JP5678681B2 - センサレスブラシレスモータの駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステータの電機子巻線に誘起される誘起電圧を検知してロータの回転位置を検出するセンサレス方式のブラシレスモータの駆動装置に関し、より詳細には、電機子巻線に電源電圧を供給する通電時間帯のタイミングを制御する進み角制御機能を有する駆動装置に関する。
直流ブラシレスモータの一方式として、ロータの回転位置を検出するセンサを備えていないセンサレス方式のモータが実用化されている。このセンサレスブラシレスモータでは、ステータの電機子巻線の端子に非通電時間帯に誘起される誘起電圧を検知することでロータの磁極対との相対的な回転位置関係を検出する位置検出回路が設けられる。検出した回転位置に基づいて、電源制御装置は電機子巻線に電源電圧を供給する通電時間帯を設定する。電源回路は、インバータ回路により構成されるのが一般的であり、設定された通電時間帯にしたがい電機子巻線に電源電圧を供給して通電する。三相の電機子巻線を有するモータでは、ロータの回転位置に応じて電気角の120°ピッチで通電相を順次切り替える駆動方式が多用され、120°を越えて複数相への通電をオーバーラップさせることも行われている。また、出力トルクを調整するために、通常電源回路はパルス幅変調方式(PWM方式)やパルス電圧振幅制御方式(PAM方式)などにより電源電圧を制御する。
さらに、通電時間帯のタイミングを制御する進み角制御も行われている。補足すると、前記の位置検出回路やインバータ回路では電気信号の伝達遅延時間が発生するため、検出した回転位置に合わせて通電時間帯を制御しても、伝達遅延時間分だけ電機子巻線の回転磁界形成が遅れてモータ効率が低下する。したがって、検出された回転位置に対して通電時間帯の設定を先行させることが好ましく、先行する時間をロータの回転角度で表して進み角と称している。ここで、電気信号の伝達遅延時間が一定であるのに対しロータの回転速度は変化するので、進み角を可変に制御することが好ましい。この種の進み角制御技術の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1のブラスレスモータのセンサレス制御方法は、回転速度と減算率との関係を予め求めて記憶しておき、実際に回転速度を検出したときに対応する減算率で遅延時間を減じるようにしている。ここで、遅延時間は、ロータが基準位置を通過してから通電を開始するまでの時間を意味している。つまり、遅延時間の減少は、通電時間帯の先行時間の増加を意味し、進み角に対応する量である。このことは、特許文献1中の図3に例示されたモータ回転速度と進み角制御量(および減算率)の関係を示す特性図を見れば一目瞭然である。これにより、効率がよく、設定した回転速度と実際の回転速度との間の偏差が小さい制御方法を実現できるとされている。
また、特許文献2のモータ駆動装置は、直流電圧を方形波交流電圧に変換して供給するインバータ部と、ロータ位置検出手段と、インバータ部の通電角(通電時間帯)を制御する駆動制御手段と、電力検出手段とを備え、駆動制御手段は検出した電力値が目標に略一致するように通電角を制御することを特徴としている。さらに、請求項2では、モータ印加電圧位相または電流位相の進み角を制御する制御手段を備え、進み角をも制御するようになっている。これにより、低損失・ハイパワーで、高速モータを安価な制御装置で駆動できる、とされている。
特開2005−278360号公報 特開2008−167525号公報
ところで、特許文献1のセンサレス制御方法では、特許文献1中の図3に例示されるように、モータの回転速度と進み角制御量の関係を予め求めてテーブルに記憶しておく必要がある。したがって、特性の異なるモータに対してそれぞれ、予め実測などを行って進み角テーブルを用意する必要があり手間がかかる。また、設計上は同じ特性でもモータには個体差があるので、一律の進み角テーブルを使用しても各個体に対して最適な制御が行えるとは限らない。さらに、1台のモータでも三相間に構造上のばらつきを有する場合があり、必ずしも各相に対して最適な制御が行えるとは限らない。
また、特許文献2のモータ駆動装置は、従来構成にない電力検出手段を備えるため、その分コストが上昇する。さらに、制御パラメータとして、通電角、進み角、および電圧振幅を調整制御するが、これらのパラメータは複雑に互いに影響しあうとされており(特許文献2の段落0047など参照)、効率が最大となるように制御するのは実際には難しい。また、直流電源電圧を可変に制御する構成のため、PWM方式のインバータ回路を含む構成には、そのままでは適用できない。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、予め進み角テーブルを用意する手間が不要で、モータの特性の違いや個体差、三相間の構造上のばらつきに依存せず適正に進み角を制御して良好なモータ効率を発揮できるセンサレスブラシレスモータの駆動装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るセンサレスブラシレスモータの駆動装置の発明は、三相の電機子巻線を有するステータおよび磁極対を有するロータを備えるセンサレスブラシレスモータの前記電機子巻線の三相の端子に電源電圧を供給する電源回路と、前記電源回路から前記電源電圧が供給されない非通電時間帯に前記端子に誘起される誘起電圧を検知し、前記誘起電圧に基づいて前記ロータの回転位置を検出する位置検出回路と、前記位置検出回路で検出した前記ロータの前記回転位置に基づくとともに、前記電源回路および前記位置検出回路における