JP5683654B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、電波を用いて被加熱物を加熱調理する加熱調理器に関する。
電子レンジ機能を有する加熱調理器は、加熱室を備えている。加熱室には、被加熱物である食品が収脱可能に収容される(特許文献1参照)。
特許文献1には、食品の加熱調理中に赤外線センサを用いて食品の温度を非接触で検出し、検出結果に基づいて加熱調理を終了させるか否かを判定することが記載されている。
ところで、食品の温度と食品の静電容量とは相関関係にある。このため、食品の静電容量に基づいて食品の温度を測定する非接触型品温測定装置が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2に記載の非接触型品温測定装置は、一対の電極を備えている。食品は、一対の電極間に非接触で配置される。食品の温度は、一対の電極間に高周波電圧が印加されたときに検出される静電容量に基づいて求められる。
特開2007−285596号公報 特許第4121707号公報
特許文献2に記載の非接触型品温測定装置の場合、各電極は実質的な絶縁体で被覆されている。食品は、絶縁体を介して、電極上に載置される。何故ならば、食品衛生、短絡防止、電極の汚損防止、及び高精度の測定等のためには、電極が食品に接触せず、且つ、電極と食品との離隔距離が短い方が好ましいからである。
故に、特許文献2に記載の非接触型品温測定装置を、電子レンジ機能を有する加熱調理器に単純に適用した場合、絶縁体で被覆された電極が加熱室に配置される。すると、加熱室が狭くなって、食品の収脱に支障を来す虞がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、加熱室を狭めることなく、静電容量の検出結果に応じて被加熱物を加熱調理することができる加熱調理器を提供することにある。
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室と、該加熱室に収容されている被加熱物へ電波を照射するための回転アンテナと、該回転アンテナを収容しており、前記加熱室とは区画されて該加熱室に隣接するアンテナ室と、前記被加熱物の状態を検出する状態検出部とを備え、該状態検出部の検出結果に応じて、前記被加熱物を加熱調理する加熱調理器において、前記加熱室の壁部は導電性を有し、前記状態検出部は、前記加熱室の外部に配され、一方は前記アンテナ室の内部に配され、他方は前記壁部によって構成されている2個の電極部と、該2個の電極部の間の静電容量を検出する静電容量検出部とを有することを特徴とする。
本発明に係る加熱調理器は、前記回転アンテナは前記一方の電極部を構成していることを特徴とする。
本発明に係る加熱調理器は、前記静電容量検出部は前記アンテナ室の外部に配されており、前記アンテナ室の壁部には貫通孔が設けてあり、前記アンテナ室の内部に配されている電極部と前記静電容量検出部とを断続すべく、一側が前記貫通孔を通して前記アンテナ室の内部に対し進退可能にしてあり、前記アンテナ室の内部にて前記電極部に電気的に接続され、他側が前記静電容量検出部に電気的に接続されている導体を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る加熱調理器は、前記電波を断続的に照射するようにしてあり、前記状態検出部は、前記電波が照射されていない場合に前記静電容量検出部による静電容量の検出を行なうようにしてあることを特徴とする。
本発明の加熱調理器による場合、2個の電極部は加熱室の外部に配される。故に、2個の電極部を加熱室に配置したせいで加熱室が無用に狭まることを防止することができる。
また、少なくとも一方の電極部はアンテナ室の内部に配置される。
しかも、アンテナ室は加熱室とは区画されている。従って、アンテナ室の内部に配されている電極部(以下、内部電極部という)が絶縁体で被覆されていないとしても、非接触で静電容量を検出することができる上に、短絡及び電極の汚損等の発生を抑制することができる。
アンテナ室は加熱室に隣接している。このため、アンテナ室に配されている電極部は、加熱室に収容されている被加熱物の近傍に位置している。従って、静電容量の検出精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構成を模式的に示す正面図である。 加熱調理器が備える状態検出部の構成を模式的に示す正面図である。 加熱調理器の制御系の構成を示すブロック図である。 加熱調理器で実行される加熱調理処理の手順を示すフローチャートである。 加熱調理器の有効性を説明するための特性図である。 本発明の実施の形態2に係る加熱調理器が備える状態検出部の構成を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態3に係る加熱調理器が備える状態検出部の構成を模式的に示す正面図である。 加熱調理器の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る加熱調理器が備える状態検出部の構成を模式的に示す正面図である。 加熱調理器が備える回転アンテナの構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態5に係る加熱調理器が備える調理補助具の構成を示す斜視図である。 調理補助具の使い方(網焼き)を説明するための模式的な正面図である。 調理補助具の使い方(網焼き)を説明するための模式的な側面図である。 調理補助具の使い方(串焼き)を説明するための模式的な正面図である。 調理補助具の使い方(串焼き)を説明するための模式的な側面図である。 実施の形態6に係る加熱調理器の内部構成を模式的に示す正面図である。 加熱調理器の内部構成を模式的に示す側面図である。 加熱調理器が備える蒸気発生器の構成を模式的に示す左側面図である。 蒸気発生器の構成を模式的に示す右側面図であ 図18におけるα−α線の断面図である。 従来の加熱調理器が備える蒸気発生器の構成を模式的に示す正面図である。 図21におけるβ−β線の断面図である。 実施の形態7に係る加熱調理器の内部構成(回転容器を用いて食品を加熱調理する場合)を模式的に示す正面図である。 加熱調理器の内部構成(調理補助具を用いて食品を加熱調理する場合)を模式的に示す正面図である。 加熱調理器が備える回転容器の構造を模式的に示す斜視図である。 回転容器の構造を模式的に示す断面図である。 実施の形態8に係る加熱調理器の内部構成を模式的に示す正面図である。 加熱調理器が備える回転容器の構造を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器1の内部構成を模式的に示す正面図である。
図2は、加熱調理器1が備える状態検出部2の構成を模式的に示す正面図である。
図3は、加熱調理器1の制御系の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の加熱調理器1は、電子レンジ機能のみを有する単機能型であってもよく、電子レンジ機能のみならず、オーブン機能、グリル機能、及び/又はトースター機能等をも有する多機能型であってもよい。また、オーブン機能及びグリル機能等は、電気式及びガス式等の何れであってもよい。以下では、加熱調理器1の電子レンジ機能について説明する。
加熱調理器1は、金属製の筐体11を備えている。筐体11は、加熱調理器1の外壁を構成している外箱111と、外箱111に収容されている内箱112とを有する。外箱111の内部であり、内箱112の外部である空間を、以下では内部空間113という。
加熱調理器1は、いわゆるフラットテーブル型のものである。内箱112の内部において、上下方向中央部よりも下側には、内箱112の内部を上下に区画するトレイ状の隔壁114が配されている。内箱112の内部における隔壁114より上側は加熱室12として用いられる。内箱112の内部における隔壁114より下側はアンテナ室13として用いられる。つまり、内箱112の壁部の内、隔壁114より上側は加熱室12の壁部として機能し、隔壁114より下側はアンテナ室13の壁部として機能する。
隔壁114には、図示しない耐熱皿又は調理補助具(例えば調理網)に載せ置かれた食品Fが載置される。
隔壁114は、加熱室12とアンテナ室13とを区画する壁部として機能する。加熱室12から見れば隔壁114は底壁部であり、アンテナ室13から見れば隔壁114は天壁部である。隔壁114を介して、加熱室12とアンテナ室13とは隣接している。
内箱112は、内箱112の内部(即ち加熱室12及びアンテナ室13)から外部へマイクロ波が漏出しないよう遮蔽する機能を有する。このために、内箱112は接地されている。
加熱室12には図示しない開放部が設けてある。この開放部は、マイクロ波を遮蔽する機能を有する図示しないドアによって開閉可能に閉鎖される。ドアが開いていれば、加熱調理器1の使用者が、加熱室12に対し、被加熱物である食品Fを出し入れすることができる。つまり、加熱室12は、食品Fを収脱可能に収容する。
外箱111には、使用者が操作する操作ボタン又は操作摘み等を有する操作部17が配されている。操作部17には、例えば使用者が食品Fの自動調理を所望している場合に操作すべき自動調理ボタンと、使用者が加熱調理の開始を所望した場合に操作すべきスタートボタンとが設けられている(各不図示)。食品Fの自動調理とは、例えば食品Fの自動温め又は自動解凍等である。
隔壁114は、耐熱性と非導電性とを有する。隔壁114は、例えばセラミック製である。
アンテナ室13の底壁部には、円形の貫通孔131が設けられている。貫通孔131の内径は、貫通孔131を通したマイクロ波の漏出を抑制すべく、マイクロ波の波長より短くしてある。また、貫通孔131の内径は、後述する接続端子221の円滑な挿脱のために、接続端子221の外径より長くしてある。実用上、貫通孔131の内径は3cm以下であり、好ましくは5mm以上10mm以下である。
アンテナ室13の内部には、隔壁114の下面に対面配置された円盤状の回転アンテナ14が収容されている。回転アンテナ14は金属製であり、1又は複数の開口が設けられている。
