JP5677714B2 - 下地化粧料および化粧方法 - Google Patents

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Description

本発明は、日焼け止め化粧料やメイクアップ化粧料等を使用する前に肌に塗布する下地化粧料およびその下地化粧料を用いる化粧方法に関する。
下地化粧料は、化粧下地またはメイクアップベースとも呼ばれるもので、紫外線から皮膚を守るための日焼け止め化粧料や、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメイクアップ化粧料の付きと伸びを良くし、化粧仕上がりや化粧持ちを良くするために、それらの化粧料を使用する前に肌に塗布するものである。このような下地化粧料としては、従来から油中水型、油性型、水中油型などの剤型のものが知られている。このうち、油中水型や油性型は、連続相が油剤や溶剤になるため、肌上に形成される化粧膜が疎水性になり、汗や水による影響を受けにくいという特長を有しており、メイクアップの化粧持ちに優れている。しかし、油性の下地化粧料は、肌への塗布時に油っぽさが強く、伸びや広がりの悪さを感じるという問題があるうえに、化粧料を洗い流す際に高い洗浄力を有する専用の洗浄剤やクレンジング剤を必要とし、皮膚の表面を損傷したり、メイク落としが煩雑になるという問題があった。
そこで、従来からメイク落としが容易になる化粧料の開発が進められており、たとえば、特許文献1には、日焼け止め化粧料、下地化粧料またはメイクアップ化粧料を皮膚に適用する前に、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用する化粧方法が提案されている(請求項1参照)。この方法によれば、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも、日焼け止め化粧料、下地化粧料やメイクアップ化粧料を、通常の洗浄剤やクレンジング剤を用いて容易に洗い流すことができると記載されている(段落0006参照)。しかし、特許文献1に開示されている皮膚外用剤は、シリコーン系皮膜形成剤やフッ素系皮膜形成剤などの皮膜形成剤と揮発性油分を含む油中水型のものであり、油性化粧料に特有の塗布時の油っぽさ、伸びや広がりの悪さの問題があるほか、下地化粧料を使用する前に皮膚外用剤を塗布するという操作が必要になったり、専用クレンジング剤でないとはいえ、やはりクレンジング剤を使用しなければならないという問題があった(段落0057、試験例1参照)。
一方、水中油型の下地化粧料は、肌への塗布時にみずみずしい感触で、伸びや広がりの点で優れているが、汗や水になじみやすく下地膜の持続性(化粧持ち)に難があるうえ、下地化粧の後に撥水性、疎水性の高い日焼け止め化粧料やメイクアップ化粧料を使用した場合には、メイク落としに際してクレンジングオイルなどのメイク落とし化粧料を使用する必要があり、その後、肌に残ったそれらの油分を落とすために、さらにセッケン等の水性洗浄剤で洗浄するという煩瑣な化粧行動をとる必要があった。そのため、肌に塗布する際の使用感に優れ、化粧持ちが良好で、且つ簡単にメイク落としができる水中油型下地化粧料の開発が望まれていた。
そこで従来から、水中油型の下地化粧料の耐水性を改良する試みが行われており、たとえば、特許文献2では、両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを混合して得られる複合体、粉末、水および液状の不揮発性油分を含有する水中油型乳化組成物が提案されている。この水中油型乳化組成物では、ジメチルポリシロキサンなどの不揮発性油分を配合することにより、耐水性の向上を図っているが、多量の両性界面活性剤や半極性界面活性剤が用いられているため耐水性の改良が十分とはいえず、また、使用感やメイク落としの点でも十分なものとは言えなかった。
さらに、最近になって化粧下地の上に重ねたメイクをお湯による洗浄で落とせる下地化粧料が上市され、新しいタイプの化粧料として需要家の間で話題を集めている(非特許文献1)。しかし、この下地化粧料に関する技術的な情報は乏しく、如何なる技術的知見に基づいて開発された技術であるかは明らかにされていない。
一方、特許文献3では、(A)高級脂肪酸、(B)高級アルコール、(C)グリセリン誘導体および(D)紫外線吸収剤を含有し、親水性界面活性剤を含有せず、且つpHが5.0〜7.0である日焼け止め用水中油型乳化化粧料が提案されており、この発明においては、親水性の界面活性剤を用いなくても安定で良好な水中油型乳化化粧料が得られること、また、この化粧料は弱酸性であり、皮膚に対する刺激性も極めて低く、耐水性が高く、汗や水に対して良好な抵抗性を示し、高温多湿となる夏季や運動時においても良好な化粧持続性を示すことが記載されている(段落0034参照)。しかし、この系では、(A)高級脂肪酸、(B)高級アルコールおよび(C)グリセリン誘導体を特定比率で配合する必要があり、(B)高級アルコールまたは(C)グリセリン誘導体を含まない系では乳化力が十分でなく、安定な乳化化粧料が得られないと記載されている(比較例1、2参照)。また、(A)高級脂肪酸の塩と非イオン性界面活性剤により乳化した系は、ややアルカリ性で弱い刺激性を示すこと、および耐水性が十分でないことが記載されている(比較例7参照)。
