JP5676809B1 - 捻挫緩和器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】固縮した筋肉をもみほぐすことで足首の捻挫を緩和し、腰・膝への負担を軽減する。【解決手段】捻挫緩和器具は、板状の把持部と、該把持部の下端にくるぶしの下を押圧する2つの突起とを有し、前記2つの突起を、互いに向かい合う側で、かつ、把持部の一面側に向かって傾斜させ、前記2つの突起により前記くるぶしの下の筋肉をほぐすことで捻挫を緩和するものである。【選択図】図1
Description
本発明は足首の捻挫を緩和し、腰・膝への負担を軽減する捻挫緩和器具に関する。
捻挫は外力により関節が許容範囲を超えることによって生じる損傷であり、患部に痛みや腫脹、熱感などの炎症を生じる。足関節の捻挫には、内反捻挫と外反捻挫があり、患部の炎症だけでなく、腰や膝にも痛みを伴う場合もある。また、軽い捻挫で患部に炎症を生じない場合や、捻挫に覚えがなくても、腰や膝に痛みを感じることがある。腰や膝の痛みは、足首の捻挫が一つの要因となっている。
内反捻挫の場合、腰や膝が痛むのは、腓骨筋(腓骨筋腱を含む)が固縮していることによる。腓骨筋は、腓骨の外側にあって、足裏から外くるぶし(外果)の下を通って膝下の腓骨頭まで伸びている筋肉であり、歩いたり、走ったり、飛んだり、跳ねたりする基本動作で必要である。腓骨筋腱は外くるぶしの下で腓骨筋支帯により押さえられている。頻繁に捻挫を起こしたり、くるぶしの下が痛むのも、腓骨筋の固縮が原因である。
外反捻挫の場合は、足裏から内くるぶし(内果)の下を通って膝下まで伸びている後脛骨筋や長趾屈筋が固縮する。
捻挫によるくるぶしの下の痛みや、腰や膝の痛みを緩和するには、このような腓骨筋や後脛骨筋、長趾屈筋をほぐすことが必要である。また、固縮した腓骨筋や後脛骨筋、長趾屈筋のうち硬直した部分を探しあてて、その部分を集中的にもみほぐすことも効果的である。
従来、筋肉をほぐすことを主体とした器具は存在しないが、人体のつぼを押す2つの突起を有するものとして、特許文献1、特許文献2があり、4つの突起を有するものとして特許文献3、特許文献4がある。しかし、これらは、つぼに押し付けるものであり、捻挫に関係するくるぶしの周りの筋腱や腓骨や脛骨に沿った筋肉をほぐすには適していない。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、固縮した筋肉をもみほぐすことで足首の捻挫を緩和し、腰・膝への負担を軽減する捻挫緩和器具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明の捻挫緩和器具は、板状の把持部と、該把持部の下端にくるぶしの下を押圧する2つの突起とを有し、前記2つの突起を、互いに向かい合う側で、かつ、把持部の一面側に向かって傾斜させ、前記2つの突起により前記くるぶしの下の筋肉をほぐすことで捻挫を緩和するものである。
この捻挫緩和器具の把持部を持って2つの突起を例えば外くるぶしの下に押し当てることで、腓骨筋を安定した状態で押さえることができる。また2つの突起が互いに向かい合う側で、かつ、把持部の一面側に向かって傾斜しているため、くるぶしに回り込んだ筋肉の痛みのある要所部分をとらえて、効果的に押さえることができる。
前記把持部は板状で、側端に2つの山部を有することが好ましい。捻挫緩和器具の2つの突起を患部に押し付けたために痛みを感じた場合は、この2つの山部を筋肉に沿って摩ることで、痛みをとり、筋肉をほぐすことができる。
前記課題を解決するための他の手段として、本発明の捻挫緩和器具は、把持部と、該把持部の下端にくるぶしの下と上を押圧する2組の2つの突起とを有し、前記2つの突起を、互いに向かい合う側で、かつ、把持部の中央に向かって傾斜させ、前記2つの突起により前記くるぶしの下の筋肉をほぐすことで捻挫を緩和するものである。
この捻挫緩和器具の把持部を持って2組の2つの突起を例えば外くるぶしの下と上に押し当てることで、腓骨筋を安定した状態で押さえることができる。また2つの突起が互いに向かい合う側で、かつ、把持部の中央に向かって傾斜しているため、くるぶしに回り込んだ筋肉の痛みのある要所部分をとらえて、効果的に押さえることができる。
前記把持部は、基部と、該基部の上面に突出する円柱部とからなり、円柱部から基部まで中央に貫通孔を有することが好ましい。把持部を握るときに貫通孔に人差し指を入れることで把持をしっかりと握ることができ、2つの突起を患部により安定してかつ十分に押さえることができる。
