JP5691655B2 - 空調システム、その制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムに係わり、特に熱源機器として冷凍機だけでなく自然エネルギーを活用する方式の空調システムに関する。
空調システムに関して、例えば、特許文献1に開示されている従来技術が知られている。
特許文献1の従来技術は、1台以上の空調機と、空調機に冷水を供給する冷凍機と、冷凍機に冷却水を供給する冷却塔とを有する空調設備の制御に関する。特許文献1の発明では、設定された空調条件を満たす範囲内で、空調設備の省エネルギー量、運転コストまたは排出二酸化炭素量が最低になるように、少なくとも1台以上の空調機の送風温度、冷凍機の冷水温度、及び冷却塔からの冷却水温度の設定値を変更して最適化する。
特開2004−53127号公報
上記特許文献1の発明においては、空調機の送風温度または流量、熱源機器の供給温度または流量の設定値を、シミュレータもしくは予め組み合わせを算出したデータテーブルを用いて、省エネルギー運転となるように決定する。
しかしながら、シミュレータに関しては、空調機および熱源機器の台数が増えた場合、最適化問題の決定変数が増えてしまい、最適化を求めるまでの時間が増大するという課題がある。一方、データテーブルで求める方法については、最適化問題を予め計算した結果をテーブル化しておくため、短時間で解を算出可能となるが、外気条件による熱源機器の能力変化や消費電力および消費水量の変化について考慮していないため、条件変化によるコストや能力を正確に計算できず、手法として問題がある。
ところで、近年、例えば雪冷房システムのような自然エネルギーを活用した方式の冷房システムが知られている。また、データセンタ/サーバルーム等に対する空調システムの場合、主にコンピュータ(CPU)からの発熱に対する冷房を行うので、夏季に限らず1年中(冬季でも)冷房を行うことになる。この為、主に夏季以外(特に外気温度が低い冬季)において、外気を利用して(外気導入または外気と内気との熱交換により)室内温度を下げる外気冷房システムが知られている。
また、従来より、冷却塔もよく知られている。冷却塔は、上記特許文献1のように水冷の冷凍機に対して設けられる場合もあるが、例えば冷凍機の前段に設置して冷水を冷却することで(区別する為に冷却塔システムと呼ぶ)、冷凍機に流入する冷水の温度を下げ、以って冷凍機における冷水の冷却負荷を下げることで、省エネ効果が期待できる。また、雪冷房システムには、空気を直接的に冷却する方式や、冷水を冷却してこの冷水によって空気を冷却させる方式等が知られている。
この様に、空調システムにおける熱源機器としては、一般的な冷凍機(例えば、蒸気圧縮冷凍サイクルの蒸気圧縮冷凍機など)以外にも、雪冷房、冷却塔、外気冷房等を用いることも可能である。
上記外気冷房システムや冷却塔システムや雪冷房システム(何れも自然エネルギーを活用した方式と見做すものとする)は、ファンやポンプ等の駆動による電力消費があるものの、冷凍機と比較すれば消費電力が少ない場合が多い。しかしながら、その性能は外気温度等によって左右され、特に外気冷房システムは夏季においては殆ど機能しない場合も有り得る。また、自然エネルギーを活用した方式では、必ずしも設定温度まで下げることができるものではない。この為、自然エネルギーを活用した方式は、上記冷凍機等を用いる構成に対して追加する、補助的なものとして設置される場合が少なくない。
ここで、上記冷凍機システムに加えて、上記外気冷房システムや冷却塔システムや雪冷房システムを全て設置する空調システムを考える。基本的には、冷凍機システムをメインにして、外気冷房システムや冷却塔システムや雪冷房システムは補助的な役割を果たすものであるが、外気温度によっては冷凍機システムを動作させないで済む場合も有り得る。また、冷凍機を動作させるにしても、その冷却負荷を軽減することができる。
上記の通り、冷凍機システムは消費電力量等(運用コスト)が比較的大きいので、動作停止することによる省エネ効果(運用コスト低減効果)は大きい。
何れにしても、上記の様な空調システムにおいては、外気冷房、冷凍機、冷却塔、雪冷房機の4種類の熱源機器のうち何れか1種類以上を動作させることで、上記サーバルーム等の冷却に必要な冷熱量(冷房能力)を供給させるが、どの熱源機器を動作させるのかによって消費電力量等(運用コスト)が異なる。当然、運用コストは出来るだけ小さくなることが望まれる。
また、例えば、複数の外気冷房、複数台の冷凍機、複数台の冷却塔、複数台の雪冷房機から成る空調システムを構築することも考えられる。この場合、4種類の熱源機器のうちのどの種類(1種類以上)を用いるべきかを(どれを起動してどれを停止するかを)判別するだけでなく、複数台あるうちの何台を用いるべきか(起動すべきか)を判別する必要がある。勿論、この判別は、運用コストは出来るだけ小さくする為のものである。
一方、特許文献1では、上記のような複数種類の熱源機器が混在する空調システムは想定しておらず、この様な空調システムにおける各種熱源機器の適切な起動停止を制御することについては、何等想到されてはいない。
更に、上記のように、複数種類・複数台の熱源機器が混在する空調システムに関して、動作させる熱源機器の種類と台数を適切に決定する処理について、例えば特許文献1等のような最適化の手法を利用しようとした場合、以下の課題(1)、(2)を解決することが期待される。
(1)空調機や熱源機器の台数が増えた場合、最適化問題の決定変数が増えてしまい、最適解を求めるまでの時間が増大する。
(2)従来では、外気条件による熱源機器の能力変化や消費電力および消費水量の変化について考慮していないため、条件が変化した際の正確な運用コストの計算が出来ない。
本発明の課題は、複数種類の熱源機器が混在する空調システムにおいて、サーバ負荷状況や外気状態に応じて全体の運用コストが略最小となるように、望ましくは最小となるように、動作させる熱源機器の種類と台数を決定して各熱源機器の起動停止等を制御する空調システム、その制御装置、プログラム等を提供することである。
本発明の空調システムは、空調対象空間からのリターン空気を流入させて該リターン空気と冷却水との熱交換を行うことで該リターン空気を冷却して冷気にして該冷気を前記空調対象空間へ供給する空気冷却ユニットと、前記冷却水を冷却して該空気冷却ユニットに供給する為または前記リターン空気の冷却を補助する為の各種熱源機器とを有し、該熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置されており、該空気冷却ユニットと各種熱源機器を制御する制御装置を有する空調システムであって、前記制御装置は、予め設定されている運用コスト算出に係わる所定の評価関数及び制約条件と、前記各熱源機器毎に予め設定されている、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式と、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式とを用いて、前記制約条件の基で前記評価関数を最小化する問題を解き、その解としての前記設置されている各熱源機器の運転計画を生成・出力する最適化手段を有する。
例えば、前記評価関数を最小化する問題は、前記各熱源機器毎の任意の起動/停止と冷房能力との組み合わせに応じた総消費電力と総消費水量とにそれぞれ単価を乗じて得られる電力コストと水コストとの和としての総運用コストを、前記制約条件による制約に従って最小化するものである。
本発明の空調システムでは、熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置された空調システムに関して、総運用コストを最小にする為には、どの熱源機器を運転させてどの熱源機器を停止させるべきなのか、更に運転する熱源機器に関してはその冷房能力(冷却負荷)をどの程度にすべきなのかを(運転計画を)、最適化手段によって生成・出力できる。
例えば、雪冷房のみを運転する場合も有り得るし、雪冷房と冷凍機とを運転する場合も有り得るし、雪冷房と冷却塔と外気冷房とを運転する場合も有り得るし、雪冷房と冷却塔と外気冷房と冷凍機の全てを運転する場合も得る。また、全てを運転するとは限らず、例えば、冷凍機が3台あるものとし冷凍機を運転する場合に、3台のうちの1台のみまたは2台のみを運転する場合も有り得る。
また、上記空調システムにおいて、例えば、前記制御装置は、外気条件の過去データと空調負荷需要の実績値から、外気条件の予測値と空調負荷需要の予測値とを求める予測手段と、予め、前記第1の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶すると共に、前記第2の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶するパラメータ一覧記憶手段と、該パラメータ一覧記憶手段に記憶されている前記複数のパラメータ候補のなかから前記予測手段による前記外気条件の予測値に対応するパラメータ候補を選択することで、前記第1の一次式のパラメータと前記第2の一次式のパラメータとを決定するパラメータ選択手段とを更に有し、前記最適化手段は、該パラメータ選択手段で決定されたパラメータを適用した前記第1の一次式と前記第2の一次式と、上記空調負荷需要の予測値を用いて、前記制約条件の基で前記評価関数を最小化する問題を解くことで、その解としての前記各熱源機器の運転計画の生成を行うようにしてもよい。
上記消費電力や消費水量は、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式や、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式を用いて算出できるが、これらの一次式におけるパラメータの値は、外気条件(温度、湿度等)によって変化するものである。この為、予め、各外気条件(各温度と湿度)毎に対応するパラメータの値を設定しておき、そのときの外気条件(現在または予測される外気条件)に応じてパラメータ値を適用することで、より的確な解が得られるようになる。
また、上記空調システムにおいて、例えば、前記最適化手段は、最初に雪冷房のみで前記予測手段で予測される空調負荷需要に対応可能か否かを判定する判定手段を有し、該判定手段において対応可能と判定された場合には、前記評価関数及び制約条件を用いることなく、雪冷房以外の熱源機器は全て停止とする運転計画を生成・出力する。
雪冷房のみで対応可能な場合には、最適化問題を解く処理を行わずに済ませることで、解を求める為の処理負荷を軽減でき、解を得るまでの時間の短縮化を図ることができる。
本発明の空調システム、その制御装置、プログラム等によれば、複数種類の熱源機器が混在する空調システムにおいて、サーバ負荷状況や外気状態に応じて、動作させる熱源機器の種類と台数と冷房能力を決定して各熱源機器の起動停止と冷房能力を制御することで、全体の運用コストが略最小となるように制御できる。また、解を得るまでの時間の短縮化を図ることができる。また、外気条件による熱源機器の能力変化等を考慮した正確な運用コストの算出と各熱源機器の的確な起動停止と冷房能力の制御を行える。
本例の空調システム全体の概略構成図である。 空調システムの制御装置の機能ブロック図である。 (a)は空気線図であり、(b)〜(d)は各小領域毎のパラメータ設定を説明する為の図である。 最適化機能部の処理フローチャート図である。 運用コストの比較である。 パソコンのハードウェア構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例の空調システム全体の概略構成図である。
尚、図示の例における空調システムでは、熱源機器としての後述する冷凍機システム3、外気冷房システム9、冷却塔システム5、雪冷房システム4の4種類の熱源機器が、1台ずつ設置されているが、この例に限らない。本手法の空調システムは、複数種類の熱源機器が混在する空調システムであり、熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置されているものである。従って、例えば、熱源機器は冷却塔と外気冷房の2種類のみであり、冷却塔は2台、外気冷房は1台であるケース等も有り得る。
図示の空調システムの空調(冷房)対象空間は、サーバ室1であり、一般的に多数のコンピュータ装置(サーバ装置)1a等が設置されている。サーバ装置等は、動作中は発熱量が多い発熱体となり、冬季であってもサーバ室1は冷房が必要な状態となる。
エアハンドリングユニット2は、サーバ室1からのリターン空気(暖気)を流入させ、これを水冷方式の(冷水が供給されている)熱交換器2aによって冷却して冷気にして、この冷気をファン2bによってサーバ室1へ送出する。この冷気は、サーバ室1内の各サーバ装置を冷却することで上記暖気となる。尚、この空調方式は、例えば全体空調方式を例にするが、この例に限らない。
上記熱交換器2a(コイル)への冷水供給に係る熱源機器には、従来の一般的な冷凍機システム3の他に、外気冷房システム9、冷却塔システム5、雪冷房システム4等の自然エネルギーを活用した方式の熱源機器を用いる。尚、ここでは、熱源機器は、基本的には冷水を冷却する(冷水から放熱させる)構成を意味し、例えば冷凍機システム3は、例えば、蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷凍機における凝縮器に相当する部分を意味する。但し、外気冷房システム9だけは、冷水を冷却するのではなく、サーバ室1からのリターン空気(暖気)を上記熱交換器2aの前段(空気の流れの上流側)で冷却する為の熱源機器である。