特開2009−173653公報 特開2008−150299号公報 特許第3614511号公報
週間粧業2013年4月11日(株式会社週間粧業発行)
本発明は、このような事情を背景になされたものであり、その目的は、水中油型下地化粧料としての優れた使用感触と保存安定性を有しながら、肌へ塗布したときに耐水性が高く、その上にメイクアップ化粧料等を使用してもその耐水性を低下させず、メイク落としに際しての洗い流し性にも優れた水中油型下地化粧料を提供することにある。また、他の目的は、疎水性の高いメイクアップ化粧料等を使用しても容易にメイク落としができる化粧方法を提供することにある。
本発明者らは、界面活性剤を用いる水中油型下地化粧料の耐水性の向上と洗い落とし性の向上について鋭意研究努力を重ねた結果、界面活性剤として液状高級脂肪酸を含む高級脂肪酸成分の塩のみを使用し、系のpHを特定範囲に制御すると、皮膚に塗布したときに刺激性がなく、高い耐水性を有し、使用感触と保存安定性に優れた下地用化粧料が得られ、その化粧料を塗布した後にメイクアップ化粧料等を塗布した場合であっても、耐水性を低下させず、セッケンによる洗い落としが容易に行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、第一に、(A)液状高級脂肪酸を含む高級脂肪酸成分の塩を0.5〜12質量%および(B)油剤を3〜40質量%の割合で含有し、(A)高級脂肪酸成分の塩以外の親水性界面活性剤を実質的に含有せず、pHが7.1〜9.5の乳化物である水中油型下地化粧料が提供される。また、第二に、この水中油型下地化粧料を肌に塗布した後、日焼け止め化粧料および/またはメイクアップ化粧料を皮膚に重ねて塗布する化粧方法が提供される。さらに、第三として、上記の方法で化粧した後、アルカリ性セッケンを用いてメイク落としをする化粧方法が提供される。
本発明の水中油型乳化下地化粧料は、みずみずしい使用感触を持つ水中油型乳化化粧料でありながら皮膚に塗布したときに耐水性が高く、保存安定性に優れている。また、この下地化粧料を使用すると、日焼け止め化粧料や、ファンデーション、口紅、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメイクアップ化粧料を塗布した場合に、セッケンで洗浄するだけで重ねたメイクともども容易に落とすことができる。
本発明の水中油型下地化粧料は、(A)液状高級脂肪酸を含む高級脂肪酸成分の塩を0.5〜12質量%および(B)油剤を3〜40質量%の割合で含有し、(A)高級脂肪酸成分の塩以外の親水性界面活性剤を実質的に含有せず、pHが7.1〜9.5の乳化物で形成される水中油型化粧料である。なかでも、pHが5.1の人肌に化粧料を2mg/cmの割合で塗布したとき、30分後の塗布面のpHが7.0以下、さらには6.7以下となるものが好ましい。
本発明において、(A)成分の液状高級脂肪酸を含む高級脂肪酸成分の塩は、乳化剤として用いられる。塩の形成に用いられる高級脂肪酸成分は、液状高級脂肪酸だけで構成しても、また、液状高級脂肪酸と固体状高級脂肪酸の混合系として構成してもよいが、液状高級脂肪酸を含むことが必要であり、固体状高級脂肪酸のみの場合には、伸びや広がりが十分でなくなり、また、セッケンによる洗い落とし性が低下する。液状高級脂肪酸の含有率は、高級脂肪酸の全量中、少なくとも30質量%以上、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、その比率が高いほど伸びや広がりがよくなり、セッケンでの洗い落としが容易になる。また、高級脂肪酸成分が液状高級脂肪酸のみであると、乳化物の調製に当たって加熱工程を設ける必要がなくなるため、経済的に有利であり、品質面でも安定するという利点を有する。
用いられる液状高級脂肪酸は、通常、炭素数9〜25のものであり、とくに炭素数11〜22のものが好ましく、その具体例として、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヘキシルデカン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また二種以上を併用してもよい。これらの中でも、乳化剤としての機能、酸化安定性および使用感の観点から、イソステアリン酸、ヘキシルデカン酸およびオレイン酸が好ましく、中でもイソステアリン酸がより好ましい。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加反応および酸化反応を行うことにより製造することができる( 以下、「アルドール縮合型」と略す)。アルドール縮合型のイソステアリン酸は、例えば、日産化学工業社より市販されている。また、2−ヘプチルウンデカン酸は、ノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、次いで酸化することにより製造することができる。2−ヘプチルウンデカン酸は、例えば、三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似化合物は、日産化学工業社より市販されている。さらに、出発アルコールが直鎖アルコールではなく2箇所で分岐したタイプも、日産化学工業社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。
