JP5701187B2 - 超音速燃焼器 - Google Patents

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Description

本発明は、超音速燃焼を行うスクラムジェットエンジン等の超音速燃焼器に関するものである。
超音速燃焼器内に高速で流れる空気流中に燃料を噴射し、着火/保炎をおこなうためには高度な技術を要し、これまでのアイデアとして、主燃料噴射ノズルと、補助燃料噴射ノズルとを備えた超音速燃焼器が考えられている(例えば、特許文献1参照)。この超音速燃焼器において、主燃料噴射ノズルは、超音速空気流に対して、主燃料を垂直に噴射している。また、補助燃料噴射ノズルは、形成された循環領域に向けて補助燃料を噴射している。このため、主燃料噴射ノズルの上流側における超音速空気流には、循環領域が形成される。形成された循環領域では、主流流速よりも低速流となり、滞留時間の増加および断熱変化を仮定した場合での温度上昇が期待でき、超音速燃焼器における着火/保炎性を向上させている。
特開平8−334213号公報
しかしながら、従来の超音速燃焼器では、主燃料噴射ノズルが、超音速空気流に対して、主燃料を垂直に噴射しているため、超音速空気流に強い衝撃波が発生する。強い衝撃波が発生すると、超音速空気流が流れる燃焼流路における圧力損失が大きくなるため、燃焼流路が熱閉塞し易くなる。つまり、従来の超音速燃焼器では、保炎性を向上できるものの、燃焼流路における圧力損失が大きいため、燃焼流路の熱閉塞が発生し易い。一方、燃焼流路における圧力損失を小さくすべく、超音速空気流に対して、主燃料噴射ノズルから噴射される主燃料を、超音速空気流の流れ方向に傾けて噴射する。この場合、燃焼流路における圧力損失を小さくすることができるため、超音速燃焼器は、熱閉塞の発生を抑制できるものの、循環領域が形成され難くなることから、保炎性が低下してしまう。
そこで、本発明は、熱閉塞の発生を抑制しつつ、保炎状態を維持することができる超音速燃焼器を提供することを課題とする。
本発明の超音速燃焼器は、吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路と、燃焼領域へ向けて主燃料噴射孔から主燃料を噴射可能な主燃料噴射手段と、燃焼領域へ向けてパイロット燃料噴射孔からパイロット燃料を噴射可能なパイロット燃料噴射手段と、を備え、パイロット燃料噴射手段は、パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成するようにパイロット燃料を噴射し、主燃料噴射手段は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に傾けて噴射することを特徴とする。
この構成によれば、パイロット燃料噴射手段により、パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成することができる。これにより、形成された循環流では、パイロット燃料と空気等の酸化剤とが混合しやすくなるため、保炎性を向上させることができる。このとき、主燃料噴射手段は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に傾けて噴射することにより、燃焼流路における圧力損失を小さくすることができるため、熱閉塞の発生を抑制することができる。
この場合、主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に対し、直交方向に並べて設けられ、主燃料噴射手段は、主燃料の噴射方向とガス流れ方向とが為す主燃料噴射角度が低角度となるように主燃料を噴射し、パイロット燃料噴射手段は、パイロット燃料の噴射方向とガス流れ方向とがなすパイロット燃料噴射角度が、主燃料噴射角度に比して大きい高角度となるようにパイロット燃料を噴射することが好ましい。
この構成によれば、パイロット燃料噴射角度を、主燃料噴射角度に比して大きくすることができる。このため、パイロット燃料噴射角度は主燃料噴射角度よりも大きいため、パイロット燃料噴射手段は、循環流を形成することができ、保炎性を向上させることができる。また、主燃料噴射角度はパイロット燃料噴射角度よりも小さいため、主燃料噴射手段は、燃焼流路における圧力損失を小さくすることができ、熱閉塞の発生を抑制することができる。
この場合、主燃料噴射角度は、60°未満であり、パイロット燃料噴射角度は、60°以上から90°以下であることが好ましい。