上記熱交換器2aと各種熱源機器(但し、外気冷房は除く)には図示の配管7が接続しており、配管7内には冷水が循環している。また、配管7の途中には図示のような各ヘッダ8(ヘッダー配管)が設けられているが、ここではヘッダ8も配管7の一部として扱い、特に区別しないものとする。配管7上には共有戻りポンプ6a、共有送りポンプ6bや、冷水ポンプ3c、雪冷房2次側ポンプ4d、冷却水ポンプ5b等が設けられており、これらのポンプによって冷水が配管7内を循環する。
尚、配管7として図示のバイパス管7’も設けられている。バイパス管7’上には開閉弁が設けられており、冷却塔システム5を起動しない場合には開閉弁を開くことで冷水がバイパス管7’を通過するように(冷却塔システム5を通過しないように)構成する。
上記冷凍機システム3、冷却塔システム5、雪冷房システム4の各熱源機器は、配管7上に設けられており、配管7内を循環する冷水は、これらの熱源機器によって冷却されて上記熱交換器2aに供給される。熱交換器2aにおいて上記リターン空気(暖気)を冷却することで温度上昇した冷水は、配管7を介して上記熱源機器に戻される。但し、本手法では、全ての熱源機器を動作させるとは限らない。環境に応じて、例えば雪冷房システム4のみを動作させる場合も有り得る。
上記各熱源機器について更に説明する。
まず、上記冷凍機システム3は、図1の例では水冷方式冷凍機3a、冷却塔3b、水冷ポンプ3c等を有する。動作状態においては、水冷方式冷凍機3a内においては、上記配管7内を循環する冷水と、冷却塔3bから供給される冷却水との熱交換が行われ、冷却水によって冷水を冷却する。
尚、上記冷凍機システム3は、所謂冷凍サイクルにおける室外熱交換器(凝縮器等と呼ばれるものもある)に相当するが、上記の通り水冷方式となっている。雪冷房システム4や冷却塔システム5や外気冷房システム9が、特に夏季等の外気温度が高い状況下では(あるいは雪が融けてしまうと)機能低下する(あるいは殆ど機能しなくなる)のに対して、冷凍機システム3は機能するが、運用コストが高くなる。後述するように、本手法を適用した場合でも、夏季等には運用コストが従来と略同様となるかもしれないが、他の季節においては運用コスト低減効果が得られ、1年間トータルでは大きな運用コスト低減効果が得られる。
また、上記雪冷房システム4は、雪冷房機4a、雪冷房1次側ポンプ4b、熱交換機4c、雪冷房2次側ポンプ4dを有する。雪冷房1次側ポンプ4bによって、雪冷房機4aと熱交換機4cとに冷却水を循環させる。雪冷房機4aは、雪によって冷却水を冷却する。配管7にも接続している上記熱交換機4c内では、上記配管7内を循環する冷水と上記冷却水との熱交換が行われ、冷却水によって冷水を冷却する。
尚、雪冷房システム4としては、よく知られているものとしては、冬季間に降積った雪を貯雪庫に保存しておき、この雪を主に夏季等に冷房に利用するものであるが、上記の通りデータセンタ等では一年中冷房が必要となるので、貯蔵した雪が完全に融けて無くならない限りは、いつでも冷房に利用できることになる。
また、よく知られているように、雪冷房システムには、空気と雪とを熱交換する全空気循環式と、水を用いる冷水循環式とがあるが、本例では上記のように冷水循環式である。尚、冷水循環式の場合、上記雪冷房機4aにおいて雪によって冷却水を冷却する方法としては、例えば冷却水を雪山に散布して、冷やされた冷却水(雪が融けて成る水も含まれる)を、雪山の下に設けられる貯水槽に流入させる方法が知られている。この場合、貯水槽の冷却水を上記雪冷房1次側ポンプ4bによって上記熱交換機4cに供給するものである。
尚、上記のことから、雪冷房システム4における消費水量は、無いものと見做すことができる。また、雪冷房システムにおける消費電力は、主に雪冷房1次側ポンプ4bと雪冷房2次側ポンプ4dとによるものとなる。
また、冷却塔(クーリングタワー)システム5は、図示の例では密閉式冷却塔5a、冷却水ポンプ5bを有する。密閉式冷却塔5aは配管7に接続しており、その内部を上記冷水が通過する。密閉式冷却塔5aの構成は、よく知られているので特に図示しないが、その内部の不図示の熱交換器を通過する上記冷水を、図示の散布水ポンプ5a−1等によって上方へと汲み上げられて散布される水によって冷却する。
尚、よく知られているように、冷却塔(クーリングタワー)は水が蒸発する際に周囲から熱を奪うという自然法則を利用するものであり、冷却塔システムにおける消費水量は、主に蒸発する水の量であるが、これだけではなく、飛散水量(塔外に飛散する水の量)等も含まれる。また、冷却塔システム5における消費電力は、主に冷却水ポンプ5bや散布水ポンプ5a−1や不図示のファン等によるものとなる。
尚、上記冷却塔3bは、上記密閉式冷却塔5aと略同様の構成であってもよい(但し、最大冷却能力は異なるかもしれない。すなわち、冷却塔3bの最大冷却能力は、上記密閉式冷却塔5aの最大冷却能力よりも高いかもしれない。)
また、上記外気冷房システム9は、上記サーバ室1からのリターン空気(暖気;リターン)の一部を建物外に排気する排気ファン9b、建物外の空気(外気)をエアハンドリングユニット2に取り入れる為の給気ファン9a等を有する。尚、ここでは、エアハンドリングユニット2の前段に設けられている加湿器9cも、外気冷房システム9に含まれるものとして扱う。尚、前段、後段とは空気の流れに応じたものとする。つまり、空気の流れの上流側が前段、下流側が後段となる。
上記のように、リターン空気(暖気;リターン)の一部を建物外に排出すると共に外気を吸気して混合させることで混合空気が形成されて、この混合空気が上記熱交換器2aに流入して上記冷水との熱交換が行われて冷却されることになる。この混合空気の温度は、外気の温度がリターン空気の温度よりも低い場合には、リターン空気の温度よりも低いものとなる。従って、この場合には、熱交換器2aの冷却負荷が軽減されることになる。
外気冷房システム9の消費電力は、主に給気ファン9と排気ファン9bとによるものとなる。また、外気冷房システムの消費水量は、主に加湿器9cによって空気に供給されるものとなる。
以上、各熱源機器について簡単に説明した。尚、これら各熱源機器は、既存の一般的な構成であり、従ってこれ以上詳細には説明しない。
また、図1には示していないが、本例の空調システムには後述する図2に示すPC(パソコン)10や下位コントローラ30も含まれる。下位コントローラ30と図1に示す上記各熱源機器(そのポンプ、ファン等)とは、不図示の制御線によって接続されており、下位コントローラ30はこの制御線を介して各熱源機器を制御する。下位コントローラ30は、不図示の記憶装置(メモリ)等を有しており、このメモリには各熱源機器の運転計画(未来の各時間帯毎の起動/停止スケジュールや冷房能力Q)が格納されている。下位コントローラ30は、この運転計画に従って各熱源機器を制御するが、これについては既存技術であるので、ここでは特に説明しない。
上記運転計画は、PC(パソコン)10において後述する各種機能によって自動的に生成されて、下位コントローラ30にダウンロードされる。
本手法の特徴は、主に、例えば図1に示すような複数種類の熱源機器が混在する空調システムにおける、PC(パソコン)10による各種熱源機器の運転計画の自動作成機能にある。
尚、パソコン(PC)10と下位コントローラ30とをまとめて制御装置と呼ぶ場合もある。
ここで、上述したように外気条件によって上記各熱源機器の最大能力や消費電力および消費水量が変化するが、本空調システムでは上記図2のパソコン10等が、この様な変化に対応した的確な運転計画を生成できる。図2のパソコン10は、例えば、外気条件と空調負荷の実績値に基づいて、未来の各時間帯毎の外気条件と空調負荷の予測値を求める。そして、これら予測値に応じた後述するパラメータ等を、予め設定されているパラメータ一覧等から選択して、選択したパラメータなどを用いて運用コスト(総消費電力、総消費水量にそれぞれ単価を乗じたものの和)が最小となる熱源機器の運転計画を計算する。そして、この計算結果に応じて上記図2の下位コントローラ30に上記各熱源機器の制御を行わせる。
図2を参照して、上記パソコン(PC)10の機能について説明する。
図2は、上記空調システム(その熱源機器)の制御装置の一部であるパソコン(PC)10の機能ブロック図である。尚、パソコン(PC)10は、熱源機器運転計画作成装置と見做してもよい。
パソコン(PC)10は、定式化機能部11、予測機能部12、パラメータ選択機能部13、最適化機能部14、下位コントローラ通信機能部15の各種機能部を有する。
パソコン(PC)10のハードウェエア構成は、例えば汎用のコンピュータの一般的な構成であってよく、CPU、メモリ、ハードディスク等の記憶部、通信機能部、キーボード/マウス等の入力部、ディスプレイ等の表示部などを有する。ハードディスク等の記憶部には、予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されており、CPUがこのアプリケーションプログラムを読出し・実行することにより、上記定式化機能部11、予測機能部12、パラメータ選択機能部13、最適化機能部14、下位コントローラ通信機能部15、管理機能部16等の各種機能部が実現される。
尚、パソコン(PC)10と下位コントローラ30とをまとめて制御装置と呼ぶ場合もある。
また、不図示の画面表示制御部によって、上記ディスプレイ等には、図示の機器設定画面17a、設定画面17b、表示画面17c等の各種画面が表示される。ユーザは、上記キーボード/マウス等を操作することで、これら画面上で所望の指示等を入力することができる。
尚、上記各種機能部を、図示のように支援系(オフライン)と実行系(オンライン)とに区分するようにしてもよい。支援系(オフライン)の機能は、予め実行しておく機能であり、本例では定式化機能部11のみである。実行系(オンライン)の機能は、運用中に、過去から現在までのサーバ負荷や気象データを取得して、これらのデータに基づいて主に上記熱源機器の運転計画作成等を行うものである。実行系(オンライン)の機能は、予測機能部12、パラメータ選択機能部13、最適化機能部14、下位コントローラ通信機能部15等である。尚、各機能のI/F(インターフェース)は、例えばCSVファイルの入出力等である。
尚、管理機能部16は、不図示の管理画面を表示してPLC等の下位コントローラ30の通信(SX通信等)に関する設定を行わせる下位コントローラ設定機能や、データ管理機能、パラメータ設定・管理機能を有する。これらの機能は、既存機能であるし本手法には特に関係ないのでこれ以上は説明しない。
定式化機能部11は、上記ディスプレイ等に機器設定画面16aを表示して、例えばユーザ等に任意の所定情報(例えば、機器モデル(機種など))や機器構成、台数等)を入力させる。
ここで、特に図示しないが、各熱源機器毎に、その熱源機器に関する情報(熱源機器情報というものとする)が予め記憶されている。熱源機器は、大別すると上記のように、冷凍機、外気冷房、冷却塔、雪冷房の4種類があるが、それぞれに複数の機種が存在するものとする。例えば冷却塔を例にすると、例えば機種1と機種2の2種類があるものとすると、各機種毎にそれぞれ冷却能力(最大能力)や負荷に応じた消費電力/消費水量が異なることになり、よって後述する各パラメータa,b,c,dや上下限値f,gも、機種1、機種2それぞれについて決定することになる。また、例えば雪冷房に関しては、上記熱源機器情報として、例えば雪冷房の利用可能熱量、ロス熱量loss、冷房能力等が記憶されているものとする。
上記機器設定画面16a上で、ユーザは、上記熱源機器について、例えば、所望の種類、機種、台数を選択するとともに、これらの配置を任意に行う(例えば図1に示すような配置を行う)。尚、図1では、上記冷凍機、外気冷房、冷却塔、雪冷房の4種類の全てを選択すると共に、各種類毎に任意の機種を1台のみ選択し、例えば図示のように配置したものと見做せる。定式化機能部11は、選択された熱源機器と台数を示す情報を、例えばCSVファイルに格納して所定の記憶領域に記憶する。
また、定式化機能部11は、例えば上記のように予め記憶されている各熱源機器の熱源機器情報のなかから、上記ユーザによって選択された熱源機器の熱源機器情報の全部または一部(例えば雪冷房の場合、上記利用可能熱量、ロス熱量loss、最大冷房能力等)を取得して、これを例えばCSVファイル構成として所定の記憶領域に記憶する。雪冷房に関しては、更に、選択された各雪冷房毎に、その雪冷房の起動停止計画(後述するiステップ先の雪冷房の起動停止変数δs(i))を、ユーザに任意に設定させて、この設定内容も上記CSVファイルに格納する。
上記CSVファイルは、例えば後の最適化機能部14の処理の際に用いられる。
また、定式化機能部11は、上記所定情報や熱源機器情報等に基づいて消費電力パラメータ、消費水量パラメータの一覧表を生成して記憶部に記憶する(定式化機能部11で、物理パラメータ(熱源機器の冷却能力や設定温度、流量、外気温湿度など)を設定すると、冷房能力に対する消費電力、消費水量の関係を一次式に近似する)。
これは、例えばユーザによる上記画面上での設定に加えて更に所定の物理パラメータ(熱源機器の冷却能力や効率、設定温度、流量、外気温度、湿度等など)を設定すると、既存機能(狭義にはこの機能を定式化機能と呼ぶ)によって、各熱源機器毎に、冷房能力に対する消費電力、消費水量の関係を一次式に近似したものが生成されるので、これを各温度、湿度毎に(例えば後述する小領域の代表点毎に)生成して、結果を消費電力パラメータ一覧、消費水量パラメータ一覧として出力する。
但し、この例に限らず、上記消費電力パラメータ一覧、消費水量パラメータ一覧や後述する上下限値一覧などは、後述する小領域毎にユーザが任意の値を設定することで作成するものであってもよい。この場合には、定式化機能部11は、例えば、ユーザに任意の設定値を入力させる為の画面(不図示)を表示して、設定内容を例えば上記CSVファイルに格納する処理を行うものとなる。
上記消費電力パラメータ、消費水量パラメータや上下限値の一覧表の生成について、図3(a)〜(d)を参照して説明する。
ここで、まず、負荷(冷却能力)Qに応じた消費電力Eは、以下の(1)式により表される。