加熱調理器1は、アンテナ駆動部15を備えている。アンテナ駆動部15は、回転軸部151及びモータ152を有する。回転軸部151は、アンテナ室13の底壁部を貫通している。回転軸部151の上端部は、回転アンテナ14の中心部に取り付けられている。回転軸部151の下端部は、モータ152の出力軸に連結されている。モータ152は、アンテナ室13の下方の内部空間113に収容されている。
モータ152が作動すれば、回転軸部151がモータ152に連動して回転すると共に、回転アンテナ14が回転する。モータ152の作動が停止すれば、回転軸部151がモータ152に連動して回転停止すると共に、回転アンテナ14の回転が停止する。
加熱調理器1は、電波発生部16を備えている。電波発生部16は、内箱112の側方の内部空間113に収容されている。電波発生部16は図示しないマグネトロンを有しており、マイクロ波を発生させる。電波発生部16が発生させたマイクロ波は、図示しない導波管を通ってアンテナ室13の内部へ導かれる。
加熱調理器1は、状態検出部2を備えている。状態検出部2は、2個の電極部と、制御部20、静電容量検出部21、導体22、及び断続部23を有する。
状態検出部2の2個の電極部の内、一方は回転アンテナ14によって構成されている。回転アンテナ14は、食品Fの下側に配される電極部である。状態検出部2の2個の電極部の内、他方は筐体11の内箱112によって構成されている。内箱112は、食品Fの上側に配される電極部である。
導体22は、接続端子221と導線222とを有する。導線222は、内部空間113に配されている。導線222の一端部は静電容量検出部21に電気的に接続されている。導線222の他端部は接続端子221に電気的に接続されている。
接続端子221は、断面形状が円形の棒状になしてある。接続端子221の外径は、アンテナ室13の貫通孔131の内径より短い。接続端子221の基端部は、断続部23に保持されて、アンテナ室13の下方の内部空間113に配されている。
接続端子221は、貫通孔131に対して挿脱され、貫通孔131を通してアンテナ室13の内部に対して進退する。故に、接続端子221の先端部は、アンテナ室13の内部に位置している場合と、アンテナ室13の下方の内部空間113に位置している場合とがある。
接続端子221がアンテナ室13の内部に進入している場合、即ち、接続端子221の先端部がアンテナ室13の内部に位置している場合、接続端子221の先端部は回転アンテナ14に接触する。このとき、回転アンテナ14と接続端子221とは電気的に接続される。換言すれば、このとき、導体22を介して回転アンテナ14と静電容量検出部21とが電気的に接続される。
なお、回転アンテナ14には開口が設けられているため、接続端子221が誤って回転アンテナ14の開口に挿入されてしまわないようにしなければならない。このためには、例えば、回転アンテナ14の回転位置にかかわらず、アンテナ室13の貫通孔131が回転アンテナ14の実体部分に臨むよう両者を適宜に配置することが考えられる。
接続端子221の先端部が回転アンテナ14から離隔している場合、回転アンテナ14と接続端子221との電気的な接続は切断される。故に、接続端子221がアンテナ室13の内部から退出している場合、即ち、接続端子221の先端部がアンテナ室13の下方の内部空間113に位置している場合、導体22を介した回転アンテナ14と静電容量検出部21との電気的な接続は切断されている。
断続部23は、接続端子221の基端部を保持し、接続端子221を接続端子221の長さ方向に直線的に進退させる。このために、断続部23は、接続端子221を進入方向へ付勢する付勢部(例えばバネ)と、付勢部の付勢力を打ち消して接続端子221を退出方向へ吸引する吸引部(例えばソレノイド)とを有する。
断続部23によって進入方向へ付勢された接続端子221は、アンテナ室13の貫通孔131に挿入されることによってアンテナ室13の内部に進入し、回転アンテナ14に接触する。
断続部23によって退出方向へ付勢された接続端子221は、アンテナ室13の貫通孔131から抜き出されることによってアンテナ室13の内部から退出する。
なお、断続部23は、本実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば断続部23は、モータと、モータが出力する回転運動を接続端子221の往復直線運動に変換するリンク又はカム等を用いてなる構成でもよい。
静電容量検出部21は、検出回路211及び高周波電圧発生回路212を有する。静電容量検出部21と内箱112とは電気的に接続されている。静電容量検出部21と回転アンテナ14とは導体22を介して電気的に接続される。
静電容量検出部21と内箱112及び回転アンテナ14とが電気的に接続されている場合、高周波電圧発生回路212が高周波電圧を発生させると、内箱112と回転アンテナ14との間に高周波電圧が印加される。
検出回路211は、高周波電圧発生回路212の動作を制御する。また、検出回路211は、内箱112と回転アンテナ14との間に高周波電圧が印加されている場合の内箱112と回転アンテナ14との間の静電容量に対応する物理量を示す検出信号を制御部20へ出力する。本実施の形態では、内箱112と回転アンテナ14との間の静電容量の変化が、内箱112と回転アンテナ14との間のインピーダンスの変化として検出される。
制御部20は、CPU、ROM、及びRAM等を用いてなる。制御部20には、静電容量の初期値として、加熱室12に食品Fが収容していない場合の静電容量の検出値が予め与えられている。制御部20は、入力された検出信号が表わしている静電容量の検出値と初期値との差に基づいて、食品Fの静電容量の検出値を求める。制御部20には、食品Fの静電容量の検出値と食品Fの状態(例えば食品Fの温度)との関係を示すルックアップテーブルが予め与えられている。
制御部20は、入力された検出信号に基づいて、食品Fの状態を求める。つまり、状態検出部2は、内箱112と回転アンテナ14との間の静電容量に基づいて、食品Fの状態を間接的に検出する。
なお、加熱調理器1が、食品Fの状態を示す静電容量以外の物理量を検出するセンサ(例えば赤外線センサ)を備えている場合、制御部20は、このセンサから入力された検出信号と、検出回路211から入力された検出信号との一方又は両方を選択的に用いて、食品Fの状態を求めてもよい。
制御部20は、加熱調理器1の制御中枢でもある。制御部20は、アンテナ駆動部15、電波発生部16、静電容量検出部21、及び断続部23夫々の動作を制御する。また、制御部20には、操作部17が操作されたことを示す操作信号が入力される。
図4は、加熱調理器1で実行される加熱調理処理の手順を示すフローチャートである。
使用者は、加熱調理器1のドアを開放して、隔壁114に食品Fを載置してから、ドアを閉鎖する。次に、使用者は、操作部17を操作する。ここでは、使用者が、操作部17の自動調理ボタンを操作してからスタートボタンを操作した場合を例示する。
図4に示すように、制御部20は、断続部23の動作を制御することによって、回転アンテナ14と静電容量検出部21とを電気的に接続する(S11)。このとき、接続端子221はアンテナ室13の内部に進入する。
次に、制御部20は、静電容量検出部21の動作を制御することによって、静電容量検出部21に静電容量を検出させる(S12)。制御部20に制御された静電容量検出部21では、検出回路211が高周波電圧発生回路212の動作を制御して高周波電圧を発生させる。次いで、検出回路211は、検出信号を制御部20へ出力する。検出信号の出力後、検出回路211は、高周波電圧発生回路212による高周波電圧の発生を終了させる。
制御部20は、入力された検出信号が表わしている静電容量の検出値に基づいて、食品Fの状態を求める状態演算処理を行なう(S13)。
次に、制御部20は、S13の状態演算処理の結果に基づいて、加熱調理を終了するか否かを判定する(S14)。S14における制御部20は、例えば、S13の状態演算処理の結果が、食品Fの温度が所定温度以上であることを表わしている場合、加熱調理を終了する、と判定する。一方、S13の状態演算処理の結果が、食品Fの温度が所定温度未満であることを表わしている場合、制御部20は、加熱調理を継続する、と判定する。
加熱調理を継続する、と判定した場合(S14でNO)、制御部20は、断続部23の動作を制御することによって、回転アンテナ14と静電容量検出部21との電気的な接続を切断する(S15)。このとき、接続端子221はアンテナ室13の内部から退出する。
また、制御部20は、S13の状態演算処理の結果に基づいて、マイクロ波による食品Fの加熱処理を行なう加熱処理時間を決定する(S16)。
次いで、制御部20は、経過時間の計時結果を“0”にリセットしてから、経過時間の計時を開始する(S17)。経過時間の計時は、図示しないタイマを用いて行なってもよく、制御部20にて用いられるクロックを計数することによって行なってもよい。
更に、制御部20は、電波発生部16の動作を制御してマイクロ波の発生を開始させ(S18)、アンテナ駆動部15の動作を制御して回転アンテナ14の回転を開始させる(S19)。
S18及びS19の処理の結果、電波発生部16からアンテナ室13の内部へ導かれたマイクロ波が、回転する回転アンテナ14によって散乱する。この結果、マイクロ波が食品Fに均一に照射される。このため、食品Fは均一に加熱される。
制御部20は、経過時間がS16で決定した加熱処理時間以上になったか否かを判定する(S20)。
経過時間が加熱処理時間未満である場合(S20でNO)、制御部20は、再びS20の処理を行なう。この結果、S16で決定した加熱処理時間が経過するまで、食品Fはマイクロ波の作用によって加熱され続ける。
経過時間が加熱処理時間以上である場合(S20でYES)、制御部20は、経過時間の計時を終了する(S21)。
更に、制御部20は、電波発生部16の動作を制御してマイクロ波の発生を終了させ(S22)、アンテナ駆動部15の動作を制御して回転アンテナ14の回転を停止させる(S23)。
S22及びS23の処理の結果、食品Fへのマイクロ波の照射が終了する。
次に、制御部20は、処理をS11へ戻す。この後、再び食品Fの状態が間接的に検出され、検出結果に応じて、加熱調理を終了するか否かが判定される。