この構成によれば、主燃料噴射手段により噴射される主燃料の主燃料噴射角度を好適な噴射角度とすることができるため、燃焼流路における圧力損失を好適に低減することができる。また、パイロット燃料噴射手段により噴射されるパイロット燃料のパイロット燃料噴射角度を好適な噴射角度とすることができるため、循環流を好適に形成することができる。
この場合、パイロット燃料噴射孔は、隣接する一方の主燃料噴射孔と他方の主燃料噴射孔との間に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、パイロット燃料噴射孔周りにおいて保持された燃焼(保炎)により、隣接する主燃料噴射孔から噴射される主燃料へ着火することができる。このため、主燃料噴射孔周りにおける燃焼状態を好適に保持することができる。
この場合、主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に対し、直交方向に並べて設けられ、パイロット燃料噴射孔は、直交方向における開口幅が、直交方向における主燃料噴射孔の開口幅に比して広いことが好ましい。
この構成によれば、パイロット燃料噴射孔の開口幅を、主燃料噴射孔の開口幅に比して広くすることができる。このため、パイロット燃料噴射孔の開口幅は主燃料噴射孔の開口幅よりも広い分、パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成することができる。これにより、形成された循環流では、パイロット燃料と空気等の酸化剤とが混合しやすくなるため、パイロット燃料噴射手段は、保炎性を向上させることができる。
この場合、パイロット燃料噴射孔は、その開口が、直交方向を長手方向とする矩形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、パイロット燃料噴射孔の開口の吸気側に循環流を形成することができる。
この場合、主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に対し、直交方向に並べて設けられ、パイロット燃料噴射孔は、直交方向へ向けてパイロット燃料が噴射され、且つ噴射されたパイロット燃料が衝突するように、直交方向に対向させて一対設けられていることが好ましい。
この構成によれば、対向する一対のパイロット燃料噴射孔から噴射されたパイロット燃料を衝突させることにより、パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成することができる。これにより、形成された循環流では、パイロット燃料と空気等の酸化剤とが混合しやすくなるため、保炎性を向上させることができる。
この場合、パイロット燃料噴射孔は、主燃料噴射孔に対して、吸気側に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、パイロット燃料噴射孔が主燃料噴射孔の吸気側に設けられることで、パイロット噴射により発生する衝撃波によって、パイロット燃料噴射孔周りの燃焼領域が排気側へ拡散する。これにより、パイロット燃料噴射孔周りにおいて保持された燃焼(保炎)により、主燃料噴射孔から噴射される主燃料へ着火する場合、パイロット燃料噴射孔周りの燃焼領域が排気側へ拡散することから、主燃料への着火を広域に亘って行うことができる。
この場合、主燃料噴射手段およびパイロット燃料噴射手段を制御する噴射制御手段をさらに備え、噴射制御手段は、燃焼領域において保炎状態となる場合、パイロット燃料噴射手段によるパイロット燃料の噴射を停止させることが好ましい。
この構成によれば、主燃料の燃焼が保持されている状態で、パイロット燃料の噴射を停止することができる。このため、パイロット噴射によって生じる圧力損失を低減でき、これにより、燃焼流路における圧力損失をさらに小さくすることができるため、熱閉塞の発生をより抑制することができる。
本発明の超音速燃焼器によれば、パイロット燃料噴射手段によりパイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成することができ、主燃料噴射手段によりガス流れ方向に傾けて噴射することができるため、熱閉塞の発生を抑制しつつ、保炎状態を維持することができる。
