JP5680985B2 - プラズマ処理方法、及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法、及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、絶縁性の基板を静電的に吸着しつつプラズマ処理を行う方法、及び該方法を用いるプラズマ処理装置に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載のように、半導体基板を基板ステージの静電チャックに吸着した状態で、該基板に対する成膜処理を行う方法が知られている。こうした成膜処理等のプラズマ処理では、半導体基板を静電的に吸着しつつ基板に対する処理を行うことで、処理中の基板の位置を保持したり、基板ステージを介して基板の温度を調節したりする。また、近年では、例えば特許文献2に記載のように、絶縁性基板を上述のような静電チャックを用いて吸着しつつ、各種プラズマ処理を行う方法も採られている。
静電チャックに吸着された基板に対して冷却処理とプラズマ処理とを施す際には、半導体基板であれ、絶縁性基板であれ、まず、プラズマ処理を行う前に、該プラズマ処理に寄与しないような希ガスのプラズマを基板上に生成した状態で、基板を静電的に吸着する。その後、基板の裏面側に該基板を冷却するための冷却用ガスを供給するとともに、上記希ガスとプロセスガスとを置換するようにしている。これにより、基板ステージに基板を保持しつつ、該基板に対して冷却処理とプラズマ処理とを施すことが可能になる。
特開2001−152335号公報 特開2009−194194号公報
ところで、上記プラズマ処理の実施中には、電子やイオン等の電荷を帯びた粒子が基板の表面に衝突し続けるため、こうした電荷が基板に蓄積されるようになる。この際、基板に蓄積された電荷の一部は、基板とプラズマとを介した閉回路が形成されることによって、基板の外側へと取り除かれる。しかしながら、こうした基板が絶縁性を有した基板となれば、上記半導体基板と比較して、上記閉回路が形成され難く、それゆえに、上述した電荷の殆どが基板に蓄積され続けることとなる。その結果、プラズマ処理の進行に伴い、静電チャックにおけるチャック電極と絶縁性基板との間の電位差が小さくなる。そして、冷却ガスの圧力に対して該絶縁性基板を吸着する力が小さくなる結果、静電チャックと絶縁性基板との間から冷却ガスの殆どがリークして基板に対する冷却機能が失われることとなる。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁性基板を静電的に吸着する静電チャックと基板との間に供給される冷却ガスのリークを抑えることができるプラズマ処理方法、及びプラズマ処理装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、真空槽内の絶縁性基板を静電チャックに対して静電吸着し、且つ、前記絶縁性基板の裏面側に該絶縁性基板を冷却するガスを供給しつつ、前記真空槽内にプラズマを生成して前記絶縁性基板を該プラズマによって処理するプラズマ処理方法であって、前記静電チャックに第1直流電圧を印加した状態で前記プラズマによる処理を開始してから前記ガスの流量が単調増加を始めるまでの時間である第1時間を計時して、前記第1時間未満の時間を第1オン時間に予め設定し、前記第1オン時間を経過した後に前記静電チャックに印加する直流電圧を前記第1直流電圧から第2直流電圧に変更してから、前記ガスの流量が再度単調増加を始めるまでの時間である第2時間を計時して、前記第2時間未満の時間を第2オン時間に予め設定し、前記絶縁性基板に対する前記プラズマによる処理を実施しているときに、前記静電チャックに印加する前記直流電圧の増加と減少とを少なくとも一回ずつ行い、前記静電チャックに前記第1直流電圧を印加する時間を前記第1オン時間に設定し、且つ、前記静電チャックに前記第2直流電圧を印加する時間を前記第2オン時間に設定することを要旨とする。
上記方法では、絶縁性基板に対するプラズマ処理の実施中に、絶縁性基板を吸着する静電チャックに対して印加する直流電圧における増加と減少とを少なくとも一回ずつ行うようにしている。つまり、静電チャックに印加する電圧を変更することによって、絶縁性基板と静電チャックとの間の電位差を変更するようにしている。そのため、プラズマ処理の実施に伴い絶縁性基板が帯電することで、絶縁性基板と静電チャックとの間の電位差が電圧印加の開始時よりも小さくなったとしても、上記電位差の変更により、こうした電位差の縮小を緩和することができる。これにより、絶縁性基板の裏面に供給される冷却ガスの圧力に対して、静電チャックによって絶縁性基板を吸着する力が小さくなりにくくなることから、プラズマ処理の実施期間中にわたり絶縁性基板が静電的に吸着されやすくなる。それゆえに、絶縁性基板を静電的に吸着する静電チャックと基板との間に供給される冷却ガスのリークを抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプラズマ処理方法において、前記静電チャックに印加する前記直流電圧の増加と減少とを行うときには、前記増加の直前の前記静電チャックの極性と前記増加の直後の前記静電チャックの極性とを変えるとともに、前記減少の直前の前記静電チャックの極性と前記減少の直後の前記静電チャックの極性とを変えることを要旨とする。
上記方法では、直流電圧を増加させるとき及び減少させるときのいずれにおいても、変更直前の静電チャックの極性と変更直後の静電チャックの極性とを変えるようにしている。そのため、電圧値の変更によって電圧値の変更前における絶縁性基板と静電チャックとの間の電位差よりも、電圧値の変更後における絶縁性基板と静電チャックとの間の電位差を大きくしやすくなる。それゆえに、プラズマ処理中において絶縁性基板が静電的に吸着されやすくなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法において、前記プラズマの状態を保ちつつ、前記静電チャックに印加する前記直流電圧の前記増加と前記減少とを一定の周期で交互に繰り返すことを要旨とする。
