JP5679930B2 - マルチメディア放送受信機および欠損データ補完方法 - Google Patents

マルチメディア放送受信機および欠損データ補完方法 Download PDF

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Description

本発明は、マルチメディア放送受信機および欠損データ補完方法に関し、特に、放送と通信とを融合させてコンテンツ配信のサービスを行うマルチメディア放送を受信する受信機に用いて好適なものである。
近年、放送インフラのデジタル化やインターネットでの通信の高速化に伴い、放送と通信とを融合させたサービスが提供されつつある。例えば、地上デジタル放送と通信とを組み合わせることにより、映像・音声・データなどのコンテンツをストリーミング配信あるいはダウンロード配信できるようにしたマルチメディア放送が提供されている。このマルチメディア放送は、車載機のように移動可能な受信機を用いることを前提としており、放送時間や利用場所に拘束されることなくコンテンツを配信できるようにすることを目指している。
マルチメディア放送は、リアルタイム型放送と蓄積型放送との2つに大別される。リアルタイム型放送は、高品質なコンテンツをリアルタイムで配信する放送サービスである。また、蓄積型放送は、IPパケットを使った映画や音楽、ニュース、電子書籍といったコンテンツのダウンロード、メタデータを使ったVOD(ビデオオンデマンド)サービスなど、多種多様なコンテンツを受信機に蓄積可能にした放送サービスである。
蓄積型放送サービスでは、放送の電波状況などにより受信機でコンテンツを正常に受信できなかった場合に、欠損した部分のデータを通信によりダウンロードできるようにした「蓄積コンテンツ補完」の仕組みが用意されている。すなわち、受信機は、放送されたコンテンツの一部を受信できなかった場合に、コンテンツ修復に必要なデータの特定を行い、そのデータを蓄積コンテンツ補完用サーバからダウンロードする。なお、蓄積コンテンツ補完には、通信網の負荷を軽減するために時間分散してダウンロードする自動補完と、ユーザがコンテンツを利用する際にダウンロードする手動補完とがある。
図6は、蓄積コンテンツ補完の概要を説明するための図である。図6に示すように、地上デジタル放送は本放送および再放送を含めて3回行われる。本放送でコンテンツを正常に受信できなかった場合、受信機は、あらかじめ設定された放送時間情報に基づいて起動し、再放送でコンテンツを最初から受信し直す。2回の再放送でもコンテンツを正常に受信できなかった場合、受信機は、今度は通信を利用して、欠損した部分のデータをダウンロードする。
図6に示すように、自動補完は、これを行うことが可能な自動放送補完期間があらかじめ決められており、その期間内で実際に自動補完を行うことが可能な受付時間帯が3回設定されている。受信機は、あらかじめ設定されたスケジュール情報に従って受付時間帯に自動的に起動し、欠損データをダウンロードする。また、手動補完を行うことが可能な手動放送補完期間もあらかじめ決められている。手動放送補完期間は自動放送補完期間より長く設定されているので、自動放送補完期間の終了後は手動補完のみが可能となる。
以上のように、マルチメディア放送では、蓄積コンテンツ補完の仕組みが用意されているので、電波環境が悪くて本放送および再放送でコンテンツを正常に受信できなかった場合でも、欠損した部分のデータを通信により補完して修復することができる。なお、この蓄積コンテンツ補完を行うには、当然ながら受信機の通信インタフェースが利用可能な状態となっていなければならない。
しかしながら、自動補完または手動補完を行おうとしているときに通信の電波環境が悪化して蓄積コンテンツ補完用サーバに接続できない場合には、通信による蓄積コンテンツ補完を行うことができない。特に、受信機が車載機の場合、通信の電波環境が良い場所や時間帯でユーザが車を運転しているとは限らない。そのため、車の運転中に通信の電波環境が悪くて蓄積コンテンツ補完用サーバに接続できず、蓄積コンテンツ補完を行うことができない場合が生じるという問題があった。
蓄積コンテンツ補完用サーバに接続できたとしても、電波環境が良好でなくて十分な通信速度が得られない場合もある。また、通信の利用契約で通信速度が制限されている場合もある。そのような場合には、欠損データをダウンロードするのに膨大な時間がかかってしまう。受信機が車載機の場合は、その膨大な時間を要するダウンロードの実行中はずっとユーザが車に乗っていなければならない。一時的に車から離れる場合でも、ダウンロードが終了したか否かを確認するために、ユーザは車に何度か戻らなければならない。そのため、蓄積コンテンツ補完を行うのに多くの手間がかかるという問題があった。