図1は、実施例1に係る超音速燃焼器を搭載した超音速航空機である。 図2は、超音速燃焼器の概略構成図である。 図3は、超音速燃焼器の燃料噴射部周りの模式図である。 図4は、主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。 図5は、超音速燃焼器の燃料噴射部周りの断面図である。 図6は、超音速燃焼器の制御部による制御動作に関するフローチャートである。 図7は、変形例1に係る超音速燃焼器の主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。 図8は、実施例2に係る超音速燃焼器の主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。 図9は、実施例3に係る超音速燃焼器の主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の超音速燃焼器について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
実施例1に係る超音速燃焼器は、例えば、スクラムジェットエンジンであり、超音速航空機に搭載されている。先ず、図1および図2を参照して、超音速航空機に搭載された超音速燃焼器について説明する。
図1は、実施例1に係る超音速燃焼器を搭載した超音速航空機であり、図2は、超音速燃焼器の概略構成図である。超音速燃焼器5は、超音速航空機1の進行方向に対して、前方側が吸気側となっており、後方側が排気側となっている。このため、超音速燃焼器5は、前方側から空気を取り込み、取り込んだ空気を酸化剤として燃料を燃焼させ、後方側から燃焼したガスを排気することで、超音速航空機1の推進力を得ている。
超音速燃焼器5は、超音速燃焼が可能な構成となっており、超音速航空機1の底面に設けられたカウル10と、カウル10の内部に設けられたストラット11とを有している。カウル10とストラット11との間には、吸気側から排気側にかけて燃焼流路Rが、ストラット11を挟んで両側に形成されている。この燃焼流路Rは、取り込んだ空気のガス流れ方向が、吸気側から排気側へ向かう方向となっている。
燃焼流路Rは、吸気部15と、スロート部16と、排気部17とを有している。吸気部15は、その流路幅が、吸気側から排気側へ向けて狭くなるように形成されている。排気部17は、その流路幅が、吸気側から排気側へ向けて広くなるように形成されている。スロート部16は、その流路幅が、吸気部15および排気部17に比して狭くなっている。この燃焼流路Rには、取り込んだ空気と燃料とが混合した混合気を燃焼させる燃焼領域Sが形成され、燃焼領域Sは、スロート部16から排気部17にかけて形成される。
これにより、超音速航空機1が超音速で航行すると、超音速燃焼器5は、吸気側から取り込まれる空気が超音速となった状態で燃焼を行うことにより、超音速燃焼が行われることとなる。
また、超音速燃焼器5は、燃焼領域Sへ向けて燃料を噴射する燃料噴射部21と、燃焼領域Sにおける燃焼状態を検出する検出部22と、検出部22による検出結果に基づいて燃料噴射部21を制御可能な制御部(噴射制御手段)23と、を備え、燃料噴射部21および検出部22は、燃焼流路Rの両側にそれぞれ設けられている。
ここで、図3ないし図5を参照して、片側の燃焼流路Rにおける燃料噴射部21について説明する。図3は、超音速燃焼器の燃料噴射部周りの模式図であり、図4は、主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図であり、図5は、超音速燃焼器の燃料噴射部周りの断面図である。
燃料噴射部21は、燃料チャンバ24と、主燃料噴射ノズル25と、パイロット燃料噴射ノズル26と、パイロット燃料噴射停止弁27とを有している。燃料チャンバ24は、各噴射ノズル25,26へ向けて供給される液体水素等の燃料が流通する燃流供給流路の一部を構成している。
主燃料噴射ノズル25は、中空円柱状に形成され、その一方が燃料チャンバ24に接続され、その他方がストラット11の外壁面に接続されている。主燃料噴射ノズル25が接続されるストラット11の外壁面には、主燃料噴射孔28が形成され、主燃料噴射ノズル25は、主燃料噴射孔28と連通している。そして、主燃料噴射ノズル25および主燃料噴射孔28は、複数設けられており、複数の主燃料噴射ノズル25は、ストラット11の外壁面に並べて設けられた複数の主燃料噴射孔28を介して、主燃料を噴射する。
