JP5700340B2 - 皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚の炎症または傷害、特に、紫外線照射に起因する皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤、および該予防または抑制剤を含み、化粧品または医薬として有用な組成物に関する。
紫外線は、皮膚を構成する線維芽細胞や角化細胞のDNAを損傷し、遺伝子変異による直接的な発がんの原因となる(直接的効果)。さらに、紫外線により細胞内の水が電離されることにより生じた活性酸素が、タンパク質や脂質を変性ないし失活させ、皮膚組織に損傷をもたらす(間接的効果)。紫外線(近紫外線)は、波長によりA波(UVA:320〜400nm)、B波(UVB:320〜280nm)、およびC波(UVC:<280nm)に細分され、生体に対する影響がそれぞれ異なっている。
UVAの皮膚に対する効果は、間接的効果が主であり、コラーゲンなど真皮の細胞外マトリックスを構成するタンパク質が活性酸素により変性され、皮膚のしわ、たるみ、弾力低下等の原因となる。これらは皮膚の光老化と呼ばれ、加齢に伴う生理的な皮膚の老化とは区別される。
一方、UVBは、UVAよりも大きなエネルギーを持ち、その波長が、DNAが極大吸収を示す260nmに近いため、DNAに直接的に損傷を与える。また、角化細胞にUVBが照射されると、炎症性サイトカインであるインターロイキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−6(IL−6)、腫瘍壊死因子α(TNF−α)等の発現が誘導され、炎症反応が起こる。この反応は、本来、組織侵襲に対する生体防御の一環として行われるものであり、生体の恒常性の維持に必要なものである。しかし、過剰な炎症反応は、炎症担当細胞(好中球やマクロファージ等)の過度の集中による活性酸素の過剰産生をもたらし、皮膚組織を傷害する結果となる。
UVCは、UVBよりもさらに大きなエネルギーを持ち、DNAに損傷を与える。また、培養角化細胞にアポトーシスを誘導することが報告されているが、生体の皮膚に照射された場合、表皮の角質層までしか到達しないため、細胞分裂が行われる基底部角化細胞を損傷するリスクは低いと考えられている。
このように、皮膚組織は紫外線照射により損傷を受けるが、太陽光に含まれるUVBの99%以上は成層圏に存在するオゾン層に吸収されて地表には到達しない。また、UVCは完全にオゾン層に吸収され、地表には全く到達しない。しかし、冷却器機の冷媒や電子基板の清浄剤として近年まで用いられてきたフロンガスは、分解されないまま成層圏に到達し、オゾンを分解する。その結果、1980年代以降、高緯度地域において経年的な成層圏オゾン量の減少が観測されてきた。かかるオゾン層の破壊により、地表におけるUVBの量が増加すると共に、UVCが地表に到達することとなり、紫外線による皮膚傷害や光老化のリスクの増大が問題視されている。2000年代以降、世界各国でフロンガス使用に対する規制が本格化した結果、新規に生産されるフロンガス量は激減し、極地におけるオゾンホールは漸減傾向にある。しかしながら、現在のペースでは、フロンガスの危険性が認識されるようになった1980年代のレベルまでオゾン層が回復するのは今世紀半ば以降になると予測されている。したがって、高緯度地域を中心に、紫外線による皮膚傷害や光老化を抑制する物質に対する社会的ニーズは、今後も高いまま持続するものと考えられる。
紫外線照射による皮膚の傷害を防止する方法の一つは、活性酸素の発生を抑制するか、または発生した活性酸素を除去することである。活性酸素の産生を抑制する既知の生体物質としては、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)等の酵素群、トランスフェリン、ラクトフェリン等の鉄イオンを捕捉するタンパク質、カロチノイド等の天然高分子(色素)が知られている。一例として、SODを皮膚に投与すると、紫外線照射による光老化が抑制されることが知られている(特許文献1)。しかしながら、GSTやSOD等の酵素はタンパク質であるため、常温では分解ないし失活し易く、皮膚外用剤としての長期保存が困難であるという問題を有している。また、グルタチオン誘導体は悪臭があり、皮膚外用剤としての使用には適さない。
