JP2004239519A - 蓄熱プラントの制御装置 - Google Patents

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Yasuhiro Nakamura
安弘 中村
Ken Kuriyama
憲 栗山
Masayuki Yamamoto
正幸 山本
Yoshinobu Asano
佳伸 朝野
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Abstract

【課題】段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する熱源プラントの運転の制御を、省エネルギー・省コストと安定運転の確保を確実に図り行うことができる蓄熱プラントの制御装置を提供すること。
【解決手段】熱負荷実績記憶手段と、熱負荷予測手段と、制御対象日一日の運転計画を求める運転計画手段と、熱源機器制御手段とを備え、運転計画手段は、段階運転制御式の熱源機器を無段階運転制御式として近似し蓄熱プラントの運転に関する目的関数を最小とするよう線形計画法により運転計画を求める線形計画法実行手段と、それを初期値として段階運転制御式の熱源機器を段階運転制御式とし混合整数計画法を用いて運転計画を求める混合整数計画法実行手段と、その運転計画を修正する起停回数低減アルゴリズム実行手段を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施設暖冷房用や地域暖冷房用などの蓄熱プラントの運転を制御する蓄熱プラントの制御装置に係り、特に段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転を制御する蓄熱プラントの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球環境問題は、人類にとって二十一世紀最大の課題であって、特に省エネルギーは、地球環境負荷の低減を含み、その最も重要な対策の一つである。一般的に、施設暖冷房用や地域暖冷房用のエネルギー消費は、全エネルギー消費の大きな割合を占め、その省エネルギー対策は緊急の課題である。暖冷房用熱源プラントの多くは蓄熱プラントであり、ヒートポンプ等の熱源機器により温水や冷水などが生成され、これらは蓄熱槽に蓄えられると共に、必要に応じて暖冷房機器等の熱負荷機器に供給されるようになっている。即ち、蓄熱プラントは、夜間に熱を生成して蓄熱し、昼間は熱源機器により温水や冷水を生成すると共に夜間に蓄熱した熱を放熱することにより、夜間電力を利用したりピークカットを行ったりして効率的な運転を行うことができる熱源プラントであり、省エネルギー対策に有効であると共に電力料金を低減できる熱源プラントである。かかる蓄熱プラントの特徴を有効に活用するためには、その最適な運転計画を作成し、その運転計画に基づいて蓄熱プラントの運転を制御する必要がある。
【0003】
非蓄熱式の熱源プラントの場合には、各時刻における予測熱負荷値と熱源機器の目標出力値を同じにする条件のもとで、数理計画法の一つである混合整数計画法を用いて、最適解である各熱源機器の入力量(負荷率)、整数変数(稼動・停止)及び目的関数(例えば、電力料金)の最小値(又は最大値)を時間毎に求めることができる(例えば、非特許文献1)。一方、本発明が対象とする蓄熱プラントの場合は、時刻毎の最適化では解決できず、一日を通したあらゆる運転計画の中で最も運転コストを小さくする計画を探索する必要があり、仮定できる運転計画の総数は膨大な数になり、最適運転計画を実用的な時間で求めることが非常に難しい問題となる。例えば、特許文献1には、混合整数計画法(特には、分解原理に基づく方法)により運転コスト低減と安定運転に関する目的関数の和を最小とするようにして蓄熱プラントの運転計画を求める技術が開示されているが、この技術で最適運転計画を実用的な時間で求めることは困難である。
【0004】
かかる問題を解決する技術として、例えば、特許文献2には遺伝的アルゴリズムを用いて運転計画を求める方法が開示されているが、遺伝的アルゴリズムは、いわゆる準最適解を高速に求めるには好適であるが、最適解を求める処理はあまり高速に行うことができないという問題がある。また、特許文献3には、遺伝的アルゴリズム実行手段と数理計画法実行手段とを有し、遺伝的アルゴリズム実行手段により求められた運転計画を初期値として、数理計画法実行手段により運転計画を求める技術が開示されているが、遺伝的アルゴリズムは、計算問題の解法を学習することに特徴づけられ、膨大な学習データを必要とすると共にその学習に長期間を必要とするという問題がある。なお、数理計画法は混合整数計画法などを含む広範な概念であるが、特許文献3には用いるべき数理計画法の詳細は示されていない。また、これらの従来技術には、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する熱源プラントの取り扱いについては開示されていない。
【0005】
本発明者らは、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器と蓄熱槽を有する蓄熱プラントの最適運転制御法の確立を目指し鋭意研究を重ねてきた。即ち、制御対象日一日の熱負荷を予測するシステムを確立し(例えば、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)、また、その熱負荷予測システムを用いた熱負荷予測に基づき、最適運転計画を求める方法を提案した(例えば、非特許文献5)。
【0006】
この運転計画法は、ステップ1として、段階運転制御式の熱源機器を無段階運転制御式の熱源機器として近似し蓄熱プラントの運転に関する目的関数(電力料金)を最小とするよう線形計画法の一種である2段階シンプレックス法(例えば、非特許文献6)により制御対象日一日の運転計画を求め、ステップ2として、ステップ1で求めた最適運転解を基に、(1)複数の段階運転制御式の熱源機器に対してその熱源機器毎に最適運転条件点を挟む両端の運転条件を求めて、その総組み合わせを求め、(2)熱源機器の出力の総和がその時の予測熱負荷を超える組み合わせのみを可能とし、(3)残った各組み合わせに対し投入電力量を計算し目的関数である電力料金を最小とする運転条件を決定するもので、これらの計算を10分(分割単位時間)刻みで行い制御対象日一日の最適運転計画を求めるものである。この最適運転計画を用いて熱源機器を制御したフィールドテストでは、前述の非特許文献5に示されているように、消費電力量をそれまでの実績と比較して約30%低減するという著しい効果が確認されたが、ステップ2はいわば力ずくで最適運転計画の近似解を求めるものであり、条件によっては最適解から大きく外れる危険性があった。
【0007】
なお、最適な運転計画を求めるに際し、熱源機器の起動と停止が頻繁に生じることによる熱源機器の短寿命化を防止することも重要であり、それを考慮する具体的な従来技術として、例えば上述のように、特許文献1には、運転コスト低減と安定運転に関する目的関数の和を最小とするように蓄熱プラントの運転計画を求める技術が開示されている。この目的関数は、具体的には、安定運転に係って熱源機器毎の起動/停止の切り替え回数にそれぞれの重み付けをした和を求め、それに所定の重み付けをして、運転コスト低減に係る目的関数と線形結合したものである。また、上述の特許文献2や特許文献3にも、同様に、起動と停止の頻度に係る評価を含めた目的関数を用いて運転計画を求める技術が開示されている。