パイロット燃料噴射ノズル26は、主燃料噴射ノズル25と同様に、中空円柱状に形成され、その一方が燃料チャンバ24に接続され、その他方がストラット11の外壁面に接続されている。パイロット燃料噴射ノズル26が接続されるストラット11の外壁面には、パイロット燃料噴射孔29が形成され、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射孔29と連通している。そして、パイロット燃料噴射ノズル26およびパイロット燃料噴射孔29は、1つ設けられており、パイロット燃料噴射ノズル26は、ストラット11の外周面に設けられた1つのパイロット燃料噴射孔29を介して、パイロット燃料を噴射する。なお、実施例1では、パイロット燃料噴射孔29を1つ設けたが、少なくとも1つであればよく、複数設けられていてもよい。つまり、パイロット燃料噴射孔29は、主燃料噴射孔28よりも少数となっている。
主燃料噴射ノズル25は、主燃料の噴射方向とガス流れ方向とが為す主燃料噴射角度θaが、30°となっている。このため、主燃料噴射孔28は、その開口が楕円形状となっている。そして、主燃料噴射ノズル25は、ガス流れ方向に傾けて主燃料を噴射するため、ガス流れ方向の直交方向に主燃料を噴射した場合に比して、燃焼流路Rに発生する圧力損失を抑制することができる。
パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料の噴射方向とガス流れ方向とが為すパイロット燃料噴射角度θbが、90°、すなわち直角となっている。このため、パイロット燃料噴射孔29は、その開口が円形状となっている。これにより、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射角度θbが、主燃料噴射角度θaに比して高角度となる。換言すれば、主燃料噴射ノズル25は、主燃料噴射角度θaが、パイロット燃料噴射角度θbに比して低角度となる。そして、パイロット燃料噴射ノズル26は、ガス流れ方向の直交方向にパイロット燃料を噴射するため、パイロット燃料噴射孔29の吸気側に、循環流を形成することができる。
なお、実施例1では、主燃料噴射ノズル25の主燃料噴射角度θaを30°としたが、60°未満であればよい。つまり、主燃料噴射角度θaの低角度とは、60°未満である。また、実施例1では、パイロット燃料噴射ノズル26のパイロット燃料噴射角度θbを90°としたが、60°以上90°以下であればよい。つまり、パイロット燃料噴射角度θbの高角度とは、60°以上90°以下である。
また、図4に示すように、複数の主燃料噴射孔28およびパイロット燃料噴射孔29は、ガス流れ方向に対して直交する直交方向に並べて設けられている。このとき、パイロット燃料噴射孔29は、隣接する一方の主燃料噴射孔28と他方の主燃料噴射孔28との間に設けられている。そして、複数の主燃料噴射孔28およびパイロット燃料噴射孔29は、直交方向において等間隔に設けられている。また、パイロット燃料噴射孔29は、主燃料噴射孔28に対し、僅かに吸気側に寄せて配置されている。このとき、パイロット燃料噴射孔29は、パイロット燃料噴射孔29と隣接する主燃料噴射孔28とを結ぶ方向とガス流れ方向とが為す角度αが「α=tan−1(1/Ma)」となるように配置される。なお、Maは、超音速燃焼器5の定格運転時における燃焼流路Rでのマッハ数である。
パイロット燃料噴射停止弁27は、パイロット燃料噴射孔29を閉塞する閉塞ロッド31と、閉塞ロッド31を開弁位置L1と閉弁位置L2との間で移動させるアクチュエータ32とを有している。閉塞ロッド31は、その先端がテーパー形状となっている。また、閉塞ロッド31の先端が挿入されるパイロット燃料噴射ノズル26は、閉塞ロッド31の先端と相補的形状となるテーパー形状になっている。
閉塞ロッド31は、アクチュエータ32により、開弁位置L1に位置すると、パイロット燃料噴射孔29を開放することで、パイロット燃料の噴射を許容する。一方、閉塞ロッド31は、アクチュエータ32により、閉弁位置L2に位置すると、パイロット燃料噴射孔29を閉塞することで、パイロット燃料の噴射を停止する。また、閉塞ロッド31は、閉弁位置L2に位置した状態において、ストラット11の外壁面と面一になるよう形成されている。このため、パイロット燃料噴射孔29は、パイロット燃料の噴射停止状態において、ガス流れを乱すことがない。アクチュエータ32は、制御部23に接続され、制御部23は、アクチュエータ32を制御し、閉塞ロッド31を開弁位置L1または閉弁位置L2に移動させることで、パイロット燃料の噴射を許容または停止させている。
検出部22は、圧力センサまたは温度センサ等を用いて構成され、燃焼領域Sにおける燃焼状態を検出している。検出部22は、制御部23に接続され、制御部23は、検出部22の検出結果に基づいて、燃料噴射部21の制御を行う。