一方、発生した活性酸素が標的分子を攻撃する前にこれを捕捉して安定化または除去する作用を有する、いわゆる抗酸化物質としては、アスコルビン酸(ビタミンC)、アルブミン、トコフェロール(ビタミンE)等の天然物質がよく知られている。これらのうち、最も広範に用いられる抗酸化物質はアスコルビン酸およびその誘導体である。さらに、植物由来の成分であるポリフェノール類も、抗酸化作用を有することが知られている。
紫外線照射による皮膚の傷害を防止する別の方法としては、紫外線照射により誘導される皮膚の炎症反応を抑制することが挙げられる。炎症反応の抑制により、活性酸素の過剰産生が回避され、皮膚傷害の発生が防止される。
皮膚の炎症反応を抑制する有効な方法の一つは、炎症性サイトカインの産生を抑制するか、またはこれを不活性化することである。前者の例としては、メルク(カルビオケム)社から発売されているp38MAPキナーゼの阻害剤SB203580およびSB220025が挙げられる。これらの阻害剤は、角化細胞の細胞内情報伝達経路において、炎症性サイトカインの上流に位置するp38MAPキナーゼの活性を抑制するため、炎症性患者の治療薬として有用である。後者の例としては、炎症性サイトカインの一つであるTNF−αの拮抗体を含む組成物を皮膚等に適用する方法が開発されている(特許文献2)。
また、皮膚用の抗炎症剤として、様々なステロイド系または非ステロイド系抗炎症剤が開発されている。しかし、効果が顕著なステロイド系抗炎症剤は、長期間の投与により皮膚の劣化、副腎皮質機能の抑制等の副作用を示すことが報告されている。
乳酸菌の菌体や細胞壁、および特定の条件で培養した乳酸菌培養物には、紫外線照射に起因する皮膚の炎症や炎症性サイトカインの産生を抑制する作用があることが知られている。例えば、特許文献3には、乳酸菌の菌体または細胞壁を実験動物の皮膚に塗布することで、紫外線照射による紅斑の発生が抑制されたことが記載されている。また、特許文献4には、ヤエナリ抽出物およびグルタミン酸モノナトリウムを含む培地中で乳酸菌を培養することにより得られる、ヤエナリ抽出物及びギャバを含有することを特徴とする乳酸菌培養物が、ヒト由来の角化細胞において、UVB照射により発現誘導されるIL−6の産生を抑制したことが記載されている。しかしながら、これら乳酸菌の菌体や細胞壁、および特定の乳酸菌培養物に関しては、紅斑の発生やIL−6の産生を抑制する活性成分が特定されていない。そのため、皮膚への適用に際しては、乳酸菌の菌体もしくは細胞壁または乳酸菌培養物をそのまま用いるほかなく、皮膚外用剤として製剤化することは困難である。
特許第2667959号公報 特許第3630486号公報 特開平5−17363号公報 特表2009−501160号公報
本発明の目的は、紫外線照射等に起因する皮膚の炎症または傷害を予防または抑制することができる化合物を含み、副作用が少なく、かつ、外用剤としての利用に適した、皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、特定の構造を有するカルボン酸が、紫外線照射により誘導される炎症メディエーターの産生を抑制する作用、MAPキナーゼの活性化を抑制する作用、およびシクロオキシゲナーゼ(Cox)の産生を抑制する作用を有し、紫外線照射に起因する皮膚の炎症または傷害を予防または抑制するのに有効な化合物であることを見出した。
すなわち、本発明は、式(I)の化合物を含む、皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤を提供する:

Z−A−COOH

(I)

[式中、
Zは水素であるか、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基もしくは複素環基であり、
Aは置換基を有してもよい飽和または不飽和炭化水素基である]。
本発明はまた、式(I)の化合物を含む、炎症メディエーター産生抑制剤を提供する:

Z−A−COOH

(I)

[式中、
Zは水素であるか、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基もしくは複素環基であり、
Aは置換基を有してもよい飽和または不飽和炭化水素基である]。
本発明はまた、式(I)の化合物を含む、MAPキナーゼ活性化抑制剤を提供する:

Z−A−COOH

(I)

[式中、
Zは水素であるか、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基もしくは複素環基であり、
Aは置換基を有してもよい飽和または不飽和炭化水素基である]。
本発明はまた、式(I)の化合物を含む、シクロオキシゲナーゼ産生抑制剤を提供する:

Z−A−COOH

(I)

[式中、
Zは水素であるか、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基もしくは複素環基であり、
Aは置換基を有してもよい飽和または不飽和炭化水素基である]。
さらに、本発明は、上記皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤、上記炎症メディエーター産生抑制剤、上記MAPキナーゼ活性化抑制剤、または上記シクロオキシゲナーゼ産生抑制剤を含む化粧品または医薬組成物を提供する。また、本発明は、上記皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤、上記炎症メディエーター産生抑制剤、上記MAPキナーゼ活性化抑制剤、または上記シクロオキシゲナーゼ産生抑制剤が配合された機能性飲食品を提供する。
本発明の皮膚の炎症または傷害の予防または抑制剤(以下、単に「本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤」とも称する)は、これを皮膚に塗布することにより、紫外線照射等に起因する皮膚の炎症反応を抑制し、炎症メディエーター(活性酸素、炎症性サイトカイン、プロテアーゼ、プロスタグランジン等)の過剰産生を防止すること、MAPキナーゼの過剰活性化を防止すること、およびシクロオキシゲナーゼの過剰産生を防止することができる。その結果、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤は、紫外線照射等に起因する皮膚傷害の発生を予防ないし軽減することができる。また、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤の有効成分である式(I)の化合物は、常温で長期保存することが可能であり、かつ、不快な臭気も有さない。したがって、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤は、紫外線等から皮膚を保護する化粧品や医薬品として利用することができ、特に外用剤の形態に適するものである。
図1は、3−インドール乳酸のUV照射によるインターロイキン6産生抑制効果を示す。各群の検体数は3である。エラーバーは標準偏差を示す。 図2は、4−ヒドロキシフェニル乳酸のUV照射によるインターロイキン6産生抑制効果を示す。各群の検体数は3である。エラーバーは標準偏差を示す。 図3は、ピルビン酸および4−ヒドロキシフェニルピルビン酸のUV照射によるインターロイキン6産生抑制効果を示す。各群の検体数は3である。エラーバーは標準偏差を示す。 図4は、ピルビン酸のUV照射によるインターロイキン1β産生抑制効果を示す。各群の検体数は3である。エラーバーは標準偏差を示す。 図5は、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸および3−インドール乳酸のUV照射によるヘアレスマウスの経皮水分蒸散抑制効果を示す。図中の P<0.05 および P<0.01 は、両側t検定によりそれぞれ有意水準5%および1%で有意差が認められたことを示す。 図6A−Dは、UV非照射または照射24時間後のピルビン酸非存在または存在下での細胞の写真を示す。図6Eは、これらの相対細胞数を示す。図6E中の****は、両側t検定において、有意水準0.01%で有意差が認められたことを示す。 図7Aは、UV非照射または照射後のピルビン酸存在下、アスコルビン酸存在下、または両方の非存在下でのCox2およびGAPDHの発現量を示す。図7Bは、UV非照射または照射後のピルビン酸非存在または存在下でのプロスタグランジンE2の濃度を示す。図7B中の****は、両側t検定において、有意水準0.01%で有意差が認められたことを示す。 図8は、UV非照射または照射後のピルビン酸非存在または存在下でのリン酸化p38MAPKおよび非リン酸化p38MAPKの発現量を示す。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤またはシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤の有効成分である式(I)(Z−A−COOH)の化合物において、Zは、水素であるかまたは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基もしくは複素環基であり、Aは、置換基を有してもよい飽和または不飽和炭化水素基である。以下、式(I)の化合物の構造について、より詳細に説明する。
式(I)のZに相当する複素環基としては、インドリル基、イソインドリル基、インドリニル基、イソインドリニル基等が挙げられ、インドリル基が好ましい。該複素環基が有してもよい置換基としては、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられる。
好ましくは、式(I)のZに相当する複素環基は、下記式(Ia)で表される基である:


(Ia)

[式中、R、RおよびRは同一でも異なってもよく、各々独立に、水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルケニル、C1−4アルコキシおよびアミノからなる群より選択される基である]。また、式(Ia)において、R、RおよびRは全て水素であることが好ましい。
式(I)のZに相当する芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。該芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられる。
好ましくは、式(I)のZに相当する芳香族炭化水素基は、下記式(Ib)で表される基である:

(Ib)

[式中、Rは水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルケニル、C1−4アルコキシおよびアミノからなる群より選択される基である]。また、式(Ib)において、Rはヒドロキシ基であることが好ましく、4−ヒドロキシ基であることがより好ましい。
式(I)のAに相当する炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基等が挙げられ、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよい。また、該炭化水素基は、炭素数が1〜8であるものが好ましく、炭素数が1〜4であるものがより好ましく、炭素数が2であるものがさらに好ましい。式(I)のAに相当する炭化水素基が有してもよい置換基としては、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノ基等が挙げられる。
好ましくは、式(I)のAに相当する炭化水素基は、ヒドロキシ基またはオキソ基を有する炭素数1〜4のアルキレン基であり、より好ましくは −CHCH(OH)− または −CHC(=O)− である。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤またはシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤の有効成分として好ましい式(I)の化合物の例は、3−インドール乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、ピルビン酸および4−ヒドロキシフェニルピルビン酸である。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤の適用対象となる炎症または傷害としては、紫外線照射、外傷、細菌または真菌の感染などの様々な要因によって引き起こされるものが挙げられ、好ましくは紫外線照射に起因するものである。該炎症または傷害の部位は特に限定されないが、好ましくは皮膚であり、より好ましくは表皮である。即ち、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤の適用対象は、好ましくは皮膚の炎症または傷害であり、より好ましくは、紫外線照射に起因する表皮の炎症または傷害である。
また、炎症性サイトカインや活性酸素等の炎症メディエーターを介して生じる炎症または傷害に対しては、その発生原因や部位に関わらず、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤を好適に使用することができる。
本発明の炎症メディエーター産生抑制剤は、特に、炎症性サイトカインおよびプロスタグランジンの産生を抑制するものである。本発明の炎症メディエーター産生抑制剤を用いて産生を抑制することができる炎症性サイトカインとしては、IL−6、IL−1β、TNF−α、インターロイキン8(IL−8)、インターフェロンγ(IFN−γ)等が挙げられ、好ましくはIL−6および/またはIL−1βである。また、本発明の炎症メディエーター産生抑制剤を用いて産生を抑制することができるプロスタグランジンとしては、プロスタグランジンE2(PGE2)およびプロスタグランジンI2(PGI2)等が挙げられ、好ましくはプロスタグランジンE2である。これらの炎症性サイトカインおよびプロスタグランジンは、紫外線照射、外傷、細菌または真菌の感染などの様々な要因によって産生が誘導されるものである。本発明の炎症メディエーター産生抑制剤の適用対象は、好ましくは、紫外線照射によって誘導される炎症メディエーターの産生であり、より好ましくは、紫外線照射によって誘導されるIL−6、IL−1βおよびプロスタグランジンE2からなる群より選択される1種以上の物質の産生である。
本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤によって活性化を抑制し得るMAPキナーゼは、好ましくはp38MAPキナーゼである。
