JP5694014B2 - 債券執行評価システム、債券執行評価方法、債券執行評価プログラム - Google Patents
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Description
り変化値のうち、評価対象債券の終値利回り変化に近い方を採用モデルとして決定する手段、各取引時刻における、採用モデルに対応する債券先物価格又はスワップレートを用いて、取引日の各取引時刻における債券利回り変化を算出する手段、前記採用モデルにおける終値利回り変化値と、評価対象債券の終値利回り変化値との誤差を各時刻に展開して、各時刻のモデル値を算出する手段、及び前記評価対象の債券の取引時点のモデル値を特定し、評価対象債券の約定価格との差分を、この債券の執行コストとして算出して、出力する手段として機能させることを要旨とする。
本発明によれば、制御手段は、評価対象債券の取引日の終値における債券先物価格を前記債券先物価格データ記憶手段から取得し、この取引日の終値の債券先物価格と、債券の利回り変化と債券先物価格の変化との相関係数とを乗算することにより、債券先物モデルの利回り変化値を算出する。制御手段は、前記取引日の終値におけるスワップレートを前記スワップレートデータ記憶手段から取得し、この取引日の終値のスワップレートの利回り変化値を、スワップモデルの利回り変化値として算出する。制御手段は、前記債券先物モデル、前記スワップモデルの利回り変化値のうち、評価対象債券の終値利回り変化に近い方を採用モデルとして決定する。制御手段は、各取引時刻における、採用モデルに対応する債券先物価格又はスワップレートを用いて、取引日の各取引時刻における債券利回り変化を算出する。制御手段は、前記採用モデルにおける終値利回り変化値と、評価対象債券の終値利回り変化値との誤差を各時刻に展開して、各時刻のモデル値を算出する。制御手段は、前記評価対象の債券の取引時点のモデル値を特定し、評価対象債券の約定価格との差分を、この債券の執行コストとして算出して、出力する。このため、債券の指標となるモデル値を、公表された債券の終値利回りと、債券先物価格又はスワップレートの時間変化値とを用いて算出する。従って、取引時点におけるモデル値と約定価格との差から、債券の執行コストをより的確に評価することができる。
価格提供サーバ30は、例えば、日本証券業協会によって公表されている売買参考統計値に関する情報を、他のシステムからの要求に応じて送信して提供する処理を実行する。この処理のために、価格提供サーバ30は、各日の売買参考統計値を記憶している。この売買参考統計値には、市場債券価格、市場債券レート及び国債先物価格等が含まれる。
を選択し、選択したモデルを用いてモデル値を、債券毎、取引日毎に算出する。そして、モデル値算出手段212は、この算出処理を行なうためのメモリを備えている。
また、モデル値算出手段212は、国債の残存期間に対応する国債先物モデルにおける債券の終値利回り変化値を算出するための線形補間式を記憶している。この線形補間式は、算出する債券の残存期間、この残存期間以上で最も近い基準年限と、この債券の残存期間以下で最も近い基準年限と、これらにそれぞれ対応する国債先物モデルにおける債券の終値利回り変化値を変数として用いる。
更に、モデル値算出手段212は、国債の残存期間に対応するスワップレート変化値を算出するための線形補間式を記憶している。この線形補間式は、算出するスワップレート変化値の残存期間、この残存期間以上で最も近い基準年限と、この債券の残存期間以下で最も近い基準年限と、これらにそれぞれ対応するスワップレート変化値を変数として用いる。
集計期間日数は、評価処理を行なう前に決定されている。この集計期間日数は、入力部11を介して、5日〜20日の間で変更可能である。集計期間日数を少なくして集計期間をより短くした場合には、取引日の直近の値動をより強く反映したモデル値を算出する。また、集計期間日数を多くして集計期間をより長くした場合には、平均的な値動きをより強く反映したモデル値を算出する。
A=〔Σ(BF×PR)〕/〔Σ(BF)**2〕