さらに、エメリー型と称されているイソステアリン酸を使用することができる。エメリー型イソステアリン酸とは、オレイン酸からダイマー酸を合成する際に副生成される不飽和脂肪酸に水素添加して得られる、炭素数18であってメチル基を側鎖に有し、構造が不確定のイソステアリン酸を指し〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.51,522(1974)参照〕、その具体例として、米国エメリー社などから市販されていたものや、高級アルコール工業社製のイソステアリン酸EXを挙げることができる。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等が含まれる場合もある。本発明においては、特にこのエメリー型が好ましく用いられる。
本発明において、液状高級脂肪酸と併用可能な固体状高級脂肪酸は、通常、炭素数10〜25のものであり、とくに炭素数11〜22のものが好ましく、その具体例として、ステアリン酸、べへニン酸、ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などが挙げられる。
一方、上記(A)成分を構成する塩基性物質は、化粧品の調製に使用可能なものであればとくに限定されるものではなく、その具体例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等が挙げられる。
上記(A)成分は、予め塩基によって中和された高級脂肪酸塩として用いてもよいが、化粧料の製造工程に高級脂肪酸成分と塩基性物質を個別に添加し、製造工程内で両成分を中和して高級脂肪酸塩を形成してもよい。両成分を個別に添加する場合、高級脂肪酸成分と塩基性物質は、通常、同等量となるように添加するが、調製される乳化物のpHが7.1〜9.5の範囲になるのであれば、必ずしも同等量である必要はなく、高級脂肪酸/塩基(モル比)が1/0.5〜1/1.5の範囲で適宜選択することができる。
本発明の水中油型下地化粧料において、(A)成分の配合量は、0.5〜12質量%、好ましくは0.8〜8質量%、さらに好ましくは1〜7質量%である。0.5質量%未満では安定な乳化物が得られず、12質量%を越えると皮膚に塗布したとき十分な耐水性が得られない。また、本発明においては、上記(A)成分以外の親水性界面活性剤を実質的に含有させないことが重要である。(A)成分以外の親水性界面活性剤の具体例は、高級脂肪酸の塩以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびHLB7以上の非イオン性界面活性剤であり、「実質的に含有しない」とは、これらの親水性界面活性剤が、その活性剤としての効力を発揮し、皮膚に塗布した化粧膜の耐水性を損ない得る程度の配合量で含まれることを排除することを意味する。具体的には、それらが含まれる場合には、化粧料全体の中で0.2質量%以下、とくに0.1質量%以下にすることが好ましい。また、HLB7以下の非イオン性界面活性剤であっても、耐水性の低下を招きやすいので、配合しないことが好ましい。
本発明の水中油型下地化粧料のpHは、7.1〜9.5、好ましくは7.2〜8.5である。pHが7.1未満では良好な乳化物が得られず、保存安定性が悪く、乳化直後または保存後に油相と水相が分離しやすくなる。pHが9.5を越えると、皮膚に塗布したときに皮膚表面のpHが7.0以上になり、十分な耐水性が得られない。化粧料のpHは、主に高級脂肪酸と中和する塩基のモル比で決まり、本発明の必須成分以外でpHに影響を与える成分がある場合は、塩基の量または必要に応じてpH緩衝剤により、化粧料のpHを7.1〜9.5に調整する。
本発明の水中油型下地化粧料を皮膚に塗布したときに耐水性が発現する機構は定かではないが、以下のように考えられる。すなわち、皮膚表面のpHはおよそ4.0〜6.4の弱酸性であることが知られている(出口勝彦他、化粧品技術者会誌第15巻第2号121−127頁1981年および野中正夫、油脂化学協会誌第1巻第2号67−70頁1952年)。その皮膚表面に本発明の水中油型下地化粧料を塗布すると、皮膚表面に存在する酸性物質等に緩衝され、化粧膜のpHは7以下、好ましくは6.7以下に低下する。pHが7.0を下回ると、配合されている高級脂肪酸の塩は脂肪酸イオンから遊離の脂肪酸に変化し、界面活性剤としての機能を失い、再乳化されにくい油膜を皮膚表面に形成し、耐水性が発現すると考えられる。従って、化粧料のpHが9.5を超える場合および高級脂肪酸の塩の配合量が12質量%を超える場合は、化粧料を皮膚に塗布しても塗布面のpHが7.0以下になりにくく、耐水性が得られない。また、この油膜は、塩基性の環境では高級脂肪酸が高級脂肪酸塩に変化するため、再乳化され易く、そのためセッケンで容易に洗い流すことができるようになる。