本発明の捻挫緩和器具によれば、固縮した筋肉をもみほぐすことで足首の捻挫を緩和し、腰・膝への負担を軽減することができる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る捻挫緩和器具1を示す正面図及び側面図である。この捻挫緩和器具1は、把持部2と2つの突起3a、3bとからなっている。捻挫緩和器具1は、桐などの木材、ゴム、プラスチックで形成することができる。
把持部2は、略矩形の板状であり、手で握りやすいように角や辺縁には丸みが設けられている。把持部2の大きさは、幅5〜6cm、高さ5〜6cm、厚さ1〜1.5cmが好ましいが、これに限るものではない。把持部2の両側端は、外側になだらかに湾曲する2つの山部4a、4bが形成され、山部4a、4bの間は谷部5となっている。山部4a、4bの間隔は、4〜5cmが好ましいがこれに限るものではない。
2つの突起3a、3bは、把持部2の下端に設けられ、互いに向かい合う側で、かつ、把持部2の一面側に向かって傾斜している。換言すれば、2つの突起3a、3bは、正面から見て把持2部の中心線6に向かう側に湾曲して傾斜するとともに、側面から見て背面から正面に向かう方向に湾曲して傾斜している。2つの突起3a、3bは、先端に向かって細くなるように形成され、先端の間隔は3.5〜5cmが好ましい。
捻挫緩和器具1は、治療者又は本人が把持部2を握って、図2に示すように、捻挫した足首のくるぶしA1、A2の下に2つの突起3a、3bを押し当てる。具体的には、内反捻挫の場合は、外くるぶし(外果)A1の下方にある腓骨筋Cに押し当てる。外反捻挫の場合は、脛骨Dの下端の内くるぶし(内果)A2の下方にある後脛骨筋Eや長趾屈筋Fに押し当てる。突起3a、3bが1対あることで、筋肉C,E,Fを安定した状態で抑えることができる。また、2つの突起3a、3bは、互いに向かい合う側で、かつ、把持部2の一面側に向かって傾斜しているため、突起3a、3bをくるぶしA1,A2の内側に押し込むように押し当てることができ、くるぶしA1,A2に回りこんでいる筋肉C,E,Fの痛みのある要所部分をとらえて、効果的に押さえることができる。これにより、捻挫によって固縮した腓骨筋Cや後脛骨筋E、長趾屈筋Fをほぐすことができ、痛みを緩和することができる。また、捻挫により腰や膝に痛みが生じていても、筋肉をほぐすことにより、腰や膝の痛みを緩和することができる。
捻挫緩和器具1の2つの突起3a、3bを患部に押し当ててもみほぐしている間に痛くなったときは、把持部2の側端を患部に当てて摩るようにすると、痛みを緩和することができる。把持部2の側端は2つの山部4a、4bを有していて、皮膚との接触面積が少ないので、患部を摩っている間に皮膚が熱くなって火傷を負うのを防止することができる。
また、捻挫緩和器具1は、くるぶしA1,A2の下だけでなく、図3に示すように、腓骨Bに沿って伸びる腓骨筋C1、C2に押し当てて筋肉をほぐすこともできる。この場合でも、2つの突起3a、3bは傾斜しているため、長腓骨筋C1の内側に回り込む短腓骨筋C2に対しても有効に押し当ててほぐすことができる。
また、図4に示すように、脛骨Dに沿って伸びる後脛骨筋Eや長趾屈筋Fに押し当てて筋肉をほぐすこともできる。押し当てる箇所は、脛骨Dの延びる方向の3か所でよい。この場合、図5A,図5Bに示すように、2つの突起3a、3bは傾斜しているため、脛骨Dの内側縁Gより深い位置にある長趾屈筋Fや該長趾屈筋Fよりさらに深い位置にある後脛骨筋Eに対して有効に押し当ててほぐすことができる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る捻挫緩和器具11を示す斜視図、図7,8はその正面図及び底面図である。この捻挫緩和器具11は、把持部12と2組の2つの突起13a、13b、13c、13dとからなっている。捻挫緩和器具11は、第1実施形態の捻挫緩和器具1と同様に、桐などの木材、ゴム、プラスチックで形成することができる。
把持部12は、基部14と、該基部14の上面に突出する円柱部15とからなっている。基部14は4つの角に丸みがある矩形の板状であるが、円形の板状でもよい。基部14は、5〜6cmの正方形で、厚さ1〜1.5cmが好ましいが、これに限るものではない。円柱部15は、径3.5〜4、5cm、高さ1.5〜2cmが好ましいが、これに限るものではない。把持部12には、円柱部15から基部14まで中央に貫通孔16が形成されている。貫通孔16の径は、人差し指や親指が入る大きさで、2〜2.5cmの円形が好ましいが、楕円形でも構わない。
2組の2つの突起13a、13b、13c、13dは、把持部12の基部の下端、すなわち、基部14の下面の4つの角部に設けられ、互いに向かい合う側で、かつ、把持部12の中央に向かって傾斜している。換言すれば、2組の2つの突起13a、13b、13c、13dは、正面又は側面から見て把持部12の中心線17に向かう側に湾曲して傾斜するとともに、底面から見て把持部12の中央に向かう方向に湾曲して傾斜している。2組の2つの突起13a、13b、13c、13dは、先端に向かって細くなるように形成され、先端の間隔は3.5〜5cmが好ましい。
