JP5686906B2 - 円筒型真空掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒型真空掃除機に関する。
真空掃除機は、概して直立型掃除機と円筒型掃除機の2つの種類に分けることができる。
直立型掃除機は、ユーザにとって便利な高さに設けられたハンドルを使用して床面に沿って押し動かされる(従って、掃除機は相対的に「直立した」構成となる)。
対照的に、円筒型掃除機は、使用時に床面に沿って引き寄せられる本体を備え、掃除機の本体に接続されたホースを使用して引き寄せるようになっている。
円筒型掃除機の本体は、通常、前側キャスタ及び後側キャスタに、又は旋回キャスタと固定ホイールとを組み合わせたものに取り付けられ、1つ又はそれ以上旋回キャスタは、掃除機の前部の近くに設けられ、一対の固定ホイールは一般に掃除機の後部の近くに設けられる。
本発明の目的は、操縦性が改善された円筒型真空掃除機を提供することである。
本発明によれば、円筒型真空掃除機が提供され、真空掃除機は、本体と、本体を床面上に支持するための後側旋回キャスタとを備え、本体は、該本体を床面に沿って前方へ引き寄せるために使用される吸引ホースに流体接続され、後側旋回キャスタは、負にレーキされた旋回軸線を有し、該旋回軸線は、キャスタのホイール軸線からオフセットして正のキャスタトレイルをもたらすようになっている。
本発明の文脈において、負にレーキした旋回軸線は、具体的には前方に傾斜した旋回軸であり、ホイール軸線は旋回結合部の後方にある(掃除機の名目上の進行方向において)。
本発明の文脈では、トレイルは、旋回軸線がホイールと床面との間の接触点の前方で床面と交差する場合に正と定義される。
後側キャスタを使用する従来の円筒型掃除機では、後側キャスタは、ゼロレーキを有するように設計され、事実上「自由に旋回する」キャスタである。自由旋回キャスタは、固定後側ホイールよりも方向安定性が劣る傾向があり、固定後側ホイールは、自由旋回キャスタよりも旋回追従性に優れる。結果的に、自由旋回キャスタは、通常の使用中の操縦性を損なう場合がある。
他方、固定後側ホイールを使用する従来の円筒型では、住居内でテーブル脚又は壁コーナのような障害物に遭遇する問題がある。このような障害物は、掃除機の側部に引っかかり、掃除機に横方向の力を作用させる傾向がある。固定ホイールは性質上、この横向きの力に再度向きを合わせることはできない。その結果、固定ホイールの静止摩擦が十分に低くホイールが横方向に滑ることができる場合を除いて、掃除機は障害物に対して引っかかるか(吸引ホースは、事実上、掃除機を逆方向に押すために使用できない)、又はその側方に転倒する傾向がある。このことは、従来の円筒型の固定ホイールではなく自由旋回キャスタを使用する利点とみなされ、自由旋回キャスタは、掃除機が障害物に引っかかるのを防止するのに必要な掃除機の本体の横方向の移動を直ちに可能にする。
本発明の後側キャスタは、「混成の」転がり要素であり、それらは、固定ホイールでも自由旋回キャスタでもなく、各々の利点のいくつかを提供する。通常の使用時、後側キャスタ構成は、キャスタが本体重量により直線位置に付勢され、従って、後側キャスタは事実上固定ホイールとして機能することを意味する。それにもかかわらず、掃除機が障害物に遭遇する場合、後側キャスタは、本体に作用する十分な横方向に力のもとで「抜け出す」ことができるので、旋回キャスタとして機能して本体が障害物に引っかかること又は傾倒することを防止するようになっている。本体の受動的な重量は、重力による付勢力として好都合に使用され、後側キャスタを制御するようになっている。