なお、皮膚表面(塗布面)のpHは、化粧料を前腕部に2mg/cmの量で塗布し、塗布30分後にpHメーター(皮膚用pH計スキンチェッカーMJ‐120、佐藤商事社製)により測定することができる。
本発明に用いられる(B)成分の油剤は、水中油型乳化物の分散相として存在し、下地化粧料の上に塗布する日焼け止め化粧料や、ファンデーション等のメイクアップ化粧料(仕上げ化粧料)の付着性と伸びを向上させる働きを持つ。(B)成分の油剤は、化粧料の材料として通常使用されているものであれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、いずれも使用可能である。油剤の具体例としては、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油溶性紫外線吸収剤などが上げられる。
より具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス等の炭化水素類;
オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;
ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類;
セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類;
低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類;
パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類;
ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類; などが挙げられる。
また、油溶性紫外線吸収剤の例としては、パラメトキシケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;
ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等の安息香酸エステル系紫外線吸収剤;
サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸パラ−ターシャリーブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;
エチルヘキシルトリアゾン(2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤;
4−ターシャリーブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、アントラニル酸メンチル、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート等が挙げられる。
これらの油剤は、単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において、(B)成分の配合量は、3〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは8〜25質量%である。3質量%未満では仕上げ化粧料の十分な付着性が得られず、40質量%を越えるとべたついた感触になり、化粧崩れが起きやすくなる。
本発明の水中油型下地化粧料は、上記(A)成分および(B)成分に加えて、(C)水溶性増粘剤を含むことが好ましい。(C)水溶性増粘剤の配合割合は、化粧料全体に対して、通常、0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜2質量%であり、(C)水溶性増粘剤を配合することにより、所望の粘度、使用感に調整することができ、保存安定性がさらに向上する。
用いられる水溶性増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、ベントナイトなどが挙げられ、好ましくはカルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。これらの水溶性増粘剤は、単独で、または2 種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の水中油型下地化粧料は、上記(A)成分および(B)成分に加えて、(D)多価アルコールを含むことが好ましい。(D)多価アルコールの配合割合は、化粧料全体に対して、通常、0.3〜30質量%、好ましくは1〜25質量%であり、(D)多価アルコールを配合することにより、所望の保湿感、使用感に調整することができる。また、本発明の水中油型乳化化粧料を後記するD相乳化法により調製する場合は、(A)成分/(D)成分の質量比を1/0.2〜1/10としてD相を形成すると、保存安定性がさらに向上する。
