JP5685914B2 - メタノールを含有する排ガスの処理装置及び処理方法 - Google Patents
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Description
また、工場から排出される排ガス中のメタノールの濃度は一定であるとは限らないため、排ガス中のメタノールの濃度が一時的に高くなった場合に、反応熱によって触媒が耐熱温度を超えて高温になり、触媒が凝集を起こして失活するなどの問題がある。
高分子材料からなる成形体の製造工程から排出される排ガスの温度が上記の温度範囲から外れている場合には、図示しない熱交換器等によって排ガスを加熱または冷却することによって、吸着剤充填筒14bの下部に供給される排ガスの温度を上記の温度範囲に制御することが好ましい。
まず、高分子材料からなる成形体の製造工程などから排出されるメタノールを含有する排ガスは、配管24を通って吸着装置14の下部に供給される。吸着装置14の下部に供給された排ガスは、当該排ガスに含まれているメタノールの全部または一部が吸着剤14aによって吸着された後に、吸着装置14の上部から排出される。なお、吸着剤14aによって吸着されたメタノールは、所定時間経過後に脱着して排ガス中に再び放出される。つまり、排ガス中に含まれるメタノールは、吸着剤14aによって一時的に吸着される。
上記実施形態の排ガス処理装置10によれば、排ガス中に含まれるメタノールを吸着装置14によって一時的に吸着した後に、その排ガスを触媒分解装置12に供給することができる。これにより、触媒分解装置12に供給される排ガス中に含まれるメタノールの濃度を低下させることができる。
さらに、触媒分解装置12の下流側の配管28に用いられるパッキンやガスケット等に耐熱性の高い材料を用いることが不要になる。その結果、排ガス処理装置10の製造コストを従来よりも安価に抑えることが可能になる。
排ガス(吸着装置入口部)風量 4.5 [m3/min]
排ガス中のメタノール濃度 1.0〜1.5 [vol%]
(排ガスの空間速度)
吸着剤充填筒 2647 [h-1]
触媒充填筒 12739 [h-1]
(排ガス温度)
吸着装置入口部 20〜60℃
触媒分解装置入口部 約200℃
装置形状 円筒形状
充填剤 活性炭
充填剤形状 円柱ペレット形状(φ9mm)
充填筒直径 φ570mm
充填層高さ 400mm
充填層断面積 0.26m2
充填容量 0.10m3
装置形状 円筒形状
触媒 白金
担持体材質 ステンレス
担持体形状 ハニカム形状(セル密度260 [CPSI])
担持体寸法 高さ300mm
充填層高さ 300mm
充填層断面積 0.07 m2
充填容量 0.02 m3
その結果、触媒分解装置12の入口部のメタノール濃度は最大で約7,360ppmであり、出口部のメタノール濃度は最大でも500 ppm以下であった。そして、触媒分解装置12の入口部の排ガス温度は約200℃であり、出口部の排ガス温度は約433℃であった。
上記の実施例及び比較例の結果をまとめたものを、以下の表1に示す。
図2を見れば分かるとおり、本実施形態の排ガス処理装置10によれば、吸着装置14の入口部に供給される排ガス中のメタノールの濃度は大きく変動するにも関わらず、吸着装置14の出口部、及び、触媒分解装置12の入口部に供給される排ガス中のメタノールの濃度はあまり変動していなかった。
12 触媒分解装置
12b 触媒充填筒
12a 担持体
14a 吸着剤
14b 吸着剤充填筒
14 吸着装置
16 熱交換器
18 加熱装置
20 ブロワ
Claims (12)
- 排ガスに含有されているメタノールを分解するための触媒を有する触媒分解装置を備えた排ガス処理装置であって、
前記触媒分解装置の前段側に、前記排ガスに含有されているメタノールを一時的に吸着するための吸着剤を有する吸着装置が設置されており、
前記触媒は白金であり、
前記吸着剤は活性炭であり、
前記触媒分解装置から排出される排ガスと、前記触媒分解装置に供給される排ガスとの間で熱交換するための熱交換器を備えており、
さらに、前記触媒分解装置に供給される排ガスを加熱するための加熱装置と、前記触媒分解装置から排出された後、前記熱交換器によって熱エネルギーが回収された排ガスを前記加熱装置に送り込むためのブロワを備えることを特徴とする、
排ガス処理装置。 - さらに、前記加熱装置に送り込まれる排ガスの流量を調節するためのダンパを備えることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
- 前記触媒分解装置に供給される排ガスの温度が100〜300℃であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の排ガス処理装置。
- 前記活性炭は、直径1mm以上の円柱ペレット状であることを特徴とする、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
- 前記活性炭は、比表面積が500m 2 /g以上であることを特徴とする、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
- 前記排ガスは、高分子材料からなる成形体の製造工程から排出される排ガスであることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
- 排ガスに含有されているメタノールを触媒によって分解する触媒分解工程を有する排ガス処理方法であって、
前記触媒分解工程の前に、前記排ガスに含有されているメタノールを吸着剤によって一時的に吸着する吸着工程を有し、
前記触媒は白金であり、
前記吸着剤は活性炭であり、
前記触媒を有する触媒分解装置から排出される排ガスと、前記触媒分解装置に供給される排ガスとの間で熱交換する熱交換工程を有し、
さらに、前記触媒分解装置に供給される排ガスを加熱装置によって加熱する工程と、前記触媒分解装置から排出された排ガスから熱交換器によって熱エネルギーを回収する工程と、前記熱交換器によって熱エネルギーが回収された後の排ガスをブロワによって前記加熱装置に送り込む工程と、を備えることを特徴とする、
排ガス処理方法。 - さらに、前記加熱装置に送り込まれる排ガスの流量をダンパによって調節する工程を備えることを特徴とする請求項7記載の排ガス処理方法。
- 前記触媒分解装置に供給される排ガスの温度が100〜300℃であることを特徴とする、請求項7または請求項8記載の排ガス処理方法。
- 前記活性炭は、直径1mm以上の円柱ペレット状であることを特徴とする、請求項7から請求項9のうちいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
- 前記活性炭は、比表面積が500m 2 /g以上であることを特徴とする、請求項7から請求項10のうちいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
- 前記排ガスは、高分子材料からなる成形体の製造工程から排出される排ガスであることを特徴とする請求項7から請求項11のうちいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
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