以下に、本願に係るネットワークシステム、通信方法及び制御サーバの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願に係るネットワークシステム、通信方法及び制御サーバが限定されるものではない。
[実施例1に係るネットワークシステムの構成]
まず、図1を用いて、実施例1に係るネットワークシステムについて説明する。図1は、実施例1に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。図1に例示するように、実施例1に係るネットワークシステム1には、モバイル無線LAN端末A11と、ユーザ宅H101〜H10nと、通信ネットワークNを形成する通信事業者Cとが含まれる。
モバイル無線LAN端末A11は、無線通信機能を有し、例えば、ノート型PCや携帯端末装置等である。実施例1におけるモバイル無線LAN端末A11は、ユーザ宅H101の外に存在し、ユーザ宅H101に居住するユーザ以外のユーザによって利用されているものとする。
また、図1に示した例において、ユーザ宅H101には、モバイル無線LAN端末H111が存在するとともに、有線端末(Personal Computer)H121と回線終端装置1001とが設置される。モバイル無線LAN端末H111は、無線通信機能を有し、例えば、ユーザ宅H101に居住するユーザによって利用されるノート型PCや携帯端末装置等である。有線端末H121は、例えば、ユーザ宅H101に居住するユーザによって利用されるデスクトップ型PC等である。
回線終端装置1001は、各端末を通信ネットワークNに接続するための装置であり、例えば、ONU(Optical Network Unit)やDSU(Digital Service Unit)等である。かかる回線終端装置1001は、家庭内LANを介して有線端末H121と有線接続されるとともに、ブロードバンド回線等により通信ネットワークNと有線接続される。
ここで、実施例1における回線終端装置1001は、無線機能部1101と、有線機能部1201とを有する。無線機能部1101は、回線終端装置1001とは異なるタイミングで起動することができる。例えば、無線機能部1101は、回線終端装置1001が起動した場合であっても、同時に起動せずに停止したままであることが可能である。
かかる無線機能部1101は、起動中である場合に、無線信号の受信可能範囲(セル)内に位置するモバイル無線LAN端末と無線通信を行うことにより、モバイル無線LAN端末と通信ネットワークNとの間における通信を可能にする。例えば、図1に示した例において、モバイル無線LAN端末H111及びモバイル無線LAN端末A11は、無線機能部1101によって形成されるセル内に位置するものとする。かかる場合に、無線機能部1101は、モバイル無線LAN端末H111やモバイル無線LAN端末A11から無線通信によりアクセスされた場合に、これらの端末と通信ネットワークNに接続との間における通信を可能にする。これにより、実施例1に係るネットワークシステム1では、モバイル無線LAN端末H111だけでなくモバイル無線LAN端末A11についても、無線機能部1101を介して通信ネットワークNと接続することができる。このように、実施例1における無線機能部1101は、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。
有線機能部1201は、回線終端装置1001と有線接続される各種端末間の通信を制御する。図1に示した例では、有線機能部1201は、有線端末H121と有線通信を行うことにより、有線端末H121と通信ネットワークNとの間における通信を制御する。
通信事業者Cは、通信ネットワークNや無線機能部制御サーバ10を管理しており、インターネット接続サービスをユーザに提供する。図1に示した例では、ユーザ宅H10のユーザは、通信ネットワークNを利用するので、通信事業者Cの加入者に該当する。また、無線機能部制御サーバ10は、通信ネットワークNを介して、ユーザ宅H101内の回線終端装置1001に各種制御信号を送信することにより、無線機能部1101を制御する。
なお、図1では、ユーザ宅H101を例に挙げて説明したが、他のユーザ宅H10n等についてもユーザ宅H101と同様の構成を有する。例えば、ユーザ宅H10nには、モバイル無線LAN端末H11n、有線端末H12n、回線終端装置100n等が含まれる。以下では、ユーザ宅H101〜H10nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ宅H10」と表記する場合がある。同様に、モバイル無線LAN端末H111〜H11n、有線端末H121〜H12n、回線終端装置1001〜100n等についても、それぞれを総称して「モバイル無線LAN端末H11」、「有線端末H12」、「回線終端装置100」と表記する場合がある。
このように、実施例1に係るネットワークシステム1では、ユーザ宅H10内の無線機能部110が公衆無線LANのアクセスポイントとして機能するので、ユーザ宅H10の近傍に居るユーザは、無線機能部110を介して、ユーザ自身が所有する無線LAN端末(モバイル無線LAN端末H11やモバイル無線LAN端末A11等)を通信ネットワークNに接続することができる。
そして、実施例1に係るネットワークシステム1は、回線終端装置100と無線機能部制御サーバ10とによる処理によって、ユーザ宅H10に設置されている無線機能部110を安定して動作する無線ルータとして他のユーザに利用させることを可能にする。この点について、以下に説明する。
[実施例1に係るネットワークシステムにおける処理]
図2〜図8を用いて、実施例1に係るネットワークシステム1による処理について説明する。図2〜図8は、実施例1に係るネットワークシステム1による処理例を説明するための図である。
まず、図2に示した例において、所定の地域AR10は、コンサートや祭りやスポーツの大会等のイベントが開催される地域や、災害等の非常事態が発生した地域等に該当する。すなわち、地域AR10に大勢の人が集まる可能性が高いといえる。
実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、このようなイベント等が開催される地域AR10の情報である地域情報を受け付ける。例えば、無線機能部制御サーバ10は、地域AR10の位置を示す住所や、地域AR10においてイベント等が開催される日時(開始日時、終了日時)等を含む地域情報を受け付ける。そして、無線機能部制御サーバ10は、地域AR10又は地域AR10の近傍に所在するユーザ宅を特定する。このとき、無線機能部制御サーバ10は、各ユーザ宅の無線機能部110を起動させた場合に、地域AR10のほぼ全体が公衆無線LANのエリアになるような最低限のユーザ宅を特定する。そして、無線機能部制御サーバ10は、特定したユーザ宅のそれぞれに設置されている回線終端装置100の無線機能部110をイベントの開催日時に起動させる。
図2に示した例では、地域AR10にユーザ宅H101〜H10mが所在する。ユーザ宅H101内の無線機能部1101(図2では図示せず)は、無線信号の受信範囲を示すセルC101を形成し、ユーザ宅H10m内の無線機能部110m(図2では図示せず)は、無線信号の受信範囲を示すセルC10mを形成する。そして、ユーザ宅H101〜H10m内の無線機能部1101〜110mのそれぞれによって形成される各セルは、地域AR10を全体的にカバーする。このような場合に、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101〜H10mのそれぞれに設置されている回線終端装置100を起動させる。これにより、無線機能部制御サーバ10は、無線信号の受信範囲に漏れのない公衆無線LAN環境を地域AR10に形成することができる。
