JP5688396B2 - 物体認識装置 - Google Patents
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Description
この場合、カメラでは高反射物体と低反射物体が検出できているにもかかわらず、レーダ装置では高反射物体のみしか検出されていないと判定され、正確にマッチングできない場合がある。そして、結果として、カメラで検出した物体の位置や速度を決定できない場合が生じる可能性がある。
ところが、図5に示すように、レーダ装置では、低反射物体である歩行者Huの反射レベルR2が高反射物体である先行車Vfの反射レベルR1に吸込まれてしまい、歩行者Huが検出されない場合が生じる。このような場合に、レーダ装置の検出結果とカメラの検出結果とをマッチングできない場合がある。
請求項2に記載の発明によれば、高反射物体と低反射物体の最下部の離間距離に応じて、高反射物体に対する低反射物体の距離を正確に推定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、所定の場合に応じて、適切な距離を選択して、運転者の意図(安全または過剰反応防止のどちらかの観点か)に応じて、高反射物体に対する低反射物体の距離を正確に推定することができる。
レーダ装置2は、例えばレーザ光やミリ波等の電磁波を自車両の進行方向前方の所定範囲に向けて発信するとともに、この発信した電磁波が自車両の外部の物体(例えば、構造物、歩行者、他車両(先行車)等)によって反射されたときに生じた反射波を受信し、発信した電磁波と受信した電磁波(反射波)とを混合してビート信号を生成し、電子制御装置10へ出力する。
そして、物体画像認識部12は、その判別結果(物体の認識結果)を物体状態判定部13へ出力する。また、物体画像認識部12は、画像データの画角や焦点距離の情報等に基づき、車幅方向中央から車両真直ぐ前方を基準として左又は右の所定方位に認識した物体が存在することを特定する所定方位情報も認識可能であり、この情報も物体状態判定部13へ出力する。
ここで、本実施形態において高反射物体とは、車両やガードレール等の電磁波が反射され易い物体を指し、低反射物体とは、人物、荷物、動物等の電磁波が反射され難い物体を指す。そして、本実施形態では、高反射物体であるか否かを、所定の反射レベルの閾値に基づき判定するようにしており、本実施形態の物体状態判定部13では、低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定可能であるかの判定を、物体検出部11から出力された情報のうちの反射レベルを基準に行うようにする。
すなわち、物体状態判定部13は、物体検出部11に基づき特定される物体の個数が、物体画像認識部12によって認識された物体の個数に一致しない場合で、かつ物体検出部11から出力された反射レベルが閾値を超える場合に、低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定する。これに対して、物体検出部11から出力された反射レベルが閾値を超えない場合には、低反射物体と低反射物体とが近距離で重なり合うように存在している等と判定する。なお、このような判定は、反射レベルに基づくものでなくてもよく、他の手法で行ってもよい。
この低反射物体距離推定部14は、物体画像認識部12によって認識可能な情報等に応じて各種の距離推定モードのいずれかを実行して、上記所定距離を推定するが、この詳細は、図2のフローチャート等を用いて後述する。
また、車両制御部15は、歩行者又は車両との接触可能性の大きさに応じて、報知装置25による警報の出力タイミングおよび出力内容の少なくとも何れかを制御する。
ステップS104において低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定されれば、ステップS105に進む。一方で、ステップS104において判定されなければ、上述したように、低反射物体と低反射物体が近距離で重なり合うように存在している等と判定し、物体画像認識部12によって認識された2つの物体に対して、物体検出部11で算出した同じ情報(位置、速度、及び反射レベル等)を紐付けるようにして、処理を終了する。
なお、上述の説明で用いた図3は、物体状態判定部13が、ステップS102において「一致」と判定できず、ステップS104において低反射物体の前方に高反射物体があり、低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定される場合の典型例を示している。このような場合に、物体認識装置1では、物体状態判定部13により、歩行者Huの前方に高反射物体(先行車Vf)があり、歩行者と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定し、ステップS106から開始する低反射物体距離推定部14の処理によって高反射物体から歩行者Huまでの距離を推定し、物体画像認識部12によって認識された歩行者Huに紐付けるようにする。
ステップS106においては、低反射物体距離推定部14はまず、カメラユニット3からの画像データにおいて歩行者と高反射物体との間に記載されている奥行きのある道路標示が認識可能であるか否かを判定する。ステップS106において認識可能である場合は、ステップS107に処理が進み、認識不能である場合は、ステップS108に処理が進む。