【0008】
然しながら、一般的に、熱源機器の寿命は、その起動・停止の頻度に直線的に関係付けられるものではなく、ある起動・停止の頻度を超えると急激に短寿命化する傾向や、所定の停止時間未満または所定の稼動時間未満にすると急激に短寿命化する傾向などを有し、これを上述の従来技術のようにして運転コスト低減などと共に目的関数に含めて最適な運転計画を求めることには無理がある。また、かかる起停回数低減に係り、従来、起動したら所定時間は停止させない、停止させたら所定時間は起動させないといった一般的な考えはあるが、複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転制御に係り、好適に使用し得る具体的な起停回数低減アルゴリズムは開示されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平07−225038号公報
【特許文献2】
特開平07−120180号公報
【特許文献3】
特開平11−023016号公報
【非特許文献1】
伊東弘一、他著「コージェネレーションの最適計画」産業図書(1990)
【非特許文献2】
水野稔、他:ニューラルネットワークによる地域冷暖房プラントの熱負荷予測、空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集(1995)
【非特許文献3】
水野稔、他:各熱負荷予測システムの詳細と予測結果―時系列モデルによる熱負荷予測、空気調和・衛生工学、Vol.67 No.8 (1997)
【非特許文献4】
塩崎克彦、他:各熱負荷予測システムの詳細と予測結果―カルマンフィルタによる熱負荷予測(3)4気象因子による予測、空気調和・衛生工学、Vol.67 No.8 (1997)
【非特許文献5】
吉本康申、他:複数熱源を用いた蓄熱空調システムの最適制御に関する研究、空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集(2001)
【非特許文献6】
古林隆著「線形計画法入門―シンプレックス法」産業図書(1984)
【非特許文献7】
坂和正敏著「数理計画法の基礎」森北出版
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転を制御する蓄熱プラントの制御装置に係わる前述の状況に鑑み、かかる熱源プラントの運転の制御を、省エネルギー・省コストと安定運転の確保を確実に図り行うことができる蓄熱プラントの制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1の発明は、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転を制御する蓄熱プラントの制御装置において、該蓄熱プラントの過去の熱負荷実績を記憶する熱負荷実績記憶手段と、該熱負荷実績記憶手段に記憶された熱負荷実績に基づいて制御対象日一日の熱負荷を予測する熱負荷予測手段と、該熱負荷予測手段により予測された制御対象日一日の熱負荷予測に基づいて該蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を求める運転計画手段と、該運転計画に基づいて該蓄熱プラントの熱源機器を制御する熱源機器制御手段とを備え、該運転計画手段は、該段階運転制御式の熱源機器を無段階運転制御式の熱源機器として近似し該蓄熱プラントの運転に関する目的関数を最小/又は最大とするよう線形計画法により該蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を求める線形計画法実行手段と、該線形計画法実行手段で求めた運転計画を初期値として該段階運転制御式の熱源機器を段階運転制御式の熱源機器とし混合整数計画法を用いて該運転計画を求める混合整数計画法実行手段と、起動と停止が頻繁に生じることによる熱源機器の短寿命化の防止を目的に該混合整数計画法実行手段で求めた運転計画を修正する起停回数低減アルゴリズム実行手段とを有する蓄熱プラントの制御装置である。
【0012】
請求項2の発明は、運転を制御する蓄熱プラントの構成に係り、前記蓄熱プラントは複数の蓄熱槽を有する蓄熱プラントであり、前記運転計画手段は、該複数の蓄熱槽への蓄熱順位及び/又は該複数の蓄熱槽からの放熱順位の計画を含み該蓄熱プラントの前記制御対象日一日の運転計画を求める運転計画手段であることを特徴とする蓄熱プラントの制御装置である。
【0013】
請求項3と請求項4の発明は、前記制御対象日の熱負荷の予測に係る好ましい形態の発明であって、請求項3の発明は、前記熱負荷実績記憶手段には前記熱負荷実績が曜日情報及び外気温情報と共に記憶され、前記熱負荷予測手段において前記制御対象日の曜日情報及び予測外気温情報が入力されて該制御対象日の熱負荷が予測される蓄熱プラントの制御装置であり、請求項4の発明は、前記制御対象日の外気温を予測する外気温予測手段を更に有し、前記熱負荷予測手段において該外気温予測手段で予測された予測外気温情報を入力して該制御対象日の熱負荷が予測される蓄熱プラントの制御装置である。
【0014】
請求項5の発明は、前記運転計画手段で求める運転計画の形態に係る発明であり、前記運転計画手段は、前記制御対象日の前夜に前記運転計画を求める運転計画手段であって、該運転計画は、夜間に前記蓄熱槽への蓄熱運転を行う蓄熱運転時間帯と、該蓄熱槽からの放熱と前記熱源機器の運転で熱負荷に対応する第1の追従運転時間帯と、該蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応する日中の放熱運転時間帯と、該蓄熱槽からの放熱と該熱源機器の運転で熱負荷に対応する第2の追従運転時間帯とを含む運転計画であることを特徴とする前記の蓄熱プラントの制御装置である。
【0015】
請求項6と請求項7の発明は、前記運転計画を求める好ましい形態に係る発明であり、請求項6の発明は、前記線形計画法実行手段で用いる線形計画法を、2段階シンプレックス法とした蓄熱プラントの制御装置であり、請求項7の発明は、前記混合整数計画法実行手段で用いる混合整数計画法を、ゴモリ(Gomory)の小数法によるカットの生成とそれを双対シンプレックス法で解く方法とした蓄熱プラントの制御装置である。
【0016】