また、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101〜H10mとは別に、ユーザ宅H101〜H10m内の無線機能部110が停止することに備えて、ユーザ宅H101〜H10mの近傍に所在する他のユーザ宅(以下、「予備ユーザ宅」と表記する場合がある)を特定する。図2に示した例では、無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101の近傍に所在するユーザ宅H107を予備ユーザ宅として特定する。また、図2では図示することを省略したが、無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H102〜H10mの予備ユーザ宅についても特定する。
そして、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101〜110mを起動させた場合に、かかる無線機能部1101〜110mの稼動状態を監視する。そして、無線機能部制御サーバ10は、図3に示した例のように、ユーザ宅H101に設置されている無線機能部1101が停止した場合には、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107に設置されている無線機能部1107を起動させる。なお、以下では、予備ユーザ宅に設置されている無線機能部を「予備無線機能部」と表記する場合がある。
これにより、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、所定の無線機能部110が停止した場合であっても、地域AR10において無線信号の受信範囲に漏れが発生することを防止できる。この結果、実施例1に係るネットワークシステム1では、所定の無線機能部110が停止した場合であっても公衆無線LAN環境を継続して提供することができるので、ユーザ宅H10に設置されている無線機能部110を安定して動作する無線ルータとして他のユーザに利用させることができる。
続いて、図4〜図8を用いて、無線機能部制御サーバ10が各無線機能部110を起動させるまでの処理の流れを説明する。なお、以下では、主に、図2及び図3に示したユーザ宅H101と、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107を例に挙げて説明する。
図4に示した例において、ユーザ宅H101内に設置されている回線終端装置1001は起動しているが、無線機能部1101は起動していないものとする。同様に、ユーザ宅H107内に設置されている回線終端装置1007は起動しているが、無線機能部1107は起動していないものとする。このような状態において、通信事業者Cの無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101を起動することについてユーザ宅H101のユーザから事前に了承を得るために、無線機能部1101を起動させる予定日時である開始日時と、無線機能部1101を停止させる予定日時である終了日時とを含む事前要求を回線終端装置1001に送信する(ステップS11)。例えば、無線機能部制御サーバ10は、通信事業者Cによる操作に従って、実際に無線機能部110を起動させる数日前等に事前要求を送信する。
また、無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107に対しても事前要求を送信する(ステップS12)。なお、図4では図示することを省略したが、無線機能部制御サーバ10は、図2及び図3に示したユーザ宅H102〜H10mのそれぞれに設置されている回線終端装置1002〜100mに対しても事前要求を送信し、ユーザ宅H107以外の予備ユーザ宅に設置されている回線終端装置100に対しても事前要求を送信する。
回線終端装置1001の有線機能部1201は、無線機能部制御サーバ10から受け付けた事前要求を家庭内LAN経由で有線端末H121に送信する。そして、有線端末H121は、かかる事前要求に対する応答として、無線機能部1101の起動を許可するか否かを示す回答情報(「了承」又は「拒否」)を無線機能部制御サーバ10に送信する(ステップS13)。例えば、有線端末H121のユーザは、事前要求に含まれる開始日時から終了日時までに無線機能部1101を起動させることが可能であるか否かを判断し、事前要求に対して了承するか拒否するかを有線端末H121に入力する。そして、有線端末H121は、ユーザによって入力された回答情報を無線機能部制御サーバ10に送信する。有線端末H121によって送信された回答情報は、家庭内LANと有線機能部1201と通信ネットワークNを介して無線機能部制御サーバ10に到達する。なお、有線端末H121は、回答情報とともに、ユーザ宅H101のユーザを識別するためのユーザIDを無線機能部制御サーバ10に送信してもよい。
同様に、回線終端装置1007の有線機能部1207は、無線機能部制御サーバ10から受け付けた事前要求を家庭内LAN経由で有線端末H127に送信する。そして、有線端末H127は、かかる事前要求に対する応答として、無線機能部1107の起動を許可するか否かを示す回答情報(「了承」又は「拒否」)を無線機能部制御サーバ10に送信する(ステップS14)。
続いて、図5に示すように、有線端末H121は、上記ステップS13において、「了承」を示す回答情報を送信した場合に、無線機能部1101を起動させる開始日時と、無線機能部1101を停止させる終了日時と、ユーザ宅H101のユーザを識別するためのユーザIDとを含む起動要求を回線終端装置1001に送信する(ステップS15)。有線端末H121によって送信される開始日時及び終了日時は、実際に無線機能部1101を起動及び停止させる日時ではなく、無線機能部制御サーバ10によって無線機能部1101が起動される可能性のある日時を示す。すなわち、有線端末H121は、かかる開始日時から終了日時までの間で無線機能部1101が稼動する可能性があることを回線終端装置1001に通知する。これにより、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101を起動させることが可能になる。
また、予備ユーザ宅であるユーザ宅H107内の有線端末H127は、上記ステップS14において、「了承」を示す回答情報を送信した場合に、無線機能部1107を起動させる開始日時と、無線機能部1107を停止させる終了日時と、ユーザ宅H107のユーザを識別するためのユーザIDとを含む起動要求を回線終端装置1007に送信する(ステップS16)。有線端末H127によって送信される開始日時及び終了日時についても、実際に無線機能部1107を起動及び停止させる日時ではなく、無線機能部制御サーバ10によって無線機能部1107が起動される可能性のある日時を示す。これにより、有線端末H127は、ユーザ宅H107内の無線機能部1107をいつでも起動可能な状態にする。この結果、無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101内の無線機能部1101が故障した場合等に、予備無線機能部である無線機能部1107を起動することが可能になる。
なお、有線端末H121及びH127は、開始日時、終了日時及びユーザIDを含まない起動要求を送信してもよい。すなわち、有線端末H121及びH127は、無線機能部1101又は1107が起動される可能性があることのみを回線終端装置1001又は1007に通知し、無線機能部制御サーバ10が回線終端装置1001又は1007を起動させられる状態にしてもよい。
続いて、図5に示すように、無線機能部制御サーバ10は、上記ステップS13において、有線端末H121から「了承」を示す回答情報を受信した場合に、無線機能部1101の起動時間を設定するための起動要求を回線終端装置1001に送信する(ステップS17)。具体的には、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部110を停止させる終了日時と、ユーザ宅H101のユーザを識別するためのユーザIDとを含む起動要求を回線終端装置100に送信する。なお、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101を起動させる開始日時を含む起動要求を送信してもよい。また、無線機能部制御サーバ10は、ユーザIDを加入者情報として予め保持しておいてもよいし、上記ステップS13において回答情報とともに有線端末H121から受け付けてもよい。
