JP5690233B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材、および他方に連結される第二取付部材と、
前記第一取付部材および第二取付部材を弾性的に連結する弾性体と、
前記第一取付部材の内側に配置され、前記第一取付部材の内側に形成された液室を、前記弾性体を壁面の一部とする軸方向一方側の主液室と軸方向他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、
前記主液室と前記副液室との圧力差に応じて変位する可動板と、
を備えた防振装置において、
前記仕切り部材には、その外周面の一部に開口する挿入口と、前記挿入口から軸方向と交差する方向に延び前記可動板を収容する収容室と、前記収容室と前記主液室とを連通する第一連通孔と、前記収容室と前記副液室とを連通する第二連通孔とが形成され、
前記収容室に面する前記可動板の少なくとも一つの面は、前記収容室への可動板の挿入方向に沿う途中位置に屈曲部を有するとともに、前記屈曲部から可動板挿入方向および引き抜き方向へ離間するにしたがって広がるまたは狭まるテーパー状に形成されており、
前記屈曲部を有し前記テーパー状に形成された前記可動板の前記面と対向する前記仕切り部材の内面は、前記可動板の前記面と平行となるように、屈曲部を有しテーパー状に形成されていることを特徴とする防振装置である。
また、仕切り部材に可動板を仮組みしたユニットの状態で搬送する際に、可動板が仕切り部材から脱落しないので、取り扱い易くなるという効果もある。
図1は本発明の第一実施形態における防振装置の正面断面図である。
図1に示すように、防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される外筒11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される取付け部材12と、この取付け部材12と外筒11とを弾性的に連結するゴム製の弾性部材13と、この弾性部材13を隔壁の一部として液体が封入され、且つ弾性部材13の変形により内容積が変化する主液室16と、液体が封入され、かつ隔壁の一部がダイヤフラム14により形成されて拡縮可能な副液室17と、主液室16と副液室17との間に設けられた仕切り部材15と、仕切り部材15に取り付けられた可動板50、とを備えている。
これらの各部材はそれぞれ中心軸線Oと同軸に設けられている。なお、以下の説明において軸方向とは、この中心軸線Oの軸方向と同方向を言うものとする。
以下、図2から図7に基づいて仕切り部材15と可動板50について詳述する。
仕切り部材15は、平面視円形をなし、その外径は弾性部材13の被覆部13bに当接する大きさに設定されている。図2に示すように、仕切り部材15は、軸方向に間隔をあけて互いに対向して配置された上壁部21と下壁部22が、互いに周方向に180度離間して配置された一対の側壁部23,23によって連結されて構成されており、例えばアルミニウム合金によって一体成形されている。なお、仕切り部材15を樹脂で形成することも可能である。そして、これら上壁部21と下壁部22と側壁部23,23によって囲まれた空間が、可動板50を収容する収容室24となっている。収容室24は軸方向と交差する方向に延びており、その両端が仕切り部材15の外周面に開口してそれぞれ挿入口25となっている。可動板50はこの挿入口25から収容室24に挿脱可能となっている。以下、挿入口25,25を結ぶ方向を可動板挿入方向と言い、可動板50を引き抜く方向(引き抜き方向)を含むものとする。
図3に示すように、第一連通孔26は、上壁部21の中央(中心軸線O上)に略円形に一つだけ形成されている。また、上壁部21は、周方向90度間隔に第一連通孔26の内側へ膨出する脚部28を有しており、四つの脚部28のうち二つは挿入口25に対応する位置に配置され、この二つの脚部28から周方向に90度離間した位置に残る二つの脚部28が配置されている。なお、四つの脚部28の先端は互いに離間している。このように第一連通孔26および脚部28を形成したことにより、主液室16側の開口面積を大きく確保することができ、キャビテーション対策が可能となる。
なお、屈曲部60を境にして可動板挿入方向両側の上面58のテーパー角度は、左右対称の同一角度となっていて、仕切り部材15における上壁部21の傾斜面33の傾斜角度と同一となっている。これにより、可動板50を収容室24にセットしたときに、可動板50の上面58と仕切り部材15の上壁部21の内面31とが平行に位置する。
なお、屈曲部61を境にして可動板挿入方向両側の下面59のテーパー角度は、左右対称の同一角度となっていて、仕切り部材15における下壁部22の傾斜面36の傾斜角度と同一となっている。これにより、可動板50を収容室24にセットしたときに、可動板50の下面59と仕切り部材15の下壁部22の内面34とが平行に位置する。