伝達遅延時間を補償する進み角を考慮し、前記電源電圧を供給する通電時間帯のタイミングを制御する進み角制御信号を設定して前記電源回路に送出する電源制御回路と、を備えるセンサレスブラシレスモータの駆動装置であって、前記電源制御回路は、少なくとも一相の端子における前記非通電時間帯の始点から前記誘起電圧が増加して前記電源電圧の中間レベル値に達するまでの立上り前期時間および前記誘起電圧が前記中間レベル値に達してから前記非通電時間帯の終点までの立上り後期時間のセット、ならびに前記少なくとも一相の端子における前記非通電時間帯の始点から前記誘起電圧が減少して前記電源電圧の中間レベル値に達するまでの立下り前期時間および前記誘起電圧が前記中間レベル値に達してから前記非通電時間帯の終点までの立下り後期時間のセットのうち少なくとも一方のセットを検知する時間検知部と、前記時間検知部で検知された前記立上り前期時間と前記立上り後期時間との大小関係、ならびに前記時間検知部で検知された前記立下り前期時間と前記立下り後期時間との大小関係のうち少なくとも一方の大小関係を判定する進み角判定部と、前記少なくとも一相の前記少なくとも一方の大小関係の判定結果に基づいて前記進み角を加減調整する進み角調整部と、を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記電源制御回路の前記時間検知部は、少なくとも一相の端子における前記立上り前期時間および前記立上り後期時間のセット、ならびに前記少なくとも一相の端子における前記立下り前期時間および前記立下り後期時間のセットを検知し、前記進み角判定部は、前記立上り前期時間と前記立上り後期時間との大小関係、ならびに前記立下り前期時間と前記立下り後期時間との大小関係を判定し、前記進み角調整部は、前記少なくとも一相の端子の2つの前記大小関係の判定結果に基づいて前記進み角を加減調整する、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2において、前記電源制御回路の前記進み角判定部は、前記大小関係を判定する際に所定閾値未満の差では略同じとして大小を判定せず、前記所定閾値以上の差で大小を判定し、前記進み角調整部は、前記立上り前期時間が前記立上り後期時間より大きいときおよび前記立下り前期時間が前記立下り後期時間より大きいときに前記進み角を減少させ、前記立上り前期時間が前記立上り後期時間より小さいときおよび前記立下り前期時間が前記立下り後期時間より小さいときに前記進み角を増加させる、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記電源制御回路の前記時間検知部は、三相の端子における各前記立上り前期時間および各前記立上り後期時間の3セット、ならびに前記三相の端子における各前記立下り前期時間および各前記立下り後期時間の3セットを検知し、前記進み角判定部は、合計6セットについてそれぞれ前記大小関係を判定し、前記進み角調整部は、前記合計6セットの前記大小関係の判定結果の多数決論理に基づいて三相に共通な進み角を加減調整することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記電源制御回路の前記時間検知部は、三相の端子における各前記立上り前期時間および各前記立上り後期時間の3セット、ならびに前記三相の端子における各前記立下り前期時間および各前記立下り後期時間の3セットのうち少なくとも一方の3セットを検知し、前記進み角判定部は、前記時間検知部で検知された前記少なくとも一方の3セットについてそれぞれ前記大小関係を判定し、前記進み角調整部は、前記少なくとも一方の3セットの前記大小関係の判定結果に基づいて三相個別に進み角を加減調整することを特徴とする。

請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記電源回路は、パルス幅変調方式により前記電源電圧のデューティ比を可変とするインバータ回路を含むことを特徴とする。
請求項1に係るセンサレスブラシレスモータの駆動装置の発明は、電源回路と位置検出回路と電源制御回路とを備え、電源制御回路は、時間検知部と進み角判定部と進み角調整部とを有している。ここで、電機子巻線の端子の誘起電圧が電源電圧の中間レベル値になることは、電機子巻線の正面にロータの磁極対の中間点が位置していることを意味している。また、立上り前期時間と立上り後期時間が等しく、立下り前期時間と立下り後期時間が等しいことは、通電時間帯のタイミングの制御が良好であること、すなわち進み角の設定が適正であることを意味している。したがって、三相の端子の誘起電圧の立上りおよび立下りのうち少なくとも1箇所で前期時間(立上り前期時間または立下り前期時間)と後期時間(立上り後期時間または立下り後期時間)の大小関係を判定することにより進み角の良否を判定できる。また、大小関係があるときには進み角を加減調整して通電時間帯のタイミングを適正化できる。したがって、電機子巻線が形成する回転磁界とロータの磁極対との相対回転位置関係が適正に保たれて、良好なモータ効率を得ることができる。
さらに、本発明では、進み角の良否を自己判定して自律的に加減調整するので、従来技術のように予め進み角テーブルを用意する手間は不要である。また、モータの定格や仕様を始めとする特性の違いや量産時の個体差に依存せず、各モータで個別にかつ最適に進み角を制御して、良好なモータ効率を得ることができる。
請求項2に係る発明では、少なくとも一相の端子の誘起電圧の立上りと立下りの両方で進み角の良否を判定でき、大小関係があるときには進み角を加減調整できる。したがって、ロータが電気角の360°回転する間に2回の判定および加減調整を行えて、制御精度が向上する。