このように、通信事業者Cは、無線機能部110を公衆無線LANのアクセスポイントとして利用する場合には、事前にユーザから了承を得る。これは、無線機能部110を起動させることは、ユーザ宅H10の電力を使用することとなるので、事前にユーザから了承を得ることが望ましいからである。そして、通信事業者Cは、事前にユーザから了承を得ることで、無線機能部110を安定して稼動させることができる。
無線機能部制御サーバ10及び有線端末H121から回線終端装置1001に送信された各起動要求は、有線機能部1201によって無線機能部1101に送信される。そして、無線機能部1101は、無線機能部制御サーバ10と有線端末H121との双方から起動要求を受信した場合に起動する。
これにより、図6に示すように、無線機能部1101は、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。例えば、モバイル無線LAN端末H111が、通信ネットワークNに接続するために、無線機能部1101に無線通信によりアクセスしたものとする(ステップS18)。かかる場合に、無線機能部1101は、有線機能部1201を介して、モバイル無線LAN端末H111と通信ネットワークNとを通信接続する(ステップS19)。また、例えば、ユーザ宅H101外に位置するモバイル無線LAN端末A11が、通信ネットワークNに接続するために、無線機能部1101に無線通信によりアクセスしたものとする(ステップS18)。かかる場合に、無線機能部1101は、有線機能部1201を介して、モバイル無線LAN端末A11と通信ネットワークNとを通信接続する(ステップS19)。
また、無線機能部1101は、ユーザ宅H101内の無線LAN装置としても機能する。例えば、モバイル無線LAN端末H111が家庭内LANに接続するために、無線機能部1101に無線通信によりアクセスしたものとする(ステップS18)。かかる場合に、無線機能部1101は、有線機能部1201と家庭内LANとを通信接続する(ステップS20)。
続いて、図7に示すように、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101が起動中であるか否かを監視する(ステップS21)。例えば、無線機能部制御サーバ10は、回線終端装置1001に対して、無線機能部1101の稼動状態を確認するための確認信号を送信する。回線終端装置1001は、かかる確認信号を受信した場合に、無線機能部1101が起動中であるか否かを示す状態応答を無線機能部制御サーバ10に送信する(ステップS22)。このようにして、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101が実際に起動しているか否かを定期的に監視する。
ここで、図8に示すように、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部1101の稼動状態を監視している場合に(ステップS23)、無線機能部1101が停止中であることを示す停止応答を受信したものとする(ステップS24)。かかる場合に、無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107に設置されている回線終端装置1007に対して、回線終端装置1007を起動させる旨の起動要求を送信する(ステップS25)。これにより、無線機能部1107は、無線機能部1101の代わりに、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。
このように、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、ユーザ宅H101内の無線機能部1101が停止した場合であっても、ユーザ宅H101の近傍に所在するユーザ宅H107内の無線機能部1107を起動させるので、地域AR10に公衆無線LANが利用できないエリアが発生することを防止できる。
[実施例1に係る回線終端装置の構成]
次に、図9を用いて、図1〜図8に示した回線終端装置100について説明する。図9は、実施例1に係る回線終端装置100の構成例を示す図である。図9に例示するように、実施例1に係る回線終端装置100は、無線機能部110と、有線機能部120と、起動制御部131とを有する。
無線機能部110は、所定のセルを形成し、かかるセル内の無線端末(モバイル無線LAN端末H11やモバイル無線LAN端末A11など)と無線通信を行うことにより、無線端末と通信ネットワークNとの間における通信を制御する。また、無線機能部110は、図6に示した例のように、セル内の無線端末(モバイル無線LAN端末H11など)と無線通信を行うことにより、無線端末と家庭内LANとの間における通信を制御する。このとき、無線機能部110は、有線機能部120を介して、各装置間における通信を制御する。
また、無線機能部110は、図7に示した例のように、無線機能部制御サーバ10から稼動状態を確認するための確認信号を受信した場合に、無線機能部110がアクセスポイントとして起動中であるか否かを示す状態応答を有線機能部120経由で無線機能部制御サーバ10に送信する。このとき、無線機能部110は、停止中である場合には、図8に示した例のように、停止応答を無線機能部制御サーバ10に送信する。
なお、無線機能部110は、ユーザ宅H10内の無線LAN装置として動作する家庭内モードと、公衆無線LANのアクセスポイントとして動作する公衆モードとのいずれかによって動作してもよい。かかる場合に、無線機能部110は、通常時は家庭内モードとして動作することで、ユーザ宅H10のユーザが所有するモバイル無線LAN端末H11からのみ無線アクセスを受け付け、無線機能部制御サーバ10から起動要求を受信した場合には、公衆モードとして動作することで、セル内に位置する各無線端末から無線アクセスを受け付けてもよい。
有線機能部120は、有線端末H12との間で有線通信を行うことにより、有線端末H12と通信ネットワークNとの間における通信を制御する。また、有線機能部120は、図4のステップS11又はS12に示した例のように、無線機能部制御サーバ10から事前要求を受信した場合には、かかる事前要求を家庭内LAN経由で有線端末H12に送信する。また、有線機能部120は、図4に示した例のように、有線端末H12から回答情報を受信した場合には、かかる回答情報を通信ネットワークN経由で無線機能部制御サーバ10に送信する。また、有線機能部120は、図5に示した例のように、無線機能部制御サーバ10や有線端末H12から起動要求を受信した場合には、かかる起動要求を起動制御部131に送信する。また、有線機能部120は、図7に示した例のように、無線機能部110から状態応答を受信した場合には、かかる状態応答を通信ネットワークN経由で無線機能部制御サーバ10に送信する。
起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10によって送信される起動要求を受信した場合に、無線機能部110を起動させる。具体的には、実施例1における起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10と有線端末H12の双方から起動要求を受信した場合に、無線機能部110を起動させる。
なお、起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10と有線端末H12の双方から、開始日時が含まれる起動要求を受信してもよい。このとき、起動制御部131は、双方の起動要求に含まれる開始日時が異なる場合には、いずれか一方の開始日時に無線機能部110を起動させてもよい。また、起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10と有線端末H12の双方から、終了日時が含まれる起動要求を受信してもよい。このとき、起動制御部131は、双方の起動要求に含まれる終了日時が異なる場合には、いずれか一方の終了日時に無線機能部110を停止させてもよい。また、起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10から受信した起動要求に含まれる開始日時から終了日時と、有線端末H12から受信した起動要求に含まれる開始日時から終了日時との重複する時間帯だけ無線機能部110を稼動させてもよい。