加熱調理を終了する、と判定した場合(S14でYES)、制御部20は、図示しない音声出力部を用いて、使用者に対し、加熱調理の終了を報知してから(S24)、加熱調理処理を終了する。
加熱調理の終了を報知された使用者は、加熱調理器1のドアを開放し、隔壁114に載置されている食品Fを取り出す。
このように、電子レンジ機能による加熱調理を行なう場合は、電波発生部16がマイクロ波を発生させている期間中には静電容量検出部21と回転アンテナ14との電気的な接続を切断しておく必要がある。しかしながら、オーブン機能又はグリル機能等による加熱調理を行なう場合には、静電容量検出部21と回転アンテナ14とが常に電気的に接続してあっても特段の問題はない。従って、オーブン機能又はグリル機能等による加熱調理中には、任意のタイミングで静電容量の検出を行ない、検出結果に応じた加熱調理を行なうことができる。
図5は、加熱調理器1の有効性を説明するための特性図である。
発明者らは、内箱112と回転アンテナ14とを2個の電極部として用いた場合であっても加熱室12に収容されている食品Fの静電容量を検出することができるか否かを検証するために、次のような実験を行なった。
発明者らは、高周波電圧発生回路212が200kH の高周波電圧を発生させるようにした上で、まず、加熱室12に何も収容していない場合に静電容量検出部21が出力する検出信号を得た。次に、非導電性及び耐熱性を有する容器が加熱室12に収容してあり、この容器に、重量が異なる水(具体的には100gの水及び200gの水)が収容してある場合夫々に係る静電容量検出部21の検出信号を得た。また、この容器のみが加熱室12に収容してある場合(換言すれば、この容器に0gの水を収容してある場合)に係る静電容量検出部21の検出信号を得た。
そして、発明者らは、得られた検出信号に基づいて、インピーダンス変化率を演算した。図5に示す特性図において、横軸は、容器に収容されている水の重量(g)を表わしており、縦軸は、インピーダンス変化率(%)を表わしている。
容器に収容されている水の重量は、食品Fの重量に相当する。
図5に示すように、食品Fの重量の増加に比例してインピーダンス変化率も増加している。
このことからわかるように、内箱112と回転アンテナ14とを2個の電極部として用いた場合であっても、加熱室12に収容されている食品Fの静電容量を検出することができる。
以上のような加熱調理器1は、状態検出部2が有する2個の電極部の内、一方を回転アンテナ14が一方の電極部を構成しており、他方を筐体11の内箱112が構成している。換言すれば、フラットテーブル型の加熱調理器1が一般的に備える回転アンテナ14と内箱112とを、状態検出部2が有する2個の電極部として利用している。故に、加熱調理器1の部品点数が無用に増加することを抑制することができる。
また、状態検出部2が有する2個の電極部は、両方とも加熱室12には配置されない。故に、状態検出部2が有する2個の電極部のせいで加熱室12が無用に狭まることはない。故に、加熱室12に対する食品Fの収脱に支障を来す虞はない。
ところで、特許文献1に記載されているように赤外線センサを用いて食品Fの状態を検出する場合、赤外線センサは内部空間113に配される。加熱室12の壁部には貫通孔が設けられ、この貫通孔を通して赤外線センサは食品Fの表面温度を検出する。
ところが、加熱室12の壁部に設けられている貫通孔は、加熱室12の密閉性を損なう。
一方、静電容量検出部21の場合、加熱室12の壁部に貫通孔を設ける必要がない。このため、加熱室12の密閉性を向上させることができる。密閉された加熱室12は、マイクロ波の漏出を抑制することができる上に、断熱性を向上させることができる。
また、特許文献2に記載の電極とは異なり、回転アンテナ14は絶縁体で被覆されていない。しかしながら、回転アンテナ14はアンテナ室13に収容されており、アンテナ室13は加熱室12とは隔壁114によって区画されている。このため、回転アンテナ14が絶縁体で被覆されていないことによる不都合(例えば回転アンテナ14と食品Fとが直接的に接触することに起因する食品衛生上の問題、回転アンテナ14の汚損、及び短絡の発生等)は生じない。
食品Fは、アンテナ室13と加熱室12とを区画する隔壁114に載置されて内箱112に覆われ、回転アンテナ14は隔壁114に対面配置されている。このため、内箱112及び回転アンテナ14夫々と食品Fとの離隔距離が無用に長くなることはない。従って、静電容量検出部21による静電容量の検出精度が向上する。
状態検出部2は、電波発生部16がマイクロ波を発生させていない場合、即ち、食品Fに対してマイクロ波が照射されていない場合に、静電容量検出部21による静電容量の検出を行なう。このために、状態検出部2は、電波発生部16がマイクロ波を発生させていない場合に、アンテナ室13の底壁部の貫通孔131を通して導体22の接続端子221をアンテナ室13の内部へ進入させ、導体22を介して回転アンテナ14と静電容量検出部21とを電気的に接続する。
仮に、食品Fへのマイクロ波の照射中に静電容量を検出しようとすると、マイクロ波の干渉によって静電容量の検出精度が悪化する。このため、加熱調理が失敗する(具体的には食品Fが生煮えになったり焦げて炭化したりする)可能性が高くなる。
そればかりか、回転アンテナ14に電気的に接続されている導体22を介して、アンテナ室13から内部空間113へ、更には加熱調理器1の外部へマイクロ波が漏出してしまう。この結果、加熱調理器1又は加熱調理器1の周囲の電気機器等において、誤作動、故障、又は発火等が生じる虞がある。
故に、状態検出部2は、電波発生部16がマイクロ波を発生させている場合、即ち、食品Fに対してマイクロ波が照射されている場合には、静電容量検出部21による静電容量の検出を行なわない。のみならず、状態検出部2は、電波発生部16がマイクロ波を発生させていない場合に、アンテナ室13壁部の貫通孔131を通して導体22の接続端子221をアンテナ室13の内部から退出させる。この結果、導体22を介したマイクロ波の漏出は生じない。また、貫通孔131の内径は十分に短いため、貫通孔131を介したマイクロ波の漏出が生じる虞もない。
一方、アンテナ室13壁部の貫通孔を通して導体22が貫通孔131の外部へ退出した場合、導体22を介した回転アンテナ14と静電容量検出部21との電気的な接続が切断される。このとき、静電容量検出部21による静電容量の検出を行なうことはできない。ただし、内部電極と静電容量検出部21とを電気的に接続する導体22を介して貫通孔131及び加熱室12の外部へ電波が漏出することが抑制される。
内箱112は常に静電容量検出部21と電気的に接続されている。とはいえ、内箱112は接地されているため、内箱112を介してマイクロ波が漏出する虞はない。
つまり、電波発生部16がマイクロ波を発生させているか否か、及び、静電容量検出部21による静電容量の検出が必要か否かに応じて、回転アンテナ14と静電容量検出部21とを適宜に接続/切断(即ち断続)することができる。
加熱調理器1を用いた自動調理の際には、使用者が加熱調理時間又は食品Fの重量等を加熱調理器1に与える必要はない。何故ならば、加熱調理器1は、適宜のタイミングで食品Fの状態(具体的には温度)を検出し、検出結果に応じて食品Fを加熱するからである。従って、使用者の利便性が高い。
なお、本実施の形態の加熱調理器1は、家庭用の電子レンジのようにマイクロ波を用いて加熱調理を行なう構成であるが、これに限定されるものではない。例えば加熱調理器1は、業務用の食品解凍機のようにマイクロ波より波長の長い高周波を用いて加熱調理を行なう構成でもよい。
また、状態検出部2が検出すべき食品Fの状態は、食品Fの温度に限定されず、例えば食品Fの焼け具合又は乾燥度合い等であってもよい。食品Fの状態を求めるために状態検出部2が検出すべき物理量は、静電容量又は赤外線に限定されず、重量又は湿度等であってもよい。食品Fが食肉である場合、状態検出部2は、食品Fが熱変性したか否かを検出してもよい。このとき、食品Fの静電容量の変化に基づいて食品Fが熱変性したか否かを判定してもよい。
実施の形態 2.
本実施の形態の加熱調理器1は、実施の形態1の加熱調理器1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器1が備える状態検出部2の構成を模式的に示す正面図である。図6は、実施の形態1の図2に対応する。
本実施の形態における静電容量検出部21の構成及び静電容量の検出手順は、回転アンテナ14に替えて後述する電極シート24を用いること以外は、実施の形態1と略同様である。つまり、実施の形態1では、状態検出部2の2個の電極部は、回転アンテナ14と筐体11の内箱112とによって構成されているが、本実施の形態では電極シート24と筐体11の内箱112とによって構成されている。
電極シート24は金属箔(例えば銅箔)を用いてなる。電極シート24は、隔壁114の下面に貼着してある。つまり、電極シート24は、食品Fの下側に配される電極部である。電極シート24の形状、寸法、及び貼着位置は、隔壁114に対する電極シート24の貼着によってアンテナ室13から加熱室12へのマイクロ波の照射が阻害されることなく、しかも、電極シート24の一部がアンテナ室13の貫通孔131に臨む位置である。
アンテナ室13の貫通孔131は、回転アンテナ14の真下よりも外側に配されている。
本実施の形態の接続端子221は、実施の形態1の接続端子221よりも長い。
アンテナ室13の内部に進入した接続端子221の先端部は、電極シート24に接触する。このとき、電極シート24と接続端子221とは電気的に接続される。つまり、このとき、導体22を介して電極シート24と静電容量検出部21とが電気的に接続される。本実施の形態の接続端子221が回転アンテナ14に電気的に接続することはない。
接続端子221の先端部が電極シート24から離隔している場合、電極シート24と接続端子221との電気的な接続は切断されており、延いては、導体22を介した電極シート24と静電容量検出部21との電気的な接続は切断されている。
以上のような加熱調理器1を用いる場合、電極シート24は、回転アンテナ14に比べて、隔壁114に載置されている食品までの距離が短い。故に、実施の形態1の加熱調理器1に比べて、静電容量の検出精度を向上させることができる。
実施の形態 3.