本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤を用いて産生を抑制することができるシクロオキシゲナーゼは、好ましくはシクロオキシゲナーゼ2(Cox−2)である。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤またはシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤の有効成分である式(I)の化合物は、当該分野において公知の合成方法を用いて合成することができる。あるいは、式(I)の化合物は、医農薬中間体や試薬等として市販されているものを使用してもよい。また、インドール乳酸やヒドロキシフェニル乳酸等の乳酸誘導体については、乳酸菌培養物から抽出することによって得ることもできる。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤は、式(I)の化合物を有効成分として含むものであればよく、皮膚の炎症または傷害を予防または抑制する作用を阻害しない限り、他の成分をさらに含むものであってもよい。例えば、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤は、式(I)の化合物を0.1重量%以上、または0.5重量%以上、または1.0重量%以上含むものであり得る。あるいは、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤は、式(I)の化合物のみからなるものであってもよい。
本発明の炎症メディエーター産生抑制剤は、式(I)の化合物を有効成分として含むものであればよく、炎症メディエーターの産生を抑制する作用を阻害しない限り、他の成分をさらに含むものであってもよい。例えば、本発明の炎症メディエーター産生抑制剤は、式(I)の化合物を0.1重量%以上、または0.5重量%以上、または1.0重量%以上含むものであり得る。あるいは、本発明の炎症メディエーター産生抑制剤は、式(I)の化合物のみからなるものであってもよい。
本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤は、式(I)の化合物を有効成分として含むものであればよく、MAPキナーゼの活性化を抑制する作用を阻害しない限り、他の成分をさらに含むものであってもよい。例えば、本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤は、式(I)の化合物を0.1重量%以上、または0.5重量%以上、または1.0重量%以上含むものであり得る。あるいは、本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤は、式(I)の化合物のみからなるものであってもよい。
本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤は、式(I)の化合物を有効成分として含むものであればよく、シクロオキシゲナーゼの産生を抑制する作用を阻害しない限り、他の成分をさらに含むものであってもよい。例えば、本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤は、式(I)の化合物を0.1重量%以上、または0.5重量%以上、または1.0重量%以上含むものであり得る。あるいは、本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤は、式(I)の化合物のみからなるものであってもよい。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤およびシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤は、化粧品または医薬組成物の成分として、あるいは食品添加剤として用いることができる。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤またはシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤を含む化粧品(以下、「本発明の化粧品」とも称する)には、必要に応じ、抗酸化剤、紫外線吸収剤、溶剤、増粘剤、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、色素、香料等の化粧品に通常配合され得る他の成分を含有させることができる。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤またはシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤を含む医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」とも称する)は、必要に応じ、医薬上許容される担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、湿潤剤、溶剤、緩衝剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、防腐剤等を含むものであり得る。
本発明の化粧品または医薬組成物の形態(剤形)は特に限定されないが、皮膚外用剤の形態であることが好ましい。皮膚外用剤の例としては、軟膏、クリーム、乳液、ゲル、貼付剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化粧品または医薬組成物における式(I)の化合物の濃度は特に限定されないが、例えば、3−インドール乳酸であれば10μM〜100mM、4−ヒドロキシフェニル乳酸であれば10μM〜100mM、ピルビン酸であれば10μM〜100mM、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸であれば10μM〜100mMの濃度で皮膚に適用することができる。