上記方法では、基板の表面に接触するプラズマの状態が保たれるため、該プラズマによる処理の期間では、基板に衝突する電荷の量も概ね保たれることになる。そして、所定の量の電荷が定常的に衝突する基板に対して、静電チャックでは直流電圧の増加と減少とが一定の周期で交互に繰り返されることとなる。そのため、略一定量だけ基板に蓄積された電荷を周期的、且つ略一定量だけと取り除くことができることから、基板に対するプラズマ処理期間にわたって基板に蓄積されている電荷のばらつきが小さくなる。それゆえに、絶縁性基板に対する静電チャックによる吸着の安定性が高められるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法において、前記絶縁性基板の裏面と前記静電チャックとの間における冷却ガスのリーク量を監視し、前記リーク量が増大したときに、前記直流電圧の増加又は減少を行うことを要旨とする。
絶縁性基板の裏面側に供給される冷却ガスの圧力が、静電チャックの絶縁性基板を吸着する力よりも大きくなると、絶縁性基板の裏面と静電チャックとの間の隙間が大きくなる。そのため、絶縁性基板の裏面と静電チャックとの間からリークする冷却ガスの流量が増大することになる。
上記請求項4に記載の発明によれば、冷却ガスのリーク量を監視するとともに、該リー
ク量が増大したときに、静電チャックに印加する直流電圧を変更するようにしている。これにより、静電チャックと絶縁性基板との間での電位差の縮小に対して上記直流電圧の変更が伴うことになることから、上記冷却ガスのリークが継続する時間を短くすることで、該冷却ガスのリークを抑えることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、絶縁性基板を収容する真空槽と、前記真空槽内に配置された基板ステージと、前記基板ステージ上に配置された静電チャックと、前記絶縁性基板の裏面側に該絶縁性基板を冷却するガスを供給する冷却ガス供給部と、前記真空槽内にプラズマを生成するプラズマ生成部とを備えるプラズマ処理装置であって、前記静電チャックに印加する直流電圧を制御する電圧変更部と、前記静電チャックに第1直流電圧を印加した状態で前記プラズマによる処理を開始してから前記ガスの流量が単調増加を始めるまでの時間として計時された時間が第1時間であり、前記第1時間未満の時間を第1オン時間に予め設定して記憶し、前記第1オン時間を経過した後に前記静電チャックに印加する直流電圧を前記第1直流電圧から第2直流電圧に変更してから、前記ガスの流量が再度単調増加を始めるまでの時間として計時された時間が第2時間であり、前記第2時間未満の時間を第2オン時間に予め設定して記憶する制御部であって、前記第1オン時間と前記第2オン時間とを用いて前記電圧変更部の駆動を制御する前記制御部と、を備え、前記電圧変更部は、前記プラズマ生成部によって前記真空槽内に生成されたプラズマを用いて前記絶縁性基板を処理しているときに、前記直流電圧の増加と減少とを少なくとも一回ずつ行い、
前記静電チャックに前記第1直流電圧を前記第1オン時間にわたり印加し、且つ、前記静電チャックに前記第2直流電圧を前記第2オン時間にわたり印加することを要旨とする。
上記構成では、絶縁性基板に対するプラズマ処理の実施中に、絶縁性基板を吸着する静電チャックに印加する直流電圧を制御する電圧変更部が、直流電流の増加と減少とを少なくとも一回ずつ行うようにしている。つまり、電圧変更部が静電チャックに印加する電圧を変更することによって、絶縁性基板と静電チャックとの間の電位差を変更するようにしている。そのため、プラズマ処理の実施に伴い絶縁性基板が帯電することで、絶縁性基板と静電チャックとの間の電位差が電圧印加の開始時よりも小さくなったとしても、電圧変更部による電位差の変更により、こうした電位差の縮小を緩和することができる。これにより、冷却ガス供給部によって絶縁性基板の裏面に供給される冷却ガスの圧力に対して、静電チャックの絶縁性基板を吸着する力が小さくなりにくくなることから、プラズマ処理の実施期間中にわたり絶縁性基板が静電的に吸着されやすくなる。それゆえに、絶縁性基板を静電的に吸着する静電チャックと基板との間に供給される冷却ガスのリークを抑えることができるようになる。
本発明のプラズマ処理装置の一実施形態であるプラズマエッチング装置の概略構成を示す図。 同プラズマエッチング装置の制御装置とその周辺構成とを機能に基づいて示す機能ブロック図。 同プラズマエッチング装置にて行われるエッチング処理の態様を示すタイミングチャート。
以下、本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。まず、本実施形態のプラズマ処理装置としてのプラズマエッチング装置について図1を参照して説明する。
図1に示されるように、プラズマエッチング装置10には、上面の開口した箱状の真空槽11に該真空槽11の開口を封止するように、石英板12が固着されている。真空槽11内には、例えばセラミックで形成された円筒状の基板ステージ13が配設されて、該基板ステージ13には、円盤状のステージ電極14が内蔵されている。このステージ電極14には、バイアス用整合器15を介してバイアス用高周波電源16が接続されている。バイアス用高周波電源16は、例えば13.56MHzの高周波電力をステージ電極14に供給することで、基板ステージ13上に載置された絶縁性基板Sの電位を所定のバイアス電位とする。バイアス用整合器15は、バイアス用高周波電源16からステージ電極14への高周波電力の供給に際し、バイアス用高周波電源16の出力インピーダンスとその負荷の入力インピーダンスとを整合させる。