本実施の形態の加熱調理器1は、実施の形態1,2の加熱調理器1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図7は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器1が備える状態検出部2の構成を模式的に示す正面図である。図8は、加熱調理器1の制御系の構成を示すブロック図である。図7は実施の形態2の図6に対応し、図7は実施の形態1の図3に対応する。
本実施の形態における静電容量検出部21の構成及び静電容量の検出手順は、回転アンテナ14及び内箱112に替えて電極シート241,242を用いること、及び、電極シート241,242夫々に対して接続端子221,221が接離すること等を除けば、実施の形態1と略同様である。
アンテナ室13の底壁部には、2個の貫通孔132,133が並設されている。貫通孔132,133夫々は、実施の形態1の貫通孔131と同様の構成である。貫通孔132,133は、アンテナ室13の底壁部における回転軸部151が貫通している位置の両側(図7中左右両側)、且つ回転アンテナ14の真下よりも外側に配されている。
電極シート241,242夫々は、金属箔(例えば銅箔)を用いてなり、何れも隔壁114の下面に貼着してある。電極シート241,242夫々の形状、寸法、及び貼着位置は、隔壁114に対する電極シート241,242の貼着によってアンテナ室13から加熱室12へのマイクロ波の照射が阻害されることなく、しかも、電極シート241,242がアンテナ室13の貫通孔132,133に一対一対応で臨む位置である。つまり、電極シート241,242は、食品Fの下方且つ横方向両側(図7中左下側及び右下側)に配される電極部である。
状態検出部2は、静電容量検出部21と電極シート241,242夫々とを断続すべく、各2個の導体22,22及び断続部23,23を有する。各導体22が有する接続端子221は、実施の形態1の接続端子221よりも長い。
接続端子221,221は、制御部20が断続部23,23の動作を制御することによって、アンテナ室13の内部に対し進退する。
アンテナ室13の内部に進入した接続端子221,221の先端部は、電極シート241,242に接触する。このとき、電極シート241,242と接続端子221,221とは電気的に接続される。つまり、このとき、導体22,22を介して電極シート241,242と静電容量検出部21とが電気的に接続される。本実施の形態の各接続端子221が回転アンテナ14又は内箱112に電気的に接続することはない。
接続端子221,221の先端部が電極シート241,242から離隔している場合、電極シート241,242と接続端子221,221との電気的な接続は切断されており、延いては、導体22を介した電極シート241,242と静電容量検出部21との電気的な接続は切断されている。
実施の形態1,2の加熱調理器1では、接地されている内箱112と静電容量検出部21とを断続する必要はない。しかしながら、本実施の形態の加熱調理器1では、電極シート241,242は何れも接地されていない。故に、マイクロ波の漏出を抑制すべく、これらと静電容量検出部21とを断続する必要がある。
以上のような加熱調理器1を用いる場合、電極シート241,242夫々は、回転アンテナ14及び内箱112の何れに比べても、隔壁114に載置されている食品までの距離が短い。故に、実施の形態1の加熱調理器1に比べて、静電容量の検出精度を向上させることができる。
実施の形態 4.
本実施の形態の加熱調理器1は、実施の形態1〜3の加熱調理器1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1〜3との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図9は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器1が備える状態検出部2の構成を模式的に示す正面図である。図9は、実施の形態3の図7に対応する。
図10は、加熱調理器1が備える回転アンテナ18の構成を模式的に示す平面図である。
本実施の形態の加熱調理器1は、実施の形態1の回転アンテナ14に替えて、回転アンテナ18を備えている。
回転アンテナ18は、隔壁114の下面に対面配置された円盤状になしてある。回転アンテナ18は、2個のアンテナ本体181,182と連結部183とを有する。
連結部183は、非導電性を有する円盤部材であり、例えばセラミックを用いてなる。回転軸部151の上端部は、連結部183の中心部に取り付けられている。
アンテナ本体181,182夫々は金属製の半円盤状部材であり、夫々に1又は複数の開口が設けられている。アンテナ本体181,182は、半円盤の弦同士が向かい合う姿勢で、連結部183の周方向に180 °離隔して連結部183に取り付けられている。
本実施の形態における静電容量検出部21の構成及び静電容量の検出手順は、回転アンテナ14及び内箱112に替えてアンテナ本体181,182を用いること、及び、アンテナ本体181,182夫々に対して接続端子221,221が接離すること等を除けば、実施の形態1と略同様である。
アンテナ室13の底壁部には、2個の貫通孔134,135が並設されている。貫通孔134,135夫々は、実施の形態1の貫通孔131と同様の構成である。貫通孔134,135は、アンテナ室13の底壁部における回転軸部151が貫通している位置の両側(図9中左右両側)、且つ回転アンテナ14の真下に配されている。
状態検出部2は、静電容量検出部21とアンテナ本体181,182夫々とを断続すべく、各2個の導体22,22及び断続部23,23を有する。各導体22が有する接続端子221は、実施の形態1の接続端子221と同程度の長さである。
接続端子221,221は、制御部20が断続部23,23の動作を制御することによって、アンテナ室13の内部に対し進退する。
アンテナ室13の内部に進入した接続端子221,221の先端部は、アンテナ本体181,182に接触する。ただし、各接続端子221は、アンテナ本体181,182の何れか一方に接触し、他方には接触しない。また、接続端子221,221の両方がアンテナ本体181,182の何れか一方に接触することはない。更に、本実施の形態の各接続端子221が内箱112に接触することはない。
このとき、アンテナ本体181,182と接続端子221,221とは電気的に接続される。つまり、このとき、導体22,22を介してアンテナ本体181,182と静電容量検出部21とが電気的に接続される。
以上のようなアンテナ本体181,182は、食品Fの下方且つ横方向両側(図9中左下側及び右下側)に配される電極部である。
接続端子221,221の先端部がアンテナ本体181,182から離隔している場合、アンテナ本体181,182と接続端子221,221との電気的な接続は切断されており、延いては、導体22を介したアンテナ本体181,182と静電容量検出部21との電気的な接続は切断されている。
本実施の形態の加熱調理器1では、アンテナ本体181,182は何れも接地されていない。故に、マイクロ波の漏出を抑制すべく、これらと静電容量検出部21とを断続する必要がある。
以上のような加熱調理器1を用いる場合、アンテナ本体181,182夫々は、内箱112に比べて隔壁114に載置されている食品までの距離が短い。故に、実施の形態1の加熱調理器1に比べて、静電容量の検出精度を向上させることができる。
実施の形態 5.
図11は、実施の形態5に係る加熱調理器100(後述)が備える調理補助具3の構成を示す斜視図である。
図12及び図13は、食品F1を網焼きする場合の調理補助具3の使い方を説明するための模式的な正面図及び側面図である。図12及び図13は、加熱調理器100が備える加熱室120の内部構成を模式的に示す正面図及び側面図でもある。
図14及び図15は、食品F2を網焼きする場合の調理補助具3の使い方を説明するための模式的な正面図及び側面図である。図14及び図15は、図12及び図13に対応する。
加熱調理器100は、加熱室120を備えている。加熱室120の底壁部115は、トレイ状になしてある。
このような加熱室120を備えるものであれば、本実施の形態の加熱調理器100は、電子レンジ機能、オーブン機能、グリル機能、及びトースター機能等の内の単機能を有するものであってもよく、多機能を有するものであってもよい。また、オーブン機能及びグリル機能等は、電気式、ガス式、及びスチーム式等の何れであってもよい。
食品F1は、例えば食パン又は干物等である。食品F2は、例えば肉又は魚等である。そして、食品F2には焼き串Bが刺してある。焼き串Bは食品F2を貫通しており、焼き串Bの両端部は食品F2から突出している。
従来提案されている調理補助具には、格子状の焼き網、波型プレート、又は、複数本の棒状部が並置されてなる網本体に脚部が突設してある調理網等がある(例えば特開2010−197003号公報、特開2011−43267号公報、及び特開2011−43277号公報等参照)。これらを用いて食品F1を加熱調理する場合、食品F1は、直接的に、或いは耐熱皿に載せ置かれた状態で、焼き網、波型プレート、又は、調理網の網本体に載置される。
食品F2も、食品F1と同様にして加熱調理される。即ち、従来は、加熱調理時に焼き串Bが有効活用されない。
ここで、本実施の形態の調理補助具3について説明する。
調理補助具3は、網体31と、4本の支持脚32,32,…と、2本の杆状部33,33とを備えている。
網体31は、横姿勢で配された矩形状枠310と、夫々前後方向に横姿勢で配された複数本の棒状部311,311,…とを有する。
矩形状枠310は、前後長さよりも左右長さの方が長い。矩形状枠310の前後長さ及び左右長さは、加熱室120の底壁部115の前後長さ及び左右長さよりも短い。
各棒状部311は、矩形状枠310の2本の長辺部間に亘って一体に設けられている。つまり、網体31は、矩形状枠310の内側に棒状部311,311,…が左右方向に並設されたような網状になしてある。
なお、網体31は、図11に示す形状に限定されず、例えば格子網状になしてあってもよい。また、調理補助具3は、網体31に替えて、例えば波型プレートを有していてもよい。
網体31の四隅には、縦姿勢で配された棒状の支持脚32,32,…が突設してある。各支持脚32の一端部(図11中の上端部)は、網体31の矩形状枠310に一体形成されている。
各杆状部33は、左右方向に沿う横姿勢で配されている。杆状部33は、左右方向に隣り合う支持脚32,32夫々の他端部(図11中の下端部)同士を連結するようにして支持脚32,32に一体形成されている。
杆状部33の左右方向中央部における複数個所(図11中の6ヶ所。図12及び図14には1ヶ所のみ記載)は、網体31側(図11及び図12中の上側。図14中の下側)に湾曲している。杆状部33の湾曲部分夫々の凹側は、串受け部34として機能する。前側の杆状部33に設けられている串受け部34,34,…の左右方向の配置位置と、後ろ側の杆状部33に設けられている串受け部34,34,…の左右方向の配置位置とは一致している。つまり、調理補助具3には、前後方向に離隔配置された一組の串受け部34,34が、左右方向に6組、並設されている。
以上のような調理補助具3は、天地逆転して載置することにより、網焼きのような加熱調理用途及び串焼きのような加熱調理用途の2通りに使うことができる。
具体的には、調理補助具3を用いて食品F1を加熱調理する場合、使用者は、図12及び図13に示すように、網体31を上側に向け、杆状部33,33を下側に向けて、調理補助具3を加熱室120の底壁部115に載置する。このとき、支持脚32,32,…及び杆状部33,33は、網体31を支持する脚部として機能する。
使用者は、網体31に食品F1に載置し、加熱調理器100を操作して加熱調理を実行させる。これは、網焼きのような加熱調理である。
一方、調理補助具3を用いて食品F2を加熱調理する場合、使用者は、図14及び図15に示すように、杆状部33,33を上側に向け、網体31を下側に向けて、調理補助具3を加熱室120の底壁部115に載置する。このとき、網体31及び支持脚32,32,…は、杆状部33,33を支持する脚部として機能する。
使用者は、1組の串受け部34,34に、焼き串Bの一端部及び他端部を載置する。この結果、焼き串Bは串受け部34,34によって下側から支持される。食品F2は焼き串Bによって貫通支持されている。次いで、使用者は、加熱調理器100を操作して加熱調理を実行させる。これは、串焼きのような加熱調理である。
食品F1及び食品F2の何れを加熱調理する場合であっても、調理補助具3が使用されている。しかしながら、食品F1は調理補助具3に直接的に接触するのに対し、食品F2は調理補助具3に対して非接触である。このため、食品F2との接触による調理補助具3の汚損が抑制される。従って、加熱調理後の調理補助具3の清掃は簡単である。また、食品F2が調理補助具3にこびり付くことがない。故に、こびり付きに起因する食品F2の破損が防止される。
更に、食品F2は、焼き串B以外には何にも接触していない。このため、食品F2はふっくらと仕上がる。
しかも、食品F2から滲み出た水分又は油脂等が、加熱室120の底壁部115へ滴り落ちる。故に、このような水分又は油脂等が食品F2に付着することによって食品F2の食感が損なわれてしまうことが抑制される。
つまり、食品F2に刺さっている焼き串Bを有効利用して、食品F2を良好に加熱調理することができる。
ところで、オーブン機能、グリル機能、及びトースター機能等で食品F2の加熱調理を行なう場合、焼き串B及び調理補助具3は耐熱性を有するものであればよい。例えば、焼き串Bは鉄串であり、調理補助具3は金属製又はセラミック製等である。
一方、電子レンジ機能で食品F2の加熱調理を行なう場合、焼き串B及び調理補助具3は耐熱性のみならず非導電性も有する必要がある。例えば、焼き串Bは竹串であり、調理補助具3はセラミック製又は耐熱プラスチック製等である。
調理補助具3は、本実施の形態の如き構成に限定されるものではない。調理補助具3は、食品を載置すべき食品載置部を天側に有し、食品を貫通支持している焼き串を受け止める焼き串受け部を底側に有し、天地逆転して載置可能な構成であればよい。
実施の形態 6.