制御部23は、検出部22によって検出した燃焼領域Sの燃焼状態に応じて、燃料噴射部21を制御している。以下、図6を参照して、制御部23による制御動作について説明する。図6は、超音速燃焼器の制御部による制御動作に関するフローチャートである。
制御部23は、燃焼流路Rの吸気側におけるガス流れが超音速になると(マッハに達すると)、超音速燃焼器5の制御を開始する(ステップS1)。制御部23は、超音速燃焼器5の制御を開始すると、先ず、主燃料噴射ノズル25から主燃料を噴射し、パイロット燃料噴射停止弁27を開弁させてパイロット燃料噴射ノズル26からパイロット燃料を噴射する(ステップS2)。噴射された主燃料およびパイロット燃料は、自然着火、または各噴射孔28,29回りに設けられた点火装置を用いて燃焼させる。
この後、制御部23は、検出部22により燃焼領域Sにおける燃焼状態が安定的に保持されているか否か、すなわち保炎状態となっているか否かを判定する(ステップS3)。制御部23は、ステップS3において、保炎状態となっていると判定すると(ステップS3:Yes)、パイロット燃料噴射停止弁27を閉弁させてパイロット燃料の噴射を停止する(ステップS4)。一方、制御部23は、ステップS3において、保炎状態となっていないと判定すると(ステップS3:No)、パイロット燃料の噴射を継続する(ステップS5)。
制御部23は、ステップS4またはステップS5の実行後、超音速燃焼器5の制御を終了するか否かを判定する(ステップS6)。制御部23は、例えば、燃焼流路Rの吸気側におけるガス流れがマッハ未満である場合、または超音速燃焼器5の制御を終了する旨の信号を取得した場合、超音速燃焼器5の制御を終了する。制御部23は、超音速燃焼器5の制御を終了すると判定すると(ステップS6:Yes)、超音速燃焼器5の制御を終了する(ステップS7)。一方で、制御部23は、超音速燃焼器5の制御を終了しないと判定すると(ステップS6:No)、ステップS3に進む。
以上のように、実施例1の構成によれば、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射角度θbを直角とすることができるため、パイロット燃料噴射孔29の吸気側に循環流を形成することができる。これにより、形成された循環流では、パイロット燃料と空気等の酸化剤とが混合しやすくなるため、保炎性を向上させることができる。また、主燃料噴射ノズル25は、ガス流れ方向に傾けて主燃料を噴射することができるため、燃焼流路Rにおける圧力損失を小さくすることができ、熱閉塞の発生を抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、パイロット燃料噴射孔29を、隣接する一方の主燃料噴射孔28と他方の主燃料噴射孔28との間に設けることができるため、パイロット燃料噴射孔29周りにおいて保持された燃焼状態を、隣接する主燃料噴射孔28へ向けて広げることができる。このため、パイロット燃料噴射ノズル26は、主燃料噴射孔28から噴射される主燃料に、好適に着火させることができる。
また、実施例1の構成によれば、パイロット燃料噴射孔29を、主燃料噴射孔28に対して、吸気側に設けることができるため、パイロット燃料噴射孔29周りにおいて保持された燃焼状態を、排気側の主燃料噴射孔28へ向けて拡散させることができる。このため、パイロット燃料噴射ノズル26は、主燃料噴射孔28から噴射される主燃料に、好適に着火させることができる。
また、実施例1の構成によれば、制御部23は、燃焼領域Sにおいて保炎状態となると、パイロット燃料の噴射を停止させることができるため、パイロット噴射によって生じる圧力損失を低減できる。これにより、制御部23は、主燃料の燃焼時において、燃焼流路Rにおける圧力損失をより小さくすることができるため、熱閉塞の発生をさらに抑制することができる。
なお、実施例1では、燃料チャンバ24に、主燃料噴射ノズル25およびパイロット燃料噴射ノズル26が接続されていたため、制御部23は、超音速燃焼器5の制御開始時において、主燃料およびパイロット燃料を噴射した。しかしながら、燃料チャンバ24の内部が、主燃料噴射ノズル25およびパイロット燃料噴射ノズル26のそれぞれに燃料を供給可能に区画されていれば、制御部23は、超音速燃焼器5の制御開始時において、パイロット燃料のみを噴射してもよい。
また、実施例1では、パイロット燃料噴射孔29を、主燃料噴射孔28に対し、僅かに吸気側に寄せて配置したが、この構成に限らず、図7に示す変形例1のように構成してもよい。図7は、変形例1に係る超音速燃焼器の主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。変形例1では、複数の主燃料噴射孔28が並べられた直交方向と同一直線上となるように、パイロット燃料噴射孔29を配置している。