請求項3に係る発明では、進み角判定部は前期時間と後期時間の大小関係を判定する際に、所定閾値未満の差では略同じとして大小を判定せず、所定閾値以上の差で大小を判定し、進み角調整部は、所定閾値を考慮した判定結果に基づいて進み角を加減調整する。したがって、わずかな検出誤差などによって生じる些細な大小関係に起因して、無意味に煩雑に進み角を変更することがなくなり、駆動装置の動作が安定する。
請求項4に係る発明では、三相の端子の誘起電圧の立上りと立下りの両方、すなわち合計6セットの前期時間および後期時間を用いて進み角の良否を判定し、かつ、判定結果の多数決論理に基づいて三相に共通な進み角を加減調整する。したがって、三相間に構造上のばらつきがある場合、三相に対して平均的に良好となるように進み角を調整でき、モータ効率の最大化を図ることができる。また、偶発的なノイズの影響や欠測などで6セット中の一部の判定結果の信頼性が低下しても、多数決論理を用いるので進み角の調整は良好となり、駆動装置として高い信頼性を確保できる。
請求項5に係る発明では、三相の端子の誘起電圧の立上りと立下りの少なくとも一方の3セットの前期時間および後期時間を用いて進み角の良否を判定し、進み角調整部は、三相個別に進み角を加減調整する。したがって、三相間に構造上のばらつきがある場合、相ごとに異なる進み角を設定でき、モータ効率の最大化を図ることができる。
請求項6に係る発明では、電源回路は、パルス幅変調方式により電源電圧のデューティ比を可変とするインバータ回路を含んでいる。本発明は、パルス幅変調方式のインバータ回路を含む構成で実施することができ、請求項1〜5の効果が顕著となる。
第1実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動装置の全体装置構成を説明する図である。 第1実施形態の駆動装置で、電源制御回路によりセンサレスブラシレスモータの通電および非通電時間帯を制御する方法を説明する一覧表の図である。 図2に示される制御により各部に発生する電圧波形を例示した図である。 電源制御回路の時間検知部、進み角判定部、および進み角調整部の制御動作を説明するフローチャートの図である。 進み角が過大な場合の位置検出回路内の合成電圧の波形を例示した図である。 進み角が過小な場合の位置検出回路内の合成電圧の波形を例示した図である。 第2実施形態における電源制御回路の時間検知部、進み角判定部、および進み角調整部の制御動作を説明するフローチャートの図である。
本発明の第1実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動装置について、図1〜図6を参考にして説明する。図1は、第1実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動装置1の全体装置構成を説明する図である。駆動装置1は、パルス幅変調(PWM)方式(以降はパルス幅変調をPWMと略記)により電源電圧のデューティ比を可変とするインバータ回路2を用いてセンサレスブラシレスモータ9を駆動し、ロータの回転速度に応じて進み角Aの制御を行う装置である。進み角Aは、インバータ回路2および位置検出回路3における電気信号の伝達遅延時間を補償して、ステータ91の電機子巻線92〜94の通電時間帯のタイミングを適正化し、モータ効率を向上するための量である。
センサレスブラシレスモータ9は、Δ結線された三相の電機子巻線92、93、94を有するステータ91、および図略の磁極対を有するロータを備え、ロータの回転位置を検出するセンサを備えていない。ステータ91には、U相端子95U、V相端子95V、およびW相端子95Wが設けられている。U相端子95UとV相端子95Vの間にはUV間電機子巻線92が接続され、同様に、V相端子95VとW相端子95Wの間にはVW間電機子巻線93、W相端子95WとU相端子95Uの間にはWU間電機子巻線94が接続されている。本第1実施形態では、ステータ91の電機子巻線92、93、94の極数、およびロータの磁極対の数量に特別な制約はない。
駆動装置1は、電源回路を構成するインバータ回路2、ロータの回転位置を検出する位置検出回路3、およびインバータ回路2に通電制御信号SCを送出する電源制御回路4により構成されている。インバータ回路2の入力端子21および接地端子Eには図略の直流電源装置が接続されており、電源電圧Vccが供給されるようになっている。
インバータ回路2は、図示されるように三相ブリッジ回路で構成されている。詳述すると、入力端子21と接地端子Eとの間に、U相電源側スイッチング素子22UとU相接地側スイッチング素子23Uとが直列接続され、両素子22U、23U間にU相出力端子24Uが設けられている。同様に、V相電源側スイッチング素子22VとV相接地側スイッチング素子23Vとの間にV相出力端子24Vが設けられ、W相電源側スイッチング素子22WとW相接地側スイッチング素子23Wとの間にW相出力端子24Wが設けられている。各スイッチング素子22U〜22W、23U〜23Wには、例えば電界効果トランジスタ(FET)を用いることができ、通電制御信号SCにより導通状態および遮断状態に切り替え制御できるように構成する。各相出力端子24U、24V、24Wはそれぞれ、電源線25U、25V、25Wによりステータ91の各相端子95U、95V、95Wに接続されている。