また、自動補完の場合は、通信可能な時間が受付時間帯のみに制限されることから、受信機が車載機の場合は、その受付時間帯に車載機の電源を入れておかなければ蓄積コンテンツ補完は行われない。しかし、自動補完の受付時間帯にユーザが車を運転しているとは限らない。そのため、受付時間帯を過ぎてしまって、自動補完による蓄積コンテンツ補完を行うことができなくなってしまう場合が生じるという問題もあった。
なお、デジタル放送の映像データの欠落が生じた場合に、欠落したデータを補完するデータを携帯電話等の通信機器経由で取得し、放送が切れないように連続性を保つようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術は、デジタル放送で映像データの欠落が生じた時点で通信によって欠落データを補完するリアルタイム処理の仕組みであるため、放送と通信とが完全に同期していなければならない。よって、上述のマルチメディア放送には適用することができない。
特開2004−40276号公報
本発明は、上述のような問題を解決するために成されたものであり、マルチメディア放送の受信機が十分な通信速度で常に通信を利用できる環境でない場合においても、多くの手間をかけることなく、放送受信で欠損した部分のデータを通信で補完できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、マルチメディア放送のコンテンツを受信機で正常に受信できなかった場合に、蓄積コンテンツ補完用サーバへのアクセス情報および蓄積コンテンツ補完の受付時間情報を含む伝送制御メタデータと、欠損した部分のデータを表す欠損シンボル情報とを外部の通信機器に転送して当該通信機器の内部メモリに記憶させる。その後、当該通信機器の内部メモリに記憶された伝送制御メタデータおよび欠損シンボル情報に基づいて蓄積コンテンツ補完用サーバから通信機器にダウンロードされて当該内部メモリに記憶された欠損シンボルを、受信機に対して通信機器が接続されたときに、通信機器からの転送によって受信機で取得するようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、マルチメディア放送のコンテンツを受信機で正常に受信できなかった場合に、受信機自身で蓄積コンテンツ補完が行われるのではなく、外部の通信機器によって代わりに蓄積コンテンツ補完が行われる。そのため、例えば受信機が車載機で、十分な通信速度で常に通信を利用できる環境にない場合でも、受信機とは別の場所にある通信機器によって、十分な通信速度で通信を利用できる環境下において蓄積コンテンツ補完を行うことができる。そして、その後の任意のタイミングで、受信機は通信機器から欠損シンボルを取得することができる。これにより、蓄積コンテンツ補完が行われている間ずっとユーザが車に乗っていたり何度も確認したりするといった多くの手間をかけることなく、放送受信で欠損した部分のデータを通信で補完することができる。
本実施形態によるマルチメディア放送受信機の構成例を示す図である。 本実施形態のマルチメディア放送受信機が備える機能構成例を示すブロック図である。 蓄積型放送の受信時におけるマルチメディア放送受信機の動作例を示すフローチャートである。 携帯電話機の動作例を示すフローチャートである。 携帯電話機が接続されたときのマルチメディア放送受信機の動作例を示すフローチャートである。 蓄積コンテンツ補完の概要を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるマルチメディア放送受信機100の構成例を示す図である。なお、本実施形態において、マルチメディア放送受信機100は、車両に搭載される車載機であるものとする。
図1において、アンテナ1は、マルチメディア放送の放送波として利用される地上デジタル放送の電波を受信する。チューナ2は、アンテナ1によって受信した地上デジタル放送の電波から所望のチャンネルに合致した受信周波数の放送波信号を選択的に抽出して出力する。復調部3は、チューナ2で受信した放送波信号をOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)復調することにより、トランスポートストリーム(Transport Stream:以下、TSと記す)を得る。
チューナ2でリアルタイム型放送を受信している場合、デマルチプレクサ部4は、多重化されているTSを分離して映像ストリーム、音声ストリームおよび制御データストリームを得る。そして、デマルチプレクサ部4は、音声ストリームをオーディオデコーダ部5に出力し、映像ストリームをビデオデコーダ部6に出力し、制御データストリームをデータデコーダ部7に出力する。