また、起動制御部131は、双方の起動要求に含まれるユーザIDがユーザ宅H10のユーザに割り当てられているユーザIDと一致するか否かを判定してもよい。そして、起動制御部131は、一致する場合には無線機能部110を起動させ、一致しない場合には無線機能部110を起動させなくてもよい。
また、起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10から受信した起動要求に含まれる終了日時に無線機能部110を停止させてもよい。また、起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10から停止指示を受信した場合には、終了日時になる前であっても、無線機能部110を停止させてもよい。
[実施例1に係る無線機能部制御サーバの構成]
次に、図10を用いて、図1〜図8に示した無線機能部制御サーバ10について説明する。図10は、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10の構成例を示す図である。図10に例示するように、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、IF(interface)部11と、受付部12と、特定部13と、事前要求部14と、起動候補DB(Data Base)15と、起動要求部16と、監視部17とを有する。また、無線機能部制御サーバ10は、地図情報DB10a及び加入者情報DB10bと接続される。かかる地図情報DB10a及び加入者情報DB10bは、例えば、所定のDBサーバによって保持されており、無線機能部制御サーバ10からアクセスされる。
なお、図10では図示することを省略したが、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部制御サーバ10の操作者が各種情報や操作指示を入力するための入力部(キーボード、マウス等)や、各種情報を表示する表示部(液晶表示装置等)を有してもよい。
地図情報DB10aは、住所と住所が示す地図情報とを記憶する。加入者情報DB10bは、通信ネットワークNを利用する加入者に関する各種情報を記憶する。例えば、加入者情報DB10bは、加入者の住所、氏名、年齢等を記憶する。
IF部11は、回線終端装置100等との間で各種データを送受信するNIC(Network Interface Card)等である。例えば、IF部11は、事前要求や起動要求等を回線終端装置100に送信する。また、例えば、IF部11は、回答情報等を回線終端装置100から受信する。
受付部12は、イベント等が開催される地域に関する地域情報を受け付ける。例えば、受付部12は、イベント等の開催元が管理するサーバ装置等から、通信ネットワークを介して地域情報を受け付ける。また、例えば、受付部12は、無線機能部制御サーバ10の操作者等によって地域情報が入力された場合に、入力された地域情報を受け付ける。かかる地域情報には、イベント等が開催される地域を特定するための住所や、イベント等が開催される開始日時及び終了日時等が含まれる。
特定部13は、受付部12によって地域情報が受け付けられた場合に、かかる地域情報によって示される地域に所在するユーザ宅を特定する。具体的には、特定部13は、地図情報DB10aを参照することにより、受付部12によって受け付けられた地域情報に含まれる住所に対応する位置を取得する。そして、特定部13は、加入者情報DB10bを参照することにより、かかる位置によって示される地域、又は、かかる地域の近傍に所在するユーザ宅H10を特定する。
例えば、図2に示した例において、地図情報DB10aに、地域情報に含まれる住所に対応する位置として地域AR10の位置が記憶されているものとする。また、加入者情報DB10bに、ユーザ宅H101〜H10mの住所として、地域AR10内の住所が記憶されているものとする。かかる場合に、特定部13は、地図情報DB10aから、地域情報に含まれる住所に対応する位置として地域AR10を取得する。そして、特定部13は、加入者情報DB10bを参照することにより、地域AR10内に所在する各ユーザのユーザ宅H101〜H10mを特定する。
事前要求部14は、無線機能部110を起動させることを事前に要求する事前要求を有線端末H12に送信する。このとき、事前要求部14は、受付部12によって受け付けられた地域情報に含まれるイベント等の開始日時及び終了日時を含む事前要求を送信する。
具体的には、事前要求部14は、特定部13によって特定されたユーザ宅の中から、無線機能部110による無線信号の受信範囲が所定範囲だけ重複するユーザ宅を抽出する。この点についてより具体的に説明すると、無線信号の受信範囲は、無線機能部110によって概ね決められている。そこで、事前要求部14は、同一場所で複数の無線機能部110が無線信号を極力受信しないように、最低限の数の無線機能部110による無線信号の受信範囲が地域AR10を網羅するように、地域AR10のほぼ全体が公衆無線LAN環境になるような最低限のユーザ宅を抽出する。
そして、事前要求部14は、かかる事前要求に応答して有線端末H12から「了承」を示す回答情報を受信した場合に、ユーザ宅H10のユーザを識別するためのユーザID等を起動候補DB15に格納する。一方、事前要求部14は、有線端末H12から「拒否」を示す回答情報を受信した場合には、特定部13によって特定されたユーザ宅H10の中から、かかる「拒否」を示す回答情報を送信したユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅を選択し、選択したユーザ宅内の有線端末H12に事前要求を送信する。事前要求部14は、有線端末H12から「了承」を示す回答情報を受信するまで、「拒否」を示す回答情報を送信したユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅内の有線端末H12に事前要求を送信する処理を繰り返す。これにより、事前要求部14は、無線信号の受信範囲に漏れのない公衆無線LAN環境を地域AR10に形成することができる。
さらに、事前要求部14は、上記において抽出したユーザ宅内の無線機能部110が停止した場合に備えて、かかるユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅を予備ユーザ宅として抽出する。そして、事前要求部14は、予備ユーザ宅内の有線端末H12に対しても事前要求を送信する。例えば、図2に示した例において、事前要求部14は、地域AR10内のユーザ宅H101〜H10mのそれぞれの近傍に所在する予備ユーザ宅(ユーザ宅H107等)を抽出し、抽出した予備ユーザ宅内の有線端末H12に事前要求を送信する。
そして、事前要求部14は、かかる事前要求に応答して有線端末H12から「了承」を示す回答情報を受信した場合に、ユーザ宅H10のユーザを識別するためのユーザID等を予備ユーザ宅として起動候補DB15に格納する。一方、事前要求部14は、予備ユーザ宅内の有線端末H12から「拒否」を示す回答情報を受信した場合には、かかる予備ユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅を選択し、選択したユーザ宅内の有線端末H12に事前要求を送信する。事前要求部14は、予備ユーザ宅内の有線端末H12から「了承」を示す回答情報を受信するまで、「拒否」を示す回答情報を送信した予備ユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅内の有線端末H12に事前要求を送信する処理を繰り返す。これにより、事前要求部14は、無線信号の受信範囲に漏れのない公衆無線LAN環境を地域AR10に形成することができる予備ユーザ宅を準備することができる。
なお、事前要求部14は、起動許可が得られた無線機能部110を識別できる情報であればユーザID以外の情報を起動候補DB15に格納してもよい。例えば、事前要求部14は、回線終端装置100を識別するための識別子や、無線機能部110を識別するための識別子や、ユーザ宅H10を識別するための識別子等を起動候補DB15に格納してもよい。