好ましくは、ホースは、本体の前方で本体に接続される。これは、障害物に遭遇した場合、本体は、後方に傾くことが自然な傾向であることを意味する。本体を後方に傾けることは、旋回軸線のレーキ角を少なくする傾向があるので、後側キャスタはより中立的な位置となり、キャスタの旋回作用に直接対抗する本体の重力成分が減少して、キャスタの旋回がより容易になる。ユーザは、必要に応じて本体を意図的に後方に傾けて、本体の付勢効果を制御することもできる。このことは、ばね付勢されるキャスタとは対照的であり、ここでは付勢力は本体の位置と無関係である。
後側キャスタの公称レーキ角は、好ましくは、45度よりも小さい。8から15度の間の角度が特に効果的なことが分かっている。
後側キャスタは、一対のドーム形ホイールを備えることができ、キャスタが厚いカーペットに沈み込むのを防止することを助ける。
本体を床面上に支持するために前側キャスタを備えることができ、前側キャスタは、旋回軸線の周りで回転するように取り付けられたフレームと、フレームに取り付けられた1つ又はそれ以上のホイールとを備え、ホースは、フレームに接続され、旋回軸線の周りをフレームと一緒に回転する。
一般的な従来の円筒型では、ホースは直接本体へ取り付けられ、本体はホースを使用して一緒に引き寄せられ、本体が引き寄せられる場合、前側キャスタが本体について行くように、前側キャスタは有効に方向転換する。ホースと前側キャスタとの間には直接的な結合部はない。その結果、引き寄せ方向の変化に応答して、前側キャスタは新しい引き方向に再度向きを合わせようとするので、掃除機は、ある程度の慣性「アンダステア」を示す傾向がある。
対照的に、ホースを前側キャスタのフレームに接続してキャスタ旋回軸線Sの周りで一緒に回転させると、掃除機に関する安定したニュートラルステア状態がもたらされる。引き寄せ方向の変化は、旋回可能に取り付けられたフレームを介して、ホースから前側キャスタへ伝達される。従って、前側キャスタは、旋回軸線Sの周りでホースと一緒に回転するので、前側キャスタは常に引き寄せ方向に向きが合わせられる。
フレームは、好ましくは、正にレーキした旋回軸線を有するように配置され、操縦安定性を更に改善するようになっている。「正レーキ」旋回軸線は、後方に傾いた軸線であり、キャスタのホイール軸線は旋回結合部の前方にある(進行方向において)。
複数のホイール(又は1つのホイール)は、旋回軸線を中心とする球面と一致する転動支持面を与えるように配置することができる。このことは、キャスタが厚いカーペットに沈み込むのを防止するのを助ける。前側キャスタが正のキャスタ角をもつ場合、前側キャスタが旋回軸線の周りに旋回する際に掃除機が一定の床面からの高さを維持するのを助けるので、このホイールは特に好都合である。
1つの実施形態では、フレームはダクトを備え、ホースはダクトの一方の端部に接続され、ダクトの反対側の端部は、本体の吸入口に接続されて旋回軸線の周りで回転する。これは、ホースを掃除機の本体へ流体接続するための特にコンパクトな配置である。吸入口は、サイクロン式分離チャンバへの入口とすることができる。この場合、前側キャスタは、吸入口がサイクロンチャンバの基部に配置された状態で、サイクロンチャンバの基部の下方に都合よく配置することができる。従って、前側キャスタを通過する汚れ空気流は、直接サイクロンチャンバへ流入し、これは圧力損失の低減の助けとなる。入口自体は、サイクロンチャンバの基部の中心に配置することができ、前側キャスタ及びサイクロンを掃除機の中心線に沿って好都合に配置することが可能となる。サイクロンチャンバ自体は、垂直線に対して傾斜することができ(側面図で見た場合)、前側キャスタの旋回軸線と同軸であり、この場合も圧力損失が最小になる。
