弁アーム1304は、弁アーム1304の幅方向に分離される同軸の2つの「O」形状接続部1428を有する。
[00573]弁アーム1404を、その付勢されたフリーフロー防止位置から、弁アーム1404の遮断部1432がカセット管を通じた流体の流れをもはや遮断しないように弁アーム1404の前端1416が引き上げられるそのフリーフロー位置へ揺動させるために、ストッパ1426は、弁アーム1404に圧力を及ぼすように構成されているポンプ装置の内部タブ部材(図示せず)と相互に作用するように構成される。ポンプ装置のタブ部材がストッパ1426に当接すると、カセット1402が完全に挿入され、弁アーム1404の前部1416が完全に引き上げられる。
[00574]弁アーム1404の中央部分に近い弁アーム1404の位置にストッパ1426を配置することにより、ポンプ装置のタブ部材を、ポンプの外側部分の方へ配置されるのとは対照的に、ポンプ装置の中心へ向かう更に内側に配置することができる。ポンプ装置のタブ部材をポンプ装置の中心の方へ配置すると、タブ部材の不慮の破損および/または不測の破壊が防止される。
[00575]一実施形態において、弁アーム1404は、カセット1402の対応する接続要素1430と協働する略「O」形状の接続部1428を含む。この実施形態において、接続要素1430は、カセット1402の凹部1434の2つの側面を接続する1つの一体構造を備えていない。代わりに、接続要素1430は、カセット1402の凹部1434の2つの対向する側面に接続されまたは側面と一体に形成される2つの別個の構造体である。この場合、凹部1434内の接続要素1430間に空間が存在する。
[00576]「O」形状接続部1428は、弁アーム1404を有するカセット1402を製造するための製造プロセス中に接続要素1430と結合するように構成されて配置される。前述したように、一実施形態では、弁アーム1404が2つの「O」形状接続部1428を有してもよい。製造中、「O」形状接続部1428が互いの方へ向けて僅かに押圧され、それにより、各接続部が内側へ90°を超えて延びる。このとき、「O」形状接続部1428は、接続要素1430と位置合わせされるとともに、弁アーム1404の長手方向に対して略垂直なそれらの当初の付勢位置へ跳ね戻ることができる。「O」形状接続部1428と接続要素1430との結合の後、弁アーム1404は、前述した弁アームと同様の態様で動作して、流体流れ遮断位置とフリーフロー位置との間で揺動する。
[00577]図90に示されるように、弁アーム1404は、随意的に、カセット1402の切り欠き内に配置されるカセット管の位置を維持するように構成されて配置される管保持部1436を含んでもよい。保持部1436は本開示の全ての実施形態に示されていないが、当業者であれば分かるように、そのような構造は本開示に開示される任意の実施形態で使用されてもよい。また、保持部1436が略円筒状の形状として示されているが、当業者であれば分かるように、管保持部1436は、そのような形状に限定されず、保持構造として役立つ当該技術分野において知られる任意の形状を有してもよい。
[00578]言うまでもなく、本明細書中に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更および改良は当業者に明らかである。そのような変更および改良は、本主題の思想および範囲から逸脱することなく且つその意図される利点を損なうことなく行なうことができる。したがって、そのような変更および改良は添付の請求項によって網羅されるものである。