インバータ回路2の各スイッチング素子22U〜22W、23U〜23Wの開閉制御により、ステータ91の各相端子95U、95V、95Wは3つの状態をとる。この3つの状態は各相で同様であるので、U相端子95を例に説明する。U相端子95Uは、U相電源側スイッチング素子22Uが導通状態でU相接地側スイッチング素子23Uが遮断状態のとき電源電圧Vccに拘束され、U相電源側スイッチング素子22Uが遮断状態でU相接地側スイッチング素子23Uが導通状態のときゼロ電圧に拘束され、U相電源側スイッチング素子22Uおよび接地側スイッチング素子23Uがともに遮断状態のときハイインピダンス状態になる。
ハイインピダンス状態のU相端子95Uには、誘起電圧VUiが誘起される。このU相誘起電圧VUiは、U相端子95Uに接続されたUV間電機子巻線92およびWU間電機子巻線94にロータの磁極対からの磁束が鎖交することで発生する。したがって、U相誘起電圧VUiは、UV間およびWU間電機子巻線92、94とロータとの相対回転位置関係に依存して変化し、回転位置を検出する指標となり得る。なお、U相電源側スイッチング素子22UおよびU相接地側スイッチング素子23Uがともに導通状態になる制御は禁止されて、電源電圧短絡故障が防止されている。
位置検出回路3は、三相の合成抵抗31U、31V、31W、比較器34、および位置検出部37で構成されている。三相の合成抵抗31U、31V、31Wは、抵抗値Rが互いに等しく、それぞれ各相の電源線25U、25V、25Wと共通の合成点32との間に接続されている。つまり、三相の合成抵抗31U、31V、31WはY結線され、合成点32はY結線中性点になっている。後述するように、合成点32には、ステータ91の各相端子95U、95V、95Wの誘起電圧VUi、VVi、VWiを合成した合成電圧Vmixが発生する。合成点32は、比較器34の正側入力端子+に接続されて、合成電圧Vmixが入力される。
一方、比較器34の負側入力端子−には、直流電源装置の電源電圧Vccを等しい抵抗値rで半分に分圧した中間レベル値VM(=Vcc/2)が基準電圧として入力されている。比較器34は、正側入力端子+に入力された合成電圧Vmixを負側入力端子−の中間レベル値VMと大小比較して位置信号SXを出力する。つまり、比較器34の出力端子35で、合成電圧Vmixが中間レベル値VMよりも小さいと位置信号SXはローレベルLとなり、合成電圧Vmixが中間レベル値VM以上になると位置信号SXはハイレベルHになる。比較器34の出力端子35は、位置検出部37に接続されて、位置信号SXが入力される。
位置検出部37は、後に波形例を参考にして詳述するように、比較器34の位置信号SXを入力とし、ローレベルLとハイレベルHの変化タイミングを以ってロータの基準回転位置を検出する。また、複数個の基準回転位置を検出した時間差から、ロータの回転速度を検出する。
電源制御回路4は、時間検知部41、進み角判定部42、進み角調整部43、タイミング生成部44、インバータ制御部45、およびPWM生成部46で構成されている。電源制御回路4の詳細な機能については後の動作説明で詳述するので、ここでは概要を説明する。
時間検知部41には、比較器34から位置信号SXが入力され、インバータ制御部45から通電相切替信号SYが入力される。そして、時間検知部41は、各相端子95U、95V、95Wにおける誘起電圧VUi、VVi、VWiの立上りおよび立下りで、合計6セットの前期時間Tr1U、Tr1V、Tr1W、Tf1U、Tf1V、Tf1W、および後期時間Tr2U、Tr2V、Tr2W、Tf2U、Tf2V、Tf2Wを検知する。なお、添字の1は前期時間、2は後期時間を示し、添字のrは立上り、fは立下りを示し、添字のU、V、およびWは三相の別を示し、以降の記載では適宜添字を省略する。
進み角判定部42は、合計6セットの前期時間T1および後期時間T2の大小関係を判定する。進み角調整部43は、合計6セットの大小関係の判定結果の多数決論理に基づいて三相に共通な進み角Aを加減調整する。タイミング生成部44は、位置検出回路3の位置検出部37で検出したロータの基準回転位置および回転速度に基づくとともに、加減調整された進み角Aを考慮し、通電時間帯のタイミングを制御する進み角制御信号SAを設定する。インバータ制御部45は、タイミング生成部44から進み角制御信号SAを取得し、PWM生成部46からPWM信号SPを取得する。インバータ制御部45は、取得した進み角制御信号SAおよびPWM信号SPにしたがい、インバータ回路2を制御する通電制御信号SCを設定して送出する。また、インバータ制御部45は、通電相を切り替えたタイミングで通電相切替信号SYを時間検知部41に送出する。通電相切替信号SYは、通電時間帯および非通電時間帯の始点および終点を示す信号である。
次に、上述のように構成された第1実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動装置1によるモータ9の駆動動作について説明する。図2は、第1実施形態の駆動装置1で、電源制御回路4によりセンサレスブラシレスモータ9の通電および非通電時間帯を制御する方法を説明する一覧表の図である。図示されるように、電源制御回路4は6つの期間1)〜6)に分けて、各相端子95U、95V、95Wの状態制御を行う。一覧表中の各欄は、該当する期間における各相端子95U、95V、95Wの状態を示している。表中の「Hi−Z」はハイインピダンス状態を示し、「L」はゼロ電圧拘束状態を示し、「PWM」はPWM制御状態を示している。