E = aQ+b ・・・(1)式
尚、a,bは、上記(1)式すなわち消費水量に関する一次近似式のパラメータ(aは傾き、bは切片)である。但し、既に述べた通り、熱源機器の冷却能力や消費電力や消費水量は、外気条件等によって変化するものである。これは、例えば、熱源機器の冷却能力Qが仮に一定であっても、それに応じた消費電力は、外気条件(温度、湿度等)が変われば変化するものである。つまり、上記(1)式のパラメータa,bの値は、外気条件(温度、湿度等)によって変わるものである。これは、後述する消費水量Wに係るパラメータc,dや冷却能力Qの上下限値f,g等に関しても同様である。
ここで、図3(a)に示す空気線図は、縦軸が湿度(絶対湿度)、横軸が温度(乾球温度)となっており、図示のように一般的な飽和線を示している。そして、所定の温度範囲(図示のTmin〜Tmax)、所定の湿度範囲(図示のXmin〜Xmax)により規定される領域(外気条件範囲)を、図示のように複数の小領域に分割する。図示の例では、温度、湿度とも4分割することで16の小領域に分割している。
そして、各小領域に代表点(中心点など)を示しているが、図示のように丸と菱形の2種類がある。これは、図示の飽和線の左側の領域は、湿度が100%を越えることを意味しており実際には存在しないので、図示の通り菱形の代表点で示す小領域は、実際には存在しない外気条件を意味している。これより、上記パラメータa,bの設定対象は、図示の代表点が丸印である小領域ということになる。
そして、例えば図3(b)に示すように、代表点が丸である小領域毎に上記パラメータa,bの値を設定している。尚、図では全ての小領域に対して同じパラメータa、bを設定しているように見えるが、実際には任意の小領域に対しては例えばパラメータa1,b1を設定し、他の任意の小領域に対しては例えばパラメータa2、b2を設定する等というように、基本的にはパラメータa、bの値は、小領域毎に異なるものとなる。これが上記消費電力パラメータの一覧表に相当する。
尚、図3(b)の図上左側には、上記(1)式に相当する一次式(負荷と消費電力との関係を示す近似式)に相当するグラフ(各直線)を示してある。例えば、シミュレータ等で各熱源機器毎に様々な外気条件の基で負荷と消費電力との関係を求めて、これらを図3(b)の図上左側に示す黒丸のようにプロットすることで、図示のようにこれら複数の黒丸に基づいて直線を引くことで、上記(1)式に相当する一次式(そのパラメータa,b)を求めること等も可能である。何れにしてもパラメータ生成自体は既存技術で実現できるので、ここではこれ以上は説明しない。
そして、任意の小領域のパラメータa,bが、後述する(式6)に適用されることになるが、基本的には温度が高いほど、冷房能力の割には消費電力が高くなる傾向になる(つまり、温度が高いと性能が落ちる)。この様に、外気条件(温度、湿度)によって性能が変わる為、上記のように小領域毎に略適切なパラメータを設定しておき、後に運用中には、そのときの外気条件に応じたパラメータを選択して後述する(式6)に適用することで、正確な消費電力算出(以って運用コスト算出)を実現できる。これより、的確な運転計画の生成も実現できるようになる。
また、この様に予めパラメータ一覧を求めて記憶しておくことで、運用中に逐一計算しなくて済むので、運用中における熱源機器の起動停止問題を解く為の処理負荷を軽減できる(処理時間が短くて済む)。
そして、後述するようにパラメータ選択機能部13において、気象予測データ等が示す温度、湿度に該当する小領域から、当該小領域に対して設定されているパラメータa,bの値を取得することになる。そして、取得したパラメータa,bの値を上記(1)式に代入したうえで、熱源機器の起動停止問題を解く処理を行うことになる。これについては詳しくは後述する。
上記(1)式に示すように、熱源機器の消費電力は、熱源機器の負荷(冷房能力)Qの一次関数に近似することができ、この一次関数のパラメータ(傾きaと切片b)を上記各外気条件(各小領域)毎に設定した。これは、消費水量についても略同様である。すなわち、例えば図3(c)に示すように、消費水量も消費電力と略同様に熱源機器の負荷(冷房能力)Qの一次関数に近似することができ、熱源機器の負荷(冷却能力)Qに応じた消費水量Wは、例えば以下の(1)’により求められる。
W = cQ+d ・・・(1)’式
尚、c,dは、上記(1)’式すなわち熱源機器の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(cは傾き、dは切片)である。
上記消費水量Wに係る一次関数のパラメータ(傾きcと切片d)についても、上記消費電力Eのパラメータa、bの場合と同様に、各熱源機器(その機種等)毎に、更に上記各外気条件毎(各小領域毎;各温度・湿度毎)に、設定するものである(例えば図3(c)に示すように設定する)。このように、各熱源機器(その機種等)毎に、その熱源機器に係る上記消費水量W算出の為のパラメータは、1つではなく、図3(a)で説明した各小領域(但し、代表点が丸印のもの)毎に設定するものであり、これが上記消費水量パラメータの一覧表に相当する。
尚、図3(c)では全ての小領域に対して同じパラメータc、dを設定しているように見えるが、実際には任意の小領域に対しては例えばパラメータc1,d1を設定し、他の任意の小領域に対しては例えばパラメータc2、d2を設定する等というように、基本的にはパラメータc、dの値は、各小領域毎に異なるものとなる。
更に、各熱源機器の冷却能力Qには、当然、上限値(最大能力)が存在するが、この上限値も上記消費電力、消費水量等の場合と同様に、外気条件(温度、湿度)によって変動する。また、各熱源機器は、運転するにはある程度以上の冷却能力Qで運転しなければならない場合もあり、つまり各熱源機器の冷却能力Qには下限値も存在する場合もある(尚、下限値が‘0’である熱源機器もあってよい)。そして、この下限値も外気条件(温度、湿度)によって変動する。
上記のように、各熱源機器の冷却能力Qは、下限値≦Q≦上限値の範囲内の任意の値となるが、これら下限値、上限値自体が、外気条件(温度、湿度)によって変動する。
この為、定式化機能部11においては、上記上限値、下限値に関しても、上記パラメータa,b,c,d等と同様に、例えば図3(d)に示すように、上記各小領域毎に、下限値g、上限値fを設定して成る上下限値一覧表を作成して上記CSVファイルとして格納しておく。これも、上記パラメータa,b等と同様に、自動作成してもよいし、ユーザに任意の値を設定させてもよい。
尚、図3(d)では全ての小領域に対して同じ下限値g、上限値fを設定しているように見えるが、実際には任意の小領域に対しては例えば下限値g1、上限値f1を設定し、他の任意の小領域に対しては例えば下限値g2、上限値f2を設定する等というように、基本的には下限値g、上限値fの値は、各小領域毎に異なるものとなる。尚、下限値g、上限値fも、パラメータの一種として扱ってもよい。
尚、上記各種一覧表は、各熱源機器毎に対応して作成される。例えば、後述する「1台目〜N台目までのN台の各外気冷房」に対応して、これら各外気冷房毎に上記消費電力パラメータ一覧表、消費水量パラメータ一覧表、上下限値一覧表が作成される。同様に、例えば、後述する「1台目〜N台目までのN台の各冷却塔」に対応して、これら各冷却塔毎に上記消費電力パラメータ一覧表、消費水量パラメータ一覧表、上下限値一覧表が作成される。他の熱源機器に関しても同様にして上記消費電力パラメータ一覧表、消費水量パラメータ一覧表、上下限値一覧表の3種類の一覧表が作成される。
そして、後述するパラメータ選択機能部13では、各熱源機器毎に、その熱源機器に対応する上記3種類の一覧表からそれぞれ、そのときの外気条件(温度、湿度)に応じたパラメータa、b、c、d、下限値g、上限値fを選択・取得することになり、これらが、後述するA**、B**、C**、D**、G**、F**となる。
尚、予め記憶されている情報としては、他にも例えば電気料金単価[円/kW]、水道料金単価[円/m3]等がある(これも、例えば上記CSVファイルに格納されている)。尚、特に詳しくは説明しないが、基本的に、後述する図4の処理で必要となるデータは、全て、予めCSVファイルに格納されているものとする。
以上、定式化機能部11について説明した。
続いて、予測機能部12について説明する。
予測機能部12は、サーバ負荷と気象に関する実績値(過去から現在までのデータ)を入力し、サーバ負荷と気象に関する予測結果を出力する。当該予測機能部12の機能は、例えば参考文献(特開2004−94437号公報)に記載の公知の手法を用いればよく、ここでは詳細には説明しない。尚、気象に関する予測結果とは、例えば温度と湿度の予測結果である。例えば未来のiステップ先(i=1,2、・・・k;kは任意の整数)のステップ毎のサーバ負荷の予測値や温度と湿度の予測値等が得られることになる。また、尚、サーバ負荷は、サーバ1aの消費電力等であってもよいし、全てのサーバ1aの消費電力等に基づいて得られるサーバ室1全体の空調負荷であってもよい。尚、iステップ先とは、例えばi時間後を意味する。
パラメータ選択機能部13は、予測機能部12による上記サーバ負荷と気象に関する予測結果に基づいて、上記のように予め生成・記憶されていた上記消費電力パラメータの一覧、消費水量パラメータの一覧、上下限値の一覧表から、該当するパラメータa、b、c、d、下限値g、上限値fを選択・取得する。これは、上記空調システムを構成する熱源機器毎に、上記iステップ先(i=1,2、・・・k;kは任意の整数)毎に、そのステップiの温度と湿度の予測値に応じて、該当するパラメータa、b、c、d、下限値g、上限値fを選択・取得する。これは、例えば、上記図3で説明した複数の小領域のなかで上記予測された温度、湿度に該当する小領域を求め、この小領域に対して設定されている上記パラメータa、b、パラメータc、d、下限値g、上限値fを取得することになり、これらが後述するA**、B**、C**、D**、G**、F**となる。
パラメータ選択機能部13の処理は、以上のパラメータa、b、パラメータc、d、下限値g、上限値fを選択・取得する処理だけであってもよいが、更に以下に説明するように評価関数、制約条件を生成する処理まで行うようにしてもよい(変形例)。但し、この例に限らず、評価関数、制約条件の生成は、最適化機能部14が実行してもよい。
上記変形例におけるパラメータ選択機能部13の処理は、上記パラメータa、b、c、d、上下限値g、fを選択・取得したら、続いて、熱源機器毎に(更に各ステップi毎に)、当該取得した各パラメータを上記(1)式、(1)’式に適用する。これによって、熱源機器毎の(更に各ステップi毎の)消費電力E、消費水量Wの算出式が決定される。
ここで、変形例のパラメータ選択機能部13は、例えば予め後述する(式5)、(式6)、(式7)、(式8)、(式10)等を記憶している。そして、例えば、(式5)、(式6)に対して上記取得したパラメータa、b、パラメータc、dを適用することで、上記各熱源機器毎の消費電力E、消費水量Wの算出式が決定される(換言すれば、予め(式5)、(式6)、(式7)の雛形を用意しておき、パラメータを適用することで(式5)、(式6)、(式7)を完成させる)。
そして、例えば(式5)を例にすると、後述する(式5)の評価関数における各消費電力EOA1(i)〜EOAN(i)、ECT1(i)〜ECTN(i)に、上記取得したパラメータa、bを適用した(1式)を代入する。同様に、(式5)の評価関数における各消費水量WOA1(i)〜WOAN(i)、WCT1(i)〜WCTN(i)に、上記取得したパラメータc、dを適用した(1式)’を代入する。
これによって、後述する(式5)における評価関数J1の変数は、熱源機器毎の(更にステップi毎の)冷房能力Q(i)と起動停止変数δ(i)となり、評価関数J1を最小にする冷房能力Q(i)と起動停止変数δ(i)とが解として求まることになる。これは、後述する他の評価関数J2,J3に関しても同様である。
ここで、熱源機器は、ここでは冷熱源機器を意味する。また、熱源機器が供給する熱量は冷熱量を意味する。また、熱源機器の冷房能力Q(kw)とは、その熱源機器が処理する負荷(冷却負荷;冷却水の冷却に掛かる負荷)に応じた冷却能力を意味するものとする。冷房能力(冷却能力)Qは、その熱源機器の最大能力を意味するものではなく、図3(d)等に示す上限値“f”が、その熱源機器の最大冷却能力を意味する。尚、負荷と冷却能力とを同義と見做してもよい。熱源機器の冷房能力Q(kw)は、図3(d)等に示す下限値“g”と上限値(最大冷却能力)“f”との間の任意の値となるが、上記評価関数J1を最小にする冷房能力Qの値が、上記解として求められることになる。
更に、制約条件(後述する(式5)中のs.t.)は、予め記憶されている雛形に対して、上記選択・取得した下限値g、上限値fを適用した後、最適化機能部14へ出力する。例えば、後述する(式5)中のs.t.におけるGOA1(i)とFOA1(i)(iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力の下限値と上限値)には、それぞれ、1台目の外気冷房に関してiステップ先の外気条件(温度、湿度)に応じた下限値g、上限値fを取得して代入することになる。
この様に、変形例としては、パラメータ選択機能部13は、単に外気条件に応じたパラメータを選択するだけでなく、選択したパラメータを用いて評価関数を生成して制約条件と共に最適化機能部14へ出力する。但し、この例に限らず、既に述べたように、上記選択・取得したパラメータa、b、パラメータc、d、下限値g、上限値fを、そのまま、最適化機能部14へ出力するようにしてもよい。尚、この場合には、後述する(式1)〜(式10)や判別式a,b,c,dは、全て最適化機能部14側で保持しておき、上述した(式6)、(式7)とパラメータa、b、パラメータc、dを用いた上記各熱源機器毎の消費電力E、消費水量Wの算出式の作成や、下限値g、上限値fを用いた制約条件の作成等は、最適化機能部14で実行することになる。