本発明の水中油型下地化粧料は、上記(A)成分および(B)成分に加えて、(E)粉体を含むことが好ましい。(E)粉体の配合割合は、化粧料全体に対して、通常、0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%であり、(E)粉体を配合することにより、感触調整や下地化粧料として、肌色を明るく見せる、しわや毛穴の凹凸を目立たなくさせるなどのメイクアップ効果を付与することができる。
用いられる粉体は、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、また、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素類、複合粉体類のいずれであってもよい。
用いられる粉体の具体例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、コンジョウ、群青、無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、スメクタイト、ベントナイト、カオリン、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類; オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類; ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ポリスチレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、セルロース、結晶セルロース、酢酸セルロース等の有機粉体類;等が挙げられる。
これら粉体は、一種又は二種以上の複合化したものを用いても良く、必要に応じて、公知の表面処理剤であるアルミナ、シリカ、酸化鉄等の無機化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物、リン脂質、リン脂質誘導体、金属石鹸、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等により表面処理して用いることもできる。
これらの中でも、球状の有機粉体、たとえば、ポリスチレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、セルロース、結晶セルロース、酢酸セルロース等を使用すると、毛穴などの凹凸を効果的に隠蔽できるので好ましい仕上がりが得られる。球状酢酸セルロースの市販品の例としては、チッソ社製のセルフローTA-25(粒子径7μm)を挙げることができる。
また、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄等の無機粉体類も好ましいものであり、とくに、シリカ等の金属酸化物で被覆した無機粉体類は、乳化安定性、色変化の防止の点で優れている。たとえば、被覆処理をした酸化鉄粉体を使用すると、(A)成分の脂肪酸イオンが酸化鉄表面に吸着し、粉体が凝集したり、乳化が不安定になるのを防ぐことができる。シリカ被覆赤酸化鉄の市販品の例として、日揮触媒化成社製のSYMPHOLIGHT RW、シリカ被覆黄酸化鉄の市販品の例として、SYMPHOLIGHT Y10をそれぞれ挙げることができる。
本発明の水中油型下地化粧料には、通常の化粧料に配合されるその他の成分、たとえば、水溶性の紫外線吸収剤、(C)成分以外の水溶性高分子、皮膜形成剤、アルコール類、粘土鉱物、樹脂、(D)成分以外の保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH 調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、包接化合物等を配合することができる。
本発明の水中油型下地化粧料は、界面活性剤として上記(A)成分を使用することにより、上記(B)成分を水に分散させることによって調製される。化粧料の調製法は、特に限定されるものではなく、たとえば、以下のような方法を採用することができる。
(1)(A)成分を含む水相と(B)成分を含む油相を予め調製した後、(B)成分を含む油相を(A)成分を含む水相に撹拌しながら徐々に添加して水中油型乳化物とする方法。
(2)(A)成分を構成する高級脂肪酸成分と塩基性物質を別々に配合する場合であって、高級脂肪酸成分を(B)成分とともに油相に配合し、塩基性物質を配合した水相を、攪拌下に油相に徐々に添加して水中油型乳化物とする方法。因みに、この方法はセッケン乳化法または反応乳化法と呼ばれ、油/水界面で乳化剤であるセッケンが生成するため、少ないエネルギーで微細なエマルションができるといわれている。
(3)(A)成分と多価アルコールおよび水を含むD相(界面活性剤相)と称される混合物を予め形成した後、撹拌下に(B)成分を含む油相を徐々に加えてゲル状エマルション(O/D相)とし、さらに必要に応じて水で薄めて水中油型乳化物とする方法(以下、D相乳化法という)。