オーディオデコーダ部5は、入力した音声ストリームをデコードして音声信号として出力する。ビデオデコーダ部6は、入力した映像ストリームをデコードして映像信号として出力する。データデコーダ部7は、入力した制御データストリームをデコードして制御データとして出力する。制御データの中には、EIT(Event Information Table)という情報が含まれている。このEITには、番組の名称、放送日時、内容の説明、サービスIDなどの番組に関する情報が含まれている。
一方、チューナ2で蓄積型放送を受信している場合、デマルチプレクサ部4は、デコード処理によってTSから蓄積型のデータストリームを生成する。そして、デマルチプレクサ部4は、生成したデータストリームをRAM11などの主メモリにいったん記憶させる。RAM11にデータストリームが記憶されると、CPU12が、そのデータストリームをリムバールメディア8またはフラッシュメモリ9に記憶させて蓄積する。なお、CPU12は、ROM10に格納されているプログラムに従って各種の処理を実行する。
ここで、蓄積型放送のデータストリームには、伝送制御メタデータが含まれている。伝送制御メタデータとは、蓄積型放送コンテンツの受信、蓄積コンテンツ補完(欠損シンボルのダウンロード)に必要な情報を記載したXML文書である。この伝送制御メタデータには、欠損シンボルのダウンロードを行うために用意された蓄積コンテンツ補完用サーバ(図示せず)へのアクセス情報(URL)と、蓄積コンテンツ補完(自動補完および手動補完)を行うことが可能な受付時間を示す受付時間情報(スケジュール情報)とが含まれている。
通信I/F13は、通信機能を有した外部の通信機器(例えば、携帯電話機)との間でデータ通信を行うものである。例えば、通信I/F13は、ブルートゥース規格に従って携帯電話機との間で無線通信を行う。
図2は、マルチメディア放送受信機100が備える機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、マルチメディア放送受信機100は、その機能構成として、放送受信部21、欠損シンボル特定部22、データ転送部23、欠損シンボル取得部24およびデータ記憶部25を備えている。
放送受信部21は、放送と通信とを融合させてコンテンツ配信のサービスを行うマルチメディア放送のコンテンツを受信するものであり、図1に示したアンテナ1、チューナ2、復調部3、デマルチプレクサ部4により構成される。データ記憶部25は、放送受信部21(デマルチプレクサ部4)により生成される蓄積型放送のデータストリームを記憶するものであり、図1のリムバールメディア8またはフラッシュメモリ9により構成される。
欠損シンボル特定部22は、放送受信部21により蓄積型放送のコンテンツを正常に受信できたか否かを判定し、正常に受信できなかった場合には、欠損した部分のデータを欠損シンボルとして特定する。例えば、欠損シンボル特定部22は、一連のデータストリームの中で欠損したパケットを欠損シンボルとして特定する。この欠損シンボル特定部22は、図1のCPU12により構成される。
データ転送部23は、放送受信部21により生成されたデータストリームの中に含まれる伝送制御メタデータと、欠損シンボル特定部22により特定された欠損シンボルを表す欠損シンボル情報(例えば、欠損したパケットを表すパケット番号など)とを、通信機能を有した外部の携帯電話機200に対してブルートゥースにより転送する。このデータ転送部23は、図1のCPU12および通信I/F13により構成される。
伝送制御メタデータおよび欠損シンボル情報を受信した携帯電話機200は、当該受信した伝送制御メタデータに基づいて、インターネットを介して蓄積コンテンツ補完用サーバ300にアクセスし、欠損シンボル情報により示される欠損シンボルをダウンロードする。
欠損シンボル取得部24は、蓄積コンテンツ補完用サーバ300から携帯電話機200にダウンロードされた欠損シンボルを、当該携帯電話機200からの転送によって取得する。欠損シンボル取得部24は、携帯電話機200から取得した欠損シンボルをデータ記憶部25に記憶させる。この欠損シンボル取得部24は、図1のCPU12および通信I/F13により構成される。
図3〜図5は、図2のように構成したマルチメディア放送受信システム(マルチメディア放送受信機100、携帯電話機200および蓄積コンテンツ補完用サーバ300)の動作例を示すフローチャートである。図3は、蓄積型放送の受信時におけるマルチメディア放送受信機100の動作例を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、例えば、フラッシュメモリ9あるいは図示しないハードディスク等に記憶された蓄積型放送予約情報により設定された所望の放送時刻になったときに開始する。