基板ステージ13上には、例えばサファイア基板等の絶縁性の基板S(以下、基板S)が載置される誘電体板17aと、該誘電体板17aに内蔵された単一のチャック電極17bとを有する単極型の静電チャック17が固着されている。チャック電極17bには、第1スイッチSW1を介して第1直流電源18aが接続されているとともに、第2スイッチSW2を介して第2直流電源18bが接続されている。第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とは、相補型のスイッチであって、また、第1直流電源18aと第2直流電源18bとは、互いに逆極性の直流電圧をチャック電極17bに印加する電源である。これら、二つのスイッチSW1,SW2、及び二つの直流電源18a,18bは、上記チャック電極17bに印加する直流電圧の極性を変えることでチャック電極17bの極性を変える電圧変更部18を構成している。
そして、電圧変更部18に含まれるいずれか一方の直流電源、例えば第1直流電源18aが、チャック電極17bに直流電圧を印加すると、チャック電極17bが負極となって、誘電体板17a上に載置された基板Sと静電チャック17との間に電位差が生じる。これにより、基板Sが静電チャック17に対して静電的に吸着される。また、他方の直流電源である第2直流電源18bが、チャック電極17bに直流電圧を印加すると、チャック電極17bが正極となって、第1直流電源18aによる直流電圧の印加時とは異なる極性になる。
静電チャック17の誘電体板17aには、基板Sの載置面に開口する複数の凹部17cが形成されている。凹部17cは、基板Sの裏面と凹部17cとによって形成される冷媒空間に基板Sを冷却するガス、例えばヘリウムガスを供給する供給管17dと接続されている。供給管17dは、静電チャック17、基板ステージ13、及び真空槽11を貫通するとともに、基板ステージ13内にて凹部17cの数だけ分岐している。供給管17dにおける真空槽11外の端部には、ヘリウムガスを供給する冷却ガス供給部19が接続されている。また、供給管17dと冷却ガス供給部19とを連結する管には、上記凹部17cに対して供給されるヘリウムガスの圧力を測定する圧力計20と、ヘリウムガスの流量を測定する流量計21とが接続されている。冷却ガス供給部19は、上記冷媒空間におけるヘリウムガスの圧力が例えば1500Paに保たれるように、上記供給管17dを介して基板Sの裏面側にヘリウムガスを供給する。
上記真空槽11に貫通形成された排気口11aには、真空槽11内の流体を排気する排気部22が接続されている。排気部22は、例えばクライオポンプ等の各種真空ポンプによって構成されて、真空槽11内を所定の圧力に減圧する。
真空槽11に貫通形成されたガス供給口11bには、基板Sのエッチング処理に用いられるガスを供給するプロセスガス供給部23が接続されている。プロセスガス供給部23は、例えばフッ化炭素系ガスやアルゴンガス等のエッチングガスを貯蔵するガスボンベが接続されるマスフローコントローラであって、エッチングガスを所定の流量で真空槽11内に供給する。加えて、ガス供給口11bには、真空槽11内を所定の圧力に調節するガスを供給する希ガス供給部24が接続されている。希ガス供給部24は、例えばアルゴンやキセノン等の希ガスを貯蔵するボンベが接続されるマスフローコントローラであって、希ガスを所定の流量で真空槽11内に供給する。真空槽11内でエッチング処理を実施しているときには、排気部22による排気流量と、プロセスガス供給部23及び希ガス供給部24からの供給流量とによって、真空槽11内が所定の圧力とされる。
上記石英板12の上方には、二回巻き回された円状の高周波アンテナ25が設置されている。高周波アンテナ25には、アンテナ用整合器26を介してアンテナ用高周波電源27が接続されている。アンテナ用高周波電源27は、例えば13.56MHzの高周波電力を高周波アンテナ25に供給することで、真空槽11内に供給されたプロセスガス及び
希ガスのプラズマを生成する。アンテナ用整合器26は、アンテナ用高周波電源27から高周波アンテナ25への高周波電力の供給に際し、アンテナ用高周波電源27の出力インピーダンスとその負荷の入力インピーダンスとを整合させる。なお、上記プロセスガス供給部23、希ガス供給部24、高周波アンテナ25、アンテナ用整合器26、及びアンテナ用高周波電源27によってプラズマ生成部が構成される。
こうしたプラズマエッチング装置10において基板Sのエッチング処理が実施されるときには、まず、排気部22によって、真空槽11内が所定の圧力にまで減圧される。そして、真空槽11に形成された図示外の搬出入口から基板Sが真空槽11内に搬入された後、基板Sは、静電チャック17上に載置される。次いで、第1直流電源18a及び第2直流電源18bのいずれかからチャック電極17bに所定の直流電圧が印加される。チャック電極17bに直流電圧が印加されると、希ガス供給部24から真空槽11内に希ガスが供給された後、高周波アンテナ25に高周波電力が供給されることで、真空槽11内に希ガスのプラズマが形成される。そして、高周波アンテナ25への電力の供給が維持された状態で、プロセスガス供給部23から真空槽11内にプロセスガスが供給されるとともに、希ガス供給部24からの供給流量が調節されることで、プロセスガスと希ガスとからプラズマが生成される。プラズマが生成された後、バイアス用高周波電源16からステージ電極14に高周波電力が供給されることで、基板Sに対する正イオンの引き込みが開始される。また、真空槽11内にプラズマが生成されると、冷却ガス供給部19から冷媒空間へのヘリウムガスの供給が開始される。こうしたプラズマの生成、基板Sの吸着、及びヘリウムガスの供給が、所定時間にわたり継続されることで、基板Sに対するエッチング処理、例えば基板Sの厚さ方向に延びる凹部の形成等が行われる。