例えば期間1)において、U相端子の欄は「Hi−Z」であり、インバータ回路2のU相電源側スイッチング素子22UおよびU相接地側スイッチング素子23Uの両方が遮断状態とされて、U相端子95Uがハイインピダンス状態であることを示している。また、V相端子の欄は「L」であり、インバータ回路2のV相電源側スイッチング素子22Vが遮断状態とされV相接地側スイッチング素子23Vが導通状態とされて、V相端子95Vがゼロ電圧に拘束されていることを示している。また、W相端子の欄は「PWM」であり、インバータ回路2のW相接地側スイッチング素子23Wが遮断状態とされW相電源側スイッチング素子22Wが指令されたPWM周波数およびデューティ比で導通状態および遮断状態に切り替え制御されることを示している。これにより、W相端子95Wには、電源電圧Vccとゼロ電圧に振動する矩形波が発生する。したがって、W相端子95WとV相端子95Vの間に接続されたVW間電機子巻線93がPWM制御により通電される。また、期間1)はU相端子95Uの非通電時間帯となり、U相誘起電圧VUiの検知が可能になっている。
同様に期間2)において、U相端子の欄は「PWM」であり、U相端子95Uには指令されたPWM周波数およびデューティ比で電源電圧Vccとゼロ電圧に振動する矩形波が発生する。また、V相端子の欄は「L」であり、V相端子95Vのゼロ電圧への拘束が継続することを示している。また、W相端子の欄は「Hi−Z」であり、W相端子95Wがハイインピダンス状態であることを示している。これにより、U相端子95UとV相端子95Vの間に接続されたUV間電機子巻線92がPWM制御により通電される。また、期間2)はW相端子95Wの非通電時間帯となり、W相誘起電圧VWiの検知が可能になっている。以下同様に、期間3)〜6)でそれぞれ、順番に各相端子95U、95V、95Wの状態、通電される電機子巻線、および誘起電圧の検知が可能な相端子が変更制御される。
期間1)〜6)はそれぞれ電気角の60°に相当するので、電源制御部4は期間1)〜6)が互いに等期間となるように制御する。また、期間6)に続いて期間1)に戻り、繰り返して同様に制御する。
図2に示されるようにセンサレスブラシレスモータ9の通電および非通電時間帯を制御すると、図3に例示される各部電圧波形が発生する。図3は、図2に示される制御により各部に発生する電圧波形を例示した図である。図3の横軸は共通の時間軸でかつ期間1)〜6)は図2に対応しており、波形は上から順番にU相端子電圧VU、V相端子電圧VV、W相端子電圧VW、合成電圧Vmixおよび中間レベル値VMを示している。図中のU相端子電圧VUで、期間2)および期間3)に発生している矩形波の繰り返しはPWM制御による通電時間帯を示し、期間5)および期間6)はゼロ電圧拘束による通電時間帯を示している。また、U相端子電圧VUで、期間1)に発生している増加の傾斜とPWM制御が重なった波形、および期間4)に発生している減少の傾斜とPWM制御が重なった波形は、非通電時間帯の誘起電圧VUiを示している。図中のV相端子電圧VVおよびW相端子電圧VWについても、期間1)〜6)が異なることを除いて同様の見方をすることができる。
また、各相端子電圧VU、VV、VWには、各スイッチング素子22U〜22W、23U〜23Wが開閉制御されて通電相が切り替えられたタイミングで逆起電力波形Zが発生している。図中で逆起電力波形Zは或る程度の時間幅を有しているが、実際には瞬間的な波形である。逆起電力波形Zは、前述の通電相切替信号SYと同時に発生し、各期間1)〜6)の境目に重畳している。
一方、位置検出回路3では、三相の合成抵抗31U、31V、31Wの作用により、合成点32に各相の誘起電圧VUi、VVi、VWiを合成した合成電圧Vmixが発生する。合成電圧Vmixは、各相の誘起電圧VUi、VVi、VWiが増加および減少する波形に、逆起電力波形Zが重畳した波形となる。図3の波形例では、合成電圧Vmixは、期間1)のU相誘起電圧VUiの増加、期間2)のW相誘起電圧VWiの減少、期間3)のV相誘起電圧VViの増加、期間4)のU相誘起電圧VUiの減少、期間5)のW相誘起電圧VWiの増加、および期間6)のV相誘起電圧VViの減少が連なり、各期間1)〜6)の境目に逆起電力波形Zが重畳した波形となっている。
この合成電圧Vmixが位置検出回路3の比較器34の正側入力端子+に入力される。比較器34の出力端子35では、合成電圧Vmixの波形が中間レベル値VMと交差するタイミングで、位置信号SXのローレベルLとハイレベルHが切り替わる。位置検出部37は、このローレベルLとハイレベルHが切り替わるタイミング、すなわち図3で誘起電圧Vswの波形が中間レベル値VMと交差する点P1〜P6を以ってロータの基準回転位置を検出する。ここで、誘起電圧VUi〜VWiが電源電圧Vccの中間レベル値VMになることは、電機子巻線92〜94の正面にロータの磁極対の中間点が位置していることを意味している。したがって、例えば点P1〜P6をそれぞれ、電気角の30°、90°、150°210°、270°、および330°とすることができる。また、点P1〜P6の発生時間間隔からロータの回転速度を検出することができる。なお、位置検出部37内では、逆起電力波形Zはマスキングされて影響を受けないようになっている。
電源制御回路4の時間検知部41には、位置信号SXおよび通電相切替信号SYが入力される。以降の電源制御回路4の制御動作については、図4も参考にして説明する。図4は、電源制御回路4の時間検知部41、進み角判定部42、および進み角調整部43の制御動作を説明するフローチャートの図である。図4のステップS1で、時間検知部41は、立上り前期時間Tr1および立上り後期時間Tr2を検知する。具体例として、時間検知部41は、図3の波形例の期間1)で、U相の非通電時間帯の始点からU相誘起電圧VUiが増加して中間レベル値VMに達するまでの立上り前期時間Tr1U、およびU相誘起電圧VUiが中間レベル値VMに達してから非通電時間帯の終点までの立上り後期時間Tr2Uのセットを検知する。補足すると、非通電時間帯の始点および終点は通電相切替信号SYから求められ、中間レベル値VMへの到達は位置信号SXが切り替わるタイミングで求められる。