図16及び図17は、実施の形態6に係る加熱調理器4の内部構成を模式的に示す正面図及び側面図である。
本実施の形態における加熱調理器4の構成は、各後述する蒸気発生器Aを内箱402に取り付けるための構成を除けば、特許第4994480号公報に記載の加熱調理器の構成と略同様である。
加熱調理器4は、スチーム式のオーブン機能を有する。特許第4994480号公報では、スチーム式のオーブン機能と共に電子レンジ機能を有する多機能型の加熱調理器が例示されているが、加熱調理器4は、多機能型でも単機能型でもよい。以下では、加熱調理器4のスチーム式のオーブン機能について説明する。
まず、加熱調理器4の概略について説明する。
加熱調理器4は筐体40を備えている。筐体40は、加熱調理器4の外壁を構成している外箱401と、外箱401に収容されている内箱402とを有する。内箱402の内部の少なくとも一部は加熱室403として機能する。
加熱室403にはトレイ412が収容されている。トレイ412上には調理補助具411が載置してある。調理補助具411には食品Fが載置される。
内箱402において、加熱室403の壁部を構成している右側壁部42には、吹出口421,421,…、給気口422、及び取入口423が開設してある。給気口422は前側且つ下側に、吹出口421,421,…は前後方向中央部且つ上側に、取入口423は後ろ側且つ上下方向中央部に配されている。
内箱402の左側方前寄りには吸気ダクト431が設けてある。吸気ダクト431の一側は、外箱401の左側壁部に設けてある図示しない開口に接続されている。この開口には吸気ファン432が配されている。吸気ダクト431の他側は、給気口422に接続してある。吸気ファン432が作動すると、外気が吸気ダクト431に取り込まれ、給気口422を通して加熱室403に供給される。
内箱402の右側方には排気ダクト433が設けてある。排気ダクト433の一側は上方に延出している。排気ダクト433の延出端部には排気口434が設けてある。排気ダクト433の他側は、取入口423に接続してある。加熱室403の空気は、取入口423を通して排気ダクト433に取り込まれ、排気口434を通して外部に排出される。
内箱402の後壁部の上下左右方向中央部には、吸気口441が開設してある。内箱402の後壁部の周縁部には、吸気口441を取り囲むようにして、複数の噴出口442,442,…が開設してある。
内箱402の後方には循環ダクト440が設けてある。循環ダクト440の一側は吸気口441に接続されており、循環ダクト440の他側は噴出口442,442,…夫々に接続されている。循環ダクト440の内部には、循環ヒータ443及び循環ファン444が配されている。
循環ファン444には、ファンモータ445が連結してある。ファンモータ445が作動すると、加熱室403の空気が吸気口441を通して吸引され、循環ヒータ443にて加熱された後、噴出口442,442,…を通して加熱室403に戻る。
蒸気発生器Aは、加熱室403に供給すべき蒸気を発生させるものである。
蒸気発生器Aは、吹出口421,421,…を内箱402の外側から覆うようにして、右側壁部42の外面に取り付けられている。
蒸気発生器Aの左側には、着脱自在の給水タンク451が配してある。給水タンク451は、給水ポンプ452を介して給水管453に接続してある。給水管453は蒸気発生器Aに接続してある。給水ポンプ452が作動すると、給水タンク451から給水管453を通して蒸気発生器Aに水が供給される。
蒸気発生器Aは蒸気発生用ヒータ46を備えている。蒸気発生用ヒータ46が発熱すると、蒸気発生器Aに供給された水が蒸発する。このとき発生した蒸気は、吹出口421,421,…を通して加熱室403に供給される。食品Fは、加熱室403に供給された蒸気によって加熱調理される。
内箱402の天壁部には、加熱室403の温度を検出する温度センサ47が配されている。循環ヒータ443は、温度センサ47が検出した温度に基づいて制御される。この結果、加熱室403の温度(延いては、循環ダクト440を通して加熱室403を循環する空気及び水蒸気の温度)が所定の温度に維持される。
次に、蒸気発生器Aの詳細について説明する。
図18及び図19は、蒸気発生器Aの構成を模式的に示す左側面図及び右側面図である。図20は、図18におけるα−α線の断面図である。
蒸気発生器Aは、熱伝導率が高い板状の水加熱体5と、前後方向に長い蓋体6とを備えている。水加熱体5は左側に配され、蓋体6は右側に配される。
水加熱体5は、前後方向に長い矩形状をなす板部51を有する。
板部51の右面の上部には第1凹所511が設けてある。第1凹所511は前後方向に長く、左側(蓋体6から離れる方向)に窪んでいる。
板部51の左面には、第2凹所512と環状壁513とが設けてある。第2凹所512は前後方向に長く、右側に窪んでいる。環状壁513は、第2凹所512の外周縁部から突出している。このため、板部51の左面側においては、第2凹所512を含む板部51の左面及び環状壁513によって、前後方向に長いバッファ室52が形成されている。
環状壁513の先端部には、封止部材531が保持されている。封止部材531は、内箱402の右側壁部42と接触することによって、環状壁513の先端部と内箱402の右側壁部42との間の空隙を封止する。
板部51の上部には導出口510が設けられている。導出口510は板部51の上部を貫通しており、前後方向に長い長円形をなす。第1凹所511と第2凹所512とは、導出口510を通して連通している。
板部51の後部には、延出部514が一体に設けてある。延出部514は、先細状に上方へ延出している。第1凹所511は、延出部514に亘って形成されている。
第1凹所511の開口は、蓋体6によって覆われている。このため、板部51の右面側においては、第1凹所511及び蓋体6(更に詳細には、後述する第3凹所612)よって、前後方向に長い蒸発室54が形成されている。
板部51における右面の周縁部には、環状溝515が設けてある。環状溝515には、封止部材532が嵌入保持されている。封止部材532は、板部51と蓋体6との間の空隙を封止する。
板部51の下部には、ダイキャスト成形によって蒸気発生用ヒータ46が埋設されている。
蒸気発生用ヒータ46は、前後方向に長く、後ろ部分が半円状に湾曲したU字形になしてあり、上側に位置する熱源461と下側に位置する熱源462とを有する。熱源461及び熱源462は、共にバッファ室52に接近配置されている。ただし、熱源461は蒸発室54に接近配置されており、熱源462は蒸発室54から下側に離隔配置されている。熱源461は、主に水を蒸発させる目的で使用される。熱源462は、主に蒸気を加熱する目的で使用される。蒸気発生用ヒータ46の湾曲部は、延出部514の下側に位置している。
バッファ室52には、蒸気発生用ヒータ46が発生させた熱が伝導する。のみならず、バッファ室52には、加熱室403の熱が右側壁部42を介して伝導する。
バッファ室52の中央部には、板状の誘導壁516が配されている。誘導壁516は、板部51の左面から内箱402に向けて突出している。誘導壁516は、前後方向に長く、導出口510から板部51の厚さ方向と交差する方向(板部51の左面に沿う方向)へ蒸気を誘導する。
誘導壁516の先端部には、封止部材533が保持されている。封止部材533は、内箱402の右側壁部42と接触することによって、誘導壁516の先端部と内箱402の右側壁部42との間の空隙を封止する。この結果、誘導壁516と右側壁部42との隙間を蒸気が通流することが抑制される。
誘導壁516における導出口510側の端部は下方へ屈曲しており、環状壁513の底壁部内面に接触している。誘導壁516の下方へ屈曲した部分と環状壁513との間には、溜水部517が形成されている。誘導壁516における導出口510と反対側の端部には、上向きに突出した凸部518が設けてある。誘導壁516の上面に溜る水は、凸部518を乗り越えて移動することが困難であるため、溜水部517へ流下し易い。
誘導壁516と環状壁513の間における縦断面積(蒸気の通流方向に直交する断面の面積)は、導出口510の開口面積よりも広い。そのため導出口510からバッファ室52に導出された蒸気の圧力は低下し、溜水部517にて突沸が発生し難くなる。
バッファ室52における誘導壁516よりも下側の空間は、内箱402の右側壁部42の吹出口421,421,…に臨んでいる。図18及び図19には、吹出口421,421,…の配置位置が想像線で示されている。誘導壁516と環状壁513との間における縦断面積は、複数の吹出口421,421,…の総開口面積よりも広くなっている。
板部51の上部には、夫々上側に突出している2個の取付片55,55が前後方向に離隔して一体に設けられている。各取付片55には嵌入孔551が開設してある。
板部51の下部には、夫々下側に突出している2個の取付片56,56が前後方向に離隔して一体に設けられている。各取付片56には嵌入孔561が開設してある。前側の取付片56の前後方向の配置位置は、吹出口421,421,…の前後方向の配置位置よりも前側であり、後ろ側の取付片56の前後方向の配置位置は、吹出口421,421,…の前後方向の配置位置よりも後ろ側である。