請求項8乃至請求項10の発明は、前記起停回数低減アルゴリズム実行手段の好ましい形態に係る発明であり、請求項8の発明は、前記運転計画を所定の時間を分割単位とした所定時間毎の運転計画とし、前記起停回数低減アルゴリズム実行手段を、前記熱源機器の運転状態を該所定時間毎に稼動状態か停止状態かにディジタル化した点の集合と捉える連結成分の概念によりその集合上で起動と停止を頻繁に行わないように前記混合整数計画法実行手段で求めた運転計画に修正を加える延命化修正手段を有する起停回数低減アルゴリズム実行手段とした蓄熱プラントの制御装置である。請求項9の発明は、請求項8の蓄熱プラントの制御装置において、前記延命化修正手段は、前記熱源機器の所定時間毎の前記運転状態をその運転状態の修正の要否でカテゴリー分類する工程と、このカテゴリー分類に基づき前記運転計画の修正を行う工程とを有し、該カテゴリー分類は、所定の連続停止時間を有し停止状態から修正する必要のない連続停止点と、所定の連続稼働時間に満たず停止状態に修正する候補点である修正停止点と、連続稼動状態の点に隣接し且つ十分長い連続停止状態を構成する停止点であってその稼動・停止状態が隣接点のカテゴリー分類に影響しない起動可能点と、該所定の連続停止時間に満たず稼動状態に修正する候補点である修正起動点と、該所定の連続稼働時間を有し稼動状態から修正する必要のない連続稼動点とを含むカテゴリー分類であり、該運転計画を修正する工程は、該修正停止点又は該修正起動点の有無を判定し、無い場合には修正処理を完了し、有る場合には手順2へ移行する手順1と、その修正候補点を修正し、修正後、その時刻の稼動状態にある該熱源機器のフル出力で該時刻の前記予測熱負荷をカバーできるかを判定し、カバーできる場合には手順1へ移行し、カバーできない場合は手順3へ移行する手順2と、該時刻に起動可能点がある場合にはそれを稼動に修正し、その起動した熱源機器を含め、該時刻の稼動状態にある熱源機器のフル出力で該時刻の予測熱負荷をカバーできるかを判定し、カバーできる場合には手順1へ、カバーできない場合は手順4へ移行する手順3と、手順2で修正した修正停止点を元に戻し稼動状態として手順1へ移行する手順4と、を有する蓄熱プラントの制御装置である。請求項10の発明は、請求項8又請求項9の蓄熱プラントの制御装置において、前記起停回数低減アルゴリズム実行手段は、前記延命化修正手段を第1の延命化修正手段とし更に、該第1延命化修正手段で修正した運転計画に対し、(1)計画された連続稼働時間が所定の稼働時間未満で且つその前後が共に所定の連続停止時間以上の停止状態の場合には当該熱源機器の稼動の計画を停止に変更する、(2)計画された連続停止時間が所定の第2の連続停止時間未満の場合には当該熱源機器の停止の計画を稼動に変更する、という二つの修正を加える第2の延命化修正手段を有することを特徴とする蓄熱プラントの制御装置である。
【0017】
請求項11の発明は、前記制御対象日当日の短時間先の熱負荷予測に基づき前記運転計画に修正を加える短時間修正手段を更に有することを特徴とする前記蓄熱プラントの制御装置であり、請求項12の発明は、前記制御対象当日の所定の時刻においてその時刻以降の前記運転計画を再計画する再運転計画手段を有し、該再運転計画手段は、該再計画時刻における前記蓄熱槽の残存蓄熱量をもとにその残存蓄熱量を空調時間帯終了時までに使い切るように該再計画を行うことを特徴とする前記の蓄熱プラントの制御装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
一般的に、熱源機器等は、入力と出力が連続的に変化する特性を有する機器と、入力と出力との関係が段階的にしか変化し得ない特性を有する機器とがあり、本発明では前者を無段階運転制御式の機器と称し、後者を段階運転制御式の機器と称する。いわゆるON/OFF制御式の機器は、本発明でいう段階運転制御式の機器に属し、本発明は、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転を制御する蓄熱プラントの制御装置に関するものである。蓄熱プラントは、上述のように、夜間電力を利用したりピークカットを行ったりして効率的な運転を行うことができる熱源プラントであるが、その特徴を有効に活用するためには、運転計画区間(通常、一日)の全体にわたる最適な運転計画を作成し、その運転計画に基づいて蓄熱プラントの運転を制御する必要がある。なお、本発明でいう熱源機器が生成する熱とは、いわゆる温熱に限らず冷熱を含み、その生成した熱は氷蓄熱槽、水蓄熱槽、潜熱蓄熱槽などの蓄熱槽に蓄熱され、必要に応じて、それを放熱して生成した温水や冷水として、ポンプなどの搬送機器により暖冷房機器等の熱負荷機器に供給される。
【0019】
かかる蓄熱プラントの運転計画は、本発明の目的とするところの省エネルギー・省コストを最も効果的に達成するために、制御対象日前夜に制御対象日一日を対象として求めるのが好ましく、また、夜間に蓄熱槽への蓄熱運転を行う蓄熱運転時間帯と、蓄熱槽からの放熱と熱源機器の運転で熱負荷に対応する第1の追従運転時間帯と、蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応する日中の放熱運転時間帯と、蓄熱槽からの放熱と熱源機器の運転で熱負荷に対応する第2の追従運転時間帯とを含む計画として求めるのが好ましい。なお、本発明でいう制御対象日一日とは、概ね24時間を意味するものであって、厳密に24時間を意味するものではなく、特にその基点を限定するものでもない。また、運転計画を求める制御対象日前夜とは、蓄熱運転時間帯の前を意味するものであって、特にその時刻を限定するものではなく、運転計画は、外気温予測の精度を高める意味で蓄熱運転時間帯の直前に行うのが望ましいが、それに限定されるものではない。また、放熱運転時間帯とは、いわゆるピークカット時間帯を意味する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明の実施においては、先ず、制御対象とする蓄熱プラントの過去の熱負荷実績に基づいて、制御対象日一日の熱負荷の予測を行う。かかる熱負荷の予測は、上述の本発明者らが開発した方法やその他の従来技術で行うことができ、本発明を限定するものではないが、例えば、曜日情報(休日・平日・特殊日など)と外気温情報とを含み熱負荷実績記憶手段に記憶された過去の熱負荷実績に基づき、入力された制御対象日の曜日情報と予測外気温情報とにより、例えば、ニューラルネットワークや自己回帰モデルなどを用いて制御対象日一日の熱負荷を予測することができる。なお、予測外気温情報としては、天気予報を内挿等して用いても良いが、制御対象とする蓄熱プラントが設置されている場所の特性を含みより精度の高い予測が可能な外気温予測手段を設けるのが好ましく、例えば、最高気温と最低気温とをパラメータとして過去の外気温実績を統計的に処理して求めた予測式を有する外気温予測手段を設け、天気予報やニューラルネットワークを用いて予測した制御対象日の最高気温と最低気温に基づき、制御対象日一日のより精度の高い予測外気温情報が得られるようにするのが好ましい。
【0021】
次に、この予測された制御対象日一日の熱負荷予測に基づき、蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を求める実施の形態について説明する。本発明の運転計画は、複数の熱源機器に含まれる段階運転制御式の熱源機器を無段階運転制御式の熱源機器として近似し蓄熱プラントの運転に関する目的関数を最小/又は最大とするよう線形計画法により蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を求める第1の工程と、その運転計画を初期値として、段階運転制御式の熱源機器を段階運転制御式の熱源機器とし混合整数計画法を用いて運転計画を求める第2の工程と、起動と停止が頻繁に生じることによる各熱源機器の短寿命化の防止を目的に、その運転計画に起停回数低減アルゴリズムを適用して修正する第3の工程と、を含み計画される。なお、この目的関数としては、例えば、本発明の意図するところにより電力料金を用いるのが好ましいが、大気汚染物質の放出量を用いることもでき、それらに適当な重み付けをした和を目的関数とすることもでき、目的関数の詳細は特に本発明を限定するものではない。