図4のステップS2で、時間検知部41は、立下り前期時間Tf1および立下り後期時間Tf2を検知する。具体例として、時間検知部41は、図3の波形例の期間2)で、W相の非通電時間帯の始点からW相誘起電圧VWiが減少して中間レベル値VMに達するまでの立下り前期時間Tf1W、およびW相誘起電圧VWiが中間レベル値VMに達してから非通電時間帯の終点までの立下り後期時間Tf2Wのセットを検知する。次のステップS3で、三相合計6セット集まったか否か判定し、不足していればステップS1に戻る。図3の波形例では、ステップS1およびS2を各3回実施して期間1)〜6)でそれぞれ検知を行うことにより6セット集まるので、ステップS4に進む。
ステップS4で、進み角判定部42は、合計6セットの前期時間T1(Tr1、Tf1)と後期時間T2(Tr2、Tf2)についてそれぞれ大小関係を判定する。大小関係を判定する際に所定閾値を設け、所定閾値未満の差では略同じとして大小を判定せず、前期時間T1=後期時間T2と判定する。所定閾値以上の差があるときは、前期時間T1>後期時間T2、または前期時間T1<後期時間T2と判定する。判定終了後は、ステップS5に進む。なお、図4のフローチャートでは6セット集まった時点で一括して大小関係を判定しており、別法として、各セットで大小関係を判定し判定結果が6個集まった時点でステップS5に進むようにしてもよい。
ステップS5で、進み角調整部43は、合計6セットの大小関係の判定結果の多数決論理を調査する。多数決論理では、最多数を占める判定結果を採用し、また、判定結果が3対3や2対2対2に割れるおそれに対して予め採るべき判定結果を定めておく。多数決論理にしたがい、前期時間T1=後期時間T2では進み角Aの現在値を維持し、ステップS1に戻る。前期時間T1>後期時間T2では、ステップS6に進んで進み角Aを刻み幅ΔAだけ減少させ、前期時間T1<後期時間T2では、ステップS7に進んで進み角Aを刻み幅ΔAだけ増加させる。ステップS6およびステップS7の後、ステップS1に戻り、次の電気角360°に対して同様の制御動作を行う。
タイミング生成部44は、位置検出回路3の位置検出部37から、ロータが基準回転位置に達したタイミング(図9の波形例ではP1〜P6の各タイミングに相当)および回転速度を取得するとともに、進み角調整部43から加減調整された進み角Aを取得する。そして、タイミング生成部44は、ロータの基準回転位置に対して進み角Aだけ先行するように進み角制御信号SAを設定する。進み角制御信号SAは、電気角の360°に相当する期間を設定し、360°の中における各相端子の状態を指示する信号である。これにより、各相端子95U〜95WのPWM制御およびゼロ電圧拘束の各120°の通電時間帯のタイミングが制御される。進み角制御信号SAは、インバータ制御部45に送出される。
インバータ制御部45は、タイミング生成部44から進み角制御信号SAを取得し、PWM生成部46からPWM信号SPを取得する。PWM信号SPは、PWM周波数およびデューティ比を指示する信号である。インバータ制御部45は、取得した進み角制御信号SAおよびPWM信号SPにしたがい、インバータ回路2の各スイッチング素子22U〜22W、23U〜23Wを開閉制御する通電制御信号SCを設定して送出する。以上の説明でわかるように、進み角制御信号SAは図3の期間1)〜6)の発生タイミングを制御し、PWM信号SPは期間1)〜6)よりも短い周期で繰り返す矩形波の形状を制御する。
ところで、図3の波形例において、前期時間T1(Tr1U、Tf1W、……)と後期時間T2(Tr2U、Tf2W、……)は概ね等しくなっている。これは、通電時間帯のタイミングの制御が良好であること、すなわち進み角Aの設定が適正であることを意味している。このとき、図4のステップS4で前期時間T1=後期時間T2と判定され、進み角Aの現在値が維持される。
次に、進み角Aの設定が不適正に陥った場合の制御動作について、図5および図6を参考にして説明する。図5は進み角Aが過大な場合の位置検出回路3内の合成電圧Vmixの波形を例示した図であり、図6は進み角Aが過小な場合の位置検出回路3内の合成電圧Vmixの波形を例示した図である。
図5において、立上り前期時間Tr1は立上り後期時間Tr2より大きく、立下り前期時間Tf1も立下り後期時間Tf2より大きい。これは、図3の適正な状態と比較して誘起電圧VUi、VVi、VWiの発生が遅れていることを示し、ステータ91の電機子巻線92〜94が形成する回転磁界に対してロータの磁極対の相対回転位置が遅れていることを意味している。逆に言えば、電機子巻線92〜94への通電が早すぎ、各相端子95U〜95Wの通電時間帯のタイミングが早すぎることを意味している。したがって、図4のステップS4で前期時間T1>後期時間T2と判定して、ステップS6で進み角Aを減少させることにより、各相端子95U〜95Wの通電時間帯のタイミングを遅らせて適正化することができる。
一方、図6において図5とは逆に、立上り前期時間Tr1は立上り後期時間Tr2よりも小さく、立下り前期時間Tf1も立下り後期時間Tf2より小さい。これは、図3の適正な状態と比較して誘起電圧VUi、VVi、VWiの発生が進んでいることを示し、ステータ91の電機子巻線92〜94が形成する回転磁界に対してロータの磁極対の相対回転位置が進んでいることを意味している。逆に言えば、電機子巻線92〜94への通電が遅すぎ、各相端子95U〜95Wの通電時間帯のタイミングが遅すぎることを意味している。したがって、図4のステップS4で前期時間T1<後期時間T2と判定して、ステップS6で進み角Aを増加させることにより、各相端子95U〜95Wの通電時間帯のタイミングを進ませて適正化することができる。