また、本発明の化粧品または医薬組成物の適用量および適用回数は特に限定されないが、例えば、3−インドール乳酸を有効成分として含む本発明の医薬組成物(皮膚外用剤)であれば1回あたり3−インドール乳酸100〜500μg/cm(皮膚面積)の量で1日に1〜2回、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸を有効成分として含む本発明の医薬組成物(皮膚外用剤)であれば1回あたり4−ヒドロキシフェニルピルビン酸100〜500μg/cm(皮膚面積)の量で1日に1〜2回、皮膚に適用することができる。ピルビン酸を有効成分として含む本発明の医薬組成物、および4−ヒドロキシフェニル乳酸を有効成分として含む本発明の医薬組成物等についても同様の条件で皮膚に適用することができる。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、本発明の炎症メディエーター産生抑制剤、本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤、本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤、または本発明の化粧品または医薬組成物は、紫外線への曝露の前もしくは後、または紫外線への曝露中のいずれの時点で皮膚に適用してもよい。
また、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、本発明の炎症メディエーター産生抑制剤、本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤、本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤、または本発明の医薬組成物は、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル、シロップ等の形態において経口投与することも可能である。これにより、皮膚以外の部位における炎症もしくは傷害を予防または抑制すること、炎症メディエーターの産生を抑制すること、MAPキナーゼの活性化を抑制すること、またはシクロオキシゲナーゼ産生を抑制することができる。
さらに、本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、本発明のMAPキナーゼ活性化抑制剤、または本発明のシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤を、食品、飲料、サプリメント等に配合することにより、皮膚の炎症または傷害を予防または抑制する機能性飲食品、炎症メディエーターの産生を抑制する機能性飲食品、MAPキナーゼの活性化を抑制する機能性飲食品、あるいはシクロオキシゲナーゼの産生を抑制する機能性飲食品を提供することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
実施例1
3−インドール乳酸の紫外線照射によるIL−6産生抑制効果
ヒト由来株化角化細胞であるHaCaT細胞を12ウェル細胞培養プレート(BDバイオサイエンス)に播種し、10%ウシ胎児血清を添加した高グルコースダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を培養液に用いて、37℃、5%COの条件で、飽和密度になるまで培養した。メタノールに溶解した3−インドール乳酸(シグマ)を最終濃度1μMから100μMの範囲で培養液に添加し、60分後に、紫外線ランプ(三共電気:G8T5E、8W)を装着したCL−1000型UVクロスリンカー(UVP社)を用いて、紫外線B波を60[mJ/cm]の強度で照射し、24時間後に培養上清中のインターロイキン6(IL−6)濃度を、ELISA法を用いて測定した(ヒトIL−6ELISAキットを使用。BDバイオサイエンス社製、製品番号555220)。結果を図1に示す。3−インドール乳酸は、最終濃度100μMにおいて、紫外線照射により誘導されるIL−6の産生を抑制した。
実施例2
4−ヒドロキシフェニル乳酸の紫外線照射によるIL−6産生抑制効果
3−インドール乳酸に代えて4−ヒドロキシフェニル乳酸(シグマ)を用いたこと以外は上記実施例1と同様の方法および条件において、紫外線照射後のIL−6濃度を測定した。結果を図2に示す。4−ヒドロキシフェニル乳酸は、1、10および100μMのいずれの濃度においても、紫外線照射により誘導されるIL−6の産生を抑制した。
実施例3
ピルビン酸および4−ヒドロキシフェニルピルビン酸の紫外線照射によるIL−6産生抑制効果