次に、上記プラズマエッチング装置10の電気的構成について図2を参照して説明する。なお、以下では、該電気的構成が上記電圧変更部18の動作を制御することによって、チャック電極17bに印加する直流電圧を変更する方法について特に説明する。
プラズマエッチング装置10の制御部31は、プラズマエッチング装置10に各種の動作、例えば基板Sの搬送やエッチング処理等を行わせる。制御部31は、各種の演算処理を行う演算部、各種データや各種プログラムを格納する記憶部31a、及び各種処理工程の経過時間を計時するタイマ31b等を有している。制御部31は、例えば記憶部31aに格納されたエッチング処理プログラムを読み出すとともに、タイマ31bの計時時間と該エッチング処理プログラムとに基づいて基板Sに対するエッチング処理を行う。
制御部31には、起動スイッチや停止スイッチ等の各種操作スイッチや液晶ディスプレイ等の各種表示装置等から構成される入出力部32が接続されている。入出力部32は、各動作に用いられる各種のデータを制御部31に入力するとともに、プラズマエッチング装置10におけるエッチング処理状況に関するデータを出力する。例えば入出力部32は、基板Sのエッチング処理に必要となる条件をプロセス条件として制御部31に入力する。制御部31は、入出力部32からのプロセス条件を受信して該プロセス条件に応じた各種の制御信号を生成するとともに、そのプロセス条件に相当するエッチング条件の下で基板Sのエッチング処理を行う。なお、上記エッチング処理に必要な条件としては、例えばエッチング時間、ガス流量、真空槽11内の圧力、基板温度、バイアス用高周波電源16及びアンテナ用高周波電源27の出力等が挙げられる。
制御部31には、上記排気部22を駆動するための排気部駆動回路33が接続されている。制御部31は、上記エッチング処理プログラムとプロセス条件とに基づいて上記真空槽11内の圧力に対応する駆動信号を排気部駆動回路33へ出力する。排気部駆動回路33は、制御部31からの駆動信号に応答して排気部22の備える真空ポンプ等を駆動することで、真空槽11内を所定の圧力に調整する。
制御部31には、上記各ガス供給部23,24を駆動するためのガス供給部駆動回路34が接続されている。制御部31は、エッチング処理プログラムとプロセス条件とに基づいて上記真空槽11内に供給する各ガスの流量に対応する駆動信号をガス供給部駆動回路34へ出力する。ガス供給部駆動回路34は、制御部31からの駆動信号に応答して各ガス供給部23,24をそれぞれ駆動することで、所定流量のガスを真空槽11内に供給する。
制御部31には、上記各高周波電源16,27を駆動するための高周波電源駆動回路35が接続されている。制御部31は、エッチング処理プログラムとプロセス条件とに基づいてステージ電極14及び高周波アンテナ25のそれぞれに供給する高周波電力に対応する駆動信号を高周波電源駆動回路35へ出力する。高周波電源駆動回路35は、制御部31からの駆動信号に応答してバイアス用高周波電源16及びアンテナ用高周波電源27をそれぞれ駆動することで、所定の出力値で高周波を出力する。
制御部31には、上記冷却ガス供給部19を駆動するための冷却ガス供給部駆動回路36が接続されている。制御部31は、エッチング処理プログラムとプロセス条件とに基づいて上記冷媒空間に供給するヘリウムガスの圧力に対応する駆動信号を冷却ガス供給部駆動回路36へ出力する。冷却ガス供給部駆動回路36は、制御部31からの駆動信号に応答して冷却ガス供給部19を駆動することで、上記冷媒空間が所定圧力となるようにヘリウムガスの供給を行わせる。
制御部31には、上記電圧変更部18における第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を選択的に駆動するための電圧変更部駆動回路37が接続されている。制御部31は、エッチング処理プログラムとプロセス条件とに基づいて上記チャック電極17bに印加する直流電圧に対応する駆動信号を電圧変更部駆動回路37へ出力する。電圧変更部駆動回路37は、制御部31からの駆動信号に応答して電圧変更部18における第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を選択的に駆動することで、第1直流電源18a及び第2直流電源18bのいずれかからチャック電極17bに直流電圧を印加する。
上記記憶部31aには、プロセス条件の一部として、電圧変更部18における第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を選択的に駆動させるための切り替え条件が記憶されている。切り替え条件は、チャック電極17bに直流電圧を印加する第1直流電源18a及び第2直流電源18bの別、つまり、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2のうちオンとされるスイッチ、いずれかのスイッチがオンの状態で継続される時間、及びオンの状態とされるスイッチの順番によって構成されている。
例えば、本実施形態では、以下のような態様にてチャック電極17bに対する直流電圧の供給が行われるように、上記切り替え条件が構成されている。すなわち、エッチング処理の開始後、第1スイッチSW1がオンの状態とされることで、第1直流電源18aからチャック電極17bに負の直流電圧、例えば−4kVの直流電圧が印加される。そして、上記アンテナ用高周波電源27から高周波アンテナ25へ高周波電力が供給され、また、上記バイアス用高周波電源16からステージ電極14へ高周波電力が供給される。その後、第1スイッチSW1がオフの状態とされると同時に、第2スイッチSW2がオンの状態とされることで、チャック電極17bに正の直流電圧、例えば+4kVの直流電圧が印加される。