【0022】
かかる蓄熱プラントの運転計画は、当然ながら、種々の制約条件の中での最適な計画として求める必要があり、例えば、本発明を限定するものではないが、(1)各熱源機器の性能特性、(2)各蓄熱槽の最大容量、(3)各蓄熱槽への蓄熱速度に対する上限値、(4)各蓄熱槽からの放熱速度の上限値、(5)蓄熱運転時間帯は夜間電力を利用できる夜間とする、(6)追従運転時間帯は蓄熱槽からの放熱と熱源機器の運転で熱負荷に対応する、(7)放熱運転時間帯は蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応する、(8)放熱運転時間帯の熱負荷予測に対して所定の安全率を考慮する、(9)蓄熱槽に蓄熱された蓄熱量は制御対象日一日単位で使い切る、などを制約条件として求められる。なお、上述の本発明者らの文献(非特許文献5)に示されているように、各熱源機器の性能特性の外気温依存性を含めることにより、より精度の高い最適な運転計画を求めることができる。
【0023】
最適な運転計画を求めるための第1の工程は、条件を近似して最適な運転計画の初期値を求める工程であって、段階運転制御式の熱源機器を無段階運転制御式の熱源機器として近似し、目的関数を最小/又は最大とするよう線形計画法、好ましくは上述の2段階シンプレックス法により、連続問題としての最適解を高速に求める工程である。なお、本工程では、熱源機器に限らず、例えば、搬送機器などに段階運転制御式の機器がある場合には、それを無段階運転制御式の機器として近似する。また、段階運転制御式の機器の近似に限らず、本工程では、他の条件を簡略化或いは省略することもできる。例えば、結果に大きな影響を及ぼさないと考えられる場合には、蓄熱槽からの熱損失は無いものとする、定格運転タイプのポンプ動力は考慮しない、冷却塔動力は考慮しない、など条件を簡略化或いは省略することにより、より高速に結果を得ることができる。
【0024】
最適な運転計画を求めるための第2の工程は、第1の工程で求めた運転計画を初期値として、段階運転制御式の熱源機器を段階運転制御式の熱源機器とし混合整数計画法を用いて運転計画を求める工程である。かかる混合整数計画問題の解を求める方法として、例えば、分枝限定法があるが、この方法は、探索過程においてリストに含まれる問題の数が増大して、記憶容量の不足や計算時間が許容範囲を超えてしまう危険性を含んでおり、本発明においては、適当な仮定の下で有限回の繰り返しで収束することが証明されている、ゴモリの小数法によるカットの生成とそれを双対シンプレックス法で解く方法を用いるのが好ましい。なお、本工程では、第1の工程で簡略化或いは省略した条件を、簡略化せず或いは省略することなくして運転計画を求めるのが好ましい。
【0025】
ゴモリの小数法によるカットの生成とそれを双対シンプレックス法で解く方法については、例えば、非特許文献7などに詳しく示されているが、概ね、以下のような手順により混合整数計画問題の解が求められる。
【0026】
手順1:N=[1,…,n]のある部分集合をJとして、下の数1で定式化される混合整数計画問題Pから整数条件を取り除いた連続緩和問題としての線形計画法問題P′を下の表1のような列タブロー(Beale のタブロー)で表して、シンプレックス法あるいは双対シンプレックス法を適用する。ここで、P′が実行可能解をもたなければ、もとの問題Pも実行可能解をもたないので終了する。P′の最適解が得られ、列タブローの第0列の( n+1 )次元列ベクトルαのJに対応する成分がすべて整数であれば、Pの最適解が得られたので終了する。そうでなければ、手順2へ行く。
【0027】
【数1】
Figure 2004239519
【0028】
【表1】
Figure 2004239519
【0029】
手順2:列タブローの第0列の( n+1 )次元列ベクトルのαのJに対応する成分に整数でないものがあるので、αの最初の整数でない成分をαi0とする。
【0030】
手順3:下式で表される列タブローの第i 行を生成行とするゴモリの混合整数カットを、列タブローの最下行に付加する。
【0031】
【数2】
Figure 2004239519
【0032】
手順4:ゴモリの混合整数カットを付加した列タブローに辞書式双対シンプレックス法を適用する。実行可能解をもたなければ、もとの問題Pも実行可能解をもたないので終了する。最適解が得られ、列タブローの第0列の (n+1)次元列ベクトルαのJに対応する成分がすべて整数であれば、Pの最適解が得られたので終了する。そうでなければ、手順2へもどる。
【0033】
最適な運転計画を求めるための第3の工程は、起動と停止が頻繁に生じることによる各熱源機器の短寿命化の防止を目的に、第2の工程で求めた運転計画に対し、一度起動したら一定時間は稼動を継続し、一度停止したら一定時間は停止を保持するといった修正を加える起停回数低減アルゴリズムを実行する工程である。一般的に、蓄熱プラントの運転の制御の変更、直接的には制御条件(目標値、機器の運転状態など)の変更は、所定の時間を分割単位とした所定時間毎に行っている。これは、機器の安定運転を確保すると共に、機器の制御応答性や蓄熱プラントとしての制御応答性に配慮したものであり、かかる所定時間毎に運転の制御を行う蓄熱プラントの運転計画は、その所定時間毎の運転計画として求めることができる。この所定時間は、熱源機器の特性や蓄熱プラントの特性などによって異なり本発明を限定するものではないが、通常、10分〜30分程度が好ましい。この時間を短くすると、最適な運転計画の精度はあまり向上しないが計算量がその時間に反比例して増大するなどの問題が生じ、長くすると、最適な運転計画の精度が低下するなどの問題が生じる。
【0034】
かかる所定時間毎の運転計画においては、各熱源機器の運転状態をその所定時間毎に稼動状態か停止状態かにディジタル化した点の集合と捉えることができる。例えば、一つの熱源機器の運転状態は、稼動を1、停止を0で表したとき、…11101001…といった時系列データで表すことができ、この連結成分の概念を用いた数学的な取り扱いにより、その集合上で所定の設定条件により第2の工程で求めた運転計画に延命化修正を加え、起動と停止を頻繁に行わないようにすることが容易にできる。以下、本発明を特に限定するものではないが、その好ましい実施の形態を更に具体的に説明する。
【0035】
各熱源機器の所定時間毎の運転状態は、表2に示したように、所定の連続停止時間を有し停止状態から修正する必要のない連続停止点(0)、所定の連続稼働時間に満たず停止状態に修正する候補点である修正停止点(1)、連続稼動状態の点に隣接し且つ十分長い連続停止状態を構成する停止点であってその稼動・停止状態が隣接点のカテゴリー分類に影響しない起動可能点(2)、所定の連続停止時間に満たず稼動状態に修正する候補点である修正起動点(3)、所定の連続稼働時間を有し稼動状態から修正する必要のない連続稼動点(4)にカテゴリー分類することができ、かかるカテゴリー分類は、数学的に容易に行うことができる。なお、所定の連続停止時間に満たず且つそれに続く稼動状態が所定の連続稼働時間に満たない場合には、その停止点を修正起動点(3)とせずそれに続く稼動点を修正停止点(1)にカテゴリー分類することが望ましい。