次に、図8を参照して、実施例2に係る超音速燃焼器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。図8は、実施例2に係る超音速燃焼器の主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。実施例1の超音速燃焼器5では、主燃料噴射孔28の直交方向における開口幅とパイロット燃料噴射孔29の直交方向における開口幅とが同幅となっていたが、実施例2の超音速燃焼器50では、パイロット燃料噴射孔51の直交方向における開口幅が、主燃料噴射孔28の直交方向における開口幅に比して広くなっている。
図8に示すように、実施例2におけるパイロット燃料噴射孔51は、その開口が矩形状となっており、矩形の長手方向が、ガス流れ方向に直交する直交方向となっている。このため、燃焼流路Rのガス流れは、パイロット燃料噴射孔51において剥離が生じ易くなり、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射孔51の吸気側に循環流を形成することができる。また、パイロット燃料噴射孔51は、実施例1と同様に、主燃料噴射孔28に対し、僅かに吸気側に寄せて配置されている。なお、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射角度θbが90°以下であればよく、限定されない。
以上のように、実施例2の構成においても、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射孔51の吸気側に循環流を形成することができる。これにより、形成された循環流では、パイロット燃料と空気等の酸化剤とが混合しやすくなるため、保炎性を向上させることができる。
次に、図9を参照して、実施例3に係る超音速燃焼器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。図9は、実施例3に係る超音速燃焼器の主燃料噴射孔およびパイロット燃料噴射孔の平面図である。実施例1の超音速燃焼器5では、1つのパイロット燃料噴射孔29からパイロット燃料を噴射していたが、実施例3の超音速燃焼器60では、対向する一対のパイロット燃料噴射孔61からパイロット燃料を噴射している。
図9に示すように、実施例3における一対のパイロット燃料噴射孔61は、直交方向に対向させて配置されている。このため、一対のパイロット燃料噴射孔61から噴射されたパイロット燃料が衝突することで、パイロット燃料噴射孔61の吸気側に循環流を形成することができる。また、一対のパイロット燃料噴射孔61は、実施例1と同様に、主燃料噴射孔28に対し、僅かに吸気側に寄せて配置されている。なお、パイロット燃料噴射ノズル26は、パイロット燃料噴射角度θbが90°以下であればよく、限定されない。
以上のように、実施例3の構成においても、パイロット燃料噴射ノズル26は、一対のパイロット燃料噴射孔61の吸気側に循環流を形成することができる。これにより、形成された循環流では、パイロット燃料と空気等の酸化剤とが混合しやすくなるため、保炎性を向上させることができる。
1 超音速航空機
5 超音速燃焼器
10 カウル
11 ストラット
15 吸気部
16 スロート部
17 排気部
21 燃料噴射部
22 検出部
23 噴射制御部
24 燃料チャンバ
25 主燃料噴射ノズル
26 パイロット燃料噴射ノズル
27 パイロット燃料噴射停止弁
28 主燃料噴射孔
29 パイロット燃料噴射孔
31 閉塞ロッド
32 アクチュエータ
50 超音速燃焼器(実施例2)
51 パイロット燃料噴射孔(実施例2)
60 超音速燃焼器(実施例3)
61 パイロット燃料噴射孔(実施例3)
R 燃焼流路
S 燃焼領域
θa 主燃料噴射角度
θb パイロット燃料噴射角度
α 角度
L1 開弁位置
L2 閉弁位置

Claims (8)

  1. 吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路と、
    前記燃焼領域へ向けて主燃料噴射孔から主燃料を噴射可能な主燃料噴射手段と、
    前記燃焼領域へ向けてパイロット燃料噴射孔からパイロット燃料を噴射可能なパイロット燃料噴射手段と、を備え、