起動候補DB15は、ユーザから起動許可が得られた無線機能部110を特定するための情報を記憶する。例えば、起動候補DB15は、無線機能部110を起動することを許可したユーザのユーザIDを記憶する。
起動要求部16は、事前要求部14によって送信された事前要求に応答して有線端末H12から無線機能部110の起動を了承する旨の応答を受信した後に、かかる無線機能部110を起動する旨の起動要求を回線終端装置100に送信する。具体的には、起動要求部16は、起動候補DB15を参照することで、起動許可が得られたユーザ宅H10を特定し、事前要求に含まれる開始日時になった場合に、かかるユーザ宅H10内の回線終端装置100に起動要求を送信する。
なお、起動要求部16は、開始日時になる前に、かかる開始日時に無線機能部110が起動するようにタイマー設定された起動要求(起動信号)を回線終端装置100に送信してもよい。この例の場合、回線終端装置100の起動制御部131は、タイマーに設定された日時になった場合に、無線機能部110を起動させる。また、例えば、起動要求部16は、開始日時に起動要求を回線終端装置100に送信するように、タイマー設定されてもよい。この例の場合、起動要求部16は、タイマーに設定された日時になった場合に、起動要求を無線機能部110に送信する。
また、起動要求部16は、後述する監視部17によって無線機能部110が停止中であることが検出された場合に、かかる停止中の無線機能部110の予備無線機能部を有する予備の回線終端装置100に対して起動要求を送信する。このとき、起動要求部16は、開始日時を含まない起動要求を予備の回線終端装置100に送信することで、予備無線機能部を即座に起動させる。
例えば、図2及び図3に示した例のように、事前要求部14によって、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅としてユーザ宅H107が抽出されているものとする。このとき、起動要求部16は、後述する監視部17によってユーザ宅H101内の無線機能部1101が停止中であることが検出された場合には、回線終端装置1007に起動要求を送信することで、無線機能部1107を即座に起動させる。
また、起動要求部16は、無線機能部110を停止する旨の停止指示を回線終端装置100に送信する。具体的には、起動要求部16は、事前要求部14によって送信された事前要求に含まれる終了日時になった場合に、停止指示を回線終端装置100に送信する。
なお、起動要求部16は、終了日時になる前に、かかる終了日時に無線機能部110が停止するようにタイマー設定された停止指示(停止信号)を回線終端装置100に送信してもよい。この例の場合、回線終端装置100の起動制御部131は、タイマーに設定された日時になった場合に、無線機能部110を停止させる。また、起動要求部16は、終了日時に停止指示を回線終端装置100に送信するようにタイマー設定されてもよい。この例の場合、起動要求部16は、タイマーに設定された日時になった場合に、停止指示を無線機能部110に送信する。
監視部17は、無線機能部110の稼動状態を監視する。具体的には、監視部17は、回線終端装置100の稼動状況を確認するための確認信号を送信し、回線終端装置100から無線機能部110の稼動状態を示す状態応答を受信することにより、無線機能部110の起動有無を監視する。また、監視部17は、回線終端装置100から無線機能部110が停止中であることを示す停止応答を受信した場合には、無線機能部110が停止中である旨を上記起動要求部16に通知する。これにより、起動要求部16は、停止中の無線機能部110に対応する予備無線機能部を起動することとなる。
なお、上述した受付部12、特定部13、事前要求部14、起動要求部16及び監視部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、例えば、受付部12、特定部13、事前要求部14、起動要求部16及び監視部17は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
また、上述した起動候補DB15、地図情報DB10a及び加入者情報DB10bは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
[実施例1に係る有線端末の構成]
次に、図1〜図8に示した有線端末H12について説明する。実施例1に係る有線端末H12は、無線機能部制御サーバ10から事前要求を受信した場合には、かかる事前要求に含まれる開始日時及び終了日時を液晶表示装置等の表示部に表示する。また、有線端末H12は、ユーザの操作に従って、回答情報(了承/拒否)を無線機能部制御サーバ10に送信する。
また、有線端末H12は、ユーザ要求部を有する。かかるユーザ要求部は、事前要求部14から受信した事前要求に応答して「了承」を示す回答情報を無線機能部制御サーバ10に送信した後に、起動要求(起動信号)を回線終端装置100に送信する。これにより、無線機能部制御サーバ10が無線機能部110を起動させることができる状態となる。このような有線端末H12による各種処理は、例えばソフトウェアによって実現される。
[実施例1に係るネットワークシステムによる処理手順]
次に、図11を用いて、実施例1に係るネットワークシステム1による通信処理の手順を説明する。図11は、実施例1に係るネットワークシステム1による通信処理手順を示すシーケンス図である。なお、図11では、ユーザ宅H101と、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107とを例に挙げて説明する。
図11に示すように、無線機能部制御サーバ10の特定部13は、地域情報に基づいて、起動対象の無線機能部110が設置されているユーザ宅H10を特定する(ステップS101)。具体的には、特定部13は、地図情報DB10aを参照することにより、受付部12によって受け付けられた地域情報に含まれる住所に対応する位置を取得する。そして、特定部13は、加入者情報DB10bを参照することにより、かかる位置によって示される地域、又は、かかる地域の近傍に所在するユーザ宅H10を特定する。
続いて、無線機能部制御サーバ10の事前要求部14は、特定部13によって特定されたユーザ宅H101の有線端末H121に事前要求を送信する(ステップS102)。また、事前要求部14は、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107の有線端末H127に事前要求を送信する(ステップS103)。
事前要求を受信した有線端末H121は、ユーザによる操作に従って、無線機能部1101の起動を了承又は拒否することを示す回答情報を回線終端装置1001経由で無線機能部制御サーバ10に送信する(ステップS104)。このとき、有線端末H121は、了承を示す回答情報を送信した場合には、回線終端装置1001に起動要求を送信する(ステップS105)。
また、事前要求を受信した有線端末H127は、ユーザによる操作に従って、無線機能部1107の起動を了承又は拒否することを示す回答情報を回線終端装置1007経由で無線機能部制御サーバ10に送信する(ステップS106)。このとき、有線端末H127は、了承を示す回答情報を送信した場合には、回線終端装置1007に起動要求を送信する(ステップS107)。
そして、回答情報を受信した無線機能部制御サーバ10の事前要求部14は、かかる回答情報が「了承」を示す場合には、ユーザ宅H10のユーザを識別するためのユーザID等を起動候補DB15に格納する(ステップS108)。なお、図11では図示することを省略したが、事前要求部14は、「拒否」を示す回答情報を送信した場合には、かかる回答情報の送信元ユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅内の有線端末H12に事前要求を送信する処理を繰り返す。