【0036】
【表2】
Figure 2004239519
【0037】
このようなカテゴリー分類に基づく具体的な運転計画の修正は、予測熱負荷への対応などを考慮して、例えば、以下のような手順で行うことができ、また、かかる修正処理を完了後、修正した運転計画の目的関数を求めることにより、起停回数低減アルゴリズム適用前後の目的関数を比較することができる。
【0038】
手順1:修正すべき候補点(修正停止点又は修正起動点)があるかを判定し、無い場合には修正処理を完了し、有る場合には手順2へ移行する。
【0039】
手順2:その修正候補点を修正し、修正後、その時刻の稼動状態にある熱源機器のフル出力で当該時刻の予測熱負荷をカバーできるかを判定し、カバーできる場合には手順1へ、カバーできない場合は手順3へ移行する。
【0040】
手順3:その時刻に起動可能点がある場合にはそれを稼動に修正し、その起動した熱源機器を含め、その時刻の稼動状態にある熱源機器のフル出力で当該時刻の予測熱負荷をカバーできるかを判定し、カバーできる場合には手順1へ、カバーできない場合は手順4へ移行する。
【0041】
手順4:手順2で修正した修正候補点(修正停止点)を、元に戻し稼動状態として手順1へ移行する。
【0042】
なお、以上の修正を第1の延命化修正とし、その修正した運転計画に対し更に、(1)計画された連続稼働時間が所定の稼働時間未満で且つその前後が共に所定の連続停止時間以上の停止状態の場合には当該熱源機器の稼動の計画を停止に変更する、(2)計画された連続停止時間が所定の第2の連続停止時間未満の場合には当該熱源機器の停止の計画を稼動に変更する、という二つの修正を加える第2の延命化修正を行うことができる。即ち、第1の延命化修正として、統一的・合理的な修正を行い、これに第2の延命化修正として、急激な寿命の低下を引き起こさないように、稼動時間の下限や停止時間の下限を適用した修正を行うのが好ましい。
【0043】
次に、かかる運転計画に基づく、制御対象日一日の制御の好ましい実施の形態につき説明する。なお、個別機器の制御は、従来技術と同様であり、また具体的な機器毎に異なるものでもあり、本発明を何ら限定するものではないためその説明を省略する。夜間の蓄熱運転時間帯の蓄熱運転は、前述のようにして求めた運転計画の蓄熱運転計画に従って実行する。第1の追従運転時間帯から始まる空調時間帯の開始時刻以降は、短時間先、例えば10分から30分先の熱負荷予測(以下、単に「予測熱負荷」ということがある。)に基づきその短時間先の運転計画を修正し、修正した運転計画に基づいて蓄熱プラントの運転の制御を行うのが好ましい。かかる短時間予測に基づく運転計画の修正の好ましい実施の形態につき、以下、説明する。なお、短時間先の熱負荷予測は、例えば、当初の運転計画に際しての熱負荷予測と同様にして、これをより精度よく予測することができる。
【0044】
蓄熱槽からの放熱と熱源機器の運転で熱負荷に対応する追従運転時間帯では、例えば、運転計画に計画された蓄熱槽からの当該短時間先の全放熱量が予測熱負荷より大きいか否かを判定し、予測熱負荷より大きいときは計画された蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷を賄うことができるので、放熱予定の蓄熱槽の中で(残蓄熱量/最大放熱量)の小さいもの、即ち短時間で蓄熱を使い切れる能力のある蓄熱槽から順に放熱量を減らすように修正する。なお、当該時刻に稼動状態として計画された熱源機器があれば、これを停止に変更する。計画された蓄熱槽からの全放熱量が予測熱負荷より小さいときは、蓄熱槽からの放熱は運転計画の通りとし、熱源機器の運転で予測熱負荷に対応するように修正する。この場合、稼動予定となっている各熱源機器の最大出力の総和が、(予測熱負荷−蓄熱槽からの計画された放熱量)より大きいか小さいかによって修正の内容が異なる。即ち、大きいときは、目的関数が最小となるように稼動予定の熱源機器間の負荷配分を定め、小さいときは、停止中の熱源機器の中で不足熱負荷を賄えて且つ目的関数が最小となる熱源機器を起動する計画に修正する。なお、この目的関数を最小とする運転計画の修正は、当初の運転計画で使用した数理計画法などを用いて、容易に行うことができる。
【0045】
蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応することを原則とする日中の放熱運転時間帯では、例えば、運転計画に計画された蓄熱槽からの当該短時間先の全放熱量が予測熱負荷より大きいか否かを判定し、予測熱負荷より大きいときは蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷を賄うことができるので、放熱予定の蓄熱槽の中で(残蓄熱量/最大放熱量)の小さいもの、即ち短時間で蓄熱を使い切れる能力のある蓄熱槽から順に放熱量を減らすように修正する。計画された蓄熱槽からの全放熱量が予測熱負荷より小さいときは、放熱予定の蓄熱槽の中で(残蓄熱量/最大放熱量)の大きいもの、即ち蓄熱を使い切るのに長時間を要する蓄熱槽から順に放熱量を増やして予測熱負荷に対応する計画に修正する。なお、この修正により、蓄熱槽の残蓄熱量が所定の下限値を切ることが予測された場合には、停止中の熱源機器の中で残蓄熱量の下限値を保持でき且つ目的関数が最小となる熱源機器を起動する計画に修正する。
【0046】
かかる短時間先の熱負荷予測に基づき運転計画を修正し、その修正した運転計画に基づいて蓄熱プラントの運転の制御を行うことにより、常に精度の高い制御が可能になると共に、熱負荷変動への追従性の高い安定した運転を可能にすることができる。
【0047】
次に、当日の所定の時刻において、その時刻以降の運転計画を再計画する実施の形態について説明する。この再計画は、空調時間帯終了時までに蓄熱槽の残存蓄熱量を使い切ることを主な目的として行うものであって、本発明の実施においては、かかる再計画を含み実施するのが好ましい。この再計画は、例えば、日中の放熱運転時間帯終了時刻において、その時刻における蓄熱槽の残存蓄熱量をもとにその残存蓄熱量を空調時間帯終了時までに使いきるように、それ以降の運転時間帯全体にわたる最適な運転計画を求めるものであり、かかる再計画は、例えば、前述の当初の運転計画を求めるに際し用いた方法を、その初期条件を変更し、その計画時間帯を変更して、同様に用いて行うことができる。なお、再計画実施後は、この再計画した運転計画に基づき、前述と同様にして、短時間先の熱負荷予測に基づく運転計画の修正を行い、それに基づき蓄熱プラントの運転の制御を行う。
【0048】
このような再計画を行うことにより、最終的に残存蓄熱量が生じることによる問題、例えば、外融式の氷蓄熱槽で次の蓄熱時に製氷むらなどが生じ、隣接するブライン管周りの氷が繋って冷熱を取り出すときの水の流れが阻害されるなどの問題を防止することができ、また、それまでの熱負荷実績を総合的に反映しながら再計画後の時間帯全体の最適な運転計画を再構築するものであり、より運転効率を向上させることができる。
【0049】