前側キャスタは、中央フレームの両側に取り付けられた一対のドーム形ホイールを備えることができる。これらドーム形ホイールは、正のキャンバ角で傾斜角をつけることができ、このことはホイールの上方部分の相対的な距離間隔を最大化して、例えば、ダクトの収容を容易にする助けとなる。同時に、各ホイールに関する床面接触点の相対的な距離間隔は最小化され、操縦性が改善される。
掃除機は、単一のかかる前側キャスタ及び2つのかかる後側キャスタを備えることができ、前側キャスタは掃除機の中心線上に配置され、後側キャスタは中心線の両側に対称的に離間される。このような配置は、操縦性の優れた掃除機を提供することが分かっている。
本発明の実施形態は、図面を参照して以下に説明する。
本発明による円筒型真空掃除機の斜視図である。 図1に示された円筒型真空掃除機の側面図である 図2の円筒型真空掃除機の後部の一部の拡大図であり、後側キャスタをより詳細に示す。 使用時に障害物に遭遇する円筒型真空掃除機を示す概略平面図である。 上側には、水平位置にあり後方へ傾いた掃除機を示し、下側には、それぞれの場合の後側キャスタの幾何学的配置を示す、合成された概略図である。 本発明による円筒型真空掃除機の「後側コーナ」の概略的斜視図であり、利用可能なキャスタの代替形式を示す。 同じ円筒型真空掃除機に関する前側キャスタの旋回運動を示す平面図である。 円筒型真空掃除機の前部を通る断面図であり、前側キャスタの内部構造を示す。 前記の各図における円筒型真空掃除機の前部側面図であり、前側キャスタの詳細構造を示す。
図1及び図2は、本体3と、本体3上のサイクロン式分離装置7の入口へ接続するホース5とを備える円筒型掃除機1を示す。
掃除機1は、本体3に搭載され、ホースを介して汚れ空気をサイクロン式分離装置7に引き込む真空モータを用いて作動する。分離装置7の内側で、汚れ空気は、多段に配置された一連のサイクロン式ほこり分離器7a、7bを通過し、ほこりは、サイクロン作用によって空気流から除去される。比較的清浄な空気は、分離装置7から出た後に真空モータを通って元の大気へ排出される。
掃除機1は、3つのキャスタのセットにより床面上に支持され、3つのキャスタは、前側旋回キャスタ9と、2つの同じ後側旋回キャスタ11(一方は図1に、他方は図2に示される)とを備える。前側旋回キャスタ9は、2つの後側キャスタを二等分する掃除機1の中心線上に配置される。
使用時、ユーザは、背後でホース5を使用して床面を横切って本体3を引きずる。ホース5の両端は、硬質の吸引ワンド及び床ツールへ接続することができ、ユーザが床ツールを床面に向かって下向きに伸ばすことが好都合になる。しかしながら、本発明に関して、ホースが吸引ワンドへ接続することは、使用時に床面を横切って本体3を前方へ引き寄せるためにホース5が使用される場合を除き、必須ではない。
いくつかの図において、ホース5は明確化のために省略されているが、本明細書では、ホースの存在は想定されるべきである。
後側キャスタ
図3は、後側キャスタ11の1つを詳細に示す。
後側キャスタ11は、中央フレーム15(図1参照)の両側に回転可能に取り付けられた一対のホイール13を備える。中央フレームは必須ではなく、代替的に、例えば、フレームはホイールを有するヨークの形態とすることができ、ホイールはヨークの各フォークの間に取り付けられる。中央フレーム15は、旋回軸17を介して本体3へ回転可能に取り付けられるので、旋回軸線S1の周りで(しかしながら、軸線S1の周りにだけ)自由に旋回可能である。
一般に、キャスタは、その「レーキ」及び「トレイル」により特徴づけられる。
「レーキ」は、垂直線に対する旋回軸線の角度を指す。キャスタが垂直に延びる旋回軸線を有すると、それはゼロレーキを有することになる。反対に、非ゼロレーキは、旋回軸線が垂直線に対して角度を成すことを意味する。本発明の文脈では、負にレーキした旋回軸線は、具体的に前方に傾斜したものであり、ホイール軸線は旋回ジョイントの後にある。