最適化機能部14は、パラメータ選択機能部13の出力(例えば上記評価関数と制約条件:あるいは上記選択・取得したパラメータ)を入力して、これらの入力データと予め記憶されている各データや各式(後述する(式1)〜(式10)、判別式a、b、c、d等)を用いて、各熱源機器の運転計画(未来の時間帯毎の起動/停止スケジュールや冷房能力Q)を演算・出力する。最適化機能部14の処理については、後にフローチャート図を参照して詳しく説明する。尚、予め記憶されている各データとは、例えば上記CSVファイルとして記憶された、各種熱源機器に関するデータ(例えば雪冷房の場合、上記利用可能熱量、ロス熱量loss、最大冷房能力等)である。
下位コントローラ通信機能部15は、最適化機能部14の演算結果を入力として、この演算結果の値をINT型またはBOOL型に変換して、下位コントローラ30の指定されたアドレスに書き込む。
尚、上記実行系(オンライン)では図2に示す設定画面16bと表示画面17cを用意し、設定画面16bにおいては最適化計算の実行・停止をユーザが指示でき、表示画面17cでは運転状態を表示する。運転状態は、例えば下位コントローラ通信機能部15が管理して表示させる。例えば、図示のように正常/異常状態を示す「正常運転中」、現在の運転モードを示す「外気冷房モード」等が表示される。
また、尚、管理機能部16は、例えば、定周期管理を行い、定周期にて上記熱源機器の起動停止などの運転計画を算出させる。これは、パラメータ選択機能部13と予測機能部12(気象予測機能、負荷予測機能)と最適化機能部14によって上述した演算を実行させ、その結果を下位コントローラ通信機能部15によって下位コントローラ30の指定したアドレスに値を書き込ませるものである。
また、尚、上記機器設定画面16a上での任意の所定情報(例えば、機器モデルや機器構成等)の設定に関して、機器構成の設定は、例えばユーザに任意の基本フロー構造を定義させ、更に各熱源機器の有無と台数を選択させ、フローパターンを複数定義させるものである。また、機器モデルの設定に関しては、冷凍機、外気冷房、雪冷房、冷却塔の各種熱源機器の機器特性を設定可能である。
ここで、上記定式化機能部11の機能は、最適化機能部14が演算できるような標準系の評価関数と制約条件を定めるものと言うこともできる。これは、換言すれば、定式化機能部11は、上記機器設定画面16a上で定めた熱源機器モデルを用いて、複数の外気条件における熱源機器の消費電力および消費水量を計算し、各熱源機器の定式化に必要なパラメータ(上記パラメータa、b等)を、予めテーブルデータとして作成・記憶しておくものと言える。
また、上述したパラメータ選択機能部13の機能は、定式化機能部11で求めた複数の消費電力パラメータ一覧や消費水力パラメータ一覧から、現在および未来の温湿度に応じた消費電力パラメータや消費水力パラメータを選択するものと言える。
また、上述した予測機能部12の機能は、過去の温湿度とサーバ負荷の実績データ用いて、気象予測とサーバ負荷予測を行うものと言える。
また、上述した最適化機能部14の機能は、任意の制御周期で、任意に設定された未来の時間まで、運用コストを最小化する熱源機器の運転計画を算出するものと言える。尚、“解なし”の場合は、前回値を解とするようにしてもよい。
また、上述した最適化機能部14の機能は、例えば、各種熱源機器を、雪冷房(グループ1)、外気冷房と冷却塔(グループ2)、冷凍機(グループ3)の3つにグループ分けし、まず雪冷房のみでサーバ負荷に対応可能か否かを判別する(第1の判別)。この第1の判別が真の場合は雪冷房のみを運転させるものとし、評価関数と制約条件を用いた運転計画算出の処理(時間や処理負担が掛かる処理)は行わずに済む。
一方、上記第1の判別が偽の場合は、雪冷房に加えて更にグループ2の熱源機器(外気冷房と冷却塔)を全て起動した場合にサーバ負荷に対応可能か否かを判別する(第2の判別)。この第2の判別が真の場合は、雪冷房と外気冷房と冷却塔(グループ2)とで運用コストが最小となる運転計画を算出する(起動停止問題を解く)。
但し、第2の判別が真の場合でも、更に雪冷房と冷凍機(グループ3)との組み合わせに関しても起動停止問題を解き、雪冷房に対してグループ2とグループ3のどちらを組み合わせた方が運用コストが安く済むのかを判別し、運用コストが安い方を選択する方法も考えられる。
一方、上記第2の判別が偽の場合は、雪冷房に加えて全ての熱源機器(外気冷房と冷却塔と冷凍機)を起動した組み合わせでサーバ負荷が処理できるか否かを判別する(第3の判別)。この第3の判別が真の場合は、雪冷房と外気冷房と冷却塔と冷凍機との組み合わせで、運用コストが最小となる運転計画を算出する。
但し、第3の判別が真の場合でも、更に雪冷房と冷凍機との組み合わせに関しても起動停止問題を解き、雪冷房に対して「グループ2+グループ3」と「グループ3」のどちらを組み合わせた方が、運用コストが安く済むのかを判別し、運用コストが安い方を選択する方法も考えられる。
一方、上記第3の判別が偽の場合は、例えば“解なし”として起動可能な全ての熱源機器を起動させてエラーを出力する制御を行う。あるいは、上記のように、前回の解を用いるようにしてもよい。
尚、最適化機能部14は、例えば、予測機能部12で得られた気象条件やサーバ負荷の予測値を用い、評価する時間区間の負荷側温度の上下限値を制約条件の1つとし、その制約条件を満たす熱源機器の起動停止計画を算出するようにしてもよい。
以下、上記最適化機能部14の処理について更に詳細に説明する。
図4は、最適化機能部14の処理フローチャート図である。
図4において、まず、予測結果を更新する(S1)。これは、予測機能部12で求めた乾球温度(T)、絶対湿度(X)、負荷需要(Qld)のステップi毎の予測値を用いて、下記の(式1)により各ステップi毎の乾球温度(T)、絶対湿度(X)、負荷需要(Qld)の更新を行うものである。
Qld(i)= Qld*(i) 、 T(i)= T*(i) 、 X(i)= X*(i) (式1)
{i=1,2,・・・k}(k;任意の整数)
{ここで、
Qld(i);iステップ先の負荷需要 [kW]、
T(i) ;iステップ先の乾球温度 [℃]、
X(i) ;iステップ先の絶対湿度 [kg/kg(DA)]、
Qld*(i);iステップ先の負荷需要予測値 [kW]、
*(i) ;iステップ先の乾球温度予測値 [℃]、
*(i) ;iステップ先の絶対湿度予測値 [kg/kg(DA)]である。}
尚、ステップiは予測および最適化に係る各時間区間(例えば、1時間毎等)を意味し、ステップ数をkと設定したならば、i=1,2,・・・,kである。例えば一例としてiを1時間単位に対応するものと考えるならば、iステップ先とはi時間後を意味し、例えばk=5の場合には、1時間後から5時間後までを1時間単位で負荷需要、乾球温度、絶対湿度の予測を行ったことになる。
上記更新処理により、Qld(1)、Qld(2)、・・・Qld(k)、T(1)、 T(2)、・・・ T(k)、X(1)、 X(2)、・・・ X(k)が得られる。
尚、DAはdry airの略であり、上記絶対湿度は重量絶対湿度のことである。
次に、雪冷房の利用可能熱量を更新する(S2)。雪冷房の利用可能熱量は、前回のステップで雪冷房が起動されていた(δs(i-1)=1)場合、雪冷房の最大冷房能力(Qs)と融解等のロス(loss)を差し引いて更新する。つまり、以下の(式2)によりiステップ先の雪冷房の利用可能熱量を更新する。尚、上記の通り、ステップ数をkと設定した時i=1、2…kである。
Qall(i)=Qall(i-1) − δs(i-1)Qs(i-1) − loss (式2)
{i=1,2,・・・k}(k;任意の整数)
{ここで、
Qall(i);iステップ先の雪冷房の利用可能熱量 [kW];尚、Qall(i)の初期値、最大冷房能力(Qs)等は、例えば上記記憶されているCSVファイルから取得する。
δs(i) ;iステップ先の雪冷房の起動停止変数(0、1)、
δs(i−1) ;‘i−1’ステップ先の雪冷房の起動停止変数(0、1)、
Qs(i−1) ;‘i−1’ステップ先の雪冷房の冷房能力 [kW]、
Loss ;雪冷房の熱のロス[kW](予め任意に設定される固定値)である。}
尚、各ステップi毎の起動停止変数δs(i)は、ユーザ(開発者等)が任意に決めて設定しておくものであり、冷房能力Qs(i)は雪冷房の冷房能力の最大値(最大冷房能力;よってステップに関係なく固定値)であり、これらは例えば上記CSVファイルの1つに記憶しておき、これを取得して上記(式2)の演算を行うことになる。
尚、δs(i)=1の場合は雪冷房起動(運転)、δs(i)=0の場合は雪冷房停止を意味する。この例に限らず、本例では、起動停止変数、δ(i)は‘1’が起動(運転)、‘0’が停止を意味する。
上記(式2)によって、Qall(1)、 Qall(2)、・・・ Qall(k)が得られる。
尚、上記(式2)で算出したQall(i)が、マイナスの値となった場合には、貯蔵している雪が無くなったことになり、雪冷房は使えなくなることを意味するので、雪冷房の冷房能力(Qs)を強制的に‘0’に設定する。
次に、雪冷房能力(Qs)が負荷需要Qld(i)以上であるか否かを判断する(S3)。これは、以下の(判定式a)の条件が成立するか否かによって、雪冷房能力がサーバ室1の空調負荷以上であるか否かを判断する。
δs(i) Qs(i)≧Qld(i) (判定式a)
{i=1,2,・・・k}(k;任意の整数)
尚、既に説明済みであるが、δs(i)はiステップ先の雪冷房の起動停止変数(0、1)、Qs(i)はiステップ先の雪冷房の冷房能力 [kW]、Qld(i)はiステップ先の負荷需要 [kW]である。従って、δs(i)が‘0’の場合、すなわちiステップ先では雪冷房を停止する場合には、Qs(i)やQld(i)の値に関係なく、判定式aによる判別が偽となる(S3,NO)。
判定式aによる判別が真の場合(S3,YES)、すなわち「δs(i) Qs(i)≧Qld(i)」の条件を満たす場合には、雪冷房のみで運転するものと決定し、これを最適化結果として出力して、本処理を終了する(S4)。この場合には、S5以降の処理(特に処理負荷が掛かるS7等の「起動停止問題を解く」処理)を実行しないで済むので、特に熱源機器の種類や台数が多い場合であっても、短時間で処理完了することになる。
尚、例えばi=1,2,・・・kの全てにおいて判定式aによる判別が真の場合にS3がYESになるが、この例に限らない。
一方、判定式aによる判別が偽の場合(S3,NO)、すなわち「δs(i) Qs(i)≧Qld(i)」の条件を満たさない場合、換言すれば「δs(i) Qs(i)<Qld(i)」であった場合には、S5の処理へ移行する。
上記S3の判定がNOの場合、「雪冷房に加えて他の熱源機器を使用する」ことになるが、まず、全ての熱源機器を使用せずに済むか否かを(上記グループ2の熱源機器を追加すれば対応可能か否かを)、図示のS5、S6の処理によって判定する。尚、「雪冷房に加えて他の熱源機器を使用する」ことには、δs(i)=0の場合(雪冷房を運転しない場合)も含まれるものとする。
まず、負荷需要(例えばサーバ室1の空調負荷など)と雪冷房能力との差を算出する(S5)。これは、以下の(式3)のように、負荷需要(Qld)から「起動停止も含めた雪冷房能力(δs(i)Qs(i))」を差し引き、雪冷房以外の熱源機器で供給すべき熱量(冷熱量)(Qsup(i)) [kW]を求める。
Qsup(i)=Qld(i)−δs(i)Qs(i) (式3)
{i=1,2,・・・k}(k;任意の整数)
ここで、Qs(i)はiステップ先の雪冷房の冷房能力 [kW]である。
そして、冷却塔と外気冷房の追加で冷房能力が足りるか否かを判定する(S6)。これは、雪冷房以外の熱源機器で供給すべき熱量(Qsup(i))に対して、冷却塔と外気冷房をフル稼働した場合の冷房能力で足りるか否かを判断するものである(例えば、以下の判定式bで判断する)。
{FOA1(i)+・・・+ FOAN(i)}+{FCT1(i)+・・・+ FCTN(i)}≧Qsup(i) ・・・ (判定式b)
{i=1,2,・・・k}(k;任意の整数)
{ここで、
OA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力の上限値f[kW]、
OAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の冷房能力の上限値f[kW]、
CT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の冷房能力の上限値f[kW]、
CTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の冷房能力の上限値f[kW]、
である。}
尚、これら各上限値fは、上記パラメータ選択機能部13で選択・取得していたものである。
尚、図1では冷却塔システムにおける冷却塔(密閉式冷却塔5a)は1台のみであるが、この例に限らず、冷却塔は複数台(ここではN台)あってもよい。これは、外気冷房に関しても同様である(ここではN台)。尚、ここでは冷却塔の台数と外気冷房の台数とが同じ(N台)としているが、勿論、同じでなくてもよい。
上記判別式bによる判別が真の場合(S6,YES)、図示のS7の処理へ移行する。尚、これは、例えば、i=1,2,・・・kの全てにおいて判別式bによる判別が真の場合にS6の判定がYESとなるが、この例に限らない。
一方、上記判別式bによる判別が偽の場合(S6,NO)、図示のS12の処理へ移行する。S12の処理へ移行する場合には、全種類の熱源機器を運転する場合も有り得る。つまり、雪冷房、冷却塔、外気冷房、冷凍機の4種類の熱源機器を運転する場合も有り得ることになる。詳しくは後述する。