図3において、放送受信部21は、蓄積型放送予約情報により示されている本放送の放送時刻に起動する。そして、放送受信部21は、蓄積型放送予約情報により示されている目的の蓄積型放送のコンテンツを受信し、受信したコンテンツのデータストリーム(伝送制御メタデータを含む)をデータ記憶部25に記憶させる(ステップS1)。
欠損シンボル特定部22は、放送受信部21により蓄積型放送のコンテンツを正常に受信できたか否かを判定する(ステップS2)。ここで、コンテンツを正常に受信できたと欠損シンボル特定部22にて判断した場合、放送受信部21は、蓄積型放送予約情報による予約を解除して(ステップS3)、図3に示すフローチャートの処理を終了する。
一方、蓄積型放送のコンテンツを正常に受信できなかったと判断した場合、欠損シンボル特定部22は、欠損した部分のデータを欠損シンボルとして特定する(ステップS4)。その後、放送受信部21は、フラッシュメモリ9等に記憶されている蓄積型放送予約情報に基づいて、目的の蓄積型放送について再放送があるか否かを判定する(ステップS5)。
再放送がある場合、放送受信部21は、車両のアクセサリ電源(ACC)をオフにする操作が行われたか否かを判定し(ステップS6)、行われていなければステップS1の処理に戻る。この場合は、放送受信部21は、蓄積型放送予約情報により示されている再放送の放送時刻に再び起動し、目的の蓄積型放送のコンテンツを受信してデータ記憶部25に記憶させる。
上記ステップS5において蓄積型放送の再放送がない(あるいは再放送が既に終わってしまっている)と判断した場合、および蓄積型放送の再放送が終了する前に上記ステップS6においてアクセサリ電源をオフにする操作が行われたと判断した場合には、処理はステップS7に進む。ステップS7においてデータ転送部23は、データ記憶部25に記憶されたデータストリームに含まれている伝送制御メタデータを参照し、蓄積コンテンツ補完(自動補完または手動補完)を行うためのスケジュールが存在するか否かを判定する。
蓄積コンテンツ補完のスケジュールが存在しない場合は、図3に示すフローチャートの処理を終了する。一方、蓄積コンテンツ補完のスケジュールが存在する場合、データ転送部23は、マルチメディア放送受信機100の通信I/F13と携帯電話機200との間が、ブルートゥース通信が可能な状態に無線接続されているか否かを判定する(ステップS8)。ここで、マルチメディア放送受信機100が携帯電話機200と無線接続されていないと判断した場合は、図3に示すフローチャートの処理を終了する。
一方、マルチメディア放送受信機100が携帯電話機200と無線接続されていると判断した場合、データ転送部23は、放送受信部21により受信されデータ記憶部25に記憶されたデータストリームの中に含まれる伝送制御メタデータと、欠損シンボル特定部22により特定された欠損シンボル情報とを携帯電話機200に転送する(ステップS9)。このステップS9の処理を行うことにより、図3に示すフローチャートの処理が終了する。
図4は、携帯電話機200の動作例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、携帯電話機200の電源をオンにしたときに開始し、内部メモリ(図示せず)に記憶されたプログラムに従ってCPU(図示せず)が実行する。なお、携帯電話機200のユーザが上記プログラムを任意のタイミングで起動したときに、図4のフローチャートが開始するようにしてもよい。
図4において、携帯電話機200に内蔵されているCPUは、マルチメディア放送受信機100から転送されてきた伝送制御メタデータおよび欠損シンボル情報が内部メモリに記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。伝送制御メタデータ等が内部メモリに記憶されていないと判断した場合、図4に示すフローチャートの処理を終了する。
一方、伝送制御メタデータ等が記憶されていると判断した場合、CPUは、伝送制御メタデータのスケジュール情報により示されている自動補完の受付時間帯に現在時刻が該当するか否かを判定する(ステップS12)。自動補完の受付時間帯に該当すると判断した場合、CPUは、伝送制御メタデータのアクセス情報により示されているURLに従って蓄積コンテンツ補完用サーバ300にアクセスし、欠損シンボル情報により示される欠損シンボルをダウンロードする(ステップS13)。そして、CPUは、ダウンロードした欠損シンボルを、欠損シンボル情報と共に内部メモリに記憶する。
そして、CPUは、欠損シンボルのダウンロードが成功したか否かを判定し(ステップS14)、成功していれば、図4に示すフローチャートの処理を終了する。一方、欠損シンボルのダウンロードに失敗した場合は、ステップS12の処理に戻る。