HaCaT細胞を6ウェル細胞培養プレート(BDバイオサイエンス)に播種し、10%ウシ胎児血清を添加した高グルコースダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を培養液に用いて、37℃、5%COの条件で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、紫外線ランプ(三共電気:G8T5E、8W)を装着したCL−1000型UVクロスリンカー(UVP社)を用いて、紫外線B波を60[mJ/cm]の強度で照射した。照射後、ハンクス平衡塩液を、ピルビン酸(和光純薬)または4−ヒドロキシフェニルピルビン酸(シグマ)を1mMから100mMの最終濃度で添加したDMEM培地に置換した(化合物を添加していないDMEM培地に置換したものを対照とした)。24時間後に、培養上清中のインターロイキン6(IL−6)濃度を、ELISA法を用いて測定した(ヒトIL−6ELISAキットを使用。BDバイオサイエンス社製、製品番号555220)。結果を図3に示す。ピルビン酸および4−ヒドロキシフェニルピルビン酸はいずれも、紫外線照射により誘導されるIL−6の産生を抑制した。
実施例4
ピルビン酸の紫外線照射によるIL−1β産生抑制効果
HaCaT細胞を6ウェル細胞培養プレート(BDバイオサイエンス)に播種し、10%ウシ胎児血清を添加した高グルコースダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を培養液に用いて、37℃、5%COの条件で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、紫外線ランプ(三共電気:G8T5E、8W)を装着したCL−1000型UVクロスリンカー(UVP社)を用いて、紫外線B波を60[mJ/cm]の強度で照射した。照射後、ハンクス平衡塩液を、ピルビン酸(和光純薬)を10mMから100mMの最終濃度で添加したDMEM培地に置換した(化合物を添加していないDMEM培地に置換したものを対照とした)。24時間後に、培養上清中のインターロイキン1β(IL−1β)濃度を、ELISA法を用いて測定した(ヒトIL−1βELISAキットを使用。BDバイオサイエンス社製、製品番号558848)。結果を図4に示す。ピルビン酸は、紫外線照射により誘導されるIL−1βの産生を顕著に抑制した。
実施例5
4−ヒドロキシフェニルピルビン酸および3−インドール乳酸の紫外線照射によるヘアレスマウスの経皮水分蒸散抑制効果
8週齢の雄ヘアレスマウス(1群8匹)を1週間馴致した後、30%プロピレングリコール溶液(和光純薬)を含む0.1Mリン酸緩衝液に4−ヒドロキシフェニルピルビン酸(シグマ)または3−インドール乳酸(シグマ)を各々最終濃度100mMで添加した液を調製し、1日に100μLずつ、4日間連続してコンラージ棒を用いて該マウスの背中に塗布した(塗布面積は約4cm)。30%プロピレングリコール溶液を含む0.1Mリン酸緩衝液のみを塗布した群を対照とした。実験開始1日目と3日目に、ハンディ型紫外線ランプ(UVP社製:UVLM−28)を用いて、紫外線B波を、1[J/cm]の強度で照射した。実験開始5日目に、各群のマウスの経皮水分蒸散量を、水分蒸散量測定装置テヴァメーターTM300(Courage−Khazaka社製)を用いて測定した。t検定を用い、群間の水分蒸散量の有意差を評価した。結果を図5に示す。
化合物を塗布しなかったマウスでは、紫外線照射によって経皮水分蒸散量が増大した。これは、紫外線照射によって皮膚の角質層に炎症が生じ、皮膚のバリア機能が低下したためである。一方、3−インドール乳酸または4−ヒドロキシフェニルピルビン酸を塗布したマウスでは、これを塗布しなかったマウスと比較して経皮水分蒸散量の増大が抑制された。かかる結果は、3−インドール乳酸または4−ヒドロキシフェニルピルビン酸によって、紫外線照射による皮膚バリア機能の低下が抑制された事を示す。
実施例6
ピルビン酸の紫外線照射による細胞死抑制効果
HaCaT細胞を6ウェル細胞培養プレート(BDバイオサイエンス)に播種し、10%ウシ胎児血清を添加した高グルコースダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を培養液に用いて、37℃、5%COの条件で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、紫外線ランプ(三共電気:G8T5E、8W)を装着したCL−1000型UVクロスリンカー(UVP社)を用いて、紫外線B波を60[mJ/cm]の強度で照射した。照射後、ハンクス平衡塩液を、ピルビン酸(和光純薬)を最終濃度100mMで添加したDMEM培地に置換した(化合物を添加していないDMEM培地に置換したものを対照とした)。照射後24時間後に細胞を、3.5%ホルムアルデヒド(和光純薬)を含むリン酸緩衝生理食塩水で10分間固定した後、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄した。この時点で細胞像を位相差顕微鏡により撮影した。細胞の写真を図6のA〜Dに示す。写真中のスケールの大きさは100μmである。撮影後、プレートに残存する細胞を半定量的に評価するため、0.1%クリスタルバイオレットを含むリン酸緩衝生理食塩水で細胞を10分間染色し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄後、2mLの10%酢酸溶液でクリスタルバイオレットを抽出し、600nmの吸光度を測定した。この測定結果を示すグラフを図6Eに示す。紫外線照射により、対照区で認められる細胞数の減少(図6C)が、ピルビン酸添加区では軽減されている(図6D)。細胞数定量の結果も、位相差顕微鏡観察の結果を支持する。