以下、まず、S6の判定がYESの場合の処理について説明する。
尚、この場合には、全種類の熱源機器を運転することはない。そして、ここでは、雪冷房と冷凍機とを運転するケースと、雪冷房と外気冷房と冷却塔とを運転するケースとが考えられる。これより、両方のケースについて起動停止問題を解くと共に、より低コストで済む方を選択する。尚、起動停止問題を解くにあたって、雪冷房に関しては既にQsup(i)が求められていることから除外されており、雪冷房に加えて更に冷凍機を運転するケースと、外気冷房と冷却塔とを運転するケースとについて、それぞれ起動停止問題を解くことになる。従って、後述するS7,S8,S15では、雪冷房、冷却塔、外気冷房、冷凍機の4種類の熱源機器全てについて起動停止問題を解く場合に比べて、処理負荷が大幅に軽減されることになる。
まず、冷却塔と外気冷房を熱源として選択し、起動停止問題を解く(S7)。これは、以下の(式5)に示す評価関数J1をその制約条件のもとで最小化する問題を解くものである。尚、“任意の評価関数Jを制約条件のもとで最小化する問題を解く”処理は、一般的な既存技術であり、製品も存在している。実際の製品としては、例えば以下に列挙するものがある。例えば、これらの各製品のうちの任意の製品に対して、以下の評価関数J1と制約条件を入力することで、評価関数J1を制約条件のもとで最小化する問題に対する解が得られることになる。すなわち、最小化されたときの評価関数J1の値と起動停止の解(各外気冷房と各冷却塔のステップi毎の起動停止変数(δOA1(i)、・・・、δOAN(i)とδCT1(i)、・・・、δCTN(i))と冷房能力(i))(換言すれば運転計画)が生成・出力される。
・製品名:LINDO (LINDO社)
http://www.lindo.jp/LindoJ_Products/LindoJ_ProdLG.html
・製品名:CPLEX(ILOG社)
http://www-06.ibm.com/software/jp/websphere/ilog/optimization/core-products-technologies/cplex/
・製品名:NUOPT(数理システム);http://www.msi.co.jp/nuopt/
{ここで、
minJ;目的関数Jを最小化する、
s.t.→subject to;制約条件、
CE;電気料金単価 [円/kW]、
C;水道料金単価 [円/m3]、
δOA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の起動停止変数(0、1)、
δOAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の起動停止変数(0、1)、
δCT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の起動停止変数(0、1)、
δCTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の起動停止変数(0、1)、
EOA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の消費電力 [kW]、
EOAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の消費電力 [kW]、
ECT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の消費電力 [kW]、
ECTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の消費電力 [kW]、
WOA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の消費水量 [m3]、
WOAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の消費水量 [m3]、
WCT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の消費水量 [m3]、
WCTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の消費水量 [m3]、
QOA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力[kW],
QOAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の冷房能力[kW],
QCT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の冷房能力[kW],
QCTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の冷房能力[kW],
OA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力の下限値g[kW],
OAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の冷房能力の下限値g[kW],
CT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の冷房能力の下限値g[kW],
CTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の冷房能力の下限値g[kW],
OA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力の上限値f[kW],
OAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の冷房能力の上限値f[kW],
CT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の冷房能力の上限値f[kW],
CTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の冷房能力の上限値f[kW],
δR1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の起動停止変数(0、1)、
δRN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の起動停止変数(0、1)、
である。}
尚、上記の説明では省略しているが、当然、Nが3以上であれば(ここでは仮にN=3であれば)、更にδOA2(i)、δCT2、EOA2(i)、ECT2(i)、WOA2(i)、WCT2(i)等が加わることになる。これらの意味は、当然、下記の通りとなる。
δOA2(i);iステップ先の2台目の外気冷房の起動停止変数(0、1)、
δCT2(i);iステップ先の2台目の冷却塔の起動停止変数(0、1)、
EOA2(i);iステップ先の2台目の外気冷房の消費電力 [kW]、
ECT2(i);iステップ先の2台目の冷却塔の消費電力 [kW]、
WOA2(i);iステップ先の2台目の外気冷房の消費水量 [m3]、
WCT2(i);iステップ先の2台目の冷却塔の消費水量 [m3]、
ここで、上記N台の各外気冷房の消費電力EOA1(i)〜EOAN(i)やN台の各冷却塔の消費電力ECT1(i)〜ECTN(i)には、事前に以下の(式6)を代入する。同様に、上記N台の各外気冷房の消費水量WOA1(i)〜WOAN(i)やN台の各冷却塔の消費水量WCT1(i)〜WCTN(i)には、事前に以下の(式7)を代入する。但し、これは、既に以下の(式6)、(式7)に、各冷却塔毎に、各外気冷房毎に、更に各ステップi毎に、上記パラメータ選択機能部13によって選択された各パラメータa,b,c,dが、A**、B**、C**、D**に代入された状態であるものとしている。
**(i)=A****(i)+B** ・・・(式6)
**(i)=C****(i)+D** ・・・(式7)
{ここで,
**(i);iステップ先の各熱源機器の消費電力[kW],
**(i);iステップ先の各熱源機器の消費水量[m3],
**(i);iステップ先の各熱源機器の冷房能力[kW],
**;各熱源機器の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
**;各熱源機器の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
**;各熱源機器の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
**;各熱源機器の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-]である。}
尚、上記(式6)、(式7)における“**”には、上記OA1、OA2、・・・、OANや、CT1、CT2、・・・、CTN等がそれぞれ代入される。これは、それぞれについて(式6)、(式7)における全ての“**”に同じものが代入される。例えば、OA1を代入する場合には、上記(6式)、(7式)は下記の(6式)’、(7式)’通りとなる。
OA1(i)=AOA1OA1(i)+BOA1 ・・・(式6)’
OA1(i)=COA1OA1(i)+DOA1 ・・・(式7)’
尚、この場合には、
{EOA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の消費電力[kW],
OA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の消費水量[m3],
OA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力[kW],
OA1;1台目の外気冷房の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
OA1;1台目の外気冷房の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
OA1;1台目の外気冷房の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
OA1;1台目の外気冷房の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-]である。}
尚、上記AOA1、BOA1、COA1、DOA1は、1台目の外気冷房に関する上記各パラメータa,b,c,dである。尚、上記AOA1、BOA1、COA1、DOA1は、AOA1(i)、BOA1(i)、COA1(i)、DOA1(i)等としてもよい。この場合には、これらAOA1(i)、BOA1(i)、COA1(i)、DOA1(i)は、1台目の外気冷房に関するステップiに係る上記各パラメータa,b,c,dであることになる。
同様に、例えばCTNを代入する場合には、上記(6式)、(7式)は下記の(6式)”、(7式)”のようになる。
CTN(i)=ACTNCTN(i)+BCTN ・・・(式6)”
CTN(i)=CCTNCTN(i)+DCTN ・・・(式7)”
尚、この場合には、
{ECTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の消費電力[kW],
CTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の消費水量[m3],
CTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の冷房能力[kW],
CTN;N台目の冷却塔の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
CTN;N台目の冷却塔の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
CTN;N台目の冷却塔の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
CTN;N台目の冷却塔の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-]である。}
上記線形一次近似式のパラメータA**、**、C**、D**は、上記のように定式化機能部11にて予め上記各小領域毎に求めて記憶したパラメータ一覧のなかから、現在の/予測した温度、湿度等に応じてパラメータ選択機能部13にて選択したもの(上記選択・取得されたパラメータa、b,c,d)である。尚、これら各パラメータa、b,c,dを上記(式6)、(式7)に代入することで例えば上述した(式6)’、(式7)’、(式6)”、(式7)”を作成する処理や、選択・取得した上下限値g,fによって上記(式5)における制約条件を作成する処理は、既に述べたようにパラメータ選択機能部13が実行してもよい。
尚、他の変数についても上記パラメータA**、**、C**、D**や消費電力E**、消費水量W**、冷房能力Q**と同様の表記を行う場合もあるものとする。すなわち、F**(i)、G**(i)、δ**(i)等と記す場合もあるものとする。尚、
**;各熱源機器の冷却能力の上限値f、
**;各熱源機器の冷却能力の下限値g、
δ**;各熱源機器の起動停止変数
上述したように、ステップS7の処理では、まず、制約条件が、「ステップi毎に、各熱源機器の冷房能力Q(i)は、何れも、その熱源機器のステップiにおける適正範囲内(下限値gから上限値fまでの範囲内)であること(G**(i)≦Q**(i)≦F**(i))」、「ステップi毎に、そのステップiにおける全ての熱源機器(但し、ここでは冷却塔と外気冷房)の冷房能力Q(i)の総和が、そのステップiにおいて雪冷房以外の熱源機器で供給すべき熱量(Qsup(i))以上となること」、及び「冷凍機は全て停止とすること(1台も運転しないこと)」となる。そして、処理結果として、この制約条件を満たしつつ評価関数J1を最小にする解(各熱源機器の各ステップiの起動停止変数δ**(i)及び冷房能力Q**(i))と当該評価関数J1の最小値とが得られることになる。