ステップS12において現在時刻が自動補完の受付時間帯に該当しないと判断した場合、CPUは、現在時刻が手動放送補完期間内に該当するか否かを判定する(ステップS15)。ここで、現在時刻が手動放送補完期間内にも該当しないと判断した場合は、図4に示すフローチャートの処理を終了する。
一方、現在時刻が手動放送補完期間内に該当すると判断した場合、CPUは、手動補完を行うための操作が携帯電話機200のユーザにより行われたか否かを判定する(ステップS16)。ここで、手動補完を行うための操作が行われたと判断した場合、処理はステップS13に進む。一方、手動補完を行うための操作が行われていないと判断した場合、処理はステップS12に戻る。
図5は、マルチメディア放送受信機100に携帯電話機200が接続されたときのマルチメディア放送受信機100の動作例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、ブルートゥースによりマルチメディア放送受信機100に対して携帯電話機200が接続されたときに開始する。
図5において、欠損シンボル取得部24は、マルチメディア放送受信機100の通信I/F13と携帯電話機200との間の無線接続が確立したか否かを判定する(ステップS21)。携帯電話機200との無線接続が確立したと判断した場合、欠損シンボル取得部24は、携帯電話機200に欠損シンボル情報を送信して問い合わせをすることにより、当該欠損シンボル情報に対応する欠損シンボルを蓄積コンテンツ補完用サーバ300からダウンロード済みであるか否かを判定する(ステップS22)。
欠損シンボルをダウンロード済みである(つまり、携帯電話機200の内部メモリに欠損シンボルが存在する)と判断した場合、欠損シンボル取得部24は、当該欠損シンボルを携帯電話機200からの転送によって取得する(ステップS23)。そして、欠損シンボル取得部24は、取得した欠損シンボルを、放送受信部21により受信されデータ記憶部25に既に記憶されている蓄積型放送のデータストリーム(欠損シンボルが欠けたもの)にマージしてデータ記憶部25に記憶させる(ステップS24)。
なお、ステップS21において携帯電話機200が無線接続されていないと判断した場合、およびステップS22において携帯電話機200が欠損シンボルをダウンロード済みでないと判断した場合には、図5に示すフローチャートの処理を終了する。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、マルチメディア放送のコンテンツをマルチメディア放送受信機100で正常に受信できなかった場合に、伝送制御メタデータと欠損シンボル情報とをマルチメディア放送受信機100から携帯電話機200に転送する。そして、当該転送した伝送制御メタデータおよび欠損シンボル情報に基づいて蓄積コンテンツ補完用サーバ300から携帯電話機200にダウンロードされた欠損シンボルを、マルチメディア放送受信機100が携帯電話機200からの転送によって取得するようにしている。
このように構成した本実施形態によれば、マルチメディア放送のコンテンツをマルチメディア放送受信機100で正常に受信できなかった場合に、マルチメディア放送受信機100自身で蓄積コンテンツ補完が行われるのではなく、外部の携帯電話機200によって代わりに蓄積コンテンツ補完が行われる。
そのため、マルチメディア放送受信機100が車載機で、十分な通信速度で常に通信を利用できる環境にない場合(走行場所により通信の電波環境が悪化してマルチメディア放送受信機100が蓄積コンテンツ補完用サーバ300に接続できない場合や、通信の電波環境が良好でなくて十分な通信速度が得られない場合、蓄積コンテンツ補完の受付期間中に運転をしていなくてマルチメディア放送受信機100の電源が入っていない場合など)でも、ユーザが常に携帯していてマルチメディア放送受信機100とは別の場所にある携帯電話機200によって、十分な通信速度で通信を利用できる環境下において蓄積コンテンツ補完を行うことができる。そして、その後の任意のタイミングで、マルチメディア放送受信機100は携帯電話機200から欠損シンボルを取得することができる。これにより、蓄積コンテンツ補完が行われている間ずっとユーザが車に乗っていたり何度も確認したりするといった多くの手間をかけることなく、放送受信で欠損した部分のデータを通信で補完することができる。
なお、上記実施形態では、通信機能を有する外部の通信機器の一例として携帯電話機200を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、通信機能を有するパーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯情報端末などであってもよい。