続いて、無線機能部制御サーバ10の起動要求部16は、無線機能部110を起動する旨の起動要求を回線終端装置1001に送信する(ステップS109)。回線終端装置1001の起動制御部131は、上記ステップS105において有線端末H121から起動要求を受信した状態で、ステップS109において無線機能部制御サーバ10から起動要求を受信した場合に、無線機能部1101を起動させる(ステップS110)。これにより、無線機能部1101は、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。
ここで、無線機能部1101が故障等により停止したものとする(ステップS111)。無線機能部制御サーバ10の監視部17は、無線機能部1101の稼動状態を定期的に監視しており(ステップS112)、無線機能部1101が停止中である場合には、回線終端装置1001から停止応答を受信する(ステップS113)。
かかる場合に、無線機能部制御サーバ10の起動要求部16は、無線機能部1101の予備無線機能部である無線機能部1107を起動させるために、起動要求を回線終端装置1007に送信する(ステップS114)。回線終端装置1007の起動制御部131は、上記ステップS107において有線端末H127から起動要求を受信した状態で、無線機能部制御サーバ10から起動要求を受信した場合に、無線機能部1107を即座に起動させる(ステップS115)。これにより、無線機能部1107は、停止中の無線機能部1101の代わりに、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係るネットワークシステム1は、通信網である通信ネットワークNを形成する通信事業者Cによって管理される制御サーバである無線機能部制御サーバ10と、通信ネットワークNに接続されるとともにユーザ宅に設置される回線終端装置100とを含む。回線終端装置100は、モバイル無線LAN端末A11等の無線端末と無線通信を行うことで、かかる無線端末と通信ネットワークNとの間における通信を制御する無線機能部110と、無線機能部制御サーバ10によって送信される無線機能部110の起動要求を受信した場合に、無線機能部110を起動させる起動制御部131とを有する。また、無線機能部制御サーバ10は、無線機能部110が起動中であるか否かを監視する監視部17と、監視部17によって無線機能部110が停止中であることが検出された場合に、無線機能部110が停止しているユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅に設置されている他の回線終端装置100に対して、かかる他の回線終端装置100が有する無線機能部110である予備無線機能部を起動させる旨の起動要求を送信する起動要求部16とを有する。
これにより、実施例1に係るネットワークシステム1では、ユーザ宅内の無線機能部110が停止した場合であっても、かかるユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅内の無線機能部110を起動させるので、所定の地域内に公衆無線LANが利用できないエリアが発生することを防止することができる。例えば、ネットワークシステム1では、ユーザが無線機能部110を停止させた場合であっても、公衆無線LANが利用できないエリアが発生することを防止することができる。すなわち、実施例1に係るネットワークシステム1では、ユーザ宅に設置されている回線終端装置100を用いて安定した公衆無線LAN環境を実現することができる。
また、実施例1に係る無線機能部制御サーバ10は、所定の地域を示す地域情報を受け付けた場合に、通信ネットワークNに加入しているユーザの情報を記憶する加入者情報DB10bを参照して、かかる所定の地域又は所定の地域近傍に所在するユーザ宅を特定する特定部13と、特定部13によって特定されたユーザ宅のうち、互いに近傍の位置に所在する一方のユーザ宅のユーザによって利用される第1のユーザ端末に対して、かかる一方のユーザ宅に設置されている第1の回線終端装置が有する第1の無線機能部を起動させることを事前に要求するとともに、他方のユーザ宅のユーザによって利用される第2のユーザ端末に対して、かかる他方のユーザ宅に設置されている第2の回線終端装置が有する第2の無線機能部を予備無線機能部として起動させることを事前に要求する事前要求部14と、事前要求部14に応答して第1のユーザ端末から第1の無線機能部の起動を了承する旨の応答を受信した場合に、第1の回線終端装置に対して起動要求を送信し、監視部17によって第1の無線機能部が停止中であることが検出され、かつ、事前要求部14に応答して第2のユーザ端末から第2の無線機能部の起動を了承する旨の応答を受信している場合に、第2の回線終端装置に対して起動要求を送信する起動要求部16とを有する。
これにより、実施例1に係るネットワークシステム1では、通信事業者Cが無線機能部110を起動することについてユーザから事前に了承を得るので、ユーザ宅内の無線機能部110が停止した場合であっても、かかるユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅内の無線機能部110を安定して起動させることができ、その結果、所定の地域内に公衆無線LANが利用できないエリアが発生することを防止することができる。すなわち、実施例1に係るネットワークシステム1では、ユーザ宅に設置されている回線終端装置100を用いて安定した公衆無線LAN環境を実現することができる。
また、実施例1に係るネットワークシステム1では、ユーザ端末である有線端末H12が、無線機能部制御サーバ10からの事前要求の応答として無線機能部110の起動を了承する旨の応答を無線機能部制御サーバ10に送信した場合に、無線機能部110を起動させる旨の起動要求を回線終端装置100に送信し、無線機能部制御サーバ10からの事前要求の応答として無線機能部110を予備無線機能部として起動させることに了承する旨の応答を無線機能部制御サーバ10に送信した場合も、無線機能部110を起動させる旨の起動要求を回線終端装置100に送信する。また、回線終端装置100の起動制御部131は、無線機能部制御サーバ10及び有線端末H12の双方から起動要求を受信した場合に、無線機能部110を起動させる。
これにより、実施例1に係るネットワークシステム1では、無線機能部制御サーバ10が、ユーザ宅内の無線機能部110を自由に起動させることができるので、ユーザ宅内の無線機能部110が停止した場合であっても、かかるユーザ宅の近傍に所在する他のユーザ宅内の無線機能部110を安定して起動させることができ、その結果、所定の地域内に公衆無線LANが利用できないエリアが発生することを防止することができる。すなわち、実施例1に係るネットワークシステム1では、ユーザ宅に設置されている回線終端装置100を用いて安定した公衆無線LAN環境を実現することができる。
上記実施例1では、各ユーザ宅H10内の回線終端装置100が収容するブロードバンド回線を公衆無線LAN環境下で利用する例を示した。具体的には、上記実施例1では、無線端末(モバイル無線LAN端末A11等)が各ユーザ宅H10内の無線機能部110にアクセスすることにより、回線終端装置100が収容するブロードバンド回線を介して、通信ネットワークNと通信を行う例を示した。すなわち、上記実施例1では、所定のユーザは、かかるユーザのユーザ宅H10に収容されているブロードバンド回線を他のユーザに利用させる例を示した。しかし、各回線終端装置100が収容する全てのブロードバンド回線を他のユーザに利用させなくてもよい。そこで、実施例2では、特定のブロードバンド回線のみを他のユーザに利用させる例について説明する。
[実施例2に係るネットワークシステムにおける処理]
まず、図12〜図14を用いて、実施例2に係るネットワークシステム2による処理について説明する。図12〜図14は、実施例2に係るネットワークシステム2による処理例を説明するための図である。なお、実施例2に係るネットワークシステム2の構成は、図1に示したネットワークシステム1の構成例と同様である。
図12に示した例において、回線終端装置2001〜2006のそれぞれは、無線信号の受信範囲を示すセルC101〜C106を形成する。なお、以下では、回線終端装置2001〜2006を区別する必要がない場合には、これらを総称して「回線終端装置200」と表記する場合がある。