尚、評価関数J1は、上記(式5)に示す通り、熱源機器毎のステップi毎の起動または停止と、起動である場合における任意の冷房能力Q(但し、上記適切範囲内とする制約が入る)との組み合わせと、パラメータA**、**、C**、D**とに応じて決まる消費電力E**,消費水量W**に、電気料金単価CE、水道料金単価Cを乗じて得られるコストの総和(i=1〜kまでのステップ毎のコストの総和;総運用コスト)である。この空調システムの総運用コストを最小にする解(勿論、制約条件による制約が入る)と当該総運用コストの最小値とが、ステップS7の処理で得られることになる。
尚、上記(式5)の説明における熱源機器とは、上記の通り雪冷房以外で且つ冷凍機は全て停止とすることから、外気冷房と冷却塔を意味するものとなる。
次に、冷凍機を熱源として選択し、下記の起動停止問題を解く(S8)。これは、以下の(式8)に示す評価関数J2を最小化する問題を解くものである。具体的には上記S7と同様に既存の機能(既存の製品)を用いればよいものである。その結果、最小化されたときの評価関数J2の値と解(起動停止の解(1台目〜N台目までの各冷凍機の起動停止変数δR1(i)、・・・δRN(i))及び冷房能力Q**(i) (但し、**;R1、・・・、RN);i=1〜k)が生成・出力される。
{ここで、
CE;電気料金単価 [円/kW]、
C;水道料金単価 [円/m3]、
δR1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の起動停止変数(0、1)
δRN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の起動停止変数(0、1)
ER1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の消費電力 [kW]、
ERN(i) ;iステップ先のN台目の冷凍機の消費電力 [kW]、
WR1(i) ;iステップ先の1台目の冷凍機の消費水量 [m3]、
WRN(i) ;iステップ先のN台目の冷凍機の消費水量 [m3]である。}
R1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の冷房能力の下限値g[kW],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の冷房能力の下限値g[kW],
R1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の冷房能力の上限値f[kW],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の冷房能力の上限値f[kW],
R1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の冷房能力[kW],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の冷房能力[kW],
Qsup(i);雪冷房以外の熱源機器で供給すべき熱量[kW]、
である。}
尚、上記(式5)の場合と同様に、上記(8式)における各冷凍機の各消費電力ER1(i)〜ERN(i)、各消費水量WR1(i)〜WRN(i)には、上記(式6)、(式7)による算出式に上記選択・取得されたパラメータa,b,c,dが代入された状態(例えば下記の式)で、上記既存の最適化機能に渡されて、上記の解が生成・出力されることになる。
R1(i)=AR1R1(i)+BR1
R1(i)=CR1R1(i)+DR1
RN(i)=ARNRN(i)+BRN
RN(i)=CRNRN(i)+DRN
尚、この場合には、
{ER1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の消費電力[kW],
R1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の消費水量[m3],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の消費電力[kW],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の消費水量[m3],
R1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の冷房能力[kW],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の冷房能力[kW],
R1;1台目の冷凍機の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
R1;1台目の冷凍機の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
R1;1台目の冷凍機の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
R1;1台目の冷凍機の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
RN;N台目の冷凍機の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
RN;N台目の冷凍機の消費電力に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
RN;N台目の冷凍機の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(傾き)[-],
RN;N台目の冷凍機の消費水量に関する一次近似式のパラメータ(切片)[-],
である。}
尚、上記AOA1の場合と同様に、上記AR1等も例えばAR1(i)等としてもよい。この場合には、例えばAR1(i)は、1台目の冷凍機の消費電力に関するステップiに係わる一次近似式のパラメータ(傾き)を意味することになる。
尚、既に説明したように、Nが3以上の場合には、‘1’と‘N’との間の変数(例えばER2(i)等)も当然存在するが、ここでは省略して記しているだけである。
上述したように、ステップS8の処理では、まず、制約条件が、「各ステップi毎に、1台目〜N台目までの各冷凍機の冷房能力Q**(i)は、何れも、その冷凍機のステップiにおける適正範囲内(下限値gから上限値fまでの範囲内)であること(G**(i)≦Q**(i)≦F**(i))」、及び「各ステップi毎に、そのステップiにおける全ての冷凍機(R1〜RN)の冷房能力Q**(i)の総和が、そのステップiにおいて雪冷房以外の熱源機器で供給すべき熱量(Qsup(i))以上となること」となる(但し、**;R1、・・・、RN)。
そして、この制約条件を満たしつつ評価関数J2を最小にする解(各冷凍機の各ステップiの起動停止変数δ**(i)及び冷房能力Q**(i))と当該評価関数J2の最小値とが得られることになる(但し、**;R1、・・・、RN)。
尚、評価関数J2は、上記(式8)に示す通り、i=1〜kにおける、各冷凍機毎の各ステップi毎の起動または停止と、起動である場合における任意の冷房能力Q**(但し、上記適切範囲内とする制約が入る)との組み合わせと、パラメータA**、**、C**、D**とに応じて決まる消費電力E**,消費水量W**に、電気料金単価CE、水道料金単価Cを乗じて得られる運用コストの総和(i=1〜kまでのステップ毎の運用コストの総和;総運用コスト)である。この総運用コストを最小にする解(勿論、制約条件による制約が入る)と当該総運用コストの最小値とが、ステップS8の処理で得られることになる。
そして、上記S7で求めた評価関数J1(最小値)が、上記S8で求めた評価関数J2(最小値)以上であるか否かを判定する(判別式c;J2≦J1)(S9)。
この判別式cによる判別が真の場合、すなわち評価関数J1が評価関数J2以上である場合には(S9,YES)、雪冷房と冷凍機を熱源とした場合の方が、雪冷房と冷却塔と外気冷房を熱源とした場合よりも低コストで済むので(尚、判定上は、運用コストが同じ場合も含まれる)、雪冷房と冷凍機とを運転するものと決定し、上記S8で得られた解{冷凍機毎のステップi(i=1、・・・k)毎の起動停止δ**(i)及び冷房能力Q**(i) (但し、**;R1、・・・、RN)}を出力する(S10)。そして、本処理は終了とする。
一方、S9の判別が偽の場合、すなわち評価関数J1が評価関数J2未満である場合には(S9,NO)、雪冷房と冷却塔と外気冷房を熱源とした場合の方が、雪冷房と冷凍機を熱源とした場合よりも低コストで済むので、雪冷房と冷却塔と外気冷房を運転するものと決定し、上記S7で得られた解{各外気冷房/冷却塔毎の各ステップi(i=1、・・・k)毎の起動停止δ**(i)及び冷房能力Q**(i) (但し、**;OA1、・・・、OAN、CT1、・・・、CTN)}を出力する(S11)。そして、本処理は終了とする。
以上、S6の判定がYESの場合の処理について説明した。
以下、S6の判定がNOの場合の処理について説明する。
S6の判定がNOの場合、すなわち冷凍機も運転する必要がある場合には、まず、以下のS12の処理を実行する。
すなわち、サーバ負荷需要−{雪冷房能力(最大能力)+外気冷房能力(最大能力)+冷却塔能力(最大能力)}を計算する(S12)。つまり、サーバ負荷需要から冷凍機以外の全ての熱源機器の冷房能力(最大能力)を差し引くことで、不足分、すなわち冷凍機が対応すべき負荷(換言すれば、冷凍機が供給すべき冷房能力)Qsupnew(i)を、以下の(式9)によって求める。尚、雪冷房に関しては既に差し引かれて上記Qsup(i)が求められている。
Qsupnew(i)=Qsup(i)−(FOA1(i)+・・・+ FOAN(i)+FCT1(i)+・・・+ FCTN(i)) ・・・(式9)
{ここで、
Qsup(i);iステップ先で雪冷房以外の熱源機器で供給すべき熱量[kW]、
OA1(i);iステップ先の1台目の外気冷房の冷房能力の上限値f [kW]、
OAN(i);iステップ先のN台目の外気冷房の冷房能力の上限値f[kW]、
CT1(i);iステップ先の1台目の冷却塔の冷房能力の上限値f[kW]
CTN(i);iステップ先のN台目の冷却塔の冷房能力の上限値f[kW]
である。}
ここで、上記の通り、Qsupnew(i)は、冷凍機が対応すべき負荷(冷凍機以外の熱源機器の最大冷房能力で処理しきれなかった負荷)[kW]である。
次に、上記冷凍機が対応すべき負荷Qsupnew(i)に対して、冷凍機の冷房能力(最大能力)で足りるか否かを判定する(S13)。つまり、以下の判別式dによって、冷凍機の最大冷房能力が、上記“冷凍機が対応すべき負荷Qsupnew(i)”以上であるか否か判別する。換言すれば、全ての冷凍機を最大能力で運転した場合に、それにより冷房能力が上記“冷凍機が対応すべき負荷Qsupnew(i)”以上となるか否かを、以下の判別式dによって判別する。
R1(i)+・・・+FRN(i) ≧ Qsupnew(i) ・・・(判別式d)
{但し、
R1(i);iステップ先の1台目の冷凍機の冷房能力の上限値f[kW],
RN(i);iステップ先のN台目の冷凍機の冷房能力の上限値f[kW],
である。}
判別式dの判別が真の場合(S13,YES)、すなわち、“雪冷房能力+外気冷房能力+冷却塔能力”に冷凍機の冷房能力を加えれば、サーバ負荷需要Qld(i)に対応できる場合には、S15に移行する。
一方、判別式dの判別が偽の場合(S13,NO)、すなわち、“雪冷房能力+外気冷房能力+冷却塔能力”に冷凍機の冷房能力を加えても、サーバ負荷需要Qld(i)に対応できない場合(冷房能力が足りない場合)には、起動可能な全ての熱源機器を起動させ(そして最大能力で運転させて)、本処理を終了する(S14)。尚、この場合、冷房能力不足を知らせる警告/警報を発するようにしてもよい。
上記S13がYESの場合、以下のS15の処理を行う。
すなわち、冷凍機を熱源として選択し、冷凍機の起動停止問題を解く(S15)。これは、以下の(式10)に示す評価関数J3を最小化する問題を解くものである。具体的には上記S7等と同様に既存の機能(既存の製品)を用いればよいものである。その結果、最小化されたときの評価関数J3の値と解(起動停止の解(1台目〜N台目までの各冷凍機の各ステップi毎の起動停止変数(δR1(i)、・・・、δRN(i);i=1〜k)及び冷房能力Q**(i) (但し、**;R1、・・・、RN);i=1〜k)(換言すれば、運転計画)が生成・出力される。
尚、上記(式10)は、上記(式8)と殆ど同じであり、制約条件が多少異なるだけである。すなわち(式10)の場合、(式8)の制約条件におけるQsup(i)の代わりに、Qsupnew(i)となっている。すなわち、制約条件の1つが「各ステップi毎、そのステップiにおける全ての冷凍機(R1〜RN)の冷房能力Q**(i)の総和が、そのステップiにおけるQsupnew(i) 以上となること」となっている(但し、**;R1、・・・、RN:i=1〜k)。
尚、上記の通り、Qsupnew(i)は、冷凍機が対応すべき負荷(冷凍機以外の熱源機器の最大冷房能力で処理しきれなかった負荷)[kW]である。
上記(式10)は、上記相違点以外は、上記(式8)と同じであるので、その説明は省略する。
そして、上記制約条件を満たしつつ評価関数J3を最小にする解(各冷凍機の各ステップiの起動停止変数δ**(i)及び冷房能力Q**(i))と当該評価関数J3の最小値とが得られることになる(但し、**;R1、・・・、RN:i=1〜k)。