蓋体6は、前後方向に長い矩形状をなす板部61を備えている。板部61の周縁部は、図示しない複数の雄螺子によって、水加熱体5の板部51の周縁部に、着脱可能に取り付けられている。
板部61には、右側(水加熱体5から離れる方向)に突出した外向凸部611が設けてある。外向凸部611の内側は、前後方向に長い第3凹所612となっている。
板部61の後部には、延出部613が一体に設けてある。延出部613は、先細状に上方へ延出しており、板部51の延出部514に対面配置されている。
延出部613の周縁部を除く中央部には、内向凸部614が形成されている。内向凸部614は、外面が円形の凹所となり、先端が延出部514の右面に対向配置されている。内向凸部614の中央部には給水口615が開設してある。給水口615は、導出口510から後方へ離隔した位置であって、上下方向において導出口510と略同じ位置に配されている。
給水口615には給水管453が接続されている。給水口615を通して供給された水は、まず、蒸発室54に流入する。
給水口615を通して給水された場合、熱源461が発生させた熱によって、蒸発室54で蒸気が発生する。第3凹所612の下面、換言すると蒸発室54の下面は、導出口510側が高く、給水口615側が低くなるように傾斜している。このため、供給された水が蒸発室54の下面に流下しても、導出口510から離隔した側で蒸発する。
蒸発室54にて発生した蒸気は、導出口510を通してバッファ室52に導出される。
バッファ室52に導出された蒸気は、誘導壁516に沿って吹出口421,421,…へ誘導される。このとき、導出口510から吹出口421,421,…に直線的に蒸気が移動することはない。このため、蒸気発生用ヒータ46が発生させた熱が、バッファ室52の蒸気に充分に伝導する。
誘導壁516と環状壁513との間における縦断面積は、複数の吹出口421,421,…の総開口面積よりも広くなっているため、蒸気の流速は、吹出口421,421,…付近において上昇する。従って、蒸気はバッファ室52を円滑に流動する。故に、バッファ室52の圧力上昇が抑制される。
以上のような蒸気発生器Aを内箱402の右側壁部42に取り付ける場合、蒸気発生器Aの取付片55,55の各嵌入孔551にボルト552が嵌め入れられる。更に、ボルト552の両端部に、右側壁部42と取付片55とを挟持するようにしてナット553,553が螺合される。また、蒸気発生器Aの取付片56,56の各嵌入孔561にボルト562が嵌め入れられる。更に、ボルト562の両端部に、右側壁部42と取付片56とを挟持するようにしてナット563,563が螺合される。
図21は、従来の加熱調理器が備える蒸気発生器Bの構成を模式的に示す正面図である。図21は、図18に対応する。
図22は、図21におけるβ−β線の断面図である。図22は、図20に対応する。
蒸気発生器A,Bの差異は、蒸気発生器Aは取付片56,56を備えているが、蒸気発生器Bはこれらを備えていないこと、及び、蒸気発生器Bは次に説明する放熱部519,519,…を備えているが、蒸気発生器Aはこれらを備えていないことである。
放熱部519,519,…は、夫々板部51の左面から突出している筒状になしてあり、内部に雌ネジが形成されている。各放熱部519は、板部51に一体に設けられている放熱部519,519,…は、バッファ室52における誘導壁516の左右両側と、誘導壁516と環状壁513の底壁部との間に配されている。
以上のような蒸気発生器Bを内箱402の右側壁部42に取り付ける場合、蒸気発生器Aの取付片55,55の各嵌入孔551にボルト552が嵌め入れられる。更に、ボルト552の両端部に、右側壁部42と取付片55とを挟持するようにしてナット553,553が螺合される。また、蒸気発生器Aの取付片56,56の各嵌入孔561にボルト562が嵌め入れられる。更に、ボルト562の両端部に、右側壁部42と取付片56とを挟持するようにしてナット563,563が螺合される。
また、右側壁部42に設けられている図示しない貫通孔を通して、各放熱部519が加熱室403側から右側壁部42にネジ留めされる。
ところで、蒸気発生器Bが備える放熱部519,519,…には、放熱部519,519,…が存在する分だけ水加熱体5における蒸気の接触面積が増加するため、蒸気への熱伝導が効率よく行なわれる、という利点がある。
しかしながら、放熱部519,519,…には、蒸気の接触面積が増加する分だけ蒸気に対する摩擦抵抗が大きくなるため、蒸気の流速が低下する、という欠点もある。
バッファ室52にて蒸気の流速が低下すると、吹出口421,421,…を通して蒸気を効率よく吹き出させることができない。
また、バッファ室52にて蒸気の流速が低下すると、バッファ室52の圧力が上昇する。蒸気発生器Bと内箱402の右側壁部42との間の空隙は、環状壁513の先端部に保持されている封止部材531と誘導壁516の先端部に保持されている封止部材533とが封止しているが、バッファ室52の圧力が過剰に上昇すれば、内箱402の右側壁部42が撓んで、封止部材531,533と内箱402の右側壁部42との間に空隙が生じる。すると、バッファ室52から外部への無用な蒸気漏れ、又は、導出口510から吹出口421,421,…への直線的な蒸気移動が生じてしまう。
更に、放熱部519,519,…には、蒸気発生器Bに供給された水から析出したスケールの付着面積が増加する、という欠点もある。このため、蒸気の流れと共にスケールが吹出口421,421,…を通って加熱室403に飛散する可能性が高まってしまう。
ここで、蒸気発生器Bが放熱部519,519,…を備えていない場合を考える。この場合、放熱部519,519,…に起因する種々の問題は生じない。
ところが、放熱部519,519,…には、放熱部519,519,…の雌ネジを利用したネジ留めによって蒸気発生器Bの下部を内箱402の右側壁部42に固定的に取り付ける役割もある。従って、放熱部519,519,…が存在しない蒸気発生器Bは、取付片55,55の嵌入孔551,551を利用したボルト留めによって蒸気発生器Bの上部が内箱402の右側壁部42に取り付けられているだけである。故に、何らかの理由でバッファ室52の圧力が上昇すれば、蒸気発生器Bの下部が内箱402の右側壁部42から浮き上がり、封止部材531,533と内箱402の右側壁部42との間に空隙が生じる。すると、バッファ室52から外部への無用な蒸気漏れ、又は、導出口510から吹出口421,421,…への直線的な蒸気移動が容易に生じてしまう。
一方、蒸気発生器Aは放熱部519,519,…を備えていない。このため、放熱部519,519,…に起因する種々の問題は生じない。
しかも、蒸気発生器Aの場合、取付片55,55の嵌入孔551,551を利用したボルト留めによって蒸気発生器Aの上部が内箱402の右側壁部42に取り付けられている上に、取付片56,56の嵌入孔561,561を利用したボルト留めによって蒸気発生器Aの下部が内箱402の右側壁部42に取り付けられている。このため、何らかの理由でバッファ室52の圧力が上昇したとしても、蒸気発生器Aの下部が内箱402の右側壁部42から浮き上がることが抑制される。この結果、バッファ室52から外部への無用な蒸気漏れ、及び、導出口510から吹出口421,421,…への直線的な蒸気移動が抑制される。
更に、蒸気発生器Aの場合は、単純に蒸気発生器Aの上部及び下部を内箱402の右側壁部42に取り付けてあるだけではない。取付片55,55,56,56は、何れも、バッファ室52の外部であって、バッファ室52における蒸気の流速が最も高い高速空間以外の空間に対応する部分に配置されている。本実施の形態の場合、高速空間は、吹出口421,421,…が左右方向に並設されている範囲の空間である。このため、右側壁部42の撓み及び蒸気発生器Aの浮き上がりを効率よく抑制することができる。
何故ならば、高速空間は、高速空間よりも流速が低い空間に比べて圧力が低いからである。仮に、蒸気発生器Aにおける高速空間に対応する部分を内箱402の右側壁部42に取り付けたとしても、右側壁部42の撓み及び蒸気発生器Aの浮き上がりを効率よく抑制することができない。
なお、蒸気発生器Aは、本実施の構成に限定されるものではない。蒸気発生器Aは、蒸気発生器Aを箱402の右側壁部42に取り付けるための複数個の取付部が、バッファ室52及び蒸発室54等の蒸気が通流する通流空間の外部にて離隔配置されており、且つ、夫々が通流空間における高速空間以外の空間に対応する部分に配置されていればよい。
更に好適には、複数個の取付部の内、少なくとも1個が、バッファ室52における蒸気の流速が最も低い低速空間に対応する部分に配置されていればよい。低速空間としては、蒸気の流れる方向が変化する部分(例えば環状壁513のコーナー部分近傍)、又は蒸気が流入し難い部分(例えば溜水部517の近傍)等が考えられる。
実施の形態 7.