ここで、実施例2に係る無線機能部制御サーバ20は、終了日時及びユーザIDの他に、無線機能部110の「無線種別」と、リンク先の無線機能部を識別するための「リンク情報」とを含む起動要求を回線終端装置2001〜2006に送信する。かかる「無線種別」は、無線端末(モバイル無線LAN端末A11等)と無線通信を行うアクセス装置、又は、アクセス装置による無線端末との無線通信を通信ネットワークNに中継する中継装置のいずれによって無線機能部を動作させるかを示す。また、「リンク情報」は、リンク先の無線機能部を識別するための情報を示す。なお、無線機能部をアクセス装置として動作させることを示す無線種別には「アクセス」が設定され、無線機能部を中継装置として動作させることを示す無線種別には「中継」が設定されるものとする。また、リンク情報には、リンク先の回線終端装置200を識別する情報としてアクセスID又は中継IDが設定され、かかるアクセスID及び中継IDには回線終端装置に付した参照符号が設定されるものとする。
図12に示した例において、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2001に対して、無線種別「アクセス」とリンク情報である中継ID「2002」とを含む起動要求を送信する(ステップS31)。すなわち、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2001に対して、かかる回線終端装置2001が有する無線機能部をアクセス装置として起動させるとともに、中継ID「2002」によって識別される回線終端装置2002とリンクを確立することを要求する。
また、図12に示した例において、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2002に対して、無線種別「中継」とリンク情報であるアクセスID「2001、2003」とを含む起動要求を送信する(ステップS32)。すなわち、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2002に対して、かかる回線終端装置2002が有する無線機能部を中継装置として起動させるとともに、アクセスID「2001」によって識別される回線終端装置2001及びアクセスID「2003」によって識別される回線終端装置2003とリンクを確立することを要求する。
また、図12に示した例において、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2003に対して、無線種別「アクセス」と中継ID「2002」とを含む起動要求を送信する(ステップS33)。すなわち、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2003に対して、かかる回線終端装置2003が有する無線機能部をアクセス装置として起動させるとともに、中継ID「2002」によって識別される回線終端装置2002とリンクを確立することを要求する。
同様にして、無線機能部制御サーバ20は、回線終端装置2004〜2006に対しても、無線種別やアクセスIDや中継IDを含む起動要求を送信する(ステップS34〜S36)。
続いて、図13に示すように、無線機能部制御サーバ20から起動要求を受け付けた回線終端装置2001〜2006は、起動要求に含まれる無線種別に従って、アクセス装置又は中継装置として無線機能部を起動させる。そして、起動した各無線機能部は、起動要求に含まれるリンク情報に従って、リンクを確立する。
図13に示した例では、回線終端装置2001は、無線機能部をアクセス装置として起動させる。そして、回線終端装置2001内の無線機能部は、中継ID「2002」によって識別される回線終端装置2002内の無線機能部とリンクを確立する。同様に、回線終端装置2003は、無線機能部をアクセス装置として起動させる。そして、回線終端装置2003内の無線機能部は、中継ID「2002」によって識別される回線終端装置2002内の無線機能部とリンクを確立する。また、回線終端装置2002は、無線機能部を中継装置として起動させる。そして、回線終端装置2002内の無線機能部は、中継ID「2001」によって識別される回線終端装置2001内の無線機能部とリンクを確立するとともに、中継ID「2003」によって識別される回線終端装置2003内の無線機能部とリンクを確立する。
同様にして、回線終端装置2004は、無線機能部を中継装置として起動させ、回線終端装置2005は、無線機能部をアクセス装置として起動させ、回線終端装置2006は、無線機能部をアクセス装置として起動させる。そして、回線終端装置2004内の無線機能部は、回線終端装置2005内の無線機能部とリンクを確立するとともに、回線終端装置2006内の無線機能部とリンクを確立する。
これにより、アクセス装置として起動した無線機能部は、モバイル無線LAN端末A11等から通信ネットワークNへのアクセス要求を受け付けた場合に、かかるアクセス要求をリンク先の中継装置に送信する。また、中継装置として起動した無線機能部は、アクセス装置から受信したアクセス要求をブロードバンド回線経由で通信ネットワークNに中継する。
図14に示した例では、回線終端装置2001内の無線機能部は、モバイル無線LAN端末A11から無線通信によりアクセスされることにより、通信ネットワークNへのアクセス要求を受け付ける(ステップS37)。かかる場合に、回線終端装置2001内の無線機能部は、モバイル無線LAN端末A11から受け付けたアクセス要求を回線終端装置2002内の無線機能部に送信する。そして、回線終端装置2002内の無線機能部は、回線終端装置2001内の無線機能部から受け付けたアクセス要求をブロードバンド回線経由で通信ネットワークNに中継する(ステップS38)。
また、図14に示した例では、回線終端装置2006内の無線機能部は、モバイル無線LAN端末A16から無線通信によりアクセスされることにより、通信ネットワークNへのアクセス要求を受け付けた場合に(ステップS39)、かかるアクセス要求を回線終端装置2004内の無線機能部に送信する。そして、回線終端装置2004内の無線機能部は、回線終端装置2006内の無線機能部から受け付けたアクセス要求をブロードバンド回線経由で通信ネットワークNに中継する(ステップS40)。
このように、実施例2に係るネットワークシステム2では、公衆無線LAN環境が形成された複数のユーザ宅のうち、所定数のユーザ宅に収容されているブロードバンド回線のみが他のユーザに利用される。例えば、実施例2に係るネットワークシステム2では、大容量のブロードバンド回線を中継装置とすることで、ブロードバンド回線や基幹通信ネットワークの負荷を軽減することができる。
[実施例2に係る回線終端装置の構成]
次に、図15を用いて、図12〜図14に示した回線終端装置200について説明する。図15は、実施例2に係る回線終端装置200の構成例を示す図である。なお、以下では、既に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。図15に例示するように、実施例2に係る回線終端装置200は、有線機能部120と、無線機能部210と、起動制御部231とを有する。
起動制御部231は、無線機能部制御サーバ20によって送信される起動要求を受信した場合に、無線機能部210を起動させる。具体的には、実施例2における起動制御部231は、起動要求に含まれる無線種別が「アクセス」である場合には、無線機能部210をアクセス装置として起動させ、起動要求に含まれる無線種別が「中継」である場合には、無線機能部210を中継装置として起動させる。
無線機能部210は、リンク確立部211を有する。かかるリンク確立部211は、起動制御部231によって起動された後に、他の無線機能部との間でリンクを確立する。具体的には、リンク確立部211は、無線機能部制御サーバ20から受信した起動要求に含まれるリンク情報からリンク先の無線機能部を特定し、特定した無線機能部との間でリンクを確立する。なお、無線機能部間でリンクを形成することは、従来技術により実現することができる(参照例:http://www.planex.co.jp/product/wireless/mzk-ex300n/)。