ここで、「BF」は債券先物価格の終値変化値であり、「PR」は国債パーレートの利回り変化値である。また、「Σ」は集計期間(集計期間起算日〜取引日)における値を合計することを示し、「**2」は2乗を示す。
評価結果出力手段214は、評価結果(前日終値コスト、タイミングコスト、引合コス
ト及び当日終値コスト)を出力する処理を実行する。
市場債券レートレコードには、各日における債券レートに関するデータが記録される。本実施形態では、取引終了後に発表される債券毎の債券レート(利回り)が記録される。
スワップレートレコードには、各日の時刻毎(分単位の時刻毎)のスワップレートに関するデータが記録される。
約定価格データ領域には、この取引が成立したときの価格(約定価格)に関するデータが記録される。
債券残存期間データ領域には、この債券の残存期間(残存年数)に関するデータが記録される。
(コスト評価処理)
コスト評価処理の全体処理について、図2を用いて説明する。この処理において、債券執行評価システム20は、入力部11を介して、約定された取引に関する情報をファイルから取得し、取引レコードを生成して取引情報記憶部23に記憶する。この取引レコードの一つを評価対象取引レコードとして特定する。そして、債券執行評価システム20は、入力部11を介して、コスト評価の実行指示を受信した場合に、以下のコスト評価処理を実行する。
次に、上述した取引時点のモデル値の算出処理(ステップS1−4)について、図3を用いて説明する。本実施形態では、評価対象取引レコードの約定日時(取引時点)におけるモデル値を算出する。
この処理において、まず、制御部21のモデル値算出手段212は、取引日に対して集計期間日数を遡った集計期間起算日を算出する。そして、モデル値算出手段212は、この集計期間起算日から取引日までの各日における国債先物価格レコードを価格情報記憶部22から抽出する。この場合、モデル値算出手段212は、評価対象取引レコードの債券
銘柄の国債先物価格レコードを抽出する。そして、モデル値算出手段212は、各日の終値の国債先物価格を、その前日の終値の国債先物価格から減算することにより、集計期間(集計期間起算日〜取引日)の国債先物価格変化値を算出する。
そして、モデル値算出手段212は、評価対象取引レコードの取引日における各時刻について、この評価対象の債券銘柄の国債先物価格レコードを、国債先物価格の変化値として価格情報記憶部22から抽出する。モデル値算出手段212は、相関係数Aに、国債先物価格の変化値を乗算することにより、取引日における各時刻(分単位)の債券の利回り変化値を算出する。この場合、基準年限別の債券の利回り変化値を算出する。そして、モデル値算出手段212は、このうち、取引終了基準時刻(15時00分)における基準年限別の債券の利回り変化値(国債先物モデルにおける債券の終値利回り変化値)を特定する。
ら、この取引日の前日の終値利回りを減算することにより、債券の終値変化値を算出する。
(1)本実施形態では、債券執行評価システム20の制御部21は、取引日の終値の国債先物価格を用いて算出した国債先物モデルにおける債券の終値利回り変化と、取引日の取引終了基準時刻におけるスワップレートを用いて算出したスワップモデルにおける債券の終値利回り変化のうち、債券の終値に近い方を特定する(ステップS2−5)。制御部21は、債券の終値に近いモデル(国債先物モデル又はスワップモデル)の変化値に、誤
差調整値を加算して、約定日時におけるモデル値を算出する(ステップS2−6〜S2−9)。制御部21は、算出したモデル値を約定価格から減算することにより、引合コストを算出し(ステップS1−6)、これらを含むレポート出力処理を実行する(ステップS1−9)。このため、国債の指標となるモデル値を、公表された債券の終値利回りと、債券先物価格又はスワップレートの時間変化値とを用いて算出する。従って、取引時点におけるモデル値と約定価格との差から、債券の執行コストをより的確に評価することができる。