「トレイル」は、ホイールの床面との接触点と、旋回軸線が床面と交わる点との間の水平距離を指す。これらの点が一致すれば、キャスタはゼロトレイルを有することになる。本発明の文脈では、ホイールと床面との間の接触点の前方で旋回軸線が床面と交差する場合、トレイルは正として定義される。
キャスタ11は、単純に旋回軸17に適切に角度を付けることにより旋回軸線S1が負のレーキとなるように、意図的に設計されて配置される。同時に、キャスタ11は、ホイール軸線Wに対して旋回軸線S1をオフセットさせることにより(図3)、正のトレイルtを持つように意図的に設計されて配置される。従って、旋回軸線S1は、前方に傾くが(掃除機の前部へ向かって)、ホイール13の接触点Cの前方で床面と交わる。好ましいレーキ角θは、前側キャスタと後側キャスタとが同じレベルとなる状態で掃除機が床面上に位置する場合に測定して、8度から15度である。
後側キャスタを使用する従来の円筒型掃除機では、後側キャスタは、ゼロレーキを有するように設計され、事実上「自由に旋回する」キャスタである。自由旋回キャスタは、固定後側ホイールよりも方向安定性が劣る傾向があり、固定後側ホイールは、自由旋回キャスタよりも旋回追従性に優れる。結果的に、自由旋回キャスタは、通常の使用中の操縦性を損なう場合がある。
対照的に、負にレーキされた旋回軸線と正のキャスタトレイルとの組合せは、掃除機1がホース5により前方に引き寄せられる場合に、後側キャスタ11を直線方向に維持することを助ける。このことは、旋回軸線S1の周りのキャスタ11の回転は、本体3に作用する上方への「ジャッキング」力F(図2)を与える傾向があるからであり、本体3の(より大きい)重量がそれに対抗する。その結果、通常の使用では、後側キャスタ11は、自由旋回キャスタよりもむしろ方向的に安定した固定ホイールとして機能する傾向があり、本体3の重量は、軸線S1の周りの旋回運動に対してキャスタ11を押し付ける。
円筒型掃除機の本体は、使用時に障害物と遭遇する場合がある。例えば、掃除機は、テーブルの脚、又は壁のコーナにぶつかる場合がある。その場合、ユーザは、通常、ホースを引き寄せるか又は強く引き続け、掃除機を自由にしようとする(本体が立ち往生する度に掃除機の本体を戻す必要があることは不都合である)。固定後側ホイールを利用する従来の掃除機では、このことが問題となることがあり、その理由は、一方では、ユーザがホースを引き寄せる際に障害物は本体に対して横向きの力を作用させるからであり、他方では、固定後側ホイールは自身でこの横向きの力に向きを合わせることができないからである。結果的に、一般的ではない、固定ホイールの静止摩擦が十分に低くホイールが横方向に滑ることができるような場合を除いて、掃除機は障害物に対して引っかかるか、又はその側方に転倒する傾向にある。このことは、従来の円筒型の固定ホイールではなく、自由旋回キャスタを使用することの利点とみなされ、自由旋回キャスタは、掃除機が障害物に引っかかるのを防止するために必要な掃除機の本体の横方向の移動を直ちに可能にする。
