JP5689840B2 - 折り畳みヘルメット - Google Patents
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Description
特許文献1には、折り曲げ部で連続する前頭部を覆う前側の平板と、後頭部を覆う後側の平板とで構成し、折り曲げ部で折り曲げることによって偏平状態となり、折り曲げ部を左右両側から狭めることによって帽子形状が形成される構造が開示されている。特許文献2には、頭頂折曲部を介して前面板部と後面板部が連結され、前面板部の側面に固定される前方の側面板部と後面板部の側面に固定される後方の側面板部を側面板折曲部で連続し、前面板部と後面板部を折り畳むときに、側面板部が内側に折り畳まれる構造が開示されている。
特許文献3には、湾曲させた複数の短冊状部材の両端部を連結具で軸支し、展開させることによって帽体形状とする思想が開示されている。
特許文献2に記載された発明では、帽子やヘルメットとしての形状が不自然な形状であって着用しにくいとともに、ヘルメット、安全帽として十分な強度を実現することが困難である。また、特許文献3に記載された発明では、帽体そのものが、短冊状部材の組み合わせであるため、保護帽子としての強度及び保護帽子(ヘルメット)としての形状を維持することが困難である。
また、本発明は、上記折り畳みヘルメットを比較的簡単な構造で容易に実現し、簡単に組み立てることができる構造を実現することである。
そして、右中央殻2aの上辺にヒンジ構造で連続させて右上周辺殻2bと、右中央殻2aの前辺にヒンジ構造で連続させて右前周辺殻2cと、右中央殻2aの後辺にヒンジ構造で連続させて右後周辺殻2dを形成する。同じように、左中央殻3の上辺にヒンジ構造で連続させて左上周辺殻3bと、左中央殻3aの前辺にヒンジ構造で連続させて左前周辺殻3cと、左中央殻3aの後辺にヒンジ構造で連続させて左後周辺殻3dを形成する。
さらに、右半帽体2及び左半帽体3における隣接する周辺殻と周辺殻は、当接可能な状態とするとともに、
右上周辺殻2bの上辺と左上周辺殻3bの上辺を、右前周辺殻2cの上辺と左前周辺殻3cの上辺を、右後周辺殻2dの上辺と左後周辺殻3dの上辺をそれぞれ回動可能なヒンジ構造で連結して折り畳みヘルメットとする。
この構造とすることによって、各半帽体の中央殻と周辺殻のヒンジ構造を平たく展開する方向に折曲し、二つの半帽体の周辺殻と周辺殻のヒンジ構造を二つ折りとする鋭角方向に折曲することで、半球殻状である帽体を偏平に折り畳むことができる。
すなわち、一つの略半球殻状である帽体1を、展開した二つの半帽体を折り重ねた状態に折り畳むことができ、保管や携行に嵩張らない形状とすることができる。
また、半帽体と半帽体の連結構造、具体的には二つの半帽体の対応する周辺殻と周辺殻の連結構造が、アリ嵌合をする連結部が中心に位置し、連結部の側面に薄肉部で連続するヒンジ構造が位置することになる。したがって、二つの半帽体を折り返す際に、連結部が一定厚みの間隔部材として機能し、厚みのある半帽体を折り返し易く、また折り畳み状態で内装品などを収容し易い構造を実現することができる。
また、連結部カバーは、二つの半帽体とは異なる材質、例えばより強度の高い材質で構成することもできる。
図1は、ヘルメットの帽体全体の前方斜視図、図2は後方斜視図、図3は、平面図である。
図示実施形態の折り畳みヘルメットは、全体を合成樹脂材によって成型するものであって、略半球殻状の帽体1を、頭頂部中心を通る前後方向の中心線に沿って二つの半帽体、すなわち右半帽体2と左半帽体3に分割する。
右半帽体2と左半帽体3は対称形とする。図3に示すように右半帽体2は、ほぼ中央にあって下端開口縁から上方に向けて一定範囲を占める右中央殻2aと、右中央殻の上方に連続する右上周辺殻2bと、中央殻の前方に連続する右前周辺殻2cと、右中央殻の後方に連続する右後周辺殻2dに区画する。右中央殻2aと、右上周辺殻2b、右前周辺殻2c、右後周辺殻2dは回動可能なヒンジ構造で連続させる。右上周辺殻2bと右前周辺殻2cと右後周辺殻2dの境界は分離させて当接可能な状態とする。
図示実施形態では、中央殻と周辺殻の区画を直線状としているが、例えば中央殻と周辺殻を曲線状に区画し、曲線の両端部においてのみヒンジ構造で連続させて回動可能な構造とすることもできる。