なかでも、D相乳化法で製造すると、粒子径の小さい安定な乳化物とすることができ、肌上での伸びや広がり易さ、みずみずしい感触の点から好ましい。D相乳化法では、多価アルコールとしてグリセリンが好ましく使用される。また、(A)成分/多価アルコールの質量比は1/0.2〜1/10であることが好ましく、(A)成分/水の質量比は1/0.2〜1/10であることが好ましい。
化粧料の調製に当たっては、(A)成分の原料となる高級脂肪酸成分と塩基性物質を別々に添加し、化粧料の製造過程で高級脂肪酸成分の塩を生成させることが操作性および品質の安定性の上で好ましい。また、(A)成分の原料として液状高級脂肪酸のみを使用する場合には、固体高級脂肪酸を用いる場合に必要となる加熱工程を省略することが可能となり、経済的に有利であるとともに品質の安定化にも寄与する。得られる水中油型下地化粧料の形態はとくに限定されず、たとえば、クリーム状、ゲル状、乳液状、液状(希薄な乳液)の何れの形態であってもよい。
本発明の下地化粧料を用いて化粧する方法は常法に従えばよく、その実施態様として以下のような方法が例示される。
(1)本発明の下地化粧料を皮膚に塗布した後、日焼け止め化粧料を塗布し、さらに必要に応じてメイクアップ化粧料を塗布する方法。
(2)本発明の下地化粧料を皮膚に塗布した後、メイクアップ化粧料を塗布し、さらに必要に応じて日焼け止め化粧料を塗布する方法。
(3)化粧水、乳液、美容液等の基礎化粧料で肌を整えた後、上記(1)または(2)に従う方法。
これらの実施態様において、2種以上のメイクアップ化粧料を重ねて使用することができる。なお、本発明においてメイクアップ化粧料とは、ファンデーション、口紅、リップグロス、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉のいずれかを意味している。
本発明の化粧方法によれば、下地化粧料が優れた耐水性を有することから日焼け止め化粧料やメイクアップ化粧料を塗布した後でも化粧崩れが改善される上に、水中油型下地化粧料で肌を整えるために、その上に日焼け止め化粧料やメイクアップ化粧料を塗布する場合であっても、油っぽさを感じることが少なくなる。しかも、メイク落としに当たっては、通常のアルカリ性セッケン(すなわち、高級脂肪酸塩)を用いて水または温水で洗浄することにより日焼け止め化粧料やメイクアップ化粧料と下地化粧料を同時に落とすことができる。アルカリ性セッケンは、植物性高級脂肪酸塩、動物性高級脂肪酸塩、合成高級脂肪酸塩のいずれでもよく、また、形状は固形、液状のいずれであってもよい。アルカリ性セッケンのpHは、皮膚の上で遊離している下地化粧料の前記(A)成分が再び塩を形成できるように適宜選択すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。各成分の配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。
参考例1 リキッドーファンデーション(LF1)の調製
表1に示す組成のリキッドファンデーション(LF1)を下記の製造手順にしたがって調製し、以下の実施例および比較例におけるメイクアップ化粧料として使用した。
<製造方法>
(1)成分1〜13を混合して油相(a)を調製する。
(2)成分14〜18を混合して水相(b)を調製する。
(3)常温にて、油相(a)に水相(b)を少量ずつ混合して油中水型リキッドファンデーションを調製する。
Figure 0005677714
実施例1および比較例1
表2に示す組成の下地化粧料を下記の製造手順にしたがって調製し、そのpHを測定した。得られた下地化粧料は、乳化状態のキメが細かいものであった。次いで、この下地化粧料を2mg/cmの割合で評価パネルの肌(肌のpHは5.1)および評価用のバイオスキンプレート(Beaulax社製)に指サックを装着した指で塗布し、30分後に塗布面のpHおよび接触角を下記の評価法にしたがって測定した。次いで、この下地化粧料を女子評価パネル20名の肌に塗布し、塗布面のpH、撥水性および使用感(みずみずしさ、さっぱり感)を下記の評価方法に従って評価した。また、下地化粧料を塗布した後、その上に参考例1で得たリキッドファンデーション(LF−1)を重ねて塗布し、塗布面の接触角を測定した。さらに、下記の評価法にしたがってメイク落としに際しての洗浄性を評価した。結果を表2に示す。
<製造手順> D相乳化法による調製
(1)成分1〜6を混合してD相(a)を調製する。
(2)成分7〜11を混合して油相(b)を調製する。
(3)成分13〜20を混合して水相(c)を調製する。
(4)成分21〜24を混合して水相(d)を調製する。
(5)常温にて、D相(a)に油相(b)を少量ずつ混合し、ゲル状のO/Dエマルション相(e)を調製する。
(6)O/Dエマルション相(e)に成分12を少量ずつ混合し、次いで水相(c)および水相(d)の順で混合して化粧料を調製する。
<pHの測定法>