以上の説明では、主として熱源機器の運転計画について説明したが、例えば、複数の蓄熱槽を有する場合には、各蓄熱槽の熱損失特性などを考慮して、どの蓄熱槽から優先的に蓄熱するかの蓄熱順位やどの蓄熱槽から優先的に放熱するかの放熱順位の計画を含めて、蓄熱プラントの運転計画や再運転計画を行うことができる。また、複数の搬送機器を有する場合には、その容量や性能などを考慮して、どの搬送機器から起動するか或いはどのような組合せが最適かの計画を含め、蓄熱プラントの運転計画や再運転計画を行うことができる。
【0050】
次に、本発明の蓄熱プラントの制御装置のハード構成につき、その好ましい実施の形態を説明する。本発明の蓄熱プラントの制御装置は、その具体的なハード構成としては、例えば、コンピュータシステムとして構成することができ、熱負荷実績記憶手段を磁気ディスク等のコンピュータ用記憶装置とし、熱負荷予測手段、運転計画手段、熱源機器制御手段、短時間修正手段、再運転計画手段などをワークステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュータ(具体的には、それに内蔵したそれぞれの実行プログラムなど)として、蓄熱プラントからの計測信号を入力すると共に制御信号を出力するプロセス入出力部や、キーボード、マウス、ペンタブレットなど複数種類の装置からなり目的に応じた使い分け可能なマンマシン入力部、CRTディスプレイ、プリンタ、グラフィックパネルなど複数種類の装置からなり目的に応じた使い分け可能なマンマシン出力部、などを含み構成することができる。
【0051】
かかる構成において、対話型処理によって最適な運転計画を求めることなどが可能なようにするのが好ましく、対話型処理によって、例えば、起動と停止が頻繁に生じることによる各熱源機器の短寿命化の防止を目的に混合整数計画法実行手段で求めた運転計画を修正する起停回数低減アルゴリズム実行手段の実行において、連続稼働時間の下限や連続停止時間の下限などの条件を変えた計算を行わせ、その結果を目的関数(例えば、電力料金)の評価値と共に一覧表での表示やグラフ表示等により表示させ、これを総合的に確認することにより、最適な運転計画を求めることが容易になる。
【0052】
以上のような実施の形態により、本発明によれば、制御対象日の前夜に求める制御対象日一日の最適な運転計画に基づき蓄熱プラントの運転を制御するため、夜間電力を利用した計画的な蓄熱を行なうことが可能となり、昼間の負荷ピークを計画的にカットすることも可能となる。また、計画的な運転の前提となる熱負荷予測が誤差を持ったような場合でも、制御対象日に行う短時間先の熱負荷予測に基づく運転計画の修正を行う手段を備え、常に精度の高い制御が可能になると共に、熱負荷変動への追従性の高い安定した運転が可能になる。さらに又、当日の所定の時刻に、空調時間帯終了時までに蓄熱槽の残存蓄熱量を使い切ることを目的として、その時刻以降の運転計画を再計画する手段を備え、最終的に残存蓄熱量が生じることによる問題を防止することができると共に、より運転効率を向上させることができる。また、起動と停止が頻繁に生じないように運転計画を修正する起停回数低減アルゴリズム実行手段を備え、各熱源機器の短寿命化を防止できると共に、起動・停止が少ない安定した運転を実現できる。
【0053】
即ち、本発明の蓄熱プラントの制御装置によれば、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転の制御を、省エネルギー・省コストと安定運転の確保を確実に図りながら行うことができる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、具体的に説明する。本実施例は、蓄熱型空調用熱源機器が複数台設置された某総合技術研究所の空調用熱源プラントを制御の対象としたものであり、その空調用熱源プラントは、アンモニア氷蓄熱ヒートポンプチラー1台、氷蓄熱空冷ヒートポンプブラインチラー1台、空冷ヒートポンプチラー3台、氷蓄熱水冷ブラインチラー1台、ダイナミック型氷蓄熱装置1台が設置され、蓄熱槽としては氷蓄熱槽、水蓄熱槽及び潜熱蓄熱槽が設置されており、計6台の熱源機器と計5台の蓄熱槽からなる非常に複雑な構成となっている。この中で氷蓄熱水冷ブラインチラー1台のみが無段階制御式で、他の熱源機器は4段階、若しくは2段階制御式である。
【0055】
この熱源プラントでは、4つの運転時間帯が設定されており、22:00〜8:00が蓄熱運転のための蓄熱運転時間帯、8:00〜13:00と16:00〜21:00が蓄熱槽からの放熱と熱源機器の運転で熱負荷に対応する追従運転時間帯、13:00〜16:00が原則として蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応し電力のピークカットを図る放熱運転時間帯となっている。 図1は、その冷房負荷実績の一例である。
【0056】
前述の本発明者らが開発した熱負荷予測法(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)は、具体的には、本実施例の熱源プラントを対象として開発したものであり、ニューラルネットワークを用いて予測した翌日の最高外気温と最低外気温に基づき、10年間の外気温実績を統計処理して求めた予測法を用いて制御対象日一日の毎正時の外気温を予測し、それを内挿補完して10分間毎の外気温を予測し、その10分間毎の予測外気温に基づき、制御対象日一日の10分間毎の暖冷房負荷を予測するものである。本実施例では、この方法を用いて熱負荷を予測した。
【0057】
次に、この熱負荷予測に基づき、蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を、段階制御式の熱源機器を無段階制御式と近似するなど近似・簡略化した条件で目的関数を最小とするよう2段階シンプレックス法により運転計画を求める第1の工程と、その運転計画を初期値として熱源機器の特性などを近似・簡略化しない条件でゴモリの小数法によるカットの生成とそれを双対シンプレックス法で解く方法を用いて運転計画を求める第2の工程、その運転計画に起停回数低減アルゴリズムを適用して修正する第3の工程を踏むことで求めた。なお、この目的関数は、22時から翌朝8時までの深夜電力料金と、それ以外の昼間電力料金を考慮した電力料金であり、具体的には式(1)で表される電力料金である。
【0058】
【数3】
Figure 2004239519
【0059】
ここで、E、EDPR、ENPR、EDPS、ENPS、EDCT、ENCTは、それぞれ各熱源機器の消費電力、各熱源機器の昼間ポンプ動力、各熱源機器の夜間ポンプ動力、各蓄熱槽の昼間ポンプ動力、各蓄熱槽の夜間ポンプ動力、冷却塔の昼間消費電力、冷却塔の夜間消費電力であり、単位はkwhである。CとCは、それぞれ昼間と夜間の電力単価[円/kwh]であり、jは各熱源機器(1〜6)、kは各蓄熱槽(1〜5)を意味する。運転計画は、前夜22:00から制御対象日の21:00までの計画(21:00〜22:00は停止)であり、iはその10分刻みの番号(1〜138)である。
【0060】