なお、バイアス用高周波電源16によるバイアス電力の供給が開始されてから、第1スイッチSW1がオフの状態とされるまでの時間を第1オン時間とするとき、該第1オン時間は例えば3秒に設定される。第2スイッチSW2がオンの状態とされると、所定時間の
後に第2スイッチSW2がオフの状態とされると同時に、第1スイッチSW1が再びオンの状態とされる。第2スイッチSW2がオンの状態とされてからオフの状態とされるまでの時間を第2オン時間とするとき、該第2オン時間は例えば3秒に設定される。
この際、上記第1オン時間は、下記の方法で予め算出された時間に設定されている。つまり、エッチング処理の対象と同一の材料で形成された基板Sに対し、上記プラズマエッチング装置10によって上記エッチング処理の実施時と同一の条件にてプラズマの生成及び静電チャック17による基板Sの吸着を行う。そして、アンテナ用高周波電源27とバイアス用高周波電源16とをオンの状態としてプラズマ処理を開始してから上記冷媒空間に供給されるヘリウムガスの流量が単調増加を始めるまでの時間、つまりヘリウムガスのリーク量が増大し始めるまでの時間を計時し、この計時時間未満の時間を第1オン時間とする。また、該第1オン時間は、第2スイッチSW2のオフと同時に第1スイッチSW1がオンの状態とされてから、再びオフの状態とされるまでの時間としても設定されている。他方、第2オン時間も、上記第1オン時間と同様の方法で算出された時間に設定するようにしている。
こうした第1オン時間及び第2オン時間をエッチング処理中にわたり交互に繰り返すことで、チャック電極17bの極性を周期的に変えるようにしている。つまり、静電チャック17に印加する電圧を変更することによって、基板Sと静電チャック17との間の電位差を変更するようにしている。そのため、エッチング処理の実施に伴い基板Sが帯電することで、該基板Sと静電チャック17との間の電位差が電圧印加の開始時よりも小さくなったとしても、上記チャック電極17bの極性を変えることにより、こうした電位差の縮小を緩和することができる。これにより、冷媒空間でのヘリウムガスの圧力に対して、静電チャック17によって基板Sを吸着する力が小さくなりにくくなることから、エッチング処理中にわたり基板Sが静電的に吸着されやすくなる。しかも、直流電圧の変更時には、該変更直前の静電チャック17の極性と変更直後の静電チャック17の極性とを変えるようにしている。そのため、チャック電極17bの極性を変える以前における基板Sと静電チャック17との間の電位差よりも、変更後における基板Sと静電チャック17との間の電位差を大きくしやすくなる。
こうした制御部31は、上記基板Sに対するエッチング処理を行うときに、エッチング処置プログラムとプロセス条件とを読み出す。そして、エッチング処理プログラムとプロセス条件とに基づいて上記排気部駆動回路33、ガス供給部駆動回路34、高周波電源駆動回路35、冷却ガス供給部駆動回路36、及び電圧変更部駆動回路37を介し、これら駆動回路の各々に接続された上記各部を駆動する。これにより、プロセス条件に基づく基板Sのエッチング処理を行う際に、上記第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とを選択的に駆動させることによって、基板Sに蓄積する電荷を取り除きつつ該基板Sのエッチングを行うようにしている。
以下、上記プラズマエッチング装置10にて実施されるプラズマ処理方法としてのエッチング処理方法について図3を参照して説明する。なお、図3では、本実施形態のエッチング処理方法における各種条件等の変更態様を実線で示し、他方、従来のエッチング方法による各種条件等の変更態様を二点鎖線で示している。
プラズマエッチング装置10にてエッチング処理を行うときには、まず、上記真空槽11内に基板Sが搬入されるとともに、該基板Sが静電チャック17の誘電体板17a上に載置される。そして、第1スイッチSW1がオンの状態とされることで上記チャック電極17bに−Va(kV)、例えば−3kVの直流電圧が印加される(タイミングt1)。そして、上記希ガス供給部24がオンの状態とされることで、真空槽11内に所定の流量、例えば50sccmにてアルゴンガスが供給される(タイミングt2)。アルゴンガス
の供給が開始されると、アンテナ用高周波電源27がオンの状態とされることで真空槽11内にプラズマが生成されるとともに、上記冷却ガス供給部19がオンの状態とされて、初期圧力P0にある冷媒空間の圧力が所定圧力Pa、例えば1000Paとなるようにヘリウムガスが該冷媒空間に供給される(タイミングt3)。これにより、真空槽11内のプラズマと基板Sとの間に、エッチング処理中に基板Sに蓄積した電荷を取り除く閉回路が形成される。
こうしてチャック電極17bに対する直流電圧の印加を開始したとき、つまりバイアス用高周波電源16のオン以前であるタイミングt3での冷媒空間からのヘリウムガスのリーク量Laは、例えば2sccmである。なお、ヘリウムガスのリーク量は、上記冷却ガス供給部19における単位時間あたりの供給流量(sccm)から算出される。次いで、プロセスガス供給部23がオンの状態とされることで、真空槽11内にエッチングガスが供給された後(タイミングt4)、バイアス用高周波電源16がオンの状態とされることで、基板Sに対する正イオンの入射が開始される(タイミングt5)。これにより、基板Sのエッチングが開始される。
そして、タイミングt5から上記第1オン時間に相当する期間Taが経過すると、第1スイッチSW1がオフの状態とされると同時に、第2スイッチSW2がオンの状態とされることによって、チャック電極17bに+Va(kV)、例えば+3kVの直流電圧が印加される。第2スイッチSW2がオンである状態が上記第2オン時間に相当する期間Tbにわたり継続されると、第2スイッチSW2がオフの状態とされると同時に、第1スイッチSW1が再びオンの状態とされた後、上記第1オン時間に相当する期間Taの間、第1スイッチSW1がオンの状態とされる。