・ 上記実施形態においては、相関係数Aの算出に用いる集計期間日数は、入力部11を介して変更可能とした。集計期間日数は、このように人手によって変更する場合に限らず、制御部21が、自動的に変更可能としてもよい。具体的には、制御部21は、最大の集計期間日数を用いて各日の国債先物価格変化値及び国債パーレート利回り変化値を算出する。次に、制御部21は、集計期間日数を5日〜20日にそれぞれ変更して、相関係数Aを算出し、これに、取引終了基準時刻における国債先物価格変化値を乗算して、各集計期間(5日〜20日)の国債先物モデルにおける債券の終値利回り変化値を算出する。そして、制御部21は、各集計期間における終値利回り変化値を用いて、それぞれの集計期間における国債先物モデル差分を算出する。制御部21は、算出した国債先物モデル差分が最も小さい集計期間の国債先物モデルを用いて、ステップS2−2以降の処理を実行する。これにより、債券の終値利回りにより近い集計期間日数から算出した国債先物モデルを適用することができる。
スト、タイミングコスト、引合コスト及び当日終値コストを出力した(ステップS1−9)。制御部21が、出力するコストは、これらのコストに限定されるものではない。例えば、債券執行評価システム20の制御部21は、取引時点の市場価格を取得した場合には、この市場価格を利用したタイミングコスト等を算出して出力してもよい。具体的には、債券執行評価システム20の制御部21は、前日終値コストの算出処理(ステップS1−3)を実行した後、評価対象取引レコードの約定日時におけるその債券の市場価格を、価格情報記憶部22において検索する。該当する市場価格を抽出した場合には、制御部21は、ステップS1−6,S1−7におけるモデル値の代わりに、この市場価格を用いて、タイミングコスト及び引合コスを算出して、ステップS1−8以降の処理を実行する。一方、評価対象取引レコードの約定日時における債券の市場価格を、価格情報記憶部22から抽出しない場合には、制御部21は、上述したステップS1−4以降の処理を実行する。これにより、債券の取引時点における市場価格が判明しているときには、その価格を用いて執行コストを評価することができるとともに、債券の取引時点における市場価格が不明な場合には、モデル値を用いて執行コストを評価することができる。
Claims (5)
- 評価対象債券の取引日時、約定価格、債券残存期間に関する取引情報を記憶する取引データ記憶手段と、
時刻毎の債券先物価格が記憶された債券先物価格データ記憶手段と、
時刻毎のスワップレートが記憶されたスワップレートデータ記憶手段と、
相対取引が行われた債券における執行コストを評価する制御手段とを備えた債券執行評価システムであって、
前記制御手段が、
評価対象債券の取引日の終値における債券先物価格を前記債券先物価格データ記憶手段から取得し、
集計期間における〔(債券先物価格の終値変化値)と(パーレートの利回り変化値)との乗算値〕の総和を、同じ集計期間における〔(債券先物価格の終値変化値)の二乗〕の総和で除算した相関係数を算出し、
前記相関係数に、前記取引日の終値の債券先物価格の変化値を乗算することにより、前記評価対象債券の取引日の終値の債券先物モデルの利回り変化値を算出する手段と、
前記取引日の終値におけるスワップレートを前記スワップレートデータ記憶手段から取得し、この取引日の終値のスワップレートの利回り変化値を、スワップモデルの利回り変化値として算出する手段と、
前記債券先物モデル、前記スワップモデルの利回り変化値のうち、評価対象債券の終値利回り変化に近い方を採用モデルとして決定する手段と、
各取引時刻における、採用モデルに対応する債券先物価格又はスワップレートを用いて、取引日の各取引時刻における債券利回り変化を算出する手段と、
前記採用モデルにおける終値利回り変化値と、評価対象債券の終値利回り変化値との誤差を各時刻に展開して、各時刻のモデル値を算出する手段と、
前記評価対象の債券の取引時点のモデル値を特定し、評価対象債券の約定価格との差分を、この債券の執行コストとして算出して、出力する手段と