図4は、掃除機1の本体3が障害物19に遭遇した場合に何が起こるかを示す(ホース5は明確化のために省略される)。最初に、位置Aにおいて、後側キャスタ11は事実上の固定ホイールとして作用しており、これらは、本体3の重量のもとで、前側キャスタ9の後方で、安定して直線に沿って追従する。本体3が障害物19に引っかかった場合(図4における位置B)、引き続いてホース5を引き寄せるか又は強く引くと、障害物19から掃除機1へ横方向の反力Rが作用するが、この反力は掃除機1を押して障害物から離そうとする。この時点で、従来の固定ホイール配置では、対抗しようとして掃除機は横向きに転倒する場合もある。しかしながら、後側キャスタ11は、従来の固定ホイールのようには作動しない。その代わりに、ユーザがホース5を十分に強く引くと、障害物から作用する横方向の力は、本体3の相対する重量に対して後側キャスタ11を旋回させるのに十分であり、掃除機1の後部は、障害物19から「弧を描いて動くこと(swing out)」及び抜け出すことが可能になる。
従って、後側キャスタ11は、事実上混成の転がり要素であり、これらは、固定ホイールでも自由旋回キャスタでもなく、両方の構成要素を都合よく組み合わせたものである。通常の使用時、後側キャスタ11は、掃除機1の本体3の付勢重量のもとで固定ホイール位置をとり、掃除機1に良好な方向安定性を与える。他方、掃除機1が障害物に引っかかった場合、後側キャスタ11は、本体3の後部が弧を描いて動いて障害物から遠ざかるように、本体3の付勢重量に抗して旋回することができる。矢印a、b、及びcは、キャスタ11のそれぞれの位置A、B、及びCにおける相対的な進行方向を示す。
後側キャスタ11は、デフォルトの固定ホイール位置となる。従って、掃除機1が障害物から抜け出すと、本体の重量は、後側キャスタ11を固定ホイール位置へ再び付勢する(図3における位置C)。
ユーザがホース5を引き寄せる場合、本体3の前部が持ち上がる傾向がある。本体3の前部が持ち上がると、事実上、本体は、後側キャスタ11を支えとして後方へ傾き、旋回軸線S1のレーキ角が小さくなるので、旋回軸線はより中立的な位置となる(図5参照)。これにより、後側キャスタ11が旋回する際のジャッキング効果が低減するので、後側キャスタは本体3の対抗する重量に抗してより容易に旋回することができる。換言すれば、本体3による後側キャスタ11への付勢効果は、本体3が後方へ傾くにつれて実際に減少する。
掃除機1が障害物に引っかかった場合、ユーザがホース5を引き寄せる際の本体3が後方に傾く自然な傾向は、旋回軸線S1のレーキを好都合に低減させるので、後側キャスタ11はより容易に旋回することができる。同時に、本体3の重量による付勢効果は、通常の使用時に本体3の前部は一般に床面上にあり、掃除機の前部の何らかの持ち上げは時々であり及び/又は持続時間が短いので、通常の使用では著しく低下又は減少しない。
図6は、後側キャスタに関する代替的な形態を示す(掃除機の後側コーナが図6に示され、掃除機の本体3は図1と同様に左を向いている)。ここで、後側キャスタ11’は、それぞれのフレーム15’の両側に取り付けられたドーム形状のホイール13’を含み、厚いカーペットへの沈み込みを防止するようになっている。
後側キャスタ11、11’は、従来の方法で制動され、例えば、キャスタ旋回結合部における支持面の間の摩擦を増大させるワッシャを使用して、キャスタのフラッターを低減するようになっている。
前側キャスタ
前側キャスタ9の基本的な配置は、図1及び図2に示される。
前側キャスタ9は、直角ダクト23の両側に回転可能に取り付けられる一対のドーム形ホイール21を備える(一方は図2に示され、他方は図1に示される)。ダクト23は、本体3へ取り付けられ、旋回軸線S2の周りに旋回運動する。従って、ダクト23は、後側キャスタ11の各々の中央フレーム15と同様に、前側キャスタ9の中央フレームとして機能する(図1参照)。
ホース5は、該ホース5の嵌合押し込み式コネクタに係合する、従来方式の押し込み式コネクタ25(図6)を介してダクト23の前端へ流体接続される。従って、ホース5は、前側キャスタ9へ接続され、旋回軸線S2の周りで一緒に回転する。