そして、可動板50の第一周縁部54と第二周縁部55における軸方向の厚さは、仕切り部材15の挿入口25の軸方向寸法とほぼ同一で、可動板50の屈曲部60,61における軸方向の厚さは、仕切り部材15の上壁部21および下壁部22の屈曲部32,35における収容室24の軸方向寸法とほぼ同一となっている。
外筒11あるいは取付け部材12に微小な振幅(例えば±0.2mm以下)を有する振動(例えば、周波数30Hz前後のアイドル振動)が作用して、主液室16内の液体の圧力が変化したときは、可動板30が上壁部21と下壁部22との間で振動(変位)することにより、この振動を吸収および減衰させることができる。
また、仕切り部材15に可動板50を仮組みしたユニットの状態で搬送する際に、可動板50が仕切り部材15から脱落しないので、取り扱い易くなるという効果もある。
前述した第一実施形態では、可動板50の上面58および下面59に屈曲部60,61を設けて上面58および下面59をテーパー状に形成し、これに対向する仕切り部材15の上壁部21および下壁部22の内面31,34に屈曲部32,35を設けて内面31,34をテーパー状に形成したが、第二実施形態では、可動板50の上面58および下面59をテーパー状にせず平坦面とし、つまり可動板50の軸方向の厚さを総て同一とし、これに対向する仕切り部材15の上壁部21および下壁部22の内面31,34もテーパー状にせず平坦面とし、つまり内面31,34間の軸方向の隙間を総て同一とする。
例えば、前述した第一実施形態では、可動板50の上面58および下面59の両面に屈曲部60,61を設け上面58および下面59の両面をテーパー状に形成し、仕切り部材15の上壁部21の内面31および下壁部22の内面34の両面に屈曲部32,35を設け両内面31,34をテーパー状に形成したが、可動板50の上面58と下面59のいずれか一方の面のみに屈曲部60を設け該一方の面のみをテーパー状に形成し、他方の面には屈曲部もテーパーも設けずに平坦とし、仕切り部材15についても、可動板50の前記一方の面と対向する内面のみに屈曲部を設け該内面をテーパー状に形成してもよい。第二実施形態についても同様の変更が可能である。
11 外筒
12 取付部材
13 弾性部材
15 仕切り部材
16 主液室
17 副液室
21 上壁部
22 下壁部
23 側壁部
24 収容室
25 挿入口
26 第一連通孔
27 第二連通孔
31,34,37,38 内面
32,35、39,40 屈曲部
50 可動板
55a,56a 側面
58 上面
59 下面
60,61,62,63 屈曲部
Claims (3)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第一取付部材、および他方に連結される第二取付部材と、
前記第一取付部材および第二取付部材を弾性的に連結する弾性体と、
前記第一取付部材の内側に配置され、前記第一取付部材の内側に形成された液室を、前記弾性体を壁面の一部とする軸方向一方側の主液室と軸方向他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、
前記主液室と前記副液室との圧力差に応じて変位する可動板と、
を備えた防振装置において、
前記仕切り部材には、その外周面の一部に開口する挿入口と、前記挿入口から軸方向と交差する方向に延び前記可動板を収容する収容室と、前記収容室と前記主液室とを連通する第一連通孔と、前記収容室と前記副液室とを連通する第二連通孔とが形成され、
前記収容室に面する前記可動板の少なくとも一つの面は、前記収容室への可動板の挿入方向に沿う途中位置に屈曲部を有するとともに、前記屈曲部から可動板挿入方向および引き抜き方向へ離間するにしたがって広がるまたは狭まるテーパー状に形成されており、
前記屈曲部を有し前記テーパー状に形成された前記可動板の前記面と対向する前記仕切り部材の内面は、前記可動板の前記面と平行となるように、屈曲部を有しテーパー状に形成されていることを特徴とする防振装置。 - 前記可動板における前記屈曲部は可動板の中央に位置し、前記可動板の軸方向に沿う厚さが前記屈曲部から可動板挿入方向および引き抜き方向へ離間するにしたがって連続的に厚くまたは薄くなることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記屈曲部を有しテーパー状に形成された前記可動板の前記面は前記可動板の軸方向の上面および下面の二面であり、前記可動板の軸方向に沿う厚さが、前記可動板の前記屈曲部から可動板挿入方向および引き抜き方向へ離間するにしたがって連続的に厚くなることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
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