次に、S16の処理を実行するが、S16の処理内容は、上記S8の処理(評価関数J2の計算)と同じである。S6がNOの場合、S8の処理は行われないので、ここで上記評価関数J2を最小にする解(各冷凍機の各ステップiの起動停止変数δ**(i)及び冷房能力Q**(i))と当該評価関数J2の最小値とを求めるものである。
そして、J2(最小値)が“J3(最小値)+JOACT”以下であるか否か(J2≦(J3+JOACT)?)の判定を行う(S17)。これは、空調システム全体としての運用コストが、どちらの方が低コストで済むのかを判定し、低コストで済む方を選択するためである。
ここで、JOACTは、起動可能な(全ての)冷却塔と外気冷房を起動した場合(更に最大能力で運転した場合)のコストである。
このJOACTは、上記S7におけるminJ1における評価関数J1の算出式を用いて、全ての起動停止変数δ**(i)を‘1’とすると共に、全ての冷房能力Q**(i)を最大値(上限値f)とした場合(例えばQOA1(i)にFOA1(i)の値を代入することでEOA1(i)の値が求まる)の評価関数J1の値である。但し、この例に限らず、例えば、全ての起動停止変数δ**(i)を強制的に‘1’にしたうえで上記S7の処理を実行して解とJ1の最小値を得て、このJ1の最小値をJOACTとしてもよい。
上記評価関数J2の最小値は、雪冷房を最大限に運転しても不足する場合に、この不足分についてのみ冷凍機で対応する場合の冷凍機に関する運用コストである。従って、空調システム全体としての運用コストは、評価関数J2の最小値に、雪冷房に関する運用コストを加算することで得られる。
これに対して上記評価関数J3の最小値は、雪冷房を最大限に運転することを前提として、更に例えば冷却塔と外気冷房も最大限に運転しても不足する場合に、この不足分についてのみ冷凍機で対応する場合の冷凍機に関するコストである。従って、空調システム全体としての運用コストは、評価関数J3の最小値に、雪冷房に関する運用コストと冷却塔及び外気冷房に関する運用コストを加算することで得られる。
ここで、雪冷房に関する運用コストは同じであるので除外して考えると、上記の通り、「J2≦(J3+JOACT)?」の判定を行うことで、どちらの方が空調システム全体としての運用コストが低いのかを判定することになる。
S17の判別が真の場合、すなわちJ2が(J3+JOACT)以下である場合には(S17,YES)、すなわち雪冷房と冷凍機で運転した方が、雪冷房、外気冷房、冷却塔、冷凍機で運転する場合よりも空調システム全体としてのコストが低い場合(同じ場合も含む)には、雪冷房と冷凍機で運転するものと決定し、上記S8の処理で得られた解(冷凍機に関する起動停止の解や冷房能力Q**(i)の解)と雪冷房に関する解とを出力して(S18)、本処理を終了する。尚、雪冷房に関する解は、上記ユーザ指定の起動停止変数δs(i)と雪冷房の最大冷房能力Qs(i)を解として出力するものである。
一方、S17の判別が偽の場合、すなわち(J3+JOACT)がJ2未満である場合には(S17,NO)、すなわち雪冷房、外気冷房、冷却塔、冷凍機で運転した方が、雪冷房と冷凍機で運転する場合よりも空調システム全体としての運用コストが低い場合には、雪冷房、外気冷房、冷却塔、冷凍機で運転するものと決定し、上記S15の処理で得られた解(冷凍機に関する起動停止の解や冷房能力Q**(i)の解)と、雪冷房に関する解と、外気冷房及び冷却塔に関する解とを出力して(S19)、本処理を終了する。
尚、S19の場合にも、雪冷房に関する解は、上記S18と同様、上記ユーザ指定の起動停止変数δs(i)と雪冷房の冷房能力Qs(i)を解として出力するものである。また、外気冷房及び冷却塔に関する解は、全ての外気冷房、全ての冷却塔を起動する解とし(外気冷房、冷却塔に係る起動停止変数δ**(i)は、全て‘1’とする)、更に全てを最大能力(上限値)で運転することになるので、これら各外気冷房、各冷却塔に対応する上記F**(i)を取得して、これも解として出力する。
尚、図4の処理は、一例であり、この例に限るものではない。例えば、S6の判定がYESの場合、すなわち予測される空調負荷需要に対して雪冷房のみでは不足する場合の不足分に対して、1台以上の冷却塔と1台以上の外気冷房とで対応可能(更に冷凍機を用いる必要はない)と判定される場合には、雪冷房と冷却塔と外気冷房とを運転するものと決定するようにしてもよい。この場合には、S8、S9,S10の処理は必要なくなり、S7の処理を実行後にS11の処理を実行するように構成すればよい。
また、例えば、S13の判定がYESの場合には、必ずS19の行うものとしてもよい。この場合には、S16、S17、S18の処理は必要なくなり、S15の処理を実行後にS19の処理を実行するように構成すればよい。
図4の処理例では、「雪冷房のみ」、「雪冷房+冷却塔+外気冷房」、「雪冷房+冷却塔+外気冷房+冷凍機」、「雪冷房+冷凍機」の4パターンの何れかに決定していた。これに対して上記のように「雪冷房のみ」、「雪冷房+冷却塔+外気冷房」、「雪冷房+冷却塔+外気冷房+冷凍機」の3パターンの何れかに決定するものとし、冷凍機は出来るだけ運転しないで済むようにする案も考えられる。但し、これも一例であり、この例に限るものではない。
また、図4の処理例では、iステップ先、すなわち未来の予測値のみを用いたが、この例に限らず、更に現在の測定値(空調負荷、温度・湿度)も用いてもよい。
上記本例の空調システムの省エネ/コスト低減効果について、例えば以下の条件に基づくシミュレーションを実行することで確認した。シミュレーション結果は、図5(a)、(b)に示す。図5(a)は全体、図5(b)は月別の従来と手法とのランニングコストの比較結果である。
シミュレーション条件
(1)プラント概要
・対象プラント:模擬実験室
・負荷:30kW(5kW×6台)、24時間一定負荷
・空調方式:全体空調
(2)機器仕様
・空調機:定格風量 15000m3/h
・冷凍機:水冷チラー、冷凍能力38.9kW
・冷却塔:密閉式冷却塔、冷却能力 15RT
・加湿器:気化式加湿器、加湿能力 18.5kg/h
(3)外気条件
・過去の1年分の温度、湿度データ(月別、24時間データ、時刻別データ(平均値、最高、最低))を用いる。
(4)運用方法
・従来法:外気冷房一定風量制御、1ヶ月毎に熱源機器の起動停止を実施(手動)。
・提案方法:外気冷房変風量制御、1時間毎に熱源機器の起動停止を実施(自動)。
図5(a)には図上左側に本手法、図上右側に従来法による空調システムの年間トータルのランニング(運用)コストを示す。図示の通り、本手法の運用コストは、従来の70%程度で済むものであり、顕著なコスト削減効果が得られる。尚、運用コストは、消費電力や消費水量に所定の単価を乗ずることで算出されるものであるから、これは電力や水の消費に関する顕著な省エネ効果が得られることも意味している。
また、図5(b)には、月別のランニングコストを示している。
図示の通り、夏季は外気冷房や冷却塔を十分に活用できないために、夏季のランニングコストは従来法と殆ど変わらない。一方、中間期(春や秋)や冬季は、外気条件により外気冷房の変風量制御やオンラインで熱源機器の起動停止を実施することで、高い省エネ効果が得られる事が確認できる。なお、ランニングコストは熱源機器及び、それに付随する搬送動力、AHU、加湿器の消費電力、消費水量として計算した。
以上説明した本手法の空調システム、その制御装置(PC10等)の構成・処理機能は、例えば以下のように説明することもできる。
すなわち、本例の空調システムは、例えば、空調対象空間からのリターン空気を流入させて該リターン空気と冷却水との熱交換を行うことで該リターン空気を冷却して冷気にして該冷気を前記空調対象空間へ供給する空気冷却ユニットと、前記冷却水を冷却して該空気冷却ユニットに供給する為または前記リターン空気の冷却を補助する為の各種熱源機器とを有し、該熱源機器として1台以上の冷凍機と1台以上の冷却塔と1台以上の外気冷房と1台以上の雪冷房が設けられており、該空気冷却ユニットと各種熱源機器を制御する制御装置を有する空調システムである。
そして、上記空調システムにおいて、上記制御装置は、例えば、予め設定されている運用コスト算出に係わる所定の評価関数及び制約条件と、各熱源機器毎に予め設定されている、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式と、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式とを用いて、上記制約条件の基で上記評価関数を最小化する問題を解き、その解としての上記1台以上の冷凍機、1台以上の冷却塔、1台以上の外気冷房、1台以上の雪冷房の熱源機器毎の運転計画(起動停止と冷房能力)を生成・出力する最適化機能部を有する。
そして、例えば、上記制御装置は、予測機能部、パラメータ一覧記憶部と、パラメータ選択機能部を更に有する。
予測機能部は、外気条件の過去データと空調負荷需要の実績値から、外気条件の予測値と空調負荷需要の予測値とを求める。パラメータ一覧記憶部は、予め、上記第1の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶すると共に、上記第2の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶する。パラメータ選択機能部は、パラメータ一覧記憶部に記憶されている複数のパラメータ候補のなかから上記予測機能部による外気条件の予測値に対応するパラメータ候補を選択することで、上記第1の一次式のパラメータと第2の一次式のパラメータとを決定する。
そして、上記最適化機能部は、上記パラメータ選択機能部で決定されたパラメータを適用した上記第1と一次式と第2の一次式と、上記空調負荷需要の予測値とを用いて、上記制約条件の基で上記評価関数を最小化する問題を解くことで、その解としての各熱源機器の運転計画の生成を行う。
また、例えば、上記評価関数を最小化する問題(minJ1、minJ2、minJ3等)は、熱源機器毎の任意の起動/停止と冷房能力との組み合わせに応じた総消費電力と総消費水量とにそれぞれ単価を乗じて得られる電力コストと水コストとの和としての総運用コストを、上記制約条件による制約に従って最小化するものである。
以上説明したように、本手法によれば、外気条件や空調負荷の予測値などに基づいて、総運用コスト(総消費電力に係るコストと総消費水量に係るコストとの和)が最小になるように熱源機器を制御できるため、季節変動や負荷変動等にも対応した的確な熱源機器の起動/停止や制御を行うことができ、以って省エネ効果が得られる。また、設備の増設により熱源機器の台数や種類が増えても、熱源機器を雪冷房、外気冷房と冷却塔、冷凍機と3つにグループ分けして最適化問題を解くため、計算時間の短縮を図れるという効果を奏する。換言すれば、
(1)特に熱源機器の台数が多い為に最適化問題の決定変数が増えてしまい、従来であれば最適解を求めるまでの時間が増大する場合であっても、上記のように3つにグループ分けして最適化問題を解くため計算時間の短縮を図れる(特に雪冷房のみで済む場合にはS4)最適化問題を解く必要も無くなる)。
(2)従来では、外気条件による熱源機器の能力変化や消費電力および消費水量の変化について考慮していないため、条件が変化した際の正確な運用コストの計算が出来ないが、本手法では予め設定される図3等の一覧表を用いることで、運用コストの計算を実現でき、以って的確な解(各熱源機器の起動/停止と冷房能力Q)を求めることができる。
ここで、上記予測機能部12について、補足説明しておく。
既に述べたように、予測機能部12の機能は既存技術であるので、特に詳細には説明しないが、以下、簡単に一例を用いて説明する。
予測機能部12によるサーバ負荷や気象(温度、湿度等)の予測方法として、1つの例としては、例えば過去のサーバ負荷や気象データが格納されたデータベースから、以下の条件により過去データの検索・抽出を行い予測値とする。
(a)最大60日分の同一時刻もしくは同一時刻の前後m区間からNp区間前までの区間を検索対象とする(サーバ空調負荷を予測する際には、土曜日、日曜日とそれ以外の曜日とをフラグ等によって区別し、当該日が土日の場合には過去の土日のデータのみを検索対象とする)。
(b)上記(a)の検索対象日のなかで、予測対象日の実績値(現時刻〜Np区間前)と事例値(昨日以前の同時刻〜Np区間前)の2乗誤差が最小のものを予測値とする。
「誤差=Σ(i時の誤差)
最後に、図6に上記パソコン(PC)10(コンピュータ)のハードウェア構成図を示す。
図6に示すコンピュータ50(PC10)は、CPU51、メモリ52、入力部53、出力部54、記憶部55、記録媒体駆動部56、及びネットワーク接続部57を有し、これらがバス58に接続された構成となっている。
CPU51は、当該コンピュータ50全体を制御する中央処理装置である。
メモリ52は、記憶部55(あるいは可搬型記録媒体29)に記憶されているアプリケーションプログラム等を一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU51は、メモリ52に読み出したアプリケーションプログラムを実行することで、例えば上記定式化機能部11、予測機能部12、パラメータ選択機能部13、最適化機能部14、下位コントローラ通信機能部15の各種処理機能や図4のフローチャートの処理を実現する。
出力部54は、例えばディスプレイ等であり、入力部53は、例えば、キーボード、マウス等である。
ネットワーク接続部57は、例えば不図示のネットワークに接続して、他の情報処理装置との通信(コマンド/データ送受信等)を行う為の構成である。
記憶部55は、例えばハードディスク等であり、上記アプリケーションプログラム等が格納されている。