図23及び図24は、実施の形態7に係る加熱調理器7の内部構成を模式的に示す正面図である。図23は、各後述する回転容器8を用いて食品F3を加熱調理する場合を示し、図24は、後述する調理補助具712を用いて食品F4を加熱調理する場合を示している。
図25及び図26は、加熱調理器7が備える回転容器8の構造を模式的に示す斜視図及び断面図である。
本実施の形態における加熱調理器7は、少なくともスチーム式のオーブン機能を有する。なお、加熱調理器7は、多機能型でも単機能型でもよい。以下では、加熱調理器7のスチーム式のオーブン機能について説明する。
加熱調理器7は筐体70を備えている。筐体70は、加熱調理器7の外壁を構成している外箱701と、外箱701に収容されている内箱702とを有する。内箱702の内部の少なくとも一部は加熱室703として機能する。
内箱702において、加熱室703の壁部を構成している天壁部704には、1又は複数の開口からなる第1噴出口721が開設してある。また、内箱702において、加熱室703の壁部を構成している左側壁部705の上下方向中央部には、1又は複数の開口からなる第2噴出口722が開設してある。更に、内箱702において、加熱室703の壁部を構成している右側壁部706の上部には、1又は複数の開口からなる吸込口723が開設してある。
加熱室703の左側壁部705及び右側壁部706夫々の上下前後方向中央部には貫通孔が設けられており、この貫通孔に軸受707が1個ずつ配されている。左側壁部705の軸受707と右側壁部706の軸受707とは、上下前後方向同一位置に配されている。
内箱702の外側には、天壁部704及び左右両側壁部に沿う循環ダクト72が設けられている。循環ダクト72の上流側端部は吸込口723に接続されており、下流側端部は第2噴出口722に接続されている。循環ダクト72の通気方向中央部は第1噴出口721に接続されている。循環ダクト72の壁部において、左側壁部705及び右側壁部706に対面配置されている部分には、軸受707,707に対向配置された軸受727,727が取り付けられている。
外箱701の内部であり、内箱702及び循環ダクト72の外部である空間を、以下では内部空間708という。
循環ダクト72の内部には、循環ヒータ724及び循環ファン725が配されている。
循環ヒータ724は、内箱702の天壁部704における第1噴出口721の開設部分に対向配置されている。
循環ファン725は、内箱702の右側壁部706における吸込口723の開設部分に対向配置されている。循環ファン725は、循環ダクト72の壁部を貫通して、内部空間708に配されているファンモータ726に連結されている。
内部空間708には、加熱室703に供給すべき蒸気を発生させる蒸気発生器731と、加熱室703に給水すべき水を貯留する着脱可能な給水タンク732とが配されている。給水タンク732に貯留されている水は、図示しない給水ポンプによって、蒸気発生器731に供給される。蒸気発生器731は、供給された水を図示しない蒸気発生用ヒータによって加熱する。このとき生じた蒸気は、加熱室703に供給される。
加熱調理器7は、開閉部74を備えている。開閉部74は、第2噴出口722を開閉可能に閉鎖する。開閉部74が閉じられている場合、加熱室703と循環ダクト72との間の第2噴出口722を通した通気が遮断される。開閉部74が開けられている場合、開閉部74は、加熱室703と循環ダクト72との間の第2噴出口722を通した通気を案内する。
このような開閉部74は、例えば、ヒンジ蓋状になしてあり、ヒンジ蓋の開閉軸は、内箱702の左側壁部705における第2噴出口722よりも下方に配されている。開閉部74が閉じられている場合、ヒンジ蓋の蓋本体が、第2噴出口722を閉鎖する。開閉部74が開けられている場合、ヒンジ蓋の蓋本体は、循環ダクト72の内部で傾斜姿勢に配されることによって、循環ダクト72を通流する空気を第2噴出口722へ円滑に案内する。
加熱室703にはトレイ711が収容されている。加熱調理器7には、加熱室703におけるトレイ711の上方に回転容器8が着脱可能に収容される場合(図23参照)と、トレイ711上に調理補助具712が着脱可能に載置される場合(図24参照)とがある。食品F3は回転容器8に収容される。食品F4は調理補助具712上に載置される。
回転容器8は、容器本体81及び回転軸82,82を有する。容器本体81は、複数個の貫通孔が形成された円筒状の周面部811と、円筒の両端開口を閉塞する端面部812,812とを有する。各端面部812の中心部から外側に向けて、回転軸82が突設してある。
周面部811には開口814が設けてあり、この開口814は、蓋813によって開閉可能に閉鎖される。蓋813は、例えばヒンジ蓋状になしてある。蓋813には複数個の貫通孔が形成されている。蓋813は、周面部811の開口814を閉鎖している場合には、周面部811の一部として機能する。蓋813が開放されている場合、周面部811の開口814を通して、容器本体81に対する食品F3の出し入れが可能になる。
本実施の形態の回転容器8は金属製であり、周面部811は、直径3mm程度の貫通孔が形成されているパンチングメタルを用いてなるが、これに限定されるものではない。例えば回転容器8は非金属を用いてなる構成でもよい。また、周面部811は、開口率が高く、且つ、容器本体81に収容された食品F3が脱落しないものであれば、本実施の形態の構成に限定されず、網状又は籠状等をなしていてもよい。更に、回転容器8の形状は、回転容器8が回転可能となり、また、回転容器8の回転によって容器本体81に収容されている食品F3が容易に攪拌されるものであればよい。
加熱調理器7は、回転支持軸831,831、駆動歯車832、従動歯車833、及び回転モータ834を備えている。
回転モータ834は内部空間708に配されているが、回転モータ834の出力軸は循環ダクト72の内部まで延設されている。
回転支持軸831,831は左右方向に沿う横姿勢で配されている。各回転支持軸831の軸長方向中央部は軸受707によって回転可能に支持されている。左側(又は右側)の回転支持軸831の左端部(又は右端部)は軸受727によって回転可能に支持されている。
駆動歯車832及び従動歯車833は循環ダクト72の内部に配されている。右側の回転支持部831には従動歯車833が設けられている。従動歯車833には駆動歯車832が噛合している。駆動歯車832は回転モータ834の出力軸に連結されている。
左側の回転支持軸831は、右端部に回転軸取付部835が設けてあり、右側の回転支持軸831は、左端部に回転軸取付部835が設けてある。各回転支持軸831の回転軸取付部835は、加熱室703に突出している。各回転支持軸831の回転軸取付部835には、回転容器8の回転軸82,82が着脱可能に取り付けられる。
回転支持軸831,831に回転軸82,82が取り付けられると、容器本体81は軸長方向が左右方向に沿う横姿勢で加熱室703の上下前後方向中央部に回転可能に配される。更に、容器本体81の周面部811の上部が、第1噴出口721に対向配置される。
回転モータ834が作動すると、駆動歯車832、従動歯車833、及び右側の回転支持軸831を介し、回転モータ834が出力する回転運動が右側の回転軸82に伝達される。この結果、回転容器8が回転する。回転容器8の回転に伴い、容器本体81に収容されている食品F3が攪拌される。
加熱室703に回転容器8が収容されている場合、開閉部74は閉じられる。一方、加熱室703に回転容器8が収容されていない場合、開閉部74は開かれる。開閉部74の開/閉は、回転支持軸831,831に対する回転軸82,82の取り付け/取り外しに連動していてもよい。また、開閉部74の開閉は、図示しない操作部を使用者が操作した場合に自動的に、又は手動で切り替えられる構成でもよい。
ファンモータ726の作動によって循環ファン725が回転すると、加熱室703から吸込口723を通して循環ダクト72の内部へ空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は循環ダクト72の内部を通流し、循環ヒータ724によって加熱されてから、第1噴出口721及び第2噴出口722の一方を通して加熱室703へ噴出する。循環ヒータ724による空気の加熱は、加熱室703の温度を検出する図示しない温度センサの検出結果に基づいて制御される。以上の結果、空気に含まれている蒸気が所定の温度に維持されながら循環する。
ところで、食品F3はコーヒー豆、焼飯、又は焼そば等である。
さて、食品F3の加熱調理に際して食品F3を攪拌することが望まれる場合がある。それは、例えば、コーヒー豆を焙煎したり、焼飯又は焼そばを炒めたりする場合である。しかしながら、スチーム式のオーブン機能を有する従来の加熱調理器は、食品F3を攪拌する機能を備えていない。
一方、加熱調理器7は、回転容器8を回転させると共に、所定の温度の蒸気を循環させる。このとき、第2噴出口722は閉鎖されるため、第1噴出口721から噴出する蒸気の流速が高まる。しかも、回転容器8の周面部811は、容器本体81に収容されている食品F3が、容器本体81から脱落しない程度に開口率が高い。従って、周面部811に形成されている貫通孔を通して、容器本体81に対して効率よく蒸気が出入りする。この結果、食品F3を攪拌しながら均一に加熱調理することができる。
特に、食品F3がコーヒー豆である場合、蒸気を用いたコーヒー豆の加熱調理によって、コーヒー豆を焙煎することができる。このとき、コーヒー豆の攪拌は、コーヒー豆の均一な焙煎という効果を奏する上に、コーヒー豆同士の衝突によってコーヒー豆の殻が割れて砕け、周面部811に形成されている貫通孔を通してトレイ711に落下するという効果をも奏する。
また、スチーム式のオーブン機能による加熱調理では、他の方式の加熱調理の場合と比べて低酸素状態で食品F3が加熱調理される。従って、食品F3の酸化を抑制することができる。仮に、食品F3が酸化した場合、食品F3の味又は品質等が劣化する虞がある。
ところで、回転容器8を用いた加熱調理を行なわない場合、加熱調理器7は、トレイ711上に調理補助具712を載置し、調理補助具712に食品F4を載置する。このとき、第2噴出口722は開放されるため、第1噴出口721及び第2噴出口722から噴出される蒸気、即ち、食品F4の上方及び左側方から食品F3に向けて噴出される蒸気によって、食品F4を効率よく加熱調理することができる。
実施の形態 8.