皮膚用pH計スキンチェッカーMJ‐120(佐藤商事社製)を用いて測定した。
<接触角の測定法>
化粧膜の上に水滴を静かに落とし、表面に形成された水滴の状態を写真撮影して、その形状に基づいて接触角を測定した。
<評価方法1:撥水性の評価>
女子評価パネル(20名)の前腕内側に試料(下地化粧料)を2mg/cmとなるように指サック装着の指で塗布し、塗布30分後に水滴を静かに落とし、その接触角を測定して、下地化粧料を塗布したときの撥水性を以下の基準で評価した。また、下地化粧料の塗布後、その上からリキッドファンデーション(LF−1)を塗布して、同様の手法により接触角を測定して、ファンデーション塗布後の撥水性を以下の基準で評価した。
◎:接触角が75°以上
○:接触角が60°以上75°未満
△:接触角が20°以上60°未満
×:接触角が20°未満
<評価方法2:使用感(みずみずしさ、さっぱり感)>
女子評価パネルの顔面に試料を塗布し、塗布時の使用感(みずみずしさ、さっぱり感)について、下記の評価基準に従って官能評価した。
◎:20名中16名以上が、みずみずしい、さっぱりしていると回答
○:20名中11〜15名が、みずみずしい、さっぱりしていると回答
△:20名中6〜10名が、みずみずしい、さっぱりしていると回答
×:20名中5名以下が、みずみずしい、さっぱりしていると回答
<評価方法3:洗浄性の評価>
下地化粧料およびその上からリキッドファンデーション(LF−1)塗布後、市販の弱アルカリ性固形セッケン(花王ホワイト:花王社製)を用いて常温の水で洗浄し、その洗い流し易さを下記の評価基準に従って官能評価した。
◎:20名中16名以上が、洗い流しやすいと回答
○:20名中11〜15名が、洗い流しやすいと回答
△:20名中6〜10名が、洗い流しやすいと回答
×:20名中5名以下が、洗い流しやすいと回答
<評価方法4:保存安定性の評価>
試料を50℃の恒温槽中で30日間保管し、油相と水相の分離の有無を目視で観察し、以下の基準に従って保存安定性を評価した。
○:30日間保管しても油相と水相の分離を生じない
△:30日経過後には油相と水相の分離が見られる
×:日焼け止め化粧料の調製直後に、油相と水相の分離が生じる
Figure 0005677714
表2の結果から、非イオン性界面活性剤を含む場合(比較例1)には、耐水性が劣り、メイク落としに際しての洗浄性も十分でないことがわかる。
比較例2
表3に示す組成の油中水型の下地化粧料を下記の製造手順にしたがって調製し、得られた下地化粧料について、実施例1と同様にして塗布面のpHおよび接触角を測定するとともに、使用感およびメイク落としに際しての洗浄性を評価した。結果を表4に示す。
比較例3
下地化粧料を使用することなく、肌のうえに参考例1で得たリキッドファンデーション(LF−1)を直接塗布して、塗布面の接触角を測定するとともに、メイク落としに際しての洗浄性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005677714
<製造手順>
(1)成分1〜10を混合して油相(a)を調製する。
(2)成分11〜14を混合して水相(b)を調製する。
(3)常温にて、油相(a)に水相(b)を少量ずつ混合して化粧料を調製する。
Figure 0005677714
表4の結果から、本発明の下地化粧料を塗布した後にファンデーションを塗布した場合(実施例1)は、撥水性の機能を保ちながら優れた洗浄性を示すことがわかる。これに対して、高級脂肪酸塩以外の親水性界面活性剤を含む場合(比較例1)には、ファンデーションを重ねて塗布したときの撥水性および洗浄性において実施例1のレベルには至らなかった。比較例2の油中水型下地化粧料は、ファンデーションを重ねて塗布したときに撥水性の低下はないものの、洗浄性に劣るものであった。また、人肌の代わりにバイオスキンプレートに塗布する場合には、形成された化粧膜のpHは化粧料のpHと同じであった。
実施例2〜5および比較例4〜6
下記表5に示す組成の下地化粧料を下記の製造手順1または2に従って調製し、塗布後の肌のpH、撥水性、使用感(みずみずしさ、さっぱり感)、洗浄性および保存性を実施例1と同様にして評価した。なお、実施例2のみが<製造手順2>に従い、その他の実施例および比較例はすべて<製造手順1>に従って調製した。結果を表5に示す。
<製造手順1> D相乳化法による調製
(1)成分1〜5を混合してD相(a)を調製する。
(2)成分6〜10を混合して油相(b)を調製する。
(3)成分12〜19を混合して水相(c)を調製する。
(4)成分20〜23を混合して水相(d)を調製する。
(5)常温にて、D相(a)に油相(b)を少量ずつ混合し、ゲル状エマルションのO/D相(e)を調製する。
(6)O/D相(e)に成分11を少量ずつ混合し、次いで水相(c)および水相(d)の順で混合して化粧料を調製する。
<製造手順2> セッケン乳化法による調製
(1)成分1〜4および11〜19を混合して水相(a)を調製する。
(2)成分5〜10を混合して油相(b)を調製する。
(3)成分20〜23を混合して水相(c)を調製する。