あるいは、上記記憶部55に格納される各種プログラム/データは、可搬型記録媒体59に記憶されているものであってもよい。この場合、可搬型記録媒体59に記憶されているプログラム/データは、記録媒体駆動部56によって読み出される。可搬型記録媒体59とは、例えば、FD(フレキシブル・ディスク)59a、CD−ROM59b、その他、DVD、光磁気ディスク等である。
あるいは、また、上記アプリケーションプログラム等は、ネットワーク接続部57により接続しているネットワークを介して、他の装置内に記憶されているものをダウンロードするものであってもよい。あるいは、更に、インターネットを介して、外部の他の装置内に記憶されているものをダウンロードするものであってもよい。
また、本発明は、上記本発明の各種処理をコンピュータ上で実現するプログラムを記録した可搬型記憶媒体として構成できるだけでなく、当該プログラム自体として構成することもできる。
1 サーバ室
1a コンピュータ装置(サーバ装置)
2 エアハンドリングユニット
2a 熱交換器
3 冷凍機システム
3a 水冷方式冷凍機
3b 冷却塔
3b−1 散布水ポンプ
3c 冷水ポンプ
4 雪冷房システム
4a 雪冷房機
4b 雪冷房1次側ポンプ
4c 熱交換機
4d 雪冷房2次側ポンプ
5 冷却塔(クーリングタワー)システム
5a 密閉式冷却塔
5a−1 散布水ポンプ
5b 冷却水ポンプ
6a 共有戻りポンプ
6b 共有送りポンプ
7 配管
8 ヘッダ
9 外気冷房システム
9a 給気ファン
9b 排気ファン
9c 加湿器
10 パソコン(PC)
11 定式化機能部
12 予測機能部
13 パラメータ選択機能部
14 最適化機能部
15 下位コントローラ通信機能部
16 管理機能部
17a 機器設定画面
17b 設定画面
17c 表示画面
30 下位コントローラ
50 コンピュータ
51 CPU
52 メモリ
53 入力部
54 出力部
55 記憶部
56 記録媒体駆動部
57 ネットワーク接続部
58 バス
59 可搬型記録媒体
59a FD(フレキシブル・ディスク)
59b CD−ROM

Claims (11)

  1. 空調対象空間からのリターン空気を流入させて該リターン空気と冷却水との熱交換を行うことで該リターン空気を冷却して冷気にして該冷気を前記空調対象空間へ供給する空気冷却ユニットと、前記冷却水を冷却して該空気冷却ユニットに供給する為または前記リターン空気の冷却を補助する為の各種熱源機器とを有し、該熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置されており、該空気冷却ユニットと各種熱源機器を制御する制御装置を有する空調システムであって、
    前記制御装置は、
    予め設定されている運用コスト算出に係わる所定の評価関数及び制約条件と、前記各熱源機器毎に予め設定されている、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式と、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式とを用いて、前記制約条件の基で前記評価関数を最小化する問題を解き、その解としての前記設置されている各熱源機器の運転計画を生成・出力する最適化手段と、
    外気条件の過去データと空調負荷需要の実績値から、外気条件の予測値と空調負荷需要の予測値とを求める予測手段と、
    記第1の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶すると共に、前記第2の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶するパラメータ一覧記憶手段と、
    該パラメータ一覧記憶手段に記憶されている前記複数のパラメータ候補のなかから前記予測手段による前記外気条件の予測値に対応するパラメータ候補を選択することで、前記第1の一次式のパラメータと前記第2の一次式のパラメータとを決定するパラメータ選択手段とを備え
    前記最適化手段は、前記パラメータ選択手段で決定されたパラメータを適用した前記第1の一次式と前記第2の一次式と、前記空調負荷需要の予測値とを用いて、前記制約条件の基で前記評価関数を最小化する問題を解くことで、その解としての前記各熱源機器の運転計画の生成を行うことを特徴とする空調システム。
  2. 空調対象空間からのリターン空気を流入させて該リターン空気と冷却水との熱交換を行うことで該リターン空気を冷却して冷気にして該冷気を前記空調対象空間へ供給する空気冷却ユニットと、前記冷却水を冷却して該空気冷却ユニットに供給する為または前記リターン空気の冷却を補助する為の各種熱源機器とを有し、該熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置されており、該空気冷却ユニットと各種熱源機器を制御する制御装置を有する空調システムであって、
    前記制御装置は、
    前記各熱源機器毎の任意の起動/停止と冷房能力との組み合わせに応じた総消費電力と総消費水量とにそれぞれ単価を乗じて得られる電力コストと水コストとの和としての総運用コスト算出に係わる所定の評価関数及び制約条件と、前記各熱源機器毎に予め設定されている、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式と、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式とを用いて、前記制約条件による制約に従って前記評価関数を最小化する問題を解き、その解としての前記設置されている各熱源機器の運転計画を生成・出力する最適化手段、
    を有することを特徴とする空調システム。
  3. 前記最適化手段は、最初に前記雪冷房のみで前記予測手段で予測される空調負荷需要に対応可能か否かを判定する判定手段を有し、該判定手段において対応可能と判定された場合には、前記評価関数及び制約条件を用いることなく、雪冷房以外の熱源機器は全て停止とする運転計画を生成・出力することを特徴とする請求項1または2記載の空調システム。
  4. 前記所定の評価関数及び制約条件として、前記予測される空調負荷需要に対して前記雪冷房のみでは不足する場合の不足分に対して前記冷却塔と前記外気冷房とを冷熱源として選択する場合に応じた第1の評価関数及び第1の制約条件が予め設定されており、
    前記最適化手段は、前記判定手段において雪冷房のみでは前記予測手段で予測される空調負荷需要に対応できないと判定された場合には、不足分について前記冷却塔と前記外気冷房とで対応可能か否かを判定する第2の判定手段を更に有し、該第2の判定手段で対応可能と判定された場合には、前記第1の一次式と前記第2の一次式とを用いて前記第1の制約条件の基で前記第1の評価関数を最小化する問題を解くことで、その解としての前記冷却塔と前記外気冷房の運転計画の生成を行うことを特徴とする請求項記載の空調システム。
  5. 前記所定の評価関数及び制約条件として、前記予測される空調負荷需要に対して前記雪冷房と冷却塔と外気冷房とでは不足する場合の不足分に対して前記冷凍機を冷熱源として選択する場合に応じた第2の評価関数及び第2の制約条件とが予め設定されており、
    前記第2の判定手段で対応不可と判定された場合には、前記第1の一次式と前記第2の一次式とを用いて前記第2の制約条件の基で前記第2の評価関数を最小化する問題を解くことで、その解としての前記冷凍機の運転計画の生成を行うことを特徴とする請求項記載の空調システム。
  6. 前記所定の評価関数及び制約条件として、前記予測される空調負荷需要に対して前記雪冷房のみでは不足する場合の不足分に対して前記冷却塔と前記外気冷房とを冷熱源として選択する場合に応じた第1の評価関数及び第1の制約条件と、前記予測される空調負荷需要に対して前記雪冷房のみでは不足する場合の不足分に対して前記冷凍機を冷熱源として選択する場合に応じた第3の評価関数及び第3の制約条件とが予め設定されており、
    前記最適化手段は、前記判定手段において雪冷房のみでは前記予測手段で予測される空調負荷需要に対応できないと判定された場合には、不足分について前記冷却塔と前記外気冷房とで対応可能か否かを更に判定し、対応可能な場合には、前記第1の評価関数及び第1の制約条件の基で該第1の評価関数を最小化する問題を解いたときの該第1の評価関数の最小値と、前記第3の評価関数及び第3の制約条件の基で該第3の評価関数を最小化する問題を解いたときの該第3の評価関数の最小値とを比較して、値が小さい方の解を出力することを特徴とする請求項記載の空調システム。
  7. 前記所定の評価関数及び制約条件として、前記予測される空調負荷需要に対して前記雪冷房と冷却塔と外気冷房とでは不足する場合の不足分に対して前記冷凍機を冷熱源として選択する場合に応じた第2の評価関数及び第2の制約条件と、前記予測される空調負荷需要に対して前記雪冷房のみでは不足する場合の不足分に対して前記冷凍機を冷熱源として選択する場合に応じた第3の評価関数及び第3の制約条件とが予め設定されており、
    前記最適化手段は、前記判定手段において雪冷房のみでは前記予測手段で予測される空調負荷需要に対応できないと判定された場合であって更に不足分について前記冷却塔と前記外気冷房とでは対応できないと判定された場合には、前記第2の評価関数及び第2の制約条件の基で該第2の評価関数を最小化する問題を解いたときの該第2の評価関数の最小値と、前記第3の評価関数及び第3の制約条件の基で該第3の評価関数を最小化する問題を解いたときの該第3の評価関数の最小値とを比較して、値が小さい方の解を出力することを特徴とする請求項記載の空調システム。
  8. 前記制約条件は、前記各熱源機器の冷房能力が、下限値と上限値との間の所定範囲内にあることであり、
    前記制御装置は、予め、前記熱源機器毎に、前記外気条件の各値に応じた複数の下限値・上限値を記憶する上下限値一覧記憶手段を更に有し、
    前記パラメータ選択手段は、更に、前記熱源機器毎に、前記上下限値一覧記憶手段に記憶されている複数の下限値・上限値のなかから、前記予測手段による前記外気条件の予測値に対応する下限値・上限値を選択することで、前記制約条件としての下限値・上限値を決定することを特徴とする請求項記載の空調システム。
  9. 前記各熱源機器の運転計画は、熱源機器毎の起動/停止と冷房能力であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の空調システム。
  10. 空調対象空間からのリターン空気を流入させて該リターン空気と冷却水との熱交換を行うことで該リターン空気を冷却して冷気にして該冷気を前記空調対象空間へ供給する空気冷却ユニットと、前記冷却水を冷却して該空気冷却ユニットに供給する為または前記リターン空気の冷却を補助する為の各種熱源機器とを有し、該熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置されており、該空気冷却ユニットと各種熱源機器を制御する制御装置を有する空調システムにおける該制御装置であって、
    予め設定されている運用コスト算出に係わる所定の評価関数及び制約条件と、前記各熱源機器毎に予め設定されている、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式と、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式とを用いて、前記制約条件の基で前記評価関数を最小化する問題を解き、その解としての前記設置されている各熱源機器の運転計画を生成・出力する最適化手段と、
    外気条件の過去データと空調負荷需要の実績値から、外気条件の予測値と空調負荷需要の予測値とを求める予測手段と、
    記第1の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶すると共に、前記第2の一次式に係わるパラメータの候補として外気条件の各値に応じた複数のパラメータを記憶するパラメータ一覧記憶手段と、
    該パラメータ一覧記憶手段に記憶されている前記複数のパラメータ候補のなかから前記予測手段による前記外気条件の予測値に対応するパラメータ候補を選択することで、前記第1の一次式のパラメータと前記第2の一次式のパラメータとを決定するパラメータ選択手段とを備え
    前記最適化手段は、前記パラメータ選択手段で決定されたパラメータを適用した前記第1の一次式と前記第2の一次式とを用いて前記制約条件の基で前記評価関数を最小化する問題を解くことで、その解としての前記各熱源機器の運転計画の生成を行うことを特徴とする空調システムの制御装置。
  11. 空調対象空間からのリターン空気を流入させて該リターン空気と冷却水との熱交換を行うことで該リターン空気を冷却して冷気にして該冷気を前記空調対象空間へ供給する空気冷却ユニットと、前記冷却水を冷却して該空気冷却ユニットに供給する為または前記リターン空気の冷却を補助する為の各種熱源機器とを有し、該熱源機器として冷凍機、冷却塔、外気冷房、雪冷房の4種類のうち何れか2種類以上がそれぞれ1台以上設置されており、該空気冷却ユニットと各種熱源機器を制御する制御装置を有する空調システムにおける該制御装置であって、
    前記各熱源機器毎の任意の起動/停止と冷房能力との組み合わせに応じた総消費電力と総消費水量とにそれぞれ単価を乗じて得られる電力コストと水コストとの和としての総運用コスト算出に係わる所定の評価関数及び制約条件と、前記各熱源機器毎に予め設定されている、冷房能力と消費電力との関係を示す第1の一次式と、冷房能力と消費水量との関係を示す第2の一次式とを用いて、前記制約条件による制約に従って前記評価関数を最小化する問題を解き、その解としての前記設置されている各熱源機器の運転計画を生成・出力する最適化手段、
    を有することを特徴とする空調システムの制御装置。
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