本第1実施形態では、前期時間T1と後期時間T2の大小関係を判定し、大小関係があるときには進み角Aを加減調整して通電時間帯のタイミングを適正化している。したがって、電機子巻線92〜94が形成する回転磁界とロータの磁極対との相対回転位置関係が適正に保たれて、良好なモータ効率を得ることができる。さらに、進み角Aの良否を自己判定して自律的に加減調整するので、従来技術のように予め進み角テーブルを用意する手間は不要である。また、モータ9の定格や仕様を始めとする特性の違いや量産時の個体差に依存せず、各モータ9で個別にかつ最適に進み角Aを制御して、良好なモータ効率を得ることができる。
また、前期時間T1と後期時間T2の大小関係を判定する際に、所定閾値未満の差では略同じとして大小を判定せず、所定閾値以上の差で大小を判定する。したがって、わずかな検出誤差などによって生じる些細な大小関係に起因して、無意味に煩雑に進み角Aを変更することがなくなり、駆動装置1の動作が安定する。加えて、合計6セットの前期時間T1および後期時間T2を用いて進み角Aの良否を判定し、かつ、判定結果の多数決論理に基づいて三相に共通な進み角Aを加減調整する。したがって、モータ9の三相間に構造上のばらつきがある場合、三相に対して平均的に良好となるように進み角を調整でき、モータ効率の最大化を図ることができる。また、偶発的なノイズの影響や欠測などで6セット中の一部の判定結果の信頼性が低下しても、多数決論理を用いるので進み角Aの調整は良好となり、駆動装置1として高い信頼性を確保できる。
次に、三相個別に進み角A1を加減調整する第2実施形態のセンサレスブラシレスモータの駆動装置について説明する。第2実施形態の駆動装置は、図1に示される第1実施形態と同じ装置構成で、電源制御回路4の制御動作が異なる。図7は、第2実施形態における電源制御回路の時間検知部、進み角判定部、および進み角調整部の制御動作を説明するフローチャートの図である。
図7のステップS11で、時間検知部は、或る第1相の立上り前期時間Tr1および立上り後期時間Tr2を検知する。次のステップS12で、進み角判定部は、立上り前期時間Tr1と立上り後期時間Tr2との大小関係を判定する。大小関係を判定する際に所定閾値を設けるのは第1実施形態と同様である。大小関係の判定結果に基づき、進み角調整部は三者択一の処理を行う。すなわち、立上り前期時間Tr1と立上り後期時間Tr2が等しければ進み角A1の現在値を維持し、立上り前期時間Tr1>立上り後期時間Tr2では、ステップS13に進んで進み角A1を刻み幅ΔAだけ減少させ、立上り前期時間Tr1<立上り後期時間Tr2では、ステップS14に進んで進み角A1を刻み幅ΔAだけ増加させる。進み角A1は、第1相だけに用いる個別の量である。三者択一のいずれの場合も、ステップS15に進む。
ステップS15で、時間検知部は、別の第2相の立下り前期時間Tf1および立下り後期時間Tf2を検知する。次のステップS16で、進み角判定部は、立下り前期時間Tf1と立下り後期時間Tf2との大小関係を判定する。大小関係の判定結果に基づき、進み角調整部は三者択一の処理を行う。すなわち、立下り前期時間Tf1と立下り後期時間Tf2が等しければ進み角A2の現在値を維持し、立下り前期時間Tf1>立下り後期時間TfではステップS17に進んで進み角A2を刻み幅ΔAだけ減少させ、立下り前期時間Tf1<立下り後期時間Tf2ではステップS18に進んで進み角A2を刻み幅ΔAだけ増加させる。進み角A2は、別の第2相だけに用いる個別の量である。
三者択一のいずれの場合も、ステップS11に戻り、また別の第3相に対して同様の制御動作を行い、第3相だけに用いる個別の進み角A3を加減調整する。この後、検出相が順番に交替し、立上りと立下りが交互に替って、三相個別の進み角A1、A2、A3が順番に加減調整される。
第2実施形態では、三相個別に進み角A1、A2、A3加減調整するので、モータ9の三相間に構造上のばらつきがある場合、相ごとに異なる進み角を設定でき、モータ効率の最大化を図ることができる。
なお、第1および第2実施形態で、三相の端子の誘起電圧の立上りと立下りの両方、すなわち合計6セットの前期時間および後期時間を用いているが、セット数を減らして制御動作を簡略化することもできる。例えば、代表一相の立上りの前期時間および後期時間のセットだけを用いれば、制御動作は大幅に簡略となる。また、本発明は、通電時間帯が電気角の120°を越えて複数相への通電をオーバーラップさせる制御方式のインバータ回路を含む構成にも実施できる。さらに、PWM方式のインバータ回路2に限定されず、PAM方式のインバータ回路やその他の制御方式の電源回路を含む構成にも実施できる。また、本発明は、Y結線の電機子巻線を有するセンサレスブラシレスモータに対しても実施できる。本発明は、その他様々な応用や変形が可能である。
1:センサレスブラシレスモータの駆動装置
2:インバータ回路(電源回路)
21:入力端子
22U、22V、22W:U相、V相、W相電源側スイッチング素子
23U、23V、23W:U相、V相、W相接地側スイッチング素子
24U、24V、24W:U相、V相、W相出力端子
25U、25V、25W:電源線
E:接地端子
3:位置検出回路
31U、31V、31W:合成抵抗 32:合成点
34:比較器 35:出力端子
37:位置検出部
4:電源制御回路
41:時間検知部 42:進み角判定部 43:進み角調整部
44:タイミング生成部 45インバータ制御部 46:PWM生成部
9:センサレスブラシレスモータ