近似・簡略化した条件で最適な運転計画の初期値を求める第1の工程は、前述の本発明者らが開発した最適運転計画を求める方法(非特許文献5)のステップ1と同様であり、本実施例では、第1の工程を、そのステップ1のアルゴリズムを用いて実行した。即ち、(ア)段階制御式の熱源機器と搬送機器を無段階制御式として近似し、各熱源機器の性能特性を一次式で近似し、その一次式の係数aと定数b を外気温の一次式として近似し、これらの近似関係を用いて外気温から各熱源機器の投入電力量と熱源機器出力の関係を求める、(イ)蓄熱槽からの熱損失は無いものとする、(ウ)定格運転タイプのポンプ動力は考慮しない、(エ)冷却塔動力は考慮しない、などの近似・簡略化を行い、前述の実施の形態で説明した、(1)各熱源機器の性能特性、(2)各蓄熱槽の最大容量、(3)各蓄熱槽への蓄熱速度に対する上限値、(4)各蓄熱槽からの放熱速度の上限値、(5)蓄熱運転時間帯は夜間電力を利用できる夜間とする、(6)追従運転時間帯は蓄熱槽からの放熱と熱源機器の運転で熱負荷に対応する、(7)放熱運転時間帯は蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応する、(8)放熱運転時間帯の熱負荷予測に対して所定の安全率を考慮する、(9)蓄熱槽に蓄熱された蓄熱量は制御対象日一日単位で使い切る、などの制約条件の基で2段階シンプレックス法を用いて最適な運転計画の初期値を求めた。なお、図2は、熱源機器の性能特性を一次式で近似した性能特性式の係数aと外気温との関係の一例である。
【0061】
次に、実際には段階制御の熱源機器や搬送機器が混在していることなどを考慮した近似・簡略化しない条件で、現実に即した最適解を求める第2の工程では、第1の工程で求めた運転計画を初期値として、前述の実施の形態で説明した、ゴモリの小数法によるカットの生成とそれを双対シンプレックス法で解く方法を用いて運転計画を求めた。その具体的なアルゴリズムは以下の通りである。
【0062】
(1)段階制御(i段階制御)の熱源機器に対する整数条件を課すために、仮想的に各時刻毎に各段階に対応する熱源機器を表現するi 個の変数ITを用意し、下記の制約条件を課し、さらにその変数を用いて熱供給等の制約条件式を表現する。これにより混合整数計画法の問題に定式化する。
【0063】
【数4】
Figure 2004239519
【0064】
(2)第1の工程において、全ての変数が連続的に動くという緩和した条件のもとに2段階シンプレックス法で求めた最適解である運転計画を初期値として設定する。
【0065】
(3)段階制御の熱源機器に対応する上述(1)の変数の初期値が全て整数条件を満たしていれば、これが段階制御を考慮したうえでの最適解を与えるものであり終了する。整数条件を満たしていない変数がある場合は、ゴモリの小数法によるカットを適用する。即ち、(1)で導入した変数で整数条件を満たさない変数のうちでその小数部分が最大の変数に対して、シンプレックス表において、その変数に対応する行の各成分の小数部分を、新たにシンプレックス表に設けた最終行の対応する成分におき、かつ新たに変数を設けその変数に対応する列をシンプレックス表に新たに設け最終行には−1を、その他の行には0をおく。
【0066】
(4)全ての変数が連続的に動くという緩和した条件のもとで、双対シンプレックス法を適用して最適解を求める。即ち、上述の(3)により構成したシンプレックス表の最終行に−1を掛けることにより、双対可能基底形式を得るので、この双対可能基底形式を出発点として、以下の手順の双対シンプレックス法を実行する。(i)制約条件Ax=dの右辺のdに対応するシンプレックス表の列の成分がすべて0以上であれば、これが求める最適解であるので終了する。(ii)もし負の値をとる成分があれば、そのような負の値をとる成分のうちで最小となるものdを求める。その最小となる成分を含む行の成分のうちで負になる全ての成分 aij を考え、その各成分と目的関数に対応するシンプレックス表の行の成分pとの比 p/ aijが最小となる成分をピポットとしてピポット演算を行う。(iii)上の(i)にもどる。この操作を繰り返して、連続緩和条件のもとで最適解を求める。
【0067】
(5)上の(3)に戻る。この操作を繰り返すことにより混合整数計画に対する最適解を得る。こうして段階制御の熱源機器をふくむシステムに対して最適となる運転計画を求めた。
【0068】
次に、第2の工程で求めた運転計画に頻繁な起動・停止による機器の短寿命化を防止する修正を加える第3の工程では、前述の実施の形態で説明した、連結成分の概念を用いた数学的な取り扱いにより第1の延命化修正を加え、その修正した運転計画に対し更に、(1)計画された連続稼働時間が20分未満で且つその前後が共に30分以上の停止状態の場合には当該熱源機器の稼動の計画を停止に変更する、(2)計画された連続停止時間が20分未満の場合には当該熱源機器の停止の計画を稼動に変更する、という二つの修正を加える第2の延命化修正を行った。以下、そのカテゴリー分類について具体的に説明する。
【0069】
各熱源機器 に対する第2の工程で求めた運転計画に基づく運転稼動時刻全体を、同値関係による類別により連結成分とよばれるグループ分けを行う。即ち、6個の各熱源機器(j=1〜6)に対して、稼動時刻であれば1、停止時刻であれば0とおくことにより得られる0、1の列を
【0070】
【数5】
Figure 2004239519
【0071】
【数6】
Figure 2004239519
【0072】
これにより、各熱源機器は同一グループ(同一の連結成分)内では隣り合う予定稼動時間間隔は高々20分以内であり、また、隣りあうグループ(隣りあう連結成分)間の時間間隔は30分以上であるようにグループ分けできる。
【0073】
表3は、本実施例で使用した連結成分の概念を用いた数学的な取り扱いによる延命化修正の効果をみるため、2段階シンプレックス法を用いて求めた1999年8月の運転計画、即ち、10分単位での起動、停止を可能とした運転計画に対して、30分未満の運転は行わない、30分未満の停止は行わないという延命化修正を加えた結果であって、表3は、目的関数である電力料金に殆ど影響を与えない範囲(0.0%〜0.4%増の範囲)で、起動・停止回数を大幅(概ね半分以下)に低減できることを示している。なお、表3の起動・停止回数とは、起動回数と停止回数の合計である。
【0074】
【表3】
Figure 2004239519
【0075】
このようにして求まった制御対象日一日の運転計画に基づき、前述の実施の形態で説明した如くして、熱源プラントの運転の制御を行った。なお、短時間先の熱負荷予測に基づく運転計画の修正は、30分先の熱負荷予測に基づき30分先の運転計画を修正することで行い、運転計画の再計画は、放熱運転時間帯の終了時に行った。
【0076】
本実施例によれば、それまでの実績と比較して、電力料金を約27%から32%削減できる効果が得られた。また、起停回数停低減アルゴリズムの適用により、電力料金は多少(約0.3%から2.4%)増えるが、起動・停止回数を大幅(概ね半分以下)に低減でき、機器の短寿命化を防止できる効果が得られた。
【0077】
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転の制御を、省エネルギー・省コストと安定運転の確保を確実に図りながら行うことができる蓄熱プラントの制御装置を提供する効果がある。即ち、本発明は、省エネルギー・省コストと環境負荷の低減を可能とするものであり、その産業上の利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で制御の対象とした空調用熱源プラントの冷房負荷実績の一例である。