こうしてチャック電極17bでの電圧が周期的に変更されている間中、希ガス供給部24からのアルゴンガスの供給量、及びプロセスガス供給部23からのプロセスガスの供給量が一定に保たれる。これとともに、アンテナ用高周波電源27から高周波アンテナ25に供給される電力量、及びバイアス用高周波電源16からステージ電極14に供給される電力量が一定に保たれる。そのため、真空槽11内のプラズマの状態が一定に維持された状態で、上記チャック電極17bにおける電圧の変更が行われる。これにより、基板Sの表面に接触するプラズマの状態が保たれるため、該プラズマによるエッチング処理の期間では、基板Sに衝突する電荷の量も概ね保たれることになる。そして、所定の量の電荷が定常的に衝突する基板に対して、静電チャック17では直流電圧の増加と減少とが一定の周期で交互に繰り返されることとなる。そのため、略一定量だけ基板Sに蓄積された電荷を周期的、且つ略一定量だけと取り除くことができることから、基板Sに対するエッチング処理期間中にわたって基板Sに蓄積されている電荷のばらつきが小さくなる。それゆえに、基板Sに対する静電チャック17による吸着の安定性が高められるようになる。
上記バイアス用高周波電源16による高周波電力の供給が所定期間行われると(タイミングt5〜タイミングt7)、アンテナ用高周波電源27及びバイアス用高周波電源16がオフの状態とされることで基板Sのエッチングが終了される。次いで、希ガス供給部24及びプロセスガス供給部23がオフの状態とされるとともに、冷却ガス供給部19もオフの状態とされることで、上記冷媒空間へのヘリウムガスの供給が終了される(タイミングt8)。
本実施形態においては、基板Sのエッチングが開始されるタイミングt4から、該基板Sのエッチングが終了されるタイミングt7を超えて、チャック電極17bに印加する電圧を周期的に変更するようにしている。そのため、上記冷却ガス供給部19から冷媒空間に供給されたヘリウムガスの圧力は、上記タイミングt3からタイミングt8までにわたり一定の圧力Paに維持されるとともに、冷媒空間からのヘリウムガスのリーク量も同様
に、タイミングt3からタイミングt8までにわたり一定のリーク量Laに維持される。
これに対し、従来のように、チャック電極17bに印加する電圧をタイミングt1からタイミングt8までにわたり一定の電圧−VakVとすると、基板Sのエッチング処理の実施中であるタイミングt6にて冷却ガス供給部19から冷媒空間に供給されたヘリウムガスの圧力が減少し始める。これは、冷媒空間におけるヘリウムガスの圧力が、タイミングt6にて静電チャック17による基板Sの静電吸着力を上回り、これに伴い、誘電体板17aと基板Sとの間の隙間から、冷媒空間のヘリウムガスの殆どが真空槽11内に漏れ出すためである。そして、冷媒空間におけるヘリウムガスの圧力は、終わりには、初期圧力P0にまで減少してしまう。また、これに応じて、冷媒空間からのヘリウムガスのリーク量も上記タイミングt6から増加し始める。そして、ヘリウムガスのリーク量が、上記冷却ガス供給部19からのヘリウムガスの最大供給量に対応するリーク量Lbとなったところで増加が終了する。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)基板Sに対するエッチング処理の実施中に、基板Sを吸着する静電チャック17に対して印加する直流電圧における増加と減少とを少なくとも一回ずつ行うようにした。つまり、静電チャック17に印加する電圧を変更することによって、基板Sと静電チャック17との間の電位差を変更するようにした。そのため、エッチング処理の実施に伴い基板Sが帯電することで、基板Sと静電チャック17との間の電位差が電圧印加の開始時よりも小さくなったとしても、上記電位差の変更により、こうした電位差の縮小を緩和することができる。これにより、基板Sの裏面と静電チャック17の凹部17cとによって形成される冷媒空間に供給されるヘリウムガスの圧力に対して、静電チャック17によって基板Sを吸着する力が小さくなりにくくなることから、エッチング処理の実施期間中にわたり基板Sが静電的に吸着されやすくなる。それゆえに、上記冷媒空間に供給されるヘリウムガスのリークを抑えることができる。
(2)直流電圧を増加させるとき及び減少させるときのいずれにおいても、変更直前の静電チャック17の極性と変更直後の静電チャック17の極性とを変えるようにした。そのため、電圧値の変更によって電圧値の変更前における基板Sと静電チャック17との間の電位差よりも、電圧値の変更後における基板Sと静電チャック17との間の電位差を大きくしやすくなる。それゆえに、エッチング処理中において基板Sが静電的に吸着されやすくなる。
(3)真空槽11内のプラズマの状態を保ちつつ、静電チャック17に印加する直流電圧の増加と減少とを一定の周期で交互に繰り返すようにした。これにより、基板Sの表面に接触するプラズマの状態を保たれるため、該プラズマによるエッチング処理の期間では、基板Sに衝突する電荷の量も概ね保たれることになる。そして、所定の量の電荷が定常的に衝突する基板に対して、静電チャック17では直流電圧の増加と減少とが一定の周期で交互に繰り返されることとなる。そのため、略一定量だけ基板Sに蓄積された電荷を周期的、且つ略一定量だけと取り除くことができることから、基板Sに対するエッチング処理期間中にわたって基板Sに蓄積されている電荷のばらつきが小さくなる。それゆえに、基板Sに対する静電チャック17による吸着の安定性が高められるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・絶縁性基板Sは、上記サファイア基板に限らず、例えば石英基板、ガラス基板、及び窒化ケイ素基板等であってもよい。