しかしながら、画像データにおいて歩行者接地部分と高反射物体接地部分との少なくともいずれか一方が画像データ上で認識されない場合にあっても、認識される物体の一部からそれぞれの接地部分を推定し、この推定した接地部分を基準に、道路標示が、歩行者接地部分と高反射物体接地部分との間に位置している状態か否かを判定してもよい。
具体的に本実施形態では、このステップS106において低反射物体距離推定部14は、認識可能とされた道路標示が、記憶してある道路標示データのいずれに該当するかを特定し、特定した道路標示データに関連付けされた当該道路標示データに対応する標示の奥行き方向の寸法を特定し、この寸法を歩行者と高反射物体との離間距離とする。さらに具体的に、図4の例で説明すると、道路標示M1の道路奥行き方向での寸法が例えば1.4mと特定される場合には、1.4mだけ歩行者Huと先行車Vfが離れていると推定される。
そして、低反射物体距離推定部14は、推定した距離を物体状態判定部13に出力して処理を終了する。
具体的に本実施形態において低反射物体距離推定部14は、例えば、物体検出部11から算出された高反射物体の位置を基準として、画像データにおいて歩行者が高反射物体から下方に所定の距離ΔS(図4参照)離れていた場合には、実際には所定の距離ΔTだけ離れている等と仮定して推定を行う。このような推定は、例えば、低反射物体距離推定部14が、マップを有し、このマップを参照することで行う等する。なお、当該マップに格納されるデータとしては、画角、撮像方向、焦点距離、物体の画像データ上の座標等を考慮して距離を推定するデータが格納されている。ここでは、マップを参照して推定する例を挙げたが、上記の画角、撮像方向、焦点距離、物体の画像データ上の座標等を考慮し、特定の演算によって距離を求めるようにしてもよい。
そして、低反射物体距離推定部14は、推定した距離を物体状態判定部13に出力して処理を終了する。
このステップS111では、低反射物体距離推定部14は、画像データにおける高反射物体に対する歩行者の大きさの割合を示す比率Ra1を算出する。
一方、低反射物体距離推定部14は、物体検出部11から算出された高反射物体の位置(距離)と、物体画像認識部12で認識された高反射物体の情報とを基に、画像データ上における高反射物体の大きさを算出する。また、低反射物体距離推定部14は、歩行者が大人か子供かを判定し、大人か子供に応じた歩行者の一般的な身長を求める。
そして、低反射物体距離推定部14は、所定の位置にある高反射物体に対して所定距離TH(例えば、1m)だけ後方に一般的な身長及び体格の歩行者(例えば、大人であれば1.7m、子供であれば1.4m等)がいる場合に、画像データにおいて一般的な歩行者が高反射物体に対してどの程度の割合となるかを示す比率Ra0を、大人か子供かに応じてマップから引用し、比率Ra0と比率Ra1とを比較する。
ここで、第1距離は、レーダ装置2とカメラユニット3のそれぞれで個別に低反射物体を検出又は認識できる距離(以下、分離検出可能距離)よりもわずかに小さい距離と設定される。これは、分離検出可能距離以上であれば、低反射物体に対する距離の推定はそもそも不要であるからである。そして、分離検出可能距離よりもわずかに小さい距離を第1距離とするのは、上記のように、高反射物体に対する認識された歩行者の大きさが、一般的な歩行者に対して十分に大きいと判定される場合は、画像データにおいて歩行者が大きく写っており、自車両側に近い位置にある可能性が高いため、歩行者が高反射物体から比較的離れていると予測されるからである。したがって、分離検出可能距離よりもわずかに小さくするのがよく、例えば、分離検出可能距離が1.5mであれば、第1距離を1.4m等と設定するのがよい。なお、この種の物体認識装置では、高反射物体と低反射物体とが画像データ上重なり合っていても1.5m離れていれば、レーダ装置とカメラユニットの夫々で物体を一般的に検出できる。
ここで、第2距離は、歩行者が高反射物体に比較的近づいていると推定するための距離であり、本実施形態では、歩行者の胴の厚さと一般的に歩行者が車両から離れる距離とを足した距離とする。具体的には例えば、一般的な歩行者の胴の厚さ30cmと、一般的に歩行者が車両から離れて作業(トランクの開閉作業等)をする距離50cmとを足した距離である0.8mを、第2距離とする。なお、上述した所定距離THは、第1距離と第2距離との間に設定する。
そして、ステップS113又はS114で距離を推定後、低反射物体距離推定部14は、推定した距離を物体状態判定部13に出力して処理を終了する。
また、例えば、上記実施形態では、ステップS111において、高反射物体の歩行者に対する大きさに応じて、第1距離または第2距離、歩行者が高反射物体から離れていると推定する例を説明したが、高反射物体の歩行者に対する大きさに応じて、増減させるように歩行者と高反射物体との間の距離を推定してもよい。
2 レーダ装置(発受信手段)
3 カメラユニット(撮像手段)
13 物体状態判定部(物体状態判定手段)
14 低反射物体距離推定部(低反射物体距離推定手段)
Claims (3)