実施例7
上記の実施例6と同一の方法で、HaCaT細胞に紫外線を照射し、ピルビン酸(最終濃度100mM:和光純薬)またはアスコルビン酸(最終濃度10mM:和光純薬)を添加したDMEM培地に置換した。紫外線照射24時間後に、1%ノニデットP40(ナカライ)、5mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(第一化学薬品)、1%プロテアーゼ阻害剤カクテル(シグマ)を添加した20mMトリス・塩酸緩衝液(pH7.4)を用いて細胞を可溶化し、レムリ法によるポリアクリルアミド電気泳動により蛋白質を分離した。分離された蛋白質は、セミドライブロッティング装置(バイオ・ラド社)によりニトロセルロース膜(GEヘルスケアバイオサイエンス)に転写した。ニトロセルトース膜は、5%スキムミルク(和光純薬)、0.1%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツイン20・ナカライ)を含むトリス緩衝生理食塩水(pH7.4)を用い、室温で2時間ブロッキング処理した後、抗シクロオキシゲナーゼ2(Cox−2)モノクローナル抗体(BDバイオサイエンス:製品番号610203)を用いた一次抗体反応、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウス抗体(ジャクソン社)を用いた二次抗体反応を行ったのち、ECLウェスタンブロッティング試薬(GEヘルスケアバイオサイエンス)により、膜上の抗原量を化学発光法により検出した。内部標準としては、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)の発現量を用いた。検出結果を図7Aに示す。
また、同時点で細胞培養上清を回収し、その中のプロスタグランジンE2の濃度をELISAにより測定した(プロスタグランジンE2キットを使用。カイマン・ケミカル社製・製品番号514531)。結果を図7Bに示す。ピルビン酸は紫外線照射によるシクロオキシゲナーゼ2の発現誘導を抑制し、その産物であるプロスタグランジンE2の産生を抑制した。
実施例8
実施例6と同様の方法で、HaCaT細胞に紫外線を照射し、ピルビン酸(和光純薬)を最終濃度100mMで添加したDMEM培地に置換した。紫外線照射後、30分、60分、および120分後に、実施例7と同様の方法で、HaCaT細胞から蛋白質を回収し、180番目のスレオニンおよび182番目のチロシン残基がリン酸化されたp38ストレス応答性MAPキナーゼを認識するポリクローナル抗体(CST社:製品番号9211)を一次抗体に、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギ抗体(CST社:製品番号7074)を二次抗体に用いたウェスタンブロッティング法により、p38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化(活性化)の程度を評価した。内部標準として、p38ストレス応答性MAPキナーゼに対するポリクローナル抗体(CST社:製品番号9212)を用いた。結果を図8に示す。ピルビン酸添加により、紫外線照射によるp38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化(活性化)が、全期間にわたって抑制された。
本発明の炎症/傷害の予防/抑制剤、炎症メディエーター産生抑制剤、MAPキナーゼ活性化抑制剤およびシクロオキシゲナーゼ産生抑制剤は、抗炎症剤、日焼け防止剤、肌の光老化防止剤等として、化粧品および医薬品の分野において利用することができる。

Claims (7)

  1. −ヒドロキシフェニルピルビン酸、3−インドール乳酸および4−ヒドロキシフェニル乳酸からなる群より選択される化合物を含む、紫外線照射に起因する皮膚の炎症または傷害の予防または抑制のための医薬組成物。
  2. 化合物が、3−インドール乳酸または4−ヒドロキシフェニル乳酸である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 皮膚外用剤の形態である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. −ヒドロキシフェニルピルビン酸、3−インドール乳酸および4−ヒドロキシフェニル乳酸からなる群より選択される化合物を含む、紫外線照射に起因する皮膚の炎症または傷害の予防または抑制(但し、美白用途ならびにメラニンの産生および沈着の予防または抑制用途を除く)のための化粧品。
  5. 化合物が、3−インドール乳酸または4−ヒドロキシフェニル乳酸である、請求項に記載の化粧品。
  6. 皮膚外用剤の形態である、請求項またはに記載の化粧品。
  7. −ヒドロキシフェニルピルビン酸、3−インドール乳酸および4−ヒドロキシフェニル乳酸からなる群より選択される化合物を含む、インターロイキン−6(IL−6)産生抑制剤。
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