を備えたことを特徴とする債券執行評価システム。 - 前記パーレートの利回り変化値は、評価対象の債券の残存年数に応じた年限を用いることを特徴とする請求項1に記載の債券執行評価システム。
- 前記制御手段は、前記集計期間を、値動きの変動度に応じて決定する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の債券執行評価システム。
- 評価対象債券の取引日時、約定価格、債券残存期間に関する取引情報を記憶する取引データ記憶手段と、
時刻毎の債券先物価格が記憶された債券先物価格データ記憶手段と、
時刻毎のスワップレートが記憶されたスワップレートデータ記憶手段と、
制御手段とを備えた債券執行評価システムを用いて、相対取引が行われた債券における執行コストを評価する方法であって、
前記制御手段が、
評価対象債券の取引日の終値における債券先物価格を前記債券先物価格データ記憶手段から取得し、
集計期間における〔(債券先物価格の終値変化値)と(パーレートの利回り変化値)との乗算値〕の総和を、同じ集計期間における〔(債券先物価格の終値変化値)の二乗〕の総和で除算した相関係数を算出し、
前記相関係数に、前記取引日の終値の債券先物価格の変化値を乗算することにより、前記評価対象債券の取引日の終値の債券先物モデルの利回り変化値を算出する段階と、
前記取引日の終値におけるスワップレートを前記スワップレートデータ記憶手段から取得し、この取引日の終値のスワップレートの利回り変化値を、スワップモデルの利回り変化値として算出する段階と、
前記債券先物モデル、前記スワップモデルの利回り変化値のうち、評価対象債券の終値利回り変化に近い方を採用モデルとして決定する段階と、
各取引時刻における、採用モデルに対応する債券先物価格又はスワップレートを用いて、取引日の各取引時刻における債券利回り変化を算出する段階と、
前記採用モデルにおける終値利回り変化値と、評価対象債券の終値利回り変化値との誤差を各時刻に展開して、各時刻のモデル値を算出する段階と、
前記評価対象の債券の取引時点のモデル値を特定し、評価対象債券の約定価格との差分を、この債券の執行コストとして算出して、出力する段階と
を実行することを特徴とする債券執行評価方法。 - 評価対象債券の取引日時、約定価格、債券残存期間に関する取引情報を記憶する取引データ記憶手段と、
時刻毎の債券先物価格が記憶された債券先物価格データ記憶手段と、
時刻毎のスワップレートが記憶されたスワップレートデータ記憶手段と、
制御手段とを備えた債券執行評価システムを用いて、相対取引が行われた債券における執行コストを評価するプログラムであって、
前記制御手段を、
評価対象債券の取引日の終値における債券先物価格を前記債券先物価格データ記憶手段から取得し、
集計期間における〔(債券先物価格の終値変化値)と(パーレートの利回り変化値)との乗算値〕の総和を、同じ集計期間における〔(債券先物価格の終値変化値)の二乗〕の総和で除算した相関係数を算出し、
前記相関係数に、前記取引日の終値の債券先物価格の変化値を乗算することにより、前記評価対象債券の取引日の終値の債券先物モデルの利回り変化値を算出する手段、
前記取引日の終値におけるスワップレートを前記スワップレートデータ記憶手段から取得し、この取引日の終値のスワップレートの利回り変化値を、スワップモデルの利回り変化値として算出する手段、
前記債券先物モデル、前記スワップモデルの利回り変化値のうち、評価対象債券の終値利回り変化に近い方を採用モデルとして決定する手段、
各取引時刻における、採用モデルに対応する債券先物価格又はスワップレートを用いて、取引日の各取引時刻における債券利回り変化を算出する手段、
前記採用モデルにおける終値利回り変化値と、評価対象債券の終値利回り変化値との誤差を各時刻に展開して、各時刻のモデル値を算出する手段、及び
前記評価対象の債券の取引時点のモデル値を特定し、評価対象債券の約定価格との差分を、この債券の執行コストとして算出して、出力する手段
として機能させることを特徴とする債券執行評価プログラム。
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