91:ステータ
92、93、94:UV間、VW間、WU間電機子巻線
95U、95V、95W:U相、V相、W相端子
Vcc:電源電圧 VM:中間レベル値
VU、VV、VW:U相、V相、W相端子電圧
VUi、VVi、VWi:U相、V相、W相誘起電圧
Vmix:合成電圧
Tr1U、Tr1V、Tr1W:立上り前期時間
Tr2U、Tr2V、Tr2W:立上り後期時間
Tf1U、Tf1V、Tf1W:立下り前期時間
Tf2U、Tf2V、Tf2W:立下り後期時間
A:進み角 A1、A2:三相個別の進み角
SX:位置信号 SA:進み角制御信号 SP:PWM信号
SC:通電制御信号

Claims (6)

  1. 三相の電機子巻線を有するステータおよび磁極対を有するロータを備えるセンサレスブラシレスモータの前記電機子巻線の三相の端子に電源電圧を供給する電源回路と、
    前記電源回路から前記電源電圧が供給されない非通電時間帯に前記端子に誘起される誘起電圧を検知し、前記誘起電圧に基づいて前記ロータの回転位置を検出する位置検出回路と、
    前記位置検出回路で検出した前記ロータの前記回転位置に基づくとともに、前記電源回路および前記位置検出回路における伝達遅延時間を補償する進み角を考慮し、前記電源電圧を供給する通電時間帯のタイミングを制御する進み角制御信号を設定して前記電源回路に送出する電源制御回路と、を備えるセンサレスブラシレスモータの駆動装置であって、
    前記電源制御回路は、
    少なくとも一相の端子における前記非通電時間帯の始点から前記誘起電圧が増加して前記電源電圧の中間レベル値に達するまでの立上り前期時間および前記誘起電圧が前記中間レベル値に達してから前記非通電時間帯の終点までの立上り後期時間のセット、ならびに前記少なくとも一相の端子における前記非通電時間帯の始点から前記誘起電圧が減少して前記電源電圧の中間レベル値に達するまでの立下り前期時間および前記誘起電圧が前記中間レベル値に達してから前記非通電時間帯の終点までの立下り後期時間のセットのうち少なくとも一方のセットを検知する時間検知部と、
    前記時間検知部で検知された前記立上り前期時間と前記立上り後期時間との大小関係、ならびに前記時間検知部で検知された前記立下り前期時間と前記立下り後期時間との大小関係のうち少なくとも一方の大小関係を判定する進み角判定部と、
    前記少なくとも一相の前記少なくとも一方の大小関係の判定結果に基づいて前記進み角を加減調整する進み角調整部と、を有することを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  2. 請求項1において、
    前記電源制御回路の前記時間検知部は、少なくとも一相の端子における前記立上り前期時間および前記立上り後期時間のセット、ならびに前記少なくとも一相の端子における前記立下り前期時間および前記立下り後期時間のセットを検知し、
    前記進み角判定部は、前記立上り前期時間と前記立上り後期時間との大小関係、ならびに前記立下り前期時間と前記立下り後期時間との大小関係を判定し、
    前記進み角調整部は、前記少なくとも一相の端子における2つの前記大小関係の判定結果に基づいて前記進み角を加減調整する、ことを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記電源制御回路の前記進み角判定部は、前記大小関係を判定する際に所定閾値未満の差では略同じとして大小を判定せず、前記所定閾値以上の差で大小を判定し、
    前記進み角調整部は、前記立上り前期時間が前記立上り後期時間より大きいときおよび前記立下り前期時間が前記立下り後期時間より大きいときに前記進み角を減少させ、前記立上り前期時間が前記立上り後期時間より小さいときおよび前記立下り前期時間が前記立下り後期時間より小さいときに前記進み角を増加させる、ことを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、
    前記電源制御回路の前記時間検知部は、三相の端子における各前記立上り前期時間および各前記立上り後期時間の3セット、ならびに前記三相の端子における各前記立下り前期時間および各前記立下り後期時間の3セットを検知し、
    前記進み角判定部は、合計6セットについてそれぞれ前記大小関係を判定し、
    前記進み角調整部は、前記合計6セットの前記大小関係の判定結果の多数決論理に基づいて三相に共通な進み角を加減調整することを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項において、
    前記電源制御回路の前記時間検知部は、三相の端子における各前記立上り前期時間および各前記立上り後期時間の3セット、ならびに前記三相の端子における各前記立下り前期時間および各前記立下り後期時間の3セットのうち少なくとも一方の3セットを検知し、
    前記進み角判定部は、前記時間検知部で検知された前記少なくとも一方の3セットについてそれぞれ前記大小関係を判定し、
    前記進み角調整部は、前記少なくとも一方の3セットの前記大小関係の判定結果に基づいて三相個別に進み角を加減調整することを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、前記電源回路は、パルス幅変調方式により前記電源電圧のデューティ比を可変とするインバータ回路を含むことを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
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