【図2】本実施例で制御の対象とした空調用熱源プラントの熱源機器の性能特性を一次式で近似した性能特性式の係数aと外気温との関係の一例である。

Claims (12)

  1. 段階運転制御式の熱源機器を含む複数の熱源機器を有する蓄熱プラントの運転を制御する蓄熱プラントの制御装置において、該蓄熱プラントの過去の熱負荷実績を記憶する熱負荷実績記憶手段と、該熱負荷実績記憶手段に記憶された熱負荷実績に基づいて制御対象日一日の熱負荷を予測する熱負荷予測手段と、該熱負荷予測手段により予測された制御対象日一日の熱負荷予測に基づいて該蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を求める運転計画手段と、該運転計画に基づいて該蓄熱プラントの熱源機器を制御する熱源機器制御手段とを備え、該運転計画手段は、該段階運転制御式の熱源機器を無段階運転制御式の熱源機器として近似し該蓄熱プラントの運転に関する目的関数を最小/又は最大とするよう線形計画法により該蓄熱プラントの制御対象日一日の運転計画を求める線形計画法実行手段と、該線形計画法実行手段で求めた運転計画を初期値として該段階運転制御式の熱源機器を段階運転制御式の熱源機器とし混合整数計画法を用いて該運転計画を求める混合整数計画法実行手段と、起動と停止が頻繁に生じることによる熱源機器の短寿命化の防止を目的に該混合整数計画法実行手段で求めた運転計画を修正する起停回数低減アルゴリズム実行手段とを有することを特徴とする蓄熱プラントの制御装置。
  2. 前記蓄熱プラントは複数の蓄熱槽を有する蓄熱プラントであり、前記運転計画手段は、該複数の蓄熱槽への蓄熱順位及び/又は該複数の蓄熱槽からの放熱順位の計画を含み該蓄熱プラントの前記制御対象日一日の運転計画を求める運転計画手段であることを特徴とする請求項1記載の蓄熱プラントの制御装置。
  3. 前記熱負荷実績記憶手段には前記熱負荷実績が曜日情報及び外気温情報と共に記憶され、前記熱負荷予測手段において前記制御対象日の曜日情報及び予測外気温情報が入力されて該制御対象日の熱負荷が予測されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の蓄熱プラントの制御装置。
  4. 前記制御対象日の外気温を予測する外気温予測手段を更に有し、前記熱負荷予測手段において該外気温予測手段で予測された予測外気温情報を入力して該制御対象日の熱負荷が予測されることを特徴とする請求項3記載の蓄熱プラントの制御装置。
  5. 前記運転計画手段は、前記制御対象日の前夜に前記運転計画を求める運転計画手段であって、該運転計画は、夜間に前記蓄熱槽への蓄熱運転を行う蓄熱運転時間帯と、該蓄熱槽からの放熱と前記熱源機器の運転で熱負荷に対応する第1の追従運転時間帯と、該蓄熱槽からの放熱のみで熱負荷に対応する日中の放熱運転時間帯と、該蓄熱槽からの放熱と該熱源機器の運転で熱負荷に対応する第2の追従運転時間帯とを含む運転計画であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の蓄熱プラントの制御装置。
  6. 前記線形計画法実行手段で用いる線形計画法は、2段階シンプレックス法であることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の蓄熱プラントの制御装置。
  7. 前記混合整数計画法実行手段で用いる混合整数計画法は、ゴモリ(Gomory)の小数法によるカットの生成とそれを双対シンプレックス法で解く方法であることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の蓄熱プラントの制御装置。
  8. 前記運転計画は所定の時間を分割単位とした所定時間毎の運転計画であって、前記起停回数低減アルゴリズム実行手段は、前記熱源機器の運転状態を該所定時間毎に稼動状態か停止状態かにディジタル化した点の集合と捉える連結成分の概念によりその集合上で起動と停止を頻繁に行わないように前記混合整数計画法実行手段で求めた運転計画に修正を加える延命化修正手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の蓄熱プラントの制御装置。
  9. 前記延命化修正手段は、前記熱源機器の所定時間毎の前記運転状態をその運転状態の修正の要否でカテゴリー分類する工程と、このカテゴリー分類に基づき前記運転計画の修正を行う工程とを有し、該カテゴリー分類は、所定の連続停止時間を有し停止状態から修正する必要のない連続停止点と、所定の連続稼働時間に満たず停止状態に修正する候補点である修正停止点と、連続稼動状態の点に隣接し且つ十分長い連続停止状態を構成する停止点であってその稼動・停止状態が隣接点のカテゴリー分類に影響しない起動可能点と、該所定の連続停止時間に満たず稼動状態に修正する候補点である修正起動点と、該所定の連続稼働時間を有し稼動状態から修正する必要のない連続稼動点とを含むカテゴリー分類であり、該運転計画を修正する工程は、該修正停止点又は該修正起動点の有無を判定し、無い場合には修正処理を完了し、有る場合には手順2へ移行する手順1と、その修正候補点を修正し、修正後、その時刻の稼動状態にある該熱源機器のフル出力で該時刻の前記予測熱負荷をカバーできるかを判定し、カバーできる場合には手順1へ移行し、カバーできない場合は手順3へ移行する手順2と、該時刻に起動可能点がある場合にはそれを稼動に修正し、その起動した熱源機器を含め、該時刻の稼動状態にある熱源機器のフル出力で該時刻の予測熱負荷をカバーできるかを判定し、カバーできる場合には手順1へ、カバーできない場合は手順4へ移行する手順3と、手順2で修正した修正停止点を元に戻し稼動状態として手順1へ移行する手順4と、を有することを特徴とする請求項8記載の蓄熱プラントの制御装置。
  10. 請求項8又は請求項9記載の蓄熱プラントの制御装置において、前記起停回数低減アルゴリズム実行手段は、前記延命化修正手段を第1の延命化修正手段とし更に、該第1延命化修正手段で修正した運転計画に対し、(1)計画された連続稼働時間が所定の稼働時間未満で且つその前後が共に所定の連続停止時間以上の停止状態の場合には当該熱源機器の稼動の計画を停止に変更する、(2)計画された連続停止時間が所定の第2の連続停止時間未満の場合には当該熱源機器の停止の計画を稼動に変更する、という二つの修正を加える第2の延命化修正手段を有することを特徴とする蓄熱プラントの制御装置。
  11. 前記制御対象日当日の短時間先の熱負荷予測に基づき前記運転計画に修正を加える短時間修正手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項10記載の蓄熱プラントの制御装置。
  12. 前記制御対象日当日の所定の時刻においてその時刻以降の前記運転計画を再計画する再運転計画手段を有し、該再運転計画手段は、該再計画時刻における前記蓄熱槽の残存蓄熱量をもとにその残存蓄熱量を空調時間帯終了時までに使い切るように該再計画を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項11記載の蓄熱プラントの制御装置。
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