また、実施例2に係る無線機能部210は、アクセス装置として起動した場合には、無線端末から受信したアクセス要求をリンク先の中継装置(無線機能部)に送信する。また、無線機能部210は、中継装置として起動した場合には、アクセス装置から受信したアクセス要求をブロードバンド回線に出力することで、かかるアクセス要求を通信ネットワークNに送信する。
[実施例2に係る無線機能部制御サーバの構成]
次に、図16を用いて、図12〜図14に示した無線機能部制御サーバ20について説明する。図16は、実施例2に係る無線機能部制御サーバ20の構成例を示す図である。図16に例示するように、実施例2に係る無線機能部制御サーバ20は、IF部11と、受付部12と、特定部13と、事前要求部14と、起動候補DB15と、監視部17と、リンク先決定部21と、起動要求部22とを有する。
リンク先決定部21は、起動候補DB15を参照して、互いにリンクを確立する無線機能部のペアを決定する。具体的には、リンク先決定部21は、起動候補DB15を参照して、各無線機能部の無線種別を決定し、更に各無線機能部のリンク先を決定する。
例えば、リンク先決定部21は、ブロードバンド回線を他のユーザに利用させることが許可されているユーザ宅内の無線機能部を中継装置として起動させることを決定し、ブロードバンド回線を他のユーザに利用させることが許可されていないユーザ宅内の無線機能部をアクセス装置として起動させることを決定する。また、例えば、リンク先決定部21は、大容量のブロードバンド回線や通信速度の速いブロードバンド回線を収容する無線機能部を中継装置として起動させることを決定し、小容量のブロードバンド回線や通信速度の遅いブロードバンド回線を収容する無線機能部をアクセス装置として起動させることを決定する。そして、無線信号の送受信が可能な位置に所在する中継装置とアクセス装置とを、リンクを確立する無線機能部のペアにすることを決定する。
そして、リンク先決定部21は、このように決定した無線種別及びリンク先情報を起動要求部22に出力する。起動要求部22は、リンク先決定部21によって決定された無線種別及びリンク先情報を含む起動要求を回線終端装置200に送信する。
なお、上述したリンク先決定部21及び起動要求部22は、例えば、CPUやMPU等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、例えば、リンク先決定部21及び起動要求部22は、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
[実施例2に係るネットワークシステムによる処理手順]
次に、図17を用いて、実施例2に係るネットワークシステム2による通信処理の手順を説明する。図17は、実施例2に係るネットワークシステム2による通信処理手順を示すシーケンス図である。なお、図17では、ユーザ宅H101と、ユーザ宅H101の予備ユーザ宅であるユーザ宅H107とを例に挙げて説明する。また、ユーザ宅H101には回線終端装置2001が設置され、ユーザ宅H107には回線終端装置2007が設置されているものとする。また、回線終端装置2001が無線機能部2101を有し、回線終端装置2007が無線機能部2107を有するものとする。また、図17に示したステップS201〜S208における処理手順は図11に示したステップS101〜S108における処理手順と同様であるので説明を省略する。
無線機能部制御サーバ20のリンク先決定部21は、事前要求部14によって更新された起動候補DB15を参照して、各無線機能部の無線種別(アクセス又は中継)を決定し、互いにリンクを確立する無線機能部のペアを決定する(ステップS209)。
続いて、無線機能部制御サーバ20の起動要求部22は、リンク先決定部21によって決定された無線種別及びリンク情報を含む起動要求を回線終端装置2001に送信する(ステップS210)。回線終端装置2001の起動制御部231は、有線端末H121から起動要求を受信した状態で、無線機能部制御サーバ20から起動要求を受信した場合に、かかる起動要求に含まれる無線種別に従って、無線機能部2101をアクセス装置又は中継装置のいずれかとして起動させる(ステップS211)。これにより、無線機能部2101は、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。
また、無線機能部2101は、起動制御部231によって起動された後に、無線機能部制御サーバ20から受信した起動要求に含まれるリンク情報に基づいて、他の無線機能部との間でリンクを確立する(ステップS212)。
ここで、無線機能部2101が故障等により停止したものとする(ステップS213)。無線機能部制御サーバ20の監視部17は、無線機能部2101の稼動状態を定期的に監視しており(ステップS214)、無線機能部2101が停止中である場合には、回線終端装置2001から停止応答を受信する(ステップS215)。
かかる場合に、無線機能部制御サーバ20の起動要求部22は、無線機能部2101の予備無線機能部である無線機能部2107を起動させるために、起動要求を回線終端装置2007に送信する(ステップS216)。このとき、起動要求部22は、ステップS210において回線終端装置2001に送信した起動要求内の無線種別及びリンク情報と同一の無線種別及びリンク情報を含む起動要求を回線終端装置2007に送信する。
回線終端装置2007の起動制御部231は、有線端末H127から起動要求を受信した状態で、無線機能部制御サーバ20から起動要求を受信した場合に、かかる起動要求に含まれる無線種別に従って、無線機能部2107をアクセス装置又は中継装置として起動させる(ステップS217)。これにより、無線機能部2107は、停止中の無線機能部2101の代わりに、公衆無線LANのアクセスポイントとして機能する。
また、無線機能部2107は、起動制御部231によって起動された後に、無線機能部制御サーバ20から受信した起動要求に含まれるリンク情報に基づいて、他の無線機能部との間でリンクを確立する(ステップS218)。すなわち、無線機能部2107は、無線機能部2101がリンクを確立していた他の無線機能部との間でリンクを確立することとなる。
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係るネットワークシステム2では、無線機能部制御サーバ20が、モバイル無線LAN端末A11等の無線端末と無線通信を行うアクセス装置、又は、アクセス装置による無線端末との無線通信を通信ネットワークNに中継する中継装置のいずれによって無線機能部210を動作させるかを示す無線種別を含む起動要求を送信する起動要求部22を有する。また、回線終端装置200が、起動要求部22によって送信された起動要求に含まれる無線種別に応じて、無線機能部210をアクセス装置又は中継装置のいずれかとして起動させる起動制御部231を有する。
これにより、実施例2に係るネットワークシステム2では、公衆無線LAN環境が形成された複数のユーザ宅のうち、所定数のユーザ宅に収容されているブロードバンド回線のみを他のユーザに利用させることができる。例えば、実施例2に係るネットワークシステム2では、大容量のブロードバンド回線を中継装置とすることで、ブロードバンド回線や基幹通信ネットワークの負荷を軽減することができる。
また、実施例2に係るネットワークシステム2では、無線機能部制御サーバ20の起動要求部22が、無線種別とともに、無線通信によるリンク確立においてリンク先となる無線機能部210を識別するためのリンク情報を含む起動要求を送信する。また、無線機能部210は、無線機能部制御サーバ20からの起動要求に含まれるリンク情報によって示されるリンク先の無線機能部との間でリンクを確立する。
これにより、実施例2に係るネットワークシステム2では、各ユーザ宅内の無線機能部210間で無線リンクを確立することで、無線機能部210間で無線だけのネットワークを構築することができるので、かかる無線リンクを介した無線通信により、無線機能部210間で無線通信を行うことができる。この結果、実施例2に係るネットワークシステム2では、公衆無線LAN環境が形成された複数のユーザ宅のうち、所定数のユーザ宅に収容されているブロードバンド回線のみを他のユーザに利用させることができる。