・上記静電チャック17は、同一極性のチャック電極を複数有する構成であってもよい
。なお、静電チャック17が、同一極性のチャック電極を複数有する構成であるときには、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2との切り替えのタイミングをそれぞれのチャック電極において互いに異ならせるようにすればよい。これにより、上述のようにチャック電極に印加する電圧の極性を変えた場合に、直流電圧の印加されているチャック電極が一つ以上存在することになる。そのため、静電チャック17による基板Sの吸着の確実性が高められる。
・静電チャック17は、上述のような単極型の静電チャックに限らず、双極型の静電チャックとしてもよい。
・上記バイアス用高周波電源16及びアンテナ用高周波電源27の出力する高周波電力の周波数は13.56MHzに限らず、プラズマエッチング装置10によって基板Sのエッチングが可能な周波数であれば、他の任意の周波数を採用してもよい。
・アルゴンガスの供給前に、チャック電極17bへの直流電圧の印加を開始するようにしたが、アルゴンガスを供給した後に、チャック電極17bへの直流電圧の印加を開始するようにしてもよい。
・アルゴンガスを供給した後に、プロセスガスを供給するようにしたが、アルゴンガスとプロセスガスとを同時に供給するようにしてもよい。
・チャック電極17bに対する直流電圧の印加を開始した後に、高周波アンテナ25に対して高周波電力を供給するようにしたが、高周波アンテナ25に対する高周波電力の供給を開始した後にチャック電極17bへの電圧の印加を行うようにしてもよい。
・チャック電極17bへの電圧の印加は、アルゴンガスの供給及びプロセスガスの供給が終了した後に終了されるようにした。これに限らず、上記ガスの供給を終了するタイミングにチャック電極17bへの電圧の印加を終了するタイミングを一致させるようにしてもよい。
・静電チャック17への電圧の印加は、第1直流電源18aから開始するようにした。これに限らず、第2直流電源18bから電圧の印加を開始するようにしてもよい。
・第1オン時間及び第2オン時間を3秒とするようにした。しかしながら、上述のようにして算出される第1オン時間及び第2オン時間は、上記静電チャック17が基板Sを吸着する力や、冷媒空間におけるヘリウムガスの圧力等に応じて異なる長さとなりうる。そのため、第1オン時間及び第2オン時間は、こうした条件に応じて上記とは異なる長さに設定するようにしてもよい。
・第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とを切り替えによる静電チャック17の極性の切り替えは、予め設定された時間である第1オン時間及び第2オン時間に基づいて行うようにした。これに限らず、上記流量計21によって測定されたヘリウムガスの流量に基づいて冷媒空間からリークしているヘリウムガスの流量を算出することで、ヘリウムガスのリーク量を監視し、ヘリウムガスのリーク量の単調増加が認められたときに、一方のスイッチから他方のスイッチに切り替えるようにしてもよい。これにより、以下の効果が得られるようになる。
(4)ヘリウムガスのリーク量を監視するとともに、該リーク量が増大したときに、静電チャック17のチャック電極17bに印加する直流電圧を変更すると、静電チャック17と基板Sとの間での電位差の縮小に対して上記直流電圧の変更が伴うことになることから、上記ヘリウムガスのリークが継続する時間を短くすることで、該ヘリウムガスのリークを抑えることができるようになる。
・第1直流電源18a及び第2直流電源18bから印加される直流電圧の大きさを可変
としてもよい。これによれば、チャック電極17bに印加される電圧を徐々に変えることが可能になるため、基板Sの静電状態が急激に変わることを抑えることが可能となる。ひいては、静電状態の変化に起因する基板Sのダメージを抑えることが可能となる。
・静電チャック17に印加する電圧を第1スイッチSW1と第2スイッチSW2との切り替えによって変更する際に、電圧の増加量と減少量とを同一とするようにした。これに限らず、該増加量と減少量とが異なるようにしてもよい。これによっても、電圧の増加と減少とが行われている以上、基板Sが静電チャック17に吸着されやすくなるため、ヘリウムガスのリークを抑えることができる。
・静電チャック17に印加する電圧を第1スイッチSW1と第2スイッチSW2との切り替えによって変更する際に、チャック電極17bの極性を変えるようにした。これに限らず、静電チャック17に印加する電圧を変更する際には、チャック電極17bの極性を変えることなく、その大きさのみを変更するようにしてもよい。
・チャック電極17bには、第1直流電源18a及び第2直流電源18bを接続するようにした。これに限らず、チャック電極17bには、整合器を介してバイアス用高周波電源と電圧値が可変である直流電源とを接続するとともに、チャック電極17bの極性を変えない範囲で印加する電圧を増減させるようにしてもよい。こうした構成によれば、ステージ電極14を割愛することが可能となるため、基板ステージ13をより簡単な構成とすることができる。
・チャック電極17bに印加される直流電圧は、一定の周期で二つの電圧値を繰り返すことで、該電圧値の変更態様がいわゆる矩形波を描くようにした。これに限らず、該直流電圧の変更態様が、サインカーブや三角波を描くように、連続的、且つ周期的に変更されるようにしてもよい。また、上記二値間での電圧値の変更や連続的な電圧値の変更を非周期的に行うようにしたり、上記周期的な変更をエッチング処理期間の一部において実施したりするようにしてもよい。要は、エッチング処置の実施時においてチャック電極に印加される直流電圧において、単調減少及び単調増加ではなく、エッチング処理期間中での増大と減少とを少なくとも一回ずつなされるようにすればよい。