上記、対応する周辺殻は、周辺殻の外周辺どうしを、例えばピン構造で直接接続することもできるが、図示実施形態においては、図15から理解されるように、相互に嵌合するアリ5aとアリ溝5bを形成した連結部5を設け、この連結部5を薄肉部6によって周辺殻と連続させて一体に成型している。この構成により、図12に示すように、右半帽体2と左半帽体3は、連結部5、5の両側に位置する薄肉部6、6を中心として回動して折り畳まれる。そのため、折り畳んだ帽体の内部にある程度の空間が形成される結果、図示していない内装体を無理なく位置させることができる。
図示実施形態では、連結部カバー8を、右帽体2の各周辺殻(2b、2c、2d)と左帽体3の各周辺殻(3b、3c、3d)の表面よりも突出させている。この実施形態では、連結部カバー8の断面積が必然的に大きなものとなるため、帽体全体の強度を向上させる上において有効である。また、中心部の突出構造によって意匠的な趣向を凝らすことができる。
折り畳み状態にある帽体を、ヘルメット形状である半球殻状に組み立てるには、ヘルメットを前後方向に圧縮することによって、隣接する連結部5、5や連結部カバー8、8を接近させて帽体に組み立てることができる。
なお、図13、14に示すように周辺殻2bと2cの対向側面、周辺殻2bと2dの対向側面においても、周辺殻の側辺に突起11と、該突起11が係合する凹所12を設けることによって、半球殻状である帽体1の形状をより強固に維持することができるようにしている。
しかしながら、ヘルメットとして使用するには、しっかりと組立した状態が維持され、安心して着用できるようにするのが好ましい。この問題は、ヘルメットとしての組立状態を強固に維持するロック手段を備えることによって解決することができる。
もっとも、ロック手段は上記構造のロック爪14によるロック機構に限らず、公知のラチェット機構等を採用することもできる。
図17に示す実施形態では、連結部材20を断面略台形であって周辺殻の外周辺と一致する長さに形成する。そして、連結部材20の右辺に右帽体2の周辺殻(2b、2c、2d)の上辺をそれぞれ、軸21によって軸支する。連結部材20の左辺には、左帽体3の周辺殻(3b、3c、3d)の上辺を軸22によってそれぞれ軸支している。
すなわち、連結部材20の一方の辺に一方の半帽体の周辺殻を、他方の辺に他方の半帽体の周辺殻をそれぞれヒンジ構造で連結している。
Claims (4)
- 略半球殻状の帽体を、頭頂部中心を通る前後方向の中心線に沿って右半帽体と左半帽体に分割し、
右半帽体と左半帽体にはそれぞれ中央部の対向位置に、下端開口縁から上方の一定範囲を占める略台形の右中央殻および左中央殻を配置し、右中央殻の上辺にヒンジ構造で連続させて右上周辺殻と、右中央殻の前辺にヒンジ構造で連続させて右前周辺殻と、右中央殻の後辺にヒンジ構造で連続させて右後周辺殻を形成し、左中央殻の上辺にヒンジ構造で連続させて左上周辺殻と、左中央殻の前辺にヒンジ構造で連続させて左前周辺殻と、左中央殻の後辺にヒンジ構造で連続させて左後周辺殻を形成し、右半帽体及び左半帽体における隣接する周辺殻と周辺殻は、当接可能な状態とするとともに、右上周辺殻の上辺と左上周辺殻の上辺を、右前周辺殻の上辺と左前周辺殻の上辺を、右後周辺殻の上辺と左後周辺殻の上辺をそれぞれ回動可能なヒンジ構造で連結したことを特徴とする折り畳みヘルメット。 - 二つの半帽体はいずれも合成樹脂材で成型し、二つの半帽体の対応する周辺殻と周辺殻の連結は、周辺殻のそれぞれ対向位置に相互にアリ嵌合をする連結部を配置し、アリ嵌合をする連結部はいずれもそれぞれ周辺殻とヒンジ機能を有する薄肉部で連続させて一体に成型したことを特徴とする請求項1記載の折り畳みヘルメット。
- 二つの半帽体の周辺殻どうしを連結する複数の連結部に、連結部ごとに連結状態の連結部上方を覆う連結部カバーを固定したことを特徴とする請求項2記載の折り畳みヘルメット。
- 複数の連結部もしくは連結部上方を覆う連結部カバーの対向する端面に、端面どうしが嵌合する嵌合手段を形成したことを特徴とする請求項3記載の折り畳みヘルメット。
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