一般的な従来の円筒型では、ホースは直接本体へ取り付けられて本体はホースを使用して一緒に引き寄せられ、本体が一緒に引き寄せられる場合に、前側キャスタが本体について行くように前側キャスタは有効に方向転換する。ホースと前側キャスタとの間には直接的な結合部はない。その結果、引き寄せ方向の変化に応答して、前側キャスタは自身で新しい引き寄せ方向に再度向きを合わせようとするので、掃除機は、ある程度の慣性「アンダステア」を示す傾向がある。
対照的に、ホース5を直接前側キャスタ9へ接続してキャスタ旋回軸線S2の周りに一緒に回転させると、掃除機1に関する安定したニュートラルステア状態がもたらされる。引き寄せ方向の変化は、ホース5を介して直接前側キャスタ9へ伝達され、前側キャスタは旋回軸線S2の周りでホース5と一緒に回転するので、前側キャスタ9は常に引き寄せ方向に向きを合わせる。このことは図7に示されている。
ダクト23の配置は、図8に詳細に示されている。ここでは、ホイール21及びダクトの前端の押し込み式コネクタ25は、明確化のために省略されている。ダクト23は、ホース5を本体3の吸入口、この場合は第1段の分離器7aを形成するサイクロンチャンバへの入口27に接続する。入口27は、サイクロンチャンバ7aの基部の中心に配置されており、前側キャスタがサイクロンチャンバ7aの基部の下方にある状態で、掃除機1の中心線に沿った前側キャスタ9及びサイクロンチャンバ7aの好都合な位置決めが可能になっている(図7)。入口27からサイクロンチャンバの中心に沿って流入する流れは、例えば、適切なダクト構造、及び/又は従来のバッフル又はスクロールした傾斜路(図示せず)を使用して向きを変えて、サイクロンチャンバ内部で所要のサイクロン流軌道を与えることができる。
ダクト23は、旋回軸線Sと同軸に延びる後方ダクト部分23aと、旋回軸線に対して直行して延びる前方ダクト部分23bと、後方ダクト部分23aを前方ダクト部分23bに結合する屈曲部23cとを備える。
後方ダクト部分23aは、例えば従来のスナップリング構造(図8には図示せず)を使用して吸入口27に接続され、旋回軸線S2の周りを旋回運動する。これにより、旋回軸線S2の周りでの前側キャスタ9の旋回運動が可能になる。
前方ダクト部分23bは、押し込み式コネクタ25を介してホース5へ接続する。従って、ホース5は、事実上、前側キャスタ9の中央フレーム、つまりダクト23を通って吸入口27に流体接続される(キャスタを通る汚れ空気流は、図7において矢印で示される)。これは、特にコンパクトな配置である。
前側キャスタ9は、正のレーキの旋回軸線を有し、正レーキは、前側キャスタ9のホイール軸線W2がキャスタのそれぞれの旋回結合点の前方(後方ダクト部分23aと吸入口27との間)にあるように、旋回軸線S2が後方へ傾くことを意味する。
ドーム形状ホイール21の各々の曲がりは球形である。さらに、ホイール21は、ホイール21の表面が旋回軸線S2を中心とする共通の球体と一致するように配置される(図9参照)。これは、前側キャスタ9が旋回軸線の周りに旋回する際に、掃除機1が一定の床面からの高さ(ride height)を維持するのを助ける。
ホイール21は、ダクトの両側でスタブ軸(図示せず)に取り付けられる。これらのスタブ軸の各々は下向きに傾いており、それぞれのホイールを対応する一定の正のキャンバ角に設定する。キャンバ角は、ホイール21の各々に関して同じなので、ホイールは、前部から見たとき「V」を成す(図9)。このことは、前側キャスタ9の全体高さを低減し、更に各ホイール21の床面との接触点の相対的な距離間隔を増加させることなく、ダクト23の直径をホイール21の間に収容することが容易になるという利点を有する。
前側キャスタの正確な構造は、本発明の範囲内で大幅に変えることができる。