- 自車両周辺の所定範囲に向けて電磁波を発信するとともに、該電磁波が自車両周辺に存在する物体により反射されて生じる反射波を受信する発受信手段と、
自車両周辺の所定範囲を撮像する撮像手段と、を有する物体認識装置において、
前記所定範囲における所定方位にて前記発受信手段により検出された物体の個数が、前記所定方位にて前記撮像手段により検出された物体の個数よりも少ない場合に、前記所定方位にて、低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定する物体状態判定手段と、
前記物体状態判定手段によって、前記低反射物体と前記高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定された場合に、前記高反射物体よりも自車両側に前記低反射物体が存在しているとして、前記発受信手段により検出された前記高反射物体の位置から所定距離自車両側に離れた位置に前記低反射物体が存在していると推定する低反射物体距離推定手段と、を有し、
前記低反射物体距離推定手段は、道路標示の奥行き方向の寸法が特定された複数の道路標示データが記憶されており、前記撮像手段によって撮像された画像において、奥行き方向における前記低反射物体の最下部と前記高反射物体の最下部との間にはみ出さずに位置している前記道路標示が認識可能である場合に、該認識可能とされた道路標示が、記憶されている前記道路標示データのいずれに該当するかを特定し、特定した前記道路標示データに関連付けされた該道路標示データに対応する前記道路標示の奥行き方向の寸法を特定し、該奥行き方向の寸法を前記低反射物体と前記高反射物体との間の距離として推定し、該距離分、前記低反射物体が前記高反射物体から自車両側に離れた位置に存在していると推定することを特徴とする物体認識装置。 - 自車両周辺の所定範囲に向けて電磁波を発信するとともに、該電磁波が自車両周辺に存在する物体により反射されて生じる反射波を受信する発受信手段と、
自車両周辺の所定範囲を撮像する撮像手段と、を有する物体認識装置において、
前記所定範囲における所定方位にて前記発受信手段により検出された物体の個数が、前記所定方位にて前記撮像手段により検出された物体の個数よりも少ない場合に、前記所定方位にて、低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定する物体状態判定手段と、
前記物体状態判定手段によって、前記低反射物体と前記高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定された場合に、前記高反射物体よりも自車両側に前記低反射物体が存在しているとして、前記発受信手段により検出された前記高反射物体の位置から所定距離自車両側に離れた位置に前記低反射物体が存在していると推定する低反射物体距離推定手段と、を有し、
前記低反射物体距離推定手段は、前記撮像手段によって撮像された画像において、前記低反射物体の最下部が地面に接しており、且つ前記高反射物体の最下部が地面に接していることを認識可能である場合に、前記低反射物体の最下部と前記高反射物体の最下部との離間距離に応じて前記低反射物体と前記高反射物体との間の距離を推定し、該距離分、前記低反射物体が前記高反射物体から自車両側に離れた位置に存在していると推定することを特徴とする物体認識装置。 - 自車両周辺の所定範囲に向けて電磁波を発信するとともに、該電磁波が自車両周辺に存在する物体により反射されて生じる反射波を受信する発受信手段と、
自車両周辺の所定範囲を撮像する撮像手段と、を有する物体認識装置において、
前記所定範囲における所定方位にて前記発受信手段により検出された物体の個数が、前記所定方位にて前記撮像手段により検出された物体の個数よりも少ない場合に、前記所定方位にて、低反射物体と高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定する物体状態判定手段と、
前記物体状態判定手段によって、前記低反射物体と前記高反射物体とが近距離で重なり合うように存在していると判定された場合に、前記高反射物体よりも自車両側に前記低反射物体が存在しているとして、前記発受信手段により検出された前記高反射物体の位置から所定距離自車両側に離れた位置に前記低反射物体が存在していると推定する低反射物体距離推定手段と、を有し、
前記低反射物体距離推定手段は、前記発受信手段及び前記撮像手段のそれぞれで前記低反射物体を検出できる分離検出可能距離よりも小さい第1距離と、該第1距離よりも小さい第2距離と、を予め記憶しておき、
前記第1距離分、前記低反射物体が前記高反射物体から自車両側に離れた位置に存在していると推定するか、または前記第2距離分、前記低反射物体が前記高反射物体から自車両側に離れた位置に存在していると推定するか、を使用者が予め選択可能であり、
前記使用者の選択結果に応じて前記第1距離分、前記低反射物体が前記高反射物体から自車両側に離れた位置に存在していると推定する、または前記第2距離分、前記低反射物体が前記高反射物体から自車両側に離れた位置に存在していると推定することを特徴とする物体認識装置。
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