また、上記実施形態では、マルチメディア放送受信機100が車載機である場合を例にとって説明したが、車載機である必要はない。例えば、インターネットへの接続機能を持たないポータブルデバイスやホーム用の固定受信機などであってもよい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 アンテナ
2 チューナ
3 復調部
4 デマルチプレクサ部
12 CPU
13 通信I/F
21 放送受信部
22 欠損シンボル特定部
23 データ転送部
24 欠損シンボル取得部
100 マルチメディア放送受信機
200 携帯電話機
300 蓄積コンテンツ補完用サーバ

Claims (4)

  1. 放送と通信とを融合させてコンテンツ配信のサービスを行うマルチメディア放送のコンテンツを受信し、上記コンテンツを放送により正常に受信できなかった場合に、欠損した部分のデータを通信により取得して補完するようになされたマルチメディア放送受信機であって、
    上記マルチメディア放送のコンテンツを受信する放送受信部と、
    上記コンテンツを正常に受信できたか否かを判定し、正常に受信できなかった場合には、上記欠損した部分のデータを欠損シンボルとして特定し、特定した欠損シンボルを表す欠損シンボル情報を生成する欠損シンボル特定部と、
    上記放送受信部により受信されたコンテンツの中に含まれるメタデータであって蓄積コンテンツ補完用サーバへのアクセス情報および蓄積コンテンツ補完の受付時間情報を含む伝送制御メタデータと、上記欠損シンボル特定部により生成された欠損シンボル情報とを、通信機能を有した外部の通信機器に転送して当該通信機器の内部メモリに記憶させるデータ転送部と、
    上記通信機器の電源オンによりプログラムが起動されたとき、または、ユーザにより上記プログラムの起動が指示された任意のタイミングのときに上記通信機器の上記内部メモリに記憶済みの上記伝送制御メタデータおよび上記欠損シンボル情報に基づいて上記蓄積コンテンツ補完用サーバから上記通信機器にダウンロードされて上記内部メモリに記憶された欠損シンボルを、自受信機に対して上記通信機器が接続されたときに上記通信機器からの転送によって取得する欠損シンボル取得部とを備えたことを特徴とするマルチメディア放送受信機。
  2. 上記データ転送部は、上記コンテンツの本放送および再放送が全て終了した時点で、上記欠損シンボル特定部により特定済みの上記欠損シンボルがある場合に、上記伝送制御メタデータおよび上記欠損シンボル情報を上記通信機器に転送することを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア放送受信機。
  3. 上記データ転送部は、上記欠損シンボル特定部により上記欠損シンボルが特定され、かつ、上記コンテンツの再放送が終了する前に上記自受信機の電源をオフにする操作が行われた場合に、上記伝送制御メタデータおよび上記欠損シンボル情報を上記通信機器に転送することを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア放送受信機。
  4. 放送と通信とを融合させてコンテンツ配信のサービスを行うマルチメディア放送のコンテンツを受信する受信機において、上記コンテンツを放送により正常に受信できなかった場合に、欠損した部分のデータを通信により取得して補完する欠損データ補完方法であって、
    上記受信機の放送受信部が、上記マルチメディア放送のコンテンツを受信する第1のステップと、
    上記受信機の欠損シンボル特定部が、上記コンテンツを正常に受信できたか否かを判定し、正常に受信できなかった場合には、上記欠損した部分のデータを欠損シンボルとして特定し、特定した欠損シンボルを表す欠損シンボル情報を生成する第2のステップと、
    上記受信機のデータ転送部が、上記放送受信部により受信されたコンテンツの中に含まれるメタデータであって蓄積コンテンツ補完用サーバへのアクセス情報および蓄積コンテンツ補完の受付時間情報を含む伝送制御メタデータと、上記欠損シンボル特定部により生成された欠損シンボル情報とを、通信機能を有した外部の通信機器に転送して当該通信機器の内部メモリに記憶させる第3のステップと、
    上記受信機の欠損シンボル取得部が、上記通信機器の電源オンによりプログラムが起動されたとき、または、ユーザにより上記プログラムの起動が指示された任意のタイミングのときに上記通信機器の上記内部メモリに記憶済みの上記伝送制御メタデータおよび上記欠損シンボル情報に基づいて上記蓄積コンテンツ補完用サーバから上記通信機器にダウンロードされて上記内部メモリに記憶された欠損シンボルを、自受信機に対して上記通信機器が接続されたときに上記通信機器からの転送によって取得する第4のステップとを有することを特徴とする欠損データ補完方法。
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