図27は、実施の形態8に係る加熱調理器7の内部構成を模式的に示す正面図である。図28は、加熱調理器7が備える回転容器の構造を模式的に示す断面図である。図27及び図28は、実施の形態7の図23及び図26に対応する。
本実施の形態の加熱調理器7は、実施の形態7の加熱調理器7と略同様の構成である。以下では、実施の形態7との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態の回転容器8は、実施の形態7の回転軸82,82に替えて、回転軸84を有する。
回転軸84は、円柱状になしてある。回転軸84は、容器本体81の端面部812,812夫々の中心部を貫通している。回転軸84の左端部841及び右端部842は、端面部812,812から外側へ突出している。左端部841は、後述する回転支持軸836の回転軸取付部837に着脱可能に取り付けられる。右端部842は、回転支持軸831の回転軸取付部835に着脱可能に取り付けられる。回転軸84の左右方向の中央部843は、容器本体81の内部において一方の端面部812から他方の端面部812に亘って配されている。中央部843の周面には複数個の貫通孔が設けてある。
また、加熱調理器7は、実施の形態7の左側の回転支持軸831に替えて、回転支持軸836を備えている。回転支持軸836の右端部には円筒状の回転軸取付部837が設けられている。
回転支持軸836は有底円筒状をなしており、回転軸取付部837は、有底円筒の開口側に配されている。回転支持軸836の周面には複数個の貫通孔が設けてある。回転軸取付部837に回転軸84の左端部841が取り付けられた場合、回転軸取付部837を介して回転支持軸836の内部と回転軸84の内部とが連通する。
加熱調理器7は、回転容器8を回転させると共に、所定の温度の蒸気を循環させる。このとき、第2噴出口722は閉鎖されるため、左側の回転支持軸836に設けられている貫通孔を通して回転支持軸836の内部に蒸気が流入し、ここから回転軸取付部837を通して回転軸84の内部に蒸気が流入し、回転軸84に設けられている貫通孔を通して回転容器8の容器本体81の内部に蒸気が噴出する。また、容器本体81の周面部811に形成されている貫通孔を通して、容器本体81に対して効率よく蒸気が出入りする。この結果、食品F3を攪拌しながら均一に加熱調理することができる。
以上のような加熱調理器7は、実施の形態7の加熱調理器7よりも直接的に、回転容器8に収容されている食品F3に蒸気を吹き付けることができる。ただし、容器本体81の内部に回転軸84の中央部843が配されている分、構造が複雑であるため、容器本体81の内部の清掃が困難である。
最後に、本発明の実施の形態についてまとめる。
本発明に係る加熱調理器1は、食品Fを収容する加熱室12と、該加熱室12に収容されている食品Fへ電波を照射するための回転アンテナ14と、該回転アンテナ14を収容しており、前記加熱室12とは区画されて該加熱室12に隣接するアンテナ室13と、前記食品Fの状態を検出する状態検出部2とを備え、該状態検出部2の検出結果に応じて、前記食品Fを加熱調理する加熱調理器1において、前記状態検出部2は、前記加熱室12の外部に配され、少なくとも一方は前記アンテナ室13の内部に配されている2個の電極部と、該2個の電極部の間の静電容量を検出する静電容量検出部21とを有することを特徴とする。
本発明に係る加熱調理器1は、前記内箱11は導電性を有し、前記内箱11が他方の電極部を構成しており、前記回転アンテナ14は前記一方の電極部を構成していることを特徴とする。
本発明に係る加熱調理器1は、前記静電容量検出部21は前記アンテナ室13の外部に配されており、前記アンテナ室13の壁部には貫通孔131が設けてあり、前記アンテナ室13の内部に配されている電極部と前記静電容量検出部21とを断続すべく、一側が前記貫通孔131を通して前記アンテナ室13の内部に対し進退可能にしてあり、前記アンテナ室13の内部にて前記電極部に電気的に接続され、他側が前記静電容量検出部21に電気的に接続されている導体22を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る加熱調理器1は、前記電波を断続的に照射するようにしてあり、前記状態検出部2は、前記電波が照射されていない場合に前記静電容量検出部21による静電容量の検出を行なうようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、加熱調理器は、いわゆるフラットテーブル型の加熱調理器である。フラットテーブル型の加熱調理器は、ターンテーブルを備えていないため、回転アンテナを回転させることによって、加熱室に収容されている被加熱物へ、均一に電波を照射する。回転アンテナは、加熱室に隣接するアンテナ室に収容されている。
状態検出部が有する2個の電極部は、何れも加熱室の外部に配されている。このため、加熱室が無用に狭まることはない。
状態検出部が有する2個の電極部の内、少なくとも一方の電極部は、アンテナ室の内部に配されている。アンテナ室は加熱室とは区画されているため、この電極部(即ち内部電極部)が絶縁体で被覆されていないことによる不都合(例えば食品衛生上の問題、内部電極の汚損、及び短絡の発生等)は生じない。故に、内部電極部は絶縁体で被覆されている必要はない。
アンテナ室と加熱室とは隣接しているため、内部電極部と被加熱物との離隔距離が無用に長くなることはない。従って、静電容量の検出精度が向上する。特に、アンテナ室と加熱室とを区画する壁部がフラットテーブルを構成している場合には、フラットテーブルに被加熱物が載置されるため、内部電極部と被加熱物との離隔距離が最小限に抑えられる。
本発明にあっては、回転アンテナが一方の電極部を構成している。回転アンテナは導電性を有するため、これを一方の電極部として利用することができる。
また、加熱室の壁部が他方の電極部を構成している。一般的に、加熱室の壁部は導電性を有するため、これを他方の電極部として利用することができる。
以上の結果、加熱調理器の部品点数が無用に増加することを抑制することができる。
通常、回転アンテナ及び加熱室の壁部と被加熱物とは非接触に保たれる。
回転アンテナは加熱室に隣接するアンテナ室の内部に配されているため、被加熱物との離隔距離が無用に長くなることはない。また、加熱室の壁部は被加熱物との離隔距離が無用に長くなることはない。従って、静電容量の検出精度が向上する。
本発明にあっては、加熱室に収容されている被加熱物に対して電波が照射されている場合、アンテナ室の内部を電波が通過する。静電容量検出部はアンテナ室の外部に配されているため、アンテナ室の内部を通過する電波によって静電容量検出部が誤作動又は故障等を引き起こすことが抑制される。
アンテナ室の壁部には貫通孔が設けてある。とはいえ、貫通孔の内径を適宜に短く設定すれば、この貫通孔を通してアンテナ室の内部から加熱室以外の外部へ電波が無用に漏出することが抑制される。
アンテナ室壁部の貫通孔を通して導体がアンテナ室の内部へ進入し、内部電極部に電気的に接続された場合、導体を介して内部電極部と静電容量検出部とが電気的に接続される。このとき、静電容量検出部による静電容量の検出を行なうことができる。
一方、アンテナ室壁部の貫通孔を通して導体がアンテナ室の外部へ退出した場合、導体を介した内部電極部と静電容量検出部との電気的な接続が切断される。このとき、静電容量検出部による静電容量の検出を行なうことはできない。ただし、内部電極と静電容量検出部とを電気的に接続する導体を介してアンテナ室及び加熱室の外部へ電波が無用に漏出することが抑制される。
つまり、静電容量検出部による静電容量の検出の要否に応じて、内部電極部と静電容量検出部とを適宜に断続することができる。
仮に、アンテナ室及び加熱室の外部へ電波が漏出すれば、加熱調理器、又は加熱調理器の周辺の電気機器等の誤作動又は故障等を引き起こしかねない。
本発明にあっては、状態検出部は、加熱室に収容されている被加熱物に対して電波が照射されていない場合に、静電容量検出部による静電容量の検出を行なう。仮に、被加熱物への電波の照射中に静電容量を検出しようとすると、電波の干渉によって静電容量の検出精度が悪化する。
例えば冷凍食品を解凍する場合には、冷凍食品への電波の照射は断続的に行なわれる。つまり、被加熱物の加熱調理中に、電波が照射されている時間帯と電波が照射されていない時間帯とが交互に繰り返される。従って、電波が照射されていない時間帯を有効利用すれば、静電容量検出部による静電容量の検出を効率よく行なうことができる。
また、電子レンジ機能のみならずオーブン機能又はグリル機能等をも有する多機能型の加熱調理器であれば、オーブン機能又はグリル機能等による加熱調理の実行中には、任意のタイミングで静電容量検出部による静電容量の検出を行なうことができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、加熱調理器1に、実施の形態1〜8に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。
1 加熱調理器
112 内箱(加熱室の壁部,電極部)
12 加熱室
13 アンテナ室
131 貫通孔
14 回転アンテナ(電極部)
2 状態検出部
21 静電容量検出部
22 導体
F 食品(被加熱物)

Claims (4)

  1. 被加熱物を収容する加熱室と、
    該加熱室に収容されている被加熱物へ電波を照射するための回転アンテナと、
    該回転アンテナを収容しており、前記加熱室とは区画されて該加熱室に隣接するアンテナ室と、
    前記被加熱物の状態を検出する状態検出部と
    を備え、
    該状態検出部の検出結果に応じて、前記被加熱物を加熱調理する加熱調理器において、
    前記加熱室の壁部は導電性を有し、
    前記状態検出部は、
    前記加熱室の外部に配され、一方は前記アンテナ室の内部に配され、他方は前記壁部によって構成されている2個の電極部と、
    該2個の電極部の間の静電容量を検出する静電容量検出部と
    を有することを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記回転アンテナは前記一方の電極部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記静電容量検出部は前記アンテナ室の外部に配されており、
    前記アンテナ室の壁部には貫通孔が設けてあり、
    前記アンテナ室の内部に配されている電極部と前記静電容量検出部とを断続すべく、一側が前記貫通孔を通して前記アンテナ室の内部に対し進退可能にしてあり、前記アンテナ室の内部にて前記電極部に電気的に接続され、他側が前記静電容量検出部に電気的に接続されている導体を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  4. 前記電波を断続的に照射するようにしてあり、
    前記状態検出部は、前記電波が照射されていない場合に前記静電容量検出部による静電容量の検出を行なうようにしてあることを特徴とする請求項1から3の何れかひとつに記載の加熱調理器。
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