第2実施形態の捻挫緩和器具11は、第1実施形態の捻挫緩和器具1が2つの突起3a、3bが1組であるのに対して、2組の2つの突起13a、13b、13c、13dを有していることが大きな相違であるが、使用方法及びその作用効果は第1実施形態の捻挫緩和器具1とほぼ同様である。ただ、第2実施形態の捻挫緩和器具11では、図9に示すように、2組の2つの突起13a、13b、13c、13dを例えばくるぶしA2の下と上に押し当てて使用する。また、脛骨Dに沿った位置で使用する場合は、図10Aに示すように、1組目の2つの突起13a、13bを脛骨Dの内側縁Gと長趾屈筋Fの間に当て、2組目の2つの突起13c、13dを脛骨Dの前縁Hと前脛骨筋Iの間に当てて、図10Bに示すように、脛骨Dを掴みように押し付ける。このように、第2実施形態の捻挫緩和器具11は、2組の2つの突起13a、13b、13c、13dを有しているため、筋肉をより安定した状態で押さえることができる。
前記2つの実施形態では、捻挫緩和器具1,11の構成と、捻挫緩和器具1,11による捻挫の緩和、さらに腰及び膝の痛みの緩和について説明したが、本発明の捻挫緩和器具1,11は、固縮した筋肉の硬直した部分を探しあてて捻挫を確認することにも使用することができる。
具体的に説明すれば、捻挫と気が付かない程度に軽く足首を捩じったり、運動不足や老化による腓骨筋の固縮により、くるぶしの下が痛んだり、腰や膝が痛む患者の場合、2つの突起13a、13b又は13c、13dを足首の例えば外くるぶしA1の周りの腓骨筋Cに押し当てて、弾力の有無によって、あるいは患者が感じる痛みの有無によって捻挫であることを確認できる。このようにして、腓骨筋Cの硬直した部分を探し当てて、その部分を集中的にほぐすことで、くるぶしの下の痛みや、腰・膝の痛みを緩和することができる。
また、本発明の捻挫緩和器具1,11は、捻挫の緩和だけでなく、2つの突起13a、13b又は13c、13dをリンパ管やリンパ節に押し付けることで、リンパの流れを良くし、むくみや各種の病状を改善することができる。さらに、くるぶしA1,A2や、腓骨B、脛骨Dに沿った位置には多くのつぼ(経穴)や反射区があるので、これらのつぼや反射区を2つの突起13a、13b又は13c、13dで押し付けることで各種の病状を改善することができる。
特に、捻挫緩和器具11の2組の2つの突起13a、13b、13c、13dを、内くるぶしの周りに存在する鼠蹊部、下半身リンパ線、股関節、陰茎・膣・尿道、腰椎、仙骨、膀胱、子宮・前立腺、直腸・肛門等の反射区や、外くるぶしの周りに存在する上半身リンパ腺、股関節、膝、生殖腺、下腹部等の反射区にぴたりと押し付けることができ、これらの反射区に対応する内臓や各器官を活発にすることができる。本発明者は、突起13a、13b、13c、13dの対角位置にある一方の反射区に痛みがある患者は、他方の反射区にも痛みがあることを経験的に知見している、このため、1つの反射区の痛みを探し当ててそこに例えば突起13aを押し当てれば、突起13aに押し当てられている反射区と、対角位置にある突起13dに押し当てられている反射区にそれぞれ対応する内臓や器官の活動が活発化し、症状が緩和される。
1 捻挫緩和器具
2 把持部
3a、3b 2つの突起
4 山部
11 捻挫緩和器具
12 把持部
13a、13b、13c、13d 2組の2つの突起
14 基部
15 円柱部
16 貫通孔
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Claims (4)
- 板状の把持部と、該把持部の下端にくるぶしの下を押圧する2つの突起とを有し、前記2つの突起を、互いに向かい合う側で、かつ、把持部の一面側に向かって傾斜させ、前記2つの突起により前記くるぶしの下の筋肉をほぐすことで捻挫を緩和することを特徴とする捻挫緩和器具。
- 前記把持部は、側端に2つの山部を有することを特徴とする請求項1に記載の捻挫緩和器具。
- 把持部と、該把持部の下端にくるぶしの下と上を押圧する2組の2つの突起とを有し、前記2つの突起を、互いに向かい合う側で、かつ、把持部の中央に向かって傾斜させ、前記2つの突起により前記くるぶしの下の筋肉をほぐすことで捻挫を緩和することを特徴とする捻挫緩和器具。
- 前記把持部は、基部と、該基部の上面に突出する円柱部とからなり、円柱部から基部まで中央に貫通孔を有することを特徴とする請求項3に記載の捻挫緩和器具。
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