    前記パイロット燃料噴射手段は、前記パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成するように前記パイロット燃料を噴射し、
    前記主燃料噴射手段は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に傾けて噴射し、
    前記主燃料噴射孔および前記パイロット燃料噴射孔は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に対し、直交方向に並べて設けられ、
    前記パイロット燃料噴射孔は、隣接する一方の前記主燃料噴射孔と他方の前記主燃料噴射孔との間に設けられていることを特徴とする超音速燃焼器。
  2. 前記主燃料噴射手段は、前記主燃料の噴射方向と前記ガス流れ方向とが為す主燃料噴射角度が低角度となるように前記主燃料を噴射し、
    前記パイロット燃料噴射手段は、前記パイロット燃料の噴射方向と前記ガス流れ方向とがなすパイロット燃料噴射角度が、前記主燃料噴射角度に比して大きい高角度となるように前記パイロット燃料を噴射することを特徴とする請求項1に記載の超音速燃焼器。
  3. 前記主燃料噴射角度は、60°未満であり、
    前記パイロット燃料噴射角度は、60°以上から90°以下であることを特徴とする請求項2に記載の超音速燃焼器。
  4. 吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路と、
    前記燃焼領域へ向けて主燃料噴射孔から主燃料を噴射可能な主燃料噴射手段と、
    前記燃焼領域へ向けてパイロット燃料噴射孔からパイロット燃料を噴射可能なパイロット燃料噴射手段と、を備え、
    前記パイロット燃料噴射手段は、前記パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成するように前記パイロット燃料を噴射し、
    前記主燃料噴射手段は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に傾けて噴射し、
    前記主燃料噴射孔および前記パイロット燃料噴射孔は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に対し、直交方向に並べて設けられ、
    前記パイロット燃料噴射孔は、前記直交方向における開口幅が、前記直交方向における前記主燃料噴射孔の開口幅に比して広いことを特徴とする超音速燃焼器。
  5. 前記パイロット燃料噴射孔は、その開口が、前記直交方向を長手方向とする矩形状に形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音速燃焼器。
  6. 吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路と、
    前記燃焼領域へ向けて主燃料噴射孔から主燃料を噴射可能な主燃料噴射手段と、
    前記燃焼領域へ向けてパイロット燃料噴射孔からパイロット燃料を噴射可能なパイロット燃料噴射手段と、を備え、
    前記パイロット燃料噴射手段は、前記パイロット燃料噴射孔の吸気側に循環流を形成するように前記パイロット燃料を噴射し、
    前記主燃料噴射手段は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に傾けて噴射し、
    前記主燃料噴射孔および前記パイロット燃料噴射孔は、吸気側から排気側へ流れるガス流れ方向に対し、直交方向に並べて設けられ、
    前記パイロット燃料噴射孔は、前記直交方向へ向けて前記パイロット燃料が噴射され、且つ噴射された前記パイロット燃料が衝突するように、前記直交方向に対向させて一対設けられていることを特徴とする超音速燃焼器。
  7. 前記パイロット燃料噴射孔は、前記主燃料噴射孔に対して、吸気側に設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の超音速燃焼器。
  8. 前記主燃料噴射手段および前記パイロット燃料噴射手段を制御する噴射制御手段をさらに備え、
    前記噴射制御手段は、前記燃焼領域において保炎状態となる場合、前記パイロット燃料噴射手段による前記パイロット燃料の噴射を停止させることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の超音速燃焼器。
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