・上記プラズマエッチング装置10は、真空槽11の外周に沿った磁場コイルを備えて真空槽11内に磁気中性線を形成するエッチング装置であってもよい。
・上記プラズマエッチング装置10は、高周波アンテナ25を備える誘導結合型のエッチング装置に限らず、ステージ電極14に対向する上部電極を真空槽11内に備える容量結合型のエッチング装置であってもよい。
・プラズマ処理装置は、上記プラズマエッチング装置10に限らず、プラズマCVD装置、スパッタ装置等、真空槽内に形成したプラズマを用いて基板の処理を行う装置であればよい。
10…プラズマエッチング装置、11…真空槽、11a…排気口、11b…ガス供給口、12…石英板、13…基板ステージ、14…ステージ電極、15…バイアス用整合器、16…バイアス用高周波電源、17…静電チャック、17a…誘電体板、17b…チャック電極、17c…凹部、17d…供給管、18…電圧変更部、18a…第1直流電源、18b…第2直流電源、19…冷却ガス供給部、20…圧力計、21…流量計、22…排気部、23…プロセスガス供給部、24…希ガス供給部、25…高周波アンテナ、26…アンテナ用整合器、27…アンテナ用高周波電源、31…制御部、31a…記憶部、31b…タイマ、32…入出力部、33…排気部駆動回路、34…ガス供給部駆動回路、35…
高周波電源駆動回路、36…冷却ガス供給部駆動回路、37…電圧変更部駆動回路、S…基板、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ。

Claims (5)

  1. 真空槽内の絶縁性基板を静電チャックに対して静電吸着し、且つ、前記絶縁性基板の裏面側に該絶縁性基板を冷却するガスを供給しつつ、前記真空槽内にプラズマを生成して前記絶縁性基板を該プラズマによって処理するプラズマ処理方法であって、
    前記静電チャックに第1直流電圧を印加した状態で前記プラズマによる処理を開始してから前記ガスの流量が単調増加を始めるまでの時間である第1時間を計時して、前記第1時間未満の時間を第1オン時間に予め設定し、前記第1オン時間を経過した後に前記静電チャックに印加する直流電圧を前記第1直流電圧から第2直流電圧に変更してから、前記ガスの流量が再度単調増加を始めるまでの時間である第2時間を計時して、前記第2時間未満の時間を第2オン時間に予め設定し、
    前記絶縁性基板に対する前記プラズマによる処理を実施しているときに、
    前記静電チャックに印加する前記直流電圧の増加と減少とを少なくとも一回ずつ行い、
    前記静電チャックに前記第1直流電圧を印加する時間を前記第1オン時間に設定し、且つ、前記静電チャックに前記第2直流電圧を印加する時間を前記第2オン時間に設定する
    ことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記静電チャックに印加する前記直流電圧の増加と減少とを行うときには、
    前記増加の直前の前記静電チャックの極性と前記増加の直後の前記静電チャックの極性とを変えるとともに、
    前記減少の直前の前記静電チャックの極性と前記減少の直後の前記静電チャックの極性とを変える
    請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記プラズマの状態を保ちつつ、前記静電チャックに印加する前記直流電圧の前記増加と前記減少とを一定の周期で交互に繰り返す
    請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記絶縁性基板の裏面と前記静電チャックとの間における冷却ガスのリーク量を監視し、
    前記リーク量が増大したときに、前記直流電圧の増加又は減少を行う
    請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
  5. 絶縁性基板を収容する真空槽と、
    前記真空槽内に配置された基板ステージと、
    前記基板ステージ上に配置された静電チャックと、
    前記絶縁性基板の裏面側に該絶縁性基板を冷却するガスを供給する冷却ガス供給部と、
    前記真空槽内にプラズマを生成するプラズマ生成部と
    を備えるプラズマ処理装置であって、
    前記静電チャックに印加する直流電圧を制御する電圧変更部と、
    前記静電チャックに第1直流電圧を印加した状態で前記プラズマによる処理を開始してから前記ガスの流量が単調増加を始めるまでの時間として計時された時間が第1時間であり、前記第1時間未満の時間を第1オン時間に予め設定して記憶し、前記第1オン時間を
    経過した後に前記静電チャックに印加する直流電圧を前記第1直流電圧から第2直流電圧に変更してから、前記ガスの流量が再度単調増加を始めるまでの時間として計時された時間が第2時間であり、前記第2時間未満の時間を第2オン時間に予め設定して記憶する制御部であって、前記第1オン時間と前記第2オン時間とを用いて前記電圧変更部の駆動を制御する前記制御部と、を備え、
    前記電圧変更部は、前記プラズマ生成部によって前記真空槽内に生成されたプラズマを用いて前記絶縁性基板を処理しているときに、前記直流電圧の増加と減少とを少なくとも一回ずつ行い、前記静電チャックに前記第1直流電圧を前記第1オン時間にわたり印加し、且つ、前記静電チャックに前記第2直流電圧を前記第2オン時間にわたり印加する
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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