(4)常温にて、油相(b)に水相(a)を少量ずつ混合し、乳化相(e)を調製する。
(5)乳化相(e)に水相(c)を少量ずつ混合し、化粧料を調製する。
Figure 0005677714
表5の結果から、本発明の下地化粧料は、撥水性、使用感(みずみずしさ、さっぱり感)、洗浄性および保存性のいずれにおいても良好な結果を示すこと、化粧料のpHが高くなるにつれて撥水性が低下することがわかる(比較例4)。また、表2に示した実施例1の結果と実施例2の結果との対比から、D相乳化法によって調製した化粧料(実施例1)は、同じ組成のものをセッケン乳化法によって調製した化粧料(実施例2)に比較して使用感(みずみずしさ、さっぱり感)がより優れていることがわかる。
また、(A)成分として使用するイソステアリン酸および水酸化カリウムの配合量が過度に少ない場合(比較例5)には、化粧料の調製直後に分離が生じたため、評価をすることができなかった。逆に、イソステアリン酸および水酸化カリウムの配合量が過度に多い場合(比較例6)には、肌に塗布したときのpHが上がって撥水性が悪くなるうえに、実施例に比較して使用感(みずみずしさ、さっぱり感)においてもやや不足している。
実施例6
下記表6に示す組成の下地化粧料を下記の製造手順によって調製し、実施例2と同様にしてその性能を評価した。この化粧料では、液状高級脂肪酸であるイソステアリン酸とともに、固体高級脂肪酸であるステアリン酸を併用している。結果を表6に示す。
Figure 0005677714
<製造手順> セッケン乳化法による調製
(1)成分1〜10混合し、80℃に加熱溶解して水相(a)を調製する。
(2)成分11〜19を混合し、80℃に加熱溶解して油相(b)を調製する。
(3)油相(b)に水相(a)を少量ずつ混合して乳化相(c)を調製する。
(4)乳化相(c)を冷却し、35℃で成分20を混合して化粧料を調製する。
表6の結果から、イソステアリン酸カリウムとともに、ステアリン酸カリウムを含む場合であっても良好な性能を示すことがわかる。また、この下地化粧料を顔面および唇に塗布し、その上から参考例のリキッドファンデーション、市販の口紅、アイシャドウ、頬紅、アイライナーおよびパウダーファンデーションを塗布した後、弱アルカリ性のセッケンで洗顔を行ったところ、メイク落としを使わなくても、簡単にきれいにメイクを落とすことができた。
本発明の水中油型下地化粧料は、みずみずしい使用感触を持ちながら皮膚に塗布したときに耐水性が高いという特性を有する上に、保存安定性に優れ、且つ油性成分の多いファンデーションを塗布した場合であっても、セッケンを用いる洗浄により簡単にメイク落としができるという特性を有しており、利便性の高い下地化粧料として有用である。

Claims (10)

  1. (A)成分中に75質量%以上の液状高級脂肪酸を含む高級脂肪酸成分の塩を0.5〜12質量%および(B)油剤を3〜40質量%の割合で含有し、(A)高級脂肪酸成分の塩以外の親水性界面活性剤を実質的に含有せず、pHが7.1〜9.5の乳化物であり、且つ、人肌に形成された化粧膜をアルカリ性セッケンにより洗い流す化粧法に使用する水中油型下地化粧料。
  2. 前記(A)高級脂肪酸成分の塩以外の親水性界面活性剤を含む場合には、その割合は0.2質量%以下である請求項1記載の水中油型下地化粧料。
  3. 前記液状高級脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヘキシルデカン酸またはイソステアリン酸である請求項1または2記載の水中油型下地化粧料。
  4. 前記乳化物が、D相乳化法により調製されたものである請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
  5. さらに、(C)水溶性増粘剤を0.01〜3質量%の割合で含有する請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
  6. さらに、(D)多価アルコールを0.3〜30質量%の割合で含有する請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
  7. さらに、(E)粉体を0.1〜20質量%の割合で含有する請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
  8. 乳化物が、人肌に塗布したときに塗布面のpHが7.0以下になるものである請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
  9. 前記(A)成分の割合が0.8〜8質量%である請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の水中油型下地化粧料を人肌に塗布した後、日焼け止め化粧料および/またはメイクアップ化粧料を重ねて塗布し、形成された化粧膜をアルカリ性セッケンを用いて洗い流すことを特徴とする化粧方法。
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