例えば、ダクト23は、図6のフレーム15’と類似する外形を有する中央フレームの内側を延在することができるので、前側キャスタ9は結果的に後側キャスタ11’と類似するボール形状を有する。
中央フレームは、前側キャスタには必須ではなく、その代わりに、例えば、フレームは、ヨーク(又はヨーク状)とすることができ、ホイールはヨークのフォーク間に取り付けられる。ホースを本体上の吸入口へ接続するために、ダクトはヨーク自体に組み込むことができ、ダクトが中央フレームを通って延びるのと類似している。
ホースを本体へ流体接続する中間ダクトの使用は必須ではない。例えば、ホースは、その代わりに、直接本体上の吸入口へ接続することができる。従来のスナップリング構造を使用して、ダクト23と吸入口27との間の接続と同様に、吸入口に対するホースの必須の回転を可能にすることができ、更に、フレームは、本体に同軸に取り付けて共通な旋回軸線の周りでホースと一緒に回転することができる。
1 円筒型真空掃除機
3 本体
5 ホース
9 前側旋回キャスタ
11 後側旋回キャスタ
2 旋回軸線
2 ホイール軸線

Claims (11)

  1. 本体と、
    前記本体を床面上に支持するための後側旋回キャスタと、
    を備える円筒型真空掃除機であって、
    前記本体は、該本体を床面に沿って前方へ引き寄せるために使用される吸引ホースに流体接続され、
    前記後側旋回キャスタは、負にレーキされた旋回軸線を有し、該旋回軸線は、前記後側旋回キャスタのホイール軸線からオフセットして正のキャスタトレイルをもたらすようになっている、円筒型真空掃除機。
  2. 前記後側旋回キャスタの公称レーキ角は、8から15度の間である、請求項1に記載の円筒型真空掃除機。
  3. 前記後側旋回キャスタは、一対のドーム形ホイールを備える、請求項1又は2に記載の円筒型真空掃除機。
  4. 前記ホースは、前記後側旋回キャスタの前方で前記本体に接続する、請求項1から3のいずれか1項に記載の円筒型真空掃除機。
  5. 前記本体を前記床面上で支持するための前側キャスタをさらに備え、前記前側キャスタは、追加の旋回軸線の周りで回転するように取り付けられるフレームと、該フレーム上に取り付けられる1つ又はそれ以上のホイールとを備え、前記ホースは、前記フレームに結合されて前記フレームと一緒に前記追加の旋回軸線の周りを回転する、請求項1から4のいずれか1項に記載の円筒型真空掃除機。
  6. 前記フレームは、正にレーキした前記追加の旋回軸線を有するように配置される、請求項5に記載の円筒型真空掃除機。
  7. 前記1つ又はそれ以上のホイールは、前記追加の旋回軸線を中心とする球面と一致する転動支持面を与える、請求項5又は6に記載の円筒型真空掃除機。
  8. 前記フレームはダクトを備え、前記ホースは前記ダクトの一方の端部に接続され、前記ダクトの反対側の端部は、前記本体上の吸入口へ接続されて前記追加の旋回軸線の周りで回転する、請求項5から7のいずれか1項に記載の円筒型真空掃除機。
  9. 前記吸入口は、サイクロン式分離チャンバへの入口である、請求項8に記載の円筒型真空掃除機。
  10. 前記前側キャスタは、前記チャンバの基部の下方に配置され、前記吸入口は、前記チャンバの前記基部内にある、請求項9に記載の円筒型真空掃除機。
  11. 単一の前記前側キャスタ及び2つの前記後側旋回キャスタを備え、前記前側キャスタは、前記掃除機の中心線上に配置され、前記後側旋回キャスタは、前記中心線の両側に対称的に離間される、請求項5から10のいずれか1項に